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JP2014191976A - 密閉型鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電槽化成中の電池温度の上昇を抑制することができる密閉型鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】鉛合金からなる格子基板に正極活物質および負極活物質を夫々充填してなる正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層してなる極板群を電槽内に収容し、これに電解液を注入して電槽化成を施した密閉型鉛蓄電池において、正極活物質の量を値Xとし、負極活物質の量を値Yとしたときに、比率Z(=X/Y)を0.85〜0.95の範囲内にした。
【選択図】図1

Description

本発明は、極板群を電槽内に収容し、これに電解液を注入して電槽化成を施した密閉型鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池の極板は、正・負極板とも鉛を主成分とする鉛合金製の格子基板に、鉛と一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練してなるペースト状活物質を充填した後、所定の条件で熟成、乾燥を行って製造する。
熟成・乾燥を行う目的は、活物質の結晶成長、ペーストの強度向上、格子表面を腐食させて活物質との化学的な結合力を向上させることや、水分の除去などである。熟成・乾燥を経て作製された未化成の正負極板を、セパレータを挟んで交互に積層することにより極板群を形成し、この極板群を電槽に収納した後、注液口を設けた蓋と熱溶着する。この鉛蓄電池内に電解液である希硫酸を注液して通電し、極板の電槽化成を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−25955号公報
ところで、密閉型鉛蓄電池にあっては、極板群を電槽内に密閉した状態で電槽化成を行うため、電池温度が上がりやすくなる。電槽化成中の電池温度が高いほど、化成中の活物質の組成変化に伴う体積変化が大きくなり、この体積変化によって発生する応力により格子基板と活物質との界面に歪みが生じてクラックが生じやすくなり、密着性が低下してしまう。
また、電池温度が高いほど、注液後に未化成の活物質と希硫酸が反応して生成される硫酸鉛が電解液中に多量に溶解するため、電池温度が徐々に低下して硫酸鉛が析出してくると、非常に大きな硫酸鉛の結晶に成長してしまう。このような場合に、特に大きな応力が発生し、格子基板と活物質との界面にクラックが生じ、密着性が低下してしまう。また、化成により生成された活物質の結晶が粗大化し、電解液との反応面積が小さくなってしまう。
また、近年では、電池の高寿命化のために、正極板に耐食性を有する合金からなる格子基板(例えばPb−Ca−Sn系合金など)を用いることが増えている。この耐食性正極板を備えた電池は、熟成・乾燥において正極の格子基板と活物質とを化学的に結合する腐食層が形成され難くなるため、格子基板と活物質との密着性が弱い。従って、この種の耐食性を向上させた電池ほど、格子基板と活物質との界面にクラックが生じやすくなり、密着性が低下してしまう。
このような不具合を起こさないようにするには、電槽化成中の電池温度の上昇を抑えることが望まれる。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、電槽化成中の電池温度の上昇を抑制することができる密閉型鉛蓄電池を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、鉛合金からなる格子基板に正極活物質および負極活物質を夫々充填してなる正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層してなる極板群を電槽内に収容し、これに電解液を注入して電槽化成を施した密閉型鉛蓄電池において、前記正極活物質の量を値Xとし、前記負極活物質の量を値Yとしたときに、比率(X/Y)を0.85〜0.95の範囲内にしたことを特徴とする。
上記構成において、前記正極板は、Pb−Ca−Sn系合金からなる格子基板に正極活物質を充填した極板であることを特徴とする。
本発明によれば、電槽化成中の電池温度の上昇を抑制することができる。
電槽化成中の電池温度が60℃を超えた測定結果を示した図である。 残存未化成量と比表面積の測定結果を示した図である。 放電持続時間と5秒目電圧の測定結果を示した図である。 深放電サイクル試験の測定結果を示した図である。
密閉型鉛蓄電池の電槽化成は、鉛合金を格子基板とした正極板と負極板とからなる極板群をセパレータを挟んで交互に積層して電槽内に収容し、これに電解液を注入した密閉状態で正極板および負極板に通電して化成を行う。電槽化成は、化成後に極板の水洗・乾燥が不要なため、タンク化成(電池を組み立てる前に予め未化成の正極板、負極板(同時化成)または片方ずつの極板(単独化成)を希硫酸の入った化成槽中に浸漬させ通電して化成する方法)に比べて化成工程を簡略化することが可能になる。
本発明者等は、密閉型鉛蓄電池の電槽化成中の電池温度の上昇を抑えるために、正負極板に充填される正極活物質量と負極活物質量との比率を調整することを検討した。以下、その発想に至った経緯を説明する。
密閉型鉛蓄電池の電槽化成では、活物質が充電されると正極板と負極板の分極が大きくなり、以下の反応が起こるため、ガスが発生し易くなる。
Figure 2014191976
このとき分極が大きくなると、ジュール熱による発熱が起こるため電池温度が上昇し、更に負極板での酸素との再結合反応も発熱を伴うため、電池温度が急激に上昇する。
発明者等は、正極活物質量を値Xとし、負極活物質量を値Yとしたときに、正極活物質量Xを負極活物質量Yで割った値(質量比)である比率Z(=X/Y)を検討したところ、比率Zが小さすぎる場合には、正極が早めに分極し、多少の酸素ガスが発生する。この酸素ガスは、既に化成により負極板で生成された金属鉛と再結合反応を起こしてしまうため、負極板の化成効率が低下するとともに電池温度の急激な上昇が起きてしまう。
一方、比率Zが小さすぎる場合には、負極が早めに分極してしまい、多量の水素ガスが発生してくるため、やはり電池温度は急激に上昇する。
この場合、高温状態が長時間に渡って継続し易いため、活物質の粗大化に伴う応力の発生により正極の格子基板と活物質との界面にクラックが発生し易くなり、密着性が低下してしまう。特に耐食性の高い格子基板を用いた場合に顕著である。
更に、長時間にわたって激しいガッシングが起こるために、負極活物質の防縮や導電性向上の目的で添加されているバリウムやリグニンなどの有機物(有機物添加剤)が活物質の外に流出し、酸化分解を起こしてしまい、結果として電池性能の低下を引き起こしてしまう。
このように格子基板と活物質の界面にクラックが発生している状態では、特に低温での高率放電の際に格子基板の界面の抵抗が増加してしまうだけでなく、クラックから格子基板近傍へ浸入した電解液が活物質と反応してしまうため、格子界面に不導体である硫酸塩が生成されてしまう。
この硫酸塩の影響により、放電の持続時間が短くなる早期容量低下と呼ばれる現象が起こり、電池が短寿命となってしまう。更に、高温下での電槽化成の影響で、負極板の反応面積の減少や有機物添加剤の消失なども起こる為、特に低温での高率放電への影響が大きく、電圧の低下および持続時間の低下が生じ易くなってしまう。
そこで、発明者等は、正極活物質量と負極活物質量との比率Zを調整することによって、電槽化成時の正負極板からのガス発生をコントロールして電槽化成時の発熱量を抑え、これによって、反応面積の減少や活物質粗大化を要因とするクラックを抑制し、電池性能の低下を防止するようにした。
次に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例では、Pb−Ca−Sn−Ba−Al系の合金からなる耐食性合金格子に正極活物質を充填した正極板4枚と、Pb−Ca−Sn−Al系の合金格子に負極活物質を充填した負極板4枚とを、ガラスマットを挟んで交互に積層した極板群を製作した。極板群は、正極活物質の総量が一定で、これに対する負極活物質量をパラメーターとして、比率Zを、それぞれ0.85、0.90、0.95とし、6セル12V系の密閉型鉛蓄電池(10Ah、20HR)を各々製作した。
また、比較例として、比率Zを、それぞれ0.75、0.80、1.00、1.05とし、それ以外の構成は上記実施例と同様の密閉型鉛蓄電池を各々製作した。
<格子基板の材料>
格子基板に使用する鉛合金について説明する。
Ca、Sn、Alからなる鉛合金にBaを添加することは、その機械的強度を向上する上で有効なことは既に公知である。しかし、Baの添加は耐食性を改善する効果が認められず、逆にある量を超えてBaを添加すると耐食性が著しく低下する。これに対して、実施例の格子基板は、CaとBaをある規制した範囲で添加することによって、耐食性と機械的強度の双方を向上させることができる。
より具体的には、Caが0.02重量%以上で0.05重量%未満、Snが0.4重量%以上で2.5重量%以下、Alが0.005重量%以上で0.04重量%以下、Baが0.002重量%以上で0.014重量%以下、残部が鉛と不可避成分からなる鉛蓄電池用鉛基合金を使用している。Caの添加は機械的強度を高めるものである。なお、Ca含有量が0.02重量%未満では機械的強度が不十分であり、Ca含有量を0.05重量%以上とすると耐食性を悪化させる。この様にCa含有量の低いPb−低Ca系合金などの耐食性の鉛合金格子を用いた場合に特に効果がある。
Caを0.02重量%以上で0.05重量%未満とし、これに0.002〜0.014重量%のBaを添加することで機械的強度を高めながら耐食性も向上することができるものである。Caのより好ましい含有量の範囲は0.03重量%以上で0.045重量%以下である。Baの添加は機械的強度を高めるためであり、その含有量は0.002重量%以上0.014重量%以下である。Ba含有量が0.002重量%未満では強度向上の効果が不足し、0.014重量%を超えると耐食性が急速に低下する。Baのより好ましい含有量の範囲は0.002重量%以上で0.010重量%以下である。
Snの添加は、合金の湯流れ性と機械的強度を向上するとともに、電池とした場合に格子界面に溶出したSnが腐食層にドープされ、半導体効果で導電性を高める効果がある。Snの含有量は、0.4重量%以上で2.5重量%以下とする。Snが0.4重量%未満では上記の効果がいずれも不足し、また耐食性も低下する。また、Snが2.5重量%を超えると結晶が粗大化し、見掛けの腐食以上に粒界腐食が進行する。Snのより好ましい含有量は0.6重量%以上である。
Alの添加は、溶湯の酸化によるCaとBaの損失を抑制するためで、その含有量は0.005重量%以上、0.04重量%以下とする。Alが0.005重量%未満ではその効果が十分でなく、また0.04重量%を超えるとAlがドロスとして析出し易くなる。残部は、鉛および不可避の元素である。
なお、これらPb−Ca−Sn−Ba−Al合金に更に、Ag、Bi、Tiを添加しても良く、Agの添加は、機械的強度、特に高温での耐クリープ性を著しく高めることができる。Agの含有量は0.005重量%以上で0.07重量%以下とする。Agの含有量が0.005重量%未満では特に効果はなく、また0.07重量%を超えると鋳造時にクラックが発生しやすくなる。Agのさらに好ましい含有量は0.01重量%以上で0.05重量%以下である。
Biの添加も、機械的強度を向上する効果がある。その効果は上記Agよりは小さいが、Biが廉価である点で経済性がある。Biの含有量は0.01重量%以上で0.10重量%以下とする。Bi含有量が0.01重量%未満では特に効果はなく、また0.10重量%を超えると耐食性を損なう。Biのさらに好ましい含有量は0.03重量%以上で0.05重量%以下である。
Tlの添加も機械的強度を向上する効果がある。また廉価である点で経済性がある。Tlの含有量は0.001重量%以上で0.05重量%以下とする。Tl含有量が0.001重量%未満では特に効果はなく、また0.05重量%を超えると耐食性を損なう。Tlのさらに好ましい含有量の範囲は0.005重量%以上で0.05重量%以下である。なお、上記の合金では工業的に不可避な又は有害でない不純物を含むことが許される。
以上の点は特開2003−306733号公報に詳細に記載されている。
<電槽化成中の温度の測定>
次に、製作した密閉型鉛蓄電池に、比重1.255(20℃換算)の希硫酸を所定量注液し、30分間、常温で放置した後、25℃水槽中で一定の電流値で正極活物質の理論容量に対する充電電気量が220%となるように電槽化成を行い、このときの電池内部の温度推移を各々測定した。
このときの電槽化成中の温度推移において、60℃を超えている時間が総電槽化成時間の何パーセントに相当するかを調査した。その結果を表1および図1に示す。
Figure 2014191976
図1に示すように、比率Zが0.80〜1.05の領域は、横軸を比率Z、縦軸を割合T(電池温度が60℃を超えている時間割合)としたグラフ波形で変曲点P1、P2に挟まれた谷部分となる。このことから、この領域は、60℃を超える時間の割合Tを、他の水準(比率Zが0.80未満、又は、1.05超過)と比べて効率よく低下させることができる範囲であることが判る。
実施例では、この範囲内のうち、各変曲点P1、P2から離れた比率Zが0.85〜0.95の領域としたため、図1および表1に示すように、60℃を超える時間の割合Tを際だって下げることが可能になる。
表1に示すように、本実施例では、60℃を超える時間の割合Tを60.0%以下に下げることができ、特に比率Zが0.90の場合に60℃を超える時間の割合Tを最も小さい値(53%)まで下げることができる。これによって、比率Zを0.85〜0.95の範囲内にすることにより、電槽化成時に高温状態が続くことを抑制することができ、電槽化成時の発熱量を効率よく低下させることが可能になる。
また、発熱量を抑える観点からは、比率Zが0.85〜0.95のうち、0.90或いは0.90近傍の値がより好ましい。なお、割合Tの値は、電池の極板材料や極板枚数などの諸条件で変化するが、その傾向は図1に示した傾向と同様であり、比率Zが0.85〜0.95が好ましく、0.90或いは0.90近傍がより好ましいことも同様である。
<残存未化成量と比表面積の測定>
次いで、上記の密閉型鉛蓄電池を電槽化成終了後、直ちに電池を解体して負極板を取り出し、水洗、減圧乾燥後、活物質中に残存している硫酸鉛量と酸化鉛量および比表面積の測定を行った。その結果を表2および図2に示す。
Figure 2014191976
表2および図2から明らかなように、実施例の比率Zが0.85〜0.95の領域では、電槽化成後の残存硫酸鉛量および残存酸化鉛量が他の水準よりも際だって減少しており、化成効率が良いことが判る。
また、表1に示した60℃を超える時間の割合Tと、図2に示した比表面積とは相間関係があることは明らかであり、比率Zが0.85〜0.95の実施例では、比較例よりも比表面積が大きく、活物質の粗大化が少ないことが判る。
つまり、比率Zを0.85〜0.95にすることによって電槽化成時の発熱量が抑えられ、その結果、活物質の体積変化によって生じる応力が小さくなったことを確認することができた。
また、電池解体時に正極板の断面観察を行い、活物質と格子界面のクラックの有無を確認した。その結果、実施例の比率Zが0.85〜0.95の領域では、クラックがほとんど見られなかった。これは、上記するように、活物質の体積変化による応力が抑えられたものと考えられる。
前記断面観察は以下の手順で行った。まず、極板を主剤と硬化剤とを所定量混合した樹脂に浸漬し、次いで、減圧脱泡を行い樹脂が硬化するまで放置した。そして、完全に硬化した極板を所定箇所に沿って樹脂ごと切断し、研磨紙で研磨した後、バフ研磨で仕上げを行った。前記方法にて形成した極板断面をマイクロスコープで観察した。
<電池性能の評価>
続いて、上記実施例および比較例の密閉型鉛蓄電池を再び製作し、低温での高率放電(−10℃の低温環境下での110A放電、終止電圧6.0V)および深放電サイクル試験を行った。この深放電サイクル試験では、放電電流0.33CA、終止電圧9.0Vの条件で放電容量が定格容量の50%を下回ったところで寿命と判定した。その結果を表3、図3および図4に示す。
Figure 2014191976
表3および図3から明らかなように、実施例の比率Zが0.85〜0.95の領域では、低温での高率放電特性が放電持続時間および5秒目電圧(放電開始から5秒後の電圧)のいずれも比較例と比べて良好であった。また、耐食性合金の格子基板を用いた構成であっても、電圧低下が見られないことを確認することができた。
また、表3および図4から明らかなように、深放電サイクル試験においても、比較例よりも寿命特性が良かった。これは表2などで示したように、電池温度の上昇による活物質の粗大化が抑えられ、その結果として活物質から生じる応力が減少し、格子界面のクラックの発生が抑えられたために早期の容量低下が起こらなかったものと考えられる。更に、活物質の比表面積の減少も抑えられたため、低温での高率放電特性も良好であったと考えられる。
以上説明したように、正極活物質量と負極活物質量との比率Zに着目し、この比率Zの調整により、電槽化成時の発熱量を、正極の格子基板と正極活物質との界面のクラックを抑制する所定の範囲内に抑えるようにしたため、クラックの影響による早期容量低下を抑えるともに、負極板の比表面積の低下を抑制して低温での高率放電特性の低下も抑えることができる。また、発熱を抑えるから、負極活物質中の有機物添加剤の消失量も減少させることができ、有機物添加剤の消失による電池性能の低下も抑制することができる。
また、比率Zを0.85〜0.95の範囲内にしたため、図1などに示したように、他の水準(比率Zが0.80未満、又は、1.05超過)と比べて際だって発熱を抑えることができる。なお、電槽化成時の発熱量を、正極の格子基板と正極活物質との界面のクラックを抑制可能な範囲内に抑える範囲で、比率Zを0.85〜0.95の範囲外に設定しても良い。
なお、本構成の正極板は、耐食性を有する合金を格子基板とした構成であるため、格子基板と活物質との密着性が弱く、クラックが生じ易い構成である。本発明では、この構成の下、比率Zの調整によって電槽化成中の発熱を抑えるため、活物質の粗大化を抑制でき、クラックの発生を抑えることができる。これによって、高耐食性を有する密閉型鉛蓄電池の早期容量低下や高率放電特性の低下を防止することが可能になる。
また、正極板や負極板の格子基板は、上記の合金に限らず、例えば、Pb−Ca−Sn系合金、Pb−Ca−Sn−Ba系合金、または、これ以外の鉛合金を適用しても良い。

Claims (2)

  1. 鉛合金からなる格子基板に正極活物質および負極活物質を夫々充填してなる正極板と負極板とをセパレータを介して交互に積層してなる極板群を電槽内に収容し、これに電解液を注入して電槽化成を施した密閉型鉛蓄電池において、
    前記正極活物質の量を値Xとし、前記負極活物質の量を値Yとしたときに、比率(X/Y)を0.85〜0.95の範囲内にしたことを特徴とする密閉型鉛蓄電池。
  2. 前記正極板は、Pb−Ca−Sn系合金からなる格子基板に正極活物質を充填した極板であることを特徴とする請求項1に記載の密閉型鉛蓄電池。
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