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JP2014127700A - アモルファス金属および磁性材料 - Google Patents

アモルファス金属および磁性材料 Download PDF

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JP2014127700A JP2012285975A JP2012285975A JP2014127700A JP 2014127700 A JP2014127700 A JP 2014127700A JP 2012285975 A JP2012285975 A JP 2012285975A JP 2012285975 A JP2012285975 A JP 2012285975A JP 2014127700 A JP2014127700 A JP 2014127700A
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Kosaku Okamura
興作 岡村
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】磁性材料製造時における成形圧力の低減を図ることができ、比較的低圧条件で成形しても高密度の磁性材料を得ることができるアモルファス金属、および、そのアモルファス金属を用いて得られる磁性材料を提供する。
【解決手段】希土類元素、鉄、コバルトおよびホウ素を含有するアモルファス金属において、その総量に対するホウ素の原子割合を、6〜28原子%とし、希土類元素、鉄およびコバルトの原子比を、図1に示す三角図において、A、B、CおよびDで示される点を結ぶ直線で囲まれる範囲内とする。また、ネオジム−鉄−ホウ素系磁石粉末である磁石粉末と、上記のアモルファス金属とを混合するとともに、アモルファス金属の液相線温度より10℃低い温度以上の温度に加熱することにより、磁性材料を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、アモルファス金属および磁性材料に関し、詳しくは、アモルファス金属、および、アモルファス金属を用いて得られる磁性材料に関する。
金属ガラスなどのアモルファス金属(アモルファス合金)は、熱処理されることにより、優れた磁気特性を備えることが知られている。そのため、例えば、アモルファス金属と磁石粉末と混合し、加熱することによって、磁気特性に優れる磁性材料を製造することが提案されている。
具体的には、例えば、希土類元素、鉄およびホウ素を含有し、希土類元素の原子割合が22〜44原子%、ホウ素の原子割合が6〜28原子%の範囲であるアモルファス金属と、ネオジム−鉄−ホウ素系磁石粉末とを混合し、所定温度に加熱することによって磁性材料を得ることが、提案されている。より具体的には、例えば、Nd33Fe4423からなる結晶化温度465℃のアモルファス金属の粉末と、Nd−Fe−B系磁気異方性磁石粉末とを混合し、結晶化温度より30℃低い温度以上(460℃)、600MPaの条件で、放電プラズマ焼結機により30分間加熱して、磁性材料を得ることが、提案されている(例えば、特許文献1(実施例23、実施例26)参照。)。
このような磁性材料は、簡易な方法により得ることができ、また、磁気特性にも優れる。
国際公開パンフレットWO2012/124387号
上記の特許文献1では、高密度の磁性材料を得るため、比較的高圧条件(600MPa)で成形しているが、磁性材料の製造では、製造装置の負担を軽減するため、成形圧力を低減することが要求されている。
そこで、本発明の目的は、磁性材料製造時における成形圧力の低減を図ることができ、比較的低圧条件で成形しても高密度の磁性材料を得ることができるアモルファス金属、および、そのアモルファス金属を用いて得られる磁性材料を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のアモルファス金属は、希土類元素、鉄、コバルトおよびホウ素を含有するアモルファス金属であって、前記アモルファス金属の総量に対する前記ホウ素の原子割合が、6〜28原子%であり、前記希土類元素、前記鉄および前記コバルトの原子比が、図1に示す三角図において、A、B、CおよびDで示される点を結ぶ直線で囲まれる範囲内にあることを特徴としている。
また、本発明のアモルファス金属は、さらに、ジルコニウム、銅、チタン、アルミニウム、ケイ素、ニオブ、ニッケル、クロムおよびリンからなる群から選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、前記アモルファス金属の総量に対する前記添加元素の原子割合は、前記ジルコニウム3.5原子%以下、前記銅2.5原子%以下、前記チタン5.5原子%以下、前記アルミニウム11.5原子%以下、前記ケイ素1.5原子%以下、前記ニオブ5.5原子%以下、前記ニッケル1.5原子%以下、前記クロム6.5原子%以下、前記リン4.5原子%以下の範囲であることが好適である。
また、本発明の磁性材料は、上記のアモルファス金属と、ネオジム−鉄−ホウ素系磁石粉末とを混合するとともに、前記アモルファス金属の液相線温度より10℃低い温度以上の温度に加熱することにより得られることを特徴としている。
本発明のアモルファス金属によれば、液相線温度を低く抑えることができる。
そのため、本発明の磁性材料は、本発明のアモルファス金属を用いて得られるため、製造時における成形圧力の低減を図ることができ、装置負担の軽減を図ることができるとともに、比較的低圧条件においても、高密度の磁性材料を作業性よく得ることができる。
アモルファス金属中に含まれる希土類元素、鉄およびコバルトの3成分系組成の三角図を示す。 各実施例および各比較例のアモルファス金属中に含まれる希土類元素、鉄およびコバルトの3成分系組成の三角図を示す。
本発明のアモルファス金属は、希土類元素、鉄(Fe)、コバルト(Co)およびホウ素(B)を含有する。
希土類元素は、結晶磁気異方性を生じさせ、磁気特性(例えば、保磁力など)を向上させるために含有される。
希土類元素としては、例えば、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユーロピウム)などの軽希土類元素、例えば、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)などの重希土類元素などが挙げられる。
これら希土類元素は、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、詳しくは後述するが、このようなアモルファス金属は、必ずしも重希土類元素を含まなくとも、結晶化後に十分大きな保磁力を発現することができる。
希土類元素として、好ましくは、軽希土類元素、より好ましくは、Nd(ネオジム)、Y(イットリウム)、さらに好ましくは、Nd(ネオジム)が挙げられる。
希土類元素としてNd(ネオジム)を用いれば、アモルファス金属を用いて得られる磁性材料の保磁力、残留磁化を向上することができる。
また、希土類元素として、好ましくは、Nd(ネオジム)とY(イットリウム)との併用が挙げられる。
希土類元素が、Nd(ネオジム)およびY(イットリウム)を含有していれば、アモルファス金属を用いて得られる磁性材料の保磁力、残留磁化を向上することができる。
希土類元素がNd(ネオジム)およびY(イットリウム)を含有する場合には、それらの含有割合は、Nd(ネオジム)およびY(イットリウム)の総量に対して、Nd(ネオジム)が、例えば、70原子%以上、好ましくは、80原子%以上であり、Y(イットリウム)が、例えば、30原子%以下、好ましくは、20原子%以下である。
また、アモルファス金属において、希土類元素の原子割合(併用される場合には、それらの総量)は、例えば、20原子%以上、好ましくは、22原子%以上、より好ましくは、27原子%以上であり、例えば、50原子%以下、好ましくは、45原子%以下、より好ましくは、38原子%以下である。
希土類元素の原子割合が上記下限以上であれば、アモルファス金属を用いて得られる磁性材料の残留磁化および保磁力を向上することができ、さらには、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)および液相線温度(Tl)を低く抑えることができるため、後述するように、高温で熱処理することなく、低コスト、かつ、作業性および生産性よく磁性材料を製造することができる。また、希土類元素の原子割合が上記下限以上であれば、保磁力に優れる磁性材料を得ることができる。
また、希土類元素の原子割合が上記上限以下であれば、保磁力、残留磁化に優れる磁性材料を得ることができ、さらに、低コスト化、生産性および安全性の向上を図ることができる。
アモルファス金属において、Fe(鉄)は、磁性に寄与する元素であって、磁性材料の磁気特性(例えば、残留磁束密度など)を向上させるために含有される。
アモルファス金属において、Fe(鉄)の原子割合は、例えば、10原子%以上、好ましくは、13原子%以上、より好ましくは、18原子%以上であり、例えば、50原子%以下、好ましくは、46原子%以下、より好ましくは、43原子%以下である。
Fe(鉄)の原子割合が上記下限以上であれば、残留磁束密度に優れる磁性材料を得ることができる。また、Fe(鉄)の原子割合が上記上限以下であれば、保磁力に優れる磁性材料を得ることができる。
アモルファス金属において、Co(コバルト)は、アモルファス金属を用いて得られる磁性材料の磁気特性を向上させ、また、酸化を防止することにより取扱性の向上を図るために含有される。
さらに、アモルファス金属が後述するように金属ガラスである場合には、Co(コバルト)は、その金属ガラスを、後述する軟化状態(ガラス遷移状態)において安定化させ、その成形性を向上するために含有される。
アモルファス金属において、Co(コバルト)の原子割合は、例えば、3原子%以上、好ましくは、3.5原子%以上、より好ましくは、4原子%以上であり、例えば、30原子%以下、好ましくは、28原子%以下、より好ましくは、25原子%以下である。
Co(コバルト)の原子割合が上記下限以上であれば、優れた取扱性、成形性および加工性を確保することができる。とりわけ、アモルファス金属が後述するように金属ガラスである場合において、その過冷却領域(ガラス遷移温度以上、かつ、結晶化温度未満の領域。ΔTx(=Tx−Tg))を十分に確保することができ、優れた成形性および加工性を得ることができる。
また、Co(コバルト)の原子割合が上記上限以下であれば、残留磁束密度に優れる磁性材料を得ることができる。
また、Co(コバルト)の原子割合として、好ましくは、Fe(鉄)に対するCo(コバルト)の原子比が、1.5以下、好ましくは、1.44以下、より好ましくは0.6以下であることが挙げられる。
Fe(鉄)に対するCo(コバルト)の原子比が、1.5以下であれば、低コスト化を図るとともに、取扱性を向上でき、さらに、0.6以下であれば熱処理により大きな保磁力を発現できる。
アモルファス金属において、B(ホウ素)は、非晶質相を形成し、アモルファス合金とするために含有される。
アモルファス金属において、B(ホウ素)の原子割合は、6原子%以上、好ましくは、12原子%以上、より好ましくは、17原子%以上であり、28原子%以下、好ましくは、26原子%以下、より好ましくは、25原子%以下である。
B(ホウ素)の原子割合が上記下限以上であれば、後述する急冷時においても、結晶相の生成を抑制することができ、アモルファス金属を原料として、放電プラズマ焼結法やホットプレス法などを用いて成形体を製造する場合において、成形性および加工性の向上を図ることができる。
また、B(ホウ素)の原子割合が上記上限以下であれば、残留磁束密度に優れる磁性材料を得ることができる。
また、アモルファス金属は、添加元素として、さらに、その他の元素、例えば、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Mn(マンガン)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)Ag(銀)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Au(金)などの遷移元素、例えば、C(炭素)、P(リン)、Al(アルミニウム)、Si(ケイ素)、Ca(カルシウム)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)、Zn(亜鉛)などの典型元素など、種々の元素を含むことができる。これら添加元素は、単独使用または2種類以上併用することができる。
添加元素として、好ましくは、Zr(ジルコニウム)、Cu(銅)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Si(ケイ素)、Nb(ニオブ)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、P(リン)などが挙げられ、より、好ましくは、Cu(銅)が挙げられる。
アモルファス金属が、添加元素として、Cu(銅)を含有すれば、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)および液相線温度(Tl)を低く抑えることができるため、後述するように、高温で熱処理することなく、すなわち、低コスト、かつ、作業性および生産性よく、磁性材料を製造することができる。
アモルファス金属における添加元素の原子割合は、添加元素の種類に応じて設定される。
具体的には、例えば、添加元素としてジルコニウムが添加される場合には、アモルファス金属の総量に対するジルコニウムの原子割合は、例えば、0.1原子%以上、好ましくは、0.5原子%以上、より好ましくは、1原子%以上であり、例えば、3.5原子%以下、好ましくは、3原子%以下である。
また、添加元素として銅が添加される場合には、アモルファス金属の総量に対する銅の原子割合は、例えば、0.1原子%以上、好ましくは、0.5原子%以上、より好ましくは、1原子%以上であり、例えば、2.5原子%以下、好ましくは、2原子%以下である。
また、添加元素としてチタンが添加される場合には、アモルファス金属の総量に対するチタンの原子割合は、例えば、0.1原子%以上、好ましくは、0.5原子%以上、より好ましくは、1原子%以上であり、例えば、5.5原子%以下、好ましくは、5原子%以下である。
また、添加元素としてアルミニウムが添加される場合には、アモルファス金属の総量に対するアルミニウムの原子割合は、例えば、0.1原子%以上、好ましくは、0.5原子%以上、より好ましくは、1原子%以上であり、例えば、11.5原子%以下、好ましくは、11原子%以下である。
また、添加元素としてケイ素が添加される場合には、アモルファス金属の総量に対するケイ素の原子割合は、例えば、0.1原子%以上、好ましくは、0.5原子%以上、より好ましくは、0.8原子%以上であり、例えば、1.5原子%以下、好ましくは、1.3原子%以下である。
また、添加元素としてニオブが添加される場合には、アモルファス金属の総量に対するネオジムの原子割合は、例えば、0.1原子%以上、好ましくは、0.5原子%以上、より好ましくは、1原子%以上であり、例えば、5.5原子%以下、好ましくは、5原子%以下である。
また、添加元素としてニッケルが添加される場合には、アモルファス金属の総量に対するニッケルの原子割合は、例えば、0.1原子%以上、好ましくは、0.5原子%以上、より好ましくは、0.8原子%以上であり、例えば、1.5原子%以下、好ましくは、1.3原子%以下である。
また、添加元素としてクロムが添加される場合には、アモルファス金属の総量に対するクロムの原子割合は、例えば、0.1原子%以上、好ましくは、1原子%以上、より好ましくは、1.5原子%以上であり、例えば、6.5原子%以下、好ましくは、6原子%以下である。
また、添加元素としてリンが添加される場合には、アモルファス金属の総量に対するリンの原子割合は、例えば、0.1原子%以上、好ましくは、0.5原子%以上、より好ましくは、1原子%以上であり、例えば、4.5原子%以下、好ましくは、3.5原子%以下、より好ましくは、3原子%以下である。
また、添加元素として上記元素が2種類以上併用される場合、アモルファス金属の総量に対する添加元素の原子割合の総量は、例えば、0.2原子%以上、好ましくは、1原子%以上、より好ましくは、2原子%以上であり、例えば、15原子%以下、好ましくは、10原子%以下、より好ましくは、5原子%以下である。
各添加元素の原子割合が上記範囲であれば、良好に液相線温度を低下させることができる。
また、このようなアモルファス金属において、希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の原子割合の総量は、例えば、65原子%以上、好ましくは、70原子%以上、より好ましくは、72原子%以上であり、例えば、94原子%以下、好ましくは、90原子%以下、より好ましくは、85原子%以下である。
希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の原子割合の総量が上記範囲であれば、アモルファス金属の成形性および加工性を向上することができ、さらには、残留磁束密度および保磁力に優れる磁性材料を得ることができる。
また、アモルファス金属において、希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)を除く元素(すなわち、B(ホウ素)および添加元素)の原子割合の総量は、例えば、6原子%以上、好ましくは、10原子%以上、より好ましくは、15原子%以上であり、例えば、35原子%以下、好ましくは、30原子%以下、より好ましくは、28原子%以下である。
希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)を除く元素の原子割合の総量が上記範囲であれば、アモルファス金属の成形性および加工性を向上することができ、さらには、後述する熱処理(結晶化)後の磁性材料の残留磁束密度および保磁力を良好とすることができる。
また、このようなアモルファス金属は、低い温度で硬磁性相を析出させることができ、必ずしも重希土類元素を含まなくとも、十分大きな保磁力を発現することができる。
図1は、アモルファス金属中に含まれる希土類元素、鉄およびコバルトの3成分系組成の三角図を示す。
本発明において、アモルファス金属に含まれる希土類元素、鉄およびコバルトの原子比は、図1に示す三角図において、A、B、CおよびDで示される点を結ぶ直線で囲まれる範囲内にある。
具体的には、本発明のアモルファス金属では、図1に示すように、希土類元素、鉄およびコバルトの原子比が、上記3成分の原子比を点(希土類元素,Fe,Co)として示した三角図において、点A(70,26,4)、点B(70,10,20)、点C(44,10,46)および点D(30,66,4)を結ぶ直線で囲まれる範囲内の組成となるように、調整される。
また、好ましくは、希土類元素、鉄およびコバルトの原子比が、上記3成分の原子比を点(希土類元素,Fe,Co)として示した三角図において、点A’(66,30,4)、点B’(66,14,20)、点C’(43,14,43)および点D(30,66,4)を結ぶ直線で囲まれる範囲内の組成となるように、調整される(図2破線参照)。
希土類元素、鉄およびコバルトの原子比が上記範囲内であれば、液相線温度を低く抑えることができ、磁性材料の製造時における成形圧力の低減を図ることができる。
一方、希土類元素、鉄およびコバルトの原子比が上記範囲外である場合には、液相線温度が高くなり、磁性材料の製造時における成形圧力を低減すると、成形体の密度が低くなるため、磁気特性に劣る。
そして、このようなアモルファス金属は、特に制限されず、公知の方法により製造することができる。
より具体的には、例えば、まず、原料成分として、上記各元素の単体の粉末、塊状物など(必要により、一部合金化していてもよい)を用意し、それらを、上記原子割合となるように混合する。
次いで、得られた原料成分の混合物を、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気において溶解させる。
原料成分の溶解方法としては、上記各元素を溶解できる方法であれば特に制限されないが、例えば、アーク溶解などが挙げられる。
次いで、例えば、放冷し、上記各元素を上記原子割合で含有する塊状合金(鋳塊、インゴット)を得る。その後、得られた塊状合金を公知の方法により粉砕し、合金粒状物(粒子径:0.5〜20mm)を得る。
その後、この方法では、得られた合金粒状物を溶解させ、合金溶湯を得る。
合金粒状物の溶解方法としては、上記合金粒状物を溶解できる方法であれば特に制限されないが、例えば、高周波誘導加熱などが挙げられる。
次いで、この方法では、得られた合金溶湯を、公知の方法、例えば、単ロール法、ガスアトマイズ法などにより急冷し、アモルファス金属を得る。
単ロール法では、例えば、回転する冷却ロールの外周表面上に合金溶湯を流下し、その合金溶湯と冷却ロールとを所定時間接触させることにより、合金溶湯を急冷する。
合金溶湯の急冷速度(冷却速度)は、例えば、10−2〜10℃/sである。
また、合金溶湯の急冷速度(冷却速度)は、例えば、冷却ロールの回転速度を調節することなどにより制御される。このような場合において、冷却ロールの回転速度は、例えば、1〜60m/s、好ましくは、20〜50m/s、より好ましくは、30〜40m/sである。
このように合金溶湯を急冷することにより、冷却ロールの外周表面上において、例えば、帯状(薄膜状、厚膜状を含む)のアモルファス金属を得ることができる。
得られるアモルファス金属の厚みは、例えば、1〜500μm、好ましくは、5〜300μm、より好ましくは、10〜100μmである。
また、ガスアトマイズ法では、上記の合金溶湯に、例えば、高圧の噴射ガス(例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスなど)を噴き付け、合金溶湯を急冷するとともに微粉化する。
このように合金溶湯を急冷することにより、粉末状のアモルファス金属を得ることができる。
得られるアモルファス金属の体積平均粒子径は、例えば、1〜200μm、好ましくは、5〜50μmである。
なお、合金溶湯の急冷方法としては、上記の単ロール法、ガスアトマイズ法に限定されず、公知の方法を採用することができる。好ましくは、単ロール法が採用される。
これらアモルファス金属は、単独使用または2種類以上併用することができる。
アモルファス金属の結晶化温度(Tx)(結晶化を開始する温度)は、例えば、600℃以下、好ましくは、550℃以下、より好ましくは、500℃以下である。
アモルファス金属の結晶化温度(Tx)は、DSC(示差走査熱量測定)によって測定することができ、本発明においては、40℃/minの昇温速度で測定された値であると定義される。
なお、結晶化温度(Tx)が複数確認される場合には、それら結晶化温度(Tx)のうち最も低い結晶化温度(Tx)を、アモルファス金属の結晶化温度(Tx)とする。
また、このようにして得られるアモルファス金属は、金属ガラスを含んでいる。
金属ガラスは、結晶化温度(Tx)未満のガラス遷移温度(Tg)を有するアモルファス合金であり、高い成形性を有している。
そして、このようにして得られるアモルファス金属が、金属ガラスである場合には、その軟化開始温度(ガラス遷移温度(Tg))は、例えば、600℃以下、好ましくは、500℃以下、より好ましくは、450℃以下である。
また、アモルファス金属は、金属ガラスでなくとも、加熱により軟化する場合があり、そのような場合における軟化開始温度は、例えば、600℃以下、好ましくは、500℃以下、より好ましくは、450℃以下である。
アモルファス金属(金属ガラスを含む。)の軟化開始温度は、例えば、DSC(示差走査熱量測定)、または、放電プラズマ焼結機のプレス変位測定などにより、求めることができる。
そして、上記したアモルファス金属によれば、液相線温度(Tl)を低く抑えることができる。
すなわち、上記のアモルファス金属は、希土類元素、鉄およびコバルトの原子比が上記の三角図で示す範囲内に調整されているため、液相化温度(Tl)が低く設定されている。
具体的には、液相化温度(Tl)は、例えば、620℃未満、好ましくは、600℃以下、より好ましくは、590℃以下であり、通常、530℃以上である。
液相化温度(Tl)が上記範囲であれば、磁性材料の製造時における成形圧力の低減を図ることができ、装置負担の軽減を図ることができるとともに、高密度の磁性材料を作業性よく得ることができる。
なお、液相化温度(Tl)は、DSC(示差走査熱量測定)によって測定することができ、本発明においては、40℃/minの昇温速度で測定された値であると定義される。
本発明の磁性材料は、磁石粉末と上記のアモルファス金属とを原料としている。
磁石粉末としては、ネオジム−鉄−ホウ素系磁石粉末が挙げられる。
ネオジム−鉄−ホウ素系(以下、Nd−Fe−B系と示す場合がある。)磁石粉末は、ネオジム、鉄およびホウ素を含有するとともに、NdFe14B相を主相とする磁石粉末であって、特に制限されず、種々の組成比の磁石粉末を用いることができる。
また、Nd−Fe−B系磁石粉末においては、それら各元素が、部分的に他の元素に置換されていてもよい。
具体的には、例えば、Ndの一部が、例えば、Dy(ジスプロシウム)、Tb(テルビウム)、Pr(プラセオジム)、Y(イットリウム)、Sm(サマリウム)などにより置換されることができ、また、Feの一部が、例えば、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)などにより置換されることができる。さらには、それら各元素が、例えば、Ga(ガリウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Ti(チタン)、Si(ケイ素)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Ge(ゲルマニウム)、Mo(モリブデン)、In(インジウム)、Sn(錫)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Pb(鉛)などにより置換されることができる。
なお、元素の置換割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、このようなNd−Fe−B系磁石粉末は、特に制限されず、公知の方法により得ることができる。
具体的には、例えば、急冷凝固法によりNd−Fe−B系合金を製造した後、熱間静水圧成形法(HIP法)により塊状に成形し、次いで、得られた塊状物を公知の方法により塑性加工し、その後、粉砕することにより、例えば、結晶粒径が1μm以下の微細結晶を有するNd−Fe−B系の磁気異方性磁石粉末を得ることができる。
また、例えば、Nd−Fe−B系合金を、750〜950℃に加熱しつつ水素を吸蔵させて、順組織変態を生じさせる高温水素処理工程の後に、吸蔵した水素を放出させて、逆組織変態を生じさせる脱水素化工程を施す方法(Hydrogenation Decomposition Desorption Recombination法。以下、HDDR法。)により、Nd−Fe−B系の磁気異方性磁石粉末を得ることができる。
また、磁気異方性磁石粉末の体積平均粒子径は、例えば、5〜500μm、好ましくは、10〜300μmである。
磁気異方性磁石粉末の体積平均粒子径が上記範囲であれば、磁石粉末の充填率の向上を図ることができ、優れた残留磁束密度を確保することができる。
また、Nd−Fe−B系磁石粉末としては、さらに、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末が挙げられる。
Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末は、例えば、Fe/Nd−Fe−B系の組織を有するナノコンポジット磁石の粉末であって、特に制限されないが、例えば、急冷法などにより製造することができる。
より具体的には、この方法では、例えば、まず、原料合金(Nd−Fe−B系合金)の溶湯を急冷し、急冷凝固合金を製造する。次いで、得られた急冷凝固合金を熱処理し、硬磁性相と、軟磁性相の微細結晶とを分散させる。これにより、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末を製造することができる。また、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末は、必要により、さらに粉砕して用いることもできる。
なお、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末は、上記の方法に限定されず、他の公知の方法により製造することができる。
このようなNd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末として、より具体的には、FeとNdFe14B(キュリー点:310℃)とのナノコンポジット磁石粉末などが挙げられる。
ナノコンポジット磁石粉末の体積平均粒子径は、例えば、5〜500μm、好ましくは、10〜300μmである。
ナノコンポジット磁石粉末の体積平均粒子径が上記範囲であれば、磁石粉末の充填率の向上を図ることができ、優れた残留磁束密度を確保することができる。
なお、一般に、磁性材料の製造において、上記のような微細な結晶を有する磁石粉末を焼成すると、その結晶の粗大化などにより、保磁力などが低下する。
上記のような微細な結晶を有する磁石粉末において、結晶の粗大化などが生じる温度は、例えば、600℃以上である。
また、磁石粉末としては、さらに、上記以外のNd−Fe−B系磁石粉末、具体的には、例えば、磁気等方性磁石粉末や、焼結磁石の原料に用いられるような、結晶粒径が1μm以上の磁石粉末などを用いることもできる。
これら磁石粉末は、単独使用または2種類以上併用することができる。
磁石粉末として、好ましくは、HDDR法により得られたNd−Fe−B系磁石粉末、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末が挙げられる。
HDDR法により得られたNd−Fe−B系磁石粉末を用いれば、保磁力や残留磁束密度などの向上を図ることができる。
また、Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石粉末を用いれば、残留磁束密度などの向上を図ることができる。
本発明において、磁性材料を製造するには、まず、磁石粉末とアモルファス金属とを混合する。
磁石粉末とアモルファス金属との配合割合は、磁石粉末とアモルファス金属との総量100質量部に対して、磁石粉末が、例えば、60〜99質量部、好ましくは、80〜95質量部であり、アモルファス金属が、例えば、1〜40質量部、好ましくは、5〜20質量部である。
混合は、磁石粉末とアモルファス金属とを十分に混合できれば、特に制限されず、例えば、ボールミルなどの公知の混合装置を用いることができる。
この方法では、乾式法、湿式法のいずれも採用することができる。例えば、乾式法では、磁石粉末とアモルファス金属とを、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気下において、混合する。また、湿式法では、磁石粉末とアモルファス金属とを、溶媒(例えば、シクロヘキサン、アセトン、エタノールなど)中において、混合する。
混合条件としては、特に制限されないが、ボールミル(容量0.3L)を使用する場合には、回転数が、例えば、100〜300rpm、好ましくは、150〜250rpmであって、混合時間が、例えば、5〜60分間、好ましくは、5〜45分間である。
次いで、この方法では、磁石粉末とアモルファス金属との混合物を比較的低圧条件で加圧しながら、アモルファス金属の液相線温度より10℃低い温度以上の温度に加熱する。
より具体的には、この方法では、例えば、ホットプレス装置、放電プラズマ焼結機などを用いて、磁石粉末とアモルファス金属との混合物を、例えば、100MPa以上、好ましくは、150MPa以上、より好ましくは、200MPa以上であり、例えば、600MPa以下、好ましくは、500MPa以下、より好ましくは、400MPa以下の圧力条件下において、アモルファス金属の液相線温度より10℃低い温度以上の温度、具体的には、例えば、530℃以上、好ましくは、570℃以上であり、例えば、650℃以下、好ましくは、620℃以下に加熱する。
このような加圧加熱成形により、アモルファス金属が変形を生じ、これにより、高密度な磁性材料を得ることができる。さらに、アモルファス金属が硬磁性相となるため、磁石粉末、および、アモルファス金属から生成した硬磁性相を含む磁性材料を、得ることができる。
加熱は、特に制限されないが、例えば、常温から一定の昇温速度で加熱することができ、そのような場合には、昇温速度は、例えば、10〜200℃/分、好ましくは、20〜100℃/分である。
また、磁性材料の製造においては、必要により、イメージ炉などを用いて、上記の加圧加熱成形の後、磁石粉末と、アモルファス金属またはアモルファス金属から生成した硬磁性相との成形体を、高温条件下において所定時間保持することもできる。
そのような場合には、上記の加圧加熱成形の後、例えば、400〜600℃、好ましくは、410〜550℃において、例えば、1〜120分間、好ましくは、10〜60分間保持する。
これにより、アモルファス金属の結晶化熱処理工程を、バッジ式で行えるため、磁性材料の生産性を向上することができる。
また、磁性材料の製造においては、加圧加熱成形の昇温後に、必要により、加圧加熱状態で保持することもできる。
さらに、磁性材料の製造においては、例えば、上記の加圧加熱成形、および、その後の熱処理を磁場中で行うことができる。
また、上記の加圧加熱成形の前処理として、磁石粉末とアモルファス金属との混合物を、磁場中で加圧(磁場プレス処理)することもできる。
とりわけ、磁石粉末として、磁気異方性磁石粉末が用いられる場合には、好ましくは、磁石粉末とアモルファス金属との混合物を磁場プレス処理する。
磁場中で加圧すると、磁石粉末を所定方向に配向することができるため、得られる磁性材料の磁気特性を、より一層向上することができる。
磁場プレス処理における条件としては、例えば、印加磁場が、10kOe以上、好ましくは、20kOe以上であり、圧力条件が、例えば、30〜2000MPa、好ましくは、100〜1000MPaである。
このようにして得られる磁性材料の成形体密度(かさ密度)は、例えば、6〜7.5g/cm、好ましくは、6.5〜7.5g/cmである。
成形体密度が上記範囲であれば、磁束密度を良好とすることができる。
なお、成形体密度は、例えば、アルキメデス法や、例えば、下記式(1)により算出することができる。
ρ=m/V (1)
(式中、ρは磁性材料の密度(成形体密度)を、mは磁性材料の質量を、Vは磁性材料の体積を、それぞれ示す。)
そして、このようにして得られる磁性材料では、磁石粉末が焼成されることにより生じる材料劣化、より具体的には、結晶の粗大化などが抑制されるとともに、磁石粉末の隙間(空隙)に、磁気特性に優れるアモルファス金属から生成した硬磁性相が充填されている。
そして、上記の磁性材料は、上記のアモルファス金属を用いて得られるため、製造時における成形圧力の低減を図ることができ、装置負担の軽減を図ることができるとともに、比較的低圧条件においても、高密度の磁性材料を作業性よく得ることができる。
そのため、このような磁性材料によれば、簡易な製造によって、高い磁気特性を確保することができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。また、以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
実施例1〜47および比較例1〜8(アモルファス金属の製造)
希土類元素(Nd(ネオジム)、Y(イットリウム))、Fe(鉄)、Co(コバルト)およびB(ホウ素)の単体粉末または塊状物、さらに、添加元素としてZr(ジルコニウム)、Cu(銅)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Si(ケイ素)、Nb(ニオブ)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、P(リン)を、表1〜3に示す配合割合で処方し、アーク溶解炉により、−4kPa(−30Torr)、Ar(アルゴン)雰囲気下で溶解させ、表1に示す組成比の合金(インゴット)を作製した。
次いで、得られたインゴットを粉砕し、合金粒状物(粒子径:0.5〜10mm)を得た。
その後、得られた合金粒状物を高周波誘導加熱にて溶解し、合金溶湯とした後、得られた合金溶湯を、Ar雰囲気下において、単ロール装置にて回転速度40m/sの冷却ロールの外周表面上に流下し、急冷した。これにより、アモルファス金属を得た。
その後、得られたアモルファス金属を、遊星ボールミル(伊藤製作所製 LP−1)または乳鉢により粉砕した。遊星ボールミルによる粉砕の場合は体積平均粒径1.5μm、乳鉢の場合は体積平均粒子径20μmの粉末を得た。
[評価]
DSC(示差走査熱量測定:SII社製、DSC6300)を用いて、各実施例において得られたアモルファス金属の結晶化温度(Tx)、および、液相線温度(Tl)、さらに、アモルファス金属が金属ガラスである場合には、そのガラス遷移温度(Tg)を測定した。
なお、液相線温度(Tl)については、装置温度を620℃まで昇温しても確認できなかった場合、測定不能とした。
具体的には、アモルファス金属試料10mgをアルミナパンに投入し、Ar雰囲気中、昇温速度40℃/minで測定した。
なお、結晶化反応(Tx)が複数確認された場合には、その温度の低い方を結晶化温度(Tx)として測定した。
また、結晶化温度(Tx)、および、ガラス遷移温度(Tg)が確認される場合には、過冷却領域ΔTx(=Tx−Tg)を算出した。
その結果を表1〜3に示す。また、各実施例および各比較例における希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の3成分組成比を算出し、表1に併せて示す。
また、希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の3成分組成比をプロットした三角図を、図2に示す。
なお、図2中において、各プロットの座標は、表1中の3成分組成比の記載と同様であるため、記載を省略する。また、図2を明瞭に示すため、各実施例および各比較例と各プロットとの対応関係についても省略する。ただし、図2において、黒丸(●)は添加元素を含有しない実施例、黒四角(■)は添加元素を含有する実施例、白丸(○)は比較例を示す。
(考察)
[アモルファス金属]
表1〜3および図2に示すように、希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の3成分組成比が、三角図における所定範囲内にある各実施例のアモルファス金属は、所定範囲外である各比較例のアモルファス金属に比べ、液相線温度が低いことが確認された。
また、実施例9および17〜22は、表1に示すように、希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の3成分組成比を統一し、ホウ素(B)の原子割合を増減している。そして、この場合の液相線温度は、同程度である(576〜582℃)。
このことから、ホウ素(B)の原子割合が所定範囲にある場合には、上記アモルファス金属の液相線温度は、ホウ素(B)の原子割合に依存することなく、希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の3成分組成比に依存することが確認された。
また、表3の実施例29〜47から、希土類元素、Fe(鉄)およびCo(コバルト)の3成分組成比が、三角図における所定範囲にある上記アモルファス金属では、所定量の添加元素を含有する場合にも、液相線温度が低いことが確認された。
製造実施例1〜6および製造比較例1〜9(磁性材料の製造)
実施例9、実施例32、実施例47および比較例5において得られたアモルファス金属の粉末と、MF18P(商品名、HDDR法により得られたNd−Fe−B系磁気異方性磁石粉末、愛知製鋼社製)とを、表4に示す割合で、乳鉢中において混合することにより、アモルファス金属の粉末と磁石粉末との混合粉末を得た。
その後、混合粉末0.3gを採取して、超硬製金型(成形サイズ:5mm×5mm)に充填し、放電プラズマ焼結機(SPSシンテックス社製SPS−515S)によって、真空中で表4に示す圧力で、表4に示す温度まで、昇温速度40℃/minで加熱(昇温)し、10分間保持した。これにより、磁性材料を得た。
なお、製造比較例1〜7では、アモルファス金属の液相線温度よりも10℃低い温度未満に加熱した。
また、製造比較例8では、比較例5において得られたアモルファス金属を用い、製造比較例9では、アモルファス金属を配合することなく、磁性材料を得た。
得られた各磁性材料の密度(成形体密度)を、下記式(1)により、それぞれ算出した。
ρ=m/V (1)
(式中、ρは磁性材料の密度(成形体密度)を、mは磁性材料の質量を、Vは磁性材料の体積を、それぞれ示す。)
その結果を、表4に示す。
(考察)
[磁性材料]
表4に示すように、実施例9、実施例32および実施例47において得られたアモルファス金属と磁石粉末とを用い、その液相線温度より10℃低い温度以上の温度に加熱した各製造実施例の磁性材料は、比較的低圧条件(300MPa)の成形においても、優れた密度で成形できることが確認された。
一方、アモルファス金属の加熱温度を、液相線温度よりも10℃低い温度よりも、さらに低い温度として製造した製造比較例1〜7の磁性材料は、比較的低圧条件(300MPa)による成形では、得られる成形体の密度が低いことが確認された。
また、比較例5において得られたアモルファス金属を用いた製造比較例8や、アモルファス金属を用いなかった製造比較例9においても、比較的低圧条件(300MPa)における成形では、成形体の密度が低いことが確認された。
なお、成形体の密度が低い磁性材料は、磁気特性が十分ではないことが推察される。
Figure 2014127700
Figure 2014127700
Figure 2014127700
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Claims (3)

  1. 希土類元素、鉄、コバルトおよびホウ素を含有するアモルファス金属であって、
    前記アモルファス金属の総量に対する前記ホウ素の原子割合が、6〜28原子%であり、
    前記希土類元素、前記鉄および前記コバルトの原子比が、図1に示す三角図において、A、B、CおよびDで示される点を結ぶ直線で囲まれる範囲内にある
    ことを特徴とする、アモルファス金属。
  2. さらに、ジルコニウム、銅、チタン、アルミニウム、ケイ素、ニオブ、ニッケル、クロムおよびリンからなる群から選択される少なくとも1種の添加元素を含有し、
    前記アモルファス金属の総量に対する前記添加元素の原子割合は、
    前記ジルコニウム3.5原子%以下、
    前記銅2.5原子%以下、
    前記チタン5.5原子%以下、
    前記アルミニウム11.5原子%以下、
    前記ケイ素1.5原子%以下、
    前記ニオブ5.5原子%以下、
    前記ニッケル1.5原子%以下、
    前記クロム6.5原子%以下、
    前記リン4.5原子%以下
    の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のアモルファス金属。
  3. 請求項1または2に記載のアモルファス金属と、
    ネオジム−鉄−ホウ素系磁石粉末とを混合するとともに、
    前記アモルファス金属の液相線温度より10℃低い温度以上の温度に加熱することにより得られることを特徴とする、磁性材料。
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