JP2014062610A - 球面排気管継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく振動に起因する上流側排気管及び下流側排気管の相対角変位及び相対回転変位並びに軸方向の相対変位及びせん断方向の相対変位を許容することができて、しかも、コンパクト化を図れて排気系システムに対する取付位置の自由度を確保することができる球面排気管継手を提供すること。
【解決手段】球面排気管継手1は、上流側排気管2の管端部3に固着されている凸球面6を有した円環状の凸球面体7と、凸球面体7の凸球面6に摺動自在に接触している凹球面8を有している円環状の環状シール体9と、環状シール体9を弾性的に付勢している弾性付勢手段10と、上流側排気管2及び下流側排気管5の内部11を外気から遮断する可撓性を有した筒状部材12とを具備している。
【選択図】図1
【解決手段】球面排気管継手1は、上流側排気管2の管端部3に固着されている凸球面6を有した円環状の凸球面体7と、凸球面体7の凸球面6に摺動自在に接触している凹球面8を有している円環状の環状シール体9と、環状シール体9を弾性的に付勢している弾性付勢手段10と、上流側排気管2及び下流側排気管5の内部11を外気から遮断する可撓性を有した筒状部材12とを具備している。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車の排気管に使用される球面排気管継手に関する。
自動車のエンジンの排気ガスは、自動車本体(シャーシ)などに配置された排気管に導かれて大気中に排出されるが、この排気管はエンジンのトルク反力及び慣性力などにより繰り返し曲げ応力を受ける。したがって、エンジンの振動が排気管吊架具を伝わって車室内にもたらされたり、あるいは騒音の原因になるばかりでなく、排気管の疲労折損などの不具合を生じる危険がある。この問題点を解決するために、例えば特許文献1から7においては、互いに摺動自在に直接的に又は緩衝部材を介して間接的に接している球面部を夫々有している相対回転可能なインナケース及びアウタケースを具備した球面排気管継手が提案されており、斯かる球面排気管継手を排気管の所要箇所に配置して応力を吸収させるなどの手段が講じられている。
ところで、斯かる球面排気管継手では、エンジンの回転等に基づく振動に起因する上流側排気管及び下流側排気管に相対角変位及び相対回転変位を許容することができるが、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく振動に起因する上流側排気管及び下流側排気管の軸方向の相対変位及び軸方向に直交する方向(せん断方向)の相対変位を許容することができない結果、自動車本体に振動が伝わって運転者等に不快感を与えて乗り心地のよい自動車を提供し得ない虞がある。
また、例えば蛇腹構造を用いた排気管継手では、上流側排気管及び下流側排気管の軸方向の相対変位及び軸方向に直交する方向(せん断方向)の相対変位を許容することができるが、上流側排気管及び下流側排気管の相対回転変位の許容量が少なく、また軸方向に長いために設置自由度の向上を図り難く、しかも、蛇腹構造の放熱面積が広くなるために排気ガスの温度低下を招き易くなる結果、下流側に設置される排気ガス浄化装置の浄化効率の低下を招来する虞がある。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく振動に起因する上流側排気管及び下流側排気管の相対角変位及び相対回転変位並びに軸方向の相対変位及びせん断方向の相対変位を許容することができて、しかも、コンパクト化を図れて排気系システムに対する取付位置の自由度を確保することができる球面排気管継手を提供することにある。
本発明の球面排気管継手は、上流側排気管及びこの上流側排気管の管端部に対向して配置された管端部を有した下流側排気管のうちの一方の排気管の管端部に設けられた凸球面を有した環状の凸球面体と、この凸球面体に対して上流側排気管及び下流側排気管のうちの他方の側に配されていると共に当該凸球面体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有している環状シール体と、環状シール体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において環状シール体を弾性的に付勢していると共に、軸方向において凸球面体を前記付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢している弾性付勢手段と、上流側排気管及び下流側排気管の内部を外気から遮断するように上流側排気管及び下流側排気管のうちの他方の排気管の管端部並びに環状シール体を連結していると共に伸縮自在であって可撓性を有した筒状部材とを具備している。
本発明の球面排気管継手によれば、特に、凸球面体に対して上流側排気管及び下流側排気管のうちの他方の側に配されていると共に当該凸球面体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有している環状シール体と、環状シール体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において環状シール体を弾性的に付勢していると共に、軸方向において凸球面体を前記付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢している弾性付勢手段と、上流側排気管及び下流側排気管の内部を外気から遮断するように上流側排気管及び下流側排気管のうちの他方の排気管の管端部並びに環状シール体を連結していると共に伸縮自在であって可撓性を有した筒状部材とを具備しているために、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく振動に起因する上流側排気管及び下流側排気管の相対角変位(揺動変位)及び相対回転変位並びに軸方向の相対変位及びせん断方向の相対変位を許容することができて、しかも、環状シール体及び筒状部材の双方を具備することで継手自体のコンパクト化を図れて排気系システムに対する取付位置の自由度を確保することができる。
また、本発明の球面排気管継手では、弾性付勢手段により、環状シール体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において環状シール体が弾性的に付勢されると共に、軸方向において凸球面体が前記付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢されることになる結果、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく自動車本体の振動に起因して例えば環状シール体等の各部材に経時劣化が生じても当該各部材間に隙間を生じさせることなく、当該各部材同士が衝突し、異音が発生する虞をなくすことができ、しかも、上流側排気管及び下流側排気管の相互の捻り方向を含む揺動の等方性を確保することができる。加えて、本発明の球面排気管継手によれば、上述の構成を具備しているために、上流側排気管及び下流側排気管に相対角変位及び相対回転変位が生じても、スティクスリップ等に基づく異音を発生させないで運転者等に不快感を与えない極めて乗り心地のよい自動車とし得、環状シール体を正常位置に保持できて排気ガスの漏洩もなく、しかも、製造を容易にし得る。
本発明の球面排気管継手では、弾性付勢手段は、凸球面体に対して上流側排気管及び下流側排気管のうちの一方の側に配されていると共に当該凸球面体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有している環状の摺動体を具備しており、摺動体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において摺動体を前記環状シール体の付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢していてもよい。このような球面排気管継手によれば、上流側排気管及び下流側排気管の主に相対角変位及び相対回転変位に関してより円滑に作動させ得る。
上述の摺動体を具備した弾性付勢手段は、上流側排気管及び下流側排気管のうちの他方の排気管の管端部に固着されていると共に径方向において凸球面体に隙間をもって対面している筒部及びこの筒部の軸方向における両端に径方向内側に伸びて形成された一対の環状部を具備しているアウタケースと、軸方向においてアウタケースの一対の環状部のうちの一方と環状シール体との間に介在されていると共に、環状シール体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において環状シール体を弾性的に付勢している第一の弾性付勢部材と、軸方向においてアウタケースの一対の環状部のうちの他方と摺動体との間に介在されていると共に、摺動体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において摺動体を前記第一の弾性付勢部材による環状シール体の付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢している第二の弾性付勢部材とを具備していてもよい。斯かる場合には、アウタケースの外側に第一、第二の弾性付勢部材等の部材が配置されることなく継手自体のコンパクト化を図れて排気系システムに対する取付位置の自由度を確保することができる。
上述の摺動体を具備した弾性付勢手段は、アウタケースに対して径方向の隙間をもって配されていると共に環状シール体に装着された第一のフランジと、アウタケースに対して径方向の隙間をもって配されていると共に摺動体に装着された第二のフランジとを具備していてもよく、第一の弾性付勢部材は、一端でアウタケースの一対の環状部のうちの一方に、他端で第一のフランジに夫々当接している圧縮コイルばねからなってもいてもよく、第二の弾性付勢部材は、一端でアウタケースの一対の環状部のうちの他方に、他端で第二のフランジに夫々当接している圧縮コイルばねからなっていてもよく、筒状部材は、第一のフランジに固着されていてもよい。環状シール体は、前記凹球面をその内周面に有していると共に、その外周面に凸球面を有していてもよく、第一のフランジは、環状シール体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有しており、前記接触により環状シール体に摺動自在に装着されていてもよく、摺動体は、前記凹球面をその内周面に有していると共に、その外周面に凸球面を有していてもよく、第二のフランジは、摺動体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有しており、前記接触により摺動体に摺動自在に装着されていてもよく、この場合、上流側排気管及び下流側排気管の主に相対角変位及び相対回転変位に関してより円滑に作動させ得る。また、径方向において第一及び第二のフランジのうちの少なくとも一方に対向しているアウタケースの内周面には緩衝材が設けられていてもよい。
上述の環状シール体及び摺動体は、これらの回転球芯を通る線であって軸方向に直交する方向に伸びた線において線対称又は軸対称であってもよい。
本発明の球面排気管継手では、凸球面体には、その凸球面に対して上流側排気管及び下流側排気管のうちの一方の側に配された環状支持面が形成されていてもよく、弾性付勢手段は、凸球面体に対して上流側排気管及び下流側排気管のうちの一方の側に配されていると共に軸方向において環状支持面に支持された環状体を具備しており、軸方向において環状体を前記環状シール体の付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢していてもよい。
上述の環状体を具備した弾性付勢手段は、上流側排気管及び下流側排気管のうちの他方の排気管の管端部に固着されていると共に径方向において凸球面体に隙間をもって対面している筒部及びこの筒部の軸方向における両端に径方向内側に伸びて形成された一対の環状部を具備しているアウタケースと、軸方向においてアウタケースの一対の環状部のうちの一方と環状シール体との間に介在されていると共に、環状シール体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において環状シール体を弾性的に付勢している第一の弾性付勢部材と、軸方向においてアウタケースの一対の環状部のうちの他方と環状体との間に介在されていると共に、軸方向において環状体を前記第一の弾性付勢部材による環状シール体の付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢している第二の弾性付勢部材とを具備していてもよい。斯かる場合には、アウタケースの外側に第一、第二の弾性付勢部材等の部材が配置されることなく継手自体のコンパクト化を図れて排気系システムに対する取付位置の自由度を確保することができる。
上述の環状体を具備した弾性付勢手段は、アウタケースに対して径方向の隙間をもって配されていると共に環状シール体に装着された第一のフランジと、アウタケースに対して径方向の隙間をもって配されていると共に環状体に装着された第二のフランジとを具備していてもよく、第一の弾性付勢部材は、一端でアウタケースの一対の環状部のうちの一方に、他端で第一のフランジに夫々当接している圧縮コイルばねからなっていてもよく、第二の弾性付勢部材は、一端でアウタケースの一対の環状部のうちの他方に、他端で第二のフランジに夫々当接している圧縮コイルばねからなっていてもよく、筒状部材は、第一のフランジに固着されていてもよい。環状シール体は、前記凹球面をその内周面に有していると共に、その外周面に凸球面を有しており、第一のフランジは、環状シール体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有しており、前記接触により環状シール体に摺動自在に装着されていてもよい。環状体は、その外周面に凸球面を有していてもよく、第二のフランジは、環状体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有しており、前記接触により環状体に摺動自在に装着されていてもよく、この場合、上流側排気管及び下流側排気管の主に相対角変位及び相対回転変位に関してより円滑に作動させ得る。また、径方向において第一及び第二のフランジのうちの少なくとも一方に対向しているアウタケースの内周面には緩衝材が設けられていてもよい。
本発明の球面排気管継手では、上述のアウタケースは、軸方向における一方の端部で前記他方の排気管の管端部に固着された第一のアウタケースと、軸方向における一方の端部で第一のアウタケースの軸方向における他方の端部に連結されていると共に軸方向における他方の端部が前記一方の排気管に対して径方向の隙間をもって配されている第二のアウタケースとを具備していてもよく、斯かる場合には、球面排気管継手の組み立てを容易にし得る。
上述の第一のアウタケースの他方の端部及び第二のアウタケースの一方の端部には、夫々互いに螺合している螺合部が形成されていてもよく、第二のアウタケースは、第一のアウタケースに対する円周方向における相対回転において当該第一のアウタケースに対して軸方向に移動するように配設されていてもよい。斯かる場合には、球面排気管継手の組み立てにおいて螺合部の螺合調整を行うことにより第一のアウタケース及び第二のアウタケースの軸方向における相互位置を調整することができ、これにより、環状シール体等に対するプリロードの調整を容易ならしめ、また、球面排気管継手の使用によって環状シール体等に経時劣化が生じた際にも前記プリロードの再調整を行うことで、環状シール体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態並びに環状シール体によるガスシールを良好な状態に保ち得る。上述の第一アウタケースの他方の端部及び第二アウタケースの一方の端部は、上述の螺合部が形成されていなくても、溶接によって連結され、また、ボルト及びナットによって連結される。
本発明の球面排気管継手では、筒状部材は、伸縮自在であって可撓性を有した蛇腹部を有していてもよい。斯かる場合には、当該蛇腹部において、主に上流側排気管及び下流側排気管の相対角変位並びに軸方向の相対変位及びせん断方向の相対変位を許容することができる。蛇腹部は、球面排気管継手が上述の環状シール体等を具備しているために軸方向において短く構成することができ、而して、放熱面積を狭めることができて排気ガスの温度を維持し得る結果、下流側に設置される排気ガス浄化装置の浄化効率の低下を防止することができる。
凸球面体の凸球面及び環状シール体の凹球面のうちの少なくとも一方は、固体潤滑剤を含む潤滑すべり層の露出面であってもよい。固体潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、二硫化モリブデン又は窒化ホウ素などを好ましい例として挙げることができる。また、上述の環状シール体の凸球面、摺動体の凹球面、凸球面、環状体の凸球面、第一及び第二のフランジの凹球面の夫々も上記同様の固体潤滑剤を含む潤滑すべり層の露出面であってもよい。
環状シール体は、膨張黒鉛、雲母または石綿等の耐熱材と、金属細線から形成された金網からなる補強材とを圧縮成形してなり、耐熱材が金網からなる補強材の隙間に配されてなっていてもよい。また、上述の摺動体、環状体の夫々も上記同様に、膨張黒鉛、雲母または石綿等の耐熱材と、金属細線から形成された金網からなる補強材とを圧縮成形してなり、耐熱材が金網からなる補強材の隙間に配されてなっていてもよい。
本発明によれば、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく振動に起因する上流側排気管及び下流側排気管の相対角変位及び相対回転変位並びに軸方向の相対変位及びせん断方向の相対変位を許容することができて、しかも、コンパクト化を図れて排気系システムに対する取付位置の自由度を確保することができる球面排気管継手を提供し得る。
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1及び図2において、本例の球面排気管継手1は、エンジン側に連結された上流側排気管2及び上流側排気管2の管端部3に対向して配置された管端部4を有して大気側に連結された下流側排気管5のうちの一方の排気管、本例では上流側排気管2の管端部3に固着されている凸球面6を有した円環状の凸球面体7と、凸球面体7に対して上流側排気管2及び下流側排気管5のうちの他方の側、本例では下流側排気管5側であって回転球芯Oに対して下流側に配されていると共に当該凸球面体7の凸球面6に摺動自在に接触している凹球面8を有している円環状の環状シール体9と、環状シール体9の凹球面8の凸球面体7の凸球面6に対する接触状態が保たれるように軸方向Xにおいて環状シール体9を弾性的に付勢していると共に、軸方向Xにおいて凸球面体7を前記付勢のX1方向とは逆のX2方向に弾性的に付勢している弾性付勢手段10と、上流側排気管2及び下流側排気管5の内部11を外気から遮断するように下流側排気管5の管端部4並びに環状シール体9を連結していると共に伸縮自在であって可撓性を有した筒状部材12とを具備している。
凸球面体7は、回転球芯Oの周りで凸球状に管端部3に一体的に形成されており、その最大径を有する部分は、軸方向Xに直交する方向に伸びると共に回転球芯Oを通る線40上に位置しており、当該線40よりも下流側において環状シール体9の凹球面8に、当該線40よりも上流側において後述の摺動体19の凹球面18に夫々摺動自在に接触している。
弾性付勢手段10は、凸球面体7に対して上流側排気管2側であって回転球芯Oよりも上流側に配されていると共に当該凸球面体7の凸球面6に摺動自在に接触している凹球面18を有しており且つ凹球面18の凸球面体7の凸球面6に対する接触状態が保たれるように軸方向XにおいてX2方向に弾性的に付勢される環状の摺動体19と、下流側排気管5の管端部4に固着されていると共に径方向において凸球面体7に隙間20をもって対面している円筒状の筒部21及び筒部21の軸方向Xにおける両端に径方向内側に伸びて形成された一対の環状部22及び23を具備しているアウタケース24と、軸方向Xにおいてアウタケース24の環状部22と環状シール体9との間に介在されていると共に、環状シール体9の凹球面8の凸球面体7の凸球面6に対する接触状態が保たれるように軸方向Xにおいて環状シール体9を弾性的に付勢している弾性付勢部材としての一つの圧縮コイルばね25と、軸方向Xにおいてアウタケース24の環状部23と摺動体19との間に介在されていると共に、摺動体19の凹球面18の凸球面体7の凸球面6に対する接触状態が保たれるように軸方向Xにおいて摺動体19を前記圧縮コイルばね25による環状シール体9の付勢のX1方向とは逆のX2方向に弾性的に付勢している弾性付勢部材としての一つの圧縮コイルばね26と、アウタケース24に対して径方向の隙間27をもって配されていると共に環状シール体9に装着されたフランジ28と、アウタケース24に対して径方向の隙間27をもって配されていると共に摺動体19に装着されたフランジ29とを具備している。
圧縮コイルばね25は、その中空部に下流側排気管5が挿通されていると共に、一端で環状部22に、他端でフランジ28に当接している。圧縮コイルばね26は、その中空部に上流側排気管2が挿通されていると共に、一端で環状部23に、他端でフランジ29に当接している。
膨張黒鉛、雲母または石綿等の耐熱材、本例では主として膨張黒鉛からなる耐熱材と、金属細線から形成された金網からなる補強材とを圧縮成形してなり、耐熱材が金網からなる補強材の隙間に配されてなる環状シール体9は、円環状であって断面矩形状であると共にその内周面に凹球面8を有している。凹球面8は、凸球面体7の凸球面6に摺動自在であって気密に接触していると共に固体潤滑剤を含む潤滑すべり層の露出面からなる。環状シール体9の外周面30及び下流側の環状の側面31にはフランジ28が嵌装されており、環状シール体9の上流側の側面32は、摺動体19に軸方向Xの間隔をもって対向している。
膨張黒鉛、雲母または石綿等の耐熱材、本例では主として膨張黒鉛からなる耐熱材と、金属細線から形成された金網からなる補強材とを圧縮成形してなり、耐熱材が金網からなる補強材の隙間に配されてなる摺動体19は、円環状であって断面矩形状であると共にその内周面に凹球面18を有している。凹球面18は、凸球面体7の凸球面6に摺動自在であって気密に接触していると共に固体潤滑剤を含む潤滑すべり層の露出面からなる。摺動体19の外周面33及び上流側の環状の側面34にはフランジ29が嵌装されており、摺動体19の下流側の側面35は、環状シール体9に軸方向Xの間隔をもって対向している。
環状シール体9及び摺動体19の夫々は、回転球芯Oが互いに同一であり、回転球芯Oを通る線であって軸方向Xに直交する方向に伸びた線40において線対称であり、軸対称でもある。凸球面6は、本例では、凹球面8及び18に対して相補的な形状を有している。
フランジ28は、環状シール体9の外周面30よりも径方向外側に突出していると共に、環状シール体9の側面31に接触し且つ圧縮コイルばね25の他端に夫々接触している環状のフランジ本体65と、フランジ本体65の内周縁から下流側に突出していると共に筒状部材12の端部62が溶接等により固着された環状の突出部66と、フランジ本体65の外周縁から上流側に折り返され且つ環状シール体9の外周面30に接触している上流側に向かって伸びた接触部67とを具備している。
フランジ29は、フランジ28と同様に形成されていると共に当該フランジ28に対して軸方向Xに対して逆向きに配置されている。斯かるフランジ29は、摺動体19の外周面33よりも径方向外側に突出していると共に、摺動体19の側面34に接触し且つ圧縮コイルばね26の他端に夫々接触している環状のフランジ本体68と、フランジ本体68の内周縁から上流側に突出している環状の突出部69と、フランジ本体68の外周縁から下流側に折り返され且つ摺動体19の外周面33に接触している下流側に向かって伸びた接触部70とを具備している。
アウタケース24は、軸方向Xにおける一方の端部41で下流側排気管5の管端部4に固着された第一のアウタケース43と、軸方向Xにおける一方の端部44でアウタケース43の軸方向Xにおける他方の端部42に連結されていると共に軸方向Xにおける他方の端部45が前記上流側排気管2に対して径方向の隙間47をもって配されている第二のアウタケース46とを具備している。
アウタケース43は、溶接等により内周縁で下流側排気管5の管端部4に固着されている上述の環状部22と、環状部22の外周縁に一体的に連結されていると共に軸方向Xにおいて上流側に向かって伸びた円筒部51とを具備している。円筒部51は、フランジ28に対して径方向の隙間27をもって配されている。
アウタケース46は、内周縁が上流側排気管2に対して径方向の隙間47をもって配されている上述の環状部23と、環状部23の外周縁に一体的に連結されていると共に軸方向Xにおいて下流側に向かって伸びた円筒部52と、円筒部52に一体的に連結されていると共にアウタケース43の円筒部51に重ね合わされる大径円筒部又は小径円筒部、本例では大径円筒部53とを具備している。円筒部52は、フランジ29に対して径方向の隙間27をもって配されている。尚、円筒部51及び52並びに大径円筒部53は、互いに協働して筒部21を形成している。
端部42及び44は、本例ではレーザー溶接によって連結されているが、これに代えて、例えば図9の(a)に示すように、端部42及び44には、夫々互いに螺合している螺合部55及び56が形成されており、アウタケース46は、アウタケース43に対する円周方向における相対回転において当該アウタケース43に対して軸方向Xに移動するように配設されていてもよい。螺合部55は、端部42の外周面に形成された雄ねじ及び雌ねじのうちの一方からなる一方、螺合部56は、端部44に位置している大径円筒部53の内周面に形成された雄ねじ及び雌ねじのうちの他方からなっていてもよい。斯かる場合には、球面排気管継手1の組み立てにおいて螺合部55及び56の螺合調整を行うことによりアウタケース43及びアウタケース46の軸方向Xにおける相互位置を調整することができ、これにより、主に圧縮コイルばね25及び26に対するプリロードの調整を容易ならしめ、また、球面排気管継手1の使用によって環状シール体9及び摺動体19等に経時劣化が生じた際にも前記プリロードの再調整を行うことで、環状シール体9の凹球面8の凸球面体7の凸球面6に対する接触状態並びに環状シール体9によるガスシールを良好な状態に保ち得る。尚、前記螺合調整によるプリロードの再調整を行わない場合には、球面排気管継手1の組み立てにおける螺合部55及び56の初期の螺合調整後に端部42及び44を溶接等により固着してもよい。
また、アウタケース43及び46は、本例ではレーザー溶接によって連結されているが、これに代えて、例えば図9の(b)に示すように、アウタケース43の端部42及びアウタケース46の端部44の夫々にフランジ57及び58を形成し、当該フランジ57及び58をボルト59及びナット60により締結することによってアウタケース43及び46を連結してもよい。
尚、径方向においてフランジ28及び29に対向しているアウタケース24の筒部21の内周面36には緩衝材37及び38が設けられている。
筒状部材12は、本例ではいわゆるフレキシブルチューブからなり、伸縮自在であって可撓性を有した蛇腹部61を有している。筒状部材12は、その上流側の端部62でフランジ28に固着されていると共にその下流側の端部63で下流側排気管5の管端部4に固着されている。斯かる筒状部材12は、アウタケース24及びフランジ28を介して環状シール体9に気密に接触しており、上流側排気管2及び下流側排気管5の内部11を外気から遮断している。尚、蛇腹部61は、例えば図2及び図3に示すように、アウタケース24内において、図1に示す蛇腹部61よりも軸方向Xに長く形成することもできる。
以上の球面排気管継手1では、上流側排気管2と下流側排気管5との間の角変位方向Aの相対的な揺動及び上流側排気管2と下流側排気管5との間の捩り方向(回転方向)Bの相対的な揺動は主に凸球面体7の凸球面6と環状シール体9の凹球面8との摺動によって等方性をもって許容され、上流側排気管2及び下流側排気管5のX方向の相対変位並びにせん断方向の相対変位は主に可撓性を有した筒状部材12の揺動及び伸縮並びに弾性付勢手段10による環状シール体9及び凸球面体7に対する弾性的な付勢によって許容される。
本例の球面排気管継手1によれば、上流側排気管2及び上流側排気管2の管端部3に対向して配置された管端部4を有して大気側に連結された下流側排気管5のうちの一方の排気管、本例では上流側排気管2の管端部3に固着されている凸球面6を有した環状の凸球面体7と、凸球面体7に対して上流側排気管2及び下流側排気管5のうちの他方の側、本例では下流側排気管5側に配されていると共に当該凸球面体7の凸球面6に摺動自在に接触している凹球面8を有している環状の環状シール体9と、環状シール体9の凹球面8の凸球面体7の凸球面6に対する接触状態が保たれるように軸方向Xにおいて環状シール体9を弾性的に付勢していると共に、軸方向Xにおいて凸球面体7を前記付勢のX1方向とは逆のX2方向に弾性的に付勢している弾性付勢手段10と、上流側排気管2及び下流側排気管5の内部11を外気から遮断するように下流側排気管5の管端部4並びに環状シール体9を連結していると共に伸縮自在であって可撓性を有した筒状部材12とを具備しているために、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく振動に起因する上流側排気管2及び下流側排気管5の相対角変位及び相対回転変位並びに軸方向Xの相対変位及びせん断方向の相対変位を許容することができて、しかも、環状シール体9及び筒状部材12の双方を具備することで継手自体のコンパクト化を図れて排気系システムに対する取付位置の自由度を確保することができる。また、球面排気管継手1によれば、弾性付勢手段10により、環状シール体9の凹球面8の凸球面体7の凸球面6に対する接触状態が保たれるように軸方向Xにおいて環状シール体9がX1方向に弾性的に付勢されると共に、軸方向Xにおいて凸球面体7がX1方向とは逆のX2方向に弾性的に付勢されることになる結果、自動車の加減速やエンジンの回転等に基づく自動車本体の振動に起因して例えば環状シール体9等に各部材に経時劣化が生じても当該各部材間に隙間を生じさせることなく、当該各部材同士が衝突し、異音が発生する虞をなくすことができ、しかも、上流側排気管2及び下流側排気管5の相互の捻り方向Bを含む揺動の等方性を確保することができる。加えて、球面排気管継手1によれば、上述の構成を具備しているために、上流側排気管2及び下流側排気管5に相対角変位及び相対回転変位が生じても、スティクスリップ等に基づく異音を発生させないで運転者等に不快感を与えない極めて乗り心地のよい自動車とし得、環状シール体9を正常位置に保持できて排気ガスの漏洩もなく、しかも、製造を容易にし得る。
球面排気管継手1によれば、弾性付勢手段10は、凸球面体7に対して上流側排気管2側に配されていると共に当該凸球面体7の凸球面6に摺動自在に接触している凹球面18を有している環状の摺動体19を具備しており、摺動体19の凹球面18の凸球面体7の凸球面6に対する接触状態が保たれるように軸方向Xにおいて摺動体19をX2方向に弾性的に付勢しているために、上流側排気管2及び下流側排気管5の主に相対角変位及び相対回転変位に関して球面排気管継手1をより円滑に作動させ得る。
球面排気管継手1によれば、弾性付勢手段10は、下流側排気管5の管端部4に固着されていると共に径方向において凸球面体7に隙間20をもって対面している筒部21及び筒部21の軸方向Xにおける両端に径方向内側に伸びて形成された一対の環状部22及び23を具備しているアウタケース24と、軸方向Xにおいて環状部22と環状シール体9との間に介在されていると共に、環状シール体9の凹球面8の凸球面体7の凸球面6に対する接触状態が保たれるように軸方向Xにおいて環状シール体9をX1方向に弾性的に付勢している第一の弾性付勢部材としての圧縮コイルばね25と、軸方向Xにおいて環状部23と摺動体19との間に介在されていると共に、摺動体19の凹球面18の凸球面体7の凸球面6に対する接触状態が保たれるように軸方向Xにおいて摺動体19をX2方向に弾性的に付勢している第二の弾性付勢部材としての圧縮コイルばね26とを具備していてるために、アウタケース24の外側に圧縮コイルばね25、26等の部材が配置されることなく継手自体のコンパクト化を図れて排気系システムに対する取付位置の自由度を確保することができる。
球面排気管継手1によれば、アウタケース24は、軸方向Xにおける一方の端部41で下流側排気管5の管端部4に固着されたアウタケース43と、軸方向Xにおける一方の端部44でアウタケース43の軸方向Xにおける他方の端部42に連結されていると共に軸方向Xにおける他方の端部45が上流側排気管2に対して径方向の隙間47をもって配されているアウタケース46とを具備しているために、球面排気管継手1の組み立てを容易にし得る。
球面排気管継手1によれば、筒状部材12は、伸縮自在であって可撓性を有した蛇腹部61を有しているために、当該蛇腹部61において、主に上流側排気管2及び下流側排気管5の相対角変位並びに軸方向Xの相対変位及びせん断方向の相対変位を許容することができる。蛇腹部61は、球面排気管継手1が環状シール体9等を具備しているために軸方向Xにおいて短く構成することができ、而して、放熱面積を狭めることができて排気ガスの温度を維持し得る結果、下流側に設置される図示しない排気ガス浄化装置の浄化効率の低下を防止することができる。
本例の球面排気管継手1では、圧縮コイルばね25及び26、摺動体19並びにフランジ29に代えて、例えば図5に示すように形成された複数の圧縮コイルばね71及び71a並びに72及び72a、摺動体73並びにフランジ74を具備していてもよい。摺動体73は、内周面としての凹球面18、側面34及び35並びに外周面としての凸球面75を有している。フランジ74は、フランジ本体68と、フランジ本体68の外周縁から上流側に向かって傾斜した外側傾斜板部76と、フランジ本体68の内周縁から上流側に向かって傾斜していると共に摺動体73の凸球面75に摺動自在に接触している凹球面77を有した内側傾斜板部78と、内側傾斜板部78の上流側の端部に連結された軸方向Xに伸びた円筒部79とを具備しており、凹球面77の凸球面75に対する接触により摺動体73に摺動自在に装着されている。圧縮コイルばね71及び71aの夫々は、一端で環状部22に、他端でフランジ28に当接しており、圧縮コイルばね71の中空部には、小径の圧縮コイルばね71aが配されており、圧縮コイルばね71aの中空部には下流側排気管5が配されている。圧縮コイルばね72及び72aの夫々は、一端で環状部23に、他端でフランジ74に当接しており、圧縮コイルばね72の中空部には、圧縮コイルばね72aが配されており、圧縮コイルばね72aの中空部には、上流側排気管2が配されている。斯かる図5に示す球面排気管継手1によれば、特に、摺動体73及びフランジ74を具備しているために、上流側排気管2及び下流側排気管5の主に相対角変位及び相対回転変位に関して、より円滑に作動させ得る。
図5に示す球面排気管継手1においては、環状シール体9及びフランジ28に代えて、例えば図6に示すように形成された環状シール体81及びフランジ82を具備していてもよい。環状シール体81は、内周面としての凹球面8、側面31及び32並びに外周面としての凸球面83を有している。フランジ82は、フランジ本体65と、フランジ本体65の外周縁から下流側に向かって傾斜した外側傾斜板部84と、フランジ本体68の内周縁から下流側に向かって傾斜していると共に環状シール体81の凸球面83に摺動自在に接触している凹球面85を有した内側傾斜板部86と、内側傾斜板部86の下流側の端部に連結された軸方向Xに伸びた円筒部87とを具備しており、凹球面85の凸球面83に対する接触により環状シール体81に摺動自在に装着されている。環状シール体81及びフランジ82は、摺動体73及びフランジ74に対して夫々同様に形成されていると共に軸方向Xにおいて逆向きに配置されている。斯かる図6に示す球面排気管継手1によれば、特に、摺動体73、環状シール体81並びにフランジ74及び82を具備しているために、上流側排気管及び下流側排気管の主に相対角変位及び相対回転変位に関して、より円滑に作動させ得る。尚、凸球面体7が設けられた上流側排気管2の先端部88は、下流側に向かって拡径するように形成されていてもよい。
図5に示す球面排気管継手1においては、凸球面体7及び摺動体73に代えて、例えば図7に示すように形成された凸球面体91及び環状体92を具備していてもよい。凸球面体91は、回転球芯Oから環状シール体9が配される下流側において形成された凸球面93と、凸球面93に対して上流側に配されていると共に当該凸球面93から径方向内側に伸びて形成された環状支持面94とを有している。凸球面体91に対して上流側に配されている環状体92は、フランジ74の凹球面77に摺動自在に接触している外周面としての凸球面95と、下流側において凸球面95に連結されている径方向内側に伸びた大径環状面96と、上流側において凸球面95に連結されている径方向内側に伸びた小径環状面97と、大径環状面96及び小径環状面97に連結されている内周面98とを有しており、大径環状面96が軸方向Xにおいて環状支持面94に支持されており、内周面98が上流側排気管2の外周面に接触している。環状体92は、圧縮コイルばね72により、軸方向XにおいてX2方向に弾性的に付勢されている。図7に示す球面排気管継手1においても上述同様の作用効果を奏し得る。
図7に示す球面排気管継手1においては、環状シール体9及びフランジ28に代えて、例えば図8に示すように、上述の環状シール体81及びフランジ82を具備していてもよい。図8に示す球面排気管継手1においても上述同様の作用効果を奏し得る。
1 球面排気管継手
2 上流側排気管
3、4 管端部
5 下流側排気管
7、91 凸球面体
9、81 環状シール体
10 弾性付勢手段
19、73 摺動体
92 環状体
24 アウタケース
25、26、71、71a、72、72a 圧縮コイルばね
28、29、74、82 フランジ
37、38 緩衝材
12 筒状部材
2 上流側排気管
3、4 管端部
5 下流側排気管
7、91 凸球面体
9、81 環状シール体
10 弾性付勢手段
19、73 摺動体
92 環状体
24 アウタケース
25、26、71、71a、72、72a 圧縮コイルばね
28、29、74、82 フランジ
37、38 緩衝材
12 筒状部材
Claims (21)
- 上流側排気管及びこの上流側排気管の管端部に対向して配置された管端部を有した下流側排気管のうちの一方の排気管の管端部に設けられた凸球面を有した環状の凸球面体と、この凸球面体に対して上流側排気管及び下流側排気管のうちの他方の側に配されていると共に当該凸球面体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有している環状シール体と、環状シール体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において環状シール体を弾性的に付勢していると共に、軸方向において凸球面体を前記付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢している弾性付勢手段と、上流側排気管及び下流側排気管の内部を外気から遮断するように上流側排気管及び下流側排気管のうちの他方の排気管の管端部並びに環状シール体を連結していると共に伸縮自在であって可撓性を有した筒状部材とを具備している球面排気管継手。
- 弾性付勢手段は、凸球面体に対して上流側排気管及び下流側排気管のうちの一方の側に配されていると共に当該凸球面体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有している環状の摺動体を具備しており、摺動体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において摺動体を前記環状シール体の付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢している請求項1に記載の球面排気管継手。
- 弾性付勢手段は、上流側排気管及び下流側排気管のうちの他方の排気管の管端部に固着されていると共に径方向において凸球面体に隙間をもって対面している筒部及びこの筒部の軸方向における両端に径方向内側に伸びて形成された一対の環状部を具備しているアウタケースと、軸方向においてアウタケースの一対の環状部のうちの一方と環状シール体との間に介在されていると共に、環状シール体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において環状シール体を弾性的に付勢している第一の弾性付勢部材と、軸方向においてアウタケースの一対の環状部のうちの他方と摺動体との間に介在されていると共に、摺動体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において摺動体を前記第一の弾性付勢部材による環状シール体の付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢している第二の弾性付勢部材とを具備している請求項2に記載の球面排気管継手。
- 弾性付勢手段は、アウタケースに対して径方向の隙間をもって配されていると共に環状シール体に装着された第一のフランジと、アウタケースに対して径方向の隙間をもって配されていると共に摺動体に装着された第二のフランジとを具備しており、第一の弾性付勢部材は、一端でアウタケースの一対の環状部のうちの一方に、他端で第一のフランジに夫々当接している圧縮コイルばねからなり、第二の弾性付勢部材は、一端でアウタケースの一対の環状部のうちの他方に、他端で第二のフランジに夫々当接している圧縮コイルばねからなり、筒状部材は、第一のフランジに固着されている請求項3に記載の球面排気管継手。
- 環状シール体は、前記凹球面をその内周面に有していると共に、その外周面に凸球面を有しており、第一のフランジは、環状シール体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有しており、前記接触により環状シール体に摺動自在に装着されている請求項4に記載の球面排気管継手。
- 摺動体は、前記凹球面をその内周面に有していると共に、その外周面に凸球面を有しており、第二のフランジは、摺動体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有しており、前記接触により摺動体に摺動自在に装着されている請求項4又は5に記載の球面排気管継手。
- 径方向において第一及び第二のフランジのうちの少なくとも一方に対向しているアウタケースの内周面には緩衝材が設けられている請求項4から6のいずれか一項に記載の球面排気管継手。
- 環状シール体及び摺動体は、これらの回転球芯を通る線であって軸方向に直交する方向に伸びた線において線対称又は軸対称である請求項2から7のいずれか一項に記載の球面排気管継手。
- 凸球面体には、その凸球面に対して上流側排気管及び下流側排気管のうちの一方の側に配された環状支持面が形成されており、弾性付勢手段は、凸球面体に対して上流側排気管及び下流側排気管のうちの一方の側に配されていると共に軸方向において環状支持面に支持された環状体を具備しており、軸方向において環状体を前記環状シール体の付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢している請求項1に記載の球面排気管継手。
- 弾性付勢手段は、上流側排気管及び下流側排気管のうちの他方の排気管の管端部に固着されていると共に径方向において凸球面体に隙間をもって対面している筒部及びこの筒部の軸方向における両端に径方向内側に伸びて形成された一対の環状部を具備しているアウタケースと、軸方向においてアウタケースの一対の環状部のうちの一方と環状シール体との間に介在されていると共に、環状シール体の凹球面の凸球面体の凸球面に対する接触状態が保たれるように軸方向において環状シール体を弾性的に付勢している第一の弾性付勢部材と、軸方向においてアウタケースの一対の環状部のうちの他方と環状体との間に介在されていると共に、軸方向において環状体を前記第一の弾性付勢部材による環状シール体の付勢の方向とは逆の方向に弾性的に付勢している第二の弾性付勢部材とを具備している請求項9に記載の球面排気管継手。
- 弾性付勢手段は、アウタケースに対して径方向の隙間をもって配されていると共に環状シール体に装着された第一のフランジと、アウタケースに対して径方向の隙間をもって配されていると共に環状体に装着された第二のフランジとを具備しており、第一の弾性付勢部材は、一端でアウタケースの一対の環状部のうちの一方に、他端で第一のフランジに夫々当接している圧縮コイルばねからなり、第二の弾性付勢部材は、一端でアウタケースの一対の環状部のうちの他方に、他端で第二のフランジに夫々当接している圧縮コイルばねからなり、筒状部材は、第一のフランジに固着されている請求項10に記載の球面排気管継手。
- 環状シール体は、前記凹球面をその内周面に有していると共に、その外周面に凸球面を有しており、第一のフランジは、環状シール体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有しており、前記接触により環状シール体に摺動自在に装着されている請求項11に記載の球面排気管継手。
- 環状体は、その外周面に凸球面を有しており、第二のフランジは、環状体の凸球面に摺動自在に接触している凹球面を有しており、前記接触により環状体に摺動自在に装着されている請求項11又は12に記載の球面排気管継手。
- 径方向において第一及び第二のフランジのうちの少なくとも一方に対向しているアウタケースの内周面には緩衝材が設けられている請求項11から13のいずれか一項に記載の球面排気管継手。
- アウタケースは、軸方向における一方の端部で前記他方の排気管の管端部に固着された第一のアウタケースと、軸方向における一方の端部で第一のアウタケースの軸方向における他方の端部に連結されていると共に軸方向における他方の端部が前記一方の排気管に対して径方向の隙間をもって配されている第二のアウタケースとを具備している請求項3から7並びに10から14のいずれか一項に記載の球面排気管継手。
- 第一のアウタケースの他方の端部及び第二のアウタケースの一方の端部には、夫々互いに螺合している螺合部が形成されており、第二のアウタケースは、第一のアウタケースに対する円周方向における相対回転において当該第一のアウタケースに対して軸方向に移動するように配設されている請求項15に記載の球面排気管継手。
- 第一のアウタケースの他方の端部及び第二のアウタケースの一方の端部は、溶接によって連結されている請求項15に記載の球面排気管継手。
- 第一のアウタケースの他方の端部及び第二のアウタケースの一方の端部は、ボルト及びナットによって連結されている請求項15に記載の球面排気管継手。
- 筒状部材は、伸縮自在であって可撓性を有した蛇腹部を有している請求項1から18のいずれか一項に記載の球面排気管継手。
- 凸球面体の凸球面及び環状シール体の凹球面のうちの少なくとも一方は、固体潤滑剤を含む潤滑すべり層の露出面である請求項1から19のいずれか一項に記載の球面排気管継手。
- 環状シール体は、膨張黒鉛、雲母または石綿等の耐熱材と、金属細線から形成された金網からなる補強材とを圧縮成形してなり、耐熱材が金網からなる補強材の隙間に配されてなる請求項1から20のいずれか一項に記載の球面排気管継手。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115405783A (zh) * | 2021-05-27 | 2022-11-29 | 中国航发商用航空发动机有限责任公司 | 管路连接装置和空气管路 |
KR102585223B1 (ko) * | 2023-03-14 | 2023-10-05 | 김현수 | 상하수도관 설치용 내진 및 침하 방지 장치 |
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2012
- 2012-09-21 JP JP2012208970A patent/JP2014062610A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115405783A (zh) * | 2021-05-27 | 2022-11-29 | 中国航发商用航空发动机有限责任公司 | 管路连接装置和空气管路 |
KR102585223B1 (ko) * | 2023-03-14 | 2023-10-05 | 김현수 | 상하수도관 설치용 내진 및 침하 방지 장치 |
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