JP2014090702A - コケ植物養生基板、及び、その生産方法 - Google Patents
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Abstract
比較的単純な構造でコスト面に優れると同時に、「コケ植物の好み」に合った環境を容易に提供できるコケ植物の植生基板を提供することを課題とする。
【解決手段】
繊維、及び、コケ植物、を含有する混合物が、コケ植物の養生部として、不織布等にて構成される基板部の表層側において、ニードルパンチ法等により積層固定されてなるコケ植物養生基板、を提供することにより上記の課題を解決し得ることを見出した。繊維、及び、コケ植物、を含有する混合物は、解綿された状態の繊維、及び、コケ植物を、混合槽において互いに攪拌させながら混合することにより得ることができる。
【選択図】 図3
Description
上記の「繊維」としては、人造繊維(再生繊維、合成繊維、半合性繊維、人造無機繊維)、天然繊維(植物繊維、動物繊維、鉱物繊維)と特に限定されるものではないが、本発明の基板はコケ植物を長期間屋外に晒すことが前提となるため、太陽光、風雨に対する脆化に対する抵抗性が認められるものが好適である。その点においては、少なくとも当該脆化に対する抵抗性が最も認められる人造繊維が好適であり、少なくとも繊維の中に当該人造繊維を含有させることが好適である。当該人造繊維としては、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリプロピレン系繊維、又は、ポリウレタン系繊維等;ビスコース人絹(レーヨン)、銅アンモニア人絹、酢酸繊維素人絹等の人絹糸;レーヨンスフ、ビスコーススフ、キュプラスフ、アセテートスフ、ポリノジックスフ等のスフ;が挙げられる。
本発明の基板において用い得るコケ植物は、自然界に自生しているコケ植物をそのまま用いることも可能である。例えば、全長が2〜3mmの発生初期の状態から、植物体長がある程度の長さ、具体的には、2〜3cm以上(上限は、そのコケ植物の植物体長の最大限までで特に限定されない)程度であっても用いることができる。これらのコケ植物は、栽培法により得たコケ植物であっても、また、いわゆる培養法〔例えば、「植物バイオテクノロジーII」,東京化学同人:現代化学・増刊20の第39頁「蘚苔類の培養」(小野著)等参照のこと〕を用いた「培養ゴケ」を用いることも可能であるが、通常は、栽培法で得たコケ植物を用いることが好ましい。
ke-zoku)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上述した「繊維、及び、コケ植物」、を含有する「混合物」は、繊維の集合物の中にコケ植物が混ざっている状態の対象物を意味するものであり、コケ植物と繊維が可能な限り均等に混じり合った状態であることが好適である。このような混合物を作出する手段は特に限定されるものではないが、典型的には「解綿された状態の繊維、及び、コケ植物を、混合槽において互いに攪拌させながら混合する」ことにより、所望の「混合物」を作出することができる。この場合の繊維とコケ植物の混合比は、繊維やコケ植物の種類によって異なるが、コケ植物の乾燥質量比として「繊維:コケ植物」は、1:5〜1:2の程度である。なお、ここでコケ植物の質量換算基準を「乾燥質量」としたが、これを湿潤質量換算することもできる。コケ植物の適切な含水量は、コケ植物の種類によって異なるので、乾燥したコケ植物に水分を含ませ、当該の水を含ませたコケ植物が元々の「乾燥質量」の何倍になるかを確かめて、その倍量分を上記の「乾燥質量」に乗じて計算することにより、所望する湿潤質量換算を行うことができる。例えば、乾燥状態のコケ植物の質量が「1」であり、湿潤状態のコケ植物の質量が「2」の場合は、上記の「繊維:コケ植物」(コケの湿潤重量)は、1:10〜1:4ということになる。
上記の「混合物」を積層する対象となる「基板部」の素材は、主に屋外に配置する植生基板としての強度を備えており、かつ、適度な可撓性を有しているものであることが好適である。例えば、不織布、織布、プラスチックボード、木板、石板等が例示されるが、その加工のし易さと、基板自体の保水性、耐久性等を鑑みると、不織布であることが好適である。不織布の種類は特に限定されず、不織布の原料としては、例えば、セルロース系繊維、タンパク質系繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン、ポリアミド系繊維、ガラス繊維、ビニロン、パルプ、コットン等の基礎的なウェブ素材と、必要に応じた接着剤や添加剤(架橋剤、柔軟剤、難燃剤等)が挙げられる。用いられる不織布の製造方法も特に限定されず、例えば、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等のウェブ形成法と、ケミカルボンド法(浸漬法、スプレー法)、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、水路交絡法等が例示される。さらに具体的には、建築用途や土木用途として用いられる不織布は、本発明において用いられる不織布として好適であり、例えば、ポリエステル不織布、フラッシュ紡糸法によりなる不織布、タフテッドカーペット(麻やポリプロピレンのヘッシャンククロスに、パイル糸を植え込んでパイルを形成させ、次いで裏面に接着剤を塗布して固定したもの)、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。基板部を構成する不織布は1種類の単層であっても複層であってもよく、2種類以上を複層化したものであってもよい。
本発明の基板は、上記の(3)に示した「混合物」が、コケ植物の養生部として、上記の(4)に示した「基板部」の表層側において積層固定されてなる、コケ植物養生基板である。「表層側」は、基板を使用面に設置した際に上側を向く面として設計された側の面を意味するものである。「混合物」が「基板部」の表層側に積層された状態で固定され、当該「混合物」の部分を「養生部」とすることにより、本発明の基板が作出される。
上述した構成の本発明の基板の生産は、上述したように、典型的には、「解綿された状態の繊維、及び、コケ植物を混合し、得られた混合物を、基板部表層側に積層し、次いで、当該積層物を固定する」ことにより行うことができる。
第一の基板部材211は、第一の基板部材の巻き出し用ローラー2111に巻き付け保持され、第二の基板部材212は、第二の基板部材の巻き出し用ローラー2121に巻き付け保持されている。そして当該第一の基板部材211は、上記の下方支持用送りローラー2112、252、253、と、上方押さえ用の送りローラー2122、232に挟み込まれ、ニードルパンチの施行装置24を介しつつ、その先頭部が巻き込み軸201に固定保持されている。それと同時に、当該第二の基板部材212は上方押さえ用の送りローラー2122に巻き込み案内されて、第一の基板部材211の上面に積層された状態となって、上記の下方支持用送りローラー252、253、と、上方押さえ用の送りローラー232に挟み込まれ、ニードルパンチの施行装置24を介しつつ、その先頭部が巻き込み軸201に、第一の基板部材の上面に積層された状態で固定保持されている。
上記(1)の初期状態から、装置2は以下のような稼動をすることにより、本発明の基板20を生産することができる。
10、20:本発明の基板
111、211:第一の基板部材
112、212:第二の基板部材
12:混合物層
22:混合物
13:薄膜層
23:薄膜層を形成する素材
24:ニードルパンチの施行装置
241:ニードル本体
201:回転動力付きの巻き込み軸
2112、252、253:下方支持用送りローラー
2122、232:上方押さえ用送りローラー
2111、2121、231:巻き出し用ローラー
A、B:動作の方向を示す矢印
31、32:コケ植物
33:解綿された繊維
41:コンプレッサー
42:連結管
43:コケの投入室
44、45:ノズル
46:混合槽
461:攪拌プロペラ
Claims (11)
- 繊維、及び、コケ植物、を含有する混合物が、コケ植物の養生部として、基板部表層側において積層固定されてなる、コケ植物養生基板。
- 繊維は、人絹糸、スフ、又は、合成繊維、を含有することを特徴とする、請求項1に記載のコケ植物養生基板。
- 合成繊維は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリプロピレン系繊維、及び、ポリウレタン系繊維からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項2に記載のコケ植物養生基板。
- 基板部は、一層の不織布基板、又は、二層以上の不織布の積層基板、である、請求項1〜3のいずれかに記載のコケ植物養生基板。
- 繊維、及び、コケ植物、を含有する混合物からなる層の表面に、繊維素材の薄層が積層固定されている、請求項1〜4のいずれかに記載のコケ植物養生基板。
- 繊維素材は、綿、麻、レーヨン、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、及び、アクリル系繊維からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項5に記載のコケ植物養生基板。
- 繊維素材の薄層は不織布である、請求項6に記載のコケ植物養生基板。
- 養生部の基板部表層側における積層固定方法は、ニードルパンチ法である、請求項4〜8のいずれかに記載のコケ植物養生基板。
- 解綿された状態の繊維、及び、コケ植物を、混合槽において互いに攪拌させながら混合し、得られた混合物を、基板部表層側に空気力を用いて積層し、次いで、当該積層物を固定することにより、コケ植物養生基板を生産することを特徴とする、コケ植物養生基板の生産方法。
- 積層物の固定方法は、解綿された状態の繊維、及び、コケ植物の混合物層の上面に不織布の薄層を被せて、その上からニードルパンチ法を施して、積層物全体を固定化する、請求項9に記載のコケ植物養生基板の生産方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のコケ植物養生基板における、混合物層とは反対側の基板部裏側を、コケ植物養生基板の使用面に取り付けて、当該コケ植物養生基板におけるコケ植物を養生する、コケ植物の養生方法。
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