JP2015022846A - ツイストペア線及びハーネス - Google Patents
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Abstract
【課題】周囲の信号線等によるインピーダンス変化への影響を抑制し、更には作業性が良好なツイストペア線及びハーネスを提供する。
【解決手段】ツイストペア線2は一対の電線21及び22を撚り合わせて構成されており、導電性を有する複数の被覆部23により電線21及び22の周囲を被覆する。複数の被覆部23は、ツイストペア線2の長手方向に隙間を空けて設けられている。被覆部23間の隙間の寸法L1は、被覆部23のツイストペア線2の長手方向における寸法L2より小さい寸法にしてある。これにより、周囲の信号線3等によるツイストペア線2のインピーダンス変化への影響が抑制される。
【選択図】図1
【解決手段】ツイストペア線2は一対の電線21及び22を撚り合わせて構成されており、導電性を有する複数の被覆部23により電線21及び22の周囲を被覆する。複数の被覆部23は、ツイストペア線2の長手方向に隙間を空けて設けられている。被覆部23間の隙間の寸法L1は、被覆部23のツイストペア線2の長手方向における寸法L2より小さい寸法にしてある。これにより、周囲の信号線3等によるツイストペア線2のインピーダンス変化への影響が抑制される。
【選択図】図1
Description
本発明は、1対の電線が撚り合わされたツイストペア線及びハーネスに関する。
現在、車輌には種々の電子機器を制御するためのECU(Electronic Control Unit)が複数搭載されている。ECUは、他のECUとの間で通信を行うことで、相互に情報を交換し、電子機器をより高度に制御する。ECU間の通信接続には、通信信号へのノイズの重畳を低減するために、一対の電線が撚り合わされたツイストペア線が用いられている。通常、ツイストペア線は他の信号線と共にハーネスとして束ねられ、車輌内に配索されている。
ツイストペア線を伝送する信号は、ECU間の通信速度が高速になると、他の機器及びツイストペア線間の電磁的干渉、更にはハーネス内における他の信号線が及ぼすツイストペア線のインピーダンス低下の影響が大きくなる傾向にある。特許文献1には、電磁波抑制対策を施した従来のケーブルが開示されている。このケーブルは、絶縁された芯線、及び該芯線の周囲に設けた電磁波抑制部を備える。電磁波抑制部は、電磁波抑制フラットヤーンをチューブ状に網製してなる。
しかしながら、特許文献1に記載のケーブルにおける電磁波抑制部をツイストペア線の周囲に設けた場合、ハーネス内の他の信号線がツイストペア線のインピーダンス低下に及ぼす影響を抑制することができるものの、端部にコネクタを接続する組立作業を行う際に、電磁波抑制部の端部を除去する手間がかかり、ハーネス組立等に係る作業性が良くないという問題点があった。
また、ツイストペア線の周囲に電磁波抑制部を設けることによって、ハーネスの製造コストは、上述の電磁波抑制フラットヤーンの費用、及び電磁波抑制フラットヤーンを管状に網製する費用に応じて、高価になってしまうという問題点もあった。更には、ツイストペア線の周囲に設けた電磁波抑制部によってハーネスの重量が増してしまう。特に車輌の分野では、ハーネスの重量が増すことで燃費等の車輌性能に影響を与えてしまうという問題点もあった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、周囲の信号線等によるインピーダンス変化への影響を抑制し、更には作業性が良好なツイストペア線及びハーネスを提供することにある。
本発明に係るツイストペア線は、一対の電線が撚り合わされたツイストペア線において、前記一対の電線の周囲を被覆する複数の導電被覆部が該一対の電線の長手方向に隙間を空けて設けてあり、前記隙間の寸法が前記導電被覆部の前記長手方向の寸法より小さいことを特徴とする。
本発明にあっては、ツイストペア線を構成すべく撚り合わされた一対の電線の周囲を被覆する複数の導電被覆部が該一対の電線の長手方向に隙間を空けて設けてある。隙間の寸法が導電被覆部の前記長手方向の寸法より小さいので、周囲の信号線等によるツイストペア線のインピーダンス変化への影響が抑制される。
本発明に係るツイストペア線は、前記導電被覆部が、導電性を有するテープ材によって形成されていることを特徴とする。
本発明にあっては、導電性を有するテープ材によって導電被覆部を形成するので、ツイストペア線にテープ材を巻き付けるなどして、導電被覆部を簡潔、更には安価に設けることができる。
本発明に係るツイストペア線は、一対の電線が撚り合わされたツイストペア線において、前記一対の電線の長手方向に隙間が空くように、該一対の電線の周囲を導電性の帯状体で螺旋状に被覆してなる導電被覆部が設けてあり、前記隙間の寸法が前記帯状体の前記長手方向における幅寸法より小さいことを特徴とする。
本発明にあっては、ツイストペア線を構成すべく撚り合わされた一対の電線の長手方向に隙間が空くように、一対の電線の周囲を導電性の帯状体で螺旋状に被覆してなる導電被覆部が設けてある。隙間の寸法が帯状体の前記長手方向における幅寸法より小さいので、周囲の信号線等によるツイストペア線のインピーダンス変化への影響が抑制される。
本発明に係るツイストペア線は、前記隙間の寸法L1、前記一対の電線を伝播するパルス信号の立ち上がり時間Tr、前記一対の電線におけるパルス信号の伝播遅延時間Tcに対し、L1<Tr/(2×Tc)なる関係式を満たすことを特徴とする。
本発明にあっては、導電被覆部間の隙間の寸法L1、一対の電線を伝播するパルス信号の立ち上がり時間Tr、一対の電線におけるパルス信号の伝播遅延時間Tcに対し、L1<Tr/(2×Tc)なる関係式を満たすので、ツイストペア線に対するTDR法によるインピーダンス測定において良好な結果が得られる。
本発明に係るツイストペア線は、前記導電被覆部の抵抗率が103 (Ω・cm)以下であることを特徴とする。
本発明にあっては、導電被覆部の抵抗率を103 (Ω・cm)以下とすることで、周囲の信号線等によるツイストペア線のインピーダンス変化への影響が抑制される。
本発明に係るハーネスは、上述のいずれか1つに記載のツイストペア線と、該ツイストペア線に添って共に束ねられている信号線とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、上述のいずれか1つに記載のツイストペア線に添って信号線を共に束ねたハーネスについて、ハーネスに含まれる信号線によるツイストペア線のインピーダンス変化への影響が抑制される。
本発明によれば、ツイストペア線を構成すべく撚り合わされた一対の電線の周囲を被覆する複数の導電被覆部が該一対の電線の長手方向に隙間を空けて設けてあり、隙間の寸法が導電被覆部の前記長手方向の寸法より小さいので、周囲の信号線等によるツイストペア線のインピーダンス変化への影響を抑制することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態1に係るハーネス1の模式的な外観図である。ハーネス1は、ツイストペア線2、及び該ツイストペア線2と束ねられた他の信号線3を備える。ハーネス1は、例えば車輌のECU間の通信接続、電源への接続、及び車輌装備品への信号接続等に用いられ、車体シャーシ等に配索される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態1に係るハーネス1の模式的な外観図である。ハーネス1は、ツイストペア線2、及び該ツイストペア線2と束ねられた他の信号線3を備える。ハーネス1は、例えば車輌のECU間の通信接続、電源への接続、及び車輌装備品への信号接続等に用いられ、車体シャーシ等に配索される。
ツイストペア線2は1対の電線21及び22を螺旋状に拠り合わせて形成されており、導電性を有する複数の被覆部23(導電被覆部)を備える。電線21及び22夫々は、銅線等の導電性のある芯線の外周を絶縁体で被覆した絶縁被覆付きの電線である。ツイストペア線2は、電線21及び22を螺旋状に撚り合わせることによって、通信信号へのノイズの重畳を抑制する。例えば、外部から受ける電磁波によって電線21及び22に発生するノイズ電流が撚りの隣同士で逆向きになって打ち消し合うことで、通信信号へのノイズの重畳が抑制される。
ツイストペア線2は、両端に接続されるECUとのインピーダンス整合のため、通信方式に応じた特性インピーダンスを有するように芯線の太さ、芯線間の距離等が定められる。例えば、車輌に搭載される通信システムとして代表的なCAN(Controller Area Network)方式に基づく通信では、通信系の特性インピーダンス120Ωに整合するようにツイストペア線2が設計される。また、イーサネット(登録商標)方式に基づく通信では、通信系の特性インピーダンス100Ωに整合するようにツイストペア線2が設計される。
被覆部23は、ツイストペア線2の全長に亘って離散的に複数設けてある。隣り合う被覆部23間には、ツイストペア線2の長手方向に隙間(寸法L1)を空けてある。各被覆部23は、ツイストペア線2の長手方向に寸法L2の長さを有しており、ツイストペア線2の周囲を覆う。被覆部23は、例えば一面側に接着層を有する幅寸法がL2のテープ材を用いて形成すればよい。被覆部23は、該テープ材の一面側がツイストペア線2に臨むようにしてツイストペア線2の周囲に巻き付け、接着層によってツイストペア線2に固定される。また被覆部23は、テープ材の幅がL2未満であっても、ツイストペア線2の長手方向に寸法L2に亘って隙間なく巻回し、貼り付けるようにして設けることができる。
被覆部23を形成するための材料は、テープ材に限られず、例えば熱収縮チューブ等の管状の材料であっても良く、ツイストペア線2の周囲をツイストペア線2の長手方向に寸法L2に亘って覆い、ツイストペア線2に接着等により固定することができる導電性材料であれば良い。また、ツイストペア線2が管状のシース内に挿通されている場合には、シースの周囲に被覆部23を設けるようにすれば良い。
信号線3は、銅線等の導電性のある芯線の外周を絶縁体で被覆した絶縁被覆付きの電線であり、車輌の内部に配置されるべく、ツイストペア線2とともに束ねられてハーネス1を形成する。信号線3は各被覆部23の外周面に添うように設けられている。信号線3は各被覆部23の外周面に接触していても良いし、外周面との間に隙間を有していても良い。ハーネス1は、結束糸又は結束用テープ等を用いて長手方向の数か所で束ねてあっても良いし、例えばスパイラルチューブ等のチャーブ材で束ねてあっても良い。
ツイストペア線2は、複数の被覆部23を設けた構成において通信系の特性インピーダンスに適合するようにしてあるものとする。ツイストペア線2は、ハーネス1内に他の信号線3等と共に束ねられた場合に、周囲に信号線3が存在することで影響を受け、寸法L1の隙間部分でインピーダンスの低下を生じる。ツイストペア線2は、信号線3が被覆部23の外周面に添っている寸法L2の部分ではインピーダンスの低下が抑制される。
図2はインピーダンス低下に基づく信号波形の変化を説明するための模式図である。図2において、横軸は時間であり、縦軸は信号レベル(電圧)である。ツイストペア線2を伝送する通信信号は、所定の閾値(例えばパルス振幅に対する下側閾値10%、上側閾値90%)で定める立ち上がり時間Trを有するパルス信号としたとき、インピーダンスが変化する箇所で反射等が生じて、信号波形中にリップルが発生する。図2では、インピーダンスが変化する箇所が2箇所あり、この2箇所において発生する信号波形のリップルは、時間軸上で時間差d(以下、遅延時間dと表記する。)を有している。
一般にTDR(Time Domain Reflectometry)法と呼ばれるインピーダンス測定では、ツイストペア線等の検査対象に所定のパルス信号を与え、その反射波を検出することによってインピーダンスを求める。このTDR法による測定では、図2に示す2箇所のリップル間の遅延時間dが立ち上がり時間Trの半分より小さい場合、インピーダンスが変化する2箇所からの反射波が相互に重なり、分離ができなくなる。
上述のように、ツイストペア線2において、被覆部23が設けられていない寸法L1の隙間部分は、信号線3の影響によりインピーダンスが低下する箇所である。従って、被覆部23間の隙間の寸法L1に相当する遅延時間dが、パルス信号の立ち上がり時間Trの半分より小さい場合、TDR法におけるインピーダンス変化が測定されることなく良好な測定結果が得られる。ここで、ツイストペア線2における通信信号の伝播遅延時間をTcとすると、被覆部23間の隙間の寸法L1に相当する遅延時間はd=L1×Tcで表わされる。したがって、遅延時間dがパルス信号の立ち上がり時間Trの半分より小さいことを表わす条件は、L1×Tc<Tr/2となり、L1を左辺に残すように整理すると、次式により与えられる。
L1<Tr/(2×Tc) ・・・・・・(1)
L1<Tr/(2×Tc) ・・・・・・(1)
例えば、パルス信号の立ち上がり時間Trを700ps、標準的な電線の伝播遅延時間Tcを5ns/mとすると、式(1)より、被覆部23間の隙間の寸法L1に関して、L1<7(cm)との条件が得られる。
一方、ツイストペア線2の長手方向における被覆部23の寸法L2は、インピーダンスが変化する箇所の間隔を寸法L1にするべく、少なくともL1よりも大きい寸法とする必要がある。即ち、次式による条件が得られる。
L1<L2 ・・・・・・(2)
L1<L2 ・・・・・・(2)
以上より、本実施の形態1によれば、ツイストペア線2を構成する一対の電線21及び22の周囲を複数の被覆部23により被覆する。被覆部23はツイストペア線2の長手方向に隙間を空けて設けてあり、隙間の寸法L1が被覆部23の前記長手方向の寸法L2より小さい条件である式(2)を満たすことで、周囲の信号線3等によるツイストペア線2のインピーダンス変化への影響を抑制することができる。
また、式(1)及び式(2)を満たすように、被覆部23間の隙間の寸法L1、及び複数の被覆部23の寸法L2を決めることで、ツイストペア線2に対するTDR法によるインピーダンス測定結果が良好となり、ツイストペア線2の特性インピーダンスの変化による通信信号への影響を除去する効果が得られる。
また、ツイストペア線2の両端部に、コネクタ等の接続用部品を取付けるための撚り戻し部分を設け、この撚り戻し部分には被覆部23を設けないようにする。これにより、ツイストペア線2の両端部にコネクタ等を接続する組立作業を行う際に、被覆部23を除去する作業が不要になり、短時間でコネクタ等を接続することができるので、ハーネス組立におけるツイストペア線2に関する作業性が改善される。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2に係るハーネス1の模式的な外観図である。ハーネス1は、ツイストペア線2、及び該ツイストペア線2と束ねられた他の信号線3を備える。ツイストペア線2は1対の電線21及び22を螺旋状に拠り合せて形成されており、導電性を有する螺旋状の被覆部23を備える。電線21及び22は実施の形態1と同様の構成であり、ツイストペア線2は、電線21及び22を螺旋状に撚り合わせることによって、通信信号へのノイズの重畳を抑制する。
図3は本発明の実施の形態2に係るハーネス1の模式的な外観図である。ハーネス1は、ツイストペア線2、及び該ツイストペア線2と束ねられた他の信号線3を備える。ツイストペア線2は1対の電線21及び22を螺旋状に拠り合せて形成されており、導電性を有する螺旋状の被覆部23を備える。電線21及び22は実施の形態1と同様の構成であり、ツイストペア線2は、電線21及び22を螺旋状に撚り合わせることによって、通信信号へのノイズの重畳を抑制する。
実施の形態2における被覆部23は、ツイストペア線2の全長に亘って導電性の帯状体を螺旋状に巻き付けて構成してあり、ツイストペア線2を被覆する。また、被覆部23は、ツイストペア線2の長手方向に寸法L1の隙間が空くように巻き付けてある。被覆部23を形成する帯状体は、ツイストペア線2に巻き付けられた状態で、ツイストペア線2の長手方向に幅寸法L2を有し、ツイストペア線2の周囲を覆う。被覆部23は、例えば一面側に接着層を有する帯状の導電性のテープ材を用いて形成する。被覆部23は、該テープ材の一面側がツイストペア線2に臨むようにしてツイストペア線2の周囲に巻き付け、接着層によってツイストペア線2に固定される。
被覆部23を形成するための材料は、テープ材に限られず、例えば導電性材料を含有する樹脂製のスパイラルチューブ等であっても良く、ツイストペア線2の長手方向に隙間を有しつつ、ツイストペア線2の周囲を螺旋状に覆うことができる材料であれば良い。また、ツイストペア線2がシース内に収容されている場合には、シースの周囲に被覆部23を設けるようにすれば良い。
信号線3は、実施の形態1と同様の構成を有し、ツイストペア線2とともに束ねられてハーネス1を形成する。信号線3は被覆部23の外周面に添うように設けられており、外周面に接触していてもよいし、外周面との間に隙間を有していてもよい。
ツイストペア線2は、螺旋状の被覆部23を設けた状態で通信系の特性インピーダンスに適合するようにしてあるものとする。また、実施の形態1と同様に上述の式(1)及び式(2)を満たすように、隙間の寸法L1、及び被覆部23を形成する帯状体のツイストペア線2の長手方向における幅寸法L2を決める。
実施の形態1と実施の形態2とでは被覆部23の構成が異なっているものの、ツイストペア線2は、ハーネス1内に束ねられた場合に、周囲に信号線3が存在することで影響を受けて寸法L1の隙間部分でインピーダンスの低下を生じる点は同様である。ツイストペア線2は、信号線3が被覆部23に添っている寸法L2の部分ではインピーダンスの低下が抑制される。
以上より、本実施の形態2によれば、ツイストペア線2の長手方向に隙間が空くように、ツイストペア線2を構成する一対の電線21及び22の周囲を導電性の帯状体で螺旋状に被覆してなる被覆部23が設けてある。隙間の寸法L1が帯状体の前記長手方向における幅寸法L2より小さい条件である式(2)を満たすことで、周囲の信号線3等によるツイストペア線2のインピーダンス変化への影響を抑制することができる。
また、上述の式(1)及び式(2)を満たすように、被覆部23の隙間の寸法L1、及び被覆部23を形成する帯状体のツイストペア線2の長手方向における幅寸法L2を決めることで、ツイストペア線2に対するTDR法によるインピーダンス測定結果が良好となり、ツイストペア線2の特性インピーダンスの変化による通信信号への影響を除去する効果が得られる。
また、ツイストペア線2の両端部の撚り戻し部分に被覆部23を設けないようにする。これにより、ツイストペア線2の両端部にコネクタ等を接続する組立作業を行う際に、被覆部23を除去する作業が不要になり、短時間でコネクタ等を接続することができるので、ハーネス組立等におけるツイストペア線2に関する作業性が改善される。
(実施例)
以下、ハーネス1の具体的な実施例について説明する。図4は実施例に係るハーネス1の模式的な外観図であり、図5はハーネス1の模式的な断面図である。実施例に係るハーネス1は、全長を30cmとし、1対のツイストペア線2と、ツイストペア線2に添って共に束ねられた8本の信号線3を有する。尚、図4では、簡潔のために一部の信号線3を省略している。ツイストペア線2は、管状のシース24に挿通してあり、該シース24の外周に複数の被覆部23を設けてある。各信号線3は、複数の被覆部23の外周面に接触又は僅かの隙間を有し、外周上に略等間隔で配置されている。
以下、ハーネス1の具体的な実施例について説明する。図4は実施例に係るハーネス1の模式的な外観図であり、図5はハーネス1の模式的な断面図である。実施例に係るハーネス1は、全長を30cmとし、1対のツイストペア線2と、ツイストペア線2に添って共に束ねられた8本の信号線3を有する。尚、図4では、簡潔のために一部の信号線3を省略している。ツイストペア線2は、管状のシース24に挿通してあり、該シース24の外周に複数の被覆部23を設けてある。各信号線3は、複数の被覆部23の外周面に接触又は僅かの隙間を有し、外周上に略等間隔で配置されている。
実施例では、ツイストペア線2の特性インピーダンスを被覆部23が無い部分と有る部分の夫々で測定し、特性インピーダンスの変化を評価した。被覆部23が無い場合のツイストペア線2の特性インピーダンスをZ1、被覆部23が有る場合のツイストペア線2の特性インピーダンスをZ2として、特性インピーダンスの変化量ΔZは、次式で与えられる。
ΔZ=ABS(Z1−Z2) ・・・・・・(3)
但し、ABS()は絶対値を表わす。
ΔZ=ABS(Z1−Z2) ・・・・・・(3)
但し、ABS()は絶対値を表わす。
図6は実施例の条件と評価結果をまとめた図表である。実施例では、被覆部23の抵抗率と被覆部23間の隙間の寸法L1を変化させた条件1〜8を設定した。ツイストペア線2の被覆部23には、抵抗率が夫々異なる複数のテープ材を用いた。被覆部23に用いた各テープ材は、テープ抵抗率10a Ω・cmとして、aが1,3,7,14の値を有する。aが1のテープ材を用いた被覆部23は、扶桑ゴム製 導電性極薄シリコーンゴム(10547-0011-7)から保護フィルム(PET)を外し、L2の幅に切断し、接着剤を表面に薄く塗り、ツイストペア線に巻きつけて作成した。aが3のテープ材を用いた被覆部23は、日東電工製 半導電性テープ ニトフロン No.903SC(幅25mm)を、L2の長さに亘ってツイストペア線に隙間なく巻回して作成した。aが7のテープ材を用いた被覆部23は、ハギテック製 ESDポリイミドテープ KESDT7(幅19mm)をL2の長さに亘ってツイストペア線に隙間なく巻回して作成した。aが14のテープ材を用いた被覆部23は、日東電工製 ノンハロゲン粘着テープ No.2400(幅19mm)をL2の長さに亘ってツイストペア線に隙間なく巻回して作成した。いずれの場合も、被覆部23間には寸法L1の隙間を空けてある。ツイストペア線2の長手方向における被覆部23の寸法L2は70mmとしている。被覆部23間の隙間の寸法L1は35mm、70mmの値に変化させる。
ツイストペア線2の特性インピーダンスは、TDR法に基づいて測定する。測定において、パルス信号の立ち上がり時間Trを700psとしている。特性インピーダンスの変化量ΔZの評価結果は、変化量ΔZが17Ω以下であれば、変化が小さく良好である旨を示す丸の記号(○)を、17Ωを超え20Ω以下であれば、変化の影響の可能性がある旨を示す三角の記号(△)を、20Ωを超える場合には、変化の影響がある旨を示すX字状の記号(X)を用いる。例えば、条件3の実施例では特性インピーダンスの変化量ΔZが3Ωであり、変化が小さく良好である旨を示す丸の記号が付されている。また、条件4の実施例では特性インピーダンスの変化量ΔZが20Ωであり、変化の影響の可能性がある旨を示す三角の記号が付されている。
図7は実施例の評価結果を模式的に表すグラフである。図7では、横軸を被覆部23の抵抗率、縦軸を被覆部23間の隙間の寸法L1とする座標系における座標位置に条件1〜8の実施例を対応させて、評価結果の各記号をプロットしたものである。図7に示すように、被覆部23の抵抗率が103 (Ω・cm)以下である領域S(斜線を付した領域)にある場合に、ツイストペア線2の特性インピーダンスの変化量ΔZが小さく良好である。
また、被覆部23の抵抗率が103 (Ω・cm)、隙間の寸法L1が70mmである条件4の実施例では、変化量ΔZが20Ωとなり、評価結果は変化の影響の可能性がある旨を示す三角の記号となった。これにより、隙間の寸法L1は、ツイストペア線2の長手方向における被覆部23の寸法L2(70mm)よりも小さい条件、即ち上述の式(2)の条件を満たすことが好適であると考えられる。
開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 ハーネス
2 ツイストペア線
21、22 電線
23 被覆部(導電被覆部)
3 信号線
2 ツイストペア線
21、22 電線
23 被覆部(導電被覆部)
3 信号線
Claims (6)
- 一対の電線が撚り合わされたツイストペア線において、
前記一対の電線の周囲を被覆する複数の導電被覆部が該一対の電線の長手方向に隙間を空けて設けてあり、前記隙間の寸法が前記導電被覆部の前記長手方向の寸法より小さいことを特徴とするツイストペア線。 - 前記導電被覆部は、導電性を有するテープ材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のツイストペア線。
- 一対の電線が撚り合わされたツイストペア線において、
前記一対の電線の長手方向に隙間が空くように、該一対の電線の周囲を導電性の帯状体で螺旋状に被覆してなる導電被覆部が設けてあり、前記隙間の寸法が前記帯状体の前記長手方向における幅寸法より小さいことを特徴とするツイストペア線。 - 前記隙間の寸法L1、前記一対の電線を伝播するパルス信号の立ち上がり時間Tr、前記一対の電線におけるパルス信号の伝播遅延時間Tcに対し、
L1<Tr/(2×Tc)
なる関係式を満たすことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のツイストペア線。 - 前記導電被覆部の抵抗率が103 (Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のツイストペア線。
- 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のツイストペア線と、
該ツイストペア線に添って共に束ねられている信号線と
を備えることを特徴とするハーネス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013148777A JP2015022846A (ja) | 2013-07-17 | 2013-07-17 | ツイストペア線及びハーネス |
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JP2013148777A JP2015022846A (ja) | 2013-07-17 | 2013-07-17 | ツイストペア線及びハーネス |
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ID=52487140
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020194429A1 (ja) * | 2019-03-25 | 2020-10-01 | 三菱電機株式会社 | 配線異常検出装置 |
CN115219950A (zh) * | 2022-06-08 | 2022-10-21 | 北京航天光华电子技术有限公司 | 一种双绞线电缆绞对检测方法及系统 |
-
2013
- 2013-07-17 JP JP2013148777A patent/JP2015022846A/ja active Pending
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JPWO2020194429A1 (ja) * | 2019-03-25 | 2021-09-13 | 三菱電機株式会社 | 配線異常検出装置 |
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