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JP2014040856A - 多気筒エンジンのクランク軸、およびそのクランク軸の設計方法 - Google Patents

多気筒エンジンのクランク軸、およびそのクランク軸の設計方法 Download PDF

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JP2014040856A
JP2014040856A JP2012182561A JP2012182561A JP2014040856A JP 2014040856 A JP2014040856 A JP 2014040856A JP 2012182561 A JP2012182561 A JP 2012182561A JP 2012182561 A JP2012182561 A JP 2012182561A JP 2014040856 A JP2014040856 A JP 2014040856A
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crankshaft
rigidity
arm
vibration
flywheel
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Koichiro Ishihara
広一郎 石原
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
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Abstract

【課題】動的な振動評価により、曲げ振動およびねじり振動のいずれも軽減しつつ、軽量化を図ることができる多気筒エンジン用クランク軸を提供する。
【解決手段】軸端にフライホイールが取り付けられる2気筒以上の多気筒エンジンのクランク軸であって、クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がフライホイールに近いクランクアーム部ほど高く、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加が3段階以上である。
【選択図】図8

Description

本発明は、自動車用エンジン、船舶用エンジン、発電機などの汎用エンジンといったレシプロエンジンに搭載されるクランク軸に関し、特に、気筒数が2以上の多気筒エンジンに搭載されるクランク軸、およびそのクランク軸の設計方法に関する。
レシプロエンジンは、ピストンの往復運動を回転運動に変換して動力を取り出すため、クランク軸を必要とする。クランク軸は、型鍛造によって製造されるものと、鋳造によって製造されるものとに大別され、多気筒エンジンには、強度と剛性に優位な前者の型鍛造クランク軸が多用される。
図1は、一般的な多気筒エンジン用クランク軸の一例を模式的に示す平面図である。同図に例示するクランク軸1は、4気筒エンジンに搭載されるものであり、5つのジャーナル部J1〜J5、4つのピン部P1〜P4、フロント部Fr、フランジ部Fl、およびジャーナル部J1〜J5とピン部P1〜P4をそれぞれつなぐ8枚のクランクアーム部(以下、単に「アーム部」ともいう)A1〜A8から構成され、8枚の全てのアーム部A1〜A8にカウンターウエイト部(以下、単に「ウエイト部」ともいう)W1〜W8を有する4気筒−8枚カウンターウエイトのクランク軸である。
なお、以下では、ジャーナル部J1〜J5、ピン部P1〜P4、アーム部A1〜A8およびウエイト部W1〜W8それぞれを総称するとき、その符号は、ジャーナル部で「J」、ピン部で「P」、アーム部で「A」、ウエイト部で「W」とも記す。ピン部Pおよびこのピン部Pにつながる一組のアーム部Aをまとめて「スロー」ともいう。
ジャーナル部J、フロント部Frおよびフランジ部Flは、クランク軸1の回転中心と同軸上に配置され、ピン部Pは、クランク軸1の回転中心からピストンストロークの半分の距離だけ偏心して配置される。ジャーナル部Jは、すべり軸受けによってエンジンブロックに支持され、回転中心軸となる。ピン部Pには、すべり軸受けによってコンロッドが連結され、このコンロッドにピストンが連結される。フロント部Frは、クランク軸1の一方の軸端であり、タイミングベルトやファンベルトを駆動するためのダンパプーリ2が取り付けられる。フランジ部Flは、クランク軸1の他方の軸端であり、フライホイール3が取り付けられる。
エンジンの各シリンダ(気筒)内で燃料が爆発(燃焼)するのに伴い、その爆発力は、ピストンの往復運動をもたらしてクランク軸1のピン部Pに作用し、これと同時に、そのピン部Pにつながるアーム部Aを介してジャーナル部Jに伝達され、回転運動に変換される。その際、クランク軸1は、弾性変形を繰り返しながら回転する。その変形挙動の基本形について以下に例示する。
図2は、直列4気筒エンジン用クランク軸を梁モデルで近似した場合のクランク軸の変形挙動を説明する模式図であり、同図(a)は第1気筒または第4気筒で爆発が生じたときの状態を、同図(b)は第3気筒または第4気筒で爆発が生じたときの状態をそれぞれ示す。同図には、すべてのアーム部の剛性が一定のクランク軸を対象とし、各気筒で生じた爆発による爆発力Fがクランク軸に作用したときのクランク軸の変形パターンと、クランク軸の各ジャーナル部での軸受け荷重の分配の様子を表示している(非特許文献1参照)。図2に示すように、各気筒で爆発が生じると、その爆発力Fは、当該気筒におけるクランク軸のピン部に作用すると同時に、そのピン部につながる一組のアーム部を介してそのアーム部につながるジャーナル部に主に付与されるが、その際にクランク軸の弾性変形、とりわけアーム部の弾性変形に伴い、すべてのジャーナル部に軸受け荷重として分配される。クランク軸は、このような弾性変形を繰り返しながら回転する。
ところで、クランク軸のジャーナル部を支持する軸受けには潤滑油が存在しており、クランク軸の傾斜や弾性変形に応じ、軸受け内で油膜圧力や油膜厚さが、軸受け荷重やジャーナル部の軸心軌跡と相互に関連しながら変化する。さらに、軸受けにおけるジャーナル部の表面粗さと軸受けメタルの表面粗さに応じ、油膜圧力だけでなく、部分的な金属接触も生じる。油膜厚さの確保は、油切れによる軸受け焼き付きを防止するとともに、部分的な金属接触を防止するために重要であり、燃費性能に影響する。
また、クランク軸の回転に伴う弾性変形や、軸受け内のクリアランスの中で移動する軸心軌跡は、回転中心のズレを生じさせるので、エンジン振動(マウント振動)に影響し、さらにその振動は、車体を伝播して乗車室内のノイズ、乗り心地に影響する。
このようなエンジン性能を向上させるため、クランク軸は剛性が高く、変形し難いことが求められる。従来、前記図2に示す爆発力や回転遠心力の荷重がクランク軸に付加され、これらの荷重に対する変形抵抗は、静的な観点からのねじり剛性、曲げ剛性の向上のみで考えられてきた。
例えば、特許文献1には、クランク軸の軽量化を図りつつ、ねじり剛性と曲げ剛性を高めるために、アーム部のピン側表面およびジャーナル側表面の中央部に肉抜き凹部を設ける技術が開示されている。同文献に開示された技術は、1つのアーム部に対する軽量化、高剛性化に着目し、単独のアーム部それぞれに対する設計方法を示すものであり、複数のアーム部に対する設計思想や方針、クランク軸全体のアーム部に対するそれらを与えるものではない。つまり、設計上である剛性値の目標が与えられたときに、いかにして単独のアーム部の軽量化を図るかを示す設計方法であり、また、逆に設計上で軽量化の目標値が与えられたときに、いかにして単独のアーム部の剛性を上げるかを示す設計方法である。
また、特許文献2には、材料力学の3モーメント法を用い、クランク軸を段付き丸棒梁で近似し、ジャーナル部に負荷される荷重値を最小化するように、アーム部の剛性およびアーム部の質量モーメントから、カウンターウエイト部の質量モーメントの最適配分を求める最適化の計算手法が示されている。同文献に開示された技術は、アーム部の剛性について既存値を採用するか、または別の方法で決定し、その後で、ジャーナル部の荷重が最小化となるようにカウンターウエイト部の質量モーメントを調整する方法である。
また、特許文献3には、フライホイールの振動を低減して耐久性を向上させるために、多気筒エンジン用クランク軸において、フライホイールが装着されるフランジ部に最も近い位置に配置されたアーム部の肉厚を、他のアーム部よりも大きくする技術が開示されている。同文献に開示された技術は、フライホイールに最も近い最後尾のスローに着目し、その最後尾のスローのアーム部の肉厚と、他のスローのアーム部の肉厚を関係付けるものであり、他のスローのアーム部の肉厚は一定であることが前提条件になっている。
つまり、アーム部の厚みに関して、フライホイールに最も近い最後尾のアーム部がそれ以外のアーム部よりも大きくされ、さらにアーム部の幅に関しては、最後尾のスローのアーム部がそれ以外のスローのアーム部よりも大きくされており、アーム部全数で見たときの剛性の増加は2段階に留まっている。具体的には、図1に示す直列4気筒エンジン用クランク軸を例に挙げると、第1アーム部A1〜第6アーム部A6までが同一の剛性であり、最後尾のスローの第7アーム部A7の剛性がそれよりも高く、最後尾の第8アーム部A8の剛性がさらに高くなっている。
特開2009−133331号公報 特開平10−169637号公報 実開平5−1013号公報
石川義和著,「自動車用ガソリンエンジン設計の要諦」,山海堂,2002
しかし、前記特許文献1〜3に開示されたいずれの技術をもってしても、エンジン性能を向上させるために、曲げ振動およびねじり振動を有効に抑制するには限界があるのが実情である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、動的な振動評価により、曲げ振動およびねじり振動のいずれも軽減しつつ、軽量化を図ることができる多気筒エンジン用クランク軸、およびそのクランク軸の設計方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の(I)に示す多気筒エンジンのクランク軸、および(II)に示すクランク軸の設計方法を要旨とする。
(I)軸端にフライホイールが取り付けられる多気筒エンジンのクランク軸であって、
クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がフライホイールに近いクランクアーム部ほど高く、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加が3段階以上であることを特徴とする多気筒エンジンのクランク軸である。
このクランク軸は、クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がクランクアーム部ごとに異なることが好ましい。
(II)軸端にフライホイールが取り付けられる多気筒エンジンのクランク軸の設計方法であって、
クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性をフライホイールに近いクランクアーム部ほど高くし、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加を3段階以上とすることを特徴とする多気筒エンジンのクランク軸の設計方法である。
このクランク軸の設計方法は、クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性をクランクアーム部ごとに異ならせることが好ましい。
本発明によれば、曲げ振動およびねじり振動のいずれも軽減しつつ、軽量化を図ることができる。
一般的な多気筒エンジン用クランク軸の一例を模式的に示す平面図である。 直列4気筒エンジン用クランク軸を梁モデルで近似した場合のクランク軸の変形挙動を説明する模式図であり、同図(a)は第1気筒または第4気筒で爆発が生じたときの状態を、同図(b)は第3気筒または第4気筒で爆発が生じたときの状態をそれぞれ示す。 クランク軸のバランス設計に用いるアーム部およびバランス部の諸設計値の代表例を模式的に示す図である。 3次元物体の慣性モーメントおよび慣性乗積を説明するための模式図である。 ダンパプーリおよびフライホイールを含むクランク軸系全体の回転運動の考察に用いる分布質量の代表例を模式的に示す図である。 従来のねじり振動解析で用いるモデルを示す模式図である。 本発明のクランク軸の概要をまとめた図である。 本発明のクランク軸におけるアーム部の剛性分布の一例を示す図である。 フライホイールの面外変形を示す図である。 ダンパプーリの構造と面外変形を示す図である。 本発明のクランク軸の設計要領をまとめた図である。 実施例におけるクランク軸の曲げ剛性分布を示す図である。 実施例におけるクランク軸のねじり剛性分布を示す図である。 実施例の結果としてクランク軸の曲げの固有周波数およびねじりの固有周波数を示す図である。 実施例の結果としてクランク軸の重量を示す図である。 実施例の結果としてクランク軸の各軸回りの慣性モーメントを示す図である。 実施例の結果としてクランク軸の各ジャーナル部の軸受け荷重を模式的に示す図である。
以下に、本発明の多気筒エンジンのクランク軸、およびそのクランク軸の設計方法について、その実施形態を詳述する。
1.クランク軸の設計で考えるべき基本技術
1−1.クランク軸のバランス
クランク軸は回転体であるので、前記特許文献1〜3に開示された設計方法のほかに、基礎技術として、回転軸に対して、静バランスと動バランスをとり、さらにバランス率を満足することが、回転運動を滑らかにするために必須の設計条件となることが知られている。これらの条件をカウンターウエイト部の重量配分で満足することが、クランク軸を設計する上での前提条件である。
(1)静バランス
図3に示すように、直列4気筒エンジンに搭載される8枚カウンターウエイトのクランク軸を例に挙げ、クランク軸の静バランスを説明する。静バランスを検討するにあたり、各アーム部、各ウエイト部の質量と重心半径をそれぞれ次のとおりに定義する。
アーム部の質量:MAj
アーム部の重心半径:RAj
ウエイト部の質量:MWj
ウエイト部の重心半径:RWj
ここで、「j」は、クランク軸のフロント部側から順に付したアーム部、ウエイト部の番号であり、4気筒エンジン用クランク軸の場合、j=1、・・・、8である。
なお、図3には、フロント部側から3番目の第3アーム部A3、第3ウエイト部W3の諸設計値を代表的に例示している。
この場合に、静バランスをとるとは、下記の(1)式を満足することである。
Figure 2014040856
(2)動バランス
同様に図3に示すクランク軸を例に挙げ、クランク軸の動バランスを説明する。動バランスを検討するにあたり、さらにクランク軸の回転軸のある1点を基点とし、各アーム部の重心までの距離、各ウエイト部の重心までの距離をそれぞれ次のとおりに定義する。
アーム部の重心までの距離:LAj
ウエイト部の重心までの距離:LWj
ここで、「j」は、上記(1)式と同様に、4気筒エンジン用クランク軸の場合、j=1、・・・、8である。
この場合に、動バランスをとるとは、下記の(2)式を満足することである。
Figure 2014040856
上記(1)式、(2)式は、従来から行われている静バランス、動バランスの設計方法であり、それぞれクランク軸の各アーム部、各ウエイト部の重心に対して和を求め、その和が0(ゼロ)になるようにクランク軸の形状を調整し設計する。
(3)バランス率
クランク軸のピン部およびコンロッドの一部を含むアーム部側の質量モーメントに対するウエイト部側の質量モーメントの割合をバランス率と呼ぶ。バランス率がある一定範囲内であることがクランク軸のスムーズな回転に寄与するので、ウエイト部の質量は0(ゼロ)を含まないある範囲内で付加することが必要である。そのため、ウエイト部を小さくして軽量化するには限度がある。したがって、剛性確保のためにアーム部の質量の調整が必要であり、しかも、バランス率の確保のためには下限のあるウエイト部の質量の調整が必要であるため、クランク軸の軽量化に際しては、適切な目標とする質量がある程度決定される。
1−2.3次元運動力学の理論
次に、一般的な3次元の運動体力学の広い理論から、クランク軸系全体の回転運動を考える。これにより、基本的な形で把握が可能になり、振動のブレの少ない理想的な回転体としてクランク軸の満たすべき要件が明らかになる。
(1)回転運動の表現
回転体の運動力学では、回転体の回転中心からの位置ベクトルをr、運動量ベクトルをpとしたとき、角運動量Lは下記の(3)式で定義される。
Figure 2014040856
ここで、「×」は外積を示す。運動量ベクトルpは、質量mと速度ベクトルvを使って、下記の(4)式で表される。
Figure 2014040856
また、速度ベクトルvは、回転運動なので、角速度ベクトルωを使って、下記の(5)式で表される。
Figure 2014040856
結局、上記(3)〜(5)式から下記の(6)式が導かれる。
Figure 2014040856
この(6)式の外積の表示を公式により変形すると、下記の(7)式となる。
Figure 2014040856
この(7)式を3次元の各成分(x、y、z)で書き下すと、下記の(8)式となる。
Figure 2014040856
この(8)式をマトリックス表示すると、下記の(9)式となる。
Figure 2014040856
ここで、Iは慣性モーメントテンソルと呼ばれ、対称行列であり、対角成分は3次元の慣性モーメントである。非対角成分のmxy、mxz、myzは慣性乗積と呼ばれる。
動バランスは、実はこの慣性乗積を計算しており、動バランスを0(ゼロ)にすることは、慣性乗積を0にすることを意味する。すなわち、慣性モーメントテンソルIの行列の非対角成分を0にして、対角行列にすることを意味する。また、3次元回転体には直交する慣性主軸と言われる方向が存在し、X軸、Y軸およびZ軸が慣性主軸と一致すると、慣性モーメントテンソルIの行列は対角行列(対角以外の成分が0)になる。換言すると、動バランスを0にする作業は、回転軸を慣性主軸に一致させる作業と言える。
また、上記(9)式は集中質量系で表示したものであるが、質点はいくつあっても重ね合わせが可能なので、広がりを持った物体の全慣性モーメントIは、下記の(10)式で与えられる。
Figure 2014040856
図4に示すように3次元物体のFEMモデルのような分布質量系のモデルであっても、上記(10)式で表現できる。また、多数の部材の集合体からなる集中質量系の質点質量と重心位置と考える場合であっても、上記(10)式で表現できる。上述した1−1節におけるクランク軸のバランス設計は、上記(10)式でクランク軸系全体モデルを各部材の集合体からなる集中質量の質点系と考えて、X軸系成分を取り出したことに相当する。
(2)クランク軸の理想的な設計の回転運動について
回転軸を慣性主軸に一致させると、回転体はブレを起こさずスムーズな回転をすることが知られている。以下に、上記(10)式を用いてクランク軸の回転運動を考察する。
例えば、図5に示すようにX軸をクランクの回転軸とし、X軸に関する静バランスと動バランスを共に0にする。また、XY平面、XZ平面、YZ平面において、各軸におけるクランク軸の形状が対称であれば、クランク軸の設計は、mxy、mxz、myzが共に0になる。この場合、下記の(11)式が成り立つ。
Figure 2014040856
そうすると、上記(9)式、(10)式から下記の(12)式が導かれる。
Figure 2014040856
クランク軸の回転角速度はωxであり、その角運動量Lxは下記の(13)式で表される。
Figure 2014040856
そして、理想的な外乱の無い状態では下記の(14)式が成り立つ。
Figure 2014040856
この場合、下記の(15)式のとおり、Y軸、Z軸周りの角運動量Ly、Lzは0になる。すなわち、Y軸、Z軸周りの回転成分は無いことになる。
Figure 2014040856
このように角運動量に関しては、上記(13)〜(15)式の状態が理想的なクランク軸の設計を表し、この場合に振動の無いスムーズなX軸周りの回転が実現される。
また、別の表現として、上記(8)式を時間微分する。角運動量Lを時間微分すると、トルクTになる。また、角速度ωを時間微分すると角加速度(dω/dt)になるので、回転運動の運動方程式は、下記の(16)式で表される。
Figure 2014040856
この(16)式に上記(11)式の条件を代入して書き下すと、下記の(17)式となる。
Figure 2014040856
上記(14)式のように理想的な外乱の無い状態では、下記の(18)式が成り立つ。
Figure 2014040856
そうすると、上記(17)式と(18)式から下記の(19)式、(20)式が導かれる。
Figure 2014040856
Figure 2014040856
この場合、Y軸、Z軸の周りのトルクが発生しない状態になる。このようにトルクに関しては上記(18)〜(20)式の状態が理想的なクランク軸の設計を表し、この場合に振動の無いスムーズなX軸周りの回転を実現される。
(3)実際のクランク軸の回転運動について
実際のクランク軸の設計においては、動バランスは厳密に0ではなく、微小な値が存在する。また、クランク軸の弾性変形により微小なズレが発生し、これらの微小なズレは、下記の(21)式で示されるように、0ではない微小な慣性乗積Δxy、Δxz、Δyzとなって残る。
Figure 2014040856
また、クランク軸のX軸周りの回転角速度ωx以外に、回転運動軸受けの油膜やクリアランスの存在、あるいはクランク軸の弾性振動等により、下記の(22)式で示されるように、Y軸、Z軸周りの微小な角速度成分δy、δzが存在する。
Figure 2014040856
したがって、角運動量を表す上記(12)式は、下記の(23)式で示される状態になっている。
Figure 2014040856
また、トルクを表す上記(16)式に対しても同様に、理想状態からのズレは微小な角加速度(dδy/dt)、(dδz/dt)が存在すると考えられ、下記の(24)式が成り立つ。
Figure 2014040856
この(24)式の条件から、下記の(25)式が得られる。
Figure 2014040856
つまり、現実には理想状態からのズレが原因となり、上記(23)式から下記の(26)〜(28)が導かれ、回転軸X軸以外のY軸、Z軸周りの角運動量が0にならない。
Figure 2014040856
Figure 2014040856
Figure 2014040856
この(27)式、(28)式から、特に値の大きな回転角速度ωxから影響を受けることがわかる。すなわち、Y軸、Z軸周りの微小振動も、X軸周りのクランクの回転運動から生起されることがわかる。
また、同様に、上記(25)式から下記の(29)〜(31)が導かれ、Y軸、Z軸周りのトルクが0にならない。
Figure 2014040856
Figure 2014040856
Figure 2014040856
この(30)式、(31)式から、特に値の大きな回転角加速度(dωx/dt)から影響を受けることがわかる。これらの(26)〜(31)式はクランク軸の歳差運動や振動の要因になる。これらをいかに小さく抑制するかが、クランク軸の設計、ひいてはエンジンの設計の良否に関わる。
実際には、クランク軸の曲げの弾性変形またはねじれの弾性変形、軸受け側のエンジンブロックの弾性変形、軸受け油膜部のクリアランスの存在と油膜厚さの分布によるクランク軸の回転の傾斜等、これらいくつかの原因が重なり回転運動の理想状態からのズレが発生する。これにより、上記(26)〜(31)式に表現されるような状態になり、クランク軸の真円回転に振動のノイズを載せて、影響を及ぼしている。これはクランク軸の円滑な回転を阻害し、エンジン振動や騒音の原因になる。
2.動的な評価法である固有振動解析の従来の利用
従来、クランク軸のねじり振動の評価に固有振動解析を利用している。その一例を以下に説明する。図6に示すように、スローごとにアーム部およびウエイト部を等価な慣性質量の円盤に置き換えて簡素化し、各スロー間のねじり剛性をばね定数の円柱に置き換えてモデル化する。すると、固有振動解析は、下記の(32)式で表現できる(例えば、非特許文献1参照)。
Figure 2014040856
この(32)式を解くことにより、クランク軸系のねじりの固有振動数を求めることができる。この固有振動数は、ねじり振動の次数解析に用いられている。これは、主としてダンパプーリのねじり振動の減衰効果を設計するのに利用され、特に、その減衰効果を高めるためにダンパプーリのゴムの設計および慣性質量の設計に利用されている。
3.動的な評価法である固有周波数解析のクランク軸系設計への新しい適用
本発明は、クランク軸系の弾性変形の動的な振動に着目し、その固有振動数をクランク軸の剛性および質量設計に用い、その結果としてエンジン性能の向上に利用するものである。
まず、一般的な固有振動の評価の仕方について説明する。固有振動数は固有振動周波数または共振周波数とも称される。FEMモデルを考えた場合、例えば変位ベクトルを{δ}、剛性を表す剛性マトリックスを[K]、および質量を表す質量マトリックスを[M]とすると、外力に関係なく固有振動を起こす。それらの関係は以下のとおりである。
運動方程式は、下記の(33)式で表される。
Figure 2014040856
変位の振動がコサイン波の形式であるとすれば、下記の(34)式が成り立つ。
Figure 2014040856
この(34)式を(33)式へ代入すると、下記の(35)式が導かれる。
Figure 2014040856
この(35)式が成立するためには、下記の(36)式に示すとおり、行列式がゼロである必要がある。
Figure 2014040856
この(36)式から、固有振動数(f=ω/2π)を求めることができる。そのときに対応する上記(34)式のδが固有振動モードを与える。
クランク軸およびフライホイールからなるクランク軸系全体、またはさらにダンパプーリを含むクランク軸系全体をFEMでモデル化し、上記の固有振動解析を実施すれば、固有振動周波数の低い方の固有振動モードが明らかになる。これにより、クランク軸の曲げの固有振動周波数と固有振動モード、同様にねじりの固有振動周波数と固有振動モードがそれぞれ得られる。
本発明ではこれを利用して、曲げの固有振動周波数とねじりの固有振動周波数とを高くすることを目指す設計方法である。その結果として得られるクランク軸のアーム部の曲げ剛性とねじり剛性は、フロント部側からフランジ部側に向かって、すなわちフライホイールに向かって単調に増加する。その剛性の分布が、ある目標とする質量以下で、最も固有振動数を高くする分布である。
上述した2節における従来の上記(32)式を用いた固有振動解析では、ねじりの固有振動数は出てくるが、曲げの固有振動数は評価できない。
4.本発明の多気筒エンジン用クランク軸
4−1.概要
本発明のクランク軸は、2気筒以上のあらゆるレシプロエンジンに搭載されるクランク軸を対象とする。すなわち、エンジンの気筒数は、2気筒、3気筒、4気筒、6気筒、8気筒および10気筒のいずれでもよく、さらに多いものであってもよい。エンジン気筒の配列も、直列配置、V型配置、対向配置など特に問わない。エンジンの燃料も、ガソリン、ディーゼル、バイオ燃料など種類を問わない。また、エンジンとしては、内燃機関と電気モータを複合してなるハイブリッドエンジンも含む。
図7に本発明のクランク軸の概要をまとめる。本発明のクランク軸は、上述した3節における固有振動解析を用い、フライホイールを備えるクランク軸系全体で、または、さらにダンパプーリを備えるクランク軸系全体で、クランク軸の曲げ固有振動数およびねじり固有振動数のいずれも考慮して形状設計したものであり、スローごとでなく、アーム部ごとの検討により、アーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がフライホイールに近いクランクアーム部ほど高く、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加が3段階以上となっている。すなわち、本発明のクランク軸は、すべてのアーム部に、フロント部側からフランジ部側に向かって、順に昇順の番号を付し、その上で、各アーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がアーム部番号の昇順に単調増加し、3段階以上に増加したものである。曲げ剛性およびねじり剛性の増加が3段階以上である限り、それらの剛性は隣接する一部のアーム部で同じものを許容する。各アーム部の剛性の増加量は、第1アーム部を基準として20%程度の範囲内とすることが後述する実施例から示されている。
図8に本発明のクランク軸におけるアーム部の剛性分布の一例を示す。図8では、直列4気筒エンジン用クランク軸の場合の剛性分布のパターンを例示している。図8に示すように、従来例1のクランク軸は、アーム部の剛性がすべてのアーム部にわたって同一となっている。また、従来例2のクランク軸(前記特許文献3参照)は、アーム部の剛性がアーム部番号の昇順に単調増加しているものの、その剛性の増加は2段階に過ぎない。一方、本発明例1のクランク軸は、アーム部の剛性がアーム部番号の昇順に単調増加するとともに、アーム部ごとに異なり、その剛性の増加が7段階となっている。また、本発明例2のクランク軸は、3段階の剛性の増加となっている。
クランク軸系全体において、クランク軸の軸端に直結するフライホイールは、クランク軸の回転を円滑にするために、運動惰性をもたらす回転慣性モーメント(mr2:mは分布質量、rは半径である)が大きく与えられている。これは、エンジンの各シリンダで爆発が間欠的に起こり、クランク軸の回転速度が一定でないことから、その回転速度をできるだけ一様に保つためである。
しかし、フライホイールは、回転慣性モーメントを大きくするため、半径が大きくとられている反面、それに比較して板厚が相対的に薄い。これは、図9に示すように、クランク軸1の回転時に、フライホイール3の面外変形が大きくなることを意味している。フライホイール3の面外変形が大きいと、回転時に歳差運動現象、いわゆる振れ回り現象が大きく起こる。これは、クランク軸1の変形にも影響を及ぼし、フライホイール3とともにクランク軸1が振れ回ることになる。
フライホイールの面外変形はクランク軸の変形と不可分の関係にある。すなわち、フライホイールとクランク軸の両者は相互に影響を及ぼし合っており、クランク軸の変形が大きいと、フライホイールの面外変形も大きくなる。このとき、振動の振幅が大きくなると、軸受けによって支持されたジャーナル部では、軸心軌跡が振れ回るとともに、荷重が大きくなり、これに起因して、油膜圧力の増大、油膜厚さの減少、部分接触の増大がもたらされる。このような事態は、不芳であり、避けるべきである。
本発明のように、動的評価法である固有振動の周波数を上昇させるという方法で設計し、フライホイールに向けて昇順にアーム部の各剛性が単調増加するように形状を決めれば、弾性変形を抑制でき性能の優れたクランク軸となる。
フライホイールのほかにダンパプーリが付いたクランク軸についてさらに考察する。図10に示すように、ダンパプーリ2は、基本的にクランク軸1につながるディスク部2aと、ゴム等のリング状の振動減衰部2bと、錘に相当するリング状の慣性質量部2cからなる。ダンパプーリ2は、クランク軸1の軸端のねじり振動および曲げ振動を吸収し、振動を抑制する機能を有する。振動減衰効果は、振動減衰部2bのねじり変形や曲げ変形によって生じる。これは、錘になる慣性質量部2cのねじり位置のずれ、曲げ位置のずれを誘発する。これらの変形がクランク軸1の回転に及ぼす影響は、ねじり振動や、ダンパプーリ2の面外変形となって現れる。
このようにダンパプーリは減衰機能があり、適切な設計がなされた場合に振動を抑制する効果があるが、クランク軸系全体としてさらにダンパプーリを含め、その上で固有振動数を上昇させるように設計に取り入れることが好ましい。
フライホイールやダンパプーリの回転時の面外変形が大きくなることは、上記(21)式、(23)式、(25)式のΔxy、Δxz、Δyzが0(ゼロ)ではなくある有限の値を持つことになる。これは、クランク軸の回転軸が慣性主軸から微小にずれることを意味する。そこで、このΔxy、Δxz、Δyzをできるだけ小さくすることが求められる。この点、フライホイールとダンパプーリを含めたクランク軸系全体で、曲げの固有振動とねじりの固有振動の共振周波数を上げることが、Δxy、Δxz、Δyzを小さくするのに有効である。
4−2.設計要領
図11に本発明のクランク軸の設計要領をまとめる。本発明のクランク軸の設計方法によって得られる、固有振動数を上昇させたクランク軸の各アーム部の剛性の分布は、上述のとおり、すべてのアーム部に、フロント部側からフランジ部側に向かって、順に昇順の番号を付し、その上で、各アーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がアーム部番号の昇順に単調増加し、3段階以上に増加したものである。曲げ剛性およびねじり剛性の増加が3段階以上である限り、それらの剛性は隣接する一部のアーム部で同じものを許容する。
したがって、この設計方法によれば、図7に示す要件を満足するクランク軸が設計できる。この設計結果は、フライホイールの質量モーメントが大きく、変形剛性を高めることが固有振動周波数を上げることになるため、フライホイールに近い方のアーム部の剛性は単調増加で順次高くなると解釈できる。
このとき軽量化の質量の制約を保ちつつ、曲げの固有振動数を高くするとともに、ねじりの固有振動数を高くするには、クランク軸の各アーム部の剛性の分布と、各ウエイト部の質量モーメントの分布を決める必要がある。この決定の仕方はいくつかあるが、材料力学に基づく「3モーメント法」の最適化による方法や、ノンパラメトリック形状最適化手法である「力法」による固有振動数の最適設計による方法により、剛性分布と質量分布の決定を行える。その最適化の手法の具体的な選択はここでは規定しない。手段は特定しないが、設計目標とするのが曲げの固有周波数およびねじりの固有周波数の向上であり、このアーム部の剛性の設計方針が従来に無い格別な設計手法である。
直列4気筒エンジン用クランク軸を例に挙げ、本発明の効果を確認した。具体的には、クランク軸のアーム部に、フロント部側からフランジ部側に向かって、すなわちフライホイールに向かって、順に1、2、・・・、8の番号を付し、各アーム部の剛性を次のとおりとした。
各アーム部の曲げ剛性:Eb1、Eb2、・・・、Eb8
各アーム部のねじり剛性:Et1、Et2、・・・、Et8
本発明例のクランク軸では、各アーム部の剛性を下記の(37)式および(38)式で示す剛性分布の条件を満足することとした。
Figure 2014040856
Figure 2014040856
本発明例のクランク軸の場合、図12に示すように、アーム部の曲げ剛性は、フライホイールに近いアーム部ほど高く、フライホイールに近づくのに伴って単調に増加することはもとより、その曲げ剛性がアーム部ごとに異なり、7段階に増加した態様である。これと合わせ、本発明例のクランク軸の場合、図13に示すように、アーム部のねじり剛性も、フライホイールに近いアーム部ほど高く、フライホイールに近づくのに伴って単調に増加することはもとより、そのねじり剛性がアーム部ごとに異なり、7段階に増加した態様である。すなわち、隣接するアーム部の剛性は同じのものが含まれない。
このように、本発明例のクランク軸は、アーム部の剛性分布が(37)式および(38)式を満足し、その曲げ剛性とねじり剛性が7段階に増加したものであり、前記図7に示す要件を満足したクランク軸となっている。また、本発明例のクランク軸は、前記図11に示す要領に従い、曲げの固有振動数およびねじりの固有振動数のいずれも上昇するように、各アーム部の幅や厚みを設計したものである。
これに対し、従来例のクランク軸では、各アーム部の剛性を下記の(39)式および(40)式で示す剛性分布の条件を満足することとした。
Figure 2014040856
Figure 2014040856
従来例のクランク軸の場合、図12、図13に示すように、アーム部の曲げ剛性およびねじり剛性のいずれも、すべてにわたって同一とした態様である。すなわち、隣接するアーム部の剛性はすべて同じである。
図14〜図17に、本発明例のクランク軸と従来例のクランク軸の諸特性を比較して示す。
図14は、実施例の結果としてクランク軸の曲げの固有周波数およびねじりの固有周波数を示す図である。同図では、従来例のクランク軸の各固有周波数を1とした比で本発明例のクランク軸の各固有周波数を表示している。同図に示す結果から、本発明例のクランク軸では、曲げ固有周波数およびねじり固有周波数のいずれも高くなることが明らかとなった。
図15は、実施例の結果としてクランク軸の重量を示す図である。同図では、従来例のクランク軸の重量を1とした比で本発明例のクランク軸の重量を表示している。同図に示す結果から、本発明例のクランク軸の方が軽く、軽量化を実現できることが明らかとなった。
図16は、実施例の結果としてクランク軸の各軸回りの慣性モーメントを示す図である。同図では、従来例のクランク軸の各慣性モーメントを1とした比で本発明例のクランク軸の各慣性モーメントを表示している。同図に示す結果から、本発明例のクランク軸の方が軽く、かつ、慣性モーメントも小さくなっており、回転運動の観点からも軽量化の効果が期待できることが明らかとなった。
図17は、実施例の結果としてクランク軸の各ジャーナル部の軸受け荷重を模式的に示す図である。同図は、1600rpm回転時のもとで、3モーメント法で荷重を評価した結果である。同図から、本発明例のクランク軸の軸受け荷重の方が、特に中央の第3ジャーナル部で小さくなっており、軸受け荷重が軽減されることが明らかとなった。軸受け荷重が小さくなると、エンジンブロック側の強度問題の解決、振動の減少、軸受けの油膜厚さの確保、軸受け部での部分接触低減に伴う摩擦力低減による燃費向上、軸受け摩耗の低減などといった数多くの面で有利になり、優れたクランク軸となる。
本発明は、2気筒以上のあらゆるレシプロエンジンに搭載されるクランク軸に有効に利用できる。
1:クランク軸、 J1〜J5:ジャーナル部、 P1〜P4:ピン部、
Fr:フロント部、 Fl:フランジ部、 A1〜A8:クランクアーム部、
W1〜W8:カウンターウエイト部、
2:ダンパプーリ、 2a:ディスク部、 2b:振動減衰部、
2c:慣性質量部、 3:フライホイール

Claims (4)

  1. 軸端にフライホイールが取り付けられる多気筒エンジンのクランク軸であって、
    クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がフライホイールに近いクランクアーム部ほど高く、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加が3段階以上であることを特徴とする多気筒エンジンのクランク軸。
  2. クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がクランクアーム部ごとに異なることを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンのクランク軸。
  3. 軸端にフライホイールが取り付けられる多気筒エンジンのクランク軸の設計方法であって、
    クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性をフライホイールに近いクランクアーム部ほど高くし、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加を3段階以上とすることを特徴とする多気筒エンジンのクランク軸の設計方法。
  4. クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性をクランクアーム部ごとに異ならせることを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンのクランク軸の設計方法。
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