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JP2014203805A - リチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー、リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー、リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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JP2014203805A
JP2014203805A JP2013081958A JP2013081958A JP2014203805A JP 2014203805 A JP2014203805 A JP 2014203805A JP 2013081958 A JP2013081958 A JP 2013081958A JP 2013081958 A JP2013081958 A JP 2013081958A JP 2014203805 A JP2014203805 A JP 2014203805A
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JP2013081958A
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木所 広人
Hiroto Kidokoro
広人 木所
荒井 健次
Kenji Arai
健次 荒井
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

【課題】 レート特性及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができるフッ化ビニリデン単量体単位を含むリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーを提供する。
【解決手段】 フッ化ビニリデン単量体単位含有量が70〜100重量%である粒子状バインダーAと、ブタジエン単量体単位含有量が20〜50重量%、スチレン単量体単位含有量が50〜80重量%である粒子状バインダーBと、非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基の炭素数が4〜10のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位含有量が70〜100重量%である粒子状バインダーCとを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー、リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物およびリチウムイオン二次電池に関するものである。
近年、ノート型パソコン、タブレット端末、スマートフォン等の携帯電話等、携帯端末の普及が著しい。これら携帯端末の電源として用いられている二次電池には、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池などが用いられている。携帯端末は、より快適な携帯性が求められて小型化、薄型化、軽量化および高性能化が急速に進み、その結果、携帯端末は様々な場で利用されるようになっている。また、二次電池に対しても、携帯端末に対するのと同様に、小型化、薄型化、軽量化および高性能化が要求されている。
二次電池は、通常、電極、電解液及びその他の電池部材を備える。また、電極は、通常、集電体と、この集電体上に形成された電極活物質層とを備える。さらに、電極活物質層は、バインダー及び電極活物質を含み、二次電池の高性能化のために、電極活物質層に含まれる各成分の検討が行われている。
例えば、フッ素(F)原子は半径が小さく、電気陰性度が高いため、カーボン(C)原子との結合(C−F結合)は他の結合に比べて結合エネルギーが大きくなる。そのため、C−F結合を有するフッ素樹脂は、耐薬品性、耐熱性、耐候性(耐紫外線性)、耐酸化性(不燃性)等に優れ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂は、主にリチウムイオン二次電池電極用バインダーとして用いられている。
また、特許文献1においては、負極活物質表面にポリフッ化ビニリデンの微粒子とカルボキシメチルセルロースを被覆させ、バインダーとしてスチレンブタジエンゴムを、溶媒として水を用いてリチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物を得て、負極を形成している。
特開2013−45524号公報
しかし、特許文献1のようにポリフッ化ビニリデンを用いた場合には、得られるリチウムイオン二次電池のレート特性及びサイクル特性等の電池特性に劣ることが分かった。
本発明の目的は、レート特性及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができるフッ化ビニリデン単量体単位を含むリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーを提供すること、このリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーを用いたリチウムイオン二次電池用スラリー組成物及びリチウムイオン二次電池を提供することである。
本発明者は上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、フッ化ビニリデン単量体単位を含むバインダーと特定のバインダーとを併用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明によれば、
(1) フッ化ビニリデン単量体単位含有量が70〜100重量%である粒子状バインダーAと、ブタジエン単量体単位含有量が20〜50重量%、スチレン単量体単位含有量が50〜80重量%である粒子状バインダーBと、非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基の炭素数が4〜10のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位含有量が70〜100重量%である粒子状バインダーCとを含むリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー、
(2) 前記粒子状バインダーAの含有量が20〜80重量%、前記粒子状バインダーB及び前記粒子状バインダーCの合計含有量が20〜80重量%である(1)記載のリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー、
(3) 前記粒子状バインダーBの含有量が10〜40重量%、前記粒子状バインダーCの含有量が10〜40重量%であって、前記粒子状バインダーBと前記粒子状バインダーCの重量比が30:70〜70:30である(1)または(2)記載のリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー。
(4) (1)〜(3)の何れかに記載のリチウムイオン二次電池用粒子状バインダー、電極活物質及び水溶性高分子を含み、前記水溶性高分子の1%水溶液の粘度は10〜3000mPa・sであるリチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物、
(5) (1)〜(4)の何れかに記載のリチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物を集電体上に塗布、乾燥して形成されるリチウムイオン二次電池負極、正極、電解液及びセパレータを具備してなるリチウムイオン二次電池
が提供される。
本発明によれば、レート特性及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができるフッ化ビニリデン単量体単位を含むリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーを提供することができる。また、本発明によれば、このリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーを用いたリチウムイオン二次電池用スラリー組成物及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーについて説明する。本発明のリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーは、フッ化ビニリデン単量体単位含有量が70〜100重量%である粒子状バインダーAと、ブタジエン単量体単位含有量が20〜50重量%、スチレン単量体単位含有量が50〜80重量%である粒子状バインダーBと、炭素数が4〜10のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位含有量が70〜100重量%である粒子状バインダーCとを含む。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」を意味する。また、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」を意味する。さらに、「(メタ)アクリロニトリル」は「アクリロニトリル」及び「メタクリロニトリル」を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び「メタクリロイル」を意味する。さらに、「正極活物質」とは正極用の電極活物質を意味し、「負極活物質」とは負極用の電極活物質を意味する。また、「正極活物質層」とは正極に設けられる電極活物質層を意味し、「負極活物質層」とは負極に設けられる電極活物質層を意味する。
(粒子状バインダーA)
本発明のリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー(以下、「負極用粒子バインダー」と記載することがある。)に用いる粒子状バインダーAは、フッ化ビニリデン単量体単位を70〜100重量%、好ましくは80〜100重量%含む。粒子状バインダーA中のフッ化ビニリデン単量体単位の含有量が上記範囲であると、負極用粒子状バインダーを用いて得られるリチウムイオン二次電池の低温出力特性と寿命特性とのバランスが良好となる。
粒子状バインダーAを得る方法に格別な制限はないが、例えば、上記単量体を含む単量体組成物を、媒体、好ましくは水系媒体中で重合することにより製造される。重合方法は、特に限定されず、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などのいずれの方法も用いることができる。重合反応としては、イオン重合、ラジカル重合、リビングラジカル重合などが挙げられる。これらの中でも、重合体がそのまま水に分散した状態で得られることから、分散化の処理が不要である等、製造効率の観点から、乳化重合法が最も好ましい。
ここで、水系媒体とは、水を含む媒体であり、具体的には、水、ケトン類、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、エーテル類及びこれらの混合物を挙げることができる。
乳化重合法は、常法、例えば「実験化学講座」第28巻、(発行元:丸善(株)、日本化学会編)に記載された方法、すなわち、攪拌機および加熱装置付きの密閉容器に水、分散剤や乳化剤、架橋剤などの添加剤、開始剤およびモノマーを所定の組成になるように加え、攪拌してモノマーなどを水に乳化させ、攪拌しながら温度を上昇させて重合を開始する方法である。或いは、上記組成物を乳化させた後に密閉容器に入れ同様に反応を開始させる方法である。
乳化剤や分散剤、重合開始剤などは、これらの重合法において一般的に用いられるものであり、その使用量も一般に使用される量でよい。また重合に際しては、シード粒子を採用すること(シード重合)もできる。
また、重合温度および重合時間は、乳化重合の手法や使用する重合開始剤の種類などにより任意に選択できるが、通常、重合温度は約30℃以上、重合時間は0.5〜30時間程度である。
また、粒子状バインダーAは、無水マレイン酸によるマレイン化変性等の親水化変性が行われていることが好ましい。なお、マレイン化変性された粒子状バインダーAとしては、ADX161(アルケマ社製)等を用いることもできる。
(粒子状バインダーB)
本発明のリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーに用いる粒子状バインダーBは、ブタジエン単量体単位を20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%、スチレン単量体単位を50〜80重量%、好ましくは55〜75重量%それぞれ含む。ここで、ブタジエンとしては、1,3−ブタジエンを好ましく用いることができる。
粒子状バインダーB中のブタジエン単量体単位の含有量が多すぎると、負極用粒子状バインダーの強度が低下する。また、粒子状バインダーB中のブタジエン単量体単位の含有量が少なすぎると、負極用粒子状バインダーを含む負極活物質層とセパレータとの接着性が低下する。
また、粒子状バインダーB中のスチレン単量体単位の含有量が多すぎると、粒子状バインダーを含む負極活物質層とセパレータとの接着性が低下する。また、粒子状バインダーB中のスチレン単量体単位の含有量が少なすぎると、負極用バインダーの強度が低下する。
また、粒子状バインダーBは、上記ブタジエン単量体単位および上記スチレン単量体単位のほかに、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体単位が挙げられる。
エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体の具体例は、エチレン性不飽和ジカルボン酸及びその酸無水物並びにそれらの誘導体が挙げられる。
エチレン性不飽和ジカルボン酸の例としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸及びイタコン酸が挙げられる。また、エチレン性不飽和ジカルボン酸の酸無水物の例としては、無水マレイン酸、アクリル酸無水物、メチル無水マレイン酸、及びジメチル無水マレイン酸が挙げられる。
エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体の例としては、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸等のマレイン酸メチルアリル;並びにマレイン酸ジフェニル、マレイン酸ノニル、マレイン酸デシル、マレイン酸ドデシル、マレイン酸オクタデシル、マレイン酸フルオロアルキル等のマレイン酸エステルが挙げられる。
これらのなかでも、イタコン酸、マレイン酸、フタル酸が好ましく、イタコン酸がより好ましい。
粒子状バインダーB中のエチレン性不飽和ジカルボン酸単量体単位の含有量は、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%、さらに好ましくは3〜5重量%である。粒子状バインダーB中のエチレン性不飽和ジカルボン酸単量体単位の含有量が多すぎると、負極用粒子状バインダーを用いて得られるリチウムイオン二次電池の寿命特性が低下する。また、粒子状バインダーB中のエチレン性不飽和ジカルボン酸単量体の含有量が少なすぎると、負極用粒子状バインダーを用いて得られるリチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物中における負極活物質の分散性が低下する。
粒子状バインダーBを得る方法に格別な制限はないが、例えば、上記粒子状バインダーAを得る方法と同様の方法を用いることができる。
また、粒子状バインダーBの非水電解液に対する膨潤度は、3倍以下であることが好ましい。
(粒子状バインダーC)
本発明のリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーに用いる粒子状バインダーBは、非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基の炭素数が4〜10、好ましくは4〜8のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位を70〜100重量%、好ましくは80〜98重量%、より好ましくは85〜98重量%含む。
粒子状バインダーC中のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位の含有量が多すぎると、負極用粒子状バインダーの強度が低下する。また、粒子状バインダーC中のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位の含有量が少なすぎると、負極用粒子状バインダーを含む負極活物質層とセパレータとの接着性が低下する。
非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基の炭素数が4〜10のアルキル(メタ)アクリレート単量体としては、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルキレングリコール(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、粒子状バインダーCは、上記アルキル(メタ)アクリレート単量体単位のほかに、さらに上記の単量体と共重合可能なその他の単量体単位を有していてもよい。上記の単量体と共重合可能なその他の単量体としては、エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体、架橋性基を有する単量体(以下において「架橋性単量体」と記載することがある。)、2つ以上の炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸エステル単量体、ニトリル基含有単量体などが挙げられる。
エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体の具体例は、エチレン性不飽和モノカルボン酸及びその誘導体が挙げられる。
エチレン性不飽和モノカルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、及びクロトン酸が挙げられる。また、エチレン性不飽和モノカルボン酸の誘導体の例としては、2−エチルアクリル酸、イソクロトン酸、α−アセトキシアクリル酸、β−trans−アリールオキシアクリル酸、α−クロロ−β−E−メトキシアクリル酸、及びβ−ジアミノアクリル酸が挙げられる。これらのなかでも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
粒子状バインダーC中のエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体単位の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜8重量%、さらに好ましくは0.3〜5重量%である。粒子状バインダーC中のエチレン性不飽和ジカルボン酸単量体単位の含有量が多すぎると、負極用粒子状バインダーを用いて得られるリチウムイオン二次電池の寿命特性が低下する。また、粒子状バインダーB中のエチレン性不飽和ジカルボン酸単量体の含有量が少なすぎると、負極用粒子状バインダーを用いて得られるリチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物中における負極活物質の分散性が低下する。
ニトリル基含有単量体の具体例としては、アクリロニトリルやメタアクリロニトリルなどが挙げられる。粒子状バインダーC中のニトリル基含有単量体の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜5重量%である。
架橋性単量体としては、熱架橋性の架橋性基を有する1つのオレフィン性二重結合を持つ単官能性単量体、少なくとも2つのオレフィン性二重結合を持つ多官能性単量体が挙げられる。
1つのオレフィン性二重結合を持つ単官能性単量体に含まれる熱架橋性の架橋性基としては、エポキシ基、N−メチロールアミド基、オキセタニル基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単量体が挙げられる。これらの中でも、エポキシ基を含有する単量体が架橋及び架橋密度の調節が容易な点でより好ましい。
エポキシ基を含有する単量体としては、炭素−炭素二重結合およびエポキシ基を含有する単量体と、ハロゲン原子およびエポキシ基を含有する単量体が挙げられる。
炭素−炭素二重結合およびエポキシ基を含有する単量体としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテル; ブタジエンモノエポキシド、クロロプレンモノエポキシド、4,5エポキシ−2−ペンテン、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロへキセン、2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどのジエンまたはポリエンのモノエポキシド;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−2−エポキシ−9−デセンなどのアルケニルエポキシド;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエー卜、グリシジルソルベー卜、グリシジルリノレート、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステルなどの不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;が挙げられる。
ハロゲン原子およびエポキシ基を有する単量体としては、たとえば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリン;p−クロロスチレンオキシド;ジブロモフェニルグリシジルエーテル;が挙げられる。
N−メチロールアミド基を含有する単量体としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有する(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
オキセタニル基を含有する単量体としては、3−((メタ)アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−((メタ)アクリロイルオキシメチル)−4−トリフロロメチルオキセタンなどが挙げられる。
オキサゾリン基を含有する単量体としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
少なくとも2つのオレフィン性二重結合を持つ多官能性単量体としてはアリルアクリレートまたはアリルメタクリレート、エチレンジアクリレート、エチレンジメタクリレート、トリメチロールプロパン−トリアクリレート、トリメチロールプロパン−メタクリレート、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、または多官能性アルコールの他のアリルまたはビニルエーテル、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリアリルアミン、トリメチロールプロパン−ジアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミドおよび/またはジビニルベンゼンが挙げられる。
粒子状バインダーC中の架橋性単量体単位の含有量は、好ましくは0.1〜2重量%、より好ましくは0.2〜1.5重量%である。
粒子状バインダーCを得る方法に格別な制限はないが、例えば、上記粒子状バインダーAを得る方法と同様の方法を用いることができる。
また、粒子状バインダーCの後述する非水電解液に対する膨潤度は、2〜5倍であることが好ましい。また、この粒子状バインダーCの非水電解液に対する膨潤度は、粒子状バインダーBの膨潤度の2倍以上であることが好ましい。
(リチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー)
本発明のリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーは、上記粒子状バインダーA、粒子状バインダーBおよび粒子状バインダーCを含む。
リチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー中の粒子状バインダーAの含有量は、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは20〜75重量%、さらに好ましくは25〜70重量%である。リチウムイオン二次電池用負極用バインダー中の粒子状バインダーAの含有量が多すぎると、負極用粒子状バインダーを含む負極活物質層とセパレータとの接着性が低下する。また、負極用バインダー中の粒子状バインダーAの含有量が少なすぎると、負極用粒子状バインダーの強度が低下する。
また、負極用粒子状バインダー中の粒子状バインダーBの含有量は、負極用粒子状バインダーの強度を向上させる観点および得られるリチウムイオン二次電池の寿命特性を向上させる観点から、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%、さらに好ましくは20〜30重量%である。
また、負極用粒子状バインダー中の粒子状バインダーCの含有量は、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%、さらに好ましくは20〜30重量%である負極用バインダー中の粒子状バインダーCの含有量が多すぎると、負極用粒子状バインダーの強度が低下する。また、負極用粒子状バインダー中の粒子状バインダーCの含有量が少なすぎると、リチウムイオン二次電池負極用スラリーの分散性が低下する。
また、負極用粒子状バインダー中の粒子状バインダーBと粒子状バインダーCとの合計含有量は、負極用粒子状バインダーの強度を向上させる観点および得られるリチウムイオン二次電池の寿命特性を向上させる観点から、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。
また、負極用粒子状バインダー中の粒子状バインダーBと粒子状バインダーCとの重量比は、30:70〜70:30であることが好ましい。
本発明の負極用粒子状バインダーは、例えば、粒子状バインダーAが水系媒体に分散された分散液、粒子状バインダーBが水系媒体に分散された分散液及び粒子状バインダーCが水系媒体に分散された分散液を混合することにより得ることができる。混合方法は特に限定されず、攪拌等の公知の混合方法を用いることができる。
(リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物)
本発明のリチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物は、上記リチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー、負極活物質及び水溶性高分子を含む。ここで、リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物(以下、「負極用スラリー組成物」ということがある。)中の負極用粒子状バインダーの含有量は、負極活物質100重量部に対して好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。負極用スラリー組成物中の負極用粒子状バインダーの含有量が多すぎると得られるリチウムイオン二次電池の低温出力特性が低下する。また、負極用スラリー組成物中の負極用粒子状バインダーの含有量が少なすぎると負極用スラリー組成物の分散性が低下し、また、リチウムイオン二次電池の寿命特性が低下する。
リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物は、負極用粒子状バインダー、負極活物質、水溶性高分子、及び、必要に応じて添加される導電助剤を、溶媒(好ましくは水)に分散又は溶解させることにより調製することができる。なお、この場合において、負極用粒子状バインダーが溶媒としての水に分散されたものである場合には、水に分散させた状態で添加することができる
負極用スラリー組成物を調製する際に使用する水等の溶媒の量は、負極用スラリー組成物中に負極用粒子状バインダーを均一に分散させる観点から、負極用スラリー組成物の固形分濃度が、好ましくは40〜70重量%、より好ましくは45〜65重量%となる量である。また、負極用スラリー組成物の粘度は、好ましくは1000〜10000mPa・s、より好ましくは1500〜5000mPa・sである。
負極用粒子状バインダー、負極活物質、水溶性高分子および必要に応じて添加される導電助剤を溶媒に分散又は溶解する方法又は順番は、特に限定されず、例えば、溶媒に負極用粒子状バインダー、負極活物質、水溶性高分子および導電助剤を添加し混合する方法、溶媒に水溶性高分子を溶解した後、負極活物質及び導電助剤を添加して混合し、最後に溶媒に分散させた負極用粒子状バインダー(例えば、ラテックス)を添加して混合する方法、溶媒に分散させた負極用粒子状バインダーに負極活物質および導電助剤を添加して混合し、この混合物に溶媒に溶解させた水溶性高分子を添加して混合する方法等が挙げられる。
混合装置としては、例えば、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、フィルミックスなどを使用してもよい。中でも高濃度での分散が可能なことから、ボールミル、ロールミル、顔料分散機、擂潰機、プラネタリーミキサーを使用することが特に好ましい。
(負極活物質)
本発明のリチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物に用いる負極活物質は、リチウムイオン二次電池の負極において通常、リチウムを吸蔵及び放出できる物質を用いることができる。
リチウムイオン二次電池に好ましく用いられる負極活物質の例としては、炭素で形成された負極活物質が挙げられる。炭素で形成された負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等が挙げられ、リチウムイオン二次電池の高容量化と寿命特性とのバランスを図ることができる観点から、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛が好ましい。
また、リチウムイオン二次電池に好ましく用いられる負極活物質の別の例としては、金属を含む負極活物質が挙げられる。特に、スズ、ケイ素、ゲルマニウム及び鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む負極活物質が好ましい。これらの元素を含む負極活物質は、不可逆容量を小さくできる。
ケイ素を含む負極活物質の例としては、ケイ素を含有する化合物(以下、「ケイ素含有化合物」ということがある。)及び金属ケイ素が挙げられる。ケイ素含有化合物は、ケイ素と他の元素との化合物であり、例えば、SiO、SiO2、SiOx(0.01≦x<2)、SiC、SiOC等が挙げられる。これらの中でも、SiOx、SiOC及びSiCが好ましく、電池寿命の観点からSiOx及びSiOCがより好ましく、負極の膨らみ抑制の観点からSiOxが特に好ましい。ここで、SiOxは、SiO及びSiO2の一方又は両方と金属ケイ素とから形成しうる化合物である。このSiOxは、例えば、SiO2と金属ケイ素との混合物を加熱して生成した一酸化ケイ素ガスを、冷却及び析出させることにより、製造することができる。
また、負極活物質としてケイ素含有化合物を用いる場合における負極活物質中のケイ素含有化合物の含有量は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。ケイ素含有化合物の含有量が少なすぎると、リチウムイオン二次電池を作製した場合の容量が小さくなる。また、ケイ素含有化合物の含有量が多すぎると、負極が膨潤する。
また、負極活物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
負極活物質は、粒子状に整粒されたものが好ましい。ここで負極活物質の粒子の形状が球形であると、負極を形成する際に高密度な電極を得ることができる。また、リチウムイオン二次電池用の負極活物質の体積平均粒子径は、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは0.8〜20μmである。さらに、リチウムイオン二次電池用の負極活物質のタップ密度は、特に限定されないが、0.6g/cm3以上のものが好適に用いられる。
(水溶性高分子)
本発明のスラリー組成物に用いる水溶性高分子とは、不溶分が1.0重量%未満の高分子をいう。25℃において、高分子0.5gを100gの水に撹拌溶解し、80メッシュのJIS標準篩で濾過する。篩はさらに24時間100gの水中に静置して取り出し、1日風乾後105℃で1時間乾燥する。再度篩ごと精秤し、篩上に保持された不溶分の重量から原試料に対する割合(重量%)から求めた値を不溶分とする。
水溶性高分子の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸エステル、ならびにアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩、ポリアクリル酸、およびポリアクリル酸(またはメタクリル酸)ナトリウムなどのポリアクリル酸(またはメタクリル酸)塩、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、キチン、キトサン誘導体、キサンタンガム、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリオキシアルキレン系界面活性剤などが挙げられる。なお、本発明において、「(変性)ポリ」は「未変性ポリ」又は「変性ポリ」を意味する。
これらの水溶性高分子は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースまたはそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩が特に好ましい。
また、水溶性高分子の1%水溶液の粘度は、好ましくは10〜3000mPa・s、より好ましくは20〜2500Pa・s、さらに好ましくは50〜2000mPa・sである。水溶性高分子の粘度が高すぎると負極用スラリーの分散性が低下する。また、水溶性高分子の粘度が低すぎると負極活物質層のセパレータに対する密着性が低下する。
また、これらの水溶性高分子の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲であれば格別な限定はないが、負極活物質100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部である。
(導電助剤)
本発明のリチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物は、上記各成分に加えて、必要に応じて導電助剤を含有していてもよい。
導電助剤としては、導電性を有する材料であれば特に限定されないが、導電性を有する粒子状の材料が好ましく、たとえば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック等の導電性カーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相法炭素繊維等の炭素繊維;が挙げられる。導電助剤が粒子状の材料である場合の平均粒子径は、特に限定されないが、負極活物質の平均粒子径よりも小さいものが好ましく、より少ない使用量で十分な導電性を発現させる観点から、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.1〜1μmである。
導電助剤の含有量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である。
(リチウムイオン二次電池負極)
リチウムイオン二次電池負極は、例えば、上記リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物を、集電体上に塗布し、乾燥する工程を含む製造方法により製造することができる。
具体的には、負極用スラリー組成物を調製後、この負極用スラリー組成物を集電体上に塗布する。負極用スラリー組成物は、集電体の片面だけに塗布してもよいし、両面に塗布してもよい。負極用スラリー組成物は分散性に優れるので、均一な塗布が容易である。また、塗工前に負極用スラリー組成物をろ過することで、更に均一な負極活物質層を作製できる。
集電体上への負極用スラリー組成物の塗布量は、好ましくは10〜20mg/cm2、である。
集電体の材料としては、たとえば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。金属としては、通常、銅、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、その他の合金等が使用される。これらの中で導電性、耐電圧性の面から、銅、アルミニウム又はアルミニウム合金を使用するのが好ましい。また、高い耐電圧性が要求される場合には特開2001−176757号公報等で開示される高純度のアルミニウムを好適に用いることができる。集電体は、フィルム又はシート状であり、その厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜200μm、より好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmである。
塗布方法に制限は無く、例えば、ドクターブレード法、ジップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。負極用スラリー組成物を塗布することにより、集電体の表面に、負極用スラリー組成物の膜が形成される。この際、負極用スラリー組成物の膜の厚みは、目的とする負極活物質層の厚みに応じて適宜に設定しうる。
その後、乾燥により、負極用スラリー組成物の膜から水等の溶媒を除去する。これにより、負極用粒子状バインダー、負極活物質、水溶性高分子及び必要に応じて用いられる導電助剤を含む負極活物質層が集電体の表面に形成され、リチウムイオン二次電池負極が得られる。
乾燥温度及び乾燥時間は、特に制限されない。例えば、120℃以上で1時間以上加熱処理してもよい。乾燥方法としては、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。
集電体の表面に負極活物質層を形成した後で、金型プレス又はロールプレスなどを用い、負極活物質層に加圧処理を施すことが好ましい。加圧処理により、負極の空隙率を低くすることができる。
さらに、負極活物質層が硬化性の重合体を含む場合は、負極活物質層の形成後にこの重合体を硬化させてもよい。
(リチウムイオン二次電池)
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、電解液及びセパレータを備える。また、本発明のリチウムイオン二次電池においては、負極が、上記リチウムイオン二次電池負極である。
(正極)
電気化学素子の正極は、正極活物質層を集電体上に積層してなる。電気化学素子の正極は、正極活物質、正極用バインダー、正極の作製に用いる溶媒、必要に応じて用いられる水溶性高分子、導電助剤等のその他の成分を含む正極用スラリー組成物を集電体の表面に塗布し、乾燥させることにより得ることができる。即ち、正極用スラリー組成物を集電体の表面に塗布し、乾燥させることにより集電体に正極活物質層が形成される。
(正極活物質)
リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な活物質が用いられ、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。
無機化合物からなる正極活物質としては、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷移金属とのリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo等が使用される。
遷移金属酸化物としては、MnO、MnO2、V25、V613、TiO2、Cu223、非晶質V2O−P25、MoO3、V25、V613等が挙げられ、中でもサイクル安定性と容量からMnO、V25、V613、TiO2が好ましい。遷移金属硫化物としては、TiS2、TiS3、非晶質MoS2、FeS等が挙げられる。リチウム含有複合金属酸化物としては、層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。
層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはリチウム含有コバルト酸化物(LiCoO2)、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO2)、Co−Ni−Mnのリチウム複合酸化物、Ni−Mn−Alのリチウム複合酸化物、Ni−Co−Alのリチウム複合酸化物等が挙げられる。スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはマンガン酸リチウム(LiMn24)やMnの一部を他の遷移金属で置換したLi[Mn3/21/2]O4(ここでMは、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等)等が挙げられる。オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としてはLiXMPO4(式中、Mは、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Mg,Zn,V,Ca,Sr,Ba,Ti,Al,Si,B及びMoから選ばれる少なくとも1種、0≦X≦2)であらわされるオリビン型燐酸リチウム化合物が挙げられる。
有機化合物としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。電気伝導性に乏しい、鉄系酸化物は、還元焼成時に炭素源物質を存在させることで、炭素材料で覆われた正極活物質として用いてもよい。また、これら化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。正極活物質は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよい。
正極活物質の体積平均粒子径は、正極用スラリー組成物を調製する際の正極用バインダーの含有量を少なくすることができ、電池の容量の低下を抑制できる観点、および、正極用スラリー組成物を塗布するのに適正な粘度に調製することが容易になり、均一な電極を得ることができる観点から、好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜30μmである。
(正極用バインダー)
正極用バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体などの樹脂;アクリル系軟質重合体、ジエン系軟質重合体、オレフィン系軟質重合体、ビニル系軟質重合体等の軟質重合体等が挙げられる。なお、正極用バインダーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(その他の成分)
正極用スラリー組成物に必要に応じて用いられる水溶性高分子、導電助剤としては、上述の負極用スラリー組成物に用いることができる水溶性高分子および導電助剤をそれぞれ使用することができる。
(正極の作製に用いる溶媒)
正極の作製に用いる溶媒としては、水及び有機溶媒のいずれを使用してもよい。有機溶媒としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のアシロニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類:メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;などが挙げられるが、中でもN−メチルピロリドン(NMP)が好ましい。なお、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。中でも、溶媒としては水を用いることが好ましい。
溶媒の量は、正極用スラリー組成物の粘度が塗布に好適な粘度になるように調整すればよい。具体的には、正極用スラリーの固形分濃度が、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%となるように調整して用いられる。
(集電体)
正極に用いる集電体は、上述のリチウムイオン二次電池負極に用いる集電体と同様の集電体を用いることができる。
(正極の製造方法)
正極用スラリー組成物を集電体の表面に塗布する方法は特に限定されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、およびハケ塗り法などの方法が挙げられる。
乾燥方法としては、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法などが挙げられる。乾燥時間は好ましくは5分〜30分であり、乾燥温度は好ましくは40〜180℃である。
また、集電体の表面に正極用スラリー組成物を塗布及び乾燥した後で、必要に応じて、例えば金型プレス又はロールプレスなどを用い、正極活物質層に加圧処理を施すことが好ましい。加圧処理により、正極活物質層の空隙率を低くすることができる。空隙率は、好ましくは5%以上、より好ましくは7%以上であり、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下である。空隙率が小さすぎると、高い体積容量が得難く、正極活物質層が集電体から剥がれ易くなる。また、空隙率が大きすぎると、充電効率及び放電効率が低下する。
さらに、正極活物質層が硬化性の重合体を含む場合は、正極活物質層の形成後に重合体を硬化させることが好ましい。
(セパレータ)
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、芳香族ポリアミド樹脂を含んでなる微孔膜または不織布;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート;などを用いることができる。具体例を挙げると、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)、及びこれらの混合物あるいは共重合体等の樹脂からなる微多孔膜;ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂からなる微多孔膜;ポリオレフィン系の繊維を織ったもの又はその不織布;絶縁性物質粒子の集合体等が挙げられる。これらの中でも、セパレータ全体の膜厚を薄くすることができ、リチウムイオン二次電池内の活物質比率を上げて体積あたりの容量を上げることができるため、ポリオレフィン系の樹脂からなる微多孔膜が好ましい。
セパレータの厚さは、リチウムイオン二次電池においてセパレータによる内部抵抗を小さくすることができる観点、および、リチウムイオン二次電池を製造する際の作業性に優れる観点から、好ましくは0.5〜40μm、より好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは1〜25μmである。
(電解液)
リチウムイオン二次電池用の電解液としては、例えば、非水溶媒に支持電解質を溶解した非水電解液が用いられる。支持電解質としては、リチウム塩が好ましく用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C49SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO22NLi、(C25SO2)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。解離度の高い支持電解質を用いるほど、リチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
電解液における支持電解質の濃度は、支持電解質の種類に応じて、0.5〜2.5Mの濃度で用いることが好ましい。支持電解質の濃度が低すぎても高すぎても、イオン導電度が低下する可能性がある。
非水溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されない。非水溶媒の例を挙げると、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチルカーボネート(MEC)などのカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなどのエステル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;支持電解質としても使用されるイオン液体などが挙げられる。中でも、誘電率が高く、安定な電位領域が広いので、カーボネート類が好ましい。非水溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。一般に、非水溶媒の粘度が低いほどリチウムイオン伝導度が高くなり、誘電率が高いほど支持電解質の溶解度が上がるが、両者はトレードオフの関係にあるので、溶媒の種類や混合比によりリチウムイオン伝導度を調節して使用するのがよい。また、非水溶媒は全部あるいは一部の水素をフッ素に置き換えたものを併用あるいは全量用いてもよい。
また、電解液には添加剤を含有させてもより。添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系;エチレンサルファイト(ES)などの含硫黄化合物;フルオロエチレンカーボネート(FEC)などのフッ素含有化合物が挙げられる。添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
リチウムイオン二次電池の具体的な製造方法としては、例えば、正極と負極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。さらに、必要に応じてエキスパンドメタル;ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子;リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電を防止してもよい。リチウムイオン二次電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。電池容器の材質は、電池内部への水分の侵入を阻害するものであればよく、金属製、アルミニウムなどのラミネート製など特に限定されない。
本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーによれば、レート特性及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
また、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーは、粒子状バインダーAを含む。粒子状バインダーAは負極作製時に負極表面に移動し、セパレータと接着する。そのため、リチウムイオン二次電池においてサイクル後のセルの変形を抑制することができる。また、電池の膨らみを抑制することができ、寿命特性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーは、粒子状バインダーBを含むため、表面酸量を高めることができる。そのため、負極用スラリーにおいて負極活物質及び導電助剤の分散保持性を高めることができ、負極用スラリーの粘度を維持することができる。
また、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーは、粒子状バインダーB及び粒子状バインダーCを含む。粒子状バインダーBにより上述のように表面酸量を高めることができるため、電解液との濡れ性が向上する。粒子状バインダーCにより負極活物質層内で良好な導電パスを形成することができる。そのため、リチウムイオンと電子の伝導性がバランス化され、リチウムイオン二次電池の低温入出力特性を向上させることができる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨及び均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、以下の説明において量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、重量基準である。
実施例及び比較例における評価は以下のように行った。
(評価項目)
(1)スラリー粘度の経時変化率
実施例および比較例で製造した電極スラリー組成物の粘度η0を測定した。ここで、測定は、60rpmのB型粘度計により行った。そのスラリー組成物を室温で3日間保管し、保管後の60rpmの粘度η1をB型粘度計により測定した。Δη(%)=η1/η0×100を算出し、下記基準により評価した。この値が小さいほど分散安定性に優れることを示す。結果を表1に示す。
A:Δηが80%以上120%未満
B:Δηが70%以上80%未満または120%以上130%未満
C:Δηが60%以上70%未満または130%以上140%未満
D:Δηが60%未満または140%以上
(2)サイクル特性
実施例および比較例において作製したラミネート型セルのリチウムイオン二次電池を25℃の環境下で24時間静置させた後に、25℃の環境下で、4.2V、1Cの充電、3.0V、1Cの放電にて充放電の操作を行い、初期容量C0を測定した。さらに、60℃環境下で、4.1V、1Cの充電、3.0V、1Cの放電にて充放電を繰り返し、1000サイクル後の容量C2を測定した。高温サイクル特性は、ΔC=C2/C0×100(%)で示す容量維持率を、下記基準により評価した。この値が高いほど寿命特性に優れることを示す。結果を表1に示す。
A:ΔCが85%以上
B:ΔCが83%以上85%未満
C:ΔCが80%以上83%未満
D:ΔCが80%未満
(3)低温出力特性
実施例および比較例において作製したラミネート型セルのリチウムイオン二次電池を25℃の環境下で24時間静置させた後に、25℃の環境下で、0.1C、5時間の充電の操作を行い、その時の電圧V0を測定した。その後、−10℃環境下で、1Cの放電レートにて放電の操作を行い、放電開始10秒後の電圧V1を測定した。低温特性は、ΔV=V0−V1で示す電圧変化を下記基準により評価した。この値が小さいほど低温特性に優れることを示す。結果を表1に示す。
A:ΔVが100mV以上180mV未満
B:ΔVが180mV以上260mV未満
C:ΔVが260mV以上340mV未満
D:ΔVが340mV以上
(4)極板膨らみ率
実施例および比較例において作製したラミネート型セルのリチウムイオン二次電池の電極厚みを厚み計により10点を計測し、平均値d0(μm)を求めた。次に、25℃の環境下で24時間静置させた後に、25℃の環境下で、4.2V、1Cの充電、3.0V、1Cの放電にて充放電の操作を行い、初期容量C0を測定した。さらに、60℃環境下で、4.1V、1Cの充電、3.0V、1Cの放電にて充放電を繰り返し、1000サイクル後の容量C2を測定した。その後、セルを解体し、電極厚みを厚み計により10点計測し、平均値d1(μm)を求めた。極板膨らみ率Δd(%)=(d1−d0)/d0×100(%)を算出し、下記基準により評価した。Δdが小さいほど、極板が変形せず寿命特性に優れることを示す。結果を表1に示す。
A:サイクル後膨らみ特性が115%未満
B:サイクル後膨らみ特性が115%以上118%未満
C:サイクル後膨らみ特性が118%以上120%未満
D:サイクル後膨らみ特性が120%以上
(実施例1)
(1−1.粒子状バインダーAの製造)
攪拌機付き耐圧容器に、イオン交換水160部、パラフィンワックス0.15部、ポリアクリル酸0.05部、過硫酸カリウム0.05部、酢酸ナトリウム0.03部を入れ、窒素置換して十分に攪拌した後、120℃に加温した。次いで、フッ化ビニリデンを10部、マレイン酸5部と過硫酸カリウム0.008部を添加した。その後、2時間に亘りフッ化ビニリデン85部と過硫酸カリウム0.08部を連続的に添加した。30分後に冷却して反応を停止した。反応転化率は85%で、粒子状バインダーAを含む混合物を得た。上記粒子状バインダーAを含む混合物に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH7に調整後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った後、30℃以下まで冷却し、所望の粒子状バインダーAを含む水分散液を得た。重量平均粒度をレーザー光散乱計測器によって測定すると約220nmであった。
(1−2.粒子状バインダーBの製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、1,3−ブタジエン(以下、「BD」と記載することがある。)33部、イタコン酸(以下、「IA」と記載することがある。)3.5部、スチレン(以下、「St」と記載することがある。)62.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下、「β−HEA」と記載することがある。)1部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4部、イオン交換水150部及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部を入れ、十分に攪拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で冷却し反応を停止して、粒子状バインダーBを含む混合物を得た。上記粒子状バインダーBを含む混合物に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った後、30℃以下まで冷却し、所望の粒子状バインダーBを含む水分散液を得た。
(1−3.粒子状バインダーCの製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、ブチルアクリレート(以下、「BA」と記載することがある。)95部、アクリロニトリル(以下、「AN」と記載することがある。)2部、アリルメタクリレート(以下、「AMA」と記載することがある。)1部、メタクリル酸(以下、「MAA」と記載することがある)2部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4部、イオン交換水150部及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部を入れ、十分に攪拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で冷却し反応を停止して、粒子状バインダーCを含む混合物を得た。上記粒子状バインダーCを含む混合物に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った後、30℃以下まで冷却し、所望の粒子状バインダーCを含む水分散液を得た。
(1−4.負極用スラリー組成物の製造)
ディスパー付きのプラネタリーミキサーに、負極活物質として比表面積5.5m2/gの人造黒鉛(平均粒子径:24.5μm)100部、導電助剤としてアセチレンブラック(HS−100、電気化学工業社製)、水溶性高分子としてカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製「MAC−200HC」、1%水溶液粘度1880mPa・s)の2%水溶液を固形分相当で1部、イオン交換水で固形分濃度60%に調整した後、25℃で60分間混合した。次に、イオン交換水で固形分濃度55%に調整した後、さらに25℃で15分間混合し混合液を得た。上記混合液に、上記(1−1)の粒子状バインダーAを含む水分散液を固形分相当量で0.3部、上記(1−2)の粒子状バインダーBを含む水分散体を固形分相当量で0.6部、上記(1−3)の粒子状バインダーCを含む水分散体を固形分相当量で0.1部、及びイオン交換水を入れ、最終固形分濃度52%となるように調整し、さらに10分間混合した。これを減圧下で脱泡処理して流動性の良い負極用スラリー組成物を得た。得られた負極用スラリー組成物の粘度は2400mPa・sであった。
(1−5.負極の製造)
上記(1−4)で得られた負極用スラリー組成物を、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmの銅箔の上に、乾燥後の膜厚が150μm程度になるように塗布(集電体上への塗布量としては12mg/cm2)し、乾燥させた。この乾燥は、銅箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理してプレス前の負極原反を得た。このプレス前の負極原反をロールプレスで圧延して、負極活物質層の厚みが80μmのプレス後の負極を得た。
(1−6.正極用スラリー組成物の製造)
正極活物質として体積平均粒子径12μmのLiCoO2を100部、導電助剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製「HS−100」)を2部、バインダーとしてPVDF(クレハ社製、#7208)を固形分相当で2部と、NMPとを混合し全固形分濃度が70%となる量とした。これらをプラネタリーミキサーにより混合し、正極用スラリー組成物を調製した。
(1−7.正極の製造)
上記(1−5)の正極用スラリー組成物を、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmのアルミ箔の上に、乾燥後の膜厚が150μm程度になるように塗布し、乾燥させた。この乾燥は、銅箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して、正極を得た。
(1−8.セパレータの用意)
単層のポリプロピレン製セパレータ(セルガード2500、セルガード社製)を、5×5cm2の正方形に切り抜いた。
(1−9.リチウムイオン二次電池)
電池の外装として、アルミ包材外装を用意した。上記(1−7)で得られた正極を、4×4cm2の正方形に切り出し、集電体側の表面がアルミ包材外装に接するように配置した。正極の正極活物質層の面上に、上記(1−8)で得られた正方形のセパレータを配置した。さらに、上記(1−5)で得られたプレス後の負極を、4.2×4.2cm2の正方形に切り出し、これをセパレータ上に、負極活物質層側の表面がセパレータに向かい合うよう配置した。電解液(溶媒及び添加剤:EC/DEC/VC=68.5/30/1.5(体積比)、電解質:濃度1MのLiPF6)を空気が残らないように注入し、さらに、アルミ包材の開口を密封するために、150℃のヒートシールをしてアルミ外装を閉口し、ラミネート型のリチウムイオン二次電池(ラミネート型セル)を製造した。
(実施例2)
上記(1−1)において、マレイン酸を添加しなかった以外は、実施例1と同様に粒子状バインダーAの製造を行った。その後、マレイン酸を添加せずに得られた粒子状バインダーAを用いた以外は実施例1と同様に上記(1−2)〜(1−9)を行った。
(実施例3)
上記(1−2)において、単量体として1,3−ブタジエン33部、イタコン酸3.5部、スチレン47.5部、アクリロニトリル15.0部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1部を仕込んだ以外は、実施例1と同様に粒子状バインダーBの製造を行った。このようにして得られた粒子状バインダーBを用いた以外は実施例1と同様に上記(1−1)、(1−3)〜(1−9)を行った。
(実施例4)
上記(1−2)において、単量体として1,3−ブタジエン33.2部、スチレン63.0部、イタコン酸3.8部を仕込んだ以外は、実施例1と同様に粒子状バインダーBの製造を行った。このようにして得られた粒子状バインダーBを用いた以外は実施例1と同様に上記(1−1)、(1−3)〜(1−9)を行った。
(実施例5)
上記(1−3)において、単量体としてブチルアクリレート70部、2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2−EHA」と記載することがある。)25部、アクリロニトリル2部、アリルメタクリレート1部、メタクリル酸2部を仕込んだ以外は、実施例1と同様に粒子状バインダーCの製造を行った。このようにして得られた粒子状バインダーCを用いた以外は実施例1と同様に上記(1−1)、(1−2)、(1−4)〜(1−9)を行った。
(実施例6)
上記(1−4)において、上記(1−1)の粒子状バインダーAを含む水分散液を固形分相当量で0.25部、上記(1−2)の粒子状バインダーBを含む水分散体を固形分相当量で0.25部、上記(1−3)の粒子状バインダーCを含む水分散体を固形分相当量で0.25部加えた以外は、実施例1と同様に負極用スラリー組成物の製造を行った。このようにして得られた負極用スラリー組成物を用いた以外は、実施例1と同様に上記(1−1)〜(1−3)及び(1−5)〜(1−9)を行った。
(実施例7)
上記(1−4)において、上記(1−1)の粒子状バインダーAを含む水分散液を固形分相当量で0.75部、上記(1−2)の粒子状バインダーBを含む水分散体を固形分相当量で0.25部、上記(1−3)の粒子状バインダーCを含む水分散体を固形分相当量で0.25部加えた以外は、実施例1と同様に負極用スラリー組成物の製造を行った。このようにして得られた負極用スラリー組成物を用いた以外は、実施例1と同様に上記(1−1)〜(1−3)及び(1−5)〜(1−9)を行った。
(実施例8)
上記(1−4)において、上記(1−1)の粒子状バインダーAを含む水分散液を固形分相当量で0.5部、上記(1−2)の粒子状バインダーBを含む水分散体を固形分相当量で0.15部、上記(1−3)の粒子状バインダーCを含む水分散体を固形分相当量で0.35部加えた以外は、実施例1と同様に負極用スラリー組成物の製造を行った。このようにして得られた負極用スラリー組成物を用いた以外は、実施例1と同様に上記(1−1)〜(1−3)及び(1−5)〜(1−9)を行った。
(実施例9)
上記(1−4)において、上記(1−1)の粒子状バインダーAを含む水分散液を固形分相当量で0.5部、上記(1−2)の粒子状バインダーBを含む水分散体を固形分相当量で0.35部、上記(1−3)の粒子状バインダーCを含む水分散体を固形分相当量で0.15部加えた以外は、実施例1と同様に負極用スラリー組成物の製造を行った。このようにして得られた負極用スラリー組成物を用いた以外は、実施例1と同様に上記(1−1)〜(1−3)及び(1−5)〜(1−9)を行った。
(比較例1)
上記(1−1)を行わず、(1−4)において粒子状バインダーAを加えずに負極用スラリー組成物を製造した以外は、実施例1と同様に(1−2)、(1−3)及び(1−5)〜(1−9)を行った。
(比較例2)
上記(1−2)を行わず、(1−4)において粒子状バインダーBを加えずに負極用スラリー組成物を製造した以外は、実施例1と同様に(1−1)、(1−3)及び(1−5)〜(1−9)を行った。
(比較例3)
上記(1−3)を行わず、(1−4)において粒子状バインダーCを加えずに負極用スラリー組成物を製造した以外は、実施例1と同様に(1−1)、(1−2)及び(1−5)〜(1−9)を行った。
(比較例4)
上記(1−2)において、単量体として1,3−ブタジエン50.5部、スチレン45部、イタコン酸3.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1部を仕込んだ以外は、実施例1と同様に粒子状バインダーBの製造を行った。このようにして得られた粒子状バインダーBを用いた以外は実施例1と同様に上記(1−1)、(1−3)〜(1−9)を行った。
(比較例5)
上記(1−2)において、単量体として1,3−ブタジエン15.0部、スチレン80.5部、イタコン酸3.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1部を仕込んだ以外は、実施例1と同様に粒子状バインダーBの製造を行った。このようにして得られた粒子状バインダーBを用いた以外は実施例1と同様に上記(1−1)、(1−3)〜(1−9)を行った。
(比較例6)
上記(1−3)において、単量体としてブチルアクリレートに代えて、メチルメタクリレート(以下、「MMA」と記載することがある。)を仕込んだ以外は、実施例1と同様に粒子状バインダーCの製造を行った。このようにして得られた粒子状バインダーCを用いた以外は実施例1と同様に上記(1−1)、(1−2)、(1−4)〜(1−9)を行った。
Figure 2014203805
表1によれば、フッ化ビニリデン単量体単位含有量が70〜100重量%である粒子状バインダーAと、ブタジエン単量体単位含有量が20〜50重量%、スチレン単量体単位含有量が50〜80重量%である粒子状バインダーBと、非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基の炭素数が4〜10のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位含有量が70〜100重量%である粒子状バインダーCとを含むリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーを用いた負極用スラリー組成物は分散安定性に優れ、このリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダーを用いて作製されたリチウムイオン二次電池の寿命特性、低温特性は良好であることが示された。

Claims (5)

  1. フッ化ビニリデン単量体単位含有量が70〜100重量%である粒子状バインダーAと、
    ブタジエン単量体単位含有量が20〜50重量%、スチレン単量体単位含有量が50〜80重量%である粒子状バインダーBと、
    非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基の炭素数が4〜10のアルキル(メタ)アクリレート単量体単位含有量が70〜100重量%である粒子状バインダーCと
    を含むリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー。
  2. 前記粒子状バインダーAの含有量が20〜80重量%、前記粒子状バインダーB及び前記粒子状バインダーCの合計含有量が20〜80重量%である請求項1記載のリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー。
  3. 前記粒子状バインダーBの含有量が10〜40重量%、前記粒子状バインダーCの含有量が10〜40重量%であって、
    前記粒子状バインダーBと前記粒子状バインダーCの重量比が30:70〜70:30である請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池負極用粒子状バインダー。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用粒子状バインダー、電極活物質及び水溶性高分子を含み、
    前記水溶性高分子の1%水溶液の粘度は10〜3000mPa・sであるリチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物を集電体上に塗布、乾燥して形成されるリチウムイオン二次電池負極、正極、電解液及びセパレータを具備してなるリチウムイオン二次電池。
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