JP2014040856A - 多気筒エンジンのクランク軸、およびそのクランク軸の設計方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸端にフライホイールが取り付けられる2気筒以上の多気筒エンジンのクランク軸であって、クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がフライホイールに近いクランクアーム部ほど高く、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加が3段階以上である。
【選択図】図8
Description
クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がフライホイールに近いクランクアーム部ほど高く、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加が3段階以上であることを特徴とする多気筒エンジンのクランク軸である。
クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性をフライホイールに近いクランクアーム部ほど高くし、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加を3段階以上とすることを特徴とする多気筒エンジンのクランク軸の設計方法である。
1−1.クランク軸のバランス
クランク軸は回転体であるので、前記特許文献1〜3に開示された設計方法のほかに、基礎技術として、回転軸に対して、静バランスと動バランスをとり、さらにバランス率を満足することが、回転運動を滑らかにするために必須の設計条件となることが知られている。これらの条件をカウンターウエイト部の重量配分で満足することが、クランク軸を設計する上での前提条件である。
図3に示すように、直列4気筒エンジンに搭載される8枚カウンターウエイトのクランク軸を例に挙げ、クランク軸の静バランスを説明する。静バランスを検討するにあたり、各アーム部、各ウエイト部の質量と重心半径をそれぞれ次のとおりに定義する。
アーム部の質量:MAj、
アーム部の重心半径:RAj、
ウエイト部の質量:MWj、
ウエイト部の重心半径:RWj。
ここで、「j」は、クランク軸のフロント部側から順に付したアーム部、ウエイト部の番号であり、4気筒エンジン用クランク軸の場合、j=1、・・・、8である。
同様に図3に示すクランク軸を例に挙げ、クランク軸の動バランスを説明する。動バランスを検討するにあたり、さらにクランク軸の回転軸のある1点を基点とし、各アーム部の重心までの距離、各ウエイト部の重心までの距離をそれぞれ次のとおりに定義する。
アーム部の重心までの距離:LAj、
ウエイト部の重心までの距離:LWj。
ここで、「j」は、上記(1)式と同様に、4気筒エンジン用クランク軸の場合、j=1、・・・、8である。
クランク軸のピン部およびコンロッドの一部を含むアーム部側の質量モーメントに対するウエイト部側の質量モーメントの割合をバランス率と呼ぶ。バランス率がある一定範囲内であることがクランク軸のスムーズな回転に寄与するので、ウエイト部の質量は0(ゼロ)を含まないある範囲内で付加することが必要である。そのため、ウエイト部を小さくして軽量化するには限度がある。したがって、剛性確保のためにアーム部の質量の調整が必要であり、しかも、バランス率の確保のためには下限のあるウエイト部の質量の調整が必要であるため、クランク軸の軽量化に際しては、適切な目標とする質量がある程度決定される。
次に、一般的な3次元の運動体力学の広い理論から、クランク軸系全体の回転運動を考える。これにより、基本的な形で把握が可能になり、振動のブレの少ない理想的な回転体としてクランク軸の満たすべき要件が明らかになる。
回転体の運動力学では、回転体の回転中心からの位置ベクトルをr、運動量ベクトルをpとしたとき、角運動量Lは下記の(3)式で定義される。
回転軸を慣性主軸に一致させると、回転体はブレを起こさずスムーズな回転をすることが知られている。以下に、上記(10)式を用いてクランク軸の回転運動を考察する。
実際のクランク軸の設計においては、動バランスは厳密に0ではなく、微小な値が存在する。また、クランク軸の弾性変形により微小なズレが発生し、これらの微小なズレは、下記の(21)式で示されるように、0ではない微小な慣性乗積Δxy、Δxz、Δyzとなって残る。
従来、クランク軸のねじり振動の評価に固有振動解析を利用している。その一例を以下に説明する。図6に示すように、スローごとにアーム部およびウエイト部を等価な慣性質量の円盤に置き換えて簡素化し、各スロー間のねじり剛性をばね定数の円柱に置き換えてモデル化する。すると、固有振動解析は、下記の(32)式で表現できる(例えば、非特許文献1参照)。
本発明は、クランク軸系の弾性変形の動的な振動に着目し、その固有振動数をクランク軸の剛性および質量設計に用い、その結果としてエンジン性能の向上に利用するものである。
4−1.概要
本発明のクランク軸は、2気筒以上のあらゆるレシプロエンジンに搭載されるクランク軸を対象とする。すなわち、エンジンの気筒数は、2気筒、3気筒、4気筒、6気筒、8気筒および10気筒のいずれでもよく、さらに多いものであってもよい。エンジン気筒の配列も、直列配置、V型配置、対向配置など特に問わない。エンジンの燃料も、ガソリン、ディーゼル、バイオ燃料など種類を問わない。また、エンジンとしては、内燃機関と電気モータを複合してなるハイブリッドエンジンも含む。
図11に本発明のクランク軸の設計要領をまとめる。本発明のクランク軸の設計方法によって得られる、固有振動数を上昇させたクランク軸の各アーム部の剛性の分布は、上述のとおり、すべてのアーム部に、フロント部側からフランジ部側に向かって、順に昇順の番号を付し、その上で、各アーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がアーム部番号の昇順に単調増加し、3段階以上に増加したものである。曲げ剛性およびねじり剛性の増加が3段階以上である限り、それらの剛性は隣接する一部のアーム部で同じものを許容する。
各アーム部の曲げ剛性:Eb1、Eb2、・・・、Eb8、
各アーム部のねじり剛性:Et1、Et2、・・・、Et8。
Fr:フロント部、 Fl:フランジ部、 A1〜A8:クランクアーム部、
W1〜W8:カウンターウエイト部、
2:ダンパプーリ、 2a:ディスク部、 2b:振動減衰部、
2c:慣性質量部、 3:フライホイール
Claims (4)
- 軸端にフライホイールが取り付けられる多気筒エンジンのクランク軸であって、
クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がフライホイールに近いクランクアーム部ほど高く、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加が3段階以上であることを特徴とする多気筒エンジンのクランク軸。 - クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性がクランクアーム部ごとに異なることを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンのクランク軸。
- 軸端にフライホイールが取り付けられる多気筒エンジンのクランク軸の設計方法であって、
クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性をフライホイールに近いクランクアーム部ほど高くし、その曲げ剛性およびねじり剛性の増加を3段階以上とすることを特徴とする多気筒エンジンのクランク軸の設計方法。 - クランクアーム部の曲げ剛性およびねじり剛性をクランクアーム部ごとに異ならせることを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンのクランク軸の設計方法。
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JP2012182561A JP2014040856A (ja) | 2012-08-21 | 2012-08-21 | 多気筒エンジンのクランク軸、およびそのクランク軸の設計方法 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2012
- 2012-08-21 JP JP2012182561A patent/JP2014040856A/ja active Pending
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