[go: up one dir, main page]

JP2015025769A - 検体情報検出ユニット、検体情報処理装置、及び検体情報検出ユニットの製造方法 - Google Patents

検体情報検出ユニット、検体情報処理装置、及び検体情報検出ユニットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015025769A
JP2015025769A JP2013156336A JP2013156336A JP2015025769A JP 2015025769 A JP2015025769 A JP 2015025769A JP 2013156336 A JP2013156336 A JP 2013156336A JP 2013156336 A JP2013156336 A JP 2013156336A JP 2015025769 A JP2015025769 A JP 2015025769A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
signal
detection unit
specimen
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013156336A
Other languages
English (en)
Inventor
博司 小川
Hiroshi Ogawa
博司 小川
栄司 田中
Eiji Tanaka
栄司 田中
淳 納本
Atsushi Noumoto
淳 納本
淳夫 竹内
Atsuo Takeuchi
淳夫 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Bifrostec Inc
Mitsubishi Chemical Group Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Holdings Corp
Bifrostec Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemical Holdings Corp, Bifrostec Inc filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2013156336A priority Critical patent/JP2015025769A/ja
Priority to EP13825321.6A priority patent/EP2881035A4/en
Priority to PCT/JP2013/070633 priority patent/WO2014021335A1/ja
Priority to CN201380040125.0A priority patent/CN104507384A/zh
Priority to US14/606,153 priority patent/US20150141774A1/en
Publication of JP2015025769A publication Critical patent/JP2015025769A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Abstract

【課題】検体に装着した際のセンサからの信号停止を防止しながらも、検体の脈動性信号の検出感度に優れた検体情報検出ユニットを提供する。【解決手段】検体91に当接する部位に開口部22を有するとともに、開口部22と連通する空洞23を内部に有し、開口部22を検体91に対向させて検体91に装着された状態で空洞23が閉鎖された空間構造を形成するセンサ取付部21と、センサ取付部21に設けられ、検体91における血管92の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて血管92の脈動性信号を検出するセンサ31と、開口部22とセンサ31とを隔てるとともに水分の透過を防止する膜状部材11とを備える検体情報検出ユニット1において、センサ31が、検体91における血管92の脈動性信号に起因し、開口部22を通じ入力され、空洞23、及び膜状部材11を伝播する圧力情報を検出することを特徴とする、検体情報検出ユニット。【選択図】図1

Description

本発明は、検体情報を検出する検体情報検出ユニット、この検体情報について処理を行う検体情報処理装置、及びこの検体情報検出ユニットの製造方法に関する。
比較的太い血管が中に通っている腕や、毛細血管が網のように張り巡らされた指先などに対して、それらが持つ脈動性の信号を検出するセンサにおいて、閉じた空間を持つ構造をもつもので、片側が検体の腕の皮膚や指先の皮膚の部分に、血管の流れを妨げないごく弱いレベルで圧力をかけ、反対側にコンデンサマイクなどの圧力センサを配置し、血管を通じて伝わってくる心臓の脈動に起因する脈波を、閉じた空間内の圧力変化として良好なS/N比で検出することを特徴とする圧力センサ装置が知られている。
特許文献1(特開2010−115431)では、空洞を有する筐体を装着部材により皮膚表面に装着され、装着面の一部にある開口部が皮膚により密閉され、体内音による皮膚表面の振動が直接空洞内の空気に伝わり、これをマイクロホンにより取得できる体内音取得装置について開示されている。
また、検体の血管の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて、検体における脈動性信号を検出する圧力センサとしてはコンデンサマイクロホンが用いられており、中でもMEMS(microelectromechanical system)技術を用いて作製したECM(electret condenser microphone)である、MEMS型ECM(以下、「MEMS−ECM」または「MEMSMic」ともいう)を用いる試みがなされている。
特開2010−115431号公報
発明者がコンデンサマイクロホンを用いた上述の圧力センサ装置によって脈動性信号の検出を行ったところ、圧力センサ装置を装着する検体によっては、または圧力センサ装置を長時間装着したような場合に、信号がでなくなる現象が見られた。このとき、機械的な衝撃を与えて復帰することがあり、さらには、センサの姿勢を変えることで信号量が変化することも確認された。
発明者らがこのようなセンサの感度の低下の原因を検討したところ、検体に装着された圧力センサ装置のセンサが、検体から何らかの影響を受けることによりセンサの感度が低下しているものと考えられた。
センサとして用いられるMEMSMicでは、音圧情報を受けて振動する振動板としてのダイヤフラムと、ダイヤフラムに対向して設けられたバックプレートとの間が4μm程度となるように設けられており、ダイヤフラムは“浮いた”構造になっている。センサとしてMEMSMicを用いた場合には、圧力センサ装置が検体の皮膚と接することでMEMSMicが閉じた空間に置かれることにより、ダイヤフラムまたはバックプレートに結露が生じ、または結露に起因してダイヤフラムとバックプレートとの位置関係が変化することにより、結露が解消された後であってもダイヤフラムが本来の位置に戻らずに、結果としてセンサの感度が低下したままになると予想された、
本発明は、このような課題に鑑みて創案されたものであり、検体に装着した際のセンサからの信号停止またはセンサの感度の低下を防止して、検体の脈動性信号の検出感度に優れた検体情報検出ユニット及び検体情報処理装置、並びにその検体情報検出ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の検体情報検出ユニットは、検体に当接する部位に開口部を有するとともに、該開口部と連通する空洞を内部に有し、該開口部を該検体に対向させて該検体に装着された状態で該空洞が閉鎖された空間構造を形成するセンサ取付部と、該センサ取付部に設けられ、検体における血管の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて上記の検体における血管の脈動性信号を検出するセンサと、上記のセンサ取付部の開口部と該センサとを隔てるとともに水分の透過を防止する膜状部材とを備える検体情報検出ユニットにおいて、該センサが、該検体における血管の脈動性信号に起因し、該開口部を通じ入力され、該空洞、及び該膜状部材を伝播する圧力情報を検出することを特徴としている。
このとき、該センサは、該検体における血管の脈動性信号に起因する圧力情報を検出する感圧素子と、該感圧素子を内部に支持する筐体と、該筐体の内部の空間である空気室と、該筐体に設けられ該空気室と外部とを通じて圧力情報を取り込む圧力情報取込部とを有し、該センサ取付部は、該空洞が上記のセンサの圧力情報取込部と該開口部とを連通するとともに、該開口部を該検体に対向させて該検体に装着された状態で該空洞と上記のセンサの空気室とからなる空間が閉鎖された空間構造を形成し、該膜状部材は、上記の空洞と空気室とからなる空間において上記のセンサ取付部の開口部と上記のセンサの感圧素子とを隔てるとともに水分の透過を防止し、該センサが、該検体における血管の脈動性信号に起因し、該開口部を通じ入力され、該空洞、該膜状部材、及び該空気室を伝播する圧力情報を検出する構成としてもよい。
また、該膜状部材が、上記センサ取付部の空洞において該空洞内の該開口部に面する空間と該センサに連通する空間とを隔てる位置に設けられていてもよい。
また、該センサと該センサ取付部とが、交換可能に設けられていてもよい。
また、該センサ取付部と該センサとの間に該膜状部材を備える中継部材が介装されて設けられ、該中継部材は、該センサ取付部と該センサとの間に介装された状態で該空洞と該空気室とを連通する貫通孔を内部に有し、該膜状部材が上記中継部材の貫通孔において上記センサ取付部の空洞と上記センサの圧力情報取込部とを隔てる位置に設けられていてもよい。
また、該中継部材が、交換可能に介装されていてもよい。
さらに、該膜状部材が合成樹脂からなるフィルムであってもよい。
また、該膜状部材がポリエチレンテレフタラートからなるフィルムであってもよい。
また、該膜状部材に金属またはケイ素酸化物からなる層が積層されていてもよい。
さらに、該センサが、上記の検体における動脈血管の脈動性信号に起因する音圧情報を受けて振動する振動板としてのダイヤフラムと、該ダイヤフラムに対向して設けられたバックプレートとを有し、上記の検体における動脈血管の脈動性信号に起因する音圧情報を検出するコンデンサマイクとして構成されていてもよい。
また、該コンデンサマイクが、MEMS−ECMで構成されていてもよい。
さらに、該開口部の口径が3mmから10mmであってもよい。
本発明の別の要旨は、上記の検体情報検出ユニットと、該検体情報検出ユニットの該センサからの脈動性信号出力について、周波数補正処理を施すことにより、少なくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出す周波数補正処理部とを備えて構成されたことを特徴とする検体情報処理装置に存する。
このとき、該周波数補正処理部が、該脈動性信号の有する周波数で少なくとも増幅動作、積分動作および微分動作のうちの1つの動作を行なうことにより、少なくとも上記の脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すように構成されていてもよい。
また、該検体情報検出ユニットの該センサからの脈動性信号出力、または上記の周波数補正処理部により処理された信号について、該脈動性信号に変調成分として含まれる呼吸信号を抽出する周波数復調処理を施すことにより、該検体の脈波情報または呼吸情報を取り出す抽出処理部を備えて構成されていてもよい。
また、本発明の別の要旨は、上記の検体情報検出ユニットの製造方法であって、水分の透過を防止する膜状部材を、狭持部材により保持する保持工程と、上記の狭持部材に保持された膜状部材を、該センサ取付部または該中継部材に張設する張設工程と、上記のセンサ取付部または中継部材に張設された膜状部材の張設部位より外縁の部分を切除する切除工程とを含むことを特徴とする検体情報検出ユニットの製造方法に存する。
本発明によれば、検体情報検出ユニットは、膜状部材を備えることにより、検体から生じる水蒸気によるセンサからの信号停止またはセンサの感度の低下を防ぐことができる。
本発明の第一実施形態に係る検体情報処理装置の構成を模式的に表す図である。 本発明の第一実施形態に係る脈動性信号検出ユニットの構成例を模式的に表わす図である。 検体情報検出ユニットの開口部の口径と信号の強さとの関係の一例を示す図である。 (a)は膜状部材の貼り付けに用いられる膜状部材貼付用の治具による膜状部材の保持について説明するための模式図であり、(b)は膜状部材の貼り付けに用いられる膜状部材貼付用の治具の構成を説明するための模式図である。 膜状部材の貼り付け方法の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る検体情報処理装置の機能構成を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施形態に係る検体情報処理装置の機能構成を説明するためのブロック図である。 周波数補正処理部の機能構成の一例を説明するためのブロック図である。 抽出処理部の機能構成の一例を説明するためのブロック図である。 検体情報処理装置における検体情報処理の一例を説明するためのフローチャートである。 検体情報処理装置における検体情報処理の一例を説明するためのフローチャートである。 検体情報処理装置における検体情報処理の一例を説明するためのフローチャートである。 マイクロホンの開放状態にした場合の周波数応答の一例を表わす図である。 マイクロホンのクローズの状態にした場合の周波数応答の一例を表わす図である。 (a)はMEMS−ECMがクローズドキャビティを形成した場合における低域の周波数特性を表わす図、(b)はMEMS−ECMがクローズドキャビティを形成した場合における積分動作後の周波数特性を示す図、(c)はMEMS−ECMがクローズドキャビティを形成した場合における微分動作後の周波数特性を示す図である。 脈動性信号出力の周波数補正処理の一例を説明するための図である。 (a)は膜状部材を備えていない場合に測定した容積脈波波形の一例を表わす図、(b)は膜状部材を備えていない場合に測定した速度脈波波形の一例を表わす図、(c)は膜状部材を備えていない場合に測定した加速度脈波波形の一例を表わす図である。 膜状部材を備えていない検体情報検出ユニットを検体に装着して、信号が得られなくなったものに対し、機械的な衝撃を与え信号が出るように復活させたものの姿勢を変えた時の脈動性信号の検出を行った場合の波形の一例を示す図である。 MEMS−ECMのダイヤフラム及びバックプレート部の構成の一例を模式的に表わす図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る検体情報検出ユニットにおける速度脈波信号の周波数特性を表わす図であり、(b)は本発明の一実施形態に係る検体情報検出ユニットにおける容積脈波信号を表わす図である。 (a)は膜状部材として厚さ9μmのPETフィルムを備えている場合に測定した容積脈波波形の一例を表わす図、(b)は膜状部材として厚さ9μmのPETフィルムを備えている場合に測定した速度脈波波形の一例を表わす図、(c)は膜状部材として厚さ9μmのPETフィルムを備えている場合に測定した加速度脈波波形の一例を表わす図である。 (a)は膜状部材として厚さ25μmのPETフィルムを備えている場合に測定した容積脈波波形の一例を表わす図、(b)は膜状部材として厚さ25μmのPETフィルムを備えている場合に測定した速度脈波波形の一例を表わす図、(c)は膜状部材として厚さ25μmのPETフィルムを備えている場合に測定した加速度脈波波形の一例を表わす図である。 (a)は膜状部材として厚さ38μmのPETフィルムを備えている場合に測定した容積脈波波形の一例を表わす図、(b)は膜状部材として厚さ38μmのPETフィルムを備えている場合に測定した速度脈波波形の一例を表わす図、(c)は膜状部材として厚さ38μmのPETフィルムを備えている場合に測定した加速度脈波波形の一例を表わす図である。 膜状部材の厚さと速度脈波信号の振幅の関係を表わす図である。 (a)は膜状部材で圧力情報取込部を塞いでいる場合に測定した容積脈波波形の一例を表わす図、(b)は膜状部材で圧力情報取込部を塞いでいる場合に測定した速度脈波波形の一例を表わす図、(c)は膜状部材で圧力情報取込部を塞いでいる場合に測定した加速度脈波波形の一例を表わす図である。 一次の振動モードを説明するための図である。 引っ張った膜の周波数応答を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る検体情報処理装置の構成を模式的に表す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施できる。
〔A.第一実施形態の説明〕
[1.検体情報検出ユニット及び検体情報処理装置]
[1−1.検体情報検出ユニット及び検体情報処理装置の構成例]
本発明の第一実施形態に係る検体情報処理装置3は、図1に示すように、検体情報検出ユニット1と、信号処理部2とを備えて構成されている。
第一実施形態に係る検体情報検出ユニット1は、図1、図2に示すように、センサ取付部21と、センサ31と、膜状部材11とを備えて構成されている。
信号処理部2は、図1に示すように、周波数補正処理部51と、抽出処理部61とを備えて構成されている。
以下、第一実施形態に係る検体情報検出ユニット1、信号処理部2、及び検体情報処理装置3の構成、並びに各部を構成する要素について詳細に説明する。
なお、図1は、本発明の第一実施形態に係る検体情報処理装置3の構造を模式的に表わしたものであり、図2は、図1に示した検体情報検出ユニット1の構造をより詳細に説明するための図であり、検体情報検出ユニット1の構造を模式的に表わしたものである。
<検体情報検出ユニットの構成>
検体情報検出ユニット1は、図1に示すように、センサ取付部21と、センサ31と、膜状部材11とを備えて構成されている。ここで、センサ取付部21は、検体91に当接する部位に開口部22を有するとともに、開口部22と連通する空洞23を内部に有するものである。センサ31は、センサ取付部21に設けられ、検体91における血管92の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて上記の検体91における血管92の脈動性信号を検出するものである。膜状部材11は、センサ取付部21の開口部22とセンサ31とを隔てるとともに水分の透過を防止するものである。
検体情報検出ユニット1は、センサ取付部21の開口部22を検体91に対向させて検体91に装着された状態で空洞23が閉鎖された空間構造を形成しており、センサ31が、検体91における血管92の脈動性信号に起因し、開口部22を通じ入力され、空洞23、及び膜状部材11を伝播する圧力情報を検出するようになっている。
(センサ取付部)
センサ取付部21は、図1に示すように、検体情報検出ユニット1を検体91に装着する際に検体91の皮膚93と接触する部分である。センサ取付部21はリング状部材24によって形成されており、リング状部材24は、検体91に当接する部位に開口部22を有するとともに、開口部22の他端側でセンサ31の圧力情報取込部32を有する面に付設して設けられ、開口部22とセンサ31の圧力情報取込部32とを連通する空洞23を内部に有している。
センサ取付部21は、センサ31が取り付けられると共に、開口部22を検体91に対向させて検体91に装着された状態で、空洞23とセンサ31の空気室34とからなる空間が閉鎖された空間構造を形成する。このように空洞23が形成する閉鎖された空間構造を、「Closed Cavity;クローズドキャビティ」ということもある。
クロ−ズドキャビティを形成するリング状部材24は、弾性を有する材料からなることが好ましいが、検体91における脈動性信号を閉じ込める空洞23を形成できる物体であれば、樹脂製や金属製の素材からなるものであっても用いることができる。空洞23のクローズドキャビティの形成のためには剛性を有するものであってもよいが、少なくとも皮膚に当たる側には、検体の皮膚の特性(柔軟性)を考慮するとゴムやシリコン製などの皮膚との親和性が高く、弾性を有する素材を用いることが好ましい。
リング状部材24は、一端が開口部22と通じ、他端がセンサ31の圧力情報取込部32を有する面に通じるとともに、開口部22とセンサ31の圧力情報取込部32とを連通する空洞23を有する筒状または環状の形状であることが好ましい。
センサ取付部21は、空洞23がセンサ31の圧力情報取込部32と開口部22とを連通するとともに、開口部22を検体91に対向させて検体91に装着された状態で、空洞23とセンサ31の空気室34とからなる空間が閉鎖された空間構造を形成するようになっている。センサ取付部21の空洞に、膜状部材11がセンサ取付部21の開口部22とセンサ31とを隔てるようにして設けられていることにより、センサ取付部21の内部の空洞23が、膜状部材11により、開口部22を通じて検体91の皮膚93に面する検体側の空間25と、センサ31の圧力情報取込部に連通するセンサ側の空間26とに分けられている。
検体情報検出ユニット1は、図2に示すように、クロ−ズドキャビティを形成するセンサ取付部21のリング状部材24が、同じ口径を有する2つのゴム製のO−リング24a、24bにより形成されている。O−リング24a、24bにより内部に形成される空洞23が、O−リング24a、24bの間に挟まれた膜状部材11により、検体側の空間25と、センサ側の空間26とに分けられている。
(開口部)
開口部22は、検体情報検出ユニット1のセンサ取付部材21に設けられ、リング状部材24の一方に形成されて、検体情報検出ユニット1を検体91に装着した状態で皮膚93と当接する部位である。すなわち、リング状部材24の一端が、検体情報検出ユニット1及びセンサ取付部21の開口部となっている。
図3は、センサ31としてコンデンサマイクを用いた場合に、センサ取付部21において、開口部22の口径を変えながら、指先の毛細血管の脈動性信号を測定した場合の信号の強さを表わす図である。
図3から明らかなように、開口部22の口径が1〜3mmでは信号が測定できてはいるものの、十分なゲインが得られていない。開口部22の口径が3mm以上ではゲインが上昇し、開口部22の口径が5mm〜6mmにおいて、高いゲインで脈動性信号の測定を行うことができることが分かる。これは、開口部22の口径が2mmよりも小さい場合には、血管92からの信号を捉えるための面積が狭くなるため、検出される信号が弱くなることが影響しているのだと考えられる。
開口部22の口径が大きすぎる(例えば口径が10mmよりも大きい)と、検体情報処理装置3の検体情報検出ユニット1を検体91に装着した場合に、検体91の表面の組織(皮膚、脂肪、体毛等)が盛り上がって空洞23に入り込むことで、組織によって圧力情報の取込部32が塞がれたり、組織が膜状部材11やセンサ素子33と干渉したりするおそれがある。また、開口部22の口径が大きすぎると、検体情報検出ユニット1を検体91の立体的な形状に沿って密着するように装着する場合に、空洞23がクローズドキャビティを形成することが困難になる場合がある。また人の指先等の、検体91の面積が狭い箇所に検体情報検出ユニット1を装着する場合にも、検体情報検出ユニット1を装着する際に空洞23のクローズドキャビティの形成が困難になる場合がある。また、空洞23の高さを一定にした場合、空洞23の開口部22の口径が大きくなるにつれて空洞23の体積が大きくなり、脈動性信号の強さが一定の場合には、空洞23の体積が大きくなることで血管92の脈動性信号に起因する振動が減衰するため、センサ31により検出される信号の強度が低下するおそれがある。また、開口部22の口径が広すぎると、血管92の真上に検体情報検出ユニット1が存在しない場合であっても血管92の脈動性信号が検出可能となるため、センサ31の指向性が低下するおそれがある。
このため、開口部22の口径は、通常3mm以上、好ましくは4mm以上、より好ましくは6mm以上であり、通常10mm以下、好ましくは8mm以下である。開口部22の口径の下限が上記の範囲の値より大きいことで、検出される脈動性信号が強くなり、検体情報検出ユニット1を検体91に装着した際に血管92からの振動を検出できる位置に開口部22を密着させることが容易になるため好ましい。開口部22の口径の上限が上記範囲の値より小さいことで、開口部22に入り込む検体91の影響を抑え、感度を保ち、センサ31の指向性を持たせることができるため好ましい。
また、人の成人の手首における動脈血管(橈骨動脈及び尺骨動脈)の直径がおよそ2mm程度であることから、検体情報検出ユニット1の開口部22を人の手首に装着した場合には、動脈血管92からの脈動性信号をセンサ31により感度良く検出する観点から、開口部22の口径は動脈血管92の直径の2倍以上、4〜5倍以下、すなわち、4m以上、8mm〜10mm以下であることが好ましい。開口部22の口径の下限が上記範囲の値より大きいことで、検出される脈動性信号が強くなり、検体91に装着した際に血管92からの振動を検出できる位置に開口部22を密着させることが容易になるため好ましい。開口部22の口径の上限が上記範囲の値より小さいことで、開口部22に入り込む検体91の影響を抑え、空洞23の体積の増大に伴う感度の低下を防ぎ、センサ31の指向性を持たせることができるため好ましい。
人の指に検体情報処理装置3の検体情報検出ユニット1の開口部22を装着する場合には、指に存在する毛細血管の脈動信号を検出するために、上記の人の手首に装着した場合のように血管92の直径との関係から規定することはできないが、空洞23がクローズドキャビティを形成して脈動性信号を感度良く検出する観点から、開口部22の口径は少なくとも指のスパンの半分以上、指のスパンの4分の3以下の大きさであることが好ましい。
(センサ)
センサ31は、図1に示すように、センサ取付部21のリング状部材24の開口部22の他端に当接して設けられ、検体91における血管92の脈波情報に基づく脈動性信号を、脈動性信号に起因し開口部22を通じ入力され、空洞23、及び膜状部材11を伝播する圧力情報として検出するものである。
本実施形態では、センサ31としてMEMS−ECMを用いている。
センサ31は、検体91における動脈血管92の脈動性信号に起因する圧力情報を検出する感圧素子33と、感圧素子33を内部に支持する筐体35と、筐体35の内部の空間である空気室34と、筐体35に設けられ空気室34と外部とを通じて圧力情報を取り込む圧力情報取込部32とを有している。以下、動脈血管を単に血管と言うことがある。
検体情報検出ユニット1は、図1に示すように、センサ取付部31の開口部32とセンサ31とを隔てる膜状部材11を備えている。膜状部材11は、センサ取付部31の空洞23とセンサ31の空気室34とからなる空間において、センサ取付部31の開口部22とのセンサ31の感圧素子33とを隔てている。このため、センサ31は、検体91における血管92の脈動性信号に起因し、開口部22を通じ入力され、空洞23、膜状部材11、及び空気室34を伝播する圧力情報を検出するように構成されている。
センサ31としては、血管92の脈動性信号を検出するものであれば、特に限定されないが、血管92の脈動に起因する検体91の皮膚93の振動によって生じる空気の振動(音圧情報)を電気的に検出するマイクロホン、又は圧電素子のような感圧素子を好適に用いることができる。マイクロホンの中でも、指向性、S/N比、感度の点からコンデンサマイクが好ましく、ECM(electret condenser microphone;エレクトレットコンデンサーマイクロホン、以下、単に「ECM」ともいう)を好適に用いることができる。また、MEMS(microelectromechanical system)技術を用いて作製したECMである、MEMS型ECM(以下、「MEMS−ECM」ともいう)を好適に用いることができる。圧電素子としては、高い圧電性を示すセラミックスとして、チタン酸ジルコン酸鉛(PZTともいう)を使用したPZT圧電素子を好適に用いることができる。
本実施形態では、脈動性信号検出ユニット1に、センサ31を1つ設けた構成を記載しているが、検出される脈動性信号の強さを向上させ、S/N比を上げる観点からは、センサ31を2つ以上設けて各センサ31の信号を加算したものを脈動性信号としてもよい。脈動性信号検出ユニット1に複数のセンサ31を設ける場合、MEMS−ECMはサイズが小さいために実装が容易であり、開口部22の口径が大きくなりすぎるのを防ぐことができるために好ましい。また、MEMS−ECMは品質が安定しているため、並列に多数接続して、各センサ31の信号を加算した際であっても安定した信号を得ることができるために好ましい。
(膜状部材)
膜状部材11は、検体情報検出ユニット1の空洞23と空気室34とからなる空間において、センサ取付部21の開口部22とセンサ31の感圧素子33とを隔てるように設けられている。膜状部材11は、検体情報検出ユニットを検体91に装着した際に、皮膚93から生じた水分が水蒸気となってセンサ31に影響を及ぼすことを防ぐために設けられているため、水分、特に水蒸気の透過を防止するフィルムであることが好ましい。なお、本明細書において単に水分といった場合、液体状態の水と、気体状態の水蒸気の両方を含むものとする。
本実施形態では、膜状部材11として、ポリエチレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタラート)製のフィルム(以降、「PETフィルム」ともいう)を用いている。
膜状部材11は、水分の透過を防止するフィルム状の部材であればその素材は特に限定されないが、耐水性に優れるとともに、入手及び加工が容易である点から、合成樹脂からなるフィルムであることが好ましい。膜状部材の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ナイロンを用いることができる。
また、膜状部材11は、水蒸気の透過を防ぐとともに、検体91から発生するガスのセンサ31への影響を防止するために酸素、二酸化炭素等のガスの透過防止能を備えることが好ましく、また機械的強度が高いことが好ましい。膜状部材11にこのような特性を付与するため、膜状部材11に金属またはケイ素酸化物(シリカ)からなる層が積層されていてもよい。膜状部材11への金属またはケイ素酸化物の積層は、例えば、蒸着加工、ラミネート加工、印刷加工により行うことができる。積層に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム、金、亜鉛、ニッケルが挙げられる。
中でも、膜状部材11がセンサ取付部21の開口部22とセンサ31の感圧素子33とを隔てるように設けられている場合において、膜状部材11のセンサ側の空間26に向けてシリカからなる層が積層されていることが好ましい。このようにシリカからなる層が積層されていることにより、膜状部材11の水蒸気の透過を防止するとともに、センサ側の空間に存在する水分を吸着して、センサ31の特に感圧素子33への水蒸気の影響を軽減することができる。
膜状部材11の膜厚は、水分の透過を防ぐのに十分な厚さを有しているのであれば特に限定されないが、後述するように、膜状部材11の膜厚が増加するにつれて、信号レベルが低下する傾向にあるため、少なくとも信号レベルの観点から言えば、膜厚が薄いほうが好ましい。
膜状部材11は、センサ取付部21の開口部22とセンサ31とを隔てるように設けられていればその位置は特に限定されないが、膜状部材11が開口部22に近すぎると検体91の皮膚93及び体毛等の組織と接触して、検出される信号が影響を受けることがあるため、開口部22に近すぎない位置に設けることが好ましい。また、後述するように、センサ31の圧力情報取込部32を塞ぐように設けた場合、信号のレベルが落ちる場合があるため、取付部材24の内部に膜状部材11が貼り付けられて、圧力情報取込部32を塞ぐ場合よりも膜状部材の径が大きくなるように設けられることが好ましい。
膜状部材11は、後述するように、式(1)により算出されるコーナー周波数fが少なくとも0.3Hz以下、望ましくは0.1Hz以下であることが好ましく、膜状部材11を張る力(張力)と、膜状部材11の単位面積当たりの質量と、膜状部材11の半径は、膜状部材11のコーナー周波数fが所定の範囲となるようにして設けられることが好ましい。
(検体情報検出ユニット)
検体情報検出ユニット1は、図2に示すように、クロ−ズドキャビティを形成するセンサ取付部21のリング状部材24が、同じ口径を有する2つのゴム製のO−リング24a、24bにより形成されている。O−リング24a、24bを対向させて、その間に膜状部材11を挟みこんだ状態になっており、センサ31に取り付けたO−リング24bと膜状部材11とを接着剤により接着し、膜状部材11とO−リング24aとを接着剤により接着することで、リング状部材24を形成している。これにより、O−リング24aとO−リング24bとからなるセンサ取付部21の内部の空洞23において、膜状部材11が、空洞23内の開口部22を通じて検体91の皮膚93に面する検体側の空間25と、センサ31の圧力情報取込部に連通するセンサ側の空間26とを隔てる位置に設けられている。
本実施形態ではセンサ31がMEMS−ECMからなり、図2に示すように、圧力情報取込部32としての空気穴(「音孔」ともいう)が設けられている。また、MEMS−ECM31の筐体35の内部の空気室34には感圧素子として、ダイヤフラム36及びバックプレート37が設けられている。なお、MEMS−ECMからなる本実施形態のセンサ31では、ダイヤフラム36とバックプレート37を備えるMEMSチップと、図示しないCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補型金属酸化膜半導体)チップとがワイヤボンディングで接続された構成となっている。
振動源から振動が発生した場合、外部と連通する圧力情報取込部(空気穴、音孔)32を通じて伝わる空気室34の空気の振動がダイヤフラム36を振動させ、ダイヤフラム36とバックプレート37との距離が変化することによりキャパシタンス(静電容量)の変化が生じる。この静電容量の変化を電圧に変換することで、振動を測定することができる。CMOSチップはダイアフラム36とバックプレート37において生じた電圧の変化を必要に応じて増幅し、脈動性信号として信号処理部2に出力する。
本実施形態では、センサ31とセンサ取付部21とは、センサ31の圧力情報取込部32を有する面に、センサ取付部21のO−リング24bが接着剤を塗布することより接着されることで取り付けられている。なお、センサ31とセンサ取付部21とは、センサ31の圧力情報取込部32を有する面に、センサ取付部21のO−リング24bが粘着性の素材を介して取り付けられ、センサ31とセンサ取付部21とを交換可能に設けるようにしてもよい。また、センサ取付部21とセンサ取付部21に設けられた膜状部材11とを一体にしたものを、センサ31に対して交換可能に設けるようにしてもよい。
検体情報検出ユニット1は、センサ取付部21がO−リング24aによって形成される開口部22を検体91に向けて、検体91に装着された状態で、空洞23と空気穴32によって連通する空気室34とが、閉鎖された空間構造(クローズドキャビティ)をとっており、このクローズドキャビティが膜状部材11により隔てられた構造となっている。これにより、本実施形態に係る検体情報検出ユニット1においては、膜状部材11が検体91からセンサ31への水分の透過を防止するとともに、センサ31が、検体91における血管の脈動性信号に起因し、開口部22を通じ入力され、検体側の空間25、膜状部材11、センサ側の空間26、及び空気室34を伝播する圧力情報を検出するようになっている。
(膜状部材の貼り付け方法)
本実施形態に係る検体情報検出ユニット1の作成について、図4(a)、図4(b)及び図5のフローチャートを参照して説明する。検体情報検出ユニット1の作成は、センサ31にセンサ取付部21を取り付けるとともに、膜状部材11を設けることで作成することができる。センサ31は、用いるセンサの種類に応じて公知の方法により作成できるため、センサ31の作成方法については省略し、センサ取付部材21に膜状部材11を設ける方法、すなわち膜状部材11の貼り付け方法について詳細に説明する。
本実施形態に係る検体情報検出ユニット1では、図2に示すように、O−リング24a、24bの間に、膜状部材11を張った状態で入れた構造になっている。このような構造を形成するために、図4(a)、図4(b)に示すような、膜状部材貼付用の治具111、112、113a、113b、113cを用いている。
膜状部材貼付用の治具は、一対の狭持部材111、112と、固定部材113a、113b、113cと、押上部材114とからなる。一対の狭持部材111、112は、中心部に貫通する孔115、116を備える円板状の形状を有し、膜状素材12を狭持部材111、112の間に狭持するものである。なお、膜状素材12とは、少なくとも狭持部材111、112の中心部の孔115、116よりも大きい面積を有し、膜状部材11と同じ素材からなる膜状の部材である。固定部材113a、113b、113cは、狭持部材111、112が膜状素材12を挟み込んだ状態で、狭持部材111、112の外周側の3点を固定するとともに、固定部材113a、113b、113cが各々備える弾性部材により、狭持部材111、112と押上部材114とが接近するように弾性力を付与するものである。押上部材114は、狭持部材111、112の中心部の孔115、116の直径よりもやや小さい直径を有する円筒状の形状を有し、狭持部材111、112に狭持されて中心部の孔115、116の部分に存在する膜状素材12を押し上げるものである。
まず、センサ31にO−リング24bを接着剤で接着したものを用意しておく。一方で、膜状素材12を一対の狭持部材111、112の間に入れて、膜状素材12を挟み込んだ状態固定部材113a、113b、113cにより固定する(ステップS41)。次に、固定部材113a、113b、113cに備えられたバネ部材の弾性力により、狭持部材111、112が下方に引き下げられると共に、押上部材が狭持部材111、112に挟み込まれている膜状素材12を下方から押し上げる(ステップS42)。これにより、膜状素材12は、膜状部材貼付用の治具111〜113によりテンション(張力)がかかった状態で保持されることになる。
この状態で、あらかじめ用意しておいたセンサ31が接着されているO−リング24bを、センサ31が接着されていない側の面を膜状素材12に向けて接着することで張設する(ステップS43)。これにより、膜上部材12をテンションがかかった状態でO−リング24bと接着することができる。接着後に、膜状部材11がO−リング24bと接着された状態となるように接着部を残して、張設された膜状素材12の張設部位より外縁の部分を切除することで膜状部材11を膜状素材12から切り出す(ステップS44)。切り出し後、膜状部材11と接着されているO−リング24bと、膜状部材11を挟んで対向するようにして、O−リング24aを膜状部材11に接着することで、膜状部材11を挟み込んだ状態で固定する(ステップS45)。
このようにして、膜状部材11をテンションを加えて張った状態で貼り付けることにより、O−リング24a、24bの間に膜状部材11を挟みこんだ状態となるようにして、センサ取付部21に膜状部材11を設けることができる。さらに、膜状部材11が設けられたセンサ取付部21の一端に、センサ31の圧力情報取込部32を有する面を取り付けることで、検体情報検出ユニット1が作成される。
すなわち、本実施形態に係る検体情報検出ユニットの製造方法は、水分の透過を防止する膜状素材12を狭持部材111、112により狭持して張力がかかった状態で保持する保持工程(ステップS41、S42)と、狭持部材111、112に保持された膜状素材12をリング状部材24に張設する張設工程(ステップS43)と、リング状部材24に張設された膜状素材12の張設部位より外縁の部分を切除する切除工程(ステップS44)とを含み、さらに膜状部材11を挟んで接着することで固定する固定工程(ステップS45)とを含んでいてもよい。
なお、膜状部材11は、後述するように、式(1)により算出されるコーナー周波数fが好ましい値となるように、膜状部材11を張る力(張力)は、狭持部材111、112に挟み込まれている膜状素材12を押上部材が押し上げる際に、膜状素材12に付与されるテンション(張力)により調整することができる。
<信号処理部の構成>
本実施形態に係る信号処理部2は、脈動性信号検出ユニット1のセンサ31からの脈動性信号出力について信号処理を施すもので、図1に示すように、周波数補正処理部51と、抽出処理部61と備えて構成されている。
信号処理部2は、周波数補正処理部51と抽出処理部61とを共に備えているが、信号処理部2は、周波数補正処理部51と抽出処理部61とのいずれか一方を備えるものであってもよい。
(周波数補正処理部)
周波数補正処理部51は、検体情報検出ユニット1のセンサ31からの脈動性信号出力について周波数補正処理を施すことで、脈動性信号の有する周波数で少なくとも増幅動作、積分動作および微分動作のうちの1つの動作を行なうことにより、少なくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出す電気回路である。周波数補正処理部51により脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号を取り出す処理を、補正処理ともいう。
(抽出処理部)
抽出処理部61は、検体情報検出ユニット1のセンサ31からの脈動性信号出力、または周波数補正処理部51により処理された信号について信号処理を施して、検体の脈波情報または呼吸情報を取り出す電気回路である。検体の脈波情報または呼吸情報を取り出しは、例えば位相同期回路(Phase-locked loop、以下、「PLL」ともいう)を利用する周波数復調処理により脈動性信号に変調成分として含まれる呼吸信号を抽出することにより行われる。抽出処理部61により検体の脈波情報または呼吸情報を抽出する処理を、抽出処理ともいう。
本実施形態において、脈波情報とは、検体91の心臓の拍動に伴って生じる血管を伝わってくる振動を示す信号である。脈波情報は、血管92の脈動に起因する検体91の皮膚93の振動によって生じる空気の振動として検出される血管の脈波情報に基づく脈動性信号から、脈波情報以外に起因する信号を除かれたものであることが好ましい。脈波情報としては、例えば、容積脈波信号、速度脈波信号、加速度脈波信号等が挙げられる。
また、呼吸情報とは、検体91の呼吸に伴って生じる呼吸状態を示す信号である。
<検体情報処理装置の構成>
本実施形態に係る検体情報処理装置3は、図1に示すように、検体情報検出ユニット1と、信号処理部2とを備えて構成されている。
信号処理部2は検体情報検出ユニット1と一体として構成されていてもよく、検体情報検出ユニット1と分離して無線又は有線により電気的に接続されて構成されていてもよい。
検体情報処理装置3は、外部のコンピュータ81、及び波形表示器82に有線又は無線の回線を介して接続されている。
コンピュータ81は、信号処理部2によって処理された信号が入力されて、信号の処理又は保存を行うものである。コンピュータ81は、周波数補正処理部51によって取り出された脈動性容積信号、脈動性速度信号又は脈動性加速度信号を利用して、各信号の波形から検体91の健康状態の診断を行うことが出来る。また、コンピュータ81は、抽出処理部61によって抽出された呼吸信号を利用して、検体91の呼吸状態の検査や、検体91の睡眠又は覚醒状態の判断を行うことも出来る。
波形表示器82は、信号処理部2から出力された信号が入力されて、信号波形の表示を行うものである。信号処理部2の周波数補正処理部51から脈動性容積信号、脈動性速度信号、又は脈動性加速度信号が波形表示器82に出力されることで、波形表示器82は脈動性容積信号、脈動性速度信号、又は脈動性加速度信号の波形を表示する。信号処理部2の抽出処理部61から呼吸信号が波形表示器82に出力されることで、波形表示器82は呼吸信号の波形を表示する。また、センサ31からの脈動性信号について、信号処理部2の周波数補正処理部51によって増幅動作を行った脈動性信号の波形を表示する。波形表示器82としては、例えば、液晶ディスプレイ、CRT、プリンタ、又はペンレコーダを用いることができる。
<検体>
検体情報検出ユニット1及び検体情報処理装置3を適用する検体91としては、検体91における動脈血管92の脈動を測ることができるものであれば特に制限されず、人または人以外の動物に用いることができる。センサ取付部21の開口部22を検体91に対向させて密着させることにより、空洞23がクローズドキャビティを形成するためには、検体情報処理装置3の検体情報検出ユニット1を検体91の皮膚93に装着することが好ましい。
上記の構成では、検体91における動脈血管92の脈動性信号に起因する圧力情報を受ける構成を挙げたが、測定の対象となる血管92は脈動を測ることが出来る血管であれば特に制限されず、静脈血管や毛細血管の測定にも用いることが出来る。
検体情報処理装置3の検体情報検出ユニット1の装着箇所としては、人の場合は、装着のし易さ、測定のし易さ、体表近くに動脈血管が存在して感度良く測定できる点から、前腕部が好ましい。または、装着のし易さ、測定のし易さ、体表近くに毛細血管が存在して感度良く測定できる点から、指先が好ましい。人以外の動物についても、その装着箇所は、装着のしやすさ、測定のし易さを考慮した部位が好ましい。
検体情報処理装置3を用いて人の脈動性信号を検出する場合において、測定の対象となる血管92の例としては、前腕に存在する橈骨動脈または尺骨動脈が挙げられる。
<検体情報検出ユニット及び検体情報処理装置について>
本実施形態に係る検体情報検出ユニット1及び検体情報処理装置3は、上述のように構成されており、検体91に開口部22を密着させることで空洞23及び空気室34が閉鎖された空間構造(クローズドキャビティ)を形成して、検体91における検体情報検出ユニット1の装着部位付近に存在する血管93の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて、検体91における血管92の脈動性信号を検出し、脈動性信号出力から、少なくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すものであり、また脈動性信号出力に含まれる呼吸信号を抽出するものである。
[1−2.検体情報処理装置の機能構成]
<検体情報処理装置の機能構成>
検体情報処理装置3を機能的に表わすとき、検体情報処理装置3は、図6、図7に示すように、検体情報検出ユニット1及び信号処理部2を備え、信号処理部2は、周波数補正処理部51及び抽出処理部61を有している。
信号処理部2は、図6に示すように、検体情報検出ユニット1からの脈動性信号出力が、周波数補正処理部51と抽出処理部61にそれぞれ入力されて信号処理が行われる構成としてもよく、図7に示すように、検体情報検出ユニット1からの脈動性信号出力が、周波数補正処理部51に入力されて信号処理が行われるとともに、周波数補正処理部51により処理された信号が抽出処理部61に入力されてさらに信号処理がなされる構成としてもよい。
検体情報検出ユニット1は、前述のごとく、センサ31により検体91における血管92の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて、検体91における血管92の脈動性信号を検出し、この脈動性信号を出力するものである。
(周波数補正処理部)
周波数補正処理部51は、前述のごとく、検体情報検出ユニット1のセンサ31からの脈動性信号出力について周波数補正処理を施すことで、脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号を取り出すものである。
また、周波数補正処理部51は、脈動性信号の有する周波数で少なくとも増幅動作、積分動作および微分動作のうちの1つの動作を行なうことにより、少なくとも上記の脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すものである。
周波数補正処理部51を機能的に表わすとき、周波数補正処理部51は、図8に示すように、増幅器52、積分補正部53、微分補正部54を備えている。
センサ31で得られた脈動性信号出力は、周波数補正処理部51の増幅器52に入力され、増幅処理が行われる。センサ31としてECMまたはMEMS−ECMを用いた検体情報処理装置3において、増幅器52の出力信号は速度脈波が得られるため、周波数補正処理部51では増幅処理以外の周波数補正処理を行わずに、速度脈波を得ることができる。また、増幅器52の出力信号を積分補正部53に入力し、積分回路での補償を行うことにより、容積脈波を得ることができる。また、増幅器52の出力信号を微分補正部54に入力し、微分回路での補償を行うことにより、加速度脈波を得ることができる。
(抽出処理部)
抽出処理部61は、前述のごとく、例えば位相同期回路(Phase-locked loop、以下、「PLL」ともいう)を利用する周波数復調処理により脈動性信号に変調成分として含まれる呼吸信号を抽出するものである
検体情報処理装置3における呼吸信号の抽出は、図6に示すように、検体情報検出ユニット1のセンサ31からの脈動性信号出力を、周波数補正処理部51を介さずに、そのまま抽出処理部61において周波数復調処理を行っても良い。
または、検体情報処理装置3における呼吸信号の抽出は、図7に示すように、検体情報検出ユニット1のセンサ31からの脈動性信号出力を、周波数補正処理部51において周波数補正処理を行った後に、補正処理後の脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちのいずれかの信号について、抽出処理部61において周波数復調処理を行うように構成してもよい。
抽出処理部61を機能的に表わすとき、抽出処理部61は、図9に示すように、位相比較器62、ローパスフィルタ63、VCO(voltage controlled oscillator;電圧制御発振器)64、分周器65を備えている。
周波数復調処理とは、PLLによって位相を同期させた二つの信号を比較することで、脈動性信号に含まれる呼吸信号を抽出する処理である。一例として、図9に示すように、抽出処理部61において、位相比較器62に脈動性信号を入力し、位相比較器62からの出力をローパスフィルタ63に入力してその出力でVCO64の発振周波数を調整し、分周器65によって分周し、位相比較器62に戻してこれらの二つの信号を同期させることで、ローパスフィルタ63の出力波形を呼吸成分として得ることができる。
すなわち、検体91の呼吸成分が変調された脈動性信号について、復調処理を施すことにより、呼吸成分を脈動性信号から抽出できるのである。
[1−3.検体情報処理装置の動作]
図10〜12に示すフローチャートに従って、検体情報処理装置3の動作を、図6に示す機能構成を有する場合と、図7に示す機能構成を有する場合とについてそれぞれ説明する。
図6に示す機能構成を有する検体情報処理装置3では、図10に示すように、まず、検体情報検出ユニット1のセンサ31によって脈動性信号を検出する(ステップS11)。次に、信号処理部2の周波数補正処理部51は、検体情報検出ユニット1のセンサ31によって検出された脈動性信号出力について、周波数補正処理を施し(ステップS12)、脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号を取り出す(ステップS13)。
または、図6に示す機能構成を有する検体情報処理装置3では、図11に示すように、まず、検体情報検出ユニット1のセンサ31によって脈動性信号を検出する(ステップS21)。次に、信号処理部2の抽出処理部61は、脈動性信号信号検出ユニット11のセンサ31によって検出された脈動性信号出力について、抽出処理を施し(ステップS22)、脈動性信号出力に含まれる呼吸信号を抽出する(ステップS23)。
図7に示す機能構成を有する検体情報処理装置3では、図12に示すように、まず、検体情報検出ユニット1のセンサ31によって脈動性信号を検出する(ステップS31)。次に、信号処理部2の周波数補正処理部51は、検体情報検出ユニット1のセンサ31によって検出された脈動性信号出力について、周波数補正処理を施し(ステップS32)、脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号を取り出す(ステップS33)。これら脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号について、信号処理部2の抽出処理部61は、抽出処理を施し(ステップS34)、脈動性信号出力に含まれる呼吸信号を抽出する(ステップS35)。
なお、図7に示す機能構成を有する検体情報処理装置3では、信号処理部2の周波数補正処理部51が、検体情報検出ユニット1のセンサ31によって検出された脈動性信号出力について、周波数補正処理を施して、脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号を取り出す周波数補正処理を行い、その後に必ずしも抽出処理部61による抽出処理は行わなくともよい。
[2.センサと周波数特性について]
本実施形態に係る検体情報検出ユニット1及び検体情報処理装置3のセンサ31に用いられるセンサに関して、まずはマイクロホンのクローズドキャビティと周波数応答との関係についてについて説明し、次に、ECM及びMEMS−ECM、並びにこれらを用いた脈動性信号の検出、周波数特性、及び周波数補正処理について説明する。
[2−1.クローズドキャビティの形成と周波数応答]
検体情報処理装置3は、血管92の脈動性信号の振動をセンサ31によって開放状態(開放系)で測定を行うのではなく、センサ31と振動源との関係において、センサ31の空気室34と連通する空洞23とが閉鎖された空間構造(クロ−ズドキャビティ)を形成するようにして測定した場合、すなわちセンサ31と振動源とをクローズの状態(閉じた状態)にして測定する。
この測定条件の違いを説明するために、センサ31としてマイクロホンを使用した場合における、開放状態とクローズの状態との周波数応答の相違について説明する。
検体91における血管92の脈動性信号を検出するにあたって、人体のどこからでも、心臓の動きに端を発する振動を捉えることはできる。しかし、その動きの振幅はきわめて小さく、単にマイクロホン等の圧力を感知できるものを人体の近くに配置しても、心臓の動きに端を発する振動を検出することは困難である。それはセンサを開放状態にした場合では、音の放射の原理でいったん空間に放射された振動は、図13に示すように、その素子の固有周波数f0においてレスポンスがピークとなり、固有周波数f0よりも高周波数領域では定出力となるが、低周波数領域に向けていわゆる−40dB/decのカーブをたどり、心臓の動きの基本周波数のところではきわめて微少な信号になっている周波数応答を示すためである。小型の音響機器では固有周波数は数kHzであるとされており、心臓の動き等の1Hz付近では高い周波数に対する振幅に対して−120dB以下に信号が減衰することになり、レスポンスが低く十分な感度で測定を行うことが困難である。図13で何本ものトレースがあるのはいわゆるダンピングファクターの差であり、横軸のfoの位置が固有周波数を意味する。
一方で、この振動を感知する素子(センサ)の先端に閉じた空間を作り上げてクローズの状態にすることで、周波数特性は一変し図14のようになる。図14における複数のトレースの存在は先に説明したとおり、いわゆるダンピングファクターの差である。図14からは、クロ−ズドキャビティ形成時には、低周波領域の信号を感度よく測定可能であることが分かる。これは図13の開放状態の周波数応答と比較すると、1Hz付近の心臓の振動であっても、固有周波数f0付近の振動と同ゲインで正しい振幅で検出できることを意味している。このことは振動を音響エネルギーとして空気中に放出するのではなく、閉じた空間の圧力変化に変換しているためであると考えられる。
上述のとおり、センサ(ECM)をクロ−ズドキャビティを形成するようにして、クローズの状態にして測定することで、低周波数領域の周波数応答を向上させることができる。
すなわち、本実施形態に係る検体情報検出ユニット1及び検体情報処理装置3では、クローズドキャビティの形成に伴う周波数応答の変化を利用して、従来測定が困難であった、1Hz付近の検体91における血管の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて、検体91における血管の脈動性信号を感度良く検出することができ、また1Hz付近の脈動性信号から検体91の呼吸信号を抽出することができるものである。
[2−2.クローズドキャビティの形成と脈動性信号の検出]
センサ31としてECMまたはMEMS−ECM(シリコンマイクということもある)等のマイクロホンを用いて、心臓に起因する血管92の振動(脈動性信号)を捕らえようとするとき、これらのマイクを図14のような周波数特性で、空洞が形成する閉じた空間(クローズドキャビティ)の圧力変化として検出することが望ましい。そのためには、例えばセンサ31を直接人体の皮膚に押し付けてしまえばよい。この場合、センサ31の圧力情報取込部32(空気穴、音孔)と感圧素子33のダイヤフラムとの間で空間が閉じられるために図14のような周波数特性で信号が検出できるとも考えられる。
しかしながら、実際には、センサ31としてECMあるいはMEMS−ECMを直接検体に押し付けても、所望の信号を良好に得ることができない。最大の原因は、センサ31の圧力情報取込部32の径が小さすぎることにあると考えられる。例えば、圧力情報取込部32である空気穴の径が2mmのECMでは血管92の真上に空気穴が来たときにだけ信号が検出できる。一方で、MEMS−ECMでは圧力情報取込部32である空気穴(音孔)が血管92の径より細いためか、ほとんど信号の検出が出来ない。これは、検体91とセンサ31との間に開口部22と空洞23を有するセンサ取付部21を設けてクローズドキャビティを形成していない場合には、ECM又はMEMS−ECMの圧力情報取込部32(空気穴、音孔)の直下にある血管92の脈動性信号を検出できるという特性を有するため、圧力情報の取込部から外れた位置の血管の脈動性信号の検出は出来ていないためと考えられる。また、検体91の皮膚組織の柔らかさなどにより圧力情報の取込部32から皮膚組織等が進入し、圧力情報の取込部32が塞がれることも影響しているものと考えられる。
そこで、本検体情報検出ユニット1では、リング状部材24を用いて開口部22と空洞3とを有するセンサ取付部21を設け、開口部22を検体91に当接させることで、クローズドキャビティの形成を行ない、センサ取付部の開口部22と空洞23とセンサ31の圧力情報取込部32と空気室34とを、膜状部材11を介して連通させている。これにより、本検体情報検出ユニット1によれば、開口部22の範囲内にある血管の脈動性信号の検出を可能にしている。
[2−3.センサの周波数特性と周波数補正処理]
<センサの周波数特性について>
センサ31としてのマイクロホンに用いられるECMやMEMS−ECM等に共通の特性として、風除けの対策が施されていることが挙げられる。携帯電話等のマイクでは、風が強いときの風音、あるいは、使用者が咳き込んだとき(吹かれ)などの急な圧力変化に反応しないように、ダイヤフラムに小さな穴(数十μm)の穴が開けられている。これにより、周波数特性的には低周波分の減衰を招くことになる。遅い空気の流れはこの小さなダイヤフラムの穴を抜けることを考えれば理解しやすい。
なお、半導体プロセスによりダイヤフラムの穴が形成されるMEMS−ECMでは、穴の形成を安定して同品質で行うことが可能であり、ECMと比較するとMEMS−ECM毎の個体間において周波数応答が安定していることが知られている。
低周波数領域の感度低下は、可聴音域(例えば20Hz以上)を対象とする通常のマイクロホンの使い方においては風音や吹かれを防止する上で効果的である。しかしながら、検体情報処理装置3において検出したい脈波の中心周波数は約1Hzであり、呼吸信号の周波数も数Hzオーダーの領域において顕著に現れるため、この低周波数領域の感度低下は検出に影響することが考えられる。
MEMS−ECMは前述の風除けのための小さな穴をダイヤフラムに空けており、一例として、Knowles社製のSPM0408(部品型番)の場合には、100Hz付近から低い周波数において20dB/decで周波数の低い方(低域)に向かって減衰しているモデルで周波数特性を推定できる。100Hz付近から高い周波数ではフラットな周波数特性を示す。すなわち、MEMS−ECMは、脈波検出帯域である0.1Hzから10Hzの周波数範囲では、20dB/decで低域に向かい減衰している周波数特性であると考えてよい。
ここで、センサ31として用いられるMEMS−ECMがクローズドキャビティを形成した場合において、100Hz以下の低周波数領域の周波数特性は、横軸に周波数(Hz)のスケールをLog(対数)としたものとり、縦軸に信号のGain(dB)をとることで、図15(a)のように表わされる。
なお、図15において、図中の横軸の「Log(周波数)」とは、周波数のスケールを対数表記したものを表し、単位はHzである(以降、図中の「Log(周波数)」についても同様)。
図15(a)に示すように、MEMS−ECMの周波数特性は、100Hz以下の低周波数領域に向かって、20dB/decの感度低下が認められる(これを「低周波が落ちる」ともいう)。心臓の動きに関するものであれば脈拍は普通1Hz(脈拍が一分間で60の場合)程度なので、これは本来の検出すべき信号の微分特性を示すものといえる。また、100Hz付近に1つの極を持つ微分回路と等価であるといえる。
この時、血管の脈動の容積変化などの信号を検出すべき信号とすると、センサ31としてMEMS−ECMを用いてクローズドキャビティを形成して脈波を計測する場合、対象とする周波数帯域(およそ0.5〜10Hz)において、単純な微分回路であって、その計測波形は通常の脈波の微分である速度成分を示すことになり、速度脈波であると考えることができる。
なお、よく血管の状況を判断するのに用いられる加速度脈波はこの速度脈波をさらに時間微分したものである。
<周波数補正処理について>
次に、センサ31としてMEMS−ECMを用いた場合の脈動性信号出力の周波数補正処理について説明する。
周波数補正処理とは、検体情報検出ユニット1のセンサ31からの脈動性信号出力について、脈動性信号の有する周波数で少なくとも増幅動作、積分動作および微分動作のうちの1つの動作を行なう補正処理をいう。この周波数補正処理により、すくなくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すことが可能である。
図15(a)のように、低周波数領域に向かって20dB/decの感度低下する応答を示すMEMS−ECMの出力(測定データ)は、速度脈波(「脈動性速度信号」ともいう)として得られる。このため、クローズドキャビティを形成して、MEMS−ECMを用いて血管の脈動性信号を検出した際に、周波数補正処理を行わない場合には速度脈波を得ることができる。
MEMS−ECMの出力から脈波、そして加速度脈波を得るには、図16に示すような周波数応答をする電気回路を通過させる周波数補正処理を適用すればよい。
すなわち、図16に示すように、MEMS−ECMからの脈動性信号出力に対して超低周波域から100Hzまで−20dB/decでその後はフラットなカーブの周波数応答をする電気回路を通過させる積分動作により、(容積)脈波が得られることになる。この様な回路を通過させた後のトータルな周波数特性は図15(b)のようになる。図15(b)に示す容積脈波は、周波数の変化に伴うゲインの変化は0dB/decであり、脈波の周波数付近では容積脈波を発生するフラットな周波数特性となっている。
また、図16に示すように、MEMS−ECMの出力に対して超低域から100Hzまで20dB/decで上昇しその後フラットなカーブの周波数応答をする電気回路を通過させる微分動作により、加速度脈波が得られることになる。この様な回路を通過させた後のトータルな周波数特性は図15(c)のようになる。図15(c)に示す加速度脈波は、周波数が高くなるにつれて40dB/decでゲインが上昇しており、脈波の周波数付近では加速度脈波を発生する周波数特性となっている。
また、図16に示すように、MEMS−ECMの出力に対して積分動作または微分動作を行わずに通過させる場合には、図15(a)に示すMEMS−ECMの出力と同様の周波数特性となるため、速度脈波が得られる。図15(a)に示す速度脈波は、周波数が高くなるにつれて20dB/decでゲインが上昇しており、脈波の周波数付近では速度脈波を発生する周波数特性となっている。
上述の周波数補正処理は、MEMS−ECMを用いて血管の脈動性信号を検出した際に得られる速度脈波について、100Hz以下を積分回路で補償する(積分する)ことにより容積脈波を得ることができ、また、速度脈波について、100Hz以下を微分回路で補償する(微分する)ことにより加速度脈波を得ることができ、速度脈波を通過させることで速度脈波を得る処理と同等の処理を行うものであるということができる。また、周波数補正処理では、必要に応じて増幅動作を行っても良い。
すなわち、周波数補正処理とは、脈波の周波数1Hzに対して、積分動作を行うことで容積脈波を得て、微分動作を行うことで加速度脈波を得て、増幅動作を行うことで速度脈波を得る処理であるということもできる。
<膜状部材を備えていない場合の脈波波形>
センサ31にセンサ取付部21を設け、膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニット、言い換えれば、本実施形態に係る検体情報検出ユニット1から膜状部材11を除いた構成のもの(以降、膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットともいう)を用いて、センサ取付部21の開口部22を検体91の指先の皮膚93に対向させて検体91に装着された状態で空洞23がクロ−ズドキャビティを形成するようにして、センサ31としてのMEMS−ECMにより、開口部22を通じ入力され空洞23を伝播する圧力情報を検出することで、血管の脈動性信号を検出して観測した脈波の波形が図17である。測定により得られた速度脈波(測定データ)の波形は図17(b)のように表わされる。この速度脈波を上述した積分回路での補償により得られる容積脈波は、図17(a)のように表わされる。速度脈波を上述した微分回路での補償により得られる加速度脈波は、図17(c)のように表わされる。
図17(a)〜図17(c)にそれぞれ表わされる、容積脈波、速度脈波、及び加速度脈波の波形は東洋医学を含むいろいろな分野でヘルスケアや疾病の診断に用いられているものに相当する。
特に、図17(c)の加速度脈波の波形からは、加速度脈波を特徴付けるa波〜e波と呼ばれる5つのピークが得られる。これらのうちb波とd波の相対的な振幅は心臓血管系の疾患との関連性や年齢・血圧の推定などに用いられ、臨床的に重要視されるファクターである。
また、図17(a)の容積脈波の波形からは、心臓からの駆出波(Percussion Wave、以下、「PW」ともいう)および血管障壁等からの反射波(Tidal Wave、以下、「TW」ともいう)に対応する波形の形状を確認することができる。
本実施形態に係る検体情報検出ユニット1及び検体情報処理装置3によれば、空洞23がクロ−ズドキャビティを形成することにより、また、センサ31としてECM又はMEMS−ECMを用いることにより、従来の圧電素子を用いて脈波を測定した場合よりも低周波領域における脈動性信号のS/N比が大きく改善され、より明瞭な脈波を得ることができる。
[3.膜状部材と周波数応答について]
<検体情報検出ユニットと水分の影響>
上述したように、膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットを用いて、血管の脈動性信号を検出して観測した脈波の波形が図17である。なお、図17は、膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットを検体91の指に装着してまもなく脈動性信号の検出を行った場合の波形を表わすものである。
一方、センサ31としてMEMS−ECMを用いて、膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットを検体91の指に装着し、装着後に時間をおくとセンサ31からの信号が得られなくなる場合がある。このように信号が得られなくなった場合、膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットを検体91の指から取り外して、機械的な衝撃を与えることで再び信号が得られるようになる。このときの、信号が得られるように復活させた膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットを指に装着して脈動性信号の検出を行った場合の波形は、図18となる。図18では、横軸に時間[s](秒)をとり、縦軸に電圧(V)をとることで、時間経過に伴う検出された信号の振幅の変化を表わしている。
図18は、信号が得られるように復活させた膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットを指に装着して脈動性信号の検出を行いながら、時間の経過に伴い、検体情報検出ユニットの向きを水平の位置を0度として、90度、0度、−90度となるような位置に指先を動かすようにして、検体情報検出ユニットの姿勢を変えた際の振幅の変化の様子を示している。符号211の領域が90度、符号212の領域が0度、符号213の領域が−90度の位置に動かした場合に相当している。図18に示すように、膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットを検体91の指に装着し、装着後に時間をおいて信号が得られなくなった場合に、衝撃を与えて信号が得られるように復活させた後には、検体情報検出ユニットの向きを替えることで5倍以上の振幅の変化が見られた。この他、信号が得られるように復活させた膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットでは、センサ31の感度が大きく落ちることがあった。
発明者による原因の解析によると、上述の現象は、検体情報検出ユニット1を検体91の指に装着している間に、センサ31の感圧素子が影響を受けたことにより発生したと考えられた。この原因を図19を用いて説明する。
図19は、図18に示す波形を検出した際にセンサ31として用いられたMEMS−ECMの一部の構造の一例を模式的に表わすものである。図19に示すように、MEMS−ECMは、感圧素子33としてダイヤフラム36とバックプレート37とを有し、MEMS−ECM内部の空間である空気室34に面したダイヤフラム36とバックプレート37が対向して設けられている。振動源から振動が発生した場合、外部と連通する図示しない圧力情報取込部32(空気穴、音孔)を通じて伝わる空気室34の空気の振動が、振動板としてのダイヤフラム36を振動させ、ダイヤフラム36とバックプレート37との距離が変化することによりキャパシタンス(静電容量)の変化が生じる。この静電容量の変化を測定して電圧に変換することで、振動を検出することができる。
図19に示すようなMEMS−ECMでは、ダイヤフラム36とバックプレート37との間は4μm程度となっており、ダイヤフラム36はバックプレート37から“浮いた”構造になっている。膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットを検体91の指に装着し、装着後に時間をおいた場合には、検体91の指から発生される水分(水蒸気)によって、MEMS−ECMのダイヤフラム36またはバックプレート37に結露が生じたことにより、信号の検出が停止して、センサ31からの信号が得られなくなったと考えられる。さらに、膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットを検体91の指から取り外して、乾燥させた後、衝撃により再び信号が得られるように復帰したとしても上述の図18に示すような振幅の変化や、センサの感度の低下が生じたのは、ダイヤフラム36またはバックプレート37に生じた結露による水分が乾いた後にも、ダイヤフラム36とのバックプレート37の位置が結露前の本来の位置関係に戻らない可能性を示している。
本発明は、上記の現象に鑑みてなされたものであり、検体情報検出ユニット1を検体91に長時間装着して脈動性信号の検出を行う場合に、センサ31の結露による影響を防ぐことを目的として、検体情報検出ユニット1に、センサ取付部21の開口部22とセンサ31とを隔てるとともに水分の透過を防止する膜状部材11とを備えるものである。
<膜状部材と周波数特性>
図2に示すように、O−リング24aとO−リング24bとの間に膜状部材11を挿入して、センサ取付部21の開口部22とセンサ31とを隔てるようにした、本実施形態に係る検体情報検出ユニット1について、周波数特性の測定を行った。
周波数特性の測定は、ダイナミック型スピーカーの振動板を取り去り、ボイスコイルを残して動く状態にしたままコーン紙を取り除いたExciterに、ゴムシートを貼り付けたスピーカーを用いて行った。このスピーカーに貼り付けられたゴムシートと、被検対象の検体情報検出ユニット1の開口部とを向かい合うように圧着して、空気室結合を形成した。
この状態で、FFTアナライザを低周波信号発生器に用いて0.125〜100Hzの範囲の正弦波掃引により各周波数の信号を出力し、FFTアナライザからの信号をDCパワーアンプに入力してDCパワーアンプにより増幅を行った信号(信号1)を上記のスピーカーに入力することで、スピーカーのボイスコイルを駆動させた。なお、DCパワーアンプにより増幅された信号1は、FFTアナライザにも入力している。スピーカーからの信号は、スピーカーに貼り付けられたゴムシートを信号どおりに上下させることになり、被検対象の検体情報検出ユニット1のセンサ31は、空気室結合を介してゴムシートの振動を感知して信号を出力した。
振動を感知した被検対象の検体情報検出ユニット1により生じた信号を、周波数補償回路により周波数補正を行うことで得られた信号(容積脈波信号、速度脈波信号)を信号2としてFFTアナライザに入力した。なお、周波数補償回路では、上述した周波数補正処理と同様の処理を行っている。すなわち、被検対象の検体情報検出ユニット1からの信号を増幅したものが速度脈波信号として得られ、被検対象の検体情報検出ユニット1からの信号を積分したものが容積脈波信号として得られる。
DCパワーアンプにより増幅され、スピーカーを駆動している低周波信号発生器の信号(信号1)と、検体情報検出ユニット1からの信号を周波数補正処理を行うことで得られた信号(信号2)とをFFTアナライザに入力し、信号1と信号2との振幅と位相特性について、0.125〜100Hzの範囲において掃引した各周波数において(信号2/信号1)の値を128回加算し、これを平均化することで、各周波数におけるMEMS−ECMの低周波特性を測定した。
膜状部材11として、厚さ9μmのPETフィルムを用いた場合に測定される周波数特性は、図20のようになる。図20(a)は、検体情報検出ユニット1からの信号を増幅した速度脈波信号の周波数特性を表わし、図20(b)検体情報検出ユニット1からの信号を積分した容積脈波信号を表わしている。図20(a)、図20(b)の1Hz付近が、脈波の基本周波数にあたり、その領域の周波数特性を表わす。
図20(a)に表わされる速度脈波信号の周波数特性では、1Hz付近でほぼ6dB/decで速度応答を示している。図20(b)に表わされる容積脈波信号の周波数特性では、1Hz付近でほぼ0dB/decで容積脈波が出せる周波数特性になっている。これらの測定結果から、図2に示すように開口部22とセンサ31とを隔てる膜状部材11を設けても、脈波を検出するための周波数特性としては問題がないことがわかる。
<膜厚と波形>
上記の測定をもとに、膜状部材11を設けた場合の検体情報検出ユニット11により検出される波形の変化を調べた。
膜状部材11を備えていない検体情報検出ユニットを用いて、センサ取付部21の開口部22を検体91の指先の皮膚93に対向させて検体91に装着された状態で空洞23がクロ−ズドキャビティを形成するようにして、センサ31としてのMEMS−ECMにより、開口部22を通じ入力され空洞23、空気室34を伝播する圧力情報を検出することで、血管の脈動性信号を検出して観測した脈波の波形が図17である。測定により得られた速度脈波(測定データ)の波形は図17(b)のように表わされる。この速度脈波を上述した積分回路での補償により得られる容積脈波は、図17(a)のように表わされる。速度脈波を上述した微分回路での補償により得られる加速度脈波は、図17(c)のように表わされる。
一方、図2に示すように、膜状部材11を備えた本実施形態に係る検体情報検出ユニット1を用いて、センサ取付部21の開口部22を検体91の指先の皮膚93に対向させて検体91に装着された状態で空洞23がクロ−ズドキャビティを形成するようにして、センサ31としてのMEMS−ECMにより、開口部22を通じ入力され空洞23、膜状部材11、空気室34を伝播する圧力情報を検出することで、血管の脈動性信号を検出して観測したときの脈波の波形が図21、図22、図23である。
ここでは、リング状部材24として、口径が6mm程度のゴム製のO−リングを二つ用いており、このゴム製のO−リングの間に膜状部材11を挟みこんでいる。膜状部材11として、それぞれ厚さ9μm、25μm、38μmのPETフィルムを用いており、図21は厚さ9μmのPETフィルム、図22は厚さ25μmのPETフィルム、図23は厚さ38μmのPETフィルムを用いた場合の波形に対応している。なお、測定により得られた速度脈波(測定データ)の波形は図21(b)、図22(b)、図23(b)のように表わされる。速度脈波を上述した積分回路での補償により得られる容積脈波は、図21(a)、図22(a)、図23(a)のように表わされる。速度脈波を上述した微分回路での補償により得られる加速度脈波は、図21(c)、図22(c)、図23(c)のように表わされる。
図17と、図21、図22、図23との対比から、測定時の定数では加速度脈波のレベルが低かったが、これらすべて波形としては同一であるといえる。すなわち、脈波を扱う帯域においては、膜状部材11を設け、膜状部材11を介して脈動性信号を検出した場合には、検出される信号のレベルが変化しているだけであって、波形に変化は見られないと考えてよい。
<膜厚による影響>
図21(b)、図22(b)、図23(b)の速度脈波について、トレースのPeak-Peakを読み取り、膜状部材11の厚さと速度脈波信号の振幅をグラフ化したものが、図24である。図24から分かるように、膜状部材11の膜厚(フィルム厚)が増加するにつれて、信号レベルが低下する傾向にあるといえる。このため、膜状部材11は、少なくとも信号レベルの観点から言えば、膜厚が薄いほうが好ましいといえる。ただし、少なくとも、水分の透過を防ぐのに十分な膜厚を有する必要がある。
<MEMS−ECMの空気孔を直接塞ぐ場合>
本実施形態に係る検体情報検ユニット1は、図2に示すように、クロ−ズドキャビティを形成するリング状部材24が、2つのO−リング24a、24bにより形成され、O−リング24a、24bの間に膜状部材11を入れた構造になっている。
一方で、参考例として、センサ31の圧力情報取込部32(空気孔)を直接塞ぐようにして膜状部材11を設けた場合の検体情報検出ユニットによる検出波形について例示する。参考例に係る検体情報検出ユニットでは、センサ31としてKnowles社製のSPM0408HDという品番のMEMS−ECMを用いた。圧力情報取込部32である0.838mm(トレランス0.1mm)のAcoustic portと言われる空気孔(音孔)の周囲を囲むようにして口径が1.5mmのゴム製のO−リングを接着剤で接着して、この1.5mmのO−リングに厚さ9μmのPETフィルムを接着剤で接着することにより、MEMS−ECMの空気孔を直接塞いでいる。さらに、この空気孔と、PETフィルムが接着されたO−リングとを内包する空洞を内部に有し、検体に装着させた状態で空洞が閉鎖された空間構造を形成するセンサ取付部として、口径が6mm程度の樹脂製の円筒部材と、検体に当接するゴム製のO−リングとを設けることで、参考例に係る検体情報検出ユニットを作成した。
この参考例に係る検体情報検出ユニットのセンサ取付部21としてのO−リングの開口部22を検体91の指先の皮膚93に対向させて検体91に装着された状態で空洞23がクロ−ズドキャビティを形成するようにして、センサ31としてのMEMS−ECMにより、開口部22を通じ入力され空洞23、圧力情報取込部32(空気孔)を塞ぐ膜状部材11、空気室34を伝播する圧力情報を検出することで、血管の脈動性信号を検出して観測した脈波の波形が図25である。測定により得られた速度脈波(測定データ)の波形は図25(b)のように表わされる。この速度脈波を上述した積分回路での補償により得られる容積脈波は、図25(a)のように表わされる。速度脈波を上述した微分回路での補償により得られる加速度脈波は、図25(c)のように表わされる。
図25(a)〜図25(c)では、図21、図22、図23に示されるような、本実施形態に係る検体情報装置により得られた波形と比較して、得られた信号のレベルが極端に落ちている。このため、参考例で用いられたようなMEMS−ECMの寸法では、センサ32の圧力情報取込部を直接塞ぐのは望ましくないといえる。
<周波数応答とコーナー周波数>
図25(a)〜図25(c)に示したような、センサ31の圧力情報取込部32を直接塞ぐようにして膜状部材11を設けた参考例に係る検体情報検出ユニットの信号波形に関連して、膜状部材11の周波数応答について説明する。本発明に用いられる膜状部材11は、“引っ張られた膜”の周波数応答を示し、図26に示すように膜の半径がRで振動モードが1次モードのとき、以下の式(1)のfで示される周波数をコーナーとする2次系ハイパスフィルターの周波数応答になる。
Figure 2015025769
(式(1)中、
T:張力(dyne/cm)
m:単位面積当たりの質量(gr/cm
R:膜の半径(cm)
α:円形膜の場合は0.382)
なお、図26では、半径Rの円形の膜が、振動モードが1次モードで振動する場合の膜の振動の様子を模式的に表わしたものであり、上側の図が円形の膜の面に対して垂直となる方向から見た様子を表わし、下側の図が円形の膜の面に対して水平となる方向から見た様子を表わす。
“引っ張られた膜”の周波数応答、すなわち式(1)のfで示されるコーナー周波数を有する2次系ハイパスフィルターの周波数とレスポンスとの関係は、図27のようにして表わされる。
なお、本発明において、検出したい脈波の中心周波数は約1Hzであるため、脈波の完全な検出に必要な周波数スペクトルは、0.1Hz<f<100Hzの範囲が望ましいと考えられる。この範囲全体の完全な検出が困難である場合には、少なくとも、0.3Hz<f<10Hzの周波数スペクトルの検出が必要である。
膜状部材11のように“引っ張られた膜”の周波数応答は、図27に示すように、コーナー周波数f0以下の周波数領域では、レスポンスが大きく低下する。“引っ張った膜”の応答が2次系であることから、コーナー周波数f0を100Hzより高い周波数に持って行って、あとで2回積分で補正するのは困難である。このため、脈波の検出のためには、図27に示すコーナー周波数f0を0.3Hz以下、望ましくは0.1Hz以下となるように膜状部材11をセットする必要がある。
本実施形態に係る検体情報検出ユニット1のように、O−リング24aとO−リング24とbの間に膜状部材11を挿入して、センサ取付部21の空洞23内に膜状部材11を設ける構造にした場合には、図21に示すように、脈波検出に必要な周波数特性を保持していた。これに対し、センサ31の圧力情報取込部32を直接塞ぐようにして膜状部材11を設けた場合には、膜状部材11が圧力情報取込部32の小さな開口にぴんと張った膜となることで、式(1)におけるRが減少するとともにTが増加することにより、図27に示すコーナー周波数が少なくともかなり高い周波数にセットされた結果、脈波が検出される周波数におけるレスポンスが低下して、図25に示すように信号の検出ができなかったのではないかと考えている。
式(1)で示される周波数応答からすると、コーナー周波数f0を低下させるためには、膜状部材11の半径が大きく、膜状部材11の張力が小さく、膜状部材の単位面積当たりの質量が大きいほうが好ましいといえる。また、膜状部材11の半径Rが小さいほど、式(1)のT(張力)以外に大きく変化させられるパラメータがないことから、膜状部材11の張力Tを小さくする、すなわちテンションを低くして緩く張る必要があることになる。
上述したように、結露対策のために、クローズドキャビティ内に膜状部材11を設けて、隔壁を作るためには、式(1)により算出されるコーナー周波数fが少なくとも0.3Hz以下(望ましくは0.1Hz以下)であることが必要である。また、膜状部材11が小径になればなるほど、膜状部材11に強い張力を付加して張ってはいけないということを意味する。膜状部材11の式(1)により算出されるコーナー周波数fが、少なくとも0.3Hz以下(望ましくは0.1Hz以下)となるのであれば、膜状部材11をセンサ31の圧力情報取込部32を直接塞ぐようにした状態で設けてもよく、または図2に示すように、O−リング24a、24bを対向させてその間に膜状部材11を挟みこむことでリング状部材24を形成して、圧力情報取込部32から膜状部材11を離隔した状態で設けてもよい。
[4.第一実施形態に係る検体情報検出ユニット及び検体情報処理装置の効果]
本実施形態に係る検体情報検出ユニット1及び検体情報処理装置3(以下、それぞれ、本検体情報検出ユニットユニット1、本検体情報処理装置3ともいう)によれば、検体情報検出ユニット1の開口部22が血管92の上に位置して装着されることで、センサ31の圧力情報の取込部32が血管92の直上になくとも、血管92の脈動性信号の検出と呼吸信号の抽出を行うことができる。すなわちセンサ31と血管92の位置関係の正確さを要求しない仕組みを持ち、血管92の脈動性信号の検出と呼吸信号の抽出を行う検体情報処理装置3を提供することができる。
また、本検体情報処理装置3は脈動性信号の検出に際して、検体情報検出ユニット1の開口部22を検体91に対向させることで、センサ31と検体91の皮膚93との間に空洞23がクローズドキャビティを形成する。本検体情報処理装置3は開口部22の口径を所定の大きさにを限定しているため、開口部22が受けとる圧力情報の範囲が限定され、本検体情報処理装置3の圧力センサとしてのセンシング範囲が狭く限定される。これにより、圧電素子やマイクロホン等の他のセンサを用いて開放系でセンシングする場合に比して高い指向性(あるいは空間分解能)を持つことができる。
また、本検体情報処理装置3の検体情報検出ユニット1の指向性を利用して、血管92から近い位置で脈動性信号を検出することにより、脈動性信号のS/N比及び感度を向上させることができ、脈動性信号から抽出される呼吸信号のS/N比及び感度も向上させることができる。
さらに、本検体情報検出ユニット1及び本検体情報処理装置3においては、膜状部材11を備えることにより、膜状部材11が検体91からセンサ31への水分の透過を防止するとともに、センサ31が、検体91における血管の脈動性信号に起因し、開口部22を通じ入力され、空洞23及び膜状部材11を伝播する圧力情報を検出するようになっている。これにより、検体から生じる水蒸気によりセンサ31が結露等の影響を受けることによる、センサ31からの信号停止もしくはセンサ31の信号の検出感度の低下を防ぎ、また波形の変化が生じることを防ぐことができる。また、検体情報検出ユニット1を検体91に長時間装着している場合であったり、検体91が例えば作業や運動をすることによって体表から発汗に伴う水蒸気の発生が多い場合であっても、安定して脈動性信号の検出を行うことができる。このとき、膜状部材11により水分の透過を防止するが、膜状部材11を備えていない場合と比較して、膜状部材11を伝播して検出される信号については、脈波を検出するための周波数特性としては問題なく検出を行うことができ、検出される波形に変化は見られない。
また、本検体情報検出ユニット1及び本検体情報処理装置3は、センサ31とセンサ取付部21とが、交換可能に設けられていてもよい。検体情報検出ユニット1及び検体情報処理装置3の使用に際して、センサ取付部21の汚染や破損が生じたりすることで、センサ取付部21の交換が必要となる場合がある。また、膜状部材11に水分や汚れが付着することで、検出される信号に影響が生じた際には、膜状部材11の交換が必要となる場合がある。また、検体情報検出ユニット1及び検体情報処理装置3の使用後に、他の検体に用いる場合には、衛生面を考慮して検体91に接するセンサ取付部21を交換することが好ましい。このようなときに、本検体情報検出ユニット1及び本検体情報処理装置3は、センサ31とセンサ取付部21とが、交換可能に設けられていることにより、比較的高価なセンサ31に対して、膜状部材11及びセンサ取付部21を交換することで、ディスポーザブルに利用できるという効果を有する。
〔B.本発明の第二実施形態の説明〕
[5.検体情報検出ユニット及び検体情報処理装置]
[5−1.検体情報検出ユニット及び検体情報処理装置の構成例]
本発明の第二実施形態に係る検体情報処理装置5は、検体情報検出ユニット4の一部の構成を除いて、上述の第一実施形態に係る検体情報処理装置3と同様に構成されており、上述の第一実施形態の検体情報処理装置3と同様のものについては説明を省略し、同符号を用いて説明する
第二実施形態に係る検体情報処理装置5は、図28に示すように、検体情報検出ユニット4と、信号処理部2とを備えて構成されている。
第二実施形態に係る検体情報検出ユニット4は、図28に示すように、センサ取付部21と、センサ31と、膜状部材11を備える中継部材41とを備えて構成されている。
信号処理部2は、図28に示すように、周波数補正処理部51と、抽出処理部61とを備えて構成されている。
以下、第二実施形態に係る検体情報検出ユニット4、信号処理部2、及び検体情報処理装置5の構成、並びに各部を構成する要素について詳細に説明する。
<検体情報検出ユニットの構成>
第二実施形態に係る検体情報検出ユニット5は、図28に示すように、検体91に当接する部位に開口部22を有するとともに、開口部22と連通する空洞23を内部に有するセンサ取付部21と、センサ取付部21に設けられ、検体91における血管92の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて上記の検体91における血管92の脈動性信号を検出するセンサ31とを備えて構成されており、さらにセンサ取付部21とセンサ31との間に、センサ取付部21の開口部22とセンサ31とを隔てるとともに水分の透過を防止する膜状部材11を備える中継部材41が介装されて設けられている。
第二実施形態に係る検体情報検出ユニット5は、センサ取付部21の開口部22を検体91に対向させて検体91に装着された状態で空洞23が閉鎖された空間構造を形成しており、センサ31が、検体91における血管92の脈動性信号に起因し、開口部22を通じ入力され、空洞23、及び膜状部材11を伝播する圧力情報を検出するようになっている。
(中継部材)
中継部材41は、膜状部材11を備えており、センサ取付部21とセンサ31との間に介装されて設けられる部材である。中継部材41は、センサ取付部21とセンサ31との間に介装された状態で、センサ取付部21の空洞23とセンサ31の空気室34とを連通する貫通孔42を内部に有する、筒状の形状の部材である。中継部材41の大きさは特に限定されないが、センサ取付部21とセンサ31との間に介装されて設けられてクローズドキャビティを形成できるよう、センサ取付部21及びセンサ31の大きさに合わせたサイズであることが好ましい。中継部材41の材質については特に限定されないが、強度及び加工性の点から、金属又は樹脂が好適に用いられる。
中継部材41において、膜状部材11は、中継部材41の貫通孔42においてセンサ取付部21の空洞23とセンサ31の圧力情報取込部32とを隔てる位置に設けられる。第二実施形態では、図28に示すように、中継部材41のセンサ取付部21側とセンサ31側との中間位置に膜状部材11が設けられている。このような構造は、例えば、中継部材41をセンサ取付部21に面する側とセンサ31に面する側とで二つに分割し、これらを対向させて間に膜状部材11を貼り付けて接着することで、分割された二つの中継部材の間に膜状部材11を挟みこむことで形成することができる。
本実施形態の検体情報検出ユニット4では、中継部材41とセンサ取付部21とは、センサ取付部21の開口部とは他端側の面に、中継部材41とセンサ取付部21のリング状部材24とが接着剤を塗布することにより接着されることで取り付けられている。中継部材41とセンサ取付部21とは、粘着性の素材を介して取り付けられ、交換可能に設けられていてもよい。
中継部材41とセンサ31とは、取り外し可能に装着されていることが好ましい。本実施形態の検体情報検出ユニット4では、中継部材41とセンサ31との装着する部分に互いに螺合する雄ねじと雌ねじをそれぞれ設け、中継部材41とセンサ31とが螺合により装着されている。また、中継部材41とセンサ31とを粘着性の素材を介して取り付けるようにしてもよい。
本実施形態では、中継部材41のセンサ取付部21側とセンサ31側との中間位置に膜状部材11が設けられているが、中継部材41のセンサ取付部21と接する面に膜状部材11が設けられてもよく、中継部材41のセンサ31と接する面に膜状部材11が設けられてもよい。例えば、中継部材41の一端面に膜状部材11を接着剤を塗布することにより接着することで、センサ取付部21と接する面に膜状部材11を設けることができる。このとき、中継部材41とセンサ取付部剤21とは、膜状部材11を挟んで取り付けられることになる。または、中継部材41の一端面に膜状部材11を接着剤を塗布することにより接着することで、センサ31と接する面に膜状部材11を設けることができる。このとき、中継部材41とセンサ31とは、膜状部材11を挟んで取り付けられることになる。
(膜状部材の貼り付け方法)
本実施形態に係る検体情報検出ユニット4の作成は、センサ取付部21とセンサ31との間に、膜状部材11を備える中継部材41を介装させることで作成することができる。センサ31は、用いるセンサの種類に応じて公知の方法により作成できるため、センサ31の作成方法については省略し、膜状部材11を設ける方法、すなわち膜状部材11の貼り付け方法について説明する。
膜状部材11の貼り付けは第一実施形態における膜状部材11の貼り付けと同様に、図4(a)、図4(b)に示すような、膜状部材貼付用の治具111、112、113a、113b、113cを用いて、水分の透過を防止する膜状素材12を狭持部材111、112により保持する保持工程(ステップS41、S42)と、狭持部材111、112に保持された膜状素材12を中継部材41に張設する張設工程(ステップS43)と、中継部材41に張設された膜状素材12の張設部位より外縁の部分を切除する切除工程(ステップS44)とを経て、膜状部材11を中継部材41に設けることにより行うことができる。
具体的に、分割された二つの中継部材の間に膜状部材11を挟みこむことで、中継部材41のセンサ取付部21側とセンサ31側との中間位置に膜状部材11が設けられている場合について説明する。この場合、保持工程を経て、膜状部材貼付用の治具111〜113によりテンション(張力)がかかった状態で保持される膜状素材12に向けて、分割された中継部材の一方を接着することで張設する(張設工程)。このとき、分割された中継部材41に螺合のための雄ねじまたは雌ねじが設けられている場合には、雄ねじまたは雌ねじが設けられていない側を膜状素材12に向けて接着する。接着後に、膜状部材11が、分割された中継部材と接着された状態となるように接着部を残して、張設された膜状素材12の張設部位より外縁の部分を切除することで膜状部材11を膜状素材12から切り出す(切除工程)。切り出し後、膜状部材11と接着されている一方の中継部材と、膜状部材11を挟んで対向するようにして、他方の中継部材を膜状部材11に接着することで膜状部材11を挟み込んだ状態で固定する。
このようにして、膜状部材11をテンションを加えて張った状態で貼り付けることにより、中継部材41の間に膜状部材11を挟みこんだ状態となるようにして、中継部材41に膜状部材11を設けることができる。さらに、膜状部材11が設けられた中継部材41の一端に、センサ31の圧力情報取込部32を有する面を取り付けることで、検体情報検出ユニット1が作成される。
次に、センサ取付部21と接する面に膜状部材11が設けられている場合について説明する。この場合、保持工程を経て、膜状部材貼付用の治具111〜113によりテンション(張力)がかかった状態で保持される膜状素材12に向けて、中継部材の一方を接着することで張設する(張設工程)。このとき、分割された中継部材41に螺合のための雄ねじまたは雌ねじが設けられている場合には、雄ねじまたは雌ねじが設けられていない側を膜状素材12に向けて接着する。接着後に、膜状部材11が、分割された中継部材と接着された状態となるように接着部を残して、張設された膜状素材12の張設部位より外縁の部分を切除することで膜状部材11を膜状素材12から切り出す(切除工程)。
このようにして、膜状部材11をテンションを加えて張った状態で貼り付けることにより、センサ取付部21と接する面に膜状部材11が設けられている状態となるように、中継部材41に膜状部材11を設けることができる。さらに、中継部材41の膜状部材11が設けられた側に、膜状部材11を介して、センサ取付部21の開口部22の他端側を取り付けることで、検体情報検出ユニット1が作成される。
次に、センサ31と接する面に膜状部材11が設けられている場合について説明する。この場合、保持工程を経て、膜状部材貼付用の治具111〜113によりテンション(張力)がかかった状態で保持される膜状素材12に向けて、中継部材の一方を接着することで張設する(張設工程)。接着後に、膜状部材11が、分割された中継部材と接着された状態となるように接着部を残して、張設された膜状素材12の張設部位より外縁の部分を切除することで膜状部材11を膜状素材12から切り出す(切除工程)。
このようにして、膜状部材11をテンションを加えて張った状態で貼り付けることにより、センサ31と接する面に膜状部材11が設けられている状態となるように、中継部材41に膜状部材11を設けることができる。さらに、中継部材41の膜状部材11が設けられた側に、膜状部材11を介して、センサ31圧力情報取込部32を有する面を取り付けることで、検体情報検出ユニット1が作成される。
(検体情報検出ユニット)
第二実施形態に係る検体情報検出ユニット5は、センサ取付部21とセンサ31との間に膜状部材11を備える中継部材41が介装されて設けられることで、膜状部材11により、センサ取付部21の内部の空洞23と中継部材41の貫通孔42とを合わせた空間が、開口部22を通じて検体91の皮膚93に面する検体側の空間27と、センサ31の圧力情報取込部に連通するセンサ側の空間28とに分けられている。
第二実施形態に係る検体情報検出ユニット5は、図28に示すように、センサ取付部21がリング状部材24によって形成される開口部22を検体91に向けて、検体91に装着された状態で、空洞23と貫通孔42と圧力情報取込部32によって連通する空気室34とが、閉鎖された空間構造(クローズドキャビティ)をとっており、このクローズドキャビティが膜状部材11により隔てられた構造となっている。これにより、センサ31は、検体91における血管の脈動性信号に起因し、開口部22を通じ入力され、検体側の空間27、膜状部材11、センサ側の空間28、及び空気室34を伝播する圧力情報を検出するようになっている。
<信号処理部の構成>
第二実施形態に係る信号処理部2は、脈動性信号検出ユニット1のセンサ31からの脈動性信号出力について信号処理を施すもので、図28に示すように、周波数補正処理部51と、抽出処理部61と備えて構成されている。
第二実施形態に係る信号処理部2は、周波数補正処理部51と抽出処理部61とを共に備えているが、信号処理部2は周波数補正処理部51と抽出処理部61とのいずれか一方を備えるものであってもよい。
<検体情報処理装置の構成>
第二実施形態に係る検体情報処理装置5は、図28に示すように、検体情報検出ユニット4と、信号処理部2とを備えて構成されている。
信号処理部2は検体情報検出ユニット1と一体として構成されていてもよく、検体情報検出ユニット4と分離して無線又は有線により電気的に接続されて構成されていてもよい。
<検体情報検出ユニット及び検体情報処理装置について>
第二実施形態に係る検体情報検出ユニット4及び検体情報処理装置5は、上述のように構成されており、検体91に開口部22を密着させることで空洞23と貫通孔42と空気室34とが閉鎖された空間構造(クローズドキャビティ)を形成して、検体91における検体情報検出ユニット4の装着部位付近に存在する血管93の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて、検体91における血管92の脈動性信号を検出し、脈動性信号出力から、少なくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すものであり、また脈動性信号出力に含まれる呼吸信号を抽出するものである。
[5−2.検体情報処理装置の機能構成]
<検体情報処理装置の機能構成>
第二実施形態に係る検体情報処理装置5を機能的に表わすとき、検体情報処理装置3は、図6、図7に示すように、検体情報検出ユニット4及び信号処理部2を備え、信号処理部2は、周波数補正処理部51及び抽出処理部61を有している。
[5−3.検体情報処理装置の動作]
第二実施形態に係る検体情報処理装置5は、第一実施形態に係る検体情報処理装置3と同様にして動作し、検体情報検出ユニット4のセンサ31による脈動性信号の検出と、信号処理部2の周波数補正処理部51による脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号を取り出しと、信号処理部2の抽出処理部61による呼吸信号の抽出を行う。
[6.第二実施形態に係る検体情報検出ユニット及び検体情報処理装置の効果]
第二実施形態の検体情報検出ユニット4及び検体情報処理装置5では、前記第一実施形態の検体情報検出ユニット1及び検体情報処理装置3で得られる効果に加えて、以下の効果を奏する。
第二実施形態の検体情報検出ユニット4では、センサ31と、中継部材41とが螺合により装着されている。これにより、検体情報検出ユニット4において、センサ31に対して中継部材41を交換可能に介装させることができる。検体情報検出ユニット4及び検体情報処理装置5の使用に際して、センサ取付部21の汚染や破損が生じたりすることで、センサ取付部21の交換が必要となる場合がある。また、膜状部材11に水分や汚れが付着することで、検出される信号に影響が生じた際には、膜状部材11の交換が必要となる場合がある。また、検体情報検出ユニット4及び検体情報処理装置5の使用後に、他の検体に用いる場合には、衛生面を考慮して検体91に接するセンサ取付部21を交換することが好ましい。このようなときに、本検体情報検出ユニット4及び本検体情報処理装置5は、センサ31と中継部材41及びセンサ取付部21とが、交換可能に設けられていることにより、比較的高価なセンサ31に対して、センサ取付部21が接着された中継部材41を交換することで、ディスポーザブルに利用できるという点で利点を有する。なお、本検体情報検出ユニット4及び本検体情報処理装置5は、センサ取付部21と膜状部材を備える中継部材41を一体として交換してもよく、センサ取付部21と膜状部材を備える中継部材41とを別々に交換することも可能である。
[7.その他]
<乾燥剤の配置>
上述したように、検体情報検出ユニット1は、図2に示すように、空洞23と空気穴32によって連通する空気室34とが、閉鎖された空間構造(クローズドキャビティ)をとり、さらに、空洞23において、膜状部材11が、検体側の空間25と、センサ31側の空間26とを隔てる位置に設けられていることにより、クローズドキャビティが膜状部材11により隔てられた構造となっている。
検体情報検出ユニット1には、クローズドキャビティ内に乾燥剤が配置されていてもよい。乾燥剤が配置されていることにより、検体情報検出ユニット1を検体に装着した際にクローズドキャビティ内に生じる水蒸気を乾燥剤が除去することによって、水蒸気によるセンサ31または信号の検出への影響を軽減することができる。中でも、センサ31側の空間26内に乾燥剤が配置されていることが好ましく、この場合にはセンサ31の特に感圧素子33への水蒸気の影響を軽減することができる。乾燥剤の配置は、例えば球状に成形した乾燥剤をクローズドキャビティ内に接着して固定することで行えばよい。
乾燥剤としては、クローズドキャビティ内の水分を除去できるものであれば特に限定されず、物理的乾燥剤または化学的乾燥剤を用いる事ができるが、水分子を吸着することで水分を除去する物理的乾燥剤を好適に用いる事ができる。物理的乾燥剤としては、例えば
シリカゲル、酸化アルミニウム、ゼオライト等を用いる事ができる。
<信号処理について>
上記の説明においては、脈動性信号の処理を検体情報処理装置3、5の信号処理部2が備えるアナログ回路による処理について説明したが、検体情報処理装置3、5の信号処理部2がデジタル回路、例えばデジタルシグナルプロセッサ(以下、「DSP」ともいう)を含む回路とアナログ回路とを組み合わせたり、演算処理装置(CPU)やDSPを組み合わせたりして、このデジタル回路を含む回路により信号を処理する構成としてもよい。
1、4 検体情報検出ユニット
2 信号処理部
3、5 検体情報処理装置
11 膜状部材
21 センサ取付部21
22 開口部
23 空洞(Cavity)
24 リング状部材
31 センサ
32 圧力情報取込部
33 感圧素子
34 空気室
35 筐体
51 周波数補正処理部
61 抽出処理部
91 検体
92 血管

Claims (16)

  1. 検体に当接する部位に開口部を有するとともに、該開口部と連通する空洞を内部に有し、該開口部を該検体に対向させて該検体に装着された状態で該空洞が閉鎖された空間構造を形成するセンサ取付部と、
    該センサ取付部に設けられ、検体における血管の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて上記の検体における血管の脈動性信号を検出するセンサと、
    上記のセンサ取付部の開口部と該センサとを隔てるとともに水分の透過を防止する膜状部材とを備える検体情報検出ユニットにおいて、
    該センサが、該検体における血管の脈動性信号に起因し、該開口部を通じ入力され、該空洞、及び該膜状部材を伝播する圧力情報を検出する
    ことを特徴とする、検体情報検出ユニット。
  2. 該センサは、該検体における血管の脈動性信号に起因する圧力情報を検出する感圧素子と、該感圧素子を内部に支持する筐体と、該筐体の内部の空間である空気室と、該筐体に設けられ該空気室と外部とを通じて圧力情報を取り込む圧力情報取込部とを有し、
    該センサ取付部は、該空洞が上記のセンサの圧力情報取込部と該開口部とを連通するとともに、該開口部を該検体に対向させて該検体に装着された状態で該空洞と上記のセンサの空気室とからなる空間が閉鎖された空間構造を形成し、
    該膜状部材は、上記の空洞と空気室とからなる空間において上記のセンサ取付部の開口部と上記のセンサの感圧素子とを隔てるとともに水分の透過を防止し、
    該センサが、該検体における血管の脈動性信号に起因し、該開口部を通じ入力され、該空洞、該膜状部材、及び該空気室を伝播する圧力情報を検出する
    ことを特徴とする、請求項1記載の検体情報検出ユニット。
  3. 該膜状部材が、上記センサ取付部の空洞において該空洞内の該開口部に面する空間と該センサに連通する空間とを隔てる位置に設けられる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の検体情報検出ユニット。
  4. 該センサと該センサ取付部とが、交換可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載の検体情報検出ユニット。
  5. 該センサ取付部と該センサとの間に該膜状部材を備える中継部材が介装されて設けられ、
    該中継部材は、該センサ取付部と該センサとの間に介装された状態で該空洞と該空気室とを連通する貫通孔を内部に有し、
    該膜状部材が上記中継部材の貫通孔において上記センサ取付部の空洞と上記センサの圧力情報取込部とを隔てる位置に設けられる
    ことを特徴とする請求項2に記載の検体情報検出ユニット。
  6. 該中継部材が、交換可能に介装されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の検体情報検出ユニット。
  7. 該膜状部材が合成樹脂からなるフィルムである
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の検体情報検出ユニット。
  8. 該膜状部材がポリエチレンテレフタラートからなるフィルムである
    ことを特徴とする請求項7に記載の検体情報検出ユニット。
  9. 該膜状部材に金属またはケイ素酸化物からなる層が積層されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の検体情報検出ユニット。
  10. 該センサが、上記の検体における動脈血管の脈動性信号に起因する音圧情報を受けて振動する振動板としてのダイヤフラムと、該ダイヤフラムに対向して設けられたバックプレートとを有し、上記の検体における動脈血管の脈動性信号に起因する音圧情報を検出するコンデンサマイクとして構成された
    ことを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の検体情報検出ユニット。
  11. 該コンデンサマイクが、MEMS−ECMで構成された
    ことを特徴とする、請求項10記載の検体情報検出ユニット。
  12. 該開口部の口径が3mmから10mmである
    ことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに1項に記載の検体情報検出ユニット。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の検体情報検出ユニットと、
    該検体情報検出ユニットの該センサからの脈動性信号出力について、周波数補正処理を施すことにより、少なくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出す周波数補正処理部とを備えて構成された
    ことを特徴とする検体情報処理装置。
  14. 該周波数補正処理部が、該脈動性信号の有する周波数で少なくとも増幅動作、積分動作および微分動作のうちの1つの動作を行なうことにより、少なくとも上記の脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すように構成された
    ことを特徴とする、請求項13記載の検体情報処理装置。
  15. 該検体情報検出ユニットの該センサからの脈動性信号出力、または上記の周波数補正処理部により処理された信号について、該脈動性信号に変調成分として含まれる呼吸信号を抽出する周波数復調処理を施すことにより、該検体の脈波情報または呼吸情報を取り出す抽出処理部を備えて構成された
    ことを特徴とする、請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の検体情報処理装置。
  16. 請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の検体情報検出ユニットの製造方法であって、
    水分の透過を防止する膜状部材を、狭持部材により保持する保持工程と、
    上記の狭持部材に保持された膜状部材を、該センサ取付部または該中継部材に張設する張設工程と、
    上記のセンサ取付部または中継部材に張設された膜状部材の張設部位より外縁の部分を切除する切除工程とを含む
    ことを特徴とする検体情報検出ユニットの製造方法。
JP2013156336A 2012-07-30 2013-07-29 検体情報検出ユニット、検体情報処理装置、及び検体情報検出ユニットの製造方法 Pending JP2015025769A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013156336A JP2015025769A (ja) 2013-07-29 2013-07-29 検体情報検出ユニット、検体情報処理装置、及び検体情報検出ユニットの製造方法
EP13825321.6A EP2881035A4 (en) 2012-07-30 2013-07-30 SUBJECT INFORMATION DETECTION UNIT, SUBJECT INFORMATION PROCESSING DEVICE, ELECTRIC TOOTHBRUSH DEVICE, ELECTRIC RAZOR DEVICE, SUBJECT INFORMATION DETECTING DEVICE, AGING DEGREE EVALUATION METHOD, AND DEVICE EVALUATION OF THE DEGREE OF AGING
PCT/JP2013/070633 WO2014021335A1 (ja) 2012-07-30 2013-07-30 検体情報検出ユニット、検体情報処理装置、電動歯ブラシ装置、電動シェーバー装置、検体情報検出装置、老齢化度評価方法、及び老齢化度評価装置
CN201380040125.0A CN104507384A (zh) 2012-07-30 2013-07-30 检体信息检测单元、检体信息处理装置、电动牙刷装置、电动剃须刀装置、检体信息检测装置、老龄化度评价方法及老龄化度评价装置
US14/606,153 US20150141774A1 (en) 2012-07-30 2015-01-27 Subject information detection unit, subject information processing device, electric toothbrush device, electric shaver device, subject information detection device, aging degree evaluation method, and aging degree evaluation device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013156336A JP2015025769A (ja) 2013-07-29 2013-07-29 検体情報検出ユニット、検体情報処理装置、及び検体情報検出ユニットの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015025769A true JP2015025769A (ja) 2015-02-05

Family

ID=52490529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013156336A Pending JP2015025769A (ja) 2012-07-30 2013-07-29 検体情報検出ユニット、検体情報処理装置、及び検体情報検出ユニットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015025769A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017001039A (ja) * 2015-06-04 2017-01-05 昭和電工株式会社 鍛造方法および鍛造装置
JP2017018569A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 生体信号測定装置及び方法
WO2017187710A1 (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 太陽誘電株式会社 振動波形センサ及び脈波検出装置
CN109700446A (zh) * 2019-01-24 2019-05-03 深圳金亿帝医疗设备股份有限公司 一种血压测量设备
JP2019109218A (ja) * 2017-12-15 2019-07-04 佳星 劉 容量型加速度検出装置及びその検出方法
JP2020048942A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 セイコーインスツル株式会社 脈波センサ
JP2020048944A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 セイコーインスツル株式会社 脈波センサ
JP2020048943A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 セイコーインスツル株式会社 脈波センサ及び脈波測定方法
RU2828647C1 (ru) * 2024-04-19 2024-10-15 Акционерное Общество "Государственное Машиностроительное Конструкторское Бюро "Радуга" Имени А.Я. Березняка" Микроэлектромеханический вибрационный датчик давления

Citations (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5850441A (ja) * 1981-09-22 1983-03-24 Toshiba Corp 流体圧検出装置
JPS59179352U (ja) * 1983-05-16 1984-11-30 三洋電機株式会社 半導体圧力センサ
JPS59224534A (ja) * 1983-06-03 1984-12-17 Citizen Watch Co Ltd 圧力電気変換器
JPS6286528U (ja) * 1985-11-20 1987-06-02
JPS6385325A (ja) * 1986-09-30 1988-04-15 Nippon Denso Co Ltd 半導体式圧力検出装置
JPH0591595A (ja) * 1991-09-30 1993-04-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 自動膜張り装置
JPH05209800A (ja) * 1992-01-30 1993-08-20 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 圧力測定装置
JPH08103419A (ja) * 1994-10-04 1996-04-23 Seiko Instr Inc 脈波検出センサ及び脈波検出装置
JPH10503021A (ja) * 1994-07-21 1998-03-17 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト シリコン圧力センサのための保護ダイヤフラム
JPH11132885A (ja) * 1997-10-28 1999-05-21 Aisin Seiki Co Ltd 圧力検出装置
KR20010028668A (ko) * 1999-09-22 2001-04-06 소광섭 의학용 맥진 센서
JP2002318167A (ja) * 2001-04-23 2002-10-31 Yamatake Corp 圧力センサにおける受圧ダイアフラムの保護構造およびそのシール部材
JP2006271949A (ja) * 2005-03-25 2006-10-12 Yoshihisa Ushiyama 脈波から呼吸信号を検出する方法
JP2008073088A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Gifu Univ 血管硬化計測システム
JP2008160352A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Yamaha Corp 静電容量センサ
JP2008212607A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 D & A Systems:Kk 加速度脈波計測法及びそのデータ処理法
US20100179440A1 (en) * 2006-09-01 2010-07-15 Unimatec Co. Ltd. Pulsimeter sensor using hall device
JP2010207553A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Yoshijiro Watanabe 携帯電話端末及び健康状態監視システム

Patent Citations (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5850441A (ja) * 1981-09-22 1983-03-24 Toshiba Corp 流体圧検出装置
JPS59179352U (ja) * 1983-05-16 1984-11-30 三洋電機株式会社 半導体圧力センサ
JPS59224534A (ja) * 1983-06-03 1984-12-17 Citizen Watch Co Ltd 圧力電気変換器
JPS6286528U (ja) * 1985-11-20 1987-06-02
JPS6385325A (ja) * 1986-09-30 1988-04-15 Nippon Denso Co Ltd 半導体式圧力検出装置
JPH0591595A (ja) * 1991-09-30 1993-04-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 自動膜張り装置
JPH05209800A (ja) * 1992-01-30 1993-08-20 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 圧力測定装置
JPH10503021A (ja) * 1994-07-21 1998-03-17 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト シリコン圧力センサのための保護ダイヤフラム
JPH08103419A (ja) * 1994-10-04 1996-04-23 Seiko Instr Inc 脈波検出センサ及び脈波検出装置
JPH11132885A (ja) * 1997-10-28 1999-05-21 Aisin Seiki Co Ltd 圧力検出装置
KR20010028668A (ko) * 1999-09-22 2001-04-06 소광섭 의학용 맥진 센서
JP2002318167A (ja) * 2001-04-23 2002-10-31 Yamatake Corp 圧力センサにおける受圧ダイアフラムの保護構造およびそのシール部材
JP2006271949A (ja) * 2005-03-25 2006-10-12 Yoshihisa Ushiyama 脈波から呼吸信号を検出する方法
US20100179440A1 (en) * 2006-09-01 2010-07-15 Unimatec Co. Ltd. Pulsimeter sensor using hall device
JP2008073088A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Gifu Univ 血管硬化計測システム
JP2008160352A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Yamaha Corp 静電容量センサ
JP2008212607A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 D & A Systems:Kk 加速度脈波計測法及びそのデータ処理法
JP2010207553A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Yoshijiro Watanabe 携帯電話端末及び健康状態監視システム

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017001039A (ja) * 2015-06-04 2017-01-05 昭和電工株式会社 鍛造方法および鍛造装置
JP2017018569A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 生体信号測定装置及び方法
US11395600B2 (en) 2016-04-28 2022-07-26 Taiyo Yuden Co., Ltd. Vibration waveform sensor and pulse wave detection device
WO2017187710A1 (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 太陽誘電株式会社 振動波形センサ及び脈波検出装置
JP2019109218A (ja) * 2017-12-15 2019-07-04 佳星 劉 容量型加速度検出装置及びその検出方法
JP7166120B2 (ja) 2018-09-27 2022-11-07 セイコーインスツル株式会社 脈波センサ及び脈波測定方法
JP2020048944A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 セイコーインスツル株式会社 脈波センサ
JP2020048943A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 セイコーインスツル株式会社 脈波センサ及び脈波測定方法
JP2020048942A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 セイコーインスツル株式会社 脈波センサ
JP7178229B2 (ja) 2018-09-27 2022-11-25 セイコーインスツル株式会社 脈波センサ
JP7199187B2 (ja) 2018-09-27 2023-01-05 セイコーインスツル株式会社 脈波センサ
CN109700446A (zh) * 2019-01-24 2019-05-03 深圳金亿帝医疗设备股份有限公司 一种血压测量设备
RU2828647C1 (ru) * 2024-04-19 2024-10-15 Акционерное Общество "Государственное Машиностроительное Конструкторское Бюро "Радуга" Имени А.Я. Березняка" Микроэлектромеханический вибрационный датчик давления

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015025769A (ja) 検体情報検出ユニット、検体情報処理装置、及び検体情報検出ユニットの製造方法
JP6085099B2 (ja) 検体情報処理装置
KR101327603B1 (ko) 가중 생체 음향 센서 및 이를 사용하는 방법
WO2014021335A1 (ja) 検体情報検出ユニット、検体情報処理装置、電動歯ブラシ装置、電動シェーバー装置、検体情報検出装置、老齢化度評価方法、及び老齢化度評価装置
Qu et al. Monitoring of physiological sounds with wearable device based on piezoelectric MEMS acoustic sensor
JP6107045B2 (ja) 携帯情報端末
Lee et al. Advances in microsensors and wearable bioelectronics for digital stethoscopes in health monitoring and disease diagnosis
Khan et al. Design analysis and human tests of foil-based wheezing monitoring system for asthma detection
US20230276171A1 (en) Accelerometer Contact Microphones And Methods Thereof
JP5509422B2 (ja) 生体音取得端末、電子聴診器および生体音測定装置
WO2010123029A1 (ja) 生体情報検出装置
Gupta et al. Precision high-bandwidth out-of-plane accelerometer as contact microphone for body-worn auscultation devices
CN106236130A (zh) 一种基于mems技术的电子式听诊器
Jia et al. Piezoelectric micromachined ultrasonic transducer array-based electronic stethoscope for internet of medical things
JP2000060845A (ja) 生体音検出装置
JPH09248282A (ja) 喉の振動センサと生体信号出力装置
JP2019010415A (ja) 電子血圧計、血圧測定方法、及び電子聴診器
JP5896832B2 (ja) 検体情報処理装置及び検体情報処理方法
JP6027339B2 (ja) 検体情報処理装置
KR102343853B1 (ko) 향상된 정확도를 갖는 소리 인식 방법 및 그의 응용방법
CN109717892A (zh) 一种基于声传感器的mems听诊探头微结构
Khan et al. Low-cost foil based wearable sensory system for respiratory sound analysis to monitor wheezing
RU2496421C1 (ru) Способ регистрации дыхательных звуков на поверхности грудной клетки и комбинированный приемник для осуществления способа
WO2011107309A1 (en) A sensor device and a method for using the sensor device
Fu et al. A novel sound sensor and its package used in lung sound diagnosis

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161004

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170328