JP2014137172A - 熱交換器及び冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各扁平管における冷媒の湿り度の差を小さくして、液冷媒の存在に起因する冷媒の偏流を抑える。
【解決手段】各扁平管(31)に形成された複数の流体通路(34)は、扁平管(31)の風上寄りに位置する風上側通路(35)と、風下寄りに位置する風下側通路(36)とに区分される。第1ヘッダ集合管(60)から風下側通路(36)を通過して凝縮された液冷媒は、第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)を通過して第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)の風上側通路(35)にそれぞれ分流される。
【選択図】図3
【解決手段】各扁平管(31)に形成された複数の流体通路(34)は、扁平管(31)の風上寄りに位置する風上側通路(35)と、風下寄りに位置する風下側通路(36)とに区分される。第1ヘッダ集合管(60)から風下側通路(36)を通過して凝縮された液冷媒は、第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)を通過して第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)の風上側通路(35)にそれぞれ分流される。
【選択図】図3
Description
本発明は、扁平管内を流れる流体を空気と熱交換させる熱交換器と、その熱交換器を備えた冷凍装置に関するものである。
従来より、多数の扁平管と、各扁平管に接続するヘッダ集合管とを備え、扁平管内を流れる冷媒を、扁平管の幅方向へ流れる空気と熱交換させる熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された熱交換器では、各扁平管に形成された複数の流体通路が、液側通路とガス側通路に区分されている。熱交換器が蒸発器として機能する場合には、液冷媒が液側通路を通過後にガス側通路を通過する。そして、各扁平管の液側通路に流入した冷媒は、液側通路を通過する間に蒸発して気液二相状態の冷媒となり、その後にガス側通路に流入してさらに蒸発される。
ところで、従来の熱交換器では、蒸発器として機能する場合、液冷媒がヘッダ集合管に流入するので、ヘッダ集合管の下寄りの部分ほど液冷媒の割合が多くなる。そのため、ヘッダ集合管の上部と下部とにおける冷媒の湿り度の差が大きくなり、液冷媒の存在によって液側通路において冷媒の偏流が生じてしまうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、各扁平管における冷媒の湿り度の差を小さくして、液冷媒の存在に起因する冷媒の偏流を抑えることにある。
本発明は、複数の扁平管(31)と、各扁平管(31)の一端が接続された第1ヘッダ集合管(60)と、各扁平管(31)の他端が接続された第2ヘッダ集合管(70)とを備え、該各扁平管(31)には、複数の流体通路(34)が該扁平管(31)の幅方向に並んで形成されており、該扁平管(31)の該流体通路(34)を流れる流体が、隣り合った該扁平管(31)の間を該扁平管(31)の幅方向へ流れる空気と熱交換する熱交換器を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記各扁平管(31)に形成された複数の前記流体通路(34)は、該扁平管(31)の幅方向一端寄りに位置する一部の流体通路(34)が液側通路(35)を、残りの流体通路(34)がガス側通路(36)をそれぞれ構成し、
前記第1ヘッダ集合管(60)の内部空間は、前記扁平管(31)の前記液側通路(35)だけに連通する液側空間(65)と、前記扁平管(31)の前記ガス側通路(36)だけに連通するガス側空間(69)とに仕切られ、
前記第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、前記扁平管(31)の前記液側通路(35)と前記ガス側通路(36)の両方に連通する接続用空間(75)となっており、
前記第1ヘッダ集合管(60)及び前記第2ヘッダ集合管(70)の軸方向に並び、それぞれが複数の前記扁平管(31)を有する複数の熱交換部(51〜53)に区分され、
前記第1ヘッダ集合管(60)の前記液側空間(65)は、それぞれが対応する1つの前記熱交換部(51〜53)の扁平管(31)の液側通路(35)だけに連通する該熱交換部(51〜53)と同数の液側部分空間(66〜68)に仕切られ、
前記第1ヘッダ集合管(60)の前記ガス側空間(69)は、全ての前記扁平管(31)の前記ガス側通路(36)に連通していることを特徴とするものである。
前記第1ヘッダ集合管(60)の内部空間は、前記扁平管(31)の前記液側通路(35)だけに連通する液側空間(65)と、前記扁平管(31)の前記ガス側通路(36)だけに連通するガス側空間(69)とに仕切られ、
前記第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、前記扁平管(31)の前記液側通路(35)と前記ガス側通路(36)の両方に連通する接続用空間(75)となっており、
前記第1ヘッダ集合管(60)及び前記第2ヘッダ集合管(70)の軸方向に並び、それぞれが複数の前記扁平管(31)を有する複数の熱交換部(51〜53)に区分され、
前記第1ヘッダ集合管(60)の前記液側空間(65)は、それぞれが対応する1つの前記熱交換部(51〜53)の扁平管(31)の液側通路(35)だけに連通する該熱交換部(51〜53)と同数の液側部分空間(66〜68)に仕切られ、
前記第1ヘッダ集合管(60)の前記ガス側空間(69)は、全ての前記扁平管(31)の前記ガス側通路(36)に連通していることを特徴とするものである。
第1の発明では、各扁平管(31)に形成された複数の流体通路(34)は、扁平管(31)の幅方向一端寄りに位置する液側通路(35)と、幅方向の他端寄りに位置するガス側通路(36)とに区分される。複数の扁平管(31)は、第1ヘッダ集合管(60)及び第2ヘッダ集合管(70)の軸方向に並ぶ複数の熱交換部(51〜53)に区分される。そして、蒸発器として機能する熱交換器では、液冷媒が第1ヘッダ集合管(60)の液側部分空間(66〜68)にそれぞれ分流され、各熱交換部(51〜53)の液側通路(35)を通過する際に蒸発する。
このような構成とすれば、各扁平管(31)における冷媒の湿り度の差を小さくして、液冷媒の存在に起因する冷媒の偏流を抑えることができる。具体的に、熱交換器が蒸発器として機能する場合、液冷媒が第1ヘッダ集合管(60)に流入して、第1ヘッダ集合管(60)の下寄りの部分ほど液冷媒の割合が多くなり、上寄りの部分ほどガス冷媒の割合が多くなる。そのため、第1ヘッダ集合管(60)の上部と下部とにおける冷媒の湿り度の差が大きくなり、液冷媒の存在によって液側通路(35)において冷媒の偏流が生じてしまうという問題がある。
これに対し、本発明では、第1ヘッダ集合管(60)の液側空間(65)が複数の液側部分空間(66〜68)に仕切られているので、1つの液側部分空間(66〜68)の高さが第1ヘッダ集合管(60)の高さよりも低くなっている。このため、各熱交換部(51〜53)の上部と下部における冷媒の湿り度の差がそれほど大きくならず、各熱交換部(51〜53)の液側通路(35)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)は、それぞれが対応する1つの前記熱交換部(51〜53)の扁平管(31)の少なくとも液側通路(35)に連通する前記熱交換部(51〜53)と同数の接続用部分空間(76〜78)に仕切られていることを特徴とするものである。
前記第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)は、それぞれが対応する1つの前記熱交換部(51〜53)の扁平管(31)の少なくとも液側通路(35)に連通する前記熱交換部(51〜53)と同数の接続用部分空間(76〜78)に仕切られていることを特徴とするものである。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)は、それぞれが対応する1つの前記熱交換部(51〜53)の扁平管(31)の液側通路(35)及びガス側通路(36)だけに連通する前記熱交換部(51〜53)と同数の接続用部分空間(76〜78)に仕切られていることを特徴とするものである。
前記第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)は、それぞれが対応する1つの前記熱交換部(51〜53)の扁平管(31)の液側通路(35)及びガス側通路(36)だけに連通する前記熱交換部(51〜53)と同数の接続用部分空間(76〜78)に仕切られていることを特徴とするものである。
第2又は第3の発明では、熱交換器が凝縮器として機能する場合、第1ヘッダ集合管(60)からガス側通路(36)を通過して凝縮された液冷媒は、第2ヘッダ集合管(70)の接続用部分空間(76〜78)を通過して各熱交換部(51〜53)の液側通路(35)にそれぞれ分流される。
このような構成とすれば、各扁平管(31)における冷媒の湿り度の差を小さくして、液冷媒の存在に起因する冷媒の偏流を抑えることができる。具体的に、ガス側通路(36)を通過して凝縮された気液二相状態の冷媒が第2ヘッダ集合管(70)に流入するので、第2ヘッダ集合管(70)の下寄りの部分ほど液冷媒の割合が多くなり、上寄りの部分ほどガス冷媒の割合が多くなる。そのため、第2ヘッダ集合管(70)の上部と下部とにおける冷媒の湿り度の差が大きくなり、液冷媒の存在によって液側通路(35)において冷媒の偏流が生じ、凝縮能力が著しく低下してしまうという問題がある。
これに対し、本発明では、第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)が複数の接続用部分空間(76〜78)に仕切られているので、1つの接続用部分空間(76〜78)の高さが第1ヘッダ集合管(60)の高さよりも低くなっている。このため、各熱交換部(51〜53)の上部と下部における冷媒の湿り度の差がそれほど大きくならず、各熱交換部(51〜53)の液側通路(35)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つに記載の熱交換器(23)が設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、該熱交換器(23)が蒸発器として機能する運転と、該熱交換器(23)が凝縮器として機能する運転とを選択的に行う冷凍装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第4の発明は、前記液側通路(35)は、前記扁平管(31)の風上側に設けられる風上側通路(35)を構成する一方、前記ガス側通路(36)は、該扁平管(31)の風下側に設けられる風下側通路(36)を構成し、
蒸発器として機能する前記熱交換器(23)では、冷媒が前記風上側通路(35)を通過後に前記風下側通路(36)を通過し、
凝縮器として機能する前記熱交換器(23)では、冷媒が前記風下側通路(36)を通過後に前記風上側通路(35)を通過することを特徴とするものである。
蒸発器として機能する前記熱交換器(23)では、冷媒が前記風上側通路(35)を通過後に前記風下側通路(36)を通過し、
凝縮器として機能する前記熱交換器(23)では、冷媒が前記風下側通路(36)を通過後に前記風上側通路(35)を通過することを特徴とするものである。
第4の発明では、冷凍装置の冷媒回路(20)に、第1の発明の熱交換器(23)が設けられる。冷凍装置は、熱交換器(23)が蒸発器として機能する運転と、熱交換器(23)が凝縮器として機能する運転とを選択的に行う。液側通路(35)は、扁平管(31)の風上側に設けられて風上側通路(35)を構成している。ガス側通路(36)は、扁平管(31)の風下側に設けられて風下側通路(36)を構成している。
そして、熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合、冷媒は、風上側通路(35)を通過後に風下側通路(36)を通過し、その過程で空気から吸熱して蒸発する。このため、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度が、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度よりも若干低くなる。また、風上側通路(35)を流れる冷媒との熱交換によって温度が低下した空気が、風下側通路(36)を流れる冷媒(すなわち、風上側通路(35)を流れる冷媒よりも温度が若干低い冷媒)と熱交換するので、冷媒が風上側通路(35)から風下側通路(36)へ流れる場合の方が、冷媒が風上側通路(35)から風下側通路(36)へ流れる場合に比べて、冷媒と空気の温度差の変化が抑えられる。
一方、熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、冷媒は、風下側通路(36)を通過後に風上側通路(35)を通過し、その過程で空気へ放熱して凝縮する。このため、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度が、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度よりも若干低くなる。つまり、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度が、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度よりも若干高くなる。また、風上側通路(35)を流れる冷媒との熱交換によって温度が上昇した空気が、風下側通路(36)を流れる冷媒(すなわち、風上側通路(35)を流れる冷媒よりも温度が若干高い冷媒)と熱交換するので、冷媒が風下側通路(36)から風上側通路(35)へ流れる場合の方が、冷媒が風下側通路(36)から風上側通路(35)へ流れる場合に比べて、冷媒と空気の温度差の変化が抑えられる。
このように、熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合と凝縮器として機能する場合の両方において、熱交換器(23)における冷媒と空気の温度差の変化を抑えることができる。従って、熱交換器(23)を流れる冷媒と空気の間で授受される熱量の増大を図ることができ、熱交換器(23)の性能を充分に発揮させることが可能となる。
本発明によれば、第1ヘッダ集合管(60)の液側空間(65)が複数の液側部分空間(66〜68)に仕切られているので、1つの液側部分空間(66〜68)の高さが第1ヘッダ集合管(60)の高さよりも低くなっている。このため、各熱交換部(51〜53)の上部と下部における冷媒の湿り度の差がそれほど大きくならず、各熱交換部(51〜53)の液側通路(35)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
−空気調和機−
まず、本実施形態に係る冷凍装置としての空気調和機(10)について、図1を参照しながら説明する。
まず、本実施形態に係る冷凍装置としての空気調和機(10)について、図1を参照しながら説明する。
〈空気調和機の構成〉
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)及び室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)及びガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されている。空気調和機(10)では、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、液側連絡配管(13)、及びガス側連絡配管(14)によって、冷媒回路(20)が形成されている。
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)及び室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)及びガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されている。空気調和機(10)では、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、液側連絡配管(13)、及びガス側連絡配管(14)によって、冷媒回路(20)が形成されている。
冷媒回路(20)には、圧縮機(21)と、四方切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが設けられている。圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)、及び膨張弁(24)は、室外ユニット(11)に収容されている。室外ユニット(11)には、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給するための室外ファン(15)が設けられている。一方、室内熱交換器(25)は、室内ユニット(12)に収容されている。室内ユニット(12)には、室内熱交換器(25)へ室内空気を供給するための室内ファン(16)が設けられている。
冷媒回路(20)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(20)において、圧縮機(21)は、その吐出側が四方切換弁(22)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(22)の第2のポートに、それぞれ接続されている。また、冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが配置されている。
圧縮機(21)は、スクロール型又はロータリ型の全密閉型圧縮機である。圧縮機(21)は、その回転速度が可変となっている。圧縮機(21)の回転速度を変更すると、圧縮機(21)の運転容量が変化する。四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。膨張弁(24)は、いわゆる電子膨張弁である。
室外熱交換器(23)は、室外空気を冷媒と熱交換させる。室外熱交換器(23)については後述する。一方、室内熱交換器(25)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。室内熱交換器(25)は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
〈空気調和機の運転動作〉
空気調和機(10)は、冷房運転と暖房運転を選択的に行う。
空気調和機(10)は、冷房運転と暖房運転を選択的に行う。
冷房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第1状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室外熱交換器(23)、膨張弁(24)、室内熱交換器(25)の順に冷媒が循環し、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(25)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)では、圧縮機(21)から流入したガス冷媒が室外空気へ放熱して凝縮し、凝縮後の冷媒が膨張弁(24)へ向けて流出してゆく。
暖房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第2状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室内熱交換器(25)、膨張弁(24)、室外熱交換器(23)の順に冷媒が循環し、室内熱交換器(25)が凝縮器として機能し、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)には、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が流入する。室外熱交換器(23)へ流入した冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発し、その後に圧縮機(21)へ向けて流出してゆく。
−室外熱交換器−
室外熱交換器(23)について、図2〜図10を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明に示す扁平管(31)の本数、各扁平管(31)に形成された流体通路(34)の数、及び室外熱交換器(23)に形成された熱交換部の数は、いずれも単なる一例である。
室外熱交換器(23)について、図2〜図10を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明に示す扁平管(31)の本数、各扁平管(31)に形成された流体通路(34)の数、及び室外熱交換器(23)に形成された熱交換部の数は、いずれも単なる一例である。
〈室外熱交換器の構成〉
図2及び図3に示すように、室外熱交換器(23)は、一つの第1ヘッダ集合管(60)と、一つの第2ヘッダ集合管(70)と、多数の扁平管(31)と、多数のフィン(40)とを備えている。第1ヘッダ集合管(60)、第2ヘッダ集合管(70)、扁平管(31)及びフィン(40)は、何れもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
図2及び図3に示すように、室外熱交換器(23)は、一つの第1ヘッダ集合管(60)と、一つの第2ヘッダ集合管(70)と、多数の扁平管(31)と、多数のフィン(40)とを備えている。第1ヘッダ集合管(60)、第2ヘッダ集合管(70)、扁平管(31)及びフィン(40)は、何れもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
第1ヘッダ集合管(60)と第2ヘッダ集合管(70)は、何れも両端が閉塞された細長い円筒状に形成されている。図2及び図3において、第1ヘッダ集合管(60)は室外熱交換器(23)の左端に、第2ヘッダ集合管(70)は室外熱交換器(23)の右端に、それぞれ起立した状態で設置されている。つまり、第1ヘッダ集合管(60)及び第2ヘッダ集合管(70)は、それぞれの軸方向が上下方向となる状態で設置されている。
図4に示すように、扁平管(31)は、その断面形状が扁平な長円形となった伝熱管である。図3に示すように、室外熱交換器(23)において、複数の扁平管(31)は、その伸長方向が左右方向となっている。また、複数の扁平管(31)は、互いの板面同士が対向するように一定の間隔をあけて上下に並んで配置され、それぞれの軸方向が互いに実質的に平行となっている。
図3に示すように、各扁平管(31)は、その一端が第1ヘッダ集合管(60)に挿入され、その他端が第2ヘッダ集合管(70)に挿入されている。各扁平管(31)の軸方向は、第1ヘッダ集合管(60)及び第2ヘッダ集合管(70)の軸方向と実質的に直交している。また、各扁平管(31)の板面(本実施形態では、上面と下面)は、第1ヘッダ集合管(60)及び第2ヘッダ集合管(70)の軸方向と実質的に直交している。
図4に示すように、フィン(40)は、金属板をプレス加工することによって形成された縦長の板状フィンである。フィン(40)には、フィン(40)の前縁(すなわち、風上側の縁部)からフィン(40)の幅方向に延びる細長い切り欠き部(45)が、多数形成されている。フィン(40)では、多数の切り欠き部(45)が、フィン(40)の長手方向(上下方向)に一定の間隔で形成されている。切り欠き部(45)の風下寄りの部分は、管挿入部(46)を構成している。管挿入部(46)は、上下方向の幅が扁平管(31)の厚さと実質的に等しく、長さが扁平管(31)の幅と実質的に等しい。扁平管(31)は、フィン(40)の管挿入部(46)に挿入され、管挿入部(46)の周縁部とロウ付けによって接合される。また、フィン(40)には、伝熱を促進するためのルーバー(41)が形成されている。そして、複数のフィン(40)は、扁平管(31)の伸長方向に配列されることで、隣り合う扁平管(31)の間を空気が流れる複数の通風路に区画している。
図4及び図10に示すように、各扁平管(31)には、複数の流体通路(34)が形成されている。各流体通路(34)は、扁平管(31)の軸方向に延びる通路であって、扁平管(31)の両方の端面に開口している。各扁平管(31)において、複数の流体通路(34)は、扁平管(31)の幅方向(すなわち、扁平管(31)の軸方向と直交する方向)に一列に並んでいる。各扁平管(31)に形成された複数の流体通路(34)は、それぞれの一端が第1ヘッダ集合管(60)の内部空間に連通し、それぞれの他端が第2ヘッダ集合管(70)の内部空間に連通している。
図6に示すように、第1ヘッダ集合管(60)の内部空間には、縦仕切板(63)が配置されている。縦仕切板(63)は、第1ヘッダ集合管(60)の下端から上端に亘って延びる板状の部材である。なお、図6では、扁平管(31)の流体通路(34)の図示を省略している。図5に示すように、縦仕切板(63)は、各扁平管(31)の端面と直交する姿勢で設置され、第1ヘッダ集合管(60)の内部空間を風上側空間(65)と風下側空間(69)に仕切っている。
図8及び図9に示すように、縦仕切板(63)は、扁平管(31)の幅方向の中心線及び第1ヘッダ集合管(60)の中心軸よりも室外熱交換器(23)の前面側(すなわち、風上側)に位置している。なお、図8及び図9では、フィン(40)の図示を省略している。
図10に示すように、各扁平管(31)に形成された24本の流体通路(34)は、縦仕切板(63)よりも室外熱交換器(23)の前面側(すなわち、風上側)に位置する10本の流体通路(34)が風上側通路(35)となり、縦仕切板(63)よりも室外熱交換器(23)の背面側(すなわち、風下側)に位置する残りの14本の流体通路(34)が風下側通路(36)となる。各扁平管(31)の風上側通路(35)は、第1ヘッダ集合管(60)の風上側空間(65)に連通する。各扁平管(31)の風下側通路(36)は、第1ヘッダ集合管(60)の風下側空間(69)に連通する。
図6に示すように、第1ヘッダ集合管(60)の風上側空間(65)には、第1横仕切板(61)及び第2横仕切板(62)が配置されている。第1横仕切板(61)は風上側空間(65)の下寄りに配置され、第2横仕切板(62)は風上側空間(65)の上寄りに配置される。第1横仕切板(61)及び第2横仕切板(62)は、上下に隣り合う2本の扁平管(31)の間にそれぞれ配置される。
第1ヘッダ集合管(60)の風上側空間(65)は、第1横仕切板(61)及び第2横仕切板(62)によって、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)の三つの空間に仕切られている。
具体的に、第1ヘッダ集合管(60)の風上側空間(65)は、第1横仕切板(61)よりも下側の部分が第1風上側部分空間(66)となり、第1横仕切板(61)と第2横仕切板(62)の間の部分が第2風上側部分空間(67)となり、第2横仕切板(62)よりも上側の部分が第3風上側部分空間(68)となる。本実施形態の室外熱交換器(23)では、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)に連通する扁平管(31)の本数が互いに等しい。
図7に示すように、第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)には、第1横仕切板(71)及び第2横仕切板(72)が配置されている。第1横仕切板(71)は接続用空間(75)の下寄りに配置され、第2横仕切板(72)は接続用空間(75)の上寄りに配置される。第1横仕切板(71)及び第2横仕切板(72)は、上下に隣り合う2本の扁平管(31)の間にそれぞれ配置される。なお、図7では、扁平管(31)の流体通路(34)の図示を省略している。
第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)は、第1横仕切板(71)及び第2横仕切板(72)によって、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)の三つの空間に仕切られている。
具体的に、第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)は、第1横仕切板(71)よりも下側の部分が第1接続用部分空間(76)となり、第1横仕切板(71)と第2横仕切板(72)の間の部分が第2接続用部分空間(77)となり、第2横仕切板(72)よりも上側の部分が第3接続用部分空間(78)となる。本実施形態の室外熱交換器(23)では、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)に連通する扁平管(31)の本数が互いに等しい。
図2及び図3に示すように、室外熱交換器(23)は、第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)の三つに区分されている。具体的に、第1ヘッダ集合管(60)の第1風上側部分空間(66)と第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)とに連通する扁平管(31)が第1熱交換部(51)を構成し、第1ヘッダ集合管(60)の第2風上側部分空間(67)と第2ヘッダ集合管(70)の第2接続用部分空間(77)とに連通する扁平管(31)が第2熱交換部(52)を構成し、第1ヘッダ集合管(60)の第3風上側部分空間(68)と第2ヘッダ集合管(70)の第3接続用部分空間(78)とに連通する扁平管(31)が第3熱交換部(53)を構成する。
図2に示すように、室外熱交換器(23)には、液側接続部材(80)とガス側接続管(85)とが設けられている。液側接続部材(80)及びガス側接続管(85)は、第1ヘッダ集合管(60)に取り付けられている。
液側接続部材(80)は、一つの分流器(81)と、三本の第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)とを備えている。分流器(81)の下端部には、室外熱交換器(23)と膨張弁(24)を繋ぐ配管(17)が接続されている。分流器(81)の上端部には、第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)の一端が接続されている。第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)の他端は、第1ヘッダ集合管(60)に接続され、対応する第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)に連通している。
このように、液側接続部材(80)が第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)に連通しているので、風上側通路(35)は、液冷媒が通過する液側通路となる。
図3にも示すように、第1細径管(82a)は第1風上側部分空間(66)の下端寄りの部分に開口し、第2細径管(82b)は第2風上側部分空間(67)の下端寄りの部分に開口し、第3細径管(82c)は第3風上側部分空間(68)の下端寄りの部分に開口している。なお、第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)の長さは、第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)へ流入する冷媒の流量の差がなるべく小さくなるように、個別に設定されている。
ガス側接続管(85)の一端は、第1ヘッダ集合管(60)の上下方向の中央部に接続され、風下側空間(69)に連通している。ガス側接続管(85)の他端は、室外熱交換器(23)と四方切換弁(22)の第3のポートを繋ぐ配管(18)に接続されている。
このように、ガス側接続管(85)が風下側空間(69)に連通しているので、風下側通路(36)は、ガス冷媒が通過するガス側通路となる。
〈室外熱交換器における冷媒と空気の熱交換/凝縮器の場合〉
空気調和機(10)の冷房運転中には、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する。
空気調和機(10)の冷房運転中には、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する。
凝縮器として機能する室外熱交換器(23)には、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒が供給される。圧縮機(21)から送られたガス冷媒は、ガス側接続管(85)を介して第1ヘッダ集合管(60)の風下側空間(69)へ流入する。風下側空間(69)へ流入したガス冷媒は、第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)の扁平管(31)の風下側通路(36)へ分配される。風下側空間(69)へ流入する冷媒は、実質的にガス単相状態である。このため、異なる高さに配置された複数の扁平管(31)に対して、ガス冷媒が概ね均等に分配される。
各扁平管(31)の風下側通路(36)へ流入したガス冷媒は、風下側通路(36)を流れる間に室外空気へ放熱してその一部が凝縮し、気液二相状態となって第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)へ流入する。その際、第1熱交換部(51)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)を通過した冷媒は第1接続用部分空間(76)へ流入し、第2熱交換部(52)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)を通過した冷媒は第2接続用部分空間(77)へ流入し、第3熱交換部(53)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)を通過した冷媒は第3接続用部分空間(78)へ流入する。
第1接続用部分空間(76)の冷媒は、第1熱交換部(51)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入し、第2接続用部分空間(77)の冷媒は、第2熱交換部(52)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入し、第3接続用部分空間(78)の冷媒は、第3熱交換部(53)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入する。
ここで、第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)へは、気液二相状態の冷媒が流入する。第2ヘッダ集合管(70)は起立状態となっているため、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)では、下寄りの部分ほど液冷媒の割合が多くなり、上寄りの部分ほどガス冷媒の割合が多くなる。しかし、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)の高さは、第2ヘッダ集合管(70)の高さの約1/3である。このため、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)の上部と下部における冷媒の湿り度の差はそれほど大きくならず、従って、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)に連通する扁平管(31)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)から扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入した冷媒は、風上側通路(35)を流れる間に室外空気へ放熱し、そこに含まれるガス冷媒が凝縮する。扁平管(31)の風上側通路(35)の出口において、冷媒は、実質的に液単相状態となる。
第1熱交換部(51)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第1風上側部分空間(66)へ流入し、第2熱交換部(52)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第2風上側部分空間(67)へ流入し、第3熱交換部(53)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第3風上側部分空間(68)へ流入する。
第1ヘッダ集合管(60)の第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)へ流入した冷媒は、第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)を通って分流器(81)へ流入した後で合流して、室外熱交換器(23)から流出してゆく。
ところで、冷媒が扁平管(31)の風下側通路(36)と風上側通路(35)を順に通過する過程では、冷媒の圧力が徐々に低下してゆく。このため、各扁平管(31)では、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度が、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度よりも若干低くなる。つまり、各扁平管(31)では、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度が、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度よりも若干高くなる。一方、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)では、そこを通過する室外空気の温度が次第に上昇する。
このように、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)では、扁平管(31)の風上側通路(35)を流れる冷媒との熱交換によって温度が上昇した空気が、扁平管(31)の風下側通路(36)を流れる冷媒(すなわち、風上側通路(35)を流れる冷媒よりも温度が若干高い冷媒)と熱交換する。従って、凝縮器として機能する室外熱交換器(23)では、冷媒が各扁平管(31)の風下側通路(36)から風上側通路(35)へ流れる場合の方が、冷媒が各扁平管(31)の風上側通路(35)から風下側通路(36)へ流れる場合に比べて、冷媒と空気の温度差の変化が抑えられる。
〈室外熱交換器における冷媒と空気の熱交換/蒸発器の場合〉
空気調和機(10)の暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。
空気調和機(10)の暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。
蒸発器として機能する室外熱交換器(23)には、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が供給される。膨張弁(24)から送られた冷媒は、液側接続部材(80)の分流器(81)へ流入した後に第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)へ分かれて流入し、第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)へ分配される。
具体的に、分流器(81)から第1細径管(82a)、第2細径管(82b)、及び第3細径管(82c)へ流入した冷媒は、対応する第1ヘッダ集合管(60)の第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)へ流入する。
第1風上側部分空間(66)の冷媒は、第1熱交換部(51)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入し、第2風上側部分空間(67)の冷媒は、第2熱交換部(52)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入し、第3風上側部分空間(68)の冷媒は、第3熱交換部(53)を構成する扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入する。
ここで、第1ヘッダ集合管(60)の第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)へは、気液二相状態の冷媒が流入する。第1ヘッダ集合管(60)は起立状態となっているため、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)では、下寄りの部分ほど液冷媒の割合が多くなり、上寄りの部分ほどガス冷媒の割合が多くなる。しかし、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)の高さは、第1ヘッダ集合管(60)の高さの約1/3である。このため、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)の上部と下部における冷媒の湿り度の差はそれほど大きくならず、従って、第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)に連通する扁平管(31)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
第1ヘッダ集合管(60)の第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)から扁平管(31)の風上側通路(35)へ流入した冷媒は、風上側通路(35)を流れる間に室外空気から吸熱し、そこに含まれる液冷媒が蒸発する。扁平管(31)の風上側通路(35)の出口において、冷媒は、依然として気液二相状態である。
第1熱交換部(51)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第1接続用部分空間(76)へ流入し、第2熱交換部(52)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第2接続用部分空間(77)へ流入し、第3熱交換部(53)の扁平管(31)の風上側通路(35)を通過した冷媒は、第3接続用部分空間(78)へ流入する。
第1接続用部分空間(76)の冷媒は、第1熱交換部(51)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)へ流入し、第2接続用部分空間(77)の冷媒は、第2熱交換部(52)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)へ流入し、第3接続用部分空間(78)の冷媒は、第3熱交換部(53)を構成する扁平管(31)の風下側通路(36)へ流入する。
ここで、蒸発器として機能する室外熱交換器(23)では、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合と同様に、第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)へ気液二相状態の冷媒が流入する。従って、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合も、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合と同様に、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)に連通する扁平管(31)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
第2ヘッダ集合管(70)の第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)から扁平管(31)の風下側通路(36)へ流入した冷媒は、風下側通路(36)を流れる間に室外空気から吸熱し、そこに含まれる液冷媒が蒸発する。扁平管(31)の風下側通路(36)の出口において、冷媒は、実質的にガス単相状態となる。
第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)の扁平管(31)の風下側通路(36)を通過した冷媒は、第1ヘッダ集合管(60)の風下側空間(69)へ流れ込んで合流し、その後にガス側接続管(85)を通って室外熱交換器(23)から流出してゆく。
ところで、冷媒が扁平管(31)の風上側通路(35)と風下側通路(36)を順に通過する過程では、冷媒の圧力が徐々に低下してゆく。このため、各扁平管(31)では、風上側通路(35)を流れる冷媒の温度が、風下側通路(36)を流れる冷媒の温度よりも若干低くなる。一方、蒸発器として機能する室外熱交換器(23)では、そこを通過する室外空気の温度が次第に低下する。
このように、蒸発器として機能する室外熱交換器(23)では、扁平管(31)の風上側通路(35)を流れる冷媒との熱交換によって温度が低下した空気が、扁平管(31)の風下側通路(36)を流れる冷媒(すなわち、風上側通路(35)を流れる冷媒よりも温度が若干低い冷媒)と熱交換する。従って、蒸発器として機能する室外熱交換器(23)では、冷媒が各扁平管(31)の風上側通路(35)から風下側通路(36)へ流れる場合の方が、冷媒が各扁平管(31)の風下側通路(36)から風上側通路(35)へ流れる場合に比べて、冷媒と空気の温度差の変化が抑えられる。
−実施形態の効果−
本実施形態の室外熱交換器(23)によれば、各扁平管(31)における冷媒の湿り度の差を小さくして、液冷媒の存在に起因する冷媒の偏流を抑えることができる。具体的に、第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)が第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)に仕切られているので、1つの接続用部分空間の高さが第1ヘッダ集合管(60)の高さよりも低くなっている。このため、第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)の上部と下部における冷媒の湿り度の差がそれほど大きくならず、第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)の風上側通路(35)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
本実施形態の室外熱交換器(23)によれば、各扁平管(31)における冷媒の湿り度の差を小さくして、液冷媒の存在に起因する冷媒の偏流を抑えることができる。具体的に、第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)が第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)に仕切られているので、1つの接続用部分空間の高さが第1ヘッダ集合管(60)の高さよりも低くなっている。このため、第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)の上部と下部における冷媒の湿り度の差がそれほど大きくならず、第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)の風上側通路(35)へ流入する冷媒の質量流量のばらつきが抑えられる。
また、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合と凝縮器として機能する場合の両方において、室外熱交換器(23)における冷媒と空気の温度差の変化を抑えることができる。従って、室外熱交換器(23)を流れる冷媒と空気の間で授受される熱量の増大を図ることができ、室外熱交換器(23)の性能を充分に発揮させることが可能となる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態の室外熱交換器(23)の各扁平管(31)では、風上側通路(35)の本数が風下側通路(36)の本数より少ない形態について説明したが、風上側通路(35)の本数が風下側通路(36)の本数と同数であっても構わないし、風上側通路(35)の本数が風下側通路(36)の本数より多くても構わない。
また、本実施形態の室外熱交換器(23)には、平板状のフィン(40)に代えてコルゲートフィンが設けられていてもよい。コルゲートフィンは、扁平管(31)の配列方向(図3に示す前記実施形態の室外熱交換器(23)では上下方向)に蛇行する波板状に形成されている。コルゲートフィンは、上下に隣り合う扁平管(31)の間に配置され、扁平管(31)の側面のうち平坦な部分にロウ付け等によって接合される。
また、本実施形態では、第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)は、第1横仕切板(71)及び第2横仕切板(72)によって、第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)の三つの空間に仕切られているが、この形態に限定するものではない。
具体的に、熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合には、冷媒回路(20)から流入する液冷媒を第1熱交換部(51)、第2熱交換部(52)、及び第3熱交換部(53)の風上側通路(35)へ分流できればよい。つまり、第1ヘッダ集合管(60)の風上側空間(65)を第1風上側部分空間(66)、第2風上側部分空間(67)、及び第3風上側部分空間(68)の三つの空間に仕切る一方、図11に示すように、第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)は特に仕切ることなく、全ての前記扁平管(31)の風上側通路(35)及び風下側通路(36)に連通させた構成としてもよい。
また、図12に示すように、第1横仕切板(71)及び第2横仕切板(72)の幅方向の長さを短くすることで、第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)の風上側のみを第1接続用部分空間(76)、第2接続用部分空間(77)、及び第3接続用部分空間(78)の三つの空間に仕切るようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、扁平管内を流れる流体と空気を熱交換させる熱交換器について有用である。
10 空気調和機(冷凍装置)
20 冷媒回路
23 室外熱交換器(熱交換器)
31 扁平管
34 流体通路
35 風上側通路(液側通路)
36 風下側通路(ガス側通路)
51 第1熱交換部
52 第2熱交換部
53 第3熱交換部
60 第1ヘッダ集合管
65 風上側空間(液側空間)
66 第1風上側部分空間(液側部分空間)
67 第2風上側部分空間(液側部分空間)
68 第3風上側部分空間(液側部分空間)
69 風下側空間(ガス側空間)
70 第2ヘッダ集合管
75 接続用空間
76 第1接続用部分空間
77 第2接続用部分空間
78 第3接続用部分空間
20 冷媒回路
23 室外熱交換器(熱交換器)
31 扁平管
34 流体通路
35 風上側通路(液側通路)
36 風下側通路(ガス側通路)
51 第1熱交換部
52 第2熱交換部
53 第3熱交換部
60 第1ヘッダ集合管
65 風上側空間(液側空間)
66 第1風上側部分空間(液側部分空間)
67 第2風上側部分空間(液側部分空間)
68 第3風上側部分空間(液側部分空間)
69 風下側空間(ガス側空間)
70 第2ヘッダ集合管
75 接続用空間
76 第1接続用部分空間
77 第2接続用部分空間
78 第3接続用部分空間
Claims (4)
- 複数の扁平管(31)と、各扁平管(31)の一端が接続された第1ヘッダ集合管(60)と、各扁平管(31)の他端が接続された第2ヘッダ集合管(70)とを備え、該各扁平管(31)には、複数の流体通路(34)が該扁平管(31)の幅方向に並んで形成されており、該扁平管(31)の該流体通路(34)を流れる流体が、隣り合った該扁平管(31)の間を該扁平管(31)の幅方向へ流れる空気と熱交換する熱交換器であって、
前記各扁平管(31)に形成された複数の前記流体通路(34)は、該扁平管(31)の幅方向一端寄りに位置する一部の流体通路(34)が液側通路(35)を、残りの流体通路(34)がガス側通路(36)をそれぞれ構成し、
前記第1ヘッダ集合管(60)の内部空間は、前記扁平管(31)の前記液側通路(35)だけに連通する液側空間(65)と、前記扁平管(31)の前記ガス側通路(36)だけに連通するガス側空間(69)とに仕切られ、
前記第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、前記扁平管(31)の前記液側通路(35)と前記ガス側通路(36)の両方に連通する接続用空間(75)となっており、
前記第1ヘッダ集合管(60)及び前記第2ヘッダ集合管(70)の軸方向に並び、それぞれが複数の前記扁平管(31)を有する複数の熱交換部(51〜53)に区分され、
前記第1ヘッダ集合管(60)の前記液側空間(65)は、それぞれが対応する1つの前記熱交換部(51〜53)の扁平管(31)の液側通路(35)だけに連通する該熱交換部(51〜53)と同数の液側部分空間(66〜68)に仕切られ、
前記第1ヘッダ集合管(60)の前記ガス側空間(69)は、全ての前記扁平管(31)の前記ガス側通路(36)に連通していることを特徴とする熱交換器。 - 請求項1において、
前記第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)は、それぞれが対応する1つの前記熱交換部(51〜53)の扁平管(31)の少なくとも液側通路(35)に連通する前記熱交換部(51〜53)と同数の接続用部分空間(76〜78)に仕切られていることを特徴とする熱交換器。 - 請求項1又は2において、
前記第2ヘッダ集合管(70)の接続用空間(75)は、それぞれが対応する1つの前記熱交換部(51〜53)の扁平管(31)の液側通路(35)及びガス側通路(36)だけに連通する前記熱交換部(51〜53)と同数の接続用部分空間(76〜78)に仕切られていることを特徴とする熱交換器。 - 請求項1乃至3のうち何れか1つに記載の熱交換器(23)が設けられて冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備え、該熱交換器(23)が蒸発器として機能する運転と、該熱交換器(23)が凝縮器として機能する運転とを選択的に行う冷凍装置であって、
前記液側通路(35)は、前記扁平管(31)の風上側に設けられる風上側通路(35)を構成する一方、前記ガス側通路(36)は、該扁平管(31)の風下側に設けられる風下側通路(36)を構成し、
蒸発器として機能する前記熱交換器(23)では、冷媒が前記風上側通路(35)を通過後に前記風下側通路(36)を通過し、
凝縮器として機能する前記熱交換器(23)では、冷媒が前記風下側通路(36)を通過後に前記風上側通路(35)を通過することを特徴とする冷凍装置。
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