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JP2014162169A - ガスバリア性膜、ガスバリア性積層体、及びその製造方法 - Google Patents

ガスバリア性膜、ガスバリア性積層体、及びその製造方法 Download PDF

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JP2014162169A JP2013036749A JP2013036749A JP2014162169A JP 2014162169 A JP2014162169 A JP 2014162169A JP 2013036749 A JP2013036749 A JP 2013036749A JP 2013036749 A JP2013036749 A JP 2013036749A JP 2014162169 A JP2014162169 A JP 2014162169A
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Abstract

【課題】本発明は、透明性を有し、高湿度下での水蒸気等のガスバリア性に優れるガスバリア性膜を得ることを目的とする。
【解決手段】本発明は、アクリル酸亜鉛から導かれる単位(a)を4〜98質量%、アクリル酸マグネシウムから導かれる単位(b)を1〜48質量%、及びアクリル酸リチウムから導かれる単位(c)を1〜48質量%含む〔但し、a+b+c=100質量%とする。〕アクリル酸多価金属塩の重合体からなるガスバリア性膜、当該ガスバリア性膜を有するガスバリア性積層体、及びその製造方法を提供するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明性を有し、低湿度下及び高湿度下での水蒸気等のガスバリア性に優れるガスバリア性膜、ガスバリア性積層体、及びその製造方法に関する。
近年、酸素あるいは水蒸気等に対するバリア性材料として、フィルム基材に酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機酸化物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相成長法等で蒸着して形成してなる透明ガスバリア性フィルムが注目されている。
そして、かかる透明ガスバリア性フィルムは、一般には透明性、剛性に優れる二軸延伸ポリエステルフィルムからなる基材面に無機酸化物を蒸着したフィルムであるので、そのままでは蒸着層が使用時の摩擦等に弱く、包装用フィルムとして使用する場合、後加工の印刷やラミネート時、又内容物の充填時に、擦れや伸びにより無機酸化物にクラックが入りガスバリア性が低下することがあり、無機酸化物蒸着だけでは十分なガスバリア性が得られないといった問題がある。
一方、ガスバリア性を有するポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体を二軸延伸フィルム基材に積層する方法(例えば、特許文献1)、あるいはポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との組成物を二軸延伸フィルム基材に被覆する方法(例えば、特許文献2)が提案されている。しかしながら、ポリビニルアルコールを積層してなるガスバリア性フィルムは高湿度下での酸素バリア性が低下し、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との組成物は、エステル化を十分に進行させてフィルムのガスバリア性を高めるためには高温で長時間の加熱が必要であるため生産性に問題があり、また、高湿度下でのガスバリア性は不十分であった。また、高温で長時間反応させることによりフィルムが着色し、外観を損ねるため食品包装用には改善が必要である。
高湿度下でのガスバリア性を解決する方法として、アクリル酸亜鉛などの不飽和カルボン酸多価金属塩を重合してなるガスバリア性膜(例えば、特許文献3)が提案されている。当該特許文献3には、アクリル酸亜鉛などの不飽和カルボン酸多価金属塩と50モル%以下のアクリル酸リチウムなどの不飽和カルボン酸一価金属塩との混合物を重合してなるガスバリア性膜も提案されている。
アクリル酸亜鉛などの不飽和カルボン酸多価金属塩を重合してなるガスバリア性膜は、低湿度下及び高湿度下での水蒸気等のガスバリア性に優れるものの、用途によっては更なるガスバリア性の改善が求められている。
特開昭60−157830号公報 特許第3203287号公報 国際公開第2005/108440号
本発明は、透明性を有し、高湿度下での水蒸気等のガスバリア性に優れるガスバリア性膜を得ることを目的とする。
本発明は、アクリル酸亜鉛から導かれる単位を4〜98質量%、アクリル酸マグネシウムから導かれる単位を1〜48質量%、及びアクリル酸リチウムから導かれる単位を1〜48質量%含む〔但し、a+b+c=100質量%とする。〕アクリル酸多価金属塩の重合体からなるガスバリア性膜、当該ガスバリア性膜を有するガスバリア性積層体、及びその製造方法を提供するものである。
本発明のガスバリア性膜は、高温高湿下でも優れバリア性を持ち、なおかつ経時安定なバリア性も有する。
(ガスバリア性膜)
本発明のガスバリア性膜は、アクリル酸亜鉛から導かれる単位(a)を4〜98質量%、好ましくは50〜94質量%、さらに好ましくは70〜90質量%、アクリル酸マグネシウムから導かれる単位(b)を1〜48質量%、好ましくは1〜35質量%、さらに好ましくは2〜25質量%及びアクリル酸リチウムから導かれる単位(c)を1〜48質量%、好ましくは1〜35質量%、さらに好ましくは4〜25質量%の範囲で含む〔但し、a+b+c=100質量%とする。〕アクリル酸多価金属塩の重合体からなる。
アクリル酸マグネシウムから導かれる単位(b)の量が1質量%未満のアクリル酸多価金属塩の重合体からなるガスバリア性膜は60℃、90%湿度下の水蒸気バリア性が改良されない虞があり、一方、(b)の量が48質量%を超えるアクリル酸多価金属塩の重合体からなるガスバリア性膜は、60℃、90%湿度下の水蒸気バリア性が改良されない虞がある。
アクリル酸リチウムから導かれる単位(c)の量が1質量%未満のアクリル酸多価金属塩の重合体からなるガスバリア性膜は、60℃、90%湿度下の水蒸気バリア性が改良されない虞があり、一方、(c)の量が48質量%を超えるアクリル酸多価金属塩の重合体からなるガスバリア性膜は、60℃、90%湿度下の水蒸気バリア性が改良されない虞がある。
本発明のアクリル酸多価金属塩の重合体からなるガスバリア性膜(以下、単に「ガスバリア性膜」と記載する場合がある。)は、その表面に無機化合物層が形成されていてもよい。
(無機化合物層)
本発明に係る無機化合物層を形成する無機化合物は蒸着できる無機化合物であれば、特に限定はされないが、具体的には、例えば、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)及び珪素(Si)等の金属あるいはこれら金属の酸化物、窒化物、窒酸化物、硫化物、リン化物等が挙げられる。これら無機化合物の中でも、酸化物、特に酸化アルミニウム、シリカ(酸化珪素)等の酸化物、珪素窒酸化物が透明性に優れるので好ましい。
これら無機化合物層をガスバリア性膜の表面に形成させる方法としては、触媒CVD(CAT−CVD)、化学蒸着(CVD)、低圧CVD及びプラズマCVD等の化学蒸着法、真空蒸着(反応性真空蒸着)、スパッタリング(反応性スパッタリング)及びイオンプレーティング(反応性イオンプレーティング)等の物理蒸着法(PVD)、低圧プラズマスプレイ及びプラズマスプレイ等のプラズマスプレイ法が例示できる。
形成される無機化合物層の厚さは、通常15〜5000Å、好ましくは15〜1000Å、より好ましくは20〜450Åの範囲である。5000Åを越えると耐屈曲性が低下するとなる虞があり、一方、15Å未満では充分な耐ガスバリア性が得られない虞がある。
本発明のガスバリア性膜は、本発明の目的を損なわない範囲で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、1,4−ブタンジオール・ジアクリレート、ジエチレングリコール・ジアクリレート、テトラエチレングリコール・ジアクリレート、ポリエチレングリコール・ジアクリレート、ヘキサンジオール・ジアクリレート、トリプロピレングリコール・ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、などの不飽和カルボン酸(ジ)エステル化合物、酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物等の単量体あるいは低分子量の化合物が共重合されていてもよい。
また、本発明のガスバリア性膜は、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、澱粉、アラビアガム、メチルセルロース等の水溶性重合体、アクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン等の高分子量の化合物等、滑剤、スリップ剤、アンチ・ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機また有機の充填剤等の各種添加剤が含まれていてもよいし、後述の基材との濡れ性、密着性等を改良するために、各種界面活性剤等が含まれていてもよい。
(ガスバリア性積層体)
本発明のガスバリア性積層体は、基材層の少なくとも片面に、前記本発明のガスバリア性膜が形成されてなる積層体である。
(基材層)
本発明のガスバリア性積層体を形成する基材層は、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂からなるシートまたはフィルム、中空体、カップ、トレー等の種々公知の形状を有するもの、紙、アルミニウム箔等からなる。
熱硬化性樹脂としては、種々公知の熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド等を例示することができる。
熱可塑性樹脂としては、種々公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体もしくはその鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等、延伸性、透明性が良好な熱可塑性樹脂が好ましい。
これら基材層は、ガスバリア性膜との接着性を改良するために、その表面を、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理、フレーム処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。
また、本発明に係る基材層は、少なくとも片面に、前記無機化合物層が形成されていてもよい。
かかる基材層の表面あるいはガスバリア性膜の表面に蒸着される無機化合物としては、蒸着できる無機化合物であればとくに限定はされないが、具体的には、例えば、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)及び珪素(Si)等の金属あるいはこれら金属の酸化物、窒化物、硫化物、リン化物等が挙げられる。これら無機化合物の中でも、酸化物、とくに酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ(酸化珪素)等の酸化物が透明性に優れるので好ましい。
これら無機化合物の蒸着層(D)を基材層(C)表面あるいはガスバリア性膜の表面に形成させる方法としては、化学蒸着(CVD)、低圧CVD及びプラズマCVD等の化学蒸着法、真空蒸着法(反応性真空蒸着)、スパッタリング(反応性スパッタリング)及びイオンプレーティング(反応しイオンプレーティング)等の物理蒸着法(PVD)、低圧プラズマスプレイ及びプラズマスプレイ等のプラズマスプレイ法が例示出来る。
基材層の少なくとも片面に無機化合物層を形成させる場合は、基材層の表面にアンダーコート層を設けることが望ましい。アンダーコート層としては、分子内にビニル基を少なくとも1つ以上有する重合性モノマー、オリゴマーをコートして、紫外線や電子線等による架橋反応によりコート層を形成させるものが好適である。重合性モノマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル等のモノマーが挙げられる。中もで、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、特にウレタン(メタ)アクリレート系のアンダーコート層を設けることが望ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート系化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラク型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物等のエポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られる化合物、更にはこれらの化合物をカルボン酸またはその無水物と反応させて得られる酸変性エポキシ(メタ)アクリレートが例示される。これらのエポキシ(メタ)アクリレート系の化合物は、光重合開始剤及び必要に応じて他の光重合あるいは熱反応性モノマーからなる希釈剤と共に、基材層の表面に塗布され、その後紫外線等を照射して架橋反応によりアンダーコート層が形成される。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるオリゴマーをアクリレート化したものから構成される。
ポリウレタン系オリゴマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの縮合生成物から得ることができる。具体的なポリイソシアネートとしては、メチレン・ビス(p−フェニレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート・ヘキサントリオールの付加体、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体、1,5−ナフチレンジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、エチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート二量体、水添キシリレンジイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェートなどが例示でき、また、具体的なポリオールとしては、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール、ポリアジペートポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリエステル系ポリオール、アクリル酸エステル類とヒドロキシエチルメタアクリレートとのコポリマーなどがある。アクリレートを構成する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどがある。
これらのエポキシ(メタ)アクリレート系化合物、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、必要に応じて、併用される。また、これらを重合させる方法としては、公知の種々の方法、具体的には電離性放射線の照射又は加熱などによる方法があげられる。
これらを紫外線で硬化して使用する場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミフィラベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステルまたはチオキサントン類などを光重合開始剤として、また、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを光増感剤として混合して使用するのが好ましい。本発明では、エポキシ(メタ)アクリレート系化合物とウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、併用することも行われる。
また、これらのエポキシ(メタ)アクリレート系化合物やウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、(メタ)アクリル系モノマーで希釈することが行われる。このような(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、多官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが例示でされる。
中でもアンダーコート層としてウレタン(メタ)アクリレート系化合物を用いた場合は、得られるガスバリア性フィルムの酸素ガスバリア性の改良に寄与する。
これらのアンダーコート層は、通常0.05〜5.0g/mが通常であり、中でも0.1〜3.0g/mが好適である。
また、無機化合物層の表面は、本発明のガスバリア性膜を設ける前に、コロナ処理、グロー放電処理、大気圧プラズマ処理、真空プラズマ放電処理などの前処理をすることが望ましい。中でもコロナ処理が好適である。コロナ処理の条件は、特に限定されないが、例えば放電周波数は、5〜40kHz、中でも10〜30kHz程度を用いることもでき、波形として例えば交流正弦波がある。電極と誘電体ロールとのギャップのクリアランスを0.1〜10ミリメートル、中でも1.0〜2.0ミリメートル程度とし、処理量として0.3〜0.4KV・A・分/m程度とすることもできる。空気中常圧で処理できる点で好適である。
(熱融着層)
本発明のガスバリア性積層体は、その少なくとも片面に、熱融着層を積層することにより、ヒートシール可能な包装用フィルムとして好適な積層フィルムが得られる。かかる熱融着層としては、通常熱融着層として公知のエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル・ペンテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンの単独若しくは共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、ポリブテン、ポリ4−メチル・ペンテン−1、低結晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体等のポリオレフィンを単独若しくは2種以上の組成物、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体あるいはその金属塩、EVAとポリオレフィンとの組成物等から得られる層である。
中でも、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン等のエチレン系重合体から得られる熱融着層が低温ヒートシール性、ヒートシール強度に優れるので好ましい。
<ガスバリア性膜及びガスバリア性積層体の製造方法>
本発明のガスバリア性膜及びガスバリア性積層体の製造方法(以下、ガスバリア層膜等の製造方法ともいう)は、基材層の少なくとも片面にアクリル酸亜鉛(a′)4〜98質量%、好ましくは50〜94質量%、さらに好ましくは70〜90質量%、アクリル酸マグネシウム(b′)1〜48質量%、好ましくは1〜35質量%、さらに好ましくは2〜25質量%、及びアクリル酸リチウム(c′)1〜48質量%、好ましくは1〜35質量%、さらに好ましくは4〜25質量%の範囲で含むアクリル酸多価金属塩混合物〔但し、a′+b′+c′=100質量%とする。〕の溶液を塗布した後、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物を重合することを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法である。
本発明のガスバリア性膜等の製造方法に於いて、基材として前記基材層を用いれば、本発明のガスバリア性積層体が得られる。また、基材として前記基材層、若しくは、ガラス、セラミック、金属等の無機物等あるいはその他の材料を用い、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物を重合して得られる重合体を基材から剥離すれば単層の本発明のガスバリア性膜が得られる。
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物の溶液に用いる溶媒は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール若しくはアセトン、メチルエチルケトン等の有機溶媒あるいはそれらの混合溶媒が挙げられるが、水が最も好ましい。
基材層等の少なくとも片面に不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物の溶液を塗布する方法としては、とくに限定はされず、種々公知の方法を採り得る。具体的には、当該溶液に基材層等を浸漬する方法、当該溶液を基材層等の表面に噴霧する方法に加え、例えば、エアーナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、グラビアオフセット、アークグラビアコーター、グラビアリバースおよびジェットノズル方式等のグラビアコーター、トップフィードリバースコーター、ボトムフィードリバースコーターおよびノズルフィードリバースコーター等のリバースロールコーター、5本ロールコーター、リップコーター、バーコーター、バーリバースコーター、ダイコーター等種々公知の塗工機を用いて、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物の溶液中(固形分)の量で0.05〜10g/m、好ましくは0.1〜5g/mとなるよう塗布すればよい。
なお、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物を溶解させる際に、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物の他に本発明の目的を損なわない範囲で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル化合物、酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物等の単量体あるいは低分子量の化合物、アクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン等の高分子量の化合物(重合体)等を添加してもよい。
また、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物を溶解させる際には、本発明の目的を損わない範囲で、滑剤、スリップ剤、アンチ・ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機また有機の充填剤等の各種添加剤を添加しておいてもよいし、基材層との濡れ性を改良するために、各種界面活性剤等を添加しておいてもよい。
基材層等に塗布した不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物を重合させて重合体とする方法としては、種々公知の方法、具体的には例えば、電離性放射線の照射また加熱等による方法が挙げられる。
電離性放射線を使用する場合は、波長領域が0.0001〜800nmの範囲のエネルギー線であれば特に限定されないが、かかるエネルギー線としては、α線、β線、γ線、X線、可視光線、紫外線、電子線等が挙げられる。これらの電離性放射線の中でも、波長領域が400〜800nmの範囲の可視光線、50〜400nmの範囲の紫外線および0.01〜0.002nmの範囲の電子線が、取り扱いが容易で、装置も普及しているので好ましい。
電離性放射線として可視光線および紫外線を用いる場合は、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物の溶液に光重合開始剤を添加することが必要となる。光重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、2−ヒドロキシ−2メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
商品名;ダロキュアー1173)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー184)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
商品名;イルガキュアー819)、 1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
商品名;イルガキュアー 2959)、 α−ヒドロキシケトン、アシルホスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン及び2,4,6−トリメチルベンゾフェノンの混合物(ランベルティ・ケミカル・スペシャルティ社製
商品名;エサキュアー KT046)、エサキュアー KT55(ランベルティー・ケミカル・スペシャルティ社製)、 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ラムソン・ファイア・ケミカル社製 商品名;スピードキュアTP0)の商品名で製造・販売されているラジカル重合開始剤を挙げることができる。さらに、重合度または重合速度を向上させるため重合促進剤を添加することができ、例えば、N、N−ジメチルアミノ−エチル−(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイル−モルフォリン等が挙げられる。
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物を重合させる際は、溶液が水等の溶媒を含んだ状態で重合させてもよいし、一部乾燥後に重合させてもよいが、塗布した溶液が水等の溶媒を多量に含む場合は、溶液を塗布後直ぐに重合させた際に、得られるガスバリア性膜が白化する場合がある。一方、溶媒(水分)が少なくなるとともに、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩が析出する場合があり、かかる状態で重合を行うと得られるガスバリア性膜の形成が不十分になり、外観が白化したり、得られる膜のガスバリア性が安定しない虞がある。したがって、塗布した不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物を重合させる際には、適度な水分を含んだ状態で重合することが好ましい。
また、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩混合物を重合させる際には、一段階で重合させてもよいし、二段階以上に分けて、即ち、予備重合させた後、本重合させてもよい。
(オーバーコート層)
本発明のガスバリア性積層体を構成する不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体層上にはオーバーコート層を積層してもよい。オーバーコート層を積層することで、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体の膜割れを防ぐ効果がある。オーバーコート層は、分子内にビニル基を少なくとも1つ以上有する重合性モノマー、オリゴマーをコートして、紫外線や電子線等による架橋反応によりコート層を形成させるものが好適である。重合性モノマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル等のモノマーが挙げられる。中もで、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、特にウレタン(メタ)アクリレート系のアンダーコート層を設けることが望ましい。これらのエポキシ(メタ)アクリレート系化合物、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、必要に応じて、併用される。また、これらを重合させる方法としては、公知の種々の方法、具体的には電離性放射線の照射又は加熱などによる方法があげられる。
これらを紫外線で硬化して使用する場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミフィラベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステルまたはチオキサントン類などを光重合開始剤として、また、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを光増感剤として混合して使用するのが好ましい。
本発明のガスバリア性積層体は、熱処理をすることが望ましい。熱処理によって重合体層の水蒸気ガスバリア性を更に向上させることができる。熱処理としては、対流伝熱によるもの(例えばドライヤー、オーブン)、伝導伝熱によるもの(例えば加熱ロール)、輻射伝熱によるもの(例えば赤外線、遠赤外線のヒータ等の電磁波を用いるもの)、内部発熱によるもの(例えばマイクロ波)があげられる。オーブンによる熱処理の場合、フィルム基材の種類にもよるが、通常60℃〜350℃程度で、1分〜5時間程度が通常であり、特に100℃〜200℃、5分〜2時間が望ましい。長尺のガスバリア積層フィルムを連続で加熱する場合は、加熱ロール及び遠赤外線炉による処理が、処理速度が速く有効である。また、これらの熱処理は、減圧下で行ってもよい。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。
実施例及び比較例における物性値等は、以下の評価方法により求めた。
<アクリル酸亜鉛(a′)溶液の作製>
アクリル酸亜鉛(アクリル酸のZn塩)水溶液(浅田化学社製、濃度30重量%(アクリル酸成分:20重量%、Zn成分10重量%))に、メチルアルコールで25重量%に希釈した光重合開始剤〔1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
商品名;イルガキュアー 2959)〕及び界面活性剤(花王社製 商品名;エマルゲン120)をアクリル酸に対して固形分比率でそれぞれ2%及び0.4%添加し、アクリル酸Zn(a′)溶液を作製した。
<アクリル酸マグネシウム(b′)溶液の作製>
アクリル酸マグネシウム(アクリル酸のMg塩)水溶液(浅田化学社製、濃度30重量%(アクリル酸成分:26重量%、Mg成分4重量%))に、メチルアルコールで25重量%に希釈した光重合開始剤〔1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー 2959)〕及び界面活性剤(花王社製 商品名;エマルゲン120)をアクリル酸に対して固形分比率でそれぞれ2%及び0.4%添加し、アクリル酸Mg(b′)溶液を作製した
<アクリル酸リチウム(c′)溶液の作製>
アクリル酸(共栄社化学社製)を水で希釈して25%水溶液を作成した。この水溶液中のアクリル酸のカルボキシル基に対して等モルの水酸化リチウム一水和物(関東化学社製)を添加して、アクリル酸リチウム(アクリル酸のLi塩)水溶液を作製した。
次に、作製したアクリル酸リチウム水溶液に、メチルアルコールで25重量%に希釈した光重合開始剤〔1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
商品名;イルガキュアー 2959)〕及び界面活性剤(花王社製 商品名;エマルゲン120)をアクリル酸に対して固形分比率でそれぞれ2%及び0.4%添加し、アクリル酸Li(c′)溶液を作製した。
<オーバーコート塗剤(d)溶液の作製>
アクリル系UV硬化塗材(三井化学社製 商品名 RA3050)を酢酸エチルで希釈し、固形30重量%酢酸エチル溶液にしたのち、酢酸エチルで30重量%に希釈した光重合開始剤〔2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー 651)〕をアクリル系UV硬化塗材に対して固形分比率4%添加し、オーバーコート塗剤(d)を作製した。
<積層バリアフィルムの作製>
厚さ50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ社製 商品名:T.U.X. FCS)の片面に、エステル系接着剤(ポリエステル系接着剤(三井化学ポリウレタン社製 商品名:タケラックA310):12重量部、イソシアネート系硬化剤(三井化学ポリウレタン社製 商品名:タケネートA3):1重量部及び酢酸エチル:7重量部)を塗布し乾燥後、実施例、比較例で得られたガスバリア性積層フィルムのバリア面と貼り合わせ(ドライラミネート)、多層フィルムを得た。
<評価方法>
水蒸気透過度[g/(m・day)]:上記多層フィルムを無延伸ポリプロピレンフィルムが内面になるように重ねて3方をヒートシールし、袋状にした後、内容物として塩化カルシウムを入れ、もう1方をヒートシールにより、表面積が0.01mになるように袋を作成し、60℃90%R.H.の条件で63時間(初期値)、570時間放置し、その重量差で水蒸気透過度を測定した。
〔実施例1〕
アクリル酸Zn(a′)溶液、アクリル酸Mg(b′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a′)が79質量%、アクリル酸Mg(b′)が9質量%、及びアクリル酸Li(c′)が12質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を得た後、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(商品名;エンブレットPET50、ユニチカ社製)からなる基材フィルムのコロナ処理面に、メイヤーバーを用いて、2.5g/mになるように塗布し、熱風乾燥器を使用して温度;60℃、時間;30秒の条件で乾燥した。この後速やかに塗布面を上にしてステンレス板に固定し、UV照射装置(アイグラフィック社製 EYE GRANDAGE 型式ECS 301G1)を用いて、UV強度:190mW/cm、積算光量:250mJ/cmの条件で紫外線を照射して重合を行った後、得られたガスバリア性積層フィルムを熱板の上に載置して加熱処理した。加熱処理の条件は、熱板の温度200℃、保持時間60分である。得られたガスバリア性積層フィルムを上記記載の方法で評価した。
結果を表1に示す。
〔実施例2〕
アクリル酸Zn(a′)溶液、アクリル酸Mg(b′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a′)が79質量%、アクリル酸Mg(b′)が9質量%、及びアクリル酸Li(c′)が12質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を得た後、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(商品名;エンブレットPET50、ユニチカ社製)からなる基材フィルムのコロナ処理面に、メイヤーバーを用いて、2.5g/mになるように塗布し、熱風乾燥器を使用して温度;60℃、時間;30秒の条件で乾燥した。この後速やかに塗布面を上にしてステンレス板に固定し、UV照射装置(アイグラフィック社製 EYE GRANDAGE 型式ECS 301G1)を用いて、UV強度:190mW/cm、積算光量:250mJ/cmの条件で紫外線を照射して重合を行った。形成したガスバリア重合膜層の上に、オーバーコート塗剤(d)をメイヤーバーで3g/m(固形分)になるように塗布し、60℃、30秒間乾燥した。続いて、コート面にUV照射装置(アイグラフィック社製 EYE GRANDAGE 型式ECS 301G1)を用いて、UV強度:190mW/cm、積算光量:250mJ/cmの条件で紫外線を照射してオーバーコート層の重合を行った。得られたガスバリア性積層フィルムを熱板の上に載置して加熱処理した。加熱処理の条件は、熱板の温度200℃、保持時間60分である。得られたガスバリア性積層フィルムを上記記載の方法で評価した。 結果を表1に示す。
〔実施例3〕
実施例2で用いたアクリル酸多価金属混合物の溶液に替えて、アクリル酸Zn(a′)溶液、アクリル酸Mg(b′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a′)が84質量%、アクリル酸Mg(b′)が4質量%、及びアクリル酸Li(c′)が12質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を用いる以外は実施例2と同様に行い、ガスバリア性積層フィルムを得た。
得られたガスバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す
〔実施例4〕
実施例2で用いたアクリル酸多価金属混合物の溶液に替えて、アクリル酸Zn(a′)溶液、アクリル酸Mg(b′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a′)が87質量%、アクリル酸Mg(b′)が9質量%、及びアクリル酸Li(c′)が4質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を用いる以外は実施例2と同様に行い、ガスバリア性積層フィルムを得た。
得られたガスバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す
〔実施例5〕
実施例2で用いたアクリル酸多価金属混合物の溶液に替えて、アクリル酸Zn(a′)溶液、アクリル酸Mg(b′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a′)が71質量%、アクリル酸Mg(b′)が25質量%、及びアクリル酸Li(c′)が4質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を用いる以外は実施例2と同様に行い、ガスバリア性積層フィルムを得た。
得られたガスバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す
〔比較例1〕
実施例2で用いたアクリル酸多価金属塩混合物の溶液に替えて、アクリル酸Zn(a′)溶液を単独で用いる以外は実施例2と同様に行い、ガスバリア性積層フィルムを得た。
得られたガスバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例2で用いたアクリル酸多価金属混合物の溶液に替えて、アクリル酸Zn(a′)溶液、アクリル酸Mg(b′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a′)が41質量%、アクリル酸Mg(b′)が9質量%、及びアクリル酸Li(c′)が50質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を用いる以外は実施例2と同様に行い、ガスバリア性積層フィルムを得た。
得られたガスバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す
〔比較例3〕
実施例2で用いたアクリル酸多価金属混合物の溶液に替えて、アクリル酸Zn(a′)溶液、アクリル酸Mg(b′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a′)が38質量%、アクリル酸Mg(b′)が50量%、及びアクリル酸Li(c′)が12質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を用いる以外は実施例2と同様に行い、ガスバリア性積層フィルムを得た。
得られたガスバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す
〔比較例4〕
実施例2で用いたアクリル酸多価金属混合物の溶液に替えて、アクリル酸Zn(a′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a′)が88質量%、及びアクリル酸Li(c′)が12質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を用いる以外は実施例2と同様に行い、ガスバリア性積層フィルムを得た。
得られたガスバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す
〔比較例5〕
実施例2で用いたアクリル酸多価金属混合物の溶液に替えて、アクリル酸Zn(a′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a′)が80質量%、及びアクリル酸Li(c′)が20質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を用いる以外は実施例2と同様に行い、ガスバリア性積層フィルムを得た。
〔比較例6〕
実施例2で用いたアクリル酸多価金属混合物の溶液に替えて、アクリル酸Zn(a′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a′)が72.7質量%、及びアクリル酸Li(c′)が27.3質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を用いる以外は実施例2と同様に行い、ガスバリア性積層フィルムを得た。
〔比較例7〕
実施例2で用いたアクリル酸多価金属混合物の溶液に替えて、アクリル酸Zn(a′)溶液、及びアクリル酸Li(c′)溶液を用い、アクリル酸Zn(a)が56.7質量%、及びアクリル酸Li(c′)が42.3質量%になるように混合して、アクリル酸多価金属塩混合物の溶液を用いる以外は実施例2と同様に行い、ガスバリア性積層フィルムを得た。
以上のように、本発明により得られたガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過度は、高湿下においても初期に小さくかつ長時間経過してもその増加が抑制されていることが分かる。
本発明のアクリル酸多価金属塩混合物の重合体からなるガスバリア性膜及びかかるガスバリア性膜を形成してなるガスバリア性積層体は、高湿度下及び低湿度下での水蒸気バリア性に優れているので、かかる特徴を活かして、包装材料、特に高いガスバリア性が要求される内容物の食品包装材料を始め、医療用途、電子材料、工業用途等さまざまな製品の包装材料、あるいは電子材料、精密部品、医薬品等をはじめ、酸素ガスの透過及び湿気を嫌う材料の保護材としても好適に使用し得る。特に、太陽電池のバックシート、有機ELの封止材など電気、電子材料へ利用することができる。



Claims (6)

  1. アクリル酸亜鉛から導かれる単位(a)を4〜98質量%、アクリル酸マグネシウムから導かれる単位(b)を1〜48質量%、及びアクリル酸リチウムから導かれる単位(c)を1〜48質量%含む〔但し、a+b+c=100質量%とする。〕アクリル酸多価金属塩の重合体からなるガスバリア性膜。
  2. 基材層の少なくとも片面に請求項1記載のガスバリア性膜が形成されてなるガスバリア性積層体。
  3. 基材層が、少なくとも片面に無機化合物層が形成されてなる基材層である請求項2記載のガスバリア性積層体。
  4. フィルム基材(A)と無機薄膜層(B)の間にアンダーコート層を有することを特徴とする請求項1または3に記載のガスバリア性積層フィルム
  5. 基材層の少なくとも片面に、アクリル酸亜鉛(a′)4〜98質量%、アクリル酸マグネシウム(b′)1〜48質量%、及びアクリル酸リチウム(c′)1〜48質量%含むアクリル酸多価金属塩混合物〔但し、a′+b′+c′=100質量%とする。〕の溶液を塗布した後、アクリル酸多価金属塩混合物を重合することを特徴とするガスバリア性膜若しくはガスバリア性積層体の製造方法。
  6. 重合後、60〜350℃で1分〜5時間熱処理することを特徴とする請求項5記載のガスバリア性膜若しくはガスバリア性積層体の製造方法。


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