JP2014225012A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
高画質化に対応して、帯電安定性に優れ、粒径分布が狭く、小粒径のトナーを得る方法として、微細な樹脂粒子等を水性媒体中で凝集、融着させてトナーを得る、凝集合一法(乳化凝集法、凝集融着法)によるトナーの製造が行われている。また、高速化に対しては、少ない熱量で定着可能な低温定着性能に対応するものとして、ポリエステルを用いたトナーが検討されている。
例えば、特許文献1には、低温定着可能で高画質を実現できる小粒径トナーを得る方法として、酸基を有する結晶性ポリエステルを含有してなる結着樹脂を溶融状態で中和し、水性媒体と接触させて、該結着樹脂を主成分とする分散粒子の平均粒径が0.02〜2μmである分散液を調製し、該分散液中の分散粒子を凝集させて、少なくとも結着樹脂と着色剤とを構成成分とする凝集粒子を形成させ、該凝集粒子を合一させる製造方法が開示されている。
また、特許文献2では、低温定着が可能であると共に、十分な帯電性を有する静電荷像現像用トナーとして、少なくとも、結着樹脂として結晶性ポリエステルと無定形高分子とを含み、表面が前記無定形高分子を主成分とする表面層で被覆された静電荷像現像用トナーにおいて、前記結晶性ポリエステルの含有量が30〜80重量%の範囲内であり、前記静電荷像現像用トナーの最表面に含まれる前記結晶性ポリエステルの割合が15atomic%以下であり、且つ、前記表面層の平均厚みが0.01μm以上0.5μm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーとその製造方法が開示されている。
本発明の課題は、低温定着性及び耐熱保存性に優れる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することにある。
工程(1):水性媒体中で、結晶性ポリエステルを含有する樹脂粒子(A)及び離型剤粒子を凝集させて、凝集粒子の分散液を得る工程、及び、
工程(2):工程(1)で得られた凝集粒子を結晶性ポリエステルの融点以上の温度で融着させてトナー粒子を得る工程
を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子(A)を構成する樹脂中の結晶性ポリエステルの含有量が50質量%以上であり、工程(2)において、結晶性ポリエステルの融点以上である時間が10秒以上30分以下である、
静電荷像現像用トナーの製造方法。
工程(1):水性媒体中で、結晶性ポリエステルを含有する樹脂粒子(A)及び離型剤粒子を凝集させて、凝集粒子の分散液を得る工程、及び、
工程(2):工程(1)で得られた凝集粒子を結晶性ポリエステルの融点以上の温度で融着させてトナー粒子を得る工程
を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子(A)を構成する樹脂中の結晶性ポリエステルの含有量が50質量%以上であり、工程(2)において、結晶性ポリエステルの融点以上である時間が10秒以上30分以下である、静電荷像現像用トナーの製造方法である。
本発明では、結晶性ポリエステルを50質量%以上含有する樹脂と離型剤を含有することにより、結晶性ポリエステルの融点以上の温度においてシャープに溶融するため、トナーの低温定着性が向上する。また、結晶性ポリエステルを50質量%以上含有するため、樹脂粒子と離型剤粒子を融着させる際に、結晶性ポリエステルの融点以上にある時間を短く制御することで、結晶性ポリエステルが過度に融解することがないため、凝集した離型剤粒子の脱離が抑制される。その結果、得られるトナーが低温定着性とともに耐熱保存性にも優れるものと考えられる。
以下、本発明の製造方法に用いられる各成分及び工程等について説明する。
工程(1)は、水性媒体中で、結晶性ポリエステル(a)を含有する樹脂粒子(A)及び離型剤粒子を凝集させて、凝集粒子の分散液を得る工程である。
本発明における樹脂粒子(A)は、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、結晶性ポリエステル(a)を含有する。
本発明において、結晶性ポリエステルとは、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最大ピーク温度との比、すなわち(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される結晶性指数が0.6以上1.4以下のものであり、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上であり、また、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.1以下である。結晶性指数は、原料モノマーの種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。なお、吸熱の最大ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を指す。最大ピーク温度は、軟化点との差が20℃以内であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するピークの温度とする。
結晶性ポリエステル(a)の軟化点は、同様の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上、より更に好ましくは75℃以上、より更に好ましくは80℃以上であり、また、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは100℃以下、より更に好ましくは98℃以下である。
結晶性ポリエステル(a)の酸価は、当該結晶性ポリエステル(a)を含む樹脂粒子(A)の分散液の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは30mgKOH/g以下、より好ましくは28mgKOH/g以下、更に好ましくは25mgKOH/g以下であり、また、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上、更に好ましくは13mgKOH/g以上である。軟化点や酸価はアルコールとカルボン酸の仕込み比率、重縮合の温度、反応時間を調節することにより所望のものを得ることができる。
結晶性ポリエステル(a)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ジカルボン酸の具体例としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、及び芳香族ジカルボン酸が挙げられる。中でも、ポリエステルの結晶性を促進させトナーの低温定着性を向上させる観点から、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸等が挙げられる。炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸の具体例としては、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等が挙げられる。これらの中でも、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸の具体例としては、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。 3価以上の多価カルボン酸の具体例としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられ、中でもトナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、トリメリット酸及びその酸無水物が好ましく、トリメリット酸無水物がより好ましい。
酸成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
主鎖炭素数2以上12以下の脂肪族ジオールの中でも、ポリエステルの結晶性を促進させトナーの低温定着性を向上させる観点から、α,ω−直鎖アルカンジオールが好ましい。
主鎖炭素数2以上12以下のα,ω−直鎖アルカンジオールとしては、ポリエステルの結晶性を促進させトナーの低温定着性を向上させる観点から、主鎖炭素数6以上12以下のものがより好ましく、主鎖炭素数9以上12以下のものが更に好ましい。
その他のアルコール成分の具体例としては、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAの炭素数2以上3以下のアルキレンオキサイド(平均付加モル数1以上16以下)付加物、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール又はそれらの炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイド(平均付加モル数2以上12以下)付加物、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の3価以上の多価アルコール又はそれらの炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイド(平均付加モル数1以上16以下)付加物等が挙げられる。
アルコール成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
結晶性ポリエステル(a)としては、好ましくは炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸と主鎖炭素数2以上12以下のα,ω−直鎖アルカンジオールを重縮合したポリエステル、より好ましくはコハク酸、セバシン酸及び1,12−ドデカン二酸からなる群から選ばれる1種以上のジカルボン酸と、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールからなる群から選ばれる1種以上のジオールを重縮合したポリエステル、さらに好ましくは、コハク酸と1,9−ノナンジオール及び1,12−ドデカンジオールからなる群から選ばれる1種以上のジオールを重縮合したポリエステルである。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫等の錫化合物やチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等のエステル化触媒を使用することができる。
エステル化触媒の使用量に制限はないが、酸成分とアルコール成分との総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.8質量部以下である。
また、必要に応じて重合禁止剤を使用することができる。重合禁止剤としては、tert−ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤を使用する場合においては、重合禁止剤の使用量は、酸成分とアルコール成分との総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上であり、また、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
樹脂粒子(A)には、結晶性ポリエステル(a)に加えて、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、更に非晶質ポリエステル(b)を含有することが好ましい。
本発明において、非晶質ポリエステルとは、前述の結晶性指数が1.4を超えるか、0.6未満のものであり、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、0.6未満又は1.4を超え4以下であることが好ましく、より好ましくは1.5以上4以下、更に好ましくは1.5以上3以下、より更に好ましくは1.5以上2以下である。
分とアルコール成分とを、重縮合反応させることによって製造することができる。例えば、前記アルコール成分と前記カルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒及び重合禁止剤を用いて、180〜250℃程度の温度で重縮合することにより製造することができる。
酸成分としては、ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸、並びにそれらの酸無水物及びそれらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられ、中でもジカルボン酸及び3価以上の多価カルボン酸が好ましく、ジカルボン酸がより好ましい。
ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、及び脂環式ジカルボン酸が挙げられ、具体的には前述の結晶性ポリエステル(a)の酸成分に挙げたものである。
ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸が好ましく、脂肪族ジカルボン酸がより好ましく、これらの中でも、テレフタル酸及びフマル酸が好ましく、フマル酸がより好ましい。
3価以上の多価カルボン酸としては、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、トリメリット酸及びその酸無水物が好ましく、トリメリット酸無水物がより好ましい。
酸成分及びアルコール成分は、それぞれ1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、非晶質ポリエステル(b)を2種以上混合して使用する場合は、そのガラス転移温度及び軟化点は、各々2種以上の非晶質ポリエステル(b)の混合物として、実施例記載の方法によって得られた値である。
非晶質ポリエステル(b)の酸価は、当該非晶質ポリエステル(b)を含む樹脂粒子(A)の分散液の分散安定性を向上させる観点、トナーの低温定着性を向上させる観点及び帯電性を向上させる観点から、好ましくは35mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下、更に好ましくは25mgKOH/g以下であり、また、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上、更に好ましくは15mgKOH/g以上である。
非晶質ポリエステル(b)は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、フマル酸を含有する酸成分とアルコール成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステルを有することが好ましい。
樹脂粒子(A)を構成する樹脂中の非晶質ポリエステル(b)の含有量は、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂の50質量%以下であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下であり、また、トナーの低温定着性を向上させる観点から0質量%以上であり、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。
樹脂粒子(A)は、樹脂のみからなる粒子であってもよく、着色剤を含有する着色剤含有樹脂粒子であってもよいが、後の凝集工程で均一な凝集粒子を得る観点、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、着色剤を含有することが好ましく、着色剤を含有する着色剤含有樹脂粒子であることが好ましい。
樹脂粒子(A)が着色剤含有樹脂粒子である場合、着色剤の含有量は、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、またトナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
顔料としては、シアン顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、黒色顔料が挙げられる。
シアン顔料は、フタロシアニン顔料が好ましく、銅フタロシアニンがより好ましい。イエロー顔料は、モノアゾ顔料、イソインドリン顔料、ベンズイミダゾロン顔料が好ましく、マゼンタ顔料は、キナクリドン顔料、BONAレーキ顔料等の溶性アゾ顔料、ナフトールAS顔料等の不溶性アゾ顔料が好ましい。黒色顔料は、カーボンブラックが好ましい。
染料の例としては、アクリジン染料、アゾ染料、ベンゾキノン染料、アジン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、フタロシアニン染料、アニリンブラック染料等が挙げられる。
着色剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂粒子(A)は、結晶性ポリエステル(a)を含有する樹脂、必要に応じて界面活性剤、及び着色剤等の前記の任意成分を水性媒体中に分散させ、樹脂粒子(A)の分散液(「樹脂粒子(A)を含有する分散液」又は「樹脂粒子(A)分散液」ともいう)として得る方法によって製造することが好ましい。
水以外の成分としては、炭素数1以上5以下のアルキルアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の炭素数1以上3以下のジアルキル基を有するケトン;テトラヒドロフラン等の環状エーテル等の水に溶解する有機溶媒が用いられる。これらの中でも、有機溶媒のトナーへの混入を防止する観点から、ポリエステルを溶解しない炭素数1以上5以下のアルキルアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールがより好ましい。
結晶性ポリエステル(a)以外の樹脂を含む場合には、予め、結晶性ポリエステル(aとその他の樹脂を混合したものを用いてもよいが、他の成分を添加する際に同時に添加し、溶融して混合することによって樹脂混合物を得てもよい。
非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを併用する場合、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との質量比(非イオン性界面活性剤/アニオン性界面活性剤)は、樹脂粒子(A)の分散液の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類の具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル類の具体例としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等が挙げられる。ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類の具体例としては、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコ−ルモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、樹脂粒子(A)の分散液の分散安定性を向上させる観点から、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル類が好ましく、ポリオキシエチレンオレイルエーテルがより好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等が挙げられ、樹脂粒子(A)の分散液の分散安定性を向上させる観点から、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。アルキル硫酸塩としては、ドデシル硫酸のアルカリ金属塩が好ましく、ドデシル硫酸ナトリウムがより好ましい。アルキルエーテル硫酸塩としては、ドデシルエーテル硫酸のアルカリ金属塩が好ましく、ドデシルエーテル硫酸ナトリウムがより好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、四級アンモニウム塩が好ましく、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
無機塩基化合物としては、カリウム、ナトリウム、リチウムといったアルカリ金属の水酸化物塩や炭酸塩、炭酸水素塩が挙げられ、その具体例として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが挙げられる。アンモニアを用いてもよい。有機塩基としては、ジエチルエタノールアミンといったアルカノールアミンが挙げられる。樹脂粒子(A)の分散液の分散安定性を向上させる観点、及びトナーの帯電安定性を向上させる観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
水性媒体の使用量は、トナーの生産性を向上させる観点及び後の凝集工程で均一な凝集粒子を得る観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは100質量部以上、更に好ましくは150質量部以上であり、また、好ましくは900質量部以下、より好ましくは500質量部以下、更に好ましくは300質量部以下である。
また、樹脂粒子(A)の粒径分布の変動係数(CV値)(%)は、高画質の画像が得られるトナーを得る観点から、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下、更に好ましくは40%以下である。また、樹脂粒子(A)の分散液の生産性を向上させる観点から、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、15%以上が更に好ましい。なお、CV値は、下記式で表される値であり、ここで、体積平均粒径とは、体積基準で測定された粒径にその粒径値を持つ粒子の割合を掛け、それにより得られた値を粒子数で除して得られる粒径であり、実施例に記載の方法で求められる。
CV値(%)=[粒径分布の標準偏差(nm)/体積平均粒径(nm)]×100
本発明の製造方法によって得られる静電荷像現像用トナーは、トナーの離型性及び低温定着性を向上させる観点から、離型剤を含有する。そのため、工程(1)においては、まず、樹脂粒子(A)及び離型剤を含有する離型剤粒子を水性媒体中で混合して、混合分散液を得ることが好ましい。離型剤粒子は、離型剤を水性媒体に分散して離型剤粒子の分散液として得ることが好ましい。
離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン;シリコーンワックス;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド;植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;鉱物又は石油系ワックス;エステルワックス等の合成ワックス等が挙げられる。
植物系ワックスとしては、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等が挙げられ、トナーの離型性及び低温定着性を向上させる観点から、カルナウバワックスが好ましい。
鉱物又は石油系ワックスとしては、モンタンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等が挙げられ、トナーの離型性及び低温定着性を向上させる観点から、パラフィンワックスが好ましい。
これらの離型剤は、単独で又は2種以上を併用することができ、2種以上を併用することが好ましい。トナーの離型性及び低温定着性を向上させる観点から、植物系ワックスと鉱物系又は石油系ワックスを併用することが好ましく、カルナウバワックスとパラフィンワックスを併用することがより好ましい。
本発明において、離型剤の融点は、実施例記載の方法によって求められる。2種以上併用する場合、融点は、得られるトナーに含有される離型剤中、最も質量比の大きい離型剤の融点を、本発明における離型剤の融点とする。なお、全てが同一の比率の場合は、最も低い値とする。
離型剤粒子は、離型剤を水性媒体に分散して離型剤粒子の分散液として得ることが好ましい。
離型剤粒子の分散液は、離型剤と水性媒体とを、樹脂粒子(B)、界面活性剤等の存在下、離型剤の融点以上の温度で、分散機を用いて分散することによって得ることが好ましい。用いる分散機としては、得られるトナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、ホモジナイザー、超音波分散機等が好ましい。
超音波分散機としては、例えば超音波ホモジナイザーが挙げられる。その市販品としては、「US−150T」、「US−300T」、「US−600T」(日本精機製作所社製))、SONIFIER 4020-400、SONIFIER 4020-800(ブランソン社製)が挙げられる。
また、前記分散機を使用する前に、離型剤、任意で樹脂粒子(B)及び界面活性剤、及び水性媒体を、あらかじめホモミキサー、ボールミル等の混合機で予備分散させておくことが好ましい。
本製造で用いる水性媒体の好ましい態様は、前記樹脂粒子(A)を得る際に用いられるものと同様である。
離型剤粒子が樹脂粒子(B)を含有する場合、離型剤100質量部に対する、樹脂粒子(B)の質量割合は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
樹脂粒子(B)は、離型剤の分散剤として機能する。
樹脂粒子(B)におけるポリエステル中の非晶質ポリエステルの含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは実質100質量%、より更に好ましくは100質量%である。
また、樹脂粒子(B)に用いられるポリエステルは、軟化点が異なる2種類のポリエステルを含有してもよい。
樹脂粒子(B)は、樹脂、必要に応じて界面活性剤等の前記の任意成分を水性媒体中に分散させ、樹脂粒子(B)の分散液として得る方法によって製造することが好ましい。
樹脂粒子(B)を含有する分散液を得る方法の好ましい態様は、樹脂粒子(A)を含有する分散液を得る方法と同様である。
樹脂粒子(B)の分散液の固形分濃度は、当該樹脂粒子(B)を含有する離型剤粒子の分散液の分散安定性を向上させる観点、取扱いを容易にする観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。なお、固形分は樹脂、界面活性剤等の不揮発性成分の総量である。
また、樹脂粒子(B)の粒径分布の変動係数(CV値)(%)は、高画質の画像が得られるトナーを得る観点から、40%以下であることが好ましく、35%以下がより好ましく、30%以下が更に好ましい。また、樹脂粒子(B)の分散液の生産性を向上させる観点から、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、15%以上が更に好ましい。
オキサゾリン基を有する化合物は、分子内にオキサゾリン基を複数含有するものが好ましく、オキサゾリン基を含有するポリマーがより好ましい。オキサゾリン基を含有するポリマーの数平均分子量は、ポリエステルとの反応性を高める観点から、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上であり、また、好ましくは2,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下である。
オキサゾリン基を含有するポリマーの市販品としては、「エポクロスWSシリーズ」(日本触媒社製、水溶性タイプ、主鎖アクリル)、「Kシリーズ」(日本触媒社製、エマルションタイプ、主鎖スチレン/アクリル)等が挙げられる。
前記オキサゾリン基を有する化合物の含有量あるいは添加量は、離型剤及び樹脂との反応性を高め、離型剤粒子の生産性を向上させる観点から、離型剤100質量部に対して、固形分として好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。
各成分の添加順序は特に限定されないが、離型剤とオキサゾリン基を有する化合物とを混合した後、樹脂粒子(B)の分散液を添加、混合することが好ましい。
離型剤粒子の分散液における樹脂粒子(B)の添加量は、離型剤100質量部に対して、トナー作製時の離型剤粒子の凝集性を向上させる及び遊離を防止する観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上、より更に好ましくは5質量部以上であり、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられ、離型剤粒子と樹脂粒子の凝集性を向上させる観点から、アニオン性界面活性剤が好ましく、その中でも同様の観点から、親水基がカルボキシ基であるものがより好ましく、ポリカルボン酸塩が更に好ましい。
ポリカルボン酸塩の例としては、トナー作製時の離型剤粒子の凝集性を向上させる及び遊離を防止する観点から、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリマレイン酸塩等が好ましく、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩がより好ましい。塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
ポリカルボン酸塩の重量平均分子量は、離型剤粒子の分散安定性を向上させる観点から、90,000以下であることが好ましく、50,000以下がより好ましく、また、3,000以上であることが好ましく、10,000以上がより好ましい。
ポリカルボン酸塩の市販品としては、花王社製の「ポイズ530」(ポリアクリル酸ナトリウム水溶液、重量平均分子量38000、有効濃度40質量%)、「ポイズ521」(アクリル酸ナトリウム−マレイン酸ナトリウム共重合体水溶液、重量平均分子量20000、有効濃度40質量%)等が挙げられる。
離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は、後の凝集工程で均一な凝集粒子を得る観点、トナーの帯電安定性及び耐高温オフセット性を向上させる観点から、好ましくは100nm以上、より好ましくは200nm以上であり、また、好ましくは1μm以下、より好ましくは700nm以下、更に好ましくは600nm以下である。
離型剤粒子のCV値は、後の凝集工程で均一な凝集粒子を得る観点、及びトナーの帯電安定性を向上させる観点から、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは35%以下であり、また、生産性を向上させる観点から、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは25%以上である。離型剤粒子の体積中位粒径及びCV値は、樹脂粒子(A)と同様の方法で求められ、具体的には実施例記載の方法で求められる。
凝集粒子の分散液は、樹脂粒子(A)及び離型剤粒子、並びに凝集剤、着色剤等の任意成分を水性媒体中で凝集して凝集粒子を得る方法によって製造する。
本工程においては、まず、樹脂粒子(A)及び離型剤粒子を水性媒体中で混合して、混合分散液を得ることが好ましい。
なお、樹脂粒子(A)中に着色剤を混合しなかった場合には、本混合分散液中に着色剤を混合することが好ましい。
また、混合分散液には、樹脂粒子(A)以外の樹脂粒子を混合してもよい。樹脂粒子(A)以外の樹脂粒子としては、非晶質ポリエステルを含む樹脂粒子が好ましい。
混合の順に制限はなく、いずれかを順に添加してもよいし、同時に添加してもよい。
水性媒体は、凝集を制御して所望の粒径の凝集粒子を得る観点から、樹脂粒子(A)及び離型剤粒子を含む混合分散液中、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、また、トナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
離型剤粒子は、トナーの離型性及び低温定着性を向上させる観点から、樹脂粒子(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、また、トナーの耐熱保存性を向上させる観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
混合温度は、凝集を制御して所望の粒径の凝集粒子を得る観点から、0℃以上40℃以下が好ましい。
凝集剤は、過剰な凝集を防ぎつつ、所望の粒径のトナーを得る観点から、電解質であることが好ましく、塩であることがより好ましい。
凝集剤としては、第四級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤;無機金属塩、無機アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が挙げられる。凝集性を向上させ均一な凝集粒子を得る観点から、無機系凝集剤が好ましく、無機金属塩、無機アンモニウム塩がより好ましく、無機アンモニウム塩が更に好ましい。
無機系凝集剤のカチオンの価数は、過剰な凝集を防ぎつつ、所望の粒径のトナーを得る観点から、好ましくは1価以上5価以下、より好ましくは1価以上2価以下、更に好ましくは1価である。
無機系凝集剤の1価のカチオンとしては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等が挙げられ、トナーの帯電安定性を向上させる観点から、アンモニウムが好ましい。
無機金属塩としては、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等の無機金属塩重合体が挙げられる。
無機アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられる。
凝集剤としては、硫酸アンモニウムがより好ましい。
凝集剤は、凝集を制御して所望の粒径の凝集粒子を得る観点から、水溶液として、滴下することが好ましい。凝集剤の水溶液の濃度は、凝集を制御して所望の粒径の凝集粒子を得る観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは27質量%以下である。凝集剤を複数回に分けて添加する場合には、凝集剤の水溶液濃度は各回で異なっていてもよいが、凝集を制御して所望の粒径の凝集粒子を得る観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、1回目の滴下に用いる凝集剤の水溶液濃度は2回目の滴下以降の凝集剤の水溶液濃度より低いことが好ましい。
凝集剤を複数回に分けて添加する場合には、各回に添加される凝集剤の総量中における、1回目の滴下に用いる凝集剤の割合は、凝集を制御して所望の粒径の凝集粒子を得る観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは85質量%以上であり、また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
凝集剤を複数回に分けて添加する場合、その回数は、凝集を制御して所望の粒径の凝集粒子を得る観点、及びトナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは2回以上5回以下であり、より好ましくは2回以上4回以下であり、更に好ましくは2回以上3回以下であり、より更に好ましくは2回である。
また、凝集剤を滴下する温度は、トナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上であり、また、凝集を制御して所望の粒径の凝集粒子を得る観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下である。
凝集剤を添加した分散液中のpHは、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、好ましくは5.0以上、より好ましくは6.0以上であり、また、好ましくは14.0以下、より好ましくは12.0以下である。
更に、印刷物へのトナーの付着量の向上と印刷物の画像濃度を向上させる観点、すなわちトナーの現像性を向上させる観点から、凝集剤を添加した分散液中のpHは、更に好ましくは6.5以上、より更に好ましくは7.0以上、より更に好ましくは7.5以上であり、また、更に好ましくは10.0以下、より更に好ましくは9.0以下、より更に好ましくは8.5以下である。
凝集時の分散液のpHを前記の範囲に調整することで得られるトナーの現像性が向上する理由は定かではないが、樹脂粒子を凝集させる際にpHを前記の範囲に調整することで、樹脂粒子表面に存在しうるカルボキシ基等のイオン性官能基の解離状態が均一化され、更に、以降の凝集及び融着工程で得られるトナーの表面の電荷状態も均一化されるため、トナー粒子間の帯電性が揃うことにより、トナー全体の現像性が向上するものと考えられる。
凝集時の分散液のpHを調整する方法としては、樹脂粒子(A)及び離型剤粒子を含む混合分散液に酸または塩基を添加する方法、混合分散液に凝集剤を添加したのち更に酸または塩基を添加する方法、凝集剤を水溶液とする際に酸または塩基を添加し混合して得られた水溶液を混合分散液に滴下する方法、水溶液とした際に好適なpHを示す塩を凝集剤として選択し混合分散液に添加する方法等が挙げられる。これらは単独で行っても、2つ以上組み合わせて行ってもよい。凝集を制御して所望の粒径の凝集粒子を得る観点、トナーの生産性を向上させる観点、及びトナーの現像性を向上させる観点から、凝集剤を水溶液とする際に酸または塩基を添加し混合して得られた水溶液を混合分散液に滴下する方法が好ましい。
添加する酸または塩基は公知のものを用いることができ、酸としては、塩酸、硝酸、炭酸、硫酸などの無機酸、酢酸、乳酸などの有機酸、塩基としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニアなどの無機塩基化合物、ジエタノールアミンなどの有機塩基化合物等を用いることができ、アンモニアがより好ましい。
更に、凝集を促進させ、所望の粒径及び粒径分布の凝集粒子を得る観点から、凝集剤を添加した後に分散液の温度を上げることが好ましい。維持する温度としては、50℃以上で結晶性ポリエステルの融点以下の温度であることが好ましい。前記温度範囲にて、凝集粒子の体積中位粒径をモニタリングすることによって、凝集の進行を確認することが好ましい。
凝集剤を複数回に分けて添加する場合には、凝集剤を添加するごとに温度を上げてもよく、初回の凝集剤添加後に温度を上げた後はそのまま温度を維持しながら残りの凝集剤を添加してもよい。
体積中位粒径の測定は実施例に記載の方法によって行う。
凝集停止剤の添加量は、不必要な凝集を確実に防止する観点から、トナー中の樹脂の総量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、また、トナーへの残留を低減する観点から、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。凝集停止剤は、トナーの生産性を向上させる観点から、水溶液で添加することが好ましい。
工程(2)は、工程(1)で得られた凝集粒子を融着させてトナー粒子を得る工程である。
凝集粒子中の、主として物理的にお互いに付着している状態であった各粒子が融着されて一体となり、トナー粒子が形成される。ここで、融着時の温度及び保持時間を特定の範囲に制御することで、結晶性ポリエステルが必要以上に溶融することなく、凝集粒子中の各粒子が効率的に融着され、これにより良好な低温定着性と耐熱保存性とを両立するトナーを得ることができる。
その際、結晶性ポリエステル(a)の融点以上の温度で保持する時間は、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、10秒以上30分以下であり、好ましくは20秒以上、より好ましくは30秒以上であり、また、好ましくは25分以下、より好ましくは20分以下、更に好ましくは15分以下、より更に好ましくは12分以下、より更に好ましくは5分以下である。
加えて、結晶性ポリエステルの融解は融点よりも低い温度でも開始することを考慮すると、凝集粒子の融着性を向上させる観点、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、結晶性ポリエステル(a)の融点より5℃低い温度以上である時間が、好ましくは20秒以上、より好ましくは40秒以上、更に好ましくは60秒以上であり、また、好ましくは45分以下、より好ましくは40分以下、更に好ましくは30分以下、より更に好ましくは25分以下、より更に好ましくは20分以下、より更に好ましくは15分以下である。
なお、工程(2)で得られるトナー粒子の体積中位粒径は、凝集粒子の体積中位粒径以下であることが好ましい。すなわち、本工程(2)において、凝集粒子同士の凝集、融着が生じないことが好ましい。
本発明においては、工程(2)の後に後処理工程を行ってもよく、単離することによってトナー粒子を得ることが好ましい。
工程(2)で得られたトナー粒子は、水性媒体中に存在するため、まず、固液分離を行うことが好ましい。固液分離には、吸引濾過法等が好ましく用いられる。
固液分離後に洗浄を行うことが好ましい。樹脂粒子(A)及び(B)の製造の際に非イオン性界面活性剤を用いた場合、添加した非イオン性界面活性剤も除去することが好ましいため、非イオン性界面活性剤の曇点以下で水性溶液により洗浄することが好ましい。洗浄は複数回行うことが好ましい。
乾燥等を行うことによって得られたトナー粒子を本発明のトナーとしてそのまま用いることもできるが、後述のようにトナー粒子の表面を処理したものを静電荷像現像用トナーとして用いることが好ましい。
トナーの体積中位粒径(D50)は、トナーの生産性を向上させる観点及び高画質の画像を得る観点から、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上であり、また、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、更に好ましくは6μm以下である。
トナーのCV値は、高画質の画像を得る観点から、好ましくは35%以下、より好ましくは33%以下、更に好ましくは31%以下、より更に好ましくは30%以下であり、また、トナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは15%以上、より好ましくは18%以上、更に好ましくは20%以上、より更に好ましくは25%以上である。
外添剤としては、疎水性シリカ、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等が挙げられ、これらの中でも、疎水性シリカが好ましい。
外添剤を用いてトナー粒子の表面処理を行う場合、外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4.5質量部以下である。
<1>工程(1):水性媒体中で、結晶性ポリエステルを含有する樹脂粒子(A)及び離型剤粒子を凝集させて、凝集粒子の分散液を得る工程、及び、工程(2):工程(1)で得られた凝集粒子を結晶性ポリエステルの融点以上の温度で融着させてトナー粒子を得る工程を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子(A)を構成する樹脂中の結晶性ポリエステルの含有量が50質量%以上であり、工程(2)において、結晶性ポリエステルの融点以上である時間が10秒以上、好ましくは20秒以上、より好ましくは30秒以上であり、また、30分以下、好ましくは25分以下、より好ましくは20分以下、更に好ましくは15分以下、より更に好ましくは12分以下、より更に好ましくは5分以下である、静電荷像現像用トナーの製造方法。
<3>前記樹脂粒子(A)を構成する樹脂中の結晶性ポリエステルの含有量が、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、また、100質量%以下、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である、<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<4>前記離型剤粒子が、離型剤と、体積中位粒径が20nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくは80nm以上であり、また、500nm以下、好ましくは300nm以下、より好ましくは150nm以下の樹脂粒子(B)を混合し、乳化分散して得られる離型剤粒子である、<1>〜<3>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<5>前記樹脂粒子(A)の体積中位粒径が、50nm以上、好ましくは80nm以上、より好ましくは100nm以上であり、また、500nm以下、好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下である、<1>〜<4>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<7>工程(2)において、結晶性ポリエステルの融点より5℃低い温度以上である時間が、20秒以上、好ましくは40秒以上、より好ましくは60秒以上であり、また、好ましくは45分以下、より好ましくは40分以下、更に好ましくは30分以下、より更に好ましくは25分以下、より更に好ましくは20分以下、より更に好ましくは15分以下である、<1>〜<6>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<8>工程(1)において、凝集剤を複数回、好ましくは2回以上5回以下、より好ましくは2回以上4回以下、更に好ましくは2回以上3回以下、より更に好ましくは2回に分けて添加する、<1>〜<7>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<9>前記樹脂粒子(A)が更に着色剤を含有する、<1>〜<8>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<10>結晶性ポリエステル(a)の融点は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上、より更に好ましくは75℃以上、より更に好ましくは78℃以上であり、また、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは100℃以下、より更に好ましくは90℃以下、より更に好ましくは85℃以下である、<1>〜<9>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<12>結晶性ポリエステル(a)の酸価は、好ましくは30mgKOH/g以下、より好ましくは28mgKOH/g以下、更に好ましくは25mgKOH/g以下であり、また、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上、更に好ましくは13mgKOH/g以上である、<1>〜<11>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<13>結晶性ポリエステル(a)の原料モノマーの酸成分は、炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸を含み、好ましくはマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸及びアゼライン酸の少なくとも1種であり、より好ましくはコハク酸、セバシン酸及び1,12−ドデカン二酸の少なくとも1種であり、更に好ましくはコハク酸及びセバシン酸の少なくとも1種である、<1>〜<12>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<15>結晶性ポリエステル(a)の原料モノマーのアルコール成分は、α,ω−直鎖アルカンジオールを含み、好ましくは主鎖炭素数9以上12以下のα,ω−直鎖アルカンジオールを含み、より好ましくはエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール及び1,12−ドデカンジオールの少なくとも1種、更に好ましくは1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール及び1,12−ドデカンジオールの少なくとも1種、より更に好ましくは1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、及び1,12−ドデカンジオールの少なくとも1種、より更に好ましくは1,12−ドデカンジオールである、<1>〜<14>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<16>結晶性ポリエステル(a)は、好ましくは炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸と主鎖炭素数2以上12以下のα,ω−直鎖アルカンジオールを重縮合したポリエステル、より好ましくはコハク酸、セバシン酸及び1,12−ドデカン二酸からなる群から選ばれる1種以上のジカルボン酸と、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールからなる群から選ばれる1種以上のジオールを重縮合したポリエステル、さらに好ましくは、コハク酸と1,9−ノナンジオール及び1,12−ドデカンジオールからなる群から選ばれる1種以上のジオールを重縮合したポリエステルである、<1>〜<15>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<18>非晶質ポリエステル(b)の原料モノマーのアルコール成分は、主鎖炭素数2以上12以下の脂肪族ジオール、芳香族ジオール、脂環式ジオール、3価以上の多価アルコール、及びそれらの炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイド(平均付加モル数1以上16以下)付加物の少なくとも1種であり、好ましくはビスフェノールAの炭素数2〜3のアルキレンオキサイド(平均付加モル数1以上16以下)付加物を含み、より好ましくはポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの少なくとも1種を含む、<1>〜<17>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<19>非晶質ポリエステル(b)の軟化点は、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは90℃以上、より更に好ましくは95℃以上であり、また、好ましくは165℃以下、より好ましくは140℃以下、更に好ましくは130℃以下、より更に好ましくは120℃以下である、<1>〜<18>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<20>非晶質ポリエステル(b)のガラス転移温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上、更に好ましくは56℃以上であり、また、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、更に好ましくは70℃以下である、<1>〜<19>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<22>樹脂粒子(A)が着色剤含有樹脂粒子であり、着色剤の含有量は、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である、<1>〜<21>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<23>樹脂粒子(A)は、結晶性ポリエステル(a)を含有する樹脂、必要に応じて界面活性剤、及び着色剤等の前記の任意成分を水性媒体の中に分散させ、樹脂粒子(A)の分散液として得る方法によって製造される、<1>〜<22>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<24>水性媒体中の水の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは実質的に100質量%、より更に好ましくは100質量%である、<23>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<25>樹脂粒子(A)の分散液は、結晶性ポリエステル(a)を含有する樹脂に水性媒体を徐々に添加して転相乳化させる方法により得られる、<23>又は<24>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<27>離型剤粒子の分散液は、離型剤と水性媒体とを、樹脂粒子(B)、界面活性剤等の存在下、離型剤の融点以上の温度で、分散機を用いて分散することによって得る、<26>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<28>樹脂粒子(B)を構成する樹脂中におけるポリエステルの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは実質的に100質量%であり、より更に好ましくは100質量%であり、ポリエステルは、好ましくは非晶質ポリエステルを含有する、<27>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<29>樹脂粒子(B)におけるポリエステル中の非晶質ポリエステルの含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは実質100質量%、より更に好ましくは100質量%である、<28>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<30>樹脂粒子(B)は、オキサゾリン基を有する化合物を含有し、オキサゾリン基を有する化合物は、分子内にオキサゾリン基を複数含有するものが好ましく、オキサゾリン基を含有するポリマーがより好ましい、<27>〜<29>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<32>凝集剤は、無機アンモニウム塩であり、好ましくは硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム及び硝酸アンモニウムの少なくとも1種であり、より好ましくは硫酸アンモニウムである、<31>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<33>工程(2)において、工程(1)で得られた凝集粒子を、保持温度を好ましくは結晶性ポリエステル(a)の融点より30℃高い温度以下、より好ましくは融点より15℃高い温度以下、更に好ましくは融点より10℃高い温度以下、より更に好ましくは融点より8℃高い温度以下、更に好ましくは融点より5℃高い温度以下にして融着させる、<1>〜<32>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
<34>工程(1)における凝集時のpHが、6.5以上10.0以下である、<1>〜<33>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
た。
JIS K0070に従って測定した。但し、測定溶媒はアセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))とした。
(1)軟化点
フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
示差走査熱量計「Q100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、室温(20℃)から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料をそのまま1分間静止させ、その後、昇温速度10℃/分で180℃まで昇温し測定した。観測されるピークのうち、ピーク面積が最大のピーク温度を吸熱の最大ピーク温度(1)として、(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(1)(℃))により、結晶性指数を求めた。
示差走査熱量計「Q100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料を200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次に、試料を昇温速度10℃/分で昇温し、200℃まで測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度とした。結晶性ポリエステルの時には該ピーク温度を融点とした。また、非晶質ポリエステルの場合に吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点まで最大傾斜を示す接線との交点温度をガラス転移温度とした。
示差走査熱量計「Q100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とした。
凝集粒子の体積中位粒径は以下の通り測定した。
・測定機:「コールターマルチサイザーIII」(ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:「マルチサイザーIIIバージョン3.51」(ベックマンコールター社製)
・電解液:「アイソトンII」(ベックマンコールター社製)
・測定条件:凝集粒子を含有する試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒径分布から体積中位粒径(D50)及び体積平均粒径を求めた。
また、粒径分布としてCV値(%)は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径)×100
トナー(粒子)の体積中位粒径は以下の通り測定した。
測定機、アパチャー径、解析ソフト、電解液は、凝集粒子の体積中位粒径の測定と同様のものを用いた。
・分散液:ポリオキシエチレンラウリルエーテル「エマルゲン109P」(花王社製、HLB:13.6)を前記電解液に溶解させ、5質量%の分散液を得た。
・分散条件:前記分散液5mLにトナー測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を作製した。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒径分布から体積中位粒径(D50)及び体積平均粒径を求めた。
また、CV値(%)は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径)×100
(1)測定装置:レーザー回折型粒径測定機「LA−920」(堀場製作所社製)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度が適正範囲になる濃度で体積中位粒径(D50)及び体積平均粒径を測定した。また、CV値は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径)×100
赤外線水分計「FD−230」(ケツト科学研究所社製)を用いて、測定試料5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて、水分(質量%)を測定した。固形分濃度は下記の式に従って算出した。
固形分濃度(質量%)=100−水分(質量%)
上質紙「J紙A4サイズ」(富士ゼロックス社製)に市販のプリンタ「Microline5400」(沖データ社製)を用いて、トナーの紙上の付着量が0.42〜0.48mg/cm2となるベタ画像をA4紙の上端から5mmの余白部分を残し、50mmの長さで定着させずに出力した。
次に、定着器を温度可変に改造した同プリンタを用意し、定着器の温度を90℃にし、A4縦方向に1枚あたり1.5秒の速度で定着し、印刷物を得た。
同様の方法で定着器の温度を5℃ずつ上げて、定着し、印刷物を得た。
印刷物の画像上の上端の余白部分からベタ画像にかけて、メンディングテープ「Scotchメンディングテープ810」(3M社製、幅18mm)を長さ50mmに切ったものを軽く貼り付けた後、500gのおもりを載せ、速さ10mm/secで1往復押し当てた。その後、貼付したテープを下端側から剥離角度180度、速さ10mm/secで剥がし、テープ剥離後の印刷物を得た。テープ貼付前及び剥離後の印刷物の下に上質紙「エクセレントホワイト紙A4サイズ」(沖データ社製)を30枚敷き、各印刷物のテープ貼付前及び剥離後の定着画像部分の反射画像濃度を、測色計「SpectroEye」(GretagMacbeth社製、光射条件;標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DINNB、絶対白基準)を用いて測定し、これから下記の式で定着率を算出した。
定着率(%)=(テープ剥離後の反射画像濃度/テープ貼付前の反射画像濃度)×100
定着率90%以上となる温度を最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど低温定着性に優れることを表す。
内容積100mlの広口ポリビンにトナー20gを入れて密封し、温度60℃の環境下で6時間静置した。その後、25℃の温度下で密封したまま12時間以上静置して冷却した。次いで、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)の振動台に、目開き250μmのフルイをセットし、その上に前記トナー20gを乗せ30秒間振動を行い、フルイ上に残ったトナー質量を測定し、次の算出式より凝集度を算出した。数値が小さいほど、トナーが耐熱保存性に優れることを表す。
凝集度(%)=フルイ上の残留トナー質量(g)/20g×100
トナー製造工程における融着後の離型剤の遊離について、融着粒子を含む分散液の上澄み液の濁りを確認した。
融着粒子分散液10gを試験管に取り、遠心分離機で4000rpmで1分間処理して得られたサンプルにおいて、上澄み液の状態を目視で観察し以下の基準で評価した。上澄み液が白濁するものは、離型剤が融着粒子から遊離していることを示す。上澄み液の白濁が少ないほど、離型剤が融着粒子内に取り込まれており、トナーの離型性及び低温定着性を良好なものとすることができる。
A:上澄み液は透明である
B:上澄み液が若干白濁している
C:上澄み液が白濁している
pHメーター「SevenGo pH meter SG2」(メトラー・トレド社製)を用いて、混合溶液又は水溶液を充分に撹拌した後、25℃、3分保持した後のpHを測定した。
評価トナーを、上質紙「J紙A4サイズ」(富士ゼロックス社製)に市販のプリンタ「Microline5400」(沖データ社製)を用いて、サイズ40mm×40mmのベタ画像を定着させずに出力した。
次に、出力物の質量を測定し、事前に測定しておいたトナー出力前の上質紙の質量との差分を求めることで、紙面上に出力されたトナーの質量を求め、紙面上のトナーの付着量とした。
評価トナーを、上質紙「J紙A4サイズ」(富士ゼロックス社製)に市販のプリンタ「Microline5400」(沖データ社製)を用いて、サイズ40mm×40mmのベタ画像を通常出力条件で印刷した。
次に、印刷物の下に上質紙「エクセレントホワイト紙A4サイズ」(沖データ社製)を30枚敷き、各印刷物の定着画像部分の反射画像濃度を、測色計「SpectroEye」(GretagMacbeth社製、光射条件;標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DINNB、絶対白基準)を用いて測定した。
紙面上の付着量が多く、また、画像濃度が大きいほど、トナーの現像性に優れることを表す。
製造例1
(結晶性ポリエステルAの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、アルコール成分として1,12−ドデカンジオール5050g、酸成分としてコハク酸2950gを入れた。攪拌しながら、135℃に昇温し、135℃で3時間維持した後、135℃から200℃まで10時間かけて昇温した。その後、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫16gを加え、更に200℃にて1時間維持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて1時間維持し、結晶性ポリエステルAを得た。物性を表1に示す。
(結晶性ポリエステルBの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、アルコール成分として1,9−ノナンジオール3840g、酸成分としてセバシン酸4848gを入れた。攪拌しながら、140℃に昇温し、140℃で3時間維持した後、140℃から200℃まで10時間かけて昇温した。その後、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫43gを加え、更に200℃にて1時間維持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて4時間維持し、結晶性ポリエステルBを得た。物性を表1に示す。
(結晶性ポリエステルCの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、アルコール成分として1,6−ヘキサンジオール2832g、酸成分としてセバシン酸4848gを入れた。攪拌しながら、140℃に昇温し、140℃で3時間維持した後、140℃から200℃まで10時間かけて昇温した。その後、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫43gを加え、更に200℃にて1時間維持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて4時間維持し、結晶性ポリエステルCを得た。物性を表1に示す。
(結晶性ポリエステルDの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、アルコール成分として1,12−ドデカンジオール5024g、酸成分としてコハク酸2642gを入れた。攪拌しながら、140℃に昇温し、140℃で3時間維持した後、140℃から200℃まで10時間かけて昇温した。その後、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫40gを加え、更に200℃にて2時間維持した後、トリメリット酸無水物334gを加え、更に200℃にて2時間維持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて4時間維持し、結晶性ポリエステルDを得た。物性を表1に示す。
(非晶質ポリエステルEの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、アルコール成分としてポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン6160g、酸成分としてフマル酸2125g、及びtert−ブチルカテコール4gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、210℃に昇温し、210℃でASTM D36−86に従って測定した軟化点が105℃に達したところで冷却し、非晶質ポリエステルEを得た。物性を表1に示す。
(非晶質ポリエステルFの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、アルコール成分としてポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン5670g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン585g、酸成分としてテレフタル酸2450g、及びジ(2−エチルヘキサン酸)錫44gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、5時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、190℃に冷却し、フマル酸42g及びトリメリット酸無水物207gを加え、190℃の温度下で2時間維持した後に、2時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて4時間維持させて、非晶質ポリエステルFを得た。物性を表1に示す。
製造例7
(樹脂粒子分散液A−1の製造)
2リットル容のステンレス釜に、結晶性ポリエステルA 498g、非晶質ポリエステルE 102g、銅フタロシアニン顔料「ECB−301」(大日精化工業社製)45g、アニオン性界面活性剤「ネオペレックスG−15」(花王社製、15質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液)80.0g、非イオン性界面活性剤「エマルゲン430」(花王社製、ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル、HLB:16.2)12.0g、20質量%炭酸カリウム水溶液40.4g、及び脱イオン水130gを混合し、カイ型の撹拌機で1.2m/sの撹拌下、90℃まで混合液を加熱した。カイ型の撹拌機で1.2m/sの撹拌下、90℃にて2時間保持し、樹脂中和物を得た。
次に、カイ型の撹拌機で1.2m/sの撹拌下、90℃にて、脱イオン水1206gを6g/分で滴下し、乳化物を得た。次に、得られた乳化物を25℃に冷却し、200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通し、樹脂粒子分散液A−1を得た。得られた樹脂粒子分散液A−1中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は132nm、CV値は26%、固形分濃度は32質量%であった。
(樹脂粒子分散液A−2の製造)
製造例7において、使用する結晶性ポリエステルAを結晶性ポリエステルBへ変更した以外は製造例7と同様にして、樹脂粒子分散液A−2を得た。物性を表2に示す。
(樹脂粒子分散液A−3の製造)
製造例7において、使用する結晶性ポリエステルAを結晶性ポリエステルCへ変更した以外は製造例7と同様にして、樹脂粒子分散液A−3を得た。物性を表2に示す。
(樹脂粒子分散液A−4の製造)
製造例7において、使用する結晶性ポリエステルAを結晶性ポリエステルDへ変更した以外は製造例7と同様にして、樹脂粒子分散液A−4を得た。物性を表2に示す。
(樹脂粒子分散液A−5の製造)
製造例7において、使用する結晶性ポリエステルA 498g、非晶質ポリエステルE102gをそれぞれ、結晶性ポリエステルA 456g、非晶質ポリエステルE 144gへ変更した以外は製造例7と同様にして、樹脂粒子分散液A−5を得た。物性を表2に示す。
(樹脂粒子分散液A−6の製造)
製造例7において、使用する結晶性ポリエステルA 498g、非晶質ポリエステルE102gをそれぞれ、結晶性ポリエステルA 390g、非晶質ポリエステルE 210gへ変更した以外は製造例7と同様にして、樹脂粒子分散液A−6を得た。物性を表2に示す。
(樹脂粒子分散液A−7の製造)
製造例7において、使用する結晶性ポリエステルA 498gを600gへ変更し、非晶質ポリエステルE 210gを使用しなかった以外は製造例7と同様にして、樹脂粒子分散液A−7を得た。物性を表2に示す。
(樹脂粒子分散液A−8の製造)
製造例7において、使用する結晶性ポリエステルA 498g、非晶質ポリエステルE102gをそれぞれ、結晶性ポリエステルA 210g、非晶質ポリエステルE 390gへ変更し、また、20質量%炭酸カリウム水溶液40.4gを5質量%水酸化カリウム水溶液262gへ変更し、脱イオン水130gを使用しなかった以外は製造例7と同様にして、樹脂粒子分散液A−8を得た。物性を表2に示す。
(樹脂粒子分散液A−9の製造)
製造例7において、結晶性ポリエステルAを使用せず、使用する非晶質ポリエステルE 210gを600gに変更し、また、20質量%炭酸カリウム水溶液40.4gを5質量%水酸化カリウム水溶液258gへ変更し、脱イオン水130gを使用しなかった以外は製造例7と同様にして、樹脂粒子分散液A−9を得た。物性を表2に示す。
(樹脂粒子分散液B−1の製造)
2リットル容のステンレス釜に、非晶質ポリエステルF 600g、アニオン性界面活性剤「ネオペレックスG−15」(花王社製、15質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液)40.0g、非イオン性界面活性剤「エマルゲン430」(花王社製、ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル、HLB:16.2)6.0g、及び5質量%炭酸カリウム水溶液233gを混合し、カイ型の撹拌機で1.2m/sの撹拌下、95℃まで混合液を加熱した。カイ型の撹拌機で1.2m/sの撹拌下、95℃にて2時間保持し、樹脂中和物を得た。
次に、カイ型の撹拌機で1.2m/sの撹拌下、95℃にて、脱イオン水1145gを6g/分で滴下し、乳化物を得た。次に、得られた乳化物を25℃に冷却し、200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通し、樹脂粒子分散液B−1を得た。物性を表2に示す。
製造例17
(離型剤粒子分散液W−1の製造)
1リットル容のビーカーで、脱イオン水200gにカルナウバワックス「カルナウバワックス1号」(加藤洋行社製、融点83℃)5g及びパラフィンワックス「HNP−9」(日本精蝋社製、融点75℃)45gを添加し、90〜95℃に温度を保持して溶融させて撹拌し、カルナウバワックスとパラフィンワックスとが一体となって溶融した溶融混合物を得た。ついで、オキサゾリン基含有ポリマー水溶液「エポクロスWS−700」(日本触媒社製、不揮発分25質量%、アクリル主鎖、数平均分子量20000)1.7gを添加し、90〜95℃に温度を保持しながら、超音波ホモジナイザー「US−600T」(日本精機製作所社製)を用いて15分間分散処理を行った。ここに樹脂粒子分散液B−1 14gを添加し、超音波ホモジナイザーにて15分間分散処理を行った後に室温まで冷却した。イオン交換水を加え、固形分濃度を20質量%に調整し、離型剤粒子分散液W−1を得た。離型剤粒子分散液W−1中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は499nm、CV値は35%であった。
(離型剤粒子分散液W−2の製造)
1リットル容のビーカーで、脱イオン水200gにポリカルボン酸ナトリウム水溶液としてアクリル酸ナトリウム−マレイン酸ナトリウム共重合体水溶液「ポイズ521」(花王社製、有効濃度40質量%)3.8gを溶解させた後、これにカルナウバワックス「カルナウバワックス1号」(加藤洋行社製、融点83℃)5g及びパラフィンワックス「HNP−9」(日本精蝋社製、融点75℃)45gを添加し、90〜95℃に温度を保持して溶融させて撹拌し、カルナウバワックスとパラフィンワックスとが一体となって溶融した溶融混合物を得た。
得られた溶融混合物を含んだ水溶液を更に90〜95℃に温度を保持しながら、超音波ホモジナイザー「US−600T」(日本精機製作所社製)で30分間分散処理を行った後に室温まで冷却し、ここにイオン交換水を加え、離型剤固形分20質量%に調整し、離型剤粒子分散液W−2を得た。離型剤粒子分散液W−2中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は450nm、CV値は30%であった。
実施例1
(トナー1の作製)
(工程(1))
樹脂粒子分散液A−1 300gと脱イオン水75gと離型剤粒子分散液W−1 36gを脱水管、撹拌機及び熱電対を装備した2リットル容4つロフラスコに入れ、25℃で混合した。次に、カイ型の撹拌機で撹拌下、この混合物に硫酸アンモニウム29.5gを293gの脱イオン水に溶解させた水溶液(凝集剤水溶液A)を25℃で30分かけて滴下した。次いで、得られた混合溶液を70℃まで昇温し、70℃で保持し体積中位粒径(D50)が3.5μmの凝集粒子(1)を形成した。
続いて、凝集粒子(1)を含む混合溶液を25℃まで冷却した後、硫酸アンモニウム4.1gを12gの脱イオン水に溶解させた水溶液(凝集剤水溶液B)を15分かけて滴下した。ついで、この混合溶液を70℃まで昇温し、70℃で保持して、体積中位粒径(D50)が5.2μmの凝集粒子(2)分散液を得た。
(工程(2))
得られた凝集粒子(2)分散液に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム「エマールE−27C」(花王社製、固形分:28質量%)10.8gを脱イオン水856gで希釈した水溶液を添加した後、この水溶液の添加により40℃まで下がった分散液を、80℃まで1.5時間かけて昇温し、体積中位粒径(D50)が5.1μmの融着粒子を得た。このとき、分散液の温度が80℃に到達したと同時に冷却を開始し、室温(25℃)まで冷却した。なお、結晶性ポリエステルAの融点79℃以上であった時間は2.5分、融点より5℃低い温度以上であった時間は14分であった。
得られた融着粒子を、固液分離のためのろ過工程、乾燥工程、洗浄工程を経てトナー粒子を得た。このトナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ「RY50」(日本アエロジル社製、個数平均粒径0.04μm)2.5部、疎水性シリカ「キャボシールTS720」(キャボット社製、個数平均粒径0.012μm)1.0部、及び有機微粒子「ファインスフェアP2000」(日本ペイント社製、個数平均粒径0.5μm)0.8部をヘンシェルミキサーで外添処理し、150メッシュの篩いを通過した微粒子をシアントナーとした。
得られたトナーの物性及び評価結果を表3に示す。
(トナー2〜11の作製)
実施例1において、樹脂粒子分散液A−1及び離型剤粒子分散液W−1を表3に示す樹脂粒子分散液及び離型剤粒子分散液に変更し、工程(2)における融着時の最高到達温度、結晶性ポリエステルの融点より5℃低い温度以上であった時間及び結晶性ポリエステルの融点以上であった時間を表3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、トナー2〜11を得た。トナーの物性及び評価結果を表3に示す。
低温定着性と耐熱保存性のいずれも優れることがわかる。
前記実施例1の工程(1)において、凝集剤水溶液A、及び樹脂粒子と凝集粒子の混合物に凝集剤水溶液Aを添加した後のpHを測定し、更に、紙面上トナー付着量と画像濃度の評価を行った。その結果を表4に示す。
(トナー12の作製)
実施例1の工程(1)において、凝集剤水溶液Aにアンモニア水を添加してpHを8.5に調整した溶液を15分かけて滴下した以外は、実施例1と同様にして、トナー12を得た。トナーの物性及び評価結果を表4に示す。
(トナー13の作製)
実施例1の工程(1)において、凝集剤水溶液Aを滴下する前に、25%アンモニア水を樹脂粒子分散液と離型剤粒子分散液の混合物に添加してpHを8.5へ調整した以外は、実施例1と同様にして、トナー13を得た。トナーの物性及び評価結果を表4に示す。
Claims (10)
- 工程(1):水性媒体中で、結晶性ポリエステルを含有する樹脂粒子(A)及び離型剤粒子を凝集させて、凝集粒子の分散液を得る工程、及び、
工程(2):工程(1)で得られた凝集粒子を結晶性ポリエステルの融点以上の温度で融着させてトナー粒子を得る工程
を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記樹脂粒子(A)を構成する樹脂中の結晶性ポリエステルの含有量が50質量%以上であり、
工程(2)において、結晶性ポリエステルの融点以上である時間が10秒以上30分以下である、
静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 前記結晶性ポリエステルを含有する樹脂粒子(A)が、更に非晶質ポリエステルを含有する、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記樹脂粒子(A)を構成する樹脂中の結晶性ポリエステルの含有量が75質量%以上である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記離型剤粒子が、離型剤と、体積中位粒径が20nm以上500nm以下の樹脂粒子(B)を混合し、乳化分散して得られる離型剤粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記樹脂粒子(A)の体積中位粒径が50nm以上500nm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 工程(1)における凝集時の温度が、結晶性ポリエステルの融点以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 工程(2)において、結晶性ポリエステルの融点より5℃低い温度以上である時間が20秒以上45分以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 工程(1)において、凝集剤を複数回に分けて添加する、請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記樹脂粒子(A)が更に着色剤を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 工程(1)における凝集時のpHが、6.5以上10.0以下である、請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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