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JP2014108141A - 生体情報計測装置、生体情報計測システム、生体情報計測方法及びプログラム - Google Patents

生体情報計測装置、生体情報計測システム、生体情報計測方法及びプログラム Download PDF

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JP2014108141A
JP2014108141A JP2012262699A JP2012262699A JP2014108141A JP 2014108141 A JP2014108141 A JP 2014108141A JP 2012262699 A JP2012262699 A JP 2012262699A JP 2012262699 A JP2012262699 A JP 2012262699A JP 2014108141 A JP2014108141 A JP 2014108141A
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waveform
pulse wave
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measurement
electrocardiogram
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Kunio Fukuda
邦夫 福田
Isao Hidaka
伊佐夫 日高
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Sony Corp
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Abstract

【課題】より低消費電力で血圧を測定することを可能とする。
【解決手段】第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、を少なくとも取得する生体情報取得部と、前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する脈波伝播時間算出部と、を備える、生体情報計測装置が提供される。
【選択図】図8

Description

本開示は、生体情報計測装置、生体情報計測システム、生体情報計測方法及びプログラムに関する。
従来、血圧を測定するための方式として、空気圧を利用して直接血圧を測定する直接測定方式が知られている。この直接測定方式では、腕等に巻き付けられたカフと呼ばれるチューブ内に、空気ポンプにより空気が供給され、血管に圧力が加えられる。そして、カフ内に供給される空気量が調整され、血管に加えられる圧力が変化することで、血液の流動開始、又は流動停止に対応する圧力値が求まり、血圧が測定される。しかし、直接測定方式の血圧計は、カフ、空気ポンプ、血液の流動開始や流動停止を検知する検知器等を必要とするため、携帯する用途には向いていなかった。また、直接測定方式の血圧計は、測定に手間と時間が掛かるため、日常生活において気軽に血圧を測定することが困難であった。
そこで、脈波伝播速度(PWV:Pulse Wave Velocity)を利用して血圧を測定する、いわゆる脈波伝播方式の血圧計が提案されている。例えば、特許文献1には、被測定者(ユーザ)の胸部で測定された心電波形(心電図)と、指で測定された脈波とに基づいて、脈波伝播速度を算出し、血圧を測定する生体情報監視装置が開示されている。
米国特許出願公開第2007/0276261号明細書
一方、血圧測定に関しては、昼夜を問わず常時測定を行うことに対するニーズが大きい。例えば、各種の疾患を示す兆候を把握するためには、被測定者の昼間の血圧値に加えて、夜間就寝時における血圧変化をモニタリングすることが重要だと考えられている。このような事情に鑑みれば、より低消費電力で動作することが可能な血圧計が求められている。
そこで、本開示では、より低消費電力で血圧を測定することが可能な、新規かつ改良された生体情報計測装置、生体情報計測システム、生体情報計測方法及びプログラムを提案する。
本開示によれば、第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、を少なくとも取得する生体情報取得部と、前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する脈波伝播時間算出部と、を備える、生体情報計測装置が提供される。
第1の測定部位で被測定者の拍動を表す第1の波形を測定する第1波形測定部と、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点を検出する第1特徴点検出部と、を有する第1波形情報計測装置と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で被測定者の拍動を表す第2の波形を測定する第2波形測定部と、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点を検出する第2特徴点検出部と、測定された前記第2の波形に関する第2波形情報を送信する生体情報送信部と、を有する第2波形情報計測装置と、を備え、前記第1波形情報計測装置は、前記第2波形情報を受信する生体情報受信部と、前記第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する脈波伝播時間算出部と、を更に有し、前記生体情報送信部は、前記第2波形情報として、前記第2特徴点に対応するタイミングに関する情報を送信する、生体情報計測システムが提供される。
また、本開示によれば、第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、を少なくとも取得することと、前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出することと、を含む、生体情報計測方法が提供される。
また、本開示によれば、コンピュータに、第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、を少なくとも取得する機能と、前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する機能と、を実現させるためのプログラムが提供される。
本開示によれば、生体情報取得部によって、第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、が少なくとも取得される。また、脈波伝播時間算出部によって、前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間が算出される。従って、第2波形情報として、第2の波形に関する情報のうち、第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報が用いられるため、一連の処理において扱われる情報量が低減される。
以上説明したように本開示によれば、より低消費電力で血圧を測定することが可能となる。
脈波伝播時間を説明するための説明図である。 脈波伝播速度と血圧との関係を説明するための説明図である。 本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る生体情報計測装置の使用方法の一例を示す概略図である。 本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る心電情報計測装置の外観例を示す概略図である。 本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る心電情報計測装置の外観例を示す概略図である。 本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る脈波情報計測装置の外観例を示す概略図である。 本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る脈波情報計測装置の外観例を示す概略図である。 本開示の第1の実施形態における、脈波伝播時間の算出方法について説明するための説明図である。 脈波検出パケットの一構成例を示す概略図 本開示の第1の実施形態に係る心電情報計測装置の一構成例を示す機能ブロック図である。 本開示の第1の実施形態に係る脈波情報計測装置の一構成例を示す機能ブロック図である。 本開示の第1の実施形態に係る脈波伝播時間算出方法を示すシーケンス図である。 本開示の第2の実施形態における、脈波伝播時間の算出方法について説明するための説明図である。 本開示の第2の実施形態に係る心電情報計測装置の一構成例を示す機能ブロック図である。 本開示の第2の実施形態に係る脈波情報計測装置の一構成例を示す機能ブロック図である。 本開示の第2の実施形態に係る脈波伝播時間算出方法を示すシーケンス図である。 本開示の第3の実施形態における、脈波伝播時間の算出方法について説明するための説明図である。 本開示の第3の実施形態に係る生体情報計測装置の一構成例を示す機能ブロック図である。 本開示の第3の実施形態に係る脈波伝播時間算出方法を示すフロー図である。 第1の波形が心音である場合の、心音測定部の一構成例を示す概略図である。 第2の測定部位が被測定者の耳である場合の、脈波情報計測装置の外観例を示す概略図である。 第2の測定部位が被測定者の耳である場合の、脈波情報計測装置の外観例を示す概略図である。 第2の測定部位が被測定者の耳である場合の、脈波情報計測装置の外観例を示す概略図である。 脈波情報計測装置が脈波伝播時間を算出する機能を有する場合の、脈波情報計測装置の構成を示す機能ブロック図である。 本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る生体情報計測装置のハードウェア構成の一例を示す機能ブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.脈波伝播時間について
2.装置の外観例と使用方法
3.第1の実施形態
3.1.脈波伝播時間の算出方法
3.2.装置の構成
3.2.1.心電情報測定装置
3.2.2.脈波情報測定装置
3.3.脈波伝播時間測定シーケンス
4.第2の実施形態
4.1.脈波伝播時間の算出方法
4.2.装置の構成
4.2.1.心電情報測定装置
4.2.2.脈波情報測定装置
4.3.脈波伝播時間測定シーケンス
5.第3の実施形態
5.1.脈波伝播時間の算出方法
5.2.装置の構成
5.3.脈波伝播時間測定シーケンス
6.変形例
6.1.第1の波形について
6.2.脈波の測定部位について
6.3.脈波伝播時間算出部について
7.ハードウェア構成
8.まとめ
<1.脈波伝播時間について>
本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態においては、まず、被測定者の第1の測定部位で、当該被測定者の拍動を表す第1の波形が測定される。また、上記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で、被測定者の拍動を表す第2の波形が測定される。そして、測定された第1の波形及び第2の波形に基づいて、脈波伝播時間及び脈波伝播速度が算出されることにより、被測定者の血圧が測定される。なお、脈波伝播速度は、上記第1の測定部位と第2の測定部位との距離を、脈波伝播時間で除したものに対応する。
ここでは、脈波伝播時間に基づいて血圧を測定する具体的な方法について説明する。なお、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態では、第1の波形及び第2の波形の一例として、脈波伝播時間を算出する際に、第1の波形として被測定者の胸部で測定された心電波形を用い、第2の波形として被測定者の手の指で測定された脈波を用いる。以下の説明では、特に記載がない限り、「心電波形」は「第1の波形」を意味し、「脈波」は「第2の波形」を意味するものとする。
ただし、本開示においては、第1の波形及び第2の波形はかかる例に限定されない。第1の波形及び第2の波形は、互いに異なる測定部位で測定された、被測定者の拍動を表す波形であれば、他の波形であってよい。また、第1の波形及び第2の波形の測定部位も、胸部及び手の指に限定されず、身体の他の部位であってよい。例えば、第1の波形は被測定者の心音であってもよい。また、例えば、第2の波形が脈波である場合、当該脈波は、被測定者の耳で測定されてもよい。このような、第1の波形及び第2の波形の変形例については、下記<6.変形例>で詳しく説明する。
図1及び図2を参照して、脈波伝播時間に基づいて血圧を測定する方法について説明する。図1は、脈波伝播時間を説明するための説明図である。また、図2は、脈波伝播速度と血圧との関係を説明するための説明図である。
図1を参照すると、時間を表す横軸と、信号強度を表す縦軸と、から構成される平面に、心電波形Aの信号強度の時間変化及び脈波Bの信号強度の時間変化がプロットされている。ここで、上述したように、心電波形Aは第1の波形の一例であり、脈波Bは第2の波形の一例である。
心電波形Aの周期的な波形におけるある特徴的な点(第1特徴点)に対応する時間をT1とし、脈波Bの周期的な波形における時間T1の後に現れるある特徴的な点(第2特徴点)に対応する時間をT2とすると、脈波伝播時間はT2−T1で定義される。図1に示す例では、第1特徴点は心電波形AのR波の立ち上がり点であり、第2特徴点は脈波Bの立ち上がり点である。ただし、第1特徴点及び第2特徴点はかかる例に限定されず、心電波形A及び脈波Bにおける別の点であってもよい。
また、時刻T1と時刻T2との関係は、実際に時刻T1で心臓から送り出された血液が、時刻T2で脈波Bが測定された第2の測定部位に達している関係でなくてもよい。後述するように、脈波伝播時間(速度)と血圧値との相関関係は両者の実測値から得られるため、脈波伝播時間(速度)の算出方法が一定であれば、血圧値を算出する際に問題になることはない。
また、図1においては、説明を分かりやすくするために、心電波形Aの信号強度が、脈波Bの信号強度よりも大きい値を有するようにグラフが描かれているが、心電波形Aの信号強度と脈波Bの信号強度との大小関係はかかる例に限定されない。つまり、時刻T1と時刻T2との横軸(時間)における位置関係が明確であれば、縦軸(信号強度)のスケールは特に限定されない。例えば、心電波形Aの信号強度と脈波Bの信号強度とは、同一の縦軸に対してプロットされなくてもよい。また、心電波形Aの信号強度及び、脈波Bの信号強度は、脈波伝播時間が精度良く算出されるように、測定後に適宜フィルタや増幅器等による処理が施されてもよい。
次に、図2を参照して、脈波伝播速度と収縮血圧(最高血圧)値との関係について説明する。図2は、脈波伝播速度と収縮血圧(最高血圧)値との関係を説明するための説明図である。
なお、上述したように、脈波伝播速度は、第1の測定部位と第2の測定部位との距離を、脈波伝播時間で除したものに対応する。図1及び図2に示す例では、脈波伝播速度は、心電波形Aが測定された被測定者の胸部と、脈波Bが測定された被測定者の手の指までの距離を脈波伝播時間で除した値で定義される。なお、第1の測定部位が胸部であり、第2の測定部位が手の指である場合、その距離は、被測定者の身長の約2/3と仮定することができる。
図2に示すように、脈波伝播速度と収縮血圧値との間には、直線関係P=aV+b(Pは収縮血圧値、Vは脈波伝播速度、a、bは定数)がある。従って、定数a、bの値が分かれば、測定された心電波形及び脈波から算出された脈波伝播速度に基づいて、収縮血圧値を求めることができる。ただし、上記直線関係には個人差が存在するため、定数a、bの値は、被測定者に応じて求められる。
定数a、bの値を求めるためには、直線P=aV+b上の任意の2点での値が分かればよい。従って、例えば、被測定者は、直接測定方式を用いて、被測定者がある状態(第1の状態)であるときの、脈波伝播速度v1、及びv1に対応する収縮血圧p1を測定する。次に、被測定者は、被測定者が第1の状態とは異なる別の状態(第2の状態)であるときの、脈波伝播速度v2、及びv2に対応する収縮血圧p2を測定する。そして、それら脈波伝播速度v1、v2及び収縮血圧p1、p2の値を用いることで、定数a、bの値が求められる。以下の説明では、このように、定数a、bの値、すなわち脈波伝播速度と収縮血圧(最高血圧)値との直線関係を求めることを、キャリブレーションと呼ぶこととする。ここで、第1の状態及び第2の状態は、被測定者の収縮血圧値に一定以上の差異が生じる状態であればよく、特定の状態に限定されない。例えば、第1の状態とは運動前(平静時)の状態であってもよく、第2の状態とは運動直後の状態であってもよい。
また、上記の説明では、異なる状態における脈波伝播速度v1、v2及び収縮血圧p1、p2を測定する場合について説明したが、例えば直線の傾きを示す定数aに大きな個人差がないと仮定できれば、脈波伝播速度v1、及び収縮血圧p1の1点のデータだけでもキャリブレーションは可能である。1点のデータでキャリブレーションを行う場合には、例えば被測定者の年齢に応じた近似式等を用いてもよい。
更に、上記の説明では、キャリブレーションを行う際に、異なる2つの状態における脈波伝播速度v1、v2及び収縮血圧p1、p2を用いる例について説明したが、測定点は3点以上であってもよい。すなわち、異なる3つ以上の状態における脈波伝播速度v1、v2、v3、・・・、及び収縮血圧p1、p2、p3、・・・、に基づいて、キャリブレーションを行ってもよい。測定点が多いほど、キャリブレーションの精度を高めることができる。
以上、図1及び図2を参照して、被測定者の心電波形と脈波とを利用して血圧を測定する方法について説明した。なお、以下の説明では、一連の血圧測定の処理の中でも、被測定者の心電波形及び脈波を測定し、当該測定値に基づいて脈波伝播時間を算出する処理について主に説明することとする。以下の説明では、図2に示したような脈波伝播速度と収縮血圧値との関係を取得するためのキャリブレーション処理や、当該関係を用いて当該脈波伝播速度に基づいて血圧値を算出する処理については、公知の方法を利用することが可能であるため、詳細な説明は省略する。なお、以下の説明では、被測定者の心電波形及び脈波を測定し、当該測定値に基づいて脈波伝播時間を算出する一連の処理手順(脈波伝播時間算出方法)のことを、生体情報計測方法とも呼称する。
<2.装置の外観例と使用方法>
次に、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る生体情報計測装置の外観例について説明するとともに、当該生体情報計測装置の使用方法の一例について説明する。
図3は、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る生体情報計測装置の使用方法の一例を示す概略図である。図3を参照すると、被測定者である人体600の胸部に心電情報計測装置610が貼り付けられており、人体600の手の指には、指輪型の脈波情報計測装置620が嵌められている。
ここで、上述したように、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態においては、被測定者の胸部で測定された心電波形と、被測定者の手の指で測定された脈波とに基づいて、当該被測定者の血圧が測定される。本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態では、心電波形を測定するためのユニット(以下、心電センサと呼称する。)と脈波を測定するためのユニット(以下、脈波センサと呼称する。)とが存在するが、本開示においては、これらのセンサは別個の装置であってもよいし、双方のセンサが一体型に構成され1つの装置に組み込まれていてもよい。なお、以下の説明では、心電センサと脈波センサとが別個の装置である場合、これらを、それぞれ、心電情報計測装置及び脈波情報計測装置とも呼称する。また、以下の説明では、心電センサと脈波センサとが一体型に構成され1つの装置に組み込まれる場合、これらを、それぞれ、心電測定部及び脈波測定部とも呼称する。つまり、以下の説明では、心電センサとは、心電情報計測装置及び心電測定部の少なくともいずれかを示す呼称であり、脈波センサとは、脈波情報計測装置及び脈波測定部の少なくともいずれかを示す呼称である。
図3に示す例では、心電センサ(心電情報計測装置610)と、脈波センサ(脈波情報計測装置620)とが、別個の装置である場合について図示している。このように、心電センサと脈波センサとが別個の装置である場合には、以下の説明では、心電情報計測装置及び脈波情報計測装置の少なくともいずれかを生体情報計測装置と呼称する場合がある。一方、心電センサと脈波センサとが一体型に構成され、1つの装置に組み込まれている場合には、以下の説明では、当該装置のことを生体情報計測装置と呼称する場合がある。
更に、心電センサと脈波センサとが別個の装置である場合には、いずれかのセンサに測定結果に関する情報が送信され、当該センサによって脈波伝播時間が算出されてよい。なお、脈波伝播時間を算出する機能は、心電センサと脈波センサの一方だけが有していてもよいし、双方が有していてもよい。
ここでは、図3を参照して、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る生体情報計測装置の使用方法の一例として、心電情報計測装置610が脈波伝播時間を算出する機能を有する場合について説明する。つまり、図3に示す例では、脈波情報計測装置620によって測定された被測定者の脈波に関する脈波情報が心電情報計測装置610に送信され、心電情報計測装置610が、当該脈波情報と、自身が測定した心電波形に関する心電情報とに基づいて、脈波伝播時間を算出する場合が図示されている。
図3を参照すると、被測定者の胸部には、心電情報計測装置610が貼り付けられる。具体的には、心電情報計測装置610の一面には、吸着力を有する湿式の1対の心電測定用の電極(心電電極)611、612が設けられており、当該電極611、612により、心電情報計測装置610が被測定者である人体600の胸部に貼り付けられる。心電情報計測装置610は、電極611、612を用いて被測定者の心電波形を測定し、心電波形に関する心電情報を取得する。ここで、心電情報には、心電波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングに関する情報が含まれてもよい。第1特徴点とは、例えば、心電波形に含まれるP波、Q波、R波、S波又はT波の立ち上がり点又は立ち下がり点である。なお、心電情報計測装置610のより詳細な構成については、図4A及び図4Bを参照して後述する。
被測定者の手の指には、指輪型の脈波情報計測装置620が嵌められている。脈波情報計測装置620は、被測定者の脈波を測定し、脈波に関する脈波情報を取得する。ここで、脈波情報には、脈波における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報が含まれてもよい。第2特徴点とは、例えば、脈波の立ち上がり点である。なお、脈波情報計測装置620のより詳細な構成については、図5A及び図5Bを参照して後述する。
脈波情報計測装置620は、測定した脈波に関する脈波情報を、心電情報計測装置610に送信する。ここで、脈波情報計測装置620は、脈波情報として、脈波自体のデータを送信するのではなく、第2特徴点に対応するタイミングに関する情報を送信する。また、脈波情報計測装置620は、所定の時間、例えば1分間の脈拍数に関する情報を脈波情報に更に含めて送信してもよい。なお、脈波情報計測装置620と心電情報計測装置610との間の情報の伝送の詳細については、図6、図11及び図15を参照して、実施形態ごとに後述する。
ここで、図3に示す例では、心電情報計測装置610と脈波情報計測装置620との間の通信には、ケーブル等は用いられず、人体通信(HBC:Human Body Communication)が用いられる。人体通信には、人体の表面に電界を作って通信する電界方式と、微小な電流を流して通信する電流方式があるが、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態では、心電情報計測装置610と脈波情報計測装置620との間の通信として、電界方式の人体通信が用いられる。電界方式の人体通信については、BAN(Body Area Network)の標準規格であるIEEE802.15.6でもひとつの標準化方式として採用されている。
なお、本開示はかかる例に限定されず、心電情報計測装置610と脈波情報計測装置620との間の通信には、電流方式の人体通信が用いられてもよいし、更に、心電情報計測装置610と脈波情報計測装置620との間の通信には、有線無線を問わず他の通信方式が用いられてもよい。ただし、人体通信を用いることにより、他の無線通信よりも低消費電力での通信を行うことが可能になる。
心電情報計測装置610は、自身が取得した心電情報と、受信した脈波情報と、に基づいて、脈波伝播時間を算出する。具体的には、心電情報計測装置610は、心電情報に含まれる第1特徴点に対応するタイミングT1と脈波情報に含まれる第2特徴点に対応するタイミングT2との差分を取ることにより、脈波伝播時間を算出する。
更に、心電情報計測装置610は、外部機器と互いに通信するための通信部を備えており、当該通信部を介して、外部機器、例えば携帯端末690に、脈波伝播時間に関する情報を送信する。心電情報計測装置610が携帯端末690に脈波伝播時間に関する情報を送信する通信方式には、例えばBluetooth(登録商標)等の公知の無線通信方式が用いられる。また、携帯端末690は、例えばスマートフォン等の被測定者によって携帯され得る外部機器であってよい。
携帯端末690には、図2に示すような脈波伝播速度と収縮血圧値との関係を取得するための被測定者のキャリブレーションデータや、被測定者の身長、体重等の身体データなどが予め入力されている。携帯端末690は、これらのデータに基づいて、心電情報計測装置610から送信された脈波伝播時間から脈波伝播時速度を算出する。また、携帯端末690は、キャリブレーションデータから脈波伝播速度と収縮血圧値との関係を取得し、算出した脈波伝播時速度から被測定者の血圧値を算出する処理を行う。携帯端末690のような、被測定者によって携帯される機器で血圧が算出されることにより、被測定者は、所望のタイミングで自身の血圧を確認することが可能となるため、被測定者の利便性が向上する。
なお、脈波伝播時間の算出は心電情報計測装置610で行われず、携帯端末690によって行われてもよい。携帯端末690が脈波伝播時間を算出する場合、心電情報計測装置610は、第1の特徴点に対応するタイミングT1及び第2の特徴点に対応するタイミングT2に関する情報を、送信してもよい。また、心電情報計測装置610は、携帯端末690に、必要に応じて他の各種の情報、例えば、心電波形そのもののデータ等を送信してもよい。
携帯端末690は、測定された脈波(脈拍)や心電波形に関する情報、及び算出した血圧に関する情報等の生体情報を、自身に設けられた記憶媒体に記憶する。また、携帯端末690は、これらの生体情報を、通信網(ネットワーク)640を経由して、例えばサーバ650に送信する。サーバ650は、受信した被測定者の生体情報を一定期間保存することができる。ここで、生体情報には、被測定者の生体活動に関するあらゆる情報が含まれてよい。図3に示す例では、生体情報として、心電波形に関する情報、脈波に関する情報及び血圧値を扱っているが、生体情報には、例えば他にも、心音、呼吸、体温等に関する情報が含まれてもよい。
サーバ650に蓄積された生体情報は、互いに異なる複数の機器、例えばタブレット端末660、ノートPC670、他の携帯端末680等を用いて閲覧することが可能である。従って、例えば医療関係者や介護者等によって、当該被測定者の生体情報を共有することができ、被測定者の健康状態や病状を管理することが可能となる。
以上、図3を参照して、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る生体情報計測装置の使用方法の一例について説明した。なお、図3に示したサーバ650は、ネットワーク上のストレージ(記憶装置)の一例である。被測定者の生体情報が保存される装置はかかる例に限定されず、あらゆる公知の記憶装置に保存されてよい。また、図3に示したタブレット端末660、ノートPC670、他の携帯端末680は、被測定者の生体情報を閲覧するための機器の一例である。被測定者の生体情報を閲覧するための機器はかかる例に限定されず、他のあらゆる機器が用いられてよい。
次に、図4A、図4B、図5A及び図5Bを参照して、心電情報計測装置610及び脈波情報計測装置620の一外観例について説明する。図4A及び図4Bは、心電情報計測装置610の外観例を示す概略図である。また、図5A及び図5Bは、脈波情報計測装置620の外観例を示す概略図である。なお、図4A、図4B、図5A及び図5Bに示す心電情報計測装置610及び脈波情報計測装置620は、図3を参照して説明した、心電センサと脈波センサとが別個の装置である場合に対応している。
図4A及び図4Bを参照すると、心電情報計測装置610は、楕円形状の平板が対向して設けられた円盤状の外観を有する。心電情報計測装置610はパッチ型の計測装置として、その一面を人体に接触させて使用される。図4Aは、心電情報計測装置610の当該円盤の一面である表面を示しており、図4Bは、当該表面と対向する面である裏面を表している。
心電情報計測装置610の裏面には、心電測定に用いられる電極用の1対のコネクタ613、614が設けられている。コネクタ613、614に電極が実装され、当該電極が被測定者の人体600に接触されることにより、被測定者の心電が電極間の電位差として測定される。心電として測定される電位差の値は約数mVである。
上述したように、図3に示す例では、コネクタ613、614には、吸着力を有する湿式の1対の電極611、612が実装される。なお、コネクタ613、614に実装される電極は、かかる例に限定されるものではなく、用途に応じて各種の電極が用いられてよい。ただし、常時心電測定を行うためには、図3に示したように吸着力を有する電極が用いられることが好ましい。
以上、図4A及び図4Bを参照して、心電情報計測装置610の一外観例について説明した。なお、上記の説明では、心電情報計測装置610の外観は円盤状であったが、本開示に係る心電情報計測装置610はかかる例に限定されない。心電情報計測装置610は、上記説明した心電波形を測定する機能及び脈波情報計測装置620と通信を行う機能を有していればよく、その外観は特に限定されるものではなく、あらゆる形状を取り得る。ただし、常時被測定者に携帯される(貼り付けられる)ことを考慮して、心電情報計測装置610の外観は、被測定者の利便性を向上させるような形状であることが好ましい。
図5A及び図5Bを参照すると、脈波情報計測装置620は、指輪型の外観を有し、被測定者の手の指に装着される。脈波情報計測装置620は、略直方体の本体621及び本体621を被測定者の指に固定するためのベルト622を有する。ベルト622が被測定者の指に巻かれることにより、本体621の一面が指に接触した状態で、脈波情報計測装置620が指に固定される。
ベルト622の、被測定者の指と接する面には、互いに異なる位置に、発光素子623及び受光素子624が設けられる。発光素子623は、例えば赤外光を照射する発光ダイオード(LED)である。また、受光素子624は、例えばフォトダイオードである。ベルト622が被測定者の指に巻かれた状態で、発光素子623から赤外光が放射されると、当該赤外光が被測定者の指で透過又は散乱して、受光素子624に達する。つまり、発光素子623及び受光素子624は、ベルト622が被測定者の指に巻かれた際に、発光素子623から照射された光の被測定者の指における透過光又は反射光が受光素子624によって検出できる位置に設けられる。
ここで、一般的に、ヒトの血中に存在するヘモグロビンは、特定波長の光、例えば赤外光を吸収しやすい性質を有している。ヘモグロビンの数は血管内の血流量に比例するので、脈波検出部位(指)に特定波長の光を照射し、その透過光又は反射光を検出すると、脈波検出部位の血流量に応じて検出される光量も変化する。従って、この検出された光量から、血管内の血流量の変化を測定でき、脈波を測定することができる。
また、本体621の、被測定者の指と接触する部位には、1対の電極626、627が設けられる。この電極626、627は、人体通信を行う際に情報を伝送する役割を果たす。
以上、図5A及び図5Bを参照して、脈波情報計測装置620の一外観例について説明した。なお、上記の説明では、脈波情報計測装置620は指輪型の形状を有していたが、本開示に係る脈波情報計測装置620はかかる例に限定されない。脈波情報計測装置620は、上記説明した脈波を測定する機能及び心電情報計測装置610と通信を行う機能を有していればよく、例えば、脈波情報計測装置620は、体の一部位を挟むタイプであってもよいし、被測定者の指ではなく腕に巻かれる腕時計タイプであってもよい。
以上、図4A、図4B、図5A及び図5Bを参照して、心電情報計測装置610及び脈波情報計測装置620の一外観例について説明した。
なお、心電波形を測定するユニットと脈波を測定するユニットとが一体型に構成され、1つの装置(生体情報計測装置)に組み込まれる場合には、例えば、図3に示す心電情報計測装置610及び脈波情報計測装置620が、生体情報計測装置の心電測定部及び脈波測定部として機能してよい。
また、あるいは、心電波形を測定するユニットと脈波を測定するユニットとが1つの装置(生体情報計測装置)に組み込まれる場合には、図4A及び図4Bに示す心電情報計測装置610が、脈波情報計測装置620の機能を併せ持ってもよい。その場合、心電情報計測装置610には、被測定者の脈波を測定するための構成が更に設けられてもよい。例えば、心電情報計測装置610は、図4A及び図4Bに示す外観に、更に、脈波を測定するための脈波検出窓を有し、被測定者が当該脈波検出窓に指を当接させることにより、脈波が検出されるようにしてもよい。
以下では、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態についてより詳細に説明する。
<3.第1の実施形態>
次に、本開示の第1の実施形態について説明する。本開示の第1の実施形態においては、心電センサ(心電情報計測装置)と、脈波センサ(脈波情報計測装置)とは、別個の装置として構成される。また、第1の実施形態においては、脈波伝播時間を算出する機能を有しているのは心電情報計測装置であり、心電情報計測装置は、脈波情報計測装置から送信された脈波情報に基づいて脈波伝播時間を算出する。つまり、図3を参照して説明した心電情報計測装置610及び脈波情報計測装置620は、第1の実施形態に対応している。
[3.1.脈波伝播時間の算出方法]
まず、図6を参照して、本開示の第1の実施形態における、脈波伝播時間の算出方法について具体的に説明する。図6は、本開示の第1の実施形態における、脈波伝播時間の算出方法について説明するための説明図である。図6では、時間を横軸に取り、脈波情報計測装置から心電情報計測装置に脈波情報が送信されるタイミングについて、心電波形及び脈波と関連付けて図示している。
図6を参照すると、心電波形C、脈波D、速度脈波E及び加速度脈波Fが同一の時間軸上に図示されている。ここで、速度脈波Eは脈波Dを1回時間微分した波形であり、加速度脈波Fは脈波Dを2回時間微分した波形である。
まず、心電情報計測装置は、自らが測定した心電波形Cから第1特徴点及び当該第1特徴点に対応するタイミングを検出する。図6に示す例では、第1特徴点として心電波形CにおけるR波の立ち上がり点aを用い、立ち上がり点aに対応するタイミングT1を検出している。ただし、本実施形態では、第1特徴点はかかる例に限定されず、心電波形Cにおける他の点であってもよい。例えば、第1特徴点は、心電波形CにおけるP波、Q波、S波又はT波の立ち上がり点又は立ち下がり点であってよい。
次に、脈波情報計測装置は、自らが測定した脈波Dから第2特徴点及び当該第2特徴点に対応するタイミングを検出する。図6に示す例では、第2特徴点として脈波Dにおける立ち上がり点bを検出している。ここで、脈波情報計測装置は、第2特徴点を検出するために、図6に示すように、脈波Dを時間微分してもよい。脈波Dにおける立ち上がり点bは、脈波Dを2回時間微分して得られる加速度脈波Fにおいて極大値を与える点cと一致するため、脈波情報計測装置は、加速度脈波Fにおいて極大値を与える点cを求めることにより、脈波の立ち上がり点bを検出することができる。脈波Dの立ち上がり点bは、脈波Dからは検出しづらい場合があるため、このように、加速度脈波Fを利用することにより、脈波情報計測装置は、脈波Dの立ち上がり点bをより正確に検出することができる。
脈波情報計測装置は、脈波Dの立ち上がり点bを検出すると、脈波に関する情報である脈波情報を生体情報送信部を介して心電情報計測装置に送信する。なお、この脈波情報の送受信には、例えば人体通信が用いられる。ここで、本実施形態においては、脈波情報として、脈波Dに関する全ての情報(波形データそのもの)ではなく、脈波Dの立ち上がり点bに対応するタイミングに関する情報が用いられる。図6に示す例では、脈波情報計測装置は、脈波情報として、脈波検出パケット710を心電情報計測装置に送信する。脈波検出パケット710は、脈波情報計測装置が脈波Dから立ち上がり点bを検出したことを示すパケット単位のデータである。つまり、脈波検出パケット710は、脈波Dの立ち上がり点bに対応するタイミングに関する情報であるといえる。このように、脈波Dに関する全ての情報を送受信するのではなく、脈波Dの立ち上がり点bに対応するタイミングに関する情報だけを送受信することにより、扱うデータ量をより少なくすることができ、心電情報計測装置及び脈波情報計測装置の低消費電力化を実現することができる。なお、脈波検出パケット710の構成については、図7を参照して後で詳しく説明する。
また、脈波情報計測装置は、脈波検出パケット710を送信するときだけ生体情報送信部を起動し、それ以外ではスリープ状態にしてもよい。つまり、脈波情報計測装置は、生体情報送信部を時間的に限定的に起動させることができる。
心電情報計測装置は、脈波情報計測装置から送信された脈波検出パケット710を受信した時間T2を利用して、Tp=T2−T1の関係式から脈波伝播時間Tpを算出する。なお、上述したように、脈波情報計測装置から心電情報計測装置への脈波検出パケット710の伝送は、例えば人体通信を利用して行われる。また、図7を参照して後述するように、脈波検出パケット710には誤り検出符号(CRC)715が含まれており、心電情報計測装置は、誤り検出符号715に基づいて、脈波検出パケット710の受信が正常に行われたかどうかを判断することができる。誤り検出符号715による誤り検出がNGであった場合、心電情報計測装置は脈波伝播時間の算出は行わず、脈波Dの次の拍動に伴って検出される立ち上がり点bに基づく脈波検出パケット710の送信を待つ。
ここで、心電情報計測装置は、脈波検出パケット710を受信する生体情報受信部を備えていてもよく、当該生体情報受信部は、所定の期間である脈波情報受信時間だけ起動され、当該脈波情報受信時間の間に脈波検出パケット710を受信してもよい。図6に示す例では、心電情報計測装置において、時間Tr1からTr2までの間、生体情報受信部が起動され、当該時間の間に脈波検出パケット710が受信される様子を示している。このように生体情報受信部が起動されている時間である脈波情報受信時間のことを、以下の説明では、受信窓730とも呼称する。受信窓730を設け、生体情報受信部の起動時間を制限することにより、心電情報計測装置の更なる低消費電力化が実現される。なお、受信窓730で脈波検出パケット710を受信できなかった場合には、心電情報計測装置は脈波伝播時間の算出は行わず、脈波Dの次の拍動に伴って検出される立ち上がり点bに基づく脈波検出パケット710の送信を待つ。
受信窓730の基点となる時間Tr1及び受信窓730の時間幅(Tr2−Tr1)は、例えば心電波形CのR波の立ち上がり点aに対応するタイミングT1に基づいて決定される。具体的には、被測定者の脈波伝播時間の値が、前回の脈波伝播時間の測定値又は過去の脈波伝播時間の測定値の統計値等に基づいて予測され、当該予測値に基づいて、受信窓730の中心値及び受信窓730の時間幅が決定されてよい。例えば、一般的に脈波伝播時間は200ms程度であることが知られている。また、被測定者の脈波伝播時間を連続的に測定した場合、脈波伝播時間は急激に大きくは変化しないことが知られている。従って、受信窓730の具体例として、T1を基点として、Tr1はT1から100ms経過した点、Tr2はT1から300ms経過した点として設定されてよい。
上記の例であれば、心電情報計測装置には、予め受信窓730の時間幅が200msであること及びTr1とT1との間隔Toffset1が100msであることが入力されている。そして、心電情報計測装置は、自らが測定した心電波形CからR波の立ち上がり点aに対応するタイミングT1を検出すると、T1から100ms後(Tr1後)に生体情報受信部を起動させ、T1から300ms後(Tr2後)に生体情報受信部をスリープ状態に移行させる。このようにして、心電情報計測装置は、生体情報受信部を時間的に限定的に起動させることができる。なお、上記のTr1及びTr2の値はあくまで一例であり、Tr1及びTr2の値は被測定者の前回の脈波伝播時間の測定値又は過去の脈波伝播時間の測定値の統計値等に応じて適宜設定されてよい。
なお、図6に示すように、実際の脈波Dの立ち上がり点bに対応するタイミングと、脈波検出パケット710が受信されたタイミングT2との間には、脈波検出パケット710の伝送時間及び生体情報受信部が脈波検出パケット710を受信する時間に起因するタイムラグが生じる。しかし、脈波検出パケット710を伝送する人体通信の伝送速度は100kbps程度であり、図7を参照して後述するように脈波検出パケット710のパケット長は50bit程度であるため、当該タイムラグは500μs程度である。上述したように、脈波伝播時間は一般的に200ms程度であるため、この程度のタイムラグであれば、最終的に算出される血圧値に与える影響は無視することができる。なお、当該タイムラグが予め予測できる場合には、脈波伝播時間を算出する際に当該タイムラグの分を補正する処理を行ってもよい。
ここで、図7を参照して、脈波検出パケット710の構成について説明する。図7は、脈波検出パケット710の一構成例を示す概略図である。
脈波検出パケット710は、例えば約50bitのデータ量を有する。図7を参照すると、脈波検出パケット710は、ビット同期を行うためのプリアンブル(PR)711、データの開始を示すユニークワード(UW)712、脈波情報計測装置のID番号(ID)713、脈波のシーケンス番号(SNO)714、誤り検出符号(CRC)715から構成される。
第1の実施形態においては、心電情報計測装置と脈波情報計測装置との間の通信は、例えば人体通信によって、脈波情報計測装置から心電情報計測装置への一方向しか行われず、更に、脈波検出パケット710の再送信は行われない。従って、誤り検出符号715による誤り検出がNGの場合、心電情報計測装置は、当該脈波検出パケット710を破棄し、脈波伝播時間の算出を行わない。また、心電情報計測装置は、脈波検出パケット710を受信窓730で受信出来なかった場合も、脈波伝播時間の算出を行わない。
シーケンス番号714は、例えば16ビットのデータ量を有し、0〜15までの範囲で変化する。具体的には、例えば、脈波検出パケット710が1回伝送される毎に、シーケンス番号714の値が1加算され、15まで達したら再び0から繰り返される。シーケンス番号714をこのように変化させることで、心電情報計測装置は、受信した脈波検出パケット710に含まれるシーケンス番号714を参照することにより、データの欠落を発見することができる。
以上、図6及び図7を参照して、本開示の第1の実施形態に係る脈波伝播時間の算出方法について説明した。次に、かかる方法を実現するための具体的な装置の構成について説明する。
[3.2.装置の構成]
図8及び図9を参照して、本開示の第1の実施形態に係る心電情報計測装置及び脈波情報計測装置の構成について具体的に説明する。図8は、本開示の第1の実施形態に係る心電情報計測装置の一構成例を示す機能ブロック図である。また、図9は、本開示の第1の実施形態に係る脈波情報計測装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
(3.2.1.心電情報計測装置)
図8を参照すると、本開示の第1の実施形態に係る心電情報計測装置10は、心電測定部110、HBC受信部120、通信部130、電源部140及び制御部150を備える。
心電測定部110は、被測定者の第1の測定部位において被測定者の心電を測定する。具体的には、心電測定部110は、後述する1対の電極111a、111bを有し、被測定者の胸部に電極111a、111bを接触させることにより、電極111a、111b間の電位差として被測定者の心電波形を測定する。心電測定部110は、測定した心電波形についてのデータを、後述する制御部150の生体情報取得部151に送信する。
ここで、心電測定部110の具体的な構成について説明する。心電測定部110は、電極111a、111b、差動アンプ112、ノッチフィルタ113、ローパスフィルタ114、増幅器115、アナログデジタルコンバータ(ADコンバータ)116及びスイッチ117a、117bを有する。
電極111a、111bは、被測定者の胸部に接触され、両電極間の電位差を測定する。心電測定は人体の所望の2点間の電位差を測定することにより行われる。従って、電極111aと電極111bとの間の電位差の時間変化を測定することにより、被測定者の心電波形を測定することができる。電極111a、111bは、例えば図3に示す電極611、612に対応している。
差動アンプ112は、電極111aと電極111bとの間で測定された電位差を増幅する。一般的に、電極111aと電極111bと間で測定される電位差は、数mV程度であり、例えば、差動アンプ112は、この電位差を100倍程度に増幅するように設計される。
ノッチフィルタ113及びローパスフィルタ114は、差動アンプ112により増幅された信号から、不要な雑音を取り除くためのフィルタである。ノッチフィルタ113は特定の帯域の周波数成分を低減するためのフィルタ回路である。本実施形態においては、ノッチフィルタ113は、心電測定部110の近傍に存在する商用交流電源からの影響を考慮して、50Hz近傍、又は60Hz近傍の帯域を低減させるように設計される。また、ローパスフィルタ114は、心電測定に不要な広域の雑音を除去するためのフィルタ回路である。本実施形態においては、ローパスフィルタ114は、心電波形の有する周波数が数Hz程度であることを考慮して、カットオフ周波数が100Hz程度に設定される。
ここで、不要な信号の除去は、後段での信号処理過程(制御部150における信号処理過程)においても適宜行われるため、ノッチフィルタ113及びローパスフィルタ114の特性は、増幅系で飽和しない程度の除去レベルであれば自由に設計されてよい。
増幅器115は、ノッチフィルタ113及びローパスフィルタ114によって不要な雑音が低減された後の信号を増幅する。増幅器115のゲインは、例えば10倍程度に設定される。従って、例えば、数mV程度であった電極111aと電極111bとの間の電位差は、最終的に、数百mV〜1V程度まで増幅されて、ADコンバータ116に入力される。
ADコンバータ116は、入力された信号、すなわち増幅された心電波形に関する信号をアナログ信号からデジタル信号に変換(AD変換)し、制御部150の生体情報取得部151に、デジタル信号として送信する。
スイッチ117a、117bは、心電測定部110が人体通信を行うかどうかに応じて、電極111a、111bの接続先を切り換える機能を有する。具体的には、図8に示す例であれば、スイッチ117a、117bは、電極111a、111bの接続先を、HBC受信部120又は差動アンプ112に切り換える。なお、スイッチ117a、117bによる電極111a、111bの接続先の切り換えは、HBC受信部120によって行われてよい。
例えば、心電波形を測定する場合には、スイッチ117a、117bは、電極111a、111bが心電測定部110内における後段の回路である差動アンプ112に接続されるように接続先を切り換える。また、例えば、心電情報計測装置10が脈波情報計測装置20から送信される各種の情報を人体通信によって受信する場合には、スイッチ117a、117bは、電極111a、111bがHBC受信部120に接続されるように接続先を切り換える。このように、情報を受信する際に、電極111a、111bが後段の差動アンプ112と接続されないことにより、心電測定の結果に受信した情報が混入することを防ぐことができる。また、心電測定はハイインピーダンスで行われるため、心電測定を行う場合と人体通信を行う場合とで電極111a、111bの接続先が切り換えられることにより、心電測定時のインピーダンスの低下を防ぐことができ、心電測定をより高い精度で行うことが可能となる。
以上、心電測定部110の一構成例について説明した。なお、心電測定部110の構成は、図8に示す構成に限定されず、被測定者の心電波形を測定できればどのような回路構成であってもよい。
HBC受信部120は、人体通信におけるデータ受信用のモジュールである。HBC受信部120は、上記[3.1.脈波伝播時間の算出方法]で説明した生体情報受信部の一例である。第1の実施形態では、HBC受信部120は、図6を参照して上述したように、脈波情報計測装置から送信される脈波検出パケット710を受信する。
HBC受信部120は、心電測定部110の電極111a、111bと接続されており、人体通信を行う際には、電極111a、111bを介してデータを受信する。つまり、本実施形態においては、電極111a、111bは、心電波形を測定する役割と、人体通信においてデータを受信する役割とを併せ持つ。このように、電極111a、111bが心電波形の測定用電極と人体通信におけるデータ受信用電極とに兼用されることにより、心電情報計測装置10への追加の構成を比較的少なくすることができるため、よりコンパクトでより携帯性に優れた心電情報計測装置を実現することができる。
なお、人体通信におけるデータ伝送の使用周波数は30MHz前後である。一方、ヒトの心拍や脈波は、おおよそ1s程度の周期を有する。従って、第1の波形及び第2の波形の周波数と、人体通信におけるデータ伝送の周波数とは、その帯域が大きく異なる。よって、上記のように、心電測定と人体通信とで電極を兼用したとしても、適宜フィルタ処理等を施すことによりそれぞれの信号を峻別することができるため、両者の信号が混用されることはない。
HBC受信部120の入力端はハイインピーダンスの差動入力とし、心電波形の測定における入力インピーダンスを下げないように設計されている。また、上記[3.1.脈波伝播時間の算出方法]で説明したように、HBC受信部120は、制御部150からの制御により、図6に示す受信窓730の間だけ起動されてよい。受信窓730を設定することにより、低消費電力を実現できるとともに、誤受信確率を下げることができる。何故ならば、受信窓730から外れたタイミングで脈波検出パケット710が送信された場合には、脈波の立ち上がり点が検出されたタイミングが、当該被測定者の普段の脈波伝播時間から想定されるタイミングと著しく異なることを意味しているからである。
通信部130は、心電情報計測装置10と任意の外部機器とを相互に通信可能に接続するための通信インターフェースである。例えば、図3を参照して説明したように、心電情報計測装置10は、通信部130を介して、外部機器である携帯端末690に、脈波伝播時間に関する情報を送信する。通信部130の通信方式には、例えばBluetooth(登録商標)等の無線通信方式が用いられる。ただし、通信部130の通信方式はかかる例に限定されず、有線無線を問わずあらゆる公知の通信方式が用いられてよい。
電源部140は、バッテリを含む電源供給部であり、心電情報計測装置10の各構成部材に電源を供給する。電源部140のバッテリには、心電情報計測装置10の小型化、軽量化のため、例えばコイン型の電池等が使用される。ここで、電源部140は、制御部150の制御により、電源の供給先が切り換えられてよい。例えば、電源部140は、図6に示す受信窓730に対応する時間にだけHBC受信部120に電源を供給し、HBC受信部120を起動させてよい。
制御部150は、心電情報計測装置10を統合的に制御するとともに、心電情報計測装置10によって取得される各種のデータを処理する。具体的には、制御部150は、測定された被測定者の心電波形に関する心電情報に基づいて、心電波形における特徴的な点である第1特徴点を検出する処理を行う。また、制御部150は、HBC受信部120を所定の期間である脈波情報受信時間だけ起動し、当該脈波情報受信時間の間に、脈波情報計測装置から送信される脈波情報を受信する処理を行う。更に、制御部150は、心電情報と受信した脈波情報とに基づいて、被測定者の脈波伝播時間を算出する処理を行う。以下、制御部150の構成についてより詳細に説明する。
制御部150は、生体情報取得部151、第1特徴点検出部152、受信制御部153、電源制御部154及び脈波伝播時間算出部155を有する。
生体情報取得部151は、被測定者の生体活動に関する生体情報を取得する。ここで、以下の説明において、生体情報とは、被測定者の生体活動に関するあらゆる情報のことを意味する。例えば、生体情報には、心電(心電図)、脈拍、心拍、心音、呼吸、体温等に関する情報が含まれる。
第1の実施形態においては、生体情報取得部151は、生体情報として、第1の測定部位で測定された、被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報を取得する。当該第1波形情報は、具体的には、被測定者の胸部で測定された心電波形に関する心電情報であってよい。また、本実施形態においては、生体情報取得部151は、生体情報として、第2の測定部位で測定された、被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報を、HBC受信部120を介して取得する。当該第2波形情報は、具体的には、脈波情報計測装置によって被測定者の手の指で測定された脈波に関する脈波情報であってよい。生体情報取得部151は、取得した心電情報を第1特徴点検出部152に送信する。また、生体情報取得部151は、取得した脈波情報を脈波伝播時間算出部155に送信する。
第1特徴点検出部152は、心電情報に基づいて、心電波形における特徴的な点である第1特徴点を検出する。ここで、第1特徴点は、例えば、心電波形に含まれるP波、Q波、R波、S波又はT波の立ち上がり点又は立ち下がり点である。ただし、第1特徴点はかかる例に限定されず、心電波形における他の点であってもよい。第1の実施形態においては、第1特徴点検出部152は、第1特徴点として、心電波形のR波の立ち上がり点を検出する。第1特徴点検出部152は、検出したR波の立ち上がり点に関する情報を受信制御部153及び脈波伝播時間算出部155に送信する。
受信制御部153は、脈波情報計測装置から送信される各種の情報を人体通信によって受信するように、HBC受信部120を制御する。具体的には、受信制御部153は、脈波情報計測装置から送信される脈波情報を人体通信によって受信するように、HBC受信部120を制御する。ここで、上述したように、脈波情報としては、脈波に関する全ての情報(波形データそのもの)が受信されるのではなく、脈波における特徴的な点である第2特徴点(例えば、立ち上がり点)に対応する時間に関する情報が受信される。
また、受信制御部153は、HBC受信部120を所定の期間である脈波情報受信時間だけ起動させ、当該脈波情報受信時間の間に、脈波情報計測装置から送信される脈波情報を受信するように、HBC受信部120を制御してもよい。また、当該脈波情報受信時間は、第1特徴点検出部152によって検出された第1特徴点に対応するタイミングに基づいて設定されてよい。例えば、受信制御部153は、第1特徴点に対応するタイミングから所定の時間経過したタイミングでHBC受信部120を起動し、HBC受信部120を起動してから更に所定の時間が経過したタイミングでHBC受信部120をスリープ状態に移行してもよい。
電源制御部154は、電源部140を制御することにより、心電情報計測装置10の各構成部材に電源を供給する制御を行う。ここで、電源制御部154は、電源部140による電源の供給先を切り換えてもよい。例えば、電源制御部154は、受信制御部153がHBC受信部120を脈波情報受信時間の間だけ起動する場合、当該脈波情報受信時間に合わせて、HBC受信部120に電源を供給する制御を行ってもよい。
脈波伝播時間算出部155は、心電情報と脈波情報とに基づいて、第1特徴点に対応するタイミングと第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する。図8に示す例では、脈波伝播時間算出部155は、第1特徴点(心電波形におけるR波の立ち上がり点)に関する情報を第1特徴点検出部152から受信し、第2特徴点(脈波における立ち上がり点)に関する情報をHBC受信部120を介して生体情報取得部151から受信することにより、脈波伝播時間を算出する。脈波伝播時間算出部155によって算出された脈波伝播時間に関する情報は、通信部130を介して任意の外部機器に送信され、当該外部機器において脈波伝播時間に基づいて被測定者の血圧値が算出される。
(3.2.2.脈波情報計測装置)
次に、本開示の第1の実施形態に係る脈波情報計測装置の構成について、図9を参照して説明する。図9を参照すると、本開示の第1の実施形態に係る脈波情報計測装置20は、脈波測定部210、HBC送信部220、電源部230及び制御部240を備える。
脈波測定部210は、被測定者の第2の測定部位において被測定者の脈波を測定する。具体的には、脈波測定部210は、被測定者の手の指に装着され、後述する光学センシング部211により被測定者の脈波を測定する。脈波測定部210は、測定した脈波についてのデータを、後述する制御部240の生体情報取得部241に送信する。
ここで、脈波測定部210の具体的な構成について説明する。脈波測定部210は、光学センシング部211、増幅器215、バンドパスフィルタ216及びADコンバータ217を有する。
光学センシング部211は、脈波検出部位に対して、脈波を測定するための光学的測定を行う。光学センシング部211は、発光素子212、受光素子213及びセンシング駆動部214から構成される。
発光素子212は、例えば赤外光を照射するLEDである。なお、当該赤外光の波長は、例えば約940nmであってよい。発光素子212は、センシング駆動部214によって駆動され、脈波検出部位に光を照射する。
受光素子213は、例えばフォトダイオードであり、発光素子212から照射された光の、脈波検出部位における透過光又は反射光を検出し、受光した光量に応じた信号を増幅器215に入力する。ここで、例えば、受光素子213が脈波検出部位の透過光を検出する場合は、発光素子212と受光素子213とは、脈波検出部位を挟むように配設される。また、例えば、受光素子213が脈波検出部位の反射光を検出する場合は、発光素子212と受光素子213とは、脈波検出部位に対して同じ側に配設される。
センシング駆動部214は、制御部240の制御により、発光素子212の駆動を制御する。本実施形態においては、センシング駆動部214は、脈波伝播時間を算出するための一連の処理の間、発光素子212を駆動させ、脈波検出部位に所望の波長の光を照射させる。
増幅器215は、受光素子213から入力された電気信号を増幅し、後段のバンドパスフィルタ216に出力する。ここで、増幅器215のゲインは、発光素子212の光量等に応じて適宜設計されてよい。
バンドパスフィルタ216は、増幅器215から入力される信号から不要な雑音を取り除く。バンドパスフィルタ216は、発光素子212の照射光の帯域に応じて設定されており、例えば発光素子212が赤外光を照射する場合には、赤外光に応じた帯域以外の周波数成分を低減するように設定される。
バンドパスフィルタ216を通過し、雑音が低減された信号は、ADコンバータ217に入力される。ADコンバータ217の機能は、ADコンバータ116と同様であるため、詳細な機能についての説明は省略する。ADコンバータ217によってデジタル化された信号が被測定者の脈波信号を形成している。ADコンバータ217は、デジタル変換した信号を制御部240の生体情報取得部241に送信する。
以上、脈波測定部210の一構成例について説明した。なお、脈波測定部210の構成は、図9に示す構成に限定されず、被測定者の脈波を測定できればどのような回路構成であってもよい。
HBC送信部220は、人体通信におけるデータ送信用のモジュールである。HBC送信部220は、上記[3.1.脈波伝播時間の算出方法]で説明した生体情報送信部の一例である。本実施形態では、HBC送信部220は、図6を参照して上述したように、脈波情報として脈波検出パケット710を送信する。また、HBC送信部220は、上記[3.1.脈波伝播時間の算出方法]で説明したように、脈波検出パケット710を送信するときだけ起動され、それ以外ではスリープ状態であるように、制御部240によってその起動が制御されてもよい。
更に、HBC送信部220は、人体通信用の電極221a、221bを有する。HBC送信部220は、電極221a、221bを人体に接触させることにより、人体通信によって各種のデータを送信する。具体的には、データ送信時、電極221a、221bのうち一方は送信出力端子として用いられ、もう一方はグランドとして用いられる。ただし、電極221a、221bのうち一方をグランドとせず、双方を平衡出力の端子として用いてもよい。
電源部230は、バッテリを含む電源供給部であり、脈波情報計測装置20の各構成部材に電源を供給する。電源部230のバッテリには、脈波情報計測装置20の小型化、軽量化のため、例えばコイン型の電池等が使用される。ここで、電源部230は、制御部240の制御により、電源の供給先が切り換えられてよい。例えば、電源部230は、脈波検出パケット710を送信している間にだけHBC送信部220に電源を供給し、HBC送信部220を起動させてよい。
制御部240は、脈波情報計測装置20を統合的に制御するとともに、脈波情報計測装置20によって取得される各種のデータを処理する。具体的には、制御部240は、測定された被測定者の脈波に関する脈波情報に基づいて、脈波における特徴的な点である第2特徴点を検出する処理を行う。また、制御部240は、HBC送信部220を制御し、脈波情報を心電情報計測装置10に送信する処理を行う。以下、制御部240の構成についてより詳細に説明する。
制御部240は、生体情報取得部241、第2特徴点検出部242、送信制御部243及び電源制御部244を有する。
生体情報取得部241は、心電情報計測装置10の生体情報取得部151と同様、被測定者の生体活動に関する生体情報を取得する。第2の実施形態においては、生体情報取得部241は、生体情報として、第2の測定部位で測定された、被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報を取得する。当該第2波形情報は、具体的には、脈波測定部210によって被測定者の手の指で測定された脈波に関する脈波情報であってよい。生体情報取得部241は、取得した脈波情報を第2特徴点検出部242に送信する。
第2特徴点検出部242は、脈波情報に基づいて、脈波における特徴的な点である第2特徴点を検出する。ここで、第2特徴点は、例えば、脈波の立ち上がり点である。ただし、第2特徴点はかかる例に限定されず、脈波における他の点であってもよい。なお、第2特徴点検出部242は、上記[3.1.脈波伝播時間の算出方法]で説明したように、脈波を2回時間微分することにより立ち上がり点を検出してもよい。第2特徴点検出部242は、検出した立ち上がり点に関する情報を送信制御部243に送信する。
送信制御部243は、各種の情報を人体通信によって心電情報計測装置10に送信するように、HBC送信部220を制御する。具体的には、送信制御部243は、脈波情報として脈波検出パケット710を人体通信によって心電情報計測装置10に送信するように、HBC送信部220を制御する。また、送信制御部243は、HBC送信部220が、脈波検出パケット710を送信するときだけ起動され、それ以外ではスリープ状態となるように、HBC送信部220を制御してもよい。
電源制御部244は、電源部230を制御することにより、脈波情報計測装置20の各構成部材に電源を供給する制御を行う。ここで、電源制御部244は、電源部230による電源の供給先を切り換えてもよい。例えば、電源制御部244は、送信制御部243がHBC送信部220を脈波検出パケット710を送信する間だけ起動する場合、その起動するタイミングに合わせて、HBC送信部220に電源を供給する制御を行ってもよい。
以上、図8及び図9を参照して、本開示の第1の実施形態に係る心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20の構成について説明した。次に、以上説明した心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20における各種の処理手順について、シーケンス図を参照して説明する。
[3.3.脈波伝播時間測定シーケンス]
図10を参照して、本開示の第1の実施形態に係る脈波伝播時間算出方法について説明する。図10は、本開示の第1の実施形態に係る脈波伝播時間算出方法を示すシーケンス図である。
まず、心電情報計測装置10において、被測定者の心電測定が行われる(ステップS101)。具体的には、心電情報計測装置10の心電測定部110によって、被測定者の心電波形が測定される。
次に、測定された心電波形からR波が検出される(ステップS103)。具体的には、第1特徴点検出部152によって、心電波形のR波の立ち上がり点が検出される。
次に、ステップS105で、心電波形からR波が検出されたかどうかが判断される。心電波形からR波が検出されなかった場合、ステップS101に戻り、再度心電測定が行われる。
心電波形からR波が検出された場合、ステップS107に進み、HBC受信部120が起動される。ただし、ステップS107では、HBC受信部120は、所定の期間である脈波情報受信時間だけ起動される。脈波情報受信時間は予め設定されていてよく、例えば、図6に示す受信窓730に対応する時間であってよい。
一方、上記ステップS101〜ステップS107と並行して、脈波情報計測装置20において以下のステップS109〜ステップS119に示す処理が行われる。
まず、脈波情報計測装置20では、脈波測定に先立ち、ステップS109で、脈波検出パケットのシーケンス番号(SNO)714をSNO=0に初期化する処理が行われる。また、この段階では、HBC送信部220はスリープ状態にされている。
次に、被測定者の脈波測定が行われる(ステップS111)。具体的には、脈波情報計測装置20の脈波測定部210によって、被測定者の脈波が測定される。
次に、測定された脈波から立ち上がり点が検出される(ステップS113)。具体的には、第2特徴点検出部242が、脈波を2回時間微分することにより立ち上がり点を検出する。
次に、ステップS115で、脈波から立ち上がり点が検出されたかどうかが判断される。脈波から立ち上がり点が検出されなかった場合、ステップS111に戻り、再度脈波測定が行われる。
脈波から立ち上がり点が検出された場合、ステップS117に進み、HBC送信部220が起動される。また、ステップS117では、16を上限として脈波検出パケットのシーケンス番号(SNO)714を1増加させる処理も併せて行われる。そして、ステップS119で、起動させたHBC送信部220から脈波検出パケット710が、心電情報計測装置10のHBC送信部120に送信される。脈波検出パケット710を送信すると、HBC送信部220はスリープ状態に移行する(ステップS121)。
次いで、脈波検出パケット710が送信された心電情報計測装置10において、以下に示すステップS123〜ステップS127の処理が行われる。
心電情報計測装置10では、ステップS107でHBC受信部120が受信窓730に対応する時間起動されているため、HBC送信部220から送信された脈波検出パケット710を受信することができる。ステップS119で送信された脈波検出パケット710を受信すると、心電情報計測装置10では、脈波検出パケット710が正常に受信できたかどうかが判断される(ステップS123)。正常に受信できたかどうかは、例えば、脈波検出パケット710の誤り検出符号(CRC)715による誤り検出や、シーケンス番号(SNO)714の欠落等に基づいて判断されてよい。
脈波検出パケット710が正常に受信できなかった場合、心電情報計測装置10は、当該脈波検出パケット710を破棄して、ステップS101に戻り、脈波伝播時間を算出するための一連の処理が再度行われる。
脈波検出パケット710が正常に受信できた場合、心電情報と脈波情報とに基づいて、第1特徴点に対応するタイミングと第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間が算出される(ステップS125)。具体的には、第1特徴点に対応するタイミングは、ステップS103で検出された心電波形のR波の立ち上がり点に対応するタイミングであってよく、第2特徴点に対応するタイミングは、ステップS113で検出された脈波の立ち上がり点に対応するタイミングであってよい。
脈波伝播時間が算出されたら、ステップS127で、任意の外部機器に当該脈波伝播時間に関する情報が送信される。そして、当該外部機器において脈波伝播時間に基づいて被測定者の血圧値が算出される。
以上説明したステップS101〜ステップS127の処理が繰り返し行われることにより、被測定者の脈波伝播時間及び血圧が、常時継続的に測定される。
以上、図6、図7、図8、図9及び図10を参照して、本開示の第1の実施形態について説明した。以上説明したように、本開示の第1の実施形態においては、心電情報計測装置10が被測定者の心電波形を測定する。また、脈波情報計測装置20が被測定者の脈波を測定する。そして、脈波情報計測装置20から心電情報計測装置10に脈波に関する情報として脈波検出パケット710が送信され、心電波形に関する心電情報と脈波情報とに基づいて、脈波伝播時間が算出される。このように、脈波情報として、脈波に関する全ての情報(波形データそのもの)を伝送するのではなく、脈波における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報だけを送受信することにより、扱うデータ量をより少なくすることができ、心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20の消費電力をより低減することが可能となる。更に、消費電力が低減されることにより、心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20に搭載される電池(バッテリ)をより小型化することができるため、より優れた携帯性が実現され、被測定者の利便性が向上される。
また、本開示の第1の実施形態においては、脈波情報計測装置20から心電情報計測装置10にデータが送信されるタイミングで、心電情報計測装置10のHBC受信部120及び脈波情報計測装置20のHBC送信部220が起動される。このように、HBC受信部120及びHBC送信部220の起動時間を制限することにより、心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20の消費電力を更に低減することが可能となる。
更に、本開示の第1の実施形態においては、心電情報計測装置10と脈波情報計測装置20との間のデータの伝送が、人体通信を用いて行われる。このように、両装置間の通信方式として、他の無線通信よりも消費電力の少ない人体通信を用いることにより、心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20における低消費電力化が更に実現される。
また、第1の実施形態においては、このように人体通信を用いることにより、心電情報計測装置10と脈波情報計測装置20との間にケーブル等の結線が不要となる。例えば就寝中の血圧を測定するために心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20を装着して睡眠する場合、ケーブル等の結線が存在すると、寝返り等の意図せぬ動作に伴い他の物体と接触、干渉することにより、安定的な血圧測定の妨げとなる可能性がある。第1の実施形態においては、人体通信を用いることによりこのようなケーブル等の結線が不要となるため、より安定的な血圧測定が実現されるとともに、被測定者の利便性が向上される。
更に、第1の実施形態では、心電情報計測装置10において、人体通信用の電極が、心電測定用の電極と兼用される。従って、人体通信を行うための追加の構成が比較的少なくて済み、よりコンパクトでより携帯性に優れた心電情報計測装置10が実現される。
<4.第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。本開示の第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様、心電センサ(心電情報計測装置)と、脈波センサ(脈波情報計測装置)とは、別個の装置として構成される。また、第2の実施形態においては、脈波伝播時間を算出する機能を有しているのは心電情報計測装置であり、心電情報計測装置は、脈波情報計測装置から送信された脈波情報に基づいて脈波伝播時間を算出する。ただし、脈波情報計測装置が脈波を測定する際のシーケンスが、第1の実施形態とは異なる。以下の第2の実施形態についての説明では、第1の実施形態との相違点について主に説明することとし、重複する機能及び構成については詳細な説明を省略する。
[4.1.脈波伝播時間の算出方法]
まず、図11を参照して、本開示の第2の実施形態における、脈波伝播時間の算出方法について具体的に説明する。図11は、本開示の第2の実施形態における、脈波伝播時間の算出方法について説明するための説明図である。ここでは、第1の実施形態における脈波伝播時間の算出方法について示している図6と対比して、第2の実施形態における脈波伝播時間の算出方法について説明する。
図11を参照すると、心電波形C、脈波D、速度脈波E及び加速度脈波Fが同一の時間軸上に図示されている。また、図11には、脈波情報計測装置から心電情報計測装置に脈波情報として脈波検出パケット710が送信されるタイミングについて、上記の波形と関連付けて図示されている。これらの波形及び処理については、図6と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第2の実施形態においては、第1の実施形態に対して、図11に示すように、心電情報計測装置から脈波情報計測装置に心電情報が送信される処理と、脈波情報計測装置による脈波測定が所定の期間である脈波測定時間(測定窓)にだけ行われる処理が追加される。以下の脈波伝播時間の算出方法についての説明では、第2の実施形態において追加されたこれらの処理について主に説明する。
第2の実施形態においては、心電情報計測装置及び脈波情報計測装置は、ともに生体情報送受信部を備え、両装置間で各種のデータの送受信を行うことができる。例えば、心電情報計測装置は、心電波形から第1特徴点を検出すると、心電波形に関する情報である心電情報を、生体情報送受信部を介して脈波情報計測装置に送信する。ここで、第2の実施形態においては、心電情報として、心電波形Cに関する全ての情報(波形データそのもの)ではなく、心電波形CのR波の立ち上がり点aに対応する時間T1に関する情報が送信される。図11に示す例では、心電情報計測装置は、心電情報として、R波検出パケット720を脈波情報計測装置に送信する。なお、心電情報計測装置から脈波情報計測装置へのR波検出パケット720の伝送は、例えば人体通信を利用して行われる。R波検出パケット720は、心電情報計測装置が心電波形Cから立ち上がり点aを検出できたことを示すパケット単位のデータである。このように、心電波形Cに関する全ての情報を送受信するのではなく、心電波形CのR波の立ち上がり点aに対応する時間に関する情報だけを送受信することにより、心電情報計測装置及び脈波情報計測装置の低消費電力化を実現することができる。なお、R波検出パケット720の構成は、図7に示す脈波検出パケット710の構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
また、心電情報計測装置は、R波検出パケット720の他に、前回測定時における脈波伝播時間に関する情報を、生体情報送受信部を介して脈波情報計測装置に送信する。脈波伝播時間に関する情報は、例えば後述する脈波情報計測装置の脈波測定部における脈波測定時間を設定する際に利用される。
また、心電情報計測装置は、R波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を送信するときだけ生体情報送受信部を起動し、それ以外ではスリープ状態にしてもよい。つまり、心電情報計測装置は、生体情報送受信部を時間的に限定的に起動させることができる。
また、心電情報計測装置が脈波検出パケット710を受信するときと同様、脈波情報計測装置は、R波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を受信する際に、所定の期間である心電情報受信時間だけ生体情報送受信部を起動してもよい。R波検出パケット720を受信する際の受信窓は、脈波検出パケット710を受信する際の受信窓730に倣って設定することができる。
なお、図11に示すように、実際の心電波形CのR波の立ち上がり点aに対応する時間と、R波検出パケット720が受信された時間との間には、R波検出パケット720の伝送時間及び生体情報送受信部がR波検出パケット720を受信する時間に起因するタイムラグが生じる。しかし、上述したように、R波検出パケット720の構成は脈波検出パケット710と同様であるため、第1の実施形態で脈波検出パケット710について説明したように、当該タイムラグは500μs程度である。従って、脈波伝播時間が一般的に200ms程度であることを考慮すれば、脈波検出パケット710と同様、R波検出パケット720の送受信に伴うタイムラグが、最終的に算出される血圧値に与える影響は無視することができる。なお、当該タイムラグが予め予測できる場合には、脈波伝播時間を算出する際に当該タイムラグの分を補正する処理を行ってもよい。
第2の実施形態においては、脈波情報計測装置は、所定の期間である脈波測定時間の間のみ、被測定者の脈波の測定を行う。図11に示す例では、脈波情報計測装置において、時間Ts1からTs2までの間、後述する脈波測定部が起動され、当該時間の間に脈波測定が行われる様子を示している。このように脈波測定部が起動されている時間である脈波測定時間のことを、以下の説明では、測定窓750とも呼称する。
測定窓750の基点となる時間Ts1及び測定窓750の時間幅(Ts2−Ts1)は、心電情報計測装置から送信されたR波検出パケット720を受信したタイミングに基づいて決定される。具体的には、被測定者の脈波伝播時間の値が、前回の脈波伝播時間の測定値又は過去の脈波伝播時間の測定値の統計値等に基づいて予測され、当該予測値に基づいて、測定窓750の中心値及び測定窓750の時間幅が決定されてよい。これは、被測定者の脈波伝播時間を連続的に測定した場合、脈波伝播時間は急激に大きくは変化しない性質を利用している。例えば、測定窓750の設定の具体例として、R波検出パケット720を受信したタイミングから、前回の脈波伝播時間の測定値だけ経過した点を測定窓750の中心値として、当該中心値から所定の幅を設けることにより測定窓750が設定されてよい。つまり、脈波情報計測装置がR波検出パケット720を受信したタイミングからToffset2だけ時間が経過した点がTs1であるとすると、Toffset2=(前回の脈波伝播時間の測定値)−(Ts2−Ts1)/2で表される関係であってよい。あるいは、Ts1から前回の脈波伝播時間の測定値に基づいて設定される時間幅だけ時間が経過した点をTs2として、測定窓750が設定されてもよい。ただし、脈波測定時間の時間幅は、脈波の立ち上がり点に対応するタイミングを含み、脈波の拍動の周期よりも短い時間として設定される。なお、Ts1及びTs2の値は被測定者の個人差等に応じて適宜設定されてよい。
このように、第2の実施形態においては、第1の実施形態に対して、脈波測定部の起動時間を制限する処理が追加される。従って、脈波情報計測装置について更なる低消費電力化が実現される。
以上、図11を参照して、本開示の第2の実施形態に係る脈波伝播時間の算出方法について説明した。次に、かかる方法を実現するための具体的な装置の構成について説明する。
[4.2.装置の構成]
図12及び図13を参照して、本開示の第2の実施形態に係る心電情報計測装置及び脈波情報計測装置の構成について具体的に説明する。図12は、本開示の第2の実施形態に係る心電情報計測装置の一構成例を示す機能ブロック図である。また、図13は、本開示の第2の実施形態に係る脈波情報計測装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
(4.2.1.心電情報測定装置)
図12を参照すると、本開示の第2の実施形態に係る心電情報計測装置30は、心電測定部110、HBC送受信部320、通信部130、電源部140及び制御部350を有する。ここで、心電測定部110、通信部130及び電源部140の機能及び構成については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
HBC送受信部320は、人体通信におけるデータ送受信用のモジュールである。第1の実施形態では、心電情報計測装置10は、人体通信によって各種のデータを受信するだけであったが、第2の実施形態においては、心電情報計測装置30は、HBC送受信部320を介して、人体通信によって各種のデータを送受信することができる。HBC送受信部320は、上記[4.2.脈波伝播時間の算出方法]で説明した生体情報送受信部の一例である。本実施形態では、HBC送受信部320は、図11を参照して上述したように、脈波情報計測装置にR波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を送信する。また、HBC送受信部320は、脈波情報計測装置から送信される脈波検出パケット710を受信する。なお、HBC送受信部320の構成は、データの送信機能を追加的に有すること以外は、心電情報計測装置10のHBC受信部120と同様であってよい。
心電測定部110の機能及び構成は、第1の実施形態と同様であるが、第2の実施形態においては、スイッチ117a、117bによる電極111a、111bの接続先の切り換えは、HBC送受信部320によって行われてよい。例えば、心電波形を測定する場合には、スイッチ117a、117bは、電極111a、111bが心電測定部110内における後段の回路である差動アンプ112に接続されるように接続先を切り換える。また、例えば、心電情報計測装置30から脈波情報計測装置40へ各種の情報を人体通信によって送受信する場合には、スイッチ117a、117bは、電極111a、111bがHBC送受信部320に接続されるように接続先を切り換える。このように、情報を送受信する際に、電極111a、111bが後段の差動アンプ112と接続されないことにより、心電測定の結果に送受信した情報が混入することを防ぐことができる。また、第1の実施形態と同様、心電測定はハイインピーダンスで行われるため、心電測定を行う場合と人体通信を行う場合とで電極111a、111bの接続先が切り換えられることにより、心電測定時のインピーダンスの低下を防ぐことができ、心電測定をより高い精度で行うことが可能となる。
制御部350は、心電情報計測装置30を統合的に制御するとともに、心電情報計測装置30によって取得される各種のデータを処理する。具体的には、制御部350は、測定された被測定者の心電波形に関する心電情報に基づいて、心電波形における特徴的な点である第1特徴点を検出する処理を行う。また、制御部350は、HBC送受信部320を起動し、脈波情報計測装置に心電情報及び脈波伝播時間に関する情報を送信する処理を行う。また、制御部350は、HBC送受信部320を所定の期間である脈波情報受信時間だけ起動し、当該脈波情報受信時間の間に、脈波情報計測装置から送信される脈波情報を受信する処理を行う。更に、制御部350は、心電情報と受信した脈波情報とに基づいて、被測定者の脈波伝播時間を算出する処理を行う。以下、制御部350の構成についてより詳細に説明する。
制御部350は、生体情報取得部151、第1特徴点検出部152、送受信制御部353、電源制御部154及び脈波伝播時間算出部155を有する。なお、制御部350の機能及び構成のうち、生体情報取得部151、第1特徴点検出部152、電源制御部154及び脈波伝播時間算出部155については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
送受信制御部353は、脈波情報計測装置との間で各種の情報を人体通信を介して送受信するように、HBC送受信部320を制御する。具体的には、送受信制御部353は、心電情報及び脈波伝播時間に関する情報を人体通信を介して脈波情報計測装置に送信するように、HBC送受信部320を制御する。また、送受信制御部353は、脈波情報計測装置から送信される脈波情報を人体通信を介して受信するように、HBC送受信部320を制御する。ここで、上述したように、心電情報及び脈波情報としては、心電波形及び脈波に関する全ての情報(波形データそのもの)が送受信されるのではなく、心電波形及び脈波における特徴的な点である第1特徴点(例えば、R波の立ち上がり点)及び第2特徴点(例えば、立ち上がり点)に対応するタイミングに関する情報が送受信される。なお、送受信制御部353の機能については、心電情報及び脈波伝播時間に関する情報を脈波情報計測装置に送信する制御を行う以外は、第1の実施形態に係る受信制御部153と同様であってよい。
なお、上述したように、HBC送受信部320は、心電情報及び脈波伝播時間に関する情報を送信するとき、及び脈波情報を受信するときにだけ起動されてもよい。このように、HBC送受信部320の起動が制限される場合には、電源制御部154は、HBC送受信部320を起動するタイミングに合わせてHBC送受信部320に電源を供給するように、電源部140を制御する。
(4.2.2.脈波情報測定装置)
次に、本開示の第2の実施形態に係る脈波情報計測装置の構成について、図13を参照して説明する。図13を参照すると、本開示の第2の実施形態に係る脈波情報計測装置40は、脈波測定部210、HBC送受信部420、電源部230及び制御部440を備える。ここで、脈波測定部210及び電源部230の機能及び構成については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
HBC送受信部420は、人体通信におけるデータ送受信用のモジュールである。第1の実施形態では、脈波情報計測装置20は、人体通信によって各種のデータを送信するだけであったが、第2の実施形態においては、脈波情報計測装置40は、HBC送受信部420を介して、人体通信によって各種のデータを送受信することができる。HBC送受信部420は、上記[4.1.脈波伝播時間の算出方法]で説明した生体情報送受信部の一例である。本実施形態では、HBC送受信部420は、図11を参照して上述したように、心電情報計測装置30から送信される、R波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を受信する。なお、HBC送受信部420は、受信したR波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を、生体情報取得部241に送信する。また、HBC送受信部420は、心電情報計測装置30に脈波検出パケット710を送信する。なお、HBC送受信部420の構成は、データの受信機能を追加的に有すること以外は、脈波情報計測装置20のHBC送信部220と同様であってよい。
制御部440は、脈波情報計測装置40を統合的に制御するとともに、脈波情報計測装置40によって取得される各種のデータを処理する。具体的には、制御部440は、測定された被測定者の脈波に関する脈波情報に基づいて、脈波における特徴的な点である第2特徴点を検出する処理を行う。また、制御部440は、HBC送受信部420を制御し、心電情報計測装置30から送信される、R波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を受信する処理を行う。更に、制御部440は、HBC送受信部420を制御し、脈波情報を心電情報計測装置30に送信する処理を行う。以下、制御部440の構成についてより詳細に説明する。
制御部440は、生体情報取得部241、第2特徴点検出部242、送受信制御部443、電源制御部244及び脈波測定制御部445を有する。なお、制御部440の機能及び構成のうち、生体情報取得部241、第2特徴点検出部242、電源制御部244については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
送受信制御部443は、心電情報計測装置30との間で各種の情報を人体通信を介して送受信するように、HBC送受信部420を制御する。具体的には、送受信制御部443は、心電情報計測装置30から送信されるR波検出パケット及び脈波伝播時間に関する情報を受信するように、HBC送受信部420を制御する。また、送受信制御部443は、脈波情報として脈波検出パケット710を心電情報計測装置30に送信するように、HBC送受信部420を制御する。また、送受信制御部443は、HBC送受信部420が、R波検出パケット及び脈波伝播時間に関する情報を受信するとき、及び脈波検出パケット710を送信するときだけ起動され、それ以外ではスリープ状態となるように、HBC送受信部420を制御してもよい。なお、送受信制御部443の機能については、心電情報及び脈波伝播時間に関する情報を受信する制御を行う以外は、第1の実施形態に係る送信制御部243と同様であってよい。
なお、上述したように、HBC送受信部420は、心電情報及び脈波伝播時間に関する情報を受信するとき、及び脈波情報を送信するときにだけ起動されてもよい。このように、HBC送受信部420の起動が制限される場合には、電源制御部244は、HBC送受信部420を起動するタイミングに合わせてHBC送受信部420に電源を供給するように、電源部230を制御する。
脈波測定制御部445は、被測定者の脈波を測定するように、脈波測定部210の駆動を制御する。具体的には、脈波測定制御部445は、所望のタイミングで発光素子212から被測定者の第2の測定部位(脈波検出部位)に光を照射するように、脈波測定部210のセンシング駆動部214の駆動を制御する。また、脈波測定制御部445は、図11を参照して上述した脈波測定時間の間のみ脈波測定が行われるように、発光素子212の駆動を制御してもよい。なお、脈波測定時間を設定するために、脈波測定制御部445は、R波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を生体情報取得部241から取得することができる。
なお、上述したように、脈波測定部210は、所定の時間である脈波測定時間にだけ起動されてもよい。このように、脈波測定部210の起動が制限される場合には、電源制御部244は、脈波測定部210を起動するタイミングに合わせて脈波測定部210に電源を供給するように、電源部230を制御する。
以上、図12及び図13を参照して、本開示の第2の実施形態に係る心電情報計測装置30及び脈波情報計測装置40の構成について説明した。次に、以上説明した心電情報計測装置30及び脈波情報計測装置40における各種の処理手順について、シーケンス図を参照して説明する。
[4.3.脈波伝播時間測定シーケンス]
図14を参照して、本開示の第2の実施形態に係る脈波伝播時間算出方法について説明する。図14は、本開示の第2の実施形態に係る脈波伝播時間算出方法を示すシーケンス図である。
まず、心電情報計測装置30において、心電測定に先立ち、ステップS201で、R波検出パケット720のシーケンス番号(SNO)をSNO=0に初期化する処理が行われる。また、この段階では、HBC送受信部320はスリープ状態にされている。
次に、心電情報計測装置30において、被測定者の心電測定が行われる(ステップS203)。具体的には、心電情報計測装置30の心電測定部110によって、被測定者の心電波形が測定される。
次に、測定された心電波形からR波が検出される(ステップS205)。具体的には、第1特徴点検出部152によって、心電波形のR波の立ち上がり点が検出される。
次に、ステップS207で、心電波形からR波が検出されたかどうかが判断される。心電波形からR波が検出されなかった場合、ステップS203に戻り、再度心電測定が行われる。
心電波形からR波が検出された場合、ステップS209に進み、HBC送受信部320が起動される。また、ステップS209では、16を上限としてR波検出パケット720のシーケンス番号(SNO)を1増加させる処理も併せて行われる。そして、ステップS211で、起動させたHBC送受信部320からR波検出パケット720及び前回測定時の脈波伝播時間に関する情報が、脈波情報計測装置40のHBC送受信部420に送信される。R波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を送信すると、HBC送受信部320はスリープ状態に移行する(ステップS213)。
一方、脈波情報計測装置40では、R波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を受信するに先立ち、ステップS215で、脈波検出パケット710のシーケンス番号(SNO)714をSNO=0に初期化する処理が行われる。また、この段階では、HBC送受信部420はスリープ状態にされている。更に、脈波情報計測装置40では、R波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を受信するに先立ち、HBC送受信部420が起動される(ステップS217)。ただし、ステップS217では、HBC送受信部420は、所定の期間である心電情報受信時間だけ起動される。心電情報受信時間は、例えば、上記[4.1.脈波伝播時間の算出方法]で説明した方法により予め設定されている。
R波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報を受信した脈波情報計測装置40では、これらの情報に基づいて脈波測定時間が設定される(ステップS219)。なお、脈波測定時間は、例えば図11に示す測定窓750の幅に対応する時間であってよい。
次に、脈波情報計測装置40において、脈波測定部210の発光素子212、例えばLEDが駆動される(ステップS221)。そして、被測定者の脈波測定が行われ(ステップS223)、所定の時間経過後にLEDの駆動が停止される(ステップS225)。なお、ステップS221でLEDが駆動されてから、ステップS225でLEDの駆動が停止されるまでの時間は、ステップS219で設定された脈波測定時間に対応する時間である。
次に、測定された脈波から立ち上がり点が検出される(ステップS227)。具体的には、第2特徴点検出部242が、脈波を2回時間微分することにより立ち上がり点を検出する。
次に、ステップS229で、脈波から立ち上がり点が検出されたかどうかが判断される。脈波から立ち上がり点が検出されなかった場合、ステップS217に戻り、再度R波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報が受信され、脈波測定時間の設定及び脈波測定が行われる。
脈波から立ち上がり点が検出された場合、ステップS231に進み、HBC送受信部420が起動される。また、ステップS231では、16を上限として脈波検出パケット710のシーケンス番号(SNO)714を1増加させる処理も併せて行われる。そして、ステップS233で、起動させたHBC送受信部420から脈波検出パケット710が、心電情報計測装置30のHBC送受信部320に送信される。脈波検出パケット710を送信すると、HBC送受信部420はスリープ状態に移行する(ステップS235)。
一方、心電情報計測装置30では、脈波検出パケット710を受信するに先立ち、HBC送受信部320が起動される(ステップS237)。ただし、ステップS237では、HBC送受信部320は、所定の期間である脈波情報受信時間だけ起動される。脈波情報受信時間は予め設定されていてよく、例えば、図11に示す受信窓730に対応する時間である。
次いで、脈波検出パケット710が送信された心電情報計測装置30において、以下に示すステップS239〜ステップS243の処理が行われる。
心電情報計測装置30においては、ステップS237でHBC送受信部320が受信窓730に対応する時間起動されているため、脈波情報計測装置40のHBC送受信部420から送信された脈波検出パケット710を受信することができる。ステップS233で送信された脈波検出パケット710を受信すると、心電情報計測装置30において脈波検出パケット710が正常に受信できたかどうかが判断される(ステップS239)。正常に受信できたかどうかは、例えば、脈波検出パケット710の誤り検出符号(CRC)715による誤り検出や、シーケンス番号(SNO)714の欠落等に基づいて判断されてよい。
脈波検出パケット710が正常に受信できなかった場合、心電情報計測装置30は、当該脈波検出パケット710を破棄して、ステップS203に戻り、脈波伝播時間を算出するための一連の処理が再度行われる。
脈波検出パケット710が正常に受信できた場合、心電情報と脈波情報とに基づいて、第1特徴点に対応するタイミングと第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間が算出される(ステップS241)。具体的には、第1特徴点に対応するタイミングは、ステップS205で検出された心電波形のR波の立ち上がり点に対応するタイミングであってよく、第2特徴点に対応するタイミングは、ステップS227で検出された脈波の立ち上がり点に対応するタイミングであってよい。
脈波伝播時間が算出されたら、ステップS243で、任意の外部機器に当該脈波伝播時間に関する情報が送信される。そして、当該外部機器において脈波伝播時間に基づいて被測定者の血圧値が算出される。
以上説明したステップS201〜ステップS243の処理が繰り返し行われることにより、被測定者の脈波伝播時間、ひいては血圧が、常時継続的に測定される。
以上、図11、図12、図13及び図14を参照して、本開示の第2の実施形態について説明した。第2の実施形態においては、第1の実施形態において得られる効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本開示の第2の実施形態においては、心電情報計測装置30が被測定者の心電波形を測定する。また、脈波情報計測装置40が、所定の期間である脈波測定時間の間だけ脈波測定部を起動して被測定者の脈波を測定する。このように、脈波を測定する時間を制限することにより、常時脈波を測定する場合と比べて、心電情報計測装置30及び脈波情報計測装置40の消費電力を低減することが可能となる。
また、本開示の第2の実施形態においては、心電情報計測装置30から脈波情報計測装置40にR波検出パケット720及び前回測定時の脈波伝播時間が送信され、脈波情報計測装置40から心電情報計測装置30に脈波検出パケット710が送信される。このように、心電情報及び脈波情報として、心電波形及び脈波に関する全ての情報(波形データそのもの)を伝送するのではなく、心電波形及び脈波における特徴的な点である第1特徴点及び第2特徴点に対応する時間に関する情報だけを送受信することにより、扱うデータ量をより少なくすることができ、心電情報計測装置30及び脈波情報計測装置40の消費電力をより低減することが可能となる。
また、本開示の第2の実施形態においては、心電情報計測装置30と脈波情報計測装置40との間でデータが送受信されるタイミングで、心電情報計測装置30のHBC送受信部320及び脈波情報計測装置40のHBC送受信部420が起動される。このように、HBC送受信部320及びHBC送受信部420の起動時間を制限することにより、心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20の消費電力を更に低減することが可能となる。
<5.第3の実施形態>
次に、本開示の第3の実施形態について説明する。本開示の第3の実施形態においては、第1の実施形態及び第2の実施形態とは異なり、心電センサと脈波センサとが一体型に構成され、1つの装置(生体情報計測装置)に組み込まれる。従って、脈波伝播時間を算出するシーケンスは、第1の実施形態及び第2の実施形態とは異なるものとなる。以下の第3の実施形態についての説明では、第1の実施形態及び第2の実施形態との相違点について主に説明することとし、重複する機能及び構成については詳細な説明を省略する。
[5.1.脈波伝播時間の算出方法]
まず、図15を参照して、本開示の第3の実施形態における、脈波伝播時間の算出方法について具体的に説明する。図15は、本開示の第3の実施形態における、脈波伝播時間の算出方法について説明するための説明図である。ここでは、第2の実施形態における脈波伝播時間の算出方法について示している図11と対比して、第3の実施形態における脈波伝播時間の算出方法について説明する。
図15を参照すると、心電波形C、脈波D、速度脈波E及び加速度脈波Fが同一の時間軸上に図示されている。これらの波形については、図11と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、図15には、脈波測定部を起動するタイミングが、上記の波形と関連付けて図示されている。
図15に示すように、第3の実施形態においては、第2の実施形態と同様に、脈波センサ(脈波測定部)が所定の期間である脈波測定時間だけ起動される処理が行われるが、心電センサと脈波センサとが一体型に構成されることにより、第2の実施形態とはそのシーケンスが異なる。以下ではその相違点について主に説明する。
第3の実施形態においては、上述したように、心電センサと脈波センサとが一体型に構成される。具体的には、第3の実施形態に係る生体情報計測装置は、例えば、指輪型の脈波測定部とパッチ型の心電測定部とを備え、これら両測定部がケーブル等で接続されることにより、1つの装置として構成される。なお、生体情報計測装置を統合的に制御する制御部は、脈波測定部が含まれる脈波測定用のユニットに搭載されてもよいし、心電測定部が含まれる心電測定用のユニットに搭載されてもよい。
まず、心電測定部が被測定者の心電波形Cを測定し、制御部において、心電波形Cから第1特徴点が検出される。図15に示す例では、第1特徴点として心電波形CにおけるR波の立ち上がり点aを検出している。
立ち上がり点aが検出されると、立ち上がり点aに対応するタイミングT1に基づいて、脈波測定部が起動される脈波測定時間が設定される。図15に示す例では、時間Ts1からTs2までの間、脈波測定部が起動されている。この脈波測定部が起動されている時間は、第2の実施形態における脈波測定時間(測定窓750)に対応するものである。ここで、Ts1は、例えば、T1からToffset3だけ経過した点である。Toffset3及び脈波測定時間の時間幅(Ts2−Ts1)の値は、例えば、脈波伝播時間の前回測定時の値又は脈波伝播時間の過去の測定値の統計値等に基づいて設定される。これは、被測定者の脈波伝播時間を連続的に測定した場合、脈波伝播時間は急激に大きくは変化しない性質を利用している。
以上、図15を参照して、本開示の第3の実施形態に係る脈波伝播時間の算出方法について説明した。次に、かかる方法を実現するための具体的な装置の構成について説明する。
[5.2.装置の構成]
図16を参照して、本開示の第3の実施形態における、生体情報計測装置の構成について具体的に説明する。図16は、本開示の第3の実施形態に係る生体情報計測装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
図16を参照すると、本開示の第3の実施形態に係る生体情報計測装置50は、心電測定部110、脈波測定部210、通信部130、電源部540及び制御部550を備える。ここで、心電測定部110、脈波測定部210及び通信部130の機能及び構成については、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、電源部540の機能及び構成は、第1の実施形態に係る電源部140及び第2の実施形態に係る電源部230と同様であるため、詳細な説明は省略する。従って、第3の実施形態については、制御部550の機能及び構成について主に説明を行う。
制御部550は、生体情報計測装置50を統合的に制御するとともに、生体情報計測装置50によって取得される各種のデータを処理する。具体的には、制御部550は、測定された被測定者の心電波形に関する心電情報に基づいて、心電波形における特徴的な点である第1特徴点を検出する処理を行う。また、制御部550は、測定された被測定者の脈波に関する脈波情報に基づいて、脈波における特徴的な点である第2特徴点を検出する処理を行う。更に、制御部550は、取得した心電情報と脈波情報とに基づいて、被測定者の脈波伝播時間を算出する処理を行う。以下、制御部550の構成についてより詳細に説明する。
制御部550は、生体情報取得部551、第1特徴点検出部152、第2特徴点検出部242、脈波測定制御部445、電源制御部554及び脈波伝播時間算出部155を有する。なお、制御部550の機能及び構成のうち、第1特徴点検出部152、第2特徴点検出部242、脈波測定制御部445及び脈波伝播時間算出部155については、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。また、電源制御部554の機能及び構成は、第1の実施形態に係る電源制御部154及び第2の実施形態に係る電源制御部244と同様である。
生体情報取得部551は、被測定者の生体活動に関する生体情報を取得する。ここで、生体情報には、被測定者の生体活動に関するあらゆる情報が含まれてよい。
本実施形態においては、生体情報取得部551は、生体情報として、第1の測定部位で測定された、被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報を取得する。具体的には、当該第1波形情報は、心電測定部110によって被測定者の胸部で測定された心電波形に関する心電情報であってよい。また、生体情報取得部551は、生体情報として、第2の測定部位で測定された、被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報を取得する。具体的には、当該第2波形情報は、脈波測定部210によって被測定者の手の指で測定された脈波に関する脈波情報であってよい。生体情報取得部551は、取得した心電情報を第1特徴点検出部152に送信する。また、生体情報取得部551は、取得した脈波情報を第2特徴点検出部242に送信する。
第1特徴点検出部152は、心電情報に基づいて、心電波形における特徴的な点である第1特徴点を検出する。本実施形態においては、第1特徴点検出部152は、第1特徴点として、心電波形のR波の立ち上がり点を検出する。第1特徴点検出部152は、検出したR波の立ち上がり点に関する情報を脈波測定制御部445及び脈波伝播時間算出部155に送信する。
第2特徴点検出部242は、脈波情報に基づいて、脈波における特徴的な点である第2特徴点を検出する。本実施形態においては、第2特徴点検出部242は、第2特徴点として、脈波の立ち上がり点を検出する。なお、第2特徴点検出部242は、上記[3.1.脈波伝播時間の算出方法]で説明したように、脈波を2回時間微分することにより立ち上がり点を検出してもよい。第2特徴点検出部242は、検出した立ち上がり点に関する情報を脈波伝播時間算出部155に送信する。
脈波測定制御部445は、脈波測定部210の駆動を制御することにより、被測定者の脈波を測定する制御を行う。具体的には、脈波測定制御部445は、図15を参照して説明した脈波測定時間の間のみ発光素子212から光を照射することにより、脈波を測定する制御をしてもよい。なお、脈波測定時間を決定するために、脈波測定制御部445は、送信された心電波形のR波の立ち上がり点に関する情報及び前回測定時の脈波伝播時間の測定値に関する情報を利用してもよい。
電源制御部554は、生体情報計測装置50の各構成部材に電源を供給するように、電源部540を制御する。例えば、電源制御部554は、上述した脈波測定時間の間、脈波測定部210に電源を供給するように、電源部540を制御する。
脈波伝播時間算出部155は、心電情報と脈波情報とに基づいて、第1特徴点に対応する時間と第2特徴点に対応する時間との差分である脈波伝播時間を算出する。図16に示す例では、脈波伝播時間算出部155は、第1特徴点に関する情報を第1特徴点検出部152から受信し、第2特徴点に関する情報を第2特徴点検出部242から受信することにより、脈波伝播時間を算出する。脈波伝播時間算出部155によって算出された脈波伝播時間に関する情報は、通信部130を介して任意の外部機器に送信され、当該外部機器において脈波伝播時間に基づいて被測定者の血圧値が算出される。
以上、図16を参照して、本開示の第3の実施形態に係る生体情報計測装置50の構成について説明した。次に、以上説明した生体情報計測装置50における各種の処理手順について、フロー図を参照して説明する。
[5.3.脈波伝播時間測定シーケンス]
図17を参照して、本開示の第3の実施形態に係る脈波伝播時間算出方法について説明する。図17は、本開示の第3の実施形態に係る脈波伝播時間算出方法を示すフロー図である。
まず、ステップS301で、心電波形と脈波が測定され、その測定結果に基づいて脈波伝播時間が算出される。ここで、ステップS301においては、心電波形及び脈波の測定時に脈波測定時間は設定されず、心電波形及び脈波が連続的に測定されてよい。
次いで、ステップS301で算出された脈波伝播時間の値が安定しているかどうかが判断される(ステップS303)。なお、脈波伝播時間の値が安定しているかどうかは、例えば連続して測定された脈波伝播時間の値の差分が、所定のしきい値以下に収まっているかどうかで判断されてよい。脈波伝播時間の値が安定していないと判断された場合は、ステップS301に戻り、再度心電波形と脈波が測定され、脈波伝播時間が算出される。つまり、脈波伝播時間が安定的に取得できるようになるまで、ステップS301及びステップS303の処理が繰り返される。
脈波伝播時間の値が安定していると判断された場合は、ステップS305に進む。ステップS305では、心電測定部110によって被測定者の心電測定が行われる。
次に、測定された心電波形からR波が検出される(ステップS307)。具体的には、第1特徴点検出部152によって、心電波形のR波の立ち上がり点が検出される。
次に、ステップS309で、心電波形からR波が検出されたかどうかが判断される。心電波形からR波が検出されなかった場合、ステップS305に戻り、再度心電測定が行われる。
心電波形からR波が検出された場合、ステップS311に進む。ステップS311では、検出されたR波の立ち上がり点に対応する時間と、ステップS301で算出された安定的な脈波伝播時間の値と、に基づいて、脈波測定時間が設定される。なお、当該脈波測定時間は、例えば図15に示す測定窓750の時間幅に対応する時間である。
次に、脈波測定制御部445の制御により、脈波測定部210の発光素子212、例えばLEDが駆動される(ステップS313)。そして、被測定者の脈波測定が行われ(ステップS315)、所定の時間経過後にLEDの駆動が停止される(ステップS317)。なお、ステップS313でLEDが駆動されてから、ステップS317でLEDの駆動が停止されるまでの時間は、ステップS311で設定された脈波測定時間に対応する時間である。
次に、測定された脈波から立ち上がり点が検出される(ステップS319)。具体的には、第2特徴点検出部242が、脈波を2回時間微分することにより立ち上がり点を検出する。
次に、ステップS321で、脈波から立ち上がり点が検出されたかどうかが判断される。脈波から立ち上がり点が検出されなかった場合、ステップS311に戻り、再度脈波測定が行われる。
脈波から立ち上がり点が検出された場合、ステップS323に進み、心電情報と脈波情報とに基づいて、第1特徴点に対応する時間と第2特徴点に対応する時間との差分である脈波伝播時間が算出される(ステップS323)。具体的には、第1特徴点に対応する時間は、ステップS307で検出された心電波形のR波の立ち上がり点に対応する時間であってよく、第2特徴点に対応する時間は、ステップS319で検出された脈波の立ち上がり点に対応する時間であってよい。
脈波伝播時間が算出されたら、ステップS325で、任意の外部機器に当該脈波伝播時間に関する情報が送信される。そして、当該外部機器において脈波伝播時間に基づいて被測定者の血圧値が算出される。
以上説明したステップS301〜ステップS325の処理が繰り返し行われることにより、被測定者の脈波伝播時間、ひいては血圧が、常時継続的に測定される。
以上、図15、図16及び図17を参照して、本開示の第3の実施形態について説明した。本開示の第3の実施形態においては、心電測定部110が被測定者の心電波形を測定する。また、脈波測定部210が、所定の期間である脈波測定時間の間だけ起動され、被測定者の脈波を測定する。このように、脈波を測定する時間を制限することにより、常時脈波を測定する場合と比べて、生体情報計測装置50の消費電力を低減することが可能となる。また、測定される脈波に関する情報量が低減されるため、脈波伝播時間を算出するための一連の処理において扱われる情報量が低減され、生体情報計測装置50の消費電力を更に低減することが可能となる。
<6.変形例>
次に、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態における変形例について説明する。
[6.1.第1の波形について]
上記では、第1の波形が心電波形である場合について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。第1の波形は、被測定者の拍動を表す波形であれば、他の波形であってもよい。例えば、第1の波形は被測定者の心音を表す波形であってもよい。また、例えば、第1の波形は、第2の波形である脈波とは異なる測定部位で測定された脈波であってもよい。
第1の波形が心音である場合、図8、12、16で図示した心電測定部110の代わりに、心音測定部を用いて第1の波形が測定される。このような心音測定部の構成について、図18を参照して説明する。図18は、第1の波形が心音である場合の、心音測定部の一構成例を示す概略図である。なお、当該心音測定部によって測定された心音が、制御部に送信されて以降の処理については、上記<3.第1の実施形態>、上記<4.第2の実施形態>及び上記<5.第3の実施形態>で説明した制御部150、350、550における心電波形に対する処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図18を参照すると、本変形例に係る心音測定部160は、例えば、マイクロフォン161、マイクアンプ162、バンドパスフィルタ163及びADコンバータ164から構成される。
マイクロフォン161は、例えば、コンデンサ型のマイクロフォンであり、心音に関する信号をマイクアンプ162に入力する。
マイクアンプ162は、入力された心音に関する信号を増幅し、バンドパスフィルタ163に入力する。バンドパスフィルタ163は、入力された心音に関する信号から所望の帯域以外の周波数成分を除去して、ADコンバータ164に入力する。ここで、マイクアンプ162のゲイン及びバンドパスフィルタ163のカットオフ帯域等は、心音の測定値の精度や、後段の信号処理方法等を考慮して、適宜設定されてよい。
ADコンバータ164は、バンドパスフィルタ163から入力された心音に関するアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御部150、350、550に送信する。
なお、第1の波形が心音である場合、心音を表す波形における特徴的な点でなる第1特徴点は、例えばI音を表す点であってよい。従って、本変形例においては、制御部150、350、550の第1特徴点検出部152は、第1特徴点として、心音を表す波形から、I音を表す点を検出する。また、その後の脈波伝播時間の算出には、I音を表す点に対応する時間が第1特徴点に対応する時間T1として用いられる。
更に、第1の波形が心音である場合、心電情報計測装置10、30から脈波情報計測装置20、40に送信される心電情報には、R波検出パケット720の代わりにI音検出パケットが用いられてよい。また、脈波情報計測装置20、40がI音検出パケットを検出した時間に基づいて、HBC受信部120及びHBC送受信部320の受信窓730が設定されてよい。また、脈波情報計測装置20、40がI音検出パケットを受信した時間に基づいて、脈波測定部210の測定窓750が設定されてよい。なお、I音検出パケットの構成は、脈波検出パケット710及びR波検出パケット720の構成と同様であってよい。
また、第1の波形が、第2の波形である脈波とは異なる測定部位で測定された脈波である場合には、図8、12、16で図示した心電測定部110の代わりに、図9、13、16で図示した脈波測定部210を用いて第1の波形が測定される。また、その場合、第1の波形である脈波の立ち上がり点を第1特徴点として、上記<3.第1の実施形態>、上記<4.第2の実施形態>及び上記<5.第3の実施形態>で説明した処理と同様の処理が行われる。
[6.2.脈波の測定部位について]
上記では、脈波を測定する測定部位(第2の測定部位)が被測定者の手の指である場合について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。第2の測定部位は手の指以外の部位であってもよく、例えば、耳であってもよい。
第2の測定部位が被測定者の耳である場合の、脈波情報計測装置の構成について、図19A〜図19Cを参照して説明する。図19A〜図19Cは、第2の測定部位が被測定者の耳である場合の、脈波情報計測装置の外観例を示す概略図である。なお、当該脈波情報計測装置の内部の機能及び構成については、上記<3.第1の実施形態>及び上記<4.第2の実施形態>における脈波情報計測装置20、40の機能及び構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、以下の本変形例についての説明では、第1の実施形態及び第2の実施形態に対する変形例について説明を行う。ただし、本変形例は第3の実施形態に対しても適用することが可能である。本変形例が第3の実施形態に対して適用される場合、図19A〜図19Cは、生体情報計測装置50の脈波測定部210の変形例を図示していることに対応する。その場合、図19A〜図19Cに示す脈波測定部210の変形例において、その内部の機能及び構成は、上記<5.第3の実施形態>における脈波測定部210の機能及び構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図19A〜図19Cを参照すると、本変形例に係る脈波情報計測装置630は、クリップ状の形状を有し、第1測定部631と第2測定部632とで、人体600の一部位である耳の一部領域を挟むように装着される。図19Aは、脈波情報計測装置630が耳に装着された様子を示す正面図であり、図19Bは、脈波情報計測装置630が耳に装着された様子を示す側面図である。
また、図19Cは、脈波情報計測装置630を開いた様子を示す概略図である。図19Cを参照すると、第1測定部631の測定部位である耳と接触する面には、発光素子634及び電極635が設けられる。発光素子634は例えば赤外光を照射するLEDである。また、第2測定部632の測定部位である耳と接触する面には、受光素子636及び電極637が設けられる。受光素子636は例えばフォトダイオードである。また、図19Bに示すように、例えば、発光素子634と受光素子636とは、脈波情報計測装置630を耳に装着したときに、耳を挟んで互いに対向する位置に設けられる。
ここで、発光素子634及び受光素子636は、図5Bに示す発光素子623及び受光素子624並びに図9、13に示す発光素子212、受光素子213に対応するものである。つまり、本変形例に係る脈波情報計測装置630は、発光素子634から照射された光の耳における透過光及び/又は散乱光等を受光素子636によって検出することにより、被測定者の脈波を測定することができる。
また、電極635、637は、図5Bに示す電極626、627及び図9、13に示す電極221a、221bに対応するものである。つまり、本変形例に係る脈波情報計測装置630は、電極635、637を人体通信用の電極として用いることにより、人体通信によって、心電情報計測装置との間で各種の情報を送受信することができる。
[6.3.脈波伝播時間算出部について]
上記<4.第2の実施形態>では、心電情報計測装置30が脈波伝播時間を算出する機能を有している場合について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。第2の実施形態のように、心電情報計測装置30と脈波情報計測装置40とが相互に各種の情報を送受信する場合には、脈波伝播時間は脈波情報計測装置40で算出されてもよい。
脈波情報計測装置40が脈波伝播時間を算出する機能を有する場合、例えば、以下のような手順で脈波伝播時間が算出される。
まず、心電情報計測装置によって、被測定者の心電波形が測定される。心電情報計測装置は、測定された心電波形から第1特徴点(例えば、R波の立ち上がり点)を検出し、心電情報として、R波検出パケット720及び前回測定時の脈波伝播時間に関する情報を脈波情報計測装置に送信する。
脈波情報計測装置では、送信されたR波検出パケット720及び脈波伝播時間に関する情報に基づいて、所定の時間である脈波測定時間が設定され、当該脈波測定時間に、被測定者の脈波が測定される。また、測定された脈波から第2特徴点(例えば、脈波の立ち上がり点)が検出される。そして、心電情報計測装置から送信されたR波検出パケットと検出した第2特徴点とに基づいて、第1特徴点に対応するタイミングと第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する。
以下、脈波情報計測装置40が脈波伝播時間を算出する機能を有する場合の、脈波情報計測装置の構成について、図20を参照して説明する。図20は、脈波情報計測装置40が脈波伝播時間を算出する機能を有する場合の、脈波情報計測装置の構成を示す機能ブロック図である。
図20を参照すると、本変形例に係る脈波情報計測装置70は、脈波測定部210、HBC送受信部420、電源部230、制御部740及び通信部130を備える。なお、図20に示す脈波情報計測装置70は、第2の実施形態に係る脈波情報計測装置40に対して、通信部130が追加され、更に制御部740に後述する脈波伝播時間算出部756が追加されたものに対応する。また、通信部130の機能及び構成は、図8、図12及び図16に示す心電情報計測装置10、30及び生体情報計測装置50の通信部130の機能及び構成と同様である。従って、以下の脈波情報計測装置70についての説明では、制御部740の機能及び構成について主に説明し、その他の構成については詳細な説明を省略する。
制御部740は、脈波情報計測装置70を統合的に制御するとともに、脈波情報計測装置70によって取得される各種のデータを処理する。具体的には、制御部740は、測定された被測定者の脈波に関する脈波情報に基づいて、脈波における特徴的な点である第2特徴点を検出する処理を行う。また、制御部740は、HBC送受信部420を制御し、心電情報計測装置から送信される、心電情報(R波検出パケット720)及び脈波伝播時間に関する情報を受信する処理を行う。更に、制御部740は、脈波情報、受信した心電情報と、に基づいて、被測定者の脈波伝播時間を算出する処理を行う。以下、制御部740の構成についてより詳細に説明する。
制御部740は、生体情報取得部241、第2特徴点検出部242、電源制御部244、送受信制御部443、脈波測定制御部445及び脈波伝播時間算出部756を有する。ここで、生体情報取得部241、第2特徴点検出部242、電源制御部244、送受信制御部443及び脈波測定制御部445の機能及び構成は、図9及び図13に示す脈波情報計測装置20、40の生体情報取得部241、第2特徴点検出部242、電源制御部244、送受信制御部443及び脈波測定制御部445の機能及び構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
脈波伝播時間算出部756は、心電情報と脈波情報とに基づいて、第1特徴点に対応するタイミングと第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する。本変形例では、脈波伝播時間算出部756は、第1特徴点に関する情報をHBC送受信部420及び生体情報取得部241を介して、心電情報計測装置から受信し、第2特徴点に関する情報を第2特徴点検出部242から受信することにより、脈波伝播時間を算出する。脈波伝播時間算出部756によって算出された脈波伝播時間に関する情報は、通信部130を介して任意の外部機器に送信され、当該外部機器において脈波伝播時間に基づいて被測定者の血圧値が算出される。
<7.ハードウェア構成>
次に、図21を参照して、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る生体情報計測装置のハードウェア構成について説明する。図21は、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る生体情報計測装置のハードウェア構成の一例を示す機能ブロック図である。
生体情報計測装置10、20、30、40、50、70は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、生体情報計測装置10、20、30、40、50、70は、更に、内部バス907と、センサ909と、入力装置911と、出力装置913と、ストレージ装置915と、通信装置917とを備える。
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、ROM903、RAM905又はストレージ装置915等に記録された各種プログラムに従って、生体情報計測装置10、20、30、40、50、70内の動作全般又はその一部を制御する。CPU901は、例えば、本開示の各実施形態においては、制御部150、240、350、440、550、740に対応する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化されるパラメータ等を一次記憶する。CPU901、ROM903及びRAM905は、CPUバス等のバスにより構成される内部バス907により相互に接続されている。更に、内部バス907には、各種のインターフェース、すなわち、センサ909、入力装置911、出力装置913、ストレージ装置915、通信装置917が接続される。
センサ909は、例えば、ユーザに固有の生体情報、又は、かかる生体情報を取得するために用いられる各種情報を検出する検出手段である。本開示の各実施形態においては、センサ909は、心電測定部110、脈波測定部210及び心音測定部160に対応する。また、上述のもの以外の一例として、センサ909は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の各種の撮像素子を有していてもよい。センサ909が各種の撮像素子を有する場合、センサ909は、生体部位を撮像するために用いられるレンズ等の光学系や光源等を更に有していてもよい。なお、センサ909は、上述のもの以外にも、温度計、照度計、湿度計、速度計、加速度計などの各種の公知の測定機器を備えていてもよい。
ここで、図8、図9、図12、図13及び図16では明示しなかったが、生体情報計測装置10、20、30、40、50、70は、入力装置911、出力装置913及びストレージ装置915を更に備えてもよい。
入力装置911は、例えば、タッチパネル、ボタン及びスイッチ等、ユーザが操作する操作手段である。また、入力装置911は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよい。更に、入力装置911は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。生体情報計測装置10、20、30、40、50、70のユーザは、この入力装置911を操作することにより、生体情報計測装置10、20、30、40、50、70に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置913は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプ等の表示装置や、スピーカ及びヘッドホン等の音声出力装置等がある。出力装置913は、例えば、生体情報計測装置10、20、30、40、50、70が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、生体情報計測装置10、20、30、40、50、70が行った各種処理により得られた結果を、テキスト又はイメージで表示する。本開示の各実施形態においては、表示装置は、例えば、測定された被測定者の心電波形に関する情報や脈波に関する情報を表示してもよい。また、音声出力装置は、例えば、脈波伝播時間算出に関する一連の測定が終了した旨をユーザに伝達するために、スピーカを介してアラーム音やブザー音等を出力してもよい。
ストレージ装置915は、生体情報計測装置10、20、30、40、50、70の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置915は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等により構成される。ストレージ装置915には、CPU901が実行するプログラムや各種データ及び外部から取得した各種のデータ等が格納される。例えば、本開示の実施形態においては、ストレージ装置915は、測定された被測定者の心電波形に関する情報及び脈波に関する情報、並びに算出された脈波伝播時間に関する情報を記憶してもよい。
通信装置917は、例えば、通信網919に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースであり、本開示の各実施形態においては、通信部130に対応する。通信装置917は、例えば、有線又は無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置917は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ又は各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置917は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置917に接続される通信網919は、有線又は無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信又は衛星通信等であってもよい。
また、図21には明示していないが、生体情報計測装置10、20、30、40、50、70は、各種のリムーバブル記憶媒体に対して情報の書き込み動作及び読み出し動作を行うためのドライブを更に備えてもよい。また、生体情報計測装置10、20、30、40、50、70は、各種の外部機器と直接接続し、当該外部機器との間で相互に情報を伝送するための接続ポートを更に備えてもよい。生体情報計測装置10、20、30、40、50、70がドライブや接続ポートを備える場合には、通信装置917を介して伝送される各種の情報が、これらドライブ及び/又は接続ポートによって伝送されてもよい。ただし、生体情報計測装置10、20、30、40、50、70のハードウェア構成は、その消費電力をより少なくすることを考慮して適切な構成が選択され得る。
以上、本発明の実施形態に係る生体情報計測装置10、20、30、40、50、70の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る生体情報計測装置10、20、30、40、50、70の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
<8.まとめ>
以上説明したように、本開示の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る生体情報計測装置、生体情報計測システム及び生体情報計測方法によれば、以下の効果が得られる。
本開示の第1の実施形態においては、心電情報計測装置10が被測定者の心電波形を測定する。また、脈波情報計測装置20が被測定者の脈波を測定する。そして、脈波情報計測装置20から心電情報計測装置10に脈波に関する情報として脈波検出パケット710が送信され、心電波形に関する心電情報と脈波情報とに基づいて、脈波伝播時間が算出される。このように、脈波情報として、脈波に関する全ての情報(波形データそのもの)を伝送するのではなく、脈波における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報だけを送受信することにより、扱うデータ量をより少なくすることができ、心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20の消費電力をより低減することが可能となる。更に、消費電力が低減されることにより、心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20に搭載される電池(バッテリ)をより小型化することができるため、より優れた携帯性が実現され、被測定者の利便性が向上される。
また、本開示の第1の実施形態においては、脈波情報計測装置20から心電情報計測装置10にデータが送信されるタイミングで、心電情報計測装置10のHBC受信部120及び脈波情報計測装置20のHBC送信部220が起動される。このように、HBC受信部120及びHBC送信部220の起動時間を制限することにより、心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20の消費電力を更に低減することが可能となる。
更に、本開示の第1の実施形態においては、心電情報計測装置10と脈波情報計測装置20との間のデータの伝送が、人体通信を用いて行われる。このように、両装置間の通信方式として、他の無線通信よりも消費電力の少ない人体通信を用いることにより、心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20における低消費電力化が更に実現される。
また、本開示の第1の実施形態においては、このように人体通信を用いることにより、心電情報計測装置10と脈波情報計測装置20との間にケーブル等の結線が不要となる。例えば就寝中の血圧を測定するために心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20を装着して睡眠する場合、ケーブル等の結線が存在すると、寝返り等の意図せぬ動作に伴い他の物体と接触、干渉することにより、安定的な血圧測定の妨げとなる可能性がある。第1の実施形態においては、人体通信を用いることによりこのようなケーブル等の結線が不要となるため、より安定的な血圧測定が実現されるとともに、被測定者の利便性が向上される。
更に、本開示の第1の実施形態では、心電情報計測装置10において、人体通信用の電極が、心電測定用の電極と兼用される。従って、人体通信を行うための追加の構成が比較的少なくて済み、よりコンパクトでより携帯性に優れた心電情報計測装置10が実現される。
また、本開示の第2の実施形態においては、上述した第1の実施形態において得られる効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本開示の第2の実施形態においては、心電情報計測装置30が被測定者の心電波形を測定する。また、脈波情報計測装置40が、所定の期間である脈波測定時間の間だけ脈波測定部を起動して被測定者の脈波を測定する。このように、脈波を測定する時間を制限することにより、常時脈波を測定する場合と比べて、心電情報計測装置30及び脈波情報計測装置40の消費電力を低減することが可能となる。
また、本開示の第2の実施形態においては、心電情報計測装置30から脈波情報計測装置40にR波検出パケット720及び前回測定時の脈波伝播時間が送信され、脈波情報計測装置40から心電情報計測装置30に脈波検出パケット710が送信される。このように、心電情報及び脈波情報として、心電波形及び脈波に関する全ての情報(波形データそのもの)を伝送するのではなく、心電波形及び脈波における特徴的な点である第1特徴点及び第2特徴点に対応する時間に関する情報だけを送受信することにより、扱うデータ量をより少なくすることができ、心電情報計測装置30及び脈波情報計測装置40の消費電力をより低減することが可能となる。
また、本開示の第2の実施形態においては、心電情報計測装置30と脈波情報計測装置40との間でデータが送受信されるタイミングで、心電情報計測装置30のHBC送受信部320及び脈波情報計測装置40のHBC送受信部420が起動される。このように、HBC送受信部320及びHBC送受信部420の起動時間を制限することにより、心電情報計測装置10及び脈波情報計測装置20の消費電力を更に低減することが可能となる。
更に、本開示の第3の実施形態においては、心電測定部110が被測定者の心電波形を測定する。また、脈波測定部210が、所定の期間である脈波測定時間の間だけ起動され、被測定者の脈波を測定する。このように、脈波を測定する時間を制限することにより、常時脈波を測定する場合と比べて、生体情報計測装置50の消費電力を低減することが可能となる。また、測定される脈波に関する情報量が低減されるため、脈波伝播時間を算出するための一連の処理において扱われる情報量が低減され、生体情報計測装置50の消費電力を更に低減することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、を少なくとも取得する生体情報取得部と、前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する脈波伝播時間算出部と、を備える、生体情報計測装置。
(2)前記第2波形情報を少なくとも受信する生体情報受信部を更に備え、前記生体情報受信部は、所定の期間である第2波形情報受信時間だけ起動され、前記第2波形情報受信時間の間に前記第2波形情報を受信する、前記(1)に記載の生体情報計測装置。
(3)前記第2波形情報受信時間は、前記第1の波形の前記第1特徴点に対応するタイミングに基づいて決定される、前記(2)に記載の生体情報計測装置。
(4)前記第2の波形は、前記第2特徴点に対応するタイミングを含み、前記第2の波形の拍動の周期よりも短い時間である、第2波形測定時間の間のみ測定される、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
(5)前記第2波形測定時間は、前記第1の波形の第1特徴点に対応するタイミングと、前記脈波伝播時間と、に基づいて決定される、前記(4)に記載の生体情報計測装置。
(6)前記第1波形情報及び前記第2波形情報の少なくともいずれかは、人体通信によって伝送され、前記生体情報取得部は、前記人体通信を介して、前記第1波形情報及び前記第2波形情報の少なくともいずれかを取得する、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
(7)前記生体情報受信部は、他の装置から人体通信によって前記第2波形情報を受信する、前記(2)に記載の生体情報計測装置。
(8)前記第1の波形は被測定者の心電波形であり、前記第2の波形は被測定者の脈波であり、少なくとも1対の電極を有し、前記電極によって前記心電波形を測定する心電測定部を更に備え、前記生体情報受信部は、前記電極を介して前記人体通信を行う、前記(7)に記載の生体情報計測装置。
(9)前記電極は、前記人体通信が行われる場合に、前記生体情報受信部に接続される、前記(8)に記載の生体情報計測装置。
(10)前記第1の波形を測定する第1波形測定部と、前記第2の波形を測定する第2波形測定部と、を更に備え、前記第2波形測定部は、前記第2特徴点に対応するタイミングを含み、前記第2の波形の周期よりも短い時間である、第2波形測定時間の間にのみ、前記第2の波形を測定する、前記(1)に記載の生体情報計測装置。
(11)前記第1の波形は被測定者の心電波形であり、前記第2の波形は被測定者の脈波であり、前記第1の波形の前記第1特徴点は、前記心電波形のR波の立ち上がり点であり、前記第2の波形の前記第2特徴点は、前記脈波の立ち上がり点である、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
(12)前記第1の波形は被測定者の心音を表す波形であり、前記第2の波形は被測定者の脈波であり、前記第1の波形の前記第1特徴点は、前記心音のI音に基づいて決定される、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
(13)前記第1の波形及び前記第2の波形は、被測定者の互いに異なる測定部位で測定された脈波である、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
(14)第1の測定部位で被測定者の拍動を表す第1の波形を測定する第1波形測定部と、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点を検出する第1特徴点検出部と、を有する第1波形情報計測装置と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で被測定者の拍動を表す第2の波形を測定する第2波形測定部と、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点を検出する第2特徴点検出部と、測定された前記第2の波形に関する第2波形情報を送信する生体情報送信部と、を有する第2波形情報計測装置と、を備え、前記第1波形情報計測装置は、前記第2波形情報を受信する生体情報受信部と、前記第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する脈波伝播時間算出部と、を更に有し、前記生体情報送信部は、前記第2波形情報として、前記第2特徴点に対応するタイミングに関する情報を送信する、生体情報計測システム。
(15)前記第2波形測定部は、前記第2特徴点に対応するタイミングを含み、前記第2の波形の拍動の周期よりも短い時間である、第2波形測定時間の間にのみ、前記第2の波形を測定する、前記(14)に記載の生体情報計測システム。
(16)第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、を少なくとも取得することと、前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出することと、を含む、生体情報計測方法。
(17)コンピュータに、第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、を少なくとも取得する機能と、前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する機能と、
を実現させるためのプログラム。
10、30 心電情報計測装置
20、40、70 脈波情報計測装置
50 生体情報計測装置
110 心電測定部
120 HBC受信部
130 通信部
140、230 電源部
150、240、350、440、550、740 制御部
151、241、551 生体情報取得部
152 第1特徴点検出部
153 受信制御部
154、244 電源制御部
155、756 脈波伝播時間算出部
210 脈波測定部
220 HBC送信部
242 第2特徴点検出部
243 送信制御部
320、420 HBC送受信部
353、443 送受信制御部
445 脈波測定制御部

Claims (17)

  1. 第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、を少なくとも取得する生体情報取得部と、
    前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する脈波伝播時間算出部と、
    を備える、生体情報計測装置。
  2. 前記第2波形情報を少なくとも受信する生体情報受信部を更に備え、
    前記生体情報受信部は、所定の期間である第2波形情報受信時間だけ起動され、前記第2波形情報受信時間の間に前記第2波形情報を受信する、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  3. 前記第2波形情報受信時間は、前記第1の波形の前記第1特徴点に対応するタイミングに基づいて決定される、
    請求項2に記載の生体情報計測装置。
  4. 前記第2の波形は、前記第2特徴点に対応するタイミングを含み、前記第2の波形の拍動の周期よりも短い時間である、第2波形測定時間の間のみ測定される、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  5. 前記第2波形測定時間は、前記第1の波形の第1特徴点に対応するタイミングと、前記脈波伝播時間と、に基づいて決定される、
    請求項4に記載の生体情報計測装置。
  6. 前記第1波形情報及び前記第2波形情報の少なくともいずれかは、人体通信によって伝送され、
    前記生体情報取得部は、前記人体通信を介して、前記第1波形情報及び前記第2波形情報の少なくともいずれかを取得する、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  7. 前記生体情報受信部は、他の装置から人体通信によって前記第2波形情報を受信する、
    請求項2に記載の生体情報計測装置。
  8. 前記第1の波形は被測定者の心電波形であり、
    前記第2の波形は被測定者の脈波であり、
    少なくとも1対の電極を有し、前記電極によって前記心電波形を測定する心電測定部を更に備え、
    前記生体情報受信部は、前記電極を介して前記人体通信を行う、
    請求項7に記載の生体情報計測装置。
  9. 前記電極は、前記人体通信が行われる場合に、前記生体情報受信部に接続される、
    請求項8に記載の生体情報計測装置。
  10. 前記第1の波形を測定する第1波形測定部と、
    前記第2の波形を測定する第2波形測定部と、を更に備え、
    前記第2波形測定部は、前記第2特徴点に対応するタイミングを含み、前記第2の波形の周期よりも短い時間である、第2波形測定時間の間にのみ、前記第2の波形を測定する、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  11. 前記第1の波形は被測定者の心電波形であり、
    前記第2の波形は被測定者の脈波であり、
    前記第1の波形の前記第1特徴点は、前記心電波形のR波の立ち上がり点であり、
    前記第2の波形の前記第2特徴点は、前記脈波の立ち上がり点である、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  12. 前記第1の波形は被測定者の心音を表す波形であり、
    前記第2の波形は被測定者の脈波であり、
    前記第1の波形の前記第1特徴点は、前記心音のI音に基づいて決定される、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  13. 前記第1の波形及び前記第2の波形は、被測定者の互いに異なる測定部位で測定された脈波である、
    請求項1に記載の生体情報計測装置。
  14. 第1の測定部位で被測定者の拍動を表す第1の波形を測定する第1波形測定部と、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点を検出する第1特徴点検出部と、を有する第1波形情報計測装置と、
    前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で被測定者の拍動を表す第2の波形を測定する第2波形測定部と、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点を検出する第2特徴点検出部と、測定された前記第2の波形に関する第2波形情報を送信する生体情報送信部と、を有する第2波形情報計測装置と、
    を備え、
    前記第1波形情報計測装置は、前記第2波形情報を受信する生体情報受信部と、前記第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する脈波伝播時間算出部と、を更に有し、
    前記生体情報送信部は、前記第2波形情報として、前記第2特徴点に対応するタイミングに関する情報を送信する、生体情報計測システム。
  15. 前記第2波形測定部は、前記第2特徴点に対応するタイミングを含み、前記第2の波形の拍動の周期よりも短い時間である、第2波形測定時間の間にのみ、前記第2の波形を測定する、
    請求項14に記載の生体情報計測システム。
  16. 第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、を少なくとも取得することと、
    前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出することと、
    を含む、生体情報計測方法。
  17. コンピュータに、
    第1の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第1の波形に関する第1波形情報と、前記第1の測定部位とは異なる第2の測定部位で測定された被測定者の拍動を表す第2の波形に関する第2波形情報として、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングに関する情報と、を少なくとも取得する機能と、
    前記第1波形情報と前記第2波形情報とに基づいて、前記第1の波形における特徴的な点である第1特徴点に対応するタイミングと、前記第2の波形における特徴的な点である第2特徴点に対応するタイミングとの差分である脈波伝播時間を算出する機能と、
    を実現させるためのプログラム。
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