JP2014112163A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも結着樹脂を含む静電荷像現像用トナーについて、1,2−プロパンジオールを含む2価又は3価以上のアルコール成分と、2価又は3価以上のカルボン酸成分との共重合体であるポリエステル樹脂を結着樹脂に含有させ、ガラス転移点(Tg)と、高化式フローテスターを用いて測定される軟化点と、1g当たりの吸水量とを、それぞれ所定の範囲内の値とする。
【選択図】なし
Description
前記結着樹脂が、1,2−プロパンジオールを含む2価又は3価以上のアルコール成分と、2価又は3価以上のカルボン酸成分との共重合体であるポリエステル樹脂を含み、
ガラス転移点(Tg)が60℃以上64℃以下であり、
高化式フローテスターを用いて測定される軟化点が110℃以下であり、
1g当たりの吸水量が5000質量ppm以上8000質量ppm以下である、静電荷像現像用トナーに関する。
本発明のトナーは、結着樹脂としてポリエステル樹脂を必須に含む。そして、ポリエステル樹脂は、1,2−プロパンジオールを含む2価又は3価以上のアルコール成分と、2価又は3価以上のカルボン酸成分との共重合体である。以下、結着樹脂について、アルコール成分、カルボン酸成分、及び結着樹脂の製造方法について順に説明する。
本発明において、結着樹脂として用いるポリエステル樹脂の単量体として使用される、2価又は3価以上のアルコール成分は、少なくとも1,2−プロパンジオールを含む。1,2−プロパンジオールを含むアルコール成分を用いて合成されるポリエステル樹脂を結着樹脂として使用することで、特に、低温定着性が良好なトナーを得やすい。アルコール成分における、1,2−プロパンジオールの量は、60質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
結着樹脂として用いるポリエステル樹脂の単量体として使用される2価又は3価以上のカルボン酸成分としては、以下のものが挙げられる。2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、或いはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸のようなアルキル又はアルケニルコハク酸のような2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステルのようなエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂として用いるポリエステル樹脂の製造方法は、特に限定されず、公知のポリエステル樹脂の製造方法から適宜選択できる。ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、前述のアルコール成分とカルボン酸成分とを反応容器に入れ、触媒の存在下に、200℃以上250℃以下で、副生する揮発性成分を除去しながら重縮合反応を行う方法が挙げられる。重縮合反応中には、揮発性成分を除去し、重縮合反応を促進する目的で、反応容器を減圧することができる。触媒としては、スズ、チタン、アンチモン、マンガン、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウムのような金属や、これらの金属含有化合物が挙げられる。
<式(1)>
バイオマス由来の炭素の比率(%)=(X/107.5)×100 (1)
高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))を用いてポリエステル樹脂の軟化点の測定を行う。具体的には、以下のようにしてポリエステル樹脂の軟化点を測定する。ポリエステル樹脂1.5gを試料として用い、高さが1.0mmで直径1.0mmのダイを使用する。そして、昇温速度4℃/min、予熱時間300秒、荷重5kg、測定温度範囲60℃以上200℃以下の条件で測定を行う。ポリエステル樹脂のフローテスターの測定から得られた、温度(℃)とストローク(mm)とに関するS字カーブを用いて、軟化点を読み取る。
本発明のトナーは、必要に応じて着色剤を含んでいてもよい。トナーには、トナー粒子の所望する色に合わせて、公知の顔料や染料から適宜選択して用いることができる。トナーに添加する好適な着色剤の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラックのような黒色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネープルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキのような黄色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGKのような橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bのような赤色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキのような紫色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのような青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGのような緑色顔料;亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛のような白色顔料;バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトのような体質顔料が挙げられる。これらの着色剤は、所望する色相へのトナーの色相の調整のような目的で2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のトナーは、必要に応じ、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルの安定性や、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
本発明のトナーは、トナーの定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。離型剤としては、従来からトナー用の離型剤として使用されているものであれば特に限定されない。
本発明のトナーには、必要に応じて、磁性粉を配合することができる。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイトのような鉄;コバルト、ニッケルのような強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理のような強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
本発明のトナーは、必要に応じてその表面が、外添剤を用いて処理されていてもよい。本出願の明細書では、外添剤で処理される粒子を、「トナー母粒子」と称する。外添剤としては、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらの外添剤は、アミノシランカップリング剤やシリコーンオイルのような疎水化剤を用いて疎水化して使用することもできる。疎水化された外添剤を用いる場合、高温高湿下でのトナーの帯電量の低下を抑制しやすく、また、流動性に優れるトナーを得やすい。
本発明のトナーは、結着樹脂である上述のポリエステル樹脂中に、必要に応じて、着色剤、電荷制御剤、離型剤のような成分を混合後溶融混練し、得られた混練物を粉砕・分級して製造することができる。トナーの製造に用いる溶融混練装置は特に限定されず、熱可塑性樹脂の溶融混練に使用される装置から適宜選択できる。溶融混練装置の具体例としては、一軸、又は二軸の押出機のような装置が挙げられる。粉砕・分級されたトナーの平均粒子径は、一般的には、5μm以上10μm以下が好ましい。
本発明のトナーは、所望のキャリアと混合して2成分現像剤として使用することもできる。2成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いるのが好ましい。
本発明のトナーは、ガラス転移点(Tg)が60℃以上64℃以下である。トナーのガラス転移点が高すぎる場合、トナーの低温定着性が損なわれやすい。一方、トナーのガラス転移点が低すぎると、高温でトナーを被記録媒体に定着させる場合に、オフセットが発生しやすい。また、トナーのガラス転移点が低すぎると、トナーを高温で保存する場合に、トナーの凝集が起こりやすくなり、トナーの耐熱保存性が損なわれやすい。トナーのガラス転移点は、主に、結着樹脂のガラス転移点の影響を受ける。このため、結着樹脂のガラス転移点を調整することで、トナーのガラス転移点を調整することができる。つまり、結着樹脂のガラス転移点を高くすれば、トナーのガラス転移点を高くでき、結着樹脂のガラス転移点を低くすればトナーのガラス転移点を低くできる。なお、トナーのガラス転移点の測定方法は、上述する結着樹脂のガラス転移点の測定方法と同様の測定方法に従って測定することができる。
本発明のトナーは、高化式フローテスターを用いて測定される軟化点が110℃以下である。本発明のトナーは、このような範囲内の温度の軟化点を備えるために、低温定着性に優れる。トナーの軟化点は、優れた低温定着性と高温定着時のオフセットの発生の抑制とが両立されたトナーの調製が容易であることから、100℃以上が好ましく、105℃以上がより好ましい。トナーの軟化点も、主に、結着樹脂の軟化点の影響を受ける。このため、結着樹脂の軟化点を調整することで、トナーの軟化点を調整することができる。つまり、結着樹脂の軟化点を高くすれば、トナーの軟化点を高くでき、結着樹脂の軟化点を低くすればトナーの軟化点を低くできる。なお、トナーの軟化点の測定方法は、上述する結着樹脂の軟化点の測定方法と同様の測定方法に従って測定することができる。
本発明のトナーは、1g当たりの吸水量が5000質量ppm以上8000質量ppm以下である。このような範囲内の値の吸水量を有することで、耐熱保存性に優れ、低温低湿環境で連続して画像を形成する場合にトナーの帯電量の増加を抑制可能である。低温低湿環境下で連続して画像を形成する場合の帯電量の増加をより抑制しやすい点から、1g当たりの本発明のトナーの1g当たりの吸水量は、6000質量ppm以上8000質量ppm以下が好ましい。トナーの吸水量は、前述した通り、結着樹脂であるポリエステル樹脂を調製する際に、1,2−プロパンジオールのような1級水酸基と2級水酸基とを有する炭素原子数3以上5以下のアルカンジオールの使用量や、アルコール成分とカルボン酸成分との使用量を適宜変更することで調整できる。
秤量瓶に、トナー1gを正確に秤量し、トナーの入った秤量瓶を、シリカゲルのような乾燥剤が充填されたデシケーター内に入れ、デシケーターを密閉して12時間かけてトナーを乾燥する。乾燥後に、トナーの入った秤量瓶の重量W1を測定する。次いで、30℃80%RHに設定された恒温恒湿器内で秤量瓶を12時間静置した後に、秤量瓶の重量W2を測定する。W2(g)とW1(g)との差(W2−W1)(g)を求め、(W2−W1)(g)の1gに対する100万分率を、トナー1g当たりの吸水量とする。
〔1,2−プロパンジオールの製造〕
植物油脂を加水分解してグリセリンを得た。具体的には、植物油に対して、植物油を完全に鹸化するのに必要な量に対して2倍の量の10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、加熱下に植物油を完全に鹸化させた。鹸化後の反応液から、グリセリンの水溶液を分離した後、グリセリンの水溶液を蒸留して精製した。蒸留されたグリセリンを、活性炭を用いて処理し、精製されたグリセリンを得た。
まず、還流冷却器を有する反応器に、エチレングリコール(200g)、硝酸第二銅三水和物(76g)を加え、80℃で2時間加熱撹拌後、テトラエトキシシラン(52g)を滴下し80℃で2時間加熱撹拌した。その後、水(18g)を滴下し80℃で3時間加熱撹拌し沈澱物を得た。生成した沈殿物を約120℃で乾燥させ、400℃で2時間、空気中で焼成し、銅/シリカ触媒(銅含有量50%)を得た。得られた銅/シリカ触媒(3g)に、テトラアンミン白金(II)硝酸塩[Pt(NH3)4(NO3)2](29.8mg)の水溶液を添加し、ロータリーエバポレーターで乾燥乾固させた。得られた固体を120℃で乾燥させ、400℃で2時間、空気中で焼成し、銅−白金/シリカ触媒(Cu/Pt/Si=50/0.5/17)(銅含有量50%)を得た。
次いで、撹拌機付きの500mLの鉄製オートクレーブに、銅−白金/シリカ触媒2g、及びグリセリン200gを加え、水素置換した。その後、230℃のオートクレーブ内に、水素を5L/分(25℃、H2)で導入し、圧力2MPa、7時間反応させ反応液を得た。得られた反応液を常法に従って精製して、1,2−プロパンジオールを得た。
ポリエステル樹脂のモノマーとして以下のプロパンジオールを用いた。
1,2−プロパンジオール:上記の合成例1で得た1,2−プロパンジオール。
1,3−プロパンジオール:サステラプロパンジオール(植物由来,デュポン社製)。
撹拌機(アズワントルネード スタンダード SM−104(アズワン株式会社製))、窒素導入管、熱電対、脱水管、及び精留塔を備えた容量5リットルの4つ口フラスコを反応容器として用いた。反応容器に、アルコール成分として合成例1で得た1,2−プロパンジオール(平均分子量76、以下、単に1,2−プロパンジオールともいう)1142gと、カルボン酸成分としてテレフタル酸1743gと、縮合触媒としてジオクタン酸スズ(II)4gとを加えた。窒素雰囲気下、230℃、大気圧下で水を除去しながら15時間反応させた後、反応容器内を8.3kPaに減圧して1時間反応を行った。次いで、反応容器の内温を180℃まで下げた後、反応容器に無水トリメリット酸288gを加えた。その後、10℃/時間の速度で、反応容器の内温を210℃まで上げた後、大気圧下に同温度で10時間反応させた。次いで、反応容器内を20kPaまで減圧し、反応容器内のポリエステル樹脂の軟化点が135℃になるまで反応を行い、反応を終えた。反応終了後、反応容器の内容物を取り出し、冷却してポリエステル樹脂H1を得た。
アルコール成分を、表1に記載の量の、1,2−プロパンジオール、及びグリセリンに変え、テレフタル酸、及び無水トリメリット酸の使用量を表1に記載の量に変え、ポリエステル樹脂の軟化点が125℃になるまで反応を行うことの他は、ポリエステル樹脂H1と同様にして、ポリエステル樹脂H2を合成した。
アルコール成分を、表1に記載の量の、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、及びグリセリンに変え、テレフタル酸、及び無水トリメリット酸の使用量を表1に記載の量に変え、ポリエステル樹脂の軟化点が130℃になるまで反応を行うことの他は、ポリエステル樹脂H1と同様にして、ポリエステル樹脂H3を合成した。
ポリエステル樹脂H1の合成に用いた反応容器と同様の反応容器に、アルコール成分として合成例1で得た1,2−プロパンジオール(平均分子量76)1142gと、カルボン酸成分としてテレフタル酸1992gと、縮合触媒としてジオクタン酸スズ(II)4gとを加えて、窒素雰囲気下、230℃、常圧下で水を除去しながら15時間反応させた後、反応容器内を20kPaに減圧し、反応容器内のポリエステル樹脂の軟化点が100℃になるまで反応を行い、反応を終えた。反応終了後、反応容器の内容物を取り出し、冷却してポリエステル樹脂L1を得た。
アルコール成分を、表1に記載の量の、1,2−プロパンジオール、及びグリセリンに変え、ポリエステル樹脂の軟化点が105℃になるまで反応を行うことの他は、ポリエステル樹脂L1と同様にして、ポリエステル樹脂L2を合成した。
結着樹脂として、表2に記載の種類及び量のポリエステル樹脂と、ワックス(離型剤、WEP−3(日油株式会社製))7質量部と、4級アンモニウム塩化合物(電荷制御剤、ボントロンP−51(オリヱント化学工業株式会社製))1.5質量部と、カーボンブラック(着色剤、MA−100(三菱化学株式会社))7質量部とを、ヘンシェルミキサー(20B(日本コークス株式会社製))を用いて混合した。
得られたトナー母粒子100質量部に対して、外添剤として、疎水性シリカ微粒子(RA−200H(日本アエロジル株式会社製))1.2質量部、及び酸化チタン(EC−100(チタン工業株式会社製))0.8質量部を加え、ヘンシェルミキサー(10B(日本コークス株式会社製))を用いて、回転数3000rpm、ジャケット制御温度20℃で2分間混合して、外添処理されたトナーを得た。
得られたトナーのガラス転移点(Tg)、及び軟化点を測定した。ガラス転移点(Tg)、及び軟化点の測定結果を表2に記す。ガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC−6200(セイコーインスツルメンツ株式会社製))を用いて、上述の手順に従って測定した。軟化点は、高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))を用いて、上述の手順に従って測定した。得られたトナーについて、上述の手順に従ってトナーの吸水量を測定した。トナーの吸水量の測定結果を、表2、及び3に記す。
秤量瓶に、トナー1gを正確に秤量し、トナーの入った秤量瓶を、乾燥剤(シリカゲル)が充填されたデシケーター内に入れ、デシケーターを密閉して12時間かけてトナーを乾燥した。乾燥後に、トナーの入った秤量瓶の質量W1を測定した。次いで、30℃80%RHに設定された恒温恒湿器内で秤量瓶を12時間静置した後に、秤量瓶の質量W2を測定する。W2(g)とW1(g)との差(W2−W1)(g)を求め、(W2−W1)(g)の1gに対する100万分率を、トナー1g当たりの吸水量(質量ppm)とした。
実施例1〜5、及び比較例1〜6で得られたトナーについて、以下の方法に従って、耐熱保存性を評価した。実施例1〜5、及び比較例1〜6のトナーの耐熱保存性の評価結果を、表2、及び3に記す。
トナー10gをガラス瓶に秤量し、55℃に設定された恒温器内に100時間静置した。その後、140メッシュ(目開き105μm)の篩に恒温器内に保存されたトナー10gを載せて、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)を用い、振動レベル2m/mの条件で、篩に振動を30秒間与えてトナーの篩別を行った。篩別後、篩に残ったトナーの質量(T(g))を秤量し、下記式に従ってメッシュ上残率を算出した。
トナーの凝集度(%)=(T/10)×100
耐熱保存性の評価は、下記の基準に従って評価した。
○:メッシュ上残率が20%以下。
△:メッシュ上残率が20%超、30%以下。
×:メッシュ上残率が30%超。
実施例1〜5、及び比較例1〜6で得られたトナーの、低温定着性と、耐高温オフセット性と、帯電量安定性と、を以下の方法に従って評価した。なお評価は、下記調製例1に従って調製した2成分現像剤を用いて行った。実施例1〜5、及び比較例1〜6のトナーの評価結果を、表2及び3に記す。
(キャリアの調製)
現像剤用キャリア(FS−5200DN用キャリア、フェライトキャリア)と、キャリアの質量に対して10質量%のトナーとを、ボールミルを用いて、常温常湿条件下、30分間混合して、2成分現像剤を得た。
評価機として、プリンターの改造機(FS−5200DN(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)の定着装置を取り外したもの)を評価機として用いた。当該評価機のブラック用現像装置に、上記調製例1に従って調製した2成分現像剤を充填し、さらに評価機のブラック用トナーコンテナに作成したトナーを充填した。そして、当該評価機を用いて被記録媒体に未定着の黒色のベタ画像を形成させた。その後、評価用定着装置(定着温度を調節でき、さらに独立駆動が可能なように改造されたプリンター(FS−5200DN(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製))用の定着装置を用いた。
○:最低定着温度が150℃未満。
△:最低定着温度が150℃以上、155℃未満。
×:最低定着温度が155℃以上。
低温定着性評価と同様の評価機を用いて、トナー載り量1.5g/cm2の未定着ベタ画像を、被記録媒体(上質PPC用紙(王子製紙株式会社製))に形成した。得られた未定着画像を、所定の温度に設定された評価用定着装置を用いて、線速105mm/秒の条件で定着させた。
定着設定温度を190℃から順次上昇させながら評価し、オフセットが発生しなかった最高温度を高温オフセット未発生温度として、以下の評価基準に従って耐高温オフセット性を評価した。○を合格とし、△、及び×を不合格とした。
○:高温オフセット未発生温度が200℃以上。
△:高温オフセット未発生温度が195℃以上、200℃未満。
×:高温オフセット未発生温度が195℃未満。
プリンター(FS−5200DN(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を用いた。評価機のブラック用現像装置に、上記調製例1に従って調製した2成分現像剤を充填し、さらに評価機のブラック用トナーコンテナに作成したトナーを充填した。その後、23℃50%RHの環境下、被記録媒体(上質PPC(王子製紙株式会社製))に画像評価パターンを形成して初期画像を得た。その後、10℃20%RHの環境下、印字率1%で1000枚連続印字した後に、被記録媒体に画像評価パターンを形成して連続印字成後の画像を得た。初期画像、及び連続印字後の画像におけるソリッド画像の画像濃度を、反射濃度計(RD914(グレタグマクベス社製))を用いて測定し、下記式で画像濃度変化率を求めた。
画像濃度変化率[%]=(連続印字後画像の画像濃度/初期画像の画像濃度)×100
耐帯電量安定性を、以下の基準に従って評価した。
○:画像濃度変化率が10%未満。
×:画像濃度変化率が10%以上。
Claims (2)
- 少なくとも結着樹脂を含み、
前記結着樹脂が、1,2−プロパンジオールを含む2価又は3価以上のアルコール成分と、2価又は3価以上のカルボン酸成分との共重合体であるポリエステル樹脂を含み、
ガラス転移点(Tg)が60℃以上64℃以下であり、
高化式フローテスターを用いて測定される軟化点が110℃以下であり、
1g当たりの吸水量が5000質量ppm以上8000質量ppm以下である、静電荷像現像用トナー。 - 1g当たりの吸水量が6000質量ppm以上8000質量ppm以下である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
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