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JP2014151219A - 粉体処理装置、該装置を用いて製造した球形化黒鉛粒子、該球形化黒鉛粒子を含有するリチウムイオン二次電池用負極、及び該負極を備えるリチウムイオン二次電池 - Google Patents

粉体処理装置、該装置を用いて製造した球形化黒鉛粒子、該球形化黒鉛粒子を含有するリチウムイオン二次電池用負極、及び該負極を備えるリチウムイオン二次電池 Download PDF

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JP2014151219A
JP2014151219A JP2013019955A JP2013019955A JP2014151219A JP 2014151219 A JP2014151219 A JP 2014151219A JP 2013019955 A JP2013019955 A JP 2013019955A JP 2013019955 A JP2013019955 A JP 2013019955A JP 2014151219 A JP2014151219 A JP 2014151219A
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spiral
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JP2013019955A
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Naoki Noguchi
直樹 野口
Hisashi Ito
久師 伊藤
Hideto Hidaka
秀人 日高
Shingo Mutsuo
伸吾 六雄
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】微粉の発生を抑制した粉体の効率的な球形化が可能となり、かつ、一度に多くの量の粉体の処理が可能となる、新たな粉体処理装置を提供するものである。
【解決手段】らせん状に形成された流路を有し、該流路を通過することで粉体を球形化する粉体処理装置であって、該流路の断面が矩形であることを特徴とする粉体処理装置により課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、粉体の球形化処理装置に関し、特に黒鉛粒子を球形化するのに適した粉体処理装置に関する。また、該粉体処理装置を用いて製造した球形化黒鉛粒子、該球形化黒鉛粒子を含有するリチウムイオン二次電池用負極、および該負極を備えるリチウムイオン二次電池に関する。
携帯電話、ノートパソコン等のいわゆる携帯電子機器用電源から自動車用等の駆動用車載電源や定置用大型電源等に至るまでの広範な電源として、リチウム二次電池等の非水系電解液二次電池が実用化されつつある。
そして、近年の電子機器の高性能化や駆動用車載電源や定置用大型電源への適用等に伴い、適用される二次電池への要求はますます高まっている。二次電池の電池特性の高性能化、例えば高容量化、高温保存特性、サイクル特性等の向上を高い水準で達成することが求められている。
リチウムイオン二次電池の負極材料としては、多くの場合、コストと耐久性の面で好ましい炭素材料が用いられている。リチウムイオン二次電池を高容量化する方法として、電極密度を高くして、限られた電池容積の中にできるだけ多くの充放電活物質を詰め込む設計がされる。
炭素材料の原料となる天然黒鉛は、鱗片状の粉体であり、炭素材料として用いる際には、電極密度を上げるために球形化処理がされる。球形化処理の方法としては、例えば特許文献1に開示の装置を用いることが提案されている。
また、鱗片状の黒鉛の処理に際し、直線が左右に何回も折れ曲がり、Z字型が連なったような形状の経路を有する装置を用いることが提案されている。このような装置を用いることで、鱗片状の黒鉛粒子の端部が折り曲がることにより略球状とされた球状化天然黒鉛であって、平均円形度が0.899以上であり、球形化天然黒鉛のエッジ面が同一方向に配向している球形化天然黒鉛を得ることができる(特許文献2参照)。
特開2005−066378号公報 特許第4274090号公報
しかしながら、上記の方法では、黒鉛粒子に対して強い衝撃を与えることで球形化を行うことから、鱗片状の黒鉛粒子を粉砕する際に微粉が生じ、その微粉を取り除きながら球形化処理を行うため、原料黒鉛に対する球形化黒鉛の収率(割合)が十分でないという問題がある。
このような収率の問題点に対し、本発明者らは、らせん状の円筒管を備えた球形化装置を用い、該円筒管の内壁に粉体を衝突させることで球形化を行う装置を開発した。
一方、らせん状の円筒管を備えた球形化装置は、収率の改善には十分な効果を奏するも
のの、遠心力を利用して、らせん状の円筒管の内壁に原料を衝突させることで球形化を行うため、一度に球形化処理できる量が限られるという改善点を有する。
本発明は、収率が改善され、且つ一度に多くの粉体を処理可能な、新規な粉体球形化処理装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、らせん状に形成された流路を有する装置であって、該流路の断面形状において、らせん中心から遠方に位置する内壁をらせん径方向に垂直とすることで、微粉の発生を抑制しつつ粉体を効率的に球形化し、かつ、一度に大量に粉体を処理できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の概要は、以下のとおりである。
(1)らせん状に形成された流路を有し、該流路を通過することで粉体を球形化する粉体処理装置であって、該流路は、その断面形状において、らせん中心から遠方に位置する内壁がらせん径方向に垂直であることを特徴とする、粉体処理装置。
(2)円柱状のコア部材、および中心に円柱状の空間を有するシェル部材を有し、該シェル部材は内壁にらせん状の溝を有し、シェル部材の内壁に存在するらせん状の溝とコア部材の外壁との間でらせん状の流路を形成する、または、該コア部材は外壁にらせん状の溝を有し、コア部材の外壁に存在するらせん状の溝とシェル部材の内壁との間でらせん状の流路を形成する、(1)に記載の粉体処理装置。
(3)前記らせん中心から遠方に位置する内壁の表面粗さRaが0.5μm以上、10μm以下である、(1)または(2)に記載の粉体処理装置。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の粉体処理装置を用いた球形化黒鉛の製造方法であって、前記らせん状の流路断面におけるらせん径方向の黒鉛層厚みが、2μm以下となるように原料黒鉛を投入する、球形化黒鉛の製造方法。
(5)(4)に記載の製造方法により製造される、球形化黒鉛。
(6)集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備えるリチウムイオン二次電池用負極であって、該活物質層が、(5)に記載の球形化黒鉛粒子を含有する、リチウムイオン二次電池用負極。
(7)リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えるリチウムイオン電池であって、該負極が(6)に記載のリチウムイオン二次電池用負極である、リチウムイオン電池。
本発明は新たな粉体処理装置を提供するものである。微粉の発生を抑制した粉体の球形化が可能となり、かつ、一度に多くの量の粉体の処理が可能となる。特に、黒鉛の球形化に好適に用いられ、効率的な黒鉛の球形化処理が可能となる。
(a)らせん状の流路が円筒管により形成された実施態様、及び(b)らせん状の流路が矩形である実施態様、における流路を示す模式図である。 本発明の実施態様に係るスクリュー管を表す模式図である。 本発明の実施態様に係るスクリュー管を構成する各部材を表す模式図である。 本発明の実施態様に係る粉体処理装置を示す模式図である。 本発明の実施態様に係る粉体処理装置を示す模式図である。 実験例において球形化処理された黒鉛粒子のSEM画像を表す(図面代用写真)。
本発明の実施態様に係る粉体処理装置は、らせん状に形成された流路を有し、該流路を通過することで粉体を球形化する粉体処理装置であって、該流路の断面形状において、らせん中心から遠方に位置する内壁が、らせん径方向に垂直であることを特徴とする粉体処理装置である。本実施態様に係る粉体処理装置が有する流路は、円筒内壁に備えられたガイド部材や、円筒内壁に設けられた矩形状の溝などのみにより形成された、その一部がオープンとなっている流路であってもよく、矩形の断面を有する管を用いたり、オープンな流路に他の部材を組み合わせて蓋をすることで、周囲を内壁に囲まれたクローズドな流路としてもよい。
オープンな流路に他の部材を組み合わせる場合には、流路と他の部材との間に間隙を有してもよく、該間隙を有する場合には、通常10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.1mm以下である。
従来使用されていた粉体の球形化装置では、黒鉛粒子に対して強い衝撃を与えることで球形化を行うことから、鱗片状の黒鉛粒子を粉砕する際に微粉が生じ、その微粉を取り除きながら球形化処理を行うため、収率が十分でないという問題がある。このような収率の問題点に対し、本発明者らは、らせん状に形成された円筒管を備えた球形化装置を用い、該円筒管の内壁に粉体を衝突させることで球形化を行う装置を開発している。
一方、らせん状に形成された円筒管を備えた球形化装置は、収率の改善には十分な効果を奏するものの、遠心力を利用して、らせん状に形成された円筒管の内壁に原料を衝突させることで球形化を行うため、一度に球形化処理できる量が限られるという改善点を有する。
この点について図1を用いて説明する。
図1は、粉体処理装置の流路を表す模式図である。図1(a)はらせん状の円筒管1により形成された流路を示すが、該流路においては、粉体を球形化処理すべく円筒管1に導入すると、粉体(例えば黒鉛粒子2)は遠心力によりらせん中心から遠方の内壁側に偏って流れる。そうすると、円筒管の内壁との衝突可能な面積が非常に小さくなり、一度に球形化処理できる粉体量が非常に少ない。
一方で、図1(b)はらせん状の流路の断面を矩形にした流路を示す。この断面形状は、らせん中心から遠方に位置する内壁4が、らせん径方向に垂直である。該矩形流路3においては、粉体(例えば黒鉛粒子2)を球形化処理すべく矩形流路3に導入すると、粉体は遠心力によりらせん中心から遠方の内壁4に偏って流れるが、流路の断面が矩形であって、らせん中心から遠方に位置する内壁が、らせん径方向に垂直であるため、内壁との衝突可能な面積が円筒管の球形化装置と比較して広く、一度に球形化処理できる粉体量が多い。
このような、らせん状に形成された流路は、粉体が遠心力によりらせん中心から遠方の内壁に偏って流れる流路を形成すれば特に制限はないが、好ましくは、金属や合金により製造した矩形管をらせん状に形成する方法や、複数の部材を組み合わせて矩形流路を形成する方法により得られる。なお、本実施態様においては、必ずしも矩形流路である必要はなく、流路の断面形状において、らせん中心から遠方に位置する内壁が、らせん径方向に垂直であればよく、断面が台形などの形状であってもよい。複数の部材を組み合わせて矩形流路を形成する方法としては、円柱状のコア部材、および中心に円柱状の空間を有するシェル部材を準備し、該シェル部材は内壁にらせん状の溝を有し、シェル部材の内壁に存在するらせん状の溝とコア部材の外壁との間でらせん状の流路を形成する方法によっても得られる。該コア部材の外壁と該シェル部材の内壁は、密着してもよく、また、間隙を有してもよい。間隙を有する場合には、黒鉛粒子が流路を通過する際に落下しない程度であることが好ましく、例えば、10mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.1mm以下である。間隙を有しない、クローズドであることが特に好ましい。
また、該コア部材は外壁にらせん状の溝を有し、該コア部材の外壁と該シェル部材の内
壁が、黒鉛粒子が流路を通過する際に落下しない程度にて密着することで、コア部材の外壁に存在するらせん状の溝とシェル部材の内壁との間でらせん状の流路を形成する方法によっても得られる。この場合には、シェル部材の内壁に粉体が衝突することから、シェル部材とコア部材との間に間隙を有しないことが好ましい。
コア部材、シェル部材により流路を形成する方法によると、溝の幅の調整、溝の内壁の粗さの調整等が容易である。
らせん状に形成された矩形の流路の具体例として、コア部材、シェル部材からなる矩形の流路について図2および3を用いて説明する。
図2は、らせん状に形成された矩形の流路を有するスクリュー管10を示す。スクリュー管10は、内壁にらせん状の溝13を有しかつ円柱状の空間を有するシェル部材12と、円柱状のコア部材11を有する。シェル部材11、コア部材12ともに炭素鋼からなるが、金属や合金であれば材質は特段限定されない。円柱状のコア部材11はシェル部材12が有する円柱状の空間に密着可能に設計され、らせん状の溝13とコア部材11の外壁との間で矩形流路3を形成する。コア部材11とシェル部材12の間には、黒鉛粒子が流路を通過する際に落下しない程度に間隙があってもよい。
シェル部材12の内壁にらせん状の溝13を形成するが、らせん状の溝13は通常の金属加工の手法により形成すれば良い。流路の幅、大きさは、らせん状の溝13を形成する際に、適宜大きさを調整することができる。
本実施態様では、矩形流路の内壁のうち、らせん中心から遠方に位置する内壁の表面粗さが0.5μm以上、10μm以下であることが好ましい。らせん中心から遠方に位置する内壁とは、矩形の流路の内壁のうち、遠心力により粉体が衝突する内壁であり、図1(b)でいうところの内壁4をいう。
当該内壁の表面粗さを上記範囲とすることで、粉体の球形化効率が向上するとともに、少ないガス流量であっても、球形化が進行し易い。より好ましくは2μm以上であり、8μm以下である。
なお、表面粗さはJIS B0601に準じて測定する。
また、表面粗さを大きくするためには、溝を金属やすりなどで摺動する方法、酸洗浄する方法、金属などを溶射する方法、などがあげられる。特に、溝をタングステンカーバイド(WC)で溶射することで、適切な表面粗さになることに加え、粉体の衝突に起因する溝のエロージョンを抑制することができ、好ましい。
本実施態様では、矩形の流路の大きさは特段限定されず、圧力損失との兼ね合いで適宜設定すれば良い。図1(b)において、矢印5aで示す幅が、らせん径方向の流路幅であり、矢印6aで示す幅が、らせん進行方向の流路幅である。らせん径方向の流路幅5aが小さいと圧損は大きくなるため、圧損を小さくする必要がある場合には5aを大きくすればよい。
本実施態様において、球形化装置への粉体の投入量は、粉体が黒鉛粒子である場合、流路の径の大きさにもよるが、通常5g/min以上、500g/min以下である。らせん状の円筒管を備えた粉体処理装置においては、流路の径の大きさにもよるが、円筒管の内壁を有効に利用することが難しいため、5g/min以上の黒鉛投入量の場合には、十分に球形化処理が行われなかった。本実施態様の球形化装置は、一度に多くの量の黒鉛を処理することが可能であり、10g/min以上の投入量が好ましく、20g/min以上の投入量がより好ましい。また、200g/min以下の投入量が好ましく、100g/min以下の投入量がより好ましい。
黒鉛粒子の投入量の目安としては、らせん状の流路断面におけるらせん径方向の黒鉛層厚みが2μm以下となるように、原料黒鉛を投入することが好ましい。黒鉛層の厚みが2
μm以下である場合には、投入した黒鉛を効率良く、満遍なく球形化に供することができる。好ましくは1μm以下である。
らせん状の流路断面におけるらせん径方向の黒鉛層厚みは、図1(b)における矢印2aで示され、以下の式により計算される。
黒鉛層厚み(μm)=黒鉛供給量(g/min)/Air流量(cm/min)×5a(cm)/密度(g/cm)×10(μm/cm)
また、粉体が黒鉛粒子の場合、ガス流量は流路の径の大きさにもよるが、通常50L/min以上、好ましくは70L/min以上、より好ましくは90L/min以上である。また通常、300L/min以下、好ましくは250L/min以下、より好ましくは200L/min以下である。
また、ガス流速は、入口の流速は通常10m/s以上、好ましくは20m/sであり、通常200m/s以下、好ましくは100m/s以下である。出口の流速は通常10m/s以上、好ましくは20m/s以上であり、通常250m/s以下、好ましくは200m/s以下である。
黒鉛粒子と共に流入するガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活化ガスや、空気などがあげられる。ガス流速の調整は、加圧ポンプや真空ポンプにより圧力を調整することで行うことができる。
本実施態様に係る球形化処理装置はらせん状に形成された流路を有するが、流路がらせん状に形成されることで、粉体を収率良く球形化することができる。流路がらせん状に形成されることで、粉体が内壁と衝突する際に、垂直から遠い角度(浅い角度)で衝突する。すなわち、内壁に対して垂直に衝突することなく、また、垂直に近い角度(深い角度)で衝突することもない。このように浅い角度で衝突することで、粉体が砕けることなく折れ曲がりやすくなり、微粉の発生も抑制される。このようならせん状に形成された流路を有することで、微粉の発生量を抑制した球形化が可能となる。
らせん形状としては、らせん形状の流路の長さが通常1m以上、好ましくは3m以上であり、通常50m以下、好ましくは30m以下である。
また、らせん形状におけるらせん巻回数は、通常2回以上、好ましくは5回以上であり、通常100回以下、好ましくは50回以下である。
加えて、らせん形状におけるらせん巻径は、通常50mm以上、好ましくは100mm以上であり、通常5000mm以下、好ましくは3000mm以下である。
本実施態様における球形化処理装置を用いた球形化処理において、粉体を所望の球形化度とするために、複数回処理を行っても良い。処理回数は、粉体の種類、流路の表面粗さ、流路の長さなどにもよるが、鱗片状黒鉛を球形化する場合、通常2回以上、好ましくは3回以上であり、通常20回以下、好ましくは10回以下である。
本実施態様の製造装置により鱗片状黒鉛を球形化する場合、高い収率で球形化黒鉛が得られる。本実施態様の製造装置により、黒鉛粒子の場合、80%以上の収率を達成することが可能となり、好ましくは85%以上の収率であり、より好ましくは90%以上の収率である。
以下、本実施態様に係る球形化処理装置の一例として、図2に示すスクリュー管を備えた球形化処理装置について図4により説明する。
図4−1は、スクリュー管10を備えた黒鉛球形化処理装置100の模式図である。フィーダー31内にはホッパー92より鱗片状黒鉛が充填される。加圧ポンプ21より装置内が加圧されることで気流が発生し、フィーダー31内の鱗片状黒鉛が配管41からスクリュー管10に供給される。スクリュー管10に供給された鱗片状黒鉛は、らせん状に形
成された矩形の流路を通過し、折りたたまれて球形化される。球形化された黒鉛粒子は、サイクロン51で固気分離され、回収容器32で回収される。回収された黒鉛粒子は、リチウムイオン二次電池の負極用材料として好適な球形化黒鉛粒子となる。
図4−2もまた、スクリュー管10を備えた黒鉛球形化処理装置101の模式図である。フィーダー31内にはホッパー92より鱗片状黒鉛が充填される。ブロワ53により装置内が減圧されて気流が発生し、フィーダー31内の鱗片状黒鉛が配管41からスクリュー管10に供給される。スクリュー管10に供給された鱗片状黒鉛は、らせん状に形成された矩形の流路を通過し、折りたたまれて球形化される。球形化された黒鉛粒子は、サイクロン51で固気分離され、回収容器32で回収される。回収された黒鉛粒子は、リチウムイオン二次電池の負極用材料として好適な球形化黒鉛粒子となる。
以下、本実施態様の製造装置により得られた球形化黒鉛の好ましい物性を示す。
<比表面積(SA)>
本実施態様の製造装置により得られた球形化黒鉛は、BET比表面積(SA)が1m/g以上、好ましくは3m/g以上、より好ましくは5m/g以上である。また、50m/g以下、好ましくは20m/g以下、より好ましくは10m/g以下である。
BET比表面積(SA)は、日本ベル社製比表面積測定装置「Belsorp min
i」を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET多点法にて測定した。具体的には、試料(黒鉛粒子)約1.0gをセルに充填し、350℃に加熱して前処理を行った後、液体窒素温度まで冷却して、窒素30%、He70%のガスを飽和吸着させ、その後室温まで加熱して脱着したガス量を計測し、得られた結果から、通常のBET法により比表面積を算出した。
<ピーク強度の比Rc>
本実施態様の製造装置により得られた球形化黒鉛は、広角X線回折測定により得られる格子面(110)と(004)に対応するピーク強度の比Rc(=I(110)/I(004))が、通常0.05以上、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.20以上である。上限は特段限定されないが、通常0.30以下である。上記範囲である場合、球形化黒鉛の球形化度が高く、良好な電池性能を発揮し得る。
黒鉛のRc(=I(110)/I(004))は、以下のとおり算出した。黒鉛0.5gを加圧セルに入れ、600Kgf/cmで5秒間加圧し、ペレット状に成型した試料について、X線回折により試料上のX線回折により試料上の黒鉛の(110)面と(004)面とのチャートを測定し、測定したチャートについて、プロファイル関数として非対称ピアソンVIIを用いて、フィッティングすることによりピーク分離を行い、(110)面と(004)面のピークの積分強度を算出した。得られた積分強度からI(110)/I(004)で表される強度比を算出し、Rcとした。
<タップ密度>
本実施態様の製造装置により得られた球形化黒鉛は、タップ密度が通常0.75g/cm以上、好ましくは0.80g/cm以上であり、通常1.10g/cm以下であり、好ましくは1.05g/cm以下である。
タップ密度は、粉体密度測定器である(株)粉体密度測定器である(株)セイシン企業社製「タップデンサーKYT−4000」を用い、直径1.6cm、体積容量20cmの円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して、球形化黒鉛を落下させて、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行なって、その時の体
積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
<平均粒径>
本実施態様の製造装置により得られた球形化黒鉛は、体積基準平均粒径(d50)が通常3μm以上、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましい。また通常50μm以下であり、40μm以下であることが好ましく、35μm以下であることがより好ましい。
球形化黒鉛の体積基準平均粒径(d50)は、界面活性剤を添加した水溶液10mLに、黒鉛0.5gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「島津製作所製SALD−2000J」に導入し、装置内蔵の超音波を照射しながら、測定装置における体積基準のメジアン径として測定したものを、球形化黒鉛の体積基準平均粒径(d50)と定義する。
<アスペクト比>
本実施態様の製造装置により得られた球形化黒鉛は、アスペクト比が通常10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。アスペクト比が大きすぎると、粒子形状が球状や楕円形ではなく、円盤状、板状になっていき、鱗片状黒鉛に近いものになる。一方アスペクト比が小さくなると、粒子形状が楕円形、球形に近い状態になり、電極にした時の粒子間の空隙の連続性が確保されリチウムイオンの移動性が高まり、急速充放電特性に優れた傾向を示す。なお、アスペクト比は、粒子の短径に対する長径の長さの比であり、最小値は1となるので、アスペクト比の下限は通常1である。
なお、アスペクト比の測定は以下のように行う。球形化黒鉛を電子顕微鏡で写真撮影し、任意に選んだ領域内の20個の粒子について、それぞれの粒子の最長径をa(μm)、最短径をb(μm)としてa/bを求め、a/bの20個の粒子の平均値をアスペクト比とする。
<d002、及びLc>
本実施態様の製造装置により得られた球形化黒鉛は、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が通常0.337nm以下である。d002値が大きすぎるということは結晶性が低いことを示し、初期不可逆容量が増加する場合がある。一方黒鉛の002面の面間隔の理論値は0.335nmであるため、通常0.335nm以上である。
また、球形化黒鉛のX線広角回折法によるLcは通常90nm以上、好ましくは95nm以上である。Lcは小さすぎると結晶性が低くなることを示しており、やはり不可逆容量の増加による容量低下をまねく傾向がある。
d002及びLcの測定は以下のように行った。球形化黒鉛に約15%のX線標準高純度シリコン粉末を加えて混合したものを材料とし、グラファイトモノクロメーターで単色化したCuKα線を線源とし、反射式ディフラクトメーター法で広角X線回折曲線を測定し、学振法を用いて面間隔(d002)及び結晶子の大きさ(Lc)を求めた。
本実施態様に係る粉体処理装置に鱗片状黒鉛を投入する場合、鱗片状黒鉛は、通常リチウムイオン二次電池の負極用原料として用いられるであれば特段限定されないが、以下に好ましい物性値を示す。
(1)002面の面間隔(d002)及びLc
鱗片状黒鉛のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)は、通常3.37Å以下でLcが900Å以上であり、002面の面間隔(d002)が3.36Å以下でLcが950Å以上であることが好ましい。面間隔(d002)及び結晶子の大きさ(Lc)は、負極材バルクの結晶性を示す値であり、(002)面の面間隔(d002)の値が小さいほど、また結晶子の大きさ(Lc)が大きいほど、結晶性が高い負極材であることを示
し、黒鉛層間に入るリチウムの量が理論値に近づくので容量が増加する。結晶性が低いと高結晶性黒鉛を電極に用いた場合の優れた電池特性(高容量で、且つ不可逆容量が低い)が発現されない。面間隔(d002)と結晶子サイズ(Lc)は、上記範囲が組み合わされていることが特に好ましい。X線回折は、上記球形化黒鉛と同様の方法を用いて測定することができる。
(2)タップ密度
粉体粒子の充填構造は、粒子の大きさ、形状、粒子間相互作用力の程度等によって左右されるが、本明細書では充填構造を定量的に議論する指標の一つとしてタップ密度を適用することも可能である。本発明者らの検討では、真密度と平均粒径がほぼ等しい鉛質粒子では、形状が球状であるほど、タップ密度が高い値を示すことが確認されている。すなわち、タップ密度を上げるためには、粒子の形状に丸みを帯びさせ、球状に近づけることが重要である。粒子形状が球状に近づけば、粉体の充填性も大きく向上する。鱗片状黒鉛のタップ密度は、通常0.1g/cm以上であり、0.2g/cm以上であることが好ましく、0.3g/cm以上がより好ましい。タップ密度は、上記球形化黒鉛と同様の方法を用いて測定することができる。
(3)ラマンR値
アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルは粒子の表面の性状を現す指標として利用されている。鱗片状黒鉛のアルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1付近のピーク強度に対する1360cm−1付近のピーク強度比であるラマンR値は通常0.05以上0.9以下であり、0.05以上0.7以下であることが好ましく、0.05以上0.5以下であることがより好ましい。R値は炭素粒子の表面近傍(粒子表面から100Å位まで)の結晶性を表す指標であり、R値が小さいほど結晶性が高い、あるいは結晶状態が乱れていないことを示す。ラマンスペクトルは以下に示す方法により測定する。具体的には、測定対象粒子をラマン分光器測定セル内へ自然落下させることで試料充填し、測定セル内にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、測定セルをこのレーザー光と垂直な面内で回転させながら測定を行なう。なお、アルゴンイオンレーザー光の波長は514.5nmとする。
(4)3R/2H
鱗片状黒鉛のX線広角回折法は、粒子全体の結晶性を表す指標として用いられる。鱗片状黒鉛は、X線広角回折法による菱面体結晶構造に基づく101面の強度3R(101)と六方晶結晶構造に基づく101面の強度2H(101)との比3R/2Hが通常0.1以上、0.15以上であることが好ましく、0.2以上であることが更に好ましい。菱面体結晶構造とは、黒鉛の網面構造の積み重なりが3層おきに繰り返される結晶形態である。また、六方晶結晶構造とはとは黒鉛の網面構造の積み重なりが2層おきに繰り返される結晶形態である。菱面体結晶構造3Rの比率の多い結晶形態を示す鱗片状黒鉛の場合、菱面体結晶構造3Rの比率の少ない黒鉛粒子に比べLiイオンの受け入れ性が高い。
(5)BET比表面積
鱗片状黒鉛のBET法による比表面積は通常1m/g以上30m/g以下、2m/g以上15m/g以下であることが好ましく、5m/g以上10m/g以下であることがより好ましい。鱗片状黒鉛の比表面積が小さすぎると、Liイオンの受け入れ性が悪くなり、大きすぎると不可逆容量の増加による電池容量の減少を防ぐことができない傾向がある。BET比表面積は、上記球形化黒鉛と同様の方法を用いて測定することができる。
(6)細孔容量
鱗片状黒鉛の水銀圧入法による10nm〜100000nmの範囲の細孔容量は、通常
0.3ml/g以上、0.4ml/g以上が好ましく、0.5ml/g以上であることがより好ましい。細孔容量が小さすぎると、Liイオンの出入りの面積が小さくなり電池性能が悪化する傾向がある。細孔容量は以下に示す方法により測定する。水銀ポロシメトリー用の装置として、水銀ポロシメータを用いる。試料(負極材)を、室温、真空下にて脱気して前処理を実施する。引き続き、減圧下で水銀を導入し、ステップ状に昇圧させ、水銀圧入量を測定する。こうして得られた水銀圧入曲線からWashburnの式を用い、細孔分布、及び細孔容量を算出する。
(7)平均粒径
鱗片状黒鉛の平均粒径(d50)は通常5μm以上、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上、また、通常500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下である。平均粒径が小さすぎると、比表面積が大きくなることによる不可逆容量の増加を防ぐことができない傾向がある。また、平均粒径が大きすぎると、電解液と鱗片状黒鉛の粒子との接触面積が減ることによる急速充放電性の低下を防ぐことができない傾向がある。体積基準平均粒径(d50)は、上記球形化黒鉛と同様の方法を用いて測定することができる。
(8)アスペクト比
鱗片状黒鉛のアスペクト比は通常3以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上である。また、通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは50以下である。アスペクト比が大きすぎると粒径が100μm程度の大きな粒子ができやすい傾向があり、小さすぎる粒子は、一方向からの加圧をした際に接触面積が小さいため、強固な造粒体が形成されない傾向があり、また粒子を造粒しても鱗片状黒鉛の小さい比表面積が反映して、比表面積が30m/gを超える造粒体となる傾向がある。アスペクト比は、上記球形化黒鉛と同様の方法を用いて測定することができる。
鱗片状黒鉛は、製造方法について特に限定されない。鉱石として天然に産出する鱗片状黒鉛をそのまま原料として用いても良い。鱗片状黒鉛は、中国、ブラジル、マダガスカル、ジンバブエ、インド、スリランカ、メキシコ、朝鮮半島など世界中で産出される。産地によって性状が少しずつ異なるが、本実施態様で用いる鱗片状黒鉛は、産地や性状、種類は特に制限されない。
本実施態様の製造装置により得られた球形化黒鉛がリチウムイオン二次電池用負極を製造するための炭素材料として用いられる際には、複層構造炭素材料として用いてもよいし、又は、他の複層構造炭素材料と共に用いてもよい。
複層構造炭素材料は、黒鉛粒子の表面に炭素が被覆された炭素材料である。複層構造炭素材料は、黒鉛粒子に石油系や石炭系のタールやピッチ、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル、フェノール樹脂、セルロース等の樹脂を必要により溶媒等を使い混合し、非酸化性雰囲気で500℃〜2500℃、好ましくは700℃〜2000℃、より好ましくは800〜1500℃で焼成することで得られる。焼成後必要により粉砕分級を行うこともある。黒鉛粒子を被覆している非晶質炭素の量である被覆率は、通常0.1〜20%の範囲、好ましくは0.2〜15%の範囲、より好ましくは0.4〜10%の範囲である。被覆非晶質炭素量が少なすぎると非晶質炭素の持つLiイオンの高受けいれ性を充分利用することができず、急速充電性が低くなってしまう。被覆非晶質炭素の量が多いと非晶質炭素量の持つ不可逆容量の大きさの影響が大きくなり、結果容量が小さくなる傾向がある。
本発明の別の実施態様は、集電体と、該集電体上に形成された活物質層を備え、該活物質が、上記黒鉛粒子を含有するリチウムイオン二次電池用負極である。
本実施態様に係る製造方法により得られた黒鉛粒子を用いて負極を作製するには、黒鉛粒子を含む負極材料に結着樹脂を配合したものを水性若しくは、有機系溶剤でスラリーとし、必要によりこれに増粘材を加えて集電体に塗布し、乾燥すればよい。結着樹脂としては、非水電解液に対して安定で、かつ非水溶性のものを用いるのが好ましい。例えばスチレン、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン・プロピレンゴム等のゴム状高分子;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド等の合成樹脂;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体やその水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン、スチレン共重合体、スチレン・イソプレン、スチレンブロック共重合体やその水素化物等の熱可塑性エラストマー;シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体等の軟質樹脂状高分子;ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニデンフルオライド、ポリペンタフルオロプロピレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素化高分子などを用いることができる。有機系媒体としては、例えばN−メチルピロリドンや、ジメチルホルムアミドを挙げることができる。
結着樹脂は負極材料100質量部に対して通常は0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上用いる。結着樹脂の割合が小さすぎると、負極材料相互間や負極材料と集電体との結着力が弱く、負極から負極材料が剥離して電池容量が減少したリサイクル特性が悪化したりする。逆に結着樹脂の割合が大きすぎると負極の容量が減少し、かつリチウムイオンの負極材料への出入が妨げられるなどの問題が生ずる。従って結着樹脂は負極材料100質量部に対して多くても10質量部、通常は7質量部以下となるように用いるのが好ましい。
スラリーに添加する増粘材としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース類やポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等を用いればよい。なかでも好ましいのはカルボキシメチルセルロースである。増粘材は負極材料100質量部に対して通常は0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上、通常10質量部以下、好ましくは7質量部以下となるように用いる。
負極集電体としては従来からこの用途に用い得ることが知られている銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素などを用いればよい。集電体の形状は通常はシート状であり、その表面に凹凸をつけたものや、ネット、パンチングメタルなどを用いるものも好ましい。
集電体に負極材料と結着樹脂のスラリーを塗布・乾燥したのちは、加圧して集電体上に形成された電極の密度を大きくし、もって負極層単位体積当たりの電池容量を大きくするのが好ましい。電極の密度は通常1.2g/cm以上、好ましくは1.3g/cm以上、また、通常1.9g/cm以下、好ましくは1.8g/cm以下である。電極密
度が小さすぎると、電極の厚みが大きくなり、一定サイズの電池の中に収めることのできる量が減ることで、電池の容量が小さくなってしまう。電極密度が大きすぎると、電極内の粒子間空隙が減少し、空隙に保持される電解液量が減り、Liイオンの移動性が悪くなることで、急速充放電特性が小さくなる。
本発明の別の実施態様は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解液を備えると共に、該負極が上記負極である、リチウムイオン二次電池である。
本実施態様に係るリチウムイオン二次電池は、上記の負極を用いる以外は、常法に従って作成することができる。正極材料としては基本組成がLiCoOで表されるリチウムコバルト複合酸化物、LiNiOで表されるリチウムニッケル複合酸化物、LiMnOやLiMnで表されるリチウムマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物、二酸化マンガン等の遷移金属酸化物、及びこれらの複合酸化物混合物、さらにはTiS、FeS、Nb、Mo、CoS、V、CrO、V
、FeO、GeO、LiNi0.33Mn0.33Co0.33等を用いればよい。これらの正極材料に結着樹脂を配合したものを適当な溶媒でスラリー化して集電体に塗布・乾燥することにより正極を作製できる。なおスラリー中にはアセチレンブラックやケッチェンブラック等の導電材を含有させるのが好ましい。また所望により増粘材を含有させてもよい。増粘材や結着樹脂としてはこの用途に周知のもの、例えば負極の作成に用いるものとして例示したものを用いればよい。正極材料100質量部に対する配合比率は、導電材は通常0.5質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常20質量部以下、好ましくは15質量部以下である。増粘材は通常0.2質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、また、通常10質量部以下、好ましくは7質量部以下である。結着樹脂は水でスラリー化するときは通常0.2質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、また、通常10質量部以下、好ましくは7質量部以下であり、N−メチルピロリドンなどの結着樹脂を溶解する有機溶媒でスラリー化するときには通常0.5質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常20質量部以下、好ましくは15質量部以下である。正極集電体としては、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタルなどやこれらの合金を用いればよい。なかでもアルミニウム、チタン、タンタルやその合金を用いるのが好ましく、アルミニウムないしはその合金を用いるのが最も好ましい。
電解液も従来周知の非水溶媒に種々のリチウム塩を溶解させたものを用いることができる。非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル、クラウンエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテルなどを用いればよい。通常はこれらをいくつか併用する。なかでも環状カーボネートと鎖状カーボネート、又はこれに更に他の溶媒を併用するのが好ましい。
またビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、無水コハク酸、無水マレイン酸、プロパンスルトン、ジエチルスルホン等の化合物やジフルオロリン酸リチウムのようなジフルオロリン酸塩等が添加されていても良い。更に、ジフェニルエーテル、シクロヘキシルベンゼン等の過充電防止剤が添加されていても良い。
非水溶媒に溶解させる電解質としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSOなどを用いればよい。電解液中の電解質の濃度は通常は0.5モル/リットル以上、好ましくは0.6モル/リットル以上、また、通常2モル/リットル以下、好ましくは1.5モル/リットル以下である。
正極と負極との間に介在させるセパレータには、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンの多孔性シートや不織布を用いるのが好ましい。
本実施態様に係るリチウムイオン二次電池は、負極/正極の容量比を1.01以上、1.5以下に設計することが好ましく1.2以上、1.4以下に設計することがより好ましい。
以下、実験例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲が実験例の態様にのみに限定されないことはいうまでもない。
<実験例>
らせん径方向の流路幅が4mm、らせん軸進行方向の流路幅が10mm、4.5巻回(流路長さ約1.4m)とした、図2に示す形状のスクリュー管を作製した。作製したスク
リュー管を配管に接続し、図4−2に示す黒鉛球形化処理装置を作製した。球形化処理装置の流路の、らせん中心から遠方に位置する内壁の表面には、タングステンカーバイド(WC)溶射を行い、表面粗さRaを5〜6μmとした。
該黒鉛球形化処理装置に、鱗片状黒鉛(粒径(d50)46μm、SA:5m/g、タップ密度:0.55g/cm)を投入し、そのフィード量、及びAir流量を変化させて、球形化処理を行った。なお、球形化処理はすべての条件において5回行った。
(実験例1)
黒鉛投入量20g/min、Air流量133L/min(スクリュー管入口の流速56m/s、スクリュー管出口の流速82m/s)、黒鉛層厚み0.6μm
(実験例2)
黒鉛投入量20g/min、Air流量100L/min(スクリュー管入口の流速42m/s、スクリュー管出口の流速47m/s)、黒鉛層厚み0.8μm
(実験例3)
黒鉛投入量20g/min、Air流量67L/min(スクリュー管入口の流速28m/s、スクリュー管出口の流速30m/s)、黒鉛層厚み1.2μm
(実験例4)
黒鉛投入量50g/min、Air流量200L/min(スクリュー管入口の流速83m/s、スクリュー管出口の流速153m/s)、黒鉛層厚み1.0μm
(実験例5)
黒鉛投入量50g/min、Air流量133L/min(スクリュー管入口の流速56m/s、スクリュー管出口の流速82m/s)、黒鉛層厚み1.5μm
(実験例6)
黒鉛投入量50g/min、Air流量100L/min(スクリュー管入口の流速42m/s、スクリュー管出口の流速47m/s)、黒鉛層厚み2.0μm
(実験例7)
黒鉛投入量100g/min、Air流量200L/min(スクリュー管入口の流速83m/s、スクリュー管出口の流速153m/s)、黒鉛層厚み2.0μm
(実験例8)
黒鉛投入量100g/min、Air流量133L/min(スクリュー管入口の流速56m/s、スクリュー管出口の流速82m/s)、黒鉛層厚み3.0μm
(実験例9)
黒鉛投入量100g/min、Air流量100L/min(スクリュー管入口の流速42m/s、スクリュー管出口の流速47m/s)、黒鉛層厚み4.0μm
(実験例10)
黒鉛投入量500g/min、Air流量200L/min(スクリュー管入口の流速83m/s、スクリュー管出口の流速153m/s)、黒鉛層厚み10.0μm
(実験例11)
黒鉛投入量500g/min、Air流量133L/min(スクリュー管入口の流速56m/s、スクリュー管出口の流速82m/s)、黒鉛層厚み15.0μm
実験例1〜11により得られた黒鉛粒子のSEM画像を図5に示す。図5より、本実施態様に係る球形化装置により、一度に多量の黒鉛粒子の球形化を行うことができると理解される。
1 円筒管
2 黒鉛粒子
2a 黒鉛層厚み
3 矩形流路
4 らせん中心から遠方の内壁
5 らせん径方向
5a らせん径方向流路幅
6 らせん軸方向
6a らせん軸方向流路幅
10 スクリュー管
11 コア部材
12 シェル部材
13 溝
14 蓋
15 投入口
16 排出口
100、101 黒鉛球形化処理装置
21 加圧ポンプ
31 フィーダー
32 回収容器
41 配管
51 サイクロン
52 フィルター
53 ブロワ
81 バルブ
82 ストップバルブ
91 圧力計
92 ホッパー

Claims (7)

  1. らせん状に形成された流路を有し、該流路を通過することで粉体を球形化する粉体処理装置であって、該流路は、その断面形状において、らせん中心から遠方に位置する内壁が、らせん径方向に垂直であることを特徴とする、粉体処理装置。
  2. 円柱状のコア部材、および中心に円柱状の空間を有するシェル部材を有し、
    該シェル部材は内壁にらせん状の溝を有し、シェル部材の内壁に存在するらせん状の溝とコア部材の外壁との間でらせん状の流路を形成する、または、該コア部材は外壁にらせん状の溝を有し、コア部材の外壁に存在するらせん状の溝とシェル部材の内壁との間でらせん状の流路を形成する、請求項1に記載の粉体処理装置。
  3. 前記らせん中心から遠方に位置する内壁の表面粗さRaが0.5μm以上、10μm以下である、請求項1または2に記載の粉体処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉体処理装置を用いた球形化黒鉛の製造方法であって、
    前記らせん状の流路断面におけるらせん径方向の黒鉛層厚みが、2μm以下となるように原料黒鉛を投入する、球形化黒鉛の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法により製造される、球形化黒鉛。
  6. 集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備えるリチウムイオン二次電池用負極であって、該活物質層が、請求項7に記載の球形化黒鉛粒子を含有する、リチウムイオン二次電池用負極。
  7. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えるリチウムイオン電池であって、該負極が請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用負極である、リチウムイオン電池。
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