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JP2014529870A - 不織ウェブを含む絶縁材料 - Google Patents

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JP2014529870A JP2014528477A JP2014528477A JP2014529870A JP 2014529870 A JP2014529870 A JP 2014529870A JP 2014528477 A JP2014528477 A JP 2014528477A JP 2014528477 A JP2014528477 A JP 2014528477A JP 2014529870 A JP2014529870 A JP 2014529870A
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Abstract

複数の連続スパンボンドポリエステル2成分繊維を含む不織ウェブを含む絶縁材料が提供される。複数の2成分繊維のそれぞれは、a)芯の中の約20質量%〜約80質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、b)芯を包囲する鞘の中の約80質量%〜約20質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)とを含み、質量パーセントで表される量は、複数の2成分繊維のそれぞれの全質量を基準とする。また、絶縁材料および誘電流体を含む電気装置、ならびに少なくとも10質量パーセントの誘電流体が含侵された不織ウェブを含む誘電材料も提供される。

Description

本発明は電気絶縁のために有用な不織ウェブに関する。不織ウェブは複数の連続スパンボンドポリエステル2成分繊維を含む。
変圧器は、通常、誘電(すなわち、非導電)材料によって隔てられなければならない導電ワイヤの巻線を有する。通常、コイルおよび誘電材料は、導体を絶縁するため、そして動作中に発生する熱を消散するために流体誘電性伝熱媒体に浸漬される。伝熱媒体は誘電体としての役割も果たさなければならない。通常の構成では、誘電材料としてセルロースおよび/またはアラミド紙もしくは板が使用される。セルロース/アラミド材料は導電性ワイヤに巻き付けられ、巻線を誘電的に隔てるために使用され、そして巻線または芯などの他の要素のための構造的な支持体としても使用され得る。流体伝熱媒体は通常は油であり、例えば、鉱油また十分に頑強な(robust)植物油であり得る。
変圧器の使用中、誘電材料および伝熱流体は、著しい電磁場および著しい温度変化、ならびに電力サージおよび絶縁破壊にさらされる。時間と共に、比較的極端な条件は、誘電材料の障害および/または伝熱流体の劣化をもたらし得る。誘電体および伝熱流体はさらに、変圧器内の酸素の移動および水の形成または進入によって直接および間接的に分解され得る。延長された有用寿命を有する頑強な誘電材料および伝熱流体は、経済的利点を提供することができる。
変圧器用途において有用であるとして様々な材料が開示されている。例えば、公開特許出願の国際公開第2010/151548号パンフレットには、油充填変圧器のための布地は、紙、ポリエステル、ポリエステルフィルム、Nomex(登録商標)などのアラミド紙、セルロース、クラフト紙、有機および無機紙、織布または不織布材料、ならびにDMDなどの積層体が含み得ると開示されている。
変圧器における高温および長期間の使用に適した物理特性を有する代替のより低コストの絶縁材料が依然として必要とされている。同様に、このような絶縁材料を含む電気装置が必要とされている。誘電流体が含侵された代替の絶縁材料を含む誘電材料も同様に必要とされている。
一実施形態では、複数の連続スパンボンドポリエステル2成分繊維を含む不織ウェブを含む絶縁材料が記載されており、複数の2成分繊維のそれぞれは、
a)芯の中の約20質量%〜約80質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、
b)芯を包囲する鞘の中の約80質量%〜約20質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)と
を含み、質量%で表される量は複数の2成分繊維のそれぞれの全質量を基準とする。
一実施形態では、少なくとも10wt%の誘電流体が含侵された不織ウェブを含む誘電材料が記載されており、不織ウェブは複数の連続スパンボンドポリエステル2成分繊維を含み、複数の2成分繊維のそれぞれは、
a)芯の中の約20質量%〜約80質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、
b)芯を包囲する鞘の中の約80質量%〜約20質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)と
を含み、質量%で表される量は、複数の2成分繊維のそれぞれの全質量を基準とする。
一実施形態では、誘電流体および絶縁材料を含む電気装置が記載されており、絶縁材料は、複数の連続スパンボンドポリエステル2成分繊維を含む不織ウェブを含み、複数の2成分繊維のそれぞれは、
a)芯の中の約20質量%〜約80質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、
b)芯を包囲する鞘の中の約80質量%〜約20質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)と
を含み、質量%で表される量は複数の2成分繊維のそれぞれの全質量を基準とする。
複数の連続スパンボンド繊維を含む不織ウェブを含む絶縁材料が開示されており、複数の連続スパンボンド繊維のそれぞれは、芯の中のポリ(エチレンテレフタレート)(PET)と、芯を包囲する鞘の中のポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)とを含む。また、誘電流体および絶縁材料を含む電気装置も開示されており、絶縁材料は、複数の連続スパンボンド繊維を含む不織ウェブを含み、複数の連続スパンボンド繊維のそれぞれは、芯の中のポリ(エチレンテレフタレート)と、芯を包囲する鞘の中のポリ(トリメチレンテレフタレート)とを含む。さらに、少なくとも10wt%の誘電流体が含侵された不織ウェブを含む誘電材料が開示されており、不織ウェブは複数の連続スパンボンド繊維を含み、複数の連続スパンボンド繊維のそれぞれは、芯の中のポリ(エチレンテレフタレート)と、芯を包囲する鞘の中のポリ(トリメチレンテレフタレート)とを含む。
本明細書中に記載される方法、組成物、および物品は、以下の用語に関連して記載される。
本明細書で使用される際、本発明のプロセス中のステップの存在の記述または記載に関して不定冠詞「a」または「an」が使用される場合、記述または記載が反対のことを明確に規定しない限り、このような不定冠詞の使用は、プロセス中のステップの存在の数を1つに限定しないと理解されるべきである。
本明細書で使用される際、量、濃度、またはその他の値もしくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、または好ましい上限値および好ましい下限値のリストのいずれかとして与えられる場合、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の範囲の上限または好ましい値と、任意の範囲の下限または好ましい値との任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示すると理解されるべきである。本明細書において数値の範囲が列挙される場合、他に記載されない限り、その範囲は、その両端点ならびにその範囲内の全ての整数および分数を含むことが意図される。本発明の範囲は、範囲を定義する場合に列挙された特定の値に限定されることは意図されない。
本明細書で使用される際、「comprises(含む)」、「comprising(含んでいる)」、「includes(包含する)」、「including(包含している)」、「has(有する)」、「having(有している)」、「contains(含有する)」もしくは「containing(含有している)」という用語、またはこれらの他のあらゆる変化形は、非排他的な包含を含むことが意図される。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの要素だけに限定されるわけではなく、明確に記載されていないか、あるいはこのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置に固有である他の要素も含み得る。
本明細書で使用される際、「wt%」という用語は、質量パーセントを意味する。
本明細書で使用される際、「クラフト紙」という用語は、クラフトパルプ化プロセスによって作られた紙を意味し、ここで、紙はパルプ繊維(普通は木または他の植物繊維から)のウェブからなり、通常ワイヤまたはスクリーン上の水性スラリーから形成され、水素結合によって結び付けられる。クラフト紙は様々な添加剤および充填剤も含有し得る。例えば、Handbook of Pulping and Papermaking,Christopher J.Bierman,Academic Press,1996を参照されたい。
本明細書で使用される際、「熱的に改善された(thermally upgraded)クラフト紙」という用語は、紙の熱性能を改善するためにエポキシ樹脂が紙の片面または両面に適用されたクラフト紙を意味する。
本明細書で使用される際、「不織ウェブ」という用語は、「不織シート」、「不織層」および「不織布」と交換可能に使用される。本明細書で使用される際、「不織布」という用語は、認識可能なパターンを持たない平面材料を形成するように配置されたランダム配向の繊維、フィラメント、または糸から製造されたシート、ウェブまたはバット(batt)を意味する。不織ウェブの例としては、メルトブローンウェブ、スパンボンドウェブ、カードウェブ、エアレイドウェブ、ウェットレイドウェブ、およびスパンレースウェブ、ならびに2つ以上の不織層を含む複合ウェブが挙げられる。本明細書中で開示されるプロセスおよび物品のための不織ウェブは、「直接レイダウン」プロセスを用いて作製されるのが望ましい。「直接レイダウン」は、フィラメントをパッケージに巻き付けたりトウを捕集したりすることなく、個々の繊維またはプレキシフィラメントをウェブまたはシートに直接紡糸および捕集することを意味する。
「スパンボンド繊維」という用語は、本明細書で使用される場合、スピナレットの複数の細い(通常は円形の)毛細管から、溶融した熱可塑性ポリマー材料を繊維として押出すことによって形成される繊維を意味し、押出された繊維の直径は、次に、繊維を延伸してから急冷することにより急速に減少される。楕円形、多葉形などのその他の繊維断面形状を使用することもできる。スパンボンド繊維は通常連続的であり、そして通常、約5マイクロメートルよりも大きい平均直径を有する。スパンボンド不織ウェブは、小孔のあるスクリーンまたはベルトなどの捕集表面に繊維をランダムに置き、ホットロールカレンダー加工による、あるいは高圧でウェブに飽和水蒸気チャンバを通過させることによるなどの、当該技術分野において既知の方法で繊維をスパンボンドすることによって形成される。例えば、不織ウェブは、不織ウェブの全体にわたって位置する複数の熱結合点で熱的に点結合され得る。
本明細書で使用される際、「2成分繊維」という用語は、繊維の断面が、例えば,サイドバイサイド、鞘−芯またはその他の適切な断面であるように、繊維の長さに沿って互いに密接に接着された一対のポリマー組成物を含む繊維を指す。2成分鞘/芯高分子繊維は、断片が円形、三葉形、五葉形、クリスマスツリーのような八葉形、ダンベル形、海の中の島(island−in−the−sea)、あるいは星形であり得る。繊維は、サイドバイサイド構成であってもよい。
本明細書で使用される際、「連続繊維」という用語は、不定または極度の長さを有する繊維を指す。実際には、「連続繊維」には製造プロセスに起因して1つまたは複数の断絶が存在し得るが、「連続繊維」は、所定長さに切断されるステープル繊維とは区別される。
複数の鞘−芯構造の連続スパンボンド2成分繊維を含む不織ウェブは、2010年12月17日に出願された共同所有の米国特許出願第12/971415号明細書に開示されており、これは参照によってその全体が本明細書中に援用される。スパンボンド2成分繊維の鞘成分と芯成分との質量比は、好ましくは、25:75である。2成分繊維は、2ミクロン〜20ミクロンの範囲の平均繊維直径を有する。一実施形態では、各2成分繊維は、芯の中の75質量%のPETと、芯を包囲する鞘の中の25質量%のPTTとを含む。別の実施形態では、各2成分繊維は、芯の中の50質量%のPETと、芯を包囲する鞘の中の50質量%のPTTとを含む。
別の実施形態では、各2成分繊維は、芯の中の約20質量%〜約80質量%のPETと、芯を包囲する鞘の中の約80質量%〜約20質量%のPTTとを含む。別の実施形態では、各2成分繊維は、芯の中の約25質量%〜約50質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、芯を包囲する鞘の中の約75質量%〜約50質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)とを含む。
開示される不織ウェブのスパンボンド繊維の鞘成分において使用されるPTTは、0.9dl/g〜1.3dl/gまたは0.95dl/g〜1.05dl/gの範囲の固有粘度を有する。
実施形態では、「ポリ(トリメチレンテレフタレート)」(PTT)はホモポリマーであるか、あるいは少なくとも70モルパーセントのトリメチレンテレフタレート繰り返し単位を含むコポリマーである。好ましいポリ(トリメチレンテレフタレート)は、少なくとも85モルパーセント、より好ましくは少なくとも90モルパーセント、さらにより好ましくは少なくとも95または少なくとも98モルパーセント、そして最も好ましくは約100モルパーセントのトリメチレンテレフタレート繰り返し単位を含有する。
コポリマーの例としては、2つのエステル形成基をそれぞれが有する3つ以上の反応物を用いて製造されたコポリマーが挙げられる。例えば、コポリ(トリメチレンテレフタレート)は、4〜12個の炭素原子を有する線状、環状、および分枝状の脂肪族ジカルボン酸(例えば、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ドデカン二酸、および1,4−シクロ−ヘキサンジカルボン酸);テレフタル酸以外の8〜12個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸);2〜8個の炭素原子を有する線状、環状、および分枝状脂肪族ジオール(1,3−プロパンジオール以外、例えば、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、および1,4−シクロヘキサンジオール)からなる群から選択されるコモノマーを用いて製造することができる。コモノマーは、通常、約0.5〜約15モルパーセントの範囲のレベルでコポリエステル中に存在し、最大30モルパーセントまでの量で存在することができる。
一実施形態では、PTTは、再生可能資源に由来する1,3−プロパンジオールと、テレフタル酸または酸等価物との重縮合によって製造される。一実施形態では、PTTは、少なくとも20質量%、場合により少なくとも30質量%の再生可能資源による材料を含有する。開示される不織ウェブのために適切である例示的なPTTは、DuPont Company(Wilmington,DE)からSorona(登録商標)という商標で入手可能である。実施形態では、開示される不織ウェブは、ウェブの全質量により少なくとも5%の再生可能資源による含量を有する。
再生可能資源による1,3−プロパンジオールは、1,3−プロパンジオールの生成のための原料を構成する植物によって包含される大気二酸化炭素からの炭素を含有する。言い換えると、再生可能資源による1,3−プロパンジオールは再生可能な炭素だけを含有し、化石燃料ベースまたは石油ベースの炭素を含有しない。
特に好ましい1,3−プロパンジオールの再生可能資源は、トウモロコシ原料などの再生可能な生物資源を用いる発酵プロセスによるものである。例えば、クレブシエラ(Klebsiella)種、シトロバクター(Citrobacter)種、クロストリジウム(Clostridium)種、およびラクトバチルス(Lactobacillus)種において、グリセロールを1,3−プロパンジオールに転化することができる菌種が見出されている。技術は、米国特許第5,633,362号明細書、米国特許第5,686,276号明細書および米国特許第5,821,092号明細書を含むいくつかの公報において開示されている。米国特許第5,821,092号明細書は、とりわけ、組換え生物を用いたグリセロールからの1,3−プロパンジオールの生物学的産生のためのプロセスを開示する。プロセスは、1,2−プロパンジオールに対する特異性を有する異種pduジオールデヒドラターゼ遺伝子で形質転化された大腸菌(E.coli)細菌を組み込む。形質転化された大腸菌(E.coli)は炭素源としてのグリセロールの存在下で増殖され、増殖培地から1,3−プロパンジオールが単離される。細菌および酵母はいずれもグルコース(例えば、トウモロコシ糖)または他の炭水化物をグリセロールに転化することができるので、これらの公報で開示されるプロセスは、1,3プロパンジオールモノマーの再生可能資源を提供する。
従って、組成物中で使用される1,3プロパンジオールは減りつつある化石燃料を枯渇させず、分解されると、植物により再度使用されるために大気中へ戻される炭素を放出するので、再生可能資源による1,3−プロパンジオールに由来するPTTは環境に対する影響が少ない。従って、本発明の組成物はより自然であり、石油ベースの1,3プロパンジオールを含む類似の組成物よりも環境影響が少ないと特徴付けることができる。
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)は、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリ(エチレングリコール)、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸などを含む様々なコモノマーを含むことができる。これらのコモノマーに加えて、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパンおよびトリメチロールエタン(trimethyloloethane)、ならびにペンタエリトリトールのような分岐剤が使用されてもよい。ポリ(エチレンテレフタレート)は、既知の重合技術によってテレフタル酸またはその低級アルキルエステル(例えば、ジメチルテレフタレート)のいずれかおよびエチレングリコールまたはこれらのブレンドもしくは混合物から得ることができる。開示される不織ウェブのスパンボンド繊維の芯成分において使用されるPETは、0.58dl/g〜0.75dl/gまたは0.62dl/g〜0.69dl/gの範囲の固有粘度を有する。
鞘−芯スパンボンド繊維の鞘成分および/または芯成分は、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線安定剤、紡糸仕上げ剤などの他の従来の添加剤を含むことができる。実施形態では、鞘はPTT中に分散された0.1%〜0.33質量%の二酸化チタンを含み、二酸化チタンは、約300nmの平均粒径を有する。
上文で開示される不織ウェブは、例えば、参照によって本明細書に援用される8/2/1999に出願されたRudisillらの米国特許出願第60/146,896号明細書(PCT出願の国際公開第01/09425号パンフレットとして公開)に記載されるような当該技術分野において知られているスパンボンド法を用いて作製することができる。スパンボンドプロセスは、別個の高分子成分が押出オリフィスからの押出の前に接触される前合着(pre−coalescent)ダイか、あるいは別個の高分子成分が別々の押出オリフィスから押出され、毛細管から出た後に接触されて2成分繊維を形成する後合着(post−coalescent)ダイのいずれかを用いて実施することができる。
開示される不織ウェブは、任意の適切な2成分紡糸システム、例えば、Nordson Fiber Systems Inc.(Duluth,GA)およびHills Inc.(W.Melbourne,FL)によって製造されるModel#NF5を用いて製造することができる。最初に、2つのポリマーPETおよびPTTは、90℃〜120℃の範囲の温度で、50ppm未満の水分含量まで乾燥される。乾燥の後、2つのポリマーは、その融点よりも高くそして最低分解温度よりも低い温度で別々に押出される。PTTは245℃〜265℃で押出することができ、PETは280℃〜295℃で押出することができる。押出の後、2つのポリマーはスピン−パックアセンブリに計量供給され、そこで2つの溶融ストリームは別々にろ過されてから、分配プレートのスタックを通して結合されて、多数の列の鞘−芯繊維断面を提供する。スピン−パックアセンブリは、285℃〜295℃に保持される。PTTおよびPETポリマーは、0.5g/孔/分〜3g/孔/分のポリマー処理速度で、各毛細管を通して紡糸することができる。短形スロットジェットを用いて繊維の束に減衰力を提供することができる。ジェットを出る2成分繊維は形成ベルト上に捕集されて、2成分繊維の不織ウェブを形成する。ベルトの下に真空を適用して、不織ウェブをベルトに固定するのを助けることができる。ベルトの速度を変更して種々の坪量の不織ウェブを得ることができる。
不織ウェブは、当該技術分野において知られている方法を用いて熱的に結合させることができる。一実施形態では、不織ウェブは、当該技術分野において知られている方法を用いて点、線の不連続パターン、または他の断続的な結合のパターンで熱的に結合される。断続的な熱結合は、スパンボンドウェブの表面の不連続のスポットに熱および圧力を加えることによって、例えば、パターン化カレンダーロールおよび平滑ロールまたは2つのパターン化ロールの間に形成されるニップに層状構造を通過させることによって形成することができる。ロールの一方または両方が加熱されて、ウェブを熱的に結合させる。衣類の最終用途などにおいてウェブの通気性が重要である場合、より通気性のウェブを提供するために、ウェブは断続的に結合されるのが好ましい。
1つの方法では、不織ウェブは、110℃〜130℃の範囲の結合温度および500N/cm〜1500N/cmの範囲の結合ニップ圧力で、2つの平滑金属ロール間に形成されたニップ内で熱的に結合される。最適な結合温度および圧力は結合の間の線速度の関数であり、通常、より速い線速度はより高い結合温度を必要とする。熱結合されたシートは次にロールに巻き付けられる。
スパンボンド繊維の鞘成分中のPTTは、熱的なパターン結合の間に、パターン化ロール上の隆起した突起部に対応する不連続な領域で部分的に溶融されて融着を形成し、スパンボンド繊維を一緒に結合させて密接に結合したスパンボンドシートを形成する。結合条件および鞘成分において使用されるポリマーに応じて、鞘成分中のポリエチレンも熱的なパターン結合の間に部分的に溶融され得る。PET芯成分は熱結合の間に溶融されず、ウェブの強度に寄与する。結合ロールのパターンは当該技術分野において知られているパターンのいずれであってもよく、好ましくは、不連続な点または線結合のパターンである。また不織ウェブは、超音波エネルギーを用いて、例えば、ホーンと回転アンビルロール、例えば突起部のパターンをその表面に有するアンビルロールとの間にウェブを通過させることによって熱的に結合させることもできる。
あるいは、不織ウェブは、当該技術分野において知られているスルーエアー結合法を用いて結合させることができ、ウェブを多孔質表面に支持しながら、繊維がその交差点で互いに接触するところで繊維を一緒に結合させるのに十分な温度で、空気などの加熱ガスがウェブを通される。
鞘−芯繊維としてPTT−PETを含むスパンボンド不織ウェブは、鞘−芯繊維としてPET−PTTまたは100%のPTT繊維または100%のPET繊維を有する同等の不織ウェブよりも驚くほど高い強度(引張強さ、グラブ(grab)引裂強さ、およびミューレン(Mullen)破裂)を有する。不織ウェブは、25gsm〜500gsmまたは40gsm〜200gsmまたは50gsm〜150gsmの範囲の坪量を有する。本明細書で使用される際、「縦方向(machine direction)」(MD)という用語は、不織ウェブが製造される方向(例えば、不織ウェブの形成中に繊維が置かれる支持表面の移動方向)を指す。「横方向(cross direction)」(XD)という用語は、ウェブの平面において縦方向に略垂直な方向を指す。
不織ウェブは、ウェブの縦方向および横方向の両方で(ASTM D1117−01およびD5035−95に従って)測定される単位坪量当たりの引張強さが、0.7N/gsm〜5N/gsmまたは0.75N/gsm〜2N/gsmの範囲であり得る。不織ウェブは、ウェブの縦方向および横方向の両方で(ASTM D1117−01に従って)測定される単位坪量当たりのグラブ引裂強さが、1.5N/gsm〜10N/gsmまたは1.5N/gsm〜5N/gsmの範囲であり得る。不織ウェブは、ウェブの縦方向および横方向の両方で測定される単位坪量当たりのミューレン破裂が、3.5KPa/gsm〜10KPa/gsmまたは3.5KPa/gsm〜5KPa/gsmの範囲であり得る。不織ウェブは、ウェブの縦方向および横方向の両方で(ASTM 5733に従って)測定される単位坪量当たりのトラペゾイド(trapezoidal)引裂強さが、0.4N/gsm〜5N/gsmまたは0.4N/gsm〜0.75N/gsmの範囲であり得る。不織ウェブは、プレスまたはカレンダー加工することができる。
本明細書に記載される不織ウェブを含む絶縁材料は、植物油、植物油ベースの流体、および藻類油などのトリグリセリド油を含む誘電流体と共に使用することができる。鉱油、合成エステル、ケイ素流体、およびポリアルファオレフィンなどの誘電流体も使用され得る。通常、誘電流体は、約500ppm以下の含水量を有する。植物油の例としては、ヒマワリ油、キャノーラ油、菜種油、トウモロコシ油、オリーブ油、ココナッツ油、ヤシ油、高オレイン酸大豆油、商品(commodity)大豆油、ヒマシ油、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。使用可能な植物油ベースの流体の例は、Envirotemp(登録商標)FR3(商標)流体(Cooper Industries,Inc.)およびBIOTEMP(登録商標)Biodegradable Dielectric Insulating Fluid(ABB)である。「藻類油」という用語は、例えば、米国特許出願公開第2010/0303957号明細書に開示されるように、クロレラ(Chlorella)、パラクロレラ(Parachlorella)、ドナリエラ(Dunaliella)などの微細藻類(miroalgal)細胞によって産生されるトリアシルグリセロールを含む脂質成分を指す。使用可能である高燃焼点炭化水素油の例は、R−Temp(登録商標)炭化水素油(Cooper Industries,Inc.)である。合成エステルの例としては、鎖長内に約10個未満の炭素原子の脂肪酸部分を含有するポリオールエステルが挙げられる。使用可能である市販の合成エステルには、商品名Midel(登録商標)7131(The Micanite and Insulators Co.,Manchester UK)、REOLEC(登録商標)138流体(FMC,Manchester,UK)、およびENVIROTEMP200耐火性流体(Cooper Power Fluid Systems)で販売されるものが含まれる。
一実施形態では、誘電流体はトリグリセリド油を含む。一実施形態では、トリグリセリド油は、植物油、植物油ベースの流体、藻類油、またはこれらの混合物を含む。一実施形態では、植物油は高オレイン酸大豆油を含む。
また本明細書に記載される不織ウェブを含む絶縁材料は、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン(trimetholpropane)、ネオペンチルグリコール、またはこれらの組み合わせを含むポリオールと、脂肪酸部分を含む高オレイン酸大豆油に由来する脂肪酸エステルの混合物との反応から誘導されるポリオールエステルの混合物を含む誘電流体と共に使用することもでき、高オレイン酸大豆油は、i)油中の脂肪酸部分の65%よりも多いC18:1含量と、ii)油中の脂肪酸部分の20%よりも少ないC18:2およびC18:3の合わせた含量とを有する。このような誘電流体は、良好な酸化安定性を含む様々な種類の望ましい特性を有する。酸化安定性は誘電流体中の不飽和の度合いに関連し、例えば、油の安定性指数を決定するための標準的な方法を用いることによって測定することができる。ポリオールエステルの混合物を調製するために使用される大豆油の高オレイン酸含量は、誘電流体に良好な酸化安定性を提供するのに役立つ。さらに、このような誘電流体は易生分解性である植物油に由来するので、生分解性であることが期待される。粗製HOS油の脂肪酸に由来するTMPエステルの混合物を含む誘電流体は、OECDガイドライン301Bに従う28日間のCO2発生試験の条件下で「易生分解」の基準を満たすことが見出された。公開されたカナダ特許出願CA2594765号明細書には、トリメチロールプロパンのトリオレイン酸エステルの72%の生分解性(28d BOD/COD)が開示されている。好ましい実施形態では、誘電流体は、少なくとも約30wt%、または少なくとも約50wt%、または少なくとも約70質量パーセント、または少なくとも約80wt%、または少なくとも約90wt%〜約100wt%の、HOS油の脂肪酸部分を含むポリオールエステルの混合物を含む。
一実施形態では、誘電流体は、トリグリセリド油、ポリオールエステルを含む混合物、またはこれらの組み合わせを含み、トリグリセリド油は、植物油、植物油ベースの流体、藻類油、またはこれらの混合物を含み、ポリオールエステルを含む混合物は、a)ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、またはこれらの組み合わせを含むポリオールと、b)脂肪酸部分を含む高オレイン酸大豆油に由来する脂肪酸エステルの混合物との反応から誘導され、高オレイン酸大豆油は、i)油中の脂肪酸部分の65%よりも多いC18:1含量と、ii)油中の脂肪酸部分の20%よりも少ないC18:2およびC18:3の合わせた含量とを有する。
植物油は、通常、飽和および不飽和有機酸のトリグリセリドエステルを高い割合で有する。オレイン酸は、ヒマワリ、オリーブ油、ベニバナ、キャノーラ油、および大豆油を含む多数の天然油においてトリグリセリドエステルとして見出される一価不飽和酸である。高オレイン酸大豆(HOS)油は、参照によってその全体が本明細書に援用される国際特許公報の国際公開第94/11516号パンフレットに開示されるような、高オレイン酸含量をもたらすように遺伝子改変された高オレイン酸大豆種子に由来し得る。高オレイン酸大豆種子は、オレイン酸が油中の脂肪酸部分の65パーセントよりも多く、好ましくは油中の脂肪酸部分の75パーセントよりも多くを占める大豆種子である。高オレイン酸大豆油は、参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許第5,981,781号明細書に開示されるような高オレイン酸大豆種子に由来し得る。高オレイン酸大豆油は、米国特許第5,981,781号明細書に記載されるように、精製、漂白、および脱臭された高オレイン酸大豆油(RBD HOS油)を得るために精製、漂白、および脱臭などのプロセスステップによって純化され得る。HOS油および/またはRBD HOS油は本明細書に開示されるプロセスにおいて使用されて、ポリオールエステルの混合物を含む誘電流体を調製することができる。一実施形態では、HOS油は、精製、漂白、および脱臭された高オレイン酸大豆油を含み得る。
トリグリセリド組成物は、3つの脂肪酸分子に結合されたグリセロール骨格である。純粋な植物油は、通常16〜22個の範囲の炭素原子の炭素鎖を有する特定の脂肪酸のトリグリセリドであるが、より短いおよび/またはより長い炭素鎖が少量存在することもできる。炭素鎖が二重結合を有さない場合には飽和油であり、Cn:0(nは炭素原子の数である)で示される。1つの二重結合を有する炭素鎖は一価不飽和であり、Cn:1で示され、2つの二重結合を有する炭素鎖はCn:2で示され、3つの二重結合を有する炭素鎖はCn:3で示される。例として、パルミチン酸はC16:0酸であり、ステアリン酸はC18:0酸であり、オレイン酸はC18:1酸であり、リノール酸はC18:2酸であり、リノレン酸はC18:3酸である。酸はトリグリセリドとの結合状態にあり、油は、加水分解されると酸成分およびグリセロール成分に分離される。
高オレイン酸大豆油は、油中の脂肪酸部分の65%よりも多いC18:1含量と、油中の脂肪酸部分の20%よりも少ないC18:2およびC18:3の合わせた含量とを有する。一実施形態では、HOS油は、脂肪酸部分の約70%よりも多いC18:1含量と、脂肪酸の15%よりも少ないC18:2およびC18:3の合わせた含量とを有する。一実施形態では、HOS油はさらに、脂肪酸部分の15%よりも少ないC16:0およびC18:0の合わせた含量を含む。一実施形態では、HOS油は、脂肪酸部分の約75%よりも多いC18:1含量と、脂肪酸部分の10%よりも少ないC18:2およびC18:3の合わせた含量とを有する。一実施形態では、HOS油は、脂肪酸部分の約80%よりも多いC18:1含量と、脂肪酸の10%よりも少ないC18:2およびC18:3の合わせた含量とを有する。
ポリオールエステルの混合物はHOS油から2つの合成ステップで得ることができる。第1の合成ステップにおいて、脂肪酸部分を含むHOS油は、アルコールとの塩基触媒反応によってグリセロールおよび脂肪酸エステル混合物に転化される。脂肪酸エステル混合物はHOS油の脂肪酸部分を含む。第1の合成ステップは以下のスキームIで表されており、アルコールはR4OHで示され、R1、R2、およびR3は、トリグリセリド出発材料中ならびに脂肪酸エステル生成物R1CO24、R2CO24、およびR3CO24中の脂肪酸部分の同一または異なるC15〜C21炭素鎖を表す。スキームIでは、出発材料としてただ1つのHOS油のトリグリセリドが示されているが、HOS油は、本明細書中の上記の高オレイン酸大豆油の実施形態において記載される脂肪酸部分のC16:0、C18:0、C18:1、C18:2、およびC18:3含量を満たすようなトリグリセリドの混合物を含有することに注意する。
Figure 2014529870
第2の合成ステップにおいて、脂肪酸エステルの混合物R1CO24、R2CO24、およびR3CO24はグリセロール以外のポリオールと反応されて、HOS油の脂肪酸部分を含むポリオールエステルの混合物を生じる。ポリオールエステルの混合物を調製するためのプロセスは次のように実施することができる。
HOS油は第1の塩基触媒の存在下で1〜5個の炭素の鎖長を有する脂肪族モノアルコールと反応されて、グリセロールと、HOS油の脂肪酸部分に対応する脂肪酸エステルの混合物とを含む反応混合物を生じる。スキームIにおいて、モノアルコールはR4OHで示されており、式中、R4は1〜5個の炭素を含有するアルキル基を表す。このエステル交換反応は、(1)過剰のモノアルコール(HOS油を基準として約25〜50質量%)の使用と、(2)HOS油の脂肪酸部分のエステル交換反応の間に形成されるグリセロールの分離および除去とによって完了まで駆り立てることができる。グリセロールの分離および除去によって、このステップで得られるエステル混合物がHOS油のトリグリセリドをできるだけ含まないことも可能になる。グリセロールは、例えば、反応混合物を冷却し、グリセロールが反応混合物よりも高い密度を有することに起因して底部グリセロール層の形成を可能にすることによって分離され得る。液/液抽出、溶媒抽出、塩析、またはエステル化生成物の破壊を生じ得ない他の分離方法などの他の従来の分離手段を使用することができる。分離の後、グリセロール底層は、当該技術分野において知られている任意の従来の方法によって物理的に除去することができる。
モノアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール異性体、ブタノール異性体、ペンタノール異性体、またはこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、モノアルコールはメタノールを含む。第1の塩基触媒は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド、またはこれらの組み合わせを含むことができる。同じ結果を得るために、当業者に知られているその他の塩基触媒を使用することができ、このような触媒はどれも本発明の実施において有用であり得る。使用される第1の塩基触媒の量は、使用されるHOS油の量を基準として、通常約0.1wt%〜約1.0wt%であり、例えば約0.1wt%〜約0.5wt%である。これよりも多い量の塩基を使用することができるが、必要でも経済的でないこともある。一実施形態では、第1の塩基触媒は炭酸ナトリウムを含む。一実施形態では、第1の塩基触媒は炭酸カリウムを含む。植物油から対応するメチルエステルへのエステル交換反応は周知であり、バイオディーゼルを製造するために広く使用されている。例えば、[J.Braz.Chem.Soc.,1998,9,199−210]を参照されたい。
HOS油を脂肪族モノアルコールと反応させるための適切な反応条件には、約25℃〜約150℃、例えば約50℃〜約100℃の反応温度と、約30分〜約4時間の反応時間とが含まれる。一実施形態では、反応は、大気圧および還流条件下で約3時間以上実行することができる。
一実施形態では、HOS油と脂肪族モノアルコールとの反応は、多段階プロセスにおいて2回以上繰り返すことができる。第1段階は、上記において本明細書中に記載されるように実施される。第1段階の最後に、グリセロール副生成物の底層が分離および除去され、トリグリセリドおよび脂肪酸エステルを含む混合物に追加のメタノールおよび塩基触媒が添加され、反応混合物の加熱が継続されて、グリセロールと脂肪酸エステルの混合物とを含む第2の反応混合物を生じる。グリセロールの除去、追加のメタノールおよび塩基の添加、ならびに加熱ステップは、HOS油中に含有されるトリグリセリドが脂肪酸エステルにエステル交換されるまで繰り返される。一実施形態では、HOS油と脂肪族モノアルコールとの反応は2段階で実施される。2段階プロセスでは、使用されるHOS油の量を基準として、全部で約30質量%のモノアルコールと、全部で約0.1wt%〜約1.0wt%、例えば約0.1wt%〜約0.5wt%の塩基触媒とが使用される。
グリセロールおよび過剰の脂肪族モノアルコールを除去した後、得られた脂肪酸エステルの混合物は、さらに処理することなくプロセスの次のステップで使用することができる。このエステル交換反応の収率はほぼ定量的である。しかしながら、得られる脂肪酸エステルの混合物は、残りのグリセロールおよび/またはグリセロールエステル(トリグリセリド)をいくらか有していてもよい。一実施形態では、10%の未満のグリセロールおよび/またはグリセロールエステルが混合物中に存在している。別の実施形態では、5%未満、3%未満、または1%未満のグリセロールおよび/またはグリセロールエステルが脂肪酸エステル混合物中に存在している。一実施形態では、脂肪酸エステルの混合物は、グリセロールおよび/またはグリセロールエステルを本質的に含まない。脂肪酸エステルの混合物中の脂肪酸部分の組成は、HOS油の脂肪酸部分の組成に対応する。
次に、脂肪酸エステルは第2の塩基触媒の存在下でポリオールと反応されて、第1の合成ステップにおいて使用される脂肪族モノアルコールと、HOS油の脂肪酸部分を含有するポリオールエステルの混合物とを含む反応混合物を生じる。第2の塩基触媒は、第1の触媒と同じ群の触媒から選択することができ、第1の触媒と同じであってもよいし、第1の触媒とは異なっていてもよい。ポリオールは、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、またはこれらの組み合わせを含む。このエステル交換反応は、わずかに過剰のHOS油の脂肪酸エステル、例えば、ポリオールの全ヒドロキシル基に関して約1.15〜約1.5当量のHOS油の脂肪酸エステルの使用によって、そしてポリオールとのエステル交換反応の間に形成されるモノアルコールの除去によって、より高い転化率まで駆り立てることができる。蒸留によって、未反応脂肪酸エステルが除去されてもよい。
一実施形態では、ポリオールはペンタエリトリトールを含み、第2の合成ステップは以下のスキームIIに示されるように表すことができ、R1、R2、R3、およびR4は上記の定義と同じ意味を有する。スキームIIでは、出発混合物の脂肪酸エステルは3つだけが示されているが、混合物は、本明細書中の上記のHOS油の脂肪酸部分のC16:0、C18:0、C18:1、C18:2、およびC18:3含量を満たすような様々な脂肪酸エステルを含有することに注意する。さらに、ただ1つの一般化されたポリオールエステル生成物が示されるが、HOS油の脂肪酸部分を含むペンタエリトリトールエステルの混合物が生成され、RはR1、R2、およびR3、または任意の組み合わせであり得る。
Figure 2014529870
一実施形態では、ポリオールはトリメチロールプロパンを含み、第2の合成ステップは以下のスキームIIIに示されるように表すことができ、R1、R2、R3、およびR4は上記の定義と同じ意味を有する。スキームIIIでは、出発混合物の脂肪酸エステルは3つだけが示されているが、混合物は、本明細書中の上記のHOS油の脂肪酸部分のC16:0、C18:0、C18:1、C18:2、およびC18:3含量を満たすような様々な脂肪酸エステルを含有することに注意する。さらに、ただ1つの一般化されたポリオールエステル生成物が示されるが、HOS油の脂肪酸部分を含むトリメチロールプロパンエステルの混合物が生成され、RはR1、R2、およびR3、または任意の組み合わせであり得る。
Figure 2014529870
一実施形態では、ポリオールはネオペンチルグリコールを含み、第2の合成ステップは以下のスキームIVに示されるように表すことができ、R1、R2、R3、およびR4は上記の定義と同じ意味を有する。スキームIVでは、出発混合物の脂肪酸エステルは3つだけが示されているが、混合物は、本明細書中の上記のHOS油の脂肪酸部分のC16:0、C18:0、C18:1、C18:2、およびC18:3含量を満たすような様々な脂肪酸エステルを含有することに注意する。さらに、ただ1つの一般化されたポリオールエステル生成物が示されるが、HOS油の脂肪酸部分を含むネオペンチルグリコールエステルの混合物が生成され、RはR1、R2、およびR3または意の組み合わせであり得る。
Figure 2014529870
本発明のいずれのスキームにおいても、第2の塩基触媒は、第1の塩基触媒と同じ群の触媒から選択することができ、第1の触媒と同じであってもよいし、第1の触媒とは異なっていてもよい。第2の塩基触媒は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド、またはこれらの組み合わせを含むことができる。一実施形態では、第2の塩基触媒は水酸化カリウムを含む。通常、高い反応速度を維持しながらモノアルコール副生成物の活発な沸騰およびポリオールの損失を回避するために、反応温度はポリオールエステルへの転化が進行するにつれてゆっくり上昇される。より揮発性のモノアルコールR4OHは、減圧下で蒸留によって除去することができる。脂肪酸エステルをポリオールと反応させるための適切な反応条件は、5トル〜約100トルの範囲の真空下で、約50℃〜約200℃の反応温度と、約5時間〜約150時間の反応時間を含む。高転化率におけるペンタエリトリトールエステルの調製は、より高い温度およびより長い反応時間を必要とし得る。
モノアルコールおよび場合により任意の未反応脂肪酸エステルを除去した後、ポリオールエステルの混合物は、例えば、混合物の遠心分離およびシリカゲル薄層の通過によって、任意のより高沸点の副生成物から分離することができる。次に、ポリオールエステルの混合物は110℃の完全真空(0.5トル以下)において通常は約1時間乾燥されて、ポリオールエステルの最終混合物を提供することができる。
同様に、ポリオールエステルの混合物は、例えば、ヒマワリ油、キャノーラ油、ベニバナ油、菜種油、トウモロコシ油、オリーブ油、ココナッツ油、ヤシ油、ヒマシ油、商品大豆油、高オレイン酸ヒマワリ油、高オレイン酸キャノーラ油、およびこれらの混合物を含むがこれらに限定されないその他の植物油から得ることができる。ポリオールエステルの混合物の特徴、例えば、C18:1、C18:2、C13:3、C16:0、およびC18:0部分などの不飽和および飽和部分の含量は、これらが由来する植物油の組成を反映することができる。ポリオールエステルの混合物は、1つまたは複数のポリオールエステルを混合物から分離するため、あるいはポリオールエステルの1つまたは複数に関して混合物を濃縮または枯渇させるために、例えば蒸留によって精製されてもよい。ポリオールエステルの混合物の調製プロセスの一実施形態では、プロセスはさらに、高オレイン酸大豆油に加えて、高オレイン酸大豆油以外の少なくとも1つの植物油を提供することを含む。
Cargill,Inc.から入手可能なIMC−130キャノーラ油は、約75%のオレイン酸含量と、約14%の多価不飽和脂肪酸含量(C18:2およびC18:3)とを有する。米国特許第5,767,338号明細書には、IMC−130の植物および種子が記載されている。また米国特許第5,861,187号明細書も参照されたい。例えば、約77%〜約81%、または約86%〜約92%のオレイン酸含量を有する高オレイン酸ヒマワリ油は、A.C.Humko,Memphis TNから得ることができる。米国特許第4,627,192号明細書には、高オレイン酸ヒマワリ油が記載されている。
誘電流体はさらに、誘電流体の全質量を基準として、約1wt%〜約70wt%、例えば約1wt%〜約50wt%、または約1wt%〜約30wt%、または約1wt%〜約20wt%、または約1wt%〜約10wt%の、植物油、植物油ベースの流体、ポリオールと高オレイン酸大豆油に由来する脂肪酸エステルの混合物との反応から誘導されるポリオールエステルの混合物、鉱油、合成エステル、ケイ素流体およびポリアルファオレフィンなどの他の誘電流体を含むブレンディング成分を含み得る。一実施形態では、誘電流体はさらに、植物油、鉱油、シリコーン流体、合成エステル、ポリアルファオレフィン、またはこれらの混合物からなる群から選択されるブレンド成分を含む。
誘電流体は、有用な添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不動態化剤、金属不活性化剤、特に銅不活性化剤、防蝕剤、難燃剤、熱安定剤、粘度調整剤、流動点降下剤、消泡剤、酸塩基指示薬、酸捕捉剤、可塑剤、および染料を含有することができるが、ただし、添加剤は組成物中に可溶性であり、高温において熱安定性であり、そして誘電流体または絶縁材料の電気特性に悪影響を与えないものとする。一実施形態では、誘電流体はさらに、酸化防止剤、防蝕剤、金属不活性化剤、酸捕捉剤、および流動点降下剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含む。
最も一般的な酸化防止剤は、天然または合成フェノール、ヒンダードフェノール、キノン、ヒドロキノン、およびこれらの誘導体である。植物油と容易にブレンドすることができる有用な酸化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、第3級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、Ionol(登録商標)926、Ionol(登録商標)LC、エトキシキン、フェノチアジン、Irganox(登録商標)259、Chimassorb(登録商標)944、Irganox(登録商標)1330、Irganox(登録商標)E201、ピロガロール、カテコール、カテシン(cathecin)、メチルヒドロキノン、4−メトキシフェノール、2−フェニルヒドロキノン、カテシン(cathecin)、メトキシヒドロキノン、ジメトキシフェノール、アスコルビン酸、トコフェロール、およびトコトリエノールが挙げられる。酸化防止剤は、使用中の誘電流体および/または絶縁材料の分解を防止または低減するために、約100ppm〜約10,000ppm、例えば約500ppm〜約5000ppm、または約800ppm〜約2500ppmの量で誘電流体に添加することができる。
一般に、流動点降下剤は、例えば、アクリレートもしくはメタクリレートコポリマー、またはステアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、およびラウリルアクリレートなどのエステルであり得る。流動点降下剤の添加は誘電流体の流動点を効果的に低減することができ、その低温流動性を改善する。有用な流動点降下剤の例としては、Enerflow107671A(Enertech Labs.Inc.,Buffalo,NY)Infineum V385、Infineum387、(Oxfordshire,OX,United Kingdom)、Aclube P−D3000、Aclube P−D4070(Sanyo Chemicals,Tokyo,Japan)が挙げられる。流動点降下剤は、誘電流体の質量を基準として、約1wt%〜約15wt%、または約1wt%〜約10wt%、または約1wt%〜約5wt%の量で誘電流体に添加することができる。
金属不動態化剤および金属不活性化剤は、一般に、窒素、酸素、硫黄およびジスルフィドなどのへテロ原子を含有する有機材料であり、金属または金属酸化物表面に結合して、不動態化防蝕効果を提供することができる。また、不活性金属キレートの形成によって液相における金属触媒による酸化を遅くすることができる化合物も存在し、電気装置において銅などの金属の望ましくない溶解を低減することができる。適切な金属不動態化剤および金属不活性化剤の例としては、ジサリチリデンジアミン、アントラニル酸、ベンゾトリアゾールおよびトリルトリアゾールが挙げられる。
酸捕捉剤は、変圧器などの電気装置において酸が金属または固体絶縁材料と反応しないように、誘電流体の熱分解により生じ得る酸を中和するために誘電流体に添加することができる。有用な酸捕捉剤の例としては、ハイドロタルサイト、金属脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム)、エポキシエステル、ゼオライト、イオン性液体、イミダゾール、Hysafe(登録商標)539、Sipax(登録商標)AC−207、Hycite(登録商標)713、Ceasit(商標)AV、Cardura E10P、およびBasil(商標)が挙げられる。酸捕捉剤は、誘電流体の質量を基準として、約0.01wt%〜約5wt%、または約0.05wt%〜約2wt%の量で誘電流体に添加することができる。
本明細書で開示される絶縁材料は、本明細書に開示される不織ウェブの特性を有する電気絶縁材料を必要とする用途、例えば、液体充填電力変圧器、配電変圧器、牽引変圧器、リアクタ、ならびにスイッチおよびタップ切替器などのこれらの付属設備(これらは全て流体充填されている)などにおける使用に適している。誘電流体と、本明細書に記載される不織ウェブを含む固体絶縁材料との組み合わせは、電気装置のための電気絶縁を提供する。一実施形態では、本明細書に開示される絶縁材料を含む電気装置は、電気変圧器、電気コンデンサー、流体充填伝送線、電力ケーブル、電気インダクタ、または高圧スイッチである。一実施形態では、電気装置は閉鎖型変圧器である。一実施形態では、電気装置は、不活性ガスを含有するヘッドスペースを有する開放型変圧器である。一実施形態では、誘電材料は、少なくとも約5質量パーセント、または少なくとも約10質量パーセント、または少なくとも約15質量パーセント、または少なくとも約20質量パーセントの誘電流体が含侵された本明細書に記載される不織ウェブを含む。誘電材料は、誘電流体で飽和されるように、誘電流体によって含侵され得る。一実施形態では、不織ウェブは、約160℃の植物油に約4週間浸漬した後、少なくとも約70%である縦方向の破断点引張強さ保持率を有する。一実施形態では、不織ウェブは、約160℃の植物油に約4週間浸漬した後、少なくとも約55%である縦方向の伸び保持率を有する。
液体充填変圧器のための安価な絶縁材料として使用される場合、本明細書に開示される不織ウェブは高い引張強さを保持し、次に変圧器の延長された寿命を提供するので、不織ウェブは製造業者および消費者の両方に長期的な利益を提供することができる。有利には、不織ウェブはセルロース絶縁材料とは違って老化中に水を放出しない。また不織ウェブは良好な柔軟性および弾性特性を保持することができるが、セルロース絶縁材料は分解の間に脆くなる可能性があり、セルロース分解の小さい浮遊副生成物は変圧器の絶縁破損を引き起こし得る。
本明細書に開示される絶縁材料は、誘電媒体が空気である乾式変圧器においてもうまく機能し得ると考えられる。
酸化防止剤、流動点降下剤、酸捕捉剤、および可塑剤などの特定の添加剤は誘電流体の熱容量をさらに改善することができ、同時に、不織ウェブ、不織ウェブを含む絶縁材料、および不織ウェブを含む誘電材料の機械性能に対してプラス効果を有し得る。
本明細書に開示される絶縁材料、誘電装置、および誘電材料は、クラフト紙および/または熱的に改善されたクラフト紙をさらに含むことができる。複数の連続スパンボンドポリエステル2成分繊維を含み、複数の2成分繊維のそれぞれが、芯の中の約20質量%〜約80質量%のポリ(エチレンテレフタレート)、および芯を包囲する鞘の中の約80質量%〜約20質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)を含む不織ウェブと、クラフト紙および/または熱的に改善されたクラフト紙との組み合わせは、必要とされる電気特性を低コストで提供することによって有利であり得る。一実施形態では、不織ウェブならびにクラフト紙および/または熱的に改善されたクラフト紙は、変圧器コイルおよび芯、コネクタ、ならびにワイヤの多層ラッピングを提供するために使用され得る。一実施形態では、不織ウェブは、変圧器のほぼ円筒形の部分に初期層を巻き付けるために使用され、クラフト紙および/または熱的に改善されたクラフト紙は付加的な層を巻き付けるために使用され得る。不織ウェブの使用は、より高い引裂抵抗および曲率半径に対するより良い一致を提供することができる。一実施形態では、変圧器の絶縁は不織ウェブならびにクラフト紙および/または熱的に改善されたクラフト紙の層を含むことができ、不織ウェブまたはクラフト紙は、変圧器において発生される熱および磁束の勾配に応じて、最初または最後の層として使用され得る。一実施形態では、変圧器の周りの絶縁は、クラフト紙および/または熱的に改善されたクラフト紙を含むことができ、機械的により強い不織ウェブがクラフト紙上の外層としてそれを保護するために使用され得る。一実施形態では、絶縁を通る誘電流体の浸透性を制御するために、不織ウェブとクラフト紙および/または熱的に改善されたクラフト紙との組み合わせを使用することができ、より低い浸透性を有する材料は変圧器のより高温の表面に対して配置されて、誘電流体のより良好な流動性を提供することができる。
実施例において以下の材料を使用した。市販の試薬は全て、他に記載されない限りは入手したままの状態で使用した。
以下の脂肪酸:パルミチン酸(6.5wt%)、ステアリン酸(4.15wt%)、オレイン酸(73.9wt%)、リノール酸(8.77wt%)、およびリノレン酸(2.94wt%)のトリグリセリドを含有する、精製、漂白、および脱臭された高オレイン酸大豆油(RBD HOS油、本明細書では「HOS油」と称される)は、米国特許第5,981,781号明細書に従って得た。50ミリトルの真空を適用して、ロータリーエバポレータ(rotovap)により油を90℃で4時間注意深く乾燥させた。
市販の鉱油UNIVOLT N61B(ExxonMobil,Fairfax VA)は、加速安定性試験の前に乾燥させることなく、入手したままの状態で使用した。UNIVOLT N61Bは、水素処理された軽質ナフテン酸留出物(石油)であると説明することができる。これを使用する実施例および比較例では「鉱油」と呼ばれる。
市販のクラフト紙および市販の熱的に改善されたクラフト紙(22HCC)は、Weidmann Electrical Technology Inc.(St.Johnsbury,VT)から入手した。エポキシド化大豆油(Vicoflex7170)は、Arkema Inc.(Blooming Pairie,MN)から入手した。第3級ブチルヒドロキノン(TBHQ、95%、カタログ#112941)、カテキン、およびエポキシド化大豆アクリレート(カタログ#412333)は、Aldrich(St.Louis,MO)から入手した。Irganox259は、Ciba Specialty Chemicals Inc.(Tarrytown,NY)から入手した。N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−プロパンジアミンは、TCI(America,(Portland,OR)から入手した。銅片は、A.J.Oster Foils(Alliance,OH)から入手した。ステアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、およびVazo(登録商標)64は、Aldrich(sigmaaldrich.com)から購入した。トルエンは、EDM(edmchemicals.com)から入手した。
スパンボンド不織ウェブの作製
2成分繊維を含む不織ウェブを、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)成分およびポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)成分から作った。PET成分は、Dupont Company(Old Hickory,TN)からPET樹脂グレード4434として入手され、0.67dl/gの固有粘度(IV)を有した。PTT成分D13454709Sorona(登録商標)J2241セミダル(semi−dull)もDupont Company(Wilmington,DE)から入手可能である。使用したPTTは、1.02dl/gのIV、約28000のMn、および約37質量%の再生可能資源による材料を有した。
PET樹脂およびPTT樹脂はいずれも、100℃の温度のスルーエアー乾燥器において、50ppm未満の水分含量まで乾燥させた。
Nordson Fiber Systems Inc.(Duluth,GA)およびHills Inc.(W.Melbourne,FL)によって製造される2成分紡糸システムModel#NF5を、スパンボンド構造を形成するために使用した。2つの成分は別々に押し出され、スピン−パックアセンブリに計量供給され、そこで2つの溶融ストリームは別々にろ過されてから、分配プレートのスタックを通して結合されて、多数の列の鞘−芯繊維断面を提供する。スピン−パックアセンブリは全部で1162の円形毛細管開口部で構成された。形成ゾーンの幅は56cmであった。スピン−パックアセンブリを295℃に加熱した。各毛細管を通して1.0g/孔/分のポリマー処理速度でPTTおよびPETポリマーを紡糸した。
75cmの長さにわたって延在するクロスフロークエンチにおいて繊維の束を冷却した。矩形スロットジェットによって、繊維の束に減衰力を提供した。スピンパックとジェット入口の間の距離は63cmであった。
ジェットから出る繊維を形成ベルト上に捕集した。ベルトの下に真空を適用して、繊維をベルトに固定するのを助けた。次に繊維を2つの平滑金属ロール間に形成されたニップ内で熱結合させた。両方のロールを155℃に加熱し、ニップ圧力は714N/cmであった。熱結合したシートを次にロールに巻き付けた。
種々の坪量のスパンボンドを得るようにベルトの速度を変更した。ベルト速度を42m/分に設定して50gsmのスパンボンドを得た。100gsmのシートを得るために速度を21m/分に低下させ、150gsmのシートを得るために速度をさらに14m/分まで低下させた。
坪量はウェブまたはシートの単位面積当たりの質量の尺度であり、ASTM C−3776により決定され、g/m2(gsmと略される)で報告される。
表NW−1は、2成分スパンボンド不織ウェブの組成および坪量を要約する。鞘および芯は、それぞれPTTまたはPETのいずれかである1つの高分子成分を含む。従って、1で示されるスパンボンド不織ウェブの場合、鞘の中の50質量%のPTTおよび芯の中の50質量%のPETは、鞘対芯の質量比が50:50であるように、鞘が純粋なPTTを含み、芯が純粋なPETを含むことを意味する。2で示されるスパンボンド不織ウェブの場合、鞘の中の25質量%のPTTおよび芯の中の75質量%のPETは、鞘対芯の質量比が25:75であるように、鞘が純粋なPTTを含み、芯が純粋なPETを含むことを意味する。50gsmの坪量を有する不織ウェブ1のサンプルは本明細書では不織ウェブ1−1と呼ばれ、100gsmの坪量を有する不織ウェブ1のサンプルは本明細書では不織ウェブ1−2と呼ばれ、150gsmの坪量を有する不織ウェブ1のサンプルは本明細書では不織ウェブ1−3と呼ばれる。同様に、50、100、または150gsmの坪量を有する不織ウェブ2のサンプルは、本明細書では、それぞれ不織ウェブ2−1、2−2、および2−3と呼ばれる。
表NW−1:例示的な2成分スパンボンドウェブの組成
Figure 2014529870
不織ウェブの強度および摩耗の測定
以下のような不織布のための標準ASTM(米国材料試験協会)法を用いて、スパンボンド不織ウェブ1および2を、強度(グラブ引裂き、トラペゾイド引裂き、ストリップ引張りおよびミューレン破裂)について試験した。
ストリップ引張強さはシートの破壊強度の尺度であり、ASTM D1117−01、D5035−95に従い、2.54cm(1インチ)の幅広ストリップにおいて実施され、表NW−2に報告される。
表NW−2:例示的な2成分スパンボンドウェブのストリップ引張強さ
Figure 2014529870
表NW−2は、100gsmおよび150gsmにおいて、鞘の中に25質量%のPTTを含有するスパンボンドウェブ(サンプル2−2および2−3)が、鞘の中に50質量%のPTTを含有するもの(サンプル1−2および1−3)よりも強いことを示唆する。
ミューレン破裂試験はウェブを破裂させるために必要とされる圧力を測定し、ASTM D1117−01、D5035−95に従って実施され、表NW−3において単位面積当たりの力の単位KPaで報告される。
表NW−3:例示的な2成分スパンボンドウェブのミューレン破裂試験結果
Figure 2014529870
150gsmにおいて、サンプル2−3(鞘中のPTT)のミューレン破裂は機器の限界を超えたので測定できなかった。
グラブ引裂強さは、ウェブ片を2つに引き裂くために必要とされる力の尺度である。グラブ引裂強さは、互いに協同して作用するウェブの個々の糸の破壊強度に基づく。グラブ引裂きは、ASTM D1117−01、D5035−95に従って、縦方向(MD)および縦方向に垂直な方向(XD)の2方向で実施され、ニュートンで報告される。結果は表NW−4に要約される。
表NW−4:例示的な2成分スパンボンドウェブのグラブ引裂試験
Figure 2014529870
表NW−4は、100gsmおよび150gsmにおいて、鞘の中に25質量%のPTTを含有するスパンボンドウェブ(サンプル2−2および2−3)が、鞘の中に50質量%のPTTを含有するもの(サンプル1−2および1−3)よりも強いことを示唆する。
トラペゾイド引裂強さは継続される引裂きに抵抗する能力の尺度である。試験片は、台形形状である。サンプルには引裂きのための切り込みが入れられ、ウェブを横切って引裂きを継続するために必要とされる力が測定される。トラペゾイド引裂きはASTM 5733に従って実施された。結果は、表NW−5に要約される。
表NW−5:例示的な2成分スパンボンドウェブのトラペゾイド引裂
Figure 2014529870
それぞれ100gsmの坪量であり、点結合もされたスパンボンド不織ウェブ1−2および2−2を用いて、加速老化研究を実施した。不織ウェブ1−2は、鞘対芯の質量比が50:50であるように、鞘の中に50質量%のPTTを含み、芯の中に50質量%のPETを含んでいた。不織ウェブ2−2は、鞘対芯の質量比が25:75であるように、鞘の中に25質量%のPTTを含み、芯の中に75質量%のPETを含んでいた。各ウェブサンプルの厚さは結果の表に示される。以下の実施例および比較例に記載されるように、添加剤を含むおよび添加剤を含まない植物油(HOS油)ならびに鉱油中で不織ウェブを試験した。オーブン内で不織ウェブを110℃で24時間乾燥させた後、加速老化研究で使用した。
以下に提供される実施例において以下の試験方法を用いた。
高オレイン酸大豆油サンプルの含水量は、カールフィッシャー容量滴定法(EMD Aquastar AQV33、EMD CombiTittrant 5、50:50メタノールトルエン溶媒中)を用いて決定した。通常、高オレイン酸大豆油の水分含量は乾燥後に約160ppmの水であった。同じ方法により、鉱油UNIVOLT N61Bの含水量を決定した。鉱油は、通常、約30ppmの水を含有した。
ASTM D828−97に従い、修正されたMTS Corporation Testworks 4 Softwareと共に、Instron Model 1125(Instron Corporation,Canton,MA)を用いて、2.54cm(1インチ)幅および12.70cm長(5インチ)の試験片において、実施例1〜25の不織ウェブについての引張りおよび伸び特性を測定した。実施例26〜28ならびに比較例G、H、I、およびJにおいて、引張り特性および伸びは、フラット−フェースグリップ(Instron Corporation,Canton,MA)およびBluehillソフトウェアと共に、Instron Model 1122/8500Rにおいて4回繰り返して、ASTM D828−97に従い、2.54cm(1インチ)幅および10.16cm長(4インチ)試験片において測定した。引張りおよび伸び特性の測定の前に、過剰の油を不織布サンプルから拭き取った。
老化した不織ウェブの引張強さ保持率は、以下のように計算した。
Figure 2014529870
同様に、破断伸び保持率(縦方向または横方向)は、以下のように計算した。
Figure 2014529870
クラフト紙、熱的に改善されたクラフト紙、および不織ウェブの厚さは、カリパスを用いてミリメートルで測定して、ミクロンに変換した。
実施例1〜24および比較例A〜Jについて、160℃または180℃または200℃で4週間(672時間)、8週間(1344時間)、または16週間(2688時間)の加速老化研究を実施して、高温での誘電流体への暴露が不織ウェブ絶縁材料に与える効果を決定し、液体充填変圧器中の材料の予想される潜在的な寿命を推定した。試験の前に不織ウェブサンプル、ガラス試験管および油を注意深く乾燥させた。オーブン内で不織ウェブを110℃で24時間乾燥させた。ガラス容器を550℃で24時間乾燥させ、室温まで冷却し、不織ウェブおよび油を入れてから、窒素雰囲気中で密封した。各管に約84cm3の油を充填し、平均不織布サンプル質量は1.8gであり、ヘッドスペースは約30〜39cm3であった。油(添加剤を含むまたは含まない)中に浸漬された不織布サンプルを含有する試験管を、所望の温度に維持したオーブンに入れた。4、8、または16週間の所望される老化の後、試験管をオーブンから取り出し、過剰の油を不織ウェブサンプルから拭き取り、老化試験片において物理的測定を実施した。4、8、および16週間の老化試験のために別箇の不織布サンプルを使用した。
実施例25および26ならびに比較例KおよびLについては、以下の相違点を除いて上記のとおりに加速老化研究を実施した。2日間(48時間)および4週間(672時間)の間、温度は200℃であった。老化研究を実施する前に、不織ウェブ2−2サンプルをガラス管中、−80kPaの真空下で24時間、115℃において乾燥させてから、85gの油を添加し、油/不織布混合物を同じ条件下で8時間さらに乾燥させた後、N2(16時間)下で室温まで冷却した。ガラス管を空気にさらしてから、約20cm3のヘッドスペースと共に密封した。
ポロシメトリー−窒素吸着/脱着測定は、ASTM D4641(Micrometrics ASAPモデル2400ポロシメータ、Atlanta GA)に定義されるように77.3Kで実施した。L.Abrams et.al,Tappi Proceedings 1996 Coating Conference,p185−192(Micrometrics Autoporeモデル9220ポロシメータ、Atlanta GA)において定義されるように、水銀ポロシメトリーを実施することによって圧縮率を補正し、補正された骨格密度、圧縮率、侵入容積(intrusion volume)および表面積が示される。
交流電流絶縁耐力(ACDS)は、ASTM D149に従って測定した。真空(115℃、<5トル)下で24時間加熱することによりサンプルを前処理してから、窒素(115℃)下で8時間鉱油中に沈めて加熱し、窒素下で16時間冷却した。試験は、Phenix 6TCE4100/50−5/D149Xにおいて1/4インチ半径の2インチ電極を用いて23℃で実施した。
比較例A
任意の油中に浸漬されたクラフト紙を断片(2.5cm×7.5cm)に切断し、引張り特性を測定した。結果は表1および2に示される。
比較例B
クラフト紙を断片(2.5cm×7.5cm)に切断してガラス容器に入れ、次にこれに高オレイン酸大豆油(HOS油)を充填した。容器を160℃のオーブンに2週間(336時間)入れた。容器を取り出し、冷却し、紙サンプルから過剰の油を拭き取った後、引張り特性を測定した。結果は表1および2に示される。
比較例C
比較例Cは、HOS油の代わりに鉱油を使用したことを除いて、比較例Bと同じ方法で実施した。結果は表2に示される。
比較例D
どの油にも浸漬されていない熱的に改善されたクラフト紙を断片(2.5cm×7.5cm)に切断し、引張り特性を測定した。結果は表1および2に示される。
比較例E
熱的に改善されたクラフト紙を断片(2.5cm×7.5cm)に切断してガラス容器に入れ、次にこれにHOS油を充填した。容器を160℃のオーブンに2週間(336時間)入れた。次に、容器を取り出し、冷却し、紙サンプルから過剰の油を拭き取った後、引張り特性を測定した。結果は表1および2に示される。
比較例F
比較例Fは、HOS油の代わりに鉱油を使用したことを除いて、比較例Eと同じ方法で実施した。結果は表2に示される。
実施例1
どの油にも浸漬されていないスパンボンド不織ウェブ1−2のストリップを「乾燥」対照サンプルとして使用した。不織ウェブの引張り特性を縦方向(MD)および横または横断方向(XD)で測定した。結果は表1に示される。
実施例2
スパンボンド不織ウェブ1−2のストリップを、10wt%のエポキシド化大豆油を添加剤として含有するHOS油中に浸漬した。室温で24時間後、過剰の油を不織ウェブサンプルから拭き取り、引張り特性を測定した。結果は表1に示される。
実施例3
スパンボンド不織ウェブ1−2のストリップをHOS油中に160℃で4週間(672時間)浸漬した。そのときに、サンプルをオーブンから取り出し、引張り特性を測定した。結果は表1に示される。
実施例4
スパンボンド不織ウェブ1−2のストリップを、10wt%のエポキシド化大豆油を添加剤としてを含有するHOS油中に160℃で4週間(672時間)浸漬した。引張り特性は表1に示される。
Figure 2014529870
表1の結果が示すように、160℃のHOS油中における2週間の熱老化の後、クラフト紙(比較例B)の縦方向の引張強さ保持率は約32%であり、熱的に改善されたクラフト紙(比較例E)の縦方向の引張強さ保持率は約34%であった。対照的に、実施例3および4の不織ウェブは両方共、160℃における4週間の老化の後でも、約70%よりも大きい縦方向の引張保持率を示した。実施例4のデータは、10wt%のエポキシド化大豆油を誘電流体に添加すると、縦方向および横方向の両方において不織ウェブの引張強さ保持率および伸び保持率が改善されることを示した。
実施例5
どの油にも浸漬されていないスパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを「乾燥」対照サンプルとして使用した。不織ウェブの引張り特性を縦方向(MD)および横方向(XD)で測定した。結果は表2に示される。
実施例6
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、10wt%のエポキシド化大豆油を添加剤として含有するHOS油中に浸漬した。室温で24時間後、引張り特性を測定した。結果は表2に示される。
実施例7
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップをHOS油中に160℃で4週間(672時間)浸漬した。引張り特性は表2に示される。
実施例8
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、添加剤として10wt%のエポキシド化大豆油、1000ppmのTBHQ、および1000ppmのカテキンを含有するHOS油中に浸漬した。160℃で4週間(672時間)後、引張り特性を測定した。結果は表2に示される。
実施例9
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、添加剤として10wt%のエポキシド化大豆油、1000ppmのTBHQ、および1000ppmのカテキンを含有するHOS油中に浸漬した。160℃で8週間(1344時間)後、引張り特性を測定した。結果は表2に示される。
実施例10
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、10wt%のエポキシド化大豆油を添加剤として含有するHOS油中に160℃で4週間(672時間)浸漬した。引張り特性は表2に示される。
実施例11
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、10wt%のエポキシド化大豆油を添加剤として含有するHOS油中に160℃で8週間(1344時間)浸漬した。引張り特性は表2に示される。
実施例12
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを鉱油中に浸漬し、160℃で2週間(336時間)試験した。引張り特性は表2に示される。
Figure 2014529870

Figure 2014529870
表2の結果が示すように、160℃のHOS油中に浸漬した後の不織ウェブの引張強さ保持率は、誘電流体に添加剤を加えなくても4週間後に非常に良好であった。実施例7は4週間の老化後にはるかに良好な引張強さ保持率(84.6%)を有したが、HOS油中で2週間の老化後に、比較例Bは31.6%の保持率を有し、比較例Eは33.9%の引張強さ保持率を有した。添加剤を含有するHOS油中に4週間浸漬したウェブは、同じ温度のHOS油中で2週間の熱老化の後のクラフト紙(比較例B、31%の保持率)および熱的に改善されたクラフト紙(比較例E、34%の保持率)と比較して、非常に良好で改善された縦方向の引張強さ保持率、少なくとも約80%の保持率(実施例8)およびそれ以上の保持率を有した。添加剤を含有するHOS油中に8週間浸漬したウェブは、少なくとも約65%(実施例9)の縦方向の引張強さの保持率を示した。実施例12は、鉱油中に2週間浸漬した後の不織ウェブの機械特性を示す。表2において、いくつかの場合には、計算された保持パーセントは、恐らく紙または不織ウェブの厚さが不均一であるために100%を超えていた。
比較例G
クラフト紙を用いて、比較例Gは、温度が180℃であることを除いて、比較例Bと同じ方法で実施した。データは表3に示される。
比較例H
クラフト紙を用いて、比較例Hは、HOS油の代わりに鉱油を使用し、温度が180℃であることを除いて、比較例Bと同じ方法で実施した。データは表3に示される。
比較例I
熱的に改善されたクラフト紙を用いて、比較例Iは、温度が180℃であることを除いて、比較例Eと同じ方法で実施した。データは表3に示される。
比較例J
熱的に改善されたクラフト紙を用いて、比較例Jは、HOS油の代わりに鉱油を使用し、温度が180℃であることを除いて、比較例Eと同じ方法で実施した。データは表3に示される。
実施例13
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップをHOS油中に180℃で2週間(336時間)浸漬した。引張り特性は表3に示される。
実施例14
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、添加剤として2000ppmのTBHQを含有するHOS油中に浸漬した。180℃で4週間(672時間)後、引張り特性を測定した。結果は表3に示される。
実施例15
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、10wt%のエポキシド化大豆油アクリレートを添加剤として含有するHOS油中に浸漬した。180℃で8週間(1344時間)後、引張り特性を測定した。結果は表3に示される。
実施例16
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、添加剤として0.32wt%のTBHQ、0.92wt%のIrganox259、および2wt%のエポキシド化大豆油アクリレートを含有するHOS油中に浸漬した。180℃で4週間(672時間)後、引張り特性を測定した。結果は表3に示される。
実施例17
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを用いて、実施例17は、実施例16と同じ方法であるが、8週間(1344時間)実施した。引張り特性は表3に示される。
実施例18
流動点降下剤として使用するためにポリ(メタ)アクリレートのサンプルを以下のように調製した。ステアリルメタクリレート(51g)、イソデシルアクリレート(31.8g)、ブチルメタクリレート(10.7g)、2−エチルヘキシルアクリレート(29.7g)、ラウリルメタクリレート(54g)およびトルエン(350mL)の混合物を90℃に加熱した。30mLのトルエン中の1.0gのVazo(登録商標)64の溶液を1時間にわたって上記の反応溶液に添加した。得られた混合物を90℃でさらに16時間攪拌した。反応混合物を真空下で蒸留して、溶媒および未反応モノマーを除去した。最後の蒸留期間を150℃のポット温度および30mmtorrの真空下で1時間実行し、蒸留ポットの残留物としてコポリマー(175.8g)を得た。1HNMR分析によりコポリマーの形成を確認した。サイズ排除クロマトグラフィによる分析により、このコポリマーは約55,600の分子量を有することが示された。
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、添加剤として0.32wt%のTBHQ、0.92wt%のIrganox259、および2wt%のポリ(メタ)アクリレート流動点降下剤(PPD)を含有するHOS油中に浸漬した。銅片(0.11g)もHOS油に入れた。180℃で2週間(334時間)後、引張り特性を測定した。結果は表3に示される。
実施例19
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを用いて、実施例20は、実施例18と同じ方法であるが、4週間(675時間)実施した。引張り特性は表3に示される。
実施例20
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを用いて、実施例20は、実施例18と同じ方法であるが、以下の差異を有して実施した。HOS油は、100ppmの金属不活性化剤N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−プロパンジアミンも含有した。180℃で2週間(334時間)後に引張り特性を測定した。結果は表3に示される。
実施例21
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを用いて、実施例21は、実施例20と同じ方法であるが、4週間(675時間)実施した。引張り特性は表3に示される。
実施例22
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、添加剤として0.32wt%のTBHQおよび0.92wt%のIrganox259を含有するHOS油中に浸漬した。銅片(0.11g)もHOS油に入れた。180℃で16週間(2684時間)後、引張り特性を測定した。結果は表3に示される。
実施例23
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを、添加剤を含まないHOS油中に180℃で16週間(2684時間)浸漬した。引張り特性は表3に示される。
実施例24
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを用いて、実施例24は、実施例13と同じ方法であるが、HOS油の代わりに鉱油を用いて実施した。結果は表3に示される。
Figure 2014529870

Figure 2014529870

Figure 2014529870
表3の結果が示すように、不織ウェブは、180℃のHOS油中に数週間浸漬した後でも非常に良好な引張り特性を保持した。添加剤を含有するHOS油中に4週間浸漬したウェブは、同じ温度のHOS油中で2週間の熱老化の後のクラフト紙(比較例G、19.8%の保持率)および熱的に改善されたクラフト紙(比較例I、16.8%の保持率)と比較して、非常に良好で改善された縦方向の引張強さ保持率、少なくとも約76%の保持率(実施例19)およびそれ以上の保持率を有した。添加剤を含有するHOS油中に8週間浸漬した不織ウェブは同様に非常に良好な縦方向の引張強さ保持率を示した。添加剤を含まないHOS油中に16週間浸漬した不織ウェブは、約19%の縦方向の引張強さを保持した(実施例23)が、酸化防止剤および銅片を含有するHOS油中に浸漬した不織ウェブは同じ期間の後に約30.5%の縦方向の引張強さを保持した。このことは、試験条件下における不織ウェブの機械的安定性に対する添加剤のプラス効果を示す。不織ウェブは、鉱油よりもHOS油中で良好な安定性を示した(実施例24)。
比較例K
200℃の加速老化研究において市販の熱的に改善されたクラフト紙を使用した。紙のストリップを、HOS油を含有する中に2、4、7、14、および28日間浸漬した。それぞれの期間に対して異なる容器を使用し、各容器は5つの紙ストリップを含有した。老化後の紙の引張強さおよび伸び特性は表4において、それぞれの期間に対して評価された5つのサンプルのデータの平均値で報告される。同一の乾燥および紙浸漬ステップを経験したがオーブンで加熱されなかった対照サンプルは油に対して79.0±7.3ppmの平均含水量を有することが見出され、対照サンプルの紙の引張り特性は室温データとして表で与えられる。
比較例L
市販の熱的に改善されたクラフト紙を用いて、比較例Lは、HOS油が添加剤として0.32wt%のTBHQおよび0.92wt%のIrganox259を含有したことを除いて、比較例Kと同じ方法で実施した。引張強さおよび伸びの結果は表4に示される。
実施例25
実施例25は、熱的に改善されたクラフト紙の代わりにスパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを使用したことを除いて、比較例Kと同じ方法で実施した。老化ウェブの引張強さおよび伸び特性は表4に示される。同一の乾燥および不織ウェブ浸漬ステップを経験したがオーブンで加熱されなかった対照容器は、99.1±5.5ppmの平均含水量を有することが見出された。
実施例26
スパンボンド不織ウェブ2−2のストリップを用いて、実施例26は、HOS油が添加剤として0.32wt%のTBHQおよび0.92wt%のIrganox259を含有したことを除いて、実施例25と同じ方法で実施した。引張強さおよび伸びの結果は表4に示される。
Figure 2014529870

Figure 2014529870
表4の結果が示すように、実施例25および26の不織ウェブは、それぞれ比較例KおよびLのクラフト紙および熱的に改善されたクラフト紙(同一条件下で機械特性の持続した損失を示す)と比較して、200℃で48〜336時間の老化の間、持続して良好な引張強さおよび伸びなどの機械特性を示した。
実施例27
鞘の中に25質量%のPTTおよび芯の中に75質量%を含み、点結合を有さない(他の実施例で使用した不織ウェブとは対照的)スパンボンド不織ウェブについて、ポロシメトリー、絶縁耐力および引張強さを測定した。結果は表5に示される。
スパンボンド不織ウェブをポリイミドフィルム(Kapton300、DuPont,Wilmington DE)の間に挟み、これを、8’’×8’’の218℃に予熱したアルミニウムプレート(203.2mm×203.2mm)の間に挿入した。これを、Pasadena Hydraulicプレスの8’’×8’’(203.2mm×203.2mm)面の間に配置し、218℃および32,000lbf(142kN)にし、5分間放置して不織ウェブをプレスした。次に、プレートを除去し、プレスされた不織布を回収した。プレスした不織布においてポロシメトリー、絶縁耐力および引張強さを測定した。結果は表5に示される。
Figure 2014529870
鞘の中に25質量%のPTTおよび芯の中に75質量%を含む不織ウェブをプレスすることによって得られる絶縁耐力の増大および侵入容積の低下は、カレンダー加工された不織ウェブがより高電圧の油充填変圧器における有用性を有し得ることを示唆する。侵入容積および表面積は不織ウェブの多孔率に関連する。例えば、プレスまたはカレンダー加工による絶縁材料の多孔率の低下は、油充填変圧器において、適切な電気性能のために必要である効果的な空気置換を可能にし得る。
実施例28
4ミルのシン(shin)を用い、25mm/分の速度、40psiにおいて、218℃のローラー間で不織ウェブをカレンダー加工したことを除いて、実施例27を繰り返した。カレンダー加工の前、不織ウェブは、厚さ、最大負荷における引張強さ(MD)、および最大負荷における伸び(MD)がそれぞれ248ミクロン、9.90N/cm、および16.0%であった。カレンダー加工の後、不織ウェブは、厚さ、最大負荷における引張強さ(MD)、および最大負荷における伸び(MD)がそれぞれ95ミクロン、57.37N/cm、および38.51%であった。
実施例29〜実施例36ならびに比較例MおよびNにおいて以下の材料を使用した。市販試薬は全て入手したままの状態で使用した。シリカゲルは、使用前に、200℃の真空オーブンにおいて約200トルの真空下で3日間乾燥させた。
以下の脂肪酸:パルミチン酸(6.5wt%)、ステアリン酸(4.15wt%)、オレイン酸(73.9wt%)、リノール酸(8.77wt%)、およびリノレン酸(2.94wt%)のトリグリセリドを含有する、精製、漂白、および脱臭された高オレイン酸大豆油(RBD HOS油)は、米国特許第5,981,781号明細書に従って得た。パルミチン酸(6.5wt%)、ステアリン酸(4.1wt%)、オレイン酸(74.8wt%)、リノール酸(7.6wt%)、およびリノレン酸(2.8wt%)を含有する粗製高オレイン酸大豆油(HOS油)は、米国特許第5981781号明細書に従って得た。以下の脂肪酸:パルミチン酸(10.3wt%)、ステアリン酸(4.6wt%)、オレイン酸(22.7wt%)、リノール酸(53.5wt%)、およびリノレン酸(7.2wt%)のトリグリセリドを含有する、Commodity Market Pantry(商標)商標名の大豆油は、Targetストアから購入した。
メタノール(99.8%)、炭酸ナトリウム(99.5%)、水酸化カリウム(>85%)、ヘキサン(99.9%)、シリカゲル60および炭酸カリウム(99.9%)は、EMD Chemicals Inc.(Gibbstown,NJ)から入手した。ネオペンチルグリコール(99%)、トリメチロールプロパン(97%)、およびペンタエリトリトール(98%)は、Aldrich Company(Milwaukee,WI)から入手した。
以下の略語が使用される:「GC」はガスクロマトグラフィ、「C」はセ氏、「mm」はミリメートル、「mL」はミリリットル、「L」はリットル、「min」は分、「cm」はセンチメートル、「g」はグラム、「mg」はミリグラム、「h」は時間、「temp」または「T」は温度、「Comp.Ex.」は比較例、「ID」は内径、「NPG」はネオペンチルグリコール、「TMP」はトリメチロールプロパン、そして「PE」はペンタエリトリトールである。「ASTM」は材料評価のための標準プロトコルを提供する米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)を表し、「AOCS」は材料評価のための標準方法を提供する米国油化学協会(American Oil Chemists’Society)を表し、「OECD」は経済協力開発機構(Organization for Economic Co−operation and Development)を表す。
メチルエステルは、Omegawax(商標)320カラム、30m長、直径320μm、膜厚0.30μmを有するAgilent 6890 Series GCを用いて分析した。オーブンの傾斜:初期温度160℃を5分間保持してから、2℃/分で220℃まで上昇させて10分間保持し、次に20℃/分で240℃まで上昇させて5分間保持する。キャリアガスはヘリウムであった。注入ポート250℃、圧力11.55psi。スリット比50:1、スリット流量:77.8mL/分、総流量:82.3mL/分。初期流量1.6ml/分、11.56psi。水素炎イオン化型検出器は、270℃、水素流量35mL/分、空気流量400mL/分、モードコンスタントカラム+メークアップフロー、合わせた流量32.0における設定で使用し、メークアップガスはヘリウムであった。Nu−Chek Prep,INC.(Elysian,MN)からの参照基準GLC−461(32種の異なるメチルエステルC4:0〜C24:1の混合物)を使用して、メチルエステルの保持時間を同定した。
ポリオールエステル混合物の特性は、以下の試験方法に従って評価した。
Figure 2014529870
実施例29
RBD HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物の調製
オーバーヘッド撹拌器、コンデンサー、および窒素ブランケットを備えた2Lのフラスコに、RBD HOS油(1007g)、メタノール(249g)、および炭酸ナトリウム(2g)を入れた。360rpmで攪拌しながら反応混合物を6.5時間加熱還流させた(最終温度は約76℃であった)。室温まで冷却した後、反応混合物を分液漏斗に移し、室温で一晩放置した。得られたグリセロール(170g)を含有する底層を除去した。上層を減圧下(1トル)、60℃で40分間蒸留して、残存したメタノール(56.7g)を除去した。分液漏斗中の付加的なグリセロール層(約1g)を除去した後、メチルエステルの混合物(1006g)を残留物として得た。GC分析により、パルミチン酸メチル(6.4wt%)、ステアリン酸メチル(4.0wt%)、オレイン酸メチル(73.6wt%)、リノール酸メチル(8.6wt%)、およびリノレン酸メチル(2.7wt%)を含有することが示された。
実施例30
粗製HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物の調製
機械的攪拌、還流冷却器、内部熱電対、窒素入口、およびドレインを備えた20リットルの被覆されたPyrex(登録商標)反応器を、窒素で一晩掃引することによって乾燥させた。反応器に組成HOS油(12.0kg)、メタノール(3.0kg)および炭酸カリウム(45g)を入れた。混合物を窒素下で3時間加熱還流させた。反応混合物を25℃に冷却した。グリセロール(1.9kg)を含有する底層をドレインにより除去した。上層を含有する反応器にメタノール(400g)および炭酸カリウム(2.0g)を入れた。混合物を2時間加熱還流させた。室温まで冷却した後、反応混合物の上層を22リットルのRBフラスコに移した。残存するメタノールを50℃、真空(200〜5トル)下で留去して、11.48kgの粗製メチルエステルの混合物を得た。GC分析により、パルミチン酸メチル(6.5wt%)、ステアリン酸メチル(3.9wt%)、オレイン酸メチル(76.1wt%)、リノール酸メチル(7.0wt%)、およびリノレン酸メチル(2.8wt%)を含有することが示された。
実施例31
RBD HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物からのNPGエステルの混合物の調製
実施例29からのRBD HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物(917g)、KOH(2.0g)、およびネオペンチルグリコール(139g)を2トルの真空下で3時間40〜50℃に加熱してから、50〜100℃で1時間加熱し、次に100〜160℃で3時間加熱した。加熱期間中、温度は徐々に上昇し、沸騰は減速した。反応中、液体窒素トラップに全部で約86.2gのMeOHが回収された。反応混合物を30ミリトルの真空下で210℃まで蒸留して、留出物(95g)として未反応メチルエステルを回収した。蒸留残渣を遠心分離し、得られた液体にシリカゲルカラム[2’’(OD)X4’’]を通過させて、NPGエステルの混合物を生成物(732.6g)として得た。遠心分離からの固形分をヘキサンで抽出した(2X150mL)。ヘキサン抽出物および追加のヘキサン(300mL)を合わせたものでシリカゲルカラムを洗浄した。合わせたヘキサン洗浄液を濃縮し、真空下で乾燥させて、付加的な量のNPGエステルを生成物(93.5g)として得た。生成物の1HNMR分析により、ネオペンチルグリコールおよびRBD HOS油の脂肪酸部分を含むエステルの混合物としてのその同一性を確認した。組成物は1%のNPGモノエステル、97%のNPGジエステル、および2%のトリグリセリド(HOS油)を含むことが見出された。
実施例32
粗製HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物からのNPGエステルの混合物の調製
実施例30からの粗製HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物(1196g)、KOH(2.38g)、およびネオペンチルグリコール(178g)を30〜5トルの真空下で14時間50〜205℃に加熱した。約15ミリトルにおける減圧蒸留によって未反応メチルエステル(163g)を回収した。蒸留残渣を遠心分離し、得られた液体にシリカゲルカラム(22gのシリカゲル)を通過させ、20ミリトルの真空下、110℃で1時間乾燥させた後、NPGエステルの混合物が生成物(910g)として得られた。遠心分離からの固形分をヘキサン(2X150mL)で抽出した。ヘキサン抽出物および追加のヘキサン(300mL)を合わせたものでシリカゲルカラムを洗浄した。合わせたヘキサン洗浄液を濃縮し、真空下で乾燥させて、付加的な量のNPGエステル生成物(170g)を得た。生成物の1HNMR分析により、ネオペンチルグリコールおよび粗製HOS油の脂肪酸部分を含むエステルの混合物としてのその同一性を確認した。組成物は2%のNPGモノエステル、93%のNPGジエステル、および5%のトリグリセリド(HOS油)を含むことが見出された。
生成物を誘電流体として使用することの適切性は、表6に記載される方法を用いてその電気特性および物理特性を測定することによって評価した。結果は表7で与えられる。
実施例33
RBD HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物からのTMPエステルの混合物の調製
実施例29からのRBD HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物(1094g)、KOH(2.2g)、およびトリメチロールプロパン(140g)を10トル下で6時間にわたって95℃に加熱してから、さらに4.5時間にわたって154℃に加熱した。付加的なKOH(0.47g)を添加し、混合物を0.8トル下、123〜150℃で8時間以上加熱した。加熱期間中、温度は徐々に上昇し、沸騰は減速した。全部で約86.2gのMeOHが液体窒素トラップに回収された。反応混合物を45ミリトルの真空下で239℃まで蒸留した。未反応メチルエステルを留出物(57.8g)として捕集した。蒸留残渣を遠心分離し、得られた液体にシリカゲルカラム(約14g)を通過させて、TMPエステルの混合物を生成物(970g)として得た。遠心分離からの固形分をヘキサンで抽出した。ヘキサン抽出物および追加のヘキサン(300mL)を合わせたものでシリカゲルカラムを洗浄した。合わせたヘキサン洗浄液を濃縮し、真空下で乾燥させて、付加的な量のTMPエステル生成物の混合物(75g)を得た。
得られた生成物の一部(847g)を漂白クレイグレードF−115FF(BASFから、8.8g)、およびセライト(2.2g)と混合し、真空(1トル)下、室温で1時間攪拌してから、0.5トル下で1時間、110℃に加熱した。混合物を室温まで冷却し、1/2’’シリカゲルカラム(ID1.5’’)を通過させた。捕集した生成物を0.1トル下で1時間、110℃に加熱した後、評価した。生成物の1HNMR分析により、トリメチロールプロパンおよびRBD HOS油の脂肪酸部分を含むエステルの混合物としてのその同一性を確認した。組成物は2%のTMPジエステル、90%のTMPトリエステル、および8%のトリグリセリド(HOS油)を含むことが見出された。
生成物を誘電流体として使用することの適切性は、表6に記載される方法を用いてその電気特性および物理特性を測定することによって評価した。結果は表7で与えられる。
実施例34
粗製HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物からのTMPエステルの混合物の調製
実施例30からの粗製HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物(1213g)、KOH(2.4g)、およびトリメチロールプロパン(156g)を2時間にわたって10トル下で103℃に加熱した。次に、圧力を15トルまで低下させ、反応混合物を7.5時間にわたって193℃に加熱した。次に、反応混合物を40ミリトルの真空下で蒸留して、未反応メチルエステルを留出物として回収した。蒸留残渣を遠心分離し、得られた液体にシリカゲルカラム(18gのシリカゲル)を通過させて油が得られ、これをさらに、30ミリトル下、110℃で1時間乾燥させて、TMPエステルの混合物を生成物(962g)として得た。遠心分離からの固形分をヘキサンで抽出した。ヘキサン抽出物および追加のヘキサンを合わせたものでシリカゲルカラムを洗浄した。合わせたヘキサン洗浄液を濃縮し、乾燥させて、付加的な量の生成物(108g)を得た。生成物の1HNMR分析により、トリメチロールプロパンおよび粗製HOS油の脂肪酸部分を含むエステルの混合物としてのその同一性を確認した。組成物は1.4%のTMPジエステル、97.4%のTMPトリエステル、および1.2%のトリグリセリド(HOS油)を含むことが見出された。
生成物を誘電流体として使用することの適切性は、表6に記載される方法を用いてその電気特性および物理特性を測定することによって評価した。結果は表7で与えられる。
生分解性試験のために、粗製HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物から、TMPエステルの混合物の別のサンプルを調製した。実施例6のTMPエステル混合物と同様にサンプルを調製し、1HNMR分析により、その組成は、90.2%のTMPトリエステル、2%のTMPジエステル、および7.8%のトリグリセリド(HOS油)を含むことが見出された。
TMPエステル混合物の易生分解性は、1992年7月17日付のバージョンのOECDガイドライン301Bに従う「易生分解」についての28日間CO2発生試験を用いて評価した。使用した生物系は、Elkton,Maryland(USA)Publicly−Owned Treatment Worksからの二次活性化スラッジであった。TMPエステル混合物は、試験条件下で「易生分解」の基準を満たすことが見出された。試験材料は最大74%の生分解性に達した。10%を超える生分解の10日以内に60%よりも高い生分解性に到達した。
実施例35
RBD HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物からのPEエステルの混合物の調製
実施例29からのRBD HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物(100.6g)、KOH(0.2g)、およびペンタエリトリトール(9.8g)を5トル下で1.5時間にわたって80℃に加熱し、80℃で1.5時間保持してから、4.5時間にわたって160℃に加熱した。次に、反応混合物を18ミリトルの真空下で蒸留して、未反応メチルエステルを留出物として回収した。蒸留残渣を遠心分離し、得られた液体に短いシリカゲルカラムを通過させて、PEエステルの混合物を生成物(60.4g)として得た。遠心分離からの固形分をヘキサンで抽出した。ヘキサン抽出物および追加のヘキサンを合わせたものでシリカゲルカラムを洗浄した。合わせたヘキサン洗浄液を濃縮し、乾燥させて、付加的な量のPEエステル生成物の混合物(21.6g)を得た。生成物の1HNMR分析により、ペンタエリトリトールおよびRBD HOS油の脂肪酸部分を含むエステルの混合物としてのその同一性を確認した。組成物は1.5%のPEトリエステル、94%のPEテトラエステル、および4.5%のトリグリセリド(HOS油)を含むことが見出された。
実施例36
粗製HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物からのPEエステルの混合物の調製
実施例30からの粗製HOS油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物(1190g)、KOH(2.41g)、およびペンタエリトリトール(116g)を1〜100トル下、80〜205℃で65時間加熱した。さらなるKOH(1.3g)を添加し、反応混合物をさらに、5トル下、200〜220℃で34時間加熱した。1トル真空下、235〜330℃のポット温度における蒸留によって過剰のメチルエステルを除去した。蒸留残渣を遠心分離し、得られた液体にシリカゲルカラム(14g)を通過させてから、110℃、0.1トル真空下で1時間乾燥させて、PEエステルの混合物を生成物(930g)として得た。生成物の1HNMR分析により、ペンタエリトリトールおよび粗製HOS油の脂肪酸部分を含むエステルの混合物としてのその同一性を確認した。組成物は4%のPEトリエステル、90%のPEテトラエステル、および6%のトリグリセリド(HOS油)を含むことが見出された。
生成物を誘電流体として使用することの適切性は、表6に記載される方法を用いてその電気特性および物理特性を測定することによって評価した。結果は表7で与えられる。
比較例M
商品大豆油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物の調製
オーバーヘッド撹拌器、コンデンサー、および窒素ブランケットを備えた2Lのフラスコに、Market Pantry(商標)商標名の大豆油(1009g)、メタノール(250g)、および炭酸カリウム(3.1g)を入れた。反応混合物を3.5時間加熱還流させた。得られたグリセロールを含有する底層を除去し、さらなるメタノール(50g)および炭酸カリウム(0.2g)を添加した。反応混合物をさらに3.5時間還流させた。反応混合物を室温まで冷却した後、25℃で1時間の真空蒸留によって過剰のメタノールを除去した。生成物層をシリカの薄層によりろ過し、商品大豆油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物を得た(968g)。
比較例N
商品大豆油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物からのTMPエステルの混合物の調製
比較例Mからの商品大豆油の脂肪酸部分を含むメチルエステルの混合物(968g)、トリメチロールプロパン(97.9g)、およびナトリウムメトキシド(1.8g)を5トル真空下で1時間68℃に加熱した。次に、反応温度をゆっくり6時間かけて185℃まで上昇させた。真空(約20ミリトル)下、225℃のポット温度における蒸留によって過剰のメチルエステルを除去した。蒸留残渣を遠心分離し、得られた液体にシリカゲルカラム(14g)を通過させてから、110℃、0.1トル真空下で1時間乾燥させて、TMPエステルの混合物を生成物(597g)として得た。生成物の1HNMR分析により、トリメチロールプロパンおよび商品大豆油の脂肪酸部分を含むエステルの混合物としてのその同一性を確認した。
生成物を誘電流体として使用することの適切性は、表6に記載される方法を用いてその電気特性および物理特性を測定することによって評価した。結果は表7で与えられる。
実施例32、実施例33、実施例34、実施例36、および比較例Nにおいて得られたポリオールエステル混合物を、表6に記載される方法を用いて評価した。商品大豆油から配合された植物油ベースの流体であるEnvirotemp(登録商標)FR3(商標)流体(Cooper Industries,Inc.)のサンプルと、ペンタエリトリトールとの混合エステルとしての線状および分枝状のC5〜C10脂肪酸の合成エステル組成物であるMidel(登録商標)7131(The Micanite and Insulators Co.,Manchester UK)のサンプルも、同じ方法を用いて評価した。データは表7に表される。
Figure 2014529870
表7のデータは、実施例のポリオールエステルの混合物が誘電流体として使用するために望ましい特性を有することを示す。実施例の流体の引火点および燃焼点は適切に高く、合成エステル組成物Midel(登録商標)7131よりも著しく高い。またこれらは、Midel(登録商標)7131および植物油ベースのEnvirotemp(登録商標)FR3(商標)よりも著しく低い水分含量を有する。比較例Nのポリオールエステル(トリメチロールプロパンと、商品大豆油に由来する脂肪酸部分のメチルエステルの混合物との反応から誘導される)と比べて、実施例33の類似したポリオールエステル(トリメチロールプロパンと、高オレイン酸大豆油に由来する脂肪酸部分のメチルエステルの混合物との反応から誘導される)は、25℃で測定した場合および100℃で測定した場合の両方で、力率に関してより良好な電気特性を示す。比較例Nの流体の極めて高い力率は、誘電流体としてのその使用を除外するであろう。対照的に、実施例33の流体の特徴は、誘電流体としての使用に適していることを示す。酸化安定性を反映するOSI値に関して、Envirotemp(登録商標)FR3(商標)およびMidel(登録商標)7131流体はいずれも添加された酸化防止剤を含有するので、より意味のある比較は、実施例32〜36と比較例Nの誘電流体の間で行われる(これらの材料は添加された酸化防止剤を含有しなかったので)。実施例32〜36の流体は比較例Nよりも著しく長い誘導期(induction period)を実証し、これは、より高い不飽和部分の含量によって提供されるより大きい酸化安定性を反映する。

Claims (15)

  1. 複数の連続スパンボンドポリエステル2成分繊維を含む不織ウェブを含む絶縁材料であって、前記複数の2成分繊維のそれぞれが、
    a)芯の中の約20質量%〜約80質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、
    b)前記芯を包囲する鞘の中の約80質量%〜約20質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)と
    を含み、質量%で表される前記量が前記複数の2成分繊維のそれぞれの全質量を基準とする、絶縁材料。
  2. 前記不織ウェブが、約160℃の植物油に約4週間浸漬した後、少なくとも約70%である縦方向の破断点引張強さ保持率を有する、請求項1に記載の絶縁材料。
  3. 前記不織ウェブが、約160℃の植物油に約4週間浸漬した後、少なくとも約55%である縦方向の伸び保持率を有する、請求項1に記載の絶縁材料。
  4. 前記不織ウェブが約25gsm〜約500gsmの範囲の坪量を有する、請求項1に記載の絶縁材料。
  5. 前記不織ウェブがプレスまたはカレンダー加工される、請求項1に記載の絶縁材料。
  6. 前記複数の2成分繊維のそれぞれが、
    a)前記芯の中の約25質量%〜約50質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、
    b)前記芯を包囲する鞘の中の約75質量%〜約50質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)と
    を含む、請求項1に記載の絶縁材料。
  7. 前記複数の2成分繊維のそれぞれが、
    a)前記芯の中の75質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、
    b)前記芯を包囲する鞘の中の25質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)と
    を含む、請求項1に記載の絶縁材料。
  8. 前記複数の2成分繊維のそれぞれが、
    a)前記芯の中の50質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、
    b)前記芯を包囲する鞘の中の50質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)と
    を含む、請求項1に記載の絶縁材料。
  9. クラフト紙および/または熱的に改善されたクラフト紙をさらに含む、請求項1に記載の絶縁材料。
  10. 少なくとも10wt%の誘電流体が含侵された不織ウェブを含む誘電材料であって、前記不織ウェブが複数の連続スパンボンドポリエステル2成分繊維を含み、前記複数の2成分繊維のそれぞれが、
    a)芯の中の約20質量%〜約80質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、
    b)前記芯を包囲する鞘の中の約80質量%〜約20質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)と
    を含み、質量%で表される前記量が前記複数の2成分繊維のそれぞれの全質量を基準とする、誘電材料。
  11. 前記不織ウェブが、約160℃の植物油に約4週間浸漬した後、少なくとも約70%である縦方向の破断点引張強さ保持率を有する、請求項10に記載の誘電材料。
  12. 前記不織ウェブが、約160℃の植物油に約4週間浸漬した後、少なくとも約55%である縦方向の伸び保持率を有する、請求項10に記載の誘電材料。
  13. 前記誘電流体がトリグリセリド油、ポリオールエステルを含む混合物、またはこれらの組み合わせを含み、
    前記トリグリセリド油が植物油、植物油ベースの流体、藻類油、またはこれらの混合物を含み、
    前記ポリオールエステルを含む混合物が、
    a)ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、またはこれらの組み合わせを含むポリオールと、
    b)脂肪酸部分を含む高オレイン酸大豆油に由来する脂肪酸エステルの混合物と
    の反応から誘導され、前記高オレイン酸大豆油が、
    i)前記油中の脂肪酸部分の65%よりも多いC18:1含量と、
    ii)前記油中の脂肪酸部分の20%よりも少ないC18:2およびC18:3の合わせた含量と
    を有する、請求項10に記載の誘電材料。
  14. 誘電流体および絶縁材料を含む電気装置であって、
    前記絶縁材料が、複数の連続スパンボンドポリエステル2成分繊維を含む不織ウェブを含み、前記複数の2成分繊維のそれぞれが、
    a)芯の中の約20質量%〜約80質量%のポリ(エチレンテレフタレート)と、
    b)前記芯を包囲する鞘の中の約80質量%〜約20質量%のポリ(トリメチレンテレフタレート)と
    を含み、質量%で表される前記量が前記複数の2成分繊維のそれぞれの全質量を基準とする、電気装置。
  15. 前記誘電流体がトリグリセリド油、ポリオールエステルを含む混合物、またはこれらの組み合わせを含み、
    前記トリグリセリド油が植物油、植物油ベースの流体、藻類油、またはこれらの混合物を含み、
    前記ポリオールエステルを含む混合物が、
    a)ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、またはこれらの組み合わせを含むポリオールと、
    b)脂肪酸部分を含む高オレイン酸大豆油に由来する脂肪酸エステルの混合物と
    の反応から誘導され、前記高オレイン酸大豆油が、
    i)前記油中の脂肪酸部分の65%よりも多いC18:1含量と、
    ii)前記油中の脂肪酸部分の20%よりも少ないC18:2およびC18:3の合わせた含量と
    を有する、請求項14に記載の電気装置。
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