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JP2014509660A - PDK1キナーゼの阻害剤としての置換3−(1H−ベンゾ{d}イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール類似体 - Google Patents

PDK1キナーゼの阻害剤としての置換3−(1H−ベンゾ{d}イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール類似体 Download PDF

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JP2014509660A
JP2014509660A JP2014502896A JP2014502896A JP2014509660A JP 2014509660 A JP2014509660 A JP 2014509660A JP 2014502896 A JP2014502896 A JP 2014502896A JP 2014502896 A JP2014502896 A JP 2014502896A JP 2014509660 A JP2014509660 A JP 2014509660A
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JP
Japan
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unsubstituted
disubstituted
monosubstituted
alkyl
piperazinyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014502896A
Other languages
English (en)
Inventor
デイビッド ジェイ. ベアーズ,
ハリプラサッド バンカヤラパティ,
ベンカタスワミー ソルナ,
スティーブン エル. ワーナー,
スニール シャルマ,
Original Assignee
ユニバーシティ・オブ・ユタ・リサーチ・ファウンデイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニバーシティ・オブ・ユタ・リサーチ・ファウンデイション filed Critical ユニバーシティ・オブ・ユタ・リサーチ・ファウンデイション
Publication of JP2014509660A publication Critical patent/JP2014509660A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings
    • C07D403/04Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
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Abstract

ある態様において、本発明は、PDK1キナーゼの阻害剤として有用である置換3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール類似体、その誘導体、および関連化合物、上記化合物を作製するための合成方法、上記化合物を含む医薬組成物、およびPDK1キナーゼの機能不全と関連する障害を処置するために上記化合物および組成物を使用する方法に関する。この要約は、特定の技術分野における研究のための選別ツールであることが意図され、本発明を制限することは意図されていない。

Description

(関連出願への相互参照)
本出願は、2011年4月1日に出願された米国仮特許出願第61/471,024号の利益を主張する。この米国仮特許出願第61/471,024号は、その全体が参考として本明細書に援用される。
プロテインキナーゼは、細胞増殖、ゲノムの修復、アポトーシス、遊走および浸潤を含め、腫瘍の発生において非常に重要である細胞機能を制御する生化学的プロセスのうちの大きな割合において重要な役割を果たす。これらのタンパク質は、多くの場合、リン酸化のプロセスを通じて標的タンパク質の活性を制御する分子「スイッチ」として作用する。正常な細胞生理において、複数のキナーゼの協調は、厳しく制御されるプロセスであり、それにより設計された方式で細胞が機能できるようになる。プロテインキナーゼおよびホスファターゼは、腫瘍形成プロセスにおいて顕著な役割を果たす。正常な細胞生理は、許容されるレベル内に重要なシグナル伝達経路を保つためのキナーゼとホスファターゼ活性との間の適切なバランスに依存する。これらのタンパク質をコードする遺伝子における変異は、細胞機能の変化に対する基礎となる異常なシグナル伝達につながることが多い。多くのプロテインキナーゼ経路における変化は、究極的には、腫瘍表現型の特質である経路に影響を与える細胞機能の脱制御につながる。
腫瘍の発生および進行において顕著な役割を果たすあるキナーゼ経路は、ホスホイノシトール3キナーゼ(PI3K)/Akt経路である。この経路は、正常な細胞機能を制御するが、タンパク質が遺伝子的に修飾され、異常に制御されると悪性表現型につながる、複数の構成要素による制御メカニズムの典型例である。この経路の多くのタンパク質は、培養細胞およびヒト腫瘍において、遺伝子的に変化されて、かつ異常に活性化され、腫瘍形成特性を付与する(例えば、非特許文献1参照)。この経路における複数のキナーゼは、薬理学的介入の対象となってきた。この経路のあるキナーゼ、ホスホイノシチド−依存性キナーゼ1(PDK1)は、生存促進性および腫瘍発生活性に関与する複数のタンパク質の非常に重要な活性化因子である。したがって、これは、薬物開発グループに、新規がん療法に対する魅力的なターゲットをもたらす。
インスリンおよび成長因子による細胞表面受容体チロシンキナーゼの結合によってPI3Kが活性化されると、ホスファチジル−イノシトール,3,4,5トリホスフェートPIP3(2)が生成される。PDK1およびAktは、細胞膜に動員され、続いてPI3Kの活性により生成されるPIP3の増大に反応して活性化される。細胞膜へのPDK1およびAktの動員には、相同プレクストリン相同領域の相互作用が介在する。原形質膜にこれらのタンパク質が局在することで、PDK1が、残基スレオニン−308でのリン酸化によりAKTを活性化できるようになる(例えば、非特許文献2参照)。活性化PDK1は、究極的には複数の生物学的プロセスのシグナル伝達を制御する重要なシグナル伝達経路の一部としてAktをリン酸化する。PI3Kシグナルのトランスデューサーとして、および、がん成長、増殖および生存の促進に関与する多くのキナーゼの制御因子として、PDK1は、それ自身、薬物開発の魅力的なターゲットとして認められている。
一般的なヒト腫瘍タイプのうち約50%で、PIP3産生を制御する遺伝子に変異があり、これらの変異が、これらのがん細胞のこの二次メッセンジャーのレベルを異常に高くすることも認められている(非特許文献3)。PIP3産生に影響を及ぼす一般的な変異は、PIP3を破壊する脂質ホスファターゼであるPTENにおけるものである。PTEN発現が正常な発現量の半分であるマウスでは、PDK1発現レベルを低下させることによって多岐にわたる腫瘍の発生から保護されるという知見は、この考え方を裏付ける。PTEN陰性ヒトがん細胞系(U87MG)へのPDK1に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドのトランスフェクションによって、PDK1阻害剤の、抗がん化合物としての可能性も示唆されている。PDK1タンパク質レベルが結果として低下することによって、細胞増殖および生存における低減をもたらした(非特許文献4)。受容体チロシンキナーゼ(RTK)、RasまたはPI−3キナーゼなどの他のタンパク質における変異を介して、多くのがんにおいてPDK1/Akt経路が活性化されている。(非特許文献5)。PDK1そのものの変異は、様々ながんタイプと関連があることが分かっている。例えば、ヒト結腸直腸がんにおけるPDK1変異(PDK1 T35414、PDK1 D527E)の同定から、このキナーゼの阻害剤が、このタンパク質の野生型形態または変異体形態の何れかを直接阻害することによって、治療的価値を有し得ることが示唆される。非特許文献6を参照のこと。
まとめると、PDK1は、ヒトがんにおいてしばしば変化している、いくつかのシグナル伝達経路の中心となる活性化因子であり、それにより、治療介入に対する魅力的なターゲットとなっている。結果的に、当技術分野において、PDK1の有効な阻害剤に対して高いニーズがある。
A.Carnero,Curr Pharm Des(2010)16:34 L.Stephensら、Science(1998)279:710 Vanhaesebroeck,B.ら、Ann.Rev. Biochem.,(2001)70:535〜602 Flynn,P.ら、Curr.Biol.,(2000)10:1439〜1442 Cullyら、Nature Reviews Cancer 6:184−192(2006) Parsonsら、Nature 436,792(11 Aug.2005)
(要旨)
本発明の目的によれば、本明細書中で具体化され、広く記載されるように、本発明は、ある態様において、PI3K/Akt経路の阻害剤として有用な化合物、PDK1の阻害剤として有用な化合物、それらを生成する方法、それらを含む医薬組成物およびそれらを使用して制御されない細胞増殖の障害を処置する方法に関する。
以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキルC3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する化合物;または医薬的に許容可能なそれらの塩、水和物、溶媒和物もしくは多形が開示される。
治療的有効量の開示化合物と、医薬的に許容可能な担体とを含む医薬組成物も開示される。
(a)以下の式
(式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、RおよびRのうち一方は、ハロゲンまたはニトロから選択され、他方は水素であり;式中、R14は、保護基である)により表される構造を有する第一の化合物を提供する工程;および(b)この第一の化合物を、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり、式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する第二の化合物と反応させる工程を含む、合成方法も開示される。
哺乳動物に有効量の、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する少なくとも1つの化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形を投与する工程を含む、哺乳動物における制御されない細胞増殖障害の障害の処置のための方法が開示される。
哺乳動物に、治療的有効量の、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する少なくとも1つの化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形を投与する工程を含む、哺乳動物においてキナーゼ活性を低下させるための方法も開示される。
少なくとも1つの細胞を、有効量の、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する少なくとも1つの化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形と接触させる工程を含む、少なくとも1つの細胞においてキナーゼ活性を低下させるための方法も開示される。
キナーゼ活性を低下させるための、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形の使用も開示される。
医薬的に許容可能な担体と、有効量の、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形とを含む、医薬組成物も開示される。
以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する少なくとも1つの化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形と、(a)キナーゼ活性を強めることが公知の少なくとも1つの剤;(b)キナーゼ活性を低下させることが公知の少なくとも1つの剤;(c)制御されない細胞増殖の障害を処置することが公知の少なくとも1つの剤;または(d)制御されない細胞増殖と関連する障害を処置するための説明書のうち1つ以上とを含むキットも開示される。
医薬的に許容可能な担体または希釈剤と、少なくとも1つの開示化合物または少なくとも1つの開示生成物を合わせることを含む、医薬を製造するための方法も開示される。
哺乳動物における、キナーゼ機能不全と関連する障害の処置のための医薬の製造における、開示化合物または開示生成物の使用も開示される。
特定の法定分類、例えば体系的法定分類などにおいて本発明の態様を記載および主張し得るが、これは単に便宜のためだけのことであり、当業者は、本発明の各態様が任意の法定分類で記載し、主張され得ることを理解しよう。別段の明らかな断りがない限り、本明細書中で示される何れの方法または態様も、その工程が特定の順序で行われることを必要とするものと解釈されることは全く意図されていない。従って、方法の請求項が、特許請求の範囲または記述において、具体的に、工程が特定の順序に限定されるべきであると述べていない場合、あらゆる点で順序が推定されることは全く意図されていない。このことは、工程の編成または操作の流れに関する論理の問題、文法構成または句読点から導かれる単純な意味、および本明細書に記載の態様の数量またはタイプを含む、解釈に対して起こり得るいかなる黙示原則(non−express basis)にも当てはまる。
本明細書の一部に組み込まれ、これを構成する添付の図面は、いくつかの態様を例示し、説明と一緒に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
図1は、フラグメントに基づくPDK1阻害剤の同定についての代表的なアプローチを示す。 図2は、PDK1スクリーンで同定された代表的なフラグメント(図2A);および、PDK1に対するフラグメント3(左パネル)およびフラグメント4(右パネル)の代表的なコンピュータを利用したドッキング(図2B)を示す。 図2は、PDK1に対する代表的な化合物、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの代表的なコンピュータを利用したドッキング(図2C)を示す。 図3は、フラグメントに基づくPDK1阻害剤の同定に対するアプローチを用いた、代表的な最適化サイクルを示す。 図4は、PI3K/Aktシグナル伝達経路の態様を示す。 図5は、2種類の代表的な開示化合物、試験化合物1、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)および試験化合物2、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)による、PDK1キナーゼ結合アッセイにおける阻害活性の代表的データを示す。 図6は、代表的な開示化合物、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)を用いた、選択された細胞系における細胞生存度の阻害についての代表的データを示す。 図7は、代表的な開示化合物、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)による、AKTリン酸化(Thr308)の阻害についての代表的データを示す。パネルAおよびBは、2つの別個の実験からのデータを示す。 図8は、代表的な開示化合物、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)による、キナーゼのパネルの阻害についての代表的データを示す。 図9は、2種類の代表的な開示化合物、(パネルA):試験化合物1、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)および;(パネルB)試験化合物2、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)に対する、PTEN siRNAまたはssiRNA対照をトランスフェクトしたAN3CA細胞における、代表的な毒性データを示す。 図10は、腫瘍異種移植モデルでの、2種類の代表的な開示化合物、試験化合物1、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)および試験化合物2、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)の有効性に対する、代表的なインビボデータを示す。パネルは次のとおりである:(パネルA)腫瘍体積に対する試験化合物の影響;(パネルB)体重に対する試験化合物の影響。 図10は、腫瘍異種移植モデルでの、2種類の代表的な開示化合物、試験化合物1、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)および試験化合物2、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)の有効性に対する、代表的なインビボデータを示す。パネルは次のとおりである:(パネルC)S6リボソームタンパク質のリン酸化に対する試験化合物の影響。 図11は、代表的な開示化合物、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドのマウスへの静脈内投与(5.0mg/kg)についての代表的な薬物動態データを示す(各時間点につきn=3)。 図12は、代表的な開示化合物、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドのマウスへの(パネルA)静脈内投与(5.0mg/kg)および(パネルB)経口投与(30mg/kg)についての代表的な薬物動態データを示す(各時間点につきn=3)。
続く記載において一部、本発明のさらなる長所を述べ、一部は、記載から明白となるか、または本発明の実施により習得され得る。添付の特許請求の範囲において特に指摘される要素および組み合わせによって、本発明の長所が認識され、獲得されよう。先述の全般的な記載および次の詳細な記載の両者とも、単なる例示および説明であり、請求項に記載される通りに本発明を限定するものではないことを理解されたい。
(説明)
続く発明の詳細な説明およびそこに含まれる実施例を参照することによって、本発明をより容易に理解できる。
本化合物、組成物、物品、システム、装置および/または方法を開示し、記載する前に、それらは、別段の断りがない限り具体的な合成方法にも、別段の断りがない限り特定の試薬にも限定されず、当然ではあるが変わり得ることを理解されたい。また、本明細書中で使用される用語は、単に特定の態様を記載することだけを目的とするものであり、限定するものではないことも理解されたい。本発明の実施または試験において、本明細書中に記載の方法および材料と類似または同等のあらゆる方法および材料が使用され得るが、ここで例となる方法および材料を記載する。
本明細書中で言及される刊行物は全て、その刊行物が引用されることに関連して本方法および/または材料を開示し、説明するために参考として本明細書中に援用される。本明細書中で論じられる刊行物は、単に本願の出願日前のそれらの開示についてのみ提供される。本発明が、先行発明に基づいてかかる刊行物に先行するに足るものではないことを受け入れるものと解釈されるべきことは、本明細書中にはない。さらに、本明細書中で提供される公開日は、実際の公開日とは異なり得るが、これには、独自の確認が必要であり得る。
A.定義
本明細書中で使用される場合、有機化合物を含む化合物に対する命名法は、一般名、または命名に対するIUPAC、IUBMBもしくはCASの推奨を用いて与えられ得る。1つ以上の立体化学的特性が存在する場合、立体化学的な優先度、E/Z特定などを指定するために、立体化学に対するCahn−Ingold−Prelog規則が使用され得る。当業者は、名称が与えられる場合、命名規則を用いた化合物の構造の体系的な単純化によるか、または市販のソフトウェア、例えばCHEMDRAW(商標)(Cambridgesoft Corporation,U.S.A.)によるかのいずれかで、化合物の構造を容易に解明し得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈から明らかに別途示されない限り、複数の意味を含む。したがって、例えば、「官能基」、「アルキル」または「残基」への言及には、2つ以上のこのような官能基、アルキルまたは残基などの組み合わせが含まれる。
「約」ある特定の値から、および/または「約」別の特定の値までのように本明細書中で範囲が表現され得る。このような範囲が表現される場合、さらなる態様には、ある特定値から、および/またはその他の特定値までが含まれる。同様に、先行詞「約」の使用によって近似値として値が表現される場合、特定の値がさらなる態様を形成することが理解されよう。各範囲の終点は、他の終点に関連して、および他の終点とは独立に、の両方で意義があることがさらに理解されよう。本明細書中で開示される多くの値があり、各値が、その値そのものに加えて「約」その特定の値としても本明細書中でさらに開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。2個の特定の単位間の各単位も開示されることも理解される。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13および14も開示される。
組成物中の特定の要素または成分の重量部に対する明細書および最後の特許請求の範囲での言及は、重量部が表される組成物または物品中のある要素または成分と何らかの他の要素または成分との間の重量関係を示す。したがって、2重量部の成分Xおよび5重量部の成分Yを含有する化合物において、XおよびYは、重量比2:5で存在し、さらなる成分が化合物中に含有されるか否かにかかわらずそのような比率で存在する。
成分の重量パーセント(wt%)は、具体的に別段の断りがない限り、その成分が含まれる製剤または組成物の総重量に基づくものである。
本明細書中で使用される場合、「任意の」または「場合によっては」という用語は、続いて記載される事象または状況が、起こっても起こらなくてもよく、その記載が、前記事象または状況が起こる例およびそれらが起こらない例を含むことを意味する。
本明細書中で使用される場合、「PDK1」または「3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1」という用語は、交換可能に使用され得、遺伝子マップ遺伝子座が16p13.3であるPDK1遺伝子(あるいは、PDPK1遺伝子と呼ばれる)によりコードされるプロテインキナーゼを指す。この用語は、少なくとも3つの変異体が記載されている、この遺伝子のスプライシングアイソフォームを含む。アイソフォーム1と一般に呼ばれる変異体は、基準配列とみなされることが多く、一方でアイソフォーム2は、アイソフォーム1のアミノ酸1−50を除き、アイソフォーム2は、アイソフォームのアミノ酸238−263を除く。PDK1のIUBMB酵素命名分類は、EC 2.7.11.1である。PDK1という用語は、当業者により3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ−1;3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ−1;hPDK1;MGC20087;MGC35290;PDK1;PDPK1;PkBキナーゼ様遺伝子1;PkB様1プロテインキナーゼ;OTTHUMP00000174525およびPRO0461と呼ばれる用語(したがってプロテインキナーゼ)を含み、これらと交換可能に使用され得る。
本明細書中で使用される場合、「被験体」という用語は、脊椎動物、例えば哺乳動物、魚類、鳥類、爬虫類または両生類などであり得る。したがって、本明細書中で開示される方法の被験体は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモットまたはげっ歯類であり得る。この用語は、特定の年齢も性別も示していない。したがって、男女かかわらず、成体および新生児被験体、ならびに胎児が包含されることが意図される。ある態様において、被験体は哺乳動物である。患者とは、疾患または障害に罹患している被験体を指す。「患者」という用語は、ヒトおよび獣医学分野の被験体を含む。開示方法のいくつかの態様において、被験体は、投与工程前に、プロテインキナーゼ機能不全と関連する制御されない細胞増殖の障害の処置の必要性について診断されている。開示方法のいくつかの態様において、被験体は、投与工程前に、プロテインキナーゼの阻害の必要性について診断されている。
本明細書中で使用される場合、「処置」という用語は、疾患、病態または障害を、治癒させるか、改善するか、安定化させるかまたは予防しようとする患者の医学的管理を指す。この用語は、積極的処置、すなわち疾患、病態または障害の改善を具体的に目指す処置を含み、原因治療、すなわち関連疾患、病態または障害の原因の除去を目指す処置も含む。さらにこの用語は、苦痛緩和処置、すなわち疾患、病態または障害を治癒させるのではなく、症状を緩和するために計画される処置;予防的処置、すなわち、関連疾患、病態または障害の発現を最小限に抑えるかまたは部分的もしくは完全に抑制するための処置;および補助的処置、すなわち、関連疾患、病態または障害の改善に対する別の特定の治療を補完するために使用される処置;および補助的処置、すなわち、関連疾患、病態または障害の改善に対する別の特定の治療を補完するために使用される処置が含まれる。様々な態様において、この用語は、哺乳動物(例えばヒト)を含む被験体の任意の処置を包含し、(i)ある疾患に罹患する傾向があり得るが、その疾患を有しているとまだ診断されていない被験体においてその疾患が発現しないように予防すること;(ii)疾患を抑制すること、すなわちその発生を阻止すること;または(iii)疾患を緩和すること、すなわち疾患を軽減することが含まれる。ある態様において、被験体は、哺乳動物、例えば霊長類などであり、さらなる態様において、被験体はヒトである。「被験体」という用語には、ペット動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)および実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ショウジョウバエなど)も含まれる。
本明細書中で使用される場合、「予防する」または「予防すること(preventing)」という用語は、特に事前の行動により、あることが起こるのを、阻止するか、回避するか、除去するか、妨げるか、停止させるかまたは妨害することを指す。本明細書中で、低下させる、抑制するまたは予防するという用語が使用される場合、具体的に別段の断りがない限り、他の2語の使用も明確に開示されることが理解される。
本明細書中で使用される場合、「診断される」という用語は、熟練者、例えば医師による身体検査を受け、本明細書中で開示される化合物、組成物または方法により診断され得るかまたは処置され得る状態を有することが発見されたことを意味する。例えば、「制御されない細胞増殖の障害と診断される」とは、熟練者、例えば医師による身体検査を受け、プロテインキナーゼを阻害し得る化合物または組成物により診断され得るかまたは処置され得る状態を有することが発見されたことを指す。さらなる例として、「プロテインキナーゼの阻害が必要と診断される」とは、熟練者、例えば医師による身体検査を受け、プロテインキナーゼ機能不全を特徴とする状態を有することが発見されたことを指す。このような診断は、本明細書中で論じられるような、例えば制御されない細胞増殖の障害、がんなどの障害に関するものであり得る。例えば、「プロテインキナーゼ活性の阻害が必要と診断される」という用語は、熟練者、例えば医師による身体検査を受け、プロテインキナーゼ活性の阻害により診断され得るかまたは処置され得る状態を有することが発見されたことを指す。例えば、「プロテインキナーゼ機能不全と関連する制御されない細胞増殖の1つ以上の障害の処置が必要と診断される」とは、熟練者、例えば医師による身体検査を受け、プロテインキナーゼ機能不全と関連する制御されない細胞増殖の1つ以上の障害を有することが発見されたことを意味する。
本明細書中で使用される場合、「障害に対する処置が必要であると識別される」などの句は、障害の処置の必要性に基づく被験体の選択を指す。例えば、被験体は、熟練者による早期の診断に基づいて、障害(例えば、プロテインキナーゼ活性の機能不全に関する障害)の処置の必要があると識別され得、その後、その障害に対する処置が行われ得る。ある態様において、その識別は、診断を行う者とは異なる者により行われ得ることが企図される。さらなる態様において、その後に投与を行った者により投与が行われ得ることも企図される。
本明細書中で使用される場合、「投与する」および「投与」という用語は、被験体に医薬的調製物を提供する任意の方法を指す。このような方法は、当業者にとって周知であり、経口投与、経皮投与、吸入による投与、鼻腔投与、局所投与、膣内投与、眼への投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、舌下投与、頬側投与、ならびに、注射を含む非経口投与、例えば静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与および皮下投与が挙げられるが、これらに限定されない。投与は、連続的または間欠的であり得る。様々な態様において、治療のために調製物を投与し得、すなわち、既存の疾患または状態を処置するために投与し得る。さらに様々な態様において、予防的に調製物を投与し得、すなわち疾患または状態の予防のために投与し得る。
本明細書中で使用される場合、「接触させる」という用語は、開示化合物が標的(例えば、スプライセオソーム、細胞など)の活性に影響を与え得るように、直接、すなわち標的そのものと相互作用させることによってか、または間接的に、すなわち別の分子、補因子、因子もしくはタンパク質(これらに標的の活性は依存する)と相互作用させることによってのいずれかで、開示化合物および細胞、標的プロテインキナーゼまたは他の生物学的存在を一緒にすることを指す。
本明細書中で使用される場合、「有効量」および「有効である量」という用語は、望ましい結果を達成するかまたは望ましくない状態に対して効果を有するのに十分である量を指す。例えば、「治療的有効量」とは、所望の治療結果を達成するかまたは望ましくない症状に対して効果を有するのに十分であるが、一般に有害な副作用を引き起こすには不十分である量を指す。任意の特定の患者に対する具体的な治療的有効用量レベルは、処置を受けている障害および障害の重症度;使用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、総体的健康状態、性別および食事;投与時間;投与経路;使用される具体的な化合物の排泄速度;処置時間の長さ;使用される具体的な化合物と、併用されるかまたは同時に使用される薬物および医学分野で周知の類似因子などを含む様々な因子に依存する。例えば、化合物の用量を、所望の治療効果を達成するのに必要とされるレベルよりも低いレベルで開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることは、十分に当技術分野の技術の範囲内である。必要に応じて、有効な1日用量を、投与目的で複数回投与に分割し得る。結果的に、単回投与組成物は、1日用量を構成するためにこのような量またはその約数を含有し得る。投与量は、何らかの禁忌事象において個々の医師によって調整され得る。投与量は変わり得、1日に1回以上の用量投与で、1日または数日間、投与され得る。医薬製品のある種のクラスに対する適切な投与量について文献中で指針を見出すことができる。さらに様々な態様において、「予防的有効量」、すなわち疾患または状態の予防に有効な量で調製物を投与し得る。
本明細書中で使用される場合、「キット」は、キットを構成する少なくとも2つの構成要素の一群を意味する。同時に、上記構成成分は、ある特定の目的で機能的単位を構成する。個々のメンバー成分は、物理的に一緒に包装され得るかまたは個別に包装され得る。例えば、キットを使用するための説明書を含むキットは、他の個々のメンバー成分とともに物理的に説明書を含んでもよいし、含まなくてもよい。代わりに、説明書は、紙の形態またはコンピュータで読み取り可能な記憶装置上で供給され得るかもしくはインターネットウェブサイトからダウンロードされ得る電子形態で、または記録された提示物としてのいずれかで、個別のメンバー成分として供給され得る。
本明細書中で使用される場合、「説明書」は、キットに付属する関連する資料または方法論を記載している書類を意味する。これらの資料は、次の、背景情報、構成品リストおよびそれらの有用性の情報(購入情報など)、キット使用のための簡単なまたは詳細なプロトコール、トラブルシューティング、参考文献、技術サポートおよび任意の他の関連書類の任意の組み合わせを含み得る。説明書は、紙の形態またはコンピュータで読み取り可能な記憶装置上で供給され得るかもしくはインターネットウェブサイトからダウンロードされ得る電子形態として、または記録された提示物としてのいずれかで、個別のメンバー構成要素としてまたはキットとともに、供給され得る。説明書は、1または複数の書類を含み得、さらなるアップデートを含むことが意図される。
本明細書中で使用される場合、「治療剤」という用語は、任意の、合成によるまたは天然に存在する、生物学的に活性のある化合物または組成物であって、生物(ヒトまたは非ヒト動物)に投与された場合、局所的および/または全身的作用による、望ましい薬理学的、免疫原性および/または生理学的影響を誘導する化合物または組成物を指す。 したがって、この用語は、従来から、薬物、ワクチンおよび、タンパク質、ペプチド、ホルモン、核酸、遺伝子コンストラクトなどの分子を含む生物薬剤学的物質とみなされている化合物または化学製品を包含する。治療剤の例は、周知の参考文献、例えばMerck Index(第14版),the Physicians’Desk Reference(第64版)およびThe Pharmacological Basis of Therapeutics(第12版)に記載されており、これらには、医薬、ビタミン;ミネラル補給剤;疾患または病気の処置、予防、診断、治癒または緩和のために使用される物質;身体の構造または機能に影響を与える物質または、生理学的環境に置かれた後に生物学的に活性となるかまたはより活性が高まるプロドラッグが含まれるが、これらに限定されない。例えば、「治療剤」という用語は、アジュバント;抗感染症薬、例えば抗生物質および抗ウイルス剤;鎮痛剤および併用鎮痛薬、食欲減退薬、抗炎症剤、抗てんかん薬、局所および全身麻酔薬、睡眠薬、鎮静剤、抗精神病薬、神経遮断薬、抗うつ薬、不安緩解薬、アンタゴニスト、ニューロンブロッキング剤、抗コリン作用薬およびコリン様作用薬、抗ムスカリン薬およびムスカリン様作用薬、抗アドレナリン作用薬、抗不整脈薬、抗高血圧症薬、ホルモンおよび栄養剤、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗痙れん薬、抗ヒスタミン薬、制吐薬、抗新生物薬、止痒薬、解熱薬、鎮痙薬、心臓血管用調製物(カルシウムチャネルブロッカー、βブロッカー、βアゴニストおよび抗不整脈薬を含む)、抗高血圧症薬、利尿薬、血管拡張薬、中枢神経系刺激薬;咳および風邪用調製物、充血除去薬、診断薬、ホルモン、骨発達刺激薬、骨吸収阻害剤、免疫抑制剤、筋弛緩薬、精神興奮薬、鎮静薬、精神安定薬;タンパク質、ペプチド、およびそれらの断片(天然に存在するもの、化学合成されたもの、または組み換えにより作製されたもののいずれか);および核酸分子(2本鎖および1本鎖分子の両方、遺伝子コンストラクト、発現ベクター、アンチセンス分子などを含む、リボヌクレオチド(RNA)もしくはデオキシリボヌクレオチド(DNA)のいずれか、または2個以上のヌクレオチドのポリマー形態)、低分子(例えばドキソルビシン)およびその他の生物学的に活性のある巨大分子、例えば、タンパク質および酵素などを含むが、これらに限定されない、主要な治療領域全てにおける使用のための化合物または組成物を含む。これらの剤は、獣医学を含む医学での適用、および植物を用いるなどの農業分野ならびにその他の領域で使用される生物学的に活性のある剤であり得る。治療剤という用語はまた、医薬;ビタミン;ミネラル補給剤;疾患または病気の処置、予防、診断、治癒または緩和のために使用される物質;または身体の構造もしくは機能に影響を与える物質;または所定の生理学的環境に置かれた後に生物学的に活性となるかまたはより活性が高まるプロドラッグも含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、「EC50」とは、生物学的プロセスまたは、タンパク質、サブユニット、細胞小器官、リボ核タンパク質などを含む、プロセスの構成成分の50%アゴニズムまたは活性化に必要である物質(例えば化合物または薬物)の濃度を指すことが意図される。ある態様において、EC50は、本明細書中の他所でさらに規定されるような、インビボでの50%アゴニズムまたは活性化に必要である物質の濃度を指し得る。さらなる態様において、EC50は、ベースラインと最大反応との間の半分の反応を誘発するアゴニストまたは活性化因子の濃度を指す。
本明細書中で使用される場合、「IC50」とは、生物学的プロセスまたは、タンパク質、サブユニット、細胞小器官、リボ核タンパク質などを含む、プロセスの構成成分の50%阻害に必要である物質(例えば化合物または薬物)の濃度を指すことが意図される。例えば、IC50は、インビボでの50%阻害に必要な物質の濃度を指し得るか、または阻害は、本明細書中の他所でさらに規定されるように、インビトロで測定される。あるいは、IC50は、物質の最大半量(50%)阻害濃度(IC)を指す。AN3−CA、RL95−2、またはHEC−1A細胞などの細胞系において阻害を測定し得る。またさらなる態様において、変異体または野生型哺乳動物プロテインキナーゼ(例えば、PDK1)を遺伝子移入した細胞系(例えば、HEK−293またはHeLa)において阻害を測定する。
「医薬的に許容可能な」という用語は、生物学的にも、その他の点でも望ましくないものではない、すなわち、許容され得ないレベルの望ましくない生物学的効果を引き起こすことも、有害な形態で相互作用することもない物質を説明するものである。
本明細書中で使用される場合、「誘導体」という用語は、親化合物(例えば本明細書中で開示される化合物)の構造由来の構造を有し、その構造が本明細書中で開示されるものと十分に類似しており、その類似性に基づき、請求項に記載される化合物と同じまたは同様の活性および有用性を示すか、または前駆体として、請求項に記載される化合物と同じまたは同様の活性および有用性を誘導することが当業者により予想される化合物を指す。代表的誘導体としては、親化合物の塩、エステル、アミド、エステルまたはアミドの塩およびN−オキシドが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「医薬的に許容可能な担体」という用語は、使用直前に注射用滅菌溶液または分散液へと再構成するための、滅菌水性または非水性溶液、分散液、懸濁液または乳液、ならびに滅菌粉末を指す。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよび適切なそれらの混合物、植物油(オリーブ油など)および注射用有機エステル、例えばエチルオレアートなどが挙げられる。例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合は必要とされる粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって、的確な流動性が維持され得る。これらの組成物は、アジュバント、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散化剤なども含有し得る。様々な抗菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含めることによって、微生物作用の予防を確実にすることができる。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを含めることが望ましい場合もある。吸収を遅延させる、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの剤を含めることによって、注射用医薬品形態の吸収を延長させることができる。ポリラクチド−ポリグリコリド、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)などの生物分解性ポリマー中に薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって、注射用デポー形態を作製する。薬物とポリマーとの比率および使用される特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出速度を調節し得る。デポー注射製剤は、身体組織と適合性であるマイクロエマルジョンまたはリポソーム中に薬物を封入することによっても調製される。例えば、細菌保持フィルターを通じたろ過によって、または使用直前に滅菌水または他の注射用の滅菌媒体中に溶解または分散させ得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、注射用製剤を滅菌し得る。適切な不活性担体としては、ラクトースなどの糖が挙げられ得る。望ましくは、少なくとも95重量%の活性成分粒子が、0.01から10μmの範囲の有効粒径を有する。
明細書および最後の特許請求の範囲で使用される場合、化学種の残基は、その部分が実際にその化学種から得られるか否かにかかわらず、特定の反応スキームにおける化学種またはその後の製剤もしくは化学生成物中の化学種の、結果として得られる生成物である部分を指す。したがって、ポリエステル中のエチレングリコール残基とは、エチレングリコールがポリエステルを調製するために使用されたか否かにかかわらず、ポリエステル中の1つ以上の−OCHCHO−単位を指す。同様に、ポリエステル中のセバシン酸残基は、その残基がポリエステルを得るためにセバシン酸またはそのエステルを反応させることによって得られるか否かにかかわらず、ポリエステル中の1つ以上の−CO(CHCO−部分を指す。
本明細書中で使用される場合、「置換される」という用語は、有機化合物の全ての許容され得る置換基を含むことが企図される。広い態様において、許容され得る置換基としては、有機化合物の、非環式および環状、分枝鎖状および非分枝鎖状の炭素環および複素環ならびに芳香族および非芳香族置換基が挙げられる。例示的な置換基としては、例えば下記のものが挙げられる。許容され得る置換基は、適切な有機化合物に対して、1個であっても1個より多くてもよく、同じであっても異なってもよい。本開示の目的に対して、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の価数を満たす本明細書中に記載の有機化合物の任意の許容され得る置換基を有し得る。本開示は、有機化合物の許容され得る置換基により任意の様式で限定されることは意図されていない。また、「置換」もしくは「で置換される」という用語には、このような置換が、置換された原子および置換基の許容される価数に従うものであり、置換が、安定な化合物、例えば再編成、環化、脱離などによって自然に変換を受けない化合物をもたらすという暗黙の条件が含まれる。ある特定の態様において、明白な別段の断りがない限り、個々の置換基が、場合によってはさらに置換され得る(すなわち、さらに置換されるかまたは置換されない)ことも企図される。
様々な用語を定義する際、「A」、「A」、「A」および「A」は、本明細書中で、様々な特定の置換基を表すための包括的な記号として使用される。これらの記号は、本明細書中で開示されるものに限定されない任意の置換基であり得、ある例においてそれらの記号がある特定の置換基であると定義される場合、別の例では、それらはある他の置換基として定義され得る。
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書中で使用される場合、直鎖(すなわち非分枝鎖状)、分枝鎖状または環状(縮合、架橋およびスピロ縮合多環式を含む)であり得、完全に飽和しているものであり得るかまたは1つ以上の不飽和単位を含有し得るが、芳香族ではない、炭化水素部分を指す。別段の指定がない限り、脂肪族基は、1から20個の炭素原子を含有する。脂肪族基としては、直鎖状または分枝鎖状のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基およびそれらのハイブリッド、例えば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキル」という用語は、本明細書中で使用される場合、1から24個の炭素原子の分枝鎖状または非分枝鎖状飽和炭化水素基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどである。アルキル基は、分枝鎖状または非分枝鎖状であり得る。アルキル基はまた、置換されていてもよいし、非置換でもよい。例えば、アルキル基は、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ−オキソまたはチオールを含むが、これらに限定されない、1個以上の基で置換され得る。「低級アルキル」基は、1から6(例えば1から4)個の炭素原子を含有するアルキル基である。アルキル基という用語はまた、C1アルキル、C1−C2アルキル、C1−C3アルキル、C1−C4アルキル、C1−C5アルキル、C1−C6アルキル、C1−C7アルキル、C1−C8アルキル、C1−C9アルキル、およびC1−C10アルキルなどから、C1−C24アルキルまで(C1−C24アルキルを含む)でもあり得る。
例えば、「C1−C3アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルおよびシクロプロピルから、またはそれらの一部から選択され得る。ある特定の態様において、「C1−C3アルキル」基は、場合によってはさらに置換され得る。さらなる例として、「C1−C4アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチルおよびシクロブチルから、またはそれらの一部から選択され得る。ある特定の態様において、「C1−C4アルキル」基は、場合によってはさらに置換され得る。さらなる例として、「C1−C6アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキサンおよびシクロヘキサンから、またはそれらの一部から選択され得る。ある特定の態様において、「C1−C6アルキル」基は、場合によってはさらに置換され得る。さらなる例として、「C1−C8アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタンおよびシクロオクタンから、またはそれらの一部から選択され得る。ある特定の態様において、「C1−C8アルキル」基は、場合によってはさらに置換され得る。さらなる例として、「C1−C12アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、シクロオクタン、ノナン、シクロノナン、デカン、シクロデカン、ウンデカン、シクロウンデカン、ドデカンおよびシクロドデカンから、またはそれらの一部から選択され得る。ある特定の態様において、「C1−C12アルキル」基は、場合によってはさらに置換され得る。
本明細書を通じて、「アルキル」は、一般に非置換アルキル基および置換アルキル基の両方を指すために使用されるが、置換アルキル基はまた、本明細書中で、アルキル基上の特定の置換基を同定することによっても具体的に言及される。例えば、「ハロゲン化アルキル」または「ハロアルキル」という用語は、具体的に1個以上のハロゲン化物、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素で置換されているアルキル基を指す。あるいは、「モノハロアルキル」という用語は、具体的に1個のハロゲン化物、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素で置換されているアルキル基を指す。「ポリハロアルキル」という用語は、具体的に、独立に2個以上のハロゲン化物で置換されているアルキル基を指し、すなわち、各ハロゲン化物置換基は、別のハロゲン化物置換基と同じハロゲン化物である必要はなく、複数事例のハロゲン化物置換基が同じ炭素上にある必要もない。「アルコキシアルキル」という用語は、具体的に下記のような1個以上のアルコキシ基で置換されているアルキル基を指す。「アミノアルキル」という用語は、具体的に1個以上のアミノ基で置換されているアルキル基を指す。「ヒドロキシアルキル」という用語は、具体的に1個以上のヒドロキシ基で置換されているアルキル基を指す。「アルキル」が1事例で使用される場合、および「ヒドロキシアルキル」などの特定の用語が別の例で使用される場合、「アルキル」という用語はまた、「ヒドロキシアルキル」などの具体的な用語を指さないことを示唆することは意図されていない。
本明細書中に記載の他の基に対してもこの慣行が使用される。すなわち、「シクロアルキル」などの用語が、非置換および置換シクロアルキル部分の両方を指す一方で、置換部分がさらに本明細書中で具体的に確認され得る。例えば、特定の置換シクロアルキルは、例えば「アルキルシクロアルキル」と呼ばれ得る。同様に、置換アルコキシは、具体的に例えば「ハロゲン化アルコキシ」と呼ばれ得、特定の置換アルケニルは、例えば「アルケニルアルコール」などと呼ばれ得る。繰り返すが、「シクロアルキル」などの一般用語および「アルキルシクロアルキル」などの具体的な用語を使用する慣行は、一般用語が具体的な用語は含まないということを示唆することは意図されていない。
「シクロアルキル」という用語は、本明細書中で使用される場合、少なくとも3個の炭素原子から構成される非芳香族炭素ベース環である。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、ノルボルニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキル基は、置換されていてもよいし、非置換でもよい。シクロアルキル基は、本明細書中に記載のとおり、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ−オキソまたはチオールを含むが、これらに限定されない、1個以上の基で置換され得る。
「ポリアルキレン基」という用語は、本明細書中で使用される場合、2個以上のCH基が互いに連結されている基である。ポリアルキレン基は、式−(CH−(式中、「a」は2から500の整数である)により表され得る。
「アルコキシ」および「アルコキシル」という用語は、本明細書中で使用される場合、エーテル結合を通じて結合するアルキルまたはシクロアルキル基を指す。すなわち「アルコキシ」基は、−OA(式中、Aは、上で定義されるようなアルキルまたはシクロアルキルである)として定義され得る。「アルコキシ」はまた、ちょうど記載されるようなアルコキシ基のポリマーも含む。すなわちアルコキシは、ポリエーテル、例えば−OA−OAまたは−OA−(OA−OA(式中、「a」は、1から200の整数であり、A、AおよびAはアルキルおよび/またはシクロアルキル基である)であり得る。
「アルケニル」という用語は、本明細書中で使用される場合、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有する構造式を有する、2から24個の炭素原子の炭化水素基である。(A)C=C(A)などの非対称構造は、EおよびZ異性体の両方を含むことが意図される。これは、本明細書中の構造式(式中、非対称アルケンが存在する)において推定され得るか、または結合記号C=Cにより明白に示され得る。アルケニル基は、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソまたはチオールを含むが、これらに限定されない1個以上の基で置換され得る。
「シクロアルケニル」という用語は、本明細書中で使用される場合、少なくとも3個の炭素原子から構成され、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合、すなわち、C=Cを含有する非芳香族炭素ベース環である。シクロアルケニル基の例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボルネニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルケニル基は、置換されていてもよいし、非置換でもよい。シクロアルケニル基は、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソまたはチオールを含むが、これらに限定されない1個以上の基で置換され得る。
「アルキニル」という用語は、本明細書中で使用される場合、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含有する構造式を有する、2から24個の炭素原子の炭化水素基である。アルキニル基は、非置換であり得るか、または、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソまたはチオールを含むが、これらに限定されない1個以上の基で置換され得る。
「シクロアルキニル」という用語は、本明細書中で使用される場合、少なくとも7個の炭素原子から構成され、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含有する非芳香族炭素ベース環である。シクロアルキニル基の例としては、シクロヘプチニル、シクロオクチニル、シクロノニニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキニル基は、置換されていてもよいし、非置換でもよい。シクロアルキニル基は、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソまたはチオールを含むが、これらに限定されない1個以上の基で置換され得る。
「芳香族基」という用語は、本明細書中で使用される場合、分子の面の上下に非局在化π電子の環状雲を有し、π雲が(4n+2)個のπ電子を含有する、環構造を指す。芳香族性のさらなる考察は、参考として本明細書中に援用される、Morrison and Boyd,Organic Chemistry,(第5版、1987),第13章,題名“Aromaticity”,477−497頁で見出される。「芳香族基」という用語は、アリールおよびヘテロアリール基の両方を含む。
「アリール」という用語は、本明細書中で使用される場合、ベンゼン、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、アントラセンなどを含むが、これらに限定されない、任意の炭素ベースの芳香族基を含有する基である。アリール基は、置換されていてもよいし、非置換でもよい。アリール基は、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、−NH、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソまたはチオールを含むが、これらに限定されない1個以上の基で置換され得る。「ビアリール」という用語は、特定のタイプのアリール基であり、「アリール」の定義に含まれる。さらに、アリール基は、単環構造であり得るか、または、縮合環構造であるかもしくは1個以上の架橋基、例えば炭素−炭素結合を介して連結されるかのいずれかである複数の環構造を含む。例えば、ビアリールは、ナフタレンにおいてのように、縮合環構造を介して一つに結合しているか、またはビフェニルにおいてのように1個以上の炭素−炭素結合を介して結合している、2個のアリール基を指す。
「アルデヒド」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−C(O)Hにより表される。この明細書の全体を通して、「C(O)」は、カルボニル基、すなわち、C=Oに対する略語である。
「アミン」または「アミノ」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−NA(式中、AおよびAは、独立に、本明細書中に記載されるような、水素またはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得る)により表される。アミノの具体例は−NHである。
「アルキルアミノ」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−NH(−アルキル)および−N(−アルキル)により表され、式中、アルキルは本明細書中に記載のとおりである。アルキル基は、C1アルキル、C1−C2アルキル、C1−C3アルキル、C1−C4アルキル、C1−C5アルキル、C1−C6アルキル、C1−C7アルキル、C1−C8アルキル、C1−C9アルキル、およびC1−C10アルキルなどから、C1−C24アルキルまで(C1−C24アルキルを含む)であり得る。代表例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、(sec−ブチル)アミノ基、(tert−ブチル)アミノ基、ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、(tert−ペンチル)アミノ基、ヘキシルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基およびN−エチル−N−プロピルアミノ基が挙げられるが、これらに限定されない。代表例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジ(tert−ペンチル)アミノ基、ジヘキシルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−エチル−N−プロピルアミノ基などが挙げられるが、これらに限定されない。
「モノアルキルアミノ」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−NH(−アルキル)により表され、式中、アルキルは本明細書中に記載のとおりである。アルキル基は、C1アルキル、C1−C2アルキル、C1−C3アルキル、C1−C4アルキル、C1−C5アルキル、C1−C6アルキル、C1−C7アルキル、C1−C8アルキル、C1−C9アルキル、およびC1−C10アルキルなどから、C1−C24アルキルまで(C1−C24アルキルを含む)であり得る。代表例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、(sec−ブチル)アミノ基、(tert−ブチル)アミノ基、ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、(tert−ペンチル)アミノ基、ヘキシルアミノ基などが挙げられるが、これらに限定されない。
「ジアルキルアミノ」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−N(−アルキル)により表され、式中、アルキルは本明細書中に記載のとおりである。アルキル基は、C1アルキル、C1−C2アルキル、C1−C3アルキル、C1−C4アルキル、C1−C5アルキル、C1−C6アルキル、C1−C7アルキル、C1−C8アルキル、C1−C9アルキル、およびC1−C10アルキルなどから、C1−C24アルキルまで(C1−C24アルキルを含む)であり得る。各アルキル基は、例えば、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基およびN−エチル−N−プロピルアミノ基などの代表的な化合物におけるように、独立に変更され得ることを理解されたい。代表例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジ(tert−ペンチル)アミノ基、ジヘキシルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−エチル−N−プロピルアミノ基などが挙げられるが、これらに限定されない。
「カルボン酸」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−C(O)OHにより表される。
「エステル」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−OC(O)Aまたは−C(O)OA(式中、Aは、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得る)により表される。「ポリエステル」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−(AO(O)C−A−C(O)O)−または−(AO(O)C−A−OC(O))−(式中、AおよびAは、独立に、本明細書中に記載の、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得、「a」は、1から500の整数である)により表される。「ポリエステル」は、少なくとも2個のカルボン酸基を有する化合物と、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物との間の反応により生成する基を説明するために使用される用語である。
「エーテル」という用語は、本明細書中で使用される場合、式AOA(式中、AおよびAは、独立に、本明細書中に記載の、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得る)により表される。「ポリエーテル」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−(AO−AO)−(式中、AおよびAは、独立に、本明細書中に記載の、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得、「a」は、1から500の整数である)により表される。ポリエーテル基の例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよびポリブチレンオキシドが挙げられる。
「ハロ」、「ハロゲン」または「ハロゲン化物」という用語は、本明細書中で使用される場合、交換可能に使用され得、F、Cl、BrまたはIを指す。
「擬ハロゲン化物」、「擬ハロゲン」または「擬ハロ」という用語は、本明細書中で使用される場合、交換可能に使用され得、実質的にハロゲン化物と同様に挙動する官能基を指す。このような官能基としては、例として、シアノ、チオシアナト、アジド、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ペルフルオロアルキルおよびペルフルオロアルコキシ基が挙げられる。
「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書中で使用される場合、少なくとも1個のヘテロ原子を含有するアルキル基を指す。適切なヘテロ原子としては、O、N、Si、PおよびSが挙げられるが、これらに限定されず、窒素、リンおよび硫黄原子は、場合によっては酸化され、窒素ヘテロ原子は、場合によっては四級化される。ヘテロアルキルは、アルキル基に対して上で定義したように置換され得る。
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書中で使用される場合、芳香族基の環内に少なくとも1個のヘテロ原子が組み込まれている芳香族基を指す。ヘテロ原子の例としては、窒素、酸素、硫黄およびリンが挙げられるが、これらに限定されず、N−オキシド、硫黄酸化物、ジオキシドは許容され得るヘテロ原子置換である。ヘテロアリール基は、置換されていてもよいし、非置換でもよく、ヘテロアリール基は、単環式、二環式または多環式芳香環であり得る。ヘテロアリール基は、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ−オキソまたはチオールを含むが、これらに限定されない、1個以上の基で置換され得る。ヘテロアリール基は、化学的に可能であるならば、環中のヘテロ原子を通じてか、またはヘテロアリール環を構成する含む炭素のうちの1個を通じてのいずれかで結合し得ることを理解されたい。
様々なヘテロアリール基が当技術分野で公知であり、これには、酸素含有環、窒素含有環、硫黄含有環、混合ヘテロ原子含有環、縮合ヘテロ原子含有環;およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロアリール環の非限定例としては、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、アゼピニル、トリアジニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、オキセピニル(oxepinyl)、チエピニル、ジアゼピニル、ベンゾフラニル、チオナフテン、インドリル、ベンゾアゾリル、ピラノピロリル、イソインダゾリル、インドキサジニル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジアゾニル、ナフチリジニル、ベンゾチエニル、ピリドピリジニル、アクリジニル、カルバゾリルおよびプリニル環が含まれるがこれらに限定されない。
「単環式ヘテロアリール」という用語は、本明細書中で使用される場合、芳香族であり、環原子の少なくとも1つがヘテロ原子である、単環式環系を指す。単環式ヘテロアリール基としては、次の代表的基:ピリジン、ピリミジン、フラン、チオフェン、ピロール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、例えば1,2,3−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾールおよび1,3,4−チアジアゾール、例えば1,2,3−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾールおよび1,3,4−チアジアゾール、トリアゾール、例えば1,2,3−トリアゾール、1,3,4−トリアゾール、テトラゾール、例えば1,2,3,4−テトラゾールおよび1,2,4,5−テトラゾール、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、例えば1,2,4−トリアジンおよび1,3,5−トリアジン、テトラジン、例えば1,2,4,5−テトラジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。単環式ヘテロアリール基は、標準的な化学命名法に従い、付番される。
「二環式ヘテロアリール」という用語は、本明細書中で使用される場合、2個の環のうち少なくとも1個が芳香族であり、2個の環の少なくとも1個がヘテロ原子を含有する、二環式環系を含む環系を指す。二環式ヘテロアリールは、芳香環が別の芳香環と縮合しているか、または芳香環が非芳香環と縮合している環系を包含する。二環式ヘテロアリールは、ベンゼン環が、1、2または3個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環と縮合しているか、またはピリジン環が、1、2または3個の環ヘテロ原子を含有する5または6員環と縮合している環系を包含する。二環式ヘテロアリール基の例としては、インドリル、イソインドリル、インドリル、インドリニル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベキソチオフェニル(bexothiophenyl)、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアジニル、ベンゾチアゾリル、プリニル、キノリジル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリジニル、キノキサリル、ナフチリジニルおよびプテリジルが含まれるが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリールは、標準的な化学命名法に従い、付番される。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書中で使用される場合、環の炭素原子の少なくとも1つが、ヘテロ原子、例えば以下に限定されないが、窒素、酸素、硫黄またはリンで置き換えられている、3から8個の原子の単環および二および三環式環系を含む、脂肪族、部分不飽和または完全飽和の3から14員環系を指す。ヘテロシクロアルキルは、酸素、窒素および硫黄から独立に選択される1から4個のヘテロ原子を含み得、ここで窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合によっては酸化され得、窒素ヘテロ原子は、場合によっては置換され得る。代表的なヘテロシクロアルキル基としては、次の代表的な基:ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルおよびテトラヒドロフリルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキル基という用語は、C2ヘテロシクロアルキル、C2−C3ヘテロシクロアルキル、C2−C4ヘテロシクロアルキル、C2−C5ヘテロシクロアルキル、C2−C6ヘテロシクロアルキル、C2−C7ヘテロシクロアルキル、C2−C8ヘテロシクロアルキル、C2−C9ヘテロシクロアルキル、C2−C10ヘテロシクロアルキル、およびC2−C11ヘテロシクロアルキルなどから、C2−C14ヘテロシクロアルキルまで(C2−C14ヘテロシクロアルキルを含む)であり得る。例えば、C2ヘテロシクロアルキルは、アジリジニル、ジアゼチジニル、オキシラニル、およびチイラニルなどを含むがこれらに限定されない、2個の炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する基を含む。あるいは、例えば、C5ヘテロシクロアルキルは、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、およびジアゼパニルなどを含むがこれらに限定されない、5個の炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する基を含む。ヘテロシクロアルキル基は、化学的に可能であれば環中のヘテロ原子を通じてか、またはヘテロシクロアルキル環を構成する炭素のうちの1個を通じてのいずれかで結合し得ることを理解されたい。ヘテロシクロアルキル基は、置換されていてもよいし、非置換でもよい。ヘテロシクロアルキル基は、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ−オキソまたはチオールを含むが、これらに限定されない、1個以上の基で置換され得る。
「ヒドロキシル」または「ヒドロキシル」という用語は、本明細書中で使用される場合、交換可能に使用され得、式−OHにより表される基を指す。
「ケトン」という用語は、本明細書中で使用される場合、式AC(O)A(式中、AおよびAは、独立に、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得る)により表される。
「アジド(azide)」または「アジド(azido)」という用語は、本明細書中で使用される場合、交換可能に使用され得、式−Nにより表される基を指す。
「ニトロ」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−NOにより表される。
「ニトリル」または「シアノ」という用語は、本明細書中で使用される場合、交換可能に使用され得、式−CNにより表される基を指す。
「シリル」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−SiA(式中、A、AおよびAは、独立に、本明細書中に記載されるような、水素またはアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得る)により表される。
「スルホ−オキソ」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−S(O)A、−S(O)、−OS(O)または−OS(O)OA(式中、Aは、本明細書中に記載されるような、水素またはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得る)により表される。本明細書全体を通して、「S(O)」は、S=Oに対する略語である。「スルホニル」という用語は、本明細書中で、式−S(O)(式中、Aは、本明細書中に記載されるような、水素またはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得る)により表されるスルホ−オキソ基を指すために使用される。「スルホン」という用語は、本明細書中で使用される場合、式AS(O)(式中、AおよびAは、独立に、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得る)により表される。「スルホキシド」という用語は、本明細書中で使用される場合、式AS(O)A(式中、AおよびAは、独立に、本明細書中に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得る)により表される。
「チオール」という用語は、本明細書中で使用される場合、式−SHにより表される。
「R」、「R」、「R」、「R」(式中、nは整数である)は、独立に、本明細書中で使用される場合、上に列挙された基の1個以上を保持し得る。例えば、Rが直鎖アルキル基である場合、アルキル基の水素原子のうち1個は、場合によってはヒドロキシル基、アルコキシ基、アルキル基、およびハロゲン化物などで置換され得る。選択される基に依存して、第一の基は第二の基内に組み込まれ得るか、あるいは第一の基は、第二の基に対する懸垂基であり得る(すなわち第二の基に結合している)。例えば「アミノ基を含むアルキル基」という句では、アルキル基の骨格内にアミノ基が組み込まれ得る。あるいは、アミノ基がアルキル基の骨格に結合し得る。選択される基の性質によって、第一の基が第二の基に埋め込まれるかまたは結合するかが決定される。
本明細書中に記載のように、本発明の化合物は、「場合によっては置換されている」部分を含有し得る。一般に、「置換される」という用語は、「場合によっては」という用語が前にあるにせよ、ないにせよ、指定部分の1個以上の水素が適切な置換基で置き換えられることを意味する。別段の断りがない限り、「場合によっては置換されている」基は、その基の置換可能な各位置に適切な置換基を有し得、所定の構造の1つより多くの位置が、指定される基から選択される1個より多い置換基で置換され得る場合、その置換基は、全ての位置で同じでもよいし、異なっていてもよい。本発明により想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定であるかまたは化学的に実現可能な化合物の形成をもたらす。ある特定の態様において、明白な別段の断りがない限り、個々の置換基が、さらに、場合によっては置換され得る(すなわちさらに置換されるかまたは置換されない)ことも企図される。
「安定である」という用語は、本明細書中で使用される場合、化合物の生成、検出および、ある特定の態様において、化合物の回収、精製、および本明細書中で開示される1つ以上の目的での使用を可能にする条件に供された場合に実質的に変化しない化合物を指す。
「場合によっては置換されている」基の置換可能な炭素原子上の適切な一価置換基は、独立に、ハロゲン;−(CH0−4;−(CH0−4OR;−O(CH0−4、−O−(CH0−4C(O)OR;−(CH0−4CH(OR;−(CH0−4SR;−(CH0−4Ph(これはRで置換され得る);−(CH0−4O(CH0−1Ph(これはRで置換され得る);−CH=CHPh(これはRで置換され得る);−(CH0−4O(CH0−1−ピリジル(これはRで置換され得る);−NO;−CN;−N;−(CH0−4N(R;−(CH0−4N(R)C(O)R;−N(R)C(S)R;−(CH0−4N(R)C(O)NR ;−N(R)C(S)NR ;−(CH0−4N(R)C(O)OR;−N(R)N(R)C(O)R;−N(R)N(R)C(O)NR ;−N(R)N(R)C(O)OR;−(CH0−4C(O)R;−C(S)R;−(CH0−4C(O)OR;−(CH0−4C(O)SR;−(CH0−4C(O)OSiR ;−(CH0−4OC(O)R;−OC(O)(CH0−4SR−、−(CH0−4SC(O)R;−(CH0−4C(O)NR ;−C(S)NR ;−C(S)SR;−SC(S)SR、−(CH0−4OC(O)NR ;−C(O)N(OR)R;−C(O)C(O)R;−C(O)CHC(O)R;−C(NOR)R;−(CH0−4SSR;−(CH0−4S(O);−(CH0−4S(O)OR;−(CH0−4OS(O);−S(O)NR ;−(CH0−4S(O)R;−N(R)S(O)NR ;−N(R)S(O);−N(OR)R;−C(NH)NR ;−P(O);−P(O)R ;−OP(O)R ;−OP(O)(OR;SiR ;−(C1−4直鎖もしくは分枝鎖状アルキレン)O−N(R;または−(C1−4直鎖もしくは分枝鎖状アルキレン)C(O)O−N(R(式中、各Rは、以下で定義されるように置換され得、独立に、水素、C1−6脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、−CH−(5〜6員ヘテロアリール環)または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される0から4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和もしくは部分不飽和もしくはアリール環であるかまたは、上記定義にかかわらず、2つの独立して存在するRは、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される0から4個のヘテロ原子を有する3〜12員飽和もしくは部分不飽和もしくはアリールの単環式もしくは二環式環を形成し、これらは、以下で定義されるように置換され得る)である。
(または2個の独立して存在するRをそれらの介在原子とともに一緒にして形成される環)上の適切な一価置換基は、独立に、ハロゲン、−(CH0−2、−(ハロR)、−(CH0−2OH、−(CH0−2OR、−(CH0−2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0−2C(O)R、−(CH0−2C(O)OH、−(CH0−2C(O)OR、−(CH0−2SR、−(CH0−2SH、−(CH0−2NH、−(CH0−2NHR、−(CH0−2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR、−(C1−4直鎖もしくは分枝鎖状アルキレン)C(O)ORまたは−SSR(式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が前に来る場合、1個以上のハロゲンによってのみ置換され、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Phまたは、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0から4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和もしくは部分不飽和もしくはアリール環から独立に選択される)である。Rの飽和炭素原子上の適切な二価置換基としては、=Oおよび=Sが挙げられる。
「場合によっては置換されている」基の飽和炭素原子上の適切な二価置換基としては、次の、=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2−3O−または−S(C(R ))2−3S−(式中、それぞれ独立して存在するRは、水素、以下で定義されるように置換され得るC1−6脂肪族または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される0から4個のヘテロ原子を有する、非置換5〜6員飽和もしくは部分不飽和もしくはアリール環から選択される)が挙げられる。「場合によっては置換されている」基の近接の置換可能な炭素に結合する適切な二価置換基としては、−O(CR 2−3O−(式中、それぞれ独立して存在するRは、水素、以下で定義されるように置換され得るC1−6脂肪族または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される0から4個のヘテロ原子を有する、非置換5〜6員飽和もしくは部分不飽和もしくはアリール環から選択される)が挙げられる。
の脂肪族基上の適切な置換基としては、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR または−NO(式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が前に来る場合、1個以上のハロゲンによってのみ置換され、独立に、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Phまたは、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0から4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分不飽和またはアリール環である)が挙げられる。
「場合によっては置換されている」基の置換可能な窒素上の適切な置換基としては、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR または−N(R)S(O)が挙げられ;式中、各Rは、独立に、水素、以下で定義されるように置換され得るC1−6脂肪族、非置換−OPhまたは、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される0から4個のヘテロ原子を有する、非置換5〜6員飽和もしくは部分不飽和もしくはアリール環であるか、または上記定義にかかわらず、2個の独立して存在するRは、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立に選択される0から4個のヘテロ原子を有する、非置換3〜12員飽和もしくは部分不飽和もしくはアリールの単環式もしくは二環式環を形成する。
の脂肪族基上の適切な置換基は、独立に、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR または−NO(式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が前に来る場合、1個以上のハロゲンによってのみ置換され、独立に、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Phまたは、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0から4個のヘテロ原子を有する、5〜6員飽和もしくは部分不飽和もしくはアリール環である)である。
「脱離基」という用語は、電子求引能のある原子(または原子群)を指し、この原子(または原子群)は、安定な種と置き換えられ得、それに伴って結合電子を奪い得る。適切な脱離基の例としては、クロロ、ブロモおよびヨードを含む、ハロゲン化物、およびトリフラート、メシラート、トシラートおよびブロシラートを含む、擬ハロゲン化物(スルホナートエステル)が挙げられる。ヒドロキシル部分は、光延反応を介して脱離基に変換され得ることも企図される。
「保護基」という用語は、化合物の1個以上の官能基を保護する基を意味し、この基は、特定の化合物の保護誘導体を生じさせる。保護され得る官能基としては、一例として、アミノ基およびヒドロキシル基などが挙げられる。保護基は当業者にとって周知であり、例えば、T.W.Greene and G.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis,Third Edition,Wiley,New York,1999およびそこで引用される参考文献に記載されている。
「アミノ保護基」という用語は、アミノ基において望ましくない反応を防ぐのに適切な保護基を意味し、tert−ブトキシカルボニル(BOC)、トリチル(Tr)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)、ホルミル、トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−フルオロベンジル、p−クロロベンジル、p−ブロモベンジル、およびジフェニルメチルナフチルメチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヒドロキシル保護基」という用語は、ヒドロキシル基において望ましくない反応を防ぐのに適切な保護基を意味する。代表的なヒドロキシル保護基としては、トリ(1−6C)−アルキルシリル基、例えばトリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)などを含むシリル基;(1−6C)−アルカノイル基、例えばホルミル、およびアセチルなどを含むエステル(アシル基);アリールメチル基、例えばベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、およびジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「加水分解性基」および「加水分解性部分」という用語は、例えば塩基性または酸性条件下で加水分解を受けることができる官能基を指す。加水分解性残基の例としては、酸ハロゲン化物、活性化カルボン酸および当技術分野で公知の様々な保護基が含まれるが、これらに限定されない(例えば“Protective Groups in Organic Synthesis”,T.W.Greene,P.G.M.Wuts,Wiley−Interscience,1999を参照)。
「有機残基」という用語は、炭素含有残基、すなわち、少なくとも1つの炭素原子を含む残基を定義し、この有機残基としては、本明細書中、上で定義された炭素含有基、残基またはラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。有機残基は、様々なヘテロ原子を含有し得るか、または酸素、窒素、硫黄、もしくはリンなどを含むヘテロ原子を通じて別の分子に結合し得る。有機残基の例としては、アルキルまたは置換アルキル、アルコキシまたは置換アルコキシ、一置換または二置換アミノ、アミド基などが挙げられるが、これらに限定されない。有機残基は、好ましくは1から18個の炭素原子、1から15個の炭素原子、1から12個の炭素原子、1から8個の炭素原子、1から6個の炭素原子または1から4個の炭素原子を含み得る。さらなる態様において、有機残基は、2から18個の炭素原子、2から15個の炭素原子、2から12個の炭素原子、2から8個の炭素原子、2から4個の炭素原子または2から4個の炭素原子を含み得る。
「残基」という用語の非常に近い同義語は、「ラジカル」という用語であり、これは、本明細書および最後の特許請求の範囲で使用される場合、分子がどのように調製されるかにかかわらず、本明細書中に記載の分子の、断片、基または基礎構造を指す。例えば、特定の化合物における2,4−チアゾリジンジオンラジカルは、化合物を調製するためにチアゾリジンジオンが使用されるか否かにかかわらず、以下の構造
を有する。いくつかの実施形態において、ラジカル(例えばアルキル)は、1個以上の「置換基ラジカル」をそれに結合させることによって、さらに修飾され得る(すなわち置換アルキル)。特定のラジカル中の原子数は、本明細書中の他の箇所で別段の断りがない限り、本発明に対して重要ではない。
「有機ラジカル」とは、本明細書中でこの用語が定義され、使用される場合、1個以上の炭素原子を含有する。有機ラジカルは、例えば、1から26個の炭素原子、1から18個の炭素原子、1から12個の炭素原子、1から8個の炭素原子、1から6個の炭素原子または1から4個の炭素原子を有し得る。さらなる態様において、有機ラジカルは、2から26個の炭素原子、2から18個の炭素原子、2から12個の炭素原子、2から8個の炭素原子、2から6個の炭素原子または2から4個の炭素原子を有し得る。有機ラジカルは、有機ラジカルの炭素原子の少なくとも一部に水素が結合していることが多い。無機原子を含まない有機ラジカルの一例は、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルラジカルである。いくつかの実施形態において、有機ラジカルは、ハロゲン、酸素、硫黄、窒素、およびリンなどを含め、それにまたはそれにおいて結合した1から10個の無機へテロ原子を含有し得る。有機ラジカルの例としては、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、複素環または置換複素環ラジカル(これらの用語は本明細書中の他の箇所で定義される)が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロ原子を含む有機ラジカルのいくつかの非限定例としては、アルコキシラジカル、トリフルオロメトキシラジカル、アセトキシラジカル、およびジメチルアミノラジカルなどが挙げられる。
「無機ラジカル」とは、本明細書中でこの用語が定義され、使用される場合、炭素原子を含有せず、したがって炭素以外の原子のみを含む。無機ラジカルは、水素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、セレニウムおよびハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素およびヨウ素などから選択される原子の結合する組み合わせを含み、これらは、個別に存在し得るか、またはそれらの化学的に安定な組み合わせで一緒に結合し得る。無機ラジカルは、上で列挙されたような、10個以下、または好ましくは1から6個もしくは1から4個の無機原子を一緒に結合させ得る。無機ラジカルの例としては、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、チオール、スルファート、およびホスファートなど、一般に公知の無機ラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。無機ラジカルは、そのラジカル中で、周期表の金属元素(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニド金属またはアクチニド金属など)を結合させていないが、このような金属イオンは、例えば、硫酸陰イオン無機ラジカルまたはリン酸陰イオン無機ラジカルなどの陰イオン無機ラジカルに対する、医薬的に許容可能な陽イオンとして役立ち得ることがある。無機ラジカルは、本明細書中の他の箇所で具体的に示されない限り、半金属元素(例えばホウ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、スズ、鉛もしくはテルルなど)も、希ガス元素も含まない。
本明細書中に記載の化合物は1個以上の二重結合を含有し得、したがって、シス/トランス(E/Z)異性体ならびに他の配座異性体が生じる可能性がある。別段の断りがない限り、本発明は、全てのこのような可能性のある異性体ならびにこのような異性体の混合物を含む。
別段の断りがない限り、実線としてのみ示されており、ウェッジとしても断続線としても示されていない化学結合のある式は、それぞれの可能性のある異性体、例えば、各鏡像異性体およびジアステレオマーおよび異性体の混合物、例えばラセミ混合物または非ラセミ(scalemic)混合物などを企図する。本明細書中に記載の化合物は、1個以上の不斉中心を含有し得、したがって、ジアステレオマーおよび光学異性体が生じる可能性がある。別段の断りがない限り、本発明は、全てのこのような可能性のあるジアステレオマーならびにそれらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋な分割された鏡像異性体、全ての可能性のある幾何異性体および医薬的に許容可能なそれらの塩を含む。立体異性体の混合物、ならびに単離された特定の立体異性体も含まれる。このような化合物を調製するために使用される一連の合成手順中、または当業者とって公知のラセミ化またはエピマー化手順を使用するとき、このような手順の生成物は、立体異性体の混合物であり得る。
多くの有機化合物が、平面偏光面回転能を有する光学活性形態で存在する。光学活性化合物を記載する際、接頭辞DおよびLまたはRおよびSは、そのキラル中心周囲の分子の絶対配置を示すために使用される。接頭辞dおよびlまたは(+)および(−)は、化合物による平面偏光面の回転の表れを指定するために使用される。例えば、(−)もしくはlの接頭辞がある化合物は、化合物が左旋性であることを意味し、または、(+)もしくはdの接頭辞がある化合物は右旋回性である。特定の化学構造の場合、立体異性体と呼ばれるこれらの化合物は、それらが互いを重ね合わせられない鏡像であることを除き、同一である。特定の立体異性体は鏡像異性体とも呼ばれ得、このような異性体の混合物は、鏡像異性体性混合物と呼ばれることが多い。鏡像異性体の50:50混合物は、ラセミ混合物と呼ばれる。本明細書中に記載の化合物の多くは1個以上のキラル中心を有し得、従って様々な鏡像異性体形態で存在し得る。必要に応じて、キラル炭素は、星印(*)を付けて示され得る。キラル炭素に対する結合が、開示される式中で直線として示される場合、キラル炭素の(R)および(S)配置の両方および、ゆえに両鏡像異性体およびそれらの混合物は、その式内に包含されることが理解される。当技術分野で使用される場合、キラル炭素の周囲の絶対立体配置を指定することが望ましいとき、キラル炭素に対する結合のうち1つは、ウェッジ(その面より上方の原子に対する結合)として示され得、もう一方は、短い平行線の一続きまたはウェッジ(その面の下方の原子に対する結合)として示され得る。キラル炭素に対する(R)または(S)配置を指定するために、Cahn−Inglod−Prelog系を使用し得る。
本明細書中に記載の化合物は、その天然の同位体存在度および天然にはない存在度の両方で原子を含む。開示化合物は、1個以上の原子が、一般的に天然で見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられるという事実を別にすれば記載されるものと同一である、同位体標識されたかまたは同位体により置き換えられた化合物であり得る。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18Fおよび36Clなどが挙げられる。化合物は、そのプロドラッグをさらに含み、前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する上記化合物もしくは上記プロドラッグの医薬的に許容可能な塩は、本発明の範囲内である。例えば、Hおよび14Cなどの放射性同位体が組み込まれている化合物など、本発明の特定の同位体標識化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわちHと、炭素−14、すなわち14Cの同位体は、その調製および検出が容易であるので特に好ましい。さらに、ジュウテリウムなどのより重い同位体、すなわちHでの置換により、代謝の安定性が高くなる、例えばインビボ半減期が長くなるか、または必要投薬量が減少する結果、特定の治療での長所を得ることができ、ゆえに、ある状況においては好まれ得る。本発明の同位体標識された化合物およびそのプロドラッグは、一般に、下記の手順を遂行することによって、同位体標識されていない試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識された試薬を使用することによって、調製され得る。
本発明で記載の化合物は、溶媒和物として存在し得る。ある場合においては、溶媒和物を調製するために使用される溶媒は、水溶液であり、溶媒和物は、水和物と呼ばれることが多い。本化合物は、水和物として存在し得、これは、例えば溶媒または水溶液から結晶化することによって得ることができる。これに関して、1、2、3または何らかの任意数の溶媒または水分子は、本発明による化合物と結びつき、溶媒和物および水和物を形成し得る。別段の断りがない限り、本発明は、全てのこのような可能性のある溶媒和物を含む。
「共結晶」という用語は、非共有結合相互作用を通じてその安定性を負う2個以上の分子の物理的会合を意味する。この分子複合体の1個以上の構成成分は、結晶格子において安定な骨格を提供する。ある特定の例において、ゲスト分子は、無水物または溶媒和物として結晶格子に組み込まれるが、例えば、「Crystal Engineering of the Composition of Pharmaceutical Phases.Do Pharmaceutical Co−crystals Represent a New Path to Improved Medicines?」Almarasson,O.ら、The Royal Society of Chemistry,1889−1896,2004を参照のこと。共結晶の例としては、p−トルエンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸が挙げられる。
本明細書中に記載のある特定の化合物が、互変異性体の平衡状態として存在し得ることも認識される。例えば、α−水素があるケトンは、ケト型とエノール型との平衡状態で存在し得る。
同様に、N−水素を有するアミドは、アミド型とイミド酸型との平衡状態で存在し得る。別段の断りがない限り、本発明は、全てのこのような可能性のある互変異性体を含む。
化学物質は、多形形態または変態と呼ばれる様々な秩序状態で存在する固体を形成することが公知である。多形物質の様々な変態は、それらの物理学的特性が大きく異なり得る。本発明による化合物は様々な多形形態で存在し得、特定の変態が準安定である可能性がある。別段の断りがない限り、本発明は、全てのこのような可能性のある多形形態を含む。
いくつかの態様において、化合物の構造は、以下の式
により表され得、これは、以下の式
(式中、nは通常整数である)
と同等であると理解される。すなわち、Rは、5個の独立の置換基、Rn(a)、Rn(b)、Rn(c)、Rn(d)、Rn(e)を表すと理解される。「独立の置換基」によって、各R置換基が、独立に定義され得ることが意図される。例えば、ある例においてRn(a)がハロゲンである場合、その例においてRn(b)は必ずしもハロゲンではない。
本明細書中で開示される特定の材料、化合物、組成物および構成成分は市販品を得ることができるか、または当業者にとって一般に公知の技術を用いて容易に合成され得る。例えば、開示化合物および組成物を調製する際に使用される出発材料および試薬は、Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee,Wis.)、Acros Organics(Morris Plains,N.J.)、Fisher Scientific(Pittsburgh,Pa.)またはSigma(St.Louis,Mo.)などの市販業者から入手可能であるかまたは、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1−17(John Wiley and Sons,1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1−5 and Supplementals(Elsevier Science Publishers,1989);Organic Reactions,Volumes 1−40(John Wiley and Sons,1991);March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,第4版);およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)などの参考文献に記載の手順に従い、当業者にとって公知の方法により調製される。
別段の明らかな断りがない限り、本明細書中で示される何れの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要とすると解釈されることは決して意図されていない。従って、方法の請求項が、その工程が従うべき順序を実際に挙げていないか、またはその工程が特定の順序に限定されるものであるということが特許請求の範囲または記載において別途具体的に述べられていない場合、あらゆる点において、順序が推定されることは決して意図されない。このことは、工程の編成または操作の流れに関する論理の問題、文法構成または句読点から導かれる単純な意味、および本明細書に記載の実施形態の数またはタイプを含む、解釈に対して起こり得るいかなる黙示原則(non−express basis)にも当てはまる。
本発明の組成物を調製するために使用されるべき構成成分ならびに本明細書中で開示される方法内で使用されるべき組成物そのものが開示される。これらの材料および他の材料が本明細書で開示され、これらの材料の組み合わせ、そのサブセット、相互作用、群などが開示されるとき、これらの化合物のそれぞれ様々な個別および集合的組み合わせおよび順列の具体的な参照が明白に開示され得ないが、それぞれは具体的に企図され、本明細書中で記載されることが理解される。例えば特定の化合物が開示され、論じられ、その化合物を含む多くの分子に多くの修飾を行い得ることが論じられる場合、具体的な別段の指示がない限り、化合物と可能である修飾とのありとあらゆる組み合わせおよび順列が明確に企図される。したがって、分子A、BおよびCのクラスが開示され、分子D、EおよびFのクラスおよび組み合わせ分子の例、A−Dが開示される場合、それぞれが個別に列挙されない場合でも、それぞれは個別におよび集合的に企図され、つまり、A−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−EおよびC−Fという組み合わせが考慮されて開示される。同様に、これらのいかなるサブセットまたは組み合わせも開示される。したがって、例えばA−E、B−FおよびC−Eのサブグループが考慮されて開示される。この概念は、本発明の組成物を作製し、使用する方法における工程を含むが、これに限定されない、本願のすべての態様に適用される。したがって、行われ得る様々な追加工程が存在する場合、これらの追加工程のそれぞれが、本発明の方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせで行われ得ることが理解される。
本明細書中で開示される組成物は、特定の機能を有することが理解される。開示される機能を果たすための特定の構造要件が本明細書中で開示され、開示される構造と関連がある同じ機能を果たし得る様々な構造があること、およびこれらの構造が一般的には同じ結果を達成するであろうことが理解される。
B. 化合物
ある態様において、本発明は、PI3K/Akt経路の阻害剤として有用な化合物に関する。さらなる態様において、本化合物は、プロテインキナーゼの阻害剤として有用である。またさらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1、オーロラキナーゼA、c−ablがん遺伝子1キナーゼ(T315I形態)、fms−関連チロシンキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体1、インターロイキン1受容体関連キナーゼ4、Janusキナーゼ1、Janusキナーゼ2、Janusキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、ret原がん遺伝子、脾臓チロシンキナーゼ、チロシン−プロテインキナーゼFyn、血管内皮増殖因子受容体2または血管内皮増殖因子受容体3である。またさらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド−依存性プロテインキナーゼ1である。より具体的には、ある態様において、本発明は、3−ホスホイノシチド−依存性プロテインキナーゼ1活性(「PDK1」)を阻害する化合物に関する。
ある態様において、本発明の化合物は、制御されない細胞増殖の障害の処置において有用である。さらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんまたは腫瘍である。またさらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、PI3K/Aktの機能不全および、本明細書中でさらに記載されるような、PDK1機能不全が関与する他の疾患と関連する。
開示される各誘導体が、場合によってはさらに置換され得ることが企図される。任意の1個以上の誘導体が場合によっては本発明から省略され得ることも企図される。開示化合物は、開示される方法により提供され得ることが理解される。開示される使用方法において、開示化合物が使用され得ることも理解される。
1.構造
ある態様において、本発明は、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキルC3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニルおよびジェミナルの関係で二個個置換されたモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形に関する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
(式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのうち0から2個は、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択される置換基を有するが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのうち2個が置換基を有する場合、それらはジェミナルの関係で置換されなければならず、置換基を有しないR12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hはそれぞれ水素である)により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
(式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのそれぞれは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキルから独立に選択され;式中、R12iは、水素、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から選択されるが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12g、R12hおよびR12iのうち、水素ではないものが2個を超えない)により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
(式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのそれぞれは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキルから独立に選択され;式中、R12iは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から選択されるが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12g、R12hおよびR12iのうち、水素ではないものが2個を超えない)により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
(式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのうち0から2個は、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択される置換基を有するが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12g、R12hおよびR12iのうち水素でないものが2個を超えない)により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
(式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのそれぞれは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキルから独立に選択され;式中、R12iは、水素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から選択されるが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12g、R12hおよびR12iのうち、水素ではないものが2個を超えない)により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
(式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのうち0から2個は、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択される置換基を有するが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのうち2個が置換基を有する場合、それらはジェミナルの関係で置換されなければならず、置換基を有しないR12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hはそれぞれ水素である)により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
(式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのそれぞれは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキルから独立に選択され;式中、R12iは、水素、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から選択されるが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12g、R12hおよびR12iのうち、水素ではないものが2個を超えない)により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
(式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのそれぞれは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキルから独立に選択され;式中、R12iは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から選択されるが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12g、R12hおよびR12iのうち、水素ではないものが2個を超えない)により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
(式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのうち0から2個は、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択される置換基を有するが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12g、R12hおよびR12iのうち水素でないものが2個を超えない)により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
(式中、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hのそれぞれは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキルから独立に選択され;式中、R12iは、水素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から選択されるが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12g、R12hおよびR12iのうち、水素ではないものが2個を超えない)により表される構造を有する。
さらなる態様において、本化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
a. Ar
ある態様において、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかである。
さらなる態様において、Arは、非置換である。またさらなる態様において、Arは、1、2または3個の置換基を有する。
さらなる態様において、Arは、フェニルである。またさらなる態様において、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される1から3個の置換基で置換されているフェニルである。またさらなる態様において、Arは、シアノ、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキルおよびSO10から独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルである。なおさらなる態様において、Arは、シアノ、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキルおよびSO10から選択される置換基で一個置換されているフェニルである。
さらなる態様において、Arは、ヘテロアリールである。またさらなる態様において、Arは、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニルまたはピラジニルである。またさらなる態様において、Arは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基により置換されている、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニルまたはピラジニルである。なおさらなる態様において、Arは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10から独立に選択される0から3個の置換基により置換されているヘテロアリールである。またさらなる態様において、Arは、ハロ、シアノ、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキルおよびSO10から独立に選択される0から3個の置換基で置換されているヘテロアリールである。またさらなる態様において、Arは、ハロ、シアノ、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキルおよびSO10から選択される置換基で一個置換されているヘテロアリールである。
b. L
ある態様において、LはC=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり、式中、mは0または1である。さらなる態様において、Lは、(C=O)である。またさらなる態様において、Lは、CHであり、pは1である。
さらなる態様において、mは0であり、nは1である。またさらなる態様において、mおよびnは両者とも0である。またさらなる態様において、mは0である。
c. L
ある態様において、LはC=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは0または1である。さらなる態様において、LはC=Oである。またさらなる態様において、Lは、CHであり、qは1である。またさらなる態様において、nは0である。
d. R
ある態様において、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択される。
さらなる態様において、Rは、水素、ハロゲンおよびシアノから選択される。またさらなる態様において、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択される。またさらなる態様において、Rは、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択される。なおさらなる態様において、Rは、C1−C6アルキルである。
さらなる態様において、Rは、水素およびハロゲンから選択される。またさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロまたはクロロである。またさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロである。
さらなる態様において、Rは水素である。またさらなる態様において、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、RおよびRは水素である。
さらなる態様において、R、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、RおよびRは水素である。
さらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、R、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。
さらなる態様において、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、、R、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。
さらなる態様において、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、R、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、R、R、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、R、R、RおよびRは水素である。
e. R
ある態様において、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択される。さらなる態様において、Rは水素である。またさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロまたはクロロである。なおさらなる態様において、ハロゲンは、クロロである。またさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロである。
さらなる態様において、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、RおよびRのそれぞれは水素である。またさらなる態様において、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、RおよびRは水素である。
さらなる態様において、Rは、水素、ハロゲンおよびシアノから選択される。またさらなる態様において、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択される。またさらなる態様において、Rは、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択される。なおさらなる態様において、Rは、C1−C6アルキルである。またさらなる態様において、Rは、水素およびハロゲンから選択される。
f. R
ある態様において、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択される。さらなる態様において、Rは水素である。またさらなる態様において、RおよびRは水素である。
さらなる態様において、Rは、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択される。またさらなる態様において、RはArである。またさらなる態様において、Rは、NHC=OR11である。なおさらなる態様において、Rは、NHC=ONHR11である。
g. R
ある態様において、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは、水素ではない。さらなる態様において、Rは水素である。またさらなる態様において、RおよびRは水素である。
さらなる態様において、Rは、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択される。またさらなる態様において、RはArである。またさらなる態様において、Rは、NHC=OR11である。またさらなる態様において、Rは、NHC=ONHR11である。
h. R
ある態様において、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択される。さらなる態様において、Rは水素である。またさらなる態様において、Rは、C1−C6アルキルから選択される。またさらなる態様において、Rは、水素、メチルおよびエチルから選択される。
i. R
ある態様において、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される。さらなる態様において、Rはハロゲンである。またさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロまたはクロロである。またさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロである。なおさらなる態様において、ハロゲンは、クロロである。
さらなる態様において、Rは水素である。またさらなる態様において、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、RおよびRは水素である。なおさらなる態様において、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、R、RおよびRは水素である。
さらなる態様において、Rは、水素およびハロゲンから選択される。またさらなる態様において、Rは、水素、ハロゲン、メチル、エチルおよびプロピルから選択される。またさらなる態様において、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択される。
j. R
ある態様において、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択される。
さらなる態様において、Rはハロゲンである。またさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロである。またさらなる態様において、ハロゲンは、クロロである。なおさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロまたはクロロである。
さらなる態様において、Rは水素である。またさらなる態様において、RおよびRの1つは水素である。またさらなる態様において、RおよびRは水素である。
さらなる態様において、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択される。またさらなる態様において、Rは、水素、ハロゲンおよびシアノから選択される。またさらなる態様において、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、エチルおよびプロピルから選択される。なおさらなる態様において、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択される。またさらなる態様において、Rは、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択される。またさらなる態様において、Rは、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択される。なおさらなる態様において、Rは、ハロゲン、シアノおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択される。
さらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換である。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、一置換である。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、二置換である。なおさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニルから選択される。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニルから選択される。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニルから選択される。なおさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニルから選択される。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドから選択される。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される。
さらなる態様において、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルの置換基の1個は、存在する場合、場合によっては置換されているアジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから独立に選択される。またさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されているアジリジニルである。またさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されているピペラジニルである。なおさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されているモルホリニルである。またさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されているピロリジニルである。またさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されているチオモルホリニル1,1−ジオキシドである。なおさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されている1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルである。
さらなる態様において、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルの置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキルから独立に選択される。
k. R
ある態様において、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択される。
さらなる態様において、Rはハロゲンである。またさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロである。またさらなる態様において、ハロゲンは、クロロである。なおさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロまたはクロロである。
さらなる態様において、Rは水素である。またさらなる態様において、RおよびRは水素である。またさらなる態様において、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択される。なおさらなる態様において、Rは、水素、ハロゲンおよびシアノから選択される。またさらなる態様において、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、エチルおよびプロピルから選択される。またさらなる態様において、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択される。なおさらなる態様において、Rは、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択される。またさらなる態様において、Rは、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択される。またさらなる態様において、Rは、ハロゲン、シアノおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択される。
さらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換である。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、一置換である。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、二置換である。なおさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニルから選択される。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニルから選択される。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニルから選択される。なおさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニルから選択される。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドから選択される。またさらなる態様において、上記ヘテロシクロアルキルは、非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される。
さらなる態様において、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルの置換基の1個は、存在する場合、場合によっては置換されているアジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから独立に選択される。またさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されているアジリジニルである。またさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されているピペラジニルである。なおさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されているモルホリニルである。またさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されているピロリジニルである。またさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されているチオモルホリニル1,1−ジオキシドである。なおさらなる態様において、上記置換基は、場合によっては置換されている1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルである。
さらなる態様において、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルの置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキルから独立に選択される。
l. R
ある態様において、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される。さらなる態様において、Rは水素である。またさらなる態様において、Rは、水素およびハロゲンから選択される。またさらなる態様において、Rは、水素、ハロゲンおよびシアノから選択される。
さらなる態様において、Rはハロゲンである。またさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロまたはクロロである。またさらなる態様において、ハロゲンは、フルオロである。なおさらなる態様において、ハロゲンは、クロロである。
さらなる態様において、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択される。またさらなる態様において、Rは、C1−C6アルキルである。なおさらなる態様において、Rは、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択される。またさらなる態様において、Rは、メチル、エチルおよびプロピルから選択される。またさらなる態様において、Rはメチルである。
m. R10
ある態様において、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択される。さらなる態様において、R10は、メチル、エチルおよびプロピルから選択される。またさらなる態様において、R10はメチルである。またさらなる態様において、R10は、水素、メチル、エチルまたはプロピルから選択される。なおさらなる態様において、R10は、水素およびメチルから選択される。
n. R11
ある態様において、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキルC3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択される。
さらなる態様において、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキルC3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択される。なおさらなる態様において、R11は、場合によっては置換されているC3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキルおよびC3−C6ポリハロシクロアルキルから選択される。またさらなる態様において、R11は、場合によっては置換されているC3−C6シクロアルキルおよびC3−C6ポリハロシクロアルキルから選択される。またさらなる態様において、R11はC3−C6ポリハロシクロアルキルである。
さらなる態様において、R11はArである。またさらなる態様において、R11は、場合によっては置換されているC3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択される。
さらなる態様において、R11は、シクロプロピル、2,2−ジハロシクロプロピル、2,3−ジハロシクロプロピル、2−ハロシクロプロピル、4,4−ジハロシクロヘキシル、4,3−ジハロシクロヘキシルおよび4−ハロシクロヘキシルから選択される。
o. R12
ある態様において、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12gおよびR12hはそれぞれ、存在する場合、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキルから独立に選択され;式中、R12iは、存在する場合、水素、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から選択されるが、ただし、R12a、R12b、R12c、R12d、R12e、R12f、R12g、R12hおよびR12iのうち水素ではないものが2個を超えない。
2.例となる化合物
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
ある態様において、化合物は、
として存在し得る。
さらなる態様において、本化合物は、PI3K/Akt経路の阻害を示す。またさらなる態様において、本化合物は、細胞生存度の阻害を示す。またさらなる態様において、本化合物は、細胞におけるAktのリン酸化の阻害を示す。
さらなる態様において、本化合物は、プロテインキナーゼの阻害を示す。またさらなる態様において、本化合物は、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1、オーロラキナーゼA、c−ablがん遺伝子1キナーゼ(T315I形態)、fms−関連チロシンキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体1、インターロイキン1受容体関連キナーゼ4、Janusキナーゼ1、Janusキナーゼ2、Janusキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、ret原がん遺伝子、脾臓チロシンキナーゼ、チロシン−プロテインキナーゼFyn、血管内皮増殖因子受容体2および血管内皮増殖因子受容体3から選択されるプロテインキナーゼの阻害を示す。またさらなる態様において、本化合物は、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(「PDK1」)の阻害を示す。
さらなる態様において、本開示化合物は、IC50が、約1.0×10−4M未満の阻害を示す。またさらなる態様において、本開示化合物は、IC50が、約1.0×10−5M未満の阻害を示す。またさらなる態様において、本開示化合物は、IC50が、約1.0×10−6M未満の阻害を示す。なおさらなる態様において、本化合物は、IC50が、約1.0×10−7M未満の阻害を示す。またさらなる態様において、本化合物は、IC50が、約1.0×10−8M未満の阻害を示す。またさらなる態様において、本化合物は、IC50が、約1.0×10−9M未満の阻害を示す。
1個以上の化合物が場合によっては本開示の発明から省略され得ることが企図される。
3. プロテインキナーゼ活性の阻害
一般に、本開示化合物は、PI3K/Akt経路の阻害を示す。さらなる態様において、この経路の阻害は、プロテインキナーゼの阻害を介する。さらなる態様において、本化合物は、プロテインキナーゼの阻害を示す。またさらなる態様において、本化合物は、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1、オーロラキナーゼA、c−ablがん遺伝子1キナーゼ(T315I形態)、fms−関連チロシンキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体1、インターロイキン1受容体関連キナーゼ4、Janusキナーゼ1、Janusキナーゼ2、Janusキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、ret原がん遺伝子、脾臓チロシンキナーゼ、チロシン−プロテインキナーゼFyn、血管内皮増殖因子受容体2および血管内皮増殖因子受容体3から選択されるプロテインキナーゼの阻害を示す。さらなる態様において、開示化合物は、約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満または約10nM未満のIC50で、これらのキナーゼの1つの阻害を示し得る。
ある態様において、本開示化合物は、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(「PDK1」)の阻害を示す。例えば、開示化合物は、約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満または約10nM未満のIC50で、PDK1の阻害を示し得る。
さらなる態様において、プロテインキナーゼの触媒活性を測定するインビトロアッセイ(例えば、当技術分野で公知の方法を用いた、ATP基質の消失)において阻害が決定される。またさらなる態様において、本アッセイは、組み換えプロテインキナーゼを使用する。またさらなる態様において、組み換えプロテインキナーゼは、PDK1である。一部の例において、組み換えプロテインキナーゼに親和性タグを付加することは有用であり得る。有用な親和性タグの例は、His6タグである。例えば、開示化合物は、IC50が約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満または約10nM未満である、プロテインキナーゼの触媒活性の阻害を示し得る。
さらなる態様において、インビトロアッセイは、プロテインキナーゼの活性部位へのATP競合阻害剤の結合の、開示化合物による阻害を測定する。またさらなる態様において、開示化合物は、IC50が約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満または約10nM未満である、プロテインキナーゼのATP結合部位での結合の阻害を示し得る。このようなアッセイの例は、関心のあるキナーゼに対する、Alexa Fluor(登録商標)647で標識されるATP競合キナーゼ阻害剤スカフォード(scaffold)(キナーゼトレーサー)の結合および置換に基づく、LanthaScreen(商標)Euキナーゼ結合アッセイ(Invitrogen Corporation,Carlsbad,California)である。キナーゼに対するトレーサーの結合は、関心のあるキナーゼに結合するユーロピウム標識抗タグ抗体を用いて検出される。キナーゼに対するトレーサーおよび抗体両方の同時結合の結果、キナーゼトレーサーにおける、ユーロピウム(Eu)ドナー蛍光団からAlexa Fluor(登録商標)647アクセプター蛍光団へのFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)が高くなる。キナーゼへの阻害剤の結合は、トレーサーとの結合に対して競合し、その結果、FRETが損なわれる。このタイプのアッセイにより、ATP部位および、「アロステリック」部位と呼ばれることが多い第二の部位の両方と結合する「II型」阻害剤、標的キナーゼの活性もしくは非活性形態のいずれかに結合する化合物、および遅い結合キネティクスを有する化合物を含め、ATP結合部位での標的キナーゼとの複数方式の相互作用の検出が可能となる。
C.PI3K/Akt経路の阻害
特にPDK1活性の阻害による、PI3K/Aktシグナル伝達経路の阻害剤としての本発明による化合物の有用性は、当技術分野で公知の方法論によって実証され得る。例えば、シグナル伝達経路における特異的な工程の阻害を決定することができる。ある態様において、本発明の化合物は、Aktのリン酸化を阻害する。さらなる態様において、Thr308におけるAktのリン酸化は、シグナル伝達経路の阻害の尺度として決定され得る。例えば、化合物は、IC50が約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満または約10nM未満である、Aktリン酸化の阻害を示し得る。さらなる態様において、阻害は、AktのThr308でのリン酸化の阻害である。
ある態様において、本開示化合物は、細胞生存度の阻害を示す。例えば、PTEN遺伝子における変異および/またはPI3K活性化変異がある細胞は、PI3K/Akt経路の阻害活性を決定するのに適切である。さらなる態様において、AN3−CA、RL95−2およびHEC−1A細胞から選択される細胞系を用いて阻害を決定する。またさらなる態様において、細胞系は、AN3−CA、RL95−2、SK−OV−3、NCCIT、HCT−116、AGS、BT549、RKO、Hec−1A、786−O、HCT−15、U87−MG、PC−3、MCF−7、H1975、HT−29、T47D、BT−20およびLNCap細胞から選択される。例えば、化合物は、約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満または約10nM未満のIC50で、これらの細胞系の1つにおける細胞生存度の阻害を示し得る。細胞生存度を測定するための方法は、当技術分野で公知であり、本明細書中で記載する。
さらなる態様において、開示化合物は、PTEN遺伝子において変異を有する細胞において阻害を示す。またさらなる態様において、変異は、表Iに記載の変異の1以上から選択される。
さらなる態様において、開示化合物は、PI3Kの活性化と関連がある変異を有する細胞において阻害を示す。またさらなる態様において、変異は、表IIに記載の変異の1以上から選択される。
公知の臨床的に有用な治療剤が同様の陽性反応を示す多くの前臨床モデルにおいて、開示化合物に対するインビボでの効力を測定することができる。例えば、1から100mg/kgの範囲の用量を、経口で、静脈内注射により、皮下注射により、または腹腔内注射により投与して、実験動物での腫瘍異種移植モデルにおいて開示化合物を評価することができる。ヌードマウスは腫瘍異種移植モデルにおいて最も頻繁に使用されるが、便宜上必要に応じて、または試験の目的に対して必要に応じて、他の実験動物を使用し得る。腫瘍異種移植モデルにおいて、腫瘍移植後の様々な時点での腫瘍体積および/または死亡率を試験における効力エンドポイントとして使用し得る。腫瘍異種移植片を確立するための適切な細胞系としては、次の、AN3−CA、RL95−2、およびHEC−1A細胞が挙げられる。またさらなる態様において、細胞系は、AN3−CA、RL95−2、SK−OV−3、NCCIT、HCT−116、AGS、BT549、RKO、Hec−1A、786−O、HCT−15、U87−MG、PC−3、MCF−7、H1975、HT−29、T47D、BT−20およびLNCap細胞から選択される。
D. フラグメントに基づくPDK1阻害剤の同定
PDK1阻害剤として有用な可能性のあるファルマコフォアを同定することにおいて、フラグメントに基づく設計ストラテジーを使用した。1100種類の低分子量(<250MW)のフラグメントの収集物をPDK1キナーゼに対してスクリーニングした。このスクリーニングによって、PDK1に対する中程度の阻害活性(IC50値が45から82mM)がある9種類のフラグメントが同定された。本発明は、5−Br,4−I−1H−インダゾール−3−アミンスキャフォールドからのものに基づくスキャフォールドに焦点を当てた。本発明の化合物に対する出発点としてのこれらのスキャフォールドの選択は、最初の活性に基づき、フラグメントに基づく薬物設計に対する「ルール・オブ・スリー(rule of 3)」に沿うものであった。PDK1の結晶構造を使用した続く分子ドッキング研究によって、これらのフラグメントが、どのようにしてATP結合ポケットで結合したか(S160/A162ヒンジ残基への水素結合)についての構造上の合理化を可能にし、さらなる最適化に対する洞察がもたらされた。同時に、スキャフォールドホッピンク研究によって、疎水性および溶媒ポケットフラグメントについて2サイトポイント(2−site points)で探索する。1個の縮合複素環の付加によって、効力が8.8および10.9μMに上昇した。体系的なフラグメントに基づくワークフローによって、縮合、環化および還元で開始して、最後に疎水性結合部位フラグメントを通常のアミドカップリング下で組み込むという、4段階の標的分子の調製に至った。続くSARおよびフォローアップスクリーニングによって、IC50値が約10nM、約50nM、約100nM、約500nMおよび約1000nMの範囲である強力なPDK1阻害剤である本発明の化合物がもたらされた。PDK1とのさらなる有効な相互作用部位を導入して、がん細胞のパネルにおいて生化学および細胞活性の両方をさらに向上させた。ある態様において、本発明の化合物は、PTEN野生型株と比較して、PTEN欠損細胞系で活性向上を示した。ある態様において、本発明の化合物は、AKTおよび他の下流シグナル伝達分子の活性化の阻害を示した。またさらなる態様において、本発明の化合物は、有望な溶解度および透過性パラメーターとともに、高リガンド効率を示した。
さらなる態様において、フラグメントに基づくワークフローアプローチおよび本発明の化合物の発見を図1で概説する。簡潔に述べると、100mMの濃度での発光によるATP枯渇アッセイにおいてフラグメントライブラリからの1,000種類の化合物をスクリーニングした。同時に、ライブラリ中のフラグメント(+さらなるフラグメント)を発明者らのPDK1 3−DモデルのATP結合ポケットにコンピュータ上でドッキングさせた。生化学的アッセイからの活性フラグメントを、バーチャルスクリーニングからの上位のフラグメントと比較し、この比較を使用して、構造に基づく設計に対して使用される3−Dモデルをさらに改良した。mMの半ばの活性がある小さなフラグメントで開始し、発明者らは、構造に基づく設計およびコンピュータによるドッキングを使用して、nM活性を有するリード候補になるようにそれを最適化した。
生化学的キナーゼアッセイからの最強レベルのフラグメントのうち6種類を、そのIC50値とともに示し、図2Aで示す。フラグメント3が最も強力なフラグメントであり、フラグメント4および5も有望な出発点を提供する。ドッキング研究(図2B参照)から、フラグメント3上の4位ヨ−ド基は、ATP結合領域の疎水性ポケットへとフラグメントを拡張するような正しい向きではなかった。一方で、フラグメント4および5の上の5位および6位のブロモ基は、フラグメントを拡張するために正しい位置にあった。さらに、特定の理論に縛られることを望むものではないが、ICMおよびGOLDフラグメントドッキングの結果から、対応するより強力な活性を持つフラグメント3と比較して、フラグメント1および5の活性がより低いことについての結合方式の理論的根拠が得られる。例えば、フラグメント5の6位のBr原子は、PDK1の疎水性部位に位置するLeu111との立体的衝突に関与し得る。フラグメント1の場合、5−Br原子は、PDK1のThr122に向かって位置し、一方で、フラグメント4と比較して結合エネルギーが弱いものの、Tyr122とのインダゾール相互作用が保持される。ある態様において、本明細書中に記載のフラグメントに基づくアプローチを用いた活性PDK1阻害剤の同定に対するアプローチを図3で示す。
ある態様において、強力な阻害剤PDK1は、発明者らのフラグメントスクリーニングから同定された最初のスキャフォールドに基づく(例えば、図3参照)。別の態様において、フラグメントに基づくスクリーニングからのさらなるフラグメントを利用して、PDK1阻害剤を同定することができる。例えば、バーチャルスクリーニングから同定された第二のフラグメントを化合物C(図3参照)と組み合わせて、化合物Dを生成させることができる。5−ブロモ基をアリールアミドで置き換えて化合物Fなどの化合物を生成させることによって、この化合物をさらに最適化した。またさらなる態様において、溶媒露出領域に伸長するベンズイミダゾール基に対してアクセプター/ドナー原子を有するシクロアルキルを結合させることによって、強力なPDK1阻害剤が生成する。
様々なさらなる態様において、図2Cで示されるような、本開示化合物、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドとの複合体における活性PDK1キナーゼドメインの、ICMドッキングおよび分子力学シミュレーションによって、本開示化合物の推定結合方式を評価した。特定の理論により縛られることを望むものではないが、ドッキング実験から、本開示化合物の1H−インダゾール部分およびその窒素原子は、Ser160の骨格との水素結合を通じたキナーゼのヒンジ領域との相互作用に関与し得ることが示唆される。さらに、特定の理論により縛られることを望むものではないが、Tyr161の骨格窒素原子と化合物32のインダゾールスキャフォールドの第二の窒素原子との間で第二の水素結合が形成され得、一方で、ベンゾ[d]イミダゾール環系は、Tyr161の芳香族側鎖とのπ−πスタッキング相互作用を生じさせる。特定の理論により縛られることを望むものではないが、1H−インダゾールの縮合アリール環は、ゲートキーパー残基、Leu159の側鎖との非結合相互作用に関与し得、1H−インダゾールの芳香環とLeu88の側鎖とGly89の骨格原子との間で有益な疎水性接触も成立し得る。さらに、特定の理論により縛られることを望むものではないが、アミドカルボニル官能基は、Lys111の水素結合距離内に位置し得る。
E.化合物を作製する方法
ある態様において、本発明は、制御されない細胞増殖の障害の処置において有用であり得る、プロテインキナーゼの阻害剤として有用な化合物を作製する方法に関する。さらなる態様において、プロテインキナーゼはPDK1である。
本発明の化合物は、文献で公知であるか、実験セクションにおいて例示されているかまたは当業者にとって明白である他の標準的操作に加えて、次のスキームで示されるような反応を使用することによって調製され得る。明確にするために、本明細書中で開示される定義の下で複数の置換基が許される場合、1個の置換基を有する例を示す。
本発明の化合物を生成するために使用される反応は、文献で公知であるかまたは当業者にとって公知である他の標準的操作に加えて、次の反応スキームで示されるような反応を使用することによって準備される。次の例は、本発明がさらに詳細に理解され得るように提供され、単なる例示であり、限定するものとして解釈されるべきものではない。
ある態様において、本開示化合物は、本明細書中に記載の合成方法の生成物を含む。さらなる態様において、本開示化合物は、本明細書中に記載の合成方法により生成される化合物を含む。またさらなる態様において、本発明は、治療的有効量の本開示方法の生成物と、医薬的に許容可能な担体とを含む医薬組成物を含む。またさらなる態様において、本発明は、開示化合物のいずれかの少なくとも1つの化合物または少なくとも1つの本開示方法の生成物を医薬的に許容可能な担体または希釈剤と組み合わせることを含む、医薬を製造するための方法を含む。
したがって、ある態様において、本発明は、(a)以下の式
(式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、RおよびRのうち一方は、ハロゲンまたはニトロから選択され、他方は水素であり;式中、R14は、保護基である)により表される構造を有する第一の化合物を提供する工程;および(b)この第一の化合物を、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり、式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する第二の化合物と反応させる工程を含む、化合物を作製する方法に関する。
さらなる態様において、形成される化合物は、以下の式
(式中、Rは、ハロゲンまたはニトロから選択される)により表される構造を有する。
さらなる態様において、形成される化合物は、以下の式
(式中、Xはハロゲンである)により表される構造を有する。
さらなる態様において、形成される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、形成される化合物は、以下の式
(式中、Rは、ハロゲンまたはニトロから選択される)により表される構造を有する。
さらなる態様において、形成される化合物は、以下の式
(式中、Xはハロゲンである)により表される構造を有する。
さらなる態様において、形成される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、提供される化合物は、以下の式
(式中、Rは、ハロゲンまたはニトロから選択される)により表される構造を有する。またさらなる態様において、提供される化合物は、以下の式
(式中、Xはハロゲンである)により表される構造を有する。またさらなる態様において、Xは、クロロ、ブロモおよびヨードから選択される。またさらなる態様において、Xはブロモである。またさらなる態様において、提供される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、提供される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
またさらなる態様において、提供される化合物は、以下の式
(式中、Xはハロゲンである)により表される構造を有する。またさらなる態様において、Xは、クロロ、ブロモおよびヨードから選択される。またさらなる態様において、Xはブロモである。またさらなる態様において、提供される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、R14は、tert−ブチルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルカルボニル、テトラヒドロピラニル、カルボベンジルオキシ、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルおよび3,4−ジメトキシベンジルから選択される。またさらなる態様において、R14はテトラヒドロピラニルである。
さらなる態様において、RまたはRはニトロであり、本方法は、アミンを得るためにニトロ基を還元する工程をさらに含む。またさらなる態様において、Rのニトロ基の還元から形成される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
またさらなる態様において、Rのニトロ基の還元から形成される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本方法は、R11(C=O)R13(式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキルC3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され、式中、R13は、水素、ハロゲン、O(C=O)R11またはOR14であり、式中、R14は、C1−C6アルキルから選択される)と、上記の反応において形成されるアミンとを反応させる工程をさらに含む。またさらなる態様において、R11(C=O)R13とアミンとを反応させることにより形成される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
またさらなる態様において、R11(C=O)R13とアミンとを反応させることにより形成される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、本方法は、R11N=C=O(式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキルC3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルから選択される)と、上記の反応において形成されるアミンとを反応させる工程をさらに含む。またさらなる態様において、R11N=C=Oとアミンとを反応させることにより形成される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
またさらなる態様において、R11N=C=Oとアミンとを反応させることにより形成される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
さらなる態様において、RまたはRはハロゲンであり、本方法は、形成される化合物を、Arのボロン酸またはボロン酸エステル誘導体(ここで、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり、式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択される)とカップリングさせる工程をさらに含む。またさらなる態様において、形成される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
またさらなる態様において、形成される化合物は、以下の式
により表される構造を有する。
なおさらなる態様において、カップリングは、パラジウム触媒および有機配位子の存在下で行われる。またさらなる態様において、パラジウム触媒はPd(OAc)であり、有機配位子は、PPhを含む。
さらなる態様において、本方法は、脱保護の工程をさらに含む。またさらなる工程において、脱保護は、酸の存在下でのR14の加水分解を含む。またさらなる工程においてR14は、テトラヒドロ−2H−ピラニルである。なおさらなる態様において、脱保護のために使用される酸はトリフルオロ酢酸である。
さらなる態様において、脱保護生成物は、以下の構造
により表される。
さらなる態様において、脱保護生成物は、以下の構造
により表される。
さらなる態様において、脱保護生成物は、以下の構造
により表される。
さらなる態様において、脱保護生成物は、以下の構造
により表される。
さらなる態様において、脱保護生成物は、以下の構造
により表される。
さらなる態様において、脱保護生成物は、以下の構造
により表される。
1.経路I
ある態様において、下記で示されるように、置換3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール類似体を調製し得る。
化合物は、本明細書中の他の箇所の化合物の説明で記述されるような置換基とともに一般形式で表す。より具体的な例を下記で示す。
ある態様において、経路Iは、上で示される1.1型の化合物などの、置換5−ニトロ−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒドから開始する。溶媒中のカルボアルデヒドおよび3,4−ジヒドロ−2H−ピランの溶液にp−トルエンスルホン酸を添加し、適切な温度で、1.2型の保護化合物を提供するための反応を確実に完了させるのに十分な時間にわたり反応を行う。別の態様において、p−トルエンスルホン酸に加えて、使用し得る他の酸触媒としては、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートまたはp−トルエンスルホン酸ピリジニウムが挙げられるが、これらに限定されない。1.2型の化合物および適切なジアミン化合物を乾燥溶媒中に溶解させ、ここに触媒量の酸を添加する。適切な溶媒は無水THFであるが、当業者は、上記具体的な反応にとって好都合かつ適切である場合、他の溶媒を選択し得る。上記反応を触媒するのに適切な酸はHClであるが、他の鉱酸、例えばKHSOも触媒量で使用し得る。いくつかの状況において、触媒量の鉱酸の使用に代わるものは、p−トルエンスルホン酸の使用である。次に、約30から120分間、穏やかな還流状態で溶液を加熱し、その後、亜硫酸水素ナトリウムを添加し、溶液の還流を8から16時間継続し、1.3型の化合物を提供する。
ある態様において、経路Iは、あるいは、上で示される1.4型の化合物などの置換5−ブロモ−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒドから開始する。溶媒中のカルボアルデヒドおよび3,4−ジヒドロ−2H−ピランの溶液にp−トルエンスルホン酸を添加し、適切な温度で、1.5型の保護化合物を提供するための反応を確実に完了させるのに十分な時間にわたり反応を行う。上述のように、他の態様において、p−トルエンスルホン酸の代わりに代替的な酸触媒を使用し得る。上述の反応と同様に、1.6型の化合物および適切なジアミン化合物を乾燥無水溶媒中に溶解させ、ここに触媒量の酸を添加する。適切な溶媒は無水THFであるが、当業者は、上記具体的な反応にとって好都合かつ適切である場合、他の溶媒を選択し得る。上記反応を触媒するのに適切な酸はHClであるが、他の鉱酸も使用し得る。上述のように、約30から120分間、穏やかな還流状態で溶液を加熱し、その後、亜硫酸水素ナトリウムを添加し、溶液の還流を8から16時間継続し、1.6型の化合物を提供する。
2.経路II
ある態様において、下に示されるように置換ベンゼン−1,2−ジアミン類似体を調製し得る。
化合物は、本明細書中の他の箇所の化合物の説明で記述されるような置換基とともに一般形式で表す。より具体的な例を以下に示す。
ある態様において、経路IIは、2.1型の化合物の置換3,4−ジニトロ安息香酸から開始する。適切な溶媒、例えばTHF中で化合物の溶液を調製し、それに少量のDMFを添加する。この溶液に、適切な活性化剤、例えば塩化チオニルを添加し、2.1型化合物のカルボン酸を活性化するための反応を確実に完了させるのに適切な時間にわたり、反応混合物を還流状態で加熱する。エステル化、適切な酸無水物の生成またはカルボジイミドに基づくカップリング化学の使用など、他の手段によりカルボン酸を活性化し得る。次に、この反応混合物に、適切な塩基、例えばトリエチルアミンなどを添加し、反応混合物温度を約0℃に維持しながら、この反応物を撹拌する。この反応物を約30から120分間撹拌し、次いで適切な化合物、例えばモルホリンを添加し、この反応を約8から16時間、周囲温度、例えば約20から30℃に維持して、2.2型の化合物を提供する。三フッ化ホウ素エーテラートおよび水素化ホウ素ナトリウムの存在下で、2.2型の化合物のカルボニルを還元する。反応を確実に完了させるのに適切な時間、適切な温度で、例えば約1から6時間、約15から30℃で反応を行う。あるいは、トリフルオロ酢酸または酢酸の存在下で、水素化ホウ素亜鉛または水素化ホウ素ナトリウムを用いてカルボニルを還元し得る。この反応を完了するのに十分な温度および時間で、パラジウム触媒、例えば10%Pd/Cの存在下で、2.2型化合物のニトロ部分を水素ガスで水素化する。例えば、この反応は、約18から36時間、大気圧下、約15から30℃の温度で行い得る。
ある態様において、経路IIは、あるいは、適切な溶媒、例えばNMPの溶液中の置換ハロニトロアニリン、例えば5−クロロ−2−ニトロアニリンから開始する。この溶液に、上で示したような、ハロニトロアニリンにカップリングさせるのに適切な化合物(例えば、窒素含有複素環、例えば、モルホリンなど)、および適切な酸スカベンジャー(例えばトリエチルアミンなど)を添加する。この反応を完了させるのに十分な時間、適切な温度でこの反応物を加熱する。例えば、マイクロ波照射を用いて、例えば、約80から200℃で約30から240分間、この反応を行い得る。上記の反応条件と同様の反応条件下でニトロ部分を水素化する。
3.経路III
ある態様において、以下に示されるように、置換3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール類似体を調製し得る。
化合物は、本明細書中の他の箇所の化合物の説明で記述されるような置換基とともに一般形式で表す。より具体的な例を以下に示す。
ある態様において、経路IIIは、経路Iで上述のように調製される1.3型の化合物、例えば置換3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾールから開始する。最初の反応においてニトロ部分が水素化される。簡潔に述べると、適切な溶媒、例えばエタノール中の化合物、10%Pd/Cの溶液に、1.3型の化合物を添加する。適切な圧力、例えば約60psiで、水素ガスを導入し、この反応を一晩約15から30℃で行い、3.1型の化合物を提供する。3.3または3.5型の化合物の何れかを生成させるために、この化合物を使用し得る。
例えば、反応を確実に完了させるのに十分な時間かつ適切な温度での反応を用いる、化合物(ピリジンなど)の存在下での、適切な溶媒中の適切なイソシアナートと3.1型の化合物との反応により、3.4型の化合物が提供される。反応に対する適切な溶媒としてはジクロロメタンが挙げられるが、当業者により決定されるように、具体的な反応に対して必要とされる場合、他の溶媒を使用し得る。この反応は、反応の完了を達成するのに好都合であるかまたは必要とされるように、約15から30℃で、8から36時間にわたり行われ得る。反応を確実に完了させるための時間および温度、例えば約15から30℃、8から36時間にわたり、適切な溶媒、例えばジクロロメタン中で、適切な酸、例えばトリフルオロ酢酸と3.6型の化合物との反応によって、脱保護を遂行し得る。脱保護により、3.5型の化合物が提供される。あるいは、アルコールまたは水性酸の存在下で、水またはp−トルエンスルホン酸とともに、アンバーリスト−15を用いて脱保護を行い得る。
あるいは、3.3型の化合物は、弱い塩基性条件下、例えば、重炭酸ナトリウムおよび適切な添加物(例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt))を添加した条件下での、適切な溶媒(例えばDMF)中の、適切なカルボジイミド(例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)の存在下での、適切なカルボン酸またはその誘導体(例えば、そのアシルハロゲン化物、エステルまたは酸無水物類似体)と3.1型化合物との反応から始まり、3.3型の化合物の生成物が提供され得る。必要に応じて、具体的な反応に適切となるように当業者により決定される場合、他のカルボジイミド、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドまたはN,N’−ジイソプロピルカルボジイミドなどを使用し得る。HOBtに対する代替物、例えば1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール(HOAt)を使用し得る。確実に完了させるのに十分な時間および温度で、例えば約15から30℃で、8から36時間、反応を行う。化合物3.3の脱保護は、上述のように進行する。
ある態様において、経路IIIは、あるいは、経路Iで上述のように調製される1.6型の化合物、例えば置換3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾールから開始する。本化合物を、適切なアリールボロン酸(またはアリールボロン酸エステル類似体)およびトリフェニルホスフィンとともに、適切な溶媒、塩基およびパラジウム触媒を含む混合液中に溶解させる。例えば、適切なパラジウム触媒は、酢酸パラジウム(II)であり得、適切な塩基は炭酸ナトリウムであり得る。この鈴木型カップリング反応に適切な他のパラジウム触媒−配位子は、当業者にとって公知である。適切な溶媒としては、トルエンおよびTHFが挙げられるが、反応の可変要素によっては他の溶媒が好ましい場合がある。反応を確実に完了させるのに適切な時間およびそのための温度で、例えば約8から36時間、約30から90℃で、反応を行う。あるいは、この反応を還流状態で加熱する。この反応により、3.6型の化合物が提供される。化合物3.7を提供するための3.6型の化合物の脱保護は、上述の反応条件と同様の反応条件下で行われる。
様々な態様において、本発明は、以下に示されるように、より具体的な例で示される工程を含む、化合物を作製する方法に関する。
例えば、上に与えられる具体例において、試薬が
である場合、R基は、次のもの
のうち1つであり得る。
上記具体例において、試薬がArB(OH)である場合、Ar基は、次のもの
のうち1つであり得る。
以下の試薬
の使用を含む反応工程において、R11は、次のもの
のうち1つであり得る。
あるいは、以下の試薬
の使用を含む反応工程において、R11は、次のもの
のうち1つであり得る。
さらなる態様において、生成される化合物は、PI3K/Akt経路の阻害を示す。またさらなる態様において、生成される化合物は、細胞生存能の阻害を示す。
さらなる態様において、生成される化合物は、プロテインキナーゼの阻害を示す。またさらなる態様において、生成される化合物は、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1、オーロラキナーゼA、c−ablがん遺伝子1キナーゼ(T315I型)、fms−関連チロシンキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体1、インターロイキン1受容体関連キナーゼ4、Janusキナーゼ1、Janusキナーゼ2、Janusキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、ret原がん遺伝子、脾臓チロシンキナーゼ、チロシン−プロテインキナーゼFyn、血管内皮増殖因子受容体2および血管内皮増殖因子受容体3から選択されるプロテインキナーゼの阻害を示す。またさらなる態様において、本化合物は、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(「PDK1」)の阻害を示す。
さらなる態様において、生成される化合物は、IC50が、約1.0×10−4M未満の阻害を示す。またさらなる態様において、生成される化合物は、IC50が、約1.0×10−5M未満の阻害を示す。またさらなる態様において、生成される化合物は、IC50が、約1.0×10−6M未満の阻害を示す。なおさらなる態様において、生成される化合物は、IC50が、約1.0×10−7M未満の阻害を示す。またさらなる態様において、生成される化合物は、IC50が、約1.0×10−8M未満の阻害を示す。またさらなる態様において、生成される化合物は、IC50が、約1.0×10−9M未満の阻害を示す。
開示される各方法が、さらなる工程、操作および/または構成要素をさらに含み得ることが企図される。任意の1つ以上の工程、操作および/または構成要素が場合によっては本発明から省略され得ることも企図される。開示される方法は、本開示化合物を提供するために使用され得ることが理解される。開示される使用方法において、本開示方法の生成物が使用され得ることも理解される。
下記表IIIおよびIVは、具体的な化合物、ならびに、下記実施例において述べるような活性および/または結合アッセイにおいて決定した、実験により決定したPDK1キナーゼ活性を列挙する。表IVの化合物番号が、表IIIで与えられる番号および個々の構造に対応するということに注意されたい。本明細書中で示される方法と同一または類似の方法により、下記表中の化合物を合成した。必要な出発材料は市販されていたか、文献に記載されていたか、または有機合成分野の熟練者により容易に合成された。
PDK1活性は、PDKチド(PDKtide)基質(Millipore Corporation,Billerica,Massachussetts)を用いて、下記実施例に記載のようなPDK1 ATP枯渇アッセイを使用して決定。
**PDK1結合活性は、下記実施例に記載のような、時間分解−FRET Lanthascreenキナーゼ結合アッセイ(Invitrogen Corporation,Carlsbad,California)において決定。
PDK1活性は、下記実施例に記載のように、Life Technologiesにより行われる蛍光分析アッセイにおいて決定した。「n.d.」は、指定の化合物についてIC50が決定されなかったことを示す。
F. 医薬組成物
ある態様において、本発明は、医薬的に許容可能な担体と、有効量の、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形とを含む医薬組成物に関する。
ある態様において、本発明は、本開示化合物を含む医薬組成物に関する。すなわち、治療的有効量の少なくとも1つの開示化合物または開示方法の少なくとも1つの生成物と、医薬的に許容可能な担体とを含む医薬組成物を提供し得る。またさらなる態様において、有効量は、治療的有効量である。またさらなる態様において、有効量は、予防的有効量である。
さらなる態様において、本医薬組成物は、PI3K/Akt経路の阻害を示す。またさらなる態様において、PI3K/Akt経路の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、本医薬組成物は、Aktのリン酸化の阻害を示す。またさらなる態様において、Aktのリン酸化の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、本医薬組成物は、プロテインキナーゼの阻害を示す。またさらなる態様において、阻害されるプロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1、オーロラキナーゼA、c−ablがん遺伝子1キナーゼ(T315I形態)、fms−関連チロシンキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体1、インターロイキン1受容体関連キナーゼ4、Janusキナーゼ1、Janusキナーゼ2、Janusキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、ret原がん遺伝子、脾臓チロシンキナーゼ、チロシン−プロテインキナーゼFyn、血管内皮増殖因子受容体2および血管内皮増殖因子受容体3から選択される。またさらなる態様において、阻害されるプロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1である。
またさらなる態様において、。またさらなる態様において、上記プロテインキナーゼは、約1.0×10−4M未満のIC50で、約1.0×10−5M未満のIC50で、約1.0×10−6M未満のIC50で、約1.0×10−7M未満のIC50で、約1.0×10−8M未満のIC50でまたは約1.0×10−9M未満のIC50で阻害される。
さらなる態様において、本医薬組成物は、細胞生存能の阻害を示す。またさらなる態様において、細胞生存能の阻害は、AN3−CA、LNCaP、RL95−2、KG−1、MV4−11、BT−20、RKO、MCF7、BT549、U87−MG、PC3、およびKasumi細胞から選択される細胞系において決定される。またさらなる態様において、細胞生存能の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、本医薬組成物は、哺乳動物に投与される。またさらなる態様において、哺乳動物はヒトである。またさらなる態様において、本医薬組成物は、制御されない細胞増殖の障害の処置を必要とする哺乳動物の識別後に投与される。またさらなる態様において、哺乳動物は、投与工程前に、制御されない細胞増殖の障害の処置を必要とすると診断されている。
さらなる態様において、本医薬組成物は、制御されない細胞増殖の障害を処置するために投与される。またさらなる態様において、本医薬組成物は、プロテインキナーゼ機能不全と関連する、制御されない細胞増殖の障害を処置するために投与される。またさらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。またさらなる態様において、がんは白血病である。なおさらなる態様において、がんはリンパ腫である。またさらなる態様において、がんは固形腫瘍である。またさらなる態様において、がんは、脳、泌尿生殖器、消化管、結腸、直腸、乳房、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、前立腺がん、多形膠芽細胞腫、子宮内膜がん、乳がんおよび結腸がんのがんから選択される。
さらなる態様において、がんは脳のがんである。またさらなる態様において、がんは、聴神経腫、神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、CNSリンパ腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、頭蓋咽頭腫、脊索腫、髄芽腫、大脳神経芽腫、中枢性神経細胞腫、松果体細胞腫、松果体芽細胞腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、軟骨肉腫、軟骨腫、脈絡叢がん腫、脈絡叢乳頭腫、頭蓋咽頭腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、神経節細胞腫、胚細胞腫、血管芽細胞腫、血管外皮腫および転移性脳腫瘍細胞から選択される。
さらなる態様において、がんは、PTEN機能の喪失と関連するがんである。例えば、PTEN機能の喪失は、PTEN遺伝子における遺伝子変異による結果であり得る。さらなる態様において、PTEN遺伝子における遺伝子変異は、K267fs9、K267fs9、K267fs9、K6fs4、K6fs4、K6fs4、N323fs2、N323fs2、N323fs2、N323fs21、N323fs21、N323fs21、P248fs5、P248fs5、P248fs5、R130Q、R130Q、R130Q、R130fs4、R130fs4、R130fs4、R130G、R130G、R130G、R130、R130、R130、R173C、R173C、R173C、R173H、R173H、R173H、R233、R233、R233、R335、R335、R335、V317fs3、V317fs3およびV317fs3から選択される。
さらなる態様において、がんは、PI3K活性化と関連するがんである。さらなる態様において、PI3K活性化には、遺伝子における遺伝子変異が関連する。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、PIK3CA、PIKR1、H−RAS、K−RASおよびN−RASから選択される遺伝子におけるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、R38H、R88Q、N345K、C420R、P359R、E542K、E545K、Q546K、H701P、C901F、M1043I、H1047R/LおよびH1047Yから選択されるPIK3CA変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、R574TおよびA634Pから選択されるPIK3R1変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/D、G13R/C/S、Q61H/H、G61L/R/PおよびQQ61Kから選択されるH−RAS変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12C、G12R、G12S、G12V、G12D、G12A、G12F、G13V/D、A59T、Q61E/K、Q61L/R/PおよびQ61Hから選択されるK−RAS変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/A/D、G12C/R/S、G13V/A/D、G13C/R/S、A18T、Q61L/R/P、Q61HおよびQ61E/Kから選択されるN−RAS変異である。
ある特定の態様において、本開示医薬組成物は、活性成分としての本開示化合物(医薬的に許容可能なその塩を含む)と、医薬的に許容可能な担体と、場合によっては他の治療成分またはアジュバントとを含む。本組成物は、経口、直腸、局所および非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)投与に適切なものを含むが、いかなる場合でも最も適切な経路は、特定のホスト、ならびに活性成分が投与されている状態の性質および重症度に依存する。本医薬組成物は、単位投与形態で都合よく与えられ得、薬剤学の分野で周知の方法のいずれかにより調製され得る。
本明細書中で使用される場合、「医薬的に許容可能な塩」という用語は、医薬的に許容可能な無毒性の塩基または酸から調製される塩を指す。本発明の化合物が酸性である場合、その対応する塩は、無機塩基および有機塩基を含む医薬的に許容可能な無毒性の塩基から都合よく調製され得る。このような無機塩基由来の塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(銅(I)、銅(II))、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(マンガン(II)、マンガン(III)、マンガン(VI))、カリウム、ナトリウム、および亜鉛などの塩が挙げられる。特に好ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。医薬的に許容可能な有機無毒性塩基由来の塩としては、第一級、第二級および第三級アミンならびに、環状アミンおよび、置換アミン(天然に存在する置換アミンおよび合成置換アミンなど)の塩が挙げられる。塩を形成し得る他の医薬的に許容可能な有機無毒性塩基としては、イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、およびトロメタミンなどが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「医薬的に許容可能な無毒性酸」という用語は、無機酸、有機酸およびそれらから調製される塩を含み、この酸は、例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。好ましいのは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸である。
実際には、従来の医薬調合技術に従って、本発明の化合物または本発明の医薬的に許容可能なそれらの塩を、活性成分として医薬担体と十分に混合して組み合わせ得る。担体は、投与に望ましい調製物の形態、例えば経口または非経口(静脈投与を含む)に応じて多様な形態をとり得る。したがって、本発明の医薬組成物は、所定量の活性成分をそれぞれ含有するカプセル、カシェ剤または錠剤などの経口投与に適切な別個の単位として与えられ得る。さらに、本組成物は、粉末として、顆粒剤として、溶液として、水性液体の懸濁液として、非水性液体として、水中油型エマルジョンとしてまたは油中水型液体エマルジョンとして与えられ得る。上述の一般的な投与形態に加えて、本発明の化合物および/または医薬的に許容可能なそれらの塩はまた、制御放出手段および/または送達装置によっても投与され得る。本組成物は、薬剤学の方法のいずれかにより調製され得る。一般に、このような方法には、1個以上の必要な成分を構成する担体と活性成分を合わせる工程が含まれる。一般に、本組成物は、液体担体もしくは微粉化した固形担体またはこれらの両方と活性成分を均一かつ完全に混合することにより調製される。次に、この生成物を望ましい体裁に都合よく成形し得る。
したがって、本発明の医薬組成物は、医薬的に許容可能な担体と、本発明の化合物またはその化合物の医薬的に許容可能な塩とを含み得る。本発明の化合物または医薬的に許容可能なその塩はまた、1個以上の他の治療活性のある化合物と組み合わせて医薬組成物中に含まれ得る。
使用される医薬担体は、例えば、固体、液体または気体であり得る。固形担体の例としては、ラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸が挙げられる。液体担体の例は、シュガーシロップ、落花生油、オリーブ油および水である。気体担体の例としては、二酸化炭素および窒素が挙げられる。
経口剤形のための組成物を調製することにおいて、任意の好都合な医薬媒体を使用し得る。例えば、懸濁液、エリキシル剤および溶液などの経口液体調製物を形成するために、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、および着色剤などを使用し得;一方で、粉末、カプセルおよび錠剤などの経口固形調製物を形成するために、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤などの担体を使用し得る。錠剤およびカプセルは、投与が容易であるため、好ましい経口投与単位であり、この経口投与単位に、固形医薬担体が使用される。場合によっては、標準的な水性または非水性技術によって錠剤を被覆し得る。
本発明の組成物を含有する錠剤は、場合によっては1個以上の補助成分またはアジュバントと共に、圧縮または成形により調製され得る。圧縮錠剤は、粉末または顆粒剤などの自由流動形態の活性成分を、場合により結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合し、適切な機械で圧縮することにより調製され得る。成形錠剤は不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することにより作製され得る。
本発明の医薬組成物は活性成分としての本発明の化合物(または医薬的に許容可能なその塩)と、医薬的に許容可能な担体と、場合によっては1個以上のさらなる治療剤またはアジュバントを含む。本組成物は、経口、直腸、局所および非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)投与に適切な組成物を含むが、いかなる場合でも最も適切な経路は、特定のホスト、ならびに活性成分が投与されている状態の性質および重症度に依存する。本医薬組成物は、単位投与形態で都合よく与えられ得、薬剤学の分野で周知の方法のいずれかにより調製され得る。
非経口投与に適切な本発明の医薬組成物は、水中の活性化合物の溶液または懸濁液として調製され得る。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどの適切な界面活性剤が含まれ得る。グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびその油中混合物中で分散液を調製することもできる。さらに、微生物の有害な増殖を防ぐために保存剤が含まれ得る。
注射の用途に適する本発明の医薬組成物としては滅菌水溶液または分散液が挙げられる。さらに、本組成物は、このような滅菌注射溶液または分散液の用時調製用滅菌粉末の形態であり得る。全ての場合において、最終注射用形態は無菌でなければならず、容易に注射針を通過するよう実質的に流動性でなければならない。本医薬組成物は、製造および貯蔵条件下で安定でなければならず、したがって好ましくは、細菌および真菌などの微生物の汚染作用が阻止されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油および適切なそれらの混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。
本発明の医薬組成物は、例えばエアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、散布剤、口腔洗浄液、およびうがい薬などの局所使用に適切な形態であり得る。さらに、本組成物は経皮装置で使用するのに適切な形態であり得る。これらの製剤は、本発明の化合物または医薬的に許容可能なその塩を使用して従来の加工法を介して調製され得る。一例として、クリームまたは軟膏は、親水性材料および水を約5重量%から約10重量%の化合物と混合して所望の稠度を有するクリームまたは軟膏を生成させることによって調製される。
本発明の医薬組成物は、担体が固体である、直腸投与に適切な形態であり得る。混合物が単位用量坐剤を形成することが好ましい。適切な担体としては、カカオバターおよび当技術分野で一般に使用される他の材料が挙げられる。坐剤は、最初に組成物を軟化または溶融担体と混合した後に冷却し、鋳型で成形することにより都合よく形成され得る。
上記担体成分に加えて、上述の医薬製剤は、必要に応じて、1個以上のさらなる担体成分、例えば、希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑沢剤および保存剤(酸化防止剤を含む)などを含み得る。さらに、意図するレシピエントの血液と製剤が等張となるように、他のアジュバントが含まれ得る。本発明の化合物および/または医薬的に許容可能なその塩を含有する組成物は、粉末または液体濃縮物形態でも調製し得る。
プロテインキナーゼ活性の阻害を必要とする処置状態において、適切な投与量レベルは、一般に約0.01から500mg/kg患者体重/日であり、単回または複数回用量で投与され得る。好ましくは、投与量レベルは、約0.1から約250mg/kg/日であり、より好ましくは0.5から100mg/kg/日である。適切な投与量レベルは、約0.01から250mg/kg/日、約0.05から100mg/kg/日または約0.1から50mg/kg/日であり得る。この範囲内で、投与量は、0.05から0.5、0.5から5.0または5.0から50mg/kg/日であり得る。経口投与の場合、本組成物は、処置しようとする患者の症状による投与量の調整をするために、好ましくは、1.0から1000mgの活性成分、特に1.0、5.0、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900および1000mgの活性成分を含有する錠剤で提供される。本化合物は、1日に1から4回、好ましくは1日に1回または2回の投与計画で投与され得る。この投与計画は、最適治療反応を提供するために調整され得る。
しかし、任意の特定の患者に対する具体的な用量レベルは様々な因子に依存することが理解される。このような因子としては、患者の年齢、体重、総体的健康状態、性別および食事が挙げられる。他の因子としては、投与時間および投与経路、排泄速度、薬物の組み合わせ、ならびに治療を行う特定の疾患のタイプおよび重症度が挙げられる。
本発明は、さらに、1個以上の開示化合物、生成物または組成物を医薬的に許容可能な担体または希釈剤と組み合わせることを含む、哺乳動物(例えばヒト)においてプロテインキナーゼ活性を阻害する(例えば、1種類以上のがんの処置)ための医薬の製造のための方法に関する。したがって、ある態様において、本発明は、少なくも1つの開示化合物または少なくとも1つの開示生成物を医薬的に許容可能な担体または希釈剤と組み合わせることを含む、医薬を製造するための方法に関する。
本開示医薬組成物は、上述の病態の処置において通常適用される、他の治療的に活性のある化合物をさらに含み得る。
本開示組成物は、本開示化合物から調製され得ることが理解される。開示される使用方法において、本開示組成物が使用され得ることも理解される。
G. 本化合物および組成物を使用する方法
PDK1は、生存促進性および腫瘍発生活性に関与する複数のタンパク質の非常に重要な活性化因子である。インスリンおよび成長因子による細胞表面受容体チロシンキナーゼの結合によってPI3Kが活性化されると、ホスファチジル−イノシトール,3,4,5トリホスフェートPIP3が生成される(M.Whitmanら、Nature 1998,332:644)。PDK1およびAktは、細胞膜に動員され、続いてPI3Kの活性により生成されるPIP3の増大に反応して活性化される。細胞膜へのPDK1およびAktの動員には、相同プレクストリン相同領域の相互作用が介在する。原形質膜にこれらのタンパク質が局在することで、PDK1が、残基スレオニン−308でのリン酸化によりAKTを活性化できるようになる(L.Stephensら、Science 1998,279:710)。活性化PDK1は、究極的には複数の生物学的プロセスのシグナル伝達を制御する重要なシグナル伝達経路の一部としてAktをリン酸化する。PDK1キナーゼドメインは、最小限の3個のリガンド結合部位:ATP結合ポケット、ペプチド基質結合部位および、そのキナーゼ基質のC末端疎水性モチーフと結合するN末端ロブ(lob)における溝を有する(R.M.Biondiら、EMBO J.2002,21:4219)。Aktに加えて、PDK1は、S6K、SGKおよびPKCを含む様々な細胞型において、他のプロテインキナーゼファミリーの多くのメンバーにおいて保存された活性化ループ残基をリン酸化する(A.Moraら、Semin Cell Dev Biol 2004,15:161)。ある態様において、PDK1を含むシグナル伝達経路は、図4に記載のとおりである。
PI3K経路を通じた抑制の効かないシグナル伝達は、がんの発生を含め、細胞および生物にとって破滅的な結果をもたらす。10番染色体上で欠失している腫瘍抑制因子ホスファターゼ・テンシンホモローグ(PTEN)は、このシグナル伝達経路の主要な負の制御因子である(T.Maehama and J.E.Dixon,J Biol Chem 1998,273:13375)。PTENの活性は、PIP3の脱リン酸化によってPI3Kシグナル伝達を逆転させる。PTEN活性は、遺伝的なプロセス(欠失および変異)およびエピジェネティックなプロセス(プロモーターメチル化の変化)の両者により改変され得る。PTEN機能の喪失は、細胞の発生および腫瘍形成に実質的な影響がある。PTEN発現低下は多くのがんにおいて記載されているが、子宮内膜がん、膠芽細胞腫、前立腺がんおよび乳がんならびに黒色腫において最も高頻度に見られる(H.Tashiroら、Cancer Res 1997,57:3935;E.Chiarielloら、Oncogene 1998,16:541;J.Liら、Science,1997,275:1943)。特定の理論により縛られることを望むものではないが、薬理学的介入を通じたPDK1活性の調整は、PTENの遺伝的な異常を有する腫瘍において重要性が高まってきていると思われる。
PDKとPTENとの間の関係は、正常な発生および成長中、細胞に対して均衡がとれているが、がんではより悪性の帰結となる。いくつかの研究が、この関係を記載している。PTEN欠損ショウジョウバエにおいて、AktのPHドメインに変異があるように操作されたハエは、PTEN欠損ハエの致死性をレスキューしたことが観察された(H.Stockerら、Science,2002,295:2088)。多くの組織起源から腫瘍を発生させる傾向があるPTEN+/−マウスにおいて、遺伝子変化によりPDK1レベルをノックダウンすることによって、これらのマウスにおける腫瘍発生が抑制された(J.R.Bayascasら、Curr Biol,2005,15:1839)。この影響は、多岐にわたる腫瘍タイプで観察されたが、これにより、PDK1がPTEN欠損腫瘍における潜在的な治療標的として認められる。関連研究において、コンディショナルPTEN−/−マウスをAkt −/−マウスの別の群と交配させたところ、Akt欠損が、いくつかの腫瘍タイプの発生を抑制するのに十分であり、この効果は子宮内膜がん腫および前立腺新生物において最大であることが分かった(M.L.Chenら、Genes Dev,2006,20:1569)。このレスキューは、Aktハプロ欠損マウスでも検出された。同様の現象は神経組織でも観察された。PDK1のコンディショナル欠失は、マウスにおいて小頭症を引き起こし、PTENおよびPDK1の欠失の組み合わせによって、この異常がレスキューされ得たことが観察された(N.Chalhoubら、Genes Dev,2009,23:1619)。このことから、正常な生理的状態および疾患状態の両方における、PTEN活性とPDK1活性との間のバランスがさらに示唆される。特定の理論により縛られることを望むものではないが、PTENが欠損している疾患における薬理学的介入を通じてPDK活性を低下させることは、重要な治療的利益を有し得ると考えられる。
タンパク質を直接標的とすることに加えて、PDK1経路は、タモキシフェンに対する乳がんの感受性を制御し得、PDK1の阻害により、タモキシフェンに対する乳がんの耐性を逆転させる(E.Iornsら、Biochem J,2009,417:361)。ヒトがんにおけるPTEN欠損およびその結果起こる分子表現型は、PDK1阻害剤での成功裏の治療について予測するバイオマーカーを与え得る分子シグネチャーをもたらし得る。特定の理論により縛られることを望むものではないが、がんの同様の特徴に関与するキナーゼの活性がPDK1により制御されるので、PDK1は、PI3K/Akt経路外でも、生化学的および臨床的有用性を示すであろうと考えられる。
多数の腫瘍が、PI3K/Aktシグナル伝達経路の過剰活性化をもたらす遺伝子異常を有する。特定の理論により縛られることを望むものではないが、PDK1活性の阻害により、これらの変異の結果である過剰なシグナル伝達を解消し、レスキューし得ると考えられる。全体として、PI3K経路を通じてシグナル伝達を伝播させる多くのタンパク質が、がん治療法に対していくつかの魅力的な標的をもたらす(B.T.Hennessyら、Nat Rev Drug Discov,2005,4:988)。この、シグナル伝達タンパク質の大規模なファミリーは、調節不全となったときに典型的な腫瘍形成表現型の特性を導く、重要な細胞プロセスを制御する。このシグナル伝達カスケードに沿った何れかの点での阻害は、この経路での過剰に活性なシグナル伝達により駆動される病態がある患者に対して臨床的利益をもたらすと思われる。PI3K、mTORC1およびAktを含め、この経路におけるいくつかの重要なタンパク質が、治療標的として既に利用されている(S.Brachmannら、Curr Opin Cell Biol,2009,21:194)。mTORC複合体の阻害は、治療的価値がある可能性があるPI3K経路における別の標的である。
式Iの化合物または他の薬物が有用性を有する、上述の疾患、障害および状態の処置、予防、制御、改善またはリスク低下において、本開示化合物は、単剤として、または、1個以上の他の薬物と組み合わせて(一緒にした薬物の組み合わせが、単独薬物よりも安全であり、有効である場合)使用され得る。他の薬物は、一般に使用される経路および量で、したがって開示化合物と同時にまたは逐次的に、投与され得る。開示化合物が1個以上の他の薬物と同時に使用される場合、このような薬物および開示化合物を含有する単位投与形態の医薬組成物が好ましい。しかし、併用療法は重複スケジュールでも行われ得る。1つ以上の活性成分および開示化合物の組み合わせが、単剤としてよりも効果的であることも想定される。
本発明の医薬組成物および方法は、上述の病態の処置に通常適用される、本明細書中で述べられるような他の治療的に活性のある化合物をさらに含み得る。
1.処置方法
本明細書中で開示される化合物は、様々な制御されない細胞増殖の障害を処置するか、予防するか、改善するか、制御するかまたはそのリスクを低下させるのに有用である。ある態様において、制御されない細胞増殖の障害は、PI3K/Aktシグナル伝達経路の機能不全と関連する。さらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、プロテインキナーゼ機能不全と関連する。さらなる態様において、プロテインキナーゼ機能不全は、PDK1の異常調節である。
PI3K/Akt経路の機能不全と関連する障害の例としては、がん、例えば白血病、リンパ腫および固形腫瘍が挙げられる。ある態様において、がんは、脳、泌尿生殖器、消化管、結腸、直腸、乳房、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択されるがんであり得る。さらなる態様において、がんは、前立腺がん、多形膠芽細胞腫、子宮内膜がん、乳がんおよび結腸がんから選択される。
ある態様において、本明細書中で開示される化合物は、PTEN機能の喪失と関連するがんを処置することにおいて有用である。例えば、PTEN機能の喪失は、PTEN遺伝子の遺伝子変異による結果であり得る。さらなる態様において、PTEN遺伝子における遺伝子変異は、K267fs9、K267fs9、K267fs9、K6fs4、K6fs4、K6fs4、N323fs2、N323fs2、N323fs2、N323fs21、N323fs21、N323fs21、P248fs5、P248fs5、P248fs5、R130Q、R130Q、R130Q、R130fs4、R130fs4、R130fs4、R130G、R130G、R130G、R130、R130、R130、R173C、R173C、R173C、R173H、R173H、R173H、R233、R233、R233、R335、R335、R335、V317fs3、V317fs3およびV317fs3から選択される。
ある態様において、本明細書中で開示される化合物は、PI3K活性化と関連するがんを処置することにおいて有用である。さらなる態様において、PI3K活性化には、遺伝子における遺伝子変異が関連する。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、PIK3CA、PIKR1、H−RAS、K−RASおよびN−RASから選択される遺伝子におけるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、R38H、R88Q、N345K、C420R、P359R、E542K、E545K、Q546K、H701P、C901F、M1043I、H1047R/LおよびH1047Yから選択されるPIK3CA変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、R574TおよびA634Pから選択されるPIK3R1変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/D、G13R/C/S、Q61H/H、G61L/R/PおよびQQ61Kから選択されるH−RAS変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12C、G12R、G12S、G12V、G12D、G12A、G12F、G13V/D、A59T、Q61E/K、Q61L/R/PおよびQ61Hから選択されるK−RAS変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/A/D、G12C/R/S、G13V/A/D、G13C/R/S、A18T、Q61L/R/P、Q61HおよびQ61E/Kから選択されるN−RAS変異である。
a. 制御されない細胞増殖の障害の処置
ある態様において、本発明は、哺乳動物に有効量の、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する少なくとも1つの化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形を投与する工程を含む、哺乳動物における制御されない細胞増殖障害の障害の処置のための方法に関する。
さらなる態様において、投与される化合物は、開示化合物または化合物を作製する開示方法の生成物である。またさらなる態様において、有効量は、治療的有効量である。またさらなる態様において、有効量は、予防的有効量である。
さらなる態様において、上記化合物は、PI3K/Akt経路の阻害と関連する。またさらなる態様において、PI3K/Akt経路の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、上記化合物は、Aktのリン酸化の阻害と関連する。またさらなる態様において、Aktのリン酸化の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、本化合物は、プロテインキナーゼの阻害と関連する。またさらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1、オーロラキナーゼA、c−ablがん遺伝子1キナーゼ(T315I形態)、fms−関連チロシンキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体1、インターロイキン1受容体関連キナーゼ4、Janusキナーゼ1、Janusキナーゼ2、Janusキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、ret原がん遺伝子、脾臓チロシンキナーゼ、チロシン−プロテインキナーゼFyn、血管内皮増殖因子受容体2および血管内皮増殖因子受容体3から選択される。またさらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1である。さらなる態様において、プロテインキナーゼの阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、上記化合物は、細胞生存能を阻害する。またさらなる態様において、細胞生存能の阻害は、AN3−CA、LNCaP、RL95−2、KG−1、MV4−11、BT−20、RKO、MCF7、BT549、U87−MG、PC3、およびKasumi細胞から選択される細胞系において決定される。またさらなる態様において、細胞生存能の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、哺乳動物はヒトである。またさらなる態様において、本方法は、制御されない細胞増殖の障害の処置を必要とする哺乳動物を識別する工程をさらに含む。またさらなる態様において、哺乳動物は、投与工程前に、制御されない細胞増殖の障害の処置を必要とすると診断されている。
さらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、プロテインキナーゼ機能不全と関連する。またさらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。またさらなる態様において、がんは白血病である。なおさらなる態様において、がんはリンパ腫である。またさらなる態様において、がんは固形腫瘍である。またさらなる態様において、がんは、脳、泌尿生殖器、消化管、結腸、直腸、乳房、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、前立腺がん、多形膠芽細胞腫、子宮内膜がん、乳がんおよび結腸がんから選択される。
さらなる態様において、がんは、PTEN機能の喪失と関連する。またさらなる態様において、PTEN機能の喪失は、遺伝子変異によるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、PTEN遺伝子におけるものである。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、K267fs9、K267fs9、K267fs9、K6fs4、K6fs4、K6fs4、N323fs2、N323fs2、N323fs2、N323fs21、N323fs21、N323fs21、P248fs5、P248fs5、P248fs5、R130Q、R130Q、R130Q、R130fs4、R130fs4、R130fs4、R130G、R130G、R130G、R130、R130、R130、R173C、R173C、R173C、R173H、R173H、R173H、R233、R233、R233、R335、R335、R335、V317fs3、V317fs3およびV317fs3から選択されるPTEN変異である。
さらなる態様において、がんは、PI3K活性化と関連する。またさらなる態様において、遺伝子変異は、PIK3CA、PIKR1、H−RAS、K−RASおよびN−RASから選択される遺伝子におけるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、R38H、R88Q、N345K、C420R、P359R、E542K、E545K、Q546K、H701P、C901F、M1043I、H1047R/LおよびH1047Yから選択されるPIK3CA変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、R574TおよびA634Pから選択されるPIK3R1変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/D、G13R/C/S、Q61H/H、G61L/R/PおよびQQ61Kから選択されるH−RAS変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、G12C、G12R、G12S、G12V、G12D、G12A、G12F、G13V/D、A59T、Q61E/K、Q61L/R/PおよびQ61Hから選択されるK−RAS変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/A/D、G12C/R/S、G13V/A/D、G13C/R/S、A18T、Q61L/R/P、Q61HおよびQ61E/Kから選択されるN−RAS変異である。
b. キナーゼ活性の低下
ある態様において、本発明は、哺乳動物に治療的有効量の、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは、水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する少なくとも1つの化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形を投与する工程を含む、哺乳動物においてキナーゼ活性を低下させるための方法に関する。
さらなる態様において、投与される化合物は、開示化合物または化合物を作製する開示方法の生成物である。またさらなる態様において、有効量は、治療的有効量である。またさらなる態様において、有効量は、予防的有効量である。
さらなる態様において、キナーゼ活性の低下は、PI3K/Akt経路の阻害と関連する。またさらなる態様において、PI3K/Akt経路の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、キナーゼ活性の低下は、Aktのリン酸化の阻害と関連する。またさらなる態様において、Aktのリン酸化の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1、オーロラキナーゼA、c−ablがん遺伝子1キナーゼ(T315I形態)、fms−関連チロシンキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体1、インターロイキン1受容体関連キナーゼ4、Janusキナーゼ1、Janusキナーゼ2、Janusキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、ret原がん遺伝子、脾臓チロシンキナーゼ、チロシン−プロテインキナーゼFyn、血管内皮増殖因子受容体2および血管内皮増殖因子受容体3から選択される。またさらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1である。またさらなる態様において、プロテインキナーゼの阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、キナーゼ活性の低下により、細胞生存能が阻害される。またさらなる態様において、細胞生存能の阻害は、AN3−CA、LNCaP、RL95−2、KG−1、MV4−11、BT−20、RKO、MCF7、BT549、U87−MG、PC3、およびKasumi細胞から選択される細胞系において決定される。またさらなる態様において、細胞生存能の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、哺乳動物はヒトである。またさらなる態様において、本方法は、キナーゼ活性低下を必要とする哺乳動物を識別する工程をさらに含む。またさらなる態様において、哺乳動物は、投与工程前に、キナーゼ活性低下を必要とすると診断されている。
さらなる態様において、キナーゼ活性低下を必要とすることは、制御されない細胞増殖の障害の処置と関連がある。またさらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。またさらなる態様において、がんは白血病である。なおさらなる態様において、がんはリンパ腫である。またさらなる態様において、がんは固形腫瘍である。またさらなる態様において、がんは、脳、泌尿生殖器、消化管、結腸、直腸、乳房、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択される。またさらなる態様において、がんは、前立腺がん、多形膠芽細胞腫、子宮内膜がん、乳がんおよび結腸がんから選択される。
さらなる態様において、がんは、PTEN機能の喪失と関連する。またさらなる態様において、PTEN機能の喪失は、遺伝子変異によるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、PTEN遺伝子におけるものである。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、K267fs9、K267fs9、K267fs9、K6fs4、K6fs4、K6fs4、N323fs2、N323fs2、N323fs2、N323fs21、N323fs21、N323fs21、P248fs5、P248fs5、P248fs5、R130Q、R130Q、R130Q、R130fs4、R130fs4、R130fs4、R130G、R130G、R130G、R130、R130、R130、R173C、R173C、R173C、R173H、R173H、R173H、R233、R233、R233、R335、R335、R335、V317fs3、V317fs3およびV317fs3から選択されるPTEN変異である。
さらなる態様において、がんは、PI3K活性化と関連する。またさらなる態様において、遺伝子変異は、PIK3CA、PIKR1、H−RAS、K−RASおよびN−RASから選択される遺伝子におけるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、R38H、R88Q、N345K、C420R、P359R、E542K、E545K、Q546K、H701P、C901F、M1043I、H1047R/LおよびH1047Yから選択されるPIK3CA変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、R574TおよびA634Pから選択されるPIK3R1変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/D、G13R/C/S、Q61H/H、G61L/R/PおよびQQ61Kから選択されるH−RAS変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、G12C、G12R、G12S、G12V、G12D、G12A、G12F、G13V/D、A59T、Q61E/K、Q61L/R/PおよびQ61Hから選択されるK−RAS変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/A/D、G12C/R/S、G13V/A/D、G13C/R/S、A18T、Q61L/R/P、Q61HおよびQ61E/Kから選択されるN−RAS変異である。
c. 細胞におけるキナーゼ活性の低下
ある態様において、本発明は、少なくとも1つの細胞を、有効量の、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは、水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する少なくとも1つの化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形と接触させる工程を含む、少なくとも1つの細胞においてキナーゼ活性を低下させるための方法に関する。
さらなる態様において、本化合物は、開示化合物または化合物を作製する開示方法の生成物である。またさらなる態様において、有効量は、治療的有効量である。またさらなる態様において、有効量は、予防的有効量である。
さらなる態様において、キナーゼ活性の低下は、PI3K/Akt経路の阻害と関連する。またさらなる態様において、PI3K/Akt経路の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、キナーゼ活性の低下は、Aktのリン酸化の阻害と関連する。またさらなる態様において、Aktのリン酸化の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1、オーロラキナーゼA、c−ablがん遺伝子1キナーゼ(T315I形態)、fms−関連チロシンキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体1、インターロイキン1受容体関連キナーゼ4、Janusキナーゼ1、Janusキナーゼ2、Janusキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、ret原がん遺伝子、脾臓チロシンキナーゼ、チロシン−プロテインキナーゼFyn、血管内皮増殖因子受容体2および血管内皮増殖因子受容体3から選択される。またさらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1である。さらなる態様において、プロテインキナーゼの阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、キナーゼ活性の低下により、細胞生存能が阻害される。またさらなる態様において、細胞生存能の阻害は、AN3−CA、LNCaP、RL95−2、KG−1、MV4−11、BT−20、RKO、MCF7、BT549、U87−MG、PC3、およびKasumi細胞から選択される細胞系において決定される。またさらなる態様において、細胞生存能の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、細胞は哺乳動物細胞である。またさらなる態様において、細胞はヒト細胞である。またさらなる態様において、接触は、哺乳動物に対する投与を介する。
さらなる態様において、本方法は、細胞におけるキナーゼ活性低下を必要とする哺乳動物を識別する段階をさらに含む。またさらなる態様において、哺乳動物は、投与段階前に、キナーゼ活性低下を必要とすると診断されている。
さらなる態様において、細胞におけるキナーゼ活性低下を必要とすることは、制御されない細胞の障害と関連がある。またさらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。またさらなる態様において、がんは白血病である。なおさらなる態様において、がんはリンパ腫である。またさらなる態様において、がんは固形腫瘍である。またさらなる態様において、がんは、脳、泌尿生殖器、消化管、結腸、直腸、乳房、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択される。またさらなる態様において、がんは、前立腺がん、多形膠芽細胞腫、子宮内膜がん、乳がんおよび結腸がんから選択される。
さらなる態様において、がんは、PTEN機能の喪失と関連する。またさらなる態様において、PTEN機能の喪失は、遺伝子変異によるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、PTEN遺伝子におけるものである。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、K267fs9、K267fs9、K267fs9、K6fs4、K6fs4、K6fs4、N323fs2、N323fs2、N323fs2、N323fs21、N323fs21、N323fs21、P248fs5、P248fs5、P248fs5、R130Q、R130Q、R130Q、R130fs4、R130fs4、R130fs4、R130G、R130G、R130G、R130、R130、R130、R173C、R173C、R173C、R173H、R173H、R173H、R233、R233、R233、R335、R335、R335、V317fs3、V317fs3およびV317fs3から選択されるPTEN変異である。
さらなる態様において、がんは、PI3K活性化と関連する。またさらなる態様において、遺伝子変異は、PIK3CA、PIKR1、H−RAS、K−RASおよびN−RASから選択される遺伝子におけるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、R38H、R88Q、N345K、C420R、P359R、E542K、E545K、Q546K、H701P、C901F、M1043I、H1047R/LおよびH1047Yから選択されるPIK3CA変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、R574TおよびA634Pから選択されるPIK3R1変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/D、G13R/C/S、Q61H/H、G61L/R/PおよびQQ61Kから選択されるH−RAS変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、G12C、G12R、G12S、G12V、G12D、G12A、G12F、G13V/D、A59T、Q61E/K、Q61L/R/PおよびQ61Hから選択されるK−RAS変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/A/D、G12C/R/S、G13V/A/D、G13C/R/S、A18T、Q61L/R/P、Q61HおよびQ61E/Kから選択されるN−RAS変異である。
2. 医薬の製造
ある態様において、本発明は、治療的有効量の開示化合物または開示方法の生成物を医薬的に許容可能な担体または希釈剤と組み合わせることを含む、哺乳動物におけるPI3K/Akt経路の阻害のための医薬を製造するための方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、治療的有効量の開示化合物または開示方法の生成物を医薬的に許容可能な担体または希釈剤と組み合わせることを含む、哺乳動物におけるPDK1の阻害のための医薬を製造するための方法に関する。
3.化合物の使用
ある態様において、本発明は、哺乳動物においてキナーゼ活性を低下させるための、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは、水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形の使用に関する。
さらなる態様において、本化合物は、開示化合物または化合物を作製する開示方法の生成物である。
さらなる態様において、キナーゼ活性の低下は、PI3K/Akt経路の阻害と関連する。またさらなる態様において、PI3K/Akt経路の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、キナーゼ活性の低下は、Aktのリン酸化の阻害と関連する。またさらなる態様において、Aktのリン酸化の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1、オーロラキナーゼA、c−ablがん遺伝子1キナーゼ(T315I形態)、fms−関連チロシンキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体1、インターロイキン1受容体関連キナーゼ4、Janusキナーゼ1、Janusキナーゼ2、Janusキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、ret原がん遺伝子、脾臓チロシンキナーゼ、チロシン−プロテインキナーゼFyn、血管内皮増殖因子受容体2および血管内皮増殖因子受容体3から選択される。またさらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1である。またさらなる態様において、プロテインキナーゼの阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、キナーゼ活性の低下により、細胞生存度が阻害される。またさらなる態様において、細胞生存度の阻害は、AN3−CA、LNCaP、RL95−2、KG−1、MV4−11、BT−20、RKO、MCF7、BT549、U87−MG、PC3およびKasumi細胞から選択される細胞系において測定される。またさらなる態様において、細胞生存度の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、哺乳動物はヒトである。
さらなる態様において、キナーゼ活性低下を必要とすることは、制御されない細胞増殖の障害の処置と関連がある。またさらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。またさらなる態様において、がんは白血病である。なおさらなる態様において、がんはリンパ腫である。またさらなる態様において、がんは固形腫瘍である。またさらなる態様において、がんは、脳、泌尿生殖器、消化管、結腸、直腸、乳房、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択される。またさらなる態様において、がんは、前立腺がん、多形膠芽細胞腫、子宮内膜がん、乳がんおよび結腸がんから選択される。
さらなる態様において、がんは、PTEN機能の喪失と関連する。またさらなる態様において、PTEN機能の喪失は、遺伝子変異によるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、PTEN遺伝子におけるものである。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、K267fs9、K267fs9、K267fs9、K6fs4、K6fs4、K6fs4、N323fs2、N323fs2、N323fs2、N323fs21、N323fs21、N323fs21、P248fs5、P248fs5、P248fs5、R130Q、R130Q、R130Q、R130fs4、R130fs4、R130fs4、R130G、R130G、R130G、R130、R130、R130、R173C、R173C、R173C、R173H、R173H、R173H、R233、R233、R233、R335、R335、R335、V317fs3、V317fs3およびV317fs3から選択されるPTEN変異である。
さらなる態様において、がんは、PI3K活性化と関連する。またさらなる態様において、遺伝子変異は、PIK3CA、PIKR1、H−RAS、K−RASおよびN−RASから選択される遺伝子におけるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、R38H、R88Q、N345K、C420R、P359R、E542K、E545K、Q546K、H701P、C901F、M1043I、H1047R/LおよびH1047Yから選択されるPIK3CA変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、R574TおよびA634Pから選択されるPIK3R1変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/D、G13R/C/S、Q61H/H、G61L/R/PおよびQQ61Kから選択されるH−RAS変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、G12C、G12R、G12S、G12V、G12D、G12A、G12F、G13V/D、A59T、Q61E/K、Q61L/R/PおよびQ61Hから選択されるK−RAS変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/A/D、G12C/R/S、G13V/A/D、G13C/R/S、A18T、Q61L/R/P、Q61HおよびQ61E/Kから選択されるN−RAS変異である。
4.キット
ある態様において、本発明は、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは、水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する少なくとも1つの化合物;または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形と、(a)キナーゼ活性を強めることが公知の少なくとも1つの剤;(b)キナーゼ活性を低下させることが公知の少なくとも1つの剤;(c)制御されない細胞増殖の障害を処置することが公知の少なくとも1つの剤;または(d)制御されない細胞増殖と関連する障害を処置するための説明書のうち1つ以上とを含むキットに関する。
さらなる態様において、本化合物は、開示化合物または化合物を作製する開示方法の生成物である。
さらなる態様において、本化合物は、PI3K/Akt経路の阻害を示す。またさらなる態様において、PI3K/Akt経路の阻害は、プロテインキナーゼの阻害と関連する。なおさらなる態様において、PI3K/Akt経路の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、PI3K/Akt経路の阻害は、Aktのリン酸化を低下させる。またさらなる態様において、Aktのリン酸化の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、本化合物は、プロテインキナーゼの阻害を示す。またさらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1、オーロラキナーゼA、c−ablがん遺伝子1キナーゼ(T315I形態)、fms−関連チロシンキナーゼ3、線維芽細胞増殖因子受容体1、インターロイキン1受容体関連キナーゼ4、Janusキナーゼ1、Janusキナーゼ2、Janusキナーゼ3、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ4(MAP4K4)、ret原がん遺伝子、脾臓チロシンキナーゼ、チロシン−プロテインキナーゼFyn、血管内皮増殖因子受容体2および血管内皮増殖因子受容体3から選択される。またさらなる態様において、プロテインキナーゼは、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1である。またさらなる態様において、プロテインキナーゼの阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、本化合物は、細胞生存度を阻害する。またさらなる態様において、細胞生存度の阻害は、AN3−CA、LNCaP、RL95−2、KG−1、MV4−11、BT−20、RKO、MCF7、BT549、U87−MG、PC3およびKasumi細胞から選択される細胞系において測定される。またさらなる態様において、細胞生存度の阻害は、IC50が約1.0×10−4M未満、IC50が約1.0×10−5M未満、IC50が約1.0×10−6M未満、IC50が約1.0×10−7M未満、IC50が約1.0×10−8M未満またはIC50が約1.0×10−9M未満である阻害である。
さらなる態様において、哺乳動物はヒトである。
さらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、キナーゼ機能不全と関連する。またさらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。またさらなる態様において、がんは白血病である。なおさらなる態様において、がんはリンパ腫である。またさらなる態様において、がんは固形腫瘍である。またさらなる態様において、がんは、脳、泌尿生殖器、消化管、結腸、直腸、乳房、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択される。またさらなる態様において、がんは、前立腺がん、多形膠芽細胞腫、子宮内膜がん、乳がんおよび結腸がんから選択される。
さらなる態様において、がんは、PTEN機能の喪失と関連する。またさらなる態様において、PTEN機能の喪失は、遺伝子変異によるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、PTEN遺伝子におけるものである。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、K267fs9、K267fs9、K267fs9、K6fs4、K6fs4、K6fs4、N323fs2、N323fs2、N323fs2、N323fs21、N323fs21、N323fs21、P248fs5、P248fs5、P248fs5、R130Q、R130Q、R130Q、R130fs4、R130fs4、R130fs4、R130G、R130G、R130G、R130、R130、R130、R173C、R173C、R173C、R173H、R173H、R173H、R233、R233、R233、R335、R335、R335、V317fs3、V317fs3およびV317fs3から選択されるPTEN変異である。
さらなる態様において、がんは、PI3K活性化と関連する。またさらなる態様において、遺伝子変異は、PIK3CA、PIKR1、H−RAS、K−RASおよびN−RASから選択される遺伝子におけるものである。またさらなる態様において、遺伝子変異は、R38H、R88Q、N345K、C420R、P359R、E542K、E545K、Q546K、H701P、C901F、M1043I、H1047R/LおよびH1047Yから選択されるPIK3CA変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、R574TおよびA634Pから選択されるPIK3R1変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/D、G13R/C/S、Q61H/H、G61L/R/PおよびQQ61Kから選択されるH−RAS変異である。なおさらなる態様において、遺伝子変異は、G12C、G12R、G12S、G12V、G12D、G12A、G12F、G13V/D、A59T、Q61E/K、Q61L/R/PおよびQ61Hから選択されるK−RAS変異である。またさらなる態様において、遺伝子変異は、G12V/A/D、G12C/R/S、G13V/A/D、G13C/R/S、A18T、Q61L/R/P、Q61HおよびQ61E/Kから選択されるN−RAS変異である。
さらなる態様において、少なくとも1つの化合物または少なくとも1つの生成物および少なくとも1つの剤がともに製剤化される。
さらなる態様において、少なくとも1つの化合物または少なくとも1つの生成物および少なくとも1つの剤がともに包装される。
さらなる態様において、上記少なくとも1つの剤は、ホルモン療法剤である。またさらなる態様において、ホルモン療法剤は、ロイプロリド、タモキシフェン、ラロキシフェン、メゲストロール、フルベストラント、トリプトレリン、メドロキシプロゲステロン、レトロゾール、アナストロゾール、エキセメスタン、ビカルタミド、ゴセレリン、ヒストレリン、フルオキシメステロン、エストラムスチン、フルタミド、トレミフェン、デガレリクス、ニルタミド、アバレリクスおよびテストラクトンまたは医薬的に許容可能なそれらの塩、水和物、溶媒和物もしくは多形からなる群の1つ以上から選択される。
さらなる態様において、この少なくとも1つの剤は、化学療法剤である。またさらなる態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗新生物抗生物質、有糸分裂阻害剤、mTor阻害剤または他の化学療法剤からなる群の1つ以上から選択される。またさらなる態様において、抗新生物抗生物質は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチンおよびバルルビシンまたは医薬的に許容可能なそれらの塩、水和物、溶媒和物もしくは多形からなる群の1つ以上から選択される。なおさらなる態様において、代謝拮抗剤は、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキサート、フロクスウリジン、メトトレキサートおよびチオグアニンまたは医薬的に許容可能なそれらの塩、水和物、溶媒和物もしくは多形からなる群の1つ以上から選択される。またさらなる態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、ダカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチンおよびストレプトゾシンまたは医薬的に許容可能なそれらの塩、水和物、溶媒和物もしくは多形からなる群の1つ以上から選択される。またさらなる態様において、有糸分裂阻害剤は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトプシド、ビンクリスチン、イキサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチンおよびテニポシドまたは医薬的に許容可能なそれらの塩、水和物、溶媒和物もしくは多形からなる群の1つ以上から選択される。なおさらなる態様において、mTor阻害剤は、エベロリムス、シロリムス(siroliumus)およびテムシロリムスまたは医薬的に許容可能なそれらの塩、水和物、溶媒和物もしくは多形からなる群の1つ以上から選択される。
5.非医学的使用
PDK1を阻害する新しい治療剤の研究の一部として、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット及びマウスなどの実験動物においてPDK1活性阻害剤の効果を評価するための、インビトロ及びインビボ試験系の開発及び標準化における薬理学的ツールとしての開示化合物および生成物の使用も提供される。
さらなる態様において、本発明は、PI3K/Akt経路を阻害する新しい治療剤の研究の一部として、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット及びマウスなどの実験動物においてPI3K/Akt経路阻害剤の効果を評価するための、インビトロ及びインビボ試験系の開発及び標準化における薬理学的ツールとしての開示化合物または開示生成物の使用に関する。
H.実験
次の実施例は、本明細書中の特許請求の範囲に記載される化合物、組成物、物品、装置および/または方法をどのように作製し、評価するかということに関する完全な開示および記載を当業者に提供するために示されており、純粋に本発明の例示であり、発明者らがその発明とみなすものの範囲を限定するものではない。数値(例えば、量、温度など)に関して、正確となるよう努力しているが、ある程度の誤差および偏差はあるに違いない。別段の断りがない限り、部は重量部、温度は℃単位であるかまたは周囲温度であり、圧力は大気圧またはその付近である。
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を次の実施例で例示する。出発材料および必要な中間体は、一部の例では市販されているか、または文献の手順に従い、または本明細書中で例示されるように、調製され得る。
本発明の次の代表的化合物を合成した。本発明を例示するためにここで実施例を提供するが、これは、本発明を限定するものと解釈されるべきものでは決してない。この実施例は、通常は、IUPAC命名規則に従い、遊離塩基形態で示される。しかし、実施例の一部は、塩形態で得られたか、または分離された。
示されるように、実施例の一部は、1つ以上の鏡像異性体またはジアステレオマーのラセミ混合物として得られた。本化合物は、個々の鏡像異性体を単離するために当業者によって分離され得る。化合物のラセミ混合物を、鏡像異性体として純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成させ、次いで、分別結晶またはクロマトグラフィーなどの標準的方法で個々のジアステレオマーを分離することによって、分離を行い得る。キラル固定相を用いたクロマトグラフィー法によって、化合物のラセミまたはジアステレオマー混合物を直接分離することもできる。
1. 一般的方法
一般的な試薬および溶媒は全て、Sigma Aldrichより購入し、受け取った状態で使用した。これらは、試薬グレードで純度≧99%のものであった。いくつかの供給業者から得た特殊な化学物質および構成要素単位の純度は、最大純度(常に≧95%)のものであった。
5mmブロードバンドプローブを備えた400MHzで動作するMercury 400MHzで、標準的なパルスシーケンスを用いてNMR分光法を行った。残留溶媒シグナルに対してパーツ・パー・ミリオン(ppm)で化学シフト(δ)を報告する。結合定数(J値)はHzで表す。
Waters Quattro−II三連四重極型質量分析計で質量分析を行った。陽性ESI−MSにより全試料を分析し、プロトン化分子イオンの質量対電荷比(m/z)を報告する。
様々な出力でBiotage Initiator 2.5でマイクロ波を利用した反応を行った。
標準的なParr水素化装置で水素化反応を行った。
蛍光指示薬を含有する200μmのシリカゲルで被覆したBakerフレキシブルバックトプレート(flexible−backed plate)上でのTLCにより反応を監視した。蛍光(UV254)指示薬を含有する1000または2000μmシリカゲル層で被覆された20cm×20cm Analtech Uniplates上で分取TLCを行った。溶出混合液をv:vとして報告した。UV光を用いてスポットを可視化した。
適切なサイズのRedisep Rf Goldまたは標準的な順相シリカまたは逆相C−18カラムを用いて、Teledyne Isco CombiFlash RF 200においてフラッシュクロマトグラフィーを行った。シリカゲル、70〜230メッシュ40Å(順相の場合)またはセライト503(逆相の場合)上に粗製化合物を吸着させ、固体カートリッジに載せた。溶出混合液をv:vとして報告した。
2. 分子モデリングおよび薬物ドッキング
コンピュータによる研究は全て、上記のフラグメントに基づく研究のための、Molsoft ICM,Glide(Schrodinger,L.L.C),GoldおよびMOEのドッキングプログラムを用いて行った。Chemaxon(http://www.chemaxon.com)を用いて内部で開発されたフラグメントディスクリプターの単純な反復分離を用いて、キナーゼ阻害剤データベースからフラグメントを生成した。フラグメント化の規則をSDFファイルフォーマットに適用した。環への、1個超の結合原子を有するものとして定義されるリンカーとして化学フラグメントを分類し、環および置換基は、単環系に対して結合される基として定義される。一般に、これらのセットのフラグメントは、MWが<300であり、clogPが3未満であり、官能基が数個しかない比較的単純なものであり、そのため、化学的に扱い易く、迅速な最適化に適切である。
3. 3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−ブロモ−1H−インダゾールの調製
5−ブロモ−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド(50mg、0.222mmol)およびo−フェニレンジアミン(24mg、0.222mmol)を乾燥THF(10mL)中に溶解させた。2N HClを1滴添加した。この溶液を穏やかな還流状態で30分間加熱し、次いで1N亜硫酸水素ナトリウム(1mL)を添加した。一晩還流状態にした後、この溶液を室温まで冷却し、次いで酢酸エチル(30mL)で希釈した。混合物を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、50%の収率で薄黄色の固形物として表題化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.73 (d, 1H, J = 1.2 Hz), 7.80 (m, 1H), 7.48−7.45 (m, 2H), 7.37 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.23 (m, 2H); ESI−MS [M+H]: 313.0。
4. 5−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒドの調製
THF/CHClの混合物(1:1、6mL)中の5−ブロモ−インダゾール−3−カルボアルデヒド(100mg、0.444mmol)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(75mg、0.891mmol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(10mg、0.052mmol)を添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌し、その後、真空下で溶媒を除去した。残渣をCHCl(20mL)中に溶解させ、水(20mL)中に注いだ。有機層を分離し、水層をCHCl(20mL)で抽出した。合わせた有機層を水(40mL)および塩水(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl)による精製によって、固形物として110mg(収率80%)の表題化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 10.21 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.56 (m, 2H), 5.80 (dd, 1H, J = 3.2および9.2 Hz), 3.98 (m, 1H), 3.79−3.74 (m, 1H), 2.57−2.49 (m, 1H), 2.20−2.12 (m, 2H), 1.83−1.57 (m, 3H)。
5. 3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾールの調製
乾燥THF(6mL)中に5−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド(100mg、0.323mmol)およびo−フェニレンジアミン(38.5mg、0.356mmol)を溶解させ、2N HCl(2滴)を添加した。この溶液を穏やかな還流状態で30分間加熱し、次いで1N亜硫酸水素ナトリウム(2mL)を添加した。一晩還流状態にした後、この溶液を室温まで冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈した。混合物を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、60%の収率で薄黄色の固形物として表題化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.86 (s, 1H), 8.79 (d, 1H, J = 1.2 Hz), 7.83 (m, 1H), 7.50−7.41 (m, 3H), 7.25−7.22 (m, 2H), 5.69 (dd, 1H, J = 2.8および8.8 Hz), 3.98 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 2.53 (m, 1H), 2.19 (m, 2H), 1.76 (m, 3H)。
6. 5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒドの調製
THF/CHClの混合物(1:1、8mL)中の5−ニトロ−インダゾール−3−カルボアルデヒド(300mg、1.569mmol)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(265mg、3.150mmol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(30mg、0.158mmol)を添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。残渣をCHCl(50mL)中に入れ、水(20mL)中に注いだ。有機層を分離し、水層をCHCl(50mL)で抽出し、合わせた有機層を水(40mL)および塩水(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl)による精製によって、固形物として215mg(収率50%)の表題化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 10.23 (s, 1H), 9.23 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 8.35 (dd, 1H, J = 2.0および9.2 Hz), 7.80 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 5.89 (dd, 1H, J = 2.8および8.8 Hz), 3.98 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 2.53 (m, 1H), 2.19 (m, 2H), 1.76 (m, 3H)。
7. 3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾールの調製
乾燥THF(8mL)中に5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド(100mg、0.363mmol)およびo−フェニレンジアミン(40mg、0.369mmol)を溶解させ、2N HCl(1滴)を添加した。この溶液を穏やかな還流状態で30分間加熱し、次いで1N亜硫酸水素ナトリウム(1mL)を添加した。一晩還流状態にした後、この溶液を室温まで冷却し、酢酸エチル(40mL)で希釈した。混合物を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、50%の収率で薄黄色の固形物として表題化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.82 (s, 1H), 9.60 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 8.30 (dd, 1H, J = 2.0 & 9.2 Hz), 7.87 (m, 1H), 7.66 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.47 (m, 1H), 7.28 (m, 2H), 5.77 (dd, 1H, J = 2.4および8.8 Hz), 4.00 (m, 1H), 3.76 (m, 1H), 2.53 (m, 1H), 2.13 (m, 2H), 1.77 (m, 3H)。
8. 3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミンの調製
エタノール(40mL)中の10%Pd/C(10mg)に3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(50mg、0.137mmol)を添加し、次いで室温で6時間、水素(60psi)で加圧した。Celiteを通して反応混合物をろ過し、真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、60%の収率で表題化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 7.69 (m, 2H), 7.55 (m, 2H), 7.26 (m, 2H), 7.05 (m, 1H), 5.84 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 4.00 (m, 1H), 3.82 (m, 1H), 2.65 (m, 1H), 2.14 (m, 2H), 1.78 (m, 3H)。
9. 3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾールの調製
THF(6mL)および1M炭酸ナトリウム(8mg、0.075mmol)の混合物中に3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(30mg、0.0755mmol)、3−(メチルスルホニル)フェニルボロン酸(15mg、0.075mmol)およびトリフェニルホスフィン(2mg、0.007mmol)を溶解させ、酢酸パラジウム(II)(2mg、0.009mmol)を添加した。この溶液を還流状態で一晩加熱した。室温まで冷却した後、真空下で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(20mL)中に溶解させ、水(10mL)で洗浄した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(20mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、白色の固形物として表題化合物(8mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 9.93 (s, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.97 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.86 (m, 2H), 7.61 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.45 (m, 1H), 7.24 (m, 4H), 5.77 (dd, 1H, J = 2.4および9.6 Hz), 4.04 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.07 (s, 3H), 2.59 (m, 1H), 2.12 (m, 2H), 1.76 (m, 3H); ESI−MS [M+H]: 473.3。
10. 3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−1H−インダゾールの調製
CHCl(4mL)中の3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(7mg、0.015mmol)の溶液に、TFA(0.5mL、6.490mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、灰白色の固形物として表題化合物(4mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.84 (s, 1H), 8.39 (m, 1H), 7.17 (m, 1H), 7.95 (m, 1H), 7.85 (m, 2H), 7.78−7.73 (m, 3H), 7.28 (m, 2H); ESI−MS [M+H]: 389.3。
11. 3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−5−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−インダゾールの調製
乾燥THF(5mL)中に1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−5−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド(15mg、0.040mmol)およびo−フェニレンジアミン(5mg、0.046mmol)を溶解させ、2N HCl(1滴)を添加した。この溶液を穏やかな還流状態で30分間加熱し、次いで1N亜硫酸水素ナトリウム(1mL)を添加した。一晩還流状態にした後、この溶液を室温まで冷却し、酢酸エチル(25mL)で希釈した。混合物を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、50%の収率で薄黄色の固形物として表題化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 9.91 (s, 1H), 8.81 (s, 1H), 7.89−7.82 (m, 2H), 7.66 (m, 2H), 7.55−7.44 (m, 3H), 7.24 (m, 2H), 5.77 (dd, 1H, J = 2.4および9.2 Hz), 4.02 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 2.59 (m, 1H), 2.12 (m, 2H), 1.75 (m, 3H); ESI−MS [M+H]: 463.3。
12. 3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−インダゾールの調製
CHCl(4mL)中の3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−5−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−インダゾール(8mg、0.017mmol)の溶液に、TFA(0.5mL、6.490mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、50%の収率で灰白色の固形物として表題化合物を得た。ESI−MS[M+H]:379.2.
13. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−フルオロベンズアミドの調製
DMF(6mL)中の3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(10mg、0.029mmol)の溶液に、3−フルオロ安息香酸(10mg、0.029mmol)、HOBt(6mg、0.044mmol)、EDC(9mg、0.045mmol)および重炭酸ナトリウム(2.5mg、0.029mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、灰白色の固形物として表題化合物(8mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.40 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 8.15−8.13 (m, 2H), 7.95 (s, 1H), 7.58 (m, 2H), 7.52 (d, 1H, J = 9.6 Hz), 7.42−7.36 (m, 2H), 7.21 (m, 2H), 5.69 (dd, 1H, J = 2.4および9.2 Hz), 3.99 (m, 1H), 3.72 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.06 (m, 2H), 1.67 (m, 3H)。
14. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−フルオロベンズアミドの調製
CHCl(4mL)中のN−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−フルオロベンズアミド(9mg、0.019mmol)の溶液に、TFA(0.5mL、6.490mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、灰白色の固形物として表題化合物(4mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.77 (bs, 1H), 7.85 (m, 3H), 7.76 (m, 3H), 7.58 (m, 3H), 7.39−7.35 (m, 1H); ESI−MS [M+H]: 372.2。
15. 2−(4−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)フェニル)−2−メチルプロパンニトリルの調製
THF(6mL)および1M NaCO(aq)(10mg、0.094mmol)の混合物中に、3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(20mg、0.050mmol)、[4−(1シアノ−1−メチルエチル)フェニル]ボロン酸(10mg、0.074053mmol)およびトリフェニルホスフィン(2mg、0.007mmol)を溶解させた。酢酸パラジウム(1mg、0.004mmol)を添加し、溶液を還流状態で一晩加熱した。室温まで冷却した後、真空下で溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(25mL)中に溶解させ、水(20mL)で洗浄した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(25mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、表題化合物(7mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.79 (s, 1H), 7.80 (bs, 1H), 7.75 (m, 2H), 7.70 (m, 1H), 7.64 (m, 1H), 7.53−7.48 (m, 3H), 7.25−7.22 (m, 2H), 5.76 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 4.06 (m, 1H), 3.77 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 2.10 (m, 2H), 1.73 (m, 3H), 1.72 (s, 6H)。
16. 2−(4−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)フェニル)−2−メチルプロパンニトリルの調製
CHCl(4mL)中の2−(4−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(7mg、0.015mmol)の溶液に、TFA(0.25mL、3.245mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、55%の収率で表題化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.66 (bs, 1H), 7.87−7.80 (m, 6H), 7.66 (m, 2H), 7.56 (m, 2H), 1.78 (s, 6H); ESI−MS [M+H]: 378.3。
17. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−1,4−ジメチルピペリジン−4−カルボキサミドの調製
DMF(6mL)中の3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(6.4mg、0.019mmol)の溶液に、1,4−ジメチルピペリジン−4−カルボン酸(3mg、0.019mmol)、HOBt(4mg、0.029mmol)、EDC(5.5mg、0.028mmol)および重炭酸ナトリウム(1.6mg、0.019mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(3.5mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.54 (s, 1H), 7.77 (m, 1H), 7.71 (m, 2H), 7.38 (m, 2H), 7.29 (m, 2H), 5.94 (d, 1H, J = 8.0 Hz) 4.00 (m, 1H), 3.85 (m, 1H), 3.46 (m, 2H), 2.89 (s, 3H), 2.69 (m, 2H), 2.56 (m, 1H), 2.15 (m, 3H), 1.86 (m, 3H), 1.72 (m, 3H), 1.46 (s, 3H)。
18. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−1,4−ジメチルピペリジン−4−カルボキサミドの調製
CHCl(4mL)中のN−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−1,4−ジメチルピペリジン−4−カルボキサミド(5mg、0.010mmol)の溶液に、TFA(0.1mL、1.587mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、白色の固形物として表題化合物(2mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.49 (bs, 1H), 7.64 (m, 4H), 7.29 (m, 2H), 3.49 (m, 2H), 3.18 (m, 2H), 2.91(s, 3H), 2.59 (m, 2H), 1.46 (m, 2H), 1.28 (s, 3H); ESI−MS [M+H]: 389.3。
19. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−2,2−ジフルオロシクロプロパンカルボキサミドの調製
DMF(6mL)中の3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(20mg、0.059mmol)の溶液に、2,2−ジフルオロシクロプロパンカルボン酸(8mg、0.065mmol)、HOBt(12mg、0.089mmol)、EDC(17mg、0.089mmol)および重炭酸ナトリウム(56mg、0.059mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、50%の収率で固形物として表題化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.51 (s, 1H), 7.77 (m, 1H), 7.67 (m, 3H), 7.27 (m, 2H), 5.86 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 4.00 (m, 1H), 3.81 (m, 1H), 2.74−2.61 (m, 2H), 2.13 (m, 3H), 1.84 (m, 2H), 1.69 (m, 2H)。
20. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−2,2−ジフルオロシクロプロパンカルボキサミドの調製
CHCl(4mL)中のN−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−2,2−ジフルオロシクロプロパンカルボキサミド(10mg、0.023mmol)の溶液に、TFA(0.1mL、1.587mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、表題化合物(6mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.69 (s, 1H), 7.82 (m, 2H), 7.70 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.56−7.50 (m, 3H), 2.82−2.73 (m, 1H), 2.21−2.12 (m, 1H), 1.94−1.85 (m, 1H); ESI−MS [M+H]: 354.2。
21. 1−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)尿素の調製
CHCl(5mL)中の3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(20mg、0.059mmol)およびピリジン(0.02mL、0.177mmol)の溶液に、2,4−ジフルオロフェニルイソシアナート(10mg、0.064mmol)を添加し、混合物を24時間撹拌した。Celiteを通して反応混合物をろ過し、真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(2%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(15mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.39 (s, 1H), 8.04 (m, 1H), 7.86 (m, 1H), 7.72 (m, 3H), 7.27 (m, 2H), 7.00 (m, 1H), 6.92 (m, 1H), 5.92 (dd, 1H, J = 3.2および9.2 Hz), 4.02 (m, 1H), 3.85 (m, 1H), 2.67 (m, 1H), 2.14 (m, 1H), 1.71 (m, 1H), 1.28 (m, 3H)。
22. 1−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)尿素の調製
CHCl(4mL)中の1−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)尿素(15mg、0.030mmol)の溶液に、TFA(0.1mL、1.587mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、60%の収率で表題化合物を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.38 (s, 1H), 8.05−7.99 (m, 1H), 764 (m, 3H), 7.56 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.26 (m, 2H), 7.01 (m, 1H), 6.92 (m, 1H); ESI−MS [M+H]: 405.3。
23. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミドの調製
DMF(5mL)中の3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(15mg、0.045mmol)の溶液に、4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(8mg、0.048mmol)、HOBt(9mg、0.066mmol)、EDC(13mg、0.068mmol)および重炭酸ナトリウム(4mg、0.047mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、表題化合物(10mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.51 (s, 1H), 7.74 (m, 2H), 7.66 (m, 2H), 7.28 (m, 2H), 5.92 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 4.01 (m, 1H), 3.84 (m, 1H), 2.66 (m, 1H), 2.54−2.44 (m, 2H), 2.17 (m, 3H), 2.01−1.70 (m, 9H)。
24. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミドの調製
CHCl(4mL)中のN−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド(10mg)の溶液に、TFA(0.5mL、6.490mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、灰白色の固形物として表題化合物(6mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.67 (s, 1H), 7.80 (m, 2H), 7.69 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.52 (m, 3H), 2.57 (m, 1H), 2.18 (m, 2H), 2.01 (m, 2H), 1.97−1.87 (m, 3H); ESI−MS [M+H]: 396.3。
25. 1−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−シクロペンチル尿素の調製
CHCl(4mL)中の1−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−シクロペンチル尿素(6mg、0.013mmol)の溶液に、TFA(0.3mL、4.03mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、灰白色の固形物として表題化合物(4mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.36 (s, 1H), 7.81 (m, 2H), 7.60 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.46 (m, 3H), 4.11 (t, 1H, J = 6.4 Hz), 2.00 (m, 2H), 1.75 (m, 2H), 1.65 (m, 2H), 1.51 (m, 2H); ESI−MS [M+H]: 361.3。
26. 1−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−シクロプロピル尿素の調製
CHCl(5mL)中の3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(15mg、0.045mmol)およびピリジン(0.01mL、0.126mmol)の溶液に、シクロプロピルイソシアナート(4g、0.048mmol)を添加した。混合物を24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(2%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(10mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.22 (s, 1H), 7.93 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.83 (m, 1H), 7.49 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.27−7.24 (m, 2H), 7.17 (s, 1H), 5.71 (dd, 1H, J = 2.4および9.2 Hz), 4.04 (m, 1H), 3785 (m, 1H), 2.59 (m, 2H), 2.17−2.07 (m, 2H), 1.74 (m, 5H), 0.84 (q, 2H, J = 5.2 Hz)。
27. 1−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−シクロプロピル尿素の調製
CHCl(4mL)中の1−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−3−シクロプロピル尿素(10mg、0.024mmol)の溶液に、TFA(0.5mL、7.20mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、灰白色の固形物として表題化合物(6mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.53 (s, 1H), 7.69−7.67 (m, 2H), 7.59 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.27 (m, 3H), 3.91 (t, 2H, J = 5.6 Hz), 3.62 (m, 1H), 2.64 (t, 2H, J = 6.0 Hz); ESI−MS [M+H]: 333.1。
28. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボキサミドの調製
DMF(5mL)中の3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(20mg、0.059mmol)の溶液に、1−(ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(14mg、0.068mmol)、HOBt(12mg、0.088mmol)、EDC(17mg、0.088mmol)および重炭酸ナトリウム(5mg、0.059mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで溶媒を真空除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、表題化合物(12mg)を得た。
29. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボキサミドの調製
CHCl(4mL)中のN−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)−1−(ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド(12mg、0.023mmol)の溶液に、TFA(0.5mL、6.90mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、灰白色の固形物として表題化合物(7mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.50 (s, 1H), 8.10 (m, 2H), 7.73 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.65 (m, 2H), 7.57 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.27 (m, 2H), 6.94 (m, 2H), 4.17 (m, 2H), 3.11 (m, 2H), 2.77 (m, 1H), 2.03 (m, 2H), 1.89 (m, 2H); ESI−MS [M+2H/2]: 219.61。
30. (3,4−ジニトロフェニル)(モルホリノ)メタノンの調製
THF(7mL)中の3,4−ジニトロ安息香酸(200mg、0.943mmol)およびDMF(2滴)の溶液を塩化チオニル(0.14mL、224mmol)で処理し、次いで還流状態で2.5時間加熱した。混合物を0℃に冷却し、内部温度を0℃に維持しながらトリエチルアミン(286mg、1.883mmol)を25分間にわたり添加した。モルホリン(164mg、1.883mmol)を添加した。混合物を一晩撹拌し、周囲温度に温めた。フラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、表題化合物(150mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.36 (s, 1H), 8.10 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.28 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 3.79 (m, 4H), 3.16 (m, 4H)。
31. 4−(3,4−ジニトロベンジル)モルホリンの調製
水素化ホウ素ナトリウム(40mg、1.06mmol)を、窒素でフラッシングしたフラスコ中に入れ、THF(7mL)中で懸濁させた。混合物を0℃に冷却した後、三フッ化ホウ素エーテラート(0.13mL、1.06mmol)をシリンジにより添加し、続いて(3,4−ジニトロフェニル)(モルホリノ)メタノン(150mg、0.53mmol)を一度に添加した。懸濁液を室温で3時間撹拌した。メタノール(5mL)を0℃で反応混合物に添加し、混合物を還流状態で1時間加熱した。真空下で混合物を濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル(50mL)と飽和NaHCO(50mL)との間で分配した。有機相を分離し、水(30mL)および塩水(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(3%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(120mg)を得た。H NMR (400 MHz, CDOD): δ 8.03 (m, 2H), 7.85 (m, 1H), 3.71 (m, 6H), 2.49 (m, 4H)。
32. 4−(モルホリノメチル)ベンゼン−1,2−ジアミンの調製
窒素下、エタノール(10mL)中で4−(3,4−ジニトロベンジル)モルホリン(200mg、0.748mmol)および10%Pd/C(10mg)を懸濁させた。反応混合物の雰囲気を水素に換え、周囲温度および周囲圧力で24時間、水素化を継続した。容器を窒素パージし、次いでCeliteを通して混合物をろ過し、エタノール(10mL)でリンスした。真空下で溶媒を除去し、フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、65%の収率で表題化合物を得た。H NMR: (400 MHz, DMSO−d): δ 6.46 (s, 1H), 6.40 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 6.27 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 4.37 (s, 2H), 4.32 (s, 2H), 3.52 (m, 4H), 3.18 (m, 4H), 2.26 (m, 4H)。
33. 4−((2−(5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)メチル)モルホリンの調製
乾燥THF(8mL)中に5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド(85mg、0.309mmol)および4−(モルホリノメチル)ベンゼン−1,2−ジアミン(64mg、0.309mmol)を溶解させ、2N HCl(1滴)を添加した。この溶液を穏やかな還流状態で30分間加熱し、次いで1N亜硫酸水素ナトリウム(1mL)を添加した。一晩還流状態にした後、この溶液を室温まで冷却し、酢酸エチル(40mL)で希釈した。混合物を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、50%の収率で薄黄色の固形物として表題化合物を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 9.42 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 8.32 (dd, 1H, J = 2.0および8.8 Hz), 7.92−7.87 (m, 1H), 7.67 (m, 2H), 7.32 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 5.97 (dd, 1H, J = 2.8および8.8 Hz), 3.99 (m, 1H), 3.88−3.82 (m, 1H), 3.72 (m, 6H), 2.57 (m, 5H), 2.19 (m, 2H), 1.88 (m, 1H), 1.73 (m, 2H)。
34. 3−(6−(モルホリノメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミンの調製
エタノール(10mL)中の10%Pd/C(5mg)に、4−((2−(5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)メチル)モルホリン(20mg、0.043mmol)を添加し、次いで水素ガス(60psi)を室温で6時間接触させた。Celiteを通して反応混合物をろ過し、真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、白色固形物として表題化合物(15mg)を得た。
35. 2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(モルホリノメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
DMF(5mL)中の3−(6−(モルホリノメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(10mg、0.023mmol)の溶液に、2,2−ジフルオロシクロプロパンカルボン酸(3mg、0.024mmol)、HOBt(5mg、0.037mmol)、EDC(6.6mg、0.035mmol)および重炭酸ナトリウム(2mg、0.024mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(10mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.62 (s, 1H), 7.75−7.66 (m, 4H), 7.34 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 5.94 (dd, 1H, J = 2.8および9.6 Hz), 4.01 (m, 3H), 3.85 (m, 1H), 3.77 (m, 4H), 2.81 (m, 4H), 2.68 (m, 1H), 2.18−2.10 (m, 3H), 1.91−1.83 (m, 3H), 1.71 (m, 2H); ESI−MS [M+H]: 537.2。
36. 2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(モルホリノメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
CHCl(5mL)中の2,2−ジフルオロ−N−(3−(6−(モルホリノメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド(10mg、0.018mmol)の溶液に、TFA(0.15mL、1.86mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで溶媒を減圧除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(4mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.49 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 7.69 (dd, 1H, J = 1.6および8.8 Hz), 7.63−7.58 (m, 3H), 7.28 (m, 1H), 3.71 (m, 4H), 3.67 (m, 2H), 2.79−2.70 (m, 1H), 2.52 (m, 4H), 2.36−2.32 (m, 1H), 2.15−2.06 (m, 1H); ESI−MS [M+H]: 453.2。
37. 5−モルホリノ−2−ニトロアニリンの調製
トリエチルアミン(0.2mL、1.44mmol)の存在下で、モルホリン(75mg、0.86mmol)によりNMP(4.5mL)中の5−クロロ−2−ニトロアニリン(100mg、0.58mmol)の溶液を処理した。マイクロ波照射により反応混合物を100℃に1時間加熱し、冷却して溶媒を減圧除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製によって、77%の収率で表題化合物を得た。H NMR: (400 MHz, DMSO−d): δ 7.82 (d, 1H, J = 9.6 Hz), 7.29 (bs, 2H), 6.39 (dd, 1H, J = 2.8および9.6 Hz), 6.22 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 3.70 (m, 4H), 3.27 (m, 4H)。
38. 4−モルホリノベンゼン−1,2−ジアミンの調製
エタノール(25mL)中の10%Pd/C(25mg)に、5−モルホリノ−2−ニトロアニリン(200mg、0.896mmol)を添加し、次いで室温で一晩、水素ガス(60psi)を接触させた。Celiteを通して反応混合物をろ過し、溶媒を真空除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、表題化合物(150mg)を得た。H NMR: (400 MHz, DMSO−d ): δ 6.38 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 6.18 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 5.99 (dd, 1H, J = 2.4および8.4 Hz), 4.35 (bs, 2H), 3.97 (bs, 2H), 3.66 (m, 4H), 2.81 (m, 4H)。
39. 4−(2−(5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)モルホリンの調製
乾燥THF(10mL)中に5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド(214mg、0.777mmol)および4−モルホリノベンゼン−1,2−ジアミン(150mg、0.777mmol)を溶解させ、2N HCl(1滴)を添加した。この溶液を穏やかな還流状態で30分間加熱し、次いで1N亜硫酸水素ナトリウム(1mL)を添加した。一晩還流状態にした後、この溶液を室温まで冷却し、酢酸エチル(40mL)で希釈した。混合物を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、50%の収率で薄黄色の固形物として表題化合物を得た。H NMR: (400 MHz, DMSO−d): δ 9.49 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 8.41 (dd, 1H, J = 2.0および9.2 Hz), 8.00 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.71 (m, 1H), 7.12 (m, 2H), 6.05 (dd, 1H, J = 2.4および9.2 Hz), 4.75 (dd, 1H, J = 2.4および6.8 Hz), 4.05 (m, 1H), 3.89 (m, 4H), 3.63 (m, 1H), 3.54−3.47 (m, 1H), 3.22 (m, 4H), 2.21 (m, 2H), 1.87 (m, 1H), 1.73 (m, 1H)。
40. 3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミンの調製
エタノール(20mL)中の10%Pd/C(10mg)に、4−(2−(5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)モルホリン(50mg、0.111mmol)を添加し、次いで水素ガス(60psi)を室温で一晩接触させた。Celiteを通して反応混合物をろ過し、溶媒を真空除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(25mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 7.66 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.56−7.51 (m, 2H), 7.15 (m, 1H), 7.06−7.01 (m, 2H), 5.81 (dd, 1H, J = 2.4および9.6 Hz), 4.01 (m, 1H), 3.87 (m, 4H), 3.81 (m, 1H), 3.65 (t, 1H, J = 6.8 Hz), 3.16 (m, 4H), 2.67−2.58 (m, 1H), 2.16 (m, 1H), 2.08 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 1.69 (m, 1H)。
41. 2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
DMF(6mL)中の3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(20mg、0.048mmol)の溶液に、2,2−ジフルオロシクロプロパンカルボン酸(6.42mg、0.053mmol)、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(9.69mg、0.072mmol)、EDC(13.74mg、0.072mmol)および重炭酸ナトリウム(4.01mg、0.048mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製で、表題化合物(15mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.51 (s, 1H), 7.76−7.72 (m, 1H), 7.68 (m, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.05 (m, 2H), 5.86 (dd, 1H, J = 2.4および9.6 Hz), 3.99 (m, 1H), 3.86 (m, 4H), 3.81 (m, 1H), 3.16 (m, 4H), 2.77−2.69 (m, 1H), 2.61 (m, 1H), 2.18−2.08 (m, 3H), 1.89−1.80 (m, 2H), 1.74−1.68 (m, 2H); ESI−MS [M+H]: 523.2。
42. 2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
CHCl(5mL)中の2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド(15mg、0.029mmol)の溶液に、TFA(2.212μL,0.029mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、黄色の固形物として表題化合物(10mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.69 (d, 1H, J = 1.2 Hz), 7.71 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.68 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.48 (dd, 1H, J = 1.6および9.2 Hz), 7.35 (dd, 1H, J = 1.6および9.6 Hz), 7.19 (m, 1H), 3.88 (m, 4H), 3.26 (m, 4H), 2.82−2.74 (m, 1H), 2.19−2.12 (m, 1H), 1.93−1.87 (m, 1H); ESI−MS: [M+H]: 439.1。
43. 4,4−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロヘキサンカルボキサミドの調製
DMF(5mL)中の3−(6−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(10mg、0.024mmol)の溶液に、4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(3.92mg、0.024mmol)、HOBt(4.84mg、0.036mmol)、EDC(6.87mg、0.036mmol)および重炭酸ナトリウム(2.007mg、0.024mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、その後次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(6mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.49 (s, 1H), 7.76−7.70 (m, 2H), 7.57 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.17 (m, 1H), 7.07 (dd, 1H, J = 2.0 & 8.8 Hz), 5.90 (dd, 1H, J = 2.0および9.6 Hz), 4.01 (m, 1H), 3.86 (m, 4H), 3.81 (m, 1H), 3.17 (m, 4H), 2.65 (m, 1H), 2.53 (m, 1H), 2.43 (m, 1H), 2.18−2.10 (m, 2H), 1.99 (m, 3H), 1.92−1.82 (m, 4H), 1.75 (m, 3H); ESI−MS [M+H]: 565.17。
44. 4,4−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロヘキサンカルボキサミドの調製
CHCl(5mL)中の4,4−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロヘキサンカルボキサミド(6mg、10.63μmol)の溶液に、TFA(0.082mL、1.063mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、真空下で溶媒を除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(4mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.46 (s, 1H), 7.69 (m, 1H), 7.57 (m 2H), 7.18 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 7.07 (dd, 1H, J = 2.0および8.8 Hz), 3.88 (m, 4H), 3.18 (m, 4H), 2.55 (m, 1H), 2.17 (m, 2H), 2.01 (m, 2H), 1.96−1.83 (m, 4H); ESI−MS [M+H]: 481.28。
45. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
DMF(5mL)中の3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(25mg、0.075mmol)の溶液に、シクロプロパンカルボン酸(6.46mg、0.075mmol)、HOBT(15.20mg、0.112mmol)、EDC(21.56mg、0.112mmol)および重炭酸ナトリウム(6.30mg、0.075mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(20mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.50 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 7.96 (s, 1H), 7.75 (dd, 1H, J = 2.0および8.8 Hz), 7.65 (m, 2H), 7.26 (m, 2H), 5.86 (dd, 1H, J = 2.0および9.2 Hz), 3.97 (m, 1H), 3.81 (m, 1H), 2.63 (m, 1H), 2.14 (m, 2H), 1.82 (m, 2H), 1.68 (m, 2H), 0.99 (m, 2H), 0.87 (m, 2H); ESI−MS [M+H]: 402.22。
46. N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
CHCl(5mL)中のN−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド(20mg、0.050mmol)の溶液に、TFA(568mg、4.98mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、薄黄色の固形物として表題化合物(10mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.63 (s, 1H), 7.80 (m, 2H), 7.68 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.57 (m 2H), 7.49 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 1.85 (m, 1H), 1.03 (m, 2H), 0.92 (m, 2H); ESI−MS [M+H]: 318.06。
47. N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
DMF(6mL)中のシクロプロパンカルボン酸(6.17mg、0.072mmol)の溶液に、3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(30mg、0.072mmol)、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(14.53mg、0.108mmol)、EDC(20.61mg、0.108mmol)および重炭酸ナトリウム(6.02mg、0.072mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(20mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.47 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 7.75 (dd, 1H, J = 2.0および9.2 Hz), 7.67 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.55 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.14 (m, 1H), 7.05 (dd, 1H, J = 2.0および8.4 Hz), 5.86 (dd, 1H, J = 2.4および9.6 Hz), 3.98 (m, 1H), 3.87 (m 4H), 3.81 (m, 1H), 3.16 (m, 4H), 2.64 (m, 1H), 2.14 (m, 2H), 1.81 (m, 2H), 1.71 (m, 2H), 0.99 (m, 2H), 0.88 (m, 2H); ESI−MS [M+H]:487.22。
48. N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
CHCl(5mL)中のN−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド(15mg、0.031mmol)の溶液に、TFA(0.238mL、3.08mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで溶媒を真空除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(10mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.59 (d, 1H, J = 1.2 Hz), 7.66 (m, 2H), 7.47 (dd, 1H, J = 1.6および9.2 Hz), 7.31 (dd, 1H, J = 2.0および9.2 Hz), 7.16 (s, 1H), 3.87 (m,4H), 3.23 (m, 4H), 1.85 (m, 1H), 1.03 (m, 2H), 0.93 (m, 2H); ESI−MS [M+H]: 403.19。
49. 5−(2−メチルモルホリノ)−2−ニトロアニリンの調製
トリエチルアミン(0.404mL、2.90mmol)の存在下で、NMP(5mL)中の2−メチルモルホリン(176mg、1.738mmol)の溶液に、5−クロロ−2−ニトロアニリン(200mg、1.159mmol)を添加した。マイクロ波照射により反応混合物を100℃に1時間加熱し、冷却して溶媒を減圧除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、70%の収率で固形物として表題化合物を得た。H NMR: (400 MHz, DMSO−d): δ 7.79 (d, 1H, J = 9.6 Hz), 7.25 (bs, 2H), 6.39 (dd, 1H, J = 2.8および9.6 Hz), 6.20 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 3.88 (dd, 1H, J = 2.8および12.0 Hz), 3.69 (d, 1H, J = 12.8 Hz), 3.56 (m, 2H), 2.82 (m, 1H), 2.15 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 1.88 (m, 1H), 1.12 (d, 3H, J = 6.0 Hz)。
50. 4−(2−メチルモルホリノ)ベンゼン−1,2−ジアミンの調製
エタノール(25mL)中の10%Pd/C(25mg)に、5−(2−メチルモルホリノ)−2−ニトロアニリン(200mg、0.843mmol)を添加し、次いで室温で一晩、水素ガス(60psi)を接触させた。Celiteを通して反応混合物をろ過し、真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、表題化合物(150mg)を得た。H NMR: (400 MHz, DMSO−d): δ 6.38 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 6.18 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 5.99 (dd, 1H, J = 2.8および8.0 Hz), 4.34 (bs, 2H), 3.96 (bs, 2H), 3.82 (m, 1H), 3.57 (m, 2H), 3.19 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 3.11 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 2.44 (m, 1H), 2.13 (t, 1H, J = 11.2 Hz), 1.08 (d, 3H, J = 6.4 Hz)。
51. 2−メチル−4−(2−(5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)モルホリンの調製
THF(10mL)中に5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−カルボアルデヒド(150mg、0.545mmol)および4−(2−メチルモルホリノ)ベンゼン−1,2−ジアミン(113mg、0.545mmol)を溶解させ、2N HCl(1滴)を添加した。この溶液を穏やかな還流状態で30分間加熱した。次いで、1N亜硫酸水素ナトリウム(104mg、1mmol;2mLの1N溶液)を添加し、還流状態(70℃)で一晩加熱した。溶液を室温まで冷却し、酢酸エチル(40mL)で希釈した。混合物を水および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、表題化合物(140mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDCl): δ 9.56 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 8.28 (m, 1H), 7.74 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.64 (m, 1H), 7.36 (m, 1H), 7.03−6.96 (m, 1H), 5.75 (dd, 1H, J = 2.8および6.4 Hz), 3.99 (m, 2H), 3.79 (m, 3H), 3.38 (m, 2H), 2.84 (m, 1H), 2.51 (m, 2H), 2.11 (m, 2H), 1.86 (m, 1H), 1.74 (m, 2H), 1.22 (d, 3H, J = 6.4 Hz)。
52. 3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミンの調製
エタノール(25mL)中の10%Pd/C(10mg)に、2−メチル−4−(2−(5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)モルホリン(60mg、0.130mmol)を添加し、次いで水素ガス(60psi)を室温で8時間接触させた。Celiteを通して反応混合物をろ過し、真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、表題化合物(40mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 7.66 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.52 (m, 2H), 7.13 (s, 1H), 7.04−7.00 (m, 2H), 5.79 (dd, 1H, J = 2.4および9.2 Hz), 3.97 (m, 2H), 3.79 (m, 3H), 3.49 (m, 1H), 3.41 (m, 1H), 2.76 (m, 1H), 2.62 (m, 1H), 2.44 (m, 1H), 2.13 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.80 (m, 1H), 1.68 (m, 2H), 1.22 (d, 3H, J = 6.4 Hz); ESI−MS [M+H]: 433.2。
53. 2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
DMF(6mL)中の2,2−ジフルオロシクロプロパンカルボン酸(5.64mg、0.046mmol)の溶液に、3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(20mg、0.046mmol)、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(9.37mg、0.069mmol)、EDC(13.30mg、0.069mmol)および重炭酸ナトリウム(3.88mg、0.046mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(16mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.51 (s, 1H), 7.75−7.65 (m, 2H), 7.56 (m, 1H), 7.04 (m, 2H), 5.84 (dd, 1H, J = 2.4および9.6 Hz), 3.98 (m, 2H), 3.80 (m, 3H), 3.51 (m, 1H), 3.43 (m, 1H), 2.77 (m, 2H), 2.60 (m, 1H), 2.11 (m, 3H), 1.85 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 1.23 (d, 3H, J = 6.0 Hz); ESI−MS [M+H]: 537.1。
54. 2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
CHCl(5mL)中の2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド(15mg、0.028mmol)の溶液に、TFA(0.215mL、2.80mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(9mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.44 (d, 1H, J = 0.8 Hz), 7.64 (dd, 1H, J = 1.6および8.8 Hz), 7.58−7.54 (m, 2H), 7.17 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 7.04 (dd, 1H, J = 2.0および8.8 Hz), 3.99 (m, 1H), 3.82 (m, 2H), 3.52 (m, 1H), 3.44 (m, 1H), 2.84−2.70 (m, 2H), 2.47 (m, 1H), 2.12 (m, 1H), 1.85 (m, 1H), 1.24 (d, 3H, J = 6.0 Hz); ESI−MS [M+H]: 453.1。
55. 5−(4−メチルピペリジン−1−イル)−2−ニトロアニリンの調製
トリエチルアミン(0.404mL、2.90mmol)の存在下で、NMP(5mL)中の5−クロロ−2−ニトロアニリン(200mg、1.159mmol)の溶液に、4−メチルピペリジン(172mg、1.738mmol)を添加した。マイクロ波照射により反応混合物を100℃に1時間加熱した。冷却して溶媒を減圧除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(300mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDCl3): δ 7.98 (d, 1H, J = 10.0 Hz), 6.26 (dd, 1H, J = 2.8および10.0 Hz), 6.13 (bs, 2H), 5.92 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 3.85 (m, 2H), 2.89 (m, 2H), 1.72 (m, 2H), 1.62 (m, 1H), 1.23 (m, 2H), 0.96 (d, 3H, J = 6.8 Hz)。
56. 4−(4−メチルピペリジン−1−イル)ベンゼン−1,2−ジアミンの調製
エタノール(25mL)中の10%Pd/C(10mg)に、5−(4−メチルピペリジン−1−イル)−2−ニトロアニリン(200mg、0.850mmol)を添加し、次いで室温で24時間、水素ガス(60psi)を接触させた。TLCにより反応完了が示されたら、Celiteを通して反応混合物をろ過し、真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、褐色の固形物として表題化合物(150mg)を得た。H NMR: (400 MHz, DMSO−d): δ 6.35 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 6.19 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 5.99 (m, 1H), 4.29 (bs, 2H), 3.92 (bs, 2H), 3.26 (m, 2H), 2.39 (m, 2H), 1.61 (m, 2H), 1.36 (m, 1H), 1.20 (m, 2H), 0.89 (d, 3H, J = 6.8 Hz); ESI−MS [M+H]: 206.1。
57. 3−(5−(4−メチルピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミンの調製
エタノール(25mL)中の10%Pd/C(2.302mg、0.022mmol)に、3−(5−(4−メチルピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−5−ニトロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(100mg、0.217mmol)を添加し、次いで室温で8時間、水素ガス(60psi)を接触させた。Celiteを通して反応混合物をろ過し、真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(75mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 7.66 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.51 (m, 2H), 7.17 (bs, 1H), 7.05−7.00 (m, 2H), 5.78 (dd, 1H, J = 2.4 & 9.2 Hz), 3.98 (m, 1H), 3.78 (m, 1H), 3.56 (m, 2H), 2.67 (m, 3H), 2.14−2.03 (m, 2H), 1.76 (m, 3H), 1.65 (m, 2H), 1.40 (m, 3H), 0.98 (d, 3H, J = 6.0 Hz); ESI−MS [M+H]: 431.3。
58. 2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(4−メチルピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
DMF(6mL)中の2,2−ジフルオロシクロプロパンカルボン酸(14.18mg、0.116mmol)の溶液に、3−(5−(4−メチルピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−アミン(50mg、0.116mmol)、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(HOBt)(23.54mg、0.174mmol)、EDC(33.4mg、0.174mmol)および重炭酸ナトリウム(9.76mg、0.116mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(6%CHOH/CHCl)による精製によって、表題化合物(35mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.49 (s, 1H), 7.75 (m, 1H), 7.66 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.54 (bs, 1H), 7.06 (m, 2H), 5.84 (dd, 1H, J = 2.8および9.2 Hz), 3.96 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.58 (m, 2H), 2.69 (m, 4H), 2.11 (m, 3H), 1.82 (m, 4H), 1.70 (m, 2H), 1.49 (m, 1H), 1.41 (m, 2H), 0.99 (d, 3H, J = 6.0 Hz); ESI−MS [M+H]: 535.2。
59. 2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(4−メチルピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパン−カルボキサミドの調製
CHCl(5mL)中の2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(4−メチルピペリジン−1−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド(30mg、0.056mmol)の溶液に、TFA(0.432mL、5.61mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、灰白色の固形物として表題化合物(20mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.48 (d, 1H, J = 1.2 Hz), 7.43 (dd, 1H, J = 1.2および8.8 Hz), 7.55 (m, 2H), 7.20 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.06 (dd, 1H, J = 2.0および9.2 Hz), 3.59 (m, 2H), 2.73 (m, 3H), 2.13 (m, 1H), 1.89−1.77 (m, 3H), 1.53−1.37 (m, 3H), 1.00 (d, 3H, J = 6.0 Hz); ESI−MS [M+H]: 451.2。
60. 2,2−ジフルオロ−N−(3−(6−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−4−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
CHCl(5mL)中の2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−4−イル)シクロプロパンカルボキサミド(15mg、0.029mmol)の溶液に、TFA(327mg、2.87mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(8mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.18 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.49 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.35 (m, 1H), 7.25 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.18 (s, 1H), 7.09 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 3.89 (m, 4H), 3.22 (m, 4H), 3.08−3.01 (m, 1H), 2.21−2.15 (m, 1H), 1.96 (m, 1H); ESI−MS [M+H]: 439.1。
61. 2,2−ジフルオロ−N−(3−(6−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)シクロプロパンカルボキサミドの調製
CHCl(5mL)中の2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)シクロプロパンカルボキサミド(25mg、0.048mmol)の溶液に、TFA(546mg、4.78mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで真空下で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(5%CHOH/CHCl)による精製によって、固形物として表題化合物(11mg)を得た。H NMR: (400 MHz, CDOD): δ 8.28 (d, 1H, J = 1.2 Hz), 8.19 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.61 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.33 (dd, 1H, J = 1.6および8.8 Hz), 7.25 (dd, 1H, J = 2.0および8.8 Hz), 7.13 (s, 1H), 3.86 (m, 4H), 3.21 (m, 4H), 2.78−2.70 (m, 1H), 2.14 (m, 1H), 1.90−1.84 (m, 1H); ESI−MS [M+H]: 439.1。
62.細胞培養
細胞系は全て、10%ウシ胎仔血清(「FBS」)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(100IU/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシン)を追加したRPMI−1640培地中で、37℃および5%COにて培養した。これらの研究で使用した細胞系には、AN3−CA(ATCC#HTB−111)、RL95−2(ATCC#CRL−1671)およびHEC−1−A(ATCC#HTB−112)が含まれた。
63.ウエスタンブロッティング
細胞をPBSで洗浄し、氷上で30分間、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche Applied Science,a division of Roche Diagnostics Corporation,Indianapolis,Indiana)およびホスファターゼ阻害剤カクテル(Roche)を追加したMP−40溶解緩衝液(Invitrogen Corporation,Carlsbad,California)中で細胞をインキュベートすることによって全細胞溶解液を調製した。4℃で10分間、溶解液を12,000rpmで遠心分離した後、上清を回収した。BCAアッセイを用いてタンパク質濃度を測定した。同量のタンパク質をNuPAGE4−12%Bis−Trisゲル上で泳動し、次いでPVDF膜上に移した。室温で1時間、Odysseyブロッキング緩衝液でブロッキング処理した後、一次抗体(Cell Signaling Technology,Inc.,Danvers,Massachussetts)とともに4℃で一晩、膜をインキュベートし、続いてIRDye二次抗体とともに40分間インキュベートした。Odyssey Infrared Imaging Systemを用いて膜をスキャンした。In−Cellウエスタンブロッティングの場合、1000、300、100、30、10もしくは3nMの濃度の薬物またはビヒクルで37℃にて2時間、AN3−CA細胞を処理した。PhosphoPlus In−Cell Duet Protocol(Cell Signaling)に従い、細胞を処理した。Odyssey Infrared Imaging Systemを用いてプレートをすぐにスキャンした。
64.shRNAノックダウン実験
PTEN shRNAまたはスクランブルsiRNA(ssi RNA)を有するレンチウイルス粒子をThermo Scientificから購入した。24ウェルプレートで細胞を播種し、PRMI完全培地中で一晩インキュベートした。培地を除去し、血清/抗生物質不含RPMI培地中のsiRNAまたはssiRNA粒子の何れかを用いて細胞にトランスフェクトした。形質導入6時間後、1mLの完全培地(血清+ペニシリン/ストレプトマイシン)を添加し、細胞を一晩インキュベートした。形質導入48時間後、ピューロマイシン入りの新鮮な培地を添加した。培地を新鮮なピューロマイシン含有培地に2日ごとに交換した。qPCRおよびウエスタンブロット分析を使用してPTENノックダウンレベルを評価した。
65.PDK1 ATP枯渇キナーゼアッセイ
化合物阻害活性についての一次アッセイは、本明細書中に記載のATP枯渇アッセイであった。試験化合物をキナーゼ反応緩衝液中で所望の濃度に希釈し、ヒスチジンタグ付加ヒト組み換えPDK1キナーゼ(Invitrogen Corporation,Carlsbad,California)とともに短時間インキュベートした。続いて、ATPおよびPDKtide基質(Millipore Corporation,Billerica,Massachussetts)の添加によって反応を開始させた。PDKtideは、配列:KTFCG TPEYL APEVR REPRI LSEEE QEMFR DFDYI ADWCを有する、合成PDKペプチド基質である。このアッセイに対する最終濃度は(総体積10μL):1%DMSO、6.7ng/mL PDK1、4μM ATPおよび70μM PDKtide基質であった。室温で60分間インキュベートした後、10μLのKinase−Glo試薬(Promega Corporation,Madison,Wisconsin)を各ウェルに添加し、さらに10分間インキュベートした。EnVisionマイクロプレートリーダー(PerkinElmer)上で発光を測定した。各反応からの発光量は、PDK1キナーゼ活性と逆相関する。薬物処理したウェル中の酵素活性を適切な対照、例えばビヒクル対照と比較することによって、%阻害およびIC50値を計算し得る。
66.PDK1結合アッセイ
本明細書中に記載のような二次アッセイを用いて化合物の活性を通常どおり評価した。二次アッセイは、時間分解−FRET LanthaScreenキナーゼ結合アッセイ(Invitrogen Corporation,Carlsbad,California)であった。このアッセイは、キナーゼのATPポケットでの結合に対する、試験化合物の、蛍光標識トレーサー分子との競合能を評価する。トレーサー分子がキナーゼのATPポケットで結合することで、Hisタグ付加キナーゼと結合したユーロピウム結合抗Hisタグ抗体(Invitrogen)がTR−FRETシグナルを生成させると、アッセイシグナルが生成する。この反応において、5μLの試験化合物を5μLのキナーゼ/抗体混合物とともにインキュベートし、次いで5μLのキナーゼトレーサー236(Invitrogen)を添加した。アッセイに対する最終濃度(総体積15μL)は、1%DMSO、5nM PDK1、2nM Eu−抗His抗体および6nMキナーゼトレーサー236であった。室温で60分間インキュベートした後、EnVisionマイクロプレートリーダーにおいてTR−FRETシグナルを測定した。
67.PDK1蛍光定量的活性アッセイ
Life Technologies(Grand Island,New York)により行われる蛍光定量アッセイによって、PDK1生化学活性を測定した。PDK1に対するアッセイ条件は次のとおりである。50mM Tris pH8.5、0.01%BRIJ−35、10mM MgCl2、1mM EGTA、0.02%NaN3中で、2XPDK1/Ser/Thr−07混合物を調製する。最終的な10μLキナーゼ反応は、7.36から38.7ngのPDK1および2μM Ser/Thr07からなる。1時間のキナーゼ反応のインキュベーション後、5μLの、発色試薬Aの1:32768希釈液を添加する。
68.細胞生存度アッセイ
384ウェル白色プレート中、ウェルあたり細胞1000個の密度で、10%FBSおよび1%Pen/Strepを追加した45μLのRPMI−1640培地中で、AN3−CA(PTEN欠損)、RL95−2(PTEN欠損)およびHEC−1A(PTEN−野生型)細胞を播いた。37℃および5%COで一晩インキュベートすることによって、細胞を接着させた。RPMI−1640培地(3%DMSO含有)中で10x濃度に試験化合物を希釈し、細胞を含有する適切なウェルに5μLのこれらの希釈液を三連で添加した。薬物で処理した細胞および適切な対照を含有するプレートを96時間インキュベートした。インキュベーション終了時、40μLのATP−lite(PerkinElmer,Inc.,Waltham,Massachussetts)試薬を各ウェルに添加し、EnVisionマイクロプレートリーダー上で発光シグナルを測定した。
あるいは、45μLの細胞培養液中で96ウェル培養プレートのウェルあたり細胞2000個の密度でAN3−CA、RL95−2、HEC−1A子宮内膜がん細胞系を播き、一晩インキュベートした。翌日、5μLの血清不含培地中の細胞に試験化合物を添加し、10、3、1、0.3、0.1、0.03、0.01または0.003μMの最終濃度とした。ビヒクル処理対照もインキュベートし、各条件を四連で適用した。インキュベーション96時間後、35μLのATP−lite(PerkinElmer)試薬を各ウェルに添加し、10分間反応させた。Envision 2104 MultiLabelリーダー(PerkinElmer)上でプレートの読み取りを行った。
69.AKT(T308)リン酸化アッセイ
6ウェルプレートのウェルあたり細胞8×10個の密度で、10%FBSおよび1%Pen/Strepを追加した900μLのRPMI−1640培地中でAN3−CA細胞を播いた。37℃および5%COで一晩インキュベートすることによって、細胞を接着させた。RPMI−1640培地(3%DMSO含有)中で10x濃度に試験化合物を希釈し、細胞を含有する適切なウェルに100μLのこれらの希釈液を添加した。薬物で処理した細胞および適切な対照を含有するプレートを24時間インキュベートした。インキュベーション終了時、Meso Scale Discovery(Gaithersburg,Maryland)アッセイキット(ヒトホスホ−Akt(Thr308)キット)を使用し、キットとともに含まれる製造者の説明書に従うことによって、処理試料および対照試料においてリン酸化AKTを評価した。別個のキット(Meso Scale Discovery)を用いて試料において総AKT(リン酸化および非リン酸化)も評価した。ホスホ−AKTシグナルを総AKTシグナルに対して正規化し、次いで対照に対する処理試料での%リン酸化を示すことによって、Thr308位(本明細書中でT308としても示される)でリン酸化されたAKTの%を調べた。
70.IC50の計算
GraphPad Prism5ソフトウェアを用いてIC50値を決定する。薬物の各濃度に対する%阻害として、X−Yプロットとしてソフトウェアにデータを入力した。薬物の濃度値を対数変換し、GraphPadソフトウェア内の「シグモイド用量−反応(可変の傾き)」オプションを使用して、非線形回帰を行い、データをモデル化し、IC50値を計算した。報告されるIC50値は、50%阻害が達成された薬物濃度である。
71.キナーゼ活性の阻害:代表的化合物に対するIC50の決定
PDK1時間分解−FRET LanthaScreenキナーゼ結合アッセイにおけるIC50決定の典型例を図5で示す。試験する化合物は、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドおよび2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド(図面においてそれぞれ「試験化合物1」および「試験化合物2」と表示)であった。示されるデータにおいて、本化合物は、上記のように三連で試験した。このアッセイから得られたIC50値は、試験化合物1および2に対してそれぞれ、80nMおよび94nMであった。これらの化合物からの同様の活性が、発光に基づく活性アッセイで観察された。
72.細胞生存度アッセイにおける化合物活性
上述の細胞生存度アッセイを用いて、化合物が培養細胞の生存度を阻害する能力を調べた。指定の細胞系(AN3−CA、RL95−2およびHEC−1A)を用いて試験した化合物に対して、代表的な化合物に対する活性データを下記表Vで示す。これらの細胞系は、異なる変異バックグラウンド:AN3−CA(PTENおよびPIK3R1変異)、RL−95−2(PTEN変異)およびHEC−1A(どちらにも変異なし)を有する。上述のようにIC50値を決定した。
代表的試験化合物、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドに対して、細胞生存度アッセイにおけるIC50決定の典型例を図6で示す。図6のデータから、本試験化合物が、PTEN機能喪失変異がある細胞および特に、PI3Kにおいて活性化変異も有する細胞において、選択的な活性を示したことが分かった。すなわち、本試験化合物は、AN3−CA(PTENおよびPIK3R1変異)に対して最も強力であり、RL−95−2(PTEN変異)に対して中程度に効力があり、HEC−1A(PTEN遺伝子にもPIK3R1遺伝子にも変異がない)に対して比較的不活性であった。特定の理論により縛られることを望むものではないが、PDK1阻害の治療効果は、PTEN機能喪失をもたらす変異および/またはPI3K活性化変異を含め、PI3K/Akt経路においてさらなる欠陥がある細胞において高まると考えられる。
73.2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの阻害に対する感受性における変異状況の影響
PDK1阻害は、いくつかのモデル系において、PTEN機能喪失型の変異により合成致死となることが提案され、そして実証されている。これを念頭に置き、上述の細胞生存度アッセイを用いて、PTEN変異および/またはPI3K活性化変異を有した小規模ながん細胞系パネルにおいて、代表的試験化合物、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの活性を調べた。データを下記表VIで示す。このデータから、この化合物での処理に対する感受性が最大レベルの2種類の細胞系は、子宮内膜がん株AN3−CAおよびRL95−2であったことが示されるが、この両者ともPTEN機能喪失型変異を有する(表VI)。
パネル中の細胞系において含有されるさらなる変異を考慮したこれらのデータのさらなる分析から、最も感受性であるこの2種類の株は、PTEN(PI3K/AKT経路の負の制御因子)における変異だけでなく、これらはそれぞれ、この経路の活性化変異も有することが示唆された。例えば、AN3−CA細胞は、PI3Kの制御サブユニットであるPIK3R1においてさらなる変異を有し、RL95−2細胞は、PI3K/AKT経路に対して下流にシグナルを伝達するHRASにおいて変異を有する。何らかの特定の理論により縛られることを望むものではないが、この試験化合物に対するこの感受性には、PTEN機能喪失および、直接的な変異を通じた、またはAKT活性化につながる付属的な経路における変異による、PI3K/AKT経路のさらなる活性化が必要であったと考えられる。さらに、特定の理論により縛られることを望むものではないが、本開示化合物は、PTEN変異を有するがん細胞において選択的活性を有し得、PTEN変異およびPI3Kの両方がある標的細胞においてはさらに高い活性を有し得る。
この化合物に対して著しい感受性があるさらなる細胞系があるか否かを調べるために、20種類を超える異なる腫瘍タイプ由来に相当するさらなる82種類の細胞系をスクリーニングした。10μMから下がって3nMまでの範囲の8点の濃度の連続希釈液を用いて、試験化合物に対するIC50を決定した。このスクリーニングのデータから、68種類の細胞系のIC50が、1μMより大きく、9種類の細胞系のIC50が、数百ナノモル濃度の範囲であり、5種類の細胞系のIC50が、100nM未満であることが示された。元のAN3−CAおよびRL95−2細胞系に加えて、KG−1、MV4−11およびKasumi細胞系は全て、本試験化合物に対して非常に感受性が高いことが分かった。特定の理論により縛られることを望むものではないが、これらの3種類のさらなる細胞系は全て、PI3K活性上昇と関連付けられているがん遺伝子において異なる活性化変異を有する急性骨髄性白血病株である。MV4−11は、FLT3遺伝子内縦列重複(ITD)を有し、Kasumi−1は、c−kitの増幅および変異ならびにAML−ETO遺伝子融合を有する。KG−1は、del(5q)を有するAML株であり、構成的PI3K/AKT活性およびm−TOR阻害剤に対する感受性を示す。3種類の株は全て、野生型PTENを有するが、PTENタンパク質の発現レベルが非常に低く、そのため、PTENの機能が不十分となっている。
子宮内膜がん細胞系、AN3−CA、RL−95−AおよびHEC−1Aで行われた別個の実験において、2種類の試験化合物に対してIC50値を決定した(下記表VIIのデータ)。表VIIにおいて、試験化合物1は、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドであり、試験化合物2は、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドであることに注意されたい。上記で論じたように、これらの細胞系は、PI3K/AKT経路に対して特定の変異プロファイルを有する。さらに、HEC−1A細胞は、PIK3CA(PI3Kの触媒サブユニット)において変異を有する。試験化合物1は、AN3−CA細胞に対して、IC50が27nMという強力な活性を示し、RL−95−Aに対しては中程度(479nM)、HEC−1A細胞系に対しては非常に低い(3.78μM)活性を示した。表VIIで示されるように、これらのアッセイにおいて試験化合物2を用いて同様の結果が得られた。
74.shRNAによる、PTEN発現のノックダウン
本開示化合物に対する感受性を媒介することにおけるPTEN機能喪失およびPI3K活性化の役割を調べるために、shRNAを使用して、変異型PIK3R1および野生型PTENを有するHS578T細胞系においてPTEN発現を低下させた。試験化合物1、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)について図9Aでデータを示し、試験化合物2、(2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)について図9Bでデータを示す。図面において、細胞生存度は「毒性」として示し、上述のように細胞生存度アッセイを行った。これらのデータから、shRNA処理によりPTEN発現が低下した細胞は、本試験化合物への曝露に対して感受性がより高かったことが示される。例えば、細胞生存度に対する試験化合物1のIC50は、対照処理細胞では3.1μMであったが、PTENノックダウンshRNA処理細胞ではIC50が1.2μMであった。同様に、試験化合物2のIC50は、対照細胞において2.2μMであったが、PTENノックダウン細胞ではわずか0.80μMであった。
75.2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドによるAKT(T308)リン酸化阻害アッセイ
細胞系系統でPDK1を阻害することにおける、代表的化合物、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの活性をさらに探索するために、AKTリン酸化(位置Thr308におけるもの)に対するこの試験化合物の影響を調べた。簡潔に述べると、AN3−CA細胞を本化合物で24時間処理し、上述のようにMeso Scale Discovery技術プラットホームを用いて、これらの処理からの溶解液をホスホーAKT(Thr308)について分析した。ある実験からのデータを図7Aで示す。別個の実験からのデータを図7Bで示す。
pAKTレベルが対照の50%未満にノックダウンされている場合、本試験化合物は、100nMという低い薬物濃度で有効性を示し、これは、細胞生存度アッセイにおける低nM活性と強い相関がある。例えば、本試験化合物が、図7Aにおいて、51nMのIC50で用量依存的にホスホ−AKTレベルを効果的にノックダウンしたことが分かり得る。この値は、細胞生存度アッセイで得られたIC50値(48nM)と非常に近い。
さらに、In−Cellウエスタン法を用いて試験化合物および第二の化合物、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドを評価し、AN3−CA細胞におけるmTORの下流であるリボソームタンパク質s6のリン酸化レベルを評価した(データは示さない)。簡潔に述べると、総S6タンパク質またはそのタンパク質の中のリン酸化形態の何れかに特異的な、異なって標識された抗体を用いて、リボソームタンパク質S6を検出した。各抗体に対するシグナルの視覚的重ね合わせ、例えば総リボソームタンパク質s6(赤)およびホスホ−リボソームタンパク質s6(緑)によるIn−cell検出によって、同時(simulataneous)検出および定量が可能となった。シグナル強度の定量により、本試験化合物に対するIC50値の決定が可能となった。データから、両化合物が、それぞれ75.6nMおよび76.7nMというIC50値でリボソームタンパク質s6のリン酸化を効果的に低下させることが示された。
特定の理論により縛られることを望むものではないが、AN3−CA細胞における細胞生存度低下に関与するメカニズムには、PDK1阻害を通じてホスホ−AKTを減少させることが含まれると考えられる。
76.2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドのキナーゼ阻害特異性
代表的化合物、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドを用いて、プロテインキナーゼのパネルに対してこの試験化合物の活性を決定することによって、キナーゼ阻害の特異性を評価した。このパネルには78種類の別個のプロテインキナーゼが含まれ、一部の20種類のキナーゼ(kinease)に対してデータを示す(図8参照)。PDK1シグナル伝達に関するキナーゼに絞ったパネルおよび他の既知の発がん性キナーゼに対してキナーゼプロファイリングを行った。500nMで行った場合の活性プロファイリングおよびその濃度での%阻害を、示される各キナーゼに対して決定した。
Life Technologies(Grand Island,New York)により行われる蛍光定量アッセイを用いて、キナーゼ特異性を測定した。アッセイ条件は各キナーゼに対して様々であり、Life Technologies(http://www.invitrogen.com/site/us/en/home/Products−and−Services/Services/custom−services/Screening−and−Profiling−Services/SelectScreen−Profiling−Service/SelectScreen−Kinase−Profiling−Service.html;2012年3月25日アクセス)により要約されている。例えば、PDK1に対するアッセイ条件は次のとおりである。50mM Tris pH8.5、0.01%BRIJ−35、10mM MgCl2、1mM EGTA、0.02%NaN3中で、2XPDK1/Ser/Thr−07混合物を調製する。最終的な10μLキナーゼ反応は、7.36から38.7ngのPDK1および2μM Ser/Thr07からなる。1時間のキナーゼ反応のインキュベーション後、5μLの、発色試薬Aの1:32768希釈液を添加する。
このキナーゼサブセットは、PI3K/AKTおよびMAPKシグナル伝達経路におけるパネルキナーゼに相当し、いくつかのがん関連受容体チロシンキナーゼ(RTK)も含まれた。このスクリーニングからの結果によって、PDK1に対する良好な活性が確認され、また、本試験化合物が、AKTの下流のキナーゼであるp70S6Kを除き、PI3K/AKTシグナル伝達経路における他のキナーゼに対して強力な活性がないことも示された。PI3K/AKTシグナル伝達経路キナーゼPDK1およびp70S6Kに対する強力な活性に加えて、本試験化合物は、3種類の受容体チロシンキナーゼ、すなわちVEGFR2,VEGFR1およびPDGFRAに対して比較的強力な活性を示した。
77.2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドおよび2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの薬物動態
2種類の代表的開示化合物の経口(「po」)および静脈内(「iv」)投与によりマウスに投与することによって、薬物動態パラメータを決定した。化合物は、次のとおり:1)2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド;および2)2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドであった。
5.0mg/kgの2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドのiv投与についてのデータを表11で示す(各時間点に対してn=3;9点の時間点研究に対して総数27匹のマウス)。ビヒクルは、1%DMSO、10%エタノール、35%PEG400および残りのHOであった。ヘパリン含有回収用試験管に血液を集め(個々の動物あたり約50μL)、遠心分離によって細胞を除去した。質量分析を用いて、各試料に対して指定の時間点で化合物濃度を調べた。2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドに対する図11のデータから、iv投与に対して標準的PKパラメータを計算したが、これを表VIIIで示す。WinNonLin(Pharsight Products,Saint Louis,Missouri)を用いてPKパラメータを計算した。本化合物の経口投与も行ったが、0.08時間後、検出限界を下回った。0.08時間での検出レベルは、9ng/mL±5.0ng/mLであった。
2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドのivおよびpo投与についてのデータを図12で示す(パネルAは、5.0mg/kgのiv投与から得られたデータを示し、パネルBは、30mg/kgのpo投与からのデータを示す)。ビヒクル、試料回収および分析は上述のとおりである。PKパラメータを上述のように計算したが、これを表IXで示す。
#「n.a.」は、パラメータが利用可能ではないかまたはパラメータを計算しなかったことを指す。
#「n.a.」は、パラメータが利用可能ではないかまたはパラメータを計算しなかったことを指す。
78.2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドのインビボでの抗腫瘍効果
無胸腺ヌードマウスの後側腹部の皮下にAN3−CA細胞を移植したマウス皮下異種移植腫瘍モデルにおいて、化合物のインビボでの効果を調べた。簡潔に述べると、2×10個のAN3−CA細胞を7週齢のマウスの右後側腹部に注入した。腫瘍が250mmに到達した後、試験化合物2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドまたはビヒクル処置群に、マウスを無作為に分けた(各群10匹)。これらの試験に対するビヒクルは、20%DMSO、20%クレモフォアおよび60%水であった。本試験化合物を毎日のスケジュール(月から金曜日)で2週間、50mg/kgの濃度で腹腔内(「IP」)注射によって投与した。マウスを屠殺し、ウエスタンブロット分析用に腫瘍を切り出した。式LxW2×0.5(式中、Lは最長部の長さであり、Wは最短部の長さである)を使用して腫瘍体積を決定した。腫瘍体積および体重を週に2回測定した。腫瘍体積および体重それぞれに対する2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドの影響について、この化合物についてのデータを図10Aおよび10Bで示す。このデータから、本試験化合物が、ビヒクル対照と比較して、腫瘍量において適度な効果があったことが示される。しかし、本試験化合物は、研究の過程にわたり、体重減少を引き起こさなかったと思われた。まとめると、これらのデータから、本試験化合物が、毒性が最小限である用量レベルでインビボ有効性を有することが示唆される。
79.2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドのインビボでの抗腫瘍効果
使用した試験化合物が2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−(2−メチルモルホリノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドであったことを除き、上述のように、2,2−ジフルオロ−N−(3−(5−モルホリノ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミドについて実験を行った。腫瘍体積および体重それぞれに対する本化合物の影響について、データを図10Aおよび10Bで示す。このデータから、本試験化合物が、ビヒクル対照と比較して、腫瘍量に対して強く顕著な影響があったことが示される。しかし、本試験化合物は、本研究の過程にわたり、体重減少は引き起こさなかったと思われた。まとめると、これらのデータから、本試験化合物が、毒性が最小限である用量レベルでインビボ有効性を有することが示唆される。
さらに、リボソームS6タンパク質の相対的リン酸化に対する本化合物の影響を図10Cで示す。試験後、ビヒクル群および試験化合物群に由来する腫瘍を動物から取り出し、ウエスタンブロットによりホスホ−S6レベルについて分析した(図10C)。上述のようにウエスタンブロット分析を行った。ビヒクル群では総S6タンパク質レベルにおいて変化が観察されなかったことに対して、本試験化合物での処置は、ホスホ−6レベルの下方制御と相関があると思われる。特定の理論により縛られることを望むものではないが、これらのデータから、本試験化合物が、PDK1およびp70S6K経路を標的とし、観察される抗腫瘍活性が薬力学的効果と相関したことが示唆される。
80.予測的なインビボ抗腫瘍効果
開示化合物のインビボ効果の下記の例は予測的なものである。一般に、PDK1阻害剤を含め、PI3K/Akt経路を阻害する剤は、がんの前臨床モデルにおいて効力を示す。前述の実施例に記載された化合物のインビボでの効果が、腫瘍異種移植モデルなどの当業者にとって公知のがんの様々な動物モデルにおいて示されると予想される。これらのモデルは一般的にはげっ歯類、殆どの場合はマウスにおいて実施されるが、研究目的にとって都合が良いように他の動物種で実施され得る。本明細書中で開示される化合物、生成物および組成物は、マウス腫瘍異種移植モデルなどの当業者にとって公知のがんの様々な動物モデルにおいてインビボでの効果を示すと予想される。
マウス腫瘍異種移植試験においてインビボでの化合物の影響を評価し得、ある可能な試験プロトコールを本明細書中で記載する。簡潔に述べると、マウスの右側後側腹部の皮下に細胞(100μL細胞培養液中、細胞2から5×10個)を移植する。本発明の試験化合物について、腫瘍異種移植実験のために使用される典型的な細胞株はAN3−CA細胞(ATCC#HTB−111)である。これらの研究のためのその他の適切な細胞株は、RL95−2(ATCC#CRL−1671)またはHEC−1−A(ATCC#HTB−112)である。本明細書中で記載のように、このプロトコール用に回収する前に細胞を培養する。
移植後、腫瘍を100mmまで成長させてから、動物を処置群(ビヒクル、陽性対照および様々な用量レベルの試験化合物)に無作為に分けるが、群あたりの動物数は通常8から12匹である。試験第1日は、動物が投与を最初に受ける日に相当する。試験の目的に依存する、様々な長さの研究において試験化合物の効力を決定することができる。典型的な試験期間は、14、21および28日間である。投与頻度(例えば、試験化合物を動物に毎日か、1日おきか、2日おきかまたは他の頻度で投与するかどうか)は、試験化合物の毒性および効力に応じて、各試験に対して決定する。典型的な試験計画は、試験化合物を毎日(月から金曜日)投与し、週末に回復させることを含む。本研究を通じて、腫瘍体積および体重を週に2回測定する。研究終了時に、動物を安楽死させ、腫瘍を回収し、さらなる分析のために凍結する。
例えば、以下の式
(式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは、水素ではなく;式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、上記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する化合物;または医薬的に許容可能なそれらの塩、水和物、溶媒和物もしくは多形;または医薬的に許容可能なそれらの塩、水和物、溶媒和物もしくは多形は、このようなインビボでの効果を示すと予想される。
さらに、開示合成方法を用いて調製される化合物もまた、このようなインビボでの効果を示すと予想される。
本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、本発明において様々な改変および変形がなされ得ることは当業者にとって明らかである。本明細書中に開示される本発明の明細書および実施を考慮すれば、本発明の他の実施形態が当業者にとって明らかである。本明細書および実施例は単なる説明とみなされるものであり、本発明の真の範囲および趣旨は、次の特許請求の範囲により示されるものであることが意図される。

Claims (20)

  1. 以下の式
    (式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;
    式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;
    式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;
    式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;
    式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは、水素ではなく;
    式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;
    ここで、前記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;
    ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;
    ここで、前記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;
    ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する化合物、または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形。
  2. mおよびnがそれぞれ0である、請求項1に記載の化合物。
  3. 、R、RおよびRのそれぞれが水素である、請求項1に記載の化合物。
  4. 、R、RおよびRのそれぞれが水素である、請求項1に記載の化合物。
  5. が水素である、請求項1に記載の化合物。
  6. が非置換モルホリニルである、請求項1に記載の化合物。
  7. 式中、Rが一置換モルホリニルであり、置換基が、ハロゲン、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、−CHCl、−CHCl、−CCl、−CHF、−CHFおよび−CFから選択される、請求項1に記載の化合物。
  8. 以下の式
    により表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
  9. 哺乳動物に、有効量の、以下の式
    (式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;
    式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;
    式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;
    式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;
    式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;
    式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは、水素ではなく;
    式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;
    ここで、前記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;
    ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;
    ここで、前記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;
    ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する少なくとも1つの化合物、または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形を投与する工程を含む、前記哺乳動物における制御されない細胞増殖障害の障害の処置のための方法。
  10. 前記有効量が治療的有効量である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記有効量が予防的有効量である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記化合物が、PI3K/Akt経路の阻害を示す、請求項9に記載の方法。
  13. 前記化合物が、Aktのリン酸化の阻害を示す、請求項9に記載の方法。
  14. 前記化合物が、プロテインキナーゼの阻害を示す、請求項9に記載の方法。
  15. 前記プロテインキナーゼが、3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1である、請求項14のいずれかに記載の方法。
  16. 制御されない細胞増殖の障害の処置を必要とする哺乳動物を識別する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  17. 投与工程前に、前記哺乳動物が、制御されない細胞増殖の障害の処置を必要とすると診断されている、請求項9に記載の方法。
  18. 以下の式
    (式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、pは、1から3の整数であり;式中、mは、0または1であり;
    式中、Lは、C=Oまたは(CHであり、式中、qは、1から3の整数であり、式中、nは、0または1であり;
    式中、Arは、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されているフェニルであるかまたは、ハロ、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキオキシ(haloalkyoxy)、C1−C6ハロアルキルおよびC1−C6ポリハロアルキル、C1−C6シアノアルキル、SO10、C1−C3アルキル、C1−C3アルキルアミンおよびC1−C3ジアルキルアミノから独立に選択される0から3個の置換基で置換されている単環式ヘテロアリールであるかの何れかであり;
    式中、R10は、水素およびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノおよびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、Ar、NHC=OR11およびNHC=ONHR11から選択され;
    式中、R11は、場合によっては置換されているC1−C3ハロアルキル、C1−C3ポリハロアルキル、C3−C6シクロアルキル C3−C6ハロシクロアルキル、C3−C6ポリハロシクロアルキル、C3−C6ヘテロシクロアルキルおよびArから選択され;
    式中、Rは、水素、Ar、NHR11およびNHC=ONR11から選択されるが、ただし、RおよびRのうち1つだけは、水素ではなく;
    式中、Rは、水素およびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;
    ここで、前記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;
    ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキルおよびC3−C6ヘテロシクロアルキルから選択され;
    ここで、前記C3−C6ヘテロシクロアルキルは、非置換モルホリニル、一置換モルホリニル、およびジェミナルの関係で二個置換されているモルホリニル;非置換ピペリジニル、一置換ピペリジニルおよび二置換ピペリジニル;非置換アジリジニル、一置換アジリジニルおよび二置換アジリジニル;非置換ピペラジニル、一置換ピペラジニルおよび二置換ピペラジニル;非置換ヘキサヒドロピリミジニル、一置換ヘキサヒドロピリミジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリミジニル;非置換ヘキサヒドロピリダジニル、一置換ヘキサヒドロピリダジニルおよび二置換ヘキサヒドロピリダジニル;非置換ピロリジニル、一置換ピロリジニルおよび二置換ピロリジニル;非置換オキサゾリジニル、一置換オキサゾリジニルおよび二置換オキサゾリジニル;非置換イミダゾリジニル、一置換イミダゾリジニルおよび二置換イミダゾリジニル;非置換ピラゾリジニル、一置換ピラゾリジニルおよび二置換ピラゾリジニル;非置換1,3−オキサジナニル、一置換1,3−オキサジナニルおよび二置換1,3−オキサジナニル;非置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド、一置換チオモルホリニル1,1−ジオキシドおよび二置換チオモルホリニル1,1−ジオキシド;非置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニル、一置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルおよび二置換1−(C1−C6アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択され;
    ここで、置換基は、存在する場合、ハロゲン、シアノ、C3−C6シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ポリハロアルキル、ならびに、アジリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル1,1−ジオキシド;および1−(アルキルスルホニル)ピペラジニルから選択される、場合によっては置換されている複素環から独立に選択され;
    式中、Rは、水素、ハロゲンおよびC1−C6アルキルから選択される)により表される構造を有する少なくとも1つの化合物、または医薬的に許容可能なその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形と;
    (a)キナーゼ活性を強めることが公知の少なくとも1つの剤;
    (b)キナーゼ活性を低下させることが公知の少なくとも1つの剤;
    (c)制御されない細胞増殖の障害を処置することが公知の少なくとも1つの剤;または
    (d)制御されない細胞増殖と関連する障害を処置するための説明書
    のうち1つ以上とを含むキット。
  19. 前記化合物および前記少なくも1つの剤が、ともに包装される、請求項18に記載のキット。
  20. 前記化合物および前記少なくも1つの剤が、共投与される、請求項18に記載のキット。
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