[go: up one dir, main page]

JP2015017212A - 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法 - Google Patents

冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015017212A
JP2015017212A JP2013146345A JP2013146345A JP2015017212A JP 2015017212 A JP2015017212 A JP 2015017212A JP 2013146345 A JP2013146345 A JP 2013146345A JP 2013146345 A JP2013146345 A JP 2013146345A JP 2015017212 A JP2015017212 A JP 2015017212A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
coolant
viscosity
mass
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013146345A
Other languages
English (en)
Inventor
児玉 幸多
Kota Kodama
幸多 児玉
宮島 和浩
Kazuhiro Miyajima
和浩 宮島
康朗 児玉
Yasuro Kodama
康朗 児玉
揚一郎 吉井
Yoichiro Yoshii
揚一郎 吉井
岡本 毅
Takeshi Okamoto
毅 岡本
勝川 吉隆
Yoshitaka Katsukawa
吉隆 勝川
新一 小倉
Shinichi Ogura
新一 小倉
一人 八重田
Kazuto Yaeda
一人 八重田
一善 木月
Kazuyoshi Kizuki
一善 木月
綾太 牧野
Ryota Makino
綾太 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Toyota Motor Corp
Japan Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Toyota Motor Corp
Japan Chemical Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemical Industrial Co Ltd, Toyota Motor Corp, Japan Chemical Industries Co Ltd filed Critical Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP2013146345A priority Critical patent/JP2015017212A/ja
Publication of JP2015017212A publication Critical patent/JP2015017212A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】内燃機関の燃費効果を向上させることができる冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法を提供する。【解決手段】本発明は、粘度特性改良剤(A)、相溶化剤(B)、及び基剤(C)を含有し、粘度特性改良剤(A)が、数平均分子量が25000〜100000であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体であり、相溶化剤(B)が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体(B1)及びポリカルボン酸界面活性剤(B2)からなる群から選択される少なくとも1種であり、ここで、(B1)は、数平均分子量が200〜20000であり、かつ1又は2個の水酸基を有し、基剤(C)が、1価アルコール、2価アルコール、3価アルコール及びグリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコール類及び水を含み、動粘度が、25℃で8.5mm2/秒以上であり、かつ100℃で2.0mm2/秒以下である冷却液組成物に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法に関する。
自動車エンジン等を冷却するための冷却液としては様々なものが知られているが、その中でも水はエンジン用冷却液として冷却性能が最も高いために好ましい。しかし真水は摂氏0℃以下になると凍結し体積が増大するため、エンジンやラジエーターに損傷を与える恐れがある。このような事情から、不凍性を目的としてエチレングリコール等のグリコール類をベースに必要な凍結温度を得るように水で希釈し、必要によりエンジンやラジエーター等に使用される金属、ゴム及び樹脂等の劣化を保護するための各種添加剤を配合した冷却液組成物が使用されてきた。
しかしながら、エチレングリコール等のグリコール類を使用した場合、特に低温において冷却液組成物の粘度が著しく上昇してしまうという問題があった。よって、従来の粘度特性改良技術においては、一般に、低温時の流動性向上のための低粘度化が行われてきた(特許文献1−3)。
しかしながら、低粘度化を行った場合、冷却液とボア壁との境界層が薄くなり、また対流が起こりやすくなるため、冷却液がボア壁から熱を奪いやすくなり、その結果、冷却損失が増大し、燃費悪化を招くという問題が新たに生じた。一方、放熱性を低下させて冷却損失を低減させるために、エチレングリコール等のグリコール類の濃度を上げて低温時の冷却液の粘度を増大させると、高温時において冷却能力不足となり、オーバーヒートを招くという問題が生じた。
例えば、特許文献4−6には、粘度指数向上剤を配合することにより潤滑油の粘度特性改良する技術が記載されているが、これらに記載される粘度指数向上剤は低温時の流動性を維持しつつ、高温時の粘度低下を少なくする目的で配合されており、よって、このような粘度指数向上剤が配合された液剤を冷却液として用いても、低温時の冷却損失を低減させ、かつ高温時の冷却能力を維持することはできない。
また、特許文献7には、水と曇点を有する界面活性剤とを含む冷却液組成物であって、前記界面活性剤の含有量が当該組成物を基準として25〜70重量%である組成物が記載されており、界面活性剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が記載されている。特許文献7によれば、凝固点降下剤として上記のような界面活性剤を所定の割合で水に添加することにより、グリコール類を添加せずとも、高い冷却性能と不凍性とを有する冷却液組成物を提供することが記載されている。しかしながら、特許文献7には、冷却液組成物の動粘度を調節することにより内燃機関の燃費効果を向上させることについては記載されていない。実際、上記のような曇点を有する界面活性剤は、曇点以上に加温されると水が配合されている冷却液から分離することがあり、そのような場合、界面活性剤は高温において動粘度の調節に寄与することができない。また分離した界面活性剤は時間が経過すると沈殿もしくは浮上し、特に高濃度で配合されている場合には凝集するため、降温時に再溶解しにくくなる。よって、上記のような界面活性剤を低温時及び高温時において可逆的に動粘度を調節するために使用することは不可能であった。
特開平8−183950号公報 特開2010−236064号公報 特開平9−227859号公報 特開2011−137089号公報 特開2011−132285号公報 特開2011−121991号公報 特開2010−270256号公報
本発明は、安定的に内燃機関の燃費効果を向上させることができる冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の粘度特性改良剤(A)と特定の相溶化剤(B)とを組み合わせて冷却液組成物の動粘度を特定の範囲とすることにより、低温時の冷却損失を低減させ、かつ高温時の冷却能力を維持することが可能となり、さらに、冷却液組成物の熱に対する粘度安定性が向上することを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)粘度特性改良剤(A)、相溶化剤(B)、及び基剤(C)を含有し、
粘度特性改良剤(A)が、数平均分子量が25000〜100000であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体であり、
相溶化剤(B)が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体(B1)及びポリカルボン酸界面活性剤(B2)からなる群から選択される少なくとも1種であり、ここで、(B1)は、数平均分子量が200〜20000であり、かつ1又は2個の水酸基を有し、
基剤(C)が、1価アルコール、2価アルコール、3価アルコール及びグリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコール類及び水を含み、
動粘度が、25℃で8.5mm/秒以上であり、かつ100℃で2.0mm/秒以下である冷却液組成物。
(2)(A)が、50〜90℃の曇点を有する、上記(1)に記載の組成物。
(3)(A)が、3〜6個の水酸基を有する、上記(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)(A)の数平均分子量が30000〜60000である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)組成物100質量部に対して、(A)を0.1〜10質量部を含有し、かつ(B)を0.01〜5質量部含有する(ここで、(B)は(B1)と(B2)との合計である)、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)自動車用ロングライフクーラントとして用いる、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の冷却液組成物。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の冷却液組成物を内燃機関の冷却液として用いる、内燃機関の運転方法。
(8)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の冷却液組成物を得るための濃縮組成物。
本発明の冷却組成物によれば、安定的に内燃機関の燃費効果を向上させることができる。
図1は、実施例において使用した暖機性能及び冷却性能評価装置の概略図である。
本発明の冷却液組成物は、特定の粘度特性改良剤(A)、特定の相溶化剤(B)及び基剤(C)を含み、低温時及び高温時において特定の動粘度を有するものである。尚、本発明において、低温とは25℃を意味し、高温とは100℃を意味する。
本発明の冷却液組成物に用いられる粘度特性改良剤(A)(以下、(A)ともいう)は、数平均分子量が25000〜100000であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体である。(A)の数平均分子量は、低温時の動粘度を上昇させ、暖機性能を向上させる観点から、30000〜60000であることが好ましい。(A)は、交互共重合体、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれであってもよい。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
上記(A)は、低温時の動粘度を上昇させ、暖機性能を向上させ、かつ、高温時に動粘度の上昇を抑え、冷却性能を維持する観点から、その曇点が50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることが特に好ましい。ここで、曇点とは、分子の脱水和により急激に物質の水への溶解性が落ちる温度のことであり、具体的に本明細書においては、ある物質の2質量%水溶液を昇温した場合に白濁する温度をいう。
上記(A)としては、1価アルコール又は多価アルコールの、プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)から構成されるアルキレンオキシド(AO)付加物を挙げることができる。(A)の付加モル比(PO)/(EO)は、好ましくは0.1〜5である。
1価アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、イソウンデカノール、ドデカノール、イソドデカノール、トリデカノール、イソトリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、イソオクタデカノール、オレイルアルコール、2−オクチルデカノール、2−デシルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、2−デシルペンタデカノール、2−ウンデシルテトラデカノール及び2−ウンデシルペンタデカノールを挙げることができ、これらの中で、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びヘキサノールが好ましい。
多価アルコールは、水酸基を2個以上有する化合物を意味し、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、5−メチル−1,2,4−ヘプタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、グルコース、フルクトース、ジグリセリン、キシリトール、トリグリセリン及びスクロースを挙げることができ、これらの中で、ヘキシレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール及び1,4−ブタンジオールが好ましい。
上記(A)としては、具体的には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(POE・POP)メチルエーテル、POE・POPn−ブチルエーテル、POE・POPグリセリン、POE・POPエチレングリコール、POE・POPヘキシレングリコール、POE・POPペンタエリスリトール及びPOE・POPソルビトールを挙げることができる。
上記(A)は、好ましくは3〜6個の水酸基を有する。水酸基の数が多い場合、少量の配合で増粘効果を付与することが可能となり熱安定性において有利である。
本発明の冷却液組成物に用いられる相溶化剤(以下、成分(B)ともいう)は、数平均分子量が200〜20000であり、かつ1又は2個の水酸基を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体(B1)、及びポリカルボン酸界面活性剤(B2)から選択される少なくとも1種である。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。(B1)について、水酸基の数が少ない場合、高温時の粘度特性改良剤(A)の粘度の上昇を効率的に抑制させることができる。
上記(B1)は、数平均分子量が200〜20000であり、かつ1又は2個の水酸基を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体である。(B1)の数平均分子量は、高温時の動粘度に影響を与えない範囲で粘度特性改良剤(A)を相溶化させる観点から、200〜20000であることが好ましい。(B1)は、交互共重合体、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれであってもよい。上記(B1)は冷却液組成物を高温とした場合に分離する上記(A)の粘性を下げ、凝集した上記(A)を降温時に冷却液組成物中に再溶解させることができる。よって、上記(B1)を含む本発明の冷却液組成物は熱安定性が良好である。
上記(B1)としては、1価アルコール又は多価アルコールの、プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)から構成されるアルキレンオキシド(AO)付加物を挙げることができる。(A)の付加モル比(PO)/(EO)は、好ましくは0.1〜5である。
1価アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、イソウンデカノール、ドデカノール、イソドデカノール、トリデカノール、イソトリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、イソオクタデカノール、オレイルアルコール、2−オクチルデカノール、2−デシルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、2−デシルペンタデカノール、2−ウンデシルテトラデカノール及び2−ウンデシルペンタデカノールを挙げることができ、これらの中で、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びヘキサノールが好ましい。
多価アルコールは、水酸基を2個以上有する化合物を意味し、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、5−メチル−1,2,4−ヘプタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、グルコース、フルクトース、ジグリセリン、キシリトール、トリグリセリン及びスクロースを挙げることができ、これらの中で、ヘキシレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール及び1,4−ブタンジオールが好ましい。
上記(B1)としては、具体的には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(POE・POP)メチルエーテル、POE・POPn−ブチルエーテル、POE・POPエチレングリコールを挙げることができる。
上記(B2)は、ポリカルボン酸界面活性剤(B2)である。(B2)の数平均分子量は1000〜25000であることが好ましい。上記(B2)は冷却液組成物を高温とした場合に分離する上記(A)の周りに吸着し、静電気的反発により上記(A)を冷却液組成物中に分散させることができ、よって、高温時の上記(A)の凝集を防ぐことができる。よって、上記(B2)を含む本発明の冷却液組成物は、熱安定性が良好である。
上記(B2)としては、不飽和カルボン酸のビニル重合体の塩が挙げられる。不飽和カルボン酸としては、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸及びメタクリル酸等)、不飽和ジカルボン酸モノアルキル(炭素数1〜4)エステル(マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル及びイタコン酸モノメチルエステル等)、不飽和多価(2〜4価)カルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びアコニット酸等)が挙げられ、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。塩としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム及びリチウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)塩、アンモニウム塩、アミン塩(1級アミン塩、2級アミン塩及び3級アミン塩)、及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。
上記粘度特性改良剤(A)の配合量は、低温時及び高温時の冷却組成物の動粘度を上記所定の範囲とすることが可能であれば特に制限されず、組成物100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、5〜8質量部であることが特に好ましい。
上記相溶化剤(B)の配合量は、低温時及び高温時の冷却組成物の動粘度を上記所定の範囲とすることが可能であれば特に制限されず、組成物100質量部に対して0.05〜4質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることが特に好ましい。ここで(B)の配合量は(B1)及び(B2)の配合量の合計を示す。
本発明の冷却組成物は、組成物100質量部に対して、上記粘度特性改良剤(A)を0.1〜10質量部を含有し、かつ上記相溶化剤(B)を0.01〜5質量部含有することが好ましい。ここで(B)の配合量は(B1)及び(B2)の配合量の合計である。また、本発明の冷却組成物中の上記粘度特性改良剤(A)と上記相溶化剤(B)との割合は、1:0.0002〜1:20であることが好ましい。
本発明の冷却液組成物は、動粘度が、25℃で8.5mm/秒以上であり、かつ100℃で2.0mm/秒以下である。
本発明の冷却液組成物は、25℃における動粘度が8.5mm/秒以上、好ましくは8.5〜3000mm/秒、特に好ましくは10〜2000mm/秒、さらに特に好ましくは17.5〜1000mm/秒と高いため、低温時における放熱性が低く冷却損失が低い。本発明の冷却液組成物は、25℃における動粘度が3000mm/秒以下である場合、ウォーターポンプへの負荷を回避し、内燃機関の燃費悪化を防ぐことが可能である点で好ましい。また、本発明の冷却液組成物は、25℃における動粘度が8.5mm/秒以上であることから、従来の80%エチレングリコール冷却液よりも動粘度が高い。尚、エチレングリコール冷却液は、エチレングリコール濃度が80%を超える場合、引火点が発生するため冷却液として使用することができない。
本発明の冷却液組成物は、100℃における動粘度が2.0mm/秒以下、好ましくは0.3〜2.0mm/秒、特に好ましくは0.3〜1.5mm/秒と低いため、高温時の冷却能力が維持され、オーバーヒートを防ぐことが可能である。冷却液組成物の冷却能力は、例えばラジエータ熱透過率を測定することにより評価することができる。尚、水100%の冷却液の100℃における動粘度は0.3mm/秒である。
本発明の冷却液組成物は、不凍性を有する基剤を含むことが好ましい。基剤の配合量は、組成物100質量部に対して75〜99.79質量部であることが好ましく、80〜97.79質量部であることが特に好ましい。
上記基剤(C)は、例えば、1価アルコール、2価アルコール、3価アルコール及びグリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコール類及び水を含む。
1価アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールの中から選ばれる1種又は2種以上の混合物からなるものを挙げることができる。
2価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコールの中から選ばれる1種又は2種以上の混合物からなるものを挙げることができる。
3価アルコールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、5−メチル−1,2,4−ヘプタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールの中から選ばれる1種又は2種以上の混合物からなるものを挙げることができる。
グリコールモノアルキルエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルの中から選ばれる1種又は2種以上の混合物からなるものを挙げることができる。
上記基剤の中でもエチレングリコール、プロピレングリコール及び1,3−プロパンジオールが、取り扱い性、価格、入手容易性の観点から好ましい。
上記アルコール類の配合量は、不凍性を考慮し、組成物100質量部に対して8.0〜96.81質量部であることが好ましく、20〜96.81質量部であることが特に好ましい。
上記水としてはイオン交換水が好ましい。水の配合量は、組成物100質量部に対して0.8〜89.81質量部であることが好ましく、0.8〜74.84質量部であることが特に好ましい。水とアルコール類の配合割合については不凍性・引火性を考慮し、任意に調整できる。基剤中の水とアルコール類の割合は、引火点を発生するのを回避する観点から、20:80〜90:10であることが好ましく、40:60〜75:25であることが特に好ましい。
本発明の冷却組成物には、必要に応じて、上記粘度特性改良剤(A)及び相溶化剤(B)以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加剤を基剤に配合することができる。
例えば、本発明の冷却組成物には、エンジン冷却液経路に使用されている金属の腐食を効果的に抑制するため、少なくとも1種以上の防錆剤を動粘度に影響を与えない範囲で含ませることができる。防錆剤としては、リン酸及び/又はその塩、脂肪族カルボン酸及び/又はその塩、芳香族カルボン酸及び/又はその塩、トリアゾール類、チアゾール類、ケイ酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ホウ酸塩、モリブテン酸塩、及びアミン塩のいずれか1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。
また、本発明の冷却組成物には、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のpH調整剤、消泡剤、着色剤、染料又は分散剤等を動粘度に影響を与えない範囲で適宜添加することができる。
上記その他の添加剤の合計配合量は、組成物100質量部に対して、通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下である。
本発明の組成物は、熱安定性が良好であることから、自動車のLLC(ロング・ライフ・クーラント)用に好適に使用することができる。
本発明は、上記冷却液組成物を得るための濃縮組成物にも関する。本発明の濃縮組成物は、上記粘度特性改良剤及び上記基剤を含む組成物である。本発明の濃縮組成物に残余の基剤及び場合によりその他の添加剤を加えることにより、本発明の冷却液組成物を得ることができる。本発明の濃縮組成物に含まれる基剤は、冷却液組成物を得るためにさらに加える基剤と同一であっても異なっていてもよい。本発明の濃縮組成物は、上記粘度特性改良剤を濃縮組成物100質量部に対して0.15〜99.9質量部含有することが好ましく、上記基剤を濃縮組成物100質量部に対して1〜99.9質量部含有することが好ましい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。
実施例1−14及び比較例1−20
エチレングリコールとイオン交換水を混合し、これに防錆剤としてのセバシン酸二ナトリウムを添加して混合した。得られた混合液に、表1に示す成分を添加した後、混合液を80℃に昇温し、その後30分攪拌し、撹拌冷却して冷却液組成物を得た。
粘度特性改良剤(A)の曇点は以下に記載する方法を用いて行った。
<曇点の測定>
(1)粘度特性改良剤(A)の2質量%を石英ガラスセル(東ソー・クウォーツ社製、T−5−UV−10)に入れた。これを49℃の温浴槽に浸漬し、試験液が49℃になるまで放置後、分光光度計(日立社製、U−1000)を用いて、透過率(650mm)が90%以上であるか、90%未満であるか測定した。
(2)上記(1)と同様の操作を90℃の温浴槽において実施し、透過率(650mm)が90%以上であるか、90%未満であるか測定した。
上記(1)において透過率が90%未満である場合は、曇点は「50℃未満」とし、上記(1)において透過率が90%以上かつ上記(2)において透過率が90%未満の場合は、曇点は「50〜90℃」とし、上記(2)において透過率が90%以上の場合は、「曇点なし又は90℃以上」とした。
実施例1−14及び比較例1−20により得られた冷却組成物の25℃及び100℃における動粘度を測定し、また熱特性(暖機性能及び冷却性能)を評価した。さらに、実施例1−14及び比較例1−20により得られた冷却組成物について熱安定性試験を行った。
<動粘度の測定>
冷却組成物の25℃及び100℃における動粘度は、JIS K 2283又はASTM D445.D446のグラス毛管式粘度計を用いる試験方法に準拠して測定した。具体的には以下の方法で測定した。
(1)JIS K 2283規定のウベローデ粘度計を用意し、気泡が入らないように傾けながら試料を規定量充填した。
(2)試料を充填した粘度計を15分間恒温水槽で調温した。
(3)試料を上部の測時標線以上まで吸い上げた後、自然落下させ、メニスカスが測時標線上部から下部を通過する時間を測定した。
(4)測定時間が200秒未満の場合は粘度計を取り替えて(1)−(3)の操作を行った。
(5)測定時間が200秒以上となる粘度計を用いて測定を2回行い、その測定時間の差が平均値の0.2%以内である場合に、その平均測定時間と用いた粘度計の粘度計定数から動粘度(mm/s)を算出した。
<暖機性能>
暖機性能は25℃室温における簡易熱特性評価試験装置(図1参照)を用い、アルミ鋳物が25℃から60℃に昇温するまでの時間を測定した。比較例20の結果(240秒)を基準値1.0とした。
<冷却性能>
暖機性能は25℃室温における簡易熱特性評価試験装置(図1参照)を用い、アルミ鋳物が90℃から80℃に冷却されるまでの時間を測定した。比較例20の結果(300秒)を基準値1.0とした。
<熱安定性試験>
冷却組成物100mLを200mL耐熱瓶に入れ、恒温槽において100℃で7時間静置した。その後耐熱瓶を取り出し、室温まで放冷した後、円を描くように耐熱瓶を20回振り、冷却組成物の25℃における動粘度を上記方法により測定した。
動粘度維持率が80%以上であるものを熱安定性が良好であると評価した。
動粘度維持率(%)=(熱安定性試験後の冷却組成物の25℃動粘度)/(熱安定性試験前の冷却組成物の25℃動粘度)×100
表1に、実施例1−14及び比較例1−20で得られた冷却液組成物の動粘度、暖機性能、冷却性能及び熱安定性の測定結果を示す。
Figure 2015017212
Figure 2015017212
Figure 2015017212
Figure 2015017212
表1より、実施例1−14の冷却液組成物は、低温時における動粘度が高く、かつ高温時における動粘度低下が十分であるため、いずれも基準とした比較例20の冷却液組成物より暖機性能が向上しており、かつ冷却性能が維持されていることがわかる。さらに、実施例1−14の冷却液組成物は、熱処理後の動粘度維持率がすべて80%以上であり、熱安定性が良好である。特に実施例3−14の冷却液組成物は、熱処理後の動粘度維持率が90%以上であり特に熱安定性が良好である。
比較例1及び2の冷却液組成物は、粘度特性改良剤(A)の含有量が十分でないため、暖機性能が向上せず、粘度特性改良剤としての効果がみられないことがわかる。比較例3の冷却液組成物は、粘度特性改良剤(A)の含有量が多く、暖機性能は高いが、高温において動粘度の低下が小さいため冷却性能に劣ることがわかる。
比較例4の冷却液組成物は、相溶化剤(B)の含有量が多く、高温において動粘度の低下が小さいため冷却性能に劣ることがわかる。比較例5の冷却液組成物は、相溶化剤(B)の含有量が十分でないため、熱処理後の動粘度維持率が劣る。
比較例6及び7の冷却液組成物は、粘度特性改良剤の分子量が適切でないため、所望の暖機性能及び冷却性能が得られない。また比較例8及び9の冷却液組成物は、相溶化剤の分子量が適切でないため、熱処理後の動粘度維持率が劣る。
粘度特性改良剤(A)を含まず、代わりにポリエチレングリコール又はアラビアゴムを含む比較例10及び11の冷却液組成物は、冷却性能が劣る。
比較例12−14の冷却液組成物は、水酸基を3個以上有する相溶化剤を含むため、熱処理後の動粘度維持率が劣る。相溶化剤(B)を含まず、代わりにドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン又はラウリン酸ナトリウムを含む比較例15及び16の冷却液組成物は、熱処理後の動粘度維持率が劣る。相溶化剤を含まない比較例17の冷却液組成物は、熱処理後の動粘度維持率が劣る。(A)及び/又は(B)を含まない比較例18−20の冷却液組成物は、所望の暖機性能及び冷却性能が得られない。
本発明の冷却液組成物は、内燃機関、特には自動車用エンジン、インバータ及びバッテリー等の冷却に好適に使用される。

Claims (8)

  1. 粘度特性改良剤(A)、相溶化剤(B)、及び基剤(C)を含有し、
    粘度特性改良剤(A)が、数平均分子量が25000〜100000であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体であり、
    相溶化剤(B)が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体(B1)及びポリカルボン酸界面活性剤(B2)からなる群から選択される少なくとも1種であり、ここで、(B1)は、数平均分子量が200〜20000であり、かつ1又は2個の水酸基を有し、
    基剤(C)が、1価アルコール、2価アルコール、3価アルコール及びグリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコール類及び水を含み、
    動粘度が、25℃で8.5mm/秒以上であり、かつ100℃で2.0mm/秒以下である冷却液組成物。
  2. (A)が、50〜90℃の曇点を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. (A)が、3〜6個の水酸基を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. (A)の数平均分子量が30000〜60000である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 組成物100質量部に対して、(A)を0.1〜10質量部を含有し、かつ(B)を0.01〜5質量部含有する(ここで、(B)は(B1)と(B2)との合計である)、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 自動車用ロングライフクーラントとして用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷却液組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷却液組成物を内燃機関の冷却液として用いる、内燃機関の運転方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷却液組成物を得るための濃縮組成物。
JP2013146345A 2013-07-12 2013-07-12 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法 Pending JP2015017212A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013146345A JP2015017212A (ja) 2013-07-12 2013-07-12 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013146345A JP2015017212A (ja) 2013-07-12 2013-07-12 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015017212A true JP2015017212A (ja) 2015-01-29

Family

ID=52438509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013146345A Pending JP2015017212A (ja) 2013-07-12 2013-07-12 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015017212A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017210537A (ja) * 2016-05-25 2017-11-30 花王株式会社 粘度特性改良剤
WO2017221061A1 (en) 2016-06-24 2017-12-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Automotive engine coolant composition, automotive engine concentrated coolant composition, and method of operating internal combustion engine
JP2021091834A (ja) * 2019-12-12 2021-06-17 谷川油化興業株式会社 冷却用組成物

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017210537A (ja) * 2016-05-25 2017-11-30 花王株式会社 粘度特性改良剤
WO2017203967A1 (ja) * 2016-05-25 2017-11-30 花王株式会社 粘度特性改良剤
CN109072042A (zh) * 2016-05-25 2018-12-21 花王株式会社 粘度特性改良剂
US10968170B2 (en) 2016-05-25 2021-04-06 Kao Corporation Viscometric properties improver
CN109072042B (zh) * 2016-05-25 2021-06-22 花王株式会社 粘度特性改良剂
WO2017221061A1 (en) 2016-06-24 2017-12-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Automotive engine coolant composition, automotive engine concentrated coolant composition, and method of operating internal combustion engine
TWI643944B (zh) * 2016-06-24 2018-12-11 日商豐田自動車股份有限公司 汽車引擎冷卻劑組成物,汽車引擎濃縮冷卻劑組成物,以及內燃機之操作方法
US10899952B2 (en) 2016-06-24 2021-01-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Automotive engine coolant composition, automotive engine concentrated coolant composition, and method of operating internal combustion engine
JP2021091834A (ja) * 2019-12-12 2021-06-17 谷川油化興業株式会社 冷却用組成物
JP7446100B2 (ja) 2019-12-12 2024-03-08 谷川油化興業株式会社 冷却用組成物
JP2024059847A (ja) * 2019-12-12 2024-05-01 谷川油化興業株式会社 冷却用組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6154371B2 (ja) 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法
JP2014012831A (ja) 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法
JP5904278B2 (ja) 内燃機関用冷却液組成物及び内燃機関の運転方法
JP6208620B2 (ja) 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法
JP6045956B2 (ja) 冷却液組成物
JP2015017212A (ja) 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法
JP6430999B2 (ja) 自動車用エンジン冷却液組成物、自動車用エンジン濃縮冷却液組成物及び内燃機関の運転方法
JP2015074669A (ja) 冷却液組成物
JP2013253198A (ja) 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法
JP6092685B2 (ja) 冷却液組成物
JP2017186423A (ja) 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法
JP6624514B2 (ja) 粘度特性改良剤
JP6169855B2 (ja) 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法
JP6466879B2 (ja) 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法
JP5975001B2 (ja) 冷却液組成物
JP2020019905A (ja) 冷却液組成物
JP2013253190A (ja) 冷却液組成物及びこれを用いた内燃機関の運転方法
JP2018044058A (ja) 粘度特性改良剤
JP2016069596A (ja) 冷却液組成物及びその濃縮組成物
JP2016138204A (ja) 冷却液組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150421