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JP2014034475A - 活性炭の製造方法 - Google Patents

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JP2014034475A
JP2014034475A JP2012174803A JP2012174803A JP2014034475A JP 2014034475 A JP2014034475 A JP 2014034475A JP 2012174803 A JP2012174803 A JP 2012174803A JP 2012174803 A JP2012174803 A JP 2012174803A JP 2014034475 A JP2014034475 A JP 2014034475A
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activated carbon
solvent
porous carbon
block copolymer
carbon
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JP2012174803A
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Norikazu Nishiyama
憲和 西山
Takahito Mitome
敬人 三留
Akinori Iwai
陽典 岩井
Mikiya Matsuura
幹也 松浦
Kazuhiko Maekawa
一彦 前川
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Kuraray Co Ltd
Osaka University NUC
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Kuraray Co Ltd
Osaka University NUC
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Abstract

【課題】静電容量の高い電気二重層キャパシタを製造し得る活性炭を提供すること。
【解決手段】以下の第1工程〜第4工程を含むことを特徴とする活性炭の製造方法:
芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含み、且つスルホ基を有する親水性ブロック(S)、および不飽和炭化水素化合物に由来する構造単位を含み、且つ非晶性である疎水性ブロック(T)を有するブロック共重合体(Z)と、フェノール類と、ホルムアルデヒドと、溶媒とを混合して、混合物を得る第1工程;
得られた混合物から溶媒を除去して、固形物を得る第2工程;
得られた固形物を加熱して、多孔質炭素を得る第3工程;および
得られた多孔質炭素を賦活して、活性炭を得る第4工程。
【選択図】なし

Description

本発明は活性炭の製造方法に関する。
電気二重層キャパシタは蓄電効率の高さから、各種電源に用いられている。電気二重層キャパシタの性能は静電容量によって決定される。この静電容量は、例えば、電気二重層キャパシタの電極材料に用いる活性炭の比表面積を増大させることなどによって、高めることができる。
比表面積の大きい多孔質炭素の製造方法として、例えば、(1)鋳型(例えば、細孔を規則的に形成したメソポーラスシリカまたはゼオライト)に有機物を注入し、(2)該有機物を加熱により炭化し、次いで(3)鋳型を除去することを含む製造方法が知られている(非特許文献1、特許文献1)。これら多孔質炭素を賦活することで比表面積の大きい活性炭の製造が期待できる。しかし、この方法は、細孔を規則的に形成したメソポーラスシリカまたはゼオライトが必要であり、このようなメソポーラスシリカおよびゼオライトの製造には手間がかかる。また、鋳型の除去に、フッ化水素酸または強アルカリ水溶液などを用いる必要があり、その廃液処理も問題となる。
一方で、界面活性剤を水中に分散して形成したミセルを鋳型として用いて、ポリマーとミセルの複合体を形成し、次いで該複合体を加熱して炭化することによって、多孔質炭素を製造する方法が知られている(非特許文献2)。この方法では、鋳型としてメソポーラスシリカおよびゼオライトを使用しないので、メソポーラスシリカ等の製造、鋳型除去のためのフッ化水素酸等の使用、およびその後の排液処理という問題を有さない。また、この方法で得られた多孔質炭素を賦活することによって得られた活性炭を電気二重層キャパシタの電極材料として用いると、静電容量が向上することが知られている(非特許文献3)。しかしながら、電気二重層キャパシタの分野では、静電容量をさらに高めることが求められている。
特開2003−206112号公報
ジャーナル オブ フィジカル ケミストリー B(J. Phys. Chem. B),7743頁(1999年) ケミカル コミュニケーションズ(Chem. Comm.),2125頁(2005年) カーボン(Carbon),1985頁(2010年)
本発明は、静電容量の高い電気二重層キャパシタを製造し得る活性炭を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定のブロック共重合体、フェノール類、ホルムアルデヒドおよび溶媒を混合して得られる混合物から多孔質炭素を製造し、該多孔質炭素を賦活することによって製造した活性炭から、静電容量の高い電気二重層キャパシタが得られることを見出した。この知見に基づく本発明は以下の通りである
[1] 以下の第1工程〜第4工程を含むことを特徴とする活性炭の製造方法:
芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含み、且つスルホ基を有する親水性ブロック(S)、および不飽和炭化水素化合物に由来する構造単位を含み、且つ非晶性である疎水性ブロック(T)を有するブロック共重合体(Z)と、
フェノール類と、
ホルムアルデヒドと、
溶媒と
を混合して、混合物を得る第1工程;
得られた混合物から溶媒を除去して、固形物を得る第2工程;
得られた固形物を加熱して、多孔質炭素を得る第3工程;および
得られた多孔質炭素を賦活して、活性炭を得る第4工程。
[2] 第3工程において、得られた固形物を300〜1200℃の温度で加熱する前記[1]に記載の活性炭の製造方法。
[3] 第4工程が、以下の第4−1工程〜第4−3工程を含む前記[1]または[2]に記載の活性炭の製造方法:
得られた多孔質炭素と、
アルカリ金属水酸化物と、
溶媒と
を混合して、分散液を得る第4−1工程;
得られた分散液から溶媒を除去して、固形物を得る第4−2工程;および
得られた固形物を400〜900℃の温度で加熱して、活性炭を得る第4−3工程。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の製造方法によって得られた活性炭。
[5] 比表面積が1000m/g以上であり、全細孔容積が0.3cm/g以上である前記[4]に記載の活性炭。
本発明の製造方法によれば、電気二重層キャパシタの電極材料として用いた場合に、静電容量が高められる活性炭を製造することができる。
実施例2、3および5で得られた多孔質炭素の走査型電子顕微鏡写真である。図中、Aが実施例2の多孔質炭素の表面を示し、Bが実施例3の多孔質炭素の表面を示し、Cが実施例5の多孔質炭素の表面を示し、Dが実施例5の多孔質炭素の断面を示す。 実施例2、3および5で得られた多孔質炭素の透過型電子顕微鏡写真である。図中、Aが実施例2の多孔質炭素を示し、Bが実施例3の多孔質炭素を示し、Cが実施例5の多孔質炭素を示す。
本発明の製造方法は、上述の第1工程〜第4工程を含む。以下、各工程を順に説明する。
[第1工程]
第1工程では、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含み、且つスルホ基を有する親水性ブロック(S)、および不飽和炭化水素化合物に由来する構造単位を含み、且つ非晶性である疎水性ブロック(T)を有するブロック共重合体(Z)と、
フェノール類と、
ホルムアルデヒドと、
溶媒と
を混合して、混合物を得る。以下では、まずブロック共重合体(Z)について説明する。
<ブロック共重合体(Z)>
ブロック共重合体(Z)は、以下で説明する親水性ブロック(S)と疎水性ブロック(T)とを、それぞれ1個以上有する。ブロック共重合体(Z)が複数の親水性ブロック(S)を有する場合、それらの構造(構造単位の種類、重合度、スルホ基の種類や導入割合等)は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。また、ブロック共重合体(Z)が複数の疎水性ブロック(T)を有する場合、それらの構造(構造単位の種類、重合度等)は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
ブロック共重合体(Z)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ブロック共重合体(Z)としては、例えば、S−T型ジブロック共重合体、S−T−S型トリブロック共重合体、T−S−T型トリブロック共重合体、S−T−S型トリブロック共重合体、およびこれらの混合物(例えば、T−S−T型トリブロック共重合体とS−T型ジブロック共重合体との混合物)などが挙げられる(前記SおよびTはそれぞれ、親水性ブロック(S)および疎水性ブロック(T)を表す)。
親水性ブロック(S)の合計量:疎水性ブロック(T)の合計量の重量比は、10:90〜50:50であることが好ましく、細孔径のバラつきが小さい多孔質炭素を再現よく得る観点から20:80〜40:60であることがより好ましい。
後述する第3工程において細孔径のバラつきが小さい多孔質炭素を再現性よく得るためには、ブロック共重合体(Z)のイオン交換容量が重要である。本発明においてブロック共重合体(Z)のイオン交換容量とは、ブロック共重合体(Z)の単位質量あたりのイオン交換基の当量を意味する。ブロック共重合体(Z)がイオン交換基としてスルホ基のみを有する場合、イオン交換容量は、ブロック共重合体(Z)の単位質量あたりのスルホ基の当量を意味する。ブロック共重合体(Z)のイオン交換容量が小さくなりすぎると、各ブロックの親水性/疎水性の差が不明瞭になり、その結果、多孔質炭素の比表面積が低下する。従って、このイオン交換容量は、0.10meq/g以上であることが好ましく、0.30meq/g以上であることがより好ましく、0.75meq/g以上であることが特に好ましい。逆に、このイオン交換容量が大きくなりすぎると、ブロック共重合体(Z)の親水性/疎水性のバランスが崩れ、その結果、再現性よく多孔質炭素が得られなくなる場合がある。従って、このイオン交換容量は、5.00meq/g以下であることが好ましく、2.5meq/g以下であることがより好ましく、1.1meq/g以下であることがさらに好ましい。イオン交換容量は、中和滴定を用いて算出することができる。例えば、ブロック共重合体(Z)に飽和塩化ナトリウム水溶液を添加し、生成した塩酸を水酸化ナトリウムによって中和滴定することで、イオン交換容量を算出することができる。
ブロック共重合体(Z)は、例えば、スルホ基を有さないこと以外はブロック共重合体と同じであるブロック共重合体(Z)[即ち、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含むブロック(S)、および不飽和炭化水素化合物に由来する構造単位を含み、且つ非晶性である疎水性ブロック(T)を有するブロック共重合体(Z)]を、スルホン化することによって製造することができる。このスルホン化によって、ブロック(S)中の芳香環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環)にスルホ基が導入される。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(標準ポリスチレン換算)により測定されるブロック共重合体(Z)の数平均分子量は、5,000〜200,000が好ましく、30,000〜150,000がより好ましく、50,000〜100,000がさらに好ましい。ブロック共重合体(Z)の数平均分子量が小さすぎても大きすぎても、得られる多孔質炭素の細孔の均質性が低下する傾向となる。
芳香族ビニル化合物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルビフェニル、ビニルターフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4−フェノキシスチレン等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物として、置換されたビニル基を有する芳香族ビニル化合物を使用してもよい。ビニル基の置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基(例えば、クロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロエチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)を挙げることができる。置換されたビニル基を有する芳香族ビニル化合物としては、例えば、α−メチルスチレン、α−メチル−4−メチルスチレン、α−メチル−4−エチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物は、スルホン化を阻害する置換基(例えば、炭素数3以上のアルキル基)を芳香環上に有さないことが望ましい。
芳香族ビニル化合物としては、
スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルビフェニル、ビニルターフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4−フェノキシスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−4−メチルスチレン、α−メチル−4−エチルスチレンおよび1,1−ジフェニルエチレンが好ましく;
スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、ビニルビフェニルおよびα−メチルスチレンがより好ましく;
スルホン化の観点から、スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、ビニルビフェニルおよびα−メチルスチレンがさらに好ましい。
ブロック(S)および親水性ブロック(S)は、本発明の効果を損なわない範囲内で、芳香族ビニル化合物以外の1種以上の単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。芳香族ビニル化合物以外の単量体としては、例えば、炭素数4〜8の共役ジエン(例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘプタジエン等)、炭素数2〜8のアルケン(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−オクテン、2−オクテン等)、(メタ)アクリル酸エステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等)、ビニルエーテル(例えば、メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等)等が挙げられる。芳香族ビニル化合物以外の単量体に由来する構造単位の量は、ブロック(S)または親水性ブロック(S)中、10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。
ブロック(S)および親水性ブロック(S)が、2種以上の構造単位を含む場合、即ち、2種以上の単量体(例えば、2種以上の芳香族ビニル化合物の組合せ、または芳香族ビニル化合物以外の単量体および芳香族ビニル化合物の組合せ)を用いて共重合する場合、共重合形態はランダムであることが望ましい。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(標準ポリスチレン換算)により測定される一つのブロック(S)の数平均分子量は、1,000〜50,000の範囲が好ましく、3,000〜40,000の範囲がより好ましく、5,000〜25,000の範囲がさらに好ましい。上記数平均分子量が、1,000未満であるか、または50,000を超えると、得られる多孔質炭素の細孔の均質性が低下し、それによって多孔質炭素の賦活効率の低下を招く場合がある。その結果、得られる活性炭を電気二重層キャパシタ電極として使用した場合に、充分な静電容量が得られないことがある。
疎水性ブロック(T)は、不飽和炭化水素化合物に由来する構造単位を含み、且つ非晶性である。ここで、ブロック共重合体(Z)または(Z)中の疎水性ブロック(T)が非晶性であることは、ブロック共重合体(Z)または(Z)の動的粘弾性を測定して、結晶性オレフィン重合体に由来する貯蔵弾性率の変化がないことによって確認できる。
不飽和炭化水素化合物は1種のみを使用してもよく、2種以上併用してもよい。不飽和炭化水素化合物は、重合性の炭素−炭素二重結合を有する限り、特に限定されないが、鎖式不飽和炭化水素化合物が好ましい。鎖式不飽和炭化水素化合物としては、例えば、炭素数2〜8のオレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−オクテン、2−オクテン等)、炭素数4〜8の共役ジエン化合物(1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘプタジエン等)等が挙げられる。不飽和炭化水素化合物として共役ジエン化合物を重合する場合、重合(結合)の様式は、1,2−結合であっても1,4−結合であっても、これらが混ざっていてもよい。
不飽和炭化水素化合物としては、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエンおよび1,3−ヘプタジエンが好ましく;
1,3−ブタジエン、イソブテン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエンおよび1,3−ヘプタジエンがより好ましく;
1,3−ブタジエン、イソブテン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンおよび2−エチル−1,3−ブタジエンがさらに好ましい。
疎水性ブロック(T)は、本発明の効果を損なわない範囲内で、不飽和炭化水素化合物以外の単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。不飽和炭化水素化合物以外の単量体としては、例えば、スチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物、塩化ビニル等のハロゲン含有ビニル化合物、ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等)、ビニルエーテル(メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等)等が挙げられる。不飽和炭化水素化合物以外の単量体に由来する構造単位の量は、疎水性ブロック(T)中、5重量%以下であることが好ましい。
疎水性ブロック(T)が、2種以上の構造単位を含む場合、即ち、2種以上の単量体(例えば、2種以上の不飽和炭化水素化合物の組合せ、または不飽和炭化水素化合物以外の単量体および不飽和炭化水素化合物の組合せ)を用いて共重合する場合、共重合形態はランダムであることが望ましい。
一つの疎水性ブロック(T)の数平均分子量は、小さすぎても大きすぎても、得られる多孔質炭素の細孔の均質性を低下させる傾向となる。このためゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(標準ポリスチレン換算)により測定される一つの疎水性ブロック(T)の数平均分子量は、3,000〜150,000の範囲が好ましく、20,000〜100,000の範囲がより好ましく、30,000〜75,000の範囲がさらに好ましい。
スルホン化に用いるブロック共重合体(Z)は、その構造単位の種類、分子量等に応じて、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、配位重合法等によって適宜製造することができる。工業的な容易さから、ラジカル重合法、アニオン重合法あるいはカチオン重合法が好ましく、分子量、分子量分布等の観点から、リビングラジカル重合法、リビングアニオン重合法、およびリビングカチオン重合法がより好ましい。
ブロック共重合体(Z)の製造方法の具体例として、ブロック(S)がスチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル化合物から形成され、疎水性ブロック(T)が共役ジエンまたはイソブテンから形成されてなるブロック共重合体(Z)の製造方法を説明する。この場合、工業的容易さ、分子量、分子量分布、ブロック(S)と疎水性ブロック(T)との結合の容易さ等から、前記ブロック共重合体(Z)は、リビングアニオン重合法またはリビングカチオン重合法で製造することが好ましい。
前記ブロック共重合体(Z)をリビングアニオン重合によって製造するには、
(1)シクロヘキサン等の非極性溶媒中でアニオン重合開始剤の存在下、20〜100℃の温度条件下で、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、芳香族ビニル化合物を逐次重合させて、S−T−S型トリブロック共重合体(Z)を得る方法(前記SおよびTはそれぞれ、ブロック(S)および疎水性ブロック(T)を表す。以下同じ。);
(2)シクロヘキサン等の非極性溶媒中でアニオン重合開始剤の存在下、20〜100℃の温度条件下で芳香族ビニル化合物、共役ジエンを逐次重合させた後、安息香酸フェニル等のカップリング剤を添加して、S−T−S型トリブロック共重合体(Z)を得る方法;
(3)シクロヘキサン等の非極性溶媒中で、アニオン重合開始剤として有機リチウム化合物および重合末端アニオンの活性化剤である極性化合物(例えば、THF、アミン等)の存在下、−30℃〜30℃の温度にて、芳香族ビニル化合物を重合させ、得られるリビングポリマーに共役ジエンを重合させた後、安息香酸フェニル等のカップリング剤を添加して、S−T−S型ブロック共重合体(Z)を得る方法;
(4)シクロヘキサン等の非極性溶媒中でアニオン重合開始剤の存在下、20〜100℃の温度条件下で、t−ブチルスチレン、スチレン、共役ジエンを所望の順番で各1回以上逐次添加し、3種類以上のブロックからなるブロック共重合体(Z)を得る方法;
等が採用される。
前記ブロック共重合体(Z)をリビングカチオン重合によって製造するには、
(5)ハロゲン化炭化水素および炭化水素の混合溶媒中、−78℃で、2官能性ハロゲン化開始剤を用いて、ルイス酸存在下、イソブテンをカチオン重合させた後、スチレン等の芳香族ビニル化合物を重合させて、S−T−S型トリブロック共重合体(Z)を得る方法(例えば、Macromol. Chem., Macromol. Symp. 32, 119 (1990). に記載の方法)
等が採用される。
不飽和炭化水素化合物が炭素−炭素二重結合を複数有する場合、通常、重合後に、疎水性ブロック(T)中には炭素−炭素二重結合が残存する。この場合、残存する炭素−炭素二重結合の一部または全部を、公知の水素添加反応によって飽和結合に変換してもよい。炭素−炭素二重結合の水素添加率は、一般に用いられている方法、例えば、H−NMR測定によって算出することができる。炭素−炭素二重結合の水素添加率は、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。
上述のようにして製造したブロック共重合体(Z)をスルホン化することによって、ブロック共重合体(Z)を製造することができる。このスルホン化は、公知の方法で行うことができる。スルホン化の方法としては、例えば、ブロック共重合体(Z)の溶液や懸濁液に後述するスルホン化剤を添加する方法や、ブロック共重合体(Z)にガス状のスルホン化剤を直接添加する方法が挙げられる。
スルホン化剤としては、硫酸;硫酸と脂肪族酸無水物との混合物;クロロスルホン酸;クロロスルホン酸と塩化トリメチルシリルとの混合物;三酸化硫黄;三酸化硫黄とトリエチルホスフェートとの混合物;2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸などの芳香族有機スルホン酸;等が例示される。
スルホン化に用いる溶媒としては、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;ヘキサン等の直鎖脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素;およびこれらの混合溶媒が例示できる。
<フェノール類およびホルムアルデヒド>
本発明においてフェノール類とは、フェノールまたはベンゼン環の水素原子が置換基で置換されたフェノール(以下「置換フェノール」と称する。)を意味する。置換フェノールの置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が挙げられ、その置換基の数は、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2である。フェノール類は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。フェノール類としては、フェノール、ジヒドロキシベンゼン(即ち、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン)等が挙げられ、このうち、1,3−ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)が好ましい。
ホルムアルデヒドは、溶液として混合してもよく、パラホルムアルデヒドなどの重合体の形態で混合してもよい。ホルムアルデヒド溶液の溶媒としては、水、極性有機溶媒、および水と極性有機溶媒との混合溶媒が挙げられる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール等のアルコール;テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル;アセトン、シクロヘキサノン等のケトン;等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒド溶液として混合することが好ましく、ホルムアルデヒド水溶液として混合することがより好ましい。ホルムアルデヒド水溶液を使用する場合、その濃度は、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは37〜50重量%である。
第1工程で用いるフェノール類:ホルムアルデヒドのモル比は、1:0.1〜1:10の範囲が好ましく、1:0.5〜1:5の範囲がより好ましい。また、ホルムアルデヒドの使用量は、ブロック共重合体(Z)100重量部に対して、10〜500重量部の範囲が好ましく、30〜250の範囲がより好ましい。
<溶媒>
第1工程で用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール等のアルコール;テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル;アセトン、シクロヘキサノン等のケトン;等の極性有機溶媒が好ましい。これらの極性有機溶媒は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ブロック共重合体(Z)の溶解性を向上させる目的で、前記の極性有機溶媒とトルエンなどの非極性有機溶媒とを混合して用いてもよい。また、前記の極性有機溶媒と水とを混合してもよい。
ブロック共重合体(Z)の溶解性の高さなどの観点から、第1工程で用いる溶媒としては、
THF;THFとエタノールとの混合溶媒;THFとn−プロパノールとの混合溶媒;THFと水との混合溶媒;シクロヘキサノン;シクロヘキサノンとエタノールとの混合溶媒;トルエンと2−プロパノールとの混合溶媒;トルエンと2−メチル−1−プロパノールとの混合溶媒;が好ましく、
THF;THFとエタノールとの混合溶媒;THFとn−プロパノールとの混合溶媒;;シクロヘキサノン;シクロヘキサノンとエタノールとの混合溶媒;トルエンと2−プロパノールとの混合溶媒;トルエンと2−メチル−1−プロパノールとの混合溶媒;がより好ましく、
THF;THFとエタノールとの混合溶媒;THFとn−プロパノールとの混合溶媒;がさらに好ましい。
第1工程で調製する混合物の固形分は、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%である。固形分が0.5重量%よりも低いと、生産性が悪くなる傾向があり、逆に固形分が30重量%よりも高いと、得られる混合物の粘度が上昇して、取り扱いが困難になる場合がある。混合物の粘度は、好ましくは20Pa・s以下、より好ましくは10Pa・s以下である。混合物の粘度が20Pa・sを超えると、その取り扱いが困難になる傾向がある。
第1工程において、ブロック共重合体(Z)と、フェノール類と、ホルムアルデヒドと、溶媒とを混合する際の温度は、0〜80℃の範囲が好ましく、5〜50℃の範囲がより好ましく、10〜30℃の範囲がさらに好ましい。また、得られる多孔質炭素の細孔の均質性を高める観点から、混合時間は1〜72時間の範囲とすることが好ましく、10〜30時間の範囲とすることがより好ましい。
<好ましい組合せ>
ブロック共重合体とフェノール類とホルムアルデヒドと溶媒との好ましい組合せは、以下の通りである:
(i)ブロック共重合体(Z)
スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルビフェニル、ビニルターフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4−フェノキシスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−4−メチルスチレン、α−メチル−4−エチルスチレンおよび1,1−ジフェニルエチレンからなる群から選ばれる芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含み、且つスルホ基を有する親水性ブロック(S)、並びに
エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエンおよび1,3−ヘプタジエンからなる群から選ばれる不飽和炭化水素化合物に由来する構造単位とを含み、且つ非晶性である疎水性ブロック(T)
を有するブロック共重合体(Z)。
(ii)フェノール類
フェノールおよびジヒドロキシベンゼンからなる群から選ばれるフェノール類。
(iii)ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒド溶液。
(iv)溶媒
THF;THFとエタノールとの混合溶媒;THFとn−プロパノールとの混合溶媒;;THFと水との混合溶媒;シクロヘキサノン;シクロヘキサノンとエタノールとの混合溶媒;トルエンと2−プロパノールとの混合溶媒;またはトルエンと2−メチル−1−プロパノールとの混合溶媒。
ブロック共重合体とフェノール類とホルムアルデヒドと溶媒とのより好ましい組合せは、以下の通りである:
(i)ブロック共重合体(Z)
スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、ビニルビフェニルおよびα−メチルスチレンからなる群から選ばれる芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含み、且つスルホ基を有する親水性ブロック(S)、並びに
1,3−ブタジエン、イソブテン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエンおよび1,3−ヘプタジエンからなる群から選ばれる不飽和炭化水素化合物に由来する構造単位とを含み、且つ非晶性である疎水性ブロック(T)を有するブロック共重合体(Z)。
(ii)フェノール類
フェノールおよびレゾルシノールからなる群から選ばれるフェノール類。
(iii)ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒド水溶液。
(iv)溶媒
THF;THFとエタノールとの混合溶媒;THFとn−プロパノールとの混合溶媒;;シクロヘキサノン;シクロヘキサノンとエタノールとの混合溶媒;トルエンと2−プロパノールとの混合溶媒;またはトルエンと2−メチル−1−プロパノールとの混合溶媒。
ブロック共重合体とフェノール類とホルムアルデヒドと溶媒とのさらに好ましい組合せは、以下の通りである:
(i)ブロック共重合体(Z)
スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、ビニルビフェニルおよびα−メチルスチレンからなる群から選ばれる芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含み、且つスルホ基を有する親水性ブロック(S)、並びに
1,3−ブタジエン、イソブテン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンおよび2−エチル−1,3−ブタジエンからなる群から選ばれる不飽和炭化水素化合物に由来する構造単位とを含み、且つ非晶性である疎水性ブロック(T)を有するブロック共重合体(Z)。
(ii)フェノール類
レゾルシノール。
(iii)ホルムアルデヒド
ホルマリン水溶液(即ち、濃度が37重量%以上であるホルムアルデヒド水溶液)。
(iv)溶媒
THF;THFとエタノールとの混合溶媒;またはTHFとn−プロパノールとの混合溶媒。
[第2工程]
第2工程では、得られた混合物から溶媒を除去して、固形物を得る。溶媒除去の方法としては、公知の方法、例えば、(1)室温での自然乾燥、(2)加熱、(3)減圧、または(4)加熱および減圧の組合せが挙げられる。混合物はガラス、シリコンウエハ等の基板上に塗工後に、前記の手法を用いて溶媒を除去してもよい。基板への塗工手法としては、公知の方法、例えば、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティングが用いられる。溶媒除去のために加熱する場合、その温度は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは60〜120℃である。溶媒除去のために減圧する場合、その圧力は、好ましくは0.01〜100Torr、より好ましくは0.1〜10Torrである。第2工程に要する時間は、好ましくは1〜100時間、より好ましくは10〜50時間である。溶媒除去は、大気雰囲気下で混合物を加熱することによって行うことが好ましい。固形物を100℃に保持した際、重量減少率が1分間あたり0.1%以下になるまで、溶媒を除去することが好ましい。
加熱によって混合物の溶媒を除去する場合、第2工程および第3工程の加熱を続けて行ってもよい。即ち、加熱によって混合物の溶媒を除去した後も、そのまま加熱を続けて(場合によりさらに昇温して)、多孔質炭素を形成してもよい。
[第3工程]
第3工程では、得られた固形物を加熱して、多孔質炭素を得る。得られる多孔質炭素は、好ましくは、細孔径が10〜50nmである多数の細孔を規則的に有する。
第3工程の加熱は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。加熱温度は、好ましくは300〜1200℃、より好ましくは400〜1000℃である。加熱時間は、好ましくは30分〜12時間である。
[第4工程]
第4工程では、得られた多孔質炭素を賦活して、活性炭を得る。多孔質炭素の賦活のために、公知の方法(薬品賦活、ガス賦活)を使用することができる。薬品賦活は、一般に、薬品(塩化亜鉛、リン酸、アルカリ金属水酸化物等)を浸透させた多孔質炭素を加熱することによって行われる。ガス賦活は、一般に、高温(例えば、700〜1000℃)で、多孔質炭素をガス(水蒸気、二酸化炭素、空気、燃焼ガス等)と接触させることによって行われる。
賦活の方法としては、薬品賦活が好ましく、アルカリ金属水酸化物を用いる薬品賦活がより好ましい。好ましい態様の第4工程は、以下の第4−1工程〜第4−3工程を含む:
得られた多孔質炭素と、
アルカリ金属水酸化物と、
溶媒と
を混合して、分散液を得る第4−1工程;
得られた分散液から溶媒を除去して、固形物を得る第4−2工程;および
得られた固形物を400〜900℃の温度で加熱して、活性炭を得る第4−3工程。
アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウムなどが挙げられる。アルカリ金属水酸化物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。大きな静電容量を達成し得る活性炭を製造するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはこれらの混合物が好ましく、水酸化カリウムがより好ましい。
第4−1工程で使用するアルカリ金属水酸化物の量が少なすぎると、得られる活性炭の性質にばらつきが生じることがある。逆にこの量が多すぎると、経済的でないだけではなく、得られた活性炭を電気二重層キャパシタの電極材料として用いた場合に、静電容量が低下する場合がある。従って、アルカリ金属水酸化物の使用量は、多孔質炭素1重量部に対して、1重量部以上が好ましく、1.5〜10重量部がより好ましく、2〜6重量部がさらに好ましい。
第4−1工程で使用する溶媒(分散溶媒)としては、水が好ましい。例えば、多孔質炭素をアルカリ金属水酸化物水溶液に添加し、混合することによって、多孔質炭素とアルカリ金属水酸化物と水との混合を行ってもよい。混合温度は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは60〜100℃であり、混合時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜10時間である。
第4−2工程では、得られた分散液から溶媒を除去して、固形物を得る。溶媒除去の方法としては、公知の方法、例えば、(1)加熱、(2)減圧、または(3)これらの組合せが挙げられる。溶媒除去のために加熱する場合、その温度は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜120℃である。溶媒除去のために減圧する場合、その圧力は、好ましくは0.01〜100Torr、より好ましくは0.1〜10Torrである。第4−2工程に要する時間は、好ましくは1〜50時間、より好ましくは10〜35時間である。溶媒除去は、大気雰囲気下で分散液を加熱することによって行うことが好ましい。
加熱によって分散液の溶媒を除去する場合、第4−2工程および第4−3工程の加熱を続けて行ってもよい。即ち、加熱によって分散液の溶媒を除去した後も、そのまま加熱を続けて昇温して、活性炭を形成してもよい。
第4−3工程では、得られた固形物を400〜900℃(好ましくは500〜850℃)の温度(以下「賦活温度」と称する)で加熱して、活性炭を得る。賦活温度が900℃を超えると、得られる活性炭を電気二重層キャパシタの電極として用いた場合に、静電容量が小さくなる傾向がある。また、賦活温度が400℃未満であると、得られる活性炭の電気抵抗が高くなることがある。
第4−3工程では、得られた固形物を昇温して、賦活温度に到達した後、速やかに冷却してもよいが、一定時間、該賦活温度で固形物を加熱保持することが好ましい。そこで、保持時間は、0.3〜5時間の範囲が好ましく、0.5〜3時間の範囲がより好ましい。保持時間が0.3時間未満であると、得られる活性炭の比表面積が小さくなり、一方、保持時間が5時間を超えると、得られる活性炭でグラファイト構造が発達し、これを電気二重層キャパシタの電極材料として用いた場合、静電容量が低下する傾向がある。
第4−3工程における昇温、加熱保持およびその後の冷却は、多孔質炭素の燃焼を抑制するために、例えば、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。賦活のための加熱は、固形物を定置化した固定床または回転、攪拌などの移動を伴う移動床のいずれで行ってもよく、さらにバッチ式または連続式のいずれで行ってもよい。
以上のようにして得られた活性炭から、その中に含まれるアルカリ金属水酸化物を除去することが好ましい。アルカリ金属水酸化物の除去は、一般に、活性炭を酸性水溶液および/または水で洗浄することによって行われる。洗浄に要する時間は、通常30分〜6時間である。
[活性炭]
本発明は、上記製造方法によって得られた活性炭も提供する。電気二重層キャパシタ電極の静電容量を増大させる観点から、本発明の活性炭の比表面積は、1000m/g以上であることが好ましく、1500m/g以上であることがより好ましい。同様の観点から、本発明の活性炭の全細孔容積は、0.3cm/g以上であることが好ましく、0.5cm/g以上であることがより好ましい。
多孔質炭素および活性炭の比表面積は、窒素BET吸着法(島津評論 第48巻、第1号、第35〜44頁、1991年参照)により測定することができる。また、多孔質炭素および活性炭の細孔容積(マイクロ孔容積、メソ孔容積、マクロ孔容積および全細孔容積)は窒素吸着等温線の吸着曲線からBJH法により測定することができる。具体的には、後述する実施例に記載するようにして比表面積および細孔容積を測定することができる。
本発明の活性炭の効果(静電容量の向上)は、例えば、Ag/Agを参照電極とし、活性炭を用いた電極を作用極とし、Ptを対極とした三極式のセルを構築し、その静電容量を測定することによって確認することができる。具体的には、後述する実施例に記載するように静電容量を測定して、本発明の活性炭の効果を確認することができる。
本発明の活性炭は、電気二重層キャパシタの電極材料として好適である。本発明の活性炭は、その他の炭素材料(例えば、公知のカーボンブラック、活性炭)と混合して使用してもよい。
電極の製造方法は、特に限定されず、従来知られている製造方法を使用することができる。電極の製造方法としては、例えば、以下のようなものが挙げられる:
(1)予め活性炭の分散液を作製し、この分散液に活物質、結着剤、各種添加剤を加え更に分散させ、集電体に塗布した後、乾燥する方法、
(2)活性炭、活物質、結着剤、各種添加剤を同時に溶媒に分散させ、集電体に塗布した後、乾燥する方法、
(3)活性炭、活物質、結着剤、各種添加剤を乾式混合機により混合し、得られた混合物を加圧(例えば、圧縮成形)により集電体に結着させる方法。
分散溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)などを使用できる。分散は、公知の分散機または混合機を使用して行えばよい。分散機または混合機としては、例えば、ボールミル、サンドミル、三本ロール、高速ディスパーザーなどの塗料作製時に使用される分散機や、ヘンシェルミキサー、遊星ボールミルなどの乾式混合機等が挙げられる。
典型的な電極の製造方法では、例えば、本発明の活性炭に、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の結着剤(バインダ)を添加した後、シート状または板状に加圧ロール成形することによって、電極を製造することができる。この時、導電材料として黒鉛粉、アセチレンブラック等を添加してもよい。このようにして製造した電極を、所望の大きさ、形状に切断しセパレータを両極の間に介在させ、容器に挿入した後、電解液を注入し、封口板、ガスケットを用いて封口を閉めることによって、単極セルを形成することができる。セパレータとしては、様々なものを使用できるが、例えば、ポリエチレン製セパレータ、ナイロン不織布製セパレータ、ポリプロピレン製不織布セパレータなどを好適に使用できる。
以下に、本発明について更に詳細に説明する。なお、本発明はここに説明する実施例に限定されるものではない。
1.測定方法
(1)数平均分子量の測定
以下の測定機および条件によって、ブロック共重合体(Z)の数平均分子量を測定した。
GPCシステム:東ソー社製「HLC−8220GPC」
カラム:TSKgel Super Multipore HZ−M
TSK guard Column Super MP−M
TSK gel G3000H
RI検出器:HLC−8220GPC
カラムオーブン温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
標準サンプル:標準ポリスチレンの較正曲線を用いて、換算した。
(2)水素添加率およびスルホン化率の測定
以下の測定機および条件によって、H−NMRを測定し、ブロック共重合体(Z)の水素添加率およびブロック共重合体(Z)のスルホン化率を算出した。
NMRシステム:日本電子製JNM−ECX400
溶媒:重水素化クロロホルム
基準ピーク:テトラメチルシラン
(3)疎水性ブロック(T)の非晶性評価
ブロック共重合体(Z)の20重量%トルエン/イソプロピルアルコール(重量比5/5)溶液を調製し、離型処理済PETフィルム(三菱樹脂(株)製「MRV」)上に約350μmの厚さでコートし、熱風乾燥機にて、100℃で4分間乾燥後、25℃で離型処理済PETフィルムから剥離させて、厚さ30μmの膜を得た。得られた膜を、広域動的粘弾性測定装置(レオロジ社製「DVE−V4FTレオスペクトラー」)を使用して、引張りモード(周波数:11Hz)で、速度3℃/分で−80℃から250℃まで昇温して、貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E’’)および損失正接(tanδ)を測定した。結晶性オレフィン重合体に由来する80〜100℃における貯蔵弾性率の変化の有無から、疎水性ブロック(T)の非晶性を評価した。この結果、下記実施例および比較例で得られたすべてのブロック共重合体(Z)では、前記貯蔵弾性率の変化がなく、それらの疎水性ブロック(T)は非晶性であった。
(4)比表面積および細孔容積の測定
日本ベル社製の自動比表面積/細孔分布測定装置「BELSORP−miniII」を使用し、液体窒素を用いて多点法でBET比表面積を測定し、パラメータCが正になる範囲で、多孔質炭素または活性炭の比表面積を算出した。また、多孔質炭素または活性炭のマイクロ孔容積(Vmicro)、メソ孔容積(Vmeso)、マクロ孔容積(Vmacro)、および全細孔容積(Vtotal)は、窒素吸着等温線の吸着曲線からBJH法を用いて算出した。比表面積および細孔容積の測定のための前処理を、100℃で24時間行った。なお、マイクロ孔とは幅が2nm以下である孔をいい、メソ孔とは幅が2nm超50nm以下である孔をいい、マクロ孔とは幅が50nm超である孔をいう。
(5)静電容量の測定
下記実施例および比較例の活性炭、カーボンブラック(東海カーボン社製)、PTFE粉末(Dupont―Mitsui Fluorochemicals 社製)を重量比8:1:1で混合し、加圧成形したものを白金メッシュに挟み、作用極とした。1Mの硫酸を電解液とし、Ag/Agを参照電極とし、Ptを対極とした三極式のセルを用いて、定電流法にて充放電試験を実施して、電流密度100mA/gおよび400mA/gのそれぞれの静電容量を測定した。
2.ブロック共重合体(Z)およびブロック共重合体(Z)の合成
合成例1:ブロック共重合体(Z)の合成
撹拌装置付き耐圧容器を充分に窒素置換した後、充分に脱水したα−メチルスチレン172g、シクロヘキサン258.1g、n−ヘキサン28.8gおよびテトラヒドロフラン5.9gを投入した。続いて、重合溶液にsec−ブチルリチウム(1.3Mのシクロヘキサン溶液)17.5mLを添加し、−10℃で5時間重合した。5時間重合後のポリ(α−メチルスチレン)の数平均分子量をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算で6,400であった。次いで、重合溶液に1,3−ブタジエン27gを添加し、−10℃で30分間撹拌した後、シクロヘキサン1,703gを加えた。得られたポリブタジエンブロックの数平均分子量は3640であった。次に、重合溶液に1,3−ブタジエン303gを加え、60℃まで昇温して、2時間重合した。さらに、耐圧容器中の重合溶液に、α,α’−ジクロロ−p−キシレン(0.3Mのトルエン溶液)27.0mLを加え、60℃で1時間撹拌してカップリング反応を行い、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)型トリブロック共重合体(以下「mSBmS」と略記する)を合成した。得られたmSBmSの数平均分子量は74000であり、H−NMR測定から求めた1,2−結合量は43.9%、α−メチルスチレン単位の含有量は28重量%であった。またH−NMRスペクトル測定による組成分析により、ポリブタジエンブロック中にα−メチルスチレンが実質的に含まれていないことを確認した。
充分に窒素置換した耐圧容器に、得られたmSBmSのシクロヘキサン溶液を仕込んだ後、Ni/Al系のZiegler系水素添加触媒を用いて、水素雰囲気下において80℃で5時間水素添加反応を行い、ポリ(α−メチルスチレン)−水添ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)型トリブロック共重合体(以下、ブロック共重合体(Z−1)と称する)を得た。得られたブロック共重合体(Z−1)の水素添加率をH−NMRスペクトル測定により算出したところ、99.6%であった。
合成例2:ブロック共重合体(Z)の合成
合成例1で得られたブロック共重合体(Z−1)100gを、攪拌機付きのガラス製反応容器中にて1時間真空乾燥し、次いで窒素置換した後、塩化メチレン1000mLを加え、35℃にて2時間攪拌して溶解させて、ブロック共重合体(Z−1)の塩化メチレン溶液を調製した。これとは別に、塩化メチレン41.8mL中、0℃にて無水酢酸21.0mLと硫酸9.34mLとを反応させてスルホン化剤を得た。前記ブロック共重合体(Z−1)の塩化メチレン溶液に、前記スルホン化剤を20分かけて徐々に滴下した。滴下後の反応溶液を35℃にて0.5時間攪拌して、スルホン化を行った。スルホン化後、攪拌しながら2Lの蒸留水に反応溶液を注ぎ、共重合体を析出させた。析出した共重合体を90℃の蒸留水で30分間洗浄し、次いでろ過した。この洗浄およびろ過の操作を、洗浄水のpH変化がなくなるまで繰り返し、最後にろ取した共重合体を真空乾燥して、スルホン化共重合体(以下、ブロック共重合体(Z−1)と称する)を得た。得られたブロック共重合体(Z−1)のスルホン化率は27mol%、イオン交換容量は0.8meq/gであった。
合成例3:ブロック共重合体(Z)の合成
スルホン化の反応温度を25℃に、反応時間を7時間に変更した以外は、合成例2と同様にして、ブロック共重合体(Z−1)のスルホン化を行った。得られたスルホン化共重合体(以下、ブロック共重合体(Z−2)と称する)のスルホン化率は50mol%、イオン交換容量は1.06meq/gであった。
3.活性炭の製造および評価
実施例1
まず、以下のようにして多孔質炭素を製造した。詳しくは、磁気撹拌子を入れたテフロン(登録商標)製の容量30mLの広口瓶に、THF9.0mLを添加し、20℃にてマグネチックスターラーで該THFを撹拌しながら、レゾルシノール0.66g(和光純薬工業社製)、合成例2で得られたブロック共重合体(Z−1)0.2gを順に添加し、溶解させた。撹拌を続けながら、この溶液に37重量%のホルマリン水溶液0.63g(和光純薬工業社製)を添加して、広口瓶に蓋をしたのち、20℃でさらに24時間攪拌することで、析出した固体を含む液からなる混合物を得た(第1工程)。得られた混合物を室温で12時間静置する自然乾燥によって、大部分の溶媒を除去した後、さらに90℃で36時間加熱することによって溶媒を除去して、固形物を得た(第2工程)。次いで得られた固形物を、窒素雰囲気下、速度1.4℃/分で500℃まで昇温し、500℃で3時間加熱して、粉末状の多孔質炭素(Q−1)0.37gを得た(第3工程)。多孔質炭素(Q−1)の比表面積は295m/g、Vmicroは0.06cm/g、Vmesoは0.17cm/g、Vmacroは0.02cm/g、Vtotalは0.25cm/gであった。走査型電子顕微鏡による多孔質炭素(Q−1)の観察から、20nm程度の均一な細孔が確認された。
次いで、多孔質炭素(Q−1)の薬品賦活を実施した。詳しくは、磁気撹拌子を入れたテフロン(登録商標)製の容量50mLの広口瓶に、得られた多孔質炭素(Q−1)0.3gと1Mの水酸化カリウム水溶液28gを添加し、蓋をして、マグネチックスターラーを用いて90℃で6時間撹拌した(第4−1工程)。次いで、蓋を開けて90℃で24時間加熱することによって溶媒を除去して、固形物2.4gを得た(第4−2工程)。得られた固形物を、窒素雰囲気下、速度12.8℃/分で500℃まで昇温し、500℃で1時間加熱後、速度12.8℃/分で室温まで降温することで活性炭を得た(第4−3工程)。得られた活性炭を、ろ液のpHが7になるまで水で洗浄した後、90℃で乾燥した。
実施例2
ブロック共重合体(Z−1)0.2gに代えて、ブロック共重合体(Z−2)0.2gを用いた以外は実施例1と同様にして、粉末状の多孔質炭素(Q−2)0.36gを得た。得られた多孔質炭素(Q−2)の比表面積は373m/g、Vmicroは0.07cm/g、Vmesoは0.24cm/g、Vmacroは0.04cm/g、Vtotalは0.35cm/gであった。走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡による多孔質炭素(Q−2)の観察から、20nm程度の均一な細孔が確認された(図1、図2)。
次いで、多孔質炭素(Q−1)0.3gに代えて、多孔質炭素(Q−2)0.3gを用いた以外は、実施例1と同様にして、薬品賦活並びに得られた活性炭の水洗浄および乾燥を行った。
実施例3
第3工程において、800℃まで昇温し、800℃で3時間加熱した以外は、実施例1と同様にして、粉末状の多孔質炭素(Q−3)を得た。得られた多孔質炭素(Q−3)の比表面積は567m/g、Vmicroは0.06cm/g、Vmesoは0.23cm/g、Vmacroは0.02cm/g、Vtotalは0.31cm/gであった。走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡による多孔質炭素(Q−3)の観察から、20nm程度の均一な細孔が確認された(図1、図2)。
次いで、多孔質炭素(Q−1)0.3gに代えて、多孔質炭素(Q−3)0.3gを用いた点、および第4−3工程において、800℃まで昇温し、800℃で1時間加熱した以外は、実施例1と同様にして、薬品賦活並びに得られた活性炭の水洗浄および乾燥を行った。
実施例4
ブロック共重合体(Z−1)0.2gに代えて、ブロック共重合体(Z−2)0.2gを用いた点、および第3工程において、800℃まで昇温し、800℃で3時間加熱した以外は、実施例1と同様にして、粉末状の多孔質炭素(Q−4)を得た。得られた多孔質炭素(Q−4)の比表面積は261m/g、Vmicroは0.04cm/g、Vmesoは0.11cm/g、Vmacroは0.02cm/g、Vtotalは0.17cm/gであった。走査型電子顕微鏡による多孔質炭素(Q−4)の観察から、20nm程度の均一な細孔が確認された。
次いで、多孔質炭素(Q−1)0.3gに代えて、多孔質炭素(Q−4)0.3gを用いた点、および第4−3工程において、800℃まで昇温し、800℃で1時間加熱した以外は、実施例1と同様にして、薬品賦活並びに得られた活性炭の水洗浄および乾燥を行った。
実施例5
磁気撹拌子を入れたテフロン(登録商標)製の容量30mLの広口瓶に、THF4.5mLを添加し、20℃にてマグネチックスターラーでTHFを撹拌しながら、レゾルシノール0.66g(和光純薬工業社製)、合成例2で得られたブロック共重合体(Z−1)0.54gを順に添加し、溶解させた。撹拌を続けながら、この溶液に37重量%のホルマリン水溶液0.62g(和光純薬工業社製)を添加して、広口瓶に蓋をしたのち、30℃で4時間攪拌することで、均一な液状の混合物を得た(第1工程)。スピンコーター(アクテス社製「ASC−4000W」)を、回転数1000rpmおよび回転時間60秒の条件で用いて、得られた混合物をシリコン基板上に塗布し、90℃で1時間加熱することによって溶媒を除去して、薄膜(即ち、固形物)を得た(第2工程)。次いで固形物を、窒素雰囲気下、速度1.4℃/分で500℃まで昇温し、500℃で3時間加熱して、薄膜状の多孔質炭素(Q−5)を得た(第3工程)。走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡による多孔質炭素(Q−5)の観察から、20nm程度の均一な細孔が確認された(図1、図2)。
次いで、多孔質炭素(Q−1)0.3gに代えて、薄膜状の多孔質炭素(Q−5)0.3gを用いた点、および第4−3工程において、800℃まで昇温し、800℃で1時間加熱した以外は、実施例1と同様にして、薬品賦活並びに得られた活性炭の水洗浄および乾燥を行った。
比較例1
磁気撹拌子を入れたテフロン(登録商標)製の容量30mLの広口瓶に、非イオン性ブロック共重合体7.0g(BASF社製「F127」、数平均分子量12600)およびエタノール40gを添加し、マグネチックスターラーで撹拌することで溶液を調製した。撹拌を続けながら、この溶液にレゾルシノール6.6g(和光純薬工業社製)を添加し、20℃で30分間撹拌したのち、37重量%のホルマリン水溶液6.0g(和光純薬工業社製)を添加し、さらに20℃で30分間撹拌した。撹拌を続けながら、次いで、5Mの塩酸0.55gを添加し、さらに72時間撹拌することで、析出した固体を含む液からなる混合物を得た(第1工程)。得られた混合物を室温で12時間静置する自然乾燥によって大部分の溶媒を除去した後、さらに90℃で36時間加熱することによって溶媒を除去して、固形物を得た(第2工程)。次いで固形物を、窒素雰囲気下、速度1.4℃/分で800℃まで昇温し、800℃で3時間加熱して、粉末状の多孔質炭素(Q−6)0.46gを得た(第3工程)。多孔質炭素(Q−6)の比表面積は694m/g、Vmicroは0.16cm/g、Vmesoは0.48cm/g、Vmacroは0.02cm/g、Vtotalは0.66cm/gであった。走査型電子顕微鏡による多孔質炭素(Q−6)の観察から、6nm程度の均一な細孔が確認された。
次いで、多孔質炭素(Q−1)0.3gに代えて、多孔質炭素(Q−6)0.3gを用いた点、および第4−3工程において、800℃まで昇温し、800℃で1時間加熱した以外は、実施例1と同様にして、薬品賦活並びに得られた活性炭の水洗浄および乾燥を行った。
比較例2
市販の活性炭(Norit社製「SX−II」、比表面積1047m/g、Vmicroは0.43cm/g、Vmesoは0.24cm/g、Vmacroは0.34cm/g、Vtotalは1.01cm/g)の比表面積をさらに高めるため、多孔質炭素(Q−1)0.3gに代えて、上記活性炭0.3gを用いた点、および第4−3工程において、800℃まで昇温し、800℃で1時間加熱した以外は、実施例1と同様にして、薬品賦活並びに賦活した活性炭の水洗浄および乾燥を行った。
上述の方法によって測定した活性炭の比表面積、細孔容積および静電容量のデータを表1に示す。また、使用した共重合体および第4−3工程での賦活条件も表1に記載する。
表1に示す結果から、実施例1〜5の活性炭を用いて得られる電気二重層キャパシタは、比較例1および2の活性炭を用いて得られる電気二重層キャパシタよりも、高い静電容量を有することが分かる。

Claims (5)

  1. 以下の第1工程〜第4工程を含むことを特徴とする活性炭の製造方法:
    芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含み、且つスルホ基を有する親水性ブロック(S)、および不飽和炭化水素化合物に由来する構造単位を含み、且つ非晶性である疎水性ブロック(T)を有するブロック共重合体(Z)と、
    フェノール類と、
    ホルムアルデヒドと、
    溶媒と
    を混合して、混合物を得る第1工程;
    得られた混合物から溶媒を除去して、固形物を得る第2工程;
    得られた固形物を加熱して、多孔質炭素を得る第3工程;および
    得られた多孔質炭素を賦活して、活性炭を得る第4工程。
  2. 第3工程において、得られた固形物を300〜1200℃の温度で加熱する請求項1に記載の活性炭の製造方法。
  3. 第4工程が、以下の第4−1工程〜第4−3工程を含む請求項1または2に記載の活性炭の製造方法:
    得られた多孔質炭素と、
    アルカリ金属水酸化物と、
    溶媒と
    を混合して、分散液を得る第4−1工程;
    得られた分散液から溶媒を除去して、固形物を得る第4−2工程;および
    得られた固形物を400〜900℃の温度で加熱して、活性炭を得る第4−3工程。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法によって得られた活性炭。
  5. 比表面積が1000m/g以上であり、全細孔容積が0.3cm/g以上である請求項4に記載の活性炭。
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