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JP2015054402A - 積層構造体およびその製造方法、反射防止物品 - Google Patents

積層構造体およびその製造方法、反射防止物品 Download PDF

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JP2015054402A JP2013187061A JP2013187061A JP2015054402A JP 2015054402 A JP2015054402 A JP 2015054402A JP 2013187061 A JP2013187061 A JP 2013187061A JP 2013187061 A JP2013187061 A JP 2013187061A JP 2015054402 A JP2015054402 A JP 2015054402A
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誠一朗 守
Seiichiro Mori
誠一朗 守
祐介 中井
Yusuke Nakai
祐介 中井
恒祐 藤山
Kosuke Fujiyama
恒祐 藤山
大谷 剛
Takeshi Otani
剛 大谷
哲哉 地紙
Tetsuya Chigami
哲哉 地紙
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Abstract

【課題】 密着性および機械特性に優れた光学物品、特に反射防止フィルム等の反射防止物品として有用な積層構造体を提供する。
【解決手段】 基材と、中間層と、最表層とを有する積層構造体であって、微小押し込み硬さ試験機で測定した、基材表面の押し込み弾性率をA1とし、積層構造体の最表層側表面の押し込み弾性率をA2としたときの、A2/A1の値が0.4〜0.7であり、最表層と中間層の膜厚の合計が25μm以上であることを特徴とする積層構造体。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層構造体およびその製造方法と、反射防止物品に関する。
微細凹凸構造を表面に有する物品は、連続的な屈折率の変化によって反射防止性能を発現することが知られている。また、微細凹凸構造体は、ロータス効果によって超撥水性能を発現することも可能である。
微細凹凸構造が良好な反射防止性能を発現するためには、隣り合う凸部または凹部の間隔が可視光線の波長以下である必要があるが、このような微細凹凸構造を表面に有する構造体の製造方法としては、例えば、下記の工程(i)〜(iii)を有する、いわゆるナノインプリント法が知られている。
(i)微細凹凸構造の反転構造を表面に有するモールドと基材との間に、活性エネルギー線硬化性組成物を挟む工程。
(ii)上記活性エネルギー線硬化性組成物に紫外線等の活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる工程。
(iii)硬化物とモールドとを分離する工程。
しかし、微細凹凸構造を表面に有する物品は、同じ活性エネルギー線硬化性組成物を使用して作製した表面が平滑なハードコート層からなる成形体に比べて、ナノオーダーの突起が損傷を受けやすいため、耐擦傷性や鉛筆硬度等の機械特性が劣るといった問題がある。
一般的に、表面が平滑なハードコート層を有する成形体においては、ハードコート層を硬くすることによって機械特性が向上することが知られているが、微細凹凸構造を表面に有する物品では、同様にハードコート層を硬くすると、ナノオーダーの突起が損傷を受けやすくなり、反射防止性能の低下につながるという問題を生じる。
微細凹凸構造を表面に有する物品の機械特性を向上させる方法としては、微細凹凸構造を形成する表面層(最表層)と基材との間に、中間層を設ける方法が知られている(特許文献1)。しかしこの方法では、最表層と中間層との密着性が不十分となりやすかった。特に、中間層が活性エネルギー線硬化性組成物を硬化してなる層(硬化層)である場合には、最表層と硬化層との密着性を確保しにくいという問題があった。
また、基材と硬化層との密着性を確保するために、基材に予めアンカー層を積層するという方法がある(特許文献2)。しかしながら、このようなアンカー層を設ける場合には塗工、乾燥、エージング等の工程が必要なため、加工費が嵩むという問題があった。
さらに、アンカー効果を発現させるために、基材の表面を粗面化処理する場合には、加工費が嵩む問題に加え、粗面化によって基材のヘイズが高くなり、光学検査による基材上の異物や欠陥の検出が困難になるという問題もあった。さらに、活性エネルギー線硬化性組成物が基材の粗面に十分に充填されず、硬化層と基材との間に空隙欠陥が発生しやすくなるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、層間の密着性が高く、且つ機械特性に優れ、特にJIS K5600−5−4に準じた鉛筆試験で「2H」以上を示す積層構造体、および上記積層構造体を低コストで容易に製造できる方法の提供を課題とする。
特開2011−856号公報 特開2002−333508号公報
積層構造体が外力を受けると、応力は最表層の内部で分散されながら伝搬していくが、最表層と中間層との密着性が不十分な場合には、界面に応力が集中してクラックを発生させる。そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、中間層および最表層の膜厚と弾性率を制御することにより、応力を積層構造体内部に分散させて、最表層と中間層との界面への応力集中や、応力が中間層と基材との界面に達するのを抑えることができ、機械特性に優れた積層構造体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。また、中間層の表面に特定の微細凹凸構造を設けることで、中間層を複数層層した場合であっても、アンカー効果によって層間の密着性を容易に確保でき、かつ、応力集中によるクラック発生を防ぐことができることを見出した。さらに、最表層をの表面に微細凹凸構造を有することで、反射防止性能等の光学性能と機械特性および密着性を併せ持つ積層構造体が得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1]基材と、中間層と、最表層とを有する積層構造体であって、微小押し込み硬さ試験機で測定した、基材表面の押し込み弾性率をA1とし、積層構造体の最表層側表面の押し込み弾性率をA2としたときの、A2/A1の値が0.4〜0.7であり、最表層と中間層の膜厚の合計が25μm以上であることを特徴とする積層構造体。
[2]前記最表層の表面に微細凹凸構造を有する、請求項1に記載の積層構造体。
[3]前記中間層のうち少なくとも一層が微細凹凸構造を有する層である、前記[1]および[2]に記載の積層構造体。
[4]前記最表層が、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなる層である、前記[1]〜[3]に記載の積層構造体。
[5]前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の積層構造体を表面に備えた、反射防止物品。
[6]前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の積層構造体の製造方法であって、ナノインプリント法により微細凹凸構造を形成する、積層構造体の製造方法。
本発明の積層構造体は、層間の密着性が高く、且つ機械特性に優れる。本発明の積層構造体の製造方法によれば、層間の密着性が高く、機械特性に優れた積層構造体を低コストかつ容易に製造できる。本発明の反射防止物品は、光学性能および機械特性に優れる。
本発明の積層構造体の一例を示す断面図である。 陽極酸化アルミナを表面に有するモールドの製造工程を示す断面図である。 積層構造体の製造装置の一例を示す構成図である。 本発明の積層構造体の他の例を示す断面図である。 本発明の積層構造体の他の例を示す断面図である。 本発明の積層構造体の他の例を示す断面図である。
以下本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書においては、積層構造体の最上層を「最表層」といい、最下層を「基材」といい、最表層と基材との間に配置される層を「中間層」という。
また、本明細書における「層間」とは、基材と中間層の間、中間層と中間層の間、および中間層と最表層の間を意味する。
また、本明細書における「活性エネルギー線」とは、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
また、本明細書における「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの総称であり、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の総称であり、「(メタ)アクリロニトリル」は、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルの総称であり、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドおよびメタクリルアミドの総称である。
図1、4〜6においては、各層を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層ごとに縮尺を異ならせてある。
また、図2〜6において、図1と同じ構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する場合がある。
「積層構造体」
本発明の積層構造体は、基材と、中間層と、最表層とを有する積層構造体であって、微小押し込み硬さ試験機で測定した、基材表面の押し込み弾性率をA1とし、積層構造体の最表層側表面の押し込み弾性率をA2としたときの、A2/A1の値が0.4〜0.7であり、最表層と中間層の膜厚の合計が25μm以上であることを特徴とする。
(膜厚)
本発明の積層構造体の、最表層および中間層を合わせた部分の膜厚は、積層構造体の鉛筆硬度を2H以上に調整でき、かつ積層構造体を問題なく形成するために、25μm以上であり、35μm以上が好ましい。膜厚が25μm以上ならば、外力を受けたときに、応力が中間層と基材との界面に達する前に、最表層や中間層の内部で分散することにより、基材にクラックが生じるのを抑えることが出来る。また、膜厚は、硬化収縮に伴うクラックやカールの発生抑制の点から、80μm以下が好ましい。
図1は、本発明の積層構造体の一例を示す断面図である。
この例の積層構造体10は、基材12上に、中間層14と最表層16とが順に積層して構成され、中間層14の最表層と接する面および最表層16の中間層と接する面と反対の表面に微細凹凸構造を有している。なお、図1に記載の積層構造体10は、最表層16の微細凹凸構造の凹部および凸部が、中間層14の微細凹凸構造の凹部および凸部と異なって配置されているが、同じ配置であっても良い。
ここで、「配置」とは、積層構造体を積層方向(縦方向)に複数切断した切断面の1つ以上において、任意の層(例えば最表層)の微細凹凸構造の凹凸形状と、積層構造体の厚さ方向に平行移動したときの、残りの層(例えば中間層)の微細凹凸構造の形状との位置関係のことであり、「同じ配置」とは、これら形状が重なることを意味し、「異なって配置」とは、これら形状が重ならないことを意味する。
また「形状が重ならない」とは、任意の層の微細凹凸構造の凸部のアスペクト比と、残りの層の微細凹凸構造の凸部のアスペクト比とが異なることや、任意の層と残りの層の微細凹凸構造が互いに位置ずれしている(例えば図4参照)ことを意味するが、一部が重なっている場合も含む。
(最表層)
本発明における最表層とは、積層構造体の基材側とは反対側の表面を形成する層のことである。また、本発明における最表層は、中間層と接する面とは反対側の表面に微細凹凸構造を有している。
(中間層)
本発明における中間層とは、積層構造体の基材と最表層との間に存在する層のことで、中間層は1層以上からなり、中間層の少なくとも1層が、最表層と接する面に微細凹凸構造を有していることが好ましい。
微細凹凸構造の凹部および凸部の形状は特に限定されるものではないが、略円錐形状、角錐形状等の突起(凸部)が複数並んだ、いわゆるモスアイ構造あるいはその反転構造が好ましい。特に、最表層16の微細凹凸が、隣り合う凸部同士の平均間隔が可視光の波長(400nm)以下であるモスアイ構造の場合、空気の屈折率から材料の屈折率へと連続的に屈折率が増大していくため、反射防止の手段として有効である。一方、中間層14の微細凹凸構造がモスアイ構造の場合、隣り合う層の屈折率が異なっていても界面の反射を抑えることができるため、反射率の低減や干渉縞の抑制に有効である。
微細凹凸構造の隣り合う凸部同士の平均間隔(以下、「凸部のピッチ」という場合がある。)は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、250nm以下がさらに好ましい。凸部のピッチが400nm以下であれば、反射率が低く、かつ反射率の波長依存性が少ない。凸部のピッチは、凸部構造の形成のしやすさの点から、25nm以上が好ましく、80nm以上がより好ましい。
なお、隣り合う凸部同士の平均間隔は、電子顕微鏡によって隣り合う凸部同士の間隔(凸部の中心から隣接する凸部の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均した値である。
微細凹凸構造の凸部の平均高さは、100nm以上が好ましく、130nm以上がより好ましい。凸部の平均高さが100nm以上であれば、反射率が低く、かつ反射率の波長依存性が少ない。また、層間の密着性を確保できる。凸部の平均高さは、凸部構造の形成のしやすさの点から、400nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましい。
なお、凸部の平均高さは、前記電子顕微鏡によって倍率30000倍で観察したときにおける、凸部の最頂部と、凸部間に存在する凹部の最底部との間の距離を50点測定し、これらの値を平均した値である。
また、凸部のアスペクト比(凸部の平均高さ/隣り合う凸部同士の平均間隔)は、0.3〜4が好ましく、0.8〜2.5がより好ましい。凸部のアスペクト比が0.8以上であれば、反射率が十分に低くなる。凸部のアスペクト比が5以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。
中間層14の屈折率と基材12の屈折率との差、および最表層16の屈折率と中間層14の屈折率との差は、それぞれ0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下がさらに好ましい。屈折率差がそれぞれ0.2以下であれば、各層の界面における反射を効果的に抑えることができる。
(基材)
積層構造体の最下層である基材12としては、光を透過する成形体が好ましい。これは、詳しくは後述するが、光を透過しにくいモールドを用いて微細凹凸構造を形成する場合、基材側から活性エネルギー線を照射するためである。
このような基材12の材料としては、例えばアクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、ガラス等が挙げられる。これらの材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
基材12は、射出成形体でもよく、押出成形体でもよく、キャスト成形体でもよい。基材12の形状としては適宜選択でき、シート状でもよく、フィルム状でもよい。
また、基材12の表面は、密着性、帯電防止性、耐擦傷性、耐候性等の改良のために、コーティング処理、コロナ処理等が施されていてもよい。
一方、中間層14の材料としては、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、熱可塑性樹脂、無機材料などが挙げられるが、微細凹凸構造の形成しやすさの点で、中間層14は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であることが好ましい。
また、最表層16も、微細凹凸構造の形成しやすさの点で、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であることが好ましい。
以下、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物について、詳しく説明する。
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物>
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」という場合がある。)は、活性エネルギー線を照射することで、重合反応が進行し、硬化する樹脂組成物である。
樹脂組成物は、重合性成分として、例えば分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマーを適宜含有するものである。また、樹脂組成物は、通常、硬化のための重合開始剤を含む。
(重合性成分)
分子中にラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、例えば(メタ)アクリレート類(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等)、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン類(スチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリルアミド類((メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等)などの単官能モノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミドなどの二官能モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレートなどの三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能のモノマー、およびこれら多官能モノマーのエチレンオキシド付加物やプロピレンオキシド付加物など;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
分子中にラジカル重合性結合を有するオリゴマーおよび反応性ポリマーとしては、例えば不飽和ポリエステル類(不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等)、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独重合体または共重合体等などが挙げられる。
分子中にカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマーとしては、カチオン重合性の官能基を有する化合物(カチオン重合性化合物)であればよく、モノマー、オリゴマー、プレポリマーのいずれであってもよい。
カチオン重合性の官能基としては、実用性の高い官能基として、例えば環状エーテル基(エポキシ基、オキセタニル基等)、ビニルエーテル基、カーボネート基(O−CO−O基)などが挙げられる。
カチオン重合性化合物としては、例えば環状エーテル化合物(エポキシ化合物、オキセタン化合物等)、ビニルエーテル化合物、カーボネート系化合物(環状カーボネート化合物、ジチオカーボネート化合物等)などが挙げられる。
分子中にカチオン重合性結合を有するモノマーとしては、具体的に、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、これらの中でもエポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。カチオン重合性結合を有するオリゴマーおよび反応性ポリマーとしては、具体的に、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、公知のものが挙げられる。
光反応を利用して樹脂組成物を硬化させる場合、光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、公知の活性エネルギー線を照射して酸を発生するものであればよく、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤などが挙げられる。これらラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、p−(tert−ブチル)−1’,1’,1’−トリクロロアセトフェノン、クロロアセトフェノン、2’,2’−ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2’−フェニルアセトフェノン、2−アミノアセトフェノン、ジアルキルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えばベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシプロピルベンゾフェノン、アクリルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えばチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジメチルチオキサントンなどが挙げられる。
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤としては、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドなどが挙げられる。
他のラジカル重合開始剤としては、例えばα−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレートなどが挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、公知の活性エネルギー線を照射して酸を発生するものであればよく、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。これらカチオン重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル)スルフィド−ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル)スルフィド−ビス(ヘキサフルオロアンチモネート)、4−ジ(p−トルイル)スルホニオ−4’−tert−ブチルフェニルカルボニル−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、7−ジ(p−トルイル)スルホニオ−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロホスフェート、7−ジ(p−トルイル)スルホニオ−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネートなどが挙げられる。
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
ホスホニウム塩としては、例えばテトラフルオロホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロホスホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどが挙げられる。
熱反応を利用して樹脂組成物を硬化させる場合、熱重合開始剤としては、例えば有機過酸化物(メチルエチルケトンペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert−ブチルハイドロペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド、tert−ブチルペルオキシオクトエート、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ラウロイルペルオキシド等)、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル等)、前記有機過酸化物にアミン(N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等)を組み合わせたレドックス重合開始剤などが挙げられる。
これら熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の含有量は、重合性成分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。重合開始剤の含有量が0.1質量部以上であれば、重合が進行しやすい。重合開始剤の含有量が10質量部以下であれば、得られる硬化物が着色したり、機械強度が低下したりすることが少ない。
(その他の成分)
樹脂組成物は、非反応性のポリマーを含んでもよい。
非反応性のポリマーとしては、例えばアクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
また、樹脂組成物は、必要に応じて、上述したもの以外に、界面活性剤、離型剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、酸化防止剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、シランカップリング剤、着色剤、強化剤、無機フィラー、無機または有機系の微粒子、耐衝撃性改質剤、少量の溶剤等の公知の添加剤を含んでもよい。
(粘度)
樹脂組成物の粘度は、詳しくは後述するが、モールドの表面の微細凹凸構造への流れ込みやすさの観点から、高すぎないことが好ましい。具体的には、25℃において、回転式B型粘度計で測定した樹脂組成物の粘度は、10000mPa・s以下が好ましく、5000mPa・s以下がより好ましく、2000mPa・s以下がさらに好ましい。
ただし、樹脂組成物の粘度が10000mPa・sを超える場合であっても、モールドとの接触の際に予め加温して粘度を下げることが可能であるならば特に問題はない。この場合、70℃において、回転式B型粘度計で測定した樹脂組成物の粘度は、5000mPa・s以下が好ましく、2000mPa・s以下がより好ましい。
樹脂組成物の粘度の下限値については特に制限されないが、10mPa・s以上であれば、濡れ広がらずに、積層構造体を効率よく製造することができるため好ましい。
(押し込み弾性率)
積層構造体表面の押し込み弾性率は、微小押し込み硬さ試験機を用いて測定することができる。ここで得られる押し込み弾性率はヤング率と相関がある。押し込み弾性率とヤング率との相関に関する説明は、「材料試験技術」(Vol.43,NO.2,P148−152,1998年4月号)に掲載の「ユニバーサル硬さ試験による材料特性値の評価」(Cornelia Heermant,Dieter Dengel)共著, 片山繁雄, 佐藤茂夫 共訳)に記載されている。
本発明における押し込み弾性率は、次のような方法によって測定した値を用いるものとする。すなわち、積層構造体の基材側の表面に、光学粘着剤を介して透明なガラス板(松浪硝子工業株式会社製、「大型スライドグラス、品番:S9112」、76mm×52mmサイズ)を貼り付け、これをサンプルとする。微小押し込み硬さ試験機(装置名:フィッシャースコープHM2000XYp、フィッシャーインスツルメンツ製)を用いて、サンプルの押し込み弾性率を測定する。圧子はビッカース圧子(四面ダイアモンド錐体)を用い、評価は恒温室(温度23℃、湿度50%)で行う。評価プログラムは[押し込み(100mN/s、5s秒]→[クリープ(100mN、10秒)]→[徐荷(100mN/s、5秒)]とし、解析ソフト(WIN−HCU、フィッシャーインスツルメンツ製)により各サンプルの押し込み弾性率を算出する。
ここで、基材表面の押し込み弾性率をA1とし、積層構造体の最表面の押し込み弾性率をA2としたとき、A2/A1は、基材の弾性率に対する、積層構造体の弾性率を定量的に反映した値となる。
本発明の積層構造体は、A2/A1が0.4〜0.7であり、好ましくは0.5〜0.6である。A2/A1が0.4以上であれば、外力を受けたときに最表層および中間層が柔らか過ぎて押し潰されるのを防ぐことができる。また、A2/A1が0.7以下であれば、応力が、中間層と基材との界面に達する前に、最表層や中間層の内部で分散することにより、基材にクラックが生じるのを抑えることが出来る。
ここで、基材表面の押し込み弾性率は、中間層や最表層を賦形する前の基材表面に対して測定することができる。また、積層構造体の基材表面の押し込み弾性率は、例えば、積層構造体の基材側の表面、つまり積層構造体の裏面を測定することによっても得ることができる。具体的には、積層構造体の最表層側の表面に、光学粘着剤を介して透明なガラス板(松浪硝子工業株式会社製、「大型スライドグラス、品番:S9112」、76mm×52mmサイズ)を貼り付け、これをサンプルとして押し込み弾性率を測定する方法がある。また、基材表面の押し込み弾性率の測定は、積層構造体から中間層と基材との界面を表出させて実施することもでき、例えばSAICASによる方法が挙げられる。具体的には、装置としてダイプラ・ウィンテス社製のSAICAS NN04を用い、積層構造体を最表層側から斜めに切削し、中間層と基材との界面に達した後、切刃を水平方向に切り進むことで基材側の界面が表出する。基材は、最表層や中間層との物性が異なるため、斜め切削の角度や垂直抗力が界面で変化することから容易に区別することができる。
(用途)
本発明の積層構造体は、機械特性が良好なため、機能性物品として最適である。更に、最表面に微細凹凸構造を有する場合、例えば、本発明の積層構造体を備えた反射防止物品(反射防止フィルム、反射防止膜等)、光学物品(光導波路、レリーフホログラム、レンズ、偏光分離素子等)、飛散防止フィルム、細胞培養シート、撥水性物品等が挙げられる。特に、本発明の積層構造体を備えたディスプレイや自動車用部材が、機能性物品として好適である。
本発明の積層構造体を備えた反射防止物品は、高い機械強度と良好な反射防止性能を発現する。反射防止物品としては、例えば、画像表示装置等の各種表示装置(液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、陰極管表示装置等)、レンズ、ショーウィンドー、眼鏡レンズ等の対象物の表面に、本発明の積層構造体を貼り付けたもの等が挙げられる。
例えば反射防止物品を画像表示装置に用いる場合には、画像表示面に反射防止物品として本発明の積層構造体を直接貼り付けてもよく、画像表示面を構成する部材の表面および/または裏面に反射防止物品として本発明の積層構造体を直接形成してもよく、前面板に反射防止物品として本発明の積層構造体を形成してもよい。
本発明の積層構造体を備えた撥水性物品は、高い耐擦傷性と良好な撥水性能を発現するとともに、優れた反射防止性能を発現する。撥水性物品としては、例えば、窓材、屋根瓦、屋外照明、カーブミラー、車両用窓、車両用ミラー等の対象物の表面に、本発明の積層構造体を貼り付けたもの等が挙げられる。
各対象物における積層構造体を貼り付ける部分が立体形状である場合は、あらかじめその形状に応じた形状の基材を用意し、その基材の上に中間層および表層を形成して積層構造体を得た後、この積層構造体を対象物の所定部分に貼り付ければよい。
また、対象物が画像表示装置である場合は、その表面に限らず、その前面板に対して本発明の積層構造体を貼り付けてもよいし、前面板そのものを本発明の積層構造体から構成することもできる。
<積層構造体の製造方法>
中間層14および最表層16の微細凹凸構造の形成方法は特に限定されないが、モールドを用いた転写法、具体的には、微細凹凸構造の反転構造を表面に有するモールドに上述した樹脂組成物を接触、硬化させることによって形成することが好ましい。転写法によれば、各層の微細凹凸構造の形状を自由に設計することが可能である。また、任意の層の微細凹凸構造の凹部および凸部が、他の層の微細凹凸構造のうちの少なくとも1つと、異なって配置されている積層構造体を容易に製造することもできる。
以下、転写法に用いるモールドの一例について説明する。
(モールド)
モールドは、微細凹凸構造の反転構造を表面に有する。
モールドの材料としては、金属(表面に酸化皮膜が形成されたものを含む。)、石英、ガラス、樹脂、セラミックス等が挙げられる。
モールドの形状としては、ロール状、円管状、平板状、シート状等が挙げられる。
モールドの作製方法としては、例えば、下記方法(I−1)、方法(I−2)などが挙げられる。中でも、大面積化が可能であり、かつ作製が簡便である観点から、方法(I−1)が好ましい。
(I−1)アルミニウム基材の表面に、複数の細孔(凹部)を有する陽極酸化アルミナを形成する方法によって、微細凹凸構造の反転構造を形成する方法。
(I−2)モールド基材の表面に、電子ビームリソグラフィ法、レーザ光干渉法等によって微細凹凸構造の反転構造を形成する方法。
方法(I−1)としては、下記の工程(a)〜(f)を含む方法が好ましい。
(a)アルミニウム基材を電解液中、定電圧下で陽極酸化してアルミニウム基材の表面に酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜の一部または全てを除去し、アルミニウム基材の表面に陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)工程(b)の後、アルミニウム基材を電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)工程(c)の後、細孔の径を拡大させる工程。
(e)工程(d)の後、電解液中、再度陽極酸化する工程。
(f)工程(d)と工程(e)を繰り返し行い、複数の細孔を有する陽極酸化アルミナがアルミニウム基材の表面に形成されたモールドを得る工程。
工程(a):
図2に示すように、アルミニウム基材20を陽極酸化することにより、細孔22を有する酸化皮膜24が形成される。
アルミニウム基材の形状としては、ロール状、円管状、平板状、シート状等が挙げられる。
アルミニウム基材は、所定の形状に加工する際に用いた油が付着していることがあるため、あらかじめ脱脂処理されることが好ましい。また、アルミニウム基材は、表面状態を平滑にするために、研磨処理されていることが好ましい。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上がさらに好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化した時に、不純物の偏析により可視光を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりする場合がある。
電解液としては、硫酸、シュウ酸、リン酸等が挙げられる。
シュウ酸を電解液として用いる場合、シュウ酸の濃度は、0.8M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.8M以下であれば、電流値の上昇を防ぎ、酸化皮膜の表面が粗くなるのを抑制することができる。
また、化成電圧が30〜100Vの時、周期が100nm〜200nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向がある。電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃以下であることにより、いわゆる「ヤケ」と呼ばれる現象の発生を防ぐことができ、細孔の破損や、表面が溶けて細孔の規則性が乱れることを抑制することができる。
硫酸を電解液として用いる場合、硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7M以下であれば、電流値の上昇を防ぎ、定電圧を維持することができる。
また、化成電圧が25〜30Vの時、周期が63nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向がある。電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がよりに好ましい。電解液の温度が30℃以下であることにより、いわゆる「ヤケ」と呼ばれる現象の発生を防ぐことができ、細孔の破損や、表面が溶けて細孔の規則性が乱れることを抑制することができる。
工程(b):
図2に示すように、酸化皮膜24の一部または全てを一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点26とすることにより、細孔の規則性を向上させることができる。酸化皮膜24は全てを除去せずに一部が残るような状態でも、酸化皮膜24のうち、すでに規則性が十分に高められた部分が残っているのであれば、酸化皮膜除去の目的を果たすことができる。
酸化皮膜24を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜24を選択的に溶解できる溶液に酸化皮膜24を溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。
工程(c):
図2に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム基材20を再度、陽極酸化することにより、円柱状の細孔22を有する酸化皮膜24が形成される。
陽極酸化は、工程(a)と同様の条件で行うことができる。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
工程(d):
図2に示すように、細孔22の径を拡大させる処理(以下、「細孔径拡大処理」という。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜24を溶解できる溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
工程(e):
図2に示すように、再度、陽極酸化を行うことにより、円柱状の細孔22の底部からさらに下に延びる、直径の小さい円柱状の細孔22がさらに形成される。
陽極酸化は、工程(a)と同様の条件で行うことができる。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
工程(f):
図2に示すように、工程(d)の細孔径拡大処理と、工程(e)の陽極酸化を繰り返すことにより、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔22を有する酸化皮膜24が形成される。これにより、アルミニウム基材20の表面に陽極酸化アルミナ(アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト))を有するモールド28が得られる。最後は工程(d)で終わることが好ましい。
繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が3回以上であることにより、連続的に細孔の直径が減少し、十分な反射率低減効果を有するモスアイ構造が得られる。
細孔22の形状としては、略円錐形状、角錐形状、円柱形状等が挙げられる。円錐形状、角錐形状等のように、深さ方向と直交する方向の細孔断面積が最表面から深さ方向に連続的に減少する形状が好ましい。
隣り合う細孔22同士の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下であることが好ましく、25〜300nmであることがより好ましく、80nm〜250nmであることがさらに好ましい。
隣り合う細孔22同士の平均間隔は、電子顕微鏡によって隣り合う細孔22間の間隔(細孔22の中心から隣接する細孔22の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均した値である。
細孔22の平均深さは、100〜400nmが好ましく、130〜300nmがより好ましい。
細孔22の平均深さは、前記電子顕微鏡観察によって倍率30000倍で観察したときにおける、細孔22の最底部と、細孔22間に存在する凸部の最頂部との間の距離を50点測定し、これらの値を平均した値である。
細孔22のアスペクト比(細孔22の平均深さ/隣り合う細孔22同士の平均間隔)は、0.3〜4が好ましく、0.8〜2.5がより好ましい。
モールドの微細凹凸構造が形成された側の表面は、離型剤で処理されていてもよい。
離型剤としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フッ素化合物、リン酸エステル等が挙げられ、フッ素化合物およびリン酸エステルが好ましい。
フッ素化合物の市販品としては、ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン株式会社製の「フルオロリンク」、信越化学工業株式会社製のフルオロアルキルシラン「KBM−7803」、旭硝子株式会社製の「MRAF」、株式会社ハーベス社製の「オプツールHD1100」、「オプツールHD2100シリーズ」、ダイキン工業株式会社製の「オプツールDSX」、住友スリーエム株式会社製の「ノベックEGC−1720」、株式会社フロロテクノロジー製の「FS−2050」シリーズ等が挙げられる。
リン酸エステルとしては、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物が好ましい。市販品としては、城北化学工業株式会社製の「JP−506H」、アクセル社製の「モールドウイズINT−1856」、日光ケミカルズ株式会社製の「TDP−10」、「TDP−8」、「TDP−6」、「TDP−2」、「DDP−10」、「DDP−8」、「DDP−6」、「DDP−4」、「DDP−2」、「TLP−4」、「TCP−5」、「DLP−10」などが挙げられる。
これら離型剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このようにして得られる、アルミニウム基材の表面に陽極酸化アルミナを有するモールドを用い、転写法により微細凹凸構造を形成する場合、積層構造体の微細凹凸構造は、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものである。
以下、積層構造体を製造するための製造装置、該製造装置を用いた積層構造体の製造方法の一例について、具体的に説明する。
(製造装置および積層構造体の製造方法)
図1に示す積層構造体10は、例えば、図3に示す製造装置を用いて、下記のようにして製造される。
表面に微細凹凸構造の反転構造(図示略)を有するロール状モールド30と、ロール状モールド30の表面に沿って移動する帯状フィルムである基材12との間に、タンク32から中間層用の樹脂組成物(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)を供給する。
ロール状モールド30と、空気圧シリンダ34によってニップ圧が調整されたニップロール36との間で、基材12および樹脂組成物をニップする。これにより、樹脂組成物を基材12とロール状モールド30との間に均一に行き渡らせると同時に、ロール状モールド30の微細凹凸構造の凹部内に充填する。
ロール状モールド30の下方に設置された活性エネルギー線照射装置38から、基材12を介して樹脂組成物に活性エネルギー線を照射し、樹脂組成物を硬化させる。これにより、ロール状モールド30の表面の微細凹凸構造が転写された微細凹凸構造を表面に有する中間層14を形成する。
剥離ロール40により、表面に微細凹凸構造を有する中間層14が形成された基材12をロール状モールド30から剥離することによって、基材12上に中間層14が積層した積層体10’を得る。
再び、図3に示す製造装置を用い、基材12に代えて積層体10’をロール状モールド30の表面に沿って移動させ、積層体10’とロール状モールド30との間に、タンク32から最表層用の樹脂組成物(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)を供給し、該樹脂組成物を積層体とロール状モールド30との間に均一に行き渡らせると同時に、ロール状モールド30の微細凹凸構造の凹部内に充填する。
ついで、基材12を介して樹脂組成物に活性エネルギー線を照射し、樹脂組成物を硬化させる。これにより、ロール状モールド30の表面の微細凹凸構造が転写された微細凹凸構造を表面に有する最表層16を形成する。
ついで、剥離ロール40により、表面に微細凹凸構造を有する最表層16が形成された積層体10’をロール状モールド30から剥離することによって、図1に示すような、表面に微細凹凸構造を有する中間層14および最表層16が基材12上に順次積層した積層構造体10を得る。
活性エネルギー線照射装置38としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ等が好ましい。光照射エネルギー量は、100〜10000mJ/cmが好ましい。
なお、中間層14と最表層16は同じ製造装置を用いて形成してもよいし、異なる製造装置を用いて形成してもよい。
同じ製造装置を用いる場合は、製造装置が大型化するのを防げる。この場合、各層で微細凹凸構造の凹部および凸部の形状が異なる場合には、中間層14の形成から最表層16の形成に切り替わるときに、モールドを最表層用のモールドに交換しておく。異なる製造装置を用いる場合は、中間層14と最表層16とを連続して形成することができる。
<作用効果>
以上説明した積層構造体10は、中間層14の表面に微細凹凸構造を有するので、凹凸構造によるアンカー効果により中間層14と最表層16との密着性に優れる。また、最表層16の中間層と接する面と反対の表面に微細凹凸構造を有するため、反射防止性能等の光学性能がより向上する。
しかも、積層構造体10は多層構造であるため、機械強度が向上する。特に、積層構造体10は基材12と最表層16との間に中間層14を設けているので、機械特性により優れる。この中間層14の厚さを厚くしたり、中間層14を硬い材料、復元力の強い材料、あるいは応力を吸収する材料で形成したりすれば、積層構造体10の表面の耐擦傷性や鉛筆硬度がより向上する傾向にある。
このように、積層構造体10は、層間の密着性が高く、かつ光学性能および機械特性に優れ、基材の表面に易接着層やプライマー層を設けたり、中間層の最表層と接する面を粗面化処理したりする必要がなく、低コストで製造できる。
ところで、微細凹凸構造は、凸部のピッチ、凸部の平均高さ、および凸部のピッチと凸部の平均高さとのバランスであるアスペクト比によって特徴づけられる。例えば、凸部のピッチが狭く、凸部の平均高さが高く、アスペクト比が大きいほど層間の密着性が優れる傾向にある。一方、凸部のピッチが広く、凸部の平均高さが低く、アスペクト比が小さいほど積層構造体10の表面の耐擦傷性が向上する傾向にあり、隣り合う凸部同士が寄り添って微細凹凸構造が崩れる現象が起こりにくい。
また、前記微細凹凸構造を、モールドを用いた転写法により形成すれば、各層の微細凹凸構造の形状を自由に設計することが可能である。また、任意の層の微細凹凸構造の凹部および凸部が、残りの層の微細凹凸構造のうちの少なくとも1つと、異なって配置されている積層構造体を容易に製造することもできる。
なお、例えば、表面に微細凹凸構造を有する層(中間層)の該表面を任意のコーティング材料でコーティングすれば、形成されるコーティング層(最表層)の表面もその下の層(中間層)の表面の形状に追従して微細凹凸構造を有することとなる。すなわち、コーティング法によっても2層以上の表面に微細凹凸構造を有する積層構造体を製造することができるが、コーティング法の場合、コーティング層(最表層)に厚み斑ができやすく、均一な厚さのコーティング層(最表層)を形成するには、熟練したコーティング技術を要する。また、コーティング材が中間層の微細凹凸構造の凹部まで十分に充填されず、中間層とコーティング層(最表層)との間に隙間が形成される懸念がある。特に、凸部が高い(凹部が深い)場合や、凸部あるいは凹部のピッチが狭い場合は、コーティング材が凹部に充填されにくい。
これに対して、転写法であれば、均一な厚さの最表層16を容易に形成できる。また、樹脂組成物が中間層14の凹部にまで十分に充填されるので、中間層14と最表層16との間に隙間が形成されにくい。しかも、中間層14の形成時と最表層16の形成時とにおいてモールドを変更するだけで、中間層14と最表層16とで、凸部のピッチ、凸部の平均高さ、およびアスペクト比の異なる微細凹凸構造を容易に形成することができる。
<他の実施形態>
本発明の積層構造体は、上述したものに限定されない。図1に示す積層構造体10は、中間層14が1層で構成されているが、例えば図4に示すように、中間層14は複数の層で構成されていてもよい。中間層が複数の層で構成されている場合、各層の材料、膜厚、物性(機械特性や光学性能など)は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図4に示す積層構造体50は、基材12上に、中間層14と最表層16とが順に積層して構成されている。積層構造体50の中間層14は、表面に微細凹凸構造を有する層14a,14bの2層からなり、最表層16の表面にも微細凹凸構造を有する。なお、図4においては、最表層16と、中間層を構成する層14a、14bそれぞれの微細凹凸構造の凹部および凸部は異なって配置されているが、全て同じ配置されていてもよい。
図5に示す積層構造体60は、基材12上に、中間層14と最表層16とが順に積層して構成されている。積層構造体60の中間層14は、表面に微細凹凸構造を有する層14aと表面に微細凹凸構造を有さない層14bの2層からなり、最表層16の表面にも微細凹凸構造を有する。なお、図5においては、積層構造体60の、最表層16の微細凹凸構造の凹部および凸部は、中間層14を構成する、表面に微細凹凸構造を有する層14aの微細凹凸構造の凹部および凸部と異なる配置となっているが、これらは同じに配置されていてもよい。また、図5においては、積層構造体60は、最表層16と表面に微細凹凸構造を有する層14aとが隣接しているが、最表層16と表面に微細凹凸構造を有さない層14bとが隣接していてもよい。表面に微細凹凸構造を有さない層14bの材料としては、熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、無機材料などが挙げられる。
図6に示す積層構造体70は、基材12上に、中間層14と最表層16とが順に積層して構成されている。積層構造体70の中間層14および最表層16は表面に微細凹凸構造を有し、最表層16の微細凹凸構造の凹部および凸部は、中間層14の微細凹凸構造と、凸部のピッチ、凸部の平均高さ、およびアスペクト比が同じであるが、互いに位置ずれしている。これにより、構造に由来する不要な回折や干渉などを効果的に低減することができる。
また、図1、4、5に示す積層構造体10、50、60は、各層の微細凹凸構造の凹部および凸部の形状が同じ(図1、4、の場合は略円錐形状)であるが、これら微細凹凸構造の凹部および凸部の形状は異なっていてもよく、微細凹凸構造に求める効果に応じて適宜選択すればよい。
また、図1および4〜6に示す積層構造体10、50、60、70は、最表層16の表面に微細凹凸構造が形成されているが、最表層16の表面には微細凹凸構造が形成されていなくてもよいし、積層構造体の基材側の表面、つまり積層構造体の裏面に微細凹凸構造が形成されていてもよい。ただし、より優れた反射防止性能等の光学性能を発現させるためには、少なくとも最表層16に表面に微細凹凸構造を有することが好ましい。
さらに、基材12の裏面に、粘着材層を介してセパレートフィルムを設けてもよい。粘着材層を設けることによって、他のフィルム状やシート状の物品(前面板、偏光素子等)に容易に貼り付けることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
各種測定および評価方法、および各例で用いた成分は以下の通りである。
「測定・評価」
(モールドの細孔の測定)
モールドの一部を切り取って、表面および縦断面に白金を1分間蒸着し、電解放出型走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、「JSM−7400F」)を用い、加速電圧3.00kVで20000倍に拡大して観察し、隣り合う細孔同士の間隔(細孔の中心から隣接する細孔の中心までの距離)を50点測定し、その平均値を隣り合う細孔の平均間隔とした。
また、モールドの縦断面を20000倍に拡大して観察し、細孔の最底部と、細孔間に存在する凸部の最頂部との間の距離を50点測定し、その平均値を細孔の平均深さとした。
(微細凹凸構造の凸部の測定)
中間層および最表層が形成された時点で、各層の表面および縦断面に白金を10分間蒸着し、電解放出型走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、「JSM−7400F」)を用い、加速電圧3.00kVで20000倍に拡大して観察し、隣り合う凸部同士の間隔(凸部の中心から隣接する凸部の中心までの距離)を50点測定し、その平均値を隣り合う凸部の平均間隔とした。
また、測定サンプルの断面を20000倍に拡大して観察し、凸部の最底部と、凸部間に存在する凹部の最頂部との間の距離を50点測定し、その平均値を凸部の平均高さとした。
さらに、電子顕微鏡観察により、中間層および最表層に形成された各微細凹凸構造の配置を確認した。
(最表層および中間層を合わせた部分の膜厚の測定)
中間層または最表層を形成した直後に、マイクロメーターを用いて、積層フィルムの膜厚を測定し、予め測定しておいた基材フィルムの膜厚を差し引くことで、積層フィルムの最表層および中間層を合わせた部分の膜厚とした。
(押し込み弾性率の測定)
積層フィルムの基材側の表面に、光学粘着剤を介して透明なガラス板(松浪硝子工業株式会社製、「大型スライドグラス、品番:S9112」、76mm×52mmサイズ)を貼り付け、これをサンプルとした。微小押し込み硬さ試験機(装置名:フィッシャースコープHM2000XYp、フィッシャーインスツルメンツ製)を用いて、サンプルの押し込み弾性率を測定した。圧子はビッカース圧子(四面ダイアモンド錐体)を用い、評価は恒温室(温度23℃、湿度50%)で行った。評価プログラムは[押し込み(100mN/s、5s秒]→[クリープ(100mN、10秒)]→[徐荷(100mN/s、5秒)]とし、解析ソフト(WIN−HCU、フィッシャーインスツルメンツ製)により各サンプルの押し込み弾性率を算出した。
また、中間層や最表層を賦形する前の基材に、光学粘着剤を介して透明なガラス板(松浪硝子工業株式会社製、「大型スライドグラス、品番:S9112」、76mm×52mmサイズ)を貼り付け、これをサンプルとし、基材表面の押し込み弾性率を測定した。
(鉛筆硬度の評価)
積層フィルムを透明なガラス板(松浪硝子工業株式会社製、「大型スライドグラス、品番:S9112」、76mm×52mmサイズ)にセロハンテープで貼り付け、これをサンプルとした。JIS K5600−5−4に準じて、荷重750gfで試験を行い、試験後の積層フィルムをガラス板から剥がし、黒いアクリル板に張り替えて、試験後5分経った時点での外観を目視にて観察し、傷が付かない鉛筆の硬度を記した。例えば2Hで傷が付かず、3Hで傷が付く場合は「2H」と表記する。)
(密着性の評価)
マス数を100マスとし、評価基準を後述のようにした以外は、クロスカットテープ剥離試験(JIS K 5600−5−6:1999(ISO 2409:1992))に準じて密着性の評価を行った。
まず、積層フィルムの基材側の表面に、光学粘着剤を介して透明な2.0mm厚の黒色アクリル樹脂板(三菱レイヨン株式会社製、「アクリライトEX#502」、50mm×60mm)を貼り付け、積層フィルムの最表層表面にカッターナイフにて2mm間隔で100マス(10×10)の碁盤目状の切れ込みを入れ、碁盤目状の部分に粘着テープ(ニチバン株式会社製、「セロテープ(登録商標)」)を貼着した。その後、粘着テープを急激に剥がし、最表層の剥離状態を観察し、以下の評価基準にて密着性を評価した。
◎:100マスのうち、3マス未満で剥がれが発生した。
○:100マスのうち、3マス以上10マス未満で剥がれが発生した。
×:100マスのうち、50マス以上で剥がれが発生した。
「微細凹凸の反転構造を有するモールドの製造」
純度99.99質量%、厚さ0.3mmのアルミニウム板を30mm×90mmの大きさに切断し、過塩素酸/エタノール混液(体積比=1/4)中で電解研磨し、これをアルミニウム基材として用いた。
工程(a):
0.05Mシュウ酸水溶液4.6Lを電解液とし、径8cm、高さ2cmの半月状撹拌翼にて350rpmで撹拌しながら電解液の初期温度を15℃に調整した。アルミニウム基材を電解液に浸漬し、印可電圧80Vで5分間陽極酸化し、酸化皮膜を形成した。
工程(b):
酸化皮膜が形成されたアルミニウム基材を、6質量%のリン酸と1.8質量%クロム酸を混合した70℃の水溶液中に3時間浸漬して酸化皮膜を溶解除去し、陽極酸化の細孔発生点となる窪みを露出させた。
工程(c):
細孔発生点を露出させたアルミニウム基材を、15℃に調整した0.05Mシュウ酸水溶液に浸漬し、80Vで6秒間陽極酸化して、酸化皮膜をアルミニウム基材の表面に再び形成した。
工程(d):
酸化皮膜が形成されたアルミニウム基材を、32℃に調整した5質量%リン酸水溶液中に19分間浸漬して、酸化皮膜の細孔を拡大する孔径拡大処理を施した。
工程(e):
前記工程(c)と前記工程(e)をさらに交互に4回繰り返し、最後に工程(d)を行った。すなわち、工程(c)を合計で5回行い、工程(d)を合計で5回行った。
その後、脱イオン水で洗浄した後、表面の水分をエアーブローで除去し、平均間隔180nm、平均深さ約160nmの略円錐形状の細孔を有する酸化皮膜が形成されたモールドを得た。
このようにして得られたモールドを、TDP−8(日光ケミカルズ社製)を0.1質量%に希釈した水溶液に10分間浸漬して、一晩風乾することにより、離型処理させた微細凹凸の反転構造を有するモールドを得た。
「活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製」
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの調製)
重合性成分として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、「DPHA」)50質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのEO変性化合物(日本化薬株式会社製、「DPEA−12」)25質量部、およびポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成株式会社製、「M−260」)25質量部と、重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン株式会社製、「IRGACURE184」)1.0質量部、およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(チバ・ジャパン株式会社製、「IRGACURE819」)0.5質量部と、離型剤(日光ケミカルズ株式会社製、「TDP−2」)0.1質量部とを混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物A(樹脂組成物A)を調製した。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bの調製)
重合性成分として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、「DPHA」)25質量部、多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業株式会社製、「アートレジンUN−906」)25質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのEO変性化合物(日本化薬株式会社製、「DPEA−12」)25質量部、およびポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成株式会社製、「M−260」)25質量部と、重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン株式会社製、「IRGACURE184」)1.0質量部、およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(チバ・ジャパン株式会社製、「IRGACURE819」)0.5質量部と、離型剤(日光ケミカルズ株式会社製、「TDP−2」)0.1質量部とを混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物B(樹脂組成物B)を調製した。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Cの調製)
重合性成分として、多官能ウレタンアクリレート(第一工業製薬株式会社製、「ニューフロンティアR−1150D」)50質量部、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、「DPCA−30」)10質量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、「ビスコート#230」)40質量部と、重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン株式会社製、「IRGACURE184」)1.0質量部、およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(チバ・ジャパン株式会社製、「IRGACURE819」)0.5質量部と、離型剤(日光ケミカルズ株式会社製、「TDP−2」)0.1質量部とを混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物C(樹脂組成物C)を調製した。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Dの調製)
重合性成分として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、「DPHA」)25質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬株式会社製、「ニューフロンティアPET−3」)25質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのEO変性化合物(日本化薬株式会社製、「DPEA−12」)25質量部、およびポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成株式会社製、「M−260」)25質量部と、重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン株式会社製、「IRGACURE184」)1.0質量部、およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(チバ・ジャパン株式会社製、「IRGACURE819」)0.5質量部と、離型剤(日光ケミカルズ株式会社製、「TDP−2」)0.1質量部とを混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物D(樹脂組成物D)を調製した。
「実施例1」
(工程1:中間層の形成1回目)
樹脂組成物Aをモールドの表面に数滴垂らした。基材として厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム株式会社製、「TD80ULM」、以下「TACフィルム」とも示す)で樹脂組成物Aを押し広げながら、樹脂組成物AをTACフィルムで被覆した。その後、TACフィルム側から高圧水銀灯を用いて1000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して、樹脂組成物Aを硬化させた。樹脂組成物Aの硬化物をTACフィルムごとモールドAから離型して、基材上に、隣り合う凸部同士の平均間隔が180nm、凸部の平均高さが150nm(アスペクト比:0.83)の微細凹凸構造を表面に有し、膜厚14μmの中間層が積層した積層フィルムを得た。
(工程2:中間層の形成2回目)
続いて、樹脂組成物Aをモールドの表面に数滴垂らし、先に得られた積層フィルムで樹脂組成物を押し広げながら、樹脂組成物Aを積層フィルムで被覆した。その後、積層フィルム側から高圧水銀灯を用いて1000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して、樹脂組成物Aを硬化させた。樹脂組成物Aの硬化物を積層フィルムごとモールドから離型して、積層フィルム上に、隣り合う凸部同士の平均間隔が180nm、凸部の平均高さが150nm(アスペクト比:0.83)の微細凹凸構造を表面に有し、膜厚25μmの中間層が積層した積層フィルムを得た。なお、各中間層の表面に形成された微細凹凸構造は、互いに位置ずれしていた。
(工程3:中間層の形成3回目)
工程2で得られた積層フィルムに、さらに工程2を繰り返すことで、隣り合う凸部同士の平均間隔が180nm、凸部の平均高さが150nm(アスペクト比:0.83)の微細凹凸構造を表面に有し、膜厚39μmの中間層が積層した積層フィルムを得た。なお、各中間層の表面に形成された微細凹凸構造は、互いに位置ずれしていた。
(工程4:最表層の形成)
樹脂組成物Aをモールドの表面に数滴垂らした。工程3で得られた積層フィルムで樹脂組成物を押し広げながら、樹脂組成物Aを積層フィルムで被覆した。その後、積層フィルム側から高圧水銀灯を用いて1000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して、樹脂組成物Aを硬化させた。樹脂組成物Aの硬化物を積層フィルムごとモールドから離型して、積層フィルム上に、隣り合う凸部同士の平均間隔が180nm、凸部の平均高さが150nm(アスペクト比:0.83)の微細凹凸構造を表面に有し、膜厚48μmの中間層および最表層が積層したフィルム状の積層構造体を得た。なお、各中間層と最表層の表面に形成された微細凹凸構造は、互いに位置ずれしていた。
得られた積層構造体について、押し込み弾性率を測定し押込み弾性率比(A2/A1)を求めた。また、鉛筆硬度および密着性の評価を行った。結果を表1に示す。
「実施例2」
工程4を実施せず、工程3において積層した層を最表層としたこと以外は、実施例1と同様にして積層構造体を製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。各中間層と最表層の表面に形成された微細凹凸構造は、互いに位置ずれしていた。
「実施例3」
工程3および工程4を実施せず、工程1および工程2において、樹脂組成物を樹脂組成物Bに変更した以外は、実施例1と同様にして積層構造体を製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。中間層と最表層の表面に形成された微細凹凸構造は、互いに位置ずれしていた。
「実施例4」
工程1の樹脂組成物を樹脂組成物Dに変更した以外は、実施例2と同様にして積層構造体を製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。中間層と最表層の表面に形成された微細凹凸構造は、互いに位置ずれしていた。
「実施例5」
工程3および工程4を実施せず、工程2において積層した層を最表層としたこと以外は、実施例1と同様にして積層構造体を製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
「実施例6」
工程1を実施例1と同様に行い、引き続き樹脂組成物Aを、微細凹凸構造が表面に形成されていない鏡面アルミニウム基材(以下、単に「鏡面アルミニウム基材」という。)の表面に数滴垂らし、工程1で得られた積層フィルムで樹脂組成物を押し広げながら、樹脂組成物Aを積層フィルムで被覆した。その後、積層フィルム側から高圧水銀灯を用いて1000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して、樹脂組成物Aを硬化させ、積層構造体を得た。各種測定を行った結果を表1に示す。
「比較例1」
工程3および工程4を実施せず、工程1において樹脂組成物Aを樹脂組成物Cに変更し、工程2において、樹脂組成物Aを樹脂組成物Bに変更した以外は、実施例1と同様にして積層構造体を製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。中間層と最表層の表面に形成された微細凹凸構造は、互いに位置ずれしていた。
「比較例2」
工程3および工程4を実施せず、工程1および工程2において、樹脂組成物Aを樹脂組成物Dに変更した以外は、実施例1と同様にして積層構造体を製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。中間層と最表層の表面に形成された微細凹凸構造は、互いに位置ずれしていた。
「比較例3」
工程2〜工程4を実施せず、工程1において積層した層を最表層としたこと以外は、実施例1と同様にして積層構造体を製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
「比較例4」
工程2〜工程4を実施せず、工程1において積層した層を最表層とし、樹脂組成物Aを樹脂組成物Bに変更した以外は、実施例1と同様にして積層構造体を製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。
「比較例5」
工程2〜工程4を実施せず、工程1において積層した層を最表層とし、樹脂組成物Aを樹脂組成物Dに変更した以外は、実施例1と同様にして積層構造体を製造し、各種測定を行った。結果を表1に示す。

表1の結果から明らかなように、実施例1〜6の積層構造体は、良好な機械特性および密着性を有し、鉛筆硬度試験で2H以上を示した。また、中間層および最表層の表面に互いに位置ずれした微細凹凸構造を有する実施例1〜5は、最表面に微細凹凸構造を有するため、反射防止性能にも優れるものであった。
比較例1および2の積層構造体は、実施例1〜6の積層構造体と同程度の密着性を有していたが、最表層と中間層を合わせた部分の膜厚が薄く、鉛筆硬度試験において、応力が、最表層や中間層の内部に分散しきれず中間層と基材との界面に達し、鉛筆硬度2Hで基材にクラックを生じた。
比較例3および4の積層構造体は、膜厚が薄く、また、中間層を有していないため、鉛筆硬度試験において応力を最表層内部で十分に分散しきれず、鉛筆硬度2Hで基材からの剥がれを生じた。
比較例5の積層構造体は、膜厚が薄く、また、中間層を有していないため、鉛筆硬度試験において応力を最表層内部で十分に分散しきれず、鉛筆硬度Hで基材からの剥がれを生じた。
本発明の積層構造体は、密着性および機械特性に優れた光学物品、特に反射防止フィルム等の反射防止物品として有用である。
10 積層構造体
12 基材
14 中間層
14a 表面に微細凹凸構造を有する層
14b 表面に微細凹凸構造を有さない層
16 最表層
20 アルミニウム基材
22 細孔
24 酸化皮膜
26 細孔発生点
28 モールド
30 ロール状モールド
32 タンク
34 空気圧シリンダ
36 ニップロール
38 活性エネルギー線照射装置
40 剥離ロール

Claims (6)

  1. 基材と、中間層と、最表層とを有する積層構造体であって、微小押し込み硬さ試験機で測定した、基材表面の押し込み弾性率をA1とし、積層構造体の最表層側表面の押し込み弾性率をA2としたときの、A2/A1の値が0.4〜0.7であり、最表層と中間層の膜厚の合計が25μm以上であることを特徴とする積層構造体。
  2. 前記最表層の表面に微細凹凸構造を有する、請求項1に記載の積層構造体。
  3. 前記中間層のうち少なくとも一層が微細凹凸構造を有する層である、請求項1または2に記載の積層構造体。
  4. 前記最表層が、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなる層である、請求項1〜3に記載の積層構造体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層構造体を表面に備えた、反射防止物品。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層構造体の製造方法であって、ナノインプリント法により前記微細凹凸構造を形成する、積層構造体の製造方法。
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