しかしながら、従来のエネルギー使用量表示装置においては、エネルギー使用量自体についての情報は示されているものの、現在状況が例えば目標値又は過去の実績と比べて、使い過ぎ状態にあるのか節約状態にあるのかという状況、あるいは、どの程度の使い過ぎ又は節約の状況にあるのかということを、ユーザーが見ただけでは十分に把握することができないものであった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、時間経過により変動する第1エネルギー使用量に係る情報と、この第1エネルギー使用量と対比すべき対象として設定される第2エネルギー使用量に係る情報とを対象として、エネルギー使用における両者の状況を、視覚的に一目で把握し得るエネルギー使用量表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明では、使用電力量、ガス使用量及び水道使用量の内の少なくとも1のエネルギー使用量を計測するためのエネルギー使用量計測部から出力を受けて記憶するエネルギー使用量記憶部と、エネルギー使用量表示モニターと、前記エネルギー使用量記憶部内の記憶データを用いエネルギー使用量に係る情報を前記エネルギー使用量表示モニターに対し表示制御する表示制御手段とを備えたエネルギー使用量表示装置を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記表示制御手段として、前記エネルギー使用量に係る少なくとも一組の対比される数値であって、時間経過により変動する第1エネルギー使用量に係る情報と、この第1エネルギー使用量と対比すべき対象として設定される第2エネルギー使用量に係る情報とを対象とし、前記第1エネルギー使用量に係る情報を表示するための第1エネルギー使用量表示部を前記エネルギー使用量表示モニターの左右方向一側領域において領域設定する一方、前記第2エネルギー使用量に係る情報を表示するための第2エネルギー使用量表示部を前記エネルギー使用量表示モニターの左右方向他側領域において領域設定し、かつ、前記第1エネルギー使用量が前記第2エネルギー使用量よりも大となる大小関係にあるとき、前記第1エネルギー使用量表示部の表示位置を前記大小関係に対応させて上下方向いずれか一側位置に設定する一方、前記第2エネルギー使用量表示部の表示位置を上下方向に対し他側位置に設定する構成とした(請求項1)。
本発明の場合、エネルギー使用量表示モニターの左右方向一側領域に第1エネルギー使用量表示部が表示され、左右方向他側領域に第2エネルギー使用量表示部が表示され、かつ、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大となる大小関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置を大小関係に対応させて上下方向いずれか一側位置に設定する一方、第2エネルギー使用量表示部の表示位置を上下方向に対し他側位置に設定するようにしているため、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、その表示位置の高い/低いという上下方向の違いを一目で認識し得ることとなる。このため、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大であるという現在のエネルギー使用状況に係る情報について、一目見るだけで把握可能となし得ることになる。
本発明のエネルギー使用量表示装置において、表示制御手段として、第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量とが互いに略等しい関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置と、第2エネルギー使用量表示部の表示位置とを上下方向に対し互いに同じレベル位置になるよう両者の表示位置を設定する構成とすることができる(請求項2)。このようにすることにより、請求項1の場合と同様に、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、それらの上下方向に対する表示位置が同等か否かを一目で認識し得ることとなる。このため、これら第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量とが互いに同等の状態にあることを、一目見るだけで把握可能となし得ることになる。
本発明のエネルギー使用量表示装置において、表示制御手段として、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも小となる大小関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置と、第2エネルギー使用量表示部の表示位置とを、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大となる大小関係にあるときの前記各表示位置とは上下方向に対し逆の側の各位置に設定する構成とすることができる(請求項3)。このようにすることにより、請求項1の場合と同様に、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、その表示位置の高い/低いが一目で認識し得ることとなる。このため、現在のエネルギー使用状況が、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも小になっているということについて、一目見るだけで把握可能となし得ることになる。
本発明のエネルギー使用量表示装置において、表示制御手段として、第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量との間の差の大小に応じて、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との両表示位置間の上下方向距離を段階的に又は無段階に変更する構成とすることができる(請求項4)。このようにすることにより、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、それぞれの表示位置の高い/低いという程度の違いを一目で認識し得ることとなる。このため、現在のエネルギー使用状況が第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量とのいずれが大であるかの情報に加えて、その大小の程度がどれ位かの目安について、一目見るだけで把握可能となし得ることになる。
このようなエネルギー使用量表示装置においては、表示制御手段として、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との両表示位置間の上下方向距離の変更を、第1エネルギー使用量表示部と前記第2エネルギー使用量表示部との左右方向の略中間点を支点にして、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部とが点対称を維持するように変更させる構成を付加することができる(請求項5)。このようにすることにより、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との上下方向位置の変更が、前記支点を中心としてシーソーの如く一側がより高くなれば他側がより低く変化するものとなり、前記の第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量とのいずれが大でありかつその大小の程度がどれ位かの目安について、より容易に把握可能となし得ることになる。
又、本発明のエネルギー使用量表示装置においては、表示制御手段として、エネルギー使用量表示モニターの背景の少なくとも一部領域に対し有色の色彩で着色するように構成し、かつ、その着色を前記第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量との大小関係の如何に応じて互いに異なる色彩に変更する構成とすることができる(請求項6)。このようにすることにより、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大か小かによって互いに異なる色彩の着色が付されているため、現在のエネルギー使用状況の如何を、遠くからでも一目見るだけで視覚的に容易に把握し得ることとなる。
このようなエネルギー使用量表示装置においては、表示制御手段として、第1エネルギー使用量表示部と前記第2エネルギー使用量表示部とを互いに結ぶように設定した区画線を挟んで上下方向に対しいずれか一方の領域に対し着色する構成を追加することができる(請求項7)。このようにすることにより、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との上下方向位置の違いが遠くから見ても着色領域の形状の違いにより一目で認識可能となり、前記の現在のエネルギー使用状況の如何についての把握を、視覚的により一層容易に把握し得ることとなる。
第1の発明と同様の目的を達成するための第2の発明では、使用電力量、ガス使用量及び水道使用量の内の少なくとも1のエネルギー使用量を計測するためのエネルギー使用量計測部から出力を受けて記憶するエネルギー使用量記憶部と、エネルギー使用量表示モニターと、前記エネルギー使用量記憶部内の記憶データを用いエネルギー使用量に係る情報を前記エネルギー使用量表示モニターに対し表示制御する表示制御手段とを備えたエネルギー使用量表示装置を対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記表示制御手段として、前記エネルギー使用量に係る少なくとも一組の対比される数値であって、時間経過により変動する第1エネルギー使用量に係る情報と、この第1エネルギー使用量と対比すべき対象として設定される第2エネルギー使用量に係る情報とを対象とし、前記第1エネルギー使用量に係る情報を表示するための第1エネルギー使用量表示部を前記エネルギー使用量表示モニターの上下方向一側領域において領域設定する一方、前記第2エネルギー使用量に係る情報を表示するための第2エネルギー使用量表示部を前記エネルギー使用量表示モニターの上下方向他側領域において領域設定し、かつ、前記第1エネルギー使用量が前記第2エネルギー使用量よりも大となる大小関係にあるとき、前記第1エネルギー使用量表示部の表示位置を前記大小関係に対応させて左右方向いずれか一側位置に設定する一方、前記第2エネルギー使用量表示部の表示位置を左右方向に対し他側位置に設定する構成とした(請求項8)。
この第2の発明の場合、エネルギー使用量表示モニターの上下方向一側領域に第1エネルギー使用量表示部が表示され、上下方向他側領域に第2エネルギー使用量表示部が表示され、かつ、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大となる大小関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置を大小関係に対応させて左右方向いずれか一側位置に設定する一方、第2エネルギー使用量表示部の表示位置を左右方向に対し他側位置に設定するようにしているため、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、その表示位置が左右方向に対しずれていることを一目で認識し得ることとなる。このため、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大であるという現在のエネルギー使用状況に係る情報について、一目見るだけで把握可能となし得ることになる。
本発明のエネルギー使用量表示装置において、第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量とが互いに略等しい関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置と、第2エネルギー使用量表示部の表示位置とを左右方向に対し互いに同じ上下方向位置になるよう両者の表示位置を設定する構成とすることができる(請求項9)。このようにすることにより、請求項8の場合と同様に、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、それらの左右方向に対する表示位置が同等か否かを一目で認識し得ることとなる。このため、これら第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量と同等の状態にあることについて、一目見るだけで把握可能となし得ることになる。
本発明のエネルギー使用量表示装置において、表示制御手段として、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも小となる大小関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置と、第2エネルギー使用量表示部の表示位置とを、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大となる大小関係にあるときの各表示位置とは左右方向に対し逆の側の各位置に設定するように構成とすることができる(請求項10)。このようにすることにより、請求項8の場合と同様に、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、それらの表示位置が左右方向に対しずれていることを一目で認識し得ることとなる。このため、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも小であるという現在のエネルギー使用状況に係る情報について、一目見るだけで把握可能となし得ることになる。
本発明のエネルギー使用量表示装置において、表示制御手段として、第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量との間の差の大小に応じて、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との両表示位置間の左右方向距離を段階的に又は無段階に変更する構成とすることができる(請求項11)。このようにすることにより、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、それぞれの表示位置の左右方向に対するずれの程度の違いが一目で認識し得ることとなる。このため、これら現在のエネルギー使用状況として第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大であるか小であるかの情報に加えて、その大小関係の程度がどれ位かの目安について、一目見るだけで把握可能となし得ることになる。
このようなエネルギー使用量表示装置においては、表示制御手段として、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との両表示位置間の左右方向距離の変更を、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との上下方向の略中間点を支点にして、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部とが点対称を維持するように変更させる構成を追加することができる(請求項12)。このようにすることにより、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との左右方向位置の変更が、前記支点を中心として磁石針の如く一方が左右方向一側に対しより大きく移動すれば、他方が左右方向他側に対しより大きく移動するものとなり、前記の第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量との大小関係の程度がどれ位かの目安について、より容易に把握可能となし得ることになる。
又、本発明のエネルギー使用量表示装置において、表示制御手段として、エネルギー使用量表示モニターの背景の少なくとも一部領域に対し有色の色彩で着色するように構成し、かつ、その着色を前記第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量との大小関係の如何に応じて互いに異なる色彩に変更する構成とすることができる(請求項13)。このようにすることにより、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大か小かの大・小の違いによって互いに異なる色彩の着色が付されているため、現在のエネルギー使用状況の如何を、遠くからでも一目見るだけで視覚的に容易に把握し得ることとなる。
このようなエネルギー使用量表示装置においては、表示制御手段として、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部とを互いに結ぶように設定した区画線を挟んで左右方向に対しいずれか一方の領域に対し着色する構成を追加することができる(請求項14)。このようにすることにより、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との左右方向位置の違いが遠くから見ても着色領域の形状の違いにより一目で認識可能となり、前記の現在のエネルギー使用状況の如何についての把握を、視覚的により一層容易に把握し得ることとなる。
以上の本発明のエネルギー使用量表示装置において、第1エネルギー使用量として現在を含む所定期間内のエネルギー使用量に係る実績値とし、第2エネルギー使用量として前記所定期間内のエネルギー使用量に係る目標値とすることができる(請求項15)。このようにすることにより、現在のエネルギー使用状況として、目標値に対し実績値の状況がどうなっているかを一目で容易に把握可能となる。
又、以上の本発明のエネルギー使用量表示装置において、第1エネルギー使用量として現在を含む所定期間内のエネルギー使用量に係る積算値とし、前記第2エネルギー使用量として過去の前記所定期間と同じ期間内のエネルギー使用量に係る積算値とすることができる(請求項16)。このようにすることにより、現在のエネルギー使用状況として、過去の使用状況に対し現在の使用状況がどうなっているかのエネルギー使用状況を一目で容易に把握可能となる。
以上、説明したように、請求項1〜請求項7のいずれかに係る第1の発明のエネルギー使用量表示装置によれば、エネルギー使用量表示モニターの左右方向一側領域に第1エネルギー使用量表示部を表示し、左右方向他側領域に第2エネルギー使用量表示部を表示し、かつ、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大となる大小関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置を大小関係に対応させて上下方向いずれか一側位置に設定する一方、第2エネルギー使用量表示部の表示位置を上下方向に対し他側位置に設定するようにしているため、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、その表示位置の高い/低いという上下方向の違いを一目で認識することができるようになる。このため、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大であるという現在のエネルギー使用状況に係る情報について、一目見るだけで把握可能とすることができる。
請求項2のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量とが互いに略等しい関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置と、第2エネルギー使用量表示部の表示位置とを上下方向に対し互いに同じレベル位置になるよう両者の表示位置を設定する構成とすることにより、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、それらの上下方向に対する表示位置が同等か否かを一目で認識することができるように。このため、これら第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量とが互いに同等の状態にあることを、一目見るだけで把握可能とすることができる。
請求項3のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも小となる大小関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置と、第2エネルギー使用量表示部の表示位置とを、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大となる大小関係にあるときの前記各表示位置とは上下方向に対し逆の側の各位置に設定する構成とすることにより、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、その表示位置の高い/低いが一目で認識することができるようになる。このため、現在のエネルギー使用状況が、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも小になっているということについて、一目見るだけで把握可能とすることができる。
請求項4のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量との間の差の大小に応じて、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との両表示位置間の上下方向距離を段階的に又は無段階に変更する構成とすることにより、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、それぞれの表示位置の高い/低いという程度の違いを一目で認識することができるようになる。このため、現在のエネルギー使用状況が第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量とのいずれが大であるかの情報に加えて、その大小の程度がどれ位かの目安について、一目見るだけで把握可能とすることができる。
請求項5のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との両表示位置間の上下方向距離の変更を、第1エネルギー使用量表示部と前記第2エネルギー使用量表示部との左右方向の略中間点を支点にして、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部とが点対称を維持するように変更させる構成を付加することにより、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との上下方向位置の変更が、前記支点を中心としてシーソーの如く一側がより高くなれば他側がより低く変化するものとなり、前記の第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量とのいずれが大でありかつその大小の程度がどれ位かの目安について、より容易に把握可能とすることができる。
請求項6のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、エネルギー使用量表示モニターの背景の少なくとも一部領域に対し有色の色彩で着色するように構成し、かつ、その着色を前記第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量との大小関係の如何に応じて互いに異なる色彩に変更する構成とすることにより、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大か小かによって互いに異なる色彩の着色が付されているため、現在のエネルギー使用状況の如何を、遠くからでも一目見るだけで視覚的に容易に把握することができるようになる。
請求項7のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、第1エネルギー使用量表示部と前記第2エネルギー使用量表示部とを互いに結ぶように設定した区画線を挟んで上下方向に対しいずれか一方の領域に対し着色する構成を追加することにより、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との上下方向位置の違いを遠くから見ても着色領域の形状の違いにより一目で認識することができるようになり、前記の現在のエネルギー使用状況の如何についての把握を、視覚的により一層容易に把握することができる。
又、請求項8〜請求項14のいずれかに係る第2の発明のエネルギー使用量表示装置によれば、エネルギー使用量表示モニターの上下方向一側領域に第1エネルギー使用量表示部を表示し、上下方向他側領域に第2エネルギー使用量表示部を表示し、かつ、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大となる大小関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置を大小関係に対応させて左右方向いずれか一側位置に設定する一方、第2エネルギー使用量表示部の表示位置を左右方向に対し他側位置に設定するようにしているため、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、その表示位置が左右方向に対しずれていることを一目で認識することができるようになる。このため、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大であるという現在のエネルギー使用状況に係る情報について、一目見るだけで把握可能とすることができる。
請求項9のエネルギー使用量表示装置によれば、第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量とが互いに略等しい関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置と、第2エネルギー使用量表示部の表示位置とを左右方向に対し互いに同じ上下方向位置になるよう両者の表示位置を設定する構成とすることにより、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、それらの左右方向に対する表示位置が同等か否かを一目で認識することができるようになる。このため、これら第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量と同等の状態にあることについて、一目見るだけで把握可能とすることができる。
請求項10のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも小となる大小関係にあるとき、第1エネルギー使用量表示部の表示位置と、第2エネルギー使用量表示部の表示位置とを、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大となる大小関係にあるときの前記各表示位置とは左右方向に対し逆の側の各位置に設定する構成とすることにより、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、それらの表示位置が左右方向に対しずれていることを一目で認識することができるようになる。このため、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも小であるという現在のエネルギー使用状況に係る情報について、一目見るだけで把握可能とすることができる。
請求項11のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量との間の差の大小に応じて、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との両表示位置間の左右方向距離を段階的に又は無段階に変更する構成とすることにより、第1エネルギー使用量表示部及び第2エネルギー使用量表示部の表示を、たとえ遠くから見たとしても、それぞれの表示位置の左右方向に対するずれの程度の違いが一目で認識することができるようになる。このため、これら現在のエネルギー使用状況として第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大であるか小であるかの情報に加えて、その大小関係の程度がどれ位かの目安について、一目見るだけで把握可能とすることができる。
請求項12のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との両表示位置間の左右方向距離の変更を、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との上下方向の略中間点を支点にして、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部とが点対称を維持するように変更させる構成を追加することにより、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との左右方向位置の変更が、前記支点を中心として磁石針の如く一方が左右方向一側に対しより大きく移動すれば、他方が左右方向他側に対しより大きく移動するものとなり、前記の第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量との大小関係の程度がどれ位かの目安について、より容易に把握可能とすることができる。
請求項13のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、エネルギー使用量表示モニターの背景の少なくとも一部領域に対し有色の色彩で着色するように構成し、かつ、その着色を前記第1エネルギー使用量と第2エネルギー使用量との大小関係の如何に応じて互いに異なる色彩に変更する構成とすることにより、第1エネルギー使用量が第2エネルギー使用量よりも大か小かの大・小の違いによって互いに異なる色彩の着色が付されているため、現在のエネルギー使用状況の如何を、遠くからでも一目見るだけで視覚的に容易に把握することができるようになる。
請求項14のエネルギー使用量表示装置によれば、表示制御手段として、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部とを互いに結ぶように設定した区画線を挟んで左右方向に対しいずれか一方の領域に対し着色する構成を追加することにより、第1エネルギー使用量表示部と第2エネルギー使用量表示部との左右方向位置の違いが遠くから見ても着色領域の形状の違いにより一目で認識可能となり、前記の現在のエネルギー使用状況の如何についての把握を、視覚的により一層容易に把握することができるようになる。
請求項15のエネルギー使用量表示装置によれば、第1エネルギー使用量として現在を含む所定期間内のエネルギー使用量に係る実績値とし、第2エネルギー使用量として前記所定期間内のエネルギー使用量に係る目標値とすることにより、現在のエネルギー使用状況として、目標値に対し実績値の状況がどうなっているかを一目で容易に把握することができるようになる。
請求項16のエネルギー使用量表示装置によれば、第1エネルギー使用量として現在を含む所定期間内のエネルギー使用量に係る積算値とし、前記第2エネルギー使用量として過去の前記所定期間と同じ期間内のエネルギー使用量に係る積算値とすることにより、現在のエネルギー使用状況として、過去の使用状況に対し現在の使用状況がどうなっているかのエネルギー使用状況を一目で容易に把握することができるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るエネルギー使用量表示装置が適用される発電システムの基本構成を示している。この発電システムは、例えば太陽電池パネル等により構成される発電部101で発電される直流電力をパワーコンディショナー102によって交流電力に変換して商用電力系統200に系統連系され、家庭内負荷300(又は構内負荷)に交流電力を供給する一方、余剰電力を商用電力系統200へ逆潮流する構成となっている。符号111はエネルギー使用量計測部であり、このエネルギー使用量計測部111は発電装置100の発電量や電力売買状況(売電か買電か、売電ならその電力値、買電ならその電力値等)を計測し、これらのデータの出力を受けてパワーコンディショナー102により家庭内負荷300の使用電力量が演算により取得されるようになっている。又エネルギー使用量計測部111は、ガスメーター121や水道メーター122等と通信接続されて、家庭内で消費されるガス使用量や水道使用量等も計測するようになっている。なお、ガス使用量や給湯で消費された水道使用量は給湯器コントローラ123からのデータ出力に基づいて演算により計測することもできる。そして、エネルギー使用量計測部111やパワーコンディショナー102と通信可能に接続されたエネルギー使用量表示装置400により、エネルギー使用量に係る情報やエネルギー使用に係る状況が表示されるようになっている。
図2は、前記発電システムとして、より具体的な一例を示したものである。その発電システムは、太陽電池パネルにより主構成される発電部1で発電される直流電力をパワーコンディショナー2によって交流電力に変換して単層3線式の商用電力系統に系統連系され、家庭内負荷3(又は構内負荷)に交流電力を供給するとともに余剰電力を商用電力系統へ逆潮流するように構成されたものである。
商用電力系統の単層3線式の引き込み線5は、買電用メーター6a及び売電用メーター6bを介して配電盤7に接続されている。配電盤7には、アンペアブレーカー8(契約ブレーカー)、漏電ブレーカー9及び安全ブレーカー10が設けられ、これらブレーカー8,9,10を介して系統電力が家庭内負荷3に供給される。また、配電盤7には、安全ブレーカー10から系統電力の供給を受ける電力測定ユニット11が設けられている。パワーコンディショナー2の出力は発電用ブレーカー12を介してアンペアブレーカー8と漏電ブレーカー9との間の接続部13で系統に並列に接続されている。
また、上記接続部13よりも引き込み線5側には、系統を流れる電流値を検出するためのカレントトランス(CT)14が設けられており、このカレントトランス14は電力測定ユニット11に電気的に接続されて、検出値が電力測定ユニット11に供給されている。なお、図示例ではカレントトランス14はU相とV相にそれぞれ設けているが、いずれか一方のみに設けても良い。
電力測定ユニット11は、安全ブレーカー10から供給される系統電力の系統電圧と、カレントトランス14により検出された電流値とに基づき、単位時間あたりの系統からの受電電力に係る平均電力を周期的に演算して、演算により求められた受電電力を符号化してなる受電電力に関するデータを第1の信号線15を介してパワーコンディショナー2へシリアル通信により送出する。なお、受電電力に代えて、所定の単位時間(例えば1〜5秒)あたりの受電電力量を、前記受電電力に関するデータとしてパワーコンディショナー2へ送出することもできる。演算により求められる受電電力は、系統から電力を購入している場合(買電の場合)は正の値となり、系統へ逆潮流している場合(売電の場合)は負の値となる。この逆潮流の有無により、電力売買状況が売電か買電かのいずれであるかについての売電/買電情報の生成が可能となる。かかる逆潮流の有無に関する2値信号(売電/買電情報)を生成して、第2の信号線16を介してパワーコンディショナー2へ出力している。なお、前記の第2の信号線を省いて第1の信号線15のみとし、電力測定ユニット11内に設けた図示省略のマルチプレクサにより受電電力に関するデータと、逆潮流の有無を示す信号とを多重化し、かかる多重化信号を信号線15を介してパワーコンディショナー2の接続端子17へ供給し、パワーコンディショナー2側に設けた図示省略のデマルチプレクサにより逆多重化して、受電電力に関するデータと、逆潮流の有無を示す信号とを制御部21へ供給するようにすることもできる。
なお、電力測定ユニット11は、前記の受電電力又は受電電力量のみでなく、図外のガスメーターや水道メーターと通信接続されており、家庭内で消費されるガス使用量や水道使用量などを計測する機能を具備し、これらガス使用量や水道使用量に関するデータをも併せたシリアルデータとして、電力測定ユニット11からパワーコンディショナー2へシリアル通信により送出するようになっている。
パワーコンディショナー2は、制御部21と、発電部1で発電された直流電力を昇圧して出力するDC/DCコンバーター22と、該コンバーター22の出力をDC/AC変換するインバーター23を備えており、該インバーター23の出力がパワーコンディショナー2の出力となる。制御部21には、第1及び第2の信号線15,16が接続された接続端子17,18を介して、上記の受電電力に関するデータ、並びに、逆潮流の有無に関する2値信号がそれぞれ入力されている。また、パワーコンディショナー2内には、系統連系点の系統電圧を検出するための計器用変圧器24(系統電圧検出手段)が設けられており、該計器用変圧器24は制御部21に電気的に接続され、系統電圧検出値が制御部21に入力されている。そして、パワーコンディショナー2には外付けのエネルギー使用量表示装置4が通信可能に接続されており、このエネルギー使用量表示装置4は屋内に設置され、内蔵された表示制御手段が制御部21から電力売買状況が売電か買電かの売電/買電情報、現在発電量、及び、現在使用電力等の発電システムの電力状況に関する各種データを受信して、エネルギー使用量表示モニター41に対し現在の電力状況を表示できるようになっている。以上のパワーコンディショナー2や電力測定ユニット11によって、図1のエネルギー使用量計測部111が構成されている。
なお、制御部21は、出力される交流電力の力率を制御することにより系統電圧の上昇抑制を行う無効電力制御手段21a、出力の有効電力を抑制するための出力抑制制御手段21b、並びに、系統電圧が系統連系規程に定められる所定電圧を超えたときに発電システムを系統から解列させる解列制御手段21cを備えている。これら各手段21a,21b,21cはマイコンのシーケンス制御によって実現してもよいし、FPGAにより構成しても良いし、各手段毎の専用制御回路によって実現してもよい。
次に、エネルギー使用量表示装置4のエネルギー使用量表示モニター41に対する表示制御手段による表示制御について図3を参照しつつ詳細に説明する。エネルギー使用量表示モニター41は、例えばカラー表示可能なドットマトリクスLCDにより構成することができる。本実施形態における特徴的な表示制御のために、使用電力量、ガス使用量及び水道使用量の内の少なくとも1のエネルギー使用量の出力を利用する。本実施形態では、エネルギー使用量として使用電力量を主対象にして以下説明する。エネルギー使用量表示装置4は、エネルギー使用量表示モニター41や、図示省略の表示制御手段及びエネルギー使用量記憶部を備えて構成されている。エネルギー使用量記憶部は、エネルギー使用量計測部111(電力測定ユニット11)から出力される使用電力量に係る情報を記憶するようになっている。エネルギー使用量表示装置4には使用電力量について目標値(目標電力量)が予め設定され、この設定された目標電力量(第2エネルギー使用量)と、現在使用に係る使用電力量(第1エネルギー使用量)との1組のエネルギー使用量に係る数値について、エネルギー使用量表示モニター41に対し対比表示するようになっている。
前記の目標電力量は、ユーザーによる手動操作によっても入力設定可能であるし、あるいは、過去の使用電力量に係るデータに基づいて自動設定も可能となっている。これら目標電力量と使用電力量とは、いずれも所定の単位期間分として対比表示される。単位期間が例えば1ヶ月間であれば、1ヶ月間の合計の目標電力量として手動もしくは自動で設定された値に基づいて、月初から本日までの経過日数の割合に基づいて本日時点での目標電力量を割り出し、割り出された目標電力量の数値を本日の対比表示するデータとして用いる。例えば本日が9月15日であれば、9月の1ヶ月分として設定された目標電力量に、0.5(15日/30日)を乗じて本日時点で対比表示する目標電力量とする。一方、本日時点で対比表示する使用電力量としては、月初(9月1日)から本日(15日)までの使用電力量を積算した数値を用いる。このような本日時点で対比表示するための目標電力量や使用電力量の割り出し又は積算は、表示制御手段に含まれる演算処理部において行うことができる。又、1ヶ月の目標電力量についての自動設定は、例えば次のような自動演算により行うことができる。すなわち、前月の1ヶ月間の使用電力量、過去数ヶ月間における1ヶ月当たりの平均使用電力量、あるいは、前年の同月の1ヶ月間の使用電力量等に基づいて、これに所定の係数(例えば0.95又は0.90)を乗じて得られる数値を当月の目標電力量として設定することができる。
又、前記の単位期間が1日間であれば、1日毎の目標電力量をユーザーに手動により入力設定させるようにしてもよいし、例えば前日の使用電力量、過去の所定期間内における1日当たりの平均使用電力量、又は、前年の同日の使用電力量に対し、前記と同様の係数を乗じて得られる数値を本日の目標電力量として設定することができる。単位期間を1日間として対比表示する場合には、1日の時間帯毎に電力使用傾向が異なることから、例えば時間帯毎又は1時間毎の目標電力量を設定し、これを時間経過と共に積算することにより、当日の積算使用電力量と対比表示するようにしてもよい。
以上の目標電力量と使用電力量との対比表示に係る表示制御は次のようにして行う。まず、目標電力量と使用電力量との大小関係を割り出す。すなわち、次の(1)式により得られる目標電力量から使用電力量を減じた差Yの値によって、大小関係は次の3通りに場合分けされる。
(目標電力量−使用電力量)=Y …(1)式
Y>0(目標電力量>使用電力量)、Y=略0、Y<0(目標電力量<使用電力量)の3通り。
そして、表示制御手段は、前記の目標電力値や使用電力量の各値に基づいて、エネルギー使用量表示モニター41に対し、次の如き表示を行う。すなわち、図3(a),(b)に示す如く、エネルギー使用量表示モニター41を左右方向に領域を区分し、左右方向一側領域(左側領域)に対し目標電力量を表示するため目標量表示部(第2エネルギー使用量表示部)43を領域設定し、左右方向他側領域(右側領域)に対し使用電力量を表示するための使用量表示部(第1エネルギー使用量表示部)44を領域設定する。目標量表示部43としては、所定形状(図例では円形)に領域設定された内部に対し、上段位置に「目標電力量」との文字表示と、中段位置に「35kWh」との数値表示と、下段位置に電力使用をイメージした図形表示(例えばコンセントの図形表示)とがそれぞれ表示されるようになっている。又、使用量表示部44としては、所定形状(図例では目標量表示部43と同形状の円形)に領域設定された内部に対し、上段位置に「使用電力量」との文字表示と、中段位置に「35kWh」との数値表示と、下段位置に電力使用に係るイメージとして前記と同様のコンセントを表す図形表示とがそれぞれ表示されるようになっている。加えて、目標量表示部43と使用量表示部44との両中心位置を互いに結ぶように区画線45が表示され、区画線45を挟んで一側(下側)領域47が後述の如く着色されるようになっている。
これら目標量表示部43及び使用量表示部44は、目標電力量と使用電力量との大小関係の如何(前記の3通りの場合分け)及び大小関係の程度の如何(前記(1)式の差Yの値の大小)に応じて、上下方向に対し表示位置が変更されるようになっている。図3に示す例では、目標量表示部43と使用量表示部44との両者間の中央位置の仮想支点42を中心に点対称を維持するように目標量表示部43及び使用量表示部44が上下方向に対し互いに逆側に移動するようになっている(図3(a),(b)の一点鎖線,二点鎖線,三点鎖線で示す円領域参照)。目標電力量と使用電力量との大小関係としてY<0(目標電力量<使用電力量)であれば、図3(a)に示すように、前記仮想支点42を中心にして、目標量表示部43が下方に移動し、使用量表示部44が逆に上方に移動する。一方、目標電力量と使用電力量との大小関係としてY>0(目標電力量>使用電力量)であれば、図3(b)に示すように、前記仮想支点42を中心にして、目標量表示部43が上方に移動し、使用量表示部44が逆に下方に移動する。すなわち、数値が大である方がより上方に移動し、小である方がより下方に移動するというように、いわばシーソーの如く表示位置が変更される。従って、Y=略0の場合には、目標量表示部43と使用量表示部44とは互いに同じレベル位置に表示位置が設定される(図3(a),(b)の実線参照)。なお、前記(1)式の演算値であるYの値が0プラスマイナス微小値の範囲においては、ヒステリシスを考慮してY=0とみなす処理を行うようにすることができる。
なお、目標量表示部43,使用量表示部44のいずれにおいても、数値表示のサイズを他の表示よりも大きく強調表示している。又、文字表示、数値表示及び図形表示を目標量表示部43と使用量表示部44とで互いに異なる色彩で着色するようにすることができる。例えば、目標量表示部43は赤色で表示し、使用量表示部44は緑色で表示することができる。さらに、区画線45を挟んで上下方向のいずれか一方の側(例えば下側)の領域に対し有色の色彩(有彩色)の着色を付し、かつ、その着色をY>0の場合と、Y<0の場合とで互いに異なる色彩とするようにすることができる。例えば、Y>0の場合には目標電力量よりも使用電力量が小さく電力使用状況が節約状態にあるため、これをイメージして青色に着色し、Y<0の場合には目標電力量よりも使用電力量が大きく電力使用状況が使い過ぎの状態にあるため、これに警告する意味合いで橙色に着色することができる。このようにすることにより、比較的遠くからでも視覚的に青色か橙色かの区別がつくため、一目で現在の電力使用状況が節約状態か使い過ぎ状態か、あるいは、電力料金において得しているか損しているかを区別して容易に把握することができる。さらに、後述の傾斜段階(勾配)に応じて、前記の着色の濃淡度合いを変化させるようにすることにより、節約状態であってもあるいは使い過ぎ状態であっても、現在の電力使用状況の程度が大か小かの別、あるいは、得・損の程度が大きいか小さいかの別まで、遠くからでも一目で容易に把握することができる。
又、エネルギー使用量表示モニター41の下端縁の帯状領域を左右方向に3分割し、それぞれをタッチパネル方式によるグラフ/データボタン481、料金ボタン482、メニューボタン483として割り付けている。グラフ/データボタン481を押すことにより、経時的な発電量、使用電力等がグラフ又はデータにより表示される表示画面に切り替わり、料金ボタン482を押すことにより、売電又は買電に係る具体的な料金を表示する表示画面に切り替わり、あるいは、メニューボタン483を押すことにより、種々のメニュー選択を行うための表示画面に切り替わるようになっている。
そして、前記の目標量表示部43及び使用量表示部44の上下方向位置の変更は、前記の(1)式で得られる差Yの数値の大小に応じて段階的又は無段階に実行されるようになっている。複数段の段階的に変更する場合には、段階数と、どの段階に属するかを定める閾値とを予め設定しておき、この閾値との対比により上下方向位置の段階を割り出すようにすることができる。例えば、前記の差Yの値が6kWh未満であれば1段階目の変更、6kWh以上〜11kWh未満であれば2段階目の変更、11kWh以上であれば3段階目の変更というように、順次,上下方向への移動距離が増大し、それに伴い区画線45の傾斜段階も増大するように表示される。
Y>0の場合、傾斜段階が1段階目であれば、例えば図4(a)に例示するように、左側領域の目標量表示部43の表示位置が右側領域の使用量表示部44の表示位置よりもやや上方に位置設定される。加えて、区画線45よりも上側領域46が無着色又は淡色の背景色とされる一方、区画線45よりも下側領域47が青色で着色される。これにより、現在の電力使用状況が目標電力量よりも少ない使用電力量であり、節約状態となっていることを、遠くからでも一目見るだけで視覚的に容易に把握することができるようになる。又、傾斜段階が2段階目であれば、例えば図4(b)に例示するように、左側領域の目標量表示部43が前記1段階目の表示位置よりもさらに上方に位置設定される一方、右側領域の使用量表示部44が前記1段階目の表示位置よりもさらに下方に位置設定される。加えて、1段階目の場合と同様に、区画線45よりも上側領域46が無着色又は淡色の背景色とされる一方、区画線45よりも下側領域47が青色で着色される。この場合、区画線45の傾斜状態がより強く変更されて、青色の着色領域(下側領域47)の形状が変化するため、1段階目の場合よりも節約状態の程度がより大きく変化したことを視覚的に容易に把握することができるようになる。さらに、傾斜段階が3段階目であれば、例えば図4(c)に例示するように、左側領域の目標量表示部43が前記2段階目の表示位置よりもさらに上方に位置設定される一方、右側領域の使用量表示部44が前記2段階目の表示位置よりもさらに下方に位置設定される。加えて、1段階目や2段階目の場合と同様に、区画線45よりも上側領域46が無着色又は淡色の背景色とされる一方、区画線45よりも下側領域47が青色で着色される。この場合、青色の着色領域が区画線45の傾斜状態が2段階目の場合よりもさらに強く変更されて形状が大きく変化するため、1段階目や2段階目の場合よりも節約状態の程度がより一層大きく変化したことを視覚的に容易に把握することができるようになる。
一方、Y<0の場合、傾斜段階が1段階目であれば、例えば図5(a)に例示するように、左側領域の目標量表示部43の表示位置が右側領域の使用量表示部44の表示位置よりもやや上方に位置設定される。加えて、区画線45よりも上側領域46が売電の場合と同様に無着色又は淡色の背景色とされる一方、区画線45よりも下側領域47が橙色で着色される。Y>0の場合の青色とは異なり、Y<0の場合には橙色の着色が付されるため、現在の電力使用状況が使い過ぎであることを、遠くからでも一目見るだけで視覚的に容易に把握することができるようになる。又、傾斜段階が2段階目であれば、例えば図5(b)に例示するように、左側領域の目標量表示部43が前記1段階目の表示位置よりもさらに下方に位置設定される一方、右側領域の使用量表示部44が前記1段階目の表示位置よりもさらに上方に位置設定される。加えて、1段階目の場合と同様に、区画線45よりも上側領域46が無着色又は淡色の背景色とされる一方、区画線45よりも下側領域47が橙色で着色される。この場合、区画線45の傾斜状態がより強く変更されて、橙色の着色領域(下側領域47)の形状が変化するため、1段階目の場合よりも使い過ぎの程度がより大きく変化したことを視覚的に容易に把握することができるようになる。さらに、傾斜段階が3段階目であれば、例えば図5(c)に例示するように、左側領域の目標量表示部43が前記2段階目の表示位置よりもさらに下方に位置設定される一方、右側領域の使用量表示部44が前記2段階目の表示位置よりもさらに上方に位置設定される。加えて、1段階目や2段階目の場合と同様に、区画線45よりも上側領域46が無着色又は淡色の背景色とされる一方、区画線45よりも下側領域47が橙色で着色される。この場合、橙色の着色領域が区画線45の傾斜状態が2段階目の場合よりもさらに強く変更されて形状が大きく変化するため、1段階目や2段階目の場合よりも使い過ぎの程度がより一層大きく変化したことを視覚的に容易に把握することができるようになる。
以上の実施形態のエネルギー使用量表示装置の場合、商用電力系統と系統連系される発電装置における現在の電力使用状況を、特に目標電力量と使用電力量とのいずれが大きいかの別、言い換えれば電力使用状況が節約状態なのか使い過ぎ状態なのか、それに伴い電気料金が低減化傾向なのか増大化傾向なのかの別、加えて、その度合いがどの程度なのかの情報を、比較的遠くからでも一目見るだけで視覚的に容易に把握することができるようになる。
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。例えば、前記実施形態では太陽光発電システムの例を示したが、その他の自然エネルギー(例えば風力又は潮力)を用いた発電システムや、自然エネルギー以外の発電システム(例えば、燃料電池発電システムやガスエンジン発電システムなど)にも適用可能である。
目標量表示部43及び使用量表示部44の表示位置が上下方向に対し段階的に移動するように変更表示させる場合、前記実施形態の如き3段階に移動させる他、例えば4段階でも5段階でも必要に応じて任意の段階数を設定することができる。
前記実施形態では、横長のエネルギー使用量表示モニター41を左右方向に領域区分し、左側領域に対し目標量表示部43を領域設定し、右側領域に対し使用量表示部44を領域設定し、(1)式のYの値の大小に応じて、目標量表示部43及び使用量表示部44が上下方向に対し互いに逆側に移動するように、表示位置の変更を行うようにしているが、これを平面方向に90度回転させて縦長の表示形態にすることができる。すなわち、図6(a)に例示するように、縦長のエネルギー使用量表示モニター41aを上下方向に2つに領域区分し、上側領域に対し目標量表示部43aを領域設定し、下側領域に対し使用量表示部44aを領域設定し、(1)式のYの値の大小に応じて、目標量表示部43a及び使用量表示部44aが左右方向に対し互いに逆側に移動するように、表示位置の変更を段階的に又は無段階に行うようにすることができる。そして、区画線45aを挟んだ左右方向両側の領域46a,47aの一方(右側領域47a)に対し、Y>0の場合(節約状態の場合)には例えば青色、Y<0の場合(使い過ぎの場合)には例えば橙色というように、互いに異なる色彩の着色を付すようにすればよい。なお、閾値を用いて段階的に表示位置を変更する手法は前記実施形態で示した手法と同様のものを適用すればよい。
区画線45を挟んだ一側領域の着色例として、“節約状態”のイメージとして青色を、“使い過ぎ状態”のイメージとして橙色を、それぞれ示したが、この組み合わせに限らず、他の色彩の組み合わせを採用することができる。例えば“節約状態”のイメージとして緑色の着色を、“使い過ぎ状態”のイメージとして赤色の着色を、それぞれ付すようにしてもよい。
前記実施形態では、1組の対比されるエネルギー使用量に係る数値として、目標電力量と使用電力量との組み合わせを示したが、これに限らず、例えば過去所定期間の実績値としての使用電力量と、現在を含む所定期間に消費されている使用電力量との組み合わせを1組の対比されるエネルギー使用量に係る数値として用いるようにしてもよい。所定期間としては例えば1ヶ月、1週間、1日、あるいは、1時間を採用することができ、例えば1日であれば、昨日の1日間の実績値としての使用電力量と、本日の使用電力量とを対比表示させるようにすればよい。この場合、本日の使用電力量として時間経過に従い各時間毎の使用電力量を積算し、その積算値を使用電力量として表示する一方、対比する昨日の使用電力量として同時間における積算値を昨日の使用電力量として表示すればよい。
又、前記実施形態では対比表示する対象を使用電力量について説明したが、ガス使用量や水道使用量についても、前記実施形態と同様に、目標量と使用量とについて対比表示させることができる。この場合、使用電力量、ガス使用量、水道使用量の全てについて、対比表示可能とし、例えばメニューボタン483(図3参照)を押すことにより、使用電力量からガス使用量の対比表示画面に、あるいは、ガス使用量から水道使用量の対比表示画面に切換可能に構成することができる。
さらに、前記実施形態のエネルギー使用量表示装置を給湯器に通信接続し、給湯器で消費されるガス量や水道量について、例えば目標量と使用量の対比、あるいは、過去の使用実績量と現在の使用量との対比について、前記実施形態と同様形態により表示させるようにすることも可能である。