JP2015018211A - 記録媒体、画像記録装置、画像記録セット - Google Patents
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Abstract
【課題】モノクロ表示だけでなく、モノカラー表示、更には3色以上のカラー表示が可能であり、更に高い画像保持性を備えた記録媒体の提供。【解決手段】第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材及び前記第二の基材の間に設けられた画像記録層とを有し、前記画像記録層は絶縁性を有し、かつ電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、分散媒と、熱可逆性ゲル化剤が封入された複数のセルを有し、前記複数のセルは、各セル毎に色を呈した電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を含み、前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色毎に各セル内に含有される前記分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なる記録媒体。【選択図】図2
Description
本発明は、外部駆動の画像記録装置により書込みを行う記録媒体、画像記録装置、及び画像記録セットに関する。
近年、紙の印刷物に近い視認性や可搬性を有し、バックライトが不要で消費電力が低く、かつ薄くて軽量な電子ペーパーが実用化され注目を集めている。電子ペーパーは、駆動素子を内在し単体で画像表示が可能な内部駆動型のペーパーライクディスプレイ(以下、PLDということもある)と、記録媒体にプリンタ等によって書込みを行う外部駆動型のリライタブルペーパーに分類される。なお、前記リライタブルペーパーは、繰り返し書換えが可能なペーパーやシートなどの記録媒体全般を含むものであり、本発明における書換え可能な記録媒体と同義である。
電子ペーパーには様々な方式が提案されているが、その中でもPLDにおいては、液中で帯電した白色及び/又は着色粒子を電界によって表示媒体の表面側又はその逆方向に泳動させ、光学的反射率を変化させることによって表示を行う電気泳動方式が最も実用的な方式として知られている。例えば、電界によって互いに逆方向に泳動する粒子を含む混合多粒子分散系に、電界を作用させることにより、ある粒子を光学的に隠蔽して分散系の光学的反射特性を変化させる構成を有する表示又は記録装置(特許文献1参照)や、着色した分散媒中に電気泳動粒子を分散させた分散系を封入した多数のマイクロカプセルを一組の対向電極板間に設けた電気泳動表示装置(特許文献2参照)が挙げられる。更に、第1の粒子と、これとは逆極性を有する第2の粒子とを含むマイクロカプセルに電界を印加することにより、どちらか一方の粒子を表面に泳動させるインクも公知である(特許文献3参照)。このように、電気泳動方式、とりわけマイクロカプセル型の電気泳動方式は、電子ペーパーとして既に実用化されており、多くの注目を集めている。
電気泳動方式の電子ペーパーは、一度表示を行うと電力を必要とせずに表示した内容を保持できることが一つのメリットとして捉えられているが、実際には画像を表示した後、電界を印加することなく放置すると経時で画像濃度が変化したり、外部から静電気や圧力等の影響を受けると画質が劣化したりするなど、画像保持性に課題があった。
これらの課題に対しては、例えば、マイクロカプセルの壁をグラフトコポリマーで構成し、分散媒との溶解度パラメータを制御する方法(特許文献4参照)や、懸濁流体中に高粘度化しない重合体を溶解又は分散する方法が開示されている(特許文献5参照)。
これらの技術は、PLDに求められる画像保持性の向上には有効である。しかしリライタブルペーパーに求められる画像保持性に対しては充分ではなかった。その理由はPLDとリライタブルペーパーの構造及び使用目的の違いにある。
これらの課題に対しては、例えば、マイクロカプセルの壁をグラフトコポリマーで構成し、分散媒との溶解度パラメータを制御する方法(特許文献4参照)や、懸濁流体中に高粘度化しない重合体を溶解又は分散する方法が開示されている(特許文献5参照)。
これらの技術は、PLDに求められる画像保持性の向上には有効である。しかしリライタブルペーパーに求められる画像保持性に対しては充分ではなかった。その理由はPLDとリライタブルペーパーの構造及び使用目的の違いにある。
PLDの場合は、電気泳動粒子が移動する領域である表示層の上下に電極として導電層を有する基板が設けられ、筐体に覆われた構造を有しているため外部からの影響を受けにくく、また必要に応じて電圧を印加することが可能であり、それによって画像を維持することが可能である。
しかし、リライタブルペーパーの場合は、筐体に覆われていないため外部からの影響を受けやすく、また記録媒体には電圧を印加するための素子や電源を有していないため、外部から画像を長期保持させることは不可能である。保護層などで覆うことによって外部からの影響を軽減させることが可能な場合もあるが、画像保持性を高める効果としては充分ではなく、リライタブルペーパーとして求められるフレキシブル性や低コストのメリットが失われることになる。
また、PLDは、使用上、書換え頻度が高くなるため、画像保持性の要求度はそれほど高くないが、リライタブルペーパーは、紙のように長期間記録を残すニーズが高いため、半永久的な画像保持性を実現する必要がある。
しかし、リライタブルペーパーの場合は、筐体に覆われていないため外部からの影響を受けやすく、また記録媒体には電圧を印加するための素子や電源を有していないため、外部から画像を長期保持させることは不可能である。保護層などで覆うことによって外部からの影響を軽減させることが可能な場合もあるが、画像保持性を高める効果としては充分ではなく、リライタブルペーパーとして求められるフレキシブル性や低コストのメリットが失われることになる。
また、PLDは、使用上、書換え頻度が高くなるため、画像保持性の要求度はそれほど高くないが、リライタブルペーパーは、紙のように長期間記録を残すニーズが高いため、半永久的な画像保持性を実現する必要がある。
画像保持性を顕著に高める技術としては、電気泳動粒子が分散された分散媒の粘度を温度によって制御し、加熱によって低粘度化して記録を行い、記録後冷却することによって着色粒子を固定化する方法が数多く提案されている。
例えば、常温で固体であり、加熱又は溶剤等で軟化する樹脂、ゴム、ロウ類、又は合成ワックス類を用いる方法(特許文献1参照)、電気泳動粒子、分散媒、染料及び分散剤を含む分散液で、分散媒が常温では液体と固体の2つの相が共存し、電気泳動時に固体の相を溶解させて均一な液体の相にする方法(特許文献6参照)、非加熱時は固体であり加熱によって液体となる熱溶融性物質、具体的にはワックス類、飽和脂肪酸、高級アルコール類と電気泳動性微粒子をマイクロカプセルに封入する方法(特許文献7参照)、電気泳動動作温度では流動性を有し、泳動動作温度よりも低い温度では光学的に不透明な固体となる混合物、具体的には、長鎖アルコール類、フェノール類、芳香族ケトン類、デカン類、及びドデカン類より選択される物質と、パラフィン、ロウ類、ワックス類、及び飽和炭化水素より選択される物質との混合物を用いる方法(特許文献8参照)、常温では固体状態になり、加熱によって液体状態になる分散媒として、高級パラフィン炭化水素類、ロウ類、ワックス類、又は芳香族炭化水素類を用いる方法(特許文献9参照)、分散媒がライスワックスを主成分とし、界面活性剤を含有する方法(特許文献10参照)などが挙げられる。
例えば、常温で固体であり、加熱又は溶剤等で軟化する樹脂、ゴム、ロウ類、又は合成ワックス類を用いる方法(特許文献1参照)、電気泳動粒子、分散媒、染料及び分散剤を含む分散液で、分散媒が常温では液体と固体の2つの相が共存し、電気泳動時に固体の相を溶解させて均一な液体の相にする方法(特許文献6参照)、非加熱時は固体であり加熱によって液体となる熱溶融性物質、具体的にはワックス類、飽和脂肪酸、高級アルコール類と電気泳動性微粒子をマイクロカプセルに封入する方法(特許文献7参照)、電気泳動動作温度では流動性を有し、泳動動作温度よりも低い温度では光学的に不透明な固体となる混合物、具体的には、長鎖アルコール類、フェノール類、芳香族ケトン類、デカン類、及びドデカン類より選択される物質と、パラフィン、ロウ類、ワックス類、及び飽和炭化水素より選択される物質との混合物を用いる方法(特許文献8参照)、常温では固体状態になり、加熱によって液体状態になる分散媒として、高級パラフィン炭化水素類、ロウ類、ワックス類、又は芳香族炭化水素類を用いる方法(特許文献9参照)、分散媒がライスワックスを主成分とし、界面活性剤を含有する方法(特許文献10参照)などが挙げられる。
このように常温で固体状態、加熱時に液体状態となる分散媒は、記録後に冷却されることにより電気泳動粒子が固定化されるため画像保持性の向上に非常に有効である。
しかし、これらの技術は、ワックス類やロウ類、飽和脂肪酸などを添加した分散媒であるため、固体状態と液体状態の転移における温度応答性が低く、書換え速度が低下したり、加熱しても分散媒粘度が充分に低下せず、コントラストが低下したり、繰り返し書換えを行った場合に画質低下が見られるなど、満足する特性が得られないという問題がある。更に分散媒として溶媒を用いた場合に比べて電気泳動粒子の分散性が低下し、電気泳動性が悪化したり、粒子同士が凝集を引き起こして画質が劣化するなど、多くの問題がある。
しかし、これらの技術は、ワックス類やロウ類、飽和脂肪酸などを添加した分散媒であるため、固体状態と液体状態の転移における温度応答性が低く、書換え速度が低下したり、加熱しても分散媒粘度が充分に低下せず、コントラストが低下したり、繰り返し書換えを行った場合に画質低下が見られるなど、満足する特性が得られないという問題がある。更に分散媒として溶媒を用いた場合に比べて電気泳動粒子の分散性が低下し、電気泳動性が悪化したり、粒子同士が凝集を引き起こして画質が劣化するなど、多くの問題がある。
また、PLDにおいてゲル化する分散媒を用いる方法が提案されている。例えば、温度により可逆的にゲル化及びゾル化(液化)する分散媒と電気泳動粒子からなり、分散媒を局部的にゾル化することにより局部的に電気泳動粒子を泳動させる熱書込み方式が提案されている(特許文献11参照)。
しかし、この技術では、ゲル化及び液化する分散媒として、具体的には溶媒が貧溶媒となる高分子物質を用いているが、溶媒の温度が高い時には高分子物質を溶解し、温度が低い時には高分子物質が不溶となってゲル化するものであり、高分子物質自身が熱可逆性を有するものではない。したがって、ゲル化と液化との間の温度応答性は低く、また液化が局部的であるため、表示速度や画像品質についても満足されるものではなかった。
しかし、この技術では、ゲル化及び液化する分散媒として、具体的には溶媒が貧溶媒となる高分子物質を用いているが、溶媒の温度が高い時には高分子物質を溶解し、温度が低い時には高分子物質が不溶となってゲル化するものであり、高分子物質自身が熱可逆性を有するものではない。したがって、ゲル化と液化との間の温度応答性は低く、また液化が局部的であるため、表示速度や画像品質についても満足されるものではなかった。
また、分散媒、白色粒子、着色粒子及びゲル化剤からなる電気泳動表示用表示ゲルが提案されている(特許文献12参照)。
しかし、この技術では、分散媒中にゲル化剤が含有されてはいるものの、熱可逆性についての記載はなく、ゲル化されることによって分散媒は連続及び/又は非連続の微小領域にほぼ均等に分割されてゲル状態になり、粒子はゲル状態にある分散媒中で電界の作用により電気泳動することが記載されている。そのため、書換え速度やコントラストの問題は解決されず、課題の解決には至っていない。
しかし、この技術では、分散媒中にゲル化剤が含有されてはいるものの、熱可逆性についての記載はなく、ゲル化されることによって分散媒は連続及び/又は非連続の微小領域にほぼ均等に分割されてゲル状態になり、粒子はゲル状態にある分散媒中で電界の作用により電気泳動することが記載されている。そのため、書換え速度やコントラストの問題は解決されず、課題の解決には至っていない。
一方、PLDにおいて、液体システム、熱可逆性ゲル化剤及び着色粒子のセットを包含する電気泳動ディスプレイ用の表示媒体が提案されている(特許文献13参照)。
この技術では、熱可逆性ゲル化剤を含ませることにより、ゲル化剤の融点近傍又はそれより高い温度において非ゲル化状態になり、粘性が低下するためディスプレイデバイス内にイメージを形成することができる。そして、イメージ形成後にディスプレイデバイスを冷却するとゲル化状態になるため、電界を印加しない状態でもイメージが安定に維持される。熱可逆性ゲル化剤を用いる方法は、ゲル化剤自体がゲル化を引き起こすため、従来のワックス類やロウ類を添加したり、溶媒に対する高分子物質の溶解性でゲル化を制御する方法よりは温度応答性が高く、また安定であり、画像保持性を高めるためには非常に優れた方法である。しかし、熱可逆性ゲル化剤もまた温度で制御している以上、画像を頻繁に書換える用途に対しては書換え速度低下の影響が大きくなる。
この技術では、熱可逆性ゲル化剤を含ませることにより、ゲル化剤の融点近傍又はそれより高い温度において非ゲル化状態になり、粘性が低下するためディスプレイデバイス内にイメージを形成することができる。そして、イメージ形成後にディスプレイデバイスを冷却するとゲル化状態になるため、電界を印加しない状態でもイメージが安定に維持される。熱可逆性ゲル化剤を用いる方法は、ゲル化剤自体がゲル化を引き起こすため、従来のワックス類やロウ類を添加したり、溶媒に対する高分子物質の溶解性でゲル化を制御する方法よりは温度応答性が高く、また安定であり、画像保持性を高めるためには非常に優れた方法である。しかし、熱可逆性ゲル化剤もまた温度で制御している以上、画像を頻繁に書換える用途に対しては書換え速度低下の影響が大きくなる。
上記のとおり、熱可逆性ゲル化剤を用いたこの技術は、ディスプレイデバイス、即ち、PLDを前提としているため、熱可逆性ゲル化剤を用いて半永久的に画像を残すメリットよりも、表示速度が低下するデメリットの方が大きくなる。またデバイス内に加熱装置や冷却装置を設ける必要が生じるため、PLDの厚みや重量が増加することになり、このことも大きなデメリットとして挙げられる。
したがって、熱可逆性ゲル化剤を用いた効果が充分に活かされておらず、PLDに適用できていないのが実情である。
従来のディスプレイとしての使い方が主となるPLDは、今多くの開発がなされ進化が著しいが、従来の紙としての使い方が主となるリライタブルペーパーは、PLDに比べて進化がやや遅れている。しかし、紙にはディスプレイとは異なるニーズがあり、紙と同じ取り扱いが可能なリライタブルペーパーの普及も期待されている。
したがって、熱可逆性ゲル化剤を用いた効果が充分に活かされておらず、PLDに適用できていないのが実情である。
従来のディスプレイとしての使い方が主となるPLDは、今多くの開発がなされ進化が著しいが、従来の紙としての使い方が主となるリライタブルペーパーは、PLDに比べて進化がやや遅れている。しかし、紙にはディスプレイとは異なるニーズがあり、紙と同じ取り扱いが可能なリライタブルペーパーの普及も期待されている。
リライタブルペーパーにおいて、カラー化は非常に重要な課題である。リライタブルペーパーが様々な用途で利用されることを想定すると、モノクロ表示よりもカラー表示の実現が不可欠になると考えられる。
カラー表示に関する技術としては、表示記録媒体としてカラーフィルターを用いたものがあるが(特許文献14)、反射型表示方式ではバックライトがないためフィルターを通すことで色再現性が悪化することが課題となっている。また、リライタブルシートとして、ワックス等を用いた粘度変化の異なる媒体を用いた技術があるが(特許文献15)、ワックス等は結晶性を有するため、内包された帯電粒子が均一に分散した状態を維持することが難しく、カラー化においても色再現性の点で問題がある。更には粘度変化を起こすために150℃近くの高温にしなくてはならず、ワックスの温度応答性も低いため色の異なる粒子が混合しやすく、このことも色再現性を低下させる大きな原因になると考えられる。更に、ロイコ染料を用いたリライタブルペーパーのカラー化に関する技術が開示されているが(特許文献16)、ロイコ染料は耐光性において課題があり、特に屋外での使用により退色あるいは変色を引き起こす問題があった。
カラー表示に関する技術としては、表示記録媒体としてカラーフィルターを用いたものがあるが(特許文献14)、反射型表示方式ではバックライトがないためフィルターを通すことで色再現性が悪化することが課題となっている。また、リライタブルシートとして、ワックス等を用いた粘度変化の異なる媒体を用いた技術があるが(特許文献15)、ワックス等は結晶性を有するため、内包された帯電粒子が均一に分散した状態を維持することが難しく、カラー化においても色再現性の点で問題がある。更には粘度変化を起こすために150℃近くの高温にしなくてはならず、ワックスの温度応答性も低いため色の異なる粒子が混合しやすく、このことも色再現性を低下させる大きな原因になると考えられる。更に、ロイコ染料を用いたリライタブルペーパーのカラー化に関する技術が開示されているが(特許文献16)、ロイコ染料は耐光性において課題があり、特に屋外での使用により退色あるいは変色を引き起こす問題があった。
以上の状況から、外部駆動型の書換え可能な記録媒体において、カラー表示が可能で、かつ、一度記録したカラー画像を長期間安定に保持できる高い画像保持性を備えた記録媒体、該記録媒体とそれに画像を繰り返し記録可能な画像記録装置との画像記録セットの提供が求められているのが現状である。
本発明は、モノクロ表示だけでなく、モノカラー表示、更には3色以上のカラー表示が可能であり、更に高い画像保持性を備えた記録媒体の提供を目的とする。なお、本発明でいう記録媒体は、画像の記録と消去を繰り返し行える書き換え可能な記録媒体であることが好ましいが、本発明と同様の構成を有する記録媒体であって、他の追加構成等により書き換え可能な機能を制限している記録媒体等も含むものとする。
上記課題は次の<1>の発明によって解決される。
<1> 第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材及び前記第二の基材の間に設けられた画像記録層とを有し、
前記画像記録層は絶縁性を有し、かつ電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、分散媒と、熱可逆性ゲル化剤が封入された複数のセルを有し、
前記複数のセルは、各セル毎に色を呈した電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を含み、前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色毎に各セル内に含有される前記分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なることを特徴とする記録媒体。
<1> 第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材及び前記第二の基材の間に設けられた画像記録層とを有し、
前記画像記録層は絶縁性を有し、かつ電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、分散媒と、熱可逆性ゲル化剤が封入された複数のセルを有し、
前記複数のセルは、各セル毎に色を呈した電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を含み、前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色毎に各セル内に含有される前記分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なることを特徴とする記録媒体。
本発明によると、モノカラー表示あるいは3色以上のカラー表示が可能であり、更に画像保持性に優れた記録媒体を提供できる。
以下、上記本発明<1>について詳しく説明する。なお、本発明<1>の実施の形態には、次の<2>〜<15>も含まれるので、これらについても併せて説明する。
<2> 前記分散媒が、各セル内に含有される電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色とは異なる色の着色剤を含有していることを特徴とする<1>に記載の記録媒体。
<3> 第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材及び前記第二の基材の間に設けられた画像記録層とを有し、前記画像記録層は絶縁性を有し、かつ電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、分散媒と、着色剤と、熱可逆性ゲル化剤が封入された複数のセルを有し、前記複数のセルは、各セル毎に着色剤により色を呈した分散媒を含み、前記分散媒の色毎に各セル内に含有される前記分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なることを特徴とする記録媒体。
<4> 前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子、あるいは前記分散媒の色毎に、各セル内に含有される熱可逆性ゲル化剤及び/又は分散媒の種類が異なることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の記録媒体。
<5> 前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子、あるいは前記分散媒の色毎に異なる分散媒のゾル化転移温度の差が、温度が低い方から順にT1(℃)、T2(℃)…とすると、Tn+1−Tn≧5(℃)(nは正の整数)であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の記録媒体。
<6> 前記第一の基材又は前記第二の基材が、導電性の基材であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の記録媒体。
<7> 更に、前記第一の基材と前記画像記録層の間又は前記第二の基材と前記画像記録層の間に導電層を有し、前記記録媒体の外部に電極を有し、前記導電層と前記電極が導通していることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の記録媒体。
<8> 更に、前記第一の基材と前記画像記録層の間に第一の導電層を有し、前記第二の基材が導電性の基材であり、前記記録媒体の外部に第一の電極を有し、前記第一の導電層と前記第一の電極が導通していることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の記録媒体。
<9> 更に、前記第一の基材と前記画像記録層の間に第一の導電層を有し、前記第二の基材と前記画像記録層の間に第二の導電層を有し、前記記録媒体の外部に第一の電極及び第二の電極を有し、前記第一の導電層と前記第一の電極が導通し、前記第二の導電層と前記第二の電極が導通していることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の記録媒体。
<10> <1>〜<9>のいずれかに記載の記録媒体に、画像の記録を行う画像記録装置であって、
少なくとも前記画像記録層を加熱する加熱手段と、前記画像記録層に電界及び/又は磁界を生じさせる電界及び/又は磁界印加手段とを備えたことを特徴とする画像記録装置。
<11> 前記加熱手段がサーマルヘッドであることを特徴とする<10>に記載の画像記録装置。
<12> 前記電界印加手段が、<6>〜<9>のいずれかに記載の記録媒体に形成された導電性の基材及び/又は電極と電気的に接続することにより、前記画像記録層に電界を生じさせることを特徴とする<10>又は<11>に記載の画像記録装置。
<13> <1>〜<9>のいずれかに記載の記録媒体と、前記記録媒体を加熱する加熱手段並びに前記記録媒体に電界及び/又は磁界を印加する電界及び/又は磁界印加手段を備えた画像記録装置と、を有することを特徴とする画像記録セット。
<14> 前記画像記録装置が、更に、前記記録媒体に加熱並びに電界及び/又は磁界を印加して、前記記録媒体に記録された画像を消去する画像消去手段を有することを特徴とする<13>に記載の画像記録セット。
<15> 前記画像記録セットが、更にフレキシブルなシート状のスクリーン部と、該スクリーン部の巻き取り及び巻き解きを行う駆動部とを有し、前記スクリーン部に<1>〜<9>のいずれかに記載の記録媒体が設けられていることを特徴とする<13>又は<14>に記載の画像記録セット。
<2> 前記分散媒が、各セル内に含有される電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色とは異なる色の着色剤を含有していることを特徴とする<1>に記載の記録媒体。
<3> 第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材及び前記第二の基材の間に設けられた画像記録層とを有し、前記画像記録層は絶縁性を有し、かつ電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、分散媒と、着色剤と、熱可逆性ゲル化剤が封入された複数のセルを有し、前記複数のセルは、各セル毎に着色剤により色を呈した分散媒を含み、前記分散媒の色毎に各セル内に含有される前記分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なることを特徴とする記録媒体。
<4> 前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子、あるいは前記分散媒の色毎に、各セル内に含有される熱可逆性ゲル化剤及び/又は分散媒の種類が異なることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の記録媒体。
<5> 前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子、あるいは前記分散媒の色毎に異なる分散媒のゾル化転移温度の差が、温度が低い方から順にT1(℃)、T2(℃)…とすると、Tn+1−Tn≧5(℃)(nは正の整数)であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の記録媒体。
<6> 前記第一の基材又は前記第二の基材が、導電性の基材であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の記録媒体。
<7> 更に、前記第一の基材と前記画像記録層の間又は前記第二の基材と前記画像記録層の間に導電層を有し、前記記録媒体の外部に電極を有し、前記導電層と前記電極が導通していることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の記録媒体。
<8> 更に、前記第一の基材と前記画像記録層の間に第一の導電層を有し、前記第二の基材が導電性の基材であり、前記記録媒体の外部に第一の電極を有し、前記第一の導電層と前記第一の電極が導通していることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の記録媒体。
<9> 更に、前記第一の基材と前記画像記録層の間に第一の導電層を有し、前記第二の基材と前記画像記録層の間に第二の導電層を有し、前記記録媒体の外部に第一の電極及び第二の電極を有し、前記第一の導電層と前記第一の電極が導通し、前記第二の導電層と前記第二の電極が導通していることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の記録媒体。
<10> <1>〜<9>のいずれかに記載の記録媒体に、画像の記録を行う画像記録装置であって、
少なくとも前記画像記録層を加熱する加熱手段と、前記画像記録層に電界及び/又は磁界を生じさせる電界及び/又は磁界印加手段とを備えたことを特徴とする画像記録装置。
<11> 前記加熱手段がサーマルヘッドであることを特徴とする<10>に記載の画像記録装置。
<12> 前記電界印加手段が、<6>〜<9>のいずれかに記載の記録媒体に形成された導電性の基材及び/又は電極と電気的に接続することにより、前記画像記録層に電界を生じさせることを特徴とする<10>又は<11>に記載の画像記録装置。
<13> <1>〜<9>のいずれかに記載の記録媒体と、前記記録媒体を加熱する加熱手段並びに前記記録媒体に電界及び/又は磁界を印加する電界及び/又は磁界印加手段を備えた画像記録装置と、を有することを特徴とする画像記録セット。
<14> 前記画像記録装置が、更に、前記記録媒体に加熱並びに電界及び/又は磁界を印加して、前記記録媒体に記録された画像を消去する画像消去手段を有することを特徴とする<13>に記載の画像記録セット。
<15> 前記画像記録セットが、更にフレキシブルなシート状のスクリーン部と、該スクリーン部の巻き取り及び巻き解きを行う駆動部とを有し、前記スクリーン部に<1>〜<9>のいずれかに記載の記録媒体が設けられていることを特徴とする<13>又は<14>に記載の画像記録セット。
<記録媒体>
本発明の記録媒体は、第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材及び第二の基材の間に設けられた画像記録層とを有し、必要に応じてその他の部材を有する。この記録媒体は、駆動素子を内在し単体で画像表示が可能な内部駆動型のペーパーライクディスプレイ(PLD)とは異なり、外部の画像記録装置により画像の記録及び消去を繰り返し行うことができる外部駆動型の記録媒体であって、前記リライタブルペーパーと同義である。即ち、記録媒体に内在しない外部の画像記録装置により画像の記録及び消去が行われる。そのため、PLDの場合に画像表示させるために必要となる駆動素子や電源等を必ずしも必要としない。
本発明の記録媒体は、第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材及び第二の基材の間に設けられた画像記録層とを有し、必要に応じてその他の部材を有する。この記録媒体は、駆動素子を内在し単体で画像表示が可能な内部駆動型のペーパーライクディスプレイ(PLD)とは異なり、外部の画像記録装置により画像の記録及び消去を繰り返し行うことができる外部駆動型の記録媒体であって、前記リライタブルペーパーと同義である。即ち、記録媒体に内在しない外部の画像記録装置により画像の記録及び消去が行われる。そのため、PLDの場合に画像表示させるために必要となる駆動素子や電源等を必ずしも必要としない。
前記画像記録層は、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、分散媒と、熱可逆性ゲル化剤を封入したセルを有する。電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子は、外部から電界及び/又は磁界を印加した場合に、分散媒中を泳動する粒子である。
分散媒は、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を分散させる分散媒である。
熱可逆性ゲル化剤は、ある温度を超えると分散媒をゾル化(液化)させ、ある温度以下になると分散媒をゲル化(固化)させ、かつこれらのゾル/ゲル転移を温度によって可逆的に生じさせることが可能な材料である。
分散媒は、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を分散させる分散媒である。
熱可逆性ゲル化剤は、ある温度を超えると分散媒をゾル化(液化)させ、ある温度以下になると分散媒をゲル化(固化)させ、かつこれらのゾル/ゲル転移を温度によって可逆的に生じさせることが可能な材料である。
本発明の記録媒体は、画像記録層中に、常温での画像の閲覧時及び保存時には分散媒をゲル状にし、かつ常温よりも高い温度での画像の記録(書込み)時には分散媒を液状にする熱可逆性ゲル化剤を含有する。これにより、画像の閲覧時及び保存時には分散媒をゲル状にすることができるため、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の画像記録層中での移動が抑制され、長期間に及ぶ保存経時の画質変化を抑制でき、また外部から静電気や圧力などの影響を受けた場合でも、高い画像保持性を得ることができる。また、記録(書込み)時には加熱することによって分散媒が液状になるため、画像記録装置による記録の際に、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の画像記録層中での移動が自由にできるようになり、繰り返し画像の記録が可能となる。
なお、ディスプレイデバイスとして早い書込み速度が求められるPLDにおいては、熱可逆性ゲル化剤を用いた場合の表示速度は充分なものではなかったが、紙のような用途が求められる書換え可能な記録媒体においては、熱可逆性ゲル化剤を用いた場合の記録(書込み)速度でも充分に適用が可能である。
なお、ディスプレイデバイスとして早い書込み速度が求められるPLDにおいては、熱可逆性ゲル化剤を用いた場合の表示速度は充分なものではなかったが、紙のような用途が求められる書換え可能な記録媒体においては、熱可逆性ゲル化剤を用いた場合の記録(書込み)速度でも充分に適用が可能である。
熱可逆性ゲル化剤を含有する画像記録層を、従来技術のように、駆動素子を内在し単体で画像表示が可能な内部駆動型のPLDとして用いる場合には、ディスプレイ内に電界を印加する表示駆動装置の他、加熱装置又は冷却装置を収めなければならないため、ディスプレイが大型化、重量化する上、書換えする度に温度を上げ下げする必要があり、表示速度が低下する問題や表示コントラスト比が充分に得られなくなる問題がある。
しかし、本発明の記録媒体は、PLDではなく、外部の画像記録装置により画像の記録を行うものであるため、記録媒体自身に加熱及び冷却させる装置を持たせる必要がなく、それらの装置を記録媒体とは別の画像記録装置内に設けることが可能であり、PLDの場合に起こる記録媒体の大型化、及び重量化の問題、表示速度が低下する問題、表示コントラスト比が充分に得られなくなる問題などは解消される。即ち、記録媒体は紙と同じ状態にすることができる。
そのため、本発明の記録媒体は、PLDではデメリットであった熱可逆性ゲル化剤を用いることによる表示速度の低下が問題にならないだけでなく、熱可逆性ゲル化剤を用いることによって、半永久的な画像保持性の実現という大きなメリットを得ることができる。
しかし、本発明の記録媒体は、PLDではなく、外部の画像記録装置により画像の記録を行うものであるため、記録媒体自身に加熱及び冷却させる装置を持たせる必要がなく、それらの装置を記録媒体とは別の画像記録装置内に設けることが可能であり、PLDの場合に起こる記録媒体の大型化、及び重量化の問題、表示速度が低下する問題、表示コントラスト比が充分に得られなくなる問題などは解消される。即ち、記録媒体は紙と同じ状態にすることができる。
そのため、本発明の記録媒体は、PLDではデメリットであった熱可逆性ゲル化剤を用いることによる表示速度の低下が問題にならないだけでなく、熱可逆性ゲル化剤を用いることによって、半永久的な画像保持性の実現という大きなメリットを得ることができる。
本発明の記録媒体は、画像記録層に複数のセルを有する。これらのセルは、通常、所定の間隔で配置される。そして、これらのセルに電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と分散媒と熱可逆性ゲル化剤を封入した構成とすることにより、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の偏りが大幅に低減し、画像記録層のギャップが維持される。その結果、画像保持性及び画像の繰り返し安定性を高めることができる。また、セルがない場合には、記録媒体を 折り曲げるとゲルに亀裂が入り、画質劣化が見られる場合があるが、セルを設けることにより、これらの問題を解消できる場合がある。
前記セルの形状は特に限定されないが、セル壁の内角が狭いと電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子が角に溜まる可能性があるため、セル内の内角を90°以上とすることが有効であり、六角形のハニカム形状が最も好ましい。ハニカム形状の場合は、記録媒体の強度を高める効果も得られる。
上記セルを用いた本発明の記録媒体は、例えば第一の基材上にセルを形成し、その上に第二の基材や保護層を設けることによって簡単に作製することができる。このような簡便な方法で記録媒体を作製できるため、生産性が向上し、低コスト化に有効である。
前記セルとしては、一つの形態としてマイクロカプセルを用いてもよく、非常に有効である。
前記セルの形状は特に限定されないが、セル壁の内角が狭いと電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子が角に溜まる可能性があるため、セル内の内角を90°以上とすることが有効であり、六角形のハニカム形状が最も好ましい。ハニカム形状の場合は、記録媒体の強度を高める効果も得られる。
上記セルを用いた本発明の記録媒体は、例えば第一の基材上にセルを形成し、その上に第二の基材や保護層を設けることによって簡単に作製することができる。このような簡便な方法で記録媒体を作製できるため、生産性が向上し、低コスト化に有効である。
前記セルとしては、一つの形態としてマイクロカプセルを用いてもよく、非常に有効である。
前記セルとしてマイクロカプセルを用いる場合、熱可逆性ゲル化剤を、前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子や分散媒とともに、マイクロカプセル内に封入することにより、前記マイクロカプセル内の分散媒を、温度によって可逆的にゾルゲル転移させることができる。その結果、室温よりも高温にすると直ちにマイクロカプセル内の分散媒は液状となるので、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を電界及び/又は磁界によって泳動させることが可能となる。更に、その後に冷却するとマイクロカプセル内の分散媒はゲル状となって、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子は電界及び/又は磁界を印加しても泳動しなくなる。これにより、半永久的な画像保持性を実現することができる。
前記マイクロカプセルは、分散媒の蒸発が殆どなく、画像の繰り返し安定性を高める上で非常に有効である。また、基材上にマイクロカプセル層を塗布して形成することが可能であるため、ロール トゥ ロール等の簡便な方法を用いて低コストで生産できるメリットを有している。そのため、前記セルの中でも、マイクロカプセルを用いることがより好ましい。
前記マイクロカプセルは、分散媒の蒸発が殆どなく、画像の繰り返し安定性を高める上で非常に有効である。また、基材上にマイクロカプセル層を塗布して形成することが可能であるため、ロール トゥ ロール等の簡便な方法を用いて低コストで生産できるメリットを有している。そのため、前記セルの中でも、マイクロカプセルを用いることがより好ましい。
<基材>
基材の材質としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成樹脂、天然樹脂等のプラスチック、紙、耐水紙、合成紙、薄型ガラス、金属板、木板などが挙げられるが、フレキシブル性及び透明性が得られる点から合成樹脂が好ましい。
基材の材質としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成樹脂、天然樹脂等のプラスチック、紙、耐水紙、合成紙、薄型ガラス、金属板、木板などが挙げられるが、フレキシブル性及び透明性が得られる点から合成樹脂が好ましい。
前記合成樹脂としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリプロピレン、ポリブタジエン、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、メタクリル酸−スチレン共重合体、ポリブチレン樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂など)、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂;ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリフッ化エチレンプロピレン樹脂、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂;シリコーン樹脂、シリコーンゴム等のシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
基材は、本発明の記録媒体の耐傷性及び耐摩耗性などを高めるため、光、熱、電子線などにより硬化する樹脂であってもよい。そのような樹脂としては、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。中でも、アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂等が好ましく用いられる。
本発明に用いられる基材としては、上記の合成樹脂から成形されたフィルムを用いることも可能であり有効である。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレンコポリマーフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエステル等のポリエステル系フィルム、ナイロン6、MXD6、アラミド等のポリアミド系フィルム、その他、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルブチラールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、エチレン−メタクリル酸共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、アクリルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素樹脂フィルム等が挙げられる。
本発明に用いられる基材としては、上記の合成樹脂から成形されたフィルムを用いることも可能であり有効である。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレンコポリマーフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエステル等のポリエステル系フィルム、ナイロン6、MXD6、アラミド等のポリアミド系フィルム、その他、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルブチラールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、エチレン−メタクリル酸共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、アクリルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素樹脂フィルム等が挙げられる。
また、これらの樹脂フィルムは、加熱をしながら一定方向に引き揃えると分子が変形方向に並び強度が増す性質を利用して、一軸方向又は二軸方向に延伸させたフィルムも有効に使用することができる。また、これらの樹脂フィルムの片面又は両面に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、酸アルカリ処理等の表面処理を施したものも有効に使用することができる。更に、これらの樹脂フィルムの片面又は両面にコーティング剤を塗布したり、蒸着したり、イオンメッキする等、各種コーティングすることも可能であり、有効である。これらの方法を用いて、反射防止効果や指紋付着防止効果を持たせたり、耐摩耗性や耐傷性を高めたり、帯電防止性を付与したりすることが可能であり、本発明において非常に有効な方法である。
本発明では、前記樹脂フィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ナイロン(ポリアミド)フィルム、トリアセチルセルロースフィルム等が好ましく用いられる。
本発明では、前記樹脂フィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ナイロン(ポリアミド)フィルム、トリアセチルセルロースフィルム等が好ましく用いられる。
また、基材自体に導電性を付与することも可能であり有効である。導電性基材を用いると、基材による電圧降下が抑制でき、画像記録層の電界強度を高めることができるため、より低い駆動電圧で高コントラストな画像を得ることが可能になる。なお、導電性とは、電気を通す性質のことを言い、導電率や抵抗率(導電率の逆数)で表される。抵抗率計等を用いて測定すれば表面抵抗率又は体積抵抗率を求めることができる。市販の抵抗率の測定機としては、三菱化学アナリテック社製のハイレスタ又はロレスタ等が挙げられる。
導電性基材としては、基材表面を導電性にしたものと、基材自体が導電性のものに大別される。基材表面を導電性にしたものは、絶縁性を有する前述のプラスチックフィルムやガラス等の基材の表面に、導電性膜を設けることにより得ることができる。導電性膜としては、ITO(インジウムスズ酸化物)、酸化亜鉛、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、錫、ニッケル等の金属あるいは金属箔、金属メッキ、金属蒸着物、銀ナノワイヤー、グラフェン、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等が挙げられ、これらを基材上に製膜すればよい。導電性膜の表面抵抗率は、107Ω・cm以下が好ましく、103Ω・cm以下がより好ましく、101Ω・cm以下が更に好ましい。記録媒体の視認する側に用いる基材としては、透明であることが望ましく、透明な基材の表面に透明な導電性膜を設けたものが好ましく用いられる。
導電性基材としては、基材表面を導電性にしたものと、基材自体が導電性のものに大別される。基材表面を導電性にしたものは、絶縁性を有する前述のプラスチックフィルムやガラス等の基材の表面に、導電性膜を設けることにより得ることができる。導電性膜としては、ITO(インジウムスズ酸化物)、酸化亜鉛、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、錫、ニッケル等の金属あるいは金属箔、金属メッキ、金属蒸着物、銀ナノワイヤー、グラフェン、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等が挙げられ、これらを基材上に製膜すればよい。導電性膜の表面抵抗率は、107Ω・cm以下が好ましく、103Ω・cm以下がより好ましく、101Ω・cm以下が更に好ましい。記録媒体の視認する側に用いる基材としては、透明であることが望ましく、透明な基材の表面に透明な導電性膜を設けたものが好ましく用いられる。
また、基材自体が導電性のものも好ましく用いられる。基材自体が導電性であれば電極を別途設ける必要がないため、有効な場合がある。但し、基材が導電性のものは、透明でない場合が多いため、この場合は記録媒体の視認する側とは反対側の基材として用いることが好ましい。導電性の基材としては、基材自体が導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、錫、ニッケル、鉄等の金属プレートや金属シート、金属箔類、カーボンやグラファイトにより構成されたカーボンシートやカーボン紙、電磁波シールド用フィルムやシート、導電紙、導電布、導電ガラス、導電プレート等が挙げられる。導電性基材を設ける場合は、別途電極を設ける必要はないが、表面抵抗率だけでなく、体積抵抗率が低いことが要求される。導電性基材の体積抵抗率は、107Ω・cm以下が好ましく、103Ω・cm以下がより好ましく、101Ω・cm以下が更に好ましい。
更に、基材自体が導電性のものとして、第一の基材及び第二の基材の少なくとも一方に導電性フィラーを含有させることも可能であり、有効である。フィラーとは、充填剤又は詰め物の意味を持ち、基材の中に固体状で含まれていれば全てフィラーと見なすことができる。導電性フィラーの一例としては、銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル、鉄、鋼、白金、亜鉛等の金属微粒子、金属フレーク、金属ファイバー、金属繊維樹脂、金属被覆繊維、金属被覆粒子等、またシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物にアンチモンやスズ、アルミニウム等をドープした導電性金属酸化物、黒鉛、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト等の炭素粉末、炭素繊維、炭素フレーク状の炭素化合物、等が挙げられる。
これらの導電性基材は、基材表面を導電性にしたもの、基材自体が導電性のものを問わず、画像記録層に電気的に接続して形成されていることが好ましく、同時にそれらは記録媒体の外部と導通するように形成される。これによって、画像記録装置から画像記録層に直接電界を印加することが可能になる。基材表面に導電層を有する導電性基材の場合は、記録媒体の外部に電極を設け、導電層と導通させる方法を用いることができる。
また、記録媒体に用いられる導電性基材は、第一の基材と第二の基材のいずれか一方に形成しても両方に形成しても良い。これによって、より低い駆動電圧で高コントラストな画像を得ることが可能になる。この時、記録媒体全面を加熱し、全てのマイクロカプセル又はセル内の分散媒を液状にし、記録する領域に電界を印加して、この領域の粒子を泳動させ、画像を記録する方式を用いる場合は、電界を印加して画像記録を行う方に位置する基材に導電性基材を用いると、画像が記録されなかったり、画像流れを引き起こしたりする場合がある。そのため、電界を印加する側とは反対側の基材にのみ導電性基材を用いることが好ましい。一方、記録媒体全面に電界を印加しながら、記録する領域を加熱して、この領域の粒子を泳動させ、画像を記録する方式を用いる場合は、上記のような制約はないため、導電性基材を第一の基材及び第二の基材の両方に形成することが好ましい。
導電性基材を第一の基材及び第二の基材のいずれか一方に形成するよりも、両方に形成した方が、高コントラスト化、駆動電圧の低減、記録媒体の高耐久化に有利であることから、本発明においては後者の構成が特に好ましい。
また、記録媒体に用いられる導電性基材は、第一の基材と第二の基材のいずれか一方に形成しても両方に形成しても良い。これによって、より低い駆動電圧で高コントラストな画像を得ることが可能になる。この時、記録媒体全面を加熱し、全てのマイクロカプセル又はセル内の分散媒を液状にし、記録する領域に電界を印加して、この領域の粒子を泳動させ、画像を記録する方式を用いる場合は、電界を印加して画像記録を行う方に位置する基材に導電性基材を用いると、画像が記録されなかったり、画像流れを引き起こしたりする場合がある。そのため、電界を印加する側とは反対側の基材にのみ導電性基材を用いることが好ましい。一方、記録媒体全面に電界を印加しながら、記録する領域を加熱して、この領域の粒子を泳動させ、画像を記録する方式を用いる場合は、上記のような制約はないため、導電性基材を第一の基材及び第二の基材の両方に形成することが好ましい。
導電性基材を第一の基材及び第二の基材のいずれか一方に形成するよりも、両方に形成した方が、高コントラスト化、駆動電圧の低減、記録媒体の高耐久化に有利であることから、本発明においては後者の構成が特に好ましい。
本発明の記録媒体は、第一の基材と第二の基材との間に画像記録層を有するが、第一の基材と第二の基材の材質は、同じであっても異なっていてもよい。
第一の基材及び第二の基材の形状には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シート状などが挙げられる。
第一の基材と第二の基材は、視認する側が少なくとも透明であることが好ましい。一方、視認する側の反対面は、透明、半透明、不透明のいずれでもよい。視認する側の反対面を不透明(例えば、白色、黒色、モノカラー)とすることにより、高コントラスト比が得られ、視認性を高める効果が得られる場合がある。この場合は、例えば、視認する側に配置される第一の基材に透明な基材を用い、それとは反対側の面に配置される第二の基材に半透明な基材、又は不透明な基材を用いることにより作製することができる。また、不透明な基材として紙などを用いることも可能であり、有効である。
前記基材を不透明にするためには、基材中に酸化チタンやカーボンブラック等のフィラーを含有させる方法が有効である。例えば、酸化チタンを含有させれば白色の基材、カーボンブラックを含有させれば黒色の基材を得ることができる。この他にも従来公知の様々な顔料や微粒子を含有させることも可能である。また基材を白色にする別の方法としては、基材中に多数の扁平ボイドを形成し、扁平ボイドの界面で生じる多重反射によって白色にする方法も有効である。
第一の基材及び第二の基材の形状には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シート状などが挙げられる。
第一の基材と第二の基材は、視認する側が少なくとも透明であることが好ましい。一方、視認する側の反対面は、透明、半透明、不透明のいずれでもよい。視認する側の反対面を不透明(例えば、白色、黒色、モノカラー)とすることにより、高コントラスト比が得られ、視認性を高める効果が得られる場合がある。この場合は、例えば、視認する側に配置される第一の基材に透明な基材を用い、それとは反対側の面に配置される第二の基材に半透明な基材、又は不透明な基材を用いることにより作製することができる。また、不透明な基材として紙などを用いることも可能であり、有効である。
前記基材を不透明にするためには、基材中に酸化チタンやカーボンブラック等のフィラーを含有させる方法が有効である。例えば、酸化チタンを含有させれば白色の基材、カーボンブラックを含有させれば黒色の基材を得ることができる。この他にも従来公知の様々な顔料や微粒子を含有させることも可能である。また基材を白色にする別の方法としては、基材中に多数の扁平ボイドを形成し、扁平ボイドの界面で生じる多重反射によって白色にする方法も有効である。
基材の平均厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜1,000μmが好ましく、20〜500μmがより好ましく、30〜200μmが特に好ましい。また、第一の基材及び前記第二の基材の各々の平均厚みとしては、5〜500μmが好ましく、10〜250μmがより好ましく、15〜100μmが特に好ましい。この場合、前記第一の基材の平均厚みと前記第二の基材の平均厚みは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
基材の平均厚みが10μm未満ではシワ及び折れが発生し、その部分に画像欠陥が発生する場合がある。また、基材の平均厚みが、1,000μmを超えると、フレキシブル性、携帯性(薄膜、軽量)が不充分となる場合や、記録(書込み)時に高い印加電圧、又は印加磁界が必要となる場合がある。
基材の平均厚みが10μm未満ではシワ及び折れが発生し、その部分に画像欠陥が発生する場合がある。また、基材の平均厚みが、1,000μmを超えると、フレキシブル性、携帯性(薄膜、軽量)が不充分となる場合や、記録(書込み)時に高い印加電圧、又は印加磁界が必要となる場合がある。
<画像記録層>
画像記録層は、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と分散媒と熱可逆性ゲル化剤とを少なくとも含有する分散液が封入された複数のセルを有する。セルには更に必要に応じてその他の成分を封入してもよい。
電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と分散媒と熱可逆性ゲル化剤とを少なくとも含有する分散液が封入された複数のセルを作製する方法としては、分散液が所定の間隔で配置された複数のセルに封入された構成であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
画像記録層は、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と分散媒と熱可逆性ゲル化剤とを少なくとも含有する分散液が封入された複数のセルを有する。セルには更に必要に応じてその他の成分を封入してもよい。
電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と分散媒と熱可逆性ゲル化剤とを少なくとも含有する分散液が封入された複数のセルを作製する方法としては、分散液が所定の間隔で配置された複数のセルに封入された構成であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、基材上に熱可塑性樹脂や硬化性樹脂等を塗布し、セルを設けるための型を押しつけ、前記樹脂にマイクロエンボス加工を行って、所定の間隔で配置された複数のセルを形成する方法が挙げられる。また規則的に凹部が形成されたテンプレート上に、その凹部を覆うようにしてセルを形成する材料を塗布し、その後、周囲の空気を減圧させることによって相対的に凹部の気泡を同時膨張させてセルを形成する方法が挙げられる。
このようにして基材上に所定の間隔で配置された複数のセルを設け、そのセルの中に、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、分散媒と、熱可逆性ゲル化剤とを少なくとも含有する分散液を入れ、その上に気泡が入らないように基材を貼り合わせることによって、本発明の記録媒体を作製することができる。
上記の方法は塗布プロセスを用いており、連続的に製造可能であることから、低コスト生産に非常に有利である。またセルの開口部が広いため、高いコントラストを得やすいという特徴を有している。
このようにして基材上に所定の間隔で配置された複数のセルを設け、そのセルの中に、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、分散媒と、熱可逆性ゲル化剤とを少なくとも含有する分散液を入れ、その上に気泡が入らないように基材を貼り合わせることによって、本発明の記録媒体を作製することができる。
上記の方法は塗布プロセスを用いており、連続的に製造可能であることから、低コスト生産に非常に有利である。またセルの開口部が広いため、高いコントラストを得やすいという特徴を有している。
セルの形状は、複数のセルによって分散液が隔離されていれば特に限定されない。例えば図1に示すように多角形、円形、楕円形等の様々な形状のセルを設けることができる。但し、記録媒体としては、可能な限りセルを形成する領域が少なく、また粒子がセルの角に溜まりにくいように角度が大きいものが好ましい。前者については四角形が好ましく、後者については円形が好ましく、これらを両立させるためには、六角形のハニカム形状が最も好ましい。また、ハニカム形状は、前記以外に画像記録層の強度を高める効果も得られることから特に好ましい。
また、マイクロカプセルの場合には、その作製方法に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コンプレックスコアセルベーション法、界面重合法、in situ重合法などの公知の方法が挙げられる。コアセルベーション法によるマイクロカプセル化は、高分子溶液の温度を低下させると、均一相であった系が高分子に富む濃厚相と低濃度の希薄相に分離するが、希薄相中に分散した濃厚相のコアセルベート小滴が分散粒子の表面に付着し、この状態を固定化することにより形成できる。用いられる材料の例としてはゼラチン−アラビアゴム系材料が挙げられる。界面重合法によるマイクロカプセル化は、疎水性モノマーと親水性モノマーが組み合わさり、エマルション液滴界面での化学反応を利用して成膜するものである。in situ重合によるマイクロカプセル化は、界面反応法とも呼ばれ、芯物質の周囲にモノマーやプレポリマー等の壁膜材や重合触媒が供給され、芯物質の表面(界面)で重合反応が進行し、皮膜形成が起こるものである。用いられる材料としては、尿素−ホルムアルデヒドやメラミン−ホルムアルデヒド等が挙げられる。これ以外に相分離法、液中乾燥法、液中硬化皮膜法等も知られている。
マイクロカプセルの形状は、その中を粒子が泳動することを考えると球形状、即ち断面形状が円形のものが好ましい。しかし、マイクロカプセル同士が隙間なく緻密に充填された方が画像品質の面からより好ましいため、マイクロカプセルの断面形状としては、楕円形や多角形であってもよく、コントラストを高める上でより好ましい。更には、これらが混合されたものであってもよく、その形状は特に限定されない。
マイクロカプセルのサイズは、1〜500μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、20〜80μmが更に好ましい。サイズが大きいと、コントラストを高める上では有効であるが、駆動電圧が上昇したり、画像に滲みが発生する場合がある。一方、サイズが小さいと、画像の滲みが低減でき、駆動電圧の低減にも有利であるが、コントラストが低下する場合がある。サイズが過度に小さいと、反転しても濃度が低いため、コントラストが極度に低下する恐れがある。なお、本発明におけるマイクロカプセルのサイズとしては、形状が円形の場合は直径、楕円形の場合は長径、多角形の場合は最も長い対角線の長さとして定義される。
マイクロカプセルのサイズは、1〜500μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、20〜80μmが更に好ましい。サイズが大きいと、コントラストを高める上では有効であるが、駆動電圧が上昇したり、画像に滲みが発生する場合がある。一方、サイズが小さいと、画像の滲みが低減でき、駆動電圧の低減にも有利であるが、コントラストが低下する場合がある。サイズが過度に小さいと、反転しても濃度が低いため、コントラストが極度に低下する恐れがある。なお、本発明におけるマイクロカプセルのサイズとしては、形状が円形の場合は直径、楕円形の場合は長径、多角形の場合は最も長い対角線の長さとして定義される。
マイクロカプセルのサイズは、基材上にマイクロカプセル層を形成し、光学顕微鏡等で観察することによって求めることができる。例えば、光学顕微鏡で拡大観察したマイクロカプセルの中から、無作為に抽出したマイクロカプセル径の測定値(例えば、50〜100点)の平均値より算出することができる。
マイクロカプセルのサイズを制御する方法としては、篩を用いて分級する方法が挙げられる。例えば、マイクロカプセルのスラリーをメッシュの異なる複数の篩を通すことによって、所望のサイズ範囲のマイクロカプセルを取り出すことができる。その他、湿式の分級機や遠心機を用いることも可能である。
マイクロカプセルのサイズを制御する方法としては、篩を用いて分級する方法が挙げられる。例えば、マイクロカプセルのスラリーをメッシュの異なる複数の篩を通すことによって、所望のサイズ範囲のマイクロカプセルを取り出すことができる。その他、湿式の分級機や遠心機を用いることも可能である。
基材の間に形成されるマイクロカプセル層は、単層であることが画質向上の面から好ましい。マイクロカプセルが重なり合わずに単層で形成されると、駆動電圧を低減でき、コントラストの向上や濃度ムラの低減に有効な場合がある。また、マイクロカプセルのサイズは、均一に揃っていた方がより好ましい。カプセルサイズが均一であると、濃度ムラの低減に有効な場合がある。
マイクロカプセルを用いると、分散媒の蒸発を防止することができ、記録媒体を長期間安定に使用することができる。特に本発明の記録媒体は、記録又は消去を行う度に加熱するため、分散媒の蒸発防止は記録媒体の高画質化、高安定化、高寿命化に非常に重要であり、マイクロカプセルがより好ましい。また、セルとしてマイクロカプセルを用いた記録媒体は、湾曲させたり、巻き取ったりしても分散媒が漏れ出ることを抑制できるため有効である。更に、マイクロカプセルのスラリーは塗布プロセスによる記録媒体の製造が可能であるから、低コスト生産に有利である。
マイクロカプセルを用いると、分散媒の蒸発を防止することができ、記録媒体を長期間安定に使用することができる。特に本発明の記録媒体は、記録又は消去を行う度に加熱するため、分散媒の蒸発防止は記録媒体の高画質化、高安定化、高寿命化に非常に重要であり、マイクロカプセルがより好ましい。また、セルとしてマイクロカプセルを用いた記録媒体は、湾曲させたり、巻き取ったりしても分散媒が漏れ出ることを抑制できるため有効である。更に、マイクロカプセルのスラリーは塗布プロセスによる記録媒体の製造が可能であるから、低コスト生産に有利である。
基材上に形成されるマイクロカプセルは固定化する必要があり、バインダー樹脂で固定する方法が好ましい。バインダー樹脂は、マイクロカプセルを固定する目的の他に画像記録層の絶縁性を確保する役割も有する。特に、マイクロカプセルの上下に導電層あるいは導電性基材を設けた場合には、画像記録層が絶縁性を保持していないと、画像記録層に電界を印加することができなくなり、画像記録層内の粒子を泳動させ、記録を行うことができなくなる。
バインダー樹脂としては、絶縁性に優れ、更に基材や導電層、あるいはマイクロカプセルとの親和性あるいは密着性が高い樹脂が好適に用いられる。樹脂の種類は特に限定されるものではないが、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂や硬化性樹脂が挙げられ、熱や光による硬化性樹脂がより好ましい。これらのバインダー樹脂をマイクロカプセルと混合し、基材上に塗布及び乾燥を行えば、マイクロカプセル層を基材上に容易に形成することができ、絶縁性の画像記録層を設けることができる。
バインダー樹脂としては、絶縁性に優れ、更に基材や導電層、あるいはマイクロカプセルとの親和性あるいは密着性が高い樹脂が好適に用いられる。樹脂の種類は特に限定されるものではないが、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂や硬化性樹脂が挙げられ、熱や光による硬化性樹脂がより好ましい。これらのバインダー樹脂をマイクロカプセルと混合し、基材上に塗布及び乾燥を行えば、マイクロカプセル層を基材上に容易に形成することができ、絶縁性の画像記録層を設けることができる。
マイクロカプセルが水と混合していない場合には、様々な樹脂材料を用いることが可能であるが、マイクロカプセルが水と混合したスラリー状の場合は、水系の樹脂が好ましく用いられる。中でも、樹脂に親水性基や親水性セグメントを付与したタイプ、疎水性の樹脂を界面活性剤により強制的に乳化したタイプ、更に親水性基を有するブロック剤でブロック化したプレポリマーや、親水性セグメントを付与したブロック化プレポリマーのタイプ等が好ましく、これらの機能を有する水系のウレタン樹脂は、特に好ましい。
マイクロカプセルと混合したバインダー樹脂のみで画像記録層を絶縁させることが好ましいが、絶縁性が充分でない場合には、マイクロカプセル層の上に更に絶縁性の樹脂を塗布して画像記録層を形成することも可能であり、画像記録層の絶縁性を保つ上で有効な場合がある。マイクロカプセルが水と混合したスラリー状であっても、水系の樹脂とともに一度基材上に製膜できれば、その上に形成する樹脂は有機溶剤と混合したものでも使用することができるため、広範囲の樹脂から選択することができる。但し、この場合、絶縁性の樹脂がマイクロカプセル層の厚みよりも大幅に厚くなると、画像記録層が厚くなり、電界強度が低下することから、コントラストが低下する場合がある。そのため、マイクロカプセル層の厚みを大幅に超えないことが望ましい。
マイクロカプセルと混合したバインダー樹脂のみで画像記録層を絶縁させることが好ましいが、絶縁性が充分でない場合には、マイクロカプセル層の上に更に絶縁性の樹脂を塗布して画像記録層を形成することも可能であり、画像記録層の絶縁性を保つ上で有効な場合がある。マイクロカプセルが水と混合したスラリー状であっても、水系の樹脂とともに一度基材上に製膜できれば、その上に形成する樹脂は有機溶剤と混合したものでも使用することができるため、広範囲の樹脂から選択することができる。但し、この場合、絶縁性の樹脂がマイクロカプセル層の厚みよりも大幅に厚くなると、画像記録層が厚くなり、電界強度が低下することから、コントラストが低下する場合がある。そのため、マイクロカプセル層の厚みを大幅に超えないことが望ましい。
なお、本発明においては、画像記録層のバインダー樹脂として、あるいは画像記録層における絶縁性の維持、更にはマイクロカプセルの保護等を目的として形成される上記の樹脂膜を、基材と共通化させることが可能である。即ち、本発明における画像記録層と基材とは、必ずしも界面を有する必要はなく、マイクロカプセルの上に僅かでも樹脂等の材料が付着していれば、それを基材と見なすことができる。例えば、マイクロカプセルをバインダー樹脂と混合した分散液を第一の基材上に塗布し、形成した画像記録層において、マイクロカプセルの第一の基材とは反対側がバインダー樹脂で覆われていれば、それが第二の基材と見なされる。
<電気泳動粒子及び磁気泳動粒子>
本発明の記録媒体に設けられる画像記録層には、色を呈した電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を含有させることができる。この場合、画像記録層を形成する複数のセルは、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色、あるいは色の組み合わせによって分類され、前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色、あるいは色の組み合わせの違いによって、そのセルに含有される分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なるように構成される。なお、ゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なる各々のセルは、ランダムに分散されていても良いし、規則的に配列されていても良い。
本発明の記録媒体に設けられる画像記録層には、色を呈した電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を含有させることができる。この場合、画像記録層を形成する複数のセルは、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色、あるいは色の組み合わせによって分類され、前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色、あるいは色の組み合わせの違いによって、そのセルに含有される分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なるように構成される。なお、ゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なる各々のセルは、ランダムに分散されていても良いし、規則的に配列されていても良い。
上記構成における画像記録方法の一例について説明する。
例えば、白の粒子を含むセルをセルA、赤の粒子を含むセルをセルBとし、セルA及びセルBともに分散媒を黒に着色させた場合、セルAに含有される分散媒のゾル化転移温度Sa、セルAに含有される分散媒のゲル化転移温度Ga、セルBに含有される分散媒のゾル化転移温度Sb、セルBに含有される分散媒のゲル化転移温度Gbの間に、Sa>Ga>Sb>Gbの関係になるように構成する。この場合、最初にSaより高い温度に加熱してセルAの白と黒の画像を記録し、その後、Gaより低くかつSbより高い温度(セルAがゲル化し、セルBがゾル化した状態)に加熱してセルBの赤と黒の画像を記録すると、セルAの画像に影響を与えずに、セルBの赤と黒の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
例えば、白の粒子を含むセルをセルA、赤の粒子を含むセルをセルBとし、セルA及びセルBともに分散媒を黒に着色させた場合、セルAに含有される分散媒のゾル化転移温度Sa、セルAに含有される分散媒のゲル化転移温度Ga、セルBに含有される分散媒のゾル化転移温度Sb、セルBに含有される分散媒のゲル化転移温度Gbの間に、Sa>Ga>Sb>Gbの関係になるように構成する。この場合、最初にSaより高い温度に加熱してセルAの白と黒の画像を記録し、その後、Gaより低くかつSbより高い温度(セルAがゲル化し、セルBがゾル化した状態)に加熱してセルBの赤と黒の画像を記録すると、セルAの画像に影響を与えずに、セルBの赤と黒の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
他の例として、Sa>Sb>Ga≒Gbの関係になるように構成した場合は、最初にSaより高い温度に加熱してセルAの白と黒の画像を記録し、その後、Ga(≒Gb)以下にまで冷却(セルA及びセルBともにゲル化した状態)し、次にSa未満かつSbより高い温度に加熱してセルBの赤と黒の画像を記録すると、セルAの画像に影響を与えずに、セルBの赤と黒の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
他の例として、Sa≒Sb>Ga>Gbの関係になるように構成した場合は、最初にSaより高い温度に加熱してセルAの白と黒の画像を記録し、その後、Ga未満かつGbより高い温度(セルAはゲル化し、セルBはゾル化した状態)で、セルBの赤と黒の画像を記録すると、セルAの画像に影響を与えずに、セルBの赤と黒の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
他の例として、Sa≒Sb>Ga>Gbの関係になるように構成した場合は、最初にSaより高い温度に加熱してセルAの白と黒の画像を記録し、その後、Ga未満かつGbより高い温度(セルAはゲル化し、セルBはゾル化した状態)で、セルBの赤と黒の画像を記録すると、セルAの画像に影響を与えずに、セルBの赤と黒の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
また、粒子の色の組み合わせが異なる場合は、例えば、白と黒の粒子を含むセルをセルC、白と赤の粒子を含むセルをセルDとし、セルC及びセルDともに無色透明な分散媒を含有させた場合、セルCに含有される分散媒のゾル化転移温度Sc、セルCに含有される分散媒のゲル化転移温度Gc、セルDに含有される分散媒のゾル化転移温度Sd、セルDに含有される分散媒のゲル化転移温度Gdとの間に、Sc>Gc>Sd>Gdの関係になるように構成する。この場合、最初にScより高い温度に加熱してセルCの白と黒の画像を記録し、その後、Gcより低くかつSdより高い温度(セルCがゲル化し、セルDがゾル化した状態)に加熱してセルDの白と赤の画像を記録すると、セルCの画像に影響を与えずに、セルDの白と赤の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
他の例として、Sc>Sd>Gc≒Gdの関係になるように構成した場合は、最初にScより高い温度に加熱してセルCの白と黒の画像を記録し、その後、Gc(≒Gd)以下にまで冷却(セルC及びセルDともにゲル化した状態)し、次にSc未満かつSdより高い温度に加熱してセルDの赤と黒の画像を記録すると、セルCの画像に影響を与えずに、セルDの赤と黒の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
他の例として、Sc≒Sd>Gc>Gdの関係になるように構成した場合は、最初にScより高い温度に加熱してセルCの白と黒の画像を記録し、その後、Gc未満かつGdより高い温度(セルCはゲル化し、セルDはゾル化した状態)で、セルDの赤と黒の画像を記録すると、セルCの画像に影響を与えずに、セルDの赤と黒の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
他の例として、Sc≒Sd>Gc>Gdの関係になるように構成した場合は、最初にScより高い温度に加熱してセルCの白と黒の画像を記録し、その後、Gc未満かつGdより高い温度(セルCはゲル化し、セルDはゾル化した状態)で、セルDの赤と黒の画像を記録すると、セルCの画像に影響を与えずに、セルDの赤と黒の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
同様に、分散媒に含有する染料の色や粒子の色、あるいは色の組み合わせ毎に、ゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なる分散媒を含むセルを3種以上にすることも可能であり、これにより表示色を増やすことができる。
電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色、あるいは色の組み合わせ毎に、各セルに含有される分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度に温度差を与える方法は特に限定されないが、含有する熱可逆性ゲル化剤の種類を変える方法、熱可逆性ゲル化剤の添加量を変える方法、分散媒を変える方法が好ましく用いられる。これらの詳細については後述する。
電気泳動粒子としては、電界を印加することにより液状の分散媒中を電気泳動することができる粒子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料などが挙げられる。その種類は、本発明の記録媒体に記録する画像の色によって使い分けられる。
電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色、あるいは色の組み合わせ毎に、各セルに含有される分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度に温度差を与える方法は特に限定されないが、含有する熱可逆性ゲル化剤の種類を変える方法、熱可逆性ゲル化剤の添加量を変える方法、分散媒を変える方法が好ましく用いられる。これらの詳細については後述する。
電気泳動粒子としては、電界を印加することにより液状の分散媒中を電気泳動することができる粒子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料などが挙げられる。その種類は、本発明の記録媒体に記録する画像の色によって使い分けられる。
前記電気泳動粒子の一例について説明する。
黒色の電気泳動粒子としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、チタンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、黒色酸化鉄などが挙げられる。
赤色の電気泳動粒子としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、レーキレッドC、ブリリアントカルミン6B、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ、リソールレッド、パーマネントレッド4R、ベンジジンレッドなどが挙げられる。
黄色の電気泳動粒子としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジンなどが挙げられる。
青色の電気泳動粒子としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、コバルトブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、スカイブルー、インダンスレンブルー、セルリアンブルーなどが挙げられる。
黒色の電気泳動粒子としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、チタンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、黒色酸化鉄などが挙げられる。
赤色の電気泳動粒子としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、レーキレッドC、ブリリアントカルミン6B、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ、リソールレッド、パーマネントレッド4R、ベンジジンレッドなどが挙げられる。
黄色の電気泳動粒子としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジンなどが挙げられる。
青色の電気泳動粒子としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、コバルトブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、スカイブルー、インダンスレンブルー、セルリアンブルーなどが挙げられる。
緑色の電気泳動粒子としては、例えば、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンレーキ、ナフトールグリーン、エメラルドグリーン、ビリディアン、コバルトグリーン、酸化クロムなどが挙げられる。
紫色の電気泳動粒子としては、例えば、ファーストバイオレット、メチルバイオレットレーキ、インジゴ、ミネラルバイオレット、コバルト紫などが挙げられる。
茶色の電気泳動粒子としては、例えば、トルイジンマルーン、インダンスレンレッドバイオレットRH、バーントアンバー、酸化鉄などが挙げられる。
白色の電気泳動粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、二酸化珪素、チタン酸バリウム、硫酸バリウム等の金属酸化物などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、白色の電気泳動粒子に、例えば、上記の顔料や染料のような各種着色剤を用いて着色させて用いることも可能である。
紫色の電気泳動粒子としては、例えば、ファーストバイオレット、メチルバイオレットレーキ、インジゴ、ミネラルバイオレット、コバルト紫などが挙げられる。
茶色の電気泳動粒子としては、例えば、トルイジンマルーン、インダンスレンレッドバイオレットRH、バーントアンバー、酸化鉄などが挙げられる。
白色の電気泳動粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、二酸化珪素、チタン酸バリウム、硫酸バリウム等の金属酸化物などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、白色の電気泳動粒子に、例えば、上記の顔料や染料のような各種着色剤を用いて着色させて用いることも可能である。
また、本発明においては、電気泳動粒子としてエレクトレット性粒子を用いることも可能であり有効である。エレクトレット性粒子とは、例えば、電子線照射、放射線照射あるいはコロナ放電等の方法によって、永久的な電荷を保持させた粒子である。エレクトレット性粒子を用いることにより、粒子の帯電量を均一化することが可能となり、高画質化に有効となる場合がある。
電気泳動粒子の分散媒中での分散性を高め、電気泳動粒子の凝集を防止し、安定して電気泳動粒子を泳動させるため、電気泳動粒子の表面に表面処理を施すことが好ましい。
前記表面処理には、主としてカップリング剤が用いられる。カップリング剤としては、例えば、クロム系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤、フッ素系カップリング剤などが挙げられる。
また、前記表面処理として、電気泳動粒子の表面にグラフト鎖を形成する方法、電気泳動粒子の表面にポリマーをコーティングする方法も有効である。
前記表面処理には、主としてカップリング剤が用いられる。カップリング剤としては、例えば、クロム系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤、フッ素系カップリング剤などが挙げられる。
また、前記表面処理として、電気泳動粒子の表面にグラフト鎖を形成する方法、電気泳動粒子の表面にポリマーをコーティングする方法も有効である。
磁気泳動粒子としては、磁界を印加することにより液状の分散媒中を磁気泳動することができる粒子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、該強磁性金属を含む合金等の強磁性材料;フェライト磁石、合金磁石等の永久磁石などが挙げられる。
具体例としては、黒色酸化鉄、多孔性酸化鉄、黒色マグネタイト、γ−ヘマタイト、二酸化マンガン含有酸化鉄、二酸化クロム、フェライト;鉄、ニッケル、コバルト、ガドリニウム及びこれらの合金などが挙げられる。
磁気泳動粒子は、表面に各種着色剤を用いて着色させて用いることも可能である。
具体例としては、黒色酸化鉄、多孔性酸化鉄、黒色マグネタイト、γ−ヘマタイト、二酸化マンガン含有酸化鉄、二酸化クロム、フェライト;鉄、ニッケル、コバルト、ガドリニウム及びこれらの合金などが挙げられる。
磁気泳動粒子は、表面に各種着色剤を用いて着色させて用いることも可能である。
分散媒中での電気泳動粒子及び磁気泳動粒子の分散性を高め、凝集を防止し、安定して泳動させるために、電気泳動粒子及び磁気泳動粒子の表面に表面処理を施すことが好ましい。
前記表面処理には主としてカップリング剤が用いられる。該カップリング剤としては、例えば、クロム系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤、フッ素系カップリング剤などが挙げられる。
また、表面処理として、電気泳動粒子及び磁気泳動粒子の表面にグラフト鎖を形成する方法、同表面にポリマーをコーティングする方法も有効である。
前記表面処理には主としてカップリング剤が用いられる。該カップリング剤としては、例えば、クロム系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤、フッ素系カップリング剤などが挙げられる。
また、表面処理として、電気泳動粒子及び磁気泳動粒子の表面にグラフト鎖を形成する方法、同表面にポリマーをコーティングする方法も有効である。
電気泳動粒子及び磁気泳動粒子の平均粒径には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜20μmが好ましく、0.03〜5μmがより好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。平均粒径が20μmを超えると、粒子の応答性が低下したり解像度が低下する場合があり、0.01μm未満であると、粒子同士が凝集したり画像濃度が低下したりする場合がある。
前記平均粒径は、粒子群を代表する平均的な一次粒子の粒子径を意味し、個数平均粒径として表される。具体的には、直接粒子を取り出すか、又は本発明の記録媒体を切断し、その断面を電子顕微鏡等によって直接観察して粒子の一次粒子径を求め、それらの平均(例えば、100個の平均)から求めることができる。
前記平均粒径は、粒子群を代表する平均的な一次粒子の粒子径を意味し、個数平均粒径として表される。具体的には、直接粒子を取り出すか、又は本発明の記録媒体を切断し、その断面を電子顕微鏡等によって直接観察して粒子の一次粒子径を求め、それらの平均(例えば、100個の平均)から求めることができる。
電気泳動粒子及び磁気泳動粒子は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。1種の粒子を用いる場合は、分散媒を着色し、粒子をそれとは異なる色に着色することにより画像形成が可能となる。また、2種の粒子を用いる場合は、色と極性の異なる粒子を用いることにより画像形成が可能となる。あるいは3種以上の粒子を含有し、2種以上の電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、1種の非電気泳動粒子及び/又は非磁気泳動粒子との組合せによっても画像形成できる場合がある。
本発明の記録媒体において画像の記録を行う粒子は、電気泳動粒子と磁気泳動粒子のいずれでもよく、電界又は磁界の印加によってそれぞれ画像形成が可能となるが、画像品質、記録速度などの点から電気泳動粒子を用いることが好ましい。
ただし、電気泳動粒子と磁気泳動粒子を併用することも可能であり、画像記録装置に電界と磁界を印加する手段を設ければ、電気泳動粒子と、それとは色の異なる磁気泳動粒子をそれぞれ制御することが可能となり、更に表示色を増やすことができる。
画像記録層における電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、電気泳動粒子と磁気泳動粒子を併用することも可能であり、画像記録装置に電界と磁界を印加する手段を設ければ、電気泳動粒子と、それとは色の異なる磁気泳動粒子をそれぞれ制御することが可能となり、更に表示色を増やすことができる。
画像記録層における電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<分散媒>
本発明の記録媒体に設けられる画像記録層には、着色剤と分散媒を含有させることができる。この場合、画像記録層を形成する複数のセルは、着色剤による分散媒の色によって分類され、前記分散媒の色の違いによって、そのセルに含有される分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なるように構成される。なお、ゾル化転移温度及びゲル化転移温度が異なる各々のセルは、ランダムに分散されていても良いし、規則的に配列されていても良い。
本発明の記録媒体に設けられる画像記録層には、着色剤と分散媒を含有させることができる。この場合、画像記録層を形成する複数のセルは、着色剤による分散媒の色によって分類され、前記分散媒の色の違いによって、そのセルに含有される分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なるように構成される。なお、ゾル化転移温度及びゲル化転移温度が異なる各々のセルは、ランダムに分散されていても良いし、規則的に配列されていても良い。
前記構成における画像記録方法の一例について説明する。
例えば、白の粒子と黒の着色剤及び分散媒を含むセルをセルE、白の粒子と赤の着色剤及び分散媒を含むセルをセルFとした場合、セルEに含有される分散媒のゾル化転移温度をSe、セルEに含有される分散媒のゲル化転移温度をGe、セルFに含有される分散媒のゾル化転移温度をSf、セルFに含有される分散媒のゲル化転移温度をGfとし、Se>Ge>Sf>Gfの関係になるように構成する。この場合、最初にSeより高い温度に加熱してセルEの白と黒の画像を記録し、その後、Geより低く、かつSfより高い温度(セルEがゲル化し、セルFがゾル化した状態)に加熱してセルFの白と赤の画像を記録すると、セルEの画像に影響を与えずに、セルFの白と赤の画像を記録することができ、その結果、白と黒と赤の画像を記録することができる。
他の例として、Se>Sf>Ge≒Gfの関係になるように構成した場合は、最初にSeより高い温度に加熱してセルEの白と黒の画像を記録し、その後、Ge(≒Gf)以下にまで冷却(セルE及びセルFともにゲル化した状態)し、次にSe未満かつSfより高い温度に加熱してセルFの白と赤の画像を記録すると、セルEの画像に影響を与えずに、セルFの白と赤の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
例えば、白の粒子と黒の着色剤及び分散媒を含むセルをセルE、白の粒子と赤の着色剤及び分散媒を含むセルをセルFとした場合、セルEに含有される分散媒のゾル化転移温度をSe、セルEに含有される分散媒のゲル化転移温度をGe、セルFに含有される分散媒のゾル化転移温度をSf、セルFに含有される分散媒のゲル化転移温度をGfとし、Se>Ge>Sf>Gfの関係になるように構成する。この場合、最初にSeより高い温度に加熱してセルEの白と黒の画像を記録し、その後、Geより低く、かつSfより高い温度(セルEがゲル化し、セルFがゾル化した状態)に加熱してセルFの白と赤の画像を記録すると、セルEの画像に影響を与えずに、セルFの白と赤の画像を記録することができ、その結果、白と黒と赤の画像を記録することができる。
他の例として、Se>Sf>Ge≒Gfの関係になるように構成した場合は、最初にSeより高い温度に加熱してセルEの白と黒の画像を記録し、その後、Ge(≒Gf)以下にまで冷却(セルE及びセルFともにゲル化した状態)し、次にSe未満かつSfより高い温度に加熱してセルFの白と赤の画像を記録すると、セルEの画像に影響を与えずに、セルFの白と赤の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
他の例として、Se≒Sf>Ge>Gfの関係になるように構成した場合は、最初にSeより高い温度に加熱してセルEの白と黒の画像を記録し、その後、Ge未満かつGfより高い温度(セルEはゲル化し、セルFはゾル化した状態)で、セルFの赤と黒の画像を記録すると、セルEの画像に影響を与えずに、セルFの赤と黒の画像を記録することができ、その結果、白と赤と黒の画像を記録することができる。
同様に、着色剤による分散媒の色毎にゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なる分散媒を含むセルを3種以上にすることも可能であり、表示色を増やすことができる。
分散媒としては、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を分散させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶剤、シリコーンオイル、水などが挙げられる。これらの中でも電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の泳動性、応答性、分散性及び画像保持性の点から、有機溶剤、シリコーンオイルが好ましい。
同様に、着色剤による分散媒の色毎にゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なる分散媒を含むセルを3種以上にすることも可能であり、表示色を増やすことができる。
分散媒としては、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を分散させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶剤、シリコーンオイル、水などが挙げられる。これらの中でも電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の泳動性、応答性、分散性及び画像保持性の点から、有機溶剤、シリコーンオイルが好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン、テトラデカン、ドデシルベンゼン、シクロヘキサン、ケロシン、アイソパー〔ISOPAR(登録商標)〕、ナフテン、流動パラフィン、石油類等の鎖状又は環状の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、ソフベントナフサ、フェニルキシリルエタン、ジイソプロピルナフタレン等の芳香族系炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、臭化エチル、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、トリクロロトリフルオロエチレン、テトラクロロジフルオロエチレン等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
これらの中でも非極性溶媒が好ましく、脂肪族系炭化水素がより好ましい。
これらの中でも非極性溶媒が好ましく、脂肪族系炭化水素がより好ましい。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル等のジアルキルシリコーンオイル;環状ジアルキルシリコーンオイル、アルキルフェニルシリコーンオイル、環状アルキルフェニルシリコーンオイル、ポリアルキルアラルキルシロキサン等の各種変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記アルキルフェニルシリコーンオイルとしては、例えば、メチルフェニルシリコーンオイル、エチルフェニルシリコーンオイル、プロピルフェニルシリコーンオイル、ブチルフェニルシリコーンオイル、ヘキシルフェニルシリコーンオイル、オクチルフェニルシリコーンオイル、ラウリルフェニルシリコーンオイル、ステアリルフェニルシリコーンオイルなどが挙げられる。
前記環状アルキルフェニルシリコーンオイルとしては、例えば、環状ポリメチルフェニルシロキサン、環状ポリエチルフェニルシロキサン、環状ポリブチルフェニルシロキサン、環状ポリヘキシルフェニルシロキサン、環状ポリメチルクロロフェニルシロキサン、環状ポリメチルブロムフェニルシロキサンなどが挙げられる。
ポリアルキルアラルキルシロキサンとしては、例えば、ベンジル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記アルキルフェニルシリコーンオイルとしては、例えば、メチルフェニルシリコーンオイル、エチルフェニルシリコーンオイル、プロピルフェニルシリコーンオイル、ブチルフェニルシリコーンオイル、ヘキシルフェニルシリコーンオイル、オクチルフェニルシリコーンオイル、ラウリルフェニルシリコーンオイル、ステアリルフェニルシリコーンオイルなどが挙げられる。
前記環状アルキルフェニルシリコーンオイルとしては、例えば、環状ポリメチルフェニルシロキサン、環状ポリエチルフェニルシロキサン、環状ポリブチルフェニルシロキサン、環状ポリヘキシルフェニルシロキサン、環状ポリメチルクロロフェニルシロキサン、環状ポリメチルブロムフェニルシロキサンなどが挙げられる。
ポリアルキルアラルキルシロキサンとしては、例えば、ベンジル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
シリコーンオイルの市販品としては、例えば、信越化学工業社製のKF96シリーズ、KF50シリーズ、KF54、KF56;旭化成ワッカーシリコーン社製のAKシリーズ、ASシリーズ、ARシリーズ、APシリーズ、PDMシリーズ;GE東芝シリコーン社製のTSF451シリーズ、TSF456シリーズ、TSF405、TSF4427、TSF431、TSF433、TSF437、TSF456シリーズ;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSH200シリーズ、SH510、SH550、SH556、SH702、SH704、SH705などが挙げられる。
分散媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
分散媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
画像記録層における分散媒の含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
分散媒は、電気泳動粒子及び磁気泳動粒子と同じ色又は異なる色の着色剤を分散媒に溶解させて着色してもよい。本発明における前記着色剤としては、分散媒を白色にしたり、様々な色に着色したりできるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば染料、非電気泳動性あるいは非磁気泳動性の着色粒子などが好適に用いられる。
分散媒は、電気泳動粒子及び磁気泳動粒子と同じ色又は異なる色の着色剤を分散媒に溶解させて着色してもよい。本発明における前記着色剤としては、分散媒を白色にしたり、様々な色に着色したりできるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば染料、非電気泳動性あるいは非磁気泳動性の着色粒子などが好適に用いられる。
油溶性染料としては、例えば、スピリットブラック(SB、SSBB、AB)、ニグロシンベース(SA、SAP、SAPL、EE、EEL、EX、EXBP、EB)、オイルイエロー(105、107、129、3G、GGS)、オイルオレンジ(201、PS、PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド(5B、RR、OG)、オイルスカーレット、オイルピンク312、オイルバイオレット#730、マクロレックスブルーRR、スミプラストグリーンG、オイルブラウン(GR、416)、スーダンブラックX60、オイルグリーン(502、BG)、オイルブルー(613、2N、BOS)、オイルブラック(HBB、860、BS)、バリファーストイエロー(1101、1105、3108、4120)、バリファーストオレンジ(3209、3210)、バリファーストレッド(1306、1355、2303、3304、3306、3320)、バリファーストピンク2310N、バリファーストブラウン(2402、3405)、バリファーストブルー(3405、1501、1603、1605、1607、2606、2610)、バリファーストバイオレット(1701、1702)、ヴァリファーストブラック(1802、1807、3804、3810、3820、3830)などが挙げられる。
非電気泳動性の着色粒子は、電界下においても電気泳動性を示さない粒子、又は極めて電気泳動性が低い粒子であり、有機粒子、無機粒子のいずれも使用することができる。これらの非電気泳動性粒子は、電界下においても電気泳動しないため、分散媒が白色あるいは着色した状態を形成することができる。一緒に含有される電気泳動粒子が、これらの非電気泳動粒子よりも視認する側又は背面側に泳動することによって、画像が記録される。前記非電気泳動粒子は、染料と異なり透明性がなく、電気泳動粒子を隠ぺいする効果が高いことから、記録媒体としてのコントラストや色再現性の向上に有効な場合がある。非電気泳動性の有機粒子としては、例えばポリビニルナフタレン粒子が好ましく用いられる。また、無機粒子については、例えば、金属酸化物が挙げられ、表面処理によって帯電性を制御できる場合がある。
また、前記磁気泳動粒子を非電気泳動粒子として含有させたり、前記電気泳動粒子を非磁気泳動粒子として含有させたりすることも可能な場合がある。本発明の記録媒体に含有される前記着色剤は、一種類であっても、あるいは複数種含有されていても良い。
前記着色剤による分散媒の色毎に、各セルに含有される分散媒のゾル化転移温度に温度差を与える方法は特に限定されないが、前述のとおり、含有する熱可逆性ゲル化剤の種類を変える方法、熱可逆性ゲル化剤の添加量を変える方法、分散媒の種類を変える方法が好ましい。これらのうち分散媒の種類を変える方法について説明する。
前記着色剤による分散媒の色毎に、各セルに含有される分散媒のゾル化転移温度に温度差を与える方法は特に限定されないが、前述のとおり、含有する熱可逆性ゲル化剤の種類を変える方法、熱可逆性ゲル化剤の添加量を変える方法、分散媒の種類を変える方法が好ましい。これらのうち分散媒の種類を変える方法について説明する。
前記のとおり、分散媒は多くの種類の中から選択することが可能であるが、分散媒中に含有される熱可逆性ゲル化剤の種類が同じであっても、異なる種類の分散媒を用いることによって、分散媒のゾル化転移温度やゲル化転移温度を変化させることができる。例えば白の粒子と黒の着色剤と分散媒を含むセルをセルG、白の粒子と赤の着色剤を含むセルをセルHとした場合、セルGに含有される分散媒には分散媒Vg、セルHに含有される分散媒には分散媒Vhを用いることにより、ゾル化転移温度やゲル化転移温度に温度差を与えることができる。例えば、前記分散媒として、脂肪族炭化水素系溶媒とシリコーンオイルとを比較した場合、後者の方がゾル化転移温度及びゲル化転移温度は高くなる傾向がある。これらに各々同じ種類の電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子、熱可逆性ゲル化剤、並びに異なる色の着色剤を含有させれば、容易に本発明の記録媒体を作製することができる。
また、分散媒のゾル化転移温度あるいはゲル化転移温度を調整するために、異なる種類の分散媒を混合して用いることも可能であり、所望のゾル化転移温度及びゲル化転移温度に制御する上で有効な場合がある。例えば、分散媒の着色剤の色が異なるセルGとセルHに含有される分散媒の種類が同じでも、これらの混合比率を変えることによって、ゾル化転移温度やゲル化転移温度に温度差を与えることができ、本発明の記録媒体を得ることが可能な場合がある。
また、分散媒のゾル化転移温度あるいはゲル化転移温度を調整するために、異なる種類の分散媒を混合して用いることも可能であり、所望のゾル化転移温度及びゲル化転移温度に制御する上で有効な場合がある。例えば、分散媒の着色剤の色が異なるセルGとセルHに含有される分散媒の種類が同じでも、これらの混合比率を変えることによって、ゾル化転移温度やゲル化転移温度に温度差を与えることができ、本発明の記録媒体を得ることが可能な場合がある。
<熱可逆性ゲル化剤>
熱可逆性ゲル化剤としては、画像の閲覧時及び保存時には分散媒をゲル状にしかつ画像の閲覧時及び保存時よりも高い温度での画像の記録時には分散媒を液状にすることができる熱可逆性ゲル化剤を用いる必要がある。更に熱可逆性ゲル化剤としては、温度応答性が高い方が好ましく、ある温度を超えると一気にゾル化し、ある温度よりも低くなると一気にゲル化するものがより適している。
ここで、画像の閲覧時とは、本発明の記録媒体に記録された画像情報を人が視認する時を意味し、画像の保存時とは、画像情報を本発明の記録媒体に保存しておく状態を意味する。また、前記画像の閲覧時及び保存時とは、言い換えれば記録媒体の通常の使用環境を意味し、例えば、10℃以上40℃未満の状態を意味する。
熱可逆性ゲル化剤としては、画像の閲覧時及び保存時には分散媒をゲル状にしかつ画像の閲覧時及び保存時よりも高い温度での画像の記録時には分散媒を液状にすることができる熱可逆性ゲル化剤を用いる必要がある。更に熱可逆性ゲル化剤としては、温度応答性が高い方が好ましく、ある温度を超えると一気にゾル化し、ある温度よりも低くなると一気にゲル化するものがより適している。
ここで、画像の閲覧時とは、本発明の記録媒体に記録された画像情報を人が視認する時を意味し、画像の保存時とは、画像情報を本発明の記録媒体に保存しておく状態を意味する。また、前記画像の閲覧時及び保存時とは、言い換えれば記録媒体の通常の使用環境を意味し、例えば、10℃以上40℃未満の状態を意味する。
本発明においてゲル状とは、分散媒が流動性を失った状態であって、これにより分散媒に分散されている電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の動きが抑制され固定化されている状態を意味する。本発明において、記録媒体にフレキシブル性を持たせるために、ゲル状は、弾力性のある状態であることが好ましい。一方、液状とは、分散媒が、流動性を有する状態であって、これにより分散媒に分散されている電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子が自由に動くことができる状態を意味する。本発明において、液状は、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の動きが抑制されないように充分に低い粘性を有することが好ましい。
熱可逆性ゲル化剤は、水素結合、ファンデルワールス力、疎水性相互作用、静電的相互作用、π−π相互作用等の弱い二次的結合により網目構造が形成され、それに分散媒が取り込まれることによって分散媒をゲル状にし、一方、加熱によって二次的結合が容易に切断されるため分散媒を液状に戻すと考えられる。特に、ゲル化は、水素結合によってゲル化剤分子が自己会合し、分子間相互作用によって繊維状の会合体が形成され、更にファンデルワールス、疎水性又は静電的な相互作用によってそれらが成長し、繊維状の会合体同士が絡み合うことにより3次元網目構造が形成される。それに分散媒分子が取り込まれることによってゲル化が進行する。
熱可逆性ゲル化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノゲル、ハイドロゲル、などが挙げられる。
前記オルガノゲルは、分散媒である有機溶剤及びシリコーンオイルをゲル化させることができる熱可逆性ゲル化剤である。そのため、前記分散媒として有機溶剤又はシリコーンオイルを用いる場合には、熱可逆性ゲル化剤としては、前記オルガノゲルが適している。
熱可逆性ゲル化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノゲル、ハイドロゲル、などが挙げられる。
前記オルガノゲルは、分散媒である有機溶剤及びシリコーンオイルをゲル化させることができる熱可逆性ゲル化剤である。そのため、前記分散媒として有機溶剤又はシリコーンオイルを用いる場合には、熱可逆性ゲル化剤としては、前記オルガノゲルが適している。
前記オルガノゲルとしては、例えば、1,2,3,4−ジベンジリデン−D−ソルビトール、12−ヒドロキシステアリン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ビス−n−ブチルアミド、スピンラベル化ステロイド、コレステロール誘導体、ジアルキル燐酸アルミニウム、フェノール系環状オリゴマー、2,3−ビス−n−ヘキサデシロキシアントラセン、環状デプシペプチド、部分フッ素化アルカン、シスチン誘導体、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、トリフェニルアミン誘導体、ブチロラクトン誘導体、4級アンモニウム塩、フッ素化アルキル化オリゴマー、尿素誘導体、ビタミンH誘導体、グルコンアミド誘導体、コール酸誘導体、L−アラニン誘導体、L−イソロイシン誘導体、L−バリン誘導体、環状ジペプチド誘導体、オリゴ(α−アミノ酸)、シクロヘキサンジアミン誘導体、1,3,5−シクロヘキサントリカルボンサン誘導体、双頭型アミノ酸誘導体、ハルビツール酸誘導体/トリアミノピリジン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリマー型又はオリゴマー型の熱可逆性ゲル化剤も知られており有用である。
低分子の熱可逆性ゲル化剤は、構造によっては長期間放置により結晶に転移してしまう場合があり、安定性に課題を有するものがある。一方、ポリマー型又はオリゴマー型の熱可逆性ゲル化剤は、分子量分布や屈曲鎖の運動により結晶化しないため有効である。ポリマー型又はオリゴマー型の熱可逆性ゲル化剤としては、例えば、結晶化を妨げるポリマー成分にゲル化を引き起こすゲル化成分を封入することなどによって得ることができる。
低分子の熱可逆性ゲル化剤は、構造によっては長期間放置により結晶に転移してしまう場合があり、安定性に課題を有するものがある。一方、ポリマー型又はオリゴマー型の熱可逆性ゲル化剤は、分子量分布や屈曲鎖の運動により結晶化しないため有効である。ポリマー型又はオリゴマー型の熱可逆性ゲル化剤としては、例えば、結晶化を妨げるポリマー成分にゲル化を引き起こすゲル化成分を封入することなどによって得ることができる。
本発明の記録媒体は、画像記録層に熱可逆性ゲル化剤を用いることから、分散媒のゾルゲル転移の温度応答性が早く(加熱されることによって素早く分散媒を液状にし、常温に戻ることによって瞬時に分散媒をゲル状にする)、それを繰り返しても結晶化してゲルが崩壊することなく、安定に機能されることが重要である。そのため、熱可逆性ゲル化剤の中でも特に以下に示すゲル化剤が有効に用いられる。
熱可逆性ゲル化剤は、まず、水素結合によって素早く会合体を形成することが重要であることから、熱可逆性ゲル化剤の構造中にアミド結合(−NHCO−)を有することが好ましく、複数のアミド結合を有することがより好ましい。熱可逆性ゲル化剤が分散媒をゲル化する原動力は、アミド結合のN−HとC=Oとの間の水素結合の形成にある。温度応答性の高いゲルの形成は、水素結合の反応性によって左右されるので、熱可逆性ゲル化剤は、その分子中にアミド結合を有することが好ましい。
熱可逆性ゲル化剤は、まず、水素結合によって素早く会合体を形成することが重要であることから、熱可逆性ゲル化剤の構造中にアミド結合(−NHCO−)を有することが好ましく、複数のアミド結合を有することがより好ましい。熱可逆性ゲル化剤が分散媒をゲル化する原動力は、アミド結合のN−HとC=Oとの間の水素結合の形成にある。温度応答性の高いゲルの形成は、水素結合の反応性によって左右されるので、熱可逆性ゲル化剤は、その分子中にアミド結合を有することが好ましい。
また、熱可逆性ゲル化剤は、その分子中にウレタン結合(−NHCOO−)を有することがより好ましい。ウレタン結合を持つ熱可逆性ゲル化剤は、アミド結合のみを持つ熱可逆性ゲル化剤に比べて分散媒のゾルゲル転移の温度応答性を更に高める効果を得ることができる。熱可逆性ゲル化剤中のアミド結合又はウレタン結合が一つであっても、熱可逆性ゲル化剤同士は水素結合を形成するが、素早くゲルを形成するためには、熱可逆性ゲル化剤の構造中にアミド結合及び/又はウレタン結合を複数有することが好ましく、多い方がより好ましい。これにより分散媒のゲル化能が高まり、分散媒のゾルゲル転移の温度応答性が格段に早くなるので、本発明において有効である。
また熱可逆性ゲル化剤は、その分子中にシロキサン結合を有することが更に好ましい。前記シロキサン結合とは、珪素(Si)と酸素(O)が交互に結合した構造である。シロキサン結合を有する熱可逆性ゲル化剤の構造の一例を以下に示す。
(式中、R1〜R7は、炭素数が8〜20のアルキル基を表し、R1〜R7は、同じでも異なっていても良い。nは0〜80の整数を表す。)
シロキサン結合を有するゲル化剤は結晶化が起こりにくく、ゲルの安定性を高めることができる。またゲルが柔らかくなる傾向が見られ、本発明の記録媒体のフレキシブル性を高める上で有効である。シロキサン結合が長くなるほど、ゲルが一層柔らかくなり、またゾルゲル転移温度が低下する傾向が見られる。但し、ゲルが過度に柔らかくなると、電気泳動粒子を固定化する機能の低下や、安全性が損なわれる場合がある。記録媒体に設定されるゾルゲル転移温度やフレキシブル性に対し、シロキサン結合の長さを適切に制御することが必要である。
シロキサン結合を有するゲル化剤は結晶化が起こりにくく、ゲルの安定性を高めることができる。またゲルが柔らかくなる傾向が見られ、本発明の記録媒体のフレキシブル性を高める上で有効である。シロキサン結合が長くなるほど、ゲルが一層柔らかくなり、またゾルゲル転移温度が低下する傾向が見られる。但し、ゲルが過度に柔らかくなると、電気泳動粒子を固定化する機能の低下や、安全性が損なわれる場合がある。記録媒体に設定されるゾルゲル転移温度やフレキシブル性に対し、シロキサン結合の長さを適切に制御することが必要である。
本発明におけるシロキサン結合の好ましい長さは、以下のように定義される。すなわち、熱可逆性ゲル化剤の分子中におけるシロキサン結合の珪素数をMとし、分子中におけるアミド結合(−NHCO−)及びウレタン結合(−NHCOO−)の総数をNとすると、下記式を満たす範囲がより好ましい。
0.5≦M/N≦4.0
M/Nが0.5より小さいと、本発明の記録媒体に適したゾルゲル温度よりも高すぎたり、ゲルが不安定であったり、ゲルが固すぎてフレキシブル性が低下する場合がある。
一方、4.0より大きいと、本発明の記録媒体に適したゲル化転移温度よりも低すぎたり、ゲルが柔らかすぎたりして、常温でもゲル化せず、画像保持性が低下する場合がある。
0.5≦M/N≦4.0
M/Nが0.5より小さいと、本発明の記録媒体に適したゾルゲル温度よりも高すぎたり、ゲルが不安定であったり、ゲルが固すぎてフレキシブル性が低下する場合がある。
一方、4.0より大きいと、本発明の記録媒体に適したゲル化転移温度よりも低すぎたり、ゲルが柔らかすぎたりして、常温でもゲル化せず、画像保持性が低下する場合がある。
また本発明においては、熱可逆性ゲル化剤の分子中に炭素数が8以上の長鎖アルキル基及び/又は炭素数が8以上の長鎖アルキレン基を有することがより好ましい。ゲル化剤のアミド結合又はウレタン結合の水素結合によって形成された会合体を繊維状に成長させ、更に三次元網目構造を形成させるためには、会合体同士が相互作用を引き起こしやすい構造が必要である。これらの長鎖アルキル基及び/又は長鎖アルキレン基は、分子間相互作用を促進させて、繊維状の会合体や三次元網目構造の形成に寄与するものと考えられる。長鎖アルキル基の炭素数は8〜20が好ましく、長鎖アルキレン基の炭素数は8〜12が好ましい。
以上のように、本発明の記録媒体においては、熱可逆性を有するゲル化剤であればどのような材料でも適用できる訳ではなく、高絶縁性の分散媒に適用でき、ゾルゲル転移温度が記録媒体の使用環境に適しており、ゾルゲル転移の温度応答性が早く(加熱されることにより素早く分散媒を液状にし、常温に戻ることにより瞬時に分散媒をゲル状にする)、ゾルゲル転移を繰り返しても結晶化してゲルが崩壊することなく、安定に機能されることが重要である。
本発明の記録媒体に用いられる上記熱可逆性ゲル化剤の中でも、特に好ましいゲル化剤の一例を以下に示す。これらは一例であって、本発明のゲル化剤がこれらに限定されるものではない。
(式中、R1及びR2は炭素数が8〜20のアルキル基を表す。R1及びR2は、同じでも異なっていても良い。)
画像記録層における熱可逆性ゲル化剤の含有量は、分散媒が画像の閲覧時及び保存時(例えば常温)にゲル状になり、画像の記録(書込み)時(例えば画像の閲覧時及び保存時よりも高い温度)に液状になるように決めればよいが、分散媒に対して、0.05〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。含有量が、0.05質量%未満では、分散媒のゲル化が不充分となり画像保持性が低下することがあり、50質量%を越えると、加熱しても分散媒の粘性が充分に低下しなかったり、不溶物が残存したりして、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の移動を妨げ、画質劣化を引き起こすことがある。
画像記録層における分散媒のゲル化及びゾル化転移温度には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜120℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。更に、省エネルギー性のことを考慮すると60℃〜80℃が好ましい。
前記ゲル化及びゾル化転移温度は、分散媒の種類、量と、熱可逆性ゲル化剤の種類、量を適宜選択することや、異なる熱可逆性ゲル化剤を適当な比率で混合させることによって調整することができる。ゲル化及びゾル化転移温度が40℃未満であると、通常の環境では問題なくても、直射日光に曝される屋外や炎天下の車内等で使用した場合に、画像保持性が低下する恐れがある。特に、本発明の記録媒体は、PLDとは異なり、屋外を含め様々な環境で用いられるケースが想定されることから、様々な環境での高い画像保持性が求められる。そのような環境でも安定に使用するためには分散媒のゲル化及び液化転移温度は、60℃以上であることがより好ましい。一方、前記ゲル化及びゾル化転移温度が120℃を超えると、その温度に到達するまでにかかる時間が増加し、記録速度や画質の低下を引き起こす場合がある。
前記ゲル化及びゾル化転移温度は、分散媒の種類、量と、熱可逆性ゲル化剤の種類、量を適宜選択することや、異なる熱可逆性ゲル化剤を適当な比率で混合させることによって調整することができる。ゲル化及びゾル化転移温度が40℃未満であると、通常の環境では問題なくても、直射日光に曝される屋外や炎天下の車内等で使用した場合に、画像保持性が低下する恐れがある。特に、本発明の記録媒体は、PLDとは異なり、屋外を含め様々な環境で用いられるケースが想定されることから、様々な環境での高い画像保持性が求められる。そのような環境でも安定に使用するためには分散媒のゲル化及び液化転移温度は、60℃以上であることがより好ましい。一方、前記ゲル化及びゾル化転移温度が120℃を超えると、その温度に到達するまでにかかる時間が増加し、記録速度や画質の低下を引き起こす場合がある。
但し、ゲル化転移温度とゾル化転移温度が必ずしも同じである必要はなく、両者間にヒステリシスがあっても良い。特に、ゲル化転移温度よりも、ゾル化転移温度が高い方が、画像記録の余裕度が高まる場合があり非常に有効である。例えばゾル化転移温度が80℃、ゲル化転移温度が40℃の場合、80℃以上の温度で一度ゾル化させれば、40℃以下になってゲル化するまでの間記録が可能になり、ゾル化転移温度とゲル化転移温度が同じ場合に比べると記録の余裕度を大幅に高めることができる。記録の余裕度が高くなると、コントラストの向上や画像濃度バラツキの低減等、画質向上に有効である。また、印字速度が向上したり、プリンタに配置される加熱装置や電界あるいは磁界印加手段のレイアウトの余裕度を高める効果が得られる。ゾル化転移温度に比べてゲル化転移温度が低くても、画像の記録後に冷却して一度ゲル化させてしまえば、次にゾル化させるためには80℃以上の温度が必要になり、高い画像保持性を維持することが可能になる。
ここで、前記ゲル化及びゾル転移温度とは、分散媒が、熱可逆性ゲル化剤の作用によりゾル(液)状からゲル状へ又はゲル状からゾル(液)状へ転移する温度を意味する。
ここで、前記ゲル化及びゾル転移温度とは、分散媒が、熱可逆性ゲル化剤の作用によりゾル(液)状からゲル状へ又はゲル状からゾル(液)状へ転移する温度を意味する。
前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色、あるいは色の組み合わせ毎に、各セルに含有される分散媒のゾル化転移温度やゲル化転移温度に温度差を与える方法は特に限定されないが、前述のとおり、含有する熱可逆性ゲル化剤の種類を変える方法、熱可逆性ゲル化剤の添加量を変える方法、分散媒を変える方法が好ましく用いられる。これらのうち熱可逆性ゲル化剤の種類及び添加量を変える方法について説明する。
熱可逆性ゲル化剤の種類が異なるというのは、熱可逆性ゲル化剤の構造式が少しでも異なるということを意味する。前述のとおり、熱可逆性ゲル化剤は、様々な種類のものから選択することが可能であり、セル毎にゾル化転移温度やゲル化転移温度に温度差を与えることが可能となる。例えば、白と黒の粒子を含むセルをセルI、白と赤の粒子を含むセルをセルJとし、共に共通な分散媒を含んでいる場合、セルIに含有される熱可逆性ゲル化剤に熱可逆性ゲル化剤Gi、セルJに含有される熱可逆性ゲル化剤に熱可逆性ゲル化剤Gjを用いれば、ゾル化転移温度やゲル化転移温度に温度差を与えることができる。
熱可逆性ゲル化剤の種類が異なるというのは、熱可逆性ゲル化剤の構造式が少しでも異なるということを意味する。前述のとおり、熱可逆性ゲル化剤は、様々な種類のものから選択することが可能であり、セル毎にゾル化転移温度やゲル化転移温度に温度差を与えることが可能となる。例えば、白と黒の粒子を含むセルをセルI、白と赤の粒子を含むセルをセルJとし、共に共通な分散媒を含んでいる場合、セルIに含有される熱可逆性ゲル化剤に熱可逆性ゲル化剤Gi、セルJに含有される熱可逆性ゲル化剤に熱可逆性ゲル化剤Gjを用いれば、ゾル化転移温度やゲル化転移温度に温度差を与えることができる。
但し、熱可逆性ゲル化剤の種類が異なっていても、ゾル化転移温度やゲル化転移温度に表示色を制御するに十分な温度差が得られない場合や、逆に温度差が大きすぎる場合などが起こりうる。その場合は、熱可逆性ゲル化剤を混合することによって、ゾル化転移温度、更にはゲル化転移温度を制御することも可能であり、有効な場合がある。例えば、白の粒子を含むセルをセルI、赤の粒子を含むセルをセルJとし、共に黒の着色剤を含む同じ分散媒を含んでいる場合、セルIとセルJに含有される熱可逆性ゲル化剤の種類が同じでも、これらの混合比率を変えることによって、ゾル化転移温度に温度差を与えることができ、本発明の記録媒体を得ることが可能な場合がある。
熱可逆性ゲル化剤を含有した分散媒のゲル化転移温度及びゾル化転移温度を特定する方法は、ゾル状からゲル状へ又はゲル状からゾル状へ転移する温度を特定できれば特に限定されないが、例えば、以下の方法を用いることができる。
一つは、示差走査熱量分析(DSC)を用いる方法である。装置は、一般に市販されているDSC分析装置が用いられる。熱可逆性ゲル化剤を含むサンプルをセットし、DSCの測定を行うと、昇温過程では吸熱ピークが、降温過程では発熱ピークが観察される。この時、昇温過程における吸熱ピークの温度をゾル化転移温度、降温過程における発熱ピークの温度をゲル化転移温度と見なすことができる。昇温及び降温速度は、早すぎると熱の追従性が低くなり、誤差が大きくなることから、速度を遅くする方が好ましく、5℃/分以下、より好ましくは2℃/分以下である。
一つは、示差走査熱量分析(DSC)を用いる方法である。装置は、一般に市販されているDSC分析装置が用いられる。熱可逆性ゲル化剤を含むサンプルをセットし、DSCの測定を行うと、昇温過程では吸熱ピークが、降温過程では発熱ピークが観察される。この時、昇温過程における吸熱ピークの温度をゾル化転移温度、降温過程における発熱ピークの温度をゲル化転移温度と見なすことができる。昇温及び降温速度は、早すぎると熱の追従性が低くなり、誤差が大きくなることから、速度を遅くする方が好ましく、5℃/分以下、より好ましくは2℃/分以下である。
また、動的粘弾性測定(DMA)を用いる方法も挙げられる。装置は、一般に粘弾性測定装置あるいはレオメーターと称される装置を用いて測定することが可能である。熱可逆性ゲル化剤を含むサンプルをセットし、DMA測定を行うと、貯蔵弾性率(G′)が損失弾性率(G″)を上回る領域と、それらが交差し、更に逆になる領域が観察される。一般にG′>G″の領域ではゲル状態、G′<G″の領域ではゾル状態と見なすことができ、それらが交差する点を昇温過程の場合はゾル化転移温度、降温過程の場合にはゲル化転移温度と見なすことができる。昇温及び降温速度は、早すぎると熱の追従性が低くなり、誤差が大きくなることから、速度を遅くする方が好ましく、5℃/分以下、より好ましくは3℃/分以下である。また、ゾル状態での分散媒の蒸発を抑制するために、サンプルをセットするプレートの周辺をオイルで塞ぐ方法を用いることもでき、有効な場合がある。
他には、液体中で振動子を一定振幅で共振させ、振動子の粘性抵抗が加振力となる電流値を測定することから粘度を求める音叉型振動式粘度計や、サンプル上に振り子の支点となる測定部を配置し、振り子の振動の減衰率を求める剛体振り子型粘弾性測定装置等を用いたり、ゲルサンプルの上に着色液体や物体を置き、加熱による変化を目視観察する方法等、従来公知の様々な方法を用いて測定することが可能である。
他には、液体中で振動子を一定振幅で共振させ、振動子の粘性抵抗が加振力となる電流値を測定することから粘度を求める音叉型振動式粘度計や、サンプル上に振り子の支点となる測定部を配置し、振り子の振動の減衰率を求める剛体振り子型粘弾性測定装置等を用いたり、ゲルサンプルの上に着色液体や物体を置き、加熱による変化を目視観察する方法等、従来公知の様々な方法を用いて測定することが可能である。
<その他の成分>
画像記録層におけるその他の成分としては、例えば、分散剤、界面活性剤などが挙げられる。ただし、これらに限定されるものではなく、これ以外の成分を含有することもできる。
画像記録層におけるその他の成分としては、例えば、分散剤、界面活性剤などが挙げられる。ただし、これらに限定されるものではなく、これ以外の成分を含有することもできる。
<分散剤>
分散剤としては、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の分散媒中での分散性を高め、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の凝集を防止し、安定して電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を泳動させることができる分散剤であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。しかし、分散媒に対して溶解性があり、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の表面に吸着して静電的反発又は立体障害により前記粒子同士の凝集を抑制する機能を持つものが好ましい。また非極性溶媒に可溶な分散媒が好ましく、高分子系の分散剤がより好ましい。何故ならば、特に非極性有機溶媒系での粒子の分散安定性は、高分子化合物の持つ立体効果によるところが大きいからである。
前記高分子系の分散剤としては、塩基性基又は酸性基を有するものが好ましいが、塩基性基を有するものがより好ましい。それは、電気泳動粒子として、例えば、カーボンブラックの様な顔料を用いる場合、塩基性の高分子系の分散剤は、顔料の表面に吸着して正の電荷制御剤として働き、顔料表面を正帯電化する効果があると考えられるからである。
分散剤としては、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の分散媒中での分散性を高め、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の凝集を防止し、安定して電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を泳動させることができる分散剤であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。しかし、分散媒に対して溶解性があり、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の表面に吸着して静電的反発又は立体障害により前記粒子同士の凝集を抑制する機能を持つものが好ましい。また非極性溶媒に可溶な分散媒が好ましく、高分子系の分散剤がより好ましい。何故ならば、特に非極性有機溶媒系での粒子の分散安定性は、高分子化合物の持つ立体効果によるところが大きいからである。
前記高分子系の分散剤としては、塩基性基又は酸性基を有するものが好ましいが、塩基性基を有するものがより好ましい。それは、電気泳動粒子として、例えば、カーボンブラックの様な顔料を用いる場合、塩基性の高分子系の分散剤は、顔料の表面に吸着して正の電荷制御剤として働き、顔料表面を正帯電化する効果があると考えられるからである。
前記塩基性を有する高分子系の分散剤としては、例えば、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジ−tert−ブチルアミノエチルアクリレート、N−フェニルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジフェニルアミノエチルメタクリレート、アミノスチレン、ジメチルアミノスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、ジメチルアミノエトキシスチレン、ジフェニルアミノエチルスチレン、N−フェニルアミノエチルスチレン、2−N−ピペリジルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジン等の塩基性基を有するモノマーの少なくとも1種と、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル又はアリールエステルの少なくとも1種とから得られる重合体などが挙げられる。
前記塩基性を有する高分子系の分散剤としては、市販品を使用することも可能である。該市販品としては、日本ルーブリゾール社製のSolspers17000(シングルポリエステル・アンカー部分:塩基)、Solspers16000(シングルポリエステル・アンカー部分:塩基)、Solspers41000(シングルポリエステル・アンカー部分:酸)、Solspers3000(シングルポリエステル・アンカー部分:酸)が好ましく使用できる。また、別の例として、Disperbyk−2050、2150、160、161、162、163、164、166、167、182(いずれも、ビックケミー・ジャパン社製)も好ましく使用できる。
<界面活性剤>
界面活性剤は、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の分散安定性を向上させて、充分な泳動速度が得られるようにし、かつ画像保持性を高める目的で添加される。
界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系以外の界面活性剤、例えば、イオン性界面活性剤を使用すると、イオン性の界面活性剤が電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の表面に吸着して電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の挙動が不安定になる場合がある。
界面活性剤は、電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の分散安定性を向上させて、充分な泳動速度が得られるようにし、かつ画像保持性を高める目的で添加される。
界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系以外の界面活性剤、例えば、イオン性界面活性剤を使用すると、イオン性の界面活性剤が電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の表面に吸着して電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の挙動が不安定になる場合がある。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリコキシドなどが挙げられる。
上記の中でも、ソルビタントリオレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンオレート、ソルビタントリベヘネート、ソルビタンカプリレートが好ましい。
上記の中でも、ソルビタントリオレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンオレート、ソルビタントリベヘネート、ソルビタンカプリレートが好ましい。
<記録媒体の構成例>
セルを用いた本発明の記録媒体の一例を、図2を用いて説明する。
図2に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材2と、これらの基材に挟まれた(即ち基材に内包された)画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、及び熱可逆性ゲル化剤を含有する着色した分散媒3が一定の間隔で配置されたセル8に封入されている。電気泳動粒子4は、白色以外の色のものでも使用できる。また第一の基材1と第二の基材2とを接着するとともに、画像記録層を封止する目的で、記録媒体の周囲に封止剤9を設けることも可能である。なお、基材1及び基材2のいずれか、もしくは両方にフィラーが含有されていてもよい。
セルを用いた本発明の記録媒体の一例を、図2を用いて説明する。
図2に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材2と、これらの基材に挟まれた(即ち基材に内包された)画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、及び熱可逆性ゲル化剤を含有する着色した分散媒3が一定の間隔で配置されたセル8に封入されている。電気泳動粒子4は、白色以外の色のものでも使用できる。また第一の基材1と第二の基材2とを接着するとともに、画像記録層を封止する目的で、記録媒体の周囲に封止剤9を設けることも可能である。なお、基材1及び基材2のいずれか、もしくは両方にフィラーが含有されていてもよい。
図3に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材2と、これらの基材に挟まれた(即ち基材に内包された)画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、黒色の電気泳動粒子5、及び熱可逆性ゲル化剤を含有する透明な分散媒3が所定の間隔で配置されたセル8に封入されている。電気泳動粒子4及び5は、白色又は黒色以外の色のものでも使用できる。また第一の基材1と第二の基材2とを接着させると共に、画像記録層を封止する目的で、記録媒体の周囲に封止剤9を設けることも可能である。なお、基材1及び基材2のいずれか、もしくは両方にフィラーが含有されていてもよい。
マイクロカプセルを用いた本発明の記録媒体の一例を、図4を用いて説明する。
図4に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材2と、これらの基材に挟まれた(即ち基材に内包された)画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、及び熱可逆性ゲル化剤、及び着色した分散媒3を含有したマイクロカプセル6が複数配列されている。電気泳動粒子4は、白色以外の色のものでも使用できる。なお、基材1及び基材2のいずれか、もしくは両方にフィラーが含有されていてもよい。
図4に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材2と、これらの基材に挟まれた(即ち基材に内包された)画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、及び熱可逆性ゲル化剤、及び着色した分散媒3を含有したマイクロカプセル6が複数配列されている。電気泳動粒子4は、白色以外の色のものでも使用できる。なお、基材1及び基材2のいずれか、もしくは両方にフィラーが含有されていてもよい。
図5に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材2と、これらの基材に挟まれた(即ち基材に内包された)画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、黒色の電気泳動粒子5、及び熱可逆性ゲル化剤を含有した透明な分散媒3を含有したマイクロカプセル6が複数配列されている。電気泳動粒子4と5は、白色又は黒色以外の色のものでも使用できる。なお、基材1及び基材2のいずれか、もしくは両方にフィラーが含有されていてもよい。
画像記録層の厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、20〜60μmが特に好ましい。画像記録層の厚みが5μm未満であると、コントラスト比が低下する場合があり、200μmを超えると、記録速度や解像度が低下したり、駆動電圧を高くする必要が生じる場合がある。なお、前記画像記録層の厚みとは、画像記録層の最も厚い部分のことを指す。例えば図6や図7に記載のように画像記録層の断面形状が真円以外、例えば略円や多角形のような場合には、厚み方向に一番長い部分の長さが、画像記録層の厚みである。
本発明の記録媒体の平均厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15〜1,200μmが好ましく、30〜600μmがより好ましく、50〜260μmが特に好ましい。
本発明の記録媒体の平均厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15〜1,200μmが好ましく、30〜600μmがより好ましく、50〜260μmが特に好ましい。
また、本発明の記録媒体は、画像記録層と基材との間に導電層を設け、該導電層が記録媒体の外部に形成された電極と導通した構造にすることが可能であり有効である。例えば図5の記録媒体の第一の基材1と画像記録層7との間に第一の導電層11を設け、基材と画像記録層の間のいずれか一方に導電層を設けた記録媒体の一例を図8に示す。
図8に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材2と、これらの基材の間に画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、黒色の電気泳動粒子5、及び熱可逆性ゲル化剤を含有した透明な分散媒3を含有したマイクロカプセル6が複数配列され、バインダー樹脂10によって固定化並びに絶縁されている。画像記録層7と第一の基材1との間には第一の導電層11が設けられている。更に、第一の導電層11は、記録媒体の表面に形成された第一の電極13と導通している。この場合、導電層を形成していない第二の基材2は、極力薄くすることが好ましい。
また、図8の別な記録媒体の一例として、図9に示すような、第二の基材2と画像記録層7との間に第二の導電層12を設け、第二の導電層12を電極14と導通させた構成にすることも可能である。更に、図9の別な記録媒体の一例として、図10に示すような、第二の基材2の代わりに導電性基材15を用いた構成にすることも可能である。
なお、図8〜図10では導電層と電極を一体とした場合を示したが、導電層と電極が別体の構成とすることもできる。
図8に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材2と、これらの基材の間に画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、黒色の電気泳動粒子5、及び熱可逆性ゲル化剤を含有した透明な分散媒3を含有したマイクロカプセル6が複数配列され、バインダー樹脂10によって固定化並びに絶縁されている。画像記録層7と第一の基材1との間には第一の導電層11が設けられている。更に、第一の導電層11は、記録媒体の表面に形成された第一の電極13と導通している。この場合、導電層を形成していない第二の基材2は、極力薄くすることが好ましい。
また、図8の別な記録媒体の一例として、図9に示すような、第二の基材2と画像記録層7との間に第二の導電層12を設け、第二の導電層12を電極14と導通させた構成にすることも可能である。更に、図9の別な記録媒体の一例として、図10に示すような、第二の基材2の代わりに導電性基材15を用いた構成にすることも可能である。
なお、図8〜図10では導電層と電極を一体とした場合を示したが、導電層と電極が別体の構成とすることもできる。
加えて、図5の記録媒体の第一の基材1と画像記録層7との間に第一の導電層11を、
第二の基材2と画像記録層7との間に第二の導電層12を設け、基材と画像記録層の間の
いずれにも導電層を設けた記録媒体の一例を図11に示す。
図11に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材2と、これらの基材の間に画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、黒色の電気泳動粒子5、及び熱可逆性ゲル化剤を含有した透明な分散媒3を含有したマイクロカプセル6が複数配列され、バインダー樹脂10によって固定化並びに絶縁されている。画像記録層7と第一の基材1との間には第一の導電層11が、画像記録層7と第二の基材2との間には第二の導電層12が設けられている。更に、第一の導電層11は、記録媒体の外部に形成された第一の電極13と導通しており、第二の導電層12は、記録媒体の反対側の外部に形成された第二の電極14と導通している。
なお、本発明でいう記録媒体の外部とは、記録媒体における画像記録装置に具備された電界印加手段と電気的に接続可能な位置であればよく、例えば、記録媒体の表面、裏面、側面などを指す。また、図11では導電層と電極を一体とした場合を示したが、導電層と電極が別体の構成とすることもできる。
第二の基材2と画像記録層7との間に第二の導電層12を設け、基材と画像記録層の間の
いずれにも導電層を設けた記録媒体の一例を図11に示す。
図11に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材2と、これらの基材の間に画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、黒色の電気泳動粒子5、及び熱可逆性ゲル化剤を含有した透明な分散媒3を含有したマイクロカプセル6が複数配列され、バインダー樹脂10によって固定化並びに絶縁されている。画像記録層7と第一の基材1との間には第一の導電層11が、画像記録層7と第二の基材2との間には第二の導電層12が設けられている。更に、第一の導電層11は、記録媒体の外部に形成された第一の電極13と導通しており、第二の導電層12は、記録媒体の反対側の外部に形成された第二の電極14と導通している。
なお、本発明でいう記録媒体の外部とは、記録媒体における画像記録装置に具備された電界印加手段と電気的に接続可能な位置であればよく、例えば、記録媒体の表面、裏面、側面などを指す。また、図11では導電層と電極を一体とした場合を示したが、導電層と電極が別体の構成とすることもできる。
また、図11の別な記録媒体の一例として、第一の電極13及び第二の電極14は、図12に示すように同じ面に配置することも可能である。
また、図11の別な記録媒体の一例として図13の構成にすることも可能である。
図13に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材15と、これらの基材の間に画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、黒色の電気泳動粒子5、及び熱可逆性ゲル化剤を含有した透明な分散媒3を含有したマイクロカプセル6が複数配列され、バインダー樹脂10によって固定化並びに絶縁されている。画像記録層7と第一の基材1との間には第一の導電層11が設けられ、第一の導電層11は、記録媒体の外部に形成された第一の電極13と導通している。一方、記録媒体の反対側の基材(第二の基材)には、画像記録層7と電気的に接続するように導電性のフィラーを含有した導電性基材15が用いてもよい。
なお、図12、図13では導電層と電極を一体とした場合を示したが、導電層と電極が別体の構成とすることもできる。
また、図11の別な記録媒体の一例として図13の構成にすることも可能である。
図13に示す記録媒体は、第一の基材1と、第二の基材15と、これらの基材の間に画像記録層7を有している。画像記録層7は、白色の電気泳動粒子4、黒色の電気泳動粒子5、及び熱可逆性ゲル化剤を含有した透明な分散媒3を含有したマイクロカプセル6が複数配列され、バインダー樹脂10によって固定化並びに絶縁されている。画像記録層7と第一の基材1との間には第一の導電層11が設けられ、第一の導電層11は、記録媒体の外部に形成された第一の電極13と導通している。一方、記録媒体の反対側の基材(第二の基材)には、画像記録層7と電気的に接続するように導電性のフィラーを含有した導電性基材15が用いてもよい。
なお、図12、図13では導電層と電極を一体とした場合を示したが、導電層と電極が別体の構成とすることもできる。
(画像記録装置、画像記録方法、及び画像記録セット)
本発明の画像記録装置は、本発明の記録媒体の画像記録に用いられる画像記録装置であって、加熱手段と、電界印加手段及び/又は磁界印加手段とを少なくとも有し、好ましくは画像消去手段を有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
画像記録方法は、前記画像記録装置により、前記書換え可能な記録媒体の画像記録層を加熱する領域が、該記録媒体の画像記録層に電界及び/又は磁界を印加する領域より小さいか、大きいか、もしくは同じである。前記書換え可能な記録媒体の画像記録層を加熱する領域が、該記録媒体の画像記録層に電界及び/又は磁界を印加する領域より小さい場合は、例えば、記録媒体全面に電界及び/又は磁界を印加し、画像パターンを熱により記録する方式である。前記書換え可能な記録媒体の画像記録層を加熱する領域が、該記録媒体の画像記録層に電界及び/又は磁界を印加する領域より大きい場合は、例えば、記録媒体全面を加熱し、ゾル化した状態で、画像パターンを電界及び/又は磁界により記録する方式である。更に、前記書換え可能な記録媒体の画像記録層を加熱する領域が、該記録媒体の画像記録層に電界及び/又は磁界を印加する領域と同じ場合は、例えば、記録媒体の画像を記録する領域に熱と電界及び/又は磁界を印加することにより記録する方式である。
本発明の画像記録セットは、本発明の記録媒体と、画像記録装置とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明の画像記録装置は、本発明の記録媒体の画像記録に用いられる画像記録装置であって、加熱手段と、電界印加手段及び/又は磁界印加手段とを少なくとも有し、好ましくは画像消去手段を有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
画像記録方法は、前記画像記録装置により、前記書換え可能な記録媒体の画像記録層を加熱する領域が、該記録媒体の画像記録層に電界及び/又は磁界を印加する領域より小さいか、大きいか、もしくは同じである。前記書換え可能な記録媒体の画像記録層を加熱する領域が、該記録媒体の画像記録層に電界及び/又は磁界を印加する領域より小さい場合は、例えば、記録媒体全面に電界及び/又は磁界を印加し、画像パターンを熱により記録する方式である。前記書換え可能な記録媒体の画像記録層を加熱する領域が、該記録媒体の画像記録層に電界及び/又は磁界を印加する領域より大きい場合は、例えば、記録媒体全面を加熱し、ゾル化した状態で、画像パターンを電界及び/又は磁界により記録する方式である。更に、前記書換え可能な記録媒体の画像記録層を加熱する領域が、該記録媒体の画像記録層に電界及び/又は磁界を印加する領域と同じ場合は、例えば、記録媒体の画像を記録する領域に熱と電界及び/又は磁界を印加することにより記録する方式である。
本発明の画像記録セットは、本発明の記録媒体と、画像記録装置とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<画像記録装置>
本発明に係る画像記録装置は、本発明の記録媒体の画像記録に用いられる画像記録装置であって、加熱手段と、電界及び/又は磁界印加手段とを少なくとも有し、好ましくは画像消去手段を有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。加熱手段、電界及び/又は磁界印加手段、画像消去手段は、必ずしもこの順に設置する必要はなく、自由に設置することが可能である。
画像記録方法は、加熱工程と、電界及び/又は磁界印加工程とを少なくとも含み、好ましくは画像消去工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像記録方法は、前記画像記録装置により好適に実施することができ、前記加熱工程は前記加熱手段により行うことができ、前記電界及び/又は磁界印加工程は前記電界及び/又は磁界印加手段により行うことができ、前記画像消去工程は前記画像消去手段により行うことができる。加熱工程、電界及び/又は磁界印加工程、画像消去工程は、必ずしもこの順に設定する必要はなく、自由に設定することが可能である。
前記画像記録装置は、本発明の記録媒体と一体となっていない、いわゆる外部駆動型の画像記録装置である。
本発明に係る画像記録装置は、本発明の記録媒体の画像記録に用いられる画像記録装置であって、加熱手段と、電界及び/又は磁界印加手段とを少なくとも有し、好ましくは画像消去手段を有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。加熱手段、電界及び/又は磁界印加手段、画像消去手段は、必ずしもこの順に設置する必要はなく、自由に設置することが可能である。
画像記録方法は、加熱工程と、電界及び/又は磁界印加工程とを少なくとも含み、好ましくは画像消去工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像記録方法は、前記画像記録装置により好適に実施することができ、前記加熱工程は前記加熱手段により行うことができ、前記電界及び/又は磁界印加工程は前記電界及び/又は磁界印加手段により行うことができ、前記画像消去工程は前記画像消去手段により行うことができる。加熱工程、電界及び/又は磁界印加工程、画像消去工程は、必ずしもこの順に設定する必要はなく、自由に設定することが可能である。
前記画像記録装置は、本発明の記録媒体と一体となっていない、いわゆる外部駆動型の画像記録装置である。
<加熱手段及び加熱工程>
前記加熱手段は、本発明の記録媒体を、その画像記録層中の分散媒のゾル(液)化転移温度以上にすることができる手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
加熱手段は、画像記録方法に応じて、本発明の記録媒体の画像記録層全域を加熱する場合と、画像記録層の一部を加熱する場合とで使い分けられる。例えば、前者は画像記録層全域を加熱することによってゾル化した後、電界及び/又は磁界を画像記録層の一部に印加することによって画像を記録する場合であり、後者は画像記録層全域に電界及び/又は磁界を印加した後(あるいは印加しながら)、画像記録層の一部を加熱してゾル化することにより画像を記録する場合である。もちろん、加熱する工程と電界及び/又は磁界を印加する工程の順序は逆であっても良い。また、画像を記録する領域にのみ熱と電界を印加する方法も有効である。
画像記録層全域を加熱する場合の加熱方法は特に限定されないが、例えば各種ヒーターを使用することができる。また、電子写真方式の複写機やプリンタに用いられる定着装置が好ましく用いられる。具体的には、例えば加熱ローラなどが挙げられる。前記加熱工程は、本発明の記録媒体を加熱できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記加熱手段により行うことができる。
前記加熱手段は、本発明の記録媒体を、その画像記録層中の分散媒のゾル(液)化転移温度以上にすることができる手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
加熱手段は、画像記録方法に応じて、本発明の記録媒体の画像記録層全域を加熱する場合と、画像記録層の一部を加熱する場合とで使い分けられる。例えば、前者は画像記録層全域を加熱することによってゾル化した後、電界及び/又は磁界を画像記録層の一部に印加することによって画像を記録する場合であり、後者は画像記録層全域に電界及び/又は磁界を印加した後(あるいは印加しながら)、画像記録層の一部を加熱してゾル化することにより画像を記録する場合である。もちろん、加熱する工程と電界及び/又は磁界を印加する工程の順序は逆であっても良い。また、画像を記録する領域にのみ熱と電界を印加する方法も有効である。
画像記録層全域を加熱する場合の加熱方法は特に限定されないが、例えば各種ヒーターを使用することができる。また、電子写真方式の複写機やプリンタに用いられる定着装置が好ましく用いられる。具体的には、例えば加熱ローラなどが挙げられる。前記加熱工程は、本発明の記録媒体を加熱できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記加熱手段により行うことができる。
図14に加熱ローラを用いた加熱手段の一例を示す。図14に示す加熱手段は、熱源31を内蔵した加熱ローラ32と加圧ローラ33と高速応答型サーミスタ34と過熱防止用のサーモスタット35を有している。熱源31としては、ハロゲンヒーター、セラミックヒーターなどが挙げられる。加熱ローラ32としては、鉄、SUSなどの高剛性の芯金上にSiゴムなどが被覆された構成が好ましい。加圧ローラ33としては、芯金上に被転写体のスムーズな通紙、巻き付き防止を行わせる為に、100μm程度の厚みのSiゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などの被膜がコーティングされていることが好ましい。また、加圧ローラ33の端部には加圧アームがあり、スプリング懸架により加熱ローラ32との間に荷重がかけられる構成が好ましい。加圧ローラ33は、ヒーターを内包したヒートローラとし記録面側と裏面側の両方から加熱を行う方法も可能であり、書換え可能な記録媒体30の記録速度を高める上で有効である。
また、図15に示すように、ベルト状のフィルムの回転体39を本発明の記録媒体30に接触配置させ、フィルムの内側に記録媒体30に対向して固定の熱源31を配置した手段が挙げられる。これは、ウォームアップ時間が短く、消費電力が少ないなどのメリットがある。この加熱手段においては、ローラ37、ローラ38によりベルト状のフィルムの回転体39を回転させている。また、加圧ローラ33により記録媒体30を加圧している。また、温度センサー36により熱源31の温度を調節している。
また、前記加熱手段としては、IH(電磁誘導加熱)方式の装置が挙げられる。該IH方式は、励磁コイルに高周波電源(インバーター)を接続して高周波電流を供給すると、IHコイルの周囲に高周波磁界が発生し、この磁場により磁性金属部材に渦電流が流れてジュール熱が発生し加熱が行われる方式である。
また、前記加熱手段としては、IH(電磁誘導加熱)方式の装置が挙げられる。該IH方式は、励磁コイルに高周波電源(インバーター)を接続して高周波電流を供給すると、IHコイルの周囲に高周波磁界が発生し、この磁場により磁性金属部材に渦電流が流れてジュール熱が発生し加熱が行われる方式である。
一方、画像記録層の一部を加熱する場合はサーマルヘッドを用いることが可能である。サーマルヘッドとは、発熱抵抗体を一列に配置し、記録する画像データに対応して選択的に電位を与えて発熱抵抗体を発熱させることで記録媒体に記録を行うデバイスである。
サーマルヘッドとしては、ゾル化転移温度以上に加熱できるものであれば、例えば、ダイレクトサーマルプリンタや熱転写型プリンタなどの感熱式プリンタに使われている従来公知のものを適宜使用することが可能である。サーマルヘッドは、軽量、小型で消費電力が少なく、ストレートパスが可能なものもあり、本発明の記録媒体の画像形成手段として非常に好適である。本発明の記録媒体は、熱可逆性ゲル化剤を用いているため、ゾルゲル転移の温度応答性が高く、サーマルヘッドでも十分に分散媒をゾルゲル転移させることが可能である。また、これにより画像記録は電界だけでなく熱による画像形成も可能となることから、非常に有効かつ有用である。
また、他の方法としては、レーザ光による方法も可能である。これはレーザ光の熱エネルギーを利用して加熱するものであり、サーマルヘッド記録と異なり非接触であるため、記録媒体から離れた位置から記録することが可能である。
その他、加熱手段としては、マイクロウェーブ、IHヒーター等があり、記録媒体を加熱することができれば、特に限定されるものではない。
サーマルヘッドとしては、ゾル化転移温度以上に加熱できるものであれば、例えば、ダイレクトサーマルプリンタや熱転写型プリンタなどの感熱式プリンタに使われている従来公知のものを適宜使用することが可能である。サーマルヘッドは、軽量、小型で消費電力が少なく、ストレートパスが可能なものもあり、本発明の記録媒体の画像形成手段として非常に好適である。本発明の記録媒体は、熱可逆性ゲル化剤を用いているため、ゾルゲル転移の温度応答性が高く、サーマルヘッドでも十分に分散媒をゾルゲル転移させることが可能である。また、これにより画像記録は電界だけでなく熱による画像形成も可能となることから、非常に有効かつ有用である。
また、他の方法としては、レーザ光による方法も可能である。これはレーザ光の熱エネルギーを利用して加熱するものであり、サーマルヘッド記録と異なり非接触であるため、記録媒体から離れた位置から記録することが可能である。
その他、加熱手段としては、マイクロウェーブ、IHヒーター等があり、記録媒体を加熱することができれば、特に限定されるものではない。
<電界又は磁界印加手段及び電界又は磁界印加工程>
前記電界又は磁界印加手段としては、本発明の記録媒体に電界及び/又は磁界を印加できる手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記電界又は磁界印加工程は、本発明の記録媒体に電界及び/又は磁界を印加する工程であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電界又は磁界印加手段により行うことができる。
前記電界又は磁界印加手段としては、本発明の記録媒体に電界及び/又は磁界を印加できる手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記電界又は磁界印加工程は、本発明の記録媒体に電界及び/又は磁界を印加する工程であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電界又は磁界印加手段により行うことができる。
<電界を印加する手段>
電界印加手段は、画像記録方法に応じて、本発明の記録媒体の画像記録層全域に電界を印加する場合と、画像記録層の一部に電界を印加する場合とで使い分けられる。前者は画像記録層全域に電界を印加した後(あるいは印加しながら)、加熱手段によって画像を形成する場合であり、後者は加熱手段によって画像記録層全面を加熱した後、画像記録層の一部に電界を印加することによって画像を記録する場合である。
電界印加手段は、画像記録方法に応じて、本発明の記録媒体の画像記録層全域に電界を印加する場合と、画像記録層の一部に電界を印加する場合とで使い分けられる。前者は画像記録層全域に電界を印加した後(あるいは印加しながら)、加熱手段によって画像を形成する場合であり、後者は加熱手段によって画像記録層全面を加熱した後、画像記録層の一部に電界を印加することによって画像を記録する場合である。
前記記録媒体の画像記録層全域に電界を印加する手段としては、各種帯電器や放電器が用いられるが、電界を印加できれば特に限定されず、例えば、コロナ帯電器、ローラ帯電器、ブラシ帯電器、ブレード帯電器、固体放電器等が挙げられる。
前記コロナ帯電器は、ワイヤーに高電圧を印加し、その周辺の空気をイオン化させ、それを記録媒体表面に移動させることによって帯電させる部材であり、非接触であること、高速追随性が高いこと、帯電均一性が高いことなどの利点がある。このコロナ帯電器は、耐食性が施されたシールドケースに、直径40〜100μmのタングステンワイヤーやステンレスワイヤー等の放電ワイヤーを1〜3列帳架したもので、放電ムラを少なくするために金メッキ処理した放電ワイヤーを使用される場合が多い。このコロナ帯電器にはグリッドがないコロトロン方式と金属細線やパンチングメタルをグリッド(Control Grid or Suppressor Grid)として使用したスコロトロン方式がある。放電ワイヤーにプラス電圧を印加した場合とマイナス電圧を印加した場合とでは放電状態が異なり、プラス電圧を印加した場合にはワイヤーに沿って均一な放電をするのに対し、マイナスでは点状の放電となる。したがって、プラスを印加する場合は、グリッドが無くても帯電がほぼ均一になるのに対し、マイナスの場合にはグリッドがないと、線状に濃淡の帯電ムラが生じるため、均一な帯電を行うためにはグリッドを設けたスコロトロンが好ましい。
前記コロナ帯電器は、ワイヤーに高電圧を印加し、その周辺の空気をイオン化させ、それを記録媒体表面に移動させることによって帯電させる部材であり、非接触であること、高速追随性が高いこと、帯電均一性が高いことなどの利点がある。このコロナ帯電器は、耐食性が施されたシールドケースに、直径40〜100μmのタングステンワイヤーやステンレスワイヤー等の放電ワイヤーを1〜3列帳架したもので、放電ムラを少なくするために金メッキ処理した放電ワイヤーを使用される場合が多い。このコロナ帯電器にはグリッドがないコロトロン方式と金属細線やパンチングメタルをグリッド(Control Grid or Suppressor Grid)として使用したスコロトロン方式がある。放電ワイヤーにプラス電圧を印加した場合とマイナス電圧を印加した場合とでは放電状態が異なり、プラス電圧を印加した場合にはワイヤーに沿って均一な放電をするのに対し、マイナスでは点状の放電となる。したがって、プラスを印加する場合は、グリッドが無くても帯電がほぼ均一になるのに対し、マイナスの場合にはグリッドがないと、線状に濃淡の帯電ムラが生じるため、均一な帯電を行うためにはグリッドを設けたスコロトロンが好ましい。
前記ローラ帯電器は、本発明の記録媒体に電気的に接続又は近接配置させ、該記録媒体の移動に対し連れ周りしながら、記録媒体全面に電荷を付与することができる。ローラ帯電器は、一般的に芯金上に弾性層、最表層の2層からなり、特に弾性層には中抵抗のゴム、例えば、ヒドリンゴム、ウレタンゴムなどが用いられる。これらのゴムにはカーボン、グラファイト、活性炭素繊維、イオン導電材などの抵抗制御材が分散され、体積抵抗率は105〜108Ω・cmに制御される。ローラ帯電器は、オゾンやNOxの生成が少ないし、印加電圧が低く設定でき、消費電力の低減に有効である。
また、放電を伴う帯電器以外の電界印加手段も用いることが可能であり、これらは特に基材と画像記録層との間に導電層を設けたり、基材に導電性基材を用いた記録媒体に好ましく用いられる。これらの記録媒体は、駆動電圧を大幅に低減することが可能になるため、放電を伴う帯電器が不要となり、本発明においては特に好ましい。
画像記録層の両面に導電層又は導電性基材を設けたこれらの記録媒体の場合は、視認する側の導電層又は導電性基材に加える電圧と、視認する側とは反対側の導電層又は導電性基材に加える電圧に差を持たせることにより電界の印加が可能になる。例えば、記録媒体の電極を介して、それと導通した視認する側の導電層に100Vの電圧を印加し、視認する側とは反対側の導電層に導通した電極はアースに電気的に接続させることにより、画像記録層に100Vの電界を印加することが可能になり、その逆に接続すれば、−100Vの電界を印加することが可能になる。
この場合の電界印加手段としては、電極や導電性基材に電気的に接続して、画像記録層に電界を印加できれば特に限定されない。例えば導電性を有するブラシ形状やローラ形状の部材が好ましく用いられ、具体的には、導電性繊維や金属メッキのブラシ、導電性ゴムや金属のローラ等が使用できる。
画像記録層の両面に導電層又は導電性基材を設けたこれらの記録媒体の場合は、視認する側の導電層又は導電性基材に加える電圧と、視認する側とは反対側の導電層又は導電性基材に加える電圧に差を持たせることにより電界の印加が可能になる。例えば、記録媒体の電極を介して、それと導通した視認する側の導電層に100Vの電圧を印加し、視認する側とは反対側の導電層に導通した電極はアースに電気的に接続させることにより、画像記録層に100Vの電界を印加することが可能になり、その逆に接続すれば、−100Vの電界を印加することが可能になる。
この場合の電界印加手段としては、電極や導電性基材に電気的に接続して、画像記録層に電界を印加できれば特に限定されない。例えば導電性を有するブラシ形状やローラ形状の部材が好ましく用いられ、具体的には、導電性繊維や金属メッキのブラシ、導電性ゴムや金属のローラ等が使用できる。
本発明の記録媒体の画像記録層の一部に電界を印加して画像を形成する手段としては、静電潜像を形成でき、該記録媒体に電界を印加して画像を形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記静電潜像を形成する方式としては、電子写真方式及びイオン照射方式が知られており、これらは、本発明において特に有効に用いることができる。なお、電界を印加するために、記録媒体を介して前記画像形成手段と対向する位置に対向電極が配置される。
<電子写真方式の画像形成手段>
前記電子写真方式の電界印加手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、像担持体に帯電を施し、その後、画像パターンに対応した露光を行うことによって像担持体の表面に静電潜像を形成する手段などが挙げられる。
本発明の記録媒体は、静電潜像が形成された像担持体の表面に接触させることによって記録を行うことができる。
前記電子写真方式の画像形成手段は、像担持体と電器と、露光手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて除電手段などのその他の部材を有する。また、本発明の記録媒体に電界を印加するために、前記画像形成手段である像担持体とは、本発明の記録媒体を介して対向する位置に対向電極が配置される。
前記電子写真方式の電界印加手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、像担持体に帯電を施し、その後、画像パターンに対応した露光を行うことによって像担持体の表面に静電潜像を形成する手段などが挙げられる。
本発明の記録媒体は、静電潜像が形成された像担持体の表面に接触させることによって記録を行うことができる。
前記電子写真方式の画像形成手段は、像担持体と電器と、露光手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて除電手段などのその他の部材を有する。また、本発明の記録媒体に電界を印加するために、前記画像形成手段である像担持体とは、本発明の記録媒体を介して対向する位置に対向電極が配置される。
<像担持体>
前記像担持体は、静電潜像が形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アルミニウム、ニッケル等の素管やベルト等による導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質とが混在した一層の感光層からなる単層型であってもよいし、電荷発生層及び電荷輸送層が積層された積層型であってもよい。更に、その最表面に保護層を設けた高耐久型などであってもよい。
前記像担持体は、プラス帯電でもマイナス帯電でも使用可能であるが、電子輸送物質に比べてホール輸送物質の方が豊富に存在するため、静電特性上、マイナス帯電方式(この場合、黒色の電気泳動粒子はプラス帯電)で用いる方が好ましい。ただし、単層型の場合には、電子とホールの輸送が可能なため、プラス帯電方式でも使用できる場合がある。
前記像担持体は、静電潜像が形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アルミニウム、ニッケル等の素管やベルト等による導電性支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質とが混在した一層の感光層からなる単層型であってもよいし、電荷発生層及び電荷輸送層が積層された積層型であってもよい。更に、その最表面に保護層を設けた高耐久型などであってもよい。
前記像担持体は、プラス帯電でもマイナス帯電でも使用可能であるが、電子輸送物質に比べてホール輸送物質の方が豊富に存在するため、静電特性上、マイナス帯電方式(この場合、黒色の電気泳動粒子はプラス帯電)で用いる方が好ましい。ただし、単層型の場合には、電子とホールの輸送が可能なため、プラス帯電方式でも使用できる場合がある。
<帯電器>
前記帯電器としては、像担持体を帯電させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コロナ帯電器、ローラ帯電器、固体放電器、ブラシ帯電器などが挙げられる。これらの中でもコロナ帯電器、ローラ帯電器が好ましい。
前記帯電器としては、像担持体を帯電させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コロナ帯電器、ローラ帯電器、固体放電器、ブラシ帯電器などが挙げられる。これらの中でもコロナ帯電器、ローラ帯電器が好ましい。
<露光手段>
前記露光手段としては、像担持体の表面に静電潜像を形成できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(EL)などが挙げられる。これらの中でも半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)が好ましい。
前記露光手段としては、像担持体の表面に静電潜像を形成できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(EL)などが挙げられる。これらの中でも半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)が好ましい。
<除電手段>
前記除電手段としては、像担持体の表面に形成された静電潜像を全消去することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(EL)、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプなどが挙げられるが、これらの中でも発光ダイオード(LED)が好ましい。
前記除電手段としては、像担持体の表面に形成された静電潜像を全消去することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、半導体レーザー(LD)、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(EL)、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプなどが挙げられるが、これらの中でも発光ダイオード(LED)が好ましい。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、例えばクリーニング手段、潤滑性物質塗布手段などが挙げられる。
前記クリーニング手段は、像担持体表面に付着した異物や放電生成物等を除去する目的で用いられる。該クリーニング手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレード、ブラシなどが挙げられる。クリーニング手段は像担持体に接するように設けることが好ましい。
前記その他の手段としては、例えばクリーニング手段、潤滑性物質塗布手段などが挙げられる。
前記クリーニング手段は、像担持体表面に付着した異物や放電生成物等を除去する目的で用いられる。該クリーニング手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレード、ブラシなどが挙げられる。クリーニング手段は像担持体に接するように設けることが好ましい。
前記潤滑性物質塗布手段は、像担持体表面の離型性を高めたり、前記クリーニング手段との併用により放電生成物を除去する目的で用いられる。
潤滑性物質塗布手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブラシなどが挙げられる。潤滑性物質塗布手段は、像担持体と固形化した潤滑性物質に接するように配置することが好ましい。潤滑性物質塗布手段がブラシの場合には、ブラシが回転することにより像担持体の表面に潤滑性物質が付与される。
前記潤滑性物質としては、例えば、ワックス類、フッ素含有樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、脂肪酸金属塩などが挙げられる。これらの中でも、脂肪酸金属塩が好ましく、ステアリン酸亜鉛がより好ましい。
潤滑性物質塗布手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブラシなどが挙げられる。潤滑性物質塗布手段は、像担持体と固形化した潤滑性物質に接するように配置することが好ましい。潤滑性物質塗布手段がブラシの場合には、ブラシが回転することにより像担持体の表面に潤滑性物質が付与される。
前記潤滑性物質としては、例えば、ワックス類、フッ素含有樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、脂肪酸金属塩などが挙げられる。これらの中でも、脂肪酸金属塩が好ましく、ステアリン酸亜鉛がより好ましい。
<対向電極>
前記対向電極は、本発明の記録媒体を挟むように、像担持体と対向する位置に配置される。対向電極の材質としては、電気を通じるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマスなどの金属及びそれらの合金、カーボンなどが挙げられる。
また、対向電極は、本発明の記録媒体との密着性を高める必要があることから、例えば弾性を有する導電性ロール部材などが有効に利用できる。
前記対向電極は、本発明の記録媒体を挟むように、像担持体と対向する位置に配置される。対向電極の材質としては、電気を通じるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマスなどの金属及びそれらの合金、カーボンなどが挙げられる。
また、対向電極は、本発明の記録媒体との密着性を高める必要があることから、例えば弾性を有する導電性ロール部材などが有効に利用できる。
前記画像記録装置における像担持体を用いた画像形成手段の一例を図16に示す。
本発明の記録媒体30の記録面側には、記録媒体30に接触するように像担持体40が設けられており、記録媒体30の裏面側には記録媒体30を挟むように像担持体40と対向する位置に対向電極44が設けられている。像担持体40の周囲には少なくとも像担持体40を帯電させるための帯電器41と、像担持体40の表面に静電潜像を形成するための露光手段42と、像担持体40の表面の静電潜像を消去するための除電手段43が設けられている。
本発明の記録媒体30の記録面側には、記録媒体30に接触するように像担持体40が設けられており、記録媒体30の裏面側には記録媒体30を挟むように像担持体40と対向する位置に対向電極44が設けられている。像担持体40の周囲には少なくとも像担持体40を帯電させるための帯電器41と、像担持体40の表面に静電潜像を形成するための露光手段42と、像担持体40の表面の静電潜像を消去するための除電手段43が設けられている。
<イオン照射方式の画像形成手段>
前記イオン照射方式の画像形成手段は、例えば一般に放電体から成るイオン流生成部と、生成したイオン流を制御する電極と、イオン流を放出する開口部によって構成される。該イオン流生成部で発生したイオンの流量は、電界によって制御される。
このイオン照射方式は、大気中などイオン生成が可能な雰囲気下で放電電極からの放電により発生するイオンの照射によって直接静電潜像を形成できるため、本発明の記録媒体に直接画像の記録を行うことができる。
また、イオン照射方式としては、例えば、放電電極に印加しただけでは放電が発生せず加熱することにより放電が発生する電圧(放電制御電圧)を印加した状態で、放電電極への選択的な加熱を行って放電を発生させる加熱放電方式が知られている(特許第3725092号公報)。この方式は、放電電極と、放電電極の各々に対応して配設されたサーマルヘッド等の発熱素子とを有しており、放電電極に印加しただけでは放電は発生せず、加熱することによって放電が発生する。そのためイオンの発生の有無を発熱素子によって制御することが可能であり、低電圧駆動や低コスト化、装置の小型化が可能となる。
このイオン照射方式の具体的な画像形成手段としては、例えば上記の機構を備えたイオン照射ヘッドなどが挙げられる。前記イオン照射ヘッドは、放電体と、必要に応じて加熱部材やその他の部材を有する。また、本発明の記録媒体を介して前記イオン照射ヘッドと対向する位置には、対向電極が配置されている。
前記イオン照射方式の画像形成手段は、例えば一般に放電体から成るイオン流生成部と、生成したイオン流を制御する電極と、イオン流を放出する開口部によって構成される。該イオン流生成部で発生したイオンの流量は、電界によって制御される。
このイオン照射方式は、大気中などイオン生成が可能な雰囲気下で放電電極からの放電により発生するイオンの照射によって直接静電潜像を形成できるため、本発明の記録媒体に直接画像の記録を行うことができる。
また、イオン照射方式としては、例えば、放電電極に印加しただけでは放電が発生せず加熱することにより放電が発生する電圧(放電制御電圧)を印加した状態で、放電電極への選択的な加熱を行って放電を発生させる加熱放電方式が知られている(特許第3725092号公報)。この方式は、放電電極と、放電電極の各々に対応して配設されたサーマルヘッド等の発熱素子とを有しており、放電電極に印加しただけでは放電は発生せず、加熱することによって放電が発生する。そのためイオンの発生の有無を発熱素子によって制御することが可能であり、低電圧駆動や低コスト化、装置の小型化が可能となる。
このイオン照射方式の具体的な画像形成手段としては、例えば上記の機構を備えたイオン照射ヘッドなどが挙げられる。前記イオン照射ヘッドは、放電体と、必要に応じて加熱部材やその他の部材を有する。また、本発明の記録媒体を介して前記イオン照射ヘッドと対向する位置には、対向電極が配置されている。
本発明の記録媒体は、加熱することによって画像記録層の分散媒が液状になり画像記録が可能になるため、画像記録時に加熱するこの方式は非常に適している。即ち、書換え可能な記録媒体の画像記録層に電界を印加する領域が、該記録媒体の画像記録層を加熱する領域と同じにすることができる画像記録方法である。そのため、この方法は、加熱手段と画像形成手段の両方をこのイオン照射装置(イオン照射ヘッド)一つで賄うことも可能であり、低コスト化や低消費電力、装置の小型化などに有効である。
イオン照射方式による画像形成手段の一例を図17に示す。
図17では、イオン照射ヘッド45と対向する位置に、記録媒体30の裏面に接触するように対向電極44が設けられ、記録媒体30の記録面にはイオン照射ヘッド45が接触して、又は近接して設けられている。イオン照射ヘッド45内には図示しない放電体と、必要に応じて加熱部材を有しており、加熱放電方式の場合は、加熱することにより放電が起こる領域で電圧を印加し、イオン照射の有無を、加熱部材を用いた温度制御によって行う。
イオン照射ヘッド45の開口部を通過したイオンは、イオン照射ヘッド45と対向電極44との間に形成される電界にしたがって、記録媒体30に付着し、画像が記録される。
図17では、イオン照射ヘッド45と対向する位置に、記録媒体30の裏面に接触するように対向電極44が設けられ、記録媒体30の記録面にはイオン照射ヘッド45が接触して、又は近接して設けられている。イオン照射ヘッド45内には図示しない放電体と、必要に応じて加熱部材を有しており、加熱放電方式の場合は、加熱することにより放電が起こる領域で電圧を印加し、イオン照射の有無を、加熱部材を用いた温度制御によって行う。
イオン照射ヘッド45の開口部を通過したイオンは、イオン照射ヘッド45と対向電極44との間に形成される電界にしたがって、記録媒体30に付着し、画像が記録される。
<磁界を印加して画像を形成する手段>
前記磁界印加手段としては、電界印加手段と同様、画像記録方法に応じて、本発明の記録媒体の画像記録層全域に磁界を印加する場合と、画像記録層の一部に磁界を印加する場合とで使い分けられる。前者は画像記録層全域に磁界を印加しながら、加熱手段によって画像を形成する場合であり、後者は加熱手段によって画像記録層全面を加熱した後、画像記録層の一部に磁界を印加することによって画像を記録する場合である。
前記磁界印加手段としては、電界印加手段と同様、画像記録方法に応じて、本発明の記録媒体の画像記録層全域に磁界を印加する場合と、画像記録層の一部に磁界を印加する場合とで使い分けられる。前者は画像記録層全域に磁界を印加しながら、加熱手段によって画像を形成する場合であり、後者は加熱手段によって画像記録層全面を加熱した後、画像記録層の一部に磁界を印加することによって画像を記録する場合である。
本発明の記録媒体の画像記録層全域に磁界を印加する手段としては、磁石、特にアルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石などの永久磁石や電磁石が好ましく用いられ、電磁石が特に好ましく用いられる。電磁石とは、透磁率の大きい強磁性体の鉄心にコイルを巻いたもので、コイルに電流を通じるとその磁場によって鉄心が磁化されて磁石となり、電流を切れば磁化しない状態に戻る磁石である。
一方、本発明の記録媒体の画像記録層の一部に磁界を印加して画像を形成する手段としては、磁気潜像を形成でき、本発明の記録媒体に磁界を印加して画像を形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マグネットグラフィー方式の磁気プリンタ等に用いられる磁気ヘッドなどが挙げられる。
一方、本発明の記録媒体の画像記録層の一部に磁界を印加して画像を形成する手段としては、磁気潜像を形成でき、本発明の記録媒体に磁界を印加して画像を形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マグネットグラフィー方式の磁気プリンタ等に用いられる磁気ヘッドなどが挙げられる。
<磁気ヘッド>
前記磁気ヘッドは、各チャンネルのコイルに電流を流すことにより、磁極先端部から漏洩磁束が生じ磁気潜像の形成が可能となる。この磁気ヘッドが本発明の記録媒体を走査することによって、該記録媒体の磁気泳動粒子を泳動させ画像が記録される。ただし、磁気ヘッドには、マルチチャンネル型とフルライン型とがあり、マルチチャンネルのヘッドを並べたフルライン型は、ヘッドを走査する必要がなく、高速記録が可能になる。前記ヘッドの材質としては、高透磁率コアに用いられる軟磁性材料が好ましい。該軟磁性材料としては、例えば、Fe−Si−B−C非晶質合金、FeP、パーマロイ(NiFe合金)、FeCoP、CoP、FeB、FeBSi、珪素鋼等の低保磁力、高飽和磁束密度、高透磁率材料などが挙げられる。
また、磁気プリンタは、磁気ヘッドを用いて磁気潜像担持体に磁気潜像を形成することが可能であり、本発明においても磁気潜像を形成した磁気潜像担持体に本発明の記録媒体を接触させて記録を行うことも可能である。
前記磁気ヘッドは、各チャンネルのコイルに電流を流すことにより、磁極先端部から漏洩磁束が生じ磁気潜像の形成が可能となる。この磁気ヘッドが本発明の記録媒体を走査することによって、該記録媒体の磁気泳動粒子を泳動させ画像が記録される。ただし、磁気ヘッドには、マルチチャンネル型とフルライン型とがあり、マルチチャンネルのヘッドを並べたフルライン型は、ヘッドを走査する必要がなく、高速記録が可能になる。前記ヘッドの材質としては、高透磁率コアに用いられる軟磁性材料が好ましい。該軟磁性材料としては、例えば、Fe−Si−B−C非晶質合金、FeP、パーマロイ(NiFe合金)、FeCoP、CoP、FeB、FeBSi、珪素鋼等の低保磁力、高飽和磁束密度、高透磁率材料などが挙げられる。
また、磁気プリンタは、磁気ヘッドを用いて磁気潜像担持体に磁気潜像を形成することが可能であり、本発明においても磁気潜像を形成した磁気潜像担持体に本発明の記録媒体を接触させて記録を行うことも可能である。
前記画像形成手段としては、電界印加手段と磁界印加手段を併用することも可能である。電界印加手段と磁界印加手段を併用し、本発明の記録媒体に、電気泳動粒子と磁気泳動粒子の両方を用い、それらの粒子を異なる色にすることにより、マルチカラー化することができる。
<画像消去手段及び画像消去工程>
前記画像消去手段としては、本発明の記録媒体に電界を印加して該記録媒体に記録された画像を消去する手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記画像消去工程としては、本発明の記録媒体に電界を印加して該記録媒体に記録された画像を消去する工程であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記画像消去手段により行うことができる。
前記画像消去手段としては、本発明の記録媒体に電界を印加して該記録媒体に記録された画像を消去する手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記画像消去工程としては、本発明の記録媒体に電界を印加して該記録媒体に記録された画像を消去する工程であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記画像消去手段により行うことができる。
<電界を印加して画像を消去する手段>
前記電界を印加して画像を消去する手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、対向電極と、帯電器又は放電器とを有する画像消去手段などが挙げられる。具体的には、コロナ帯電器、ローラ帯電器、固体放電器などの、本発明の記録媒体の画像記録層全域に電界を印加する電界印加手段が、画像消去手段としても有効に使用することができる。
前記対向電極としては、前記電子写真方式の画像形成手段の説明において記載した前記対向電極などが挙げられる。
前記電界を印加して画像を消去する手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、対向電極と、帯電器又は放電器とを有する画像消去手段などが挙げられる。具体的には、コロナ帯電器、ローラ帯電器、固体放電器などの、本発明の記録媒体の画像記録層全域に電界を印加する電界印加手段が、画像消去手段としても有効に使用することができる。
前記対向電極としては、前記電子写真方式の画像形成手段の説明において記載した前記対向電極などが挙げられる。
<磁界を印加して画像を消去する手段>
前記磁界を印加して画像を消去する手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、永久磁石、電磁石など、本発明の記録媒体の画像記録層全域に磁界を印加する磁界印加手段が、画像消去手段としても有効に使用することができる。
本発明の記録媒体の記録面及び/又はその裏面に永久磁石を接触させた状態で、該記録媒体又は永久磁石を走査させることによって、記録画像を全消去することが可能である。
前記電磁石は、電流のON/OFFによって磁力制御が可能なため、例えば、電磁石を一列に並べたヘッドを設け、電流をONにした状態で本発明の記録媒体全面に対して前記ヘッドを走査させることによって記録画像を全消去することが可能である。
前記磁界を印加して画像を消去する手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、永久磁石、電磁石など、本発明の記録媒体の画像記録層全域に磁界を印加する磁界印加手段が、画像消去手段としても有効に使用することができる。
本発明の記録媒体の記録面及び/又はその裏面に永久磁石を接触させた状態で、該記録媒体又は永久磁石を走査させることによって、記録画像を全消去することが可能である。
前記電磁石は、電流のON/OFFによって磁力制御が可能なため、例えば、電磁石を一列に並べたヘッドを設け、電流をONにした状態で本発明の記録媒体全面に対して前記ヘッドを走査させることによって記録画像を全消去することが可能である。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の手段としては、例えば、冷却手段が挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、冷却工程が挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、冷却手段が挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、冷却工程が挙げられる。
<冷却手段及び冷却工程>
前記冷却手段としては、本発明の記録媒体の画像記録層を、ゲル化転移温度以下に冷却できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、冷却ファン、冷却ローラ、冷却ベルトなどが挙げられる。前記冷却ローラ、冷却ベルトは、例えば、その内部に水を循環させた水冷方式を採用することができる。
前記冷却工程としては、本発明の記録媒体の画像記録層を、ゲル化転移温度以下に冷却できる工程であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば前記冷却手段により行うことができる。
前記冷却手段及び冷却工程により、画像記録後に分散媒を早期にゲル化させ、画像欠陥を防止できることから、高画質化することができる。
前記冷却手段としては、本発明の記録媒体の画像記録層を、ゲル化転移温度以下に冷却できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、冷却ファン、冷却ローラ、冷却ベルトなどが挙げられる。前記冷却ローラ、冷却ベルトは、例えば、その内部に水を循環させた水冷方式を採用することができる。
前記冷却工程としては、本発明の記録媒体の画像記録層を、ゲル化転移温度以下に冷却できる工程であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば前記冷却手段により行うことができる。
前記冷却手段及び冷却工程により、画像記録後に分散媒を早期にゲル化させ、画像欠陥を防止できることから、高画質化することができる。
なお、本発明の画像記録セットの画像記録装置は、少なくとも加熱手段、電界印加手段及び/又は磁界印加手段を有し、好ましくは画像消去手段を有するが、加熱手段、電界印加手段及び/又は磁界印加手段、画像消去手段のうち2つ以上の手段を組み合わせて1つの手段とすることも可能であり、そのようにすることは、低コスト、低消費電力、装置の小型化などに有効である。
具体的には、加熱手段と電界印加手段とを組み合わせ、加熱しながら画像形成を行うようにすることも可能である。例えば、イオン照射ヘッドに加熱部材を設けたり、像担持体にドラムヒーターを設置したりすることができる。
具体的には、加熱手段と電界印加手段とを組み合わせ、加熱しながら画像形成を行うようにすることも可能である。例えば、イオン照射ヘッドに加熱部材を設けたり、像担持体にドラムヒーターを設置したりすることができる。
また、画像消去手段と電界印加手段とを組み合わせ、画像を全面消去した後に続けて画像記録を行うようにすることも可能である。例えば、電界印加手段を用いて本発明の記録媒体の画像の全面消去を行った後に、同じ電界印加手段で画像を形成することができる。
また、同様に加熱手段と電界印加手段及び/又は磁界印加手段と画像消去手段とを組み合わせることも可能である。例えば、加熱部材としてのドラムヒーターを設置した像担持体を用い、最初に全面ベタパターンを出力することによって、本発明の記録媒体の画像の消去を行い、続けて画像パターンを出力することができる。
本発明の画像記録セットの画像記録装置は、上記のように加熱手段、画像消去手段、電界印加手段及び/又は磁界印加手段を組み合わせたものも使用することが可能であり、全て本発明の範疇に含まれる。
また、同様に加熱手段と電界印加手段及び/又は磁界印加手段と画像消去手段とを組み合わせることも可能である。例えば、加熱部材としてのドラムヒーターを設置した像担持体を用い、最初に全面ベタパターンを出力することによって、本発明の記録媒体の画像の消去を行い、続けて画像パターンを出力することができる。
本発明の画像記録セットの画像記録装置は、上記のように加熱手段、画像消去手段、電界印加手段及び/又は磁界印加手段を組み合わせたものも使用することが可能であり、全て本発明の範疇に含まれる。
また加熱手段、画像消去手段、電界印加手段及び/又は磁界印加手段は、それぞれ複数設置されていてもよい。特に、加熱手段は複数設置することによって画像品質が向上することがある。例えば、本発明の記録媒体が最初の加熱手段を通過してから画像が記録されるまでの間、複数の加熱手段によって温度を維持することにより、どのような温度環境でも安定した画像を形成することが可能となる。特に画像形成手段に像担持体を用いる場合には、加熱手段によって予め加熱されていたとしても、画像形成手段としての像担持体が冷えていると像担持体に接触した時に分散媒のゲル化が始まる場合があるため、像担持体には加熱部材としてのドラムヒーターを設置し、画像記録が終了するまで高温を維持した方が有効な場合がある。
本発明の記録媒体を用いた電気泳動方式の画像記録方法の一例を、図18及び図19を用いて説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
図18に記載の画像記録装置は、本発明の記録媒体30に対し、熱源31を有する加熱ローラ32を記録面と裏面の両方に配備した加熱手段と、記録媒体30の記録面全面にコロナ帯電器を用いて記録を全消去する画像消去手段46と、記録媒体30にイオン照射ヘッド45により画像を形成する画像形成手段と、記録を全消去する時及び画像を形成する時に記録媒体30の背面に電気的に接続するように設けられる対向電極44とから構成されている。前記加熱手段は、更に高速応答型サーミスタ34とサーモスタット35を有している。
図18に記載の画像記録装置は、本発明の記録媒体30に対し、熱源31を有する加熱ローラ32を記録面と裏面の両方に配備した加熱手段と、記録媒体30の記録面全面にコロナ帯電器を用いて記録を全消去する画像消去手段46と、記録媒体30にイオン照射ヘッド45により画像を形成する画像形成手段と、記録を全消去する時及び画像を形成する時に記録媒体30の背面に電気的に接続するように設けられる対向電極44とから構成されている。前記加熱手段は、更に高速応答型サーミスタ34とサーモスタット35を有している。
図19に記載の画像記録装置は、記録媒体30に対し、熱源31に接触して掛け渡されるベルト状のフィルムの回転体39を介して加熱する加熱手段と、記録媒体30の記録面全面にコロナ帯電器を用いて記録を全消去する画像消去手段46と、帯電器41と露光手段42と除電手段43により繰り返し静電潜像が形成可能な像担持体40からなる画像形成手段と、記録を全消去する時及び画像を形成する時に記録媒体30の背面に電気的に接続するように設けられる対向電極44とから構成されている。前記加熱手段は、ローラ37、ローラ38によりベルト状のフィルムの回転体39を回転させている。また、加圧ローラ33により記録媒体30を加圧している。また、温度センサー36により熱源31の温度を調節している。
図18及び図19に示されるように、記録媒体30は、加熱手段で加熱されることによって該記録媒体の分散媒がそれに含まれる熱可逆性ゲル化剤の作用により液状になり、分散媒に分散されている電気泳動粒子が移動できるようになる。次に記録媒体30の記録を全面消去する画像消去手段46によって記録媒体30の記録面全面に均一の電圧が印加されることにより、画像形成に寄与する電気泳動粒子が、画像記録層の視認する面とは反対側に移動する。また画像の背景を構成する電気泳動粒子を含む場合には、それらが視認する面に移動する。例えば、分散媒中にプラスに帯電した黒色の電気泳動粒子が含有されている場合には、画像消去手段46によってプラス帯電を施すことにより、黒色の電気泳動粒子は視認する側とは反対側に移動する。またマイナスに帯電した白色の電気泳動粒子も含んでいる場合には、画像消去手段46によってプラス帯電を施すことにより、黒色の電気泳動粒子は、視認する側とは反対側に移動し、白色の電気泳動粒子は、視認する側に移動する。続いて、記録媒体30に画像パターンに対応した静電潜像を付与することにより、記録媒体30に画像パターンが記録される。
例えば、画像領域にマイナスの静電潜像を付与する画像形成装置の場合は、プラスに帯電した黒色の電気泳動粒子が視認する面側に移動し、非画像領域は、粒子の移動が起こらないので、記録媒体30には黒色の画像パターンが記録される。その後、記録媒体30が室温に冷却されると、記録媒体30中の分散媒が熱可逆性ゲル化剤の作用によりゲル状になることにより、分散媒に含まれる電気泳動粒子は移動できなくなるとともに、分散媒は白色(例えば、白濁)になる。それによって、黒色の電気泳動粒子が視認する面側に移動した画像領域は黒く表示され、それ以外の非画像領域は黒色の電気泳動粒子が視認する面側にないため、白く表示され、画像が形成される。またその画像は、分散媒はゲル化されているために、長期に渡り外部から刺激を与えても安定に保持される。
本発明の記録媒体を用いた電気泳動方式の画像記録方法の他の一例を図20及び図21を用いて説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
図20に記載の画像記録装置は、本発明の記録媒体30に対し、任意の場所を加熱する画像形成手段としてのサーマルヘッド47、記録媒体の外部に形成される第一の電極13に電気的に接続し、記録媒体内の画像記録層に電界を印加するための電界印加手段48、記録媒体の背面に形成される第二の電極14又は導電性基材15(図示せず)に電気的に接続し、記録媒体内の画像記録層に電界を印加するための電界印加手段49から構成されている。
図20に記載の画像記録装置は、本発明の記録媒体30に対し、任意の場所を加熱する画像形成手段としてのサーマルヘッド47、記録媒体の外部に形成される第一の電極13に電気的に接続し、記録媒体内の画像記録層に電界を印加するための電界印加手段48、記録媒体の背面に形成される第二の電極14又は導電性基材15(図示せず)に電気的に接続し、記録媒体内の画像記録層に電界を印加するための電界印加手段49から構成されている。
図21は、図20を横から見た状態を示し、記録媒体には一例として図13に示した記録媒体を用いた。記録媒体30を画像記録装置にセットし搬送すると、記録媒体30の外部に形成された第一の電極13と、画像記録装置に備えられたローラ形状の電界印加手段48が接触する。また、同様に記録媒体30の背面側に形成された導電性基材15と、画像記録装置に備えられたローラ形状の電界印加手段49が接触する。電界印加手段48及び49に電界を印加すると、画像記録層7全体に電界が印加される。なお、第一の導電層11と導電性基材15は導通しておらず、画像記録層7によって絶縁されている。また、図21の他の構成例として、図22や図23のような構成を例示することもできる。
一方、画像記録層7全体に電界を印加すると同時に、サーマルヘッド47によって画像記録層7の任意の領域を加熱する。サーマルヘッド47によって加熱された領域は、記録媒体内の分散媒に含まれる熱可逆性ゲル化剤の作用によって液状になり、画像記録層7全体には既に電界が印加されていることによって、電気泳動粒子が移動できるようになる。
一方、画像記録層7全体に電界を印加すると同時に、サーマルヘッド47によって画像記録層7の任意の領域を加熱する。サーマルヘッド47によって加熱された領域は、記録媒体内の分散媒に含まれる熱可逆性ゲル化剤の作用によって液状になり、画像記録層7全体には既に電界が印加されていることによって、電気泳動粒子が移動できるようになる。
記録媒体30の記録を全面消去する場合には、画像記録層7全体に電界を印加しながら、サーマルヘッド47によって画像記録層7全面を加熱し、分散媒を液状にすると、画像形成に寄与する電気泳動粒子が、画像記録層の視認する面とは反対側に移動することによって、全面を消去することができる。例えば、分散媒中にプラスに帯電した黒色の電気泳動粒子が含有されている場合には、電界印加手段48及び49によって画像記録層7の視認する側にプラス帯電を施すことにより、黒色の電気泳動粒子は視認する側とは反対側に移動する。またマイナスに帯電した白色の電気泳動粒子も含んでいる場合には、それらが視認する側に移動する。その結果、全面が白色に反転し、画像を消去した状態を形成できる。
記録媒体30に画像パターンを記録する場合には、画像記録層7全体に電界を印加しながら、サーマルヘッド47によって任意の領域を加熱し、その部分の分散媒のみを液状にすると、画像形成に寄与する電気泳動粒子が画像記録層7の視認する側に移動する。またマイナスに帯電した白色の電気泳動粒子も含んでいる場合には、それらが視認する側と反対側に移動する。その結果、任意の画像パターンを記録することができる。例えば分散媒中にプラスに帯電した黒色の電気泳動粒子が含有されている場合には、画像記録層7全体が白色に反転した状態から、電界印加手段48及び49によって画像記録層7の視認する側にマイナス帯電を施すことにより、黒色の電気泳動粒子が視認する側に移動する。またマイナスに帯電した白色の電気泳動粒子も含んでいる場合には、それらが視認する側と反対側に移動する。その結果、白地の背景に黒色の任意の画像パターンを記録することができる。
このようにして記録又は消去を行った記録媒体は、冷却されると記録媒体30中の分散媒が熱可逆性ゲル化剤の作用によりゲル状になることにより、分散媒に含まれる電気泳動粒子は移動できなくなるため、画像は長期に亘り保存しても、あるいは外部から刺激を与えても安定に保持される。
サーマルヘッド47を用いた上記画像記録装置は非常にシンプルな構造を有しており、小型化、軽量化、低コスト化、低消費電力化等に非常に有効である。また、これに用いられる外部電極あるいは導電性基材を有する記録媒体は、紙のように薄く、フレキシブル性を保持しながら、画像記録層に直接電界を印加できるため、高コントラスト画像を低駆動電圧で記録することが可能であり、本発明において特に有用である。上記画像記録セットは、書換え可能な携帯型プリンタとして非常に有用である。
サーマルヘッド47を用いた上記画像記録装置は非常にシンプルな構造を有しており、小型化、軽量化、低コスト化、低消費電力化等に非常に有効である。また、これに用いられる外部電極あるいは導電性基材を有する記録媒体は、紙のように薄く、フレキシブル性を保持しながら、画像記録層に直接電界を印加できるため、高コントラスト画像を低駆動電圧で記録することが可能であり、本発明において特に有用である。上記画像記録セットは、書換え可能な携帯型プリンタとして非常に有用である。
本発明の画像記録セットは、上記の記録媒体と、記録媒体を加熱する加熱手段並びに記録媒体に電界及び/又は磁界を印加する電界及び/又は磁界印加手段を備えた画像記録装置とを有する。本発明の画像記録セットには、別々に存在する記録媒体と画像記録装置をセットで使用する態様だけでなく、記録媒体と画像記録装置が一体化されたものも含まれる。一体化された画像記録セットの例を、図24及び図25に示す。
図24は、本発明の記録媒体30と一体化して、前記記録媒体30に画像記録及び画像消去を行うための加熱手段47及び電界及び/又は磁界印加手段51が具備された本発明の画像記録セットである。なお、電界及び/又は磁界印加手段は、図示されていない電界及び/又は磁界印加手段52も備えている。更に、画像消去手段や冷却手段など、これ以外の手段が含まれていても良い。
図24に示す画像記録セットは、記録媒体30が固定化され、これに一体化された加熱手段47、電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)が、記録媒体30の外部を移動することにより、記録媒体30に画像の記録及び消去が可能となる。
図24は、本発明の記録媒体30と一体化して、前記記録媒体30に画像記録及び画像消去を行うための加熱手段47及び電界及び/又は磁界印加手段51が具備された本発明の画像記録セットである。なお、電界及び/又は磁界印加手段は、図示されていない電界及び/又は磁界印加手段52も備えている。更に、画像消去手段や冷却手段など、これ以外の手段が含まれていても良い。
図24に示す画像記録セットは、記録媒体30が固定化され、これに一体化された加熱手段47、電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)が、記録媒体30の外部を移動することにより、記録媒体30に画像の記録及び消去が可能となる。
また、図24の別な一例を図25に示す。図25は、本発明の記録媒体30と一体化して、前記記録媒体30に画像記録及び画像消去を行うための、加熱手段47及び電界及び/又は磁界印加手段51が具備された本発明の画像記録セットである。なお、電界及び/又は磁界印加手段は、図示されていない電界及び/又は磁界印加手段52も備えている。更に、画像消去手段や冷却手段など、これ以外の手段が含まれていても良い。
図25に示す画像記録セットは、加熱手段47、電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)が固定化され、記録媒体30がこれに接する形で移動することにより、記録媒体30に画像の記録及び消去が可能となる。
図25に示す画像記録セットは、加熱手段47、電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)が固定化され、記録媒体30がこれに接する形で移動することにより、記録媒体30に画像の記録及び消去が可能となる。
更に、本発明の画像記録セットは、図26に示すようなロールスクリーン型の構成にすることもでき、非常に有用である。図26の画像記録セットは、前記記録媒体30と、加熱手段47並びに電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)以外に、フレキシブルなシート状のスクリーン53と、前記スクリーン53の巻き取り及び巻き解きを行う駆動部(図示せず)とを有し、前記スクリーン53に前記記録媒体30が設けられたロールスクリーン型の画像記録セットである。また、前記画像記録セットは、前記スクリーン53や記録媒体30、加熱装置47、電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)等を収納するための収納部54を設けることが可能である。図27には、図26を横から見た図を示す。なお、スクリーンの巻き取りとは、スクリーンがシート状に広げられた状態から、ロール状に巻き取ることを示し、巻き解きとは前記巻き取りとは反対に、スクリーンをロール状に巻き取った状態から、シート状に広げることを示す。また、前記記録媒体30が設けられた前記スクリーン53は、前記スクリーン53に記録媒体30を貼り付けたものでも良いし、前記スクリーン53と記録媒体30が一体化したものであっても良い。
前記画像記録セットは、前記記録媒体30が設けられたスクリーン53を巻き取りあるいは巻き解きする過程で、前記加熱手段並びに電界及び/又は磁界印加手段を用いて、前記記録媒体30に記録又は消去を行うことができる。画像の記録や消去は、前記スクリーンの巻き取り過程であっても巻き解き過程であっても、あるいは各々別であっても良い。
例えば、収納部54内に収納された前記記録媒体30が設けられたスクリーン53が巻き解かれ、収納部54より引き出される際、加熱装置47及び電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)によって、スクリーン53に設けられた記録媒体30に画像を記録することが可能である。一方、引き出されたスクリーン53を巻き取り、収納部47に引き込まれる際、加熱装置47及び電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)によって、スクリーン53に設けられた記録媒体30に記録された画像を消去することが可能である。
例えば、収納部54内に収納された前記記録媒体30が設けられたスクリーン53が巻き解かれ、収納部54より引き出される際、加熱装置47及び電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)によって、スクリーン53に設けられた記録媒体30に画像を記録することが可能である。一方、引き出されたスクリーン53を巻き取り、収納部47に引き込まれる際、加熱装置47及び電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)によって、スクリーン53に設けられた記録媒体30に記録された画像を消去することが可能である。
また、前記スクリーン54に設けられた前記記録媒体30への記録及び消去を、前記スクリーン54の巻き取り時に共通して行ったり、巻き解き時に共通して行うことも可能である。更に、前記記録媒体30が設けられた前記スクリーン53を巻き解きながら画像を記録し、その後、前記スクリーン53を巻き取りする際に消去せず、再度巻き解きする際に、一度記録した画像に上書きすることも可能である。
前記画像記録セットは、図26及び図27のように、加熱装置47及び電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)によって、画像の記録及び消去の両方を行うほか、記録用と消去用の加熱装置47及び電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)を別途配置させることも可能であり、コントラストの向上や残像の抑制において有効な場合がある。
前記画像記録セットは、図26及び図27のように、加熱装置47及び電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)によって、画像の記録及び消去の両方を行うほか、記録用と消去用の加熱装置47及び電界及び/又は磁界印加手段51及び52(図示せず)を別途配置させることも可能であり、コントラストの向上や残像の抑制において有効な場合がある。
また、前記スクリーン53に一枚の記録媒体30を設けるほか、図26のように、複数の記録媒体30を設けることも可能である。例えば、一枚の記録媒体30では2色の表示しかできなかったとしても、色の異なる複数の記録媒体30を設けることにより、マルチカラー表示が可能となり、有効な場合がある。
更に、前記画像記録装置は、前記スクリーン53が一定速度で巻き取り及び巻き解きできるように、巻き取り及び巻き解きを行う駆動部(図示せず)が電動方式であることが好ましい。また、前記スクリーン53を保持するためのスクリーン保持部材を設けることも可能であり有用である。前記スクリーン保持部材は、前記スクリーン53の動きに合わせて、伸縮可能であることが好ましい。
図28には、同様の画像記録セットにおいて、一台で二枚のスクリーンを有し、前記スクリーン上にそれぞれ前記記録媒体を設けることにより、表裏両方に書換えが可能な画像記録セットの一例を示す。この場合、各々の記録媒体30に異なる画像を記録することが可能である。前記スクリーン54を保持するための伸縮可能なスクリーン保持部材55を設けることができ、前記スクリーン54のカールや捻れを抑制する上で有効な場合がある。
更に、前記画像記録装置は、前記スクリーン53が一定速度で巻き取り及び巻き解きできるように、巻き取り及び巻き解きを行う駆動部(図示せず)が電動方式であることが好ましい。また、前記スクリーン53を保持するためのスクリーン保持部材を設けることも可能であり有用である。前記スクリーン保持部材は、前記スクリーン53の動きに合わせて、伸縮可能であることが好ましい。
図28には、同様の画像記録セットにおいて、一台で二枚のスクリーンを有し、前記スクリーン上にそれぞれ前記記録媒体を設けることにより、表裏両方に書換えが可能な画像記録セットの一例を示す。この場合、各々の記録媒体30に異なる画像を記録することが可能である。前記スクリーン54を保持するための伸縮可能なスクリーン保持部材55を設けることができ、前記スクリーン54のカールや捻れを抑制する上で有効な場合がある。
本発明の前記ロールスクリーン型画像記録セットについて利点を挙げると、例えば以下のことが挙げられる。
一つ目は、記録媒体が薄くて軽く、フレキシブル性を有するため、設けられたスクリーンを収納部に収納することができ、持ち運びが容易になる。従来のサイネージや看板は、可搬性が低く、特に大型になると大がかりな設置作業を必要としていた。
二つ目に天井や窓ガラスなどに設置することが可能であり、設置自由度が高い。例えば窓ガラスに設置した場合、遮光目的のみならず、情報表示の機能が得られる。
三つ目に記録媒体の画像を書換えできるため、スクリーンの印刷や交換、あるいは取り外しの作業等が不要であり、かつ繰り返し使用できるためスクリーンやインク等の廃棄物が生じない。そのため、コスト削減に有効である。
四つ目に記録媒体に画素電極やTFT基板を設ける必要がないため、生産コストが低減でき、大面積化に対しても有利である。また、故障しにくいことから長寿命化できる。
五つ目に反射型表示であり、一度記録を行うと高い画像保持性を有するため、屋外での視認性に優れ、かつ表示中の電力が不要である。
これらの一体化された画像記録セットは、静止画専用の看板や広告、案内表示等への用途にも使用でき、非常に有効である。
一つ目は、記録媒体が薄くて軽く、フレキシブル性を有するため、設けられたスクリーンを収納部に収納することができ、持ち運びが容易になる。従来のサイネージや看板は、可搬性が低く、特に大型になると大がかりな設置作業を必要としていた。
二つ目に天井や窓ガラスなどに設置することが可能であり、設置自由度が高い。例えば窓ガラスに設置した場合、遮光目的のみならず、情報表示の機能が得られる。
三つ目に記録媒体の画像を書換えできるため、スクリーンの印刷や交換、あるいは取り外しの作業等が不要であり、かつ繰り返し使用できるためスクリーンやインク等の廃棄物が生じない。そのため、コスト削減に有効である。
四つ目に記録媒体に画素電極やTFT基板を設ける必要がないため、生産コストが低減でき、大面積化に対しても有利である。また、故障しにくいことから長寿命化できる。
五つ目に反射型表示であり、一度記録を行うと高い画像保持性を有するため、屋外での視認性に優れ、かつ表示中の電力が不要である。
これらの一体化された画像記録セットは、静止画専用の看板や広告、案内表示等への用途にも使用でき、非常に有効である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」である。
また、「%」はID変化率の場合を除き「質量%」である。
また、「%」はID変化率の場合を除き「質量%」である。
<ゾル化転移温度及びゲル化転移温度の測定方法>
実施例及び比較例で用いた熱可逆性ゲル化剤のゾルゲル転移温度は以下のようにして測定した。
熱可逆性ゲル化剤を分散媒中に添加し、加熱溶融させ十分に撹拌した後、冷却することによって得られたゲルサンプルについて、示差走査熱量分析(測定装置:DSC Q200、TA Instruments社製)によりゾル化転移温度及びゲル化転移温度を測定した。
測定条件は、10℃から2℃/分の速度で90℃まで昇温し、同じく2℃/分の速度で10℃まで降温させ、更に90℃まで昇温させるサイクルで行った。DSC測定によって得られた2回目昇温時の吸熱ピーク温度をゾル化転移温度とし、降温時の発熱ピーク温度をゲル化転移温度とした。
実施例及び比較例で用いた熱可逆性ゲル化剤のゾルゲル転移温度は以下のようにして測定した。
熱可逆性ゲル化剤を分散媒中に添加し、加熱溶融させ十分に撹拌した後、冷却することによって得られたゲルサンプルについて、示差走査熱量分析(測定装置:DSC Q200、TA Instruments社製)によりゾル化転移温度及びゲル化転移温度を測定した。
測定条件は、10℃から2℃/分の速度で90℃まで昇温し、同じく2℃/分の速度で10℃まで降温させ、更に90℃まで昇温させるサイクルで行った。DSC測定によって得られた2回目昇温時の吸熱ピーク温度をゾル化転移温度とし、降温時の発熱ピーク温度をゲル化転移温度とした。
<電気泳動粒子1の作製>
撹拌機及び温度制御装置を備えた反応容器に、エタノール93部と水7部を混合した溶媒を入れ、氷酢酸でpH4.5に調整した。これに3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート16部を加えて溶解させた後、酸化チタン100部を加えて10分間攪拌した。次いで、エタノール180部を加えて攪拌し、遠心分離で回収した固体分を一昼夜放置した後、70℃で4時間真空乾燥して表面処理酸化チタンを得た。
次に、撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器内に、トルエン70部と上記の表面処理酸化チタン40部を加えて撹拌し、これに、ラウリルメタクリレート50部及びアゾビスイソブチロニトリル0.3部をトルエン25部に溶解した溶液を加えて撹拌し、窒素雰囲気下、70℃で7時間加熱攪拌した。反応終了後、固体分を、遠心分離とトルエン洗浄を繰り返すことにより分離精製し、最後に70℃で4時間真空乾燥して目的とする負帯電性の白色の電気泳動粒子1を得た。
撹拌機及び温度制御装置を備えた反応容器に、エタノール93部と水7部を混合した溶媒を入れ、氷酢酸でpH4.5に調整した。これに3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート16部を加えて溶解させた後、酸化チタン100部を加えて10分間攪拌した。次いで、エタノール180部を加えて攪拌し、遠心分離で回収した固体分を一昼夜放置した後、70℃で4時間真空乾燥して表面処理酸化チタンを得た。
次に、撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器内に、トルエン70部と上記の表面処理酸化チタン40部を加えて撹拌し、これに、ラウリルメタクリレート50部及びアゾビスイソブチロニトリル0.3部をトルエン25部に溶解した溶液を加えて撹拌し、窒素雰囲気下、70℃で7時間加熱攪拌した。反応終了後、固体分を、遠心分離とトルエン洗浄を繰り返すことにより分離精製し、最後に70℃で4時間真空乾燥して目的とする負帯電性の白色の電気泳動粒子1を得た。
<電気泳動粒子2の作製>
メタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ社製サイラプレーンFM−0711)14部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(東京化成社製)1部、及び、重合開始剤のアゾビスジメチルバレロニトリル0.1部をトルエン180部に溶解し、窒素雰囲気下、60℃で6時間加熱した。反応終了後、トルエンを蒸発させて除去し分散剤を得た。
次いで、撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器内に前記分散剤1部、カーボンブラック1.5部、シリコーンオイル200部を混合し、氷冷しながらホモジナイザーで1時間超音波照射し、カーボンブラックを分散した。これにメタクリル酸メチル6部、メタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ社製、サイラプレーンFM−0725 分子量約10000)3部、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド0.1部、及び重合開始剤のアゾビスジメチルバレロニトリル0.05部を加え、60℃で6時間反応させた。反応終了後、固体成分のみを回収、乾燥することにより目的とする正帯電性の黒色の電気泳動粒子2を得た。
メタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ社製サイラプレーンFM−0711)14部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(東京化成社製)1部、及び、重合開始剤のアゾビスジメチルバレロニトリル0.1部をトルエン180部に溶解し、窒素雰囲気下、60℃で6時間加熱した。反応終了後、トルエンを蒸発させて除去し分散剤を得た。
次いで、撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器内に前記分散剤1部、カーボンブラック1.5部、シリコーンオイル200部を混合し、氷冷しながらホモジナイザーで1時間超音波照射し、カーボンブラックを分散した。これにメタクリル酸メチル6部、メタクリロキシプロピル変性シリコーン(チッソ社製、サイラプレーンFM−0725 分子量約10000)3部、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド0.1部、及び重合開始剤のアゾビスジメチルバレロニトリル0.05部を加え、60℃で6時間反応させた。反応終了後、固体成分のみを回収、乾燥することにより目的とする正帯電性の黒色の電気泳動粒子2を得た。
<電気泳動粒子3の作製>
電気泳動粒子1の作製において、カーボンブラックの代わりにキナクリドン(PR−122:大日精化社製)を用いた点以外は、電気泳動粒子2と同様にして、正帯電性のマゼンタ色の電気泳動粒子3を得た。
電気泳動粒子1の作製において、カーボンブラックの代わりにキナクリドン(PR−122:大日精化社製)を用いた点以外は、電気泳動粒子2と同様にして、正帯電性のマゼンタ色の電気泳動粒子3を得た。
<電気泳動粒子4の作製>
電気泳動粒子1の作製において、カーボンブラックの代わりにシアン顔料(シアニンブルー4933M:大日精化社製)を用いた点以外は、電気泳動粒子2と同様にして、正帯電性のシアン色の電気泳動粒子4を得た。
電気泳動粒子1の作製において、カーボンブラックの代わりにシアン顔料(シアニンブルー4933M:大日精化社製)を用いた点以外は、電気泳動粒子2と同様にして、正帯電性のシアン色の電気泳動粒子4を得た。
<熱可逆性ゲル化剤の合成>
合成した熱可逆性ゲル化剤の一例を以下に示す。
下記〔化12〕の熱可逆性ゲル化剤は、特開2004−182697号公報に記載された方法を参考にして合成した。また下記〔化13〕〜〔化26〕の熱可逆性ゲル化剤は、特開2005−232108号公報に記載の方法を参考にして合成した。
合成した熱可逆性ゲル化剤の一例を以下に示す。
下記〔化12〕の熱可逆性ゲル化剤は、特開2004−182697号公報に記載された方法を参考にして合成した。また下記〔化13〕〜〔化26〕の熱可逆性ゲル化剤は、特開2005−232108号公報に記載の方法を参考にして合成した。
[実施例1]
<分散液1の作製>
イソパラフィン系炭化水素溶媒(Isopar G、エクソン化学社製)5.7部に、前記白色の電気泳動粒子1を4.0部、前記シアン色の電気泳動粒子4を0.2部、及び分散剤(Solsperse17000、ルブリゾール社製)0.05部、界面活性剤(ソルビタンモノラウレートSpan20、東京化成工業社製)0.05部を加えて超音波分散を行った。これをゾル化転移温度以上に加熱し、前記〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤を0.5部添加し、ゾル化転移温度以上で加熱混合して、分散液1を作製した。
なお、〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤と前記イソパラフィン系炭化水素溶媒によるゲルサンプルをDSC測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は51℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は41℃であった。
<分散液1の作製>
イソパラフィン系炭化水素溶媒(Isopar G、エクソン化学社製)5.7部に、前記白色の電気泳動粒子1を4.0部、前記シアン色の電気泳動粒子4を0.2部、及び分散剤(Solsperse17000、ルブリゾール社製)0.05部、界面活性剤(ソルビタンモノラウレートSpan20、東京化成工業社製)0.05部を加えて超音波分散を行った。これをゾル化転移温度以上に加熱し、前記〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤を0.5部添加し、ゾル化転移温度以上で加熱混合して、分散液1を作製した。
なお、〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤と前記イソパラフィン系炭化水素溶媒によるゲルサンプルをDSC測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は51℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は41℃であった。
<マイクロカプセルスラリー1の作製>
水にゼラチンを加え、40℃に加熱して30分間撹拌し、2.5%のゼラチン水溶液100部を得た。次いで液温をゾル化転移温度以上に上昇させ、撹拌しながら、予めゾル化転移温度以上に加熱した前記分散液1を15部、ゼラチン水溶液の液面より下からゆっくりと添加した。次いで5%のアラビアゴム水溶液25部を投入し、30分間撹拌を継続した。その後、上記水溶液に10%酢酸水溶液をpHが3.5になるまで滴下し、30分間撹拌を継続した。次いで、液温を5℃に設定して60分間保持し、25%グルタルアルデヒド水溶液1.2部をゆっくりと滴下し、30分間撹拌を継続した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を、pHが9.0になるまでゆっくりと滴下し、30分間撹拌を継続した。その後、液温を40℃まで昇温し、120分間撹拌を行った後、液温を室温まで冷却して一昼夜撹拌を行った。最後に得られたカプセルスラリーを、洗浄水のpHが5.0になるまで洗浄を繰り返し、更に篩を使って分級を行い、マイクロカプセルスラリー1を得た。
水にゼラチンを加え、40℃に加熱して30分間撹拌し、2.5%のゼラチン水溶液100部を得た。次いで液温をゾル化転移温度以上に上昇させ、撹拌しながら、予めゾル化転移温度以上に加熱した前記分散液1を15部、ゼラチン水溶液の液面より下からゆっくりと添加した。次いで5%のアラビアゴム水溶液25部を投入し、30分間撹拌を継続した。その後、上記水溶液に10%酢酸水溶液をpHが3.5になるまで滴下し、30分間撹拌を継続した。次いで、液温を5℃に設定して60分間保持し、25%グルタルアルデヒド水溶液1.2部をゆっくりと滴下し、30分間撹拌を継続した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を、pHが9.0になるまでゆっくりと滴下し、30分間撹拌を継続した。その後、液温を40℃まで昇温し、120分間撹拌を行った後、液温を室温まで冷却して一昼夜撹拌を行った。最後に得られたカプセルスラリーを、洗浄水のpHが5.0になるまで洗浄を繰り返し、更に篩を使って分級を行い、マイクロカプセルスラリー1を得た。
<分散液2の作製>
分散液1の作製において、前記シアン色の電気泳動粒子4を、マゼンタ色の電気泳動粒子3に変更し、分散剤を無添加とし、更に分散媒である前記イソパラフィン系炭化水素溶媒をシリコーンオイル(KF96−10sc、信越化学工業社製)に変更した点以外は、分散液1の作製と同様にして、分散液2を得た。
なお、〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤と前記シリコーンオイルによるゲルサンプルをDSC測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は79℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は69℃であった。
分散液1の作製において、前記シアン色の電気泳動粒子4を、マゼンタ色の電気泳動粒子3に変更し、分散剤を無添加とし、更に分散媒である前記イソパラフィン系炭化水素溶媒をシリコーンオイル(KF96−10sc、信越化学工業社製)に変更した点以外は、分散液1の作製と同様にして、分散液2を得た。
なお、〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤と前記シリコーンオイルによるゲルサンプルをDSC測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は79℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は69℃であった。
<マイクロカプセルスラリー2の作製>
分散液2を用い、マイクロカプセルスラリー1の作製と同様にして、マイクロカプセルスラリー2を得た。
分散液2を用い、マイクロカプセルスラリー1の作製と同様にして、マイクロカプセルスラリー2を得た。
<記録媒体1の作製>
前記マイクロカプセルスラリー1とマイクロカプセルスラリー2を1:1の重量比で混合した後、ヒートシール用のウレタン樹脂と混合し、厚み50μmのポリエステル基材上にブレード塗工して画像記録層を形成し、自然乾燥した後、更に70℃で30分間乾燥を行った。その後、画像記録層上に絶縁性の熱硬化樹脂液を画像記録層が覆われる程度に薄くブレード塗布し、80℃で30分間乾燥硬化させ、記録媒体1を作製した。
前記マイクロカプセルスラリー1とマイクロカプセルスラリー2を1:1の重量比で混合した後、ヒートシール用のウレタン樹脂と混合し、厚み50μmのポリエステル基材上にブレード塗工して画像記録層を形成し、自然乾燥した後、更に70℃で30分間乾燥を行った。その後、画像記録層上に絶縁性の熱硬化樹脂液を画像記録層が覆われる程度に薄くブレード塗布し、80℃で30分間乾燥硬化させ、記録媒体1を作製した。
[実施例2]
<分散液3の作製>
実施例1において、分散液1に含有される熱可逆性ゲル化剤〔化15〕を〔化13〕に変更し、更にシアン色の電気泳動粒子4を、黒色の電気泳動粒子2に変更した点以外は、実施例1と同様にして、分散液3を得た。なお、〔化13〕の熱可逆性ゲル化剤と、前記イソパラフィン系炭化水素溶媒によるゲルサンプルのDSC測定結果は、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)が45℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)が30℃であった。
<分散液3の作製>
実施例1において、分散液1に含有される熱可逆性ゲル化剤〔化15〕を〔化13〕に変更し、更にシアン色の電気泳動粒子4を、黒色の電気泳動粒子2に変更した点以外は、実施例1と同様にして、分散液3を得た。なお、〔化13〕の熱可逆性ゲル化剤と、前記イソパラフィン系炭化水素溶媒によるゲルサンプルのDSC測定結果は、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)が45℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)が30℃であった。
<分散液4の作製>
実施例1において、分散液1に含有される熱可逆性ゲル化剤〔化15〕を〔化16〕に変更した点以外は実施例1と同様にして、分散液4を得た。なお、〔化16〕の熱可逆性ゲル化剤と、前記イソパラフィン系炭化水素溶媒によるゲルサンプルのDSC測定結果は、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)が59℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)が24℃であった。
実施例1において、分散液1に含有される熱可逆性ゲル化剤〔化15〕を〔化16〕に変更した点以外は実施例1と同様にして、分散液4を得た。なお、〔化16〕の熱可逆性ゲル化剤と、前記イソパラフィン系炭化水素溶媒によるゲルサンプルのDSC測定結果は、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)が59℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)が24℃であった。
<マイクロカプセルスラリー3及び4の作製>
分散液3及び4を用い、実施例1と同様にして、マイクロカプセルスラリー3及び4を作製した。
分散液3及び4を用い、実施例1と同様にして、マイクロカプセルスラリー3及び4を作製した。
<記録媒体2の作製>
前記マイクロカプセルスラリー3と前記マイクロカプセルスラリー4を1:1の重量比で混合した後、実施例1と同様にして記録媒体2を作製した。
前記マイクロカプセルスラリー3と前記マイクロカプセルスラリー4を1:1の重量比で混合した後、実施例1と同様にして記録媒体2を作製した。
[実施例3]
<分散液5及びマイクロカプセルスラリー5の作製>
実施例1において、分散液1に含有される白色の電気泳動粒子1を4.0部から2.2部に変更し、シアン色の電気泳動粒子4を無添加とし、更に着色剤として青色染料(オイルブルー2N、オリエント化学工業社製)を0.05部添加し、分散媒を7.7部に増量した点以外は、実施例1と同様にして分散液5及びマイクロカプセルスラリー5を得た。
<分散液5及びマイクロカプセルスラリー5の作製>
実施例1において、分散液1に含有される白色の電気泳動粒子1を4.0部から2.2部に変更し、シアン色の電気泳動粒子4を無添加とし、更に着色剤として青色染料(オイルブルー2N、オリエント化学工業社製)を0.05部添加し、分散媒を7.7部に増量した点以外は、実施例1と同様にして分散液5及びマイクロカプセルスラリー5を得た。
<記録媒体3の作製>
前記マイクロカプセルスラリー5と前記マイクロカプセルスラリー2を1:1の重量比で混合した後、実施例1と同様にして記録媒体3を作製した。
前記マイクロカプセルスラリー5と前記マイクロカプセルスラリー2を1:1の重量比で混合した後、実施例1と同様にして記録媒体3を作製した。
[比較例1]
<記録媒体4の作製>
実施例1において、分散液1及び分散液2に含有される熱可逆性ゲル化剤を無添加とした点以外は、実施例1と同様にして、記録媒体4を作製した。
<記録媒体4の作製>
実施例1において、分散液1及び分散液2に含有される熱可逆性ゲル化剤を無添加とした点以外は、実施例1と同様にして、記録媒体4を作製した。
[比較例2]
<記録媒体5の作製>
実施例1において、分散液2に含有されるシリコーンオイルを、分散液1と同じイソパラフィン系炭化水素溶媒に変更した点以外は、実施例1と同様にして、記録媒体5を作製した。
<記録媒体5の作製>
実施例1において、分散液2に含有されるシリコーンオイルを、分散液1と同じイソパラフィン系炭化水素溶媒に変更した点以外は、実施例1と同様にして、記録媒体5を作製した。
<画像評価>
実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた記録媒体1〜5を、下記方法を用いて反転させ、得られた画像の評価を行った。最初に記録媒体1について説明する。
画像形成装置は、帯電装置としてコロナチャージャーが設けられ、アースに接続した金属板上にセットした記録媒体上を非接触で移動することにより帯電させる構成とした。加熱装置は、金属板の背面にホットプレートを設け、金属板ごとに加熱する構成とした。
前記記録媒体を前記金属板上にセットし、ホットプレートを用いて90℃に加熱した後、コロナチャージャーにより全面にプラスの帯電処理を行うと、全面が白に反転した。次いで、空冷及び水冷によって20℃にまで冷却した後、再びホットプレートを用いて、記録媒体全面を90℃に加熱し、全面にコロナチャージャーによってマイナスの帯電処理を行うと、白色からシアン色とマゼンタ色の混色(青色)に変化した。次いで、空冷及び水冷によって20℃にまで冷却した後、再びホットプレートを用いて、記録媒体全面を60℃に加熱し、全面にコロナチャージャーによってプラスの帯電処理を行うと、青色から白色とマゼンタ色の混色(淡赤紫色)に変化した。最後に、記録媒体全面を90℃に加熱し、全面にコロナチャージャーによってマイナスの帯電処理を行って全面を一旦白色に反転させた後、再びホットプレートを用いて、記録媒体全面を60℃に加熱し、全面にコロナチャージャーによってマイナスの帯電処理を行うと、白とシアン色の混色(水色)に変化した。これらの結果、記録媒体は、白色、青色、濃赤紫色、水色の4色表示が可能になった。再び、ホットプレートを用いて全面を90℃に加熱した後、コロナチャージャーにより全面にプラスの帯電処理を行うと、全面が白に反転し、消去することができた。
実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた記録媒体1〜5を、下記方法を用いて反転させ、得られた画像の評価を行った。最初に記録媒体1について説明する。
画像形成装置は、帯電装置としてコロナチャージャーが設けられ、アースに接続した金属板上にセットした記録媒体上を非接触で移動することにより帯電させる構成とした。加熱装置は、金属板の背面にホットプレートを設け、金属板ごとに加熱する構成とした。
前記記録媒体を前記金属板上にセットし、ホットプレートを用いて90℃に加熱した後、コロナチャージャーにより全面にプラスの帯電処理を行うと、全面が白に反転した。次いで、空冷及び水冷によって20℃にまで冷却した後、再びホットプレートを用いて、記録媒体全面を90℃に加熱し、全面にコロナチャージャーによってマイナスの帯電処理を行うと、白色からシアン色とマゼンタ色の混色(青色)に変化した。次いで、空冷及び水冷によって20℃にまで冷却した後、再びホットプレートを用いて、記録媒体全面を60℃に加熱し、全面にコロナチャージャーによってプラスの帯電処理を行うと、青色から白色とマゼンタ色の混色(淡赤紫色)に変化した。最後に、記録媒体全面を90℃に加熱し、全面にコロナチャージャーによってマイナスの帯電処理を行って全面を一旦白色に反転させた後、再びホットプレートを用いて、記録媒体全面を60℃に加熱し、全面にコロナチャージャーによってマイナスの帯電処理を行うと、白とシアン色の混色(水色)に変化した。これらの結果、記録媒体は、白色、青色、濃赤紫色、水色の4色表示が可能になった。再び、ホットプレートを用いて全面を90℃に加熱した後、コロナチャージャーにより全面にプラスの帯電処理を行うと、全面が白に反転し、消去することができた。
記録媒体1と同様にして記録媒体2〜5についても評価を行った。
表1には、最初に90℃でプラス帯電処理し全面白色に反転させ、冷却後再び90℃でマイナス帯電処理した時の色味の変化、冷却した後、続けて60℃でプラス帯電処理した時の色味の変化、最後に全面白色に反転させ冷却させた後、60℃でマイナス帯電処理した時の色味の変化を示す。なお、記録媒体2については、設定温度60℃で加熱するところを、50℃に設定して評価を行った。
表1には、最初に90℃でプラス帯電処理し全面白色に反転させ、冷却後再び90℃でマイナス帯電処理した時の色味の変化、冷却した後、続けて60℃でプラス帯電処理した時の色味の変化、最後に全面白色に反転させ冷却させた後、60℃でマイナス帯電処理した時の色味の変化を示す。なお、記録媒体2については、設定温度60℃で加熱するところを、50℃に設定して評価を行った。
また、アイソパーは、イソパラフィン系炭化水素溶媒(Isopar G、エクソン化学社製)を、シリコーンオイルは、KF96−10sc、信越化学工業社製を表す。
以上のように、本発明の記録媒体1〜3は、4色の表示が可能となり、更に記録媒体をそのまま2か月間保存しても、色味に変化は認められなかった。また、印字後手で触れても画像が乱れることはなかった。一方、比較例の記録媒体4及び5は、2色しか表示することができなかった。更に、熱可逆性ゲル化剤を含まない記録媒体4は、印字後手で触れると画像が乱れた。更に記録媒体を金属板から取り出す際に、静電気によって色味が変化してしまい、画像保持性が極めて低いことがわかった。
[実施例4]
<記録媒体6の作製>
実施例1で得られた前記マイクロカプセルスラリー1とマイクロカプセルスラリー2を1:1の重量比で混合した後、ヒートシール用のウレタン樹脂と混合し、片面にITO(酸化インジウム・スズ)膜を設けた厚み50μmのポリエステル基材のITO膜上にブレード塗工して画像記録層を形成し、自然乾燥後更に70℃で30分間乾燥を行った。次いで、マイクロカプセル層の上に絶縁性の熱硬化性樹脂液をマイクロカプセル層が覆われる程度に薄くブレード塗布し、80℃で30分間乾燥を行って硬化させた。画像記録層や熱硬化性樹脂が塗布されていないITO面が剥き出しになった端部に金属箔テープを貼り、それを折り曲げてポリエステル基材の表面と導通する部分を形成し、これを電極とした。最後に端部を絶縁することにより、記録媒体6を作製した。
<記録媒体6の作製>
実施例1で得られた前記マイクロカプセルスラリー1とマイクロカプセルスラリー2を1:1の重量比で混合した後、ヒートシール用のウレタン樹脂と混合し、片面にITO(酸化インジウム・スズ)膜を設けた厚み50μmのポリエステル基材のITO膜上にブレード塗工して画像記録層を形成し、自然乾燥後更に70℃で30分間乾燥を行った。次いで、マイクロカプセル層の上に絶縁性の熱硬化性樹脂液をマイクロカプセル層が覆われる程度に薄くブレード塗布し、80℃で30分間乾燥を行って硬化させた。画像記録層や熱硬化性樹脂が塗布されていないITO面が剥き出しになった端部に金属箔テープを貼り、それを折り曲げてポリエステル基材の表面と導通する部分を形成し、これを電極とした。最後に端部を絶縁することにより、記録媒体6を作製した。
[実施例5]
<記録媒体7の作製>
実施例4において、マイクロカプセル層の上に絶縁性の熱硬化性樹脂液を塗布し、乾燥及び硬化した後、更に銀ペースト(ドータイト、藤倉化成社製)をブレード塗布し、乾燥を行った。画像記録層や熱硬化性樹脂が塗布されていないITO面が剥き出しになった端部に金属箔テープを貼り、それを折り曲げてポリエステル基材の表面と導通する部分を形成し、これを電極とした。最後に端部を絶縁することにより、記録媒体7を作製した。
<記録媒体7の作製>
実施例4において、マイクロカプセル層の上に絶縁性の熱硬化性樹脂液を塗布し、乾燥及び硬化した後、更に銀ペースト(ドータイト、藤倉化成社製)をブレード塗布し、乾燥を行った。画像記録層や熱硬化性樹脂が塗布されていないITO面が剥き出しになった端部に金属箔テープを貼り、それを折り曲げてポリエステル基材の表面と導通する部分を形成し、これを電極とした。最後に端部を絶縁することにより、記録媒体7を作製した。
[実施例6]
<記録媒体8の作製>
実施例4において、マイクロカプセル層の上に絶縁性の熱硬化性樹脂液を塗布し、乾燥させる前に、ITO膜を設けたポリエステル基材のITO面を貼り合わせ、ローラーで平滑になるようにした後、硬化させた。貼り合わせていない表面側と背面側のITO面に、それぞれ金属箔テープを貼り、それらが接触しないように折り曲げてポリエステル基材の表面及び背面と導通する部分を形成し、これを電極とした。最後に端部を絶縁することにより、記録媒体8を作製した。
<記録媒体8の作製>
実施例4において、マイクロカプセル層の上に絶縁性の熱硬化性樹脂液を塗布し、乾燥させる前に、ITO膜を設けたポリエステル基材のITO面を貼り合わせ、ローラーで平滑になるようにした後、硬化させた。貼り合わせていない表面側と背面側のITO面に、それぞれ金属箔テープを貼り、それらが接触しないように折り曲げてポリエステル基材の表面及び背面と導通する部分を形成し、これを電極とした。最後に端部を絶縁することにより、記録媒体8を作製した。
[実施例7]
<分散液6の作製>
シリコーンオイル(KF−96、10cs、信越化学工業社製)7.9部に、前記白色の電気泳動粒子1を2.0部、界面活性剤(ソルビタンモノラウレートSpan20、東京化成工業社製)0.05部、黄色の着色剤(オイルイエローGG−S、オリエント化学工業社製)0.05部を加え、超音波分散を行った。これをゾル化転移温度以上に加熱し、前記〔化28〕の熱可逆性ゲル化剤を0.5部添加し撹拌を行い、分散液6を作製した。なお、〔化28〕の熱可逆性ゲル化剤と前記シリコーンオイルによるゲルサンプルをDSCで測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は66℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は41℃であった。
<分散液6の作製>
シリコーンオイル(KF−96、10cs、信越化学工業社製)7.9部に、前記白色の電気泳動粒子1を2.0部、界面活性剤(ソルビタンモノラウレートSpan20、東京化成工業社製)0.05部、黄色の着色剤(オイルイエローGG−S、オリエント化学工業社製)0.05部を加え、超音波分散を行った。これをゾル化転移温度以上に加熱し、前記〔化28〕の熱可逆性ゲル化剤を0.5部添加し撹拌を行い、分散液6を作製した。なお、〔化28〕の熱可逆性ゲル化剤と前記シリコーンオイルによるゲルサンプルをDSCで測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は66℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は41℃であった。
<マイクロカプセルスラリー6の作製>
分散液6を用い、実施例1と同様にして、マイクロカプセルスラリー6を得た。
分散液6を用い、実施例1と同様にして、マイクロカプセルスラリー6を得た。
<記録媒体9の作製>
実施例1により得られたマイクロカプセルスラリー2と、マイクロカプセルスラリー6を1:1の重量比になるように混合し、ヒートシール用のウレタン樹脂と混合した。その後、実施例5と同様にして、記録媒体9を作製した。
実施例1により得られたマイクロカプセルスラリー2と、マイクロカプセルスラリー6を1:1の重量比になるように混合し、ヒートシール用のウレタン樹脂と混合した。その後、実施例5と同様にして、記録媒体9を作製した。
[実施例8]
<記録媒体10の作製>
マイクロカプセルスラリー5とマイクロカプセルスラリー6を用い、実施例5と同様にして、記録媒体10を作製した。
<記録媒体10の作製>
マイクロカプセルスラリー5とマイクロカプセルスラリー6を用い、実施例5と同様にして、記録媒体10を作製した。
[比較例3]
<記録媒体11の作製>
実施例5において、熱可逆性ゲル化剤を無添加とした点以外は、実施例5と同様にして、記録媒体11を作製した。
<記録媒体11の作製>
実施例5において、熱可逆性ゲル化剤を無添加とした点以外は、実施例5と同様にして、記録媒体11を作製した。
[比較例4]
<記録媒体12の作製>
実施例5において、マイクロカプセルスラリー1に含有される分散媒を、シリコーンオイル(KF−96、10cs、信越化学工業社製)に変更した点以外は、実施例5と同様にして、記録媒体12を作製した。
<記録媒体12の作製>
実施例5において、マイクロカプセルスラリー1に含有される分散媒を、シリコーンオイル(KF−96、10cs、信越化学工業社製)に変更した点以外は、実施例5と同様にして、記録媒体12を作製した。
<画像評価方法>
実施例4〜8及び比較例3〜4で得られた記録媒体6〜12を、下記方法を用いて反転させ、得られた画像の評価を行った。
図20及び図21に示す構成の画像記録装置を作製し、これを用いて記録媒体に画像を印字し、評価を行った。前記画像記録装置は、記録媒体が直線的に搬送できるように設計し、記録媒体の視認する側には、サーマルヘッドによる加熱手段、及び記録媒体の電極に電気的に接続し画像記録層に電界を生じさせるためのローラ形状の電界印加手段を配置した。サーマルヘッドは、任意の温度に設定できるようにした。一方、記録媒体の背面側、即ち視認する側と反対側には、電界を印加することが可能な導電性のプラテンローラーを配置した。更に、記録媒体が排紙される部分に冷却装置としてファンを設けた。
例えば、記録媒体の視認する側に配置された電界印加手段に50Vを印加し、背面側に配置された電界印加手段(導電性プラテンローラー)をアースに接続することにより、記録媒体の画像記録層に+50Vの電界を生じさせることができる。一方、記録媒体の視認する側に配置された電界印加手段にアースを接続し、背面側の電界印加手段に50Vを印加することにより、記録媒体の画像記録層に−50Vを印加することができる。
実施例4〜8及び比較例3〜4で得られた記録媒体6〜12を、下記方法を用いて反転させ、得られた画像の評価を行った。
図20及び図21に示す構成の画像記録装置を作製し、これを用いて記録媒体に画像を印字し、評価を行った。前記画像記録装置は、記録媒体が直線的に搬送できるように設計し、記録媒体の視認する側には、サーマルヘッドによる加熱手段、及び記録媒体の電極に電気的に接続し画像記録層に電界を生じさせるためのローラ形状の電界印加手段を配置した。サーマルヘッドは、任意の温度に設定できるようにした。一方、記録媒体の背面側、即ち視認する側と反対側には、電界を印加することが可能な導電性のプラテンローラーを配置した。更に、記録媒体が排紙される部分に冷却装置としてファンを設けた。
例えば、記録媒体の視認する側に配置された電界印加手段に50Vを印加し、背面側に配置された電界印加手段(導電性プラテンローラー)をアースに接続することにより、記録媒体の画像記録層に+50Vの電界を生じさせることができる。一方、記録媒体の視認する側に配置された電界印加手段にアースを接続し、背面側の電界印加手段に50Vを印加することにより、記録媒体の画像記録層に−50Vを印加することができる。
<画像評価>
記録媒体6を前記画像記録装置にセットし、電界印加手段を用いて画像記録層に+50Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を90℃に設定し、全面黒ベタパターンを入力した。その結果、記録媒体6は全面が白色に反転した。続いて、記録媒体6を再度画像記録装置にセットし、画像記録層に−50Vを印加しながらサーマルヘッドの温度を90℃に設定し、記録媒体の右半分にチェッカーパターンを出力した。その結果、左半分は白色のまま変化がなく、右半分は白色と青色のチェッカーパターンが印字された。次に、画像記録層に+50Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を60℃に設定し、右半分の黒帯パターンを出力した。その結果、左半分は白色のまま変化がなく、右半分のチェッカーパターン部は、青色から明赤紫色に変化した。最後に、画像記録層に−50Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を60℃に設定し、記録媒体の左半分に文字を出力した。その結果、記録媒体の右半分は変化がなかったが、左半分には水色の文字が印字されていることを確認した。
記録媒体7〜12についても記録媒体6と同様にして画像を出力し、色味の変化を観察した。結果を表2に示す。なお、記録媒体9についてはサーマルヘッドの設定温度を60℃から73℃に変更して、評価を行った。
記録媒体6を前記画像記録装置にセットし、電界印加手段を用いて画像記録層に+50Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を90℃に設定し、全面黒ベタパターンを入力した。その結果、記録媒体6は全面が白色に反転した。続いて、記録媒体6を再度画像記録装置にセットし、画像記録層に−50Vを印加しながらサーマルヘッドの温度を90℃に設定し、記録媒体の右半分にチェッカーパターンを出力した。その結果、左半分は白色のまま変化がなく、右半分は白色と青色のチェッカーパターンが印字された。次に、画像記録層に+50Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を60℃に設定し、右半分の黒帯パターンを出力した。その結果、左半分は白色のまま変化がなく、右半分のチェッカーパターン部は、青色から明赤紫色に変化した。最後に、画像記録層に−50Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を60℃に設定し、記録媒体の左半分に文字を出力した。その結果、記録媒体の右半分は変化がなかったが、左半分には水色の文字が印字されていることを確認した。
記録媒体7〜12についても記録媒体6と同様にして画像を出力し、色味の変化を観察した。結果を表2に示す。なお、記録媒体9についてはサーマルヘッドの設定温度を60℃から73℃に変更して、評価を行った。
また、得られた画像については、目視による画像評価を行った。評価基準は次のとおりである。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
◎:特に問題は認められず、画像品質が良好なレベル
○:若干画像品質は劣るものの、ほとんど目立たず、問題にならないレベル
×:本発明の効果がまったく認められないレベル
〔評価基準〕
◎:特に問題は認められず、画像品質が良好なレベル
○:若干画像品質は劣るものの、ほとんど目立たず、問題にならないレベル
×:本発明の効果がまったく認められないレベル
また、アイソパーは、イソパラフィン系炭化水素溶媒(Isopar G、エクソン化学社製)を、シリコーンオイルは、KF96−10sc、信越化学工業社製を表す。
本発明の記録媒体は、加熱装置にサーマルヘッドを用いることによって、任意の画像パターンを様々な色で印字することが可能になった。また、記録媒体の片面に電極を設けるよりも両面に電極を設けた方が、コントラストや色再現性が高くなり、より良好な画像を得ることができた。更に、これらの記録媒体をそのまま2か月間保存しても、色味に変化は認められず、画像保持性に優れていることが確認された。一方、熱可逆性ゲル化剤を無添加にすると、2色表示しかできないばかりか、印字直後から色味が変化し、記録媒体に手で触れたり、記録媒体を画像記録装置から取り出す際に、画像にノイズが入り、画像が保持できなかった。また、異なる色の粒子を有するマイクロカプセルのゾル化転移温度及びゲル化転移温度を同じにすると、2色しか表示することができず、本発明の効果を得ることができなかった。
[実施例9]
<記録媒体13の作製>
マイクロカプセルスラリー1と、マイクロカプセルスラリー2と、マイクロカプセルスラリー5を1:1:1の重量比になるように混合し、実施例6と同様にして記録媒体13を作製した。
<記録媒体13の作製>
マイクロカプセルスラリー1と、マイクロカプセルスラリー2と、マイクロカプセルスラリー5を1:1:1の重量比になるように混合し、実施例6と同様にして記録媒体13を作製した。
記録媒体13を、前記画像記録装置にセットし、電界印加手段を用いて、画像記録層に+70Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を90℃に設定し、全面黒ベタパターンを入力した。その結果、記録媒体13は全面が白色に変化した。続いて、記録媒体13を再度画像記録装置にセットし、画像記録層に−70Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を90℃に設定し、記録媒体全面にチェッカーパターンを出力した。その結果、白色と暗灰色のチェッカーパターンが出力された。次に、画像記録層に+70Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を72℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの暗灰色部は明赤紫色に変化し、白色と明赤紫色のチェッカーパターンが出力された。次に、画像記録層に、−70Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を72℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの白色部は緑色に変化し、明赤紫色部は暗灰色に変化し、緑色と暗灰色のチェッカーパターンが出力された。次に、画像記録層に+70Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を60℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの緑色部は黄色に変化し、暗灰色部は赤色に変化し、黄色と赤色のチェッカーパターンが印字された。次に、画像記録層に+70Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を72℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの黄色部は白色に変化し、赤色部は明赤紫色に変化し、白色と明赤紫色のチェッカーパターンが出力された。最後に、画像記録層に−70Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を60℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの白色部は空色に変化し、明赤紫色部は青色に変化し、空色と青色のチェッカーパターンが出力された。
[実施例10]
<分散液7の作製>
シリコーンオイル(KF−96、10cs、信越化学工業社製)5.9部に、前記マゼンタ色の電気泳動粒子3を2.0部、非電気泳動粒子として白色のポリビニルナフタレン粒子を2.0部、界面活性剤(ソルビタンモノラウレートSpan20、東京化成工業社製)0.05部、着色剤(オイルイエローGG−S、オリエント化学工業社製)0.05部を加えて超音波分散を行った。これをゾル化転移温度以上に加熱し、前記〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤を0.5部添加し撹拌を行い、分散液7を作製した。
<分散液7の作製>
シリコーンオイル(KF−96、10cs、信越化学工業社製)5.9部に、前記マゼンタ色の電気泳動粒子3を2.0部、非電気泳動粒子として白色のポリビニルナフタレン粒子を2.0部、界面活性剤(ソルビタンモノラウレートSpan20、東京化成工業社製)0.05部、着色剤(オイルイエローGG−S、オリエント化学工業社製)0.05部を加えて超音波分散を行った。これをゾル化転移温度以上に加熱し、前記〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤を0.5部添加し撹拌を行い、分散液7を作製した。
<分散液8の作製>
分散液7に含有されるシリコーンオイルをイソパラフィン系炭化水素溶媒(Isopar G、エクソン化学社製)に変更し、電気泳動粒子3をシアン色の電気泳動粒子4に変更し、着色剤を無添加とした点以外は、分散液7と同様にして、分散液8を作製した。
分散液7に含有されるシリコーンオイルをイソパラフィン系炭化水素溶媒(Isopar G、エクソン化学社製)に変更し、電気泳動粒子3をシアン色の電気泳動粒子4に変更し、着色剤を無添加とした点以外は、分散液7と同様にして、分散液8を作製した。
<マイクロカプセルスラリー7及び8の作製>
分散液7及び8を用い、実施例1と同様にして、マイクロカプセルスラリー7及び8を作製した。
分散液7及び8を用い、実施例1と同様にして、マイクロカプセルスラリー7及び8を作製した。
<記録媒体14の作製>
マイクロカプセルスラリー7と、マイクロカプセルスラリー8を1.2:0.8の重量比になるように混合し、実施例5と同様にして、記録媒体14を作製した。
マイクロカプセルスラリー7と、マイクロカプセルスラリー8を1.2:0.8の重量比になるように混合し、実施例5と同様にして、記録媒体14を作製した。
記録媒体14を、前記画像記録装置にセットし、電界印加手段を用いて、画像記録層に+60Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を90℃に設定し、全面黒ベタパターンを入力した。その結果、記録媒体14は全面が薄黄色に変化した。続いて、記録媒体14を再度画像記録装置にセットし、画像記録層に−60Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を90℃に設定し、記録媒体全面にチェッカーパターンを出力した。その結果、薄黄色と青色のチェッカーパターンが出力された。次に、画像記録層に+60Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を60℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの薄黄色部は変化せず、青色部は明赤紫色に変化し、薄黄色と明赤紫色のチェッカーパターンが出力された。次に、画像記録層に−60Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を60℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの薄黄色部は緑色に、明赤紫色部は青色に変化し、緑色と青色のチェッカーパターンが出力された。ポリビニルナフタレンを含有したことにより、色味がより鮮明になった。
[実施例11]
<分散液9の作製>
実施例1の分散液1において、熱可逆性ゲル化剤の含有量を0.1部に変更した点以外は、実施例1と同様にして分散液9を作製した。なお、〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤と前記イソパラフィン系炭化水素溶媒によるゲルサンプルをDSCで測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は46℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は36℃であった。
<分散液9の作製>
実施例1の分散液1において、熱可逆性ゲル化剤の含有量を0.1部に変更した点以外は、実施例1と同様にして分散液9を作製した。なお、〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤と前記イソパラフィン系炭化水素溶媒によるゲルサンプルをDSCで測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は46℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は36℃であった。
<分散液10の作製>
実施例1の分散液1において、熱可逆性ゲル化剤の含有量を0.8部に変更し、電気泳動粒子4をマゼンタ色の電気泳動粒子3に変更した点以外は、実施例1と同様にして分散液10を作製した。なお、〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤と前記イソパラフィン系炭化水素溶媒によるゲルサンプルをDSCで測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は54℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は45℃であった。
実施例1の分散液1において、熱可逆性ゲル化剤の含有量を0.8部に変更し、電気泳動粒子4をマゼンタ色の電気泳動粒子3に変更した点以外は、実施例1と同様にして分散液10を作製した。なお、〔化15〕の熱可逆性ゲル化剤と前記イソパラフィン系炭化水素溶媒によるゲルサンプルをDSCで測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は54℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は45℃であった。
<マイクロカプセルスラリー9及び10の作製>
分散液9及び10を用いて、実施例1と同様にして、マイクロカプセルスラリー9及び10を作製した。
分散液9及び10を用いて、実施例1と同様にして、マイクロカプセルスラリー9及び10を作製した。
<記録媒体15の作製>
マイクロカプセルスラリー9と、マイクロカプセルスラリー10を1:1の重量比になるように混合し、実施例5と同様にして、記録媒体15を作製した。
マイクロカプセルスラリー9と、マイクロカプセルスラリー10を1:1の重量比になるように混合し、実施例5と同様にして、記録媒体15を作製した。
記録媒体15を、前記画像記録装置にセットし、電界印加手段を用いて、画像記録層に+60Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を70℃に設定し、全面黒ベタパターンを入力した。その結果、記録媒体15は全面が白色に変化した。続いて、記録媒体15を再度画像記録装置にセットし、画像記録層に−60Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を70℃に設定し、記録媒体全面にチェッカーパターンを出力した。その結果、白色と青色のチェッカーパターンが出力された。次に、画像記録層に+60Vを印加しながらサーマルヘッドの温度を50℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの白色部は変化せず、青色部は明赤紫色に変化し、白色と明赤紫色のチェッカーパターンが出力された。次に、画像記録層に−60Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を50℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの白色部は水色に、明赤紫色部は青色に変化し、水色と青色のチェッカーパターンが出力された。
[実施例12]
<セルを用いた画像記録層の形成>
ITO面を有する厚みが20μmのポリアミドフィルム基材上に、硬化性エポキシ樹脂を塗布し、半硬化状態にした後、エポキシ樹脂層に、型押しによってエンボス加工を施し、対角線が最大約150μmの六角形の凹部がマトリクス状に配列されたハニカム形状のセル集合体を形成した。そのセル集合体にUV光を照射してエポキシ樹脂を硬化させ、前記基材上に厚みが約50μmのセル集合体を設けた積層物を作製した。
<セルを用いた画像記録層の形成>
ITO面を有する厚みが20μmのポリアミドフィルム基材上に、硬化性エポキシ樹脂を塗布し、半硬化状態にした後、エポキシ樹脂層に、型押しによってエンボス加工を施し、対角線が最大約150μmの六角形の凹部がマトリクス状に配列されたハニカム形状のセル集合体を形成した。そのセル集合体にUV光を照射してエポキシ樹脂を硬化させ、前記基材上に厚みが約50μmのセル集合体を設けた積層物を作製した。
<記録媒体16の作製>
前記積層物のセル集合体の周囲に、厚みが50μmの両面に熱硬化性の接着面を有するスペーサーを額縁状に貼り付けた。これをホットプレート上にセットし、ゾル化転移温度以上に加熱し、予めゾル化転移温度以上に加熱した分散液1及び分散液2を用い、インクジェット装置によって、セル内にランダムに注入し、その上に封止剤を塗布した厚み20μmのポリアミドフィルム基材を、気泡が入らないようにローラを用いて貼り付け、熱封止した。ITO面に金属箔テープを貼り、それを半分に折り曲げてポリエステル基材の表面と導通する部分を形成し、これを電極とした。最後に、2枚の基材の端部にUV硬化型封止剤を塗布し、UV光照射によって硬化し封止することによって記録媒体16を得た。
前記積層物のセル集合体の周囲に、厚みが50μmの両面に熱硬化性の接着面を有するスペーサーを額縁状に貼り付けた。これをホットプレート上にセットし、ゾル化転移温度以上に加熱し、予めゾル化転移温度以上に加熱した分散液1及び分散液2を用い、インクジェット装置によって、セル内にランダムに注入し、その上に封止剤を塗布した厚み20μmのポリアミドフィルム基材を、気泡が入らないようにローラを用いて貼り付け、熱封止した。ITO面に金属箔テープを貼り、それを半分に折り曲げてポリエステル基材の表面と導通する部分を形成し、これを電極とした。最後に、2枚の基材の端部にUV硬化型封止剤を塗布し、UV光照射によって硬化し封止することによって記録媒体16を得た。
記録媒体16を、前記画像記録装置にセットし、電界印加手段を用いて、画像記録層に+150Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を90℃に設定し、全面黒ベタパターンを入力した。その結果、記録媒体15は全面が白色に変化した。続いて、記録媒体16を再度画像記録装置にセットし、画像記録層に−150Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を90℃に設定し、記録媒体全面にチェッカーパターンを出力した。その結果、白色と青色のチェッカーパターンが出力された。次に、画像記録層に+150Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を60℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの白色部は変化せず、青色部は明赤紫色に変化し、白色と明赤紫色のチェッカーパターンが出力された。次に、画像記録層に−150Vを印加しながら、サーマルヘッドの温度を60℃に設定し、黒ベタパターンを出力した。その結果、チェッカーパターンの白色部は水色に、明赤紫色部は水色に変化し、明赤紫色と水色のチェッカーパターンが出力された。
[実施例13]
<分散液11の作製>
シリコーンオイル(KF−96、10cs、信越化学工業社製)1.75部に、磁気泳動粒子として、表面をシリコ−ンオイルで処理した黒色のフェライト粒子を0.2部、界面活性剤(ソルビタンモノラウレートSpan20、東京化成工業社製)を0.05部添加し、超音波分散を行い、分散液11−1を作製した。一方、前記シリコーンオイル4.0部に白色粒子として非泳動性のポリビニルナフタレン粒子を4.0部添加し、撹拌並びに超音波分散を行い、分散液11−2を作製した。これらの分散液を混合し、更に超音波分散を行った後、ゾル化転移温度以上に加熱し、前記〔化26〕の熱可逆性ゲル化剤を0.5部添加し撹拌を行い、分散液11を作製した。なお、〔化26〕の熱可逆性ゲル化剤と前記シリコーンオイルによるゲルサンプルをDSCで測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は85℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は49℃であった。
<分散液11の作製>
シリコーンオイル(KF−96、10cs、信越化学工業社製)1.75部に、磁気泳動粒子として、表面をシリコ−ンオイルで処理した黒色のフェライト粒子を0.2部、界面活性剤(ソルビタンモノラウレートSpan20、東京化成工業社製)を0.05部添加し、超音波分散を行い、分散液11−1を作製した。一方、前記シリコーンオイル4.0部に白色粒子として非泳動性のポリビニルナフタレン粒子を4.0部添加し、撹拌並びに超音波分散を行い、分散液11−2を作製した。これらの分散液を混合し、更に超音波分散を行った後、ゾル化転移温度以上に加熱し、前記〔化26〕の熱可逆性ゲル化剤を0.5部添加し撹拌を行い、分散液11を作製した。なお、〔化26〕の熱可逆性ゲル化剤と前記シリコーンオイルによるゲルサンプルをDSCで測定した結果、昇温時の吸熱ピーク温度(ゾル化転移温度)は85℃、降温時の発熱ピーク温度(ゲル化転移温度)は49℃であった。
<分散液12の作製>
分散液11において、熱可逆性ゲル化剤を〔化26〕から〔化28〕に変更し、着色剤(オイルレッド5B、オリエント化学工業社製)を0.05部添加した点以外は、分散液11の作製と同様にして、分散液12を作製した。
分散液11において、熱可逆性ゲル化剤を〔化26〕から〔化28〕に変更し、着色剤(オイルレッド5B、オリエント化学工業社製)を0.05部添加した点以外は、分散液11の作製と同様にして、分散液12を作製した。
<マイクロカプセルスラリー11及び12の作製>
分散液11及び12を用い、実施例1と同様にして、マイクロカプセルスラリー11及び12を作製した。
分散液11及び12を用い、実施例1と同様にして、マイクロカプセルスラリー11及び12を作製した。
<記録媒体17の作製>
マイクロカプセルスラリー11と、マイクロカプセルスラリー12を1:1の重量比になるように混合し、実施例1と同様にして、記録媒体17を作製した。
マイクロカプセルスラリー11と、マイクロカプセルスラリー12を1:1の重量比になるように混合し、実施例1と同様にして、記録媒体17を作製した。
記録媒体17は、下記の画像記録装置を用いて反転させ、得られた画像の評価を行った。画像記録装置は、記録媒体が直線的に搬送できるように設計し、記録媒体の視認する側には、サーマルヘッドによる加熱手段を、視認する側とは反対側には磁界印加手段(磁気ヘッド)として電磁石を配置した。例えば、前記磁界印加手段により黒色粒子に斥力が働く極性を印加し、同時に加熱手段により画像を記録する領域を分散媒のゾル化転移温度より高い温度に加熱することにより、印字領域は黒色に反転する。一方、前記磁界印加手段により黒色粒子に引力が働く極性を印加し、分散媒のゾル化転移温度以上に加熱を行うと、印字領域は白色に反転する。更に、記録媒体が排紙される部分に冷却装置としてファンを設けた。
記録媒体17を前記画像記録装置にセットし、最初に黒色粒子に対し引力が働く極性を印加しながらサーマルヘッドの温度を90℃に設定し、全面黒ベタパターンを入力した。その結果、記録媒体17は全面が明赤色に変化した。続いて、黒色粒子に対し斥力が働く極性を印加しながら、サーマルヘッドの温度を90℃に設定し、記録媒体全面にチェッカーパターンを出力した。その結果、明赤色の背景に黒色のチェッカーパターンが印字された。続いて、黒色粒子に対し引力が働く極性を印加しながら、サーマルヘッドの温度を、72℃に設定すると、全面黒ベタパターンが出力された。その結果、明赤色部は灰色に、黒色部は暗赤色に変化し、灰色と暗赤色のチェッカーパターンが出力された。
以上のように、本発明の記録媒体は、加熱手段の温度を変化させながら、印字を繰り返すことによって、様々な色を表示することができる。また、一度印字した画像は常温環境において、長期間保持することが可能であり、その間に電力の消費もなく、有効に使用することができる。一方、熱可逆性ゲル化剤を含有しなかった場合や、色の異なるセル間でゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が同じである場合には、2色しか表示することができず、本発明の効果を得ることができなかった。
[実施例14]
実施例5と同様にして記録媒体を作製し、図26に記載のロールスクリーン型画像記録セットを作製した。スクリーンとしてフレキシブルシートを用い、フレキシブルシートの前記記録媒体との貼り合わせ部分に穴を開け、導通部分を形成した後、記録媒体をフレキシブルシート上に貼り付けた。一方、前記フレキシブルシートの背面には導電テープを貼り、前記導通部分を通して記録媒体の背面に形成された導電性基材と、フレキシブルシートの背面に貼り付けた導電テープとが導通するようにした。このようにして得られたフレキシブルシートの上端に長尺パイプを固定し、該長尺パイプの両端にはギアを取り付け、電動モーターにより一定速度でフレキシブルシートを巻き取り及び巻き解きできるようにした。また、前記フレキシブルシートの下端にも長尺パイプを貼り付け、フレキシブルシートが捻じれないようにした。フレキシブルシートの巻き取り部分の近傍には、加熱手段と電界印加手段を設けた。フレキシブルシートの記録媒体を形成した側には、加熱手段としてラインサーマルヘッドと、電界印加手段として導電性ブラシを設け、導電性ブラシは記録媒体の表面に形成した電極と接触させた。一方、フレキシブルシートの背面側には、サーマルヘッドと対向する位置に、電界印加手段として導電性プラテンローラーを配置し、導電性プラテンローラーは前記導電テープと接触させた。導電性ブラシ及び導電性プラテンローラーは、任意に電源とアースに接続できるようにし、所望の電圧を印加できるようにした。また、導電性プラテンローラーと電動モーターの速度を合わせ、フレキシブルシートの巻き取り及び巻き解き速度を調整した。
実施例5と同様にして記録媒体を作製し、図26に記載のロールスクリーン型画像記録セットを作製した。スクリーンとしてフレキシブルシートを用い、フレキシブルシートの前記記録媒体との貼り合わせ部分に穴を開け、導通部分を形成した後、記録媒体をフレキシブルシート上に貼り付けた。一方、前記フレキシブルシートの背面には導電テープを貼り、前記導通部分を通して記録媒体の背面に形成された導電性基材と、フレキシブルシートの背面に貼り付けた導電テープとが導通するようにした。このようにして得られたフレキシブルシートの上端に長尺パイプを固定し、該長尺パイプの両端にはギアを取り付け、電動モーターにより一定速度でフレキシブルシートを巻き取り及び巻き解きできるようにした。また、前記フレキシブルシートの下端にも長尺パイプを貼り付け、フレキシブルシートが捻じれないようにした。フレキシブルシートの巻き取り部分の近傍には、加熱手段と電界印加手段を設けた。フレキシブルシートの記録媒体を形成した側には、加熱手段としてラインサーマルヘッドと、電界印加手段として導電性ブラシを設け、導電性ブラシは記録媒体の表面に形成した電極と接触させた。一方、フレキシブルシートの背面側には、サーマルヘッドと対向する位置に、電界印加手段として導電性プラテンローラーを配置し、導電性プラテンローラーは前記導電テープと接触させた。導電性ブラシ及び導電性プラテンローラーは、任意に電源とアースに接続できるようにし、所望の電圧を印加できるようにした。また、導電性プラテンローラーと電動モーターの速度を合わせ、フレキシブルシートの巻き取り及び巻き解き速度を調整した。
このようにして作製したロールスクリーン型画像記録セットを用い印字試験を行った。フレキシブルシートを巻き取りしながら、90℃に設定した加熱手段によって記録媒体の画像記録領域全面を加熱し、同時に電界印加手段によって記録媒体の画像記録層に+60Vのバイアスを印加した。巻き取りが終わった後巻き解きすると、記録媒体は全面白色に反転しており、画像が消去されていることが確認された。
フレキシブルシートを再び巻き取りしながら、温度を90℃に設定した加熱手段によりチェッカーパターンを出力し、同時に電界印加手段によって、記録媒体の画像記録層に、−60Vのバイアスを印加した。シートを巻き解きすると、記録媒体の加熱されない領域は変化せず、加熱された領域が青色に変化し、白色と青色のチェッカーパターンが印字されていた。フレキシブルシートを再び巻き取りしながら、温度を65℃に設定した加熱手段により全面黒ベタパターンを出力し、同時に電界印加手段によって記録媒体の画像記録層に+60Vのバイアスを印加した。シートを巻き解きすると、白色と明赤紫色のチェッカーパターンに変化した。フレキシブルシートを再び巻き取りしながら、温度を65℃に設定した加熱手段により、全面黒ベタパターンを出力し、同時に電界印加手段によって記録媒体の画像記録層に−60Vのバイアスを印加した。シートを巻き解きすると、白色部は水色に、明赤紫色部は青色に変化し、水色と青色のチェッカーパターンが印字されていた。
フレキシブルシートを再び巻き取りしながら、温度を90℃に設定した加熱手段によりチェッカーパターンを出力し、同時に電界印加手段によって、記録媒体の画像記録層に、−60Vのバイアスを印加した。シートを巻き解きすると、記録媒体の加熱されない領域は変化せず、加熱された領域が青色に変化し、白色と青色のチェッカーパターンが印字されていた。フレキシブルシートを再び巻き取りしながら、温度を65℃に設定した加熱手段により全面黒ベタパターンを出力し、同時に電界印加手段によって記録媒体の画像記録層に+60Vのバイアスを印加した。シートを巻き解きすると、白色と明赤紫色のチェッカーパターンに変化した。フレキシブルシートを再び巻き取りしながら、温度を65℃に設定した加熱手段により、全面黒ベタパターンを出力し、同時に電界印加手段によって記録媒体の画像記録層に−60Vのバイアスを印加した。シートを巻き解きすると、白色部は水色に、明赤紫色部は青色に変化し、水色と青色のチェッカーパターンが印字されていた。
以上のように、本発明の画像記録セットは、記録媒体と画像記録装置を一体化させることが可能であり、例えば上述のロールスクリーン型表示媒体としても利用することが可能である。記録媒体を設けたフレキシブルシートを巻き取りする場合、熱可逆性ゲル化剤を含有していないと、フレキシブルシートとの接触や摩擦によって静電気が発生し、画像が乱れる場合があるが、本発明の記録媒体はゲル化することによって粒子の移動を抑制できるため、静電気が発生しても画像が乱れることがなく、有効である。また、同様に磁気泳動粒子を用いた場合でも、外部からの磁気の影響を回避することができ、画像の安定性に優れる。また、多色表示が可能であるため、サイネージとしても利用でき、非常に有用である。
1 第一の基材
2 第二の基材
3 分散媒
4 白色の電気泳動粒子
5 黒色の電気泳動粒子
6 マイクロカプセル
7 画像記録層
8 セル
9 封止剤
10 バインダー樹脂
11 第一の導電層
12 第二の導電層
13 第一の電極
14 第二の電極
15 導電性基材
20 ローラ
21 画像記録層形成用分散液
22 塗工装置
23 加熱手段
24 第一の基材
25 第二の基材
26 ローラ
27 ローラ
28 第二の基材形成用塗布液
29 加熱手段又は硬化手段
30 本発明の記録媒体
31 熱源
32 加熱ローラ
33 加圧ローラ
34 高速応答型サーミスタ
35 サーモスタット
36 温度センサー
37 ローラ
38 ローラ
39 ベルト状のフィルムの回転体
40 像担持体
41 帯電器
42 露光手段
43 除電手段
44 対向電極
45 イオン照射ヘッド
46 画像消去手段
47 サーマルヘッド
48 電界印加手段
49 電界印加手段
50 プラテン
51 電界及び/又は磁界印加手段
52 電界及び/又は磁界印加手段
53 スクリーン
54 収納部
55 スクリーン保持部材
60 サーマルヘッド
61 プラテン
2 第二の基材
3 分散媒
4 白色の電気泳動粒子
5 黒色の電気泳動粒子
6 マイクロカプセル
7 画像記録層
8 セル
9 封止剤
10 バインダー樹脂
11 第一の導電層
12 第二の導電層
13 第一の電極
14 第二の電極
15 導電性基材
20 ローラ
21 画像記録層形成用分散液
22 塗工装置
23 加熱手段
24 第一の基材
25 第二の基材
26 ローラ
27 ローラ
28 第二の基材形成用塗布液
29 加熱手段又は硬化手段
30 本発明の記録媒体
31 熱源
32 加熱ローラ
33 加圧ローラ
34 高速応答型サーミスタ
35 サーモスタット
36 温度センサー
37 ローラ
38 ローラ
39 ベルト状のフィルムの回転体
40 像担持体
41 帯電器
42 露光手段
43 除電手段
44 対向電極
45 イオン照射ヘッド
46 画像消去手段
47 サーマルヘッド
48 電界印加手段
49 電界印加手段
50 プラテン
51 電界及び/又は磁界印加手段
52 電界及び/又は磁界印加手段
53 スクリーン
54 収納部
55 スクリーン保持部材
60 サーマルヘッド
61 プラテン
Claims (15)
- 第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材及び前記第二の基材の間に設けられた画像記録層とを有し、
前記画像記録層は絶縁性を有し、かつ電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、分散媒と、熱可逆性ゲル化剤が封入された複数のセルを有し、
前記複数のセルは、各セル毎に色を呈した電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子を含み、前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色毎に各セル内に含有される前記分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なることを特徴とする記録媒体。 - 前記分散媒が、各セル内に含有される電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子の色とは異なる色の着色剤を含有していることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
- 第一の基材と、第二の基材と、前記第一の基材及び前記第二の基材の間に設けられた画像記録層とを有し、
前記画像記録層は絶縁性を有し、かつ電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子と、分散媒と、着色剤と、熱可逆性ゲル化剤が封入された複数のセルを有し、
前記複数のセルは、各セル毎に着色剤により色を呈した分散媒を含み、前記分散媒の色毎に各セル内に含有される前記分散媒のゾル化転移温度及び/又はゲル化転移温度が異なることを特徴とする記録媒体。 - 前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子、あるいは前記分散媒の色毎に、各セル内に含有される熱可逆性ゲル化剤及び/又は分散媒の種類が異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の記録媒体。
- 前記電気泳動粒子及び/又は磁気泳動粒子、あるいは前記分散媒の色毎に異なる分散媒のゾル化転移温度の差が、温度が低い方から順にT1(℃)、T2(℃)…とすると、Tn+1−Tn≧5(℃)(nは正の整数)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の記録媒体。
- 前記第一の基材又は前記第二の基材が、導電性の基材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体。
- 更に、前記第一の基材と前記画像記録層の間又は前記第二の基材と前記画像記録層の間に導電層を有し、
前記記録媒体の外部に電極を有し、前記導電層と前記電極が導通していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体。 - 更に、前記第一の基材と前記画像記録層の間に第一の導電層を有し、前記第二の基材が導電性の基材であり、前記記録媒体の外部に第一の電極を有し、
前記第一の導電層と前記第一の電極が導通していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体。 - 更に、前記第一の基材と前記画像記録層の間に第一の導電層を有し、前記第二の基材と前記画像記録層の間に第二の導電層を有し、
前記記録媒体の外部に第一の電極及び第二の電極を有し、前記第一の導電層と前記第一の電極が導通し、前記第二の導電層と前記第二の電極が導通していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の記録媒体。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の記録媒体に、画像の記録を行う画像記録装置であって、
少なくとも前記画像記録層を加熱する加熱手段と、前記画像記録層に電界及び/又は磁界を生じさせる電界及び/又は磁界印加手段とを備えたことを特徴とする画像記録装置。 - 前記加熱手段がサーマルヘッドであることを特徴とする請求項10に記載の画像記録装置。
- 前記電界印加手段が、請求項6〜9のいずれかに記載の記録媒体に形成された導電性の基材及び/又は電極と電気的に接続することにより、
前記画像記録層に電界を生じさせることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像記録装置。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の記録媒体と、前記記録媒体を加熱する加熱手段並びに前記記録媒体に電界及び/又は磁界を印加する電界及び/又は磁界印加手段を備えた画像記録装置と、を有することを特徴とする画像記録セット。
- 前記画像記録装置が、更に、前記記録媒体に加熱並びに電界及び/又は磁界を印加して、前記記録媒体に記録された画像を消去する画像消去手段を有することを特徴とする請求項13に記載の画像記録セット。
- 前記画像記録セットが、更にフレキシブルなシート状のスクリーン部と、該スクリーン部の巻き取り及び巻き解きを行う駆動部とを有し、前記スクリーン部に請求項1〜9のいずれかに記載の記録媒体が設けられていることを特徴とする請求項13又は14に記載の画像記録セット。
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