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JP2014177369A - 強化ガラス部材の製造方法 - Google Patents

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JP2014177369A
JP2014177369A JP2013051666A JP2013051666A JP2014177369A JP 2014177369 A JP2014177369 A JP 2014177369A JP 2013051666 A JP2013051666 A JP 2013051666A JP 2013051666 A JP2013051666 A JP 2013051666A JP 2014177369 A JP2014177369 A JP 2014177369A
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Hideki Shimoi
英樹 下井
Keisuke Araki
佳祐 荒木
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Abstract

【課題】複雑な工程を要することなく面取り加工を行うと共に抗折強度の低下を抑制可能な強化ガラス部材の製造方法を提供する。
【解決手段】強化ガラス板に対してレーザ光を照射して改質領域7を形成し、その改質領域7を起点として強化ガラス板を切断することにより、強化ガラス片10を形成する。そして、強化ガラス片10の縁部60に(加工領域70に)レーザ光L2を照射して強化ガラス片10から当該縁部60を剥離することにより、強化ガラス片10の面取りを行うと共に強化ガラス片10から改質領域7を除去し、強化ガラス部材を得る。このように、この製造方法によれば、従来のような複雑な工程を経ることなく、面取り加工を行うと共に、改質領域7を除去して抗折強度の低下を抑制することができる。
【選択図】図10

Description

本発明は、強化ガラス板から強化ガラス部材を製造する強化ガラス部材の製造方法に関する。
特許文献1には、強化ガラスシートを分割する方法が記載されている。この方法では、まず、分割の対象となる強化ガラスシートを用意する。強化ガラスシートは、互いに平行な第1及び第2の表面と、第1及び第2の表面のそれぞれから所定の深さまで延在すると共に圧縮応力下にある一対の強化層と、強化層の間に形成され引張応力下にあるセンター領域とを有している。この方法では、続いて、強化ガラスシートの長さ方向に延びる一対のダメージラインをセンター領域に形成する。そして、それらのダメージラインからクラックを伸展させることにより、一対のダメージラインで規定される面に沿って強化ガラスシートを分割して強化ガラス片を得る。
国際公開第2010/096359号
特許文献1に記載の方法においては、強化ガラスシートにレーザ光を照射することによって、分子結合を切断してダメージラインを形成する。そのため、強化ガラス片の切断面に露出したダメージラインによって、強化ガラス片の抗折強度が低下するおそれがある。よって、この方法によって強化ガラス部材を製造する場合には、強化ガラス片からダメージラインを別途除去することが望ましい。
一方、強化ガラス部材を広く利用するためには、面取り加工を施すことが望ましい。しかしながら、従来では、面取り加工が施された強化ガラス部材を得るために、通常のガラス板を切断してガラス片を形成した後に、機械研磨やエッチング等によってそのガラス片に面取り加工を施し、その後に、化学強化等によってガラス片を強化して強化ガラス部材を得るという複雑な工程が必要であった。
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、複雑な工程を要することなく面取り加工を行うと共に抗折強度の低下を抑制可能な強化ガラス部材の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る強化ガラス部材の製造方法は、強化ガラス板から強化ガラス部材を製造する強化ガラス部材の製造方法であって、強化ガラス板の切断予定ラインに沿って強化ガラス板に第1のレーザ光を照射することにより、切断予定ラインに沿って強化ガラス板に改質領域を形成する工程と、改質領域を起点として切断予定ラインに沿って強化ガラス板を切断することにより、改質領域が露出した切断面を有する強化ガラス片を形成する工程と、切断面で規定される強化ガラス片の縁部を含む加工領域に対して、改質領域に沿うように第2のレーザ光を照射することによって、強化ガラス片から縁部を剥離して強化ガラス片の面取りを行うと共に強化ガラス片から改質領域を除去し、強化ガラス部材を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
この製造方法においては、強化ガラス板に対して第1のレーザ光を照射して改質領域を形成し、その改質領域を起点として強化ガラス板を切断することにより、強化ガラス片を形成する。そして、強化ガラス片の縁部を含む加工領域に第2のレーザ光を照射して強化ガラス片から当該縁部を剥離することにより、強化ガラス片の面取りを行うと共に強化ガラス片から改質領域を除去する。これにより、面取り加工及び改質領域の除去が施された強化ガラス部材を得ることができる。このように、この製造方法によれば、従来のような複雑な工程を経ることなく、面取り加工を行うと共に抗折強度の低下を抑制することができる。
本発明に係る強化ガラス部材の製造方法においては、改質領域を形成する工程において、強化ガラス板の表面又は裏面を第1のレーザ光の入射面とし、強化ガラス部材を形成する工程において、強化ガラス板の第1のレーザ光の入射面に対応する強化ガラス片の面を第2のレーザ光の入射面とすることができる。この場合、強化ガラス板及び強化ガラス片を載置する支持台を変更することなく、照射するレーザ光を第1のレーザ光から第2のレーザ光へ変更するだけで、改質領域の形成と改質領域の除去とを行うことができる。
本発明に係る強化ガラス部材の製造方法においては、改質領域を形成する工程において、強化ガラス板の厚さ方向の中心よりも第1のレーザ光の入射面の側に改質領域を形成することができる。この場合、改質領域がレーザ光の入射面側に形成されるので、レーザ光の照射による縁部の剥離に伴って、確実に改質領域を除去することができる。
本発明に係る強化ガラス部材の製造方法においては、強化ガラス部材を形成する工程において、強化ガラス片の切断面を前記第2のレーザ光の入射面とすることができる。この場合には、強化ガラス片の切断面を第2のレーザ光の入射面とするので、改質領域が切断面の中心付近に位置している場合であっても、その改質領域を好適に除去することができる。
本発明に係る強化ガラス部材の製造方法においては、強化ガラス部材を形成する工程において、加工領域に対する第2のレーザ光のビーム強度分布を調整することにより、強化ガラス片の面取り形状を制御することができる。このようにすれば、強化ガラス片の厚さに適した面取り加工を行うことができる。
本発明に係る強化ガラス部材の製造方法においては、強化ガラス部材を形成する工程において、加工領域に対する第2のレーザ光の走査速度を調整することにより、強化ガラス片の面取り形状を制御することができる。この場合にも、強化ガラス片の厚さに適した面取り加工を行うことができる。
本発明によれば、複雑な工程を要することなく面取り加工を行うと共に抗折強度の低下を抑制可能な強化ガラス部材の製造方法を提供することができる。
改質領域の形成に用いられるレーザ加工装置の概略構成図である。 改質領域の形成の対象となる加工対象物の平面図である。 図2の加工対象物のIII−III線に沿っての断面図である。 レーザ加工後の加工対象物の平面図である。 図4の加工対象物のV−V線に沿っての断面図である。 図4の加工対象物のVI−VI線に沿っての断面図である。 強化ガラス板を支持台に載置した状態の斜視図である。 図7のVIII−VIII線に沿っての部分断面図である。 強化ガラス板から形成された強化ガラス片の斜視図である。 改質領域を除去する工程を説明するための斜視図である。 改質領域を除去する工程を説明するための斜視図である。 面取り形状の制御を説明するための図である。 面取り形状の制御を説明するためのグラフである。 改質領域を除去する工程の変形例を説明するための斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において、同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明の一実施形態に係る強化ガラス部材の製造方法では、強化ガラス部材のもととなる強化ガラス板の切断予定ラインに沿って強化ガラス板にレーザ光を照射することにより、切断予定ラインに沿って強化ガラス板の内部に切断の起点となる改質領域を形成する。そこで、まず、その改質領域の形成について、図1〜6を参照して説明する。
図1に示されるように、レーザ加工装置100は、レーザ光Lをパルス発振するレーザ光源101と、レーザ光Lの光軸(光路)の向きを90°変えるように配置されたダイクロイックミラー103と、レーザ光Lを集光するための集光用レンズ105と、を備えている。また、レーザ加工装置100は、集光用レンズ105で集光されたレーザ光Lが照射される加工対象物1を支持するための支持台107と、支持台107を移動させるためのステージ111と、レーザ光Lの出力やパルス幅等を調節するためにレーザ光源101を制御するレーザ光源制御部102と、ステージ111の駆動を制御するステージ制御部115と、を備えている。
このレーザ加工装置100においては、レーザ光源101から出射されたレーザ光Lは、ダイクロイックミラー103によってその光軸の向きを90°変えられ、支持台107上に載置された加工対象物1の内部に集光用レンズ105によって集光される。これと共に、ステージ111が移動させられ、加工対象物1がレーザ光Lに対して切断予定ライン5に沿って相対移動させられる。これにより、切断予定ライン5にそった改質領域が加工対象物1に形成されることとなる。
加工対象物1としては、種々の材料(例えば、ガラス、半導体材料、圧電材料等)からなる板状の部材(例えば、基板、ウェハ等)が用いられる。図2に示されるように、加工対象物1には、加工対象物1を切断するための切断予定ライン5が設定されている。切断予定ライン5は、直線状に延びた仮想線である。加工対象物1の内部に改質領域を形成する場合、図3に示されるように、加工対象物1の内部に集光点Pを合わせた状態で、レーザ光Lを切断予定ライン5に沿って(すなわち、図2の矢印A方向に)相対移動させる。これにより、図4〜6に示されるように、改質領域7が切断予定ライン5に沿って加工対象物1の内部に形成され、切断予定ライン5に沿って形成された改質領域7が切断起点領域8となる。
なお、集光点Pとは、レーザ光Lが集光する箇所のことである。また、切断予定ライン5は、直線状に限らず曲線状であってもよいし、仮想線に限らず加工対象物1の表面3に実際に引かれた線であってもよい。また、改質領域7は、連続的に形成される場合もあるし、断続的に形成される場合もある。また、改質領域7は列状でも点状でもよく、要は、改質領域7は少なくとも加工対象物1の内部に形成されていればよい。また、改質領域7を起点に亀裂が形成される場合があり、亀裂及び改質領域7は、加工対象物1の外表面(表面、裏面、若しくは外周面)に露出していてもよい。
ここで、レーザ光Lは、加工対象物1を透過すると共に加工対象物1の内部の集光点P近傍において特に吸収され、これにより、加工対象物1に改質領域7が形成される(すなわち、内部吸収型レーザ加工)。よって、加工対象物1の表面3ではレーザ光Lが殆ど吸収されないので、加工対象物1の表面3が溶融することはない。一般的に、表面3から溶融され除去されて穴や溝等の除去部が形成される(表面吸収型レーザ加工)場合、加工領域は表面3側から徐々に裏面側に進行する。
ところで、本実施形態において形成される改質領域は、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理特性が周囲と異なる状態になった領域をいう。改質領域としては、例えば、溶融処理領域(一旦溶融後に再固化した領域、溶融状態にある領域、及び溶融状態から再固化する途中の状態にある領域の少なくとも一つを含む領域を意味する)、クラック領域、絶縁破壊領域、及び、屈折率変化領域等があり、これらが混在した領域もある。さらに、改質領域としては、加工対象物の材料において改質領域の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域や、格子欠陥が形成された領域がある(これらをまとめて高密転移領域ともいう)。
また、溶融処理領域や屈折率変化領域、改質領域の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域、格子欠陥が形成された領域は、さらに、それらの領域の内部や改質領域と非改質領域との界面に亀裂(割れ、マイクロクラック等)を内包している場合がある。内包される亀裂は、改質領域の全体に渡る場合や一部分のみや複数部分に形成される場合がある。加工対象物1としては、例えば、シリコン、ガラス、LiTaOまたはサファイア(Al)からなる基板やウェハ、またはそのような基板やウェハを含むものが挙げられる。
また、本実施形態においては、切断予定ライン5に沿って改質スポット(加工痕)を複数形成することによって、改質領域7を形成している。改質スポットとは、パルスレーザ光の1パルスのショット(つまり1パルスのレーザ照射:レーザショット)で形成される改質部分であり、改質スポットが集まることにより、改質領域7となる。改質スポットとしては、クラックスポット、溶融処理スポット、若しくは屈折率変化スポット、またはそれらの少なくとも2つが混在するもの等が挙げられる。このような改質スポットについては、要求される切断精度、要求される切断面の平坦性、加工対象物の厚さ、種類、結晶方位等を考慮して、その大きさや発生する亀裂の長さを適宜制御することが好ましい。
引き続いて、図7〜14を参照し、本発明の一実施形態に係る強化ガラス部材の製造方法について説明する。図7は、加工対象物としての強化ガラス板を支持台に載置した状態の斜視図であり、図8は、図7のVIII−VIII線に沿っての部分断面図である。この製造方法によれば、レーザ光の照射によって強化ガラス板に形成される改質領域を起点として強化ガラス板を切断することにより、例えば携帯端末のタッチパネル等に用いられる強化ガラス部材を製造することができる。
この製造方法においては、まず、図7に示されるように、加工対象物としての強化ガラス板1を用意する。強化ガラス板1には、切断予定ライン5が設定されている。切断予定ライン5は、強化ガラス板1の形状や、所望する強化ガラス部材の形状等に合わせて任意に設定することができる。ここでは、切断予定ライン5は、強化ガラス板1の表面3に沿って矩形の格子状に設定されている。したがって、この強化ガラス板1から切り出される強化ガラス部材は矩形板状となる。
なお、強化ガラスとは、引張応力層と、その引張応力層を覆うように形成された圧縮応力層とを有し、内部に応力を保持するガラスである。強化ガラスは、例えば、通常のガラスをカリウム溶液に浸けこんで、表面のナトリウムイオンとカリウムイオンとを置換することにより、その表面に圧縮応力層を形成することよって製造することができる(化学強化法)。また、ここでの強化ガラス板1は、板状の強化ガラスのみからなるものに限らず、例えば、板状の強化ガラスの上に所定の膜等が形成されたものを含む。
続く工程では、用意した強化ガラス板1を、レーザ加工装置100の支持台107に載置する。ここでは、強化ガラス板1の裏面4を支持台107の支持面側に向けて(すなわち、強化ガラス板1の表面3を集光用レンズ105側に向けて)強化ガラス板1を支持台107に載置する(図1参照)。
続いて、図8に示されるように、強化ガラス板1にレーザ光(第1のレーザ光)L1を照射して強化ガラス板1の内部に改質領域7を形成する。より具体的には、まず、図8の(a)に示されるように、強化ガラス板1の表面3をレーザ光L1の入射面として、強化ガラス板1の内部にレーザ光L1の集光点Pを位置させる。このとき、レーザ光L1の集光点Pは、強化ガラス板1の厚さ方向(表面3及び裏面4に垂直な方向)の中心位置よりも、表面3の側に位置させられる。集光点Pの位置の調整は、例えば、ステージ制御部115の制御のもとでステージ111を駆動し、支持台107を移動させることにより行うことができる。
続いて、図8の(b)に示されるように、複数の切断予定ライン5のうちの一の切断予定ライン5に沿って強化ガラス板1にレーザ光L1を照射する。つまり、切断予定ライン5に沿って(すなわち、図中の矢印A1の方向に沿って)レーザ光L1の集光点Pを相対的に移動(スキャン)させる。このとき、レーザ光L1のパルス発振の周波数fや、レーザ光L1の集光点Pの移動速度vを調整することによって、レーザ光L1のパルスピッチ(移動速度v/周波数f)を調整することができる。
このようなレーザ光Lの照射によって、切断予定ライン5に沿って強化ガラス板1の内部に改質領域7が形成される。レーザ光Lが所定のパルスピッチで強化ガラス板1に照射されるので、改質領域7は、そのパルスピッチに応じた間隔で強化ガラス板1の内部に形成される改質スポットの集合として構成される。このとき形成される改質領域7(改質スポット)は、例えば、クラック領域(クラックスポット)や溶融処理領域(溶融処理スポット)等を含む。また、改質スポットからは複数の亀裂が延びており、改質領域7は、それらの亀裂を含んでいる。
ここで、上述したように、レーザ光L1の集光点Pが、強化ガラス板1の厚さ方向の中心位置よりも表面3側に位置させられているので、改質領域7も、強化ガラス板1の厚さ方向の中心よりも表面3側に形成される。ここでは、改質領域7は、強化ガラス板1の表面3近傍に形成される。
このようなレーザ光L1の照射を、全ての切断予定ライン5に沿って実施することにより、切断予定ライン5に沿った格子状の改質領域7が強化ガラス板1の内部に形成される。改質領域7で囲われた部分、すなわち、格子状の改質領域7で規定される升目のそれぞれに対応する部分が強化ガラス部材となる。
続く工程では、改質領域7を起点として、切断予定ライン5に沿って強化ガラス板1を切断することにより、図9に示されるような強化ガラス片10を形成する。強化ガラス板1の切断は、強化ガラスの内部応力の解放によって、改質領域7から発生した割れが強化ガラス板1の表面3及び裏面4に到達することによって行われる。この際に、切断予定ライン5に沿って強化ガラス板1に外部から応力を加えて割れを伸展させてもよいし、外部から応力を加えることなく所定時間放置して自然に割れを伸展させてもよい。
図9に示されるように、強化ガラス片10は、矩形板状を呈しており、強化ガラス板1の表面3及び裏面4に対応した表面30及び裏面40を有している。また、強化ガラス片10は、表面30と裏面40とを互いに接続する側面50を有している。側面50は、ここでは、強化ガラス板1を切断した際に形成される切断面である。したがって、側面50には、改質領域7が露出している。また、強化ガラス片10は、表面30と側面50とによって規定される矩形環状の縁部60を有している。さらに、強化ガラス片10は、後の工程でレーザ光が照射される加工領域70を有するが、ここでは、加工領域70は、上述した縁部60と同一である。なお、改質領域7は縁部60に含まれている。
続く工程では、強化ガラス片10の面取りを行うと共に、強化ガラス片10から改質領域7を除去し、強化ガラス部材を形成する。この工程について詳細に説明する。この工程では、図10及び図11に示されるように、強化ガラス片10の縁部60に対して(すなわち加工領域70に対して)、レーザ光(第2のレーザ光)L2を照射する。より具体的には、まず、図10の(a)に示されるように、強化ガラス片10の表面30をレーザ光L2の入射面として、レーザ光L2のビームスポットSPの少なくとも一部を縁部60に位置させる。
このとき、図10の(b)に示されるように、縁部60に対するレーザ光L2のビーム強度分布Dを調整する。ここでは、レーザ光L2のビーム強度分布Dはガウス分布であり、その一部分が縁部60の照射に寄与するように調整される(ここでは、レーザ光L2のビーム強度分布のピーク位置PLが表面30と側面50との接合部上に位置するように調整される)。その状態において、レーザ光L2のビームスポットSPを縁部60に沿って(すなわち改質領域7に沿って)矢印A2方向に相対的に移動させる(すなわちレーザ光L2を走査する)。
図11の(a)に示されるように、レーザ光L2のビームスポットSPの移動に伴って(すなわちレーザ光L2の走査に伴って)、強化ガラス片10から縁部60がめくり上がるようにして剥離される。縁部60の剥離は、レーザ光L2の照射で強化ガラス片10が加熱され、その加熱によって生じるせん断力に応じてビームスポットSPの移動方向(レーザ光L2の走査方向)に連続的に強化ガラス片10に亀裂が生じ、その後に、強化ガラス片10の表面30が自然空冷により収縮することによって生じるものと考えられる。なお、レーザ光L2は、レーザ光L1と異なるレーザ光あって、例えば、その光源としてCOレーザ等を用いることができる。
このようなレーザ光L2の走査を強化ガラス片10の外周全体(すなわち縁部60全体)に環状に行うことによって、強化ガラス片10から縁部60が剥離され、図11の(b)に示されるように強化ガラス片10の面取りが行われる。ここでは、改質領域7が表面30近傍に形成されており、縁部60に含まれているため、強化ガラス片10の面取りと同時に、確実に改質領域7が除去される。これにより、面取り加工、及び改質領域7の除去が施された強化ガラス部材10Aが形成される。
このように、本実施形態に係る強化ガラス部材の製造方法は、レーザ光L1の照射により形成された改質領域7を起点として強化ガラス板1を切断することにより、改質領域7が露出した側面(切断面)50を有する強化ガラス片10を用意する工程と、側面50で規定される強化ガラス片10の縁部60に対して、改質領域7に沿うようにレーザ光L2を照射することによって、強化ガラス片10から縁部60を剥離して強化ガラス片10の面取りを行うと共に強化ガラス片10から改質領域7を除去する工程とを備えるレーザ加工方法を含む。
以上説明したように、本実施形態に係る強化ガラス部材の製造方法においては、強化ガラス板1に対してレーザ光L1を照射して改質領域7を形成し、その改質領域7を起点として強化ガラス板1を切断することにより、強化ガラス片10を形成する。そして、強化ガラス片10の縁部60に(加工領域70に)レーザ光L2を照射して強化ガラス片10から当該縁部60を剥離することにより、強化ガラス片10の面取りを行うと共に強化ガラス片10から改質領域7を除去する。これにより、面取り加工及び改質領域の除去が施された強化ガラス部材10Aを得ることができる。このように、この製造方法によれば、従来のような複雑な工程を経ることなく、面取り加工を行うと共に、改質領域7を除去して抗折強度の低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係る強化ガラス部材の製造方法においては、改質領域7を形成する工程において、強化ガラス板1の表面3をレーザ光L1の入射面とすると共に、強化ガラス部材10Aを形成する工程において、強化ガラス板1の表面3に対応する強化ガラス片10の表面30をレーザ光L2の入射面とする。このため、強化ガラス板1及び強化ガラス片10を同一の支持台107に載置したまま、照射するレーザ光をレーザ光L1からレーザ光L2へ変更するたけで、改質領域7の形成と除去とを行うことが可能となる。
さらに、本実施形態に係る強化ガラス部材の製造方法においては、改質領域7を形成する工程において、強化ガラス板1の表面3近傍に改質領域7を形成する。このため、強化ガラス部材10Aを形成する工程において、強化ガラス板1の表面3に対応する強化ガラス片10の表面30と側面50とで規定される縁部60を剥離すれば、その縁部60に含まれる改質領域7を確実に除去することができる。
以上の実施形態は、本発明に係る強化ガラス部材の製造方法の一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係る強化ガラス部材の製造方法は、上述したものに限定されない。本発明に係る強化ガラス部材の製造方法は、特許請求の範囲に記した各請求項の要旨を変更しない範囲において、上述したものを任意に変更することができる。
例えば、強化ガラス部材10Aを形成する工程において、強化ガラス片10の縁部60に対する(すなわち加工領域70に対する)レーザ光L2のビーム強度分布を調整することによって、強化ガラス片10の面取り形状を制御することができる。より具体的には、レーザ光L2のビーム強度分布Dのピーク位置PLを縁部60に対してシフトさせることにより、縁部60の剥離に寄与する成分を調整し、縁部60の面取りによって形成される傾斜面の傾斜角等を制御することができる。
例えば、図12の(a)に示されるように、レーザ光L2のビーム強度分布Dのピーク位置PLを0μm〜150μm程度の範囲でシフトさせれば、図12の(b)に示されるように傾斜面60sの傾斜角θを28°〜46°程度の範囲で制御することができる。このようにすれば、例えば、強化ガラス片10が比較的厚い場合には傾斜角θを小さくして面取り形状を大きくし、強化ガラス片10が比較的薄い場合には傾斜角θを大きくして面取り形状を小さくするといったように、強化ガラス片10の厚さに応じた面取り加工を行うことができる。
なお、強化ガラス片10の縁部60に対するレーザ光L2のビーム強度分布Dの調整は、ピーク位置PLのシフトに限定されない。例えば、レーザ光L2のビーム強度分布Dをガウス分布と異なる他の分布となるようにレーザ光L2を整形することによって、縁部60に対するレーザ光L2のビーム強度分布Dを調整してもよい。
また、強化ガラス片10の縁部60(すなわち加工領域70)に対するレーザ光L2のビームスポットSPの移動速度(すなわちレーザ光L2の走査速度)を調整することによっても、強化ガラス片10の面取り形状を制御することができる。例えば、図13に示されるように、強化ガラス片10に対するレーザ光L2の走査速度を300mm/s程度に調整すれば、比較的広く深い範囲での面取りを行うことができ、800mm/s程度に調整すれば、比較的狭く浅い範囲での面取りを行うことができる。したがって、この場合にも、強化ガラス片10の厚さに応じた面取り加工を行うことができる。
さらに、図14に示されるように、強化ガラス部材10Aを形成する工程においては、強化ガラス片10の側面(切断面)50をレーザ光L2の入射面としてもよい。この場合には、強化ガラス片10の加工領域70は、強化ガラス片10の表面30と側面50とで規定される縁部60と、改質領域7が露出した側面50全体を含むこととなる。このようにすれば、強化ガラス片10の厚さ方向の中心近傍に改質領域7が形成されていても、その改質領域7を除去することができる。なお、この場合にも、改質領域7の除去と共に縁部60の剥離による面取りが行われるように、加工領域70に対するレーザ光L2のビーム強度分布D等を調整することができる。
1…強化ガラス板、3…表面(入射面)、4…裏面、5…切断予定ライン、7…改質領域、10…強化ガラス片、10A…強化ガラス部材、30…表面(入射面)、50…側面(切断面、入射面)、60…縁部、70…加工領域、D…ビーム強度分布、L1…レーザ光(第1のレーザ光)、L2…レーザ光(第2のレーザ光)、P…集光点。

Claims (6)

  1. 強化ガラス板から強化ガラス部材を製造する強化ガラス部材の製造方法であって、
    前記強化ガラス板の切断予定ラインに沿って前記強化ガラス板に第1のレーザ光を照射することにより、前記切断予定ラインに沿って前記強化ガラス板に改質領域を形成する工程と、
    前記改質領域を起点として前記切断予定ラインに沿って前記強化ガラス板を切断することにより、前記改質領域が露出した切断面を有する強化ガラス片を形成する工程と、
    前記切断面で規定される前記強化ガラス片の縁部を含む加工領域に対して、前記改質領域に沿うように第2のレーザ光を照射することによって、前記強化ガラス片から前記縁部を剥離して前記強化ガラス片の面取りを行うと共に前記強化ガラス片から前記改質領域を除去し、前記強化ガラス部材を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする強化ガラス部材の製造方法。
  2. 前記改質領域を形成する工程においては、前記強化ガラス板の表面又は裏面を前記第1のレーザ光の入射面とし、
    前記強化ガラス部材を形成する工程においては、前記強化ガラス板の前記第1のレーザ光の入射面に対応する前記強化ガラス片の面を前記第2のレーザ光の入射面とする、ことを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス部材の製造方法。
  3. 前記改質領域を形成する工程においては、前記強化ガラス板の厚さ方向の中心よりも前記第1のレーザ光の入射面の側に前記改質領域を形成する、ことを特徴とする請求項2に記載の強化ガラス部材の製造方法。
  4. 前記強化ガラス部材を形成する工程においては、前記強化ガラス片の前記切断面を前記第2のレーザ光の入射面とする、ことを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス部材の製造方法。
  5. 前記強化ガラス部材を形成する工程においては、前記加工領域に対する前記第2のレーザ光のビーム強度分布を調整することにより、前記強化ガラス片の面取り形状を制御する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の強化ガラス部材の製造方法。
  6. 前記強化ガラス部材を形成する工程においては、前記加工領域に対する前記第2のレーザ光の走査速度を調整することにより、前記強化ガラス片の面取り形状を制御する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の強化ガラス部材の製造方法。
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