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JP2014122390A - 鋼板の連続焼鈍方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Siを多量に含有し、かつ、Al含有量の少ない鋼板を連続焼鈍する際、焼鈍炉の炉内ロールへのSi等の酸化物付着による表面欠陥を防止し、表面品質に優れる鋼板を安定して製造する方法を提案する。
【解決手段】Si:0.3mass%以上およびAl:0.02mass%以下を含有する成分組成を有する鋼板を連続焼鈍する方法において、上記連続焼鈍する焼鈍炉8の上流側に、大気中または酸化性雰囲気中で鋼板を加熱する誘導加熱装置11を配設し、上記鋼板を350〜650℃の温度Tに加熱し、上記温度Tと上記温度Tでの保持時間tとの積(T*t)が240℃・秒以上となる時間保持する予備加熱した後、好ましくはさらに過熱水蒸気を噴射した後、上記加熱後の鋼板を焼鈍炉8内に導入して還元処理し、所定の焼鈍を施す鋼板の連続焼鈍方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋼板の連続焼鈍方法に関し、具体的には、Siを多量に含有する鋼板を連続焼鈍するのに好適な鋼板の連続焼鈍方法に関するものである。
近年、高強度鋼板の自動車用鋼板等への適用拡大に伴い、薄鋼板における高強度鋼板の占める割合が増加している。現在、この高強度鋼板は、連続焼鈍プロセスで製造するが主流である。
図1は、従来の連続焼鈍設備の構成例を示したものであり、入側設備のペイオフリール2で巻き戻された鋼板1は、入側ルーパ3を経た後、加熱帯4、均熱帯5、冷却帯6および過時効帯7から構成される焼鈍炉8で熱処理を施された後、出側ルーパ9を経て、出側設備のテンションリール10に巻き取られる構成となっている。なお、上記加熱帯4および均熱帯5は、炉内が還元性雰囲気に保持されているため、還元帯とも称されている。
そして、上記焼鈍炉8においては、鋼板を、加熱帯4で約800℃の温度に加熱し、均熱帯5でその温度に所定時間保持した後、冷却帯6で500℃程度以下の温度まで鋼板を急速冷却して高強度化した後、成形性を向上するため、過時効帯7で焼戻し処理または過時効処理を施す熱処理が施される。
ところで、上記のように急冷処理して変態強化する方法以外に、鋼板を高強度化する方法の一つとして固溶強化法があり、Si等の固溶強化元素を適量添加することによって、高強度でかつ加工性に優れる高強度鋼板が得られることが知られている。しかし、Siのような易酸化性元素を多量に含む鋼板を連続焼鈍すると、上記焼鈍炉8の還元帯(加熱帯4および均熱帯5)において、Si等が鋼板表層に濃化して酸化物を形成し、この酸化物が炉内ロール(ハースロール)に付着して、いわゆる「ピックアップ」が起こる。この付着物は、徐々に堆積して成長するため、鋼板表面に押し疵(デンツ)等の表面欠陥を引き起こす原因となる。上記付着した酸化物は、簡単には除去されないため、表面欠陥が発生した場合には、ラインを停止し、ロールに付着した酸化物を除去してやる必要がり、生産性を大きく阻害する。
上記のようなSi等の易酸化性元素を含む鋼板を連続焼鈍する方法としては、例えば、特許文献1には、Si量と直火炉出側の温度を規定して鋼板表面を酸化し、Siの鋼板表層への濃化を抑えることによって、メッキ性を改善する技術が開示されている。しかし、この技術は、酸化温度が高く、多量の鉄酸化物が生成するため、還元帯においてロールへ酸化物が付着することを避けられない。
また、特許文献2には、直火炉の空気比を制御することで、Siの鋼板表層への濃化を抑制する技術が開示されている。この技術は、還元帯での酸化物付着を防止できるという点で有効な手段である。しかし、直火炉であるため、鋼板温度を短時間で自在に変更することが難しく、焼鈍する鋼板の板厚変化や通板速度の変更に対して柔軟に対応することができないため、生産スケジュールに制約が生じてしまう。また、直火炉は、設置スペースが大きいため、設備改造するには難がある。
また、特許文献3には、鋼板表面を、Fe換算で0.05g/m以上1.0g/m以下の酸化鉄量になるよう予備酸化することで、Siの表層濃化を抑制し、メッキ性を改善する技術が開示されている。しかし、この技術は、メッキ性改善には有効であるが、炉内のロールへのSi酸化物の付着抑制に対しては、酸化鉄量が多いため、還元帯において酸化鉄が炉内のロールに付着することがある。
特開平07−316762号公報 特開2010−202959号公報 特開平08−170159号公報
上記のように、従来の技術では、Si等の易酸化性の元素を多量に含む鋼板を連続焼鈍する場合には、Si等が表層に濃化して生成する酸化物が炉内ロールの表面に付着し、表面欠陥が引き起こすという問題に対する防止効果が十分ではない。特に、Al含有量が少ない鋼板では、Alが優先酸化することによって形成される皮膜によるSi等の酸化を抑制する保護効果が得られないので、酸化物付着による鋼板への表面欠陥の発生が著しくなる傾向にある。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、Siを多量に含有し、かつ、Al含有量の少ない鋼板を連続焼鈍する際、焼鈍炉の炉内ロールへのSi等の酸化物付着による押し疵等の表面欠陥を防止し、表面品質に優れる鋼板を安定して製造することを可能とする鋼の連続焼鈍方法を提案することにある。
発明者らは、従来技術が抱える上記問題点を解決するべく、鋼成分と焼鈍炉に鋼板を導入する前の予備加熱条件が、鋼板表面の酸化挙動に及ぼす影響について鋭意検討を重ねた。その結果、Siを多量に含有する鋼板でも、Alの含有量が所定量以下の場合には、従来の予備酸化処理よりも低温かつ短時間で鋼板内部にSi酸化層が形成され、Siの表面濃化が効果的に抑制されることを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、Si:0.3mass%以上およびAl:0.02mass%以下を含有する成分組成を有する鋼板を連続焼鈍する方法において、上記連続焼鈍する焼鈍炉の上流側に、大気中または酸化性雰囲気中で鋼板を加熱する誘導加熱装置を配設し、上記鋼板を350〜650℃の温度Tに加熱し、上記温度Tと上記温度Tでの保持時間tとの積(T*t)が240℃・秒以上となる時間保持する予備加熱した後、上記加熱後の鋼板を焼鈍炉内に導入して還元処理し、所定の焼鈍を施すことを特徴とする鋼板の連続焼鈍方法である。
また、本発明の鋼板の連続焼鈍方法は、上記誘導加熱装置の出側と焼鈍炉との間に過熱水蒸気噴射装置を配設し、上記誘導加熱装置で加熱した鋼板の表面に、上記温度T以上に過熱した水蒸気を噴射することを特徴とする。
また、本発明の鋼板の連続焼鈍方法は、上記予備加熱装置として、誘導加熱装置または通電加熱装置のいずれかを用いることを特徴とする。
また、本発明の鋼板の連続焼鈍方法が対象とする上記鋼板は、Siを0.8mass%以上含有することを特徴とする。
本発明によれば、焼鈍炉内に導入される前の鋼板を予備加熱し、Siを鋼板内部で酸化させ、焼鈍炉の還元帯におけるSiの鋼板表層への濃化を防止するので、Si酸化物の炉内ロールへの付着を防止し、押し疵等の表面欠陥の発生を効果的に防止することができ、鋼板の表面品質の向上、生産性の向上に大いに寄与する。
従来の連続焼鈍炉の構成を説明する一例図である。 本発明を適用した連続焼鈍炉を説明する一例図である。
先ず、本発明の技術思想について説明する。
前述したように、Siは、鋼を高強度化するのに有効な元素であり、近年における高強度鋼板には多量に添加されるようになってきている。しかし、Siを多量に含有する鋼を素材として連続焼鈍炉で高強度鋼板を製造しようとすると、鋼板表層にSiが濃化してSi酸化物を形成し、これが炉内ロールの表面に付着、堆積して、鋼板に押し疵等の表面欠陥を引き起こしていた。
そこで、従来技術では、Siの鋼板表層への濃化を抑制するため、例えば、直火炉などで、鋼板を700℃以上の温度で数秒以上加熱し、鋼板表面に鉄の酸化物層を形成し、その後、これを還元したり、あるいは、700℃以上の高温で鋼板を予備加熱し、鋼板内部でSiを酸化させ、Siの鋼板表面への移動を抑制したりしていた。しかし、従来の方法は、いずれも加熱温度が700℃以上と高温であるため、鋼板表面に多量の酸化物が形成されることから、炉内ロールへの酸化物の付着に起因した表面欠陥を完全に解消するには至っていない。
しかしながら、発明者らの調査によれば、Alの含有量が0.02mass%未満の鋼においては、上記温度よりも低温かつ短時間の加熱でも、Siが鋼板内部で酸化され、Siの表層濃化が抑制されることがわかった。これは、Siより酸化され易いAlの含有量が少ないため、Siが優先的に鋼板内部で酸化されるためであると考えられる。鋼板内部にSiの内部酸化層が形成されると、Siの表層への拡散が抑制されるため、Siの表層濃化、ひいては、Siの酸化物の形成も抑制される。その結果、炉内ロールへの酸化物の付着も抑制されるので、押し疵等の表面欠陥を防止することができる。
本発明は、上記新規な知見に基くものである。
次に、本発明が焼鈍方法を適用する対象となる鋼板について説明する。
本発明が対象とする鋼板は、Siの含有量が0.3mass%以上で、かつ、Alの含有量が0.02mass%以下のものであることが必要である。
Siは、脱酸剤として、あるいは高強度化を図るための固溶強化元素として、または、磁気特性を改善するための元素として添加される。特に、Siは、高強度化する効果が大きい割りに、加工性等の機械的特性劣化が比較的小さい元素であるため、好ましく用いることができる。しかし、0.3mass%未満の添加量では、焼鈍時における鋼板表層への濃化は少なく、本発明を適用する必要がない。よって、Si含有量は0.3mass%以上とする。
なお、本発明の上記効果は、特にSiの含有量が0.8mass%以上で特に有効である。しかし、Si含有量がさらに多い場合でも本発明の効果は得られるが、Siの含有量が1.8mass%を超えると、内部酸化のみではSiの表層への拡散を抑えきれず、表層濃化してしまう鋼板の割合が多くなってしまうため、上限は1.8mass%程度とするのが好ましい。なお、本発明を適用する好ましいSiの範囲は0.8〜1.5mass%である。
また、Alは、通常、脱酸剤として、あるいは、磁気特性を改善する元素として添加されるが、Alは、Siよりも酸化され易い元素であるため、SiとAlが共存する場合には、Alが優先的に酸化されて表層に酸化皮膜(保護皮膜)を形成するため、Siの表層濃化は抑制される。しかし、Alの含有量が0.02mass%以下の鋼板では、上記温度よりも低温かつ短時間の加熱で、Siが鋼板内部で酸化され、Siの表層濃化が抑制される。そこで、本発明では、上記効果を得るためAlの含有量を0.02mass%以下とする。好ましくは、0.01mass%以下である。
なお、Si,Al以外の元素は、通常の冷延鋼板に含まれる範囲で含有することができる。例えば、鋼板表面に濃化しやすい元素として知られているC,Mn,PおよびSは、本発明が解決しようとしている炉内ロールへの酸化物付着にほとんど影響しないため、機械的強度特性や製造性等から要求される成分範囲であるC:0.5mass%以下、Mn:0.001〜5mass%、P:0.001〜0.5mass%、S:0.0001〜0.01mass%の範囲で含有することができる。
次に、本発明の鋼板の連続焼鈍方法について説明する。
本発明の連続焼鈍方法は、上記連続焼鈍する焼鈍炉の上流側に、大気中または酸化性雰囲気中で鋼板を加熱する予備導加熱装置を配設し、上記成分組成を有する鋼板を、350〜650℃の温度Tに加熱し、上記温度Tと上記温度Tでの保持時間tとの積(T*t)が240℃・秒以上となる時間保持する予備加熱した後、上記加熱後の鋼板を焼鈍炉内に導入して還元処理し、所定の焼鈍を施す連続焼鈍方法である。
図2は、図1に示した従来の連続焼鈍設備に、本発明に用いる予備加熱装置11を、入側ルーパ3と加熱帯4との間に設置した例を示したものである。ここで、上記連続焼鈍設備の焼鈍炉の上流側に設置する予備加熱装置11は、鋼板を350〜650℃の温度に加熱できる装置であれば、いずれの方法でもよいが、既存の連続焼鈍設備に設置すること等を考慮すると、短時間で加熱することができる誘導加熱装置または通電加熱装置であることが好ましい。
次に、鋼板を大気中または酸化性雰囲気中で鋼板を予備加熱する温度Tを350〜650℃の範囲とする理由は、350℃未満の温度では、Siを鋼板内部で酸化させる効果が小さく、Siの鋼板表層への濃化を抑制することができない。一方、650℃を超えると、Al含有量が少ない本発明の鋼板では、Siが鋼板表層へ濃化したり、厚い鉄酸化物層が形成されたりするようになるからである。好ましくは400〜600℃の温度範囲である。
次に、鋼板を大気中または酸化性雰囲気中で350〜650℃の範囲の温度Tに保持する時間tは、上記温度Tとの積(T*t)が240℃・秒以上となる時間とする必要がある。上記(T*t)が240℃・秒未満では、Siを鋼板内部で酸化させる効果が小さく、Siの鋼板表層への濃化を抑制することができない。一方、保持時間が長くなると、加熱した鋼板温度Tが低下して350℃を下回るようになり、加熱負荷が増大するため、また、予備加熱装置を設置するスペースを小さくする観点から、10秒以内とするのが好ましい。
また、上記予備加熱に加えて、鋼帯内部でのSiの酸化を促進させる方法としては、上記予備加熱した鋼板温度Tより高温の過熱水蒸気を鋼板表面に噴射してやることが有効である。これは、高温の水蒸気(HO)は、Siの鋼板内部での酸化を促進させる効果があり、低温加熱条件においても鋼板内部の酸化が促進されて、Siの表層濃化をより抑制することが可能となるからである。
なお、過熱水蒸気の温度を鋼板温度より高く設定する理由は、過熱水蒸気の温度が鋼板温度より低いと、鋼板表面で水蒸気が凝縮を起こして、温度ムラや外観ムラが発生するからである。鋼板より高くする温度は、鋼板温度Tに対して30〜500℃高い範囲とするのが好ましい。30℃未満では、過熱水蒸気が操業条件の変動によって凝縮を起こすおそれがあり、一方、500℃を超えると、加熱装置の負荷が大きくなり、操業上、好ましくないからである。なお、過熱水蒸気噴射による上記効果は、単に過熱水蒸気を噴射するだけでは小さく、前述した予備加熱と併用するのが好ましい。
また、上記過熱水蒸気を鋼板表面に噴射する位置は、図2において誘導加熱装置11の直後に過熱水蒸気噴射装置12を設置しているように、鋼板を温度Tに加熱して保持している時間内tの位置で行うのが好ましい。過熱水蒸気の噴射効果は高温ほど効果が大きいからである。
表1に示したA〜Eの成分組成を有する、板厚0.6mm×板幅1000mmの冷間圧延後の鋼板を、図2に示した連続焼鈍設備を用いて、表2に示した各種条件で鋼板を予備加熱した後、連続焼鈍し、炉内ロールへの酸化物付着による鋼板への押し疵の発生有無を調査した。ただし、一部については、予備加熱は実施しなかった。なお、連続焼鈍設備に設置した誘導加熱装置IHは、出力6000kW、周波数40kHz、加熱長5mのソレノイドコイルで、IH出側から加熱帯入側までの距離は2mであった。また、鋼板の焼鈍条件は、IH入側の鋼板温度を約200℃、焼鈍温度(均熱温度)を800℃とし、IHで加熱したIH出側の鋼板温度Tは、接触式温度計により測定した。また、焼鈍炉内の還元帯(加熱帯+均熱帯)における加熱はラジアントチューブで行い、雰囲気ガスは、H:5vol%−N:95vol%で、露点は−35℃とした。
なお、鋼板表面に発生した炉内ロールへの酸化物付着に起因した押し疵の発生有無は、表2に示した各条件において500トン処理したときの鋼板表面を目視検査し、下記の基準で判定した。
<押し疵のランク付け>
◎:ほとんど見られない(合格)
○:微小な凹みがわずかに散見されるが、問題ないレベル(合格)
△:押し疵あり(不合格)
×:多数の押し疵あり(不合格)
上記調査結果を表2に併記した。この結果からわかるように、本発明に適合する条件で焼鈍した発明例の鋼板では、Siの表層濃化が抑制され、炉内ロールへの酸化物付着による押し疵の発生が防止されている。これに対して、誘導加熱装置IHでの加熱温度Tが低い場合、あるいは、加熱後の保持時間tが短い比較例の鋼板では、鋼板内部のSiの酸化が不十分なため、Siが鋼板表層に濃化し、炉内ロールへの酸化物付着に起因した押し疵が発生した。また、誘導加熱装置IHの加熱温度Tが高過ぎた比較例の鋼板でも、鋼板表層に形成される酸化鉄層が厚くなり、炉内ロールへの酸化物の付着が生じて、押し疵が発生した。
Figure 2014122390
Figure 2014122390
実施例1に用いた5種の成分組成を有する冷間圧延後の鋼板を、図2に示した連続焼鈍設備を用いて、表3に示した各種条件で予備加熱と過熱水蒸気の噴射を施した後、連続焼鈍し、炉内ロールへの酸化物付着による鋼板への押し疵の発生有無と外観品質を、実施例1と同様、目視検査により評価した。なお、本実施例の焼鈍条件は、実施例1と同じ条件とした。また、過熱水蒸気は、IH出側〜焼鈍炉の2m間でかつ誘導加熱装置の直後に設置された過熱水蒸気噴射装置に設けられた開口寸法が10mm×1500mmのスリットノズルから、片面当たり25〜30kg/hrで噴射した。
上記調査の結果を、表3に併記した。この結果から、過熱水蒸気を本発明に適合する条件で鋼板表面に噴射した条件では、押し疵の発生が改善されている。しかし、過熱水蒸気の温度が鋼帯温度より低い条件では、押し疵の発生は軽減されているものの、水蒸気の凝縮による外観ムラが発生している。また、過熱水蒸気の噴射のみで、予備加熱をしなかった場合には、押し疵防止効果が得られていない。
Figure 2014122390
本発明の技術は、炉内ロールの損傷を抑制し、長寿命化するのに有効であるだけでなく、表面が美麗な鋼板の製造にも有効である。
1:鋼板(鋼帯)
2:ペイオフリール
3:入側ルーパ
4:加熱帯
5:均熱帯
6:急冷帯
7:過時効帯
8:焼鈍炉
9:出側ルーパ
10:テンションリール
11:誘導加熱装置(IH)
12:過熱水蒸気噴射装置

Claims (4)

  1. Si:0.3mass%以上およびAl:0.02mass%以下を含有する成分組成を有する鋼板を連続焼鈍する方法において、
    上記連続焼鈍する焼鈍炉の上流側に、大気中または酸化性雰囲気中で鋼板を加熱する予備加熱装置を配設し、
    上記鋼板を350〜650℃の温度Tに加熱し、上記温度Tと上記温度Tでの保持時間tとの積(T*t)が240℃・秒以上となる時間保持する予備加熱した後、
    上記加熱後の鋼板を焼鈍炉内に導入して還元処理し、所定の焼鈍を施すことを特徴とする鋼板の連続焼鈍方法。
  2. 上記予備加熱装置の出側と焼鈍炉との間に過熱水蒸気噴射装置を配設し、上記予備加熱装置で加熱した鋼板の表面に、上記温度T以上に過熱した水蒸気を噴射することを特徴とする請求項1に記載の鋼板の連続焼鈍方法。
  3. 上記予備加熱装置として、誘導加熱装置または通電加熱装置のいずれかを用いることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の鋼板の連続焼鈍方法。
  4. 上記鋼板は、Siを0.8mass%以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼板の連続焼鈍方法。
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