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JP2014200571A - 磁気共鳴イメージング装置及び2項パルス制御法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及び2項パルス制御法 Download PDF

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JP2014200571A
JP2014200571A JP2013081079A JP2013081079A JP2014200571A JP 2014200571 A JP2014200571 A JP 2014200571A JP 2013081079 A JP2013081079 A JP 2013081079A JP 2013081079 A JP2013081079 A JP 2013081079A JP 2014200571 A JP2014200571 A JP 2014200571A
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Abstract

【課題】 MRI装置における2項パルスを用いた撮像の際に、抑制対象組織の信号について、任意の信号抑制度を可能にする。【解決手段】 2項パルスを構成する複数のサブRFパルスの内の少なくとも一つのサブRFパルスのFAを2項係数比で定まるFAから変更する。例えば、抑制対象組織からの信号を抑制するための信号抑制度に応じて、少なくとも一つのサブRFパルスのFAを、2項係数比で定まるFAから変更する。該FAの変更は、信号抑制度に応じた調整係数を2項係数比で定まるFAに乗算して行う。【選択図】 図7

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)において、2項パルス(Binominal pulse)を用いた選択励起技術において、抑制対象組織の信号抑制度を任意に制御する技術に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生する核磁気共鳴信号(NMR信号、エコー信号)を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置撮影においては、核磁気共鳴信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されると共に周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測された核磁気共鳴信号は、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
上記MRI装置において、複数の高周波磁場パルス(以下、RFパルスと略記する)のフリップ角(Flip Angle、以下FAと略記する)の比を2項係数比に調整した2項パルスを用いて、2種の特定組織に対して、いずれか一方の組織のみを選択励起および選択抑制する技術がある。この2項パルスを用いた技術では、RFパルスのFA比を可能な限り理想的な2項係数比に調整することで、抑制対象とする組織の信号を最小限に抑えることを目的とする。たとえば、水選択励起の場合には、脂肪組織の信号を最小限に抑えることを目的とする。
しかしながら、実際の臨床では、解剖情報をある程度残した状態の画像を取得するため、抑制対象組織について任意の信号抑制度が選択できることが望まれる。そこで、脂肪信号の寄与率の異なる画像を生成する技術に関する報告もある(例えば特許文献1)。
特願2006-543039号公報
P.J. Hore. Solvent Suppression in Fourier Transform Nuclear Magnetic Resonance. JOURNAL OF MAGNETIC RESONANCE 55: 283-300(1983). Yuval Zur. Design of Improved Spectral-Spatial Pulse for Routine Clinical Use. Magnetic Resonance in Medicine 43:410-420(2000)
特許文献1に記載の発明は、RF-RF間の時間が十分長い2項パルスにおいてRF-RF間に生じる水・脂肪の寄与率が異なるエコー信号を収集する技術であり、任意の脂肪抑制度を実現する技術に関する開示や示唆はない。
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、MRI装置における2項パルスを用いた撮像の際に、抑制対象組織の信号について、任意の信号抑制度を可能にすることを目的とする。
本発明は、2項パルスを構成する複数のサブRFパルスの内の少なくとも一つのサブRFパルスのFAを2項係数比で定まるFAから変更する。
例えば、抑制対象組織からの信号を抑制するための信号抑制度に応じて、少なくとも一つのサブRFパルスのFAを、2項係数比で定まるFAから変更する。該FAの変更は、信号抑制度に応じた調整係数を2項係数比で定まるFAに乗算して行う。
本発明によれば、MRI装置における2項パルスを用いた撮像の際に、抑制対象組織の信号について、任意の信号抑制度を可能にすることができる。従って、抑制対象組織の解剖情報を任意に残した状態の画像を取得することが可能になる。
本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示すブロック図 1-1パルス 3DGradient Echoのシーケンス図 (a)は、1-2-1パルス 3DGradient Echoのシーケンス図であり、(b)は、1-3-3-1パルス 3DGradient Echoのシーケンス図 1-1パルスのFAの調整係数と周波数特性の関係を示す図(a)が式4の場合の周波数特性を、(b)が式5の場合の周波数特性を、それぞれ示す。 1-2-1パルスのFAの調整係数と周波数特性の関係(a)が式6の場合の周波数特性を、(b)が式7の場合の周波数特性を、(c)が式8の場合の周波数特性を、それぞれ示す。 1-3-3-1パルスのFAの調整係数と周波数特性の関係(a)が式9の場合の周波数特性を、(b)が式10の場合の周波数特性を、(c)が式11の場合の周波数特性を、(d)が式12の周波数特性を、それぞれ示す。 最も理想的と考えられるFAの調整係数と周波数特性の関係(a)に{4}のFA計算式を用いた1-1パルスの周波数特性を,(b)に{7}のFA計算式を用いた1-2-1パルスの周波数特性を,(c)に{10}のFA計算式を用いた1-3-3-1パルスの周波数特性を、それぞれ示す。 実施例1の演算処理部114の機能ブロック図を示す図 実施例1の処理フローを示すフローチャートを示す図 2項パルスの各種条件を設定するための設定画面の一例を示す図(a)が抑制対象組織の信号振幅の割合:amp[%](0%〜100%)を入力する例を示し、(b)は、抑制対象組織の信号振幅についての定性的な選択メニューの選択肢として、「Strong」と「Weak」を備える例を示す。 本実施例1により得られる画像の一例を示す図 ハードウェア誤差を想定して、FA誤差比と周波数特性との関係をシミュレーションした結果を示す図(a)が、1-2-1の”2”のサブRFパルスのFAにcoeff0を乗じ、{13}の式でシミュレーションした結果のFA誤差比と周波数特性との関係を示し、(b)が、1-3-3-1の”3”のサブRFパルスのFAにcoeff0を乗じ、{14}の式でシミュレーションした結果のFA誤差比と周波数特性との関係を示す。 Z軸にオフセット磁場を加えて水選択励起法を用いた撮影したときの抑制バンドを示す図 理想的な周波数特性に相当するラインプロファイルを示す図 実施例2に関し、(a)が演算処理部114の機能ブロック図を、(c)が処理フローを表すフローチャートを、それぞれ示す図 実施例3に関し、(a)が演算処理部114の機能ブロック図を、(c)が処理フローを表すフローチャートを、それぞれ示す図 amp-coeff変換Tableの例を示し、(a)は1-1の場合、(b)は1-2-1の場合、(c)が1-3-3-1の場合をそれぞれ示す図
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施例について詳説する。なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明に係るMRI装置を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体101の断層画像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生磁石102と、傾斜磁場コイル103及び傾斜磁場電源109と、RF送信コイル104及びRF送信部110と、RF受信コイル105及び信号処理部107と、計測制御部111と、全体制御部112と、表示・操作部118と、被検体101を搭載する天板を静磁場発生磁石102の内部に出し入れするベッド106と、を備えて構成される。
静磁場発生磁石102は、垂直磁場方式であれば被検体101の体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば体軸方向に、それぞれ均一な静磁場を発生させるもので、被検体101の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場コイル103は、MRI装置の実空間座標系(静止座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれたコイルであり、それぞれの傾斜磁場コイルは、それを駆動する傾斜磁場電源109に接続され電流が供給される。具体的には、各傾斜磁場コイルの傾斜磁場電源109は、それぞれ後述の計測制御部111からの命令に従って駆動されて、それぞれの傾斜磁場コイルに電流を供給する。これにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場Gx、Gy、Gzが発生する。この傾斜磁場コイル103と傾斜磁場電源109とを含めて傾斜磁場発生部となる。
2次元スライス面の撮像時には、スライス面(撮像断面)に直交する方向にスライス傾斜磁場パルス(Gs)が印加されて被検体101に対するスライス面が設定され、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード(読み出し)傾斜磁場パルス(Gf)が印加されて、核磁気共鳴信号(エコー信号)にそれぞれの方向の位置情報がエンコードされる。
RF送信コイル104は、被検体101にRFパルスを照射するコイルであり、RF送信部110に接続され高周波パルス電流が供給される。これにより、被検体101の生体組織を構成する原子のスピンにNMR現象が誘起される。具体的には、RF送信部110が、後述の計測制御部111からの命令に従って駆動されて、高周波パルスを振幅変調し、増幅した後に被検体101に近接して配置されたRF送信コイル104に供給することにより、RFパルスが被検体101に照射される。このRF送信コイル104とRF送信部110とを含めてRFパルス発生部となる。
RF受信コイル105は、被検体101の生体組織を構成するスピンのNMR現象により放出されるエコー信号を受信するコイルであり、信号処理部107に接続されて受信したエコー信号が信号処理部107に送られる。
信号処理部107は、RF受信コイル105で受信されたエコー信号の検出処理を行う。具体的には、後述の計測制御部111からの命令に従って、信号処理部107が、受信されたエコー信号を増幅し、直交位相検波により直交する二系統の信号に分割し、それぞれを所定数(例えば128、256、512等)サンプリングし、各サンプリング信号をA/D変換してディジタル量に変換する。従って、エコー信号は所定数のサンプリングデータからなる時系列のデジタルデータ(以下、エコーデータという)として得られる。そして、信号処理部107は、エコーデータに対して各種処理を行い、処理したエコーデータを計測制御部111に送る。
計測制御部111は、被検体101の断層画像の再構成に必要なエコーデータ収集のための種々の命令を、主に、傾斜磁場電源109と、RF送信部110と、信号処理部107に送信してこれらを制御する制御部である。具体的には、計測制御部111は、後述する全体制御部112の制御で動作し、ある所定のパルスシーケンスの制御データに基づいて、傾斜磁場電源109、RF送信部110及び信号処理部107を制御して、被検体101へのRFパルスの照射及び傾斜磁場パルスの印加と、被検体101からのエコー信号の検出と、を繰り返し実行し、被検体101の撮像領域についての画像の再構成に必要なエコーデータの収集を制御する。
繰り返しの際には、2次元撮像の場合には位相エンコード傾斜磁場の印加量を、3次元撮像の場合には更にスライスエンコード傾斜磁場の印加量も、変えて行なう。位相エンコードの数は通常1枚の画像あたり128、256、512等の値が選ばれ、スライスエンコードの数は、通常16、32、64等の値が選ばれる。これらの制御により信号処理部107からのエコーデータを全体制御部112に出力する。
全体制御部112は、計測制御部111の制御、及び、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等の制御を行うものであって、演算処理部(CPU)114と、メモリ113と、磁気ディスク等の内部記憶部115と、外部ネットワークとのインターフェースを行うネットワークIF116と、を有して成る。また、全体制御部112には、光ディスク等の外部記憶部117が接続されていても良い。
具体的には、計測制御部111に撮像シーケンスの実行によりエコーデータを収集させ、計測制御部111からのエコーデータが入力されると、演算処理部114がそのエコーデータに印加されたエンコード情報に基づいて、メモリ113内のk空間に相当する領域に記憶させる。以下、エコーデータをk空間に配置する旨の記載は、エコーデータをメモリ113内のk空間に相当する領域に記憶させることを意味する。また、メモリ113内のk空間に相当する領域に記憶されたエコーデータ群をk空間データともいう。
そして演算処理部114は、このk空間データに対して信号処理やフーリエ変換による画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体101の画像を、後述の表示・操作部118に表示させ、内部記憶部115や外部記憶部117に記録させたり、ネットワークIF116を介して外部装置に転送したりする。
表示・操作部118は、再構成された被検体101の画像を表示する表示部と、MRI装置の各種制御情報や上記全体制御部112で行う処理の制御情報を入力するトラックボール又はマウス及びキーボード等の操作部と、から成る。この操作部は表示部に近接して配置され、操作者が表示部を見ながら操作部を介してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
<2項パルス及びこれを用いた撮像シーケンスの説明>
次に、本発明に係る2項パルス及びこれを用いた水選択励起を行う撮像シーケンスについて、図2と図3に基づいて説明する。いずれも、本発明に係る2項パルスと、被検体の画像を得るためのエコー信号を計測する画像化シーケンスと、を組み合わせて撮像シーケンスとして成る。計測制御部111は、本撮像シーケンスに基づいて、RFパルス発生部や傾斜発生部等を制御する。
図2は、2項パルスの内の2つのサブRFパルスで構成された1-1パルスを用いた、脂肪信号を抑制し水信号を選択するための、水選択励起シーケンスの一例についての一繰り返し分のシーケンスチャーチを示す。RF,Gs,Gp,Gr,A/D,及びEchoは、それぞれRFパルス、スライス傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場、周波数エンコード傾斜磁場、A/D変換(サンプリング)、及びエコー信号を表し、共通の時間で各々のタイミングを表している。
2項パルス251の1-1パルスは、任意の脂肪抑制度を実現するために、各FAを調整した(FAの調整方法については後述する)サブRFパルス201と202を照射する。その際、サブRFパルス201の照射と同時にスライスを選択するためのスライス選択傾斜磁場パルス203を印加し、その後にスライス選択傾斜磁場パルス203による位相分散を収束させるためのリフォーカス傾斜磁場パルス204を印加する。同様に、サブRFパルス202の照射と同時にスライスを選択するためのスライス選択傾斜磁場パルス205を印加し、その後にスライス選択傾斜磁場パルス205による位相分散を収束させるためのリフォーカス傾斜磁場パルス206を印加する。
次いで、画像化シーケンス252は、スライス方向のエンコード傾斜磁場207と位相方向のエンコード傾斜磁場308を印加し、同じタイミングで周波数エンコード傾斜磁場にオフセットを与える傾斜磁場パルス209を印加する。その後、周波数エンコード傾斜磁場パルス210を印加し、周波数エンコード傾斜磁場210の印加中に発生するエコー信号212をA/Dの時間範囲(211)の間にサンプリングする。
エコー信号212の収集後は、スライスエンコードのリワインド傾斜磁場213と位相エンコードのリワインド傾斜磁場214を印加し、周波数エンコード方向にスポイル傾斜磁場215を印加して、エコー信号を位相分散させる。
以上までの一繰り返し分のシーケンスを、繰り返し時間TRで、スライス方向のエンコード傾斜磁場207と位相方向のエンコード傾斜磁場208の印加量、及び、スライスエンコードのリワインド傾斜磁場213と位相エンコードのリワインド傾斜磁場214の印加量を変えて、所定回数繰り返すことで、画像再構成に必要な数のエコー信号が計測される。
図3(a)は2項パルスの内の3つのサブRFパルスで構成された1-2-1パルスの例を示しており、図2に示した1-1パルスの例とは、2項パルスにおけるサブRFパルスとスライス傾斜磁場の数が異なるのみで、その他は図2の1-1パルスの場合と同じであるので、図3(a)は2項パルスの1-2-1パルスのみを示し、画像化シーケンス252は省略してある。異なる部分については、サブRFパルス301の照射と同時にスライスを選択するためのスライス選択傾斜磁場パルス304を印加し、その後にスライス選択傾斜磁場パルス304による位相分散を収束させるためのリフォーカス傾斜磁場パルス305を印加する。
以下同様に、サブRFパルス302とスライス選択傾斜磁場パルス306とリフォーカス傾斜磁場パルス307の組みと、サブRFパルス303とスライス選択傾斜磁場パルス308とリフォーカス傾斜磁場パルス309の組みと、を順次印加する。
また、図3(b)は2項パルスの内の4つのサブRFパルスで構成された1-3-3-1パルスの例を示しており、図2に示した1-1パルスの例とは、RFパルスとスライス傾斜磁場の数が異なるのみで、その他は図2の1-1パルスの場合と同じであるので、図3(b)は2項パルスの1-3-3-1パルスのみを示し、画像化シーケンス252は省略してある。異なる部分については、サブRFパルス401の照射と同時にスライスを選択するためのスライス選択傾斜磁場パルス405を印加し、その後にスライス選択傾斜磁場パルス405による位相分散を収束させるためのリフォーカス傾斜磁場パルス406を印加する。以下同様に、サブRFパルス402とスライス選択傾斜磁場パルス407とリフォーカス傾斜磁場パルス408の組みと、サブRFパルス403とスライス選択傾斜磁場パルス409とリフォーカス傾斜磁場パルス410の組みと、サブRFパルス404とスライス選択傾斜磁場パルス411とリフォーカス傾斜磁場パルス412の組み、とを順次印加する。
<本発明に係る2項パルス制御法の概要>
本発明は、2項パルスを構成する複数のサブRFパルスの内の少なくとも一つのサブRFパルスのFAを2項係数比で定まるFAから変更することで、抑制対象組織の信号について、任意の信号抑制度を可能にする。
そのために、本発明は、2項パルスを構成する複数のサブRFパルスの内の少なくとも一つのサブRFパルスのFAを2項係数比で定まるFAから変更し、FAが変更されたサブRFパルスを含む2項パルスと、被検体の画像を得るための核磁気共鳴信号を計測する画像化シーケンスと、を組み合わせて成る撮像シーケンスに基づいて撮像を行う。
FAの変更は、例えば、抑制対象組織からの信号を抑制するための信号抑制度に応じて、少なくとも一つのサブRFパルスのFAを、2項係数比で定まるFAから変更する。
また、本発明は、2項パルスを構成する複数のサブRFパルスの各FAの比の、2項係数比からのずれを補正するための補正係数を算出し、特定のサブRFパルスのFAへの補正係数の乗算を行い、FAが変更されたサブRFパルスを含む2項パルスと、被検体の画像を得るための核磁気共鳴信号を計測する画像化シーケンスと、を組み合わせて成る撮像シーケンスに基づいて撮像を行う。
本発明のMRI装置及び2項パルス制御法の実施例1について説明する。本実施例1は、信号抑制度に応じた調整係数を求め、この求めた調整係数を2項係数比で定まるFAに乗算することで、FAの変更を行う。
具体的には、信号抑制度に基づいて調整係数を求め、複数のサブRFパルスの内のいずれか一つ以上のサブRFパルスのFAを、選択励起対象組織のFAと2項係数比とで定まる理想FAから、調整係数を該理想FAに乗算して定まるFAに変更し、残りのサブRFパルスの各FAを、選択励起対象組織のFAから該変更したFAを引いた残差を配分して定める。
以下、図4〜11に基づいて、本実施例1を詳細に説明する。
<理想的な2項パルスのFA算出式>
非特許文献1に、複数のサブRFパルスのFAの比を2項係数比に調整した2項パルスを用いて、2種の特定組織に対して、いずれか一方の組織のみを選択励起又は選択抑制する技術が開示されている。非特許文献1に記載の技術は、一方の種の組織だけを選択励起し、他方の種の組織に対しては、最大限抑制することを目的としている。また、非特許文献2に、各RFパルスについて、そのFAを理想的な2項係数比に、その位相をパルス間の位相回転量から求まる位相値に、それぞれ調整する方法が開示されている。
FAの調整をしない従来の2項パルスである1-1パルス、1-2-1パルス、および1-3-3-1パルスについての、各サブRFパルスのFAを理想的な2項係数比となる理想FAとすることは、これらの非特許文献に開示されている。以下に説明する理想FAの具体的な算出式:{1}〜{3}に記載の各式は、これらの技術に基づいている。ここで、選択励起対象組織のFAをtotalFAと定義する。totalFAの値は任意であるが、選択励起対象組織からの信号を大きくするためには、例えばtotalFA=略90度とする。
{1} 理想的な1-1パルスを構成する各サブRFパルスの理想FA
Figure 2014200571

Figure 2014200571
{2} 理想的な1-2-1パルスを構成する各サブRFパルスの理想FA
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
{3} 理想的な1-3-3-1パルスを構成する各サブRFパルスの理想FA
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
<任意の信号抑制度を実現する各サブRFパルスのFA算出式>
次に、本発明に係り、抑制対象組織の信号を任意の割合で変化させるための各サブRFパルスのFA算出式を説明する。
前述の理想的な2項パルスのFA算出式と同様に、選択励起対象組織のFAをtotalFAと定義し、このtotalFAに基づいて、抑制対象組織を任意の割合で信号抑制するための各サブRFパルスのFAを算出する。
抑制対象組織のFAを変化させるには調整係数coeffを用いる。調整係数coeffは、抑制対象組織の信号抑制度に基づいて定められる(詳細は後述する)。2項パルスを構成する複数のサブRFパルスの内のいずれか一つのサブRFパルスのFAを、totalFAと2項係数比とで定まる前述の理想FAから、この調整係数を該理想FAに乗算して定まるFAに変更する。そして、残りのサブRFパルスの各FAを、totalFAからこの変更したFAを引いた残差(差分)を配分して定める。
a)最初に1-1パルスを構成する各サブRFパルスのFA計算式を{4}、{5}に示す。{4}又は{5}のいずれかの計算式により各サブRFパルスのFAを決定する。いずれも、第一サブRFパルス及び第二サブRFパルスの内のいずれか一方のサブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗算して定まるFAに変更し、他方のサブRFパルスのFAをtotalFAからこの変更したFAを引いた残差(差分)のFAとする。
{4} 1-1パルスの第一サブRFパルスを調整する場合
第一サブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗じたFAに変更し、第二サブRFパルスのFAを、totalFAから該変更後の第一サブRFパルスのFAを引いたFAとする。具体的には、
Figure 2014200571

Figure 2014200571
とする。
{5} 1-1パルスの第二サブRFパルスを調整する場合
第二サブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗じたFAに変更し、第一サブRFパルスのFAを、totalFAから該変更後の第二サブRFパルスのFAを引いたFAとする。具体的には、
Figure 2014200571

Figure 2014200571
とする。
b)次に、1-2-1パルスを構成する各サブRFパルスのFA計算式を{6}〜{8}に示す。{6}乃至{8}のいずれかの計算式により各サブRFパルスのFAを決定する。いずれも、第一、第二、及び第三サブRFパルスの内のいずれか一つのサブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗算して定まるFAに変更し、他の各サブRFパルスのFAをtotalFAから該変更したFAを引いた残差を配分したFAとする。この配分の際には、残りの各サブRFパルスのFA比として、以下の式に例を示すように、2項係数比で与えることが望ましいが、必ずしも2項係数比にする必要はない。
また、調整係数coeffは、複数のサブRFパルスの内の一つのサブRFパルスにのみ乗算する例を示すが、2つ以上のサブRFパルスに対して調整係数を乗算してもよい。この2つ以上のサブRFパルスに対して調整係数を乗算する場合も、残りのサブRFパルスのFAを、totalFAからの残差を配分して定める。
{6} 1-2-1パルス 第一サブRFパルス調整
第一サブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗じたFAに変更し、第二、第三サブRFパルスのFAを、totalFAから該変更後の第一サブRFパルスのFAを引いた残差を2項係数比で配分したFAとする。具体的には、
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
とする。
{7} 1-2-1パルス 第二サブRFパルス調整
第二サブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗じたFAに変更し、第三、第一サブRFパルスのFAを、totalFAから該変更後の第二サブRFパルスのFAを引いた残差を2項係数比で配分したFAとする。具体的には、
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
とする。
{8} 1-2-1パルス 第三サブRFパルス調整
第三サブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗じたFAに変更し、第一、第二サブRFパルスのFAを、totalFAから該変更後の第三サブRFパルスのFAを引いた残差を2項係数比で配分したFAとする。具体的には、
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
とする。
c)最後に、1-3-3-1パルスを構成する各サブRFパルスのFA計算式を{9}〜{12}に示す。{9}乃至{12}のいずれかの計算式により各サブRFパルスのFAを決定する。いずれも、第一、第二、第三、および第四サブRFパルスの内のいずれか一つサブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗算して定まるFAに変更し、他の各サブRFパルスのFAをtotalFAから該変更したFAを引いた残差を配分したFAとする。この配分の際には、残りの各サブRFパルスのFA比として、以下の式に例を示すように、2項係数比で与えることが望ましいが、必ずしも2項係数比にする必要はない。また、調整係数coeffは、複数のサブRFパルスの内の一つのサブRFパルスにのみ乗算する例を示すが、2つ以上のサブRFパルスに対して係数を乗算してもよい。この2つ以上のサブRFパルスに対して調整係数を乗算する場合も、残りのサブRFパルスのFAを、totalFAからの残差を配分して定める。
{9} 1-3-3-1パルス 第一サブRFパルス調整
第一サブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗じたFAに変更し、第二、第三、及び第四サブRFパルスのFAを、totalFAから該変更後の第一サブRFパルスのFAを引いた残差を2項係数比で配分したFAとする。具体的には、
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
とする。
{10} 1-3-3-1パルス 第二サブRFパルス調整
第二サブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗じたFAに変更し、第三、第四、及び第一サブRFパルスのFAを、totalFAから該変更後の第二サブRFパルスのFAを引いた残差を2項係数比で配分したFAとする。具体的には、
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
とする。
{11} 1-3-3-1パルス 第三サブRFパルス調整
第三サブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗じたFAに変更し、第四、第一、及び第二サブRFパルスのFAを、totalFAから該変更後の第三サブRFパルスのFAを引いた残差を2項係数比で配分したFAとする。具体的には、
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
とする。
{12} 1-3-3-1パルス 第四サブRFパルス調整
第四サブRFパルスのFAを、前述の理想FAから調整係数coeffを該理想FAに乗じたFAに変更し、第一、第二、及び第三サブRFパルスのFAを、totalFAから該変更後の第四サブRFパルスのFAを引いた残差を2項係数比で配分したFAとする。具体的には、
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
とする。
<<FA調整係数による周波数特性>>
次に、前述のように、FA算出式を用いてFA調整した各サブRFパルスから成る2項パルスを用いた場合の、選択励起対象組織からの信号と、抑制対象組織からの信号をシミュレーションした結果を図4〜6に示す。
これらのシミュレーションはMatlab 7.2を用いて実施した結果である。グラフの横軸は周波数、縦軸は信号強度を表す。T1、T2緩和の影響を無視した状態で、サブRFパルス列による励起と、1.2msに設定したサブRFパルス間の待ち時間の位相回転による磁化ベクトルの挙動を計算し、最終的に得られる横磁化の絶対値を信号強度とした。シミュレーション結果におけるOff resonance freq 0Hzの周波数が選択励起対象組織の信号、-416Hzの周波数が抑制対象組織の信号に相当する。
d)1-1パルスを用いた場合の周波数特性
図4は、1-1パルスを用いた場合のFA計算式における調整係数coeffを1.0〜2.0まで変化させた場合の信号強度の周波数特性を示す。図4(a)が{4}のFA計算式を用いた場合を示し、図4(b)が{5}のFA計算式を用いた場合の周波数特性の結果を、それぞれ示す。いずれの場合も、coeffが1.0の場合は、サブRFパルスのFA比が理想的な2項係数比となる場合であり、Off resonance freqが-416Hzの周波数帯域において最大の信号抑制効果を持っている。一方、coeffを2.0まで変化させていくことで、-416Hzの周波数における信号強度が徐々に増えていくことから、coeffを変化させることで、抑制対象組織の信号強度を任意に変化させられることが理解できる。{4}のFA計算式を用いた図4(a)と、{5}のFA計算式を用いた図4(b)とは、同じ周波数特性を持つため、どちらのFA計算式を選択してもよい。
e)1-2-1パルスを用いた場合の周波数特性
図5は、1-2-1パルスを用いた場合のFA計算式における調整係数coeffを変化させた場合の信号強度の周波数特性を示す。図5(a)は、{6}のFA計算式における調整係数coeffを1.0〜-1.4まで-0.4刻みで変化させて場合の周波数特性、図5(b)は、{7}のFA計算式における調整係数coeffを1.0〜2.0まで0.2刻みで変化させて場合の周波数特性、図5(c)は、{8}のFA計算式におけるにおける調整係数coeffを1.0〜-1.4まで-0.4刻みで変化させて場合の周波数特性の結果を、それぞれ示す。
いずれの場合も、coeffが1.0の場合は、サブRFパルスのFA比は、理想的な2項係数比となっており、Off resonance freqが-416Hzの周波数帯域において、最大の信号抑制効果を持っている。一方、coeffを1から少しずつ変化させていくことで、図4に示した1-1パルスの場合と同様に、-416Hzの周波数における信号強度が徐々に増えていくことから、coeffを変化させることで抑制対象組織の信号強度を任意に変化させられることが理解できる。
さらに、静磁場不均一が大きい場合には、抑制対象組織の周波数が必ずしも想定した周波数(この場合は-416Hz)にならないことがある。そのため、低信号となる周波数帯域幅は、可能限り広い方が望ましい。図5の(a)(b)(c)を比較すると、図5(b)に示す{7}のFA計算式の場合が、coeffを変化させたときに最も抑制帯域幅が広い状態を維持できるため、{7}のFA計算式に基づくFA比を使用するのがよい。
f)1-3-3-1パルスを用いた場合の周波数特性
図6は、1-3-3-1パルスを用いた場合のFA計算式における調整係数coeffを変化させた場合の信号強度の周波数特性を示す。図6(a)は、{9}のFA計算式における調整係数coeffを1.0〜-4.0まで-1.0刻みで変化させて場合の周波数特性、図6(b)は、{10}のFA計算式における調整係数coeffを1.0〜2.6まで0.2刻みで変化させて場合の周波数特性、図6(c)は、{11}のFA計算式における調整係数coeffを1.0〜2.6まで0.2刻みで変化させて場合の周波数特性、そして、図6(d)は、{12}のFA計算式における調整係数coeffを1.0〜-4.0まで-1.0刻みで変化させて場合の周波数特性の結果を、それぞれ示す。
図6の(a)と(d)、及び、図6の(b)と(c)は、それぞれ同じ周波数特性を持っている。つまり、coeffが1.0の場合では、サブRFパルスのFA比は、理想的な2項係数比となっており、Off resonance freqが-416Hzの周波数帯域において、最大の信号抑制効果を持っている。一方、coeffを1から変化させていくことで、-416Hzの周波数における信号強度が徐々に増えていくことから、coeffを変化させることで抑制対象組織の信号強度を任意に変化させられることが理解できる。
低信号となる周波数帯域幅は、図6の(b)(c)が最も広い状態を維持できるため、静磁場不均一が大きい場合には、{10}又は{11}のFA計算式に基づくFA比を使用するのがよい。
以上の周波数特性の結果に基づいて、最も理想的と考えられる算出式として、{4}のFA計算式を用いた1-1パルスの詳細な周波数特性を図7(a)に,{7}のFA計算式を用いた1-2-1パルスの詳細な周波数特性を図7(b)に,{10}のFA計算式を用いた1-3-3-1パルスの詳細な周波数特性を図7(c)に、それぞれ示す。これらの詳細な周波数特性の図は、横軸をOff resonance frequency(Off resonance freq)と調整係数(coeff)とし、縦軸を信号強度(Signal Intensity)とする3次元グラフで、Off resonance frequencyと調整係数の変化に対する信号強度の変化を詳細に示している。
<実施例1に係る各機能>
次に、本実施例1の2項パルス制御法を実現するための演算処理部114の各機能を、図8に示す機能ブロック図に基づいて説明する。本実施例1に係る演算処理部114は、撮像条件設定部811と、2項パルス設定部812と、撮像シーケンス設定部813と、を有して成る。
撮像条件設定部811は、表示部に撮像条件の設定画面(図示せず)を表示し、操作者による撮像条件の設定を受け付ける。この撮像条件の設定画面は、操作者が、所望の抑制対象組織からの信号を抑制するために、画像化シーケンスに2項パルスを付加した撮像シーケンスを設定可能にしている。具体的には、画像化シーケンスに用いるパルスシーケンス種の選択及び選択した画像化シーケンスを規定する具体的なパラメータ(TR,TE等)の値の設定と、2項パルスを用いるか否かの選択肢がこの設定画面にある。そして、撮像条件設定部811は、操作者により設定された画像化シーケンスを規定する具体的パラメータの値を撮像シーケンス設定部806に通知する。
撮像条件の設定画面で2項パルスが選択された場合に、撮像条件設定部811は、その2項パルスの各種条件を設定するための設定画面を表示し、操作者による2項パルスの条件の設定入力を受け付ける。2項パルスを具体的に規定する条件としては、抑制対象組織の種類と、2項パルスの種類と、抑制対象組織の信号抑制度と、がある。図10に2項パルスの設定画面の一例を示す。抑制対象組織の種類を選択する抑制対象組織選択メニュー部1001に表示される選択肢として、脂肪組織(Fat)と水組織(Water)を備える。2項パルスの種類を選択する2項パルス種選択メニュー部1002に表示される選択肢として、1-1パルス、1-2-1パルス、1-3-3-1パルスを備える。そして、信号抑制度を設定する信号抑制度入力部として、図10(a)は、抑制対象組織の信号振幅の割合:amp[%](0%〜100%)1003をその入力部に入力する例を示し、図10(b)は、抑制対象組織の信号振幅についての定性的な選択メニュー(Strength)1004の選択肢として、「Strong」と「Weak」を備える例を示す。
これらの2項パルスを具体的に規定する条件をそれぞれ処理するために、撮像条件設定部811は、抑制対象組織設定部801と、2項パルス種選択部802と、信号抑制度設定部803とを有して成る。
抑制対象組織設定部801は、2項パルスの設定画面に抑制対象組織選択メニュー部1001をその選択肢と共に表示し、2項パルスが対象とする抑制対象組織の操作者による選択を受け付ける。抑制対象組織としては、脂肪組織(Fat)をデフォルトとして、水組織(Water)、脂肪組織(Fat)の内からいずれかを選択可能とする。そして、抑制対象組織設定部801は、選択された抑制対象組織の情報を2項パルス設定部812に通知する。
2項パルス種選択部802は、2項パルスの設定画面に2項パルス種選択メニュー部1002をその選択肢と共に表示し、2項パルスの種類の操作者による選択を受け付ける。2項パルスの種類として、前述のように、少なくとも1-1パルス、1-2-1パルス、及び1-3-3-1パルスの選択肢を設けて、これらの中からいずれか一つを選択可能とする。そして、2項パルス種選択部802は、選択された2項パルスの種類の情報を2項パルス設定部812に通知する。
信号抑制度設定部803は、2項パルスの設定画面に信号抑制度入力部と必要に応じてその選択肢を表示し、操作者による入力又は選択を受け付ける。前述したように信号抑制度入力部として、抑制対象組織の信号振幅の割合:amp[%](0%〜100%)、或いは、抑制対象組織の信号振幅についての定性的な選択肢:「Strong」(amp=5に相当)、「Weak」(amp=50に相当)のいずれかとする。そして、信号抑制度設定部803は、入力又は選択された信号抑制度の情報を2項パルス設定部812に通知する。
2項パルス設定部812は、撮像条件設定部811から通知された2項パルスを具体的に規定する各種条件に基づいて、2項パルスを具体的に設定し、その設定データを撮像シーケンス設定部813に通知する。そのために、2項パルス設定部812は、調整係数設定部804と、FA算出部805と、を有して成る。
調整係数設定部804は、信号抑制度設定部803から通知された信号抑制度の情報に基づいて、抑制対象組織設定部801から通知された抑制対象組織についての調整係数coeffを設定する。例えば、抑制対象組織の信号振幅の割合:ampから調整係数:coeffへの変換テーブル(Amp-coeff変換テーブル)を、予め内部記憶部115内に記憶しておき、調整係数設定部804が、amp値に基づいて、内部記憶部115内の変換テーブルを検索して、amp値に対応する調整係数coeffの値を取得する。
上記Amp-coeff変換テーブルの一例を図17に示す。(a)は1-1パルスの場合、(b)は1-2-1パルスの場合、(c)は1-3-3-1パルスの場合の変換テーブル例を示す。これらのAmp-coeff変換テーブルは,シミュレーション結果を下に作成する。尚、これらのAmp-coeff変換テーブルで示されるAmp-coeffの関係式を近似関数で求めておいて、求めた近似関数に基づいて、抑制対象組織の信号振幅の割合:ampから調整係数:coeffへの変換を行ってもよい。
FA算出部805は、調整係数設定部804で設定された調整係数coeffを用いて、前述のFA計算式に基づいて、2項パルスを構成する各サブRFパルスのFAを計算する。具体的には、2項パルス種選択部802から通知された2項パルス種が、1-1パルスであれば式4又は式5に基づいて、1-2-1パルスであれば式6乃至式8のいずれかに基づいて、1-3-3-1パルスであれば式9乃至式12のいずれかに基づいて、それぞれ各サブRFパルスのFAを計算する。そして、FA算出部805は、求めた各サブRFパルスのFAを撮像シーケンス設定部813に通知する。
撮像シーケンス設定部813は、撮像条件設定部811で設定された画像化シーケンスを規定する具体的パラメータの値及び2項パルス設定部812で設定された2項パルスの設定データに基づいて、画像化シーケンスの制御データ及び2項パルスの制御データをそれぞれ生成する。次に、撮像シーケンス設定部813は、これらの制御データを一体化して、2項パルスと画像化シーケンスとを組み合わせた撮像シーケンスの制御データとする。
最後に、撮像シーケンス設定部813は、生成した撮像シーケンスの制御データを計測制御部111に通知する。なお、2項パルスが選択されなかった場合には、撮像シーケンス設定部813は、画像化シーケンスの制御データのみを撮像シーケンスの制御データとして計測制御部111に通知する。
<実施例1に係る処理フロー>
次に、前述の各機能部が連携して行なう本実施例1の処理フローを図9に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理フローは、予めプログラムとして内部記憶部115に記憶されており、演算処理部114が内部記憶部115からそのプログラムを読み込んで実行することにより実施される。以下、各処理ステップの処理内容を詳細に説明する。
ステップ901で、撮像条件設定部811は、表示部に撮像条件の設定画面(図示せず)を表示し、操作者による撮像条件の設定を受け付ける。この撮像条件の設定画面で、画像化シーケンスに用いるパルスシーケンス種と、選択した画像化シーケンスを規定する具体的なパラメータの値が設定される。
さらに、操作者が、この撮像条件の設定画面上で2項パルスを用いることを選択した場合には、撮像条件設定部811は、その2項パルスの各種条件を設定するための設定画面を表示し、2項パルスの設定条件の操作者による入力を受け付ける。この2項パルスの設定画面は、例えば図10に示したような設定画面であり、撮像条件設定部811はこの設定画面を表示部に表示して、操作者の設定入力を受け付ける。詳細は前述したとおりである。
ステップ902で、演算処理部114は、ステップ901で2項パルスを用いることが選択された場合には、ステップ903に移行し、選択されなかった場合には、ステップ904に移行する。
ステップ903で、2項パルス設定部812は、ステップ901で設定された2項パルスについての設定条件に基づいて、2項パルスを具体的に設定し、その設定データを撮像シーケンス設定部813に通知する。具体的には、調整係数設定部804は、信号抑制度設定部803から通知された信号抑制度に基づいて、抑制対象組織設定部801から通知された抑制対象組織からの信号を抑制するための調整係数coeffを設定する。FA算出部805は、調整係数設定部804で設定された調整係数coeffを用いて、前述のFA計算式に基づいて、2項パルスを構成する各サブRFパルスのFAを計算する。詳細は前述したとおりである。
ステップ904で、撮像シーケンス設定部813は、ステップ901で設定された画像化シーケンスを規定する具体的パラメータの値と、ステップ903で設定された2項パルスの設定データに基づいて、2項パルスと画像化シーケンスとを組み合わせた撮像シーケンスの制御データを生成し、生成した撮像シーケンスの制御データを計測制御部111に通知する。詳細は前述したとおりである。なお、ステップ901で2項パルスを用いることが選択されなかった場合には、撮像シーケンス設定部813は、画像化シーケンスの制御データのみを撮像シーケンスの制御データとして生成してを計測制御部111に通知する。
ステップ905で、計測制御部111は、ステップ904で生成された撮像シーケンスの制御データに基づいて撮像シーケンスを実行し、所望の抑制対象組織の信号が所望の割合で抑制された画像を取得する。
以上までが、本実施例1の処理フローの概要である。
<実施例1の撮像画像例>
次に、本実施例1により得られる画像の一例を図11に示す。図11に示す画像は、水・脂肪の2層ファントムに対して、脂肪を抑制対象組織として脂肪信号を抑制するように撮像して得られた画像例である。抑制対象組織の信号振幅についての定性的な選択メニュー(Strength)1004として、図11(a)がStrength=strongで撮像した場合の画像例を示し、図11(b)がStrength=weakで撮像した場合の画像例を示す。また、画像の中心部を通り左右方向に延びる直線上の信号強度プロファイルを各画像の下に示す。水信号1101に対して、図11(a)に示すStrength=strongの場合には、脂肪信号1102が最大限に抑制されているが、図11(b)に示すStrength=weakの場合には、脂肪信号1102が弱めに残存していることが理解できる。
以上説明したように、本実施例1のMRI装置及び2項パルス制御法は、信号抑制度に応じた調整係数を求め、この求めた調整係数を2項係数比で定まるFAに乗算することで、FAの変更を行う。これにより、抑制対象組織からの信号を、任意の信号抑制度で得ることができる。その結果、抑制対象組織の解剖情報を任意に残した状態の画像を取得することが可能になる。
本発明のMRI装置及び2項パルス制御法の実施例2について説明する。本実施例2は、2項パルスを構成する複数のサブRFパルスの各FAの比の、2項係数比からのずれを補正する。そのために、ずれを補正するための補正係数を算出し、特定のサブRFパルスのFAへ補正係数を乗算する。
以下、図12〜15に基づいて、本実施例2を詳細に説明する。
2項パルスにおける、1-2-1パルスと1-3-3-1パルスは、2種類の異なるFAを有するサブRFパルスを組み合わせた構成となっている。具体的には、1-2-1パルスは、FA比が1のサブRFパルスと2のサブRFパルスとを組み合わせて構成され、1-3-3-1パルスは、FA比が1のサブRFパルスと3のサブRFパルスとを組み合わせて構成される。
しかしながら、ハードウェアが誤差を有する場合には、各サブRFパルスの出力に関して、ソフトウェアで指定した値と、ハードウェアが実際に出力する値との間に誤差が生じてしまう。その結果、理想的な2項係数比とならないことで、2項パルスの周波数特性が大きく変化してしまう。
そこで、本実施例2では、このようなハードウェア誤差を想定して、1-2-1パルスにおけるFA比が”2”のサブRFパルスと、1-3-3-1パルスにおけるFA比が”3”のサブRFパルスのFAに補正係数coeff0を乗じることで、このハードウェア誤差が原因となって生じるFA比の誤差を補正する。具体的には、以下の計算式に基づいて、FA比が”2”のサブRFパルスとFA比が”3”のサブRFパルスに補正係数coeff0を乗じる。
{13} 1-2-1パルスの場合
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
{14} 1-3-3-1パルスの場合
Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571

Figure 2014200571
ハードウェア誤差を想定して、FA誤差比と周波数特性との関係をシミュレーションした結果を図12に示す。図12(a)が、1-2-1のFA比が”2”のサブRFパルスのFAにcoeff0を乗じ、{13}の式でシミュレーションした結果のFA誤差比と周波数特性との関係を示す。図12(b)が、1-3-3-1のFA比が”3”のサブRFパルスのFAにcoeff0を乗じ、{14}の式でシミュレーションした結果のFA誤差比と周波数特性との関係を示す。いずれの場合も、FA誤差比が大きくなるに従い、off resonance frequencyの信号強度が増加していくこと、つまり、2項パルスによる抑制対象組織の信号抑制度が低下して、所望の信号抑制効果が得られないことが理解できる。
<補正係数coeff0の算出法>
補正係数coeff0は次のようにして算出される。即ち、臨床撮影前の据付の段階で、ファントムを用いてシステム調整を行う。調整方法は、たとえば、静磁場中心に調整専用コイルとファントムを配置した状態で、Z方向(静磁場方向)にオフセット磁場ΔGz[mT/m]を加えることで、式47より、Z軸方向に1次磁場不均一(Δf(z)[Hz]を発生させることができる。ここでzはz方向の距離[mm]、γは磁気回転比[Hz/T]を意味する。
Figure 2014200571
例えば、静磁場強度が3Tの場合に、390883 [nT/m]のオフセット磁場を加えると、25mmの位置に416Hzのオフレゾナンス帯域を生成できる。この状態で水選択励起法を用いた撮像を実施すると、図13に示すように、Z方向±25mmの位置を中心とした信号抑制バンドが生じる。この画像に対し、Z方向のラインプロファイルを取得することで、周波数特性を得ることができる。
一方、水選択励起法は、理想的な2項係数比の場合、式48の周波数特性を持つ。ここで、nはサブRFパルスの数を意味し、1-2-1パルスは3、1-3-3-1パルスは4となる。θをz方向の距離zで表すと以下の式になる。
Figure 2014200571

Figure 2014200571
図14に理想状態として、式49から求まる理想的な周波数特性を示す。実線が1-2-1パルスの場合、点線が1-3-3-1パルスの場合をそれぞれ示す。
47、49式を用いてcoeff0を変化させながら複数のラインプロファイルを取得し、式49で求まる図14のz=-50mm〜50mmの理想的な周波数特性のプロファイルとの間で、類似度が最も高くなる場合のcoeff0を補正係数として取得する。
以後、1-2-1パルスにおけるFA比が”2”のサブRFパルスのFA、或いは、1-3-3-1パルスにおけるFA比が”3”のサブRFパルスのFAに、選択した補正係数coeff0が常時乗じられ、このFAが補正されたサブRFパルスを有する2項パルスを用いることで、ハードウェア誤差を補正することが可能となる。
<実施例2に係る各機能>
次に、本実施例2の2項パルス制御法を実現するための演算処理部114の各機能を、図15(a)に示す機能ブロック図に基づいて説明する。本実施例2に係る演算処理部114は、2項パルス補正部1511を有して成る。
2項パルス補正部1511は、前述のように、補正係数coeff0を算出する。そのために、ラインプロファイル取得部1501と、ラインプロファイル比較部1502と、補正係数決定部1503と、を有して成る。
ラインプロファイル取得部1501は、静磁場中心に調整専用コイルとファントムとが配置された状態で、所定(例えばZ)方向にオフセット磁場ΔG[mT/m](静磁場強度が3Tの場合には390883 [nT/m])を加えながら、{13}又は{14}に示すように補正係数coeff0を乗じたFAを有するサブRFパルスで構成された2項パルス(1-2-1パルス又は1-3-3-1パルス)を印加する水選択励起法(GEシーケンスを用い、撮影条件に使用する繰り返し時間(TR)は、使用するファントムのT1値に対して、5〜10倍程度の十分に長い値を設定することが望ましい。)を用いた撮像を実施する。そして、ラインプロファイル取得部1501は、このような撮像により取得された画像において、前記所定方向のラインプロファイルを取得する。このラインプロファイルは、補正係数coeff0により補正された2項パルスの周波数特性を表す。ラインプロファイル取得部1501は、この様なラインプロファイルの取得処理を、補正係数coeff0を変えて、複数回繰り返し、補正係数coeff0毎のラインプロファイル、つまり補正係数coeff0毎の2項パルスの周波数特性をそれぞれ取得する。
周波数特性比較部1502は、ラインプロファイル取得部1501で取得された補正係数coeff0毎の2項パルスの周波数特性と、予め内部記憶部115に記憶された(式49)で表される理想状態の2項パルスの周波数特性とを比較する。この比較処理では、理想状態の2項パルスの周波数特性と補正係数coeff0毎の2項パルスの周波数特性との間の類似度がそれぞれ算出される。類似度の算出には公知の方法を用いることができる。
補正係数決定部1503は、周波数特性比較部1502で算出された類似度の中で、最大の類似度を有する2項パルスの周波数特性に対応する補正係数coeff0を選択する。つまり、理想状態の2項パルスの周波数特性に最も近い周波数特性に対応する補正係数coeff0が選択される。このようにして選択された補正係数coeff0を1-2-1パルスにおけるFA比が”2”のサブRFパルス、或いは、1-3-3-1パルスにおけるFA比が”3”のサブRFパルスのFAに乗算することで、このハードウェア誤差によるFA比の誤差が補正されることになる。
<実施例2に係る処理フロー>
次に、前述の各機能部が連携して行なう本実施例2の処理フローを図15(b)に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理フローは、予めプログラムとして内部記憶部115に記憶されており、演算処理部114が内部記憶部115からそのプログラムを読み込んで実行することにより実施される。以下、各処理ステップの処理内容を詳細に説明する。
ステップ1551で、ラインプロファイル取得部1501は、補正係数coeff0を複数回変更するためのループカウンタKに1を代入して初期化を行う。
ステップ1552で、ラインプロファイル取得部1501は、ループカウンタKが所定回数(N)に到達したか否かを確認する。所定回数以下の場合には、ステップ1553に移行し、所定回数(N)以上の場合にはステップ1556に移行する。
ステップ1553で、ラインプロファイル取得部1501は、K番目の補正係数coeff0を設定する。例えば、補正係数coeff0の初期値をcoeff0(0)、変更幅をΔCとして、K番目の補正係数coeff0[K]を
coeff0 [K] = coeff0(0)+ΔC*K
とする。
ステップ1554で、ラインプロファイル取得部1501は、ステップ1503で設定した補正係数coeff0 [K]を、{13}又は{14}に示すように、1-2-1パルスにおけるFA比が”2”のサブRFパルス、或いは、1-3-3-1パルスにおけるFA比が”3”のサブRFパルスのFAに乗算して2項パルスを構成する。そして、ラインプロファイル取得部1501は、当該2項パルスを印加する水選択励起法(前述したように、繰り返し時間(TR)をT1値の5〜10倍にしたGEシーケンスが好ましい)を用いて、所定(例えばZ)方向にオフセット磁場ΔG[mT/m](静磁場強度が3Tの場合には390883 [nT/m])を加えながら、撮像を実施する。そして、ラインプロファイル取得部1501は、このような撮像により取得した画像において、前記所定方向のラインプロファイルを取得し、取得したラインプロファイルのデータを補正係数coeff0 [K]に関連付けて内部記憶部115に記憶する。
ステップ1555で、ラインプロファイル取得部1501は、ループカウンタKに1を加算して、ステップ1552に移行する。即ち、ラインプロファイル取得部1501は、上記ステップ1552〜ステップ1554の処理を所定回数(N)繰り返して、補正係数coeff0 [K]毎のラインプロファイル、つまり補正係数coeff0 [K]毎の2項パルスの周波数特性を取得する。
ステップ1556で、周波数特性比較部1502は、上記ステップ1552〜ステップ1555で取得された補正係数coeff0 [K]毎の2項パルスの周波数特性と、予め内部記憶部115に記憶された(式49)で表される理想状態の2項パルスの周波数特性とを比較する。具体的には、周波数特性比較部1502は、上記ステップ1552〜ステップ1555で取得されて内部記憶部115に記憶された補正係数coeff0 [K]毎の2項パルスの周波数特性を順次読み出し、予め内部記憶部115に記憶された理想状態の2項パルスの周波数特性との間で類似度をそれぞれ計算する。そして、補正係数決定部1503は、周波数特性比較部1502で算出された類似度の中で、最大の類似度を有する2項パルスの周波数特性に対応する補正係数coeff0 [K]を選択する。
以上までが、本実施例2の処理フローの概要である。
以上のようにして選択された補正係数coeff0 [K]を、1-2-1パルスにおけるFA比が”2”のサブRFパルス、或いは、1-3-3-1パルスにおけるFA比が”3”のサブRFパルスのFAに乗じることで、ハードウェア誤差によるFA比の誤差が補正される。
以上説明したように、本実施例2のMRI装置及び2項パルス制御法は、2項パルスを構成する複数のサブRFパルスの各FAの比の、2項係数比からのずれを補正する。そのために、ずれを補正するための補正係数を算出し、特定のサブRFパルスのFAへ補正係数を乗算する。これにより、ハードウェア誤差等に基づいて生じるFA比の2項係数比からのずれを補正することができる。
本発明のMRI装置及び2項パルス制御法の実施例3について説明する。本実施例3は、前述の実施例1と実施例2とを組み合わせる。即ち、前述の実施例1により、抑制対象組織についての信号抑制度に応じた調整係数を求め、この求めた調整係数を2項係数比で定まるFAに乗算し、前述の実施例2により予め求めておいた補正係数coeff0を、2項パルスを構成する各サブRFパルスの内の特定のサブRFパルスのFAに乗算する。
以下、図16に基づいて、本実施例3を詳細に説明する。
<実施例3に係る各機能>
最初に、本実施例3の2項パルス制御法を実現するための演算処理部114の各機能を、図16(a)に示す機能ブロック図に基づいて説明する。本実施例3に係る演算処理部114は、前述の実施例1で説明した、撮像条件設定部811と、2項パルス設定部812と、撮像シーケンス設定部813と、前述の実施例2で説明した2項パルス補正部1511と、を有して成る。各部の機能の詳細は、それぞれ前述の実施例1,2で説明したので、ここでの詳細な説明は省略し、各機能部間の連携のみについて説明する。
2項パルス設定部812が、前述の実施例1のとおりに、2項パルスを構成する各サブRFパルスのFAを算出し、算出した各サブRFパルスのFAを2項パルス補正部1511に通知する。そして、2項パルス補正部1511が、前述の実施例2のとおりに予め求めて内部記憶部115に記憶しておいた補正係数coeff0を、2項パルス設定部812から通知された各サブRFパルスの内の特定のサブRFパルスのFAに乗算して、最終的な各サブRFパルスのFAを決定し、決定した各サブRFパルスのFAを撮像シーケンス設定部813に通知する。
或いは逆に、2項パルス補正部1511が、前述の実施例2のとおりに予め求めて内部記憶部115に記憶しておいた補正係数coeff0を2項パルスの各サブRFパルスの内の特定のサブRFパルスのFAに乗算し、乗算後の各サブRFパルスのFAを2項パルス設定部812に通知し、2項パルス設定部812が、補正係数coeff0が乗算された特定のサブRFパルスを含む2項パルスの各サブRFパルスのFAを、前述の実施例1のとおりに算出し、算出した各サブRFパルスのFAを撮像シーケンス設定部813に通知してもよい。
以降は、前述の実施例1と同様である。
<実施例3の処理フロー>
次に、前述の各機能部が連携して行なう本実施例3の処理フローを図16(b)に示すフローチャートに基づいて説明する。本処理フローは、予めプログラムとして内部記憶部115に記憶されており、演算処理部114が内部記憶部115からそのプログラムを読み込んで実行することにより実施される。なお、本処理フローでは、補正係数coeff0は予め前述の実施例2のようにして求められて内部記憶部115に記憶されているものとする。
本処理フローは、図9で説明した前述の実施例1の処理フローにおいて、ステップ903とステップ904の間に、図15(b)で説明した前述の実施例2の処理フォローの一部である補正係数coeff0を乗算する処理ステップ1601が入る。各処理ステップについては、前述の実施例1,2で説明したので、詳細な説明を省略する。本実施例3における追加の処理は、ステップ1601で、2項パルス補正部1511が、内部記憶部115に記憶されている補正係数coeff0を読み出して、ステップ903で算出された2項パルスを構成する各サブRFパルスの内の特定のサブRFパルスのFAに乗算して、2項パルスを構成する各サブRFパルスの最終的なFAを決定することである。
以上までが、本実施例3の処理フローの概要である。
なお、上記ステップ1601の処理の挿入位置を変えて、図9で説明した前述の実施例1の処理フローにおいて、ステップ902とステップ903の間に入るようにしてもよい。この場合は、ステップ1601で、2項パルス補正部1511が、内部記憶部115に記憶されている補正係数coeff0を読み出して、2項パルスを構成する各サブRFパルスの内の特定のサブRFパルスのFAに乗算し、乗算後の各サブRFパルスのFAを2項パルス設定部812に通知する。そして、ステップ903で、2項パルス設定部812が、補正係数coeff0が乗算された特定のサブRFパルスを含む2項パルスの各サブRFパルスのFAを、前述の実施例1のとおりに算出する。
以上説明したように、本実施例3のMRI装置及び2項パルス制御法は、信号抑制度に応じた調整係数を求め、この求めた調整係数を2項係数比で定まるFAに乗算し、予め求めておいた補正係数coeff0を、2項パルスを構成する各サブRFパルスの内の特定のサブRFパルスのFAに乗算する。これにより、ハードウェア誤差等に基づいて生じるFA比の2項係数比からのずれが補正された状態で、抑制対象組織からの信号を、所望の信号抑制度で精度良く得ることができる。
101 被検体、102 静磁場発生磁石、103 傾斜磁場コイル、104 送信RFコイル、105 RF受信コイル、106 寝台、107 信号処理部、108 全体制御部、109 傾斜磁場電源、110 RF送信部、111 計測制御部、113 メモリ、114 演算処理部(CPU)、115 内部記憶部、116 ネットワークIF、117 外部記憶部、118 表示・操作部

Claims (15)

  1. 被検体に照射するRFパルスを発生するRFパルス発生部と、
    2項パルスを構成する複数のサブRFパルスの内の少なくとも一つのサブRFパルスのフリップ角を2項係数比で定まるフリップ角から変更する2項パルス設定部と、
    前記フリップ角が変更されたサブRFパルスを含む2項パルスと、前記被検体の画像を得るための核磁気共鳴信号を計測する画像化シ−ケンスと、を組み合わせて成る撮像シ−ケンスに基づいて前記RFパルス発生部を制御する計測制御部と、
    を有して成ることを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記2項パルス設定部は、抑制対象組織からの信号を抑制するための信号抑制度に応じて、前記少なくとも一つのサブRFパルスのフリップ角を、2項係数比で定まるフリップ角から変更することを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  3. 請求項2記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記2項パルス設定部は、
    前記信号抑制度に基づいて調整係数を求め、
    前記複数のサブRFパルスの内のいずれか一つ以上のサブRFパルスのフリップ角を、選択励起対象組織のフリップ角と前記2項係数比とで定まる理想フリップ角から、前記調整係数を該理想フリップ角に乗算して定まるフリップ角に変更し、
    残りのサブRFパルスの各フリップ角を、選択励起対象組織のフリップ角から該変更したフリップ角を引いた残差を配分して定めることを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  4. 請求項3記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記2項パルスは、第一サブRFパルス及び第二サブRFパルスで構成される1−1パルスであり、
    前記2項パルス設定部は、前記第一サブRFパルス及び前記第二サブRFパルスの内のいずれか一方のサブRFパルスのフリップ角を、前述の理想フリップ角から前記調整係数を該理想フリップ角に乗算して定まるフリップ角に変更し、他方のサブRFパルスのフリップ角を前記選択励起対象組織のフリップ角から該変更したフリップ角を引いた残差のフリップ角とすることを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  5. 請求項3記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記2項パルスは、第一サブRFパルス、第二サブRFパルス、及び第三サブRFパルスで構成される1−2−1パルスであり、
    前記2項パルス設定部は、前記第一サブRFパルス、前記第二サブRFパルス、及び前記第三サブRFパルスの内のいずれか一つのサブRFパルスのフリップ角を、前記理想フリップ角から前記調整係数を該理想フリップ角に乗算して定まるフリップ角に変更し、他の各サブRFパルスのフリップ角を前記選択励起対象組織のフリップ角から該変更したフリップ角を引いた残差を配分したフリップ角とすることを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  6. 請求項3記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記2項パルスは、第一サブRFパルス、第二サブRFパルス、第三サブRFパルス、及び第四サブRFパルスで構成される1−3−3−1パルスであり、
    前記2項パルス設定部は、前記第一サブRFパルス、前記第二サブRFパルス、前記第三サブRFパルス、及び前記第四サブRFパルスの内のいずれか一つのサブRFパルスのフリップ角を、前記理想フリップ角から前記調整係数を該理想フリップ角に乗算して定まるフリップ角に変更し、他の各サブRFパルスのフリップ角を前記選択励起対象組織のフリップ角から該変更したフリップ角を引いた残差を配分したフリップ角とすることを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記2項パルスについての条件の設定を受け付けるための設定画面を表示する表示部を備えることを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  8. 請求項7記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記設定画面は、水と脂肪を含む選択肢の中から前記抑制対象組織の選択を受け付ける抑制対象組織選択メニュ−部を有することを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  9. 請求項7記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記設定画面は、2項パルスの種類の選択を受け付ける2項パルス種選択メニュ−部を有することを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  10. 請求項7記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記信号抑制度の設定を受け付ける信号抑制度入力部を有することを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  11. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記複数のサブRFパルスの各フリップ角の比の、前記2項係数比からのずれを補正するための補正係数を算出し、前記複数のサブRFパルスの内の特定のサブRFパルスのフィリップ角への前記補正係数の乗算を行う2項パルス補正部を有し、
    前記2項パルス設定部は、前記補正係数がフリップ角に乗算された特定のサブRFパルスを含む複数のサブRFパルスの内の、少なくとも一つのサブRFパルスのフリップ角の変更を行うことを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  12. 請求項11記載の磁気共鳴イメ−ジング装置において、
    前記2項パルス補正部は、前記2項パルスが1−2−1パルスの場合にフリップ角比が2の第二サブRFパルスに前記補正係数を乗算し、前記2項パルスが1−3−3−1パルスの場合にフリップ角比が3の第二サブRFパルス及び第三サブRFパルスに前記補正係数を乗算することを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  13. 被検体に照射するRFパルスを発生するRFパルス発生部と、
    2項パルスを構成する複数のサブRFパルスの各フリップ角の比の、2項係数比からのずれを補正するための補正係数を算出し、特定のサブRFパルスのフィリップ角への前記補正係数の乗算を行う2項パルス補正部と、
    前記フリップ角が変更されたサブRFパルスを含む2項パルスと、前記被検体の画像を得るための核磁気共鳴信号を計測する画像化シ−ケンスと、を組み合わせて成る撮像シ−ケンスに基づいて前記RFパルス発生部を制御する計測制御部と、
    を有して成ることを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  14. 被検体に照射するRFパルスを発生するRFパルス発生部と、
    複数のサブRFパルスで構成された2項パルスと、前記被検体の画像を得るための核磁気共鳴信号を計測する画像化シ−ケンスと、を組み合わせて成る撮像シ−ケンスに基づいて前記RFパルス発生部を制御する計測制御部と、
    を有して成る磁気共鳴イメ−ジング装置における2項パルス制御方法であって、
    前記複数のサブRFパルスの内の少なくとも一つのサブRFパルスのフリップ角を2項係数比で定まるフリップ角から変更するフリップ角変更ステップを有することを特徴とする2項パルス制御方法。
  15. 請求項14記載の2項パルス制御方法であって、前記フリップ角変更ステップは、
    抑制対象組織からの信号を抑制するための信号抑制度に基づいて調整係数を求めるステップと、
    前記複数のサブRFパルスの内のいずれか一つ以上のサブRFパルスのフリップ角を、選択励起対象組織のフリップ角と前記2項係数比とで定まる理想フリップ角から、前記調整係数を該理想フリップ角に乗算して定まるフリップ角に変更するステップと、
    残りのサブRFパルスの各フリップ角を、選択励起対象組織のフリップ角から前記変更したフリップ角を引いた残差を配分して定めるステップと、
    を特徴とする2項パルス制御方法。
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