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JP2014128764A - 油含有排水の処理装置及び油含有排水の処理方法 - Google Patents

油含有排水の処理装置及び油含有排水の処理方法 Download PDF

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JP2014128764A JP2012287948A JP2012287948A JP2014128764A JP 2014128764 A JP2014128764 A JP 2014128764A JP 2012287948 A JP2012287948 A JP 2012287948A JP 2012287948 A JP2012287948 A JP 2012287948A JP 2014128764 A JP2014128764 A JP 2014128764A
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政美 北川
Hiroshi Wada
洋 和田
Toshihiro Suzuki
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Atsushi Kobayashi
厚史 小林
Takuya Kobayashi
琢也 小林
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Abstract

【課題】 油分、Ca塩などのスケール成分及び塩化ナトリウムを含む油含有排水の処理装置に関し、より小型の設備で、処理コストを抑えつつ、塩分濃度を抑えたリサイクル水を得ることができる、新たな処理装置を提案する。
【解決手段】排水(原水)から油分を分離除去する油水分離装置と、油水分離工程から排出される油水分離処理水を、化学軟化処理をしてCaを分離除去する化学軟化装置と、化学軟化装置から排出された軟化処理水を脱塩処理する脱塩装置と、を備えた油含有排水の処理装置において、前記油水分離装置の排水側と前記化学軟化装置の入水側との間に熱交換器イを接続し、該油水分離装置から排出される油水分離処理水を、該熱交換器イを通して油水分離処理水の温度を高めた後、該化学軟化装置に供給する構成を備えた油含有排水の処理装置を提案する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、石油、石炭、天然ガス、シェールガス、コールドベッドメタン(CBM)、オイルサンド、シュールオイルなどの産出及び生産に伴って発生する油を含有した排水(「油含有排水」と称する)のほか、製油所・石油化学工場などから排出される油含有排水の処理装置、並びに、油含有排水の処理方法に関する。
近年、発展途上国における工業の著しい発展、人口増、都市の発展に伴い、世界的にみると石油、天然ガスなどのエネルギー資源のニーズがますます増加している。石油、石炭、天然ガスなどを多く産出する地域では、水資源が不足している地域が多いため、これらの産出及び生産に伴って発生する油含有排水のリサイクルが求められている。特に精油所や石油・石炭化学工場などは、エネルギー資源産出地域の近傍に設置される傾向にあり、生産や運転管理に要する水資源が不足するため、油含有排水のリサイクルが強く求められている。
他方、石油などの産出及び生産に伴って発生する油含有排水には、塩化ナトリウムや、カルシウムやマグネシウムなどの塩分が多く含まれているため、油含有排水をリサイクルするためには、脱塩処理が必要である。
塩化ナトリウムを含む水を脱塩する技術として、従来から逆浸透膜(RO)を利用する方法、電気透析(ED)を用いる方法、蒸留法を用いる方法などが行われてきた。また、塩分濃度が低い場合は、イオン交換処理なども行われている。
ROやED、蒸発法を用いた場合、脱塩された処理水とは別に、カルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)、シリカ(Si)などの塩分が濃縮された液が排出されることになる。
被処理水中にこれらの塩分が含まれていると、ROやED或いは蒸発法で処理した際、濃縮時に炭酸カルシウムや硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸塩などの溶解度の低い成分が不溶化して析出し、スケールとして膜の表面に付着するため、膜の処理性能が著しく劣化するなどの問題が生じていた。
また、被処理水中に有機成分が含まれている場合も、RO膜などの膜に付着したり、不溶化したりすることにより、或いは有機物等を分解する微生物の膜表面での増殖により、脱塩処理性能が低下することがあった。
このため、有機物やスケール成分を含む塩水については、予め有機物やスケール成分を除去した後、ROやEDを用いて脱塩処理することが提案されている。
例えば特許文献1(特公平7−41243号公報)においては、カルシウムイオンと塩素イオンを含む有機性汚水の処理に関し、カルシウムイオンを水不溶性塩として除去した後、有機成分を除去するため生物処理し、汚泥を分離・ろ過し、次いで電気透析で脱塩することが提案されている。
また、特許文献2(米国特許US7815804B2)では、油分、有機物、シリカ、硬度成分、塩分を含む排水を脱気処理した後、硬度成分を多段槽から成る化学軟化装置でpH10.5以上に保った条件で分離した後、ろ過し、引き続きイオン交換で硬度成分を更に除去した後、pH10.5以上でRO処理を行う方法が提示されている。
また、特許文献3(特許第3800449号公報)では、高濃度塩類を含有する有機性排水を化学軟化処理してCa濃度を低下させた後、生物処理、凝集沈澱処理、砂ろ過処理、精密ろ過処理などの群から選ばれ1以上の処理、2以上の組み合わせからなる処理を行い、次いでROで処理して濃縮水と処理水に分離し、処理水を回収すると共に濃縮水を電気透析処理で脱塩処理水と濃縮水に分離し、その処理水をRO供給側に戻すことで脱塩処理水の回収量を増加させる方法が提示されている。
特公平7−41243号公報 米国特許US7815804B2 特許第3800449号公報
油分のほかに、塩化ナトリウム、スケール成分などを含む油含有排水の処理方法として、従来は、油分の除去工程設備、並びに、スケール成分の除去工程設備を多数直列的に設け、これらの工程を繰り返し行った後に脱塩処理を行う処理方法が為されていた。そのため、設備が増大して設備コストが増加すると共に、各工程で使用する薬品コストも増すなど、処理コストが高くなってしまうという課題を抱えていた。
そこで本発明は、油分、Ca塩などのスケール成分及び塩化ナトリウムを含む油含有排水の処理装置及び処理方法に関し、油分の除去工程、並びに、スケール成分の除去工程を繰り返し行う必要がなく、より小型の設備で、処理コストを抑えつつ、塩分濃度を抑えたリサイクル水を得ることができる、新たな油含有排水の処理方法及び処理装置を提案せんとするものである。
本発明は、油分、Ca塩及び塩化ナトリウムを含む排水(原水)から、油分を分離除去する油水分離装置と、油水分離工程から排出される油水分離処理水を、化学軟化処理をして該油水分離処理水に含まれるCaを分離除去する化学軟化装置と、化学軟化装置から排出された軟化処理水を脱塩処理する脱塩装置と、を備えた油含有排水の処理装置において、前記油水分離装置の排水側と前記化学軟化装置の入水側との間に熱交換器イを接続し、該油水分離装置から排出される油水分離処理水を、該熱交換器イを通して油水分離処理水の温度を高めた後、該化学軟化装置に供給する構成を備えた油含有排水の処理装置を提案する。
本発明はまた、油分、Ca塩及び塩化ナトリウムを含む排水(原水)から、油分を分離除去する油水分離工程と、油水分離工程から排出される油水分離処理水を化学軟化処理して、該油水分離処理水に含まれるCaを分離除去する化学軟化処理工程と、化学軟化処理工程から排出される軟化処理水を脱塩処理する脱塩処理工程と、を備えた油含有排水の処理方法において、油水分離工程から排出される油水分離処理水を加熱して該油水分離処理水の温度を高めた後に化学軟化処理することを特徴とする油含有排水の処理方法を提案する。
本発明が提案する油含有排水の処理方法及び処理装置によれば、油分の除去工程、並びに、スケール成分の除去工程を繰り返し行う必要がなく、より小型の設備で、処理コストを抑えて処理することができ、塩分濃度を抑えたリサイクル水を安価に得ることができる。よって、例えば原油生産や原油精製においては、油分の脱塩処理に用いる水や、リグ掘削用注入水、排煙や脱硫工程での洗浄水などに用いるリサイクル水として好適に使用することができる。
本発明に係る油含有排水の処理装置及び処理方法の一例を説明するための工程図である。 本発明に係る油含有排水の処理装置及び処理方法の他例を説明するための工程図である。 本発明に係る油含有排水の処理装置及び処理方法のさらなる他例を説明するための工程図である。 本発明に係る油含有排水の処理装置及び処理方法のさらなる他例を説明するための工程図である。 本発明に係る油含有排水の処理装置及び処理方法のさらなる他例を説明するための工程図である。 スラリー循環型高速凝集沈澱池の構成例を示した図である。 スラッジブランケット型高速凝集沈澱池の構成例を示した図である。 脱塩処理工程において、RO膜処理の後にED処理を行う場合の工程例を示した図である。 脱塩処理工程において、ED処理の後にRO膜処理を行う場合の工程例を示した図である。 試験2の結果として、24時間反応後のpHとCa2+及びMg2+のイオン濃度との関係を示したグラフである。 試験2の結果として、化学軟化反応時のpHと溶解性CODcr濃度との関係を示したグラフである。
次に、本発明の実施形態の例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本排水処理方法>
本実施形態の一例に係る排水の処理方法(「本排水処理方法」と称する)は、図1に示すように、油分、Ca塩及び塩化ナトリウムを含む排水(原水)1から、油分を分離除去する油水分離工程と、油水分離工程から排出される油水分離処理水を化学軟化処理して、油水分離処理水に含まれるCaを分離除去する化学軟化処理工程と、化学軟化処理から排出される軟化処理水7を脱塩処理して脱塩処理水2(図では処理水2と表示)及び濃縮液6を得る脱塩処理工程と、を備えた油含有排水の処理方法において、油水分離工程から排出される油水分離処理水を加熱して該油水分離処理水の温度を高めた後に化学軟化処理することを特徴とする油含有排水の処理方法である。
<本排水処理装置>
かかる本排水処理方法を実施するための処理装置の一例(「本排水処理装置」と称する)として、油水分離装置3と、化学軟化装置4と、脱塩装置5と、を備えた油含有排水の処理装置であって、前記油水分離装置3の排水側と前記化学軟化装置4の入水側との間に熱交換器イを配設してなる構成を備えた油含有排水の処理装置を挙げることができる。但し、本排水処理方法を実施するための処理装置を本排水処理装置に限定するものではない。
<原水>
本処理方法が処理対象とする原水(被処理水)1は、油分、Ca塩などのスケール成分、及び、塩化ナトリウムなどの塩分を含む水である。但し、他の成分、例えば有機物、界面活性剤、その他の成分などを含んでいても構わない。
本処理方法が処理対象とする好ましい原水(被処理水)としては、例えば石油、石炭、天然ガス、シェールガス、コールドベッドメタン(CBM)、オイルサンド、シュールオイルなどの産出及び生産に伴って発生する油含有排水のほか、製油所・石油化学工場などから排出される油含有排水などを挙げることができる。
中でも、ディソルター(desalter)からの排水(「ディソルター排水」と称する)は、本発明の効果を最も効果的に享受できるという点で、本処理方法の被処理水として特に好ましい。
このようなディソルター排水の水温は、一般的に60〜80℃である。
本排水処理方法の被処理水(原水)としては、本発明の効果を効果的に享受できる観点から、塩分濃度2,000〜40,000mg/Lである排水が好ましく、特に20,000mg/LL以下である排水が好ましい。
<油水分離工程>
油水分離工程では、排水(原水)に含まれる油分を分離除去して、油水分離処理水を得る共に、汚泥を排泥管を通して排出する。
油水分離方法としては、被処理水から油分を分離する方法として通常用いられている方法、例えばAPIやCPI等の静置浮上分離装置を使用した方法や、ガスを注入して浮上分離する方法などを採用することができる。但し、油分の分離に用いられている他の方法を採用することも可能である。
このような油水分離方法によれば、油分と同時に浮遊性の有機物も分離除去することができる。
(装置)
油水分離装置3の入水側には原水供給管が接続され、排水側には油水分離処理水流通管が接続されている。排水(原水)は、原水供給管を通じて油水分離装置3に供給され、排水(原水)に含まれる油分や浮遊性有機物が分離除去されて、油水分離処理水として排出される。
油水分離装置3としては、APIやCPI等の静置浮上分離装置や、ガスや凝集剤を添加して浮上分離するDAF(Disolved Air Flotation)やIGF(Induced Gas Flotation)などの装置を用いることができる。
排水に含まれる分散性の油分が多い場合は、前記装置の後にコアレーサーやナットシェルフィルターなどの装置を設けるのが好ましい。
(油水分離処理水)
油水分離工程では、排出される油水分離処理水の油分濃度及びSS濃度が、ともに50mg/L以下、中でも30mg/L以下まで低下させるのが好ましい。
<化学軟化処理工程>
化学軟化処理工程では、前記油水分離工程から排出された油水分離処理水を化学軟化処理して、油水分離処理水中に含まれるCaなどのスケール成分を分離除去した後、軟化処理水7として排出する。
化学軟化処理の方法としては、被処理水である油水分離処理水に、アルカリ剤、又は、炭酸ガス或いは炭酸塩、又はこれらの両方を添加して、被処理水に含まれるCa塩、Mg塩などのスケール成分を不溶化して分離除去し、被処理水中に含まれるスケール成分を分離除去するようにする。
ここで、アルカリ剤としては、例えば石灰(Ca(OH)2)、カセイソーダ(NaOH)、カセイカリ(KOH)、などを挙げることができる。
他方、炭酸としては炭酸ガスや燃焼炉の煙道ガスの注入があり、炭酸塩としては、ソーダ灰(Na2CO3)を挙げることができる。
被処理水に含まれるCa塩及びMg塩は、下記化学軟化反応によって不溶化するため、不溶化物を固液分離すればよい。
CO2:CO2+Ca(OH)2=CaCO3↓+H2
Ca:Ca(HCO3)2+Ca(OH)2=2CaCO3↓+2H2
Ca:CaSO4+Na2CO3=CaCO3↓+Na2SO4
Ca:CaCl2+Na2CO3=CaCO3↓+2NaCl
Mg:Mg(HCO3)2+2Ca(OH)2=Mg(OH)2↓+2CaCO3↓+2H2
Mg:MgSO4+Ca(OH)2=Mg(OH)2↓+CaSO4
Mg:MgCl2+Ca(OH)2=Mg(OH)2↓+CaCl2
Mg:MgSO4+2NaOH=Mg(OH)2↓+Na2SO4
Mg:MgCl2+2NaOH=Mg(OH)2↓+2NaCl
油水分離処理水がマグネシウムを多く含む時、例えば油水分離処理水中のマグネシウム濃度が30mg/L以上である時は、特にカセイソーダ(NaOH)を、石灰(Ca(OH)2)や炭酸ソーダー(Na2CO3)と併せて添加するのが好ましい。カセイソーダを添加することにより、添加するCaイオンを削減することができるため、不溶化する炭酸カルシウムの生成量を抑えることができ、廃棄物量の発生を少なくすることができる。
(pH調整)
化学軟化処理工程では、石灰(Ca(OH)2)、ソーダ灰(Na2CO3)、カセイソーダ(NaOH)などのアルカリ剤又は炭酸塩又はこれら両方を添加して、被処理水のpHを8以上、中でも9以上に調整するのが好ましい。一方、pHを余り上げすぎると、一瞬にして超微細な結晶体ができたり、反応槽壁面に結晶体が付着したりして閉塞を招くことから、pHは10.5以下に保つのが好ましい。また、化学軟化処理装置で有機物の一部を化学軟化工程の不溶化反応時に一緒に不溶化体に取り込む効果も認められており、その効果はpHが高いほど取り込み量が減少する傾向が認められることから、化学軟化工程での有機物除去の観点からもpHは10.5以下であるのが好ましい。
化学軟化処理の際、不溶化物の沈降性を高めるために、無機凝集剤又は高分子凝集剤又はこれら両方を加えるようにしてもよい。
(化学軟化装置4)
化学軟化装置4の入水側には、熱交換装置イを介して油水分離処理水流通管が接続され、排水側には、軟化処理水流通管が接続されている。油水分離処理水は、熱交換装置イを介して油水分離処理水流通管を通じて化学軟化装置4に供給され、化学軟化装置4で軟化処理された後、軟化処理水流通管を通じて軟化処理水7として排出される。
化学軟化装置4は、通常の化学軟化処理槽を備えたものであればよい。
中でも、不溶化物を含むスラリーを循環させることができる機能を備えた化学軟化処理槽を備えた化学軟化装置であるのが好ましい。
すなわち、CaCO3やMg(OH)2の不溶体や結晶は、通常は粒径が極めて小さいため、沈降速度が小さい。しかし、アルカリ剤やソーダ灰との混合を急速に行い、その不溶化したCaCO3やMg(OH)2のスラリーを循環させることで、スラリーの緻密性や結晶体の粒径が増し、沈降性のよいCaCO3やMg(OH)2のスラリーを形成させることができる。よって、化学軟化装置4は、不溶化物を含むスラリーを循環させることができる機能を備えた化学軟化処理槽を備えたものが好ましい。
このようなスラリー循環機能を備えた化学軟化処理槽としては、例えば、凝集沈殿で使われるスラリー循環型高速凝集沈殿池を備えた装置を好ましい装置例として挙げることができる(図6)。
また、図7に示すスラッジブラン型スラリー循環型高速凝集沈殿池を備えた装置も好ましい装置として例示することができる。この装置は、細かな不溶体がブランケットに捕捉されるため比較的清澄な処理水を得ることができる点で好ましい。
また、日本特許第4101506号に記載されているツインリアクターを使用することもできる。このツインリアクターを使用する場合には、CaCO3の種晶を第二反応槽で作り、その種晶を第一リアクターに戻して流入水と反応させることで、沈降性のよいCaCO3晶析体を得ることができる。
このようなツインリアクターを使用すれば、数十分程度の短時間の反応槽滞留時間で、低濃度レベルまで硬度成分を除去できるため、より一層効率的に処理することができる。
また、図3に示すように、化学軟化処理槽の排水側にスケール析出槽を設け、平板状若しくは波板状の板(スケール析出板)を、該スケール析出槽槽内に脱着可能に設置し、軟化処理水7をこれらのスケール析出板に接触させて整流化させるようにしてもよい。このように、軟化処理水7をスケール析出板に接触させて整流化させることで、CaCO3やMg(OH)2のスケール成分をスケール析出板に付着させることができる(図3)。スケール析出板に付着したCaCO3やMg(OH)2のスケールは取り外して定期的に酸等で洗浄することで簡単に取り除くことができる。
化学軟化処理工程を出た排出水は、軟化工程でCaやMgが除去されているが、飽和或いは若干過飽和の状態で溶けているため、不溶化反応がその後も緩やかに進み、配管ライン等で若干のスケールが発生する恐れもある。そこで、このように軟化処理水7をこれらの板に接触させてCaCO3やMg(OH)2のスケール成分をスケール析出板に付着させて除去するのが好ましい。
また、化学軟化処理槽の排水側にフィルターを設けるようにしてもよい。
すなわち、化学軟化処理工程の排出水には幾分かのSSが流出することがある。これらのSS成分は脱塩処理工程での閉塞の原因にもなるため、排出されるSS成分が多い場合はフィルターを用いて除去しておく方が好ましい。
フィルターとしては、砂ろ過やカートリッジフィルター、或いはMFやUFなどの膜分離装置を用いることができる。
さらにまた、図4に示すように、化学軟化装置4の排水側に、陰イオン交換体を備えたイオン交換軟化装置を設置し、化学軟化の後に残ったCaイオンやMgイオンを除去するようにしてもよい。
このように化学軟化処理工程からの流出水の一部を、イオン交換軟化装置に通水し、その処理水を化学軟化処理工程の残りの流出水と混ぜることでも脱塩濃縮液6のスケール析出をイオン交換軟化装置に通水する水量を最小限に抑えることができる。或いは、通水速度(SV)を高くとって除去率を低く抑えることもでき、設備のコンパクト化ができる。
(水温調整)
化学軟化処理工程では、化学軟化処理の効率を高める観点から、被処理水の水温を高めるのが好ましい。言い換えれば、化学軟化処理槽内の水温を高めるように調整するのが好ましい。
例えば前記油水分離工程から排出される油水分離処理水を加熱して該油水分離処理水温を高めた後に化学軟化処理工程に供給するのが好ましい。
水温が高いほど、Ca塩やMg塩の溶解性は低くなるため、温度の高い条件で化学軟化反応させることにより、CaやMgの溶解濃度を低くすることができる。この効果は、前記油水分離工程から排出される油水分離処理水とアルカリ剤や炭酸塩の薬剤と接触する時の反応時の温度を、50℃以上、望ましくは80℃以上とすることにより、その効果をより一層享受することができる。
他方、pHが高いほど、Ca塩やMg塩の溶解性は低下するが、温度が高い条件では、pHが6.5以上で溶解濃度の低減割合は低下し始め、pH9以上でほぼ一定になる傾向がある。
一方、スケール成分としてSiO2が含まれている場合は、SiはCaやMgとは反対に温度が高いほど溶けやすく、pHが高いほど溶け易い特性を持っている。しかし、MgがMg(OH)2↓として不溶化する時にSiが一緒に取り込まれる現象が認められており、CaCO3やMg(OH)2の不溶化に伴って溶解性の残存Si濃度も低下させることができる。
また、被処理水中のMgイオン濃度が少ない場合は、MgOやMgCl2などのマグネシウム化合物を添加することで大幅にSi濃度を削減することができる。
以上の観点から、化学軟化処理槽内の水温は、40℃以上、中でも50℃以上、その中でも特に80℃以上に調整するのが好ましい。そしてその際、pHを6.5〜10.5、中でもpH8.5以上或いはpH10.5以下、その中でもpH9.0以上或いはpH10.5以下に調整するのが好ましい。
油水分離処理水の加熱手段は任意である。
例えば、油水分離処理装置の排水側と化学軟化装置4の入水側との間、すなわち油水分離処理水流通管の中間部に熱交換器イを配置し、高温の熱媒体と熱交換を行うことで油水分離処理水の温度を上げることができる(図1)。
一例として、石油やガス産出に伴って排出される随伴水や、ディソルター排水等は60℃以上の温度を有するのが一般的であるため、図2に示すように、前記油水分離装置3の排水側と前記化学軟化装置4の入水側との間に熱交換器イを接続し、前記熱交換器イに排水(原水)を導入する排水(原水)導入管を接続し、熱交換器イの熱媒体(図では高温熱源と表示)として排水(原水)を使用することができる。
このように、排水(原水)を熱交換器イの熱媒体源(図では高温熱源と表示)として利用すれば、より経済的、効果的に熱を供給することができる。また、熱交換器イを通して排水の熱が奪われることから、水温の低下した原水を油水分離工程に供給することができるメリットもある。その結果、油水分離工程では、油分の流動性や溶解度が低下し、集合して油水分離工程での油分分離が容易になる利点がもたらされ、油水分離工程での油分除去が容易となる利点もたらすことになる。
例えば、65〜70℃の排水(原水)を、最初に滞留時間が5時間のAPI装置を通して次の化学軟化装置4に流入させると、API装置で放熱がなされるため、油水分離処理水の水温は50〜55℃に低下することになる。この際、前記の原水を熱交換器イの熱媒体源として利用すれば、油水分離処理水の水温を5〜15℃上昇させて60〜65℃にすることができ、熱交換器イの熱媒体源として利用した原水の水温は5〜10℃降下して55〜60℃となる。
また、化学軟化処理工程に流入する直前の配管、若しくは反応槽に直接スチームを吹き込むことで、化学軟化処理槽内の水温を更に上げることもできる。この方法によれば、スチームの注入量によって化学軟化処理工程の反応槽温度制御が容易になる利点をもたらすことができる。
この場合、アルカリ剤やソーダ灰の注入は、流入水が蒸気と接触して温度が高くなる直前、又は、温度が高くなった直後に注入し、急速混合させるのが好ましい。それによって、高温化での化学軟化反応をより効果的に促進することができる。この方法は、特にSiを多く含む場合にSi除去に効果的である。
(軟化処理水)
化学軟化処理工程から排出される軟化処理水7は、そのCa濃度を35mg/L以下、中でも15mg/L以下にするのが好ましい。また、そのMg濃度を10mg/L以下、中でも4mg/L以下にするのが好ましい。
<脱塩処理工程>
脱塩処理工程では、前記化学軟化処理工程から排出された軟化処理水7を脱塩処理して、該軟化処理水7中に含まれる塩類を分離除去して、脱塩処理水2(図では処理水2と表示)を回収すると共に濃縮液6を排出する。
脱塩処理工程で採用する脱塩処理方法としては、例えば電気透析法(ED)、逆浸透膜法(RO)、蒸留法などを用いることができる。中でも、脱塩プロセスの前で温度を下げる場合は、蒸留法では熱効率が低下するため、EDやROプロセスの適用の方が好ましい。
RO膜処理は、RO膜で仕切られた室中の塩水に浸透圧以上の機械的圧力を加えてRO膜を通すことにより、RO濃縮水とRO膜処理水とに分離する方法である。
RO膜処理の効率は、塩類濃度が低い場合に良くなることが知られている。
ED処理は、陽極と陰極の間に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜のED膜を交互に多数配列し、電圧をかけて塩水を通水することで、イオン交換膜を通して塩類が除去された希釈室と塩類が濃縮された濃縮室が交互に形成される。濃縮室、希釈室の水を循環させながら原水の大部分を希釈水側に、少量を濃縮側に送ることで塩類が高濃度の濃縮水と、低濃度の処理水を得る方法である。
ED処理では、加熱、加圧せず、運転圧力も低いため、かん水からの脱塩、濃縮塩水からの塩類の更なる濃縮・回収等に使うことが知られている。
また、例えば図8及び図9に示すように、ED処理とRO膜処理とを組み合わせて行ってもよい。
例えば図8に示すように、RO膜処理を先に行なう場合には、被処理水の塩類濃度が高いと、浸透圧が上昇してRO膜での操作圧力が高くなってしまう。この場合、RO膜濃縮水をED処理に送り、ED処理で脱塩された処理水をRO膜処理供給水に混ぜることで、RO膜処理供給水の塩類濃度をうすめることができる。この結果、RO膜での操作圧力をさほど高めることなく運転ができ、RO膜処理の脱塩処理水の回収率を高めることができる。また、ED処理から排出される濃縮液は、化学軟化装置4の入水側に戻して、油水分離処理水と共に化学軟化処理するようにすれば、濃縮液6の排出量を減らすことができる。
他方、例えば図9に示すように、先にED処理を行なう場合には、RO膜処理の被処理水はED処理水のみであるから、RO膜処理の被処理水の塩類濃度も低いから、RO膜処理での水回収率を高めることができる。この場合は、ED処理から排出される濃縮液及びRO処理から排出される濃縮液をともに、化学軟化装置4の入水側に戻して、油水分離処理水と共に化学軟化処理するようにすれば、濃縮液6の排出量を減らすことができる。この際、RO処理から排出される濃縮液の一部を、ED処理の入水側に戻すようにしてもよい。
また、上記RO膜処理の代わりに、NF膜処理を行ってもよい。
(脱塩装置5)
脱塩装置5の入水側には軟化処理水流通管が接続され、排水側には、脱塩処理水排出管と濃縮液排出管が接続されている。軟化処理水7は、軟化処理水流通管を通じて脱塩装置5に供給され、脱塩装置5で脱塩処理された後、脱塩処理水排出管を通じて脱塩処理水2が排出され、濃縮液排出管を通じて濃縮液6が排出される。
脱塩装置5の構成例としては、例えばRO膜処理装置の排水側にRO濃縮水供給管とRO膜処理水排出管が接続され、RO濃縮水供給管はED処理装置に接続され、ED装置の排水側にはED処理水供給管とED濃縮水供給管とが接続されてなる構成例を挙げることができる。
この際、例えばED処理水供給管をRO膜処理流入管に接続し、ED濃縮水供給管を化学軟化装置4の入水側に接続して、ED濃縮水を化学軟化処理工程の入水側に戻すようにしてもよい。
また、脱塩装置5の他の構成例として、ED装置の排水側にED処理水供給管とED濃縮水供給管とが接続し、ED処理水供給管はRO膜処理装置に接続され、RO膜処理装置の排水側にはRO濃縮水供給管とRO膜処理水排出管が接続されてなる構成例を挙げることができる。
この際、RO濃縮水供給管をED装置の流入管に接続してもよいし、或いは化学軟化装置4の入水側に接続して、RO処理水を化学軟化処理工程の入水側に戻すようにしてもよい。更にED濃縮水供給管も化学軟化処理工程の入水側に戻すようにしても良い。
さらにまた、上記RO膜装置の代わりに、NF膜処理装置を設置することもできる。
(脱塩処理水)
脱塩処理水は、その利用目的によって要求される塩類濃度は異なるが、原水の塩類濃度(TDS)が2,000〜40,000mg/Lの場合、RO膜一段処理では98%程度の塩類除去率が得られる。従って、脱塩処理水のTDSは40〜800mg/L程度の値となる。一方、ED処理では、再利用における塩分の要求水質によって希釈室、濃縮水に循環する水量や電流量を変えることで任意の脱塩処理が得られるが、脱塩率は最大でも98%程度である。従って、クーリングタワー冷却水やボイラー用水として再利用する場合は、必要に応じて更なる脱塩処理やイオン交換樹脂による脱塩を行うのが好ましい。一方、DesalterのMake UPやRefineryにおける排ガス処理用水としてはRO/ED一段処理で適用可能である。
<脱塩工程の被処理水(軟化処理水)の調整>
脱塩工程の被処理水、すなわち軟化処理水7は、脱塩処理工程での処理効率を高める観点から、被処理水の水温を下げたり、pHを調整したりするのが好ましい。すなわち、化学軟化処理工程から排出される軟化処理水7の水温乃至pHを調整した後、脱塩処理工程に供給するのが好ましい。
(軟化処理水の水温調整)
軟化処理水7の水温の低下幅は、5℃以上、望ましくは10℃以上であるのが好ましい。但し、どの程度水温を低下させるのが良いかについては、濃縮水側でスケール等の析出が起きない条件で決めることが好ましい。また、脱塩処理工程に用いられるEDやROの膜材質の耐熱性を考慮する必要がある。例えば、膜材質が40℃以下で常用する必要がある場合は、その温度まで下げる必要がある。
CaCO3やMg(OH)2のスケール成分は温度が低いほど溶解性が上がり、スケールが生じにくくなるため、次の脱塩処理工程で濃縮水側でのスケール生成や沈積による膜面での付着が抑えられ、安定した運転が可能となる。
軟化処理水7の冷却手段は任意である。
例えば、図2に示すように、化学軟化装置4の排水側と脱塩装置5の入水側との間、すなわち軟化処理水流通管の中間部に熱交換器ロを配置し、低温の冷却媒体と熱交換を行うことで軟化処理水7の温度を下げることができる。
軟化処理水7の冷却に当たっては、脱塩処理水(膜透過水)を冷却用の冷却媒体として用いることができる。透過水の温度では冷却効果が少ない時は、脱塩処理水(膜透過水)をチラー等に通して更に温度を下げて熱交換器ロに供給することで、水温を十分下げることができる。脱塩処理水(膜透過水)は水質が良好なためチラーや熱交換器ロのメンテナンスが容易となるメリットがある。
(軟化処理水7のpH調整)
脱塩処理工程では、脱塩された脱塩処理水(膜透過水)2を回収する一方、濃縮液6にはスケール成分が濃縮される。従って、濃縮液6でのCaイオンやMgイオンの濃度から、析出が起こりにくい回収率と水温の関係を求め、設定するのが好ましい。しかし、処理水の再利用を行う場合はできる限り回収率を高めることも望まれる。従って、水温の低下だけでは十分な回収率が得られないことも起こりうる。この場合、脱塩処理工程の流入水に酸を添加し、pHを下げることで、CaCO3やMg(OH)2の沈積を防ぐことができる。すなわち、CaCO3やMg(OH)2の沈積は、pHが低いほどCO3 2-イオンやOH-イオンが減少するため起こりにくくなるため、脱塩処理水(膜透過水)の回収率を上げる場合は、水温および/またはpHの低下幅を調整することで達成することができる。
このような観点から、軟化処理水7のpHは6〜10、中でも7以上或いは9.5以下に調整したうえで、脱塩処理工程に供給するのが好ましい。但し、原水及び軟化処理水7に硫化水素が高い濃度で溶解している場合は、軟化処理水7のpHが8より低くなると、硫化水素がガス体として気相側に出てくるため、この場合は軟化処理水7のpHを8以上、望ましくは8.5以上に調整するのが好ましい。
また、スケール防止剤を脱塩処理工程の流入水に添加することでも、濃縮液6のスケール沈積を抑えることができる。
排水の性状によってスケールの生成条件が異なるため、水温と同時にpHやスケール防止剤の添加量を変えた試験を行うことで、安全性や経済性を考慮した最適プロセスを決めることができる。
<洗浄>
油分や有機物の一部は、化学軟化処理工程でも除去できるが、原水に界面活性剤等が多く含まれている場合には、特にRO膜の汚染が著しくなる。この場合、図4に示すように、脱塩処理工程の前に活性炭吸着槽等を設け、これらの界面活性剤を吸着除去するようにするのが好ましい。
また、界面活性剤が含まれていない場合でも、若干の有機物が軟化処理水7中に残存するため、ROやEDの膜表面に、濃縮した有機物のゲル層が生成して脱塩効果や脱塩処理水(膜透過水)の水量の低下が起きてくるため、該ゲル層の洗浄が必要である。
従来のプロセスでは、数ヶ月に一度、酸やアルカリ等を添加した薬品洗浄液を使用してROやEDの膜洗浄を行い、脱塩処理性能を復活させる手段が常套手段であった。しかしそれでは、処理コストがかさむ難点があった。
そこで本発明では、被処理水中に有機物が多く含まれる場合には、脱塩処理水を脱塩処理工程の入水側に通水させて、ROやEDの膜表面に生成したゲル層を定期的に洗浄する方法を提案する。
具体的には、図5に示すように、軟化処理水7を脱塩装置5に供給するポンプの上流側、すなわち軟化処理水供給管の中間部に3方バルブを設け、脱塩処理水排出管から分岐した脱塩処理水供給管を前記該3方バルブに接続することで、軟化処理水7を脱塩処理工程に供給するのを一時的に止めて、脱塩処理水(膜透過水)を脱塩処理工程の入口に通水させることができる。同時に、脱塩処理工程の濃縮液側の圧力調整バルブを開けて圧力を下げることで、脱塩処理工程流入側の流速を上げ、生成したゲル層を洗浄排出させることができる。この洗浄排出水は、回収率を高めるため化学軟化処理工程の前、若しくは後に戻すことが好ましい。
脱塩処理工程の脱塩処理水(膜透過水)を用いて脱塩処理工程の流入側を洗浄する頻度は、ゲル層の形成情況にもよるが、少なくとも1回/日〜数十回/日の頻度で行うのが好ましい。
洗浄時間は、数分/回から十分/回とするのが好ましい。
有機物濃度が高い場合は、カセイソーダ(NaOH)などのアルカリを洗浄液に添加して膜洗浄することで、洗浄効果を高めることもできる。
アルカリ剤を添加する場合は、洗浄排水は化学軟化処理工程に戻すことで化学軟化処理工程のアルカリ剤供給を節減するメリットも生じる。
アルカリ剤を添加する場合は、脱塩ろ過液で最初通水した後アルカリ剤を添加し、洗浄をやめる前にアルカリ剤添加を止めるのがスケール生成防止の観点から好ましい。
<用語の説明>
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
以下、本発明に関連する試験結果について説明する。
<試験1>
被処理水としての油分含有排水を、CPI装置によって油分離処理を行って、油分及び有機物を分離除去し、油水分離処理水を得た(成分などは下記表1参照)。次いで、油水分離処理水の温度を、恒温槽を用いて30℃、50℃又は80℃又は105℃に調整し、表に示した薬剤(石灰単独、石灰+炭酸ソーダ、又は、石灰+炭酸ソーダ+カセイソーダ)を原水1kgに対して0.2質量%の割合で添加して、油水分離処理水を化学軟化処理してCaやMgを不溶化させて2時間後にろ紙でろ過し、ろ液中の各成分量を測定し、測定結果を表1に示した。
なお、石灰+炭酸ソーダにおける各材料の添加割合(質量)は、石灰:炭酸ソーダ=1:1であり、石灰+炭酸ソーダ+カセイソーダにおける各材料の添加割合は、石灰:炭酸ソーダ:カセイソーダ=1:1:0.5であった。
また、105℃の加熱は、密閉容器を用いて加圧下で行った。
Figure 2014128764
軟化処理工程の被処理水である油水分離処理水の反応温度を上げるに従い、石灰単独添加時のCaの除去挙動を除き、石灰+炭酸ソーダ、石灰+炭酸ソーダ+カセイソーダのいずれの場合も、温度の上昇と共にスケール成分であるCaやMgの除去効果が上がることが分かった。一方、石灰単独添加の場合は、石灰の添加により明らかにCa濃度は下がるが、50℃以上では除去効果がわずかに悪化する傾向も認められた。
理由は定かではないが、石灰と共に炭酸ソーダや苛性ソーダを加えて、且つ反応温度を高めることで、CaやMgの除去効果を上げることができることが分かった。
また、カセイソーダの添加によりMg除去率が多少高まる傾向も認められた。
一方、Siに関しては、50℃までは除去効果は低いが、油水分離処理水の水温を80℃以上にすると、CaやMgと同時に除去されることが認められた。
<試験2>
試験1で処理した油分含有排水1Lに対し、炭酸ソーダーを0.2 (w/v%)の割合で添加し、塩酸又は苛性ソーダーでpHを調整して攪拌を行った。24時間後にろ紙ろ過してろ過水のCa2+、Mg2+およびCODcrを測定し、その結果を図10、図11に示した。
長時間の反応では、Ca2+のイオン濃度は、油分含有排水のpHが高まり、pH6.0から低下し始め、pH8以上でほとんど不溶化した。また、Mg2+のイオン濃度は、6.5くらいから低下し始め、Caと同様にpH8以上でほとんど不溶化した。
一方、有機物濃度は低pHでは低くなり、10以上で高くなる傾向が認められた。

Claims (8)

  1. 油分、Ca塩及び塩化ナトリウムを含む排水(原水)から、油分を分離除去する油水分離装置と、
    油水分離工程から排出される油水分離処理水を、化学軟化処理をして該油水分離処理水に含まれるCaを分離除去する化学軟化装置と、
    化学軟化装置から排出された軟化処理水を脱塩処理する脱塩装置と、を備えた油含有排水の処理装置において、
    前記油水分離装置の排水側と前記化学軟化装置の入水側との間に熱交換器イを接続し、該油水分離装置から排出される油水分離処理水を、該熱交換器イを通して油水分離処理水の温度を高めた後、該化学軟化装置に供給する構成を備えた油含有排水の処理装置。
  2. 前記化学軟化装置の排水側と前記脱塩装置の入水側との間に熱交換器ロを接続し、該化学軟化処装置から排出される軟化処理水を、該熱交換器ロを通して該軟化処理水の水温を低下させた後、該脱塩装置に供給する構成を備えた請求項1に記載の油含有排水の処理装置。
  3. 前記熱交換器イに排水(原水)を導入する原水供給管を接続し、熱交換器イの熱媒体として排水(原水)を使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の排水処理装置。
  4. 前記熱交換器ロと脱塩装置の排水側とを接続し、脱塩装置から排出される脱塩処理水を熱交換器ロの冷却媒体として使用することを特徴とする請求項2又は3に記載の油含有排水の処理装置。
  5. 油分、Ca塩及び塩化ナトリウムを含む排水(原水)から、油分を分離除去する油水分離工程と、油水分離工程から排出される油水分離処理水を化学軟化処理して、該油水分離処理水に含まれるCaを分離除去する化学軟化処理工程と、化学軟化処理工程から排出される軟化処理水を脱塩処理する脱塩処理工程と、を備えた油含有排水の処理方法において、
    油水分離工程から排出される油水分離処理水を加熱して該油水分離処理水の温度を高めた後に化学軟化処理することを特徴とする油含有排水の処理方法。
  6. 前記化学軟化処理工程から排出される軟化処理水を冷却して該軟化処理水の水温を低下させた後に脱塩処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の油含有排水の処理方法。
  7. 油水分離処理水を加熱する熱媒体として、排水(原水)を使用することを特徴とする請求項5又は6に記載の油含有排水の処理方法。
  8. 軟化処理水を冷却する冷却媒体として、脱塩処理工程から排出される脱塩処理水を使用することを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の油含有排水の処理方法。

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