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JP2014167054A - オルガノハイドロジェンポリシロキサンの合成方法、該オルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いた硬化性シリコーンゲル組成物及びシリコーンゲル - Google Patents

オルガノハイドロジェンポリシロキサンの合成方法、該オルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いた硬化性シリコーンゲル組成物及びシリコーンゲル Download PDF

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JP2014167054A JP2013039315A JP2013039315A JP2014167054A JP 2014167054 A JP2014167054 A JP 2014167054A JP 2013039315 A JP2013039315 A JP 2013039315A JP 2013039315 A JP2013039315 A JP 2013039315A JP 2014167054 A JP2014167054 A JP 2014167054A
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Abstract

【課題】分子内に分岐点を有し、SiOHの生成を抑制できるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合成方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)[R SiO1/2[R SiO][RSiO3/2[R(OH)SiO](1)のオルガノポリシロキサンオリゴマーと、[R SiO](2)の環状シロキサンを塩基性触媒の存在下で縮合した後、一般式(3)
Figure 2014167054

のテトラオルガノハイドロジェンジシロキサンを酸触媒で平衡化重合させ、中和することを特徴とする、平均組成式(4)で示されるSiOH含有量が50ppm以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン。(HRSiO1/2(R SiO1/2(R SiO)(R10SiO3/2(R11(OH)SiO)(4)
【選択図】なし

Description

本発明は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを合成する方法と、この合成方法により得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサンとアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの付加反応によりシリコーンゲルを与え、特にICやハイブリッドICの保護、パワーモジュール等の封止に好適に用いられる硬化性シリコーンゲル組成物に関する。
シリコーンゲル組成物は、珪素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、珪素原子に結合したビニル基等のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、および白金系触媒を含有し、前記SiH基のビニル基等のアルケニル基への付加反応により硬化物を得る付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物である。この硬化物であるシリコーンゲルは、耐熱性、耐候性、耐油性、耐寒性、電気絶縁性等に優れ、低弾性率、低応力であることにより、車載電子部品、民生用電子部品の保護等に用いられている。近年では、電子部品の小型化、軽量化にともない、IC部品の密度や基板上とIC部品を結合するワイヤボンディング等の配線の密度が上昇している。従来のシリコーンゲル組成物は、比較的低粘度であるため流れ込み性は良好であるが、得られるシリコーンゲルは振動などによる外部応力や温度変化に伴う膨張・収縮による内部応力による変形に対して弱く、ゲルが破壊されたり、内部に亀裂(クラック)が生成することがあった。
上記のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、主鎖が分岐した構造を有するものを使用した組成物としては、特許文献1および特許文献2に記載の組成物が知られているが、これらの公報中に記載のゲルは、オルガノポリシロキサンやオルガノハイドロジェンポリシロキサン中にSiOHが多く含まれており、耐熱性が低下することが問題とされていた。そのため、種々の方法により、SiOH量の低減方法が提案されている。しかしながら、分岐点を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分岐点を導入するため、加水分解生成物を用いる必要があり、その結果として、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中にSiOHが残存しやすいという欠点を有していた。
特許第2510577号公報 特許第2849027号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、分子内に分岐点を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合成に関し、SiOHの生成を抑制でき、かつこれを用いた組成物では、比較的低粘度で流動性が良好であり、かつ、得られるシリコーンゲルは、外部応力、熱応力に対しても耐久性を有し、優れた耐熱性を有する硬化性シリコーンゲル組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、 下記一般式(1)
[R SiO1/2[R SiO][RSiO3/2[R(OH)SiO] (1)
(式中、R、R、R、Rは互いに同一であっても異なってもよい脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の1価炭化水素基を表し、a,b,c,dは5<b/a<100,1<c/a<20,0<d/a<10、a+b+c+d=1を満たす数である。)
で示されるオルガノポリシロキサンオリゴマー 100質量部と、一般式(2)
[R SiO] (2)
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の1価炭化水素基を表す。)
で示される環状シロキサン100〜2000質量部を、塩基性触媒10〜300ppmの存在下、80〜150℃で縮合した後、
下記一般式(3)
Figure 2014167054
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の1価炭化水素基を表す。)
で表されるテトラオルガノハイドロジェンジシロキサン10〜200質量部を酸触媒0.01〜5質量%の存在下、0〜50℃で平衡化重合させ、
その後、塩基性中和剤を酸触媒の2〜10当量添加して0〜50℃で中和することを特徴とする、下記平均組成式(4)で示され、珪素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、かつ1分子中に少なくとも1個の(R10SiO3/2)単位を有し、SiOH含有量が50ppm以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを合成する方法を提供する。
(HR SiO1/2(R SiO1/2(R SiO)(R10SiO3/2(R11(OH)SiO) (4)
(式中R〜R11はそれぞれ異なっても同一であってもよい脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価炭化水素基を示し、eおよびfは独立に0.001〜0.3の範囲の数、gは0.5〜0.98の範囲の数、hは0.01〜0.12,iは0〜0.005の範囲の数であり、但しe+f+g+h+i=1を満たす。)
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンを合成する方法であれば、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの合成において、SiOHの生成を50ppm以下に抑制することができる。
また、本発明は、(A)下記平均組成式(5):
12 SiO(4−j−k)/2 (5)
(式中、Rはアルケニル基を表し、R12は脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価炭化水素基を表し、jは0.0001〜0.2の数であり、kは1.7〜2.2の数であり、但しj+kは1.9〜2.4を満たす数である。)
で表され、珪素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン 100質量部
(B)前記の方法で合成されたものであって、平均組成式(4)で示される構造を有し、SiOH含有量が50ppm以下であり、珪素原子に結合した水素原子が、(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基1個当り0.1〜5個与える量であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン (A)成分100質量部に対し0.1〜200質量部
(C)白金系触媒: 有効量
を含有してなり、硬化後、JIS K 6249で規定される針入度が10〜200であり、かつ、25℃において剪断周波数1Hzおよび10Hzにおける損失係数がそれぞれ0.1〜1.0および0.3〜1.5の範囲内のものであることを特徴とする硬化性シリコーンゲル組成物を提供する。
このような硬化性シリコーンゲル組成物は、流動性が良好であり、また、SiOH含有量が50ppm以下のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いるために、耐熱性を向上させることができる。
また、(A)成分のオルガノポリシロキサンが、下記一般式(5a):
Figure 2014167054
(式中、R13は、独立に、置換または非置換の1価炭化水素基を表し、但しR13の少なくとも1個はアルケニル基であり、hは20〜2,000の整数である)
で表されるものであることが好ましい。
このような、少なくとも1個はアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
また、硬化性シリコーンゲル組成物は、針入度が20〜100であり、かつ、25℃において剪断周波数1Hzおよび10Hzにおける損失係数がそれぞれ0.15〜0.8および0.4〜1.2の範囲内のものであることが好ましい。
このような硬化性シリコーンゲル組成物であれば、外部応力、熱応力に対しても耐久性を有し、優れた耐熱性を有するため、電気・電子部品の保護、封止もしくは充填に用いることができる。
また、硬化性シリコーンゲル組成物を硬化させて得られ、JIS K 6249で規定される針入度が10〜200であり、かつ、25℃において剪断周波数1Hzおよび10Hzにおける損失係数がそれぞれ0.1〜1.0および0.3〜1.5の範囲内であるシリコーンゲルであることが好ましい。
このような針入度及び損失係数であれば、形状保持能力を有するものとなり、振動などの外部応力、温度変化に伴う膨張・収縮により生じる内部応力による変形によってもゲルが破壊されることがない。したがって、特にICやハイブリッドIC、パワーモジュールの保護等に好適に用いることができる。
以上説明したように、本発明のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを合成する方法であれば、分子内に分岐点を有し、SiOHの生成を抑制することが可能で、かつこの方法で合成されたものを用いた硬化性シリコーンゲル組成物は、比較的低粘度で流動性が良好であり、優れた耐熱性を有するシリコーンゲルを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
前述のように、オルガノハイドロジェンシロキサンは、分子内に分岐点を有しており、この分岐点を導入する方法として様々な方法が公知であるが、オルガノシロキサンオリゴマーを用いる方法が容易である。しかしながら、このオルガノシロキサンオリゴマーはSiOHを含有しており、このSiOHがオルガノハイドロジェンポリシロキサンに残存すると、シリコーンゲル組成物の特性に悪影響を与えることが知られている。このことから、SiOH量を低減させたオルガノハイドロジェンポリシロキサンを合成する方法の開発が望まれていた。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で示されるオルガノシロキサンオリゴマーと下記一般式(2)で示される環状シロキサンをアルカリ触媒の存在下で脱水縮合を行い、その後に酸触媒の存在下で酸平衡化重合、その後中和反応を行うことで、分岐点を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiOH量を大幅に低減できることを見出した。また、該オルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いた硬化性シリコーンゲル組成物は、流動性が良好であり、かつ、低針入度で熱応力に耐え、耐クラック性に優れ、耐熱性を有するシリコーンゲルを与えることを見い出し、本発明を完成させた。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明に係るオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合成の方法は、
下記一般式(1)
[R SiO1/2[R SiO][RSiO3/2[R(OH)SiO] (1)
(式中、R、R、R、Rは互いに同一であっても異なってもよい脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の1価炭化水素基を表し、a,b,c,dは5<b/a<100,1<c/a<20,0<d/a<10、a+b+c+d=1を満たす数である。)
で示されるオルガノポリシロキサンオリゴマー 100質量部と、一般式(2)
[R SiO] (2)
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の1価炭化水素基を表す。)
で示される環状シロキサン100〜2000質量部を、塩基性触媒10〜300ppmの存在下、80〜150℃で縮合した後、
下記一般式(3)
Figure 2014167054
(式中、Rは脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の1価炭化水素基を表す。)
で表されるテトラオルガノハイドロジェンジシロキサン10〜200質量部を酸触媒0.01〜5質量%の存在下、0〜50℃で平衡化重合させ、
その後、塩基性中和剤を酸触媒の2〜10当量添加して0〜50℃で中和することを特徴とし、下記平均組成式(4)で示され、珪素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、かつ1分子中に少なくとも1個の(R10SiO3/2)単位を有し、SiOH含有量が50ppm以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを合成する方法である。
(HR SiO1/2(R SiO1/2(R SiO)(R10SiO3/2(R11(OH)SiO) (4)
(式中R〜R11はそれぞれ異なっても同一であってもよい脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価炭化水素基を示し、eおよびfは独立に0.001〜0.3の範囲の数、gは0.5〜0.98の範囲の数、hは0.01〜0.12,iは0〜0.005の範囲の数であり、但しe+f+g+h+i=1を満たす。)
本発明のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを合成する方法を詳述すると、前記一般式(1)で表されるオルガノシロキサンオリゴマー100質量部に対し、一般式(2)で示されるオルガノ環状シロキサン100〜2000質量部、好ましくは200〜1500質量部、より好ましくは300〜1000質量部と、塩基性触媒を10〜300ppm、好ましくは20〜200ppm、より好ましくは50〜150ppmを添加後、80〜150℃、好ましくは90〜140℃、より好ましくは100〜140℃の加熱下で縮合させた後、前記一般式(3)で表されるテトラオルガノジハイドロジェンジシロキサンを10〜200質量部、好ましくは20〜180質量部、より好ましくは30〜150質量部、酸触媒を0.01〜5質量%、好ましくは0.02〜3質量%、より好ましくは0.05〜1質量%を添加し、0〜50℃で好ましくは10〜40℃で平衡化重合することに、SiOH含有量が50ppm以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが得られる。
オルガノ環状シロキサンの量が100質量部より少ないとシリコーンゲルで所定の損失係数が得られず、2000質量部より多いと平均組成式(4)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの粘度が大幅に増大し、作業性が低下する。
塩基性触媒の添加量が10ppm未満の場合、縮合反応が不十分であるため平均組成式(4)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiOH量が多くなる。また、300ppmより多い場合、その次の酸平衡化重合が不安定となる。縮合温度が80℃未満の場合、やはり縮合反応が不十分となり、平均組成式式(4)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiOH量が多くなる。縮合温度が150℃を超えると、平均組成式(4)で示されるオルガノポリシロキサンの粘度が著しく増大する。
前記一般式(3)で表されるテトラオルガノハイドロジェンジシロキサンが10質量部より少ないと、安定したシリコーンゲル硬化物が得られない。200質量部より多いと所定の損失係数が得られない。
酸触媒の添加量が0.01質量%より少ないと安定したオルガノハイドロジェンポリシロキサンが得られず、5質量%より多いと中和剤の量が過大になる。酸平衡温度が0℃以下の場合や50℃を超える場合、安定したオルガノハイドロジェンポリシロキサンが得られない。
得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiOH量が50ppmを超えた場合、シリコーンゲル硬化物の耐熱性が大幅に低下する。
上記の合成方法で得られたオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、上記平均組成式(4)で示される。ここで、eおよびfは0.001〜0.3、好ましくは0.003〜0.25、より好ましくは0.01〜0.2の数であり、gは0.5〜0.98、好ましくは0.6〜0.97、より好ましくは0.7〜0.95の数であり、hは0.01〜0.12、好ましくは0.015〜0.1、より好ましくは0.02〜0.08の数であり、iは0〜0.005、好ましくは0〜0.003、より好ましくは0〜0.001であり、但しe+f+g+h+i=1を満たす。
また、(HR SiO1/2)で示される珪素原子に結合した水素原子を有する末端に位置する単位(M単位)を少なくとも3個、(R10SiO3/2)で示される分岐形成単位を少なくとも1個有するものである。即ち、珪素原子に結合した水素原子は分子鎖末端のみに存在し、側鎖には珪素原子に結合した水素原子は存在せず、(R10SiO3/2)で示される分岐形成単位を有するものである。
一般式(4)において、e、fが0.001未満ではシリコーンゲルが得がたく、また0.3を超える場合は、硬化物の熱応力に対する耐久性が低下する。また、hが0.01未満の場合はシリコーンゲルが得がたく、0.12を超えた場合、均一な硬化物表面に疎密が発生し易い。
上記平均組成式(4)中、R〜R11は、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の一価炭化水素基であり、通常、炭素原子数が1〜10、好ましくは1〜6のものである。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、へキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの非置換の炭化水素基の水素原子の一部または全部が、フッ素、塩素等のハロゲン原子で置換された、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基、アリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
上記平均組成式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、(CHHSiO1/2単位と(CHSiO単位とCHSiO3/2単位からなる共重合体、(CHHSiO1/2単位と(CSiO単位と(CHSiO単位とCHSiO3/2単位からなる共重合体、CHHSiO1/2単位と(CHSiO単位とCHSiO3/2単位からなる共重合体、(CHHSiO1/2単位と(CHSiO単位とCSiO3/2単位からなる共重合体、(CH)(CF)HSiO1/2単位と(CH)(CF)SiO単位とCHSiO3/2単位とからなる共重合体、(CH)(CF)HSiO1/2単位と(CH)(CF)SiO単位と(CHSiO単位とCHSiO3/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位と(CH)(CF)SiO単位とCHSiO3/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位と(CH)(CF)SiO単位と(CHSiO単位とCHSiO3/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位と(CH)(CF)SiO単位と(CHSiO単位とCFSiO3/2単位とからなる共重合体等、が挙げられる。
次に、本発明の硬化性シリコーンゲル組成物は、上記合成方法で合成された平均組成式(4)に示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを(B)成分として含有するもので、下記(A)〜(C)成分を含有してなるものであり、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について詳細に説明する。なお、本明細書中において、粘度はBM型回転粘度計を用いて測定した、25℃における測定値である。
〔(A)オルガノポリシロキサン〕
本発明の硬化性シリコーンゲル組成物の(A)成分は、硬化性シリコーンゲル組成物の主剤(ベースポリマー)となる成分である。(A)成分は、下記平均組成式(5)
12 SiO(4−j−k)/2 (5)
(式中、Rはアルケニル基を表し、R12は脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価炭化水素基を表し、jは0.0001〜0.2の数であり、kは1.7〜2.2の数であり、但しj+kは1.9〜2.4を満たす数である。)で表され、1分子中に珪素原子に結合したアルケニル基(以下、「珪素原子結合アルケニル基」という)を少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンである。前記アルケニル基を、1分子中に1〜50個有することが好ましく、1〜20個有することが特に好ましい。これらのアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖非末端(即ち、分子鎖両末端以外)の珪素原子に結合していても、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。
上記平均組成式(5)中、Rは、通常、炭素原子数が2〜6、好ましくは2〜4のアルケニル基を表す。その具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等の低級アルケニル基が挙げられ、ビニル基が好ましい。R12は、通常、炭素原子数が1〜10、好ましくは1〜6の、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価炭化水素基を表す。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;これらの非置換の炭化水素基の水素原子の一部または全部が、フッ素、塩素等のハロゲン原子で置換された、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられるが、合成の容易さ等の観点から、メチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。
上記平均組成式(5)中、jは0.0001〜0.2であり、0.0005〜0.1の数であることが好ましく、kは1.7〜2.2であり、1.9〜2.0の数であることが好ましく、j+kは1.9〜2.4であり、1.95〜2.05を満たす数であることが好ましい。
本成分のオルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状でも直鎖状の他にRSiO3/2単位、R12SiO3/2単位、SiO単位(式中、RおよびR12で表される基は、上記で定義したとおりである)等を含む分岐状;環状;三次元網状(樹脂状)を上記a+bの範囲を満たす範囲で含んでいてもよいが、通常、主鎖が基本的に式R’SiO2/2(R’はRおよびR12を包含する)で表されるジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンである。
本成分のオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、好ましくは50〜100,000mPa・sであり、より好ましくは100〜10,000mPa・sである。この粘度が50〜100,000mPa・sである場合には、得られる硬化物は、特に強度、流動性、作業性により優れたものとなる。
(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(5a):
Figure 2014167054
(式中、R13は、独立に、置換または非置換の1価炭化水素基を表し、但しR13の少なくとも1個はアルケニル基であり、hは20〜2,000の整数である)
で表されるものが挙げられる。また、hは、好ましくは40〜1,000、より好ましくは50〜600の整数である。
上記一般式(5a)で表されるオルガノポリシロキサンの具体例としては、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖片末端トリメチルシロキシ基・片末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖片末端トリメチルシロキシ基・片末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体等が挙げられる。
本成分のオルガノポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本成分の分子構造は、上記要件を満たすものであれば特に限定されず、従来公知の方法で合成される。
〔(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン〕
本発明の組成物の(B)成分は、前述の本発明のオルガノハイドロジェンシロキサンを合成する方法によって得られたものであって、前記平均組成式(4)で示されるものある。
また、上記(A)成分と反応する架橋剤として作用するものであり、本発明に必須の成分である。
本成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの粘度は、通常、1〜10,000mPa・s、好ましくは3〜2,000mPa・s、より好ましくは10〜1,000mPa・sであり、室温(25℃)で液状のものが望ましい。
本成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
〔(C)白金系触媒〕
本発明の硬化性シリコーンゲル組成物の(C)成分は、前記(A)成分中の珪素原子結合アルケニル基と前記(B)成分中の珪素原子結合水素原子との付加反応を促進させるための成分である。(C)成分は、白金系触媒であり、具体的には白金および/または白金系化合物である。
この白金および白金系化合物としては、従来公知のものを使用することができ、具体的には、例えば、白金ブラック;塩化白金酸;塩化白金酸のアルコール変性物;塩化白金酸とオレフィンアルデヒド、ビニルシロキサン、アセチレンアルコール類等との錯体等が挙げられる。
(C)成分の配合量は、ヒドロシリル化反応触媒としての有効量であればよく、所望の硬化速度により適宜増減すればよいが、(A)成分に対して、白金原子の質量換算で、通常、0.1〜1,000ppmであり、好ましくは1〜300ppmである。この配合量が0.1ppm以上であれば、付加反応が著しく遅くなったり、組成物が硬化しなくなったりする恐れがない。この配合量が1,000ppm以下であれば、硬化物の耐熱性が低下する恐れがなく、コストを抑えることができる。
本成分の白金系触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性シリコーンゲル組成物は、電気・電子部品の保護、封止もしくは充填に用いられるものであり、針入度が10〜200、好ましくは20〜100、より好ましくは30〜80であり、25℃、1Hzでの損失係数が0.1〜1.0、好ましくは0.15〜0.8、より好ましくは0.2〜0.8、10Hzの損失係数が0.3〜1.5、好ましくは0.4〜1.2、より好ましくは0.5〜1.0である。針入度が10以上、損失係数が0.1以上となれば、硬化性シリコーンゲル組成物が硬化する際の応力に耐えることができ、電子回路の一部が破断したり、シリコーンゲル内部にクラックが生成したりすることがない。針入度が200以下、損失係数が1.5以下の場合、十分な形状保持能力を持ったシリコーンゲルが得られ、充填しても、シリコーンゲルが回路から流出し難くなる。
〔その他の任意成分〕
本発明の硬化性シリコーンゲル組成物には、上記(A)〜(C)成分以外にも、目的に応じて任意成分を配合することができる。
任意成分としては、例えば、反応抑制剤;無機質充填剤;耐熱性付与剤;難燃性付与剤;チクソ性付与剤;顔料;染料;珪素原子結合水素原子も珪素原子結合アルケニル基も含有しないオルガノポリシロキサン(即ち、(A)成分および(B)成分以外のオルガノポリシロキサン)等が挙げられる。
反応抑制剤は、上記組成物の反応を抑制させるための成分であって、例えば、公知のアセチレン系反応抑制剤;アミン系反応抑制剤;カルボン酸エステル系、亜リン酸エステル系等のエステル系反応抑制剤等が挙げられる。
無機質充填剤としては、例えば、ヒュームドシリカ;結晶性シリカ;沈降性シリカ;中空フィラー;シルセスキオキサン;ヒュームド二酸化チタン;酸化マグネシウム;酸化亜鉛;酸化鉄;水酸化アルミニウム;炭酸マグネシウム;炭酸カルシウム;炭酸亜鉛;層状マイカ;カーボンブラック;ケイ藻土;ガラス繊維等が挙げられ、また、これらの無機質充填剤を、オルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機珪素化合物により表面疎水化処理したもの、シリコーンゴムパウダー、シリコーンレジンパウダー等が挙げられる。これらの任意成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
〔組成物の調製方法〕
本発明の硬化性シリコーンゲル組成物は、上記各成分を常法に準じて混合することにより調製することができる。この際、本発明の組成物を1液型として調製しても、2液型または3パート以上に分割して調製してもよい。2液型として調製する場合には、例えば、(A)成分の一部および(C)成分からなるパートと、(A)成分の残部および(B)成分からなるパートとに分割することが可能である。なお、任意成分はどちらのパートに配合してもよい。また、本発明の組成物は、常温(典型的には0〜30℃の範囲の温度)または用途に応じて例えば40〜200℃に加熱した温度条件下で硬化させることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。また、シリコーンゲル硬化物の針入度は、JIS K6249に準じて測定した値である。粘度は上述のようにBM型回転粘度計を用いて25℃で測定したものである。
(合成例1)
組成式(6)
[(CHSiO1/20.06[(CHSiO]0.66[(CH)SiO3/20.22[CH(OH)SiO]0.06 (6)
で示されるシロキサンオリゴマー100質量部と、オクタメチルテトラシロキサン700質量部を混合、水酸化カリウムを100ppm添加し、120℃で5時間加熱、縮合反応させる。これを室温まで冷却した後、さらにテトラメチルジハイドロジェンジシロキサン33質量部、トリフロロメタンスルホン酸を0.1質量%添加し、25℃にて8時間重合し、協和化学工業製キョーワード500を6質量部で中和したところ、25℃での粘度が80mm/s、SiH量7.7×10−4mol/g、SiOH量3ppmのメチルハイドロジェンポリマー1を得た。
(合成例1−1)
組成式(6)
[(CHSiO1/20.06[(CHSiO]0.66[(CH)SiO3/20.22[CH(OH)SiO]0.06 (6)
で示されるシロキサンオリゴマー100質量部と、オクタメチルテトラシロキサン700質量部を混合、水酸化カリウムを200ppm添加し、140℃で8時間加熱、縮合反応させる。これを室温まで冷却した後、さらにテトラメチルジハイドロジェンジシロキサン33質量部、トリフロロメタンスルホン酸を0.2質量%添加し、25℃にて8時間重合し、協和化学工業製キョーワード500を12質量部で中和したところ、25℃での粘度が94mm/s、SiH量7.3×10−4mol/g、SiOH量2ppmのメチルハイドロジェンポリマー1−1を得た。
(合成例1−2)
組成式(6)
[(CHSiO1/20.06[(CHSiO]0.66[(CH)SiO3/20.22[CH(OH)SiO]0.06 (6)
で示されるシロキサンオリゴマー100質量部と、オクタメチルテトラシロキサン700質量部を混合、水酸化カリウムを50ppm添加し、100℃で8時間加熱、縮合反応させる。これを室温まで冷却した後、さらにテトラメチルジハイドロジェンジシロキサン33質量部、トリフロロメタンスルホン酸を0.1質量%添加し、25℃にて8時間重合し、協和化学工業製キョーワード500を6質量部で中和したところ、25℃での粘度が62mm/s、SiH量7.7×10−4mol/g、SiOH量1ppmのメチルハイドロジェンポリマー1−2を得た。
(合成例2)
KOHの添加量を5ppmとする以外は(合成例1)と同様にしたところ、25℃での粘度が65mm/s、SiH量8.1×10−4mol/g、SiOH量98ppmのメチルハイドロジェンポリマー2を得た
(合成例3)
KOHの添加量を400ppmとする以外は(合成例1)と同様にしたが、安定した重合物は得られなかった。
(合成例4)
縮合温度を70℃とする以外は(合成例1)と同様にして、25℃での粘度が80mm/s、SiH量7.3×10−4mol/g、SiOH量78ppmのメチルハイドロジェンポリマー3を得た
(合成例5)
縮合温度を160℃とする以外は(合成例1)と同様にしたところ、縮合時にゲル化してしまった。
(合成例6)
テトラメチルジハイドロジェンジシロキサンの添加量を3質量部とする以外は、(合成例1)と同様にして、25℃での粘度が98mm/s、SiH量が0.5×10−4mol/g、SiOH量5ppmのメチルハイドロジェンポリマー4を得た。
(合成例7)
テトラメチルジハイドロジェンジシロキサンの添加量を300質量部とする以外は、(合成例1)と同様にして、25℃での粘度が23mm/s、SiH量が7.0×10−3mol/g、SiOH量6ppmのメチルハイドロジェンポリマー5を得た。
(合成例8)
トリフロロメタンスルホン酸の添加量を0.005質量%とする以外は(合成例1)と同様にしたが、安定したメチルハイドロジェンポリマーは得られなかった。
(合成例9)
酸平衡重合温度を−5℃とする以外は(合成例1)と同様にしたが、安定したメチルハイドロジェンポリマーは得られなかった。
(合成例10)
酸平衡重合温度を70℃とする以外は(合成例1)と同様にしたが、安定したメチルハイドロジェンポリマーは得られなかった。
(実施例1)
粘度が600mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、前記〔合成例1〕で得られたメチルハイドロジェンポリマー1を17質量部((A)成分中の珪素原子結合アルケニル基1個に対する(B)成分中の珪素原子結合水素原子の個数の比(以下、H/Viという)は0.85であった。)、白金原子として1質量%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液0.05質量部、および1−エチニルシクロヘキサノール0.005質量部を均一に混合することにより、組成物1を調製した。この組成物1を120℃で30分加熱することにより硬化したところ、針入度が50のシリコーンゲル硬化物が得られた。
(実施例1−1)
下記平均組成式(7)
Figure 2014167054
で表され、粘度が1000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン・ジフェニルポリシロキサン共重合体100質量部、前記〔合成例1−1〕で得られたメチルハイドロジェンポリマー1−1を19質量部((A)成分中の珪素原子結合アルケニル基1個に対する(B)成分中の珪素原子結合水素原子の個数の比(以下、H/Viという)は1.16であった。)、白金原子として1質量%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液0.05質量部、および1−エチニルシクロヘキサノール0.005質量部を均一に混合することにより、組成物1−1を調製した。この組成物1−1を120℃で30分加熱することにより硬化したところ、針入度が40のシリコーンゲル硬化物が得られた。
(実施例1−2)
実施例1−1に記載のメチルハイドロジェンポリマー1−1の代わりに、前記〔合成例1−2〕で得られたメチルハイドロジェンポリマー1−2を15質量部用いる以外は(実施1−1)と同様にして(このとき、H/Viは0.96であった)組成物1−2を得た。この組成物1−2を120℃で30分加熱することにより硬化したところ、針入度63のシリコーンゲル硬化物が得られた。
(比較例1)
メチルハイドロジェンポリマー1の代わりに、メチルハイドロジェンポリマー2を16質量部用いる以外は(実施例1)と同様にして(このとき、H/Viは0.86であった)組成物2を得た。この組成物を120℃で30分加熱硬化すると、針入度48のシリコーンゲル硬化物が得られた。
(比較例2)
メチルハイドロジェンポリマー1の代わりに、メチルハイドロジェンポリマー3を17.3質量部用いる以外は(実施例1)と同様にして(このとき、H/Viは0.84であった)組成物3を得た。この組成物を120℃で30分加熱硬化すると、針入度53のシリコーンゲル硬化物が得られた。
(比較例3)
メチルハイドロジェンポリマー1の代わりに、メチルハイドロジェンポリマー4を250質量部用いる以外は(実施例1)と同様にして(このとき、H/Viは0.83であった)組成物4を得た。この組成物を120℃で30分加熱硬化すると、安定したシリコーンゲル硬化物が得られなかった。
(比較例4)
メチルハイドロジェンポリマー1の代わりに、メチルハイドロジェンポリマー5を1.4質量部用いる以外は(実施例1)と同様にして(このとき、H/Viは0.65であった)組成物5を得た。この組成物を120℃で30分加熱硬化したが、針入度35のシリコーンゲル硬化物が得られた。
[耐熱性の評価]
上記実施例及び比較例で得られた5種類の組成物について、初期、および150℃×1000h、180℃×1000h、200℃×1000h後の耐熱試験後の針入度を評価した。
[損失係数の評価]
上記実施例および比較例で得られた4種類の組成物のおのおのについて、UBM社製RheoGelE4000にて(スリット剪断法)にて120℃において30分間加熱して硬化させた。得られた硬化物を25℃に冷却後、1Hzおよび10Hzでの損失係数を測定した。
[耐熱衝撃性の評価]
(1)上記実施例および比較例で得られた5種類の組成物のおのおのについて、組成物を試験管(直径14mm、長さ105mm)に12g注入し、120℃において30分間加熱して硬化させた。こうして得られた硬化物の外観を観察したところ、いずれの実施例、比較例の場合も硬化物には気泡も亀裂も認められなかった。
次に、硬化物が入った試験管を室温(25℃)に100時間放置した後に硬化物の外観を観察し、気泡および/または亀裂の生成を調べた。
(2)(1)と同様にして得られた硬化物が入った試験管を(−60℃で30分間)×(150℃で30分間)のサイクルに100サイクル供した後、硬化物の外観を観察し、気泡および/または亀裂の生成を調べた。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2014167054
〔評価〕
実施例の組成物は本発明の要件を満たすものであり、良好なゴム特性を有するシリコーンゲルが得られ、200℃の長期耐熱下でも針入度の低下は見られず、室温下および熱衝撃サイクル下のいずれの耐久試験においてもゲル硬化物に異常は認められず、安定性が確認された。
これに対し、比較例1〜4は、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが本発明の要件を満たさないものであり、比較例1〜2では、長期の耐熱試験で大きな針入度低下が見られ、比較例4では、熱衝撃サイクル下の耐久試験において気泡および/または亀裂が発生した。
以上により、本発明の合成条件を全て満たしたオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、用いて得られた組成物は、長期の耐熱性を有し、気泡、亀裂の生成を抑えることに有効な硬化性シリコーンゲル組成物となることは明らかである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    [R SiO1/2[R SiO][RSiO3/2[R(OH)SiO] (1)
    (式中、R、R、R、Rは互いに同一であっても異なってもよい脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の1価炭化水素基を表し、a,b,c,dは5<b/a<100,1<c/a<20,0<d/a<10、a+b+c+d=1を満たす数である。)
    で示されるオルガノポリシロキサンオリゴマー 100質量部と、一般式(2)
    [R SiO] (2)
    (式中、Rは脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の1価炭化水素基を表す。)
    で示される環状シロキサン100〜2000質量部を、塩基性触媒10〜300ppmの存在下、80〜150℃で縮合した後、
    下記一般式(3)
    Figure 2014167054
    (式中、Rは脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の1価炭化水素基を表す。)
    で表されるテトラオルガノハイドロジェンジシロキサン10〜200質量部を酸触媒0.01〜5質量%の存在下、0〜50℃で平衡化重合させ、
    その後、塩基性中和剤を酸触媒の2〜10当量添加して0〜50℃で中和することを特徴とする、下記平均組成式(4)で示され、珪素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、かつ1分子中に少なくとも1個の(R10SiO3/2)単位を有し、SiOH含有量が50ppm以下であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを合成する方法。
    (HR SiO1/2(R SiO1/2(R SiO)(R10SiO3/2(R11(OH)SiO) (4)
    (式中R〜R11はそれぞれ異なっても同一であってもよい脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価炭化水素基を示し、eおよびfは独立に0.001〜0.3の範囲の数、gは0.5〜0.98の範囲の数、hは0.01〜0.12,iは0〜0.005の範囲の数であり、但しe+f+g+h+i=1を満たす。)
  2. (A)下記平均組成式(5):
    12 SiO(4−j−k)/2 (5)
    (式中、Rはアルケニル基を表し、R12は脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1価炭化水素基を表し、jは0.0001〜0.2の数であり、kは1.7〜2.2の数であり、但しj+kは1.9〜2.4を満たす数である。)
    で表され、珪素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン 100質量部
    (B)請求項1に記載の方法で合成されたものであって、平均組成式(4)で示される構造を有し、SiOH含有量が50ppm以下であり、珪素原子に結合した水素原子が、(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基1個当り0.1〜5個与える量であるオルガノハイドロジェンポリシロキサン (A)成分100質量部に対し0.1〜200質量部
    (C)白金系触媒: 有効量
    を含有してなり、硬化後、JIS K 6249で規定される針入度が10〜200であり、かつ、25℃において剪断周波数1Hzおよび10Hzにおける損失係数がそれぞれ0.1〜1.0および0.3〜1.5の範囲内のものであることを特徴とする硬化性シリコーンゲル組成物。
  3. (A)成分のオルガノポリシロキサンが、下記一般式(5a):
    Figure 2014167054
    (式中、R13は、独立に、置換または非置換の1価炭化水素基を表し、但しR13の少なくとも1個はアルケニル基であり、hは20〜2,000の整数である)
    で表されるものであることを特徴とする請求項2に記載の硬化性シリコーンゲル組成物。
  4. 前記の針入度が20〜100であり、かつ、25℃において剪断周波数1Hzおよび10Hzにおける損失係数がそれぞれ0.15〜0.8および0.4〜1.2の範囲内のものであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の硬化性シリコーンゲル組成物。
  5. 前記請求項2又は請求項3に記載の硬化性シリコーンゲル組成物を硬化させて得られ、JIS K 6249で規定される針入度が10〜200であり、かつ、25℃において剪断周波数1Hzおよび10Hzにおける損失係数がそれぞれ0.1〜1.0および0.3〜1.5の範囲内であるものであることを特徴とするシリコーンゲル。
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