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JP2014114218A - 身体貼付用シート - Google Patents

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JP2014114218A JP2012267055A JP2012267055A JP2014114218A JP 2014114218 A JP2014114218 A JP 2014114218A JP 2012267055 A JP2012267055 A JP 2012267055A JP 2012267055 A JP2012267055 A JP 2012267055A JP 2014114218 A JP2014114218 A JP 2014114218A
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真琴 日野
Hayami Nakamura
早見 中村
Asami Oda
麻実 小田
Yoshiyuki Takahashi
義之 高橋
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Abstract

【課題】 片面のゲルシート層は衣類などとの粘着性が低く、反対面は身体によく粘着する使用感に優れる支持体のない身体貼付用シートを提供する。
【解決手段】 脂肪族カルボン酸又はそのアルカリ塩類の水溶性又は水易分散性の重合体を多価金属化合物で架橋した重合体ゲルを含有する含水ゲルシート層が2層以上直接積層されてなり、各含水ゲルシート層における前記重合体成分の含有率が身体と反対側の最外層の含水ゲルシート層より身体に接触する最内層の含水ゲルシート層が高く、各含水ゲルシート層における前記アルミニウム化合物の含有率は前記最内層の含水ゲルシート層より前記最外層の含水ゲルシート層が高いことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、打ち身、捻挫、肩こり等の慢性疼痛や発熱、頭痛等に対して体表面に貼着して使用される身体貼付用シートに関し、特に、従来の不織布やプラスチックシートなどの支持体に含水ゲルを積層して支持体ごと身体に貼付する身体貼付用のシートと比較して、身体に貼付したときに目立たず、身体面にはしっかり貼付できるが、衣服などへの粘着性は低く、水の蒸散性に優れていて冷却効果等が高い身体貼付用のシートに関するものである。
皮膚を健康的に保ち、老化や乾燥などから保護するために、ゼリー状あるいはゲル状の製品が広く用いられている。特に、シート状に加工されたゲル製品は、扱いが容易であり、手指を汚すことが少なく、また比較的長時間にわたり皮膚を保護する目的、あるいは皮膚を健康的に保つための有効成分を皮膚に接触・浸透させる目的で広く用いられている。
それらの製品としては、例えば、含水ゲルを不織布に担持させこれを身体に貼付することで、日常生活において使用者に快適感を与えることができるもの、あるいは風邪等の疾病に伴う発熱を緩和することができるものが知られている(特許文献1)。このシートは、一般には冷感シートなどとして知られるものであるが、上記機能を有する含水ゲル材料が、それ自体の自立性が低いため、そして含水ゲル材料が高い粘着性を持ちハンドリングが悪いため、製造時、販売時のみならず身体貼付後も常にその一面を支持体により支持・保護されている。
上記のような含水ゲル材料を支持する支持体は、シート状であればなんでもかまわないというものではなく、身体のごく近傍あるいは接触して用いられても問題のないものであることは当然として、特に冷感シートの場合は、含水ゲル体から水分が蒸発するのを妨げるものであってはならない。いわゆる、通常のプラスチックフィルム類は透湿性に劣り、上記用途の支持体としては適性評価が低い。そのため、上記のような含水ゲル体用の支持体としては不織布が用いられることが多い。
不織布は、支持体として十分な物理的強度を持ちながら、かつ繊維の絡み合いに隙間があるために、その隙間から水分が蒸散することが出来る。しかし、水分の蒸散という意味でのみ見るならば支持体を用いないのが最も好ましいことになるが、そのような含水ゲル体のみによって形成されているシートの場合、製造時に問題が生じ、また、実際に人体に貼付した場合、貼付した反対面には支持体がなくゲル層が露出されているため、手指や衣服などに貼りつくなどして使用感が著しく劣り、また使用中に剥がれてしまうなどの問題を生じやすい。
支持体を用いないゲルシートとしては特許文献2に開示されているものが挙げられる。ここで開示されている技術は、積層ゲル体を用いて構成する各ゲル体層の水分含有量を各層毎に異ならせることにより各ゲル体層の冷却性や保型性、粘着性などを向上させることを目的とするものである。
特開平10−265374号公報 特開2003−252753号公報
「Fragrance Journal」臨時増刊 No21,pp106(2009)
本発明は、身体にはよく粘着しながら、身体貼付時には支持体で保護されていない最外層ゲル体が外部に対して露出しているにもかかわらず、衣類などとの粘着性が低く、使用感に優れる身体貼付用シートを提供しようとするものである。
上記の課題を解決するための本発明は、基本的には、身体に貼付して使用するためのシート状に成型した含水ゲル層を2層以上積層した含水ゲルシート積層体において、身体と接触する最内層を形成する含水ゲルシート層の粘着性は、身体面に確実に貼付した状態を維持することができるとともに糊残りすることなく剥離できるように調整し、一方貼付する身体から遠い最外層を形成する含水ゲルシート層の粘着性は衣類に対する粘着力が十分に低くなるように調整した含水ゲルシート積層体を身体貼付用シートとするものであり、そのような含水ゲルシート積層体を構成するためには、以下のように組成の異なる含水ゲル層からなる積層構造を採用することが有効な手段であることを見いだし、以下の各発明をなすに至ったものである。
(1)脂肪族カルボン酸又はそのアルカリ塩類の水溶性又は水易分散性の重合体を多価金属化合物で架橋した重合体ゲルを含有する含水ゲルシート層が2層以上直接積層されてなる身体貼付用シートであって、各含水ゲルシート層における前記重合体成分の含有率が身体と反対側の最外層の含水ゲルシート層より身体に接触する最内層の含水ゲルシート層が高く、各含水ゲルシート層における前記多価金属化合物の含有率は前記最内層の含水ゲルシート層より前記最外層の含水ゲルシート層が高いことを特徴とする身体貼付用シート。
(2)前記最内層の含水ゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の含有量が5〜70質量部で、多価金属化合物の含有量が0.01〜0.75質量部であり、前記最外層の含水ゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の含有量は3〜25質量部で、多価金属化合物の含有量は0.08〜6質量部であることを特徴とする(1)項に記載の身体貼付用シート。
(3)前記多価金属化合物がアルミニウム化合物であることを特徴とする(1)項又は(2)項に記載の身体貼付用シート。
(4)前記最外層の含水ゲルシート層の標準布に対する最大粘着力が300g/7cm以下であり、かつ前記最内層の含水ゲルシート層の人肌モデルウレタン材料に対する粘着力が400g/7cm以上であることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
(5)前記最外層の含水ゲルシート層と前記最内層の含水ゲルシート層を有する2層以上の含水ゲルシート層のいずれかの層間に、薄片状の装飾用材料が配置されていることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
(6)前記最外層の含水ゲルシート層と前記最内層の含水ゲルシート層の2層の含水ゲルシート層のみよりなることを特徴とする(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
(7)前記最内層の含水ゲルシート層と前記最外層の含水ゲルシート層の両シート層表面の少なくとも一方の面に離型性保護シートが貼着されていることを特徴とする(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
(8)前記各含水ゲルシート層のうち、少なくとも前記最内層の含水ゲルシート層が、清涼剤、シップ剤、経皮吸収薬剤、化粧料、香料、紫外線吸収剤等から選ばれる少なくとも1種を含有する層よりなることを特徴とする(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
(9)前記脂肪族カルボン酸又はそのアルカリ塩類の水溶性又は水易分散性の重合体は、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸及びそれらのアルカリ塩から選ばれる不飽和脂肪族カルボン酸類の重合体からなることを特徴とする(1)項〜(8)項のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
(10)前記アルミニウム化合物が、アルミニウムの水酸化物、無機酸塩、有機酸塩、錯塩キレート化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)項〜(9)項のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
(11)前記(1)項〜(10)項のいずれか1項に記載の身体貼付用シートを製造する方法であって、
離型性保護シート面に、脂肪族カルボン酸又はそのアルカリ塩類の水溶性又は水易分散性の重合体と架橋剤としての多価金属化合物を含有する含水ゲル形成塗工液を塗工し架橋反応を進行させることにより、前記重合体成分の含有率が身体に接する最内層の含水ゲルシート層より低く且つ多価金属化合物の含有率が該最内層の含水ゲルシート層よりも高い最外層の含水ゲルシート層を形成して担持させる工程と、
前記離型性保護シートに担持させた最外層の含水ゲルシート層面に、該最外層の含水ゲルシート層よりも前記重合体成分の含有率が高く且つ多価金属化合物の含有率が前記最外層の含水ゲルシート層より低い含水ゲルシート層を身体に接する最内層の含水ゲルシート層として有している一層又は複数層の含水ゲルシート層を積層形成する工程とを有していることを特徴とする身体貼付用シートの製造方法。
(12)前記最内層の含水ゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の含有量が5〜70質量部で、多価金属化合物の含有量が0.01〜0.75質量部であり、前記最外層の含水ゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の含有量は3〜25質量部で、多価金属化合物の含有量は0.08〜6質量部であることを特徴とする(1)項記載の身体貼付用シートの製造方法。
(13)前記最外層の含水ゲルシート層を形成する工程が、標準布に対する最大粘着力が300g/7cm以下の含水ゲルシート層を形成する工程であり、前記身体に接する最内層の含水ゲルシート層を有している一層又は複数層の含水ゲルシート層を積層形成する工程における最内層の含水ゲルシート層を形成する工程が、人肌モデルウレタン材料に対する粘着力が400g/7cm以上である含水ゲルシート層を形成する工程であることを特徴とする(11)項又は(12)項に記載の身体貼付用シートの製造方法。
本発明による身体貼付用シートは、粘着性の異なるゲル層の2層以上の積層体からなり、身体に貼付する側の表面は、身体に対して十分に強く接着しながら、糊残りすることなく剥離することができる粘着性を備えており、反対側の外部に露出する面は、衣服などに表面が接触しても衣服などに強く接着することのない粘着性を備えていることから、身体に貼付した状態で含水ゲルシート部分が衣服に接着してシート全体が身体から引き剥がされてしまうということが生起しないという、従来の一層のみの含水ゲルシート層では解決できない優れた使用感をもたらす。
また、本発明の身体貼付用シートは、ゲルシート部分と結合一体化している不織布などの支持体を用いていないので、このような支持体を用いたものに比べて格段に柔軟であり、この柔軟性を利用して身体の貼付部の形状に対して高い追随性で密着させることが出来、使用感の優れた含水ゲルシートとなる。さらに、身体冷却用シートとして応用された場合は、水分の蒸散を妨げるような支持体のないことから、冷却効果を向上させることも出来る。
また、本発明の身体貼付用シートは、身体貼付状態で支持体を有していないため、透明なゲルを用いると透明な身体貼付用シートを得ることが出来、身体に貼付している状態でも目立ちにくく、従来の不透明な不織布支持体がついているゲルシートが使用し難いような状況下でも使用することが出来る。
さらに本発明の身体貼付用シートは、必ずしも透明である必要はなく着色シートとすることや、ゲル層間に薄片を挟むことによって意匠性、装飾性も優れたものとすることも出来る。
本発明の身体貼付用シートの含水ゲルシート層に使用するゲル材料は、脂肪族カルボン酸又はそのアルカリ塩類の水溶性又は水易分散性の重合体をアルミニウム含有化合物で架橋してゲル化したものである。
使用できる重合体は、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸を構成単位として含む合成高分子材料であり、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、カルボキシビニルポリマーなどがその例である。これらの高分子材料は、各含水ゲルシート層中に1〜75質量%含まれていることが必要であり、2〜30質量%含まれていることが好ましく、3〜15質量%含まれていることが特に好ましい。
また、水分は各ゲルシート層中に25〜80質量%含まれていることが必要であり、50〜75質量%含まれていることが好ましい。25質量%未満では「含水ゲルシート」としての機能が不十分となる場合があり、80質量%を超えて含水量が多くなると、ベタつき感が強くなり過ぎる傾向がある。
身体貼付時に身体と接する側となる最内層のゲルシート層中の前記重合体成分の含有量(質量部)は、身体から最も離れた最外層の含水ゲルシート層中の前記重合体成分の含有量(質量部)よりも多いことが好ましい。最内層のゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の含有量は5〜70質量部であり、6〜35質量部であることが好ましく、7〜14質量部であることが特に好ましい。最内層のゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の上記含有量が5部未満では身体に対する粘着力が不足する場合が発生するし、上記含有量が70質量部を超えて多くなるとベタつき感が強くなり、剥離時に糊残りが発生することが多くなる。
上記のように前記重合体成分の含有量を調整することと、後記する架橋剤の使用方法の工夫、さらには製造時の架橋促進処理方法の工夫等の組み合わせにより、最内層を身体面に対して所望の粘着性を有する含水ゲルシート層とすることが可能である。
同様の手法により、身体と接する側と反対側となる最外層の含水ゲルシート層についても、衣服等に対する粘着性の低い状態のものとすることが可能である。最外層の含水ゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の含有量は、3〜25質量部であり、4〜12質量部であることが好ましく、5〜8質量部であることが特に好ましい。最外層のゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の上記含有量が3部未満ではゲル化後のシートのゲル含有量が不足して十分な強度を持った含水シート層を形成することが困難となるし、上記含有量が25質量部を超えて多くなると粘着力を低く保持することが困難になる。
本発明の身体貼付用シートの含水ゲルシート層のゲル材料の形成に架橋剤として使用する多価金属を含む化合物としては、例えば、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物錫化合物、鉄化合物、クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物等などを挙げることができる。これらの中で人体に貼付することから安全面を考慮すると、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物が好ましい。
アルミニウム化合物の具体的な例としては、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム等のような、アルミニウムの水酸化物、無機塩、有機塩あるいはキレート化合物等を含む広い範囲のアルミニウム化合物を挙げることができる。
カルシウム類化合物としては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウムなどを挙げることができる。
マグネシウム化合物としては、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイトなどを挙げることができる。また、これらの多価金属化合物の複数を含有させて用いても良い。
前記身体側と反対側の最外層の含水ゲルシート層に含まれる架橋剤の含有量は、身体側となる最内層の含水ゲルシート層中の架橋剤の含有量よりも多いことが必要である。最外層の含水ゲルシート層100質量部当たりの架橋剤としてのアルミニウム化合物の含有量は、0.08〜6質量部であり、0.2〜3質量部であることが好ましく、0.3〜1.5質量部であることが特に好ましい。最外層のゲルシート層100質量部当たりのアルミニウム化合物の上記含有量が0.08部未満ではゲル化後さらにその上にゲル層(内層)を形成するだけの強度、非粘着性を発現することが困難となるし、上記含有量が6質量部を超えて多くなると硬化が進行しすぎ、硬くなり、またその上に形成するゲル層(内層)との密着性が不十分となることがある。
このような架橋剤の含有量を調整することと、前記重合体成分の含有量の調整、及び製造時の架橋促進処理方法の工夫等の組み合わせにより、最外層を所望の粘着性の低い含水ゲルシート層とすることが可能である。
本発明の含水ゲルシート層が2層以上直接積層されてなる身体貼付用シートは、その製造段階から、製品化され、さらに、使用者の身体に貼付する操作がなされるまで、該積層含水ゲルシート層部分を支持し又は保護するために使用するためにその片面又は両面に剥離性のシートで支持乃至保護されている。
剥離性のシートとしては、通常、剥離性フィルム材料が使用される。この剥離性フィルム材料は、身体貼付時には剥離除去して用いることが前提であるので、ゲルの浸潤がなく、製造時には未硬化あるいは弱硬化で流動性を持ったゲル組成物の塗布操作に対して適正な粘着性を示すものであって、かつゲル組成物をシート状に支持できる剛性と柔軟性を持ったものである。通気性や透湿性がないか、又は極めて少ない合成樹脂の薄いフィルム材料が好ましい。このようなフィルム材料としては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルムなどを挙げることができる。さらにフィルムの表面には種々の加工、たとえばエンボス加工などを施すことができる。
本発明の身体貼付用シートにおいては、多層ゲルシート層の任意のゲルシート層間に、本発明の目的を損なうことがない範囲で、身体貼付用シートの任意のゲルシート層間に装飾性の富む薄片状の材料を配置することができる。そのような薄片材料は主に意匠性を向上させる目的で挿入する材料であるが、同時に機能性材料であっても良い。これらの例としては、図柄を有した多数の小紙片やプラスチック片、あるいは、乾燥させた植物体、例えば花びらや葉またはその1部などが挙げられる。例えば、花びらを挿入した場合、ゲル体にその花のにおいのエキスを含ませれば、視覚・臭覚から同時に花の存在を使用者に感じてもらうことが出来やすく、また、ゲルを赤に着色し、黒い丸状の小片をゲル間に多数挿入すれば、使用者がスイカをイメージする図柄を付与することも可能である。また子供の使用者が、より親近感を持ってゲル体を使用できるように人気のキャラクターを印刷した小片やその形状を持った小片を挿入することも出来る。
次に、本発明の身体貼付用シートは、基本的には以下の工程に従って製造することができる。
(1)合成樹脂性の薄い支持フィルム、例えばエンボス加工したポリプロピレンフィルムに最外層の含水ゲルシート層となる含水ゲル組成物からなる塗工液を塗布し、塗工層面に例えばエンボス加工したポリプロピレンフィルムからなる保護フィルムを貼付して保護する。
(2)含水ゲル組成物からなる塗工液を塗布した支持フィルムを一回巻き取り、それを一定温度(20℃から40℃が好ましい)に調温した環境で3時間以上、望ましくは12時間以上保持し、脂肪族カルボン酸を主な構成単位とする高分子化合物とアルミニウム化合物を含有する架橋剤間の架橋反応を促進させる。この架橋反応により、前記含水ゲル組成物からなる塗工液に含まれる水分量をそのまま維持している状態で前記支持フィルムと易剥離性に支持されており、引き続く内層の含水ゲルシート層を積層形成する塗工液を塗布できるような物理的強度を持ち、かつ積層される内層ゲルシート層とは強固に接着しながら、前記支持フィルムを引き剥がした露出面が衣服などと強く接着することがない適度な粘着性を持つ最外層の含水ゲルシート層を形成する。
(3)上記のようにして形成した支持フィルム上の最外層の含水ゲルシート層の表面から前記保護フィルムを剥離除去し、その露出面に、身体に接触して使用される最内層の含水ゲルシート層を形成する塗工液を塗布し、形成した最内層の含水ゲルシート層の表面保護のために合成樹脂性の薄い保護フィルム、例えばエンボス加工したポリプロピレンフィルムを最内層の含水ゲルシート層の表面に重ね、それを一定温度(20℃から40℃が好ましい)に調温した環境で所定時間保持し、脂肪族カルボン酸を主な構成単位とする高分子化合物とアルミニウム化合物を含有する架橋剤間の架橋反応を促進させて最内層含水ゲルシート層を積層した2層構造の含水ゲルシート層を形成する。
(4)その後、必要に応じて、追加の架橋反応のための調温環境下での保管、あるいは、必要な形状に加工するなどの工程を経て、2層積層構造の含水ゲルシート製品を完成させる。
(5)3層以上の積層構造の含水ゲルシートを形成する場合は、基本的には、上記(2)の工程後、(3)の工程で、内層のゲルシート層を形成させ、必要に応じて前記(2)の架橋処理を行い、(3)の工程でさらにその内層シート面に最内層の含水ゲルシート層を形成し、(4)の工程を経て多層の含水ゲルシート製品を完成させる。
本発明の含水ゲルシートの厚さについては、特に制限はないが、各層はそれぞれ1mm以上10mm程度以下が好ましい。各層の厚さは同じでも良く、異なっていてもかまわない。
本発明の多層の含水ゲルシートには、任意のゲル層に付加的に種々の基本的に水溶性の成分を含ませることも出来る。
そのような水溶性の成分としては、例えば、エタノールなどの低級アルコール類、動植物などを水(加温する場合やエタノールなどの従属的溶媒を混合する場合も含む)で抽出した抽出液、例えばユーカリエキスなどが挙げられる。
また、一般に湿潤剤又は保湿剤として知られる成分を含有することもできる。それらは、例えば、グリセロール、ポリグリセロール、ソルビトール、ジメチルイソソルビド、乳酸および/または乳酸塩、特に乳酸ナトリウム、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ビオサッカリドガム−1、グリシン大豆、ヒドロキシエチルウレア、エチルヘキシルオキシグリセロール、ピロリドンカルボン酸、および尿素などである。加えて、水溶性及び/又は水膨潤性及び/又は水ゲル化性の多糖類からなる群からのポリマー保湿剤である。例えば、ヒアルロン酸、キトサン、及び、中性キシロオリゴ糖、酸性キシロオリゴ糖、キシランなどの多糖類などが挙げられる。また、水溶性酸化防止剤、例としてビタミン、例えば、アスコルビン酸及びその誘導体は特に好ましい性質を示す。
さらに、その他の添加剤として、α−ヒドロキシ酸、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などを含ませることも可能である。
次に、上記のようにして製造される多層からなる本発明の含水ゲルシートの機能について説明する。
本発明の多層含水ゲルシートの最大の特徴は、上記のような工程で製造されることにより、身体に貼付時に、身体に接着する最内層の含水ゲルシート層の身体に対する粘着力が十分に強く、身体より遠い最外層の含水ゲルシート層は衣類などと接触しても粘着性が弱いため、身体に貼付している多層ゲルシート全体が衣服の着用持であっても剥がれることがない点である。
本発明者らは、本発明の積層構造の含水ゲルシートからなる身体貼付用シートが上記の作用効果を奏するために備えるべき特性につい鋭意検討した結果、以下の測定方法によって測定した最内層の含水ゲルシート層の粘着性、及び最外層の含水ゲルシート層の粘着性の測定結果が前記本発明の積層構造の含水ゲルシートからなる身体貼付用シートが奏する作用効果と密接に相関することを見いだした。
本発明において、「最外層の含水ゲルシート層」の「標準布に対する最大粘着力」の数値と、「最内層の含水ゲルシート層」の「人肌モデルウレタン材料に対する粘着力」の数値は、以下の測定方法にしたがって得られる数値を意味する。
<「最外層の含水ゲルシート層」の「標準布に対する粘着力」>
「標準布」として、「一般社団法人繊維評価技術協議会」から標準品として入手できる「抗菌性試験用標準布」を用いる。
測定器として、英弘精機株式会社より市販されている、英国 Stable Micro Systems社製の「テクスチャー−アナライザー TA.XT Plus」に 「引き剥がし応力」の測定用の治具をセットして使用する。
上記「抗菌性試験用標準布」を直径3cmの円形に切り出し(面積は7cm)、「引き剥がし応力評価」のモードに設定した「テクスチャー−アナライザー TA.XT Plus」に設置している同じ直径の円柱状プローブの底面に貼付し、この円柱状プローブの底の「抗菌性試験用標準布」の面を被試験含水ゲルシートの最外層含水ゲルシート層の表面に10g重の加重で10秒間押し付け、その後、1mm/秒で引き剥がしを行ったときの最大剥離応力を測定し、この測定値を最外層含水ゲルシート層の「標準布」に対する粘着力の値とする。
実際に使用にあたっては、含水ゲルシート面と衣服との間に上記のように設定した加重以上の力が働くことはないとの見解から、測定条件を上記のように設定した。
この値が300g/7cm以下の時、好ましくは250g/7cm以下の時に含水ゲルシート層は衣服に対して粘着性が低いものと判定した。
<「最内層の含水ゲルシート層」の「人肌モデルウレタン材料に対する粘着力」>
「人肌モデルウレタン材料」として、株式会社ビューラックス製の「人工皮膚モデルシートバイオスキンプレート」(非特許文献1: 「Fragrance Journal」 臨時増刊 No21,pp106(2009))を用いる。
測定器として、英弘精機株式会社より市販されている、英国 Stable Micro Systems社製の「テクスチャー−アナライザー TA.XT Plus」を「引き剥がし応力評価」のモードに設定したものを使用した。
上記「人工皮膚モデルシートバイオスキンプレート」を直径3cmの円形に切り出し(面積は7cm)、「引き剥がし応力評価」のモードに設定した「TA.XT Plus」に設置している同じ直径の円柱状プローブの底面に貼付し、この円柱状プローブの底の「人工皮膚モデルシートバイオスキンプレート」の面を被試験含水ゲルシートの最内層含水ゲルシート層の表面に200g重の加重で10秒間接触させ、その後、1mm/秒で引き剥がしを行ったときの最大剥離応力を測定し、この測定値を最内層含水ゲルシート層の「人肌モデルウレタン材料」に対する粘着力の値とする。
実際の人間の皮膚については個体差が大きいので、本発明では前記非特許文献1に記載されている株式会社ビューラックス製の「人工皮膚モデルシートバイオスキンプレート」を「人肌モデルウレタン材料」とした。
本発明の多層含水ゲルシートからなる身体貼付用シートが実際に使用されるとき、最内層含水ゲルシート層は人肌に相当の押し付け圧力で貼着されること、また、一度に比較的大面積に貼着することが通常の使用法であるとの見解から、測定条件を上記のように設定した。
この値が400g/7cm(直径3cmの円形シートの面積)以上の時、好ましくは500g/7cm以上の時に、多層含水ゲルシートの最内層含水ゲルシート層は、「人工皮膚モデルシートバイオスキンプレート」に対して十分に高い粘着力を持つものと判定した。
<粘着官能試験>
製造した2層ゲルシートを被験者の二の腕に半そでシャツが触れるように貼り、数時間日常動作をして、多層含水ゲルシートが身体面から剥がれるかどうかを観察した。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
実施例1
<最外層含水ゲルシート層>
(最外層含水ゲルシート層形成用塗工液の調製)
表1に示す組成の最外層含水ゲルシート層形成用の塗工液を調製した。
Figure 2014114218
(最外層含水ゲルシート層の作成)
厚さ40ミクロンのエンボス加工処理したポリプロピレンフィルムからなる支持シート上に上記最外層含水ゲルシート層用の塗工液を、展膏機を使用して厚さ1mmとなるように展膏した。展膏後、含水ゲルシート層面の保護のため厚さ40ミクロンのエンボス加工処理したポリプロピレンフィルムを保護シートとして含水ゲルシート層の表面に貼付した。
(最外層含水ゲルシート層の架橋処理)
上記の最外層含水ゲルシート層を形成した積層シートを巻き取り、その巻取りを温度25℃に調整した環境下に12時間保管し、含水ゲルシート層におけるポリアクリル酸とアルミニウム化合物の架橋反応を促進させた。その後、前記巻取りを調温環境から取り出し、適切な大きさに切断して、最外層含水ゲルシートサンプルを得た。
<最内層含水ゲルシート層>
(最内層含水ゲルシート層用塗工液の調製)
表2に示す組成の最内層含水ゲルシート層用の塗工液を調製した。
Figure 2014114218
(最内層ゲル塗工シートの作成)
前記の最外層含水ゲルシートサンプルから、保護シートとして貼付した厚さ40ミクロンのエンボス加工処理したポリプロピレンフィルムを剥がし、露出した最外層含水ゲルシート層表面に、表2の組成の最内層含水ゲルシート層形成用の塗工液を展膏機を使用して厚さ約1mmとなるように展膏した。展膏後、形成した最内層含水ゲルシート層の表面に保護シートとして厚さ40ミクロンのエンボス加工処理したポリプロピレンフィルムを貼付した。
(最内層含水ゲルシート層の架橋処理)
上記の最内層ゲルシート層を積層した2層構造の含水ゲルシート層を有する積層シートを巻き取り、その巻取りを温度25℃に調整した環境下に12時間保管し、ポリアクリル酸とアルミニウム化合物の架橋反応を促進させた。その後、該巻取りを調温環境から取り出し、適切な大きさに切断して、2層構造の含水ゲルシートサンプルを得た。
<多層含水ゲルシートの粘着性の評価>
(最外層含水ゲルシート層の「標準布に対する粘着力」の評価)
標準布のサンプルとしては、「一般社団法人繊維評価技術協議会」から標準品として入手できる「抗菌性試験用標準布」を用いた。
本標準布サンプルを直径3センチメートルの円形に切り出し(面積は7cm)、これを円柱状プローブの同直径のシリンダー底に貼付し、このシリンダー底の布面を、前記2層構造の含水ゲルシートサンプルの最外層含水ゲルシート側の支持シートを剥離して露出させた最外層含水ゲルシート面に10g重の加重で10秒間接触させ、その後、1mm/秒で引き剥がしを行ったときの最大剥離応力を測定し、この値を最外層含水ゲルシートの衣類に対する粘着力の値とした。
(最内層含水ゲルシート層の「人工皮膚モデルシートへの粘着力」の評価)
株式会社ビューラックス製の人工皮膚モデルシートバイオスキンプレート(非特許文献1)を用いた。
上記バイオスキンプレートを直径3cmの円形に切り出し、これを円柱状プローブの同直径のシリンダー底に貼付し、このシリンダー底のバイオスキンプレート面を、前記2層構造の含水ゲルシートサンプルの最内層含水ゲルシート側の保護シートを剥離して露出させた最内層含水ゲルシート面に200g重の加重で10秒間接触させ、その後、1mm/秒で引き剥がしを行ったときの最大剥離応力を測定し、この値を最内層含水ゲルシート層の皮膚に対する粘着力の値とした。それぞれの測定値を表9に示す。
(使用感の評価)
製造した多層含水ゲルシートを被験者の二の腕に半そでシャツが触れるように貼り、数時間日常動作をして、含水ゲルシートのはがれを観察した。結果を表9に示す。
実施例2
実施例1において、最外層含水ゲルシート層形成用塗工液及び最内層含水ゲルシート層形成用塗工液として、表1及び表2の組成の塗工液の代わりに、それぞれ表3及び表4の組成の塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして2層構造の含水ゲルシートサンプルを得た。この含水ゲルシートサンプルを用い、実施例1と同様に含水ゲルシートの粘着力の評価を行った。結果を表9に示す。
Figure 2014114218
Figure 2014114218
実施例3
実施例1において、最外層含水ゲルシート層形成用塗工液及び最内層含水ゲルシート層形成用塗工液として、表1及び表2の組成の塗工液の代わりにそれぞれ表5及び表6に記載の組成の塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして2層構造の含水ゲルシートを得た。この含水ゲルシートを用い、実施例1と同様に含水ゲルシート層の粘着性の評価を行った。結果を表9に示す。
Figure 2014114218
Figure 2014114218
実施例4
実施例1において、最内層含水ゲルシートの厚さが2mmになるように、実施例1記載の最内層含水ゲルシート層形成用塗工液を展膏した以外は、実施例1と同様にして2層構造の多層含水ゲルシートを得た。この含水ゲルシートを用い、実施例1と同様にして含水ゲルシートの粘着性の評価を行った。結果を表9に示す。
実施例5
実施例1において、最外層含水ゲルシート層形成用塗工液を塗工し、架橋処理を行った後、表7に記載の塗工液を塗布し、その後、塗工シートを巻き取り、その巻取りを温度25℃に調整した環境下に12時間保管し、ポリアクリル酸とアルミニウム化合物の架橋反応を促進させ、その後、表2に記載の組成の最内層ゲルシート層形成用塗工液を塗布し、3層構造の多層含水ゲルシートを得た。この含水ゲルシートを用い、実施例1と同様にして含水ゲルシートの粘着性の評価を行った。結果を表9に示す。
Figure 2014114218
実施例6
実施例1において、最外層含水ゲルシート層形成用塗工液を塗工し、調温後、最内層含水ゲルシート層形成用塗工液の塗工する前に、最外層含水ゲルシートの表面に、乾燥させた桜の花びらを散布し、その後、最内層含水ゲルシート層形成用塗工液を塗工した以外は実施例1と同様にして2層構造の含水ゲルシートを製造した。完成した含水ゲルシートは、ゲルシート内にきれいな花びらが浮いているような状態で、大変意匠性の高いものであった。
比較例1
実施例1において、表2に記載の最内層含水ゲルシート層形成用塗工液処方の代わりに、表8に記載の組成の最内層含水ゲルシート層用塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして2層構造の含水ゲルシートを得た。この含水ゲルシートを用い、実施例1記載の多層含水ゲルシートと同様の粘着性の評価を行った。結果を表9に示す。
Figure 2014114218
比較例2
実施例1において、外層含水ゲルシートを塗工形成した後、調温架橋促進工程を行わず、1時間以内に内層含水ゲルシートを実施例1と同様に塗工形成しようと試みたが、内層含水ゲル展膏層を安定に製造することが出来なかったため、2層ゲルシートの製造を断念した。
Figure 2014114218
<実施例及び比較例のまとめ>
実施例1−5から、本発明による2層又はそれ以上の層からなる含水ゲルシートは、肌に対する十分な粘着性を持ちながら、反対側は含水ゲルシート面が露出しているにもかかわらず、服などに触れても布に対する粘着性が低く、そのため含水ゲルシートは安定的に肌に貼付した状態が維持されていることがわかる。また、実施例6より、2層構造の含水ゲルシートの間に意匠性の高い材料を挟み込むことが出来ることがわかり、これによりこれらゲルシートの商品に付加価値が与えられる。
一方、本発明の範囲から外れる処方を用いた比較例1の場合は、肌側の最内層含水ゲルシートの粘着性が小さくなり、肌に対する貼付状態を安定に維持することができない。また、最外層含水ゲルシートの硬化工程を行わなかった比較例2では、その上に内層含水ゲルシート層を形成することが出来ず、2層構造の含水ゲルシートを得ることが出来なかった。このように、本発明の効果は、実施例、比較例から明らかである。
本発明による身体貼付用シートは、粘着性の異なる含水ゲルシート層を2層以上有しており、身体に貼付する面は、身体に対して十分に強く粘着しながら、反対側の外気に暴露される面は、粘着性が十分に低く、仮に衣服などがこの面に触れても含水ゲルシート層は衣服などと強く粘着することなく、従来の1層又は多層含水ゲルシートでは、まったく期待できない優れた使用感をもたらす。
本発明の身体貼付用シートは、身体貼付時に、不織布などの支持体を用いていないので、支持体を用いたものに比べ格段に柔軟であり、この伸びを利用して身体の形状に対し高い追随性で身体に密着することが出来、使用感の優れた含水ゲルシートとなるし、身体冷却用シートとして応用された場合は、水分の蒸散を妨げるような支持体のないことから、冷却効果を向上させることも出来る。
本発明の身体貼付用シートは、必ずしも透明である必要もなく、種々に着色した場合あるいはゲルを積層した場合に、その任意の二つのゲル層間に薄片を挟むことも出来、意匠性、装飾性を高くすることも出来るなど、これまでにない優れた使用感、機能性を示すものであり、比較的長時間にわたり皮膚を保護する目的、あるいは皮膚を健康的に保つための有効成分を皮膚に接触・浸透させる目的で広く用いることが可能である。

Claims (13)

  1. 脂肪族カルボン酸又はそのアルカリ塩類の水溶性又は水易分散性の重合体を多価金属化合物で架橋した重合体ゲルを含有する含水ゲルシート層が2層以上直接積層されてなる身体貼付用シートであって、各含水ゲルシート層における前記重合体成分の含有率が身体と反対側の最外層の含水ゲルシート層より身体に接触する最内層の含水ゲルシート層が高く、各含水ゲルシート層における前記多価金属化合物の含有率は前記最内層の含水ゲルシート層より前記最外層の含水ゲルシート層が高いことを特徴とする身体貼付用シート。
  2. 前記最内層の含水ゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の含有量が5〜70質量部で、多価金属化合物の含有量が0.01〜0.75質量部であり、前記最外層の含水ゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の含有量は3〜25質量部で、多価金属化合物の含有量は0.08〜6質量部であることを特徴とする請求項1に記載の身体貼付用シート。
  3. 前記多価金属化合物がアルミニウム化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の身体貼付用シート。
  4. 前記最外層の含水ゲルシート層の標準布に対する最大粘着力が300g/7cm以下であり、かつ前記最内層の含水ゲルシート層の人肌モデルウレタン材料に対する粘着力が400g/7cm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
  5. 前記最外層の含水ゲルシート層と前記最内層の含水ゲルシート層を有する2層以上の含水ゲルシート層のいずれかの層間に、薄片状の装飾用材料が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
  6. 前記最外層の含水ゲルシート層と前記最内層の含水ゲルシート層の2層の含水ゲルシート層のみよりなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
  7. 前記最内層の含水ゲルシート層と前記最外層の含水ゲルシート層の両シート層表面の少なくとも一方の面に離型性保護シートが貼着されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
  8. 前記各含水ゲルシート層のうち、少なくとも前記最内層の含水ゲルシート層が、清涼剤、シップ剤、経皮吸収薬剤、化粧料、香料、紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種を含有する層よりなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
  9. 前記脂肪族カルボン酸又はそのアルカリ塩類の水溶性又は水易分散性の重合体は、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸及びそれらのアルカリ塩から選ばれる不飽和脂肪族カルボン酸類の重合体からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
  10. 前記アルミニウム化合物が、アルミニウムの水酸化物、無機酸塩、有機酸塩、錯塩キレート化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の身体貼付用シート。
  11. 前記請求項1〜10のいずれか1項に記載の身体貼付用シートを製造する方法であって、離型性保護シート面に、脂肪族カルボン酸又はそのアルカリ塩類の水溶性又は水易分散性の重合体と架橋剤としての多価金属化合物を含有する含水ゲル形成塗工液を塗工し架橋反応を進行させることにより、前記重合体成分の含有率が身体に接する最内層の含水ゲルシート層より低く且つ多価金属化合物の含有率が該最内層の含水ゲルシート層よりも高い最外層の含水ゲルシート層を形成して担持させる工程と、
    前記離型性保護シートに担持させた最外層の含水ゲルシート層面に、該最外層の含水ゲルシート層よりも前記重合体成分の含有率が高く且つ多価金属化合物の含有率が前記最外層の含水ゲルシート層より低い含水ゲルシート層を身体に接する最内層の含水ゲルシート層として有している一層又は複数層の含水ゲルシート層を積層形成する工程とを有していることを特徴とする身体貼付用シートの製造方法。
  12. 前記最内層の含水ゲルシート層100質量部当たりの前記高分子材料の含有量が5〜70質量部で、多価金属化合物の含有量が0.01〜0.75質量部であり、前記最外層の含水ゲルシート層100質量部当たりの前記重合体成分の含有量は3〜25質量部で、多価金属化合物の含有量は0.08〜6質量部であることを特徴とする請求項1に記載の身体貼付用シートの製造方法。
  13. 前記最外層の含水ゲルシート層を形成する工程が、標準布に対する最大粘着力が300g/7cm以下の含水ゲルシート層を形成する工程であり、前記身体に接する最内層の含水ゲルシート層を有している一層又は複数層の含水ゲルシート層を積層形成する工程における最内層の含水ゲルシート層を形成する工程が、人肌モデルウレタン材料に対する粘着力が400g/7cm以上である含水ゲルシート層を形成する工程であることを特徴とする請求項11又は12に記載の身体貼付用シートの製造方法。
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