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JP2015033173A - モータ - Google Patents

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JP2015033173A
JP2015033173A JP2013159601A JP2013159601A JP2015033173A JP 2015033173 A JP2015033173 A JP 2015033173A JP 2013159601 A JP2013159601 A JP 2013159601A JP 2013159601 A JP2013159601 A JP 2013159601A JP 2015033173 A JP2015033173 A JP 2015033173A
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崇文 根木
Takafumi Negi
崇文 根木
圭祐 小出
Keisuke Koide
圭祐 小出
博高 伊藤
Hirotaka Ito
博高 伊藤
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Asmo Co Ltd
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Abstract

【課題】スロットレスのステータを備えたモータにおいて高出力化を図る。【解決手段】モータ10は、ヨーク12の内側に巻線14が配設されたスロットレスのステータ11と、巻線14にて生じる磁界の作用によって回転するロータ20とを備える。そして、巻線14は、強磁性を有する第1材料層16と銅よりなる第2材料層17とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、スロットレスのステータを備えたモータに関するものである。
従来、この種のモータは、特許文献1に示されるように、ヨークの内側に巻線が配設されたスロットレスのステータと、ステータと対向配置されるロータとを備えている。ヨークとロータとは、巻線を介して例えば径方向に対向配置されており、巻線にて生じる回転磁界によってロータが回転するようになっている。
特開2005−287285号公報
しかしながら、上記のようなモータでは、ロータとヨークとの間の磁束の通り路となる鉄心部が無いことから、トルクに寄与しない漏れ磁束が増加してしまい、高出力化が困難であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、スロットレスのステータを備えたモータにおいて、高出力化を図ることにある。
上記課題を解決するモータは、ヨークの内側に巻線が配設されたスロットレスのステータと、前記巻線にて生じる磁界の作用によって回転するロータとを備えたモータであって、前記巻線は、強磁性を有する第1巻線部と、銅又はアルミニウムよりなる第2巻線部とを有する。
この構成によれば、強磁性を有する第1巻線部がロータとヨークとの間の磁束の通り路となるため、漏れ磁束の増加を抑えてトルクの発生に寄与する有効磁束を増加させることが可能となる。更に、巻線が銅やアルミニウムよりなる第2巻線部を有することで、巻線の電気抵抗率を低く抑えることが可能となる。以上のことから、第1及び第2巻線部を有する巻線によって、高出力化を図ることが可能となる。
上記モータにおいて、前記巻線は、前記第1巻線部と前記第2巻線部が層状に一体化されたクラッド線よりなることが好ましい。
この構成によれば、第1巻線部と第2巻線部が一体化されているため、それらを別の線で構成する場合に比べて巻線の組み付けが容易となる。
上記モータにおいて、前記巻線は、断面矩形状をなしていることが好ましい。
この構成によれば、巻線間の隙間を少なく構成することが可能となるため、巻線の占積率を向上させることができ、その結果、より一層の高出力化を図ることが可能となる。
上記モータにおいて、前記巻線は、鉄よりなる前記第1巻線部と銅よりなる前記第2巻線部が層状に一体化された2層のクラッド線であり、前記巻線の積層方向厚さTに対する前記第1巻線部の積層方向厚さT1の比率が33%未満に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、巻線に第1巻線部を設けない構成と比較して、渦電流損の低下及びモータ定数の向上の両方の効果を得ることができる(図4参照)。
上記モータにおいて、前記巻線は、前記第2巻線部が前記第1巻線部にて挟まれた3層のクラッド線であることが好ましい。
この構成によれば、第1巻線部を2つに分けることで第1巻線部の全体量を確保しつつも第1巻線部のそれぞれの厚みを薄くすることができ、その結果、第1巻線部にて生じうる渦電流損を少なく抑えることができる。
上記モータにおいて、前記第1巻線部は鉄よりなり、前記第2巻線部は銅よりなり、前記巻線の積層方向厚さに対する前記第1巻線部の積層方向厚さの合計の比率が68%未満に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、巻線に第1巻線部を設けない構成と比較して、渦電流損の低下及びモータ定数の向上の両方の効果を得ることができる(図7参照)。
上記モータにおいて、前記第1巻線部は鉄よりなり、前記第2巻線部はアルミニウムよりなり、前記巻線の積層方向厚さに対する前記第1巻線部の積層方向厚さの合計の比率が55%未満に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、巻線に第1巻線部を設けない構成と比較して、渦電流損の低下及びモータ定数の向上の両方の効果を得ることができる(図8参照)。
上記モータにおいて、前記第1巻線部と前記第2巻線部とは、周方向に交互に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第1及び第2巻線部が周方向に交互に配置されることで、周方向における磁気的バランスを保つことができ、より一層の高出力化に寄与できる。
上記モータにおいて、前記巻線は、前記第1巻線部が径方向に沿って並ぶように巻回されていることが好ましい。
この構成によれば、ロータとヨークとの間の磁束の通り路となる第1巻線部が径方向に沿って並ぶため、ロータとヨークとの間において磁束を径方向にスムーズに流すことができ、その結果、より一層の高出力化を図ることが可能となる。
上記モータにおいて、前記第2巻線部は、その断面形状において、前記ロータとの対向方向に対して垂直な第1の長さが前記対向方向に沿った第2の長さよりも短く形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第2巻線部において、その断面積を減らさずにロータとの対向面積を狭くすることができ、それにより、第2巻線部に生じる渦電流損を低く抑えてより一層の高出力化を図ることができる。
本発明のモータによれば、スロットレスのステータを採用しつつも、高出力化を図ることが可能となる。
実施形態のモータにおける軸方向と直交する断面を示す模式図である。 同形態のモータにおける軸方向に沿った断面を示す模式図である。 同形態における巻線の断面図である。 巻線の厚さTに対する第1材料層の厚さの比率Rと、モータ定数、トルク定数及び渦電流損との関係を示すグラフである。 別例のモータにおける軸方向と直交する断面を部分的に示す模式図である。 別例における巻線の断面図である。 巻線が鉄−銅−鉄の3層クラッドの場合の、巻線の厚さTに対する第1材料層の厚さ(合計)の比率Rと、モータ定数、トルク定数及び渦電流損との関係を示すグラフである。 巻線が鉄−アルミニウム−鉄の3層クラッドの場合の、巻線の厚さTに対する第1材料層の厚さ(合計)の比率Rと、モータ定数、トルク定数及び渦電流損との関係を示すグラフである。 別例における巻線の巻回態様を説明するための模式断面図である。 別例における巻線の巻回態様を説明するための模式断面図である。 別例の巻線を備えたステータの模式断面図である。
以下、モータの一実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のモータ10のステータ11は、スロットレス(コアレス)のものであり、円筒状のヨークハウジング(以下、ヨークという)12と、ヨーク12の軸方向両側にそれぞれ固定されたエンドハウジング13と、ヨーク12の内周面に沿って環状に配設された巻線14とを備えている。なお、ヨーク12と各エンドハウジング13とは、モータ10のハウジングを構成している。
巻線14は、ヨーク12の内側に所定の態様で巻回されるとともに、モールド樹脂材15によってヨーク12の内周面に対して固定(封止)されている。このモールド樹脂材15及び巻線14は略円筒状に形成されている。なお、図1では、巻線14及びモールド樹脂材15のハッチングを省略しており、図2では、巻線14及びモールド樹脂材15をまとめて模式的に図示し、そのハッチングを省略している。
図3に示すように、巻線14は、強磁性を有する材料として本実施形態では鉄を主成分とする第1材料層16(第1巻線部)と、銅を主成分とする第2材料層17(第2巻線部)とが積層されて構成されたクラッド線(圧着線)よりなる。巻線14は断面長方形状をなしており、その長辺が径方向に略沿うように巻回されている。また、巻線14の断面において、第1材料層16と第2材料層17の境界線は巻線14の長辺に対して略平行となるように形成されている。
巻線14は、ヨーク12の内側において周方向及び径方向に沿って複数の線が並ぶように巻回されている。なお、本実施形態では、巻線14は、径方向に沿って3本の線が略直線状に一列に並ぶように巻回されている。また、第1及び第2材料層16,17の積層方向は、モータ周方向と略一致するように構成され、第1材料層16が周方向に隣接する線の第2材料層17を向いている。つまり、第1材料層16と第2材料層17とが周方向において交互に配置されている。また、径方向に隣り合う巻線14の第1材料層16同士及び第2材料層17同士は、径方向に沿って並んでいる。
また、第2材料層17の断面形状は、モータ径方向(ロータ20との対向方向)に沿って長い略長方形状をなしている。つまり、第2材料層17の断面形状において、ロータ20との対向方向に対して垂直な長さD1(モータ周方向に略沿った長さ)は、ロータ20との対向方向に沿った径方向長さD2よりも短く設定されている。
図1及び図2に示すように、巻線14(モールド樹脂材15)の内周側には、ロータ20が回転可能に設けられている。ロータ20は、各エンドハウジング13に対して回転可能に支持された回転軸21と、回転軸21に固定されたロータコア22と、ロータコア22の外周面に固定されたマグネット23と備えている。マグネット23は、周方向に交互に異極となるように8極で構成されている。また、マグネット23の外周面は、巻線14に対し空隙を介して径方向に対向するように構成されている。つまり、マグネット23とヨーク12の径方向間に巻線14が介在されるように構成されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
巻線14に電流が供給されると、ステータ11にて生じる回転磁界とロータ20のマグネット23の磁界とが相互に作用してロータ20が回転する。このとき、ヨーク12とロータ20(マグネット23)との間において、磁束は強磁性を有する第1材料層16を経由して行き来する。つまり、巻線14の第1材料層16によってヨーク12とロータ20との間の磁気的なエアギャップが減少(即ちパーミアンスが向上)されるため、ロータ20の回転に寄与しない漏れ磁束の発生が抑えられ、その結果、高出力化を図ることが可能となっている。
ここで、図4には、巻線14の積層方向の厚さT(図3参照)に対する第1材料層16の積層方向の厚さT1(図3参照)の比率(以下、鉄比率という)Rと、モータ定数、トルク定数及び渦電流損との関係を示す。なお、トルク定数は、トルク値を電流値で除算した値であり、モータ定数は、トルク定数を巻線抵抗値の平方根で除算した値であって、巻線抵抗値を考慮したモータ出力を示すパラメータである。図4では、R=0、即ち、巻線14から第1材料層16を除いたとき(巻線14を銅線としたとき)のモータ定数、トルク定数及び渦電流損を基準(100%)としている。
図4に示すように、トルク定数は、鉄比率Rが0から大きくなるに連れて増加する。つまり、0<Rの範囲ではトルク定数が100%よりも大きくなる。
渦電流損は、鉄比率Rが0から大きくなるに連れて一旦減少し、R=約15%での最小ピーク(渦電流損が約55%)を境に増加に転じ、R=33%で100%に戻る。つまり、0<R<33の範囲は、渦電流損が100%未満となる好適な範囲といえ、R=約15%では渦電流損の低減効果が最も大きくなる。
モータ定数は、鉄比率Rが0から大きくなるに連れて一旦増加し、R=約33%での最大ピーク(モータ定数が約110%)を境に減少に転じ、R=66.5%で100%に戻る。つまり、0<R<66.5の範囲は、モータ定数が100%よりも大きくなる好適な範囲といえ、更にR=約33%ではモータ定数の向上効果が最も大きくなる。
以上から、鉄比率Rを0<R<33の範囲内に設定することで、渦電流損を低下させ、かつモータ定数を増加させることができる。なお、鉄比率Rを0から増加させていったときに、モータ定数がR=約33%でのピークを境に減少するのは、鉄比率Rが大きくなることによる電流抵抗値の増加が原因といえる。即ち、モータ定数を増加(100%より大きく)させるためには、巻線14の電流抵抗値をある程度抑える必要があり、そのために第2材料層17の所定の積層方向厚さが必要といえる。
以上のように、本実施形態のモータ10では、強磁性を有する第1材料層16と電流抵抗率が低い第2材料層17の2層で巻線14が構成されることで、高出力化を図ることが可能となっている。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)スロットレスのステータ11において、ヨーク12の内側に配設された巻線14は、強磁性を有する第1材料層16と銅よりなる第2材料層17とを有する。この構成によれば、第1材料層16がロータ20とヨーク12との間の磁束の通り路となるため、漏れ磁束の増加を抑えてトルクの発生に寄与する有効磁束を増加させることが可能となる。更に、巻線14は銅よりなる第2材料層17を有することで、巻線14の電気抵抗率を低く抑えることが可能となる。以上のことから、第1及び第2材料層16,17を有する巻線14によって、高出力化を図ることが可能となる。
(2)巻線14は、第1巻線部としての第1材料層16と、第2巻線部としての第2材料層17が層状に一体化されたクラッド線よりなるため、第1及び第2巻線部を互いに別の線で構成する場合に比べて巻線14の組み付けが容易となる。
(3)巻線14が断面長方形状(断面矩形状)をなしているため、巻線14間の隙間を少なく構成することが可能となる。このため、巻線14の占積率を向上させることができ、その結果、より一層の高出力化を図ることが可能となる。更に、巻線14を断面矩形状とすることで、モータ径方向において巻線14同士の間隔を狭めることが可能となる。このため、ヨーク12とロータ20間の第1材料層16によるエアギャップの低減効果をより発揮させることができ、より一層の高出力化に寄与できる。また、断面矩形状の巻線14において、複数(3本)の線が径方向に沿って略直線状に並ぶように巻回することで、その各線の第1材料層16よりなる径方向に沿う磁束の通り路を形成しやすくすることができる。
(4)巻線14は、鉄よりなる第1材料層16と銅よりなる第2材料層17が層状に一体化された2層のクラッド線であり、巻線14の積層方向の厚さTに対する第1材料層16の積層方向の厚さT1の比率(鉄比率R)が33%未満に設定される。この構成によれば、巻線14に第1材料層16を設けない構成と比較して、渦電流損の低下及びモータ定数の向上の両方の効果を得ることができる(図4参照)。
(5)巻線14は、第1材料層16と第2材料層17が周方向に交互に並ぶように巻回されるため、周方向における磁気的バランスを保つことができ、より一層の高出力化に寄与できる。
(6)巻線14は、磁束の通り路となる第1材料層16が径方向に沿って並ぶように巻回されるため、ロータ20とヨーク12との間において磁束を径方向にスムーズに流すことができ、その結果、より一層の高出力化を図ることが可能となる。
(7)第2材料層17の断面形状において、ロータ20との対向方向(モータ径方向)に対して垂直な長さD1(第1の長さ)が径方向長さD2(第2の長さ)よりも短く形成されている。これにより、第2材料層17において、その断面積を減らさずにロータ20との対向面積(内周側面積)を狭くすることが可能となり、その結果、第2材料層17に生じる渦電流損を低く抑えてより一層の高出力化を図ることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の巻線14の第2材料層17を、アルミニウムを主成分とする層に変更してもよい。アルミニウムは、銅と同様に、電流抵抗率が低くかつ非磁性体であるため、第2材料層17をアルミニウムで構成した場合でも、上記実施形態と略同様の効果を得ることができ、更には、アルミニウムは銅よりも比重が小さいため、モータ10の軽量化に寄与できる。また、上記実施形態の第1材料層16を、例えば鉄に炭素を含ませてなる鉄鋼材にて構成してもよい。
・上記実施形態では、第1材料層16と第2材料層17よりなる2層のクラッド線を巻線14に用いたが、これ以外に例えば、第2材料層17が第1材料層16にて挟まれた3層のクラッド線を用いてもよい。
例えば、図5及び図6に示す3層構造の巻線14(クラッド線)は、断面長方形状をなし、第2材料層17(銅層)の周方向両側にそれぞれ第1材料層16(鉄層)が積層されて構成されている。つまり、巻線14は、第1及び第2材料層16,17の積層方向がモータ周方向と略平行であり、径方向に隣り合う巻線14の第1材料層16同士及び第2材料層17同士が径方向に沿って並ぶように巻回されている。また、巻線14は、周方向に隣り合う線の互いに向き合う第1材料層16同士をひとまとまりで見れば、第1材料層16と第2材料層17とが周方向に交互に配置された構成となっている。
ここで、図7には、巻線14の積層方向の厚さTに対する第1材料層16の積層方向厚さの合計の比率R(鉄比率R)と、モータ定数、トルク定数及び渦電流損との関係を示す。なお、本例では、各第1材料層16の厚さT2が互いに等しく設定されているため、鉄比率Rは、巻線14の厚さTに対するT2×2倍の値の比率となる。図7では、R=0、即ち、巻線14から第1材料層16を除いたとき(巻線14を銅線としたとき)のモータ定数、トルク定数及び渦電流損を基準(100%)としている。
図7に示すように、トルク定数は、鉄比率Rが0から大きくなるに連れて増加する。つまり、0<Rの範囲ではトルク定数が100%よりも大きくなる。
渦電流損は、鉄比率Rが0から大きくなるに連れて一旦減少し、R=約30%での最小ピーク(渦電流損が約40%)を境に増加に転じるが、R=80%においても渦電流損は100%未満を保っている。
モータ定数は、鉄比率Rが0から大きくなるに連れて一旦増加し、R=約40%での最大ピーク(モータ定数が約120%)を境に減少に転じ、R=68%で100%に戻る。つまり、0<R<68の範囲は、モータ定数が100%よりも大きくなる好適な範囲といえ、更にR=約40%ではモータ定数の向上効果が最も大きくなる。この0<R<68の範囲では、渦電流損が100%未満となるため、鉄比率Rを0<R<68の範囲内に設定することで、渦電流損を低下させ、かつモータ定数を増加させることができる。
このような構成によれば、上記実施形態のような2層クラッドと比較して、第1材料層16を2つに分けることで第1材料層16の全体量を確保しつつも第1材料層16のそれぞれの厚みを薄くすることができ、その結果、第1材料層16にて生じうる渦電流損を少なく抑えることができる。なお、上記の例では、各第1材料層16の厚さT2が互いに等しく設定されているが、これに限定されるものではなく、各第1材料層16の厚さが互いに異なるように設定してもよい。
次に、図5の例(3層クラッド)において第1材料層16を鉄、第2材料層17をアルミニウムで構成した場合の特性について図8に従って説明する。
図8に示すように、トルク定数は、鉄比率Rが0から大きくなるに連れて増加する。つまり、0<Rの範囲ではトルク定数が100%よりも大きくなる。
渦電流損は、鉄比率Rが0から大きくなるに連れて一旦減少し、R=約21%での最小ピーク(渦電流損が約50%)を境に増加に転じ、R=55%で100%に戻る。つまり、0<R<55の範囲は、渦電流損が100%未満となる好適な範囲といえ、R=約21%では渦電流損の低減効果が最も大きくなる。
モータ定数は、鉄比率Rが0から大きくなるに連れて一旦増加し、R=約40%での最大ピーク(モータ定数が約120%)を境に減少に転じ、R=72%で100%に戻る。つまり、0<R<72の範囲は、モータ定数が100%よりも大きくなる好適な範囲といえ、更にR=約40%ではモータ定数の向上効果が最も大きくなる。
以上から、第1材料層16を鉄、第2材料層17をアルミニウムとした3層クラッドでは、鉄比率Rを0<R<55の範囲内に設定することで、渦電流損を低下させ、かつモータ定数を増加させることができる。
なお、図5の例の巻線14では、第2材料層17が第1材料層16にて挟まれた3層のクラッド線としたが、これ以外に例えば、第1材料層16が第2材料層17にて挟まれた3層のクラッド線としてもよく、また例えば、第1及び第2材料層16,17で構成される4層以上のクラッド線としてもよい。
・巻線14の巻回態様(モールド樹脂材15内における各線の配置態様)は、上記実施形態に限定されるものではなく、構成に応じて適宜変更してもよい。
例えば、上記実施形態では、径方向に並ぶ巻線14において、第1材料層16同士及び第2材料層17同士が径方向に沿って直線的に配列されているが、これ以外に例えば、図9に示すように、第1材料層16が径方向に沿って一列とならないように構成してもよい。
また、例えば図10に示すように、巻線14が径方向に沿って直線的に並ばないように構成してもよい。なお、図10のように、巻線14の線同士が径方向に沿って直線的に並ばない構成であっても、第1材料層16を径方向に沿って並べることで、上記実施形態の効果(6)を得ることができる。
・上記実施形態では、第1材料層16(第1巻線部)と第2材料層17(第2巻線部)とが層状に一体化されたクラッド線を巻線14に用いたが、これ以外に例えば、第1巻線部と第2巻線部とを互いに別の線で構成してもよい。
例えば、図11に示す例では、ヨーク12の内周には、鉄線よりなる第1の巻線31と、銅線(又はアルミニウム線)よりなる第2の巻線32が巻回されるとともに、それらがモールド樹脂材15によってモールドされている。第1及び第2の巻線31,32はそれぞれ、複数の線が径方向及び周方向に沿って並ぶように巻回されている。より詳しくは、第1の巻線31における径方向に並ぶ複数(図11の例では3本)の線の組と、第2の巻線32における径方向に並ぶ3本の線の組とが周方向に交互に配置されている。
このような構成では、第1及び第2の巻線31,32のうちの少なくとも第2の巻線32に駆動電流が供給され、ステータ11に磁界が発生する。このとき、第1の巻線31がロータ20とヨーク12との間の磁束の通り路となるため、漏れ磁束の増加を抑えてトルクの発生に寄与する有効磁束を増加させることが可能となる。
・上記実施形態では、ヨーク12(巻線14)とロータ20とが径方向に対向するラジアルギャップ型のモータに適用したが、これ以外に例えば、ヨーク(巻線)とロータとが軸方向に対向するアキシャルギャップ型のモータに適用してもよい。
10…モータ、11…ステータ、12…ヨーク、14…巻線、16…第1材料層(第1巻線部)、17…第2材料層(第2巻線部)、20…ロータ、31…第1の巻線(第1巻線部)、32…第2の巻線(第2巻線部)。

Claims (10)

  1. ヨークの内側に巻線が配設されたスロットレスのステータと、前記巻線にて生じる磁界の作用によって回転するロータとを備えたモータであって、
    前記巻線は、強磁性を有する第1巻線部と、銅又はアルミニウムよりなる第2巻線部とを有することを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記巻線は、前記第1巻線部と前記第2巻線部が層状に一体化されたクラッド線よりなることを特徴とするモータ。
  3. 請求項1又は2に記載のモータにおいて、
    前記巻線は、断面矩形状をなしていることを特徴とするモータ。
  4. 請求項2に従属する請求項3に記載のモータにおいて、
    前記巻線は、鉄よりなる前記第1巻線部と銅よりなる前記第2巻線部が層状に一体化された2層のクラッド線であり、
    前記巻線の積層方向厚さに対する前記第1巻線部の積層方向厚さの比率が33%未満に設定されていることを特徴とするモータ。
  5. 請求項2又は3のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記巻線は、前記第2巻線部が前記第1巻線部にて挟まれた3層のクラッド線であることを特徴とするモータ。
  6. 請求項3に従属する請求項5に記載のモータにおいて、
    前記第1巻線部は鉄よりなり、前記第2巻線部は銅よりなり、
    前記巻線の積層方向厚さに対する前記第1巻線部の積層方向厚さの合計の比率が68%未満に設定されていることを特徴とするモータ。
  7. 請求項3に従属する請求項5に記載のモータにおいて、
    前記第1巻線部は鉄よりなり、前記第2巻線部はアルミニウムよりなり、
    前記巻線の積層方向厚さに対する前記第1巻線部の積層方向厚さの合計の比率が55%未満に設定されていることを特徴とするモータ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記第1巻線部と前記第2巻線部とは、周方向に交互に配置されていることを特徴とするモータ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記巻線は、前記第1巻線部が径方向に沿って並ぶように巻回されていることを特徴とするモータ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記第2巻線部は、その断面形状において、前記ロータとの対向方向に対して垂直な第1の長さが前記対向方向に沿った第2の長さよりも短く形成されていることを特徴とするモータ。
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