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JP2014025023A - 摺動部材 - Google Patents

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Yoshihito Kizara
嘉仁 木皿
Mitsugi Ota
貢 太田
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Unitika Ltd
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Abstract

【課題】長期にわたって使用が可能な優れた機械的特性、摩擦・磨耗特性を有する摺動部材を提供する。
【解決手段】ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し高級脂肪酸金属塩(B)0.1〜5.0質量部を含む摺動部材であって、JIS K7218A法で測定される比摩耗量が12mm/km・kN未満である摺動部材。このような摺動部材は、摩擦・摩耗特性を向上しつつ、優れた摺動特性を有するため、軸受け、ギア、ウオーム、摺動筒などの各種摺動部材として用いることが可能である。また、高加重、高速度条件下における摩擦・摩耗特性、摺動特性に優れることから、摺動筒、特に洗濯機等で用いるような摺動筒において、長期にわたって安定した摩擦・摩耗特性、摺動特性の付与が可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦・摩耗特性が向上した摺動部材に関する。
近年、機械・電気分野では、軽量化や低コスト化を目的に金属部品から樹脂部品への置換が活発に検討されており、摺動性が要求される軸受け、ギア、ウオーム、摺動筒なども様々な樹脂材料が用いられている。従来、このような用途に用いる摺動性に優れる樹脂としては、脂肪族ポリアミド、ポリアセタール等が知られている。
しかしながら、上記樹脂は、比較的低加重、低速度の摩擦・摩耗条件下では問題なく使用できるが、高加重、高速度条件下では摩擦・摩耗しやすくなり、また摩擦熱のために溶融して使用できなくなるという欠点があった。
このような背景のなか、脂肪族ポリアミドに対し、各種補強材、添加剤を配合し、機械的特性を改善しつつ、摺動性を向上させることが試みられている。
特許文献1には、ポリアミド樹脂にワラストナイトと酸変性スチレン系共重合体と酸変性高密度ポリエチレンとをブレンドした樹脂組成物が提案されている。特許文献2には、ポリアミド樹脂と重量平均分子量5万〜40万の酸変性高密度ポリエチレンとからなる樹脂組成物が提案されている。しかしながら、このような樹脂組成物であっても、摩耗量が多く摩耗特性に劣るものであった。また、耐衝撃性も劣った。
一方で、上記樹脂組成に対し、さらにエラストマーを配合し耐衝撃性の改善を図ることも行われている
特許文献3、4には、ポリアミド樹脂にエラストマーおよび無機フィラーをブレンドした樹脂組成物が提案されている。しかし、このような樹脂組成物はポリアミド樹脂の割合が非常に少なくなってしまい、耐摩耗性や成形性が低下するという問題があった。
特開平6−345961号公報 特開平8−157714号公報 特開2001−106904号公報 特開2004−107440号公報
上記課題に対し、ポリアミド樹脂に、摺動性改良剤として、例えば、フッ素系共重合体、二硫化モリブデン、黒鉛、リン酸塩粉末などをブレンドした樹脂組成物が検討されている。しかし、このような樹脂組成物は、前記添加物を多量に配合すると、摺動性を向上させられるが、その反面樹脂組成物の機械的特性や耐熱性が低下するという問題があった。また、フッ素系共重合体は摺動性改良剤としてよく知られているが、一般に高価であるため、これを使用すると経済的とは言えないものであった。
一方、ナイロン6やナイロン66に、低分子量のシリコンオイルやワックスなどの潤滑剤をブレンドした樹脂組成物が検討されている。しかし、このような潤滑剤を配合した樹脂組成物は、短期間の使用では十分な摺動性が得られるが、長期間使用すると低分子量の潤滑剤が樹脂組成物の表面にしみだしてしまい、性能が持続しないという問題点があった。
本発明は、長期にわたって使用が可能な優れた機械的特性、摩擦・磨耗特性を有する摺動部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し高級脂肪酸金属塩(B)0.1〜5.0質量部を含む摺動部材であって、JIS K7218A法で測定される比摩耗量が12mm/km・kN未満である摺動部材。
(2)96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定したポ
リアミド樹脂(A)の相対粘度が2.0〜4.0であることを特徴とする(1)の摺動部材。
(3)高級脂肪酸金属塩(B)の融点が150〜300℃であることを特徴とする(1)または(2)の摺動部材。
(4)高級脂肪酸金属塩(B)がベヘン酸ナトリウムであることを特徴とする(3)の摺動部材。
(5)(1)〜(4)の摺動部材を用いてなる摺動筒。
本発明によれば、長期にわたって使用が可能な優れた機械的特性、摩擦・磨耗特性を有する摺動部材が得られる。
本発明の摺動部材を成形するに際し、金型表面の汚れを評価するための金型装置の図である。単位は、mmである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリアミド樹脂(A)は、主鎖中にアミド結合を有する重合体でよく、ポリε−カプラミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカナミド(ナイロン11)、ポリドデカナミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)を挙げることができる。これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は、特に制限はないが、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した相対粘度が、2.0〜4.0であることが好ましく、2.2〜3.8であることがより好ましく、2.4〜3.6であることがさらに好ましい。相対粘度が2.0未満であると得られる摺動部材の機械的特性、摩擦・摩耗特性が劣る傾向があり、相対粘度が4.0を超えると滑剤(B)の分散性が悪くなり、動摩擦係数が大きくなったり、比摩耗量が大きくなったりするばかりか、成形性が著しく低下する傾向がある。なお、相対粘度は、ポリアミド樹脂(A)の分子量を示す指標であり、相対粘度が小さいほど分子量が小さく、相対粘度が大きいほど分子量が大きいことを示す。
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)は、2種類以上の異なる相対粘度のポリアミド樹脂を混合してもよいが、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した混合物の相対粘度が、2.0〜4.0であることが好ましく、2.2〜3.8であることがより好ましく、2.4〜3.6であることがさらに好ましい。
本発明に用いる高級脂肪酸金属塩(B)は、公知のものを用いることができ、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のステアリン酸金属塩、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム等の12−ヒドロキシステアリン酸金属塩、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸リチウム、モンタン酸ナトリウム等のモンタン酸金属塩、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸リチウム、ベヘン酸ナトリウム等のベヘン酸金属塩が挙げられる。
中でも、本願発明の摺動部材が、機械的特性と摩擦・摩耗特性のバランスに優れたものとするために、融点150〜300℃である高級脂肪酸金属塩を用いることが好ましい。高級脂肪酸金属塩(B)の融点が150℃未満の場合、製造時または成形時に高級脂肪酸金属塩が分解してしまい、摩擦・摩耗特性の向上が不十分であるほか、流動末端部またはガスベント部に高級脂肪酸金属塩由来の分解物が付着し金型汚染等が著しくなり、金型メンテナンス周期が短くなり生産性を低下させることになり好ましくない。300℃を超えるとポリアミド樹脂(A)への分散性が低下する傾向がある。融点150〜300℃である高級脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸リチウム、モンタン酸ナトリウム、ベヘン酸リチウム、ベヘン酸ナトリウムが挙げられる。
さらに、本願摺動部材が、摩擦・摩耗特性を向上しつつ、優れた摺動特性を有したものとするために、ベヘン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウム、ステアリン酸アルミニウムが好ましく、ベヘン酸ナトリウムが特に好ましい。
高級脂肪酸金属塩(B)は、2種類以上の異なる融点の高級脂肪酸金属塩を混合してもよいが、150℃未満の低融点高級脂肪酸金属塩の混合比率は、混合物全体に対し30質量%未満が好ましい。前記低融点高級脂肪酸金属塩の混合比率が30質量%を超えると、製造時または成形時に高級脂肪酸金属塩が分解してしまい、摩擦・摩耗特性の向上が不十分であるほか、流動末端部またはガスベント部に高級脂肪酸金属塩由来の分解物が付着し金型汚染等が著しくなり、金型メンテナンス周期が短くなり生産性を低下させることになり好ましくない。
高級脂肪酸金属塩(B)の平均粒径は、1〜30μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましい。平均粒径が1μm未満では生産時の投入等にて高級脂肪酸金属塩の粉末が粉塵として舞うことから、所定量配合することが難しく、得られる摺動部材の摺動性あるいは摩擦・摩耗特性の効果が低減するばかりか、作業環境が悪化する。また、平均粒径が30μmを超えると分散性が低下し安定した摺動性が得られない。
高級脂肪酸金属塩(B)の配合量は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.1〜5.0質量部であり、好ましくは0.2〜3.0質量部、最適には0.3〜2.0質量部である。配合量が0.1質量部以下の場合には摩擦・磨耗特性の向上が不十分であるため好ましくない。配合量が5.0質量部を超えると、流動末端部またはガスベント部に高級脂肪酸金属塩由来の分解物が付着し金型汚染等が著しくなり、金型メンテナンス周期が短くなり生産性を低下させることになり好ましくない。
本発明の摺動部材には、必要に応じて無機充填剤を配合することができる。用いることのできる無機充填剤としては、例えば、シリカ、ガラス等の微粉末、カオリン、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナなどの各種粉末が挙げられる。さらに、公知の帯電防止剤、着色剤、核剤、難燃剤、耐衝撃性改良剤等を添加することもできる。
本発明の摺動部材は、ポリアミド樹脂(A)と高級脂肪酸金属塩(B)を所定量溶融混合した後、得られる混合樹脂ペレットを用い、成形加工を行うことで得ることができる。
混合樹脂ペレットを得る方法としては、所定量のポリアミド樹脂(A)、高級脂肪酸金属塩(B)を一括混合した後、常用の単軸または2軸の押出機やニーダー等の混練機を用いて溶融混練し、ストランド状に押出してペレット化する方法を好適に用いることができる。
得られる混合樹脂ペレットの相対粘度は特に制限はないが、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した相対粘度が、1.8〜3.8であることが好ましく、2.0〜3.5であることがより好ましい。相対粘度が1.8未満であると得られる摺動部材の機械的特性、摩擦・摩耗特性が劣る傾向にある。相対粘度が3.8を超えると成形性が著しく低下する傾向があり、成形ができたとしても、動摩擦係数が大きくなったり、比摩耗量が大きくなったりすることがある。
摺動部材を得る方法としては、前記混合樹脂ペレットを成形加工することで、所定の摺動部材とすることができる。用いることのできる成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法等公知の成形方法を挙げることができる。中でも得られる摺動部材を機械的特性、摩擦・摩耗特性を向上させる精密な成形を行うことができる点で、射出成形法を好適に用いることができる。
射出成形法で成形する場合、射出成形機のシリンダー温度は、ポリアミド樹脂を可塑化するために(融点+20℃)〜(融点+70℃)に設定することが好ましく、樹脂の流動と樹脂の劣化をバランスさせるためには、(融点+30℃)〜(融点+60℃)がより好ましい。
射出成形法における金型温度は、ポリアミド樹脂のガラス転移温度よりもやや高めに設定することが好ましく、シリンダーで加熱、可塑化された樹脂が射出され、金型内に充填、冷却される際、樹脂の急激な冷却、結晶化の進行を抑制し、金型の転写を良くし(きれいな外観)、得られる成形体の寸法精度を高める(結晶化による成形体の収縮を抑制)ために役立つ。金型転写を良くすることは、摺動部材の表面平滑性を向上させることにつながり、摩擦・摩耗特性を向上しつつ、優れた摺動特性を有した摺動部材とするために留意すべき点である。
本発明の摺動部材は、JIS K7218A法で測定される比摩耗量が12mm/km・kN未満であることが必要であり、10mm/km・kN未満であることが好ましく、8mm/km・kN未満であることがより好ましい。比摩耗量が12mm/km・kNを超えると、摺動部材に対し、特に長期にわたって安定した摺動特性を付与することが難しくなる。また、比摩耗量が12mm/km・kN未満であるとともに、JIS K7218A法で測定される動摩擦係数を小さくすることで、さらに摺動特性の安定性を高めることができる。
本願発明の摺動部材は、摩擦・摩耗特性を向上しつつ、優れた摺動特性を有するため、軸受け、ギア、ウオーム、摺動筒などの各種摺動部材として用いることが可能である。また、高加重、高速度条件下における摩擦・摩耗特性、摺動特性に優れることから、摺動筒、特に洗濯機等で用いるような摺動筒において、長期にわたって安定した摩擦・摩耗特性、摺動特性の付与が可能である。
以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。なお、実施例および比較例に用いた原料および物性測定方法は次の通りである。
1.原料
(a)ポリアミド樹脂
・PA1:ナイロン6(ユニチカ社製A1030BRL)、相対粘度2.5
・PA2:ナイロン6(ユニチカ社製A1030BRF−BA)、相対粘度3.1
・PA3:ナイロン6(ユニチカ社製A1030BRT)、相対粘度3.5
・PA4:ナイロン66(ユニチカ社製A125)、相対粘度2.8
・PA5:ナイロン6(ユニチカ社製A1012)、相対粘度1.9
・PA6:ナイロン6(ユニチカ社製M1040)、相対粘度4.5
・PA7:ナイロン66(ユニチカ社製A142)、相対粘度4.7
(b)ポリアセタール(ポリプラスチックス社製ジュラコンM90)
(c)高級脂肪酸金属塩
・Be−Na: ベヘン酸ナトリウム(日東化成工業社製NS−7)、融点>200℃
・Mn−Na:モンタン酸ナトリウム(日東化成工業社製NS−8)、融点210℃
・St−Al:ステアリン酸アルミニウム(日東化成工業社製Al−St(103))、融点170℃
・Mn−Ca:モンタン酸カルシウム(日東化成工業社製CS−8CP)、融点133℃
・St−Zn:ステアリン酸亜鉛(日東化成工業社製Zn−St)、融点120℃
(d)滑剤
・二硫化モリブデン(住鉱潤滑(株)製モリパウダーPA)
・リン酸塩粉末 (太平化学産業社製 第三リン酸カルシウム)
2.測定方法
(1)ポリアミド樹脂の相対粘度
96質量%濃硫酸中に、ポリアミド樹脂組成物の乾燥ペレットの濃度が1g/dlになるように溶解させ、G−3ガラスフィルターにより無機成分を濾別した後測定に供した。測定はウベローデ型粘度計を用い、25℃で行った。
(2)耐衝撃性
ISO 179に従ってシャルピー衝撃強度の測定を行った。実用的には3.0kJ/m以上であることが好ましい。
(3)摩擦摩耗試験
JIS K7218 A法に従って鈴木式摩擦摩耗試験機(東洋ボールドウィン社製MODEL EFM−III−E型)を用い摩擦摩耗試験を行った。相手材としては円筒状の鋼(S45C)を用い、摩擦速度(V)0.5m/sec、荷重(P)10Nの条件で、摩擦距離5.4kmに達するまで連続運転した。なお、摩擦摩耗試験に使用した試験片は下記条件にて成形した。
<成形条件>
・射出成形機:東芝機械 EC100
・シリンダー温度(℃)
ナイロン6:250/250/250/240
ナイロン66:270/270/270/260
・金型温度(℃):20
・計量(mm):18
・スクリュー回転数(rpm):70
・成形サイクル(sec):射出/冷却=2/10
・射出速度(mm/sec):40
(3)−1 動摩擦係数
連続運転中、計測される値において、その平均値を動摩擦係数とした。0.90以下であれば摩擦特性に優れると判断する。
(3)−2 比摩耗量
摩擦距離5.4kmに達したときの単位距離、単位重量あたりの摩耗量を比摩耗量とした。12mm/km・kN未満であれば摩耗特性に優れると判断する。
(4)金型表面観察
射出成形機(NIGATA CND15)を用いて下記条件にて1200ショット連続成形を行った。
<成形条件>
・シリンダー温度(℃)
ナイロン6:250/250/250/240
ナイロン66:270/270/270/260
・金型温度(℃):20
・計量(mm):20
・スクリュー回転数(rpm):100
・成形サイクル(sec):射出/冷却=2/7
・射出速度(%):70
・金型汚染度合いの確認方法 :図1に示す金型装置にて試験片の作製を行った。G部(ゲート)より溶融した樹脂を充填し、W部の方に向かって溶融樹脂は流動をする。W部にはガスベントの設置はない。W部近傍にて流動する樹脂が合流し、ウェルドが生成する。また、ウェルドの生成とともに樹脂または添加剤の分解ガスが発生し、得られる試験片において流動末端部(金型鋭角先端部)に分解ガスに起因する汚れが付着する。この汚れを目視で確認し、下記基準により評価した。
汚れ無し:○
汚れ有り:×
(5)総合評価
摩擦摩耗試験における動摩擦係数が0.90以下、比摩耗量が12mm/km・kN未満であり、かつ、金型表面の汚れがないものを、総合的に摺動部材として優れるものと判断した。
実施例1
ポリアミド樹脂(PA1)100質量部および高級脂肪酸金属塩(Be−Na)5質量部をタンブラーを用いてドライブレンドした後、クボタ社製連続定量供給装置を用いて、同方向二軸押出機(東芝機械製TEM37BS)の主供給口に供給して溶融混練し、ダイスからストランド状に引き取った樹脂組成物を水槽を通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。押出条件は温度設定230〜240℃で、スクリュー回転数170rpm、吐出量35kg/h、ダイスから出た樹脂組成物の樹脂温度245℃であった。得られた樹脂組成物ペレットを用い各種評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例2〜13、15
表1、2に示す配合にした以外は、実施例1と同様にして試験片を作成し、各種評価を行った。その結果を表1、2に示す。
実施例14、16
表2に示す配合とし、押出条件として、温度設定250〜260℃、スクリュー回転数170rpm、吐出量35kg/hとした以外は、実施例1と同様にして溶融混練を行った。ダイスから出た樹脂組成物の樹脂温度265℃であった。得られた樹脂組成物ペレットを用い各種評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例1
ポリアミド樹脂(PA1)100質量部および高級脂肪酸金属塩(Be−Na)7質量部とする以外は、実施例1と同様にして試験片を作成し、各種評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例2〜5
表3に示す配合にした以外は、実施例1と同様にして試験片を作成し、各種評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例6
ポリアミドに代えてポリアセタールを用いる以外は、実施例6と同様にして試験片を作成し、各種評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例6、7
高級脂肪酸金属塩に代えて二硫化モリブデン、またはリン酸塩粉末を用いる以外は、実施例6と同様にして試験片を作成し、各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例1〜16は、所定の配合に従ったため、得られた成形体は、動摩擦係数の変動が少なく、比摩耗量が小さい値であり、金型表面状態も良好であった。
比較例1は、高級脂肪酸金属塩の配合が所定量を超えたため、金型表面の汚れが著しかった。
比較例2は、高級脂肪酸金属塩の配合が所定量未満であったので、比摩耗量が大きかった。
比較例3は、高級脂肪酸金属塩の配合が所定量を超えたため、金型表面の汚れが著しかった。
比較例4、5は、比摩耗量が大きく、金型表面の汚れが著しかった。
比較例6は、ポリアミド以外の樹脂を用いたため、比摩耗量が大きかった。
比較例7、8は、高級脂肪酸金属塩以外の滑剤を用いたため、衝撃強度が著しく低下した。また比摩耗量も大きかった。

































Claims (5)

  1. ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し高級脂肪酸金属塩(B)0.1〜5.0質量部を含む摺動部材であって、JIS K7218A法で測定される比摩耗量が12mm/km・kN未満である摺動部材。
  2. 96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定したポリアミ
    ド樹脂(A)の相対粘度が2.0〜4.0であることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  3. 高級脂肪酸金属塩(B)の融点が150〜300℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動部材。
  4. 高級脂肪酸金属塩(B)がベヘン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項3記載の摺動部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の摺動部材を用いてなる摺動筒。

















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