JP2014206197A - 防振支持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】こじり変形に対する耐力を高めつつ高い荷重支持機能を維持することができる防止支持装置を提供することである。【解決手段】硬質板2とゴム板3とを交互に積層してなる積層ゴム4と、積層ゴム4の積層方向両端に配置される一対のフランジ板7,8とを有する防振支持装置1において、少なくとも1層のゴム板3の外周に、該ゴム板3の外周を囲繞する囲繞部材14を設ける。囲繞部材14をゴム板3よりも高い引張り剛性を有する構成とし、ゴム板3外周面に加硫接着により接着固定する。【選択図】図1
Description
本発明は、硬質板と弾性体とを交互に積層してなる積層体と、積層体の積層方向両端に配置される一対のフランジ板とを有する防振支持装置に関する。
従来から、この種の防振支持装置は、高い荷重を支持することができることから、建設機械、建設車両などのサスペンションや荷台のマウントあるいは建築構造物の免震構造などの様々な用途に用いられている。
このような積層タイプの防振支持装置は、積層方向に向けた圧縮荷重に対しては高い耐久性を示し高荷重を支持することが可能であるが、積層方向に向けた引張り荷重に対しては、圧縮方向と比較して耐久性が低下することが知られている。そのため、一対のフランジ板をリンクチェーン等の連結部材で互いに連結することにより、積層体に加わる引張り荷重を低減するようにしたものが開発されている。
しかしながら上記連結部材を備えた構造であっても、荷重を支持した状態の積層体に対し積層方向に直交する方向に大きな振幅の振動が入力されると、前記した一対のフランジ板が振幅方向に相対変位し、その際支持荷重によって振幅方向の一端側において一対のフランジ板間距離が小さくなり、振幅方向の他端側において一対のフランジ板間距離が大きくなる、いわゆるこじり変形が生じることがある。こじり変形が生じると、振幅方向の一端側に圧縮荷重が作用し、他端側に引張荷重が作用する。このような積層タイプの防振支持装置においては弾性体とフランジ板との拘束面が比較的大きいのに対し自由表面積が小さいことから、引張荷重が作用する側においては拘束面中央部のゴムに内部応力が集中して損傷してしまう。
そこで、例えば特許文献1に示す防振支持装置では、こじり変形による引張り荷重が集中するゴム層の厚みを他のゴム層の厚みよりも厚くすることにより、引張り荷重が各ゴム層に生じさせる内部応力を均一化して、ゴム層に局部的な亀裂が発生することを防止するようにしている。
しかしながら上記連結部材を備えた構造であっても、荷重を支持した状態の積層体に対し積層方向に直交する方向に大きな振幅の振動が入力されると、前記した一対のフランジ板が振幅方向に相対変位し、その際支持荷重によって振幅方向の一端側において一対のフランジ板間距離が小さくなり、振幅方向の他端側において一対のフランジ板間距離が大きくなる、いわゆるこじり変形が生じることがある。こじり変形が生じると、振幅方向の一端側に圧縮荷重が作用し、他端側に引張荷重が作用する。このような積層タイプの防振支持装置においては弾性体とフランジ板との拘束面が比較的大きいのに対し自由表面積が小さいことから、引張荷重が作用する側においては拘束面中央部のゴムに内部応力が集中して損傷してしまう。
そこで、例えば特許文献1に示す防振支持装置では、こじり変形による引張り荷重が集中するゴム層の厚みを他のゴム層の厚みよりも厚くすることにより、引張り荷重が各ゴム層に生じさせる内部応力を均一化して、ゴム層に局部的な亀裂が発生することを防止するようにしている。
しかしながら、上記従来の防振支持装置では、ゴム層の厚みを厚くすることにより、こじり変形に対する耐久性を高めるようにしているので、ゴム層の厚みが厚くなった分だけ積層ゴムの積層方向に向けた圧縮荷重に対する剛性が低下して、この防振支持装置の荷重支持機能が低下してしまうという問題があった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、その目的とするところは、こじり変形に対する耐久性を高めつつ、高い荷重支持機能を維持することができる防止支持装置を提供することにある。
本発明の防振支持装置は、積層体を構成する少なくとも1層の弾性体の外周に、該弾性体の外周を囲繞する囲繞部材が設けられ、前記囲繞部材は、前記弾性体よりも高い引張り剛性を有し、該弾性体の外周部に固定されていることを特徴とする。
本発明の防振支持装置では、囲繞部材が積層方向に向けた圧縮荷重に対する積層体の剛性を高めるとともに、こじり変形によって引張荷重が作用した側の弾性体の内部に発生する応力を低減させるので、こじり変形に対する耐久性を向上させつつ、防振支持装置の荷重支持機能を高く維持することができる。
本発明の防振支持装置では、囲繞部材が積層方向に向けた圧縮荷重に対する積層体の剛性を高めるとともに、こじり変形によって引張荷重が作用した側の弾性体の内部に発生する応力を低減させるので、こじり変形に対する耐久性を向上させつつ、防振支持装置の荷重支持機能を高く維持することができる。
本発明の防振支持装置では、前記囲繞部材はリング体に形成され、その内周面が前記弾性体の外周面に全周に亘って固定されているのが好ましい。
この構成によれば、積層方向に向けた圧縮荷重を受けたときに弾性体が生じる積層方向に直交する径方向外側への弾性変形を囲繞部材により確実に規制することができるとともに、積層体が何れの方向に向けてこじり変形を受けても、こじり変形時に内部応力の上昇を生じる部分を囲繞部材により押して、弾性体に生じる内部応力をより確実に低減させることができる。
この構成によれば、積層方向に向けた圧縮荷重を受けたときに弾性体が生じる積層方向に直交する径方向外側への弾性変形を囲繞部材により確実に規制することができるとともに、積層体が何れの方向に向けてこじり変形を受けても、こじり変形時に内部応力の上昇を生じる部分を囲繞部材により押して、弾性体に生じる内部応力をより確実に低減させることができる。
本発明の防振支持装置では、前記囲繞部材は複数の囲繞片を周方向に連結した構成とされ、それぞれの前記囲繞片が内周面において前記弾性体の外周面に固定されているのが好ましい。
この構成によれば、硬質板と弾性体とを積層して積層体を構成した後に弾性体の外周に囲繞部材を組み付けることができるなど、囲繞部材の弾性体への組付けを容易にすることができる。
この構成によれば、硬質板と弾性体とを積層して積層体を構成した後に弾性体の外周に囲繞部材を組み付けることができるなど、囲繞部材の弾性体への組付けを容易にすることができる。
本発明の防振支持装置では、前記囲繞部材は前記硬質板に対して積層方向に離間して配置されているのが好ましい。
この構成によれば、積層体の変形時に囲繞部材と硬質板とが互いに接することを防止することにより、これらの部材が互いに衝突したり、互いに接触した状態で変位することによるこすれを生じたりするのを防止して、囲繞部材あるいは硬質板が破損することを防止することができ、また、これらの部材が互いに接して異音を生じることを防止することができる。
この構成によれば、積層体の変形時に囲繞部材と硬質板とが互いに接することを防止することにより、これらの部材が互いに衝突したり、互いに接触した状態で変位することによるこすれを生じたりするのを防止して、囲繞部材あるいは硬質板が破損することを防止することができ、また、これらの部材が互いに接して異音を生じることを防止することができる。
本発明の防振支持装置では、前記弾性体が前記囲繞部材により径方向内側に予圧縮されているのが好ましい。
この構成によれば、弾性体に予め圧縮力を加えた状態とすることにより、引張り荷重に対する弾性体の耐久性を高めて、こじり変形に対する防振支持装置の耐力をさらに高めることができる。
この構成によれば、弾性体に予め圧縮力を加えた状態とすることにより、引張り荷重に対する弾性体の耐久性を高めて、こじり変形に対する防振支持装置の耐力をさらに高めることができる。
本発明によれば、こじり変形に対する耐久性を高めつつ、高い荷重支持機能を維持することができる防止支持装置を提供することができる。
以下に図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について例示説明する。
図1、図2に示す本発明の一実施の形態である防振支持装置1は、建設車両のサスペンション等に用いられるものである。この防振支持装置1はサスペンションと車体との間に設けられ、車体の荷重を支持するとともにタイヤ側から車体側への振動伝達を抑制することができる。
この防振支持装置1は、複数の硬質板2と、弾性的性質を有する複数(本実施の形態では9層)の弾性体つまりゴム板3とが交互に積層された積層体としての積層ゴム4を有している。
硬質板2は所定の厚みを有する円板状に形成され、その軸心には貫通孔が設けられている。ゴム板3は所定の厚みを有する円板状に形成され、その軸心には貫通孔が設けられている。このように、硬質板2とゴム板3はそれぞれリング状に形成され、互いに加硫接着により貼り合わされている。これにより、積層ゴム4は、中央部に積層方向(図1中、上下方向)に向けて延びる平面視で円形の空洞部5を備えた略肉厚円筒状に形成されている。硬質板2は、その外径寸法がゴム板3の外径寸法よりも大きくされてゴム板3の外周面に対して径方向外側へ突出している。また、空洞部5の周面はゴム板3と一体に形成された円筒状のゴム体6により覆われている。
硬質板2は所定の厚みを有する円板状に形成され、その軸心には貫通孔が設けられている。ゴム板3は所定の厚みを有する円板状に形成され、その軸心には貫通孔が設けられている。このように、硬質板2とゴム板3はそれぞれリング状に形成され、互いに加硫接着により貼り合わされている。これにより、積層ゴム4は、中央部に積層方向(図1中、上下方向)に向けて延びる平面視で円形の空洞部5を備えた略肉厚円筒状に形成されている。硬質板2は、その外径寸法がゴム板3の外径寸法よりも大きくされてゴム板3の外周面に対して径方向外側へ突出している。また、空洞部5の周面はゴム板3と一体に形成された円筒状のゴム体6により覆われている。
積層ゴム4を構成する硬質板2は、例えば、鋼板やアルミ板等の金属板、ナイロン板等の樹脂板により構成することができる。一方、ゴム板3は各種の加硫ゴムを素材としたモールド成形により形成することができるが、弾性体としてゴム材以外のエラストマー等の弾性材料により形成されたものを用いることもできる。
積層ゴム4の積層方向両端には、それぞれ鋼板等の金属板や硬質の樹脂板等により形成される一対のフランジ板7,8が配設されている。図2に示すように、これらのフランジ板7,8は矩形の板状に形成され、それぞれ積層ゴム4の下端および上端のゴム板3に加硫接着により固着され、積層ゴム4を積層方向に挟持している。フランジ板7,8の四隅にはそれぞれ固定孔(図2中にフランジ板8の固定孔8aのみを示す)が設けられ、これらの固定孔8aに挿通される図示しないボルトとナットとによりフランジ板7,8を所望の部材に固定することができる。本実施の形態では、積層ゴム4の下端側のフランジ板7は建設車両のサスペンション側に固定され、上端側のフランジ板8は建設車両の車体側に固定される。
積層ゴム4の空洞部5には金属製のリンクチェーン9が配設されている。このリンクチェーン9は3つのリンク片10,11,12を線状に連結した構成となっている。下側のリンク片10は円板状の支持部10aを有し、この支持部10aにおいて下側のフランジ板7に支持されている。上側のリンク片11は上側のフランジ板8を貫通するボルト部11aを有し、このボルト部11aにおいてナット13により上側のフランジ板8に固定されている。そして、下側のリンク片10と上側のリンク片11とは中間のリンク片12により互いに連結されている。リンクチェーン9は積層ゴム4よりも十分に高い剛性及び強度を有しており、積層ゴム4を積層方向に予圧縮した状態で一対のフランジ板7,8を所定の間隔に保持している。また、リンクチェーン9は、リンク片10,11,12間が屈曲可能となっており、フランジ板7とフランジ板8との間の径方向への相対移動を許容している。
なお、防振支持装置1は、リンクチェーン9を備えない構成とすることもできる。
なお、防振支持装置1は、リンクチェーン9を備えない構成とすることもできる。
積層ゴム4のゴム板3の外周には、それぞれ囲繞部材14が配置されている。これらの囲繞部材14は、周方向に垂直な断面形状が全周に亘って一様なリング体に形成されており、ゴム板3の外周を全周に亘って囲繞している。囲繞部材14の内周面はゴム板3の外周部である外周面に全周に亘って接着されており、これにより囲繞部材14はゴム板3の外周部に固定されている。なお、囲繞部材14の内周面は、その軸方向両縁部が面取りされることにより半円形状断面に形成されている。
囲繞部材14は、例えば加硫接着によりゴム板3の外周面に接着固定することができる。この場合、囲繞部材14のゴム板3への加硫接着は、加硫成形用の金型内に硬質板2とともに囲繞部材14をセットした状態で未加硫のゴムによりゴム板3を加硫成形することにより行うことができる。このとき、ゴム板3または囲繞部材14に接着剤を塗布した上で加硫接着することもできる。
囲繞部材14は、例えば鋼材等の金属材料や硬質の樹脂材料等により形成することができ、その径方向外側へ向けた引張り剛性はゴム板3の引張り剛性よりも高くなっている。本実施の形態においては、囲繞部材14は鋼材により形成されるが、その径方向外側へ向けた引張り剛性がゴム板14の引張り剛性よりも高いものであれば、囲繞部材14を他の材質により形成したものとすることもできる。
なお、引張り剛性とは、ゴム板3や囲繞部材14をその外径を拡大させるように径方向外側へ向けて単位変形させるのに必要な力(荷重/変形量)のことである。したがって、囲繞部材14がゴム板3よりも高い引張り剛性を有することにより、積層方向に向けた圧縮荷重によりゴム板3が硬質板2の間で潰されたときに、囲繞部材14によりゴム板3が径方向外側へ弾性変形しないように当該弾性変形を規制することができる。
囲繞部材14はゴム板3よりも積層方向の厚みが薄く形成され、ゴム板3の外周面の積層方向の中央部に接着固定されている。これにより、囲繞部材14は硬質板2に対して積層方向に離間して配置され、車両走行時等においてゴム板3が弾性変形しても硬質板2に接触しないようにされている。なお、囲繞部材14の外径寸法は、硬質板2の外径寸法とほぼ同一とされている。
囲繞部材14は、例えば加硫接着によりゴム板3の外周面に接着固定することができる。この場合、囲繞部材14のゴム板3への加硫接着は、加硫成形用の金型内に硬質板2とともに囲繞部材14をセットした状態で未加硫のゴムによりゴム板3を加硫成形することにより行うことができる。このとき、ゴム板3または囲繞部材14に接着剤を塗布した上で加硫接着することもできる。
囲繞部材14は、例えば鋼材等の金属材料や硬質の樹脂材料等により形成することができ、その径方向外側へ向けた引張り剛性はゴム板3の引張り剛性よりも高くなっている。本実施の形態においては、囲繞部材14は鋼材により形成されるが、その径方向外側へ向けた引張り剛性がゴム板14の引張り剛性よりも高いものであれば、囲繞部材14を他の材質により形成したものとすることもできる。
なお、引張り剛性とは、ゴム板3や囲繞部材14をその外径を拡大させるように径方向外側へ向けて単位変形させるのに必要な力(荷重/変形量)のことである。したがって、囲繞部材14がゴム板3よりも高い引張り剛性を有することにより、積層方向に向けた圧縮荷重によりゴム板3が硬質板2の間で潰されたときに、囲繞部材14によりゴム板3が径方向外側へ弾性変形しないように当該弾性変形を規制することができる。
囲繞部材14はゴム板3よりも積層方向の厚みが薄く形成され、ゴム板3の外周面の積層方向の中央部に接着固定されている。これにより、囲繞部材14は硬質板2に対して積層方向に離間して配置され、車両走行時等においてゴム板3が弾性変形しても硬質板2に接触しないようにされている。なお、囲繞部材14の外径寸法は、硬質板2の外径寸法とほぼ同一とされている。
囲繞部材14はゴム板3を径方向内側へ向けて予圧縮する構成とすることができる。
本実施の形態においては、囲繞部材14をゴム板3の外周面に接着固定した後、かしめ装置等を用いて、囲繞部材14を縮径する方向に塑性変形させるようにしている。これにより、ゴム板3に径方向内側へ向けた圧縮荷重を付与し、つまりゴム板3を予圧縮して、積層方向に引張り荷重を受けたときにゴム板3の内部に生じる内部応力を低減させることができる。
本実施の形態においては、囲繞部材14をゴム板3の外周面に接着固定した後、かしめ装置等を用いて、囲繞部材14を縮径する方向に塑性変形させるようにしている。これにより、ゴム板3に径方向内側へ向けた圧縮荷重を付与し、つまりゴム板3を予圧縮して、積層方向に引張り荷重を受けたときにゴム板3の内部に生じる内部応力を低減させることができる。
次に、本発明の一実施の形態である防振支持装置1の作用について説明する。
防振支持装置1は、下端側のフランジ板7が建設車両のサスペンション側に固定され、上端側のフランジ板8が建設車両の車体側に固定されることにより車体の荷重を防振支持することができる。
積層ゴム4を構成するゴム板3に車体の荷重つまり積層方向の圧縮荷重が加えられると、ゴム板3が一対の硬質板2の間で潰されて積層方向に直交する径方向外側へ弾性変形しようとする。このとき、本発明では、ゴム板3の外周は囲繞部材14で囲繞され、ゴム板3の径方向外側への弾性変形は囲繞部材14により規制されているので、当該圧縮荷重に対してゴム板3が弾性変形しづらくなり、当該圧縮荷重に対する積層ゴム4の剛性が高められることになる。したがって、ゴム板3の積層方向に向けた厚みを厚くして、積層方向に向けた引張り荷重に対するゴム板3の耐力を高めるようにしても、ゴム板3の外周を囲繞部材14で囲繞することにより、圧縮荷重に対する積層ゴム4の剛性を高く維持することができる。つまり、防振支持装置1は高い荷重支持機能を維持することができる。
積層ゴム4を構成するゴム板3に車体の荷重つまり積層方向の圧縮荷重が加えられると、ゴム板3が一対の硬質板2の間で潰されて積層方向に直交する径方向外側へ弾性変形しようとする。このとき、本発明では、ゴム板3の外周は囲繞部材14で囲繞され、ゴム板3の径方向外側への弾性変形は囲繞部材14により規制されているので、当該圧縮荷重に対してゴム板3が弾性変形しづらくなり、当該圧縮荷重に対する積層ゴム4の剛性が高められることになる。したがって、ゴム板3の積層方向に向けた厚みを厚くして、積層方向に向けた引張り荷重に対するゴム板3の耐力を高めるようにしても、ゴム板3の外周を囲繞部材14で囲繞することにより、圧縮荷重に対する積層ゴム4の剛性を高く維持することができる。つまり、防振支持装置1は高い荷重支持機能を維持することができる。
また、車体の荷重を支持した状態の防止支持装置1に積層方向に直交する方向の大きな振幅の振動が加わると、積層ゴム4がこじり変形して、ゴム板3の振幅方向の一方側が圧縮荷重を受け、他方側が引張り荷重を受けることになる。このとき、ゴム板3の圧縮荷重を受ける部分が一対の硬質板2の間で潰されて径方向外側へ向けて押し出されると、囲繞部材14がゴム板3の当該押し出される部分に押されて径方向へ移動し、ゴム板3の引張り荷重を受ける部分の外周面を径方向内側へ向けて押すことになる。したがって、ゴム板3のこじり変形による引張り荷重を受ける部分は、上記のようにゴム板3の厚みを厚く形成することに加えて囲繞部材14に径方向内側へ押されて圧縮力が加えられることによっても、その内部応力が低減されることになる。
このように、本発明の防振支持装置1では、ゴム板3の外周を囲繞部材14で囲繞することにより、積層方向に向けた圧縮荷重に対する積層ゴム4の剛性を維持しつつ、こじり変形に対するゴム板3の耐力を高めることができる。
なお、上記のように、囲繞部材14の内周面は軸方向両縁部が面取りされて半円形状断面に形成されているので、径方向外側へ弾性変形したゴム板3の外周面が、囲繞部材14の軸方向両側に滑らかに弾性変形できるようにして、圧縮荷重を加えられたゴム板3の外周面が囲繞部材14の内周面の縁部で切断されることを防止することができる。
なお、上記のように、囲繞部材14の内周面は軸方向両縁部が面取りされて半円形状断面に形成されているので、径方向外側へ弾性変形したゴム板3の外周面が、囲繞部材14の軸方向両側に滑らかに弾性変形できるようにして、圧縮荷重を加えられたゴム板3の外周面が囲繞部材14の内周面の縁部で切断されることを防止することができる。
図3は図1に示す防振支持装置の変形例の断面図である。図3においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
図1に示す場合では、各ゴム板3の積層方向の厚みを同一にするとともに全てのゴム板3の外周に囲繞部材14を設けるようにしている。
これに対して、図3に示す変形例では、積層ゴム4を構成するゴム板3の厚み寸法を、図中上側から下側へ向けて徐々にまたは段階的に大きくし、下側の3層のゴム板3の厚みを最も厚くするようにしている。そして、厚みが一番厚くされた下側の3層のゴム板3の外周にのみ囲繞部材14を設けるようにしている。これらの囲繞部材14は、図1に示す囲繞部材14と同様な構成を有しており、ゴム板3の外周面に全周に亘って加硫接着により固定されている。
これに対して、図3に示す変形例では、積層ゴム4を構成するゴム板3の厚み寸法を、図中上側から下側へ向けて徐々にまたは段階的に大きくし、下側の3層のゴム板3の厚みを最も厚くするようにしている。そして、厚みが一番厚くされた下側の3層のゴム板3の外周にのみ囲繞部材14を設けるようにしている。これらの囲繞部材14は、図1に示す囲繞部材14と同様な構成を有しており、ゴム板3の外周面に全周に亘って加硫接着により固定されている。
下側のフランジ板7が固定されるサスペンションのリンク構造によっては、積層ゴム4がこじり変形を受けたときに、下側つまりフランジ板7の側の3層のゴム板3に、こじり変形に伴う大きな引張り荷重が加えられることがある。このような場合、図3に示す変形例のように、こじり変形に伴う大きな引張り荷重が加わる下側の3層のゴム板3の厚みを他のゴム板3の厚みよりも厚くすることにより、積層ゴム4の圧縮荷重に対する剛性を低下させることなく、こじり変形に対する積層ゴム4の耐久性を高めることができる。また、厚みが一番厚いゴム板3の外周にのみ囲繞部材14を設けることで、部品点数の増加を最小限として防振支持装置1のコスト増加を最小限に抑えることができる。
以下に、本発明の実施例と比較例との比較について説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例の防振支持装置は、図1、図2に示される防振支持装置1の構成つまりゴム板の外周に囲繞部材が接着固定された構成のものであり、ゴム板の直径は240mm、厚みは25mmとされ、囲繞部材の厚みは10mmとされている。一方、比較例1の防振支持装置は、ゴム板の外周に囲繞部材が設けられていない構成であり、ゴム板の直径は240mm、厚みは17.5mmである。なお、積層方向に向けた圧縮荷重に対する積層ゴムの剛性が同一となるように、硬質板の枚数は同一のまま、比較例の防振支持装置のゴム板の積層方向に向けた厚み寸法は実施例のゴム板の当該厚み寸法よりも小さくされている。実施例のゴム板は囲繞部材により剛性が高められているので、囲繞部材が設けられない場合に比べて厚み寸法を大きくしても同一の剛性を得ることができる。
実施例と比較例について、積層方向に向けた引張り荷重に対する弾性体の内部応力の変化を、一方の硬質板を固定し他方の硬質板に対してその板面上に均一に引張り荷重を加える条件下で、それぞれ有限要素法を用いて解析した。その結果を図4、図5に示す。
図4に示すように、実施例のゴム板は比較例のゴム板に比べて厚み寸法が大きくされているので、圧縮荷重に対する剛性が比較例と同一であるにも拘わらず、引張り荷重が加えられたときに生じる内部応力の値は比較例に比べて全体的に13.5%ほど小さくなっている。図5(a)に示すように、比較例ではゴム板の幅方向中央部分に内部応力が集中しているのに対して、図5(b)に示すように、実施例ではゴム板に生じる内部応力が比較例に比べて全体的に小さくなっていることが解る。特にゴム板の積層方向中央部では内部応力の低下が顕著である。なお、図5においては、色が濃い部分ほど内部応力が高いことを示す。
図4に示すように、実施例のゴム板は比較例のゴム板に比べて厚み寸法が大きくされているので、圧縮荷重に対する剛性が比較例と同一であるにも拘わらず、引張り荷重が加えられたときに生じる内部応力の値は比較例に比べて全体的に13.5%ほど小さくなっている。図5(a)に示すように、比較例ではゴム板の幅方向中央部分に内部応力が集中しているのに対して、図5(b)に示すように、実施例ではゴム板に生じる内部応力が比較例に比べて全体的に小さくなっていることが解る。特にゴム板の積層方向中央部では内部応力の低下が顕著である。なお、図5においては、色が濃い部分ほど内部応力が高いことを示す。
また、実施例と比較例について、こじり変形を受けたときの引張り荷重に対するゴム板の内部応力の変化を、それぞれ有限要素法を用いて解析した。その結果を図6、図7に示す。
図6に示すように、こじり変形を受けたときに生じる引張り力に対しては、実施例のゴム板の内部応力の値は比較例の内部応力の値に比べて全体的に54.5%ほど小さくなっている。図7(a)に示すように、比較例ではゴム板の幅方向中央部分に内部応力が集中しているのに対して、図7(b)に示すように、実施例ではゴム板に生じる内部応力が比較例に比べて全体的に小さくなっていることが解る。特にゴム板の積層方向中央部では内部応力の低下が顕著である。なお、図7においては、色が濃い部分ほど内部応力が高いことを示す。
図6に示すように、こじり変形を受けたときに生じる引張り力に対しては、実施例のゴム板の内部応力の値は比較例の内部応力の値に比べて全体的に54.5%ほど小さくなっている。図7(a)に示すように、比較例ではゴム板の幅方向中央部分に内部応力が集中しているのに対して、図7(b)に示すように、実施例ではゴム板に生じる内部応力が比較例に比べて全体的に小さくなっていることが解る。特にゴム板の積層方向中央部では内部応力の低下が顕著である。なお、図7においては、色が濃い部分ほど内部応力が高いことを示す。
積層方向に向けた引張り力が加えられたときには、比較例の内部応力の値に対して実施例の内部応力の値が13.5%低減されるのに対して、こじり変形が加えられたときには、比較例の内部応力の値に対して実施例の内部応力の値が54.5%低減されている。このことから、こじり変形による引張り荷重に対しては、ゴム板の厚み寸法を厚くしたことによる内部応力低減効果だけでなく、こじり変形に伴い、囲繞部材がゴム板の圧縮荷重を受ける側の弾性変形により径方向外側へ押され、ゴム板のこじり変形による引張り荷重を受ける部分に囲繞部材から径方向内側へ向けた圧縮力が加えられることによっても、ゴム板の内部応力が低減されていることが解る。
このように、実施例の防振支持装置は、比較例の防振支持装置に対し、圧縮荷重に対する剛性が同一であるにも拘わらず引張り荷重に対する耐久性が高められている。したがって、実施例の防振支持装置は、比較例に対して、こじり変形に対する耐久性を高めつつ高い荷重支持機能を維持することができている。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、囲繞部材14をリング体に形成するようにしているが、これに限らず、囲繞部材14を周方向に分割された複数の囲繞片で構成し、これらの囲繞片をボルトとナット等の締結手段により周方向に連結した構成とすることもできる。この場合、囲繞部材14は、各囲繞片が全周に亘って互いに連結されていれば、各囲繞片を周方向に間隔を空けて配置したす構成とすることもできる。なお、各囲繞片はそれぞれその内周面においてゴム板の外周面に固定されることになる。
また、前記実施の形態においては、図1に示すように全てのゴム板3の外周に囲繞部材14を設け、または、図3に示すように下方側の3つのゴム板3の外周にのみ囲繞部材14を設けるようにしているが、引張り荷重に対する内部応力の低減が必要な所望のゴム板3の外周に囲繞部材14を設けることができる。
さらに、前記実施の形態においては、本発明の防振支持装置1を建設車両のサスペンションに用いるようにしているが、これに限らず、本発明の防振支持装置1は、例えば建築構造物の免振構造、エンジンやモータ等の振動発生部とフロアや車体等の振動受部との間に配置する防振装置など、他の用途にも用いることができる。
さらに、前記実施の形態においては、囲繞部材14の内周面をゴム板3の外周面に加硫接着により接着するようにしているが、これに限らず、加硫成形された後のゴム板3の外周面に囲繞部材14の内周面を、接着剤等を用いて接着固定するようにしてもよい。
1:防振支持装置 2:硬質板 3:ゴム板(弾性体) 4:積層ゴム(積層体) 7,8:フランジ板 14:囲繞部材
Claims (5)
- 硬質板と弾性体とを交互に積層してなる積層体と、前記積層体の積層方向両端に配置される一対のフランジ板とを有する防振支持装置であって、
少なくとも1層の前記弾性体の外周に、該弾性体の外周を囲繞する囲繞部材が設けられ、
前記囲繞部材は、前記弾性体よりも高い引張り剛性を有し、該弾性体の外周部に固定されていることを特徴とする防振支持装置。 - 前記囲繞部材はリング体に形成され、その内周面が前記弾性体の外周面に全周に亘って固定されている請求項1記載の防振支持装置。
- 前記囲繞部材は複数の囲繞片を周方向に連結した構成とされ、それぞれの前記囲繞片が内周面において前記弾性体の外周面に固定されている請求項1記載の防振支持装置。
- 前記囲繞部材は前記硬質板に対して積層方向に離間して配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の防振支持装置。
- 前記弾性体が前記囲繞部材により径方向内側に予圧縮されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の防振支持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017036612A (ja) * | 2015-08-11 | 2017-02-16 | 黒沢建設株式会社 | 免震構造物に用いる変位制限装置及びプレコンプレッションの導入方法 |
-
2013
- 2013-04-11 JP JP2013083024A patent/JP2014206197A/ja active Pending
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