JP2014168940A - 接着体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物である熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して接着付与成分(B)10〜100質量部を含有する熱可塑性重合体組成物からなるフィルムをインサート部材に貼り合せ、次いで該フィルム上に樹脂部材をインサート成形する、接着体の製造方法。
【選択図】なし
Description
また、接着剤でも溶剤系接着剤を使用した場合、VOCによる作業環境の悪化が懸念されたり、塗布ムラによる接着不良、糸引きによる成形体の外観不良などによる不留り率の低下が発生する。さらに、溶剤系接着剤では、塗布後、乾燥工程が必須であり、設備の大型化や生産のタクトタイムが長くなるなど経済的ではない。
一方、インサート成形も異種材料同士を組み合わせた複合品を効率的に得る方法として適していることが知られている。しかし、インサート成形で強固に接着する材料の組合せは限られており、特に非極性樹脂/極性樹脂、合成樹脂/金属、合成樹脂/セラミックスなどの組合せは接着が困難であった。特許文献1では、インサート部材の表面へのプライマー処理による難接着接合体の製造方法が開示されているが、VOCによる作業環境の悪化、乾燥工程によるタクトタイムの増大が問題となる。
このようなプライマー処理を避けて効率的にインサート成形による接着体を得る方法として、特許文献2には、金属からなるインサート部材と樹脂部材が、表面粘着性を有する変性ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを用いて接着されたインサート成形体が開示されている。また、特許文献3には、特許文献2と同様に、変性ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムと熱可塑性樹脂の積層フィルムを用いたインサート成形体が開示されている。
以上より、特許文献2および3に開示された成形体及びその製造方法には、さらなる改良の余地があった。
しかして、本発明の目的は、プライマー処理などを施すことなく、柔軟性、力学特性、成形加工性、耐熱性に優れた熱可塑性重合体組成物からなるフィルムをインサート部材と貼り合せ、該フィルム上に樹脂部材を接着してなる接着体をインサート成形によって製造する方法を提供することにある。
〔1〕
芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物である熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して接着付与成分(B)10〜100質量部を含有する熱可塑性重合体組成物からなるフィルムをインサート部材に貼り合せ、次いで該フィルム上に樹脂部材をインサート成形する、接着体の製造方法;
〔2〕
接着付与成分(B)がポリビニルアセタール樹脂(B1)及び/又は極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)である、〔1〕の接着体の製造方法;
〔3〕
ポリビニルアセタール樹脂(B1)がポリビニルブチラールである、〔2〕の接着体の製造方法;
〔4〕
熱可塑性重合体組成物がさらに、極性基含有ポリオレフィン系共重合体(但し、前記極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)を除く)(C1)、及び芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物であって、極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)より選択される相溶化剤(C)を含有する、〔2〕又は〔3〕の接着体の製造方法;
〔5〕
極性基含有ポリオレフィン系共重合体(C1)が、オレフィン系共重合性単量体と極性基含有共重合性単量体とを重合させてなるオレフィン系共重合体である、〔4〕の接着体の製造方法;
〔6〕
熱可塑性エラストマー(A)が、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと、1,2−結合量および3,4−結合量が合わせて40モル%以上であるイソプレン単位、ブタジエン単位またはイソプレン/ブタジエン単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物である、〔1〕〜〔5〕のいずれかの接着体の製造方法;
〔7〕
インサート部材が、セラミックス、金属、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、〔1〕〜〔6〕のいずれかの接着体の製造方法;
〔8〕
熱可塑性重合体組成物からなるフィルムを加熱によりインサート部材に貼り合せ、該加熱温度が120〜240℃である、〔1〕〜〔7〕のいずれかの接着体の製造方法;
を提供することにより達成される。
さらに、本発明の製造方法によれば、種々の樹脂からなる樹脂部材との接着体が成形可能であり、例えば、熱可塑性樹脂からなる樹脂部材と熱硬化性樹脂からなる樹脂部材を、同一のフィルム上に形成することも可能となる。こうして得られる成形体は、設計の自由度が向上し、かつ、強固に接着するため、より高い接着強度が求められる用途にも使用可能である。
まず、熱可塑性重合体組成物と、接着体について説明し、次に、インサート成形による接着体の製造方法について説明する。
熱可塑性重合体組成物は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して接着付与成分(B)10〜100質量部を含有する。
また、熱可塑性重合体組成物は、相溶化剤(C)や粘着付与樹脂(D)、軟化剤(E)などをさらに含有していてもよい。以下、上記成分(A)〜(E)について順に説明する。
熱可塑性重合体組成物が含有する熱可塑性エラストマー(A)は、熱可塑性重合体組成物に柔軟性や、良好な力学特性および成形加工性などを付与するものであり、該組成物中でマトリックスの役割を果たす。
芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックを構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどが挙げられる。芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックは、これらの芳香族ビニル化合物の1種のみに由来する構造単位からなっていてもよいし、2種以上に由来する構造単位からなっていてもよい。中でも、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンが好ましい。
他の共重合性単量体としては、例えば、1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどが挙げられる。他の共重合性単量体単位を有する場合、その割合は、芳香族ビニル化合物単位および他の共重合性単量体単位の合計量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックを構成する共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。中でも、ブタジエン、イソプレンが好ましい。
共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックは、これらの共役ジエン化合物の1種のみに由来する構造単位からなっていてもよいし、2種以上に由来する構造単位からなっていてもよい。特に、ブタジエンまたはイソプレンに由来する構造単位、またはブタジエンおよびイソプレンに由来する構造単位からなっていることが好ましい。
熱可塑性エラストマー(A)が、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと、1,2−結合量および3,4−結合量が合わせて40モル%以上であるイソプレン単位、ブタジエン単位またはイソプレン/ブタジエン単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物であることが好ましい。
なお、1,2−結合および3,4−結合量の合計量は、1H−NMR測定によって算出できる。具体的には、1,2−結合および3,4−結合単位に由来する4.2〜5.0ppmに存在するピークの積分値および1,4−結合単位に由来する5.0〜5.45ppmに存在するピークの積分値との比から算出できる。
他の共重合性単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンなどが挙げられる。他の共重合性単量体単位を有する場合、その割合は、共役ジエン化合物単位および他の共重合性単量体単位の合計量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
直鎖状の結合形態の例としては、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックをaで、共役ジエン化合物を含有する重合体ブロックをbで表したとき、a−bで表されるジブロック共重合体、a−b−aまたはb−а−bで表されるトリブロック共重合体、a−b−a−bで表されるテトラブロック共重合体、a−b−a−b−aまたはb−a−b−a−bで表されるペンタブロック共重合体、(а−b)nX型共重合体(Xはカップリング残基を表し、nは2以上の整数を表す)、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、トリブロック共重合体が好ましく、a−b−aで表されるトリブロック共重合体であることがより好ましい。
また、熱可塑性エラストマー(A)の重量平均分子量は、その力学特性、成形加工性の観点から、好ましくは30,000〜500,000、より好ましくは50,000〜400,000、より好ましくは60,000〜200,000、さらに好ましくは70,000〜200,000、特に好ましくは70,000〜190,000、最も好ましくは80,000〜180,000である。である。ここで、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
熱可塑性エラストマー(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、重量平均分子量50,000〜150,000の中分子量品と、150,000〜300,000の高分子量品との2種を組み合わせると、力学特性、成形加工性、接着性のバランスをより取り易くなるため好ましい。前記同様の理由で、2種を組み合わせる場合、前記中分子量品/前記高分子量品(質量比)が、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは20/80〜75/25、さらに好ましくは20/80〜55/45である。
熱可塑性エラストマー(A)の製造方法としては、特に限定されないが、例えばアニオン重合法により製造することができる。具体的には、
(i)アルキルリチウム化合物を開始剤として用い、前記芳香族ビニル化合物、前記共役ジエン化合物、次いで前記芳香族ビニル化合物を逐次重合させる方法;
(ii)アルキルリチウム化合物を開始剤として用い、前記芳香族ビニル化合物、前記共役ジエン化合物を逐次重合させ、次いでカップリング剤を加えてカップリングする方法;
(iii)ジリチウム化合物を開始剤として用い、前記共役ジエン化合物、次いで前記芳香族ビニル化合物を逐次重合させる方法などが挙げられる。
なお、上記のアニオン重合は、溶媒の存在下で行なうのが好ましい。溶媒としては、開始剤に対して不活性で、重合に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの飽和脂肪族炭化水素;トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。また、重合は、上記したいずれの方法による場合も、通常、0〜80℃で0.5〜50時間行なうのが好ましい。
該有機ルイス塩基としては、例えば、酢酸エチルなどのエステル;トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N−メチルモルホリンなどのアミン;ピリジンなどの含窒素複素環式芳香族化合物;ジメチルアセトアミドなどのアミド;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンなどが挙げられる。
さらに、上記で得られた未水添の熱可塑性エラストマー(A)を水素添加反応に付すことによって、水添された熱可塑性エラストマー(A)を製造することができる。水素添加反応は、反応および水素添加触媒に対して不活性な溶媒に上記で得られた未水添の熱可塑性エラストマー(A)を溶解させるか、または、未水添の熱可塑性エラストマー(A)を前記の反応液から単離せずにそのまま用い、水素添加触媒の存在下、水素と反応させることにより行うことができる。
水素添加触媒としては、例えばラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Niなどの金属をカーボン、アルミナ、珪藻土などの担体に担持させた不均一系触媒;遷移金属化合物とアルキルアルミニウム化合物、アルキルリチウム化合物などとの組み合わせからなるチーグラー系触媒;メタロセン系触媒などが挙げられる。
水素添加反応は、通常、水素圧力0.1〜20MPa、反応温度20〜250℃、反応時間0.1〜100時間の条件で行なうことができる。この方法による場合、水素添加反応液をメタノールなどの貧溶媒に注いで凝固させるか、または水素添加反応液をスチームと共に熱水中に注いで溶媒を共沸によって除去(スチームストリッピング)した後、乾燥させることにより、水添された熱可塑性エラストマー(A)を単離することができる。
接着付与成分(B)は、熱可塑性重合体組成物に接着性を付与するものであり、通常、組成物中にて熱可塑性エラストマー(A)による連続相(海)中に、分散相として(島状に)分散している。これにより、セラミックス、金属および極性樹脂といった極性材料と、ポリオレフィンといった非極性材料双方への接着が可能となる。
接着付与成分(B)としては、ポリビニルアセタール樹脂(B1)及び/又は極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)であることが好ましく、ポリビニルアセタール樹脂(B1)及び/又はカルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂であることがより好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂(B1)は、熱可塑性重合体組成物に接着性を付与するものであり、通常、組成物中にて島状に分散している。該ポリビニルアセタール(B1)によって、熱可塑性重合体組成物は、セラミックス、金属または合成樹脂などの被着体の表面にプライマー処理を施さなくても良好に接着させることができる。
ポリビニルアセタール樹脂(B1)は、通常、下記式(I)に表される繰り返し単位を有する。
ただし、k(1)+k(2)+・・・+k(n)+l+m=1であり、k(1)、k(2)、・・・、k(n)、lおよびmは、いずれかがゼロであってもよい。
各繰返し単位は、特に上記配列順序によって制限されず、ランダムに配列されていてもよいし、ブロック状に配列されていてもよいし、テーパー状に配列されていてもよい。
ポリビニルアセタール樹脂(B1)はポリビニルブチラールであることが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂(B1)は、例えば、ポリビニルアルコールとアルデヒドとを反応させることによって得ることができる。
ポリビニルアセタール樹脂(B1)の製造に用いられるポリビニルアルコールは、平均重合度が、通常、好ましくは100〜4,000、より好ましくは100〜3,000、さらに好ましくは100〜2,000、特に好ましくは250〜2,000である。ポリビニルアルコールの平均重合度が100以上であれば、ポリビニルアセタール樹脂(B1)の製造が容易となり、また取り扱い性が良好である。また、ポリビニルアルコールの平均重合度が4,000以下であると、溶融混練する際の溶融粘度が高くなり過ぎることがなく、熱可塑性重合体組成物の製造が容易である。
ここでポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K 6726に準じて測定したものである。具体的には、ポリビニルアルコールを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度から求めた値である。
本発明では、ポリビニルアセタール樹脂(B1)中に存在するアセタール単位のうち、ブチラール単位の割合(下式参照)が、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、さらに好ましくは0.95以上、特に好ましくは、実質的に1である。
すなわち、前記式(I)に示されるポリビニルアセタール樹脂(B1)の構造式において、R1のみがn−C3H7であるとき、0.8≦k(1)/(k(1)+k(2)+・・・+k(n))であるものが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂(B1)のアセタール化度は、より好ましくは60〜88モル%であり、さらに好ましくは70〜88モル%であり、特に好ましくは75〜85モル%である。ポリビニルアセタール樹脂(B1)のアセタール化度が低いほど、ポリビニルアセタール樹脂(B1)が有する水酸基の割合が大きくなり、セラミックス、金属および合成樹脂に対する接着性において有利となるが、上記範囲のアセタール化度とすることで、熱可塑性エラストマー(A)との親和性や相溶性が良好となり、熱可塑性重合体組成物の力学特性に優れるとともに、セラミックス、金属および合成樹脂との接着強度が高くなる。
アセタール化度(モル%)={k(1)+k(2)+・・・+k(n)}×2/{{k(1)+k(2)+・・・+k(n)}×2+l+m}×100
(上記式中、n、k(1)、k(2)、・・・、k(n)、lおよびmは、前記定義の通りである。)
また、ポリビニルアセタール樹脂(B1)のアセタール化度は、ポリビニルアセタール樹脂(B1)を重水素化ジメチルスルホキシドなどの適切な重水素化溶媒に溶解し、1H−NMRや13C−NMRを測定して算出してもよい。
上記酸触媒は特に限定されず、例えば、酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸;硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸;二酸化炭素などの水溶液にした際に酸性を示す気体;陽イオン交換樹脂や金属酸化物などの固体酸触媒などが挙げられる。
pHを調整するために用いられる化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属の酢酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;アンモニア、アンモニア水溶液などが挙げられる。また、前記アルキレンオキサイド類としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド;エチレングリコールジグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類が挙げられる。
除去方法は特に制限されず、脱水と水洗を繰り返すなどの方法が通常用いられる。残渣などが除去された含水状態のポリビニルアセタール樹脂(B1)は、必要に応じて乾燥され、必要に応じてパウダー状、顆粒状あるいはペレット状に加工される。
本発明で用いるポリビニルアセタール樹脂(B1)としては、パウダー状、顆粒状あるいはペレット状に加工される際に、減圧状態で脱気することにより、アルデヒドの反応残渣や水分などを低減したものが好ましい。
極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)は、熱可塑性重合体組成物に接着性を付与するものであり、熱可塑性重合体組成物に極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)を含有させることにより、熱可塑性重合体組成物からなるフィルムを190℃以下の加熱処理でセラミックス、金属または合成樹脂などからなるインサート部材と良好に接着することが可能となる。更に、インサート部材に張り合わせた該フィルム上に樹脂部材をインサート成形してなる接着体が60℃以上の温度環境下にさらされても、高い接着性が維持される。
極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)が有する極性基としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基;水酸基;アミド基;塩素原子などのハロゲン原子;カルボキシル基;酸無水物基などが挙げられる。該極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)の製造方法に特に制限はないが、プロピレンおよび極性基含有共重合性単量体を、公知の方法でランダム共重合、ブロック共重合またはグラフト共重合することによって得られる。これらの中でも、ランダム共重合、グラフト共重合が好ましく、グラフト共重合体がより好ましい。このほかにも、ポリプロピレン系樹脂を公知の方法で酸化または塩素化などの反応に付することによっても得られる。
極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)は、プロピレンと共に、プロピレン以外のα−オレフィンを極性基含有共重合性単量体と共重合させたものであってもよい。該α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロヘキセンなどが挙げられる。該α−オレフィンは公知の方法で極性基含有共重合性単量体と共重合することができ、ランダム共重合、ブロック共重合またはグラフト共重合などの方法が挙げられる。これらプロピレン以外のα−オレフィンを由来とする構造単位の、極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)が有する全構造単位に対する割合は、好ましくは0〜45モル%、より好ましくは0〜35モル%、さらに好ましくは0〜25モル%である。
極性基含有共重合性単量体としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、酸化エチレン、酸化プロピレン、アクリルアミド、不飽和カルボン酸またはそのエステルもしくは無水物が挙げられる。中でも、不飽和カルボン酸またはそのエステルもしくは無水物が好ましい。不飽和カルボン酸またはそのエステルもしくは無水物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ハイミック酸、無水ハイミック酸などが挙げられる。中でも、マレイン酸、無水マレイン酸がより好ましい。これらの極性基含有共重合性単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)としては、接着性の観点から、極性基としてカルボキシル基を含有するポリプロピレン、つまりカルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂が好ましく、マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂、無水マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)の融点は、耐熱性の観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは110〜170℃、さらに好ましくは120〜145℃である。
これらより、極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)の含有量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、好ましくは15〜70質量部、より好ましくは15〜50質量部である。
熱可塑性重合体組成物はさらに、極性基含有ポリオレフィン系共重合体(但し、前記極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)を除く)(C1)、及び芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物であって、極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)より選択される相溶化剤(C)を含有することが好ましい。
相溶化剤(C)を熱可塑性重合体組成物に含有させることにより、成形加工性が向上し、該熱可塑性重合体組成物からなるフィルムを作成しやすくなる。また、フィルムの力学特性が向上し、取扱いが容易となる。さらに、190℃以下での加熱処理でもインサート部材と良好に接着することができる。
このような効果が得られるのは、必ずしも詳細は明らかではないが、熱可塑性重合体組成物において、各成分が分散状態にあるためであると考えられる。接着付与成分(B)が組成物の表面にも分布しており、また、相溶化剤(C)が熱可塑性エラストマー(A)と接着付与成分(B)のいずれとも結合力が高く、剥離時に各成分の境界部分で破断が起こらないため、上記本発明特有の効果が発現するものと推定される。
極性基含有ポリオレフィン系共重合体(C1)の極性基としては、例えば、エステル基、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、アミド基や、塩素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。
極性基含有ポリオレフィン系共重合体(C1)としては、オレフィン系共重合性単量体と極性基含有共重合性単量体からなるポリオレフィン系共重合体が好ましい。
前記ポリオレフィン系共重合体は、オレフィン系共重合性単量体と極性基含有共重合性単量体とを共重合させることで得られる。
該オレフィン系共重合性単量体としては、例えばエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロヘキセンなどが挙げられる。これらのオレフィン系共重合性単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。中でも、エチレンがより好ましい。
該極性基含有共重合性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、アクリルアミドなどが挙げられる。これらの極性基含有共重合性単量体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。中でも、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
本発明に用いられる極性基含有ポリオレフィン系共重合体(C1)が有する極性基は、重合後に後処理されていてもよい。例えば、(メタ)アクリル酸の金属イオンによる中和を行ってアイオノマーとしてもよいし、酢酸ビニルの加水分解などを行なってもよい。
なお、極性基含有構造単位の割合が少なくなるに伴って、熱可塑性重合体組成物の力学特性が低下する傾向となり、極性基含有構造単位の割合が多くなるに伴って、熱可塑性エラストマー(A)との親和性や相溶性が低くなる傾向にある。
これらより、極性基含有ポリオレフィン系共重合体(C1)の含有量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは10〜70質量部、さらに好ましくは20〜70質量部、特に好ましくは35〜60質量部である。
本発明に用いる芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物であって、極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)(以下、「極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)」と略称する場合がある。)は、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック(c2−1)の少なくとも1個と、水素添加された、共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロック(c2−2)の少なくとも1個と、極性官能基を有する重合体ブロック(c2−3)の少なくとも1個よりなる。極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)における前記重合体ブロック(c2−1)の含有量は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは15〜35質量%、特に好ましくは20〜35質量%である。
なお、本明細書において、極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)中の重合体ブロック(c2−1)の含有量は、核磁気共鳴分光法(1H−NMR)で求めた値である。
重合体ブロック(c2−2)が2種以上の共役ジエン化合物、例えばブタジエンおよびイソプレンから構成されている場合、その混合比や重合形態(ブロック、ランダムなど)に特に制限はない。重合体ブロック(c2−2)がブタジエンおよびイソプレンから構成されている場合、ブタジエンとイソプレンの混合モル比に特に制限はないが、機械物性と柔軟性とのバランスなどの観点から、ブタジエン/イソプレン=10/90〜90/10であることが好ましく、30/70〜70/30であることがより好ましく、40/60〜60/40であることがさらに好ましく、40/60〜50/50であることが特に好ましい。
中でも、接着付与成分(B)との相溶性などの観点から、重合体ブロック(c2−3)は、ポリウレタン系ブロックであることが好ましい。
極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)の製造方法に特に制限は無いが、例えば、重合体ブロック(c2−3)としてのポリウレタン系ブロックとなる熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、前記重合体ブロック(c2−1)の少なくとも1個と前記重合体ブロック(c2−2)の少なくとも1個を有し、かつ末端に官能基(好ましくは水酸基)を有する末端変性水添ブロック共重合体(x)とを、溶融条件下に混練して反応させる方法が好ましく挙げられる。こうして得られる反応生成物から、目的とする極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)を公知の方法で単離することができる。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーと末端変性水添ブロック共重合体(x)との溶融混練は、単軸押出機、2軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどの公知の溶融混練装置を用いて行うことができる。溶融混練条件は、使用する熱可塑性ポリウレタンエラストマーや末端変性水添ブロック共重合体(x)の種類、装置の種類などに応じて選択することができるが、一般的に180〜250℃の温度で、1〜15分間程度行うとよい。
ここで、得られる熱可塑性重合体組成物の力学特性や接着性がより良好なものとなる点から、極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)の溶融粘度は1〜30kPa・sであることが好ましく、3〜20kPa・sであることがより好ましい。そして、得られる熱可塑性重合体組成物の成形性、着色防止性がより良好なものとなる点から、極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)を構成する末端変性水添ブロック共重合体(x)の重量平均分子量は、それぞれ30,000〜300,000であることが好ましい。より好ましくは、40,000〜250,000である。
すなわち、得られた極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)中の未反応の熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、得られた反応混合物をジメチルホルムアミドなどを用いて抽出することで、除去できる。続いて、未反応の末端変性水添ブロック共重合体(x)を反応混合物からシクロヘキサンなどを用いて抽出することで除去することができ、目的物である極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)を単離できる。なお、上記の極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)には、上記した製造方法に由来して未反応の熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよび未反応の末端変性水添ブロック共重合体(x)が含まれていてもよい。
高分子ジオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、環状エーテル(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランなど)の開環重合により得られるポリエーテルジオール、グリコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなど)の重縮合により得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
鎖伸長剤としては、例えば通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に使用されている鎖伸長剤のいずれを使用してもよく、イソシアナート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物を用いるのが好ましい。該低分子化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリコール等の脂肪族又は脂環式ジオール;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン等のジアミン;アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコール等のアミノアルコールなどが挙げられる。
例えば、アニオン重合法による場合は、アルキルリチウム化合物などを重合開始剤として用いて、n−ヘキサンやシクロヘキサンなどの不活性有機溶媒中で芳香族ビニル化合物、共役ジエン化合物を逐次重合させ、所望の分子構造および分子量に達した時点で、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイドなどのオキシラン骨格を有する化合物、またはε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン(ピバロラクトン)などのラクトン系化合物などを付加させ、次いでアルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加して重合を停止させることにより、片末端に水酸基を有するブロック共重合体を製造することができる。ブロック共重合体1分子あたりの水酸基数の目安として、平均水酸基価を用いる。平均水酸基価は、0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがさらに好ましい。
なお、本明細書における平均水酸基価とは、末端変性水添ブロック共重合体(x)の1H−NMR測定から得られる、末端の水酸基に隣接する炭素に結合した水素原子の積分値から算出された末端水酸基のモル数の、開始剤末端由来の水素原子の積分値から算出された開始剤末端のモル数に対する比を意味する。
熱可塑性重合体組成物は、必要に応じて粘着付与樹脂(D)をさらに含有していてもよい。粘着付与樹脂(D)を含有させることによって、接着特性を維持しつつ、成形加工性がさらに向上する。
かかる粘着付与樹脂(D)としては、例えば脂肪族不飽和炭化水素樹脂、脂肪族飽和炭化水素樹脂、脂環式不飽和炭化水素樹脂、脂環式飽和炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、水添芳香族炭化水素樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、クマロン・インデン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂(D)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、脂肪族飽和炭化水素樹脂、脂環式飽和炭化水素樹脂、水添芳香族炭化水素樹脂、水添テルペン樹脂が好ましく、水添芳香族炭化水素樹脂、水添テルペン樹脂がより好ましい。
ここで、軟化点はASTM28−67に準拠して測定した値である。
熱可塑性重合体組成物は、必要に応じて軟化剤(E)をさらに含有していてもよい。かかる軟化剤(E)としては、例えば、一般にゴム、プラスチックスに用いられる軟化剤が挙げられる。
例えばパラフィン系、ナフテン系、芳香族系のプロセスオイル;ジオクチルフタレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸誘導体;ホワイトオイル、ミネラルオイル、エチレンとα−オレフィンのオリゴマー、パラフィンワックス、流動パラフィン、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン、低分子量ポリイソプレンなどが挙げられる。これらの中でもプロセスオイルが好ましく、パラフィン系プロセスオイルがより好ましい。
また、一般的にポリビニルアセタール樹脂と併せて使用される公知の軟化剤、例えば一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステルなどの有機酸エステル系可塑剤;有機リン酸エステル、有機亜リン酸エステルなどのリン酸系可塑剤なども使用できる。
塩基性有機酸エステルとしては、例えばトリエチレングリコール−ジカプロン酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキシル酸エステルなどに代表されるトリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどのグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸などの一塩基性有機酸との反応によって得られるグリコール系エステルが挙げられる。
多塩基酸有機エステルとしては、例えばセバシン酸ジブチルエステル、アゼライン酸ジオクチルエステル、アジピン酸ジブチルカルビトールエステルなどに代表される、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの多塩基性有機酸と、アルコールのエステルなどが挙げられる。
有機リン酸エステルとしては、例えばトリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェートなどが挙げられる。
軟化剤(E)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性重合体組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、必要に応じてオレフィン系重合体、スチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレングリコールなど、他の熱可塑性重合体を含有していてもよい。オレフィン系重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、プロピレンとエチレンや1−ブテンなどの他のα−オレフィンとのブロック共重合体やランダム共重合体などが挙げられる。
他の熱可塑性重合体を含有させる場合、その含有量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。
無機充填材を含有させる場合、その含有量は、熱可塑性重合体組成物の柔軟性が損なわれない範囲であることが好ましく、一般に熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系、リン系、ラクトン系、ヒドロキシル系の酸化防止剤などが挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤を含有させる場合、その含有量は、得られる熱可塑性重合体組成物を溶融混練する際に着色しない範囲であることが好ましく、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部である。
本発明に用いられるインサート部材の形状には特に限定は無い。本発明に用いられるインサート部材としては、セラミックス、金属及び合成樹脂(熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂)からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、電子・電気機器、OA機器、家電機器、自動車用部材などのハウジング材にはアルミニウム、マグネシウム合金といった軽金属が用いられており、このようなハウジング材を用いることもできる。
無機充填材の配合量は、無機充填材を含有する合成樹脂の成形加工性と機械的強度が損なわれない範囲であることが好ましく、一般に前記合成樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは1〜50質量部、さらに好ましくは3〜40質量部である。
樹脂部材としては、インサート成形用接着フィルムが接着するものであれば特に制限はなく、熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂のいずれからなるものであってもよい。1つのインサート部材に2以上の樹脂部材を接着させる場合は、同一組成の樹脂からなる樹脂部材を接着させてもよく、組成の異なる樹脂からなる樹脂部材又は性質の異なる樹脂からなる樹脂部材を接着させてもよい。例えば、熱可塑性樹脂からなる樹脂部材と、熱硬化性樹脂からなる樹脂部材の少なくとも1つを接着させることができる。
樹脂部材を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下のビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、例えばポリカプロアミド(ナイロン−6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−46)、ポリドデカンアミド(ナイロンー12)が挙げられる。
本発明の接着体の製造方法は、前記熱可塑性重合体組成物からなるフィルムをインサート部材に貼り合わせ、次いで該フィルム上に樹脂部材をインサート成形する。
熱可塑性重合体組成物からなるフィルムの成形方法としては、熱可塑性重合体組成物に対して一般に用いられている各種の成形方法が使用できる。具体的には、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法、流延成形法、インフレーション法、ベルト法などの任意の成形法を採用できる。特に、Tダイを用いた押出成形法が好ましい。
例えば、圧縮成形法によりフィルムをインサート部材に貼り合せる場合には、予め製膜したフィルムをあらかじめ所定の形状および寸法に形成しておいた被着体に、圧縮成形機などを用いて、加熱・加圧してフィルムをインサート部材に貼り合せることもできる。このとき、被着体と接着しない面には、必要に応じて、保護や加飾のため、最外層にオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂やポリテトラフルオロエチレン樹脂などの非極性樹脂の層を設けてもよい。
押出しラミネーション法によりフィルムをインサート部材に貼り合せる場合には、あらかじめ所定の形状および寸法に形成しておいた、セラミックス、金属または合成樹脂からなる被着体の表面、またはその縁に対して、押出機に取り付けられた所定の形状を有するダイスから押出した溶融状態の熱可塑性重合体組成物を直接押出してフィルムをインサート部材に貼り合せることもできる。
また、インサート部材が熱可塑性樹脂の場合、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物と熱可塑性樹脂とを所定の形状を有するダイスから同時に押出すことで、フィルムをインサート部材に貼り合せることもできる。
インサート成形によりフィルムをインサート部材に貼り合せるには、インサート部材を金型にセットし、その上に熱可塑性樹脂組成物をフィルム状に射出成形することで、フィルムをインサート部材に貼り合せることができる。
本発明の接着体の製造方法は、上記熱可塑性重合体組成物からなるフィルムをインサート部材に前述した方法により貼り合せ、所定の形状をもつ金型内に該インサート部材を挿入した後、樹脂を充填することで接着体を得る。金型内に樹脂を充填することで、フィルム上に樹脂部材が形成される。当該方法により当該インサート部材と樹脂部材とが、当該熱可塑性重合体組成物からなるフィルムを介して一体化した接着体を得ることができる。
図1及び図2に示す金型1に、熱可塑性重合体組成物からなるフィルム12を貼り合わせたインサート部材13を保持して、吸引回路11(吸引エア流路)から脱気することにより、インサート部材13を金型キャビティ形成面に密着させる。
次に金型1と金型2とがパーティングラインLにて当接して型締めされた後、スプルー3、3A、3Bを通り、その先端部の樹脂注入口6、6A、6Bから、溶融樹脂がキャビティ10、10A、10B内に射出され、該溶融樹脂が冷却固化した後、金型1と金型2とが型開きして、インサート部材と樹脂部材が一体成形された成形物を取り出す。以上のようにして、接着体を製造することが可能となる。
該フィルムはプライマー処理などを施すことなく加熱のみでインサート部材と張り合わせる(接着する)ことができ、柔軟性に優れ、部材同士の線膨張係数差を緩和することもできる。更に、該フィルムはインサート成形により接着する樹脂部材の極性の有無にかかわらず、優れた接着性を有するため、特性の異なる2以上の樹脂部材を1つのインサート部材上に高い接着強度で成形することも可能であり、接着体の設計の自由度が向上する。また、インサートする樹脂の温度にてフィルム上に樹脂部材を接着することが可能という特性を有する。本発明の製造方法により得られる接着体は60℃以上の環境下に置かれても実用的に十分な接着性を有し、幅広い用途に使用可能である。本発明の製造方法により得られる接着体も本発明の範囲に包含される。
なお、以下の実施例および比較例で用いた各成分は以下の通りである。
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン80L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.047Lを仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン2.3Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン8.1Lおよびブタジエン6.6Lの混合液を加えて4時間重合を行い、さらにスチレン2.3Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80L中に注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレンブロック−ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロック−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレンブロック−ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロック−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体20kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレンブロック−ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロック−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(A1)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(A1)の重量平均分子量は380,000、スチレン含量は30質量%、水添率は97%、分子量分布は1.04、ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロックに含まれる1,2−結合および3,4−結合量の合計は5モル%であった。
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン80L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.34Lを仕込み、50℃に昇温した後、スチレン4.0Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン14.2Lおよびブタジエン11.6Lの混合液を加えて4時間重合を行い、さらにスチレン4.0Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80L中に注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレンブロック−ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロック−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレンブロック−ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロック−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体20kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレンブロック−ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロック−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体の水素添加物(以下、熱可塑性エラストマー(A2)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(A2)の重量平均分子量は100,000、スチレン含量は30質量%、水添率は97%、分子量分布は1.02、1,2−結合および3,4−結合量の合計は5モル%であった。
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン80L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.26Lを仕込み、50℃に昇温した後、スチレン7.5Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン10.7Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン7.5Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80L中に注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレンブロック−ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレンブロック−ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体20kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレンブロック−ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体の水素添加物(以下、熱可塑性エラストマー(A3)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(A3)の重量平均分子量は80,000、スチレン含量は65質量%、水添率は95%、分子量分布は1.02、1,2−結合および3,4−結合量の合計は7モル%であった。
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン64L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.20Lを仕込み、有機ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.3L(開始剤中のリチウム原子に対して、量論比で15倍相当)を仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン2.3Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン23Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン2.3Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80Lに注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体10kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(A4)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(A4)の重量平均分子量は107,000、スチレン含有量は21質量%、水素添加率は85%、分子量分布は1.04、ポリイソプレンブロックに含まれる1,2−結合および3,4−結合量の合計は60モル%であった。
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン150L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.22Lを仕込み、ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.3L(開始剤中のリチウム原子に対して、量論比で14倍相当)を仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン0.72Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン12.6Lおよびブタジエン14.0Lの混合液を加えて4時間重合を行い、さらにスチレン2.2Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80Lに注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体10kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(A5)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(A5)の重量平均分子量は165,000、スチレン含有量は13質量%、水素添加率は85%、分子量分布は1.02、1,2−結合量および3,4−結合量の合計は63モル%であった。
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン120L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.12Lを仕込み、ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.3L(開始剤中のリチウム原子に対して、量論比で26倍相当)を仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン3.6Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン20.0Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン3.6Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80Lに注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体10kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(A6)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(A6)の重量平均分子量は320,000、スチレン含有量は33質量%、水素添加率は90%、分子量分布は1.07、1,2−結合量および3,4−結合量の合計は54モル%であった。
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン86L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.22Lを仕込み、有機ルイス塩基としてエチレングリコールジメチルエーテル0.02L(開始剤中のリチウム原子に対して、量論比で0.7倍相当)を仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン2.3Lを加えて3時間重合させ、引き続いてブタジエン25.5Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン2.3Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80Lに注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体10kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(A7)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(A7)の重量平均分子量は126,000、スチレン含有量は21質量%、水素添加率は95%、分子量分布は1.11、ポリブタジエンブロックに含まれる1,2−結合量は78モル%であった。
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン80L、開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.40Lを仕込み、有機ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.6L(開始剤中のリチウム原子に対して、量論比で15倍相当)を仕込んだ。50℃に昇温した後、スチレン4.2Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン28Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン4.2Lを加えて3時間重合を行った。得られた反応液をメタノール80Lに注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を得た。
続いて、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体20kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の水添物(以下、熱可塑性エラストマー(A8)と称する)を得た。得られた熱可塑性エラストマー(A8)の重量平均分子量は72,800、スチレン含有量は30質量%、水素添加率は90%、分子量分布は1.04、ポリイソプレンブロックに含まれる1,2−結合および3,4−結合量の合計は60モル%であった。
平均重合度500、けん化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを溶解した水溶液に、n−ブチルアルデヒド75gおよび35〜37%塩酸110gを添加し、攪拌してアセタール化し、樹脂を析出させた。公知の方法に従ってpH=6になるまで洗浄し、水酸化ナトリウム水溶液中に懸濁させて攪拌しながら後処理をし、pH=7になるまで洗浄し、揮発分が0.3%になるまで乾燥することにより、アセタール化度が80モル%のポリビニルアセタール樹脂(B1−1)を得た。
平均重合度1000、けん化度99モル%のポリビニルアルコール樹脂100gを溶解した水溶液に、n−ブチルアルデヒド79gおよび35〜37%塩酸130gを添加し、攪拌してアセタール化し、樹脂を析出させた。公知の方法に従ってpH=6になるまで洗浄し、水酸化ナトリウム水溶液中に懸濁させて攪拌しながら後処理をし、pH=7になるまで洗浄し、揮発分が0.3%になるまで乾燥することにより、アセタール化度が80モル%のポリビニルアセタール樹脂(B1−2)を得た。
ポリプロピレン「プライムポリプロF327」(プライムポリマー社製)42g、無水マレイン酸160mgおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)ヘキサン42mgを、バッチミキサーを用いて180℃およびスクリュー回転数40rpmの条件下で溶融混練した。得られた混練物(極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2−1))のMFR[230℃、荷重2.16kg(21.18N)]は6g/10分、無水マレイン酸濃度は0.3%であり、融点は138℃であった。
なお、該無水マレイン酸濃度は、得られた混練物を水酸化カリウムのメタノール溶液を用いて滴定して得られた値であり、以下同様である。また、融点は10℃/minで昇温した際の示差走査熱量測定曲線の吸熱ピークから読み取った値であり、以下同様である。
ポリプロピレン「ノバテックPP FG3DE (日本ポリプロ社製)」42g、無水マレイン酸160mgおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)ヘキサン42mgを、バッチミキサーを用いて180℃およびスクリュー回転数40rpmの条件下で溶融混練した。得られた混練物(極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2−2))のMFR[230℃、荷重2.16kg(21.18N)]は10g/10分、無水マレイン酸濃度は0.3%であり、融点は143℃であった。
ポリプロピレン「ノバテックPP F113G(プライムポリマー社製)」42g、無水マレイン酸5gおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)ヘキサン1.3gを、バッチミキサーを用いて200℃およびスクリュー回転数100rpmの条件下で溶融混練した。得られた混練物(極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2−3))のMFR[230℃、荷重2.16kg(21.18N)]は250g/10分、無水マレイン酸濃度は3.0%であり、融点は161℃であった。
ポリプロピレン「ノバテックPP E111G(プライムポリマー社製)」42g、無水マレイン酸8.4gおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)ヘキサン126mgを、バッチミキサーを用いて200℃およびスクリュー回転数100rpmの条件下で溶融混練した。得られた混練物(極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2−4))のMFR[230℃、荷重2.16kg(21.18N)]は80g/10分、無水マレイン酸濃度は6.0%であり、融点は135℃であった。
ポリエチレン「ネオゼックス0434N」(プライムポリマー社製)42g、無水マレイン酸160mgおよび5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)ヘキサン42mgを、バッチミキサーを用いて180℃およびスクリュー回転数40rpmの条件下で溶融混練した。得られた混練物(極性基含有ポリエチレン系樹脂(B2’−5))のMFR[190℃、荷重2.16kg(21.18N)]は2g/10分、無水マレイン酸濃度は0.3%であり、融点は117℃であった。
エチレン−アクリル酸メチル共重合体「エルバロイ(登録商標)AC 1820AC」(アクリル酸メチル含有量:20質量%、MFR[190℃、荷重2.16kg(21.18N)]:8g/10分、三井・デュポンポリケミカル社製)
エチレン−アクリル酸メチル共重合体「エルバロイ(登録商標)AC 1609AC」(アクリル酸メチル含有量:9質量%、MFR[190℃、荷重2.16kg(21.18N)]:6g/10分、三井・デュポンポリケミカル社製)
エチレン−アクリル酸エチル共重合体「エチレン−エチルアクリレートコポリマー NUC−6170」(アクリル酸エチル含有量:18質量%、MFR[190℃、荷重2.16kg(21.18N)]:6g/10分、日本ユニカー社製)
開始剤としてsec−ブチルリチウム(10質量%シクロヘキサン溶液)0.51Lを仕込み、重合させるモノマーとしてスチレン3.5L、イソプレン13.1Lおよびブタジエン11.8Lの混合溶液、スチレン3.5Lを逐次添加して重合させ、エチレンオキサイドを0.05L添加した以外は熱可塑性エラストマー(A1)と同様の方法で重合反応および水添反応を行い、分子主鎖の末端に水酸基を有するポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物20kg(以下、末端変性水添ブロック共重合体(x1)と称する)を得た。該末端変性水添ブロック共重合体(x1)のスチレン含有量は30質量%、水添率は95%、重量平均分子量は200,000、平均水酸基価0.9であった。次いで、得られた末端変性水添ブロック共重合体(x1)100質量部と、熱可塑性ポリウレタン(株式会社クラレ製「クラミロンU 2000」:脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステル系ポリウレタンエラストマー)100質量部をドライブレンドし、二軸押出機を用いて、シリンダー温度220℃およびスクリュー回転数150rpmの条件下に溶融混練した後、押し出し、切断してペレットを作製した。得られたペレットからジメチルホルムアミドを用いて未反応のポリウレタンを抽出除去し、次いでシクロヘキサンを用いて未反応の末端変性水添ブロック共重合体(x1)を抽出除去した。残留した固形分を乾燥することにより末端変性水添ブロック共重合体(x1)と熱可塑性ポリウレタンブロックが結合した、溶融粘度10kPa・sの熱可塑性エラストマー(C2−1)を得た。
水添芳香族炭化水素樹脂「Regalite1100」(イーストマンケミカル社製)、軟化点100℃
〔粘着付与樹脂(D2)〕
水添芳香族炭化水素樹脂「Regalite1125」(イーストマンケミカル社製)、軟化点123℃
〔粘着付与樹脂(D3)〕
水添テルペン樹脂「クリアロンM115」(ヤスハラケミカル社製)、軟化点115℃
〔粘着付与樹脂(D4)〕
水添テルペン樹脂「クリアロンP150」(ヤスハラケミカル社製)、軟化点152℃
〔軟化剤(E1)〕
パラフィン系プロセスオイル「ダイアナプロセスPW−90」(出光興産社製)
(1)メルトフローレート(MFR)の測定
以下の実施例および比較例により作製した熱可塑性重合体組成物について、JIS K 7210に準じた方法で、230℃、荷重2.16kg(21.18N)の条件下でMFRを測定し、成形加工性の指標とした。MFRの値が大きいほど、成形加工性に優れる。
以下の実施例および比較例により作製した熱可塑性重合体組成物のフィルムを重ねて厚さ6mmとし、JIS K 6253に準じたタイプAデュロメータによりA硬度を測定した。
以下の実施例および比較例により作製した熱可塑性重合体組成物からなるフィルムを25mm幅にカットして2枚重ね合わせ、速度10mm/minで2kgのロールを2回かけ圧着させた。圧着させたフィルムを速度50mm/minでT型剥離させた際の剥離力を測定した。T型剥離力は、フィルムのタック(べとつき)の指標となる。
下記方法で作製した、PET/熱可塑性重合体組成物/アルミニウム板の積層体(接着体)について、熱可塑性重合体組成物からなる層とアルミニウム板の間の剥離強度をJIS K 6854−2に準じて、剥離角度180°、引張速度50mm/分、環境温度23℃または60℃の条件で測定し、接着力を測定した。なお、60℃における接着力は耐熱性の指標となる。表2〜5中のアルミ接着力に記載の温度は(成形時温度(℃)−剥離温度(℃))である。
以下の実施例および比較例により作製した熱可塑性重合体組成物のペレットを、圧縮成形機を用いて230℃、荷重100kgf/cm2(9.8N/mm2)の条件下で3分間圧縮成形することで、熱可塑性重合体組成物の厚さ1mmのシートを得た。長さ75mm×幅25mm×厚さ1mmのアルミニウム板(インサート部材(a))の両面の表面を、洗浄液として、界面活性剤水溶液、蒸留水をこの順に用いて洗浄し、乾燥させた。該アルミニウム板、熱可塑性重合体組成物のシート、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートをこの順で重ね、外寸200mm×200mm、内寸150mm×150mm、厚さ2mmの金属製スペーサーの中央部に配置した。
この重ねたシートと金属製スペーサーをポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、さらに外側から金属板で挟み、圧縮成形機を用いて、表2〜5に示す温度条件下、荷重20kgf/cm2(2N/mm2)で3分間圧縮成形することで、PET/熱可塑性重合体組成物/アルミニウム板からなる積層体を得た。
各成分を表2〜6に示す割合にて、二軸押出機を用いて230℃、スクリュー回転200rpmの条件で溶融混練した後、ストランド状に押し出し、切断して熱可塑性重合体組成物のペレットを得た。
なお、実施例1〜42および比較例1〜7においては、得られた熱可塑性重合体組成物のMFR、硬度、T型剥離力、アルミニウム板との接着力(アルミ接着力:成形時温度(℃)−剥離温度(℃))を、前述の測定方法に従って測定した。結果を表2〜5に示す。
<インサート接着性の評価方法>
表2及び表6に記載した実施例及び比較例で得られた熱可塑性重合体組成物については、ペレットを圧縮成形機で230℃、10kgf、3min成形し、厚み約200μmのフィルムを得た。
一方、表3〜5に記載した実施例及び比較例で得られた熱可塑性重合体組成物については、ペレットをシリンダー及びダイス温度190℃、スクリュ回転数60rpmに設定した単軸押出機のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスを用いて、幅約30cm、厚み約200μmのフィルムを得た。
得られたフィルムと表2〜6に記載した下記インサート部材を重ね、外側からポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、さらに外側から金属板で挟み、圧縮成形機を用い、表2及び6に記載した実施例及び比較例については200℃、表3〜5に記載した実施例及び比較例については160℃でそれぞれ3分間昇圧はせずに圧縮成形することで、熱可塑性重合体組成物のフィルムが貼り合わされたインサート部材を得た。
(インサート部材)
接着体の製造にあたり、長さ100mm×幅35mm×厚さ1mmの下記各インサート部材の両面の表面を、界面活性剤水溶液、蒸留水をこの順に用いて洗浄し、65℃で乾燥させたものを用いた。
インサート部材(a):アルミニウム板(A5052P)
インサート部材(b):ガラス
インサート部材(c):鋼板(SPCC)
インサート部材(d):亜鉛メッキ鋼板:(SECC)
インサート部材(e):ステンレス(SUS304)
インサート部材(f):銅板(C1100P)
(樹脂部材)
PA6:ナイロン6 「UBE Nylon6 1013B」宇部興産社製
PBT:ポリブチレンテレフタレート 「トレコン1401」東レ社製
PC:ポリカーボネート 「パンライト1225」帝人化成社製
ABS/PC:アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂/ポリカーボネートアロイ 「ノバロイS1500」 帝人化成社製
PPE/PS:ポリフェニレンエーテル/ポリスチレンアロイ 「ザイロン500H} 旭化成社製
PP:ポリプロピレン 「ノバテックPP MA3」 日本ポリプロ社製
PE:ポリエチレン 「ノバテックPE UE320」 日本ポリエチレン社製
相溶化剤C2−1を用いた実施例4〜7では、アルミニウムとの接着力が更に向上した。実施例8〜27では、成形性が向上し、押出によるフィルム作製が可能となった。熱可塑性重合体組成物のフィルムとインサート部材を貼り合せる際の加熱温度が、比較的低温である160℃であっても、良好な接着体を得ることができた。さらに粘着付与樹脂D1〜D4を添加することで、成形性がより向上した。
接着性付与成分にB2−1〜B2−4を用いた実施例13〜42では、60℃においてもアルミニウムとの接着力が高く、耐熱性にすぐれた接着体を得られることがわかる。
また、実施例43〜46では、ガラス、および様々な金属と、ポリプロピレンとからなる良好な接着体が得られており、本発明の製造方法により、さまざまな組合せの異種接着体が製造可能であることがわかる。
Claims (8)
- 芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物である熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して接着付与成分(B)10〜100質量部を含有する熱可塑性重合体組成物からなるフィルムをインサート部材に貼り合せ、次いで該フィルム上に樹脂部材をインサート成形する、接着体の製造方法。
- 接着付与成分(B)がポリビニルアセタール樹脂(B1)及び/又は極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)である、請求項1に記載の接着体の製造方法。
- ポリビニルアセタール樹脂(B1)がポリビニルブチラールである、請求項2に記載の接着体の製造方法。
- 熱可塑性重合体組成物がさらに、極性基含有ポリオレフィン系共重合体(但し、前記極性基含有ポリプロピレン系樹脂(B2)を除く)(C1)、及び芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物であって、極性基を有する熱可塑性エラストマー(C2)より選択される相溶化剤(C)を含有する、請求項2又は3に記載の接着体の製造方法。
- 極性基含有ポリオレフィン系共重合体(C1)が、オレフィン系共重合性単量体と極性基含有共重合性単量体とを重合させてなるオレフィン系共重合体である、請求項4に記載の接着体の製造方法。
- 熱可塑性エラストマー(A)が、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックと、1,2−結合量および3,4−結合量が合わせて40モル%以上であるイソプレン単位、ブタジエン単位またはイソプレン/ブタジエン単位を含有する重合体ブロックとを有するブロック共重合体またはその水素添加物である、請求項1〜5のいずれかに記載の接着体の製造方法。
- インサート部材が、セラミックス、金属、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれかに記載の接着体の製造方法。
- 熱可塑性重合体組成物からなるフィルムを加熱によりインサート部材に貼り合せ、該加熱温度が120〜240℃である、請求項1〜7のいずれかに記載の接着体の製造方法。
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