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JP2014210841A - 熱接着性を有する変性ポリオレフィン系樹脂からなるタブリード封止用接着フィルム - Google Patents

熱接着性を有する変性ポリオレフィン系樹脂からなるタブリード封止用接着フィルム Download PDF

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JP2014210841A
JP2014210841A JP2013086809A JP2013086809A JP2014210841A JP 2014210841 A JP2014210841 A JP 2014210841A JP 2013086809 A JP2013086809 A JP 2013086809A JP 2013086809 A JP2013086809 A JP 2013086809A JP 2014210841 A JP2014210841 A JP 2014210841A
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polyolefin resin
modified polyolefin
adhesive film
tab lead
resin
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JP2013086809A
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English (en)
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杉山 武史
Takeshi Sugiyama
武史 杉山
亮二 中山
Ryoji Nakayama
亮二 中山
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Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
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Abstract

【課題】熱接着性を有する変性ポリオレフィン系樹脂からなるタブリード封止用接着フィルムを提供する。【解決手段】エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体成分を用いてグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂(A)50〜98重量%とポリオレフィン系樹脂(B)2〜50重量%からなり、変性ポリオレフィン系樹脂(A)由来の融点(Tm(A))が120℃以上150℃以下、ポリオレフィン系樹脂(B)由来の融点(Tm(B))が80℃以上120℃以下であり、ポリオレフィン系樹脂(B)由来の融解熱量ΔH(B)が変性ポリオレフィン系樹脂(A)由来の融解熱量ΔH(A)より大きいことを特徴とする変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなるタブリード封止用接着フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は熱接着性を有する変性ポリオレフィン系樹脂からなるタブリード封止用接着フィルムに関する。
近年、例えば、ノートパソコンや携帯電話などの電子機器の電源やハイブリッド自動車、燃料電池自動車や電気自動車のバッテリー等としてフィルムからなる容器に包装された二次電池が利用されている。
従来から、二次電池は、フィルム状の正極と負極がセパレーターを介して相対しており、その間に非水系電解質が介在して充放電を可能にしている。そして前記正極および負極からは、金属からなるタブリード材によって外部に電気を取り出すことが出来るようになっている。一般的には正極側タブリード材としてアルミ、負極側タブリード材として銅が用いられている。これらは、アルミ箔などの金属箔にポリオレフィン等からなるシーラントを積層した気密性の高いラミネートフィルムからなる袋で被覆されている。
このとき、タブリード材はタブリード封止用接着フィルムを介してラミネートフィルムと接着される。接着フィルムはあらかじめタブリード材とラミネートフィルムが接する部分に設けておくことでラミネートフィルムとタブリード材との間に介在させる。
よってタブリード封止用接着フィルムは金属からなるタブリード材とラミネートフィルムを接着させる接着性、非水系電解液を外部に漏洩させない耐電解液性、ラミネートフィルムとタブリード材が接することで短絡(ショート)することを防ぐ絶縁性、金属への接着性が非水系電解液によって接着性が低下しないことなどが求められているが、必ずしも十分に満足させる接着フィルムが出来ていない。
例えば、特許文献1には、金属層と、金属層の表面に形成された表面処理層と、表面処理層上に形成されたカルボン酸基またはその誘導体で変性されたポリオレフィンからなる接着性樹脂層とを含む電池電極部保護フィルム用積層体が開示されている。しかしながら、金属と接着性樹脂層との接着性を高めるために表面処理工程が必須であるため、コスト増加につながる。
例えば、特許文献2には、酸変性ポリオレフィンからなる電極接着層と、電極接着層より高融点のポリオレフィンからなる内側絶縁層を有する積層体が開示されている。しかしながら、酸変性ポリオレフィンでは、電極との接着性が十分満足できるものではない。さらに絶縁層としてポリオレフィンを用いた場合、融点は160℃が最高となるため、電極に十分接着させるためにヒートシールした際、絶縁層が軟化、流動してしまい、絶縁性が維持できなくなる恐れがある。
WO01/017043号公報 特開2009−224218号公報
本発明の目的は熱接着性を有する変性ポリオレフィン系樹脂からなるタブリード封止用接着フィルムを提供することにある。
かかる課題を解決するために本発明者は鋭意検討の結果、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂によって、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は以下の内容をなす。
1).エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体成分を用いてグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂(A)50〜98重量%とポリオレフィン系樹脂(B)2〜50重量%からなり、かつ下記を満たすことを特徴とする変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなるタブリード封止用接着フィルム。
(I)下記2つの融点を有する。
変性ポリオレフィン系樹脂(A)由来の融点(Tm(A)):120℃以上150℃以下
ポリオレフィン系樹脂(B)由来の融点(Tm(B)) :80℃以上120℃以下
(II)ポリオレフィン系樹脂(B)由来の融解熱量ΔH(B)と変性ポリオレフィン系樹脂(A)由来の融解熱量ΔH(A)が下記式を満たす。
ΔH(B)>ΔH(A)
2).前記単量体成分が、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物および芳香族ビニル化合物を含有することを特徴とする、1)記載のタブリード封止用接着フィルム。
3).前記ポリオレフィン系樹脂(B)がポリエチレン系樹脂であることを特徴とする、1)または2)記載のタブリード封止用接着フィルム。
4).前記変性ポリオレフィン系樹脂組成物の融解熱量ΔH(all)が5〜40J/gであることを特徴とする、1)〜3)何れか一項に記載のタブリード封止用接着フィルム。
5).前記変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層と他の粘着性を有しない熱可塑性樹脂層が積層された積層フィルムであることを特徴とする、1)〜4)何れか一項に記載のタブリード封止用接着フィルム。
6).前記タブリード封止用接着フィルムが、その最外層に前記変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層を有し、少なくともその内層部一層に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする、1)〜5)何れか一項に記載のタブリード封止用接着フィルム。7).熱可塑性樹脂層が融点200℃以上の熱可塑性樹脂、または繊維質からなることを特徴とする、6)記載のタブリード封止用接着フィルム。
本発明によれば、タブリード封止用接着フィルムとして好適に用いることが出来る接着フィルムを提供することが出来る。
本発明の一実施形態について説明すれば以下の通りである。なお、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
<グラフト変性する前のポリオレフィン系樹脂(A)>
本発明のタブリード封止用接着フィルムには、グラフト変性された変性ポリオレフィン系樹脂(A)が使用される。変性ポリオレフィン系樹脂(A)の原料であるグラフト変性する前のポリオレフィン系樹脂(A)としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下のビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。
中でもポリプロピレン単独共重合体やオレフィン系エラストマーが好適である。具体的には、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1・1−ブテン共重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等を挙げることができる。原料調達の容易さや変性後の物性から、ポリプロピレン単独共重合体、エチレン・プロピレン共重合体が特に好ましい。さらに、これらを任意の比率で混合した樹脂も好適に用いることが出来る。
グラフト変性する前のポリオレフィン系樹脂(A)の融点は120℃以上150℃以下であることが好ましく、125℃以上150℃以下がより好ましく、130℃以上150℃以下であることがさらに好ましい。グラフト変性する前のポリオレフィン系樹脂(A)の融点が当該範囲にあると、原料であるポリオレフィン系樹脂(A)を用いてグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点は当該範囲となり、耐熱性を有する変性ポリオレフィン系樹脂(A)となる。
<変性ポリオレフィン系樹脂(A)>
本発明のタブリード封止用接着フィルムには、変性ポリオレフィン系樹脂(A)と後述のポリオレフィン系樹脂(B)を含む変性ポリオレフィン系組成物が使用される。変性ポリオレフィン系樹脂(A)の原料であるポリオレフィン系樹脂(A)をグラフト変性するためのエチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物としては特に限定なく種々のものを用いることができる。このような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどを挙げることができる。これらの中では、金属材料との接着性を得るためには(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物の使用量は、特に制限されないが、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましく、0.1〜7重量部であることがより好ましく、0.1〜5重量部であることがさらに好ましい。0.1重量部より少ないと接着性が十分でない場合がある。一方、10重量部より多いと、残留モノマーが多く発生し、物性に悪影響を与える場合がある。
変性ポリオレフィン系樹脂(A)の原料であるポリオレフィン系樹脂(A)に対して、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物をグラフト変性する際、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の単量体を併用してもよい。その他の単量体としては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、オキサゾリン基含有不飽和単量体などが挙げられる。
芳香族ビニル化合物を用いた場合、ポリプロピレンなどの分子鎖切断型ポリオレフィンへのグラフトの際に分子鎖の切断が抑制され、高い分子量を保ったまま、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体を高い比率で導入することができるので好ましい。
芳香族ビニル化合物を例示するならば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペニルベンゼン;などの1種または2種以上が挙げられる。これらのうちスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのメチルスチレン、ジビニルベンゼン単量体またはジビニルベンゼン異性体混合物が安価であるという点で好ましい。なかでもスチレンが特に好ましい。
芳香族ビニル化合物の使用量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜7重量部であることがより好ましく、0.1〜5重量部であることがさらに好ましい。使用量が少なすぎるとポリオレフィン系樹脂(A)に対するエチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む単量体のグラフト率が劣る傾向がある。一方、使用量が10重量部を超えるとエチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む単量体のグラフト効率が飽和域に達する場合がある。
上記ポリオレフィン系樹脂(A)とエチレン性不飽和基およびエポキシ官能基を同一分子内に含む単量体、さらに必要に応じてビニル芳香族系単量体を、ラジカル重合開始剤の存在下で加熱して反応させることにより、変性ポリオレフィン系樹脂(A)を得ることができる。
ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などを挙げることができる。例示するならば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの有機過酸化物の1種または2種以上があげられる。
これらのうち、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、そのようなラジカル重合開始剤としては、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの1種または2種以上があげられる。
ラジカル重合開始剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内にあることが好ましく、0.2〜5重量部の範囲内にあることがより好ましい。0.01重量部未満では変性が充分に進行せず、10重量部を超えると流動性、機械的特性の低下を招くことがある。
グラフト変性のための重合反応としては、特に制限されないが、溶液重合、含浸重合、溶融重合などを用いることができる。特に、溶融重合が簡便で好ましい。
溶融重合は、ポリオレフィン系樹脂(A)とラジカル重合開始剤、エチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む化合物、さらに必要に応じ添加される芳香族ビニル化合物を、原料ポリオレフィン系樹脂の溶融下、混練する方法である。
溶融混練時の加熱温度は、100〜300℃であることが、ポリオレフィン系樹脂(A)が充分に溶融し、かつ熱分解しないという点で好ましい。また溶融混練の時間は、通常30秒間〜60分間である。
溶融混練の装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ミル、ニーダー、加熱ロールなどを使用することができる。生産性の面から単軸あるいは2軸の押出機を用いる方法が好ましい。また、各々の材料を充分に均一に混合するために、溶融混練を複数回繰返してもよい。
変性ポリオレフィン系樹脂(A)には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、脱水剤、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。これらの安定剤および添加剤を用いる場合は、予めポリオレフィン系樹脂(A)に添加されているものであってもよく、変性ポリオレフィン系樹脂(A)の原料であるポリオレフィン系樹脂(A)をグラフト変性させる際に添加されるものであってもよく、また変性ポリオレフィン系樹脂(A)を製造したのちに適宜の方法でこの変性ポリオレフィン系樹脂(A)に添加されるものであってもよい。
<ポリオレフィン系樹脂(B)>
本発明のタブリード封止用接着フィルムには、前述の変性ポリオレフィン系樹脂(A)とポリオレフィン系樹脂(B)を含む変性ポリオレフィン系組成物が使用される。ポリオレフィン系樹脂(B)としては、例えばポリエチレン系樹脂が挙げられる。具体的には、ポリエチレンワックス、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられ、融点やフィルム成形性といった点からポリエチレンワックス、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(B)の融点は80℃以上120℃未満であることが好ましく、90℃以上120℃未満がより好ましく、95℃以上120℃未満であることがさらに好ましい。ポリオレフィン系樹脂(B)の融点が当該範囲にあると、変性ポリオレフィン系樹脂(A)に混合した樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂(B)の融点と変性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点を有することになる。そのため、該樹脂組成物を加熱した際、比較的低い温度で樹脂組成物の一部を融解させることが出来、金属等に対して接着させることが出来る。一方で、変性ポリオレフィン系樹脂の融点が120℃以上を有していることから、樹脂組成物全体としては、耐熱性があるものとなる。
<変性ポリオレフィン系樹脂組成物>
本発明のタブリード封止用接着フィルムには、変性ポリオレフィン系樹脂(A)とポリオレフィン系樹脂(B)を混合した変性ポリオレフィン系樹脂組成物が使用される。
変性ポリオレフィン系樹脂組成物100重量%に対して、変性ポリオレフィン系樹脂(A)含有量が50〜98重量%であることが好ましく、60〜98重量%であることがより好ましく、70〜98重量%であることがさらに好ましい。変性ポリオレフィン系樹脂(A)の含有量が50重量%未満であると、金属材料への接着性が低下する傾向となり、98重量%を超えて含有すると、低融点成分であるポリオレフィン系樹脂(B)の特性が発現されにくくなる。
変性ポリオレフィン系樹脂(A)とポリオレフィン系樹脂(B)を混合する方法は特に限定されることはないが、所定量の変性ポリオレフィン系樹脂(A)と所定量のポリオレフィン系樹脂(B)をタンブラー、リボンブレンダー等の混合機に入れ混合する方法、ポリオレフィン系樹脂(A)を1段目の押出機で溶融重合し、変性ポリオレフィン系樹脂(A)を2段目の押出機に通し、ポリオレフィン系樹脂を2段目の押出機から投入し溶融混練する方法等が挙げられる。
変性ポリオレフィン系樹脂組成物のDSC測定(示差走査熱量測定)から得られる融点は、ポリオレフィン系樹脂(B)由来の融点(Tm(B))と変性ポリオレフィン系樹脂(A)由来の融点(Tm(A))を有する。変性ポリオレフィン系樹脂組成物におけるTm(B)は80℃以上120℃未満であることが好ましく、90℃以上120℃未満がより好ましく、95℃以上120℃未満であることがさらに好ましい。Tm(A)は120℃以上150℃以下であることが好ましく、125℃以上150℃以下がより好ましく、130℃以上150℃以下であることがさらに好ましい。
変性ポリオレフィン系樹脂組成物の融解熱量(ΔH(all))は、5〜40J/gであることが好ましく、5〜30J/gであることがより好ましく、5〜20J/gであることがさらに好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(B)由来の融解熱量(ΔH(B))が変性ポリオレフィン系樹脂(A)由来の融解熱量(ΔH(A))より大きいことが好ましい。
変性ポリオレフィン系樹脂組成物の融点や融解熱量が該当範囲内にあると、多大な熱量を必要とせず、低温での接着性と耐熱性を両立できる点から好ましい。
変性ポリオレフィン系樹脂組成物には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、脱水剤、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。これらの安定剤および添加剤を用いる場合は、混合や混練によりポリオレフィン系樹脂組成物させる際に添加されているものであってもよく、ポリオレフィン系樹脂(A)をグラフト変性させる際に添加されるものであってもよい。
変性ポリオレフィン系樹脂(A)の原料であるポリオレフィン系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)、変性ポリオレフィン系樹脂A、変性ポリオレフィン系樹脂組成物(各種の添加材料を含む場合もある)は粒子状のものであってもペレット状のものであってもよく、その大きさや形はとくに制限されるものではない。
<シートまたはフィルム状成形体について>
変性ポリオレフィン樹脂組成物は、熱接着性を有するシートまたはフィルム状成形体にすることができ、タブリード封止用接着フィルムとして好適に使用できる。ここでいう熱接着性とは、熱で溶けて被着体と接合する性質のことである。本発明のタブリード封材用接着フィルムは、成形体の厚みとしては3μm〜3mmが例示でき、より好ましくは10μm〜1mmであり、シートまたはフィルムとして利用することができるものである。
熱接着性を有するフィルム状成形体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば変性ポリオレフィン樹脂組成物を先端にT型ダイスを有する押出成形機、射出成形機、カレンダー成形機、インフレーション成形機、ロール成形機、あるいは加熱プレス成形機などを用いてフィルム状成形体に成形加工することが可能である。
熱接着性を有するフィルム状成形体は他の熱可塑性樹脂からなる層と共に積層されていてもよく、最外層に変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層に少なくとも内層部1層に熱可塑性樹脂からなる層であることが好ましい。この時に使用される熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、タブリードを封止する時の熱によりフィルム厚みの減少を抑制し、短絡を防止する点から、融点が200℃以上であるポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などが好適に用いることが出来る。熱接着性を有するフィルム状成形体と他の熱可塑性樹脂の積層方法としては、特に限定されるものではないが、変性ポリオレフィン樹脂と他の熱可塑性樹脂を別々の押出し機で溶融させ、T型ダイスにてそれら溶融樹脂を集合させ、共押出しすることにより積層する方法が挙げられる。
また、熱接着性を有するフィルム状成形体は他の熱可塑性樹脂からなる層と共に積層するその他の方法として、例えば変性ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に入れ、押出機先端に設けたT型ダイスからフィルム状に成形した溶融樹脂に対して熱可塑性樹脂フィルムや繊維質からなる繊維質シートを積層する方法や、熱接着性を有するフィルム状成形体と熱可塑性樹脂フィルムや繊維質シートをロール成形機にて熱圧着する方法などが挙げられる。この時に使用される熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、タブリードを封止する時の熱によりフィルム厚みの減少を抑制し、短絡を防止する点から、融点が200℃以上であるポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリイミド系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルムなどが好適に用いることが出来る。また、これら熱可塑性樹脂フィルムは一軸または二軸延伸されたフィルムでも無延伸のフィルムでも好適に用いることが出来る。
また、変性ポリオレフィン系樹脂組成物と熱可塑性樹脂フィルムの積層における積層界面の接着力が高い程、タブリード用封止材として使用した際、剥離の懸念が少なくなることから好ましい。接着力を向上させる方法として、変性ポリオレフィン系樹脂の樹脂配合による方法以外にも、熱可塑性樹脂フィルムの片方の表面または、両方の表面に対して、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理などの表面処理を事前または積層する直前に実施することもできる。表面処理後を行なったフィルム表面の表面張力は40mN/m以上あることが好ましい。表面張力とは、JIS K−6768に従って求められた値である。
熱可塑性樹脂フィルムの厚みは特に限定されるものではないが、タブリードを封止する時の熱によりフィルム厚みの減少による短絡を防止する点から、5μm〜200μmが例示でき、より好ましくは5μm〜100μmである。
繊維質シートとしては、繊維質シートを構成する繊維あるいは樹脂としては、例えば、繊維としては、セルロース、羊毛、絹、綿、麻等の天然繊維、あるいは、ガラス繊維、炭素繊維、岩石繊維、又はポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェ二レンサルファイドなど周知の耐熱性樹脂を繊維化した化学繊維が挙げられる。短絡を防止する点から、融点が200℃以上である繊維が望ましい。その中でも特に、繊維質シートとしては、ポリエステル系樹脂繊維、特に、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸の3つのモノマーを組み合わせて、組成比を変えて合成される芳香族ポリエステル系樹脂繊維のうち主鎖中に脂肪族炭化水素を有しない全芳香族ポリエステル樹脂繊維からなる不織布が好ましい。
全芳香族ポリエステル樹脂は、溶融状態で分子に配向がみられ、これを紡糸してなる繊維(溶融異方性全芳香族ポリエステル繊維)はさらに分子配向が進むため、繊維同士が交絡しやすくなり機械的強度の強く低吸湿性の耐熱性不織布が得られるだけでなく、分割、細分化されてできた隙間に樹脂が浸透しやすく樹脂含浸性に優れる耐熱性不織布が得られるため、溶融異方性全芳香族ポリエステル繊維からなる耐熱性不織布が最も好適である。また、溶融異方性全芳香族ポリエステル繊維で構成される不織布は、湿式法、乾式法いずれの方法でも製造可能であるが、コスト、耐溶剤性などの点から乾式法が好ましく、中でもメルトブローン法が好ましい。
具体的には、溶融異方性全芳香族ポリエステルを溶融紡出すると同時に紡出物を高温高速流体で吹き飛ばし、捕集面上に集積してウェブを形成し、該ウェブにカレンダー加工及び加熱処理を施して不織布を製造したものである。溶融異方性全芳香族ポリエステル不織布としての25℃・65%RH状況下での吸湿率は0.1%以下である。
なお、耐熱性不織布としては、溶融状態で塗布、浸透される変性ポリオレフィン系樹脂組成物の浸透性、浸透後の樹脂層厚さを任意に変更できる点から、目付け量5〜25g/m2、密度0.15〜0.45g/cm3が好ましく、目付け量が5g/m2未満、密度が0.15g/cm3未満では短絡防止の効果が期待できず、また、不織布の強度が不十分で加工適性に劣る虞があり、また目付け量が25g/m2、密度が0.45g/cm3を超えると溶融塗布される変性ポリオレフィン系樹脂組成物が浸透し難くなり十分な強度を得られない傾向がある。
また、上記溶融異方性全芳香族ポリエステル繊維で構成される不織布は、25℃、65%RHの環境下での吸湿率が0.1%以下であることが好ましい。吸湿率を0.1%以下とすることによって、上記溶融異方性全芳香族ポリエステル繊維で構成される不織布を伝って水分が外装体内部へ浸透することを抑えることができる。吸湿率とは、試料を一定温度・湿度条件下に保存し、試料重量が平衡に達したときの、開始時からの重量変化を重量百分率で表したものである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
(示差走査熱量測定(DSC)による融解温度測定、融解熱量測定)
変性ポリオレフィン系樹脂組成物を6.0mg秤量した。これをアルミニウム製のセルに入れ、Shimadzu DSC−50(島津製作所製)にて昇温速度20℃/分で20℃から300度まで昇温した。この時得られたDSC曲線から融解温度を求めた。融解温度とは、一般的に得られたDSC曲線の吸熱ピークにおけるピークトップの温度である。融解熱量(ΔH)とは、DSC曲線に現れる融解ピークにおいて、融解開始前のベースラインと融解終了後のベースラインを直線で結び、直線と曲線に囲まれる部分の熱量である。変性ポリオレフィン系樹脂(A)由来の融解温度をTm(A)、融解熱量をΔH(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)由来の融解温度をTm(B)、融解熱量をΔH(B)とした。変性ポリオレフィン系樹脂組成物の融解熱量(ΔH(all))はTm(A)とTm(B)を足し合わせた値とした。
<タブリード封止用接着フィルムとしての評価>
(剥離試験)
(金属材料との接着性評価)
アルミ箔(厚み50μm)を幅25mm×長さ100mmに切削し、その上に接着性フィルム(幅25mm×長さ80mm)を貼り合わせ、さらにその上から同じ寸法のアルミ箔を貼り合せた。この試験片を120℃に設定した簡易ラミネート機(ラミパッカー LPD3226 Meister6 フジプラ株式会社製)にて0.5m/分の線速で1度熱ラミし、仮貼り合わせを行なった。次に、200℃に加熱した加熱オーブンにて1分間加熱し、貼り合わせを行なった。
このようにして得られた重ね合わせ試験片を23℃ 50%RHの恒温室に一晩静置させた。次にテクスチャーアナライザー(TA.XTplus)を用いて23℃下にて引張り速度50mm/分でT剥離試験を行い、金属との接着強度(N/25mm)を評価した。
(ポリエステル系樹脂フィルムとの接着性評価)
ポリエステル系樹脂フィルム(耐加水分解性ポリエステルフィルム シャインビーム白タイプ)を幅25mm×長さ100mmに切削し、接着性フィルム(幅25mm×長さ80mm)を貼り合わせ、さらにその上から同じ寸法のポリエステル系樹脂フィルムを貼り合せた。この試験片を120℃に設定した簡易ラミネート機(ラミパッカー LPD3226 Meister6 フジプラ株式会社製)にて0.5m/分の線速で1度熱ラミし、仮貼り合わせを行なった。次に、180℃に加熱した加熱オーブンにて1分間加熱し、貼り合わせを行なった。
このようにして得られた重ね合わせ試験片を23℃ 50%RHの恒温室に一晩静置させた。次にテクスチャーアナライザー(TA.XTplus)を用いて23℃下にて引張り速度50mm/分でT剥離試験を行い、樹脂フィルムとの接着強度(N/25mm)を評価した。
(タック性評価)
変性樹脂組成物をフィルム状に成形し、100mm角に切削した。そのフィルムをアルミ箔(厚み50μm)の上に乗せ、手で馴染ませた後、フィルム面が下となるよう持ち上げた際、落下しない場合をタック性あり(○)、落下する場合をタック性なし(×)とした。タック性があると、接着フィルムをタブ材となるアルミ材などの基材に乗せる時にフィルムの位置決めがし易いため好ましい。
(実施例1)
ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製V3401.05、MFR=7、融点140℃)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部をホッパー口よりシリンダー温度200℃、スクリュー回転数250rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりスチレン4重量部、グリシジルメタクリレート4重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂(A)ペレットを得た。この変性ポリオレフィン系樹脂(A)80重量%に低密度ポリエチレン(日本ユニカー製DNDV−0405R、MFR=32、融点107℃)を20重量%ブレンドし、タンブラーにて混合し、変性ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(東洋精機製、品名ラボプラストミル;φ20mm、L/D=20)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み80μmの表面粘着性を有する接着性フィルム(タブリード封止用接着フィルム)を得た。得られた変性樹脂の融解温度と融解熱量を測定し、表1に示した。また、得られた接着性フィルムをタブリード封止用接着フィルムとしての評価を行い、その結果を表1に示した。
(実施例2)
ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製V3401.05、MFR=7、融点140℃)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部をホッパー口よりシリンダー温度200℃、スクリュー回転数250rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりスチレン4重量部、グリシジルメタクリレート4重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂(A)ペレットを得た。この変性ポリオレフィン系樹脂(A)80重量%に低密度ポリエチレン(日本ユニカー製NUC−8009、MFR=9、融点110℃)を20重量%ブレンドし、タンブラーにて混合し、変性ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(東洋精機製、品名ラボプラストミル;φ20mm、L/D=20)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み80μmの表面粘着性を有する接着性フィルム(タブリード封止用接着フィルム)を得た。得られた変性樹脂の融解温度と融解熱量を測定し、表1に示した。また、得られた接着性フィルムをタブリード封止用接着フィルムとしての評価を行い、その結果を表1に示した。
(比較例1)
ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製V3401.05、MFR=7、融点140℃)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部をホッパー口よりシリンダー温度200℃、スクリュー回転数250rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりスチレン4重量部、グリシジルメタクリレート4重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂(A)ペレットを得た。
次に、得られた樹脂ペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(東洋精機製、品名ラボプラストミル;φ20mm、L/D=20)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み80μmの表面粘着性を有する接着性フィルム(タブリード封止用接着フィルム)を得た。得られた変性樹脂の融解温度と融解熱量を測定し、表1に示した。得られた接着性フィルムをタブリード封止用接着性フィルムとしての評価を行い、その結果を表1に示した。
(比較例2)
ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製V3401.05、MFR=7、融点140℃)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部をホッパー口よりシリンダー温度200℃、スクリュー回転数250rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりスチレン4重量部、グリシジルメタクリレート4重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂(A−1)ペレットを得た。
次に、ポリプロピレンエチレンラバー(エクソンモービル製Vistamaxx6202、MFR=20、融点110℃)100重量部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部をホッパー口よりシリンダー温度200℃、スクリュー回転数250rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりスチレン4重量部、グリシジルメタクリレート4重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂(A−2)ペレットを得た。この変性ポリオレフィン系樹脂(A−1)60重量%と変性ポリオレフィン系樹脂(A−2)40重量%をタンブラーにて混合し、変性ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(東洋精機製、品名ラボプラストミル;φ20mm、L/D=20)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み80μmの表面粘着性を有する接着性フィルム(タブリード封止用接着フィルム)を得た。得られた変性樹脂の融解温度と融解熱量を測定し、表1に示した。また、得られた接着性フィルムをタブリード封止用接着フィルムとしての評価を行い、その結果を表1に示した。
(比較例3)
ランダムポリプロピレン(住友化学製S131、MFR=3)50重量部、ポリプロピレンエチレンラバー(ダウケミカル製V3401、MFR=7、融点97℃)50重量部に1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5重量部をホッパー口よりシリンダー温度200℃、スクリュー回転数250rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりスチレン4重量部、グリシジルメタクリレート4重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン系樹脂ペレットを得た。得られた変性樹脂の融解温度と融解熱量を測定し、表1に示した。
次に、得られた樹脂ペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(東洋精機製、品名ラボプラストミル;φ20mm、L/D=20)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み100μmの表面粘着性を有する接着性フィルム(タブリード封止用接着フィルム)を得た。得られた接着性フィルムをタブリード封止用接着フィルムとしての評価を行い、その結果を表1に示した。
(比較例4)
無水マレイン酸変性ポリオレフィンフィルム(アドマーフィルムQE060 三井化学株式会社製)を用いて融解温度と融解熱量測定を行い、さらにタブリード封止用接着フィルムとしての評価を行い、その結果を表1に示した。
Figure 2014210841
実施例1および2は樹脂(A)由来の融点(Tm(A)):120℃以上150℃以下、樹脂(B)由来の融点(Tm(B)):80℃以上120℃以下であり、樹脂(B)由来の融解熱量ΔH(B)と樹脂(A)由来の融解熱量ΔH(A)がΔH(B)>ΔH(A)を満たす変性ポリオレフィンからなるタブリード封止用接着フィルムを用いた時の例であり、アルミやポリエステル系樹脂との接着性が良好で、タック性も有している。これに対して、比較例1、2はアルミとの接着性が低く、比較例3,4はアルミやポリエステル系樹脂との接着性が低く、タック性もない。

Claims (7)

  1. エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体成分を用いてグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂(A)50〜98重量%とポリオレフィン系樹脂(B)2〜50重量%からなり、かつ下記を満たすことを特徴とする変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなるタブリード封止用接着フィルム。
    (I)下記2つの融点を有する。
    変性ポリオレフィン系樹脂(A)由来の融点(Tm(A)):120℃以上150℃以下
    ポリオレフィン系樹脂(B)由来の融点(Tm(B)) :80℃以上120℃以下
    (II)ポリオレフィン系樹脂(B)由来の融解熱量ΔH(B)と変性ポリオレフィン系樹脂(A)由来の融解熱量ΔH(A)が下記式を満たす。
    ΔH(B)>ΔH(A)
  2. 前記単量体成分が、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物および芳香族ビニル化合物を含有することを特徴とする、請求項1記載のタブリード封止用接着フィルム。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂(B)がポリエチレン系樹脂であることを特徴とする、請求項1または2記載のタブリード封止用接着フィルム。
  4. 前記変性ポリオレフィン系樹脂組成物の融解熱量ΔH(all)が5〜40J/gであることを特徴とする、請求項1〜3何れか一項に記載のタブリード封止用接着フィルム。
  5. 前記変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層と他の粘着性を有しない熱可塑性樹脂層が積層された積層フィルムであることを特徴とする、請求項1〜4何れか一項に記載のタブリード封止用接着フィルム。
  6. 前記タブリード封止用接着フィルムが、その最外層に前記変性ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層を有し、少なくともその内層部一層に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする、請求項1〜5何れか一項に記載のタブリード封止用接着フィルム。
  7. 熱可塑性樹脂層が融点200℃以上の熱可塑性樹脂、または繊維質からなることを特徴とする、請求項6記載のタブリード封止用接着フィルム。
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