JP2015050143A - 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗布後の平坦性に優れ、水蒸気等に対するバリア性に優れる樹脂保護膜を形成できる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供する。【解決手段】カチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤であって、前記カチオン重合性化合物は、脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有し、前記カチオン重合性化合物100重量部中に前記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を70重量部以上含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。【選択図】なし
Description
本発明は、塗布後の平坦性に優れ、水蒸気等に対するバリア性に優れる樹脂保護膜を形成できる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELともいう)表示素子は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された積層体構造を有し、この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して発光する。このように有機EL表示素子は自己発光を行うことから、バックライトを必要とする液晶表示素子等と比較して視認性がよく、薄型化が可能であり、しかも直流低電圧駆動が可能であるという利点を有している。
特許文献1には、有機EL表示素子の有機発光材料層と電極とを、CVD法により形成した樹脂膜と、窒化珪素膜との積層膜により封止する方法が開示されている。ここで樹脂膜は、窒化珪素膜の内部応力による有機層や電極への圧迫を防止する役割を有する。
特許文献1に開示された窒化珪素膜で封止を行う方法では、有機薄膜素子の表面の凹凸や異物の付着、内部応力によるクラックの発生等により、窒化珪素膜を形成する際に有機薄膜素子を完全に被覆できないことがある。窒化珪素膜による被覆が不完全であると、水分が窒化珪素膜を通して有機層内に浸入してしまう。
有機層内への水分の浸入を防止するための方法として、特許文献2には、無機材料膜と樹脂膜とを交互に蒸着する方法が開示されており、特許文献3や特許文献4には、無機材料膜上に樹脂膜を形成する方法が開示されている。
有機層内への水分の浸入を防止するための方法として、特許文献2には、無機材料膜と樹脂膜とを交互に蒸着する方法が開示されており、特許文献3や特許文献4には、無機材料膜上に樹脂膜を形成する方法が開示されている。
無機材料膜上に樹脂膜を形成する方法として、特許文献5には、樹脂組成物を無機材料膜上に塗布する方法が開示されている。しかしながら、特に、厚さ20μm以下の樹脂膜を形成する場合、塗布膜にピンホールや、端部の膨らみ(サドル現象)が発生しやすくなり、得られた樹脂膜が有機発光材料層への水蒸気等の浸入を充分に防止できないという問題があった。
本発明は、塗布後の平坦性に優れ、水蒸気等に対するバリア性に優れる樹脂保護膜を形成できる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することを目的とする。
本発明は、カチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤であって、上記カチオン重合性化合物は、脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有し、上記カチオン重合性化合物100重量部中に上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を70重量部以上含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、驚くべきことに、特定量の脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有するカチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物は、塗布後の塗布膜にピンホールやサドル現象を発生させず、該塗布膜が平坦性に優れるものとなることを見出した。そこで本発明者らは、このような硬化性樹脂組成物を有機EL表示素子用封止剤として用いることにより、水蒸気等に対するバリア性に優れる樹脂保護膜を形成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、カチオン重合性化合物を含有する。
上記カチオン重合性化合物は、脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有する。上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、塗布した際及び硬化後の平坦性に優れるものとなる。
上記カチオン重合性化合物は、脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有する。上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、塗布した際及び硬化後の平坦性に優れるものとなる。
上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、無機材料膜に対する濡れ性に優れることから、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
上記水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、下記式(1)で表される化合物が挙げられ、上記水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
式(1)及び式(2)中、nは0〜100の整数を表す。
上記水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YX−8000(三菱化学社製、エポキシ当量205g/eq)、YX−8034(三菱化学社製、エポキシ当量290g/eq)、YX−8040(三菱化学社製、エポキシ当量1200g/eq)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER1750(三菱化学社製、エポキシ当量170g/eq)、YL−6753(三菱化学社製、エポキシ当量180g/eq)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER1750(三菱化学社製、エポキシ当量170g/eq)、YL−6753(三菱化学社製、エポキシ当量180g/eq)等が挙げられる。
上記カチオン重合性化合物は、2種類以上の上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有することが好ましい。2種類以上の上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、粘度と塗布性能と反応性とをバランスよく調整可能となる。なかでも、エポキシ当量の異なる2種類以上の上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有することが好ましい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、上記カチオン重合性化合物100重量部中に上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を70重量部以上含有する。上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂の含有量が70重量部未満であると、ガラス基板に対する濡れ性が悪くなるため、目的とする封止剤としての性能が充分に発揮できなくなる。
上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂の含有量の好ましい下限は95重量部である。
上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂の含有量の好ましい下限は95重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、カチオン重合性化合物100重量部に対して、エポキシ当量が500g/eq以下の脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を60重量部以上含有することが好ましい。上記エポキシ当量が500g/eq以下の脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂の含有量が60重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用封止剤が硬化性や接着性に劣るものとなることがある。上記エポキシ当量が500g/eq以下の脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂の含有量のより好ましい下限は70重量部である。
上記カチオン重合性化合物は、低極性オキセタン化合物を含有することが好ましい。上記低極性オキセタン化合物を含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、塗布後の平坦性により優れるものとなる。
なお、本明細書において上記「低極性」とは、双極子モーメントが小さいことを意味している。例えば、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンは、分子内に長い直鎖アルキルを有するため、極性が低くなる。また、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンのような低極性オキセタンは表面張力が低いため、レベリング性を向上させることができ、外観のよい塗膜を得ることができる。
なお、本明細書において上記「低極性」とは、双極子モーメントが小さいことを意味している。例えば、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンは、分子内に長い直鎖アルキルを有するため、極性が低くなる。また、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンのような低極性オキセタンは表面張力が低いため、レベリング性を向上させることができ、外観のよい塗膜を得ることができる。
上記低極性オキセタン化合物としては、例えば、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等が挙げられる。なかでも、表面張力が低く、濡れ性に優れることから、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンが好ましい。
上記低極性オキセタン化合物の含有量は、塗布性や硬化物の物性の観点から、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が25重量部である。上記低極性オキセタン化合物の含有量のより好ましい下限は7重量部、より好ましい上限は20重量部である。
上記カチオン重合性化合物は、本発明の目的を阻害しない範囲において、上記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂や上記低極性オキセタン化合物以外のその他のカチオン重合性化合物を含有してもよい。
上記その他のカチオン重合性化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の脂肪族環状骨格を有さないエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記その他のカチオン重合性化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の脂肪族環状骨格を有さないエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、カチオン重合開始剤を含有する。
上記カチオン重合開始剤としては、加熱によりプロトン酸又はルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生する光カチオン重合開始剤等が挙げられる。
上記カチオン重合開始剤としては、加熱によりプロトン酸又はルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生する光カチオン重合開始剤等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、例えば、SbF6系のアデカオプトンCP−66、CP−77(いずれも、ADEKA社製)等が挙げられる。
また、熱活性だけでなく光活性も有している熱カチオン重合開始剤として、例えば、SbF6系又はPF6系のサンエイドSIシリーズ(三新化学工業社製)や、B(PhF5)4等のボレート系等が挙げられる。
これらの市販されている熱カチオン重合開始剤の中でも、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化反応を100℃以下で進行させることができることから、サンエイドSIシリーズの芳香族スルホニウム塩であり、SbF6系カチオン重合開始剤であるサンエイドSI−60を用いることが好ましい。また、貯蔵安定性や硬化性能の面から、ボレート系カチオン重合開始剤であるCXC−1821(King Industries社製)も好ましい。
これらの熱カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
また、熱活性だけでなく光活性も有している熱カチオン重合開始剤として、例えば、SbF6系又はPF6系のサンエイドSIシリーズ(三新化学工業社製)や、B(PhF5)4等のボレート系等が挙げられる。
これらの市販されている熱カチオン重合開始剤の中でも、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化反応を100℃以下で進行させることができることから、サンエイドSIシリーズの芳香族スルホニウム塩であり、SbF6系カチオン重合開始剤であるサンエイドSI−60を用いることが好ましい。また、貯蔵安定性や硬化性能の面から、ボレート系カチオン重合開始剤であるCXC−1821(King Industries社製)も好ましい。
これらの熱カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記光カチオン重合開始剤は、イオン性光カチオン重合開始剤であってもよいし、非イオン性光カチオン重合開始剤であってもよい。
上記イオン性光カチオン重合開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられる。
上記ヨードニウム塩としては、例えば、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記スルホニウム塩としては、例えば、ジフェニル−4−チオフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
上記非イオン性光カチオン重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナート等が挙げられる。
これらの光カチオン重合開始剤のなかでも、ジフェニル−4−チオフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロアンチモネートが好ましい。
これらの光カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記イオン性光カチオン重合開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられる。
上記ヨードニウム塩としては、例えば、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記スルホニウム塩としては、例えば、ジフェニル−4−チオフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
上記非イオン性光カチオン重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナート等が挙げられる。
これらの光カチオン重合開始剤のなかでも、ジフェニル−4−チオフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロアンチモネートが好ましい。
これらの光カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、RP2074(ローディア社製)、アデカオプトマーSP−170(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記カチオン重合開始剤の含有量は、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、好ましい上限が5重量部である。上記カチオン重合開始剤の含有量が0.5重量部以上であることにより、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化反応を充分に進行させることができる。上記カチオン重合開始剤の含有量が5重量部以下であることにより、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化物の着色や、発生する酸による基材等の劣化を抑制することができる。上記カチオン重合開始剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、アクリル系表面調整剤を含有することが好ましい。上記アクリル系表面調整剤を含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、塗布後の平坦性により優れるものとなる。
上記アクリル系表面調整剤としては、例えば、ブチルアクリレートのオリゴマーのようなアクリル共重合系のアクリルオリゴマー等が挙げられる。なかでも、塗布膜の平坦化に寄与する性能が優れていることから、ポリブチルアクリレートのオリゴマーが好ましい。
上記アクリル系表面調整剤の含有量は、得られる有機EL表示素子用封止剤の平坦性や封止性能の観点から上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が3重量部である。上記アクリル系表面調整剤の含有量のより好ましい下限は0.2重量部、より好ましい上限は2重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、熱安定剤を含有することが好ましい。
上記熱安定剤としては、例えば、ベンジルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリイソパノールアミン、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン等が挙げられる。なかでも、少量使用でも貯蔵安定性を上げる効果が大きいことから、ベンジルアミンが好ましい。
上記熱安定剤としては、例えば、ベンジルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリイソパノールアミン、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン等が挙げられる。なかでも、少量使用でも貯蔵安定性を上げる効果が大きいことから、ベンジルアミンが好ましい。
上記熱安定剤の含有量は、貯蔵安定性やエポキシ樹脂の硬化性の観点から、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.0001重量部、好ましい上限が0.001重量部である。上記熱安定剤の含有量のより好ましい下限は0.0002重量部、より好ましい上限は0.0008重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は、本発明の有機EL表示素子用封止剤と基板等との接着性を向上させる役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は、接着性や余剰シランカップリング剤のブリードアウト抑制の観点から、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を、有機発光材料層を有する積層体の周辺部に閉じたパターンを形成するための外周シール剤として用いる場合、本発明の目的を阻害しない範囲で充填剤を含有してもよい。
上記充填剤としては、例えば、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。
上記無機フィラーとしては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土等が挙げられる。
上記有機フィラーとしては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
なかでも、タルクを含有することが好ましい。
なお、本発明の有機EL表示素子用封止剤を、上記積層体を完全に被覆する等のための内側シール剤として用いる場合は、通常、上記充填剤を配合せず、配合する場合でも可視光の波長以下の大きさのものが用いられる。
上記充填剤としては、例えば、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。
上記無機フィラーとしては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土等が挙げられる。
上記有機フィラーとしては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
なかでも、タルクを含有することが好ましい。
なお、本発明の有機EL表示素子用封止剤を、上記積層体を完全に被覆する等のための内側シール剤として用いる場合は、通常、上記充填剤を配合せず、配合する場合でも可視光の波長以下の大きさのものが用いられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、硬化物の透明性を阻害しない範囲で、素子電極の耐久性を向上させるために、封止剤中に発生した酸と反応する化合物又はイオン交換樹脂を含有してもよい。
上記発生した酸と反応する化合物としては、酸と中和する物質、例えば、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩又は炭酸水素塩等が挙げられる。具体的には例えば、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が用いられる。
上記イオン交換樹脂としては、陽イオン交換型、陰イオン交換型、両イオン交換型のいずれも使用することができるが、特に塩化物イオンを吸着することのできる陽イオン交換型又は両イオン交換型が好適である。
また、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、必要に応じて、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の各種添加剤を含有してもよい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、上記カチオン重合性化合物と、上記カチオン重合開始剤と、必要に応じて添加する上記シランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤の粘度は、塗布性の観点から、コーンローター式粘度計を用いて、25℃、2.5rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限が500mPa・s、好ましい上限は1万mPa・sである。上記重合性組成物の粘度のより好ましい下限は1000mPa・s、より好ましい上限は5000mPa・sである。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、25℃における表面張力が35mN/m以下であることが好ましい。上記表面張力が35mN/m以下であることにより、塗布膜が平坦性に優れるものとなる。上記表面張力は、34mN/m以下であることがより好ましく、33mN/m以下であることが更に好ましい。
なお、上記表面張力は、動的濡れ性試験機(レスカ社製、「WET−6100型」)により測定することができる。
なお、上記表面張力は、動的濡れ性試験機(レスカ社製、「WET−6100型」)により測定することができる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、有機EL表示素子の基材に塗布することができる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を塗布する方法としては、例えば、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、スリットコート等の方法を用いることができる。なかでも、スクリーン印刷が好適に用いられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を塗布する方法としては、例えば、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、スリットコート等の方法を用いることができる。なかでも、スクリーン印刷が好適に用いられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、基材の全面に塗布してもよく、基材の一部に塗布してもよい。即ち、塗布により形成される本発明の有機EL表示素子用封止剤の封止部の形状としては、有機発光材料層を有する積層体を外気から保護しうる形状であれば特に限定されず、該積層体を完全に被覆する形状であってもよいし、該積層体の周辺部に閉じたパターンを形成してもよいし、該積層体の周辺部に一部開口部を設けた形状のパターンを形成してもよい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を塗布する基材(以下、一方の基材ともいう)は、有機発光材料層を有する積層体の形成されている基材であってもよく、該積層体の形成されていない基材であってもよい。
上記一方の基材が上記積層体の形成されていない基材である場合、他方の基材を貼り合わせた際に、上記積層体を外気から保護できるように上記一方の基材に本発明の有機EL表示素子用封止剤を塗布すればよい。即ち、他方の基材を貼り合わせた際に上記積層体の位置となる場所に全面的に塗布するか、又は、他方の基材を貼り合わせた際に上記積層体の位置となる場所が完全に収まる形状に、閉じたパターンの封止剤部を形成してもよい。
上記一方の基材が上記積層体の形成されていない基材である場合、他方の基材を貼り合わせた際に、上記積層体を外気から保護できるように上記一方の基材に本発明の有機EL表示素子用封止剤を塗布すればよい。即ち、他方の基材を貼り合わせた際に上記積層体の位置となる場所に全面的に塗布するか、又は、他方の基材を貼り合わせた際に上記積層体の位置となる場所が完全に収まる形状に、閉じたパターンの封止剤部を形成してもよい。
また、上記積層体は、無機材料膜で被覆されていてもよい。
上記無機材料膜は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
上記無機材料膜は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、塗布した際に最も高くなる部分のうち塗布膜の平均高さ以上となる部分の高さをサドル高さとした場合に、塗布膜の平均高さに対するサドル高さの割合が10%以下であることが好ましい。塗布膜の平均高さに対するサドル高さの割合のより好ましい上限は5%である。
上記有機EL表示素子用封止剤は、加熱又は光照射により硬化させることができる。
上記有機EL表示素子用封止剤を加熱により硬化させる場合、有機発光材料層を有する積層体へのダメージを低減させつつ充分に硬化させる観点から、90〜120℃で加熱することが好ましい。
また、上記有機EL表示素子用封止剤を光照射により硬化させる場合、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、300nm〜400nmの波長及び300〜3000mJ/cm2の積算光量の光を照射することによって硬化させることができる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤の硬化に際しては、加熱と光照射とを同時に行ってもよい。
上記有機EL表示素子用封止剤を加熱により硬化させる場合、有機発光材料層を有する積層体へのダメージを低減させつつ充分に硬化させる観点から、90〜120℃で加熱することが好ましい。
また、上記有機EL表示素子用封止剤を光照射により硬化させる場合、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、300nm〜400nmの波長及び300〜3000mJ/cm2の積算光量の光を照射することによって硬化させることができる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤の硬化に際しては、加熱と光照射とを同時に行ってもよい。
上記有機EL表示素子用封止剤の硬化は、上記基材を貼り合わせる前に行なってもよいし、基材を貼り合わせた後に行なってもよい。
本発明によれば、塗布後の平坦性に優れ、水蒸気等に対するバリア性に優れる樹脂保護膜を形成できる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
カチオン重合性化合物として、脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂である水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「YX−8034」)100重量部と、カチオン重合開始剤としてボレート系カチオン重合開始剤(King Industries社製、「CXC1821」)0.5重量部と、アクリル系表面調整剤(ビックケミー・ジャパン社製、「BYK−354」)0.5重量部とを混合し、あわとり練太郎AR−100(シンキー社製)を用い、撹拌速度2000rpmで均一に撹拌混合して、有機EL表示素子用封止剤を作製した。
カチオン重合性化合物として、脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂である水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「YX−8034」)100重量部と、カチオン重合開始剤としてボレート系カチオン重合開始剤(King Industries社製、「CXC1821」)0.5重量部と、アクリル系表面調整剤(ビックケミー・ジャパン社製、「BYK−354」)0.5重量部とを混合し、あわとり練太郎AR−100(シンキー社製)を用い、撹拌速度2000rpmで均一に撹拌混合して、有機EL表示素子用封止剤を作製した。
(実施例2〜7、比較例1〜5)
用いた材料及び配合量を表1に示したものとしたこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子用封止剤を作製した。
用いた材料及び配合量を表1に示したものとしたこと以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子用封止剤を作製した。
<評価>
(1)粘度及び粘度変化率
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、コーンローター式粘度計(東機産業社製、「TV−22型」)を用いて、25℃、2.5rpmの条件における粘度(初期粘度)を測定した。
また、実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を25℃で1週間保管したときの粘度を初期粘度と同様にして測定し、((25℃、1週間保管後の粘度)/(初期粘度))×100を粘度変化率として測定した。
(1)粘度及び粘度変化率
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、コーンローター式粘度計(東機産業社製、「TV−22型」)を用いて、25℃、2.5rpmの条件における粘度(初期粘度)を測定した。
また、実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を25℃で1週間保管したときの粘度を初期粘度と同様にして測定し、((25℃、1週間保管後の粘度)/(初期粘度))×100を粘度変化率として測定した。
(2)表面張力
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、動的濡れ性試験機(レスカ社製、「WET−6100型」)を使用して表面張力を測定した。
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、動的濡れ性試験機(レスカ社製、「WET−6100型」)を使用して表面張力を測定した。
(3)塗布膜の平坦性
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、「LS−100VC」)を用いて、ガラス基板にスクリーン印刷方式で塗布した。スクリーン印刷版は500メッシュのものを使用した。得られた塗布膜を目視で観察し、未塗布の部分が無い場合を「〇」、未塗布の部分が1〜5個あった場合を「△」、未塗布の部分が5個を超えていた場合を「×」として塗布膜の平坦性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、「LS−100VC」)を用いて、ガラス基板にスクリーン印刷方式で塗布した。スクリーン印刷版は500メッシュのものを使用した。得られた塗布膜を目視で観察し、未塗布の部分が無い場合を「〇」、未塗布の部分が1〜5個あった場合を「△」、未塗布の部分が5個を超えていた場合を「×」として塗布膜の平坦性を評価した。
(4)塗布膜の平均高さに対するサドル高さの割合
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、「LS−100VC」)を用いて、ガラス基板にスクリーン印刷方式で塗布した。スクリーン印刷版は500メッシュのものを使用した。得られた塗布膜の膜厚を、段差測定装置(ケーエルエー・テンコール社製、「ALPHA STEP IQ」)にて測定し、塗布した際に最も高くなる部分のうち塗布膜の平均高さ以上となる部分の高さをサドル高さとして、塗布膜の平均高さに対するサドル高さの割合を導出した。
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、「LS−100VC」)を用いて、ガラス基板にスクリーン印刷方式で塗布した。スクリーン印刷版は500メッシュのものを使用した。得られた塗布膜の膜厚を、段差測定装置(ケーエルエー・テンコール社製、「ALPHA STEP IQ」)にて測定し、塗布した際に最も高くなる部分のうち塗布膜の平均高さ以上となる部分の高さをサドル高さとして、塗布膜の平均高さに対するサドル高さの割合を導出した。
(5)硬化率
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤をアルミ容器に入れて100℃で30分間硬化させて硬化率測定用試験片を得た。得られた硬化率測定用試験片について、示差走査熱量計を利用して硬化率を測定した。
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤をアルミ容器に入れて100℃で30分間硬化させて硬化率測定用試験片を得た。得られた硬化率測定用試験片について、示差走査熱量計を利用して硬化率を測定した。
(6)有機EL表示素子の信頼性
(有機発光材料層を有する積層体が配置された基板の作製)
ガラス基板(長さ25mm、幅25mm、厚さ0.7mm)にITO電極を1000Åの厚さで成膜したものを基板とした。上記基板をアセトン、アルカリ水溶液、イオン交換水、イソプロピルアルコールにてそれぞれ15分間超音波洗浄した後、煮沸させたイソプロピルアルコールにて10分間洗浄し、更に、UV−オゾンクリーナ(日本レーザー電子社製、「NL−UV253」)にて直前処理を行った。
次に、この基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、素焼きの坩堝にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を200mg、他の異なる素焼き坩堝にトリス(8−ヒドロキシキノリラ)アルミニウム(Alq3)を200mg入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。その後、α−NPDの入った坩堝を加熱し、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。次いで、Alq3の入った坩堝を加熱し、15Å/sの蒸着速度で膜厚600Åの有機発光材料層を成膜した。その後、正孔輸送層及び有機発光材料層が形成された基板を別の真空蒸着装置に移し、この真空蒸着装置内のタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mgを、別のタングステン製ボートにアルミニウム線1.0gを入れた。その後、真空蒸着装置の蒸着器内を2×10−4Paまで減圧してフッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で5Å成膜した後、アルミニウムを20Å/sの速度で1000Å成膜した。窒素により蒸着器内を常圧に戻し、10mm×10mmの有機発光材料層を有する積層体が配置された基板を取り出した。
(有機発光材料層を有する積層体が配置された基板の作製)
ガラス基板(長さ25mm、幅25mm、厚さ0.7mm)にITO電極を1000Åの厚さで成膜したものを基板とした。上記基板をアセトン、アルカリ水溶液、イオン交換水、イソプロピルアルコールにてそれぞれ15分間超音波洗浄した後、煮沸させたイソプロピルアルコールにて10分間洗浄し、更に、UV−オゾンクリーナ(日本レーザー電子社製、「NL−UV253」)にて直前処理を行った。
次に、この基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、素焼きの坩堝にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を200mg、他の異なる素焼き坩堝にトリス(8−ヒドロキシキノリラ)アルミニウム(Alq3)を200mg入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。その後、α−NPDの入った坩堝を加熱し、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。次いで、Alq3の入った坩堝を加熱し、15Å/sの蒸着速度で膜厚600Åの有機発光材料層を成膜した。その後、正孔輸送層及び有機発光材料層が形成された基板を別の真空蒸着装置に移し、この真空蒸着装置内のタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mgを、別のタングステン製ボートにアルミニウム線1.0gを入れた。その後、真空蒸着装置の蒸着器内を2×10−4Paまで減圧してフッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で5Å成膜した後、アルミニウムを20Å/sの速度で1000Å成膜した。窒素により蒸着器内を常圧に戻し、10mm×10mmの有機発光材料層を有する積層体が配置された基板を取り出した。
(無機材料膜Aによる被覆)
得られた積層体が配置された基板の、該積層体全体を覆うように、13mm×13mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Aを形成した。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiH4ガス及び窒素ガスを用い、各々の流量を10sccm及び200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Aの厚さは、約1μmであった。
得られた積層体が配置された基板の、該積層体全体を覆うように、13mm×13mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Aを形成した。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiH4ガス及び窒素ガスを用い、各々の流量を10sccm及び200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Aの厚さは、約1μmであった。
(樹脂保護膜の形成)
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、「LS−100VC」)を用いて、ガラス基板にスクリーン印刷方式で塗布した。塗布時には膜厚が20μm以下になるように印刷速度等を調整した。次いで、100℃オーブンの中にて30分間加熱し、有機EL表示素子用封止剤を硬化させた。
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、「LS−100VC」)を用いて、ガラス基板にスクリーン印刷方式で塗布した。塗布時には膜厚が20μm以下になるように印刷速度等を調整した。次いで、100℃オーブンの中にて30分間加熱し、有機EL表示素子用封止剤を硬化させた。
(無機材料膜Bによる被覆)
樹脂保護膜を形成した後、該樹脂保護膜の全体を覆うように、12mm×12mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Bを形成して有機EL表示素子を得た。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiH4ガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiH4ガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Bの厚さは、約1μmであった。
樹脂保護膜を形成した後、該樹脂保護膜の全体を覆うように、12mm×12mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Bを形成して有機EL表示素子を得た。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiH4ガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiH4ガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Bの厚さは、約1μmであった。
得られた有機EL表示素子を、温度85℃、湿度85%の環境下で100時間暴露した後、3Vの電圧を印加し、ダークスポットの発生数を測定した。
本発明によれば、塗布後の平坦性に優れ、水蒸気等に対するバリア性に優れる樹脂保護膜を形成できる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することができる。
Claims (8)
- カチオン重合性化合物とカチオン重合開始剤とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤であって、
前記カチオン重合性化合物は、脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有し、
前記カチオン重合性化合物100重量部中に前記脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を70重量部以上含有する
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。 - 脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂は、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
- カチオン重合性化合物は、2種類以上の脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
- カチオン重合性化合物100重量部に対して、エポキシ当量が500g/eq以下の脂肪族環状骨格を有するエポキシ樹脂を60重量部以上含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
- カチオン重合性化合物は、低極性オキセタン化合物を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
- アクリル系表面調整剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
- コーンローター式粘度計を用いて、25℃、2.5rpmの条件で測定した粘度が500〜1万mPa・sであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
- 25℃における表面張力が35mN/m以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
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