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JP2014127660A - 炭化珪素ダイオード、炭化珪素トランジスタおよび炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素ダイオード、炭化珪素トランジスタおよび炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

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JP2014127660A
JP2014127660A JP2012285143A JP2012285143A JP2014127660A JP 2014127660 A JP2014127660 A JP 2014127660A JP 2012285143 A JP2012285143 A JP 2012285143A JP 2012285143 A JP2012285143 A JP 2012285143A JP 2014127660 A JP2014127660 A JP 2014127660A
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JP2012285143A
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Keiji Wada
圭司 和田
Takeyoshi Masuda
健良 増田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】p型領域と電極との接触抵抗を低減可能な炭化珪素ダイオード、炭化珪素トランジスタおよび炭化珪素半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素半導体装置1の製造方法は以下の工程を有している。p型領域2aおよびp型領域2aと接するn型領域14とを含む炭化珪素基板10が準備される。ハロゲン元素を含む雰囲気ガス中でp型領域2aを加熱することにより、p型領域2aと接する炭素領域6が形成される。炭素領域6に接する第1の金属層5が形成される。炭素領域6および第1の金属層5を加熱することによりp型領域2aと接する電極8が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素ダイオード、炭化珪素トランジスタおよび炭化珪素半導体装置の製造方法に関するものであり、より特定的には、p型領域およびn型領域を有する炭化珪素ダイオード、炭化珪素トランジスタおよび炭化珪素半導体装置の製造方法に関するものである。
近年、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体装置の高耐圧化、低損失化、高温環境下での使用などを可能とするため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素の採用が進められつつある。炭化珪素は、従来から半導体装置を構成する材料として広く使用されている珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体である。そのため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素を採用することにより、半導体装置の高耐圧化、オン抵抗の低減などを達成することができる。また、炭化珪素を材料として採用した半導体装置は、珪素を材料として採用した半導体装置に比べて、高温環境下で使用された場合の特性の低下が小さいという利点も有している。
たとえば特開2001−85704号公報(特許文献1)には、n型領域とp型領域とを有する炭化珪素基板上に、当該n型領域および当該p型領域と接する電極が形成された炭化珪素ショットキーダイオードが開示されている。また特開2009−16603号公報(特許文献2)には、複数のp型領域が形成された炭化珪素基板上に電極が形成されたジャンクションバリアショットキーダイオードが開示されている。
特開2001−85704号公報 特開2009−16603号公報
しかしながら、特開2001−85704号公報および特開2009−16603号公報に記載の炭化珪素半導体装置においてp型領域と電極との接触抵抗を十分に低減することは困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、p型領域と電極との接触抵抗を低減可能な炭化珪素ダイオード、炭化珪素トランジスタおよび炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は以下の工程を有している。p型領域およびp型領域と接するn型領域とを含む炭化珪素基板が準備される。ハロゲン元素を含む雰囲気ガス中でp型領域を加熱することにより、p型領域と接する炭素領域が形成される。炭素領域に接する第1の金属層が形成される。炭素領域および第1の金属層を加熱することによりp型領域と接する電極が形成される。
本発明に係る炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、第1の金属層とp型領域との間に炭素領域を形成し、第1の金属層と炭素領域とが加熱される。第1の金属層とp型領域との界面に電気伝導率の高い炭素領域を形成することにより、電極とp型領域との接触抵抗を低減することができる。
上記に係る炭化珪素半導体装置において好ましくは、ハロゲン元素は塩素である。これにより、効率的に珪素を除去することができるので、効率的に炭素領域を形成することができる。
上記に係る炭化珪素半導体装置において好ましくは、炭素領域を形成する工程では、p型領域が800℃以上1000℃以下で加熱される。p型領域を800℃未満で加熱すると、珪素の除去レートが遅いため炭素領域の形成時間が長くなる。一方、p型領域を1000℃超で加熱すると、珪素の除去レートが速すぎるため、炭素領域の形成をコントロールすることが困難となる。p型領域を800℃以上1000℃以下で加熱することにより、実用的な珪素の除去レートで炭素領域を形成することができる。
上記に係る炭化珪素半導体装置において好ましくは、炭素領域を形成する工程では、p型領域の一部がエッチングされることによりp型領域に凹部が形成され、凹部を形成する面に接して炭素領域が形成される。これにより、p型領域上に炭素領域を精度良く形成することができる。
上記に係る炭化珪素半導体装置において好ましくは、第1の金属層と接する第2の金属層を形成する工程をさらに有する。炭化珪素基板は、第2の金属層と接し、かつ炭素領域と接しない第2のp型領域とを含む。これにより、第2の金属層と接し、かつ炭素領域と接しない第2のp型領域とを含む炭化珪素半導体装置を製造することができる。
上記に係る炭化珪素半導体装置において好ましくは、第1の金属層はチタンおよびアルミニウムを含む材料からなる。これにより、電極とp型領域との接触抵抗を効率的に低減することができる。
上記に係る炭化珪素半導体装置において好ましくは、n型領域と接するゲート絶縁膜を形成する工程をさらに有する。これにより、ゲート絶縁膜を有する炭化珪素半導体装置を製造することができる。
本発明に係る炭化珪素ダイオードは、炭化珪素基板と、電極とを有する。炭化珪素基板は、p型領域およびp型領域と接するn型領域を含む。電極は、p型領域に接して配置されている。電極は、n型領域とショットキー接合している第1の電極部と、p型領域と接する炭素領域とを含む。これにより、電極とp型領域との接触抵抗を低減することができる。結果として、順方向サージに対する耐性を向上することができる。
上記に係る炭化珪素ダイオードにおいて好ましくは、炭化珪素基板は、第1の電極部と接しかつ炭素領域と接しない第2のp型領域をさらに含む。これにより、第1の電極部と接しかつ炭素領域と接しない第2のp型領域を含む炭化珪素ダイオードを製造することができる。
上記に係る炭化珪素ダイオードにおいて好ましくは、電極は、第1電極部と接する第2の電極部をさらに含む。第2の電極部は炭素領域を含む。これにより、第2の電極部とp型領域との接触抵抗を低減することができる。
上記に係る炭化珪素ダイオードにおいて好ましくは、第2の電極部は、チタンおよびアルミニウムを有する材料を含む。これにより、第2の電極部とp型領域との接触抵抗を効率的に低減することができる。
本発明に係る炭化珪素トランジスタは、炭化珪素基板と、電極と、ゲート絶縁膜とを有する。炭化珪素基板は、p型領域およびp型領域と接するn型領域とを含む。電極は、p型領域およびn型領域と接して配置されている。ゲート絶縁膜は、n型領域と接する。電極はp型領域と接する炭素領域を含む。これにより、電極とp型領域との接触抵抗を低減することができる。結果として、炭化珪素トランジスタのスイッチング速度を向上することができる。
上記に係る炭化珪素トランジスタにおいて好ましくは、炭化珪素基板は、p型領域が配置されている第1の主面と、第1の主面と反対側の第2の主面とを含む。第2の主面に接してp型領域とは異なる第2のp型領域を含む。これにより、第2の主面に接してp型領域とは異なる第2のp型領域を含む炭化珪素トランジスタを得ることができる。
上記に係る炭化珪素トランジスタにおいて好ましくは、電極はニッケルおよびシリコンを有する材料およびチタン、アルミニウムおよびシリコンを有する材料のいずれかを含む。これにより、電極とp型領域との接触抵抗を効率的に低減することができる。
本発明によれば、p型領域と電極との接触抵抗を低減可能な炭化珪素ダイオード、炭化珪素トランジスタおよび炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る炭化珪素MPS(Merged Pin Schottky diode)の構造を概略的に示す断面模式図である。 本発明の実施の形態1に係るMPSの製造方法を概略的に示すフロー図である。 本発明の実施の形態1に係る炭化珪素MPSの製造方法の第1の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の実施の形態1に係る炭化珪素MPSの製造方法の第2の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の実施の形態1に係る炭化珪素MPSの製造方法の第3の工程を概略的に示す断面模式図である。 図5における領域VIの拡大図である。 本発明の実施の形態2に係る炭化珪素MOSFETの構造を概略的に示す断面模式図である。 本発明の実施の形態2に係る炭化珪素MOSFETの製造方法の第1の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の実施の形態2に係る炭化珪素MOSFETの製造方法の第2の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の実施の形態2に係る炭化珪素MOSFETの製造方法の第3の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の実施の形態3に係る炭化珪素IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)の構造を概略的に示す断面模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。また角度の記載には、全方位角を360度とする系を用いている。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る炭化珪素ダイオードであるMPSの構造について、図1を参照して説明する。
図1に示すように本実施の形態のMPS1は、炭化珪素基板10と、電極8と、オーミック電極30と、保護膜70とを主に有している。炭化珪素基板10は、たとえばポリタイプ4Hの六方晶炭化珪素からなり、かつn型を有している。炭化珪素基板10は、互いに対向する第1の主面10aおよび第2の主面10bを有している。
炭化珪素基板10は、JTE(Junction Termination Extension)領域3と、フィールドストップ領域7と、n+基板11と、電界停止層12と、n型領域14と、p型領域2とを含んでいる。JTE領域3は、たとえばアルミニウム(Al)やホウ素(B)などの不純物がイオン注入されたp型領域である。当該p型領域の不純物濃度は、たとえば2×1017cm-3程度である。また炭化珪素基板10は、第1の主面10aの法線方向から見て、JTE領域3を取り囲むようにフィールドストップ領域7を有している。フィールドストップ領域7は、たとえばリン(P)などがイオン注入されたn+型領域である。フィールドストップ領域における不純物濃度は、n型領域14における不純物濃度よりも高い。
n+基板11には、単結晶炭化珪素からなる基板にたとえば窒素(N)などの不純物が含まれている。n+基板に含まれる不純物濃度は、たとえば5×1018cm-3程度である。電界停止層12に含まれる窒素などの不純物濃度はたとえば5×1017cm-3程度以上1×1018cm-3程度以下である。n型領域14における不純物濃度はたとえば1×1016cm-3である。p型領域2におけるアルミニウムなどの不純物濃度はたとえば1×1019cm-3程度である。n型領域14はp型領域2に接している。p型領域2は、炭化珪素基板10の第1の主面10aから第2の主面10bに向かって伸長している。p型領域2はn型領域14に挟まれて形成されている。
p型領域2は、後述する第2の電極部8aの炭素領域6と接する第1のp型領域2aと、第1の電極部8bと接しかつ炭素領域6と接しない第2のp型領域2bと、第1の電極部8bと接しかつJTE領域3に挟まれた第3のp型領域2cとを含む。
電極8は、炭化珪素基板10の第1の主面10a上に設けられており、第1のp型領域2a、第2のp型領域2b、第3のp型領域2cと、n型領域14およびJTE領域3と接している。電極8は、n型領域14とショットキー接合している第1の電極部8bと、第1の電極部8bと接する第2の電極部8aとを含む。第1の電極部8bは、たとえばチタン(Ti)からなる。第1の電極部8bとして、チタン以外にもたとえばニッケル(Ni)、窒化チタン(TiN)、金(Au)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)などを用いても構わない。
第2の電極部8aは、第1の金属層5と、第1のp型領域2aと接する炭素領域6とを含む。第1の金属層5は、たとえばチタン(Ti)およびアルミニウム(Al)を含む。第1の金属層5は、TiAl合金であっても構わない。また第1の金属層5と炭素領域6とが一体となってTi、AlおよびC(炭素)を含む合金になっていても構わない。なお、第2の電極部8aは、第1のp型領域2aに接して炭素濃度の高い領域を有し、当該面23から離れるにつれて炭素濃度が低くなるような炭素濃度分布を有していても構わない。好ましくは、第2の電極部8aは、第1のp型領域2aと良好なオーミック接合を有する。
なお、本実施の形態においては、電極8は、第2の電極部8aと、第1の電極部8bとを有し、第2の電極部8aは、第1の金属層5と炭素領域6とを含む場合について説明したが、第1の金属層5は省略されても構わない。この場合、電極8は、第1の電極部8bと炭素領域6とを有する。第1の電極部8bは炭素領域6と接する。第1の電極部8bと炭素領域6とが一体となって合金となっていても構わない。第1の電極部8bの一部と第1のp型領域2aとは炭素領域6を介して良好なオーミック接合を有する。つまり、第1の電極部8bは、n型領域14とショットキー接合する部分と、第1のp型領域2aと炭素領域6を介してオーミック接合する部分とを有する。
炭素領域6は、グラファイトやグラフェンなどの状態で炭素単独で存在していてもよいし、隣接する電極部を形成する金属層に拡散されて合金を形成していてもよい。また炭素領域6は、隣接する第1のp型領域2aに接して炭素濃度の高い領域を有し、第1のp型領域2aから離れるにつれて炭素濃度が低くなるような炭素濃度分布を有していても構わない。
図1を参照して、電極8に接してパッド電極60が形成されている。パッド電極60はたとえばアルミニウムからなる。パッド電極60、電極8および炭化珪素基板10の第1の主面10aに接して保護膜70が形成されている。また、n+基板11と接してオーミック電極30が配置されている。オーミック電極30はたとえばニッケルからなる。さらに、オーミック電極30に接してたとえばチタン、ニッケル、銀やそれらからなる合金からなるパッド電極40が配置されている。
次に、本発明の実施の形態に係る炭化珪素ダイオードであるMPS1の製造方法について、図2〜図6を参照して説明する。
図3を参照して、まず、基板準備工程(S10:図2)が実施される。具体的には、たとえばポリタイプが4Hである六方晶炭化珪素からなるインゴット(図示しない)をスライスすることにより、導電型がn型のn+基板11が準備される。n+基板には、たとえば窒素(N)などの不純物が含まれている。n+基板に含まれる不純物濃度は、たとえば5×1018cm-3程度である。
次に、n+基板11上に電界停止層12が形成される。電界停止層12はn型を有する炭化珪素層である。電界停止層12に含まれる窒素などの不純物濃度はたとえば5×1017cm-3程度以上1×1018cm-3程度以下である。その後、電界停止層12上に導電型がn型であるn型領域14がエピタキシャル成長により形成される。
次に、イオン注入工程が実施される。たとえばAl(アルミニウム)イオンが、n型領域14内に注入されることにより、導電型がp型のJTE領域3、第1のp型領域2a、第2のp型領域2bおよび第3のp型領域が形成される。JTE領域3の不純物濃度は、たとえば2×1017cm-3程度である。第1のp型領域2a、第2のp型領域2bおよび第3のp型領域の不純物濃度は、たとえば1×1019cm-3程度である。同様に、たとえばP(リン)などが、n型領域14内に注入されることにより、フィールドストップ領域7が形成される。フィールドストップ領域における不純物濃度は、n型領域14における不純物濃度よりも高い。
以上の様に、n+基板11と、電界停止層12と、n型領域14と、第1のp型領域2aと、第2のp型領域2bと、第3のp型領域2cと、JTE領域3と、フィールドストップ領域7とを含み、対向する第1の主面10aおよび第2の主面10bを有する炭化珪素基板10が準備される。
次に、活性化アニール工程(S20:図2)が実施される。具体的には、たとえばアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中、1800℃程度の温度で炭化珪素基板10が加熱されることにより、第1のp型領域2aと、第2のp型領域2bと、第3のp型領域2cと、JTE領域3と、フィールドストップ領域7とがアニールされ、上記イオン注入工程にて導入された不純物が活性化される。これにより、不純物が導入された領域において所望のキャリアが生成する。
次に、熱酸化膜形成工程(S30:図2)が実施される。具体的には、酸素雰囲気中において炭化珪素基板10が加熱されることにより、炭化珪素基板10の第1の主面10aの全面に熱酸化膜が形成される。熱酸化膜はたとえば二酸化珪素からなる。その後、図4を参照して、第1のp型領域2aの表面10cが露出するように熱酸化膜がエッチングされる。以上により、第1のp型領域2aの表面10cが露出し、第2のp型領域2b、第3のp型領域、JTE領域3およびフィールドストップ領域7が熱酸化膜に覆われた炭化珪素基板10が形成される。
次に、炭素領域形成工程工程(S40:図2)が実施される。具体的には、第1のp型領域2aを含む炭化珪素基板10がハロゲン元素を含む雰囲気ガス中において加熱される。ハロゲン元素は、たとえばフッ素、塩素および臭素であり、好ましくは、塩素である。雰囲気ガスは酸素ガスを含んでいないことが好ましい。また雰囲気ガスはキャリアガスを含んでいてもよい。キャリアガスとしては、たとえば窒素ガス、アルゴンガスまたはヘリウムガスを用いることができる。炭化珪素基板10の加熱は、たとえば800℃程度以上1000℃程度以下程度で行われる。
図5を参照して、炭化珪素基板10の第1のp型領域2aの表面10cを上記雰囲気ガス中において加熱することにより、第1のp型領域2aの表面10cを構成する炭化珪素の内、珪素が優先的にエッチングされ、当該表面10cには炭素が残されて炭素領域6が形成される。雰囲気ガス中に酸素ガスを多く含んでいると、当該表面10cの珪素が二酸化珪素となり、珪素が選択的にエッチングされづらい。言い換えれば、雰囲気ガス中の酸素ガス濃度が少ないと、当該表面10cの珪素が優先的にエッチングされて第1のp型領域2aの表面10cに接する炭素領域6が形成されやすい。好ましくは、雰囲気ガス中の酸素ガス濃度は、1%以下である。
図5を参照して、炭素領域形成工程では、第1のp型領域2aの一部がエッチングされることにより第1のp型領域2aに凹部22が形成される。第1のp型領域2aの凹部を形成する底壁面23に接して炭素領域6が形成される。図6を参照して、炭素領域6は、凹部22を形成する側壁面24および底壁面23に接して形成されている。炭素領域6は、凹部22を形成する側壁面24および第1の主面10aとの接点と接していても構わない。炭素領域6は、側壁面24に近い方が底壁面23の中央部よりも厚みが厚くなるように形成されていても構わない。また凹部22を形成する側壁面24および底壁面23の全面に接して炭素領域6が形成されても構わない。
次に、電極形成工程(S50:図2)が実施される。具体的には、図1を参照して、たとえばチタン(Ti)およびAl(アルミニウム)を含む第1の金属層5が炭素領域6と接して形成される。次に、たとえばチタン(Ti)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)などを含む第2の金属層8bが、第1のp型領域2aと、第2のp型領域2bと、第3のp型領域と、JTE領域3と、第1の金属層5とに接して形成される。第1の金属層5が形成された後、第1の金属層5および炭素領域6がたとえばレーザーアニールにより1000℃程度に加熱される。また第2の金属層8bが形成された後、第2の金属層8bがたとえばレーザーアニールにより300℃以下程度500℃以上程度に加熱される。これにより、第1のp型領域2aとオーミック接合する第2の電極部8aと、n型領域14とショットキー接合する第1の電極部8bとを含む電極8が形成される。なお、第1の金属層5の形成は省略されてもよい。この場合、第2の金属層8bが炭素領域6と接するように形成される。
次に、オーミック電極形成工程が実施される。具体的には、炭化珪素基板10の第2の主面10bの研削が行われ、第2の主面10bと接触してたとえばニッケルからなるオーミック電極30が形成される。その後、オーミック電極30と接してたとえばチタン、ニッケル、銀やそれらからなる合金からなるパッド電極40が形成される。
次に、保護膜形成工程が実施される。具体的には、たとえばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、パッド電極60、電極8および炭化珪素基板10の第1の主面10aに接する保護膜70が形成される。保護膜70は、たとえば二酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiN)またはそれらの積層膜からなる。これにより、図1に示す炭化珪素ダイオードとしてのMPS1が完成する。
次に、実施の形態1に係るMPS1およびその製造方法の作用効果について説明する。
本実施の形態に係るMPS1の製造方法によれば、第1の金属層5と第1のp型領域2aとの間に炭素領域6を形成し、第1の金属層5と炭素領域6とが加熱される。第1の金属層5と第1のp型領域2aとの界面に電気伝導率の高い炭素領域6を形成することにより、電極とp型領域との接触抵抗を低減することができる。
また本実施の形態に係るMPS1の製造方法によれば、ハロゲン元素は塩素である。これにより、効率的に珪素を除去することができるので、効率的に炭素領域6を形成することができる。
さらに本実施の形態に係るMPS1の製造方法によれば、炭素領域6を形成する工程では、第1のp型領域2aが800℃以上1000℃以下で加熱される。第1のp型領域2aを800℃未満で加熱すると、珪素の除去レートが遅いため炭素領域6の形成時間が長くなる。一方、第1のp型領域2aを1000℃超で加熱すると、珪素の除去レートが速すぎるため、炭素領域6の形成をコントロールすることが困難となる。第1のp型領域2aを800℃以上1000℃以下で加熱することにより、実用的な珪素の除去レートで炭素領域6を形成することができる。
さらに本実施の形態に係るMPS1の製造方法によれば、炭素領域6を形成する工程では、第1のp型領域2aの一部がエッチングされることにより第1のp型領域2aに凹部22が形成され、凹部22を形成する底壁面23および側壁面24に接して炭素領域6が形成される。
さらに本実施の形態に係るMPS1の製造方法によれば、第1の金属層5と接する第2の金属層8bを形成する工程をさらに有する。炭化珪素基板10は、第2の金属層8bと接し、かつ炭素領域6と接しない第2のp型領域2bとを含む。これにより、第2の金属層8bと接し、かつ炭素領域6と接しない第2のp型領域2bとを含むMPS1を製造することができる。
さらに本実施の形態に係るMPS1の製造方法によれば、第1の金属層5はチタンおよびアルミニウムを含む材料からなる。これにより、電極8と第1のp型領域2aとの接触抵抗を効率的に低減することができる。
本実施の形態に係るMPS1によれば、電極8は、n型領域14とショットキー接合している第1の電極部8bと、第1のp型領域2aと接する炭素領域6とを含む。これにより、電極8と第1のp型領域2aとの接触抵抗を低減することができる。結果として、順方向サージに対する耐性を向上することができる。
また本実施の形態に係るMPS1によれば、炭化珪素基板10は、第1の電極部8bと接しかつ炭素領域6と接しない第2のp型領域2bをさらに含む。これにより、第1の電極部8bと接しかつ炭素領域6と接しない第2のp型領域2bを含むMPS1を製造することができる。
さらに本実施の形態に係るMPS1によれば、電極8は、第1の電極部8bと接する第2の電極部8aをさらに含む。第2の電極部8aは炭素領域6を含む。これにより、第2の電極部8aと第1のp型領域2aとの接触抵抗を低減することができる。
さらに本実施の形態に係るMPS1によれば、第2の電極部8aは、チタンおよびアルミニウムを有する材料を含む。これにより、第2の電極部8aと第1のp型領域2aとの接触抵抗を効率的に低減することができる。
(実施の形態2)
まず本発明の実施の形態2に係る炭化珪素トランジスタとしてのMOSFETの構成について説明する。
図7を参照して、本実施の形態に係るMOSFET101は、炭化珪素基板110と、ゲート絶縁膜115と、ゲート電極127と、ソース電極108と、ドレイン電極130と、ソース配線119と、裏面保護電極140とを主に有している。
炭化珪素基板110は、たとえばポリタイプ4Hの六方晶炭化珪素からなり、互いに対向する第1の主面110aおよび第2の主面110bを有している。炭化珪素基板110は、ベース基板111と、ドリフト領域112と、第1の不純物領域117と、ウェル領域113と、第2の不純物領域114と、p+領域102とを主に有する。
ベース基板111は、たとえば六方晶炭化珪素からなり導電型がn型の基板である。ベース基板111は、たとえばN(窒素)などの不純物を高濃度で含んでいる。ベース基板111に含まれる窒素などの不純物濃度はたとえば1.0×1018cm-3程度である。
ドリフト領域112および第1の不純物領域117は、六方晶炭化珪素からなり、n型を有するエピタキシャル層である。第1の不純物領域117は、一対のウェル領域113に挟まれた領域である。ドリフト領域112および第1の不純物領域117に含まれる不純物は、たとえば窒素である。ドリフト領域112および第1の不純物領域117における不純物濃度は、ベース基板111における不純物濃度よりも低い。ドリフト領域112および第1の不純物領域117に含まれる窒素などの不純物濃度はたとえば7.5×1015cm-3程度である。
ウェル領域113はn型とは異なるp型を有する領域である。ウェル領域113に含まれる不純物は、たとえばAl(アルミニウム)、B(ホウ素)などである。好ましくは、ウェル領域113に含まれるアルミニウムなどの不純物濃度は1×1017cm-3程度以上1×1018cm-3程度以下である。
第2の不純物領域114はn型を有するソース領域である。第2の不純物領域は、ウェル領域113によって第1の不純物領域117およびドリフト領域112と隔てられている。また第2の不純物領域114は、第1の主面110aを含み、かつウェル領域113に取り囲まれるように、ウェル領域113の内部に形成されている。第2の不純物領域114は、たとえばP(リン)などの不純物を、たとえば1×1020cm-3程度の濃度で含んでいる。第2の不純物領域114に含まれる不純物の濃度は、ドリフト領域112に含まれる不純物の濃度よりも高い。
p+領域102はp型を有する領域である。p+領域102は、ウェル領域113と接し、第2の不純物領域114の中央付近を貫通するように形成されている。p+領域102は、たとえばアルミニウムやホウ素などの不純物を、たとえば1×1020cm-3程度の濃度で含んでいる。p+領域102に含まれる不純物の濃度は、ウェル領域113に含まれる不純物の濃度よりも高い。
ゲート絶縁膜115は、一方の第2の不純物領域114の上部表面から他方の第2の不純物領域114の上部表面にまで延在するように第1の不純物領域117、ウェル領域113および第2の不純物領域114に接して形成されている。ゲート絶縁膜115はたとえば二酸化珪素からなっている。好ましくは、ゲート絶縁膜115の厚み(第1の主面110aの法線方向に沿ったゲート絶縁膜の距離)は、45nm程度以上55nm程度以下である。
ゲート電極127は、一方の第2の不純物領域114上から他方の第2の不純物領域114上にまで延在するように、ゲート絶縁膜115上に接触して配置されている。ゲート電極127は、たとえばポリシリコン、アルミニウムなどの導電体からなっている。
ソース電極108は、第1の金属層104と炭素領域106とを含む。ソース電極108の炭素領域106は、炭化珪素基板10の第1の主面10aがエッチングされて形成された凹部22(図10参照)を形成する底壁面123においてp+領域102および第2の不純物領域114と接する。ソース電極108は、炭素領域106が第1の金属層104内に拡散して形成された合金層であってもよい。またソース電極108は、ゲート絶縁膜115、第2の不純物領域114およびp+領域102と接している。好ましくは、ソース電極108は、ニッケルおよびシリコンを有する材料およびチタン、アルミニウムおよびシリコンを有する材料のいずれかを含む。ソース電極108はp+領域102とオーミック接合している。
炭素領域6は、グラファイトやグラフェンなどの状態で炭素単独で存在していてもよいし、隣接するソース電極108を形成する第1の金属層104に拡散されて合金を形成していてもよい。また炭素領域6は、隣接するp+領域102に接して炭素濃度の高い領域を有し、p+領域102から離れるにつれて炭素濃度が低くなるような炭素濃度分布を有していても構わない。
ドレイン電極130は、炭化珪素基板110の第2の主面110bに接触して形成されている。このドレイン電極130は、たとえば上記ソース電極108と同様の構成を有していてもよいし、Niなど、ベース基板111とオーミックコンタクト可能な他の材料からなっていてもよい。これにより、ドレイン電極130はベース基板111と電気的に接続されている。ドレイン電極130に接してたとえばチタン、ニッケルおよび銀を含む裏面保護電極140が配置されている。
層間絶縁膜121は、ゲート絶縁膜115と接し、ゲート電極127を取り囲むように形成されている。層間絶縁膜121は、たとえば絶縁体である二酸化珪素からなっている。ソース配線119は、炭化珪素基板110の第1の主面110aの上方において、層間絶縁膜121を取り囲み、かつソース電極108と接触している。ソース配線119は、たとえばAlなどの導電体からなり、ソース電極108を介して第2の不純物領域114と電気的に接続されている。
次に、本実施の形態に係るMOSFET101の製造方法について説明する。
図8を参照して、まず基板準備工程(S10:図2)によって炭化珪素基板110が準備される。具体的には、六方晶炭化珪素からなるベース基板111の一方の主面上にエピタキシャル成長によりドリフト領域112が形成される。エピタキシャル成長は、たとえば原料ガスとしてSiH4(シラン)とC38(プロパン)との混合ガスを採用して実施することができる。このとき、不純物として、たとえばN(窒素)が導入される。これにより、ベース基板111に含まれる不純物よりも低い濃度の不純物を含むドリフト領域112が形成される。
次に、たとえばCVDにより、炭化珪素基板110の第1の主面110a上に二酸化珪素からなる酸化膜が形成される。そして、酸化膜の上にレジストが塗布された後、露光および現像が行なわれ、所望のウェル領域113の形状に応じた領域に開口を有するレジスト膜が形成される。そして、当該レジスト膜をマスクとして用いて、たとえばRIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)により酸化膜が部分的に除去されることによって、ドリフト領域112上に開口パターンを有する酸化膜からなるマスク層が形成される。
次に、イオン注入工程が実施される。イオン注入工程では、炭化珪素基板110の第1の主面110a対してイオンが注入されることにより、ウェル領域113、第2の不純物領域114およびp+領域102が形成される。具体的には、上記レジスト膜を除去した上で、当該マスク層をマスクとして用いて、Alなどの不純物をドリフト領域112に対してイオン注入することにより、ウェル領域113が形成される。また、P(リン)などのn型不純物がドリフト領域112にイオン注入により導入されることにより第2の不純物領域114が形成される。次に、Al、Bなどの不純物がドリフト領域112にイオン注入により導入されることによりp+領域102が形成される。
次に、活性化アニール工程(S20:図2)が実施される。上記イオン注入によって導入された不純物を活性化させる熱処理が実施される。具体的には、イオン注入が実施された炭化珪素基板110が、たとえばAr(アルゴン)雰囲気中において1700℃程度に加熱され、30分間程度保持される。
次に、熱酸化膜形成工程(S30:図2)が実施される。具体的には、図9を参照して、まず、イオン注入領域が形成された炭化珪素基板110が熱酸化される。熱酸化は、たとえば酸素雰囲気中で1300℃程度に加熱し、40分間程度保持することにより実施することができる。これにより、炭化珪素基板110の第1の主面110a上に二酸化珪素からなるゲート絶縁膜115が形成される。
次に、ゲート電極形成工程が実施される。具体的には、図10を参照して、たとえば導電体であるポリシリコン、アルミニウムなどからなるゲート電極127が、一方の第2の不純物領域114上から他方の第2の不純物領域114上にまで延在するとともに、ゲート絶縁膜115に接触するように形成される。ゲート電極127の材料としてポリシリコンを採用する場合、当該ポリシリコンは、リンが1×1020cm-3を超える高い濃度で含まれていてもよい。その後、ゲート電極127を覆うように、たとえば二酸化珪素からなる層間絶縁膜121が形成される。
次に、炭素領域形成工程(S40:図2)が実施される。本実施の形態の炭素領域形成工程は、実施の形態1で説明した炭素領域形成工程と同様の方法により行われる。図10を参照して、p+領域102および第2の不純物領域114の一部が露出するようにゲート絶縁膜115および層間絶縁膜121が除去される。p+領域102および第2の不純物領域114の一部が露出した炭化珪素基板10がハロゲン元素を含む雰囲気ガス中において加熱される。ハロゲン元素は、たとえばフッ素、塩素および臭素であり、好ましくは、塩素である。雰囲気ガスは酸素ガスを含んでいないことが好ましい。また雰囲気ガスはキャリアガスを含んでいてもよい。キャリアガスとしては、たとえば窒素ガス、アルゴンガスまたはヘリウムガスを用いることができる。炭化珪素基板10の加熱は、たとえば800℃程度以上1000℃程度以下程度で行われる。
炭化珪素基板10のp+領域102および第2の不純物領域の表面を上記雰囲気ガス中において加熱することにより、第1のp型領域2aの表面を構成する炭化珪素の内、珪素が優先的にエッチングされ、当該表面には炭素が残されて炭素領域106が形成される。雰囲気ガス中に酸素ガスを多く含んでいると、当該表面の珪素が二酸化珪素となり、珪素が選択的にエッチングされづらい。言い換えれば、雰囲気ガス中の酸素ガス濃度が少ないと、当該表面の珪素が優先的にエッチングされてp+領域102および第2の不純物領域114の表面に接する炭素領域6が形成されやすい。以上の様に、p+領域102および第2の不純物領域114の一部が除去されて凹部22が形成され、当該凹部22を形成する面123に接する炭素領域106が形成される。
次に、電極形成工程(S50:図2)が実施される。具体的には、図7を参照して、たとえばニッケルおよびシリコンを含む材料からなる第1の金属層104が炭素領域106に接して形成される。第1の金属層104は、チタン、アルミニウムおよびシリコンを含む材料であってもよい。同様に、炭化珪素基板10の第2の主面10bに接するドレイン電極130が形成される。ドレイン電極130を形成する材料は、ニッケルおよびシリコンを含む材料であってもよいし、チタン、アルミニウムおよびシリコンを含む材料であってもよい。その後、当該第1の金属層104および炭素領域106を含む炭化珪素基板10を1000℃程度に加熱することにより、炭化珪素基板110のp+領域102とオーミック接触するソース電極108が形成される。ソース電極108と接し、たとえばアルミニウムからなるソース配線119が形成される。また、たとえばチタン、ニッケルおよび銀を含む裏面保護電極140が形成される。以上の様に、図1に示すMOSFET101が完成する。
なお、本実施の形態では炭化珪素トランジスタとしてプレナー型MOSFETを例に挙げて説明したが、炭化珪素トランジスタはトレンチ型MOSFETであってもよい。
次に、本実施の形態に係るMOSFET101およびその製造方法の作用効果について説明する。
本実施の形態に係るMOSFET101によれば、第2の不純物領域114と接するゲート絶縁膜115を形成する工程をさらに有する。これにより、ゲート絶縁膜115を有するMOSFET101を製造することができる。
また本実施の形態に係るMOSFET101によれば、ソース電極108はp+領域102と接する炭素領域106を含む。これにより、ソース電極108とp+領域102との接触抵抗を低減することができる。結果として、MOSFET101のスイッチング速度を向上することができる。
さらに本実施の形態に係るMOSFET101によれば、ソース電極108はニッケルおよびシリコンを有する材料およびチタン、アルミニウムおよびシリコンを有する材料のいずれかを含む。これにより、ソース電極108とp+領域102との接触抵抗を効率的に低減することができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る炭化珪素トランジスタとしてのIGBTの構成について説明する。
図11を参照して、本実施の形態のIGBT201は、プレーナゲート構造を有するnチャネル型IGBTであり、炭化珪素基板210と、ゲート絶縁膜215と、ゲート電極227と、層間絶縁膜221と、エミッタコンタクト電極208と、エミッタ配線219と、コレクタ電極230と、コレクタ配線240とを主に有する。
炭化珪素基板210は、互いに対向する第1の主面210aおよび第2の主面210bを有し、コレクタ層211と、ドリフト層212と、ウェル領域213と、エミッタ領域214と、p+領域202とを含む。コレクタ層211は、炭化珪素基板210の第2の主面210bに接して配置されたp型領域(第2のp型領域)である。コレクタ層211、ドリフト層212、ウェル領域213、エミッタ領域214、p+領域202の各々は、六方晶炭化珪素から作られており、好ましくはその結晶構造がポリタイプ4Hを有する。コレクタ層211、ウェル領域213およびp+領域202の各々はp型を有し、ドリフト層212およびエミッタ領域214の各々はn型を有する。エミッタ領域214の不純物濃度はドリフト層212の不純物濃度よりも高い。p+領域202の不純物濃度はウェル領域213の不純物濃度よりも高い。p型を付与するためのアクセプタ不純物は、たとえばアルミニウム(Al)または硼素(B)である。n型を付与するためのドナー不純物は、たとえば窒素(N)またはリン(P)である。
コレクタ層211が有するアクセプタ型不純物はコレクタ層211のエピタキシャル成長時に導入されたものであり、アクセプタ不純物濃度は、好ましくは1×1017cm3以上1×1021cm3以下であり、より好ましくは1×1019cm3以上1×1020cm3以下である。コレクタ層211の厚さは、好ましくは5μm以上である。
ドリフト層212は、コレクタ層211上に接して設けられている。ドリフト層212の厚さは、好ましくは75μm以上である。ウェル領域213は、ドリフト層212の上に設けられている。エミッタ領域214は、ウェル領域213によってドリフト層212から隔てられるようにウェル領域213の上に設けられている。p+領域202は、エミッタ領域214およびウェル領域213に接して設けられている。
ゲート絶縁膜215は、ドリフト層212とエミッタ領域214とをつなぐようにウェル領域213の上に設けられている。ウェル領域213の、ゲート絶縁膜215に対向する面(つまり炭化珪素基板210の第1の主面210a)は、好ましくは{0−33−8}面であり、より好ましくは(0−33−8)面である。第1の主面210aは、{000−1}面に対して、巨視的に62°±10°のオフ角を有する面であってもよい。ゲート絶縁膜215は、たとえば二酸化珪素膜である。ゲート電極227は、ゲート絶縁膜215の上に設けられている。ゲート電極227は、導電体から作られており、たとえば、不純物が添加されたポリシリコン、またはアルミニウム(Al)から作られている。
エミッタコンタクト電極208は、第1の金属層204と炭素領域206とを含む。エミッタコンタクト電極208の炭素領域106は、凹部を形成する底壁面223においてp+領域202およびエミッタ領域214と接する。エミッタコンタクト電極208は、炭素領域206が第1の金属層204内に拡散して形成された合金層であってもよい。またエミッタコンタクト電極208はゲート絶縁膜215と接している。エミッタコンタクト電極208は、エミッタ領域214およびp+領域202の各々にオーミックに接続された電極であり、好ましくはシリサイドから作られており、たとえばニッケルシリサイドから作られている。エミッタコンタクト電極208は、チタン、アルミニウムおよびシリコンを含む材料であってもよい。なお、エミッタコンタクト電極208は、実施の形態2のソース電極108と同様の構成を有する。
エミッタ配線219は、エミッタコンタクト電極208および層間絶縁膜221の各々の上に設けられている。層間絶縁膜221は、ゲート電極227とエミッタ配線219との間を電気的に絶縁するように設けられている。層間絶縁膜221は、たとえば二酸化珪素膜である。
コレクタ電極230は第2の主面210bにおいてコレクタ層211と接して設けられている。コレクタ電極230は、コレクタ層211にオーミックに接続された電極であり、好ましくはシリサイドから作られており、たとえばニッケルシリサイドから作られている。コレクタ電極230はエミッタコンタクト電極208と同じ材料であってもよい。
次に、本実施の形態に係るIGBT201の製造方法について説明する。
まず、n型を有する炭化珪素からなるベース基板(図示せず)が準備される。当該ベース基板上に導電型がp型のエピタキシャル層からなるコレクタ層211が形成される。コレクタ層211のアクセプタ型不純物濃度は、1×1017cm3以上1×1021cm3以下となるように行われ、より好ましくは1×1019cm3以上1×1020cm3以下となるように行われる。コレクタ層211の形成は、たとえばCVD法によって行い得る。コレクタ層211上に導電型がn型のドリフト層212が形成される。
次に、実施の形態2において説明した方法と同様の方法によって、イオン注入工程が実施される。これにより、p+領域202と接するn型のエミッタ領域214とを含む炭化珪素基板210が準備される。
次に、実施の形態2において説明した方法と同様の方法によって、活性化アニール工程(S20:図2)、熱酸化膜工程(S30:図2)およびゲート電極形成工程が実施される。
次に、炭素領域形成工程(S40:図4)が実施の形態2において説明方法と同様の方法によって実施される。具体的には、p+領域202およびエミッタ領域214の一部が露出した炭化珪素基板210が、ハロゲン元素を含む雰囲気ガス中で加熱されることにより、p+領域202およびエミッタ領域214に接する炭素領域6が形成される。好ましくは、ハロゲン元素は塩素である。好ましくは、炭素領域形成工程では、p+領域202が800℃以上1000℃以下で加熱される。また好ましくは、炭素領域形成工程では、p+領域202の一部がエッチングされることによりp+領域202に凹部が形成され、凹部を形成する底壁面223に接して炭素領域206が形成される。
次に、電極形成工程(S50:図2)が実施される。具体的には、たとえばニッケルおよびシリコンを含む第1の金属層204が炭素領域206に接して形成される。コレクタ層211と接しているn型のベース基板が除去され、p型のコレクタ層211と接するコレクタ電極230が形成される。その後、当該第1の金属層204、炭素領域206およびコレクタ電極230を含む炭化珪素基板210を、たとえば1000℃程度に加熱することにより、炭化珪素基板210のp+領域202とオーミック接触するエミッタコンタクト電極208が形成される。エミッタコンタクト電極208と接し、たとえばアルミニウムからなるエミッタ配線219が形成される。以上の様に、図11に示す本実施の形態のIGBT201が得られる。
次に、本実施の形態に係るIGBT201およびその製造方法の作用効果について説明する。
本実施の形態に係るIGBT201によれば、炭化珪素基板210は、p+領域202が配置されている第1の主面10aと、第1の主面10aと反対側の第2の主面10bとを含む。第2の主面10bに接してp+領域202とは異なるコレクタ層211を含む。これにより、IGBT201のエミッタコンタクト電極208とp+領域202との接触抵抗を低減することができる。結果として、IGBT201のスイッチング特性を向上することができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 MPS、2 p型領域、2a 第1のp型領域、2b 第2のp型領域、2c 第3のp型領域、3 JTE領域、5 第1の金属層、6,106,206 炭素領域、7 フィールドストップ領域、8 電極、8a 第2の電極部、8b 第2の金属層(第1の電極部)、10,110,210 炭化珪素基板、10a,110a,210a 第1の主面、10b,110b,210b 第2の主面、10c 表面、11 n+基板、12 電界停止層、14 n型領域、22 凹部、23,123,223 底壁面、24 側壁面、30 オーミック電極、40,60,140 パッド電極、70 保護膜、101 MOSFET、102,202 p+領域、104,204 第1の金属層、108 ソース電極、111 ベース基板、112 ドリフト領域、113,213 ウェル領域、114 第2の不純物領域、115,215 ゲート絶縁膜、117 第1の不純物領域、119 ソース配線、121,221 層間絶縁膜、127,227 ゲート電極、130 ドレイン電極、201 IGBT、208 エミッタコンタクト電極、211 コレクタ層、212 ドリフト層、214 エミッタ領域、219 エミッタ配線、230 コレクタ電極、240 コレクタ配線。

Claims (14)

  1. p型領域および前記p型領域と接するn型領域とを含む炭化珪素基板を準備する工程と、
    ハロゲン元素を含む雰囲気ガス中で前記p型領域を加熱することにより、前記p型領域と接する炭素領域を形成する工程と、
    前記炭素領域に接する第1の金属層を形成する工程と、
    前記炭素領域および前記第1の金属層を加熱することにより前記p型領域と接する電極を形成する工程とを備えた、炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記ハロゲン元素は塩素である、請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 前記炭素領域を形成する工程では、前記p型領域が800℃以上1000℃以下で加熱される、請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記炭素領域を形成する工程では、前記p型領域の一部がエッチングされることにより前記p型領域に凹部が形成され、前記凹部を形成する面に接して前記炭素領域が形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1の金属層と接する第2の金属層を形成する工程をさらに備え、
    前記炭化珪素基板は、前記第2の金属層と接し、かつ前記炭素領域と接しない第2のp型領域とを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 前記第1の金属層はチタンおよびアルミニウムを含む材料からなる、請求項5に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 前記n型領域と接するゲート絶縁膜を形成する工程をさらに備えた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  8. p型領域および前記p型領域と接するn型領域を含む炭化珪素基板と、
    前記p型領域に接して配置された電極とを備え、
    前記電極は、前記n型領域とショットキー接合している第1の電極部と、前記p型領域と接する炭素領域とを含む、炭化珪素ダイオード。
  9. 前記炭化珪素基板は、前記第1の電極部と接しかつ前記炭素領域と接しない第2のp型領域をさらに含む、請求項8に記載の炭化珪素ダイオード。
  10. 前記電極は、前記第1の電極部と接する第2の電極部をさらに含み、
    前記第2の電極部は前記炭素領域を含む、請求項8または9に記載の炭化珪素ダイオード。
  11. 前記第2の電極部は、チタンおよびアルミニウムを有する材料を含む、請求項10に記載の炭化珪素ダイオード。
  12. p型領域および前記p型領域と接するn型領域を含む炭化珪素基板と、
    前記p型領域および前記n型領域と接して配置された電極と、
    前記n型領域と接するゲート絶縁膜とを備え、
    前記電極は前記p型領域と接する炭素領域を含む、炭化珪素トランジスタ。
  13. 前記炭化珪素基板は、前記p型領域が配置されている第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを含み、かつ前記第2の主面に接して前記p型領域とは異なる第2のp型領域を含む、請求項12に記載の炭化珪素トランジスタ。
  14. 前記電極はニッケルおよびシリコンを有する材料およびチタン、アルミニウムおよびシリコンを有する材料のいずれかを含む、請求項12または13に記載の炭化珪素トランジスタ。
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