JP2014080535A - ゴム・カーボンブラック用カップリング剤及びタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ゴム・カーボンブラック用カップリング剤及びそれを含むタイヤ用ゴム組成物に関するものである。
近年、環境への関心が高まるにつれ、自動車に対する低燃費化の要請が高まっている。自動車の低燃費化には、タイヤの特性が大きな影響を及ぼすことから、このような目的に適ったタイヤ用ゴム組成物が強く望まれている。一方、走行安全性の面から、湿潤路面でのグリップ力、即ち「ウエットグリップ力」も重視されている。低燃費特性を改善するためには、タイヤの転がり抵抗を小さくすることが必要であるが、転がり抵抗を小さくすると、ウエットグリップ力が低下することになる。
ウエットグリップ力を保持しつつ、転がり抵抗の小さいタイヤを開発する手法の一つとして、ゴムの補強剤として配合されているカーボンブラックとゴム分子間の化学結合を強固にし、ゴム組成物中でのカーボンブラックの分散性を向上させるゴム・カーボンブラック用カップリング剤の検討が進められている。
従来、ゴム・カーボンブラック用カップリング剤として検討されてきたものの多くは、アミノ基含有化合物であり、カーボンブラック表面に存在するカルボニル基及びカルボキシル基とアミノ基との酸塩基相互作用による結合の効果が期待されるからである。
例えば、特許文献1には、ジアルキルアミノ基含有硫黄化合物をゴム・カーボンブラック用カップリング剤として利用することが報告されている。
また、特許文献2には、第4級アンモニウム塩の1つであるイミニウムイオン基がカーボンブラック表面へ強固に結合する特性を利用して、第4級アンモニウム塩構造を有する有機スルフィド化合物をゴム・カーボンブラック用カップリング剤として利用することが報告されている。
例えば、特許文献1には、ジアルキルアミノ基含有硫黄化合物をゴム・カーボンブラック用カップリング剤として利用することが報告されている。
また、特許文献2には、第4級アンモニウム塩の1つであるイミニウムイオン基がカーボンブラック表面へ強固に結合する特性を利用して、第4級アンモニウム塩構造を有する有機スルフィド化合物をゴム・カーボンブラック用カップリング剤として利用することが報告されている。
しかしながら、何れの場合においても、加硫・成形して得られるタイヤの転がり抵抗の低減効果は、未だ満足すべきものではなかった。
本発明は、優れたウエットグリップ性能及び低燃費性能を発揮するタイヤの原料として好適なゴム・カーボンブラック用カップリング剤及びタイヤ用のゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、化学式(I)〜(III)で示されるジスルフィド化合物をゴム・カーボンブラック用カップリング剤として使用することにより、所期の目的を達成することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、第1の発明は、化学式(I)〜(III)で示されるジスルフィド化合物から選ばれた一種または二種以上を成分とすることを特徴とするゴム・カーボンブラック用カップリング剤である。
第2の発明は、ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラックを10〜100重量部配合し、該カーボンブラック100重量部に対して、第1の発明に記載のゴム・カーボンブラック用カップリング剤を0.5〜30重量部配合したことを特徴とするゴム組成物である。
即ち、第1の発明は、化学式(I)〜(III)で示されるジスルフィド化合物から選ばれた一種または二種以上を成分とすることを特徴とするゴム・カーボンブラック用カップリング剤である。
第2の発明は、ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラックを10〜100重量部配合し、該カーボンブラック100重量部に対して、第1の発明に記載のゴム・カーボンブラック用カップリング剤を0.5〜30重量部配合したことを特徴とするゴム組成物である。
本発明のゴム・カーボンブラック用カップリング剤の成分であるジスルフィド化合物は、分子内にアミノ基を有する複素環を有しているので、カーボンブラックと共にゴムに配合した場合には、カーボンブラック表面との酸塩基相互作用に加えて、カーボンブラック表面のベンゼン環とのπ電子相互作用によるカーボンブラックとの結合が期待される。
この結果、本発明のゴム・カーボンブラック用カップリング剤を配合したゴム組成物をタイヤの原料に用いた場合には、優れたウエットグリップ力を保持したまま、転がり抵抗を低減し、低燃費性能が向上したタイヤとすることができる。
この結果、本発明のゴム・カーボンブラック用カップリング剤を配合したゴム組成物をタイヤの原料に用いた場合には、優れたウエットグリップ力を保持したまま、転がり抵抗を低減し、低燃費性能が向上したタイヤとすることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のゴム・カーボンブラック用カップリング剤の成分であるジスルフィド化合物は、化学式(I)〜(III)で示されるものであり、分子の両末端が芳香族複素環を主骨格とする左右対称のジスルフィド構造(ビス体構造)を有している。
当該化合物としては、例えば、
ビスベンズイミダゾリル−2−ジスルフィド、
ビス5−メチルベンズイミダゾリル−2−ジスルフィド、
ビス5−エチルベンズイミダゾリル−2−ジスルフィド、
ビス5−アミノチアジアゾリル−2−ジスルフィド、
ビス5−メチルアミノチアジアゾリル−2−ジスルフィド、
ビス5−エチルアミノチアジアゾリル−2−ジスルフィド、
ビス1,2,4−トリアゾリル−3−ジスルフィド
等が挙げられる。なお、ゴム・カーボンブラック用カップリング剤の成分として、これらのジスルフィド化合物を組み合わせて使用してもよい。
ビスベンズイミダゾリル−2−ジスルフィド、
ビス5−メチルベンズイミダゾリル−2−ジスルフィド、
ビス5−エチルベンズイミダゾリル−2−ジスルフィド、
ビス5−アミノチアジアゾリル−2−ジスルフィド、
ビス5−メチルアミノチアジアゾリル−2−ジスルフィド、
ビス5−エチルアミノチアジアゾリル−2−ジスルフィド、
ビス1,2,4−トリアゾリル−3−ジスルフィド
等が挙げられる。なお、ゴム・カーボンブラック用カップリング剤の成分として、これらのジスルフィド化合物を組み合わせて使用してもよい。
このようなジスルフィド化合物は、前駆体となるチオール基含有複素環化合物を、過酸化水素で酸化することによって、容易に合成することができる。
チオール基含有複素環化合物としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−エチルベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾール、2−メルカプト−5−メチルアミノチアジアゾール、2−メルカプト−5−エチルアミノチアジアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。
チオール含有複素環化合物と過酸化水素水との反応において、その反応時間や反応温度については特に限定されないが、反応温度は20〜110℃であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。反応時間は0.5〜8時間であることが好ましく、1〜4時間であることがより好ましい。反応で用いる溶媒としては、特に限定されないが、工業的製法においては、水またはメタノールが好ましい。
反応により生成した当該ジスルフィド化合物は、反応液中に析出する。その後、これをろ取し、溶剤で洗浄することにより単離精製される。この洗浄の際に用いる溶剤としては、生成物が溶解しにくいものであれば特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、トルエン、アセトニトリル、ジオキサン等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムに、カーボンブラックと共に本発明のゴム・カーボンブラック用カップリング剤を配合して、混練することにより調製することができる。
本発明のゴム組成物においては、ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラックを10〜100重量部の割合で配合することが好ましく、30〜80重量部の割合で配合することがより好ましい。カーボンブラックの配合量が10重量部未満では、加硫・成形したゴムの耐摩耗性が低下するので好ましくない。また、100重量部を超えると、加硫前における混練時のゴム組成物が増粘して加工性が低下する。
本発明のゴム組成物においては、カーボンブラック100重量部に対して、本発明のゴム・カーボンブラック用カップリング剤を0.5〜30重量部の割合で配合することが好ましく、1〜20重量部の割合で配合することがより好ましい。ゴム・カーボンブラック用カップリング剤の配合量が0.5重量部未満では、加硫・成形して得られるタイヤの転がり抵抗の十分な低減効果が得られない。また、ゴム・カーボンブラック用カップリング剤の配合量が30重量部を超えても、同低減効果はほぼ頭打ちとなり、ゴム・カーボンブラック用カップリング剤の使用量が増えるばかりで経済的ではない。
本発明のゴム組成物に配合するジエン系ゴムとしては、従来からゴム工業の分野において使用されているものを特に制限なく使用することができるが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)等を好ましく使用できる。これらのジエン系ゴムは、単独または組み合わせて使用することができる。
本発明のゴム組成物に配合するカーボンブラックについては、その窒素吸着比表面積(BET法)が50〜250m2/gであることが好ましく、70〜230m2/gであることがより好ましい。窒素吸着比表面積が50m2/g未満では、加硫・成形したゴムの耐摩耗性が低下し、250m2/gを超えると、加硫前におけるゴム組成物が増粘して加工性が低下する。
また、ゴム組成物の補強性や加工性を良好に維持するためには、カーボンブラックのDBP給油量が、60〜150ml/100gであることが好ましく、80〜140ml/100gであることがより好ましい。DBP給油量が60ml/100g未満では、加硫・成形したゴムの補強性が低下し、150ml/100gを超えると、加硫前におけるゴム組成物の加工性が低下する。
また、ゴム組成物の補強性や加工性を良好に維持するためには、カーボンブラックのDBP給油量が、60〜150ml/100gであることが好ましく、80〜140ml/100gであることがより好ましい。DBP給油量が60ml/100g未満では、加硫・成形したゴムの補強性が低下し、150ml/100gを超えると、加硫前におけるゴム組成物の加工性が低下する。
本発明のゴム組成物に配合するカーボンブラックとしては、特に限定されず、例えばファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックやチャンネルブラック等が使用可能であるが、タイヤ用としての観点から、ファーネスブラックを好ましく使用することができる。
ファーネスブラックとしては、旭カーボン社製の旭#70や東海カーボン社のシーストG−3等の市販品が使用できる。
ファーネスブラックとしては、旭カーボン社製の旭#70や東海カーボン社のシーストG−3等の市販品が使用できる。
本発明のゴム・カーボンブラック用カップリング剤は、ジエン系ゴムにカーボンブラックを混合する前、または、ジエン系ゴムとカーボンブラックとの混合中に添加する事が好ましい。
本発明のゴム組成物には、ジエン系ゴム100重量部に対して、加硫剤として、可溶性硫黄や不溶性硫黄等の硫黄成分を0.5〜10重量部配合することが好ましく、2〜5重量部配合することがより好ましい。これらの硫黄成分は、単独または組み合わせて使用することができる。
本発明のゴム組成物には、本発明のゴム・カーボンブラック用カップリング剤、ジエン系ゴム、カーボンブラックの他に、従来からゴム用に一般的に使用されているシリカやクレー、タルク等の補強剤や充填剤を配合することができる。これら補強剤や充填剤の配合量も一般的な量とすることができるが、ジエン系ゴム100重量部に対して、40〜120重量部の割合で配合することが好ましい。
また本発明のゴム組成物には、この種のゴム配合成分として一般的に使用されているスルフェンアミド系等の加硫促進剤、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化マグネシウム等の加硫促進助剤、ナフテンオイル系、アロマオイル系等のプロセスオイル、ステアリン酸等の分散剤(ワックス)、老化防止剤、更には酸化防止剤、オゾン亀裂防止剤、素練り促進剤、粘着樹脂、加硫遅延剤等を本発明の効果を損なわない範囲において配合することができる。
本発明のゴム組成物は、前述の原料をバンバリーミキサーや、オープンロール等の混練機を用いて混練することによって得られる。そして、例えば、カーカスやベルト、ビード、トレッド等のタイヤ用ゴム部材として加硫・成形される。
以下、本発明を対照試験、実施例及び比較例によって説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。なお、これらにおいて使用した主な原材料は、以下のとおりである。
[原材料]
・NR:チョンハットン社製、商品名「SMR−CV60」
・SBR:日本ゼオン社製、商品名「ニポール1723」
・カーボンブラック:旭カーボン社製、商品名「旭♯70」、BET比表面積77m2/g、DBP給油量101ml/100g
・プロセスオイル:出光興産社製、商品名「アロマックス3」
・ステアリン酸:ミヨシ油脂社製、商品名「MXST」
・亜鉛華:正同化学工業社製、商品名「酸化亜鉛2種」
・加硫剤:四国化成工業社製、不溶性硫黄、商品名「ミュークロンOT20」
・加硫促進剤:大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーCZ−G」
・老化防止剤:大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック6C」
・NR:チョンハットン社製、商品名「SMR−CV60」
・SBR:日本ゼオン社製、商品名「ニポール1723」
・カーボンブラック:旭カーボン社製、商品名「旭♯70」、BET比表面積77m2/g、DBP給油量101ml/100g
・プロセスオイル:出光興産社製、商品名「アロマックス3」
・ステアリン酸:ミヨシ油脂社製、商品名「MXST」
・亜鉛華:正同化学工業社製、商品名「酸化亜鉛2種」
・加硫剤:四国化成工業社製、不溶性硫黄、商品名「ミュークロンOT20」
・加硫促進剤:大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーCZ−G」
・老化防止剤:大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック6C」
実施例において使用したジスルフィド化合物(ゴム・カーボンブラック用カップリング剤)は以下のとおりであり、これらの合成例を参考例1〜3に示す。なお、これらの合成は、ジスルフィドの公知の合成方法に準じて行った。即ち、水中で、当量のチオール化合物を加熱攪拌しながら、過酸化水素水を滴下で加え、生成するジスルフィド化合物をろ過し、水洗、乾燥することによって、目的とするジスルフィド化合物を得ることができる。
[ジスルフィド化合物]
・ビスベンズイミダゾリル−2−ジスルフィド(「BBZ」と略記する)
・ビス5−アミノチアジアゾリル−2−ジスルフィド(「BAT」と略記する)
・ビス1,2,4−トリアゾリル−3−ジスルフィド(「BTZ」と略記する)
・ビスベンズイミダゾリル−2−ジスルフィド(「BBZ」と略記する)
・ビス5−アミノチアジアゾリル−2−ジスルフィド(「BAT」と略記する)
・ビス1,2,4−トリアゾリル−3−ジスルフィド(「BTZ」と略記する)
〔参考例1〕
<BBZの合成>
3Lのフラスコに水1500mlおよび2−メルカプトベンズイミダゾール300.4g(2.0モル)を投入して反応液を調製した。反応液を60℃で攪拌しながら、30%過酸化水素水100g(1.0モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに4時間加熱攪拌をした。次いで、反応液を室温まで冷却して析出物を分離し、水洗、乾燥することにより、目的とするBBZ268.0g(0.90モル、収率90%)を得た。
<BBZの合成>
3Lのフラスコに水1500mlおよび2−メルカプトベンズイミダゾール300.4g(2.0モル)を投入して反応液を調製した。反応液を60℃で攪拌しながら、30%過酸化水素水100g(1.0モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに4時間加熱攪拌をした。次いで、反応液を室温まで冷却して析出物を分離し、水洗、乾燥することにより、目的とするBBZ268.0g(0.90モル、収率90%)を得た。
〔参考例2〕
<BATの合成>
3Lのフラスコに水1200mlおよび2−メルカプト−5−アミノチアジアゾール266.4g(2.0モル)を投入して反応液を調製した。反応液を70℃で攪拌しながら、30%過酸化水素水100g(1.0モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに4時間加熱攪拌をした。次いで、反応液を室温まで冷却して析出物を分離し、水洗、乾燥することにより、目的とするBAT235.0g(0.89モル、収率89%)を得た。
<BATの合成>
3Lのフラスコに水1200mlおよび2−メルカプト−5−アミノチアジアゾール266.4g(2.0モル)を投入して反応液を調製した。反応液を70℃で攪拌しながら、30%過酸化水素水100g(1.0モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに4時間加熱攪拌をした。次いで、反応液を室温まで冷却して析出物を分離し、水洗、乾燥することにより、目的とするBAT235.0g(0.89モル、収率89%)を得た。
〔参考例3〕
<BTZの合成>
3Lのフラスコに水1500mlおよび3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール202.2g(2.0モル)を投入して反応液を調製した。反応液を60℃で攪拌しながら、30%過酸化水素水100g(1.0モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに4時間加熱攪拌をした。次いで、反応液を室温まで冷却して析出物を分離し、水洗、乾燥することにより、目的とするBTZ170.2g(0.85モル、収率85%)を得た。
<BTZの合成>
3Lのフラスコに水1500mlおよび3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール202.2g(2.0モル)を投入して反応液を調製した。反応液を60℃で攪拌しながら、30%過酸化水素水100g(1.0モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに4時間加熱攪拌をした。次いで、反応液を室温まで冷却して析出物を分離し、水洗、乾燥することにより、目的とするBTZ170.2g(0.85モル、収率85%)を得た。
比較例において使用したテトラスルフィド化合物(ゴム・カーボンブラック用カップリング剤)は、以下のとおりである。
[テトラスルフィド化合物]
・ビス(ジメチルアミノエチル)テトラスルフィド:「DME」と略記する。前記の特許文献1記載の方法に従って合成した。
・ビス(ジメチルアミノプロピル)テトラスルフィド:「DMP」と略記する。同上。
・ビス(ジメチルアミノピリジニウムヘキシルクロリド)テトラスルフィド:「DPH」と略記する。前記の特許文献2記載の方法に従って合成した。
[テトラスルフィド化合物]
・ビス(ジメチルアミノエチル)テトラスルフィド:「DME」と略記する。前記の特許文献1記載の方法に従って合成した。
・ビス(ジメチルアミノプロピル)テトラスルフィド:「DMP」と略記する。同上。
・ビス(ジメチルアミノピリジニウムヘキシルクロリド)テトラスルフィド:「DPH」と略記する。前記の特許文献2記載の方法に従って合成した。
対照試験、実施例及び比較例で採用した評価試験方法は、以下のとおりである。
[内部損失測定試験]
シート状に加工した未加硫のゴム組成物を、内寸200×200×2mmの金型中で160℃×20分間加熱して加硫ゴムシートを作製し、この加硫ゴムシートから5×20×2mmの短冊状の試験片を切り出した。この試験片を、粘弾性スペクトロメーター(ユービーエム社製、型式Rheosol-G5000)に、掴み具間隔15mmでセットし、雰囲気温度0℃及び60℃で、周波数10Hz、動歪5°の捻り変形を与えて、試験片の内部損失(Tanδ)を測定した。
0℃における内部損失[Tanδ(0℃)]は、ウエットグリップ力の指数であり、数値が大きい程、タイヤのウエットグリップ力が大きいと判定される。
60℃における内部損失[Tanδ(60℃)]は、転がり抵抗の指数であり、数値が小さい程、タイヤの転がり抵抗が小さく、低燃費特性が良好であると判定される。
シート状に加工した未加硫のゴム組成物を、内寸200×200×2mmの金型中で160℃×20分間加熱して加硫ゴムシートを作製し、この加硫ゴムシートから5×20×2mmの短冊状の試験片を切り出した。この試験片を、粘弾性スペクトロメーター(ユービーエム社製、型式Rheosol-G5000)に、掴み具間隔15mmでセットし、雰囲気温度0℃及び60℃で、周波数10Hz、動歪5°の捻り変形を与えて、試験片の内部損失(Tanδ)を測定した。
0℃における内部損失[Tanδ(0℃)]は、ウエットグリップ力の指数であり、数値が大きい程、タイヤのウエットグリップ力が大きいと判定される。
60℃における内部損失[Tanδ(60℃)]は、転がり抵抗の指数であり、数値が小さい程、タイヤの転がり抵抗が小さく、低燃費特性が良好であると判定される。
内部損失測定試験の結果について、表1においては全て対照試験1のウエットグリップ指数、転がり抵抗指数の値を100とした場合の相対値で示し、表2においては全て対照試験2のウエットグリップ指数、転がり抵抗指数の値を100とした場合の相対値で示した。
〔対照試験1〕
NR、カーボンブラック、プロセスオイル、ステアリン酸を表1記載の組成になるように計量し、これらをバンバリーミキサーを用いて混練し、マスターバッチを調製した。これに、亜鉛華、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤を表1記載の組成になるように添加し、表面温度70℃の2本ロールミキサーを用いて混練し、シート状に加工した未加硫ゴム組成物を調製した。
得られた未加硫ゴム組成物について内部損失測定試験を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
NR、カーボンブラック、プロセスオイル、ステアリン酸を表1記載の組成になるように計量し、これらをバンバリーミキサーを用いて混練し、マスターバッチを調製した。これに、亜鉛華、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤を表1記載の組成になるように添加し、表面温度70℃の2本ロールミキサーを用いて混練し、シート状に加工した未加硫ゴム組成物を調製した。
得られた未加硫ゴム組成物について内部損失測定試験を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
〔実施例1〜6〕
ゴム・カーボンブラック用カップリング剤を使用した以外は、対照試験1の場合と同様にして、表1記載の組成を有するシート状の未加硫ゴム組成物を調製し、内部損失測定試験を行った。得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
ゴム・カーボンブラック用カップリング剤を使用した以外は、対照試験1の場合と同様にして、表1記載の組成を有するシート状の未加硫ゴム組成物を調製し、内部損失測定試験を行った。得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔比較例1〜3〕
実施例1〜6と同様にして、表1記載の組成を有するシート状の未加硫ゴム組成物を調製し、内部損失測定試験を行った。得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
実施例1〜6と同様にして、表1記載の組成を有するシート状の未加硫ゴム組成物を調製し、内部損失測定試験を行った。得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔対照試験2〕
NRの代わりにSBRを使用した以外は、対照試験1と同様にして、表2記載の組成を有するシート状の未加硫ゴム組成物を調製し、内部損失測定試験を行った。得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
NRの代わりにSBRを使用した以外は、対照試験1と同様にして、表2記載の組成を有するシート状の未加硫ゴム組成物を調製し、内部損失測定試験を行った。得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
〔実施例7〜12〕
ゴム・カーボンブラック用カップリング剤を使用した以外は、対照試験2の場合と同様にして、表2記載の組成を有するシート状の未加硫ゴム組成物を調製し、内部損失測定試験を行った。得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
ゴム・カーボンブラック用カップリング剤を使用した以外は、対照試験2の場合と同様にして、表2記載の組成を有するシート状の未加硫ゴム組成物を調製し、内部損失測定試験を行った。得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
〔比較例4〜6〕
実施例7〜12と同様にして、表2記載の組成を有するシート状の未加硫ゴム組成物を調製し、内部損失測定試験を行った。得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
実施例7〜12と同様にして、表2記載の組成を有するシート状の未加硫ゴム組成物を調製し、内部損失測定試験を行った。得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
表1及び表2に示した試験結果によれば、本発明のゴム・カーボンブラック用カップリング剤を配合したゴム組成物を使用すると、従来のゴム・カーボンブラック用カップリング剤を配合したゴム組成物を使用する場合に比べ、ウエットグリップ性は同等以上を維持しつつ、転がり抵抗性が飛躍的に改善された加硫ゴムを得ることができる。
以上の通りであり、本発明によれば、優れたウエットグリップ性能を有し、転がり抵抗を低減させた低燃費型タイヤを提供することができる。
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