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JP2014045823A - 生体用電極、その製造方法及びイオントフォレシス装置 - Google Patents

生体用電極、その製造方法及びイオントフォレシス装置 Download PDF

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JP2014045823A
JP2014045823A JP2012189317A JP2012189317A JP2014045823A JP 2014045823 A JP2014045823 A JP 2014045823A JP 2012189317 A JP2012189317 A JP 2012189317A JP 2012189317 A JP2012189317 A JP 2012189317A JP 2014045823 A JP2014045823 A JP 2014045823A
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Takuya Higuchi
樋口  拓也
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Abstract

【課題】電極間の電気的な接続を確保しつつ、製造コストの低減を実現できる生体用電極、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基材2と、基材2に設けられた第1電極6及び第2電極7と、基材2に設けられるとともに第1電極6に一体で設けられ、第1電極6と第2電極7とを電気的に接続する接続配線部4と、基材2に設けられるとともに接続配線部4に一体で設けられ、第2電極7の一部又は全部で覆われている接続部5と、接続配線部4を覆う絶縁体8とを有するようにして上記課題を解決する。第1電極6と接続配線部4と接続部5とが同一材料で一体に設けられ、接続配線部4の幅が第1電極6の幅よりも狭く、接続部5が第2電極7の一部で覆われているようにしてもよいし、第1電極6と接続配線部4と接続部5とが同一材料で一体に設けられ、接続部5が第2電極7の全部で覆われているようにしてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオントフォレシスに用いる生体用電極、その製造方法及びイオントフォレシス装置に関する。
イオントフォレシス(IONTOPHORESIS)は、電気エネルギーを利用して、主にイオン性薬剤の生体膜への透過を促進させる方法であり、薬剤の経皮吸収の促進を目的に利用されている。具体的には、一対の電極が電気的に接続されたシート状の生体用電極を、イオン性薬剤を介して皮膚に貼り合わせ、その一対の電極間に微細電流を流して、電荷を持つイオン性薬剤を皮膚中に浸透させる技術である。
こうしたイオントフォレシス装置として、特許文献1には、生物の体表の異なる2か所の表面電位差を利用すること、及び体表面の電解質と電極との間のイオン化傾向を利用することにより、発電した電力により装置を小型化した有効成分を体表面から体内に導入するイオン導入装置が提案されている。この技術によれば、コストが安価で使い方が容易で安全で効果が高く小型で携帯可能で使い捨ても可能なイオン導入装置を提供できるとされている。
また、特許文献2には、複数の自給式の直列接続されたガルバニ電源を設けられる経皮的イオン導入による治療薬剤伝達システムであって、各々が酸化可能種と還元可能種を含む複数のガルバニ電源を有し、前記複数ガルバニ電源のうちの少なくとも1つが治療薬剤のための第1の伝達チャンバと接触した酸化可能種、治療薬剤のための第2の伝達チャンバと接触した還元可能種をさらに含む活性薬剤電源であり、前記経皮的イオン導入による伝達システムの全体的なガルバニ電位が前記活性薬剤ガルバニ電源の合計となるように前記複数ガルバニ電源を直列接続する導体を有する治療薬剤伝達システムが提案されている。さらに、ガルバニ電源のうち1つ又は複数がスクリーン印刷された電極を有することが記載され、酸化可能種がMgとZnから選択され、還元可能種がAgClであることが記載されている。
また、特許文献3には、イオン性被浸透薬剤を含有する導電性マトリクス背面に導電接触した標準単極電位のより高い金属電極と、該金属電極に導電接続した標準単極電位のより低い半導体電極とから成り、該半導体電極と前記イオン性被浸透薬剤を含有する導電性マトリクスとを同時に皮接する経皮投薬用素子が提案されている。
特開2009−195650号公報 WO2001/049365号 特開平3−16573号公報
上記した従来の生体用電極では、一対の電極間を、導電線(ジャンパー線ともいう。)で接続していた。しかしながら、こうした導電線は電極と別に設けなければならず、生体用電極を構成する電極の接続構造を複雑にさせていた。また、導電線と電極とを接続する工程が必要となるので、工程数が多くなり、製造コストが高くなるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電極間の電気的な接続を確保しつつ、製造コストの低減を実現できる構造形態を備えた生体用電極、及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そうした生体用電極を有したイオントフォレシス装置を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係る生体用電極は、基材と、前記基材に設けられた第1電極及び第2電極と、前記基材に設けられるとともに前記第1電極に一体で設けられ、前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続する接続配線部と、前記基材に設けられるとともに前記接続配線部に一体で設けられ、前記第2電極の一部又は全部で覆われている接続部と、前記接続配線部を覆う絶縁体とを有する、ことを特徴とする。
本発明に係る生体用電極において、前記第1電極と前記接続配線部と前記接続部とが同一材料で一体に設けられ、前記接続配線部の幅が前記第1電極の幅よりも狭く、前記接続部が前記第2電極の一部で覆われているように構成してもよい。
本発明に係る生体用電極において、前記第1電極と前記接続配線部と前記接続部とが同一材料で一体に設けられ、前記接続部が前記第2電極の全部で覆われているように構成してもよい。
本発明に係る生体用電極において、前記第1電極から異なる方向に延びる2以上の前記接続配線部を有し、前記接続部が、前記方向にそれぞれ設けられた2以上の前記第2電極の一部又は全部で覆われていてもよい。
本発明に係る生体用電極において、前記第1電極及び前記第2電極は、一方が貴金属で設けられており、他方が亜鉛の酸化物又は亜鉛を含む半導体で設けられていてもよい。
(2)上記課題を解決するための本発明に係る生体用電極の製造方法は、基材を準備する工程と、前記基材に、第1電極、接続配線部及び接続部を一体形成する工程と、前記接続部の一部又は全部を覆う第2電極を形成する工程と、前記接続配線部を覆う絶縁体を形成する工程とを有する、ことを特徴とする。
本発明に係る生体用電極の製造方法は、前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を一体形成する工程において、前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を同時に所定のパターンに形成し、又は、前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を同時に形成した後に所定のパターンに形成して前記接続配線部及び前記接続部を前記第1電極の幅よりも狭い幅で形成してもよい。
本発明に係る生体用電極の製造方法は、前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を一体形成する工程において、前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を同時に形成した後に前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を所定のパターンに形成せず、前記第2電極を形成する工程において、前記第2電極を所定のパターンに形成してもよい。
(3)上記課題を解決するための本発明に係るイオントフォレシス装置は、上記した本発明に係る生体用電極を有し、前記生体用電極を構成する第1電極及び第2電極を覆うように薬剤が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、電極間の電気的な接続を確保しつつ、製造コストの低減を実現できる生体用電極、及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る生体用電極の一例を示す模式的な平面図(A)及び断面図(B)である。 本発明に係る生体用電極の他の一例を示す模式的な平面図(A)及び断面図(B)である。 本発明に係る生体用電極の他の一例を示す模式的な平面図(A)及び断面図(B)である。 本発明に係る生体用電極の他の一例を示す模式的な平面図(A)及び断面図(B)である。 本発明に係る生体用電極の他の一例を示す模式的な平面図(A)及び断面図(B)である。 本発明に係る生体用電極の他の一例を示す模式的な平面図(A)及び断面図(B)である。 本発明に係るイオントフォレシス装置の原理図である。 本発明に係る生体用電極(第1実施形態)の製造工程(その1)を示す説明図である。 本発明に係る生体用電極(第1実施形態)の製造工程(その2)を示す説明図である。 本発明に係る生体用電極(第2実施形態)の製造工程(その1)を示す説明図である。 本発明に係る生体用電極(第2実施形態)の製造工程(その2)を示す説明図である。
以下、本発明に係る生体用電極、その製造方法及びイオントフォレシス装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、その技術的思想を含む範囲内で以下の形態に限定されない。
[生体用電極及びその製造方法]
本発明に係る生体用電極1(1A〜1F)は、図1〜図6に示すように、基材2と、基材2に設けられた第1電極6及び第2電極7と、基材2に設けられるとともに第1電極6に一体で設けられ、第1電極6と第2電極7とを電気的に接続する接続配線部4と、基材2に設けられるとともに接続配線部4に一体で設けられ、第2電極7の一部又は全部で覆われている接続部5と、接続配線部4を覆う絶縁体8とを有している。
この生体用電極1は、図1及び図2に示すように、第1電極6と接続配線部4と接続部5とが同一材料で一体に設けられ、接続配線部4の幅が第1電極6の幅よりも狭く、接続部5が第2電極7の一部で覆われているようにしてもよいし、図3及び図4に示すように、第1電極6と接続配線部4と接続部5とが同一材料で一体に設けられ、接続部5が第2電極7の全部で覆われているようにしてもよい。
本発明に係る生体用電極1は、図8及び図9に示す第1実施形態の製造工程や、図10及び図11に示す第2実施形態の製造工程等により製造できる。具体的には、基材2を準備する工程(図8(A)及び図10(A))と、基材2に、第1電極6、接続配線部4及び接続部5を一体形成する工程(図8(B)〜(D)及び図10(B))と、接続部5の一部又は全部を覆う第2電極7を形成する工程(図9(A)〜(C)及び図10(C)(D)、図11(A))と、接続配線部4を覆う絶縁体8を形成する工程(図9(D)及び図11(B))とを有している。
こうした生体用電極1は、第1電極6と第2電極7とが電気的に接続する接続配線部4が、第1電極6に一体形成されているので、そうした第1電極6と接続配線部4とは同一材料で同時に一緒(一体的)に設けられたものである。その結果、接続配線部4を第1電極6と別に設けた構造形態を持たないので、従来技術に比べて、接続配線部4と第1電極6との接続構造をより簡略化できる。また、接続配線部4のうち第2電極7に電気的に接続する接続部5が第2電極7の一部又は全部で覆われているので、第2電極7と接続配線部4との電気的な接続構造も、従来技術に比べてより簡略化できる。これらの接続構造4は簡易な構造形態であるので、製造工程を簡略化して工数を削減できる。その結果、本発明に係る生体用電極1は、第1電極6と一緒(一体)に形成された接続配線部4によって第1電極6と第2電極7との接続を確保でき、且つ製造コストの低減を実現できる構造形態を備えたものということができる。
<各態様>
本発明に係る生体用電極1を、図1〜図6に示す6態様の生体用電極1A〜1Fの構造形態に基づいて具体的に説明する。なお、本願明細書において、「上に」とは、そのものの上に直に又は他の層を介して設けられていることを意味し、「覆う」とは、そのものの上に設けられるとともに、そのものの周りにも設けられていることを意味する。また、「上方向」「下方向」のような方向は、図面を平面視したときを基準にして方向を表している。
(図1に示す生体用電極1A)
図1に示す生体用電極1Aは、基材2上に設けられた第1電極6と、基材2上に設けられた第2電極7とが、接続配線部4を介して設けられている。接続配線部4は、第1電極6と一体的に設けられており、好ましくは同じ材料で一体的に継ぎ目なく同時に設けられている。また、接続配線部4は、第1電極6の幅よりも狭い幅で形成されている。接続配線部4のうち第2電極側の接続部5は、第2電極7の一部で覆われており、第2電極7に直接接触している。なお、接続部5を覆う部分以外の第2電極7は、第1電極6と同様、基材2上に設けられている。絶縁体8は、第1電極6と第2電極7とを連結する接続配線部4を覆うように設けられている。すなわち、絶縁体8は、接続配線部4を全て覆うと共に、第1電極6側の一部と第2電極7側の一部にもはみ出すように設けられ、さらに基材2上にもはみ出すように設けられている。
この生体用電極1Aでは、接続配線部4は第1電極6よりも狭い幅で設けられているので、狭い幅の接続配線部4は、エッチング等を利用したパターン形成手段で容易に形成できる。その結果、製造コストの低減を実現できる構造形態を備えたものということができる。また、接続配線部4の幅が狭いため、接続配線部4の抵抗値を高くすることができる。そのため、第1電極6と第2電極7との間に流れる電流を抑えることができるので、例えば微弱な電流が求められる繊細な部分の皮膚中に薬剤を浸透させる場合に好ましく用いることができる。
(図2に示す生体用電極1B)
図2に示す生体用電極1Bは、図1に示す態様では接続配線部4が第1電極6から一方向(左方向)延びて第2電極7に電気的に接続しているのに対し、接続配線部4が第1電極6から右方向と左方向の異なる2方向に延び、その延びた先に配置された第2電極7,7に電気的に接続している点に特徴がある。したがって、第2電極7,7は、第1電極6を挟んで異なる方向に離間して設けられている。なお、接続配線部4の延びる方向は、異なる方向であれば図2に示す右方向と左方向でなくてもよく、右方向と下方向、右方向と上方向、左方向と上方向、左方向と下方向等であってもよいし、それ以外の斜め方向と組み合わせたものであってもよい。また、右斜め上方向、左斜め上方向、及び下方向のような異なる3方向や、4方向以上の方向であってもよい。これら以外の各構成要素は、図1の態様と同じである。
この生体用電極1Bでは、第2電極7,7が異なる方向(例えば左方向と右方向)に2つ設けられているので、第1電極6から左右2つの第2電極7,7それぞれに向かうイオンの流れ、又は、左右2つの第2電極7,7それぞれから第1電極6に向かうイオンの流れが生じる。その結果、皮膚中のイオンの流れが一部分に集中せずに、広い範囲にイオンの流れを生じさせ、広い範囲に薬剤を浸透させることができる。
(図3に示す生体用電極1C)
図3に示す生体用電極1Cは、図1に示す態様では接続配線部4が第1電極6の幅よりも狭い幅で形成されているのに対し、第1電極6と接続配線部4とが一体的に設けられており、好ましくは同じ材料で一体的に継ぎ目なく全ベタ状に同時に設けられ、さらに、接続部5が第2電極7の全部で覆われている点に特徴がある。すなわち、第1電極6と接続配線部4と接続部5(接続配線部4の一部)とが全て全ベタ状に同一材料で継ぎ目なく設けられており、第2電極7が設けられた部分が接続部5になっている。この生体用電極1Cは、基材2が露出しないので、接続配線部4を覆う絶縁体8は、基材に接触していない。これらの点以外の各構成要素は、図1の態様と同じである。
この生体用電極1Cでは、接続配線部4はエッチング等のパターン形成手段が不要になり、製造コストの低減を実現できる構造形態を備えたものということができる。また、接続部5は第2電極7の全部で覆われているので、第2電極7はその接続部5を含む接続配線部4上に全ベタ状に形成されたものとなり、製造コストの低減を実現できる単純な構造形態を備えたものということができる。また、接続配線部4がパターン形成されていないので、例えば抵抗値を低くして流れる電流を大きくすることができる。その結果、薬剤を皮膚中により効果的に浸透させることができる。
(図4に示す生体用電極1D)
図4に示す生体用電極1Dは、図3に示す態様では接続配線部4が第1電極6から一方向(左方向)延びて第2電極7に電気的に接続しているのに対し、図2と同様、接続配線部4が第1電極6から右方向と左方向の異なる2方向に延び、その延びた先に配置された第2電極7,7に電気的に接続している点に特徴がある。したがって、第2電極7,7は、第1電極6を挟んで異なる方向に離間して設けられている。なお、接続配線部4の延びる方向は、異なる方向であれば図4に示す右方向と左方向でなくてもよく、右方向と下方向、右方向と上方向、左方向と上方向、左方向と下方向等であってもよいし、それ以外の斜め方向と組み合わせたものであってもよい。また、右斜め上方向、左斜め上方向、及び下方向のような異なる3方向や、4方向以上の方向であってもよい。これらの点以外の各構成要素は、図3の態様と同じである。
この生体用電極1Dでは、第2電極7,7が異なる方向(左方向と右方向)に2つ設けられているので、第1電極6から左右2つの第2電極7,7それぞれに向かうイオンの流れ、又は、左右2つの第2電極7,7それぞれから第1電極6に向かうイオンの流れが生じる。その結果、皮膚中のイオンの流れが一部分に集中せずに、広い範囲にイオンの流れを生じさせ、広い範囲に薬剤を浸透させることができる。
(図5に示す生体用電極1E)
図5に示す生体用電極1Eは、第1電極6が格子状となるように複数の第2電極7をそれぞれ離間して形成したものである。詳しくは、第1電極6と接続配線部4とが一体的に設けられており、好ましくは同じ材料で一体的に継ぎ目なく全ベタ状に同時に設けられ、さらにその上に、複数の第2電極7が縦横に所定の間隔で離して設けられている。そして、第2電極7が設けられた部分が接続部5になっている。言い換えれば、この生体用電極1Eでは、接続配線部4は、第1電極6から右斜め上、左斜め上、右斜め下、左斜め下の異なる4方向に延び、その延びた先に配置された第2電極7,7に電気的に接続している。そして、その第2電極7,7は、第1電極6を挟んで異なる4方向に離間して設けられている。その結果として、図5(A)を平面視した形態では、第1電極6が格子状に縦横に形成されている。また、基材2が露出しないので、接続配線部4を覆う絶縁体8は、基材2に接触していない。絶縁体8が設けられた部分と第2電極7が設けられた部分が接続配線部4となっている。これらの点以外の各構成要素は、図3及び図4の態様と同じである。
この生体用電極1Eは、図5(A)の平面視において、第1電極6が格子状に設けられているとともに、格子状の第1電極6の間に複数の第2電極7が配置されている構造形態を有するので、こうした構造形態をイオントフォレシス装置に用いた際に、皮膚中のイオンの流れが集中せずに広い範囲に生じるので、皮膚中のより広い範囲に薬剤を浸透させることができる。
(図6に示す生体用電極1F)
図6に示す生体用電極1Fは、図5に示す態様では複数の第2電極7を離間して設けて第1電極6を格子状になるようしているのに対し、第2電極7自体を格子状パターンで設けていることに特徴がある。すなわち、第2電極7が格子状となるように設けることにより、複数の第1電極6それぞれが離間するように形成したものである。詳しくは、第1電極6と接続配線部4とが一体的に設けられており、好ましくは同じ材料で一体的に継ぎ目なく全ベタ状に同時に設けられ、さらにその上に、第2電極7が縦横に延びて格子状になるようにパターン形成したものである。そして、第2電極7が設けられた部分が接続部5になっている。言い換えれば、この生体用電極1Fでは、接続配線部4は、第1電極6から上、上、右、左の異なる4方向に延び、その延びた先に配置された第2電極7に電気的に接続している。そして、第1電極6は、異なる4方向の第2電極7で挟まれている。その結果として、図6(A)を平面視した形態では、第2電極7が格子状に縦横に形成されている。また、基材2が露出しないので、接続配線部4を覆う絶縁体8は、基材2に接触していない。絶縁体8が設けられた部分と第2電極7が設けられた部分が接続配線部4となっている。これらの点以外の各構成要素は、図3及び図4の態様と同じである。
この生体用電極1Fは、図6(A)の平面視において、第2電極7が格子状に設けられているとともに、格子状の第2電極7に挟まれるように複数の第1電極6が配置されている構造形態を有するので、こうした構造形態をイオントフォレシス装置に用いた際に、皮膚中のイオンの流れが集中せずに広い範囲に生じるので、皮膚中のより広い範囲に薬剤を浸透させることができる。
<各構成要素>
以下、生体用電極1(1A〜1F)の各構成要素について説明しつつ、各工程も併せて説明する。
(基材)
基材2は、絶縁性の基材であれば特に限定されず、プラスチックフィルムや紙等を用いることができる。フレキシブル基材2がより好ましく、人や動物の体の表面形態に追従した態様で生体用電極1を貼り付けることができる。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムを好ましく挙げることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン系合成紙等が好ましい。なお、ポリプロピレン系合成紙は、ポリプロピレンを主原料とするフィルム合成紙であり、例えばユポ(登録商標)を挙げることができる。
プラスチックフィルム以外のものとしては、アート紙、不織布及びシリコンゴム等を挙げることができる。なお、不織布等のような隙間の空いている薄い紙は、目詰め材等で隙間を埋めて用いることが好ましい。
基材2の厚さはその材質によっても異なり、一概には言えないが、プラスチックフィルムの場合は、通常、3μm以上、200μm以下のものを好ましく用いることができる。また、ユポ(登録商標)、アート紙、不織布等では、100μm以上、2000μm以下のものを好ましく用いることができる。なお、基材2の形状は、所定の大きさの枚葉形状であってもよいし、ロール状に巻かれた長尺シート基材であってもよい。
基材2上には、図示しないがプライマー層を設けることができる。このプライマー層は、第1電極6の下地層として基材2上に設けられる。そして、プライマー層は、第1電極6及び接続配線部4を構成する第1導電層6’(例えば図8(C)等)をパターン形成するためのリフトオフ用膜9(例えば図8(B))との密着性を向上させるのに好ましく用いられる。また、プライマー層上に第1導電層6’及び第2導電層7’が形成されることにより、形成された第1導電層6’及び第2導電層7’の密着性を向上させることができる。その結果、第1導電層6’及び第2導電層7’の剥離等を防ぐことができ、第1導電層6’及び第2導電層7’を精度よくパターン形成して所定パターンの第1電極6及び第2電極7を極めて効果的に形成することができる。
プライマー層は、基材2上の全面に設けてもよいし、第1電極6及び第2電極7を形成する領域にのみ設けてもよい。プライマー層の形成材料は、第1導電層6’及び第2導電層7’の密着性を高めることができる一般的なプライマー樹脂であれば特に限定されない。例えば、2液反応型のプライマー樹脂を各種の塗布方法で塗布し、所定温度で反応させてプライマー層を形成する。このようなプライマー層は、第1導電層6’及び第2導電層7’との密着性を向上させることができる。プライマー層の厚さは特に限定されないが、例えば、1μm以上、5μm以下とすることができる。
なお、第1導電層6’及び第2導電層7’とプライマー層との密着性について説明したが、プライマー層によって密着性が向上できるのは、蒸着法等のPVD法やCVD法により形成した導電層であってもよいし、それ以外の手段で形成された導電層であってもよい。
(第1電極及び接続配線部)
第1電極6及び接続配線部4は、基材2上、又は、基材2上に必要に応じて設けられたプライマー層上に設けられる。第1電極6は、第2電極7との間で起電力が発生する電位差を持つものであればよく、第2電極7の種類に応じて各種の構成材料を適用できる。接続配線部4は、第1電極6と一体的に設けられ、好ましくは同じ材料で一体的に継ぎ目なく同時に設けられる。この接続配線部4は、第1電極6と第2電極7とを接続する部分であり、後述する絶縁体8で覆われた部分のことである。こうした第1電極6と接続配線部4は、基材2上に設けられた第1導電層6’で構成され、図1及び図2に示すように必要に応じてパターン形成されたり、図3及び図4に示すようにパターン形成されずに全ベタ状のまま構成されたりする。
第1電極6及び接続配線部4の構成材料は、貴金属であっても、亜鉛の酸化物又は亜鉛を含む半導体であってもよい。貴金属としては、銀、金、銅、パラジウム、ロジウム、又はそれらの合金等を挙げることができる。構成材料が貴金属である場合は、第1電極6と第2電極7とを電気的に接続する接続配線部4の抵抗値を下げることができ、その結果、第1電極6と第2電極7との間を流れる電流を大きくすることができるという利点がある。中でも銀が好ましく、低コストで電気化学的に安定なものとすることができ、生体用電極1のコスト低減と信頼性の点で有利である。また、銀で形成した第1電極6は、例えば塩化物イオンを含む薬剤ジェル10に接触した場合であっても安定した電極特性を有する。また、金は、貴金属の中でも導電性に優れ、電気化学的に安定であるので、抵抗値を下げる点と信頼性の点で有利である。一方、構成材料が亜鉛の酸化物又は亜鉛を含む半導体等である場合は、材料が安価で、生体用電極1のコスト低減に寄与できる。亜鉛の酸化物の例としては、酸化亜鉛(ZnO)等を例示でき、亜鉛を含む半導体としては、InGaZnO系酸化物半導体(IGZO半導体)等を例示できる。
上記した構成材料で形成される第1電極6と接続配線部4は、蒸着法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法やCVD法により形成されたものであってもよいし、それ以外の手段で形成されたものであってもよい。例えば、真空蒸着法で形成された導電層(例えば金属蒸着層)であってもよいし、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、インクジェット印刷法又はスクリーン印刷法により形成した導電層(例えば導電ペースト層)であってもよいし、金属材料と樹脂バインダーとを含む導電性材料を塗布した後に加熱を行って焼成又は硬化させてなる導電層であってもよい。
第1電極6及び接続配線部4は、そうした導電層(第1導電層6’という。)を所定のパターンで直接設けて形成されてもよいし、例えば図1及び図2に示すように第1導電層6’を所定のパターンで形成されてもよい。第1電極6と接続配線部4とを所定のパターンで直接設ける方法としては、マスクを用いた蒸着手段や、導電ペーストや導電インキを用いたパターン印刷手段等を挙げることができる。また、第1電極6と接続配線部4とを所定のパターンで形成する方法としては、エッチング法やリフトオフ用膜9を利用して行う方法等を挙げることができる。
エッチング法によるパターン形成手段は、基材2上に全ベタ状に第1導電層6’を形成し、その上にマスクパターンを形成し、マスクパターンから露出した第1導電層6’をエッチング液で処理すること等により行うことができる。
リフトオフ用膜9を利用したパターン形成手段は、例えば図8(B)〜図8(D)に示すように、基材2上に所定パターンのリフトオフ用膜9を形成し(図8(B))、それを覆うように全ベタ状に第1導電層6’を形成し(図8(C))、その後にリフトオフ用膜9上に載った第1導電層6’をリフトオフ用膜9ごと除去する(図8(D))こと等により行うことができる。残った第1導電層6’が第1電極6と接続配線部4とを構成する。
リフトオフ用膜9をネガ型感光性樹脂組成物で形成する場合は、その感光性樹脂組成物を成膜した後に露光マスクを介して露光され、光が当たらなかった部分が現像液で剥離し易くなり、光が当たった部分が残る。残った膜が、その後に成膜される第1導電層6’をパターン形成するためのリフトオフ用膜9となる。水溶性樹脂からなるリフトオフ用膜9は、水洗によって洗い流すことができ、そのリフトオフ用膜9上の第1導電層6’を容易にリフトオフすることができる。リフトオフ用膜9は、感光性樹脂組成物である例えば水溶性樹脂を各種の塗布方法で塗布し、所定温度を加えて形成される。リフトオフ用膜9の厚さは特に限定されないが、例えば、1μm以上、5μm以下とすることができる。なお、リフトオフ用膜9でリフトオフする膜は、蒸着によって形成された第1導電層6’であってもよいし、導電ペーストで形成された第1導電層6’であってもよい。
なお、上記したように、プライマー層をリフトオフ用膜9の下層として設けることが好ましく、基材2上へのリフトオフ用膜9の密着性を高めてパターンの精度を向上させるとともに、基材2上への第1電極6と接続配線部4の密着性を高めることができる。その結果、リフトオフ用膜9を利用した第1電極6と接続配線部4のパターン形成を高精度で行うことができる。
第1電極6及び接続配線部4は、図3及び図4に示すように、パターン形成せずに、基材2の全面に例えば全ベタ状に形成されてもよい。その形成方法は、第1導電層6’を蒸着法や各種の印刷法等で基材上に全ベタ状に形成することができる。第1電極6と接続配線部4を全ベタ状に形成することにより、パターン形成する場合に比べて大幅なコスト低減を図ることができる。
第1電極6と接続配線部4の厚さは、構成材料や成膜手段によって異なるので一概に言えないが、蒸着法で金属薄膜や化合物薄膜からなる第1電極6と接続配線部4を形成する場合は、例えば、10nm以上、300nm以下の範囲内とすることができる。また、導電ペーストで第1電極6と接続配線部4を形成する場合は、例えば、5μm以上、15μm以下の範囲内とすることができる。特に蒸着法で形成する場合は、薄い第1電極6と接続配線部4を形成でき、材料コストを大幅に低減できる。材料単価が高い貴金属を用いる場合は、その効果が大きい。また、真空蒸着で形成する場合は、基材2に対する熱負荷を低減できるので、例えば薄いフレキシブル基材2に「しわ」や「歪み」を生じさせないという利点がある。
第1電極6の平面視形状は、例えば図1〜図4に示すような四角形等の角形であってもよいし、円形や楕円形であってもよいし、それらが組み合わされた形状であってもよい。また、第1電極6の平面視形状は、図5に示すような格子形状であってもよいし、図6に示すような窓部が等間隔に配置させた形状であってもよい。第1電極6の平面視形状を格子形状や窓部を有する形状にすることにより、その後に生体用電極1上に設けられる薬剤ジェル10の保持性を高めることができ、薬剤ジェル10の皮膚21(生体膜)への透過をより促進させることができる。なお、窓部の大きさや格子形状の開口の大きさは、任意に設計することができる。
第1電極6は、図7に示すように、接続配線部4(接続部5を含む)からなる配線12を介して第2電極7に接続されている。第1電極6と第2電極7との間には起電力が生じるので、配線12により自己発電回路となり、自己発電型のイオントフォレシス装置を構成できる。
(第2電極)
第2電極7は、第1電極6に離間して設けられ、第1電極6とは接続配線部4(接続部5を含む)で電気的に接続されている。第2電極7と接続配線部4とは、第2電極7が接続部5に接触することにより電気的に接続する。
第2電極7も、第1電極6と同様、第1電極6との間で起電力が発生する電位差を持つものであればよく、第1電極6の種類に応じて各種の構成材料を適用できる。第2電極7の構成材料は、第1電極6と同様、貴金属であっても、亜鉛の酸化物又は亜鉛を含む半導体であってもよい。貴金属としては、銀、金、銅、パラジウム、ロジウム、又はそれらの合金等を挙げることができる。第1電極6が貴金属で形成された場合は、第2電極7は亜鉛の酸化物又は亜鉛を含む半導体等で形成され、第1電極6が亜鉛の酸化物又は亜鉛を含む半導体等で形成された場合は、第2電極7は貴金属で形成される。第2電極7を貴金属で形成した場合は、外観の光沢感が向上するという利点がある。貴金属のうち銀が好ましく、低コストで電気化学的に安定なものとすることができ、生体用電極1のコスト低減と信頼性の点で有利である。また、銀で形成した第2電極7は、例えば塩化物イオンを含む薬剤ジェル10に接触した場合であっても安定した電極特性を有する。また、金は、貴金属の中でも導電性に優れ、電気化学的に安定であるとともに信頼性の点で有利である。一方、構成材料が亜鉛の酸化物又は亜鉛を含む半導体等である場合は、材料が安価で、生体用電極1のコスト低減に寄与できる。亜鉛の酸化物の例としては、酸化亜鉛(ZnO)等を例示でき、亜鉛を含む半導体としては、InGaZnO系酸化物半導体(IGZO半導体)等を例示できる。
上記した構成材料で形成される第2電極7は、蒸着法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法やCVD法により形成されたものであってもよいし、それ以外の手段で形成されたものであってもよい。例えば、真空蒸着法で形成された導電層(例えば金属蒸着層)であってもよいし、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、インクジェット印刷法又はスクリーン印刷法により形成した導電層(例えば導電ペースト層)であってもよいし、金属材料と樹脂バインダーとを含む導電性材料を塗布した後に加熱を行って焼成又は硬化させてなる導電層であってもよい。
第2電極7は、そうした導電層(第2導電層7’という。)を所定のパターンで直接設けて形成されてもよいし、全ベタ状に形成した後に所定のパターンで形成されてもよい。第2電極7を所定のパターンで直接設ける方法としては、マスクを用いた蒸着手段や、導電ペーストや導電インキを用いたパターン印刷手段等を挙げることができる。こうした方法は工数を低減できるのでコスト低減に寄与できる。また、第2電極7を所定のパターンで形成する方法としては、エッチング法やリフトオフ用膜9を利用して行う方法を挙げることができる。
エッチング法によるパターン形成手段は、第1電極6と接続配線部4とを覆うように全ベタ状に第2導電層7’を形成し、その上にマスクパターンを形成し、マスクパターンから露出した第2導電層7’をエッチング液で処理することにより行うことができる。
リフトオフ用膜9を利用したパターン形成手段は、例えば図9(A)(B)及び図10(C)(D)に示すように、第1電極6と接続配線部4の一部又は全部を覆うように所定パターンのリフトオフ用膜9を形成し(図9(A)、図10(C))、それを覆うように全ベタ状に第2導電層7’を形成し(図9(B)、図10(D))、その後にリフトオフ用膜9上に載った第2導電層7’をリフトオフ用膜9ごと除去する(図9(C)、図11(A))ことにより行うことができる。残った第2導電層7’が第2電極7を構成する。なお、リフトオフ用膜9の詳しい内容については第1電極6の説明欄で説明した内容と同じであるので、ここではその説明を省略する。
第2電極7の厚さは、構成材料や成膜手段によって異なるので一概に言えないが、蒸着法で金属薄膜や化合物薄膜からなる第2電極7を形成する場合は、例えば、10nm以上、300nm以下の範囲内とすることができる。また、導電ペーストで第2電極7を形成する場合は、例えば、5μm以上、15μm以下の範囲内とすることができる。特に蒸着法で形成する場合は、薄い第2電極7を形成でき、材料コストを大幅に低減できる。材料単価が高い貴金属を用いる場合は、その効果が大きい。また、真空蒸着で形成する場合は、基材2に対する熱負荷を低減できるので、例えば薄いフレキシブル基材2に「しわ」や「歪み」を生じさせないという利点がある。
第2電極7の平面視形状は、例えば図1〜図4に示すような四角形等の角形であってもよいし、円形や楕円形であってもよいし、それらが組み合わされた形状であってもよい。また、第2電極7の平面視形状は、図5に示すような窓部が等間隔に配置させた形状であってもよいし、図6に示すような格子形状であってもよい。第2電極7の平面視形状を窓部を有する形状や格子形状にすることにより、その後に生体用電極1上に設けられる薬剤ジェル10の保持性を高めることができ、薬剤ジェル10の皮膚21(生体膜)への透過をより促進させることができる。なお、窓部の大きさや格子形状の開口の大きさは、任意に設計することができる。
(絶縁体)
絶縁体8は、図1〜図6に示すように、第1電極6と第2電極7とを電気的に接続する接続配線部4を覆うように設けられている。絶縁体8は、少なくとも接続配線部4を覆うことが必要であり、接続配線部4以外は覆う必要はないが、生体用電極1の機能に支障が生じない範囲で他の領域に設けてもよい。例えば、図示のように、接続配線部4を全て覆うと共に、第1電極6側の一部と第2電極7側の一部にもはみ出すように設けられていてもよい。
絶縁体8の構成材料は、絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、成膜とパターン形成の容易さから、例えばスクリーン印刷ではエポキシアクリレート及びウレタンアクリレート等を主成分とした溶剤を含まない紫外線硬化材料、又はジエチレングリコールアセテート、エーテルグルコール等の溶剤を含んだ熱硬化材料等を挙げることができる。また、絶縁体8を、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁性の基材を貼り合わせて構成してもよい。
絶縁体8の形成方法は、一般的な絶縁樹脂等の形成方法を適用できる。例えば、絶縁性の樹脂系材料を各種の塗布方法で塗布して形成する。絶縁体8の厚さは特に限定されないが、例えば、10μm以上、200μm以下とすることができる。上述のように、ポリエチレンテレフタレート等の絶縁性の基材を貼り合わせる形でもよい。こうした絶縁体8は、薬剤ジェル10を介して皮膚にフレキシブルに貼り合わせた場合であっても、第1電極6と第2電極7との間の接続信頼性を維持することができ、信頼性が高く、接触抵抗も低い生体用電極1とすることができる。
[イオントフォレシス装置]
イオントフォレシス装置11は、本発明に係る生体用電極1を備えている。具体的には、図7に示すように、上記した生体用電極1を有し、その生体用電極1を構成する第1電極6と第2電極7とを覆うように薬剤ジェル10が設けられている。第1電極6及び第2電極7は、接続配線部4からなる配線12で接続され、第1電極6と第2電極7との間で生じる起電力により、自己発電型のイオントフォレシス装置11となる。このイオントフォレシス装置11は、薬剤ジェル10の側が皮膚に貼り合わされて使用される。
薬剤ジェル10は、1種類又は2種類以上の薬剤を含むジェルである。こうした薬剤ジェル10を用いるので、効率よく、薬剤を体内へ浸透させることが可能になる。特に2種類以上用いることが好ましい。なお、薬剤ジェル10の使用形態としては、第1電極6及び第2電極7のいずれも覆うように1種類の薬剤ジェル10が設けられていてもよいし、第1電極6及び第2電極7のそれぞれを別に覆うように1種類の薬剤ジェル10が設けられていてもよいし、第1電極6及び第2電極7のそれぞれを別に覆うようにそれぞれ異なる薬剤ジェル10が設けられていてもよい。なお、第1電極6や第2電極7に設けられる薬剤ジェル10は、1種類の薬剤ジェル10からなる単一薬剤であってもよいし、2種以上の薬剤ジェル10を含む複合薬剤であってもよい。
薬剤ジェル10に含まれる薬剤としては、所望の効果を生じさせるために生体器官に供給される治療上の任意の能動物質を用いることができる。具体的には、主要な治療分野における治療薬を含むものであって、特に限定するものではないが、抗生物質及び抗ウィルス薬のような抗感染薬;鎮痛剤及び鎮痛剤複合物;麻酔剤、食欲抑制剤;抗関節炎薬;抗喘息薬;抗痙攣薬;抗うつ薬;抗糖尿薬;下痢止め薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症薬;抗偏頭痛製剤;アンチモーション病(antimotion sickness)製剤;抗嘔吐剤;抗腫瘍剤;抗パーキンソン剤;心臓刺激剤;止痒剤;抗精神病薬;解熱剤;胃腸用及び尿道用を含む抗痙攣薬;抗コリン作用薬;交感神経様作用薬;キサンチン誘導体;カルシウム遮断薬を含む循環器製剤;β(ベータ)遮断薬;β(ベータ)作動薬;抗不整脈薬;高血圧症薬;ACE抑制薬;利尿剤;一般血管、冠状動脈、末梢血管及び脳血管を含む血管拡張薬;中央神経興奮剤;咳及び風邪製剤;鬱血除去薬;診断薬;ホルモン;催眠剤;免疫抑制剤;筋弛緩剤;副交感神経病薬;副交感神経作用薬;プロスタグラジン;蛋白質;ペプチド;精神刺激薬;鎮静剤及び精神安定剤(トランキライザー)を含むものを挙げることができる。
本発明に係る生体用電極1は、イオントフォレシス装置11の構成電極として好ましく用いられ、さらに、低周波治療器の電極、心電図、筋電、脳波等の内臓機能検査用電極、電気メス等のアース電極等の生体に貼付して治療や検査を行う生体用電極1としても好適に使用することができる。
1,1A〜1F 生体用電極
2 基材
4 接続配線部
5 接続部
6 第1電極
6’ 第1導電層
7 第2電極
7’ 第2導電層
8 絶縁体
9 リフトオフ用膜
10 薬剤ジェル
11 イオントフォレシス装置
12 配線(接続配線部)
21 皮膚

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材に設けられた第1電極及び第2電極と、前記基材に設けられるとともに前記第1電極に一体で設けられ、前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続する接続配線部と、前記基材に設けられるとともに前記接続配線部に一体で設けられ、前記第2電極の一部又は全部で覆われている接続部と、前記接続配線部を覆う絶縁体とを有する、ことを特徴とする生体用電極。
  2. 前記第1電極と前記接続配線部と前記接続部とが同一材料で一体に設けられ、前記接続配線部の幅が前記第1電極の幅よりも狭く、前記接続部が前記第2電極の一部で覆われている、請求項1に記載の生体用電極。
  3. 前記第1電極と前記接続配線部と前記接続部とが同一材料で一体に設けられ、前記接続部が前記第2電極の全部で覆われている、請求項1に記載の生体用電極。
  4. 前記第1電極から異なる方向に延びる2以上の前記接続配線部を有し、前記接続部が、前記方向にそれぞれ設けられた2以上の前記第2電極の一部又は全部で覆われてる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体用電極。
  5. 前記第1電極及び前記第2電極は、一方が貴金属で設けられており、他方が亜鉛の酸化物又は亜鉛を含む半導体で設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体用電極。
  6. 基材を準備する工程と、前記基材に、第1電極、接続配線部及び接続部を一体形成する工程と、前記接続部の一部又は全部を覆う第2電極を形成する工程と、前記接続配線部を覆う絶縁体を形成する工程とを有することを特徴とする生体用電極の製造方法。
  7. 前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を一体形成する工程において、前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を同時に所定のパターンに形成し、又は、前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を同時に形成した後に所定のパターンに形成して前記接続配線部及び前記接続部を前記第1電極の幅よりも狭い幅で形成する、請求項6に記載の生体用電極の製造方法。
  8. 前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を一体形成する工程において、前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を同時に形成した後に前記第1電極、前記接続配線部及び前記接続部を所定のパターンに形成せず、
    前記第2電極を形成する工程において、前記第2電極を所定のパターンに形成する、請求項6に記載の生体用電極の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体用電極を有し、前記生体用電極を構成する第1電極及び第2電極を覆うように薬剤が設けられていることを特徴とするイオントフォレシス装置。
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