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JP2014022253A - 高周波加熱装置 - Google Patents

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JP2014022253A
JP2014022253A JP2012161343A JP2012161343A JP2014022253A JP 2014022253 A JP2014022253 A JP 2014022253A JP 2012161343 A JP2012161343 A JP 2012161343A JP 2012161343 A JP2012161343 A JP 2012161343A JP 2014022253 A JP2014022253 A JP 2014022253A
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heating
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JP2012161343A
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English (en)
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Shinichiro Kimoto
真一郎 木本
Yohei Ueno
洋平 上野
Toshiyuki Miyazaki
俊之 宮崎
Masahiro Higuchi
雅弘 樋口
Tomohiro Niimura
知大 新村
Masahito Nomura
将人 埜村
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Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
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  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)
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Abstract

【課題】複数の被加熱物を一度に加熱することができ、複数の被加熱物の主菜等の加熱されるべき物質を高周波によって選択的に加熱することができ、被加熱物の品質や見栄え等を適切に維持することができる高周波加熱装置を提供する。
【解決手段】複数の被加熱物を収容する収容部と、収容部内を被加熱物を個々に収容する複数の収容空間に分割し、高周波を遮蔽する少なくとも1枚の分割部材と、各収容空間内の被加熱物の加熱されるべき物質が載置された加熱部の各位置に対向するように配置される複数の高周波照射部と、各収容空間内の被加熱物の加熱が抑制されるべき物質が載置された加熱抑制部の位置に対向するように配置され、各加熱抑制部への高周波を遮蔽する複数の遮蔽部材とを備え、各被加熱物の加熱部の加熱されるべき物質を選択的に高周波によって加熱。
【選択図】図2

Description

本発明は、互いに異なる別々の領域にそれぞれ別々に載置された加熱されるべき物質及び加熱が抑制されるべき物質を含む、複数の被加熱物の加熱されるべき物質を同時に選択的に高周波によって加熱する高周波加熱装置に関し、特に、容器に盛り付けられた食品に高周波を照射し加熱する高周波加熱装置、例えば、加熱しにくい為に加熱されるべき食品、例えば主菜等と、加熱しやすい為に加熱が抑制されるべき食品、例えば副菜等とがそれぞれ別々に盛り付けられた容器内の主菜等を選択的に高周波によって加熱する高周波加熱装置に関する。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店において、惣菜などの加熱調理済食品がプラスチック製の容器等に入れられ透明の蓋が被せられたものが販売されている。このような惣菜は、一般に、冷凍食品やレトルト食品に比べて手作り感があり、食感や味も優れている。また、解凍や煮沸をすることなく、直ぐに食べられるため利便性が高い。
このような加熱調理済食品、即ち惣菜は、図7に示す製造工程において、惣菜が加熱調理され(ステップS11)、冷却エアー等の吹付けによって冷却された後(ステップS12)、人手で具材や、液体の調味料やタレ等が容器に盛り付けられ(ステップS13)、蓋が被せられ容器に蓋が嵌合されて(ステップS14)、出荷される。
従って、この加熱調理済食品の製造方法において、惣菜は、加熱調理(ステップS11)により殺菌されている。しかし、その後の冷却工程(ステップS12)、盛付け工程(ステップS13)、および、盛付け工程から包装工程(ステップS14)に至るまでの間は、いずれも大気に曝されているため、所定のレベルの衛生管理がなされていても、惣菜の表面が大気中の浮遊菌によって汚染される可能性がある。また、盛付工程は人手で行われており、人や手袋等によって汚染される可能性がある。従来の加熱調理済惣菜の品質保持期間が短いのは、これらの原因によるものと言える。
そこで、このような細菌の再汚染や再繁殖を防ぐために、盛付け工程後、高周波加熱装置を用いて容器内の食品を加熱殺菌する方法がある。高周波加熱装置は、スチームオーブンでは加熱しにくい食品でも短時間で加熱殺菌することができるという利点がある。
製造工程において、複数の容器に個々に盛り付けられた食品を一度に加熱することができる高周波加熱装置として、例えば、特許文献1に記載されるような装置がある。この高周波加熱装置の加熱室は、高周波を遮断する部材により複数の空間に分割されているので、各空間に各容器を個別に収納することができるので、複数の容器内の食品を個々に加熱することができる。このため、特許文献1に開示の高周波加熱装置では、各容器内の食品は、他の容器内の食品の影響を受けずに加熱されるため、複数の容器内の食品を同時に加熱しても、それぞれ均一に加熱することができるとしている。
特開平6−217745号公報
しかし、特許文献1の高周波加熱装置は、複数の容器を収納する加熱室において、各容器を個別に収納するための遮蔽板しか備え付けられていないため、容器内に主菜と副菜とが盛り付けられている場合、昇温しにくい主菜の加熱を目的に加熱すると、昇温しやすい副菜が加熱され過ぎる状態となり、その味や食感や見栄えが落ちてしまうという問題がある。
そこで、本発明は、このような従来技術の問題点を解消し、それぞれ別々の領域に載置された加熱されるべき物質及び加熱が抑制されるべき物質を含む複数の被加熱物、例えば複数の容器内の加熱されるべき主菜と加熱を抑制されるべき副菜を含む惣菜である食品等の被加熱物を一度に加熱することができると共に、複数の被加熱物の主菜等の加熱されるべき物質に高周波を選択的に照射し、副菜等の加熱が抑制されるべき物質の加熱を抑制して、主菜等の加熱されるべき物質を高周波によって選択的に加熱することができ、主菜等の加熱されるべき物質を適切に加熱しつつ副菜等の加熱が抑制されるべき物質の加熱、昇温を抑制して、被加熱物の品質や見栄え等を適切に維持する、例えば、加熱調理済食品、即ち惣菜の味や食感や見栄え等を維持することができる高周波加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の高周波加熱装置は、互いに異なる別々の領域にそれぞれ別々に載置された加熱されるべき物質及び加熱が抑制されるべき物質を含む、複数の被加熱物を高周波によって加熱する高周波加熱装置であって、前記複数の被加熱物を収容する収容部と、該収容部内を、前記複数の被加熱物を個々に収容する複数の収容空間に分割すると共に、高周波を遮蔽する少なくとも1枚の分割部材と、前記複数の収容空間内にそれぞれ収容される前記複数の被加熱物の前記加熱されるべき物質が載置される加熱部の各位置に対向するようにそれぞれ配置される複数の高周波照射部と、前記複数の収容空間内にそれぞれ収容される前記複数の被加熱物の前記加熱が抑制されるべき物質が載置される加熱抑制部の各位置に対向するようにそれぞれ配置され、複数の前記加熱抑制部への高周波をそれぞれ遮蔽する複数の遮蔽部材と、を備え、前記複数の高周波照射部から、それぞれ前記複数の被加熱物の前記加熱されるべき物質にそれぞれ高周波を選択的に照射して、複数の前記加熱されるべき物質をそれぞれ選択的に加熱することを特徴とする。
ここで、前記高周波照射部は、前記収容空間内の前記加熱部の位置に対向して前記収容空間の上部及び下部にそれぞれ配置され、前記収容空間内の前記加熱部の上面側及び下面側にそれぞれ高周波を照射する上部照射部及び下部照射部を有することが好ましい。
また、前記遮蔽部材は、前記収容空間内の前記加熱抑制部の下面側を覆うように配置され、前記下部照射部から照射され、前記加熱抑制部に向かう高周波を遮断する下面遮蔽部材を有することが好ましい。
また、前記下部照射部は、前記加熱部の下面側から前記加熱部に選択的に高周波を照射する大きさを持ち、前記下面遮蔽部材は、前記加熱部の下面に相当する部分以外の前記収容空間の下面部分を全て覆うものであることが好ましい。
また、前記遮蔽部材は、更に、前記収容空間内の前記加熱抑制部の上面側を覆うように配置され、前記上部照射部から照射され、前記加熱抑制部に向かう高周波を遮断する上面遮蔽部材を有することが好ましい。
また、前記高周波照射部は、前記加熱部に相当する部分のみに配置されることが好ましい。
また、前記複数の高周波照射部は、所定の方向に1列に配置され、前記複数の被加熱物は、それぞれの前記加熱されるべき物質が各高周波照射部に対応する位置に来るように、前記所定の方向に1列に配置されることが好ましい。
また、前記複数の高周波照射部は、前記所定の方向及び該所定の方向に直交する方向にマトリックス状に配置され、前記複数の被加熱物は、それぞれの前記加熱されるべき物質が各高周波照射部に対応する位置に来るように、前記所定の方向及び該所定の方向に直交する方向にマトリックス状に配置されることが好ましい。
また、前記被加熱物は、容器内に収納され、該容器は、互いに異なる別々の領域に配置された前記加熱部と前記加熱抑制部を備え、前記被加熱物の前記加熱されるべき物質は、前記容器内の前記加熱部に配置され、前記加熱が抑制されるべき物質は、前記容器内の前記加熱抑制部に配置されることが好ましい。
また、更に、前記複数の被加熱物をそれぞれ収納した複数の前記容器を搬送する搬送手段とを有し、前記複数の容器の各々は、前記搬送手段によってそれぞれの収納空間内の前記高周波照射部に対向する位置に搬送され、前記複数の容器内の各加熱部の前記加熱されるべき物質は、前記高周波照射部から選択的に照射される高周波によって選択的に加熱されることが好ましい。
また、前記少なくとも1枚の分割部材は、前記搬送手段による前記複数の容器の搬送方向に平行に配置されることが好ましい。
また、前記被加熱物は、前記容器内に盛り付けられた食材であり、前記加熱されるべき物質は、主菜であり、前記加熱が抑制されるべき物質は、副菜であり、前記主菜と前記副菜は、前記容器内の別々の領域に盛り付けられ、前記加熱部は、前記容器内の前記主菜が盛り付けられた部分であり、前記加熱抑制部は、前記容器内の前記副菜が盛り付けられた部分であることが好ましい。
また、前記少なくとも1枚の分割部材は、2つの分割部材からなり、前記複数の収容空間は、前記2つの分割部材によって前記収容部内が分割された3つの収容空間からなり、前記複数の被加熱物は、前記3つの収容空間にそれぞれ収容される3つの被加熱物からなり、前記複数の高周波照射部は、前記3つの収容空間内にそれぞれ収容された前記3つの被加熱物の前記加熱されるべき物質が載置された前記加熱部の各位置に対向して配置された3つの高周波照射部からなることが好ましい。
又は、前記少なくとも1枚の分割部材は、2つの分割部材からなり、前記複数の収容空間は、前記2つの分割部材によって前記収容部内が分割された3つの収容空間からなり、前記複数の被加熱物は、前記3つの収容空間にそれぞれ3つ収容される9つの被加熱物からなり、前記複数の高周波照射部は、前記3つの収容空間内にそれぞれ3つずつ収容された前記9つの被加熱物の前記加熱されるべき物質が載置された前記加熱部の各位置に対向して配置された9つの高周波照射部からなることが好ましい。
本発明によれば、それぞれ別々の領域に載置された加熱されるべき物質及び加熱が抑制されるべき物質を含む複数の被加熱物一度に加熱することができる、例えば複数の容器内の加熱されるべき主菜と加熱されるべき副菜を含む食品等の被加熱物を加熱殺菌のために予め加熱しておく際に、食品等の被加熱物を一度に加熱することができると共に、複数の被加熱物の主菜等の加熱されるべき物質に高周波を選択的に照射し、副菜等の加熱が抑制されるべき物質の加熱を抑制して主菜等の加熱されるべき物質を高周波によって選択的に加熱することができ、主菜等の加熱されるべき物質を適切に加熱しつつ副菜等の加熱が抑制されるべき物質の加熱、昇温を抑制して、被加熱物の品質や見栄え等を適切に維持する、例えば、加熱調理済食品、即ち惣菜の味や食感や見栄え等を維持することができる。
本発明の一実施の形態に係る高周波加熱装置の概略構成の一例を示す平面図である。 図1に示す高周波加熱装置の模式的断面図である。 図1に示す高周波加熱装置において用いられる容器の概略構成の一例を示す平面図である。 本発明に係る高周波加熱装置の他の実施例の模式的断面図である。 図2に示す高周波加熱装置を用いた実施例の結果を示すグラフである。 比較例として用いた高周波加熱装置の断面図である。 従来の加熱調理済食品の製造方法を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る高周波加熱装置を添付の図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る高周波加熱装置の概略構成の一例を示す平面図である。図2は、図1に示す高周波加熱装置の模式的断面図である。図3は、図1に示す高周波加熱装置において用いられる容器の概略構成の一例を示す平面図である。
以下では、被加熱物の代表例として容器内に盛り付けられた食品である惣菜を、加熱されるべき物質の代表例として容器内に盛り付けられた食品の中の加熱されるべき食品である主菜を、加熱が抑制されるべき物質の代表例として加熱が抑制されるべき食品である副菜を挙げて説明するが、本発明は、これに限定される訳ではないことは勿論である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の高周波加熱装置10は、主菜11aと副菜11bが別々に盛り付けられた容器12内の惣菜等の食品11について、例えば、後に、スチームオーブン等によって加熱されにくい主菜11aと加熱されやすい副菜11bを同時に加熱し殺菌する際に、副菜11bが加熱されすぎることがないように、容器12内の惣菜等の食品11を予め加熱するのに用いられるものであり、複数、図示例では9個の容器12を所定の方向、図示例では、左側から右側に搬送する搬送手段であるベルトコンベア14と、ベルトコンベア14によって搬送される9個の容器12を収納する容器収納部16を形成する基体18と、容器収納部16内をそれぞれ1個以上、図示例では3個の容器12を収納する複数、図示例では3つの収納空間20に分割しかつ高周波を遮蔽する少なくとも1つ、図示例では2つの分割部材22と、複数の収納空間20内のそれぞれに配置される1以上の容器12の主菜11aが盛り付けられた領域(主菜ポケット)である加熱部13aに対向してそれぞれ容器収納部16の上下にそれぞれ取り付けられる複数個、図示例では9個ずつのマグネトロン24と、複数の収納空間20内の容器12の副菜11bが盛り付けられた領域(副菜ポケット)である加熱抑制部13bの下面側を覆う複数、図示例では3つの下面遮蔽部材26と、複数の収納空間20内の容器12の加熱抑制部13bの上面側を覆う複数、図示例では3つの上面遮蔽部材28と、を有する。
容器12は、図3に示すように、短時間で加熱されにくい為に予め加熱されるべき食品である主菜11aが盛り付けられる領域からなる加熱部13aと、加熱部13aとは異なる領域であり、短時間で加熱されやすい為に加熱が抑制されるべき食品である副菜11bが盛り付けられる領域からなる加熱抑制部(非加熱部とも言う)13bとを備える。なお、図示例では、加熱抑制部13bは、2つの領域に分割され、2種類の副菜を盛り付けることができるが、1つ領域であっても良いし、3つ以上の領域に分割されていても良い。
ここで、容器12内の加熱部13aに盛り付けられる主菜11aとしては、特に制限的ではなく、例えば、肉、魚、野菜等の煮物、焼き物、蒸し物、揚げ物または炒め物等の通常主菜とされるものであり、短時間で加熱されにくい為に予め加熱されるべき惣菜であれば、如何なる主菜でも良い。また、容器12内の加熱抑制部13bに盛り付けられる副菜11bとしては、特に制限的ではなく、例えば、肉、魚、野菜等の煮物、焼き物、蒸し物、揚げ物、炒め物、和え物またはサラダ等主菜11aに対して添える従たる惣菜であり、短時間で加熱されやすい為に加熱が抑制されるべき惣菜であれば、如何なる副菜でも良い。
なお、図示例では、加熱部13aに盛り付けられているのは主菜11aであるが、本発明はこれに限定されず、例えば、汁物、米飯、麺類等の熱されにくい為に予め加熱しておく必要がある食品であれば、如何なる食品でも良いし、また、加熱抑制部13bに盛り付けられているのは副菜11bであるが、本発明はこれに限定されず、加熱されやすい為に予め加熱を抑制しておく必要がある食品であれば、如何なる食品でも良い。
ベルトコンベア14は、複数の容器12、図示例では、3個の容器12を1列に並べた容器12の列を3列に並べた9個の容器12を、所定の方向、図示例では、左側から右側に搬送するもので、一度に容器収納部16内の所定の位置、図示例では、9個の容器12の加熱部13aが容器収納部16の上下の9個ずつのマグネトロン24で挟まれる位置に搬入すると共に、容器12内の食品11がマグネトロン24によって加熱された後、容器収納部16から複数の容器12を一度に搬出するためのものである。なお、図示例では、ベルトコンベア14は、容器12を左側から右側に搬送するものであるが、容器12がマグネトロン24を通過した後に、搬送方向を逆転させ、容器12をマグネトロン24で挟まれる位置にもどし、容器12内の食品11をマグネトロン24によって再度加熱させてもよい。
ベルトコンベア14は、複数の容器12を載置するエンドレスベルト14aと、エンドレスベルト14aを張架する2本のローラ14bとを備え、2本のローラ14bは、図示しないフレーム等の基台の両側に回転可能に設けられ、そのうちの1本のローラ14bは、図示しない回転駆動源(電動モータ及び減速機等)に接続される。
なお、図示例では、ベルトコンベア14上に3個の容器12の列を3列に、即ち9個の容器12をマトリックス状に並べて一度に搬送しているが、本発明はこれに限定されず、複数の容器12を1列に並べて一度に搬送しても良いし、2列又は4列以上に並べて一度に搬送しても良いし、一列に並べる容器12の個数も、3個に限定されず、2個であっても、4個以上であっても良いが、容器収納部16の上下に配置されるマグネトロン24の組数(対数)と一致しているのが良い。
容器収納部16は、基体18によって形成される空間であり、ベルトコンベア14によって搬送される複数個(9個)の容器12を収納する空間であり、分割部材22によって2以上の収納空間20に分割され、図示例では、2枚の平板状の分割部材22a及び22bによってそれぞれ3個の容器12を別々に収納する3つの収納空間である3つの第1レーン20a,第2レーン20b及び第3レーン20cに分割される。
図2に示すように、第1レーン20aは、容器収納部16を構成する基体18の図中左側の側面の内壁面18aと分割部材22aとの間の空間として規定される収納空間であり、第2レーン20bは、、分割部材22aと22bとの間の空間として規定される収納空間であり、第3レーン20cは、分割部材22bと容器収納部16を構成する基体18の図中右側の側面の内壁面18bとの間の空間として規定される収納空間である。
分割部材22(22a,22b)は、平板状を成し、容器収納部16を構成する基体18の上側の内壁面18cから垂下して(垂直下方に延在して)かつベルトコンベア14の搬送方向に平行に延在して取り付けられ、容器収納部16を複数(3つ)の収納空間20(20a,20b,20c)に分割すると共に、各収納空間20間の高周波を遮断するためのものである。分割部材22(22a,22b)は、高周波を遮断できるものであれば特に制限的ではなく、何でもよいが、例えば、ステンレス板等の金属板を用いることができる。
このように、容器収納部16を、高周波を遮断する分割部材22a及び22bによって、容器12を個々に収容する収容空間(レーン)20a,20b及び20cに分割することにより、隣接するレーンにおいて後述するマグネトロン24から照射される高周波の影響を防止することができる。例えば、分割部材22a及び22bによって、高周波の照射を防止すべき第2レーン20bの容器12の加熱抑制部13bの副菜11bに、隣接する第1及び第3レーン20a及び20cに配置される容器12の加熱部13aの主菜11aを加熱するためのマグネトロン24(24a,24d,24c,24f)から高周波が照射されることを防止することができ、その結果、第2レーン20bの容器12の加熱抑制部13bの副菜11bの加熱を防止し、抑制することができる。
なお、分割部材22の数、及びそれによって分割される収納空間20の数は、特に制限的ではなく、それぞれ1及び2であっても良いし、3以上及び4以上であっても良い。
また、各収納空間20(各レーン20a,20b,20c)に収容する容器12の数も、特に限定されず、1個や2個であっても良いし、4個以上であっても良い。なお、各収納空間20(各レーン20a,20b,20c)に収容する容器12の数が3個以上である場合には、搬送方向に前後において隣接する容器12は、一定の距離をおいて配置されているのが好ましい。
マグネトロン24は、容器収納部16の上下にそれぞれ対向して対を成すように、複数箇所に配置され、各収納空間20内の容器12の加熱部13aに向けて高周波を照射するためのもので、高周波照射部を構成し、図示例では、3つのレーン20a,20b及び20cの各クレーンに配置される3個の容器12の加熱部13aに対向するようにそれぞれ容器収納部16の上下にそれぞれ3個ずつ配置される上部照射部を構成する9個のマグネトロン24(上部マグネトロン24a,24b,24c)及び下部照射部を構成する9個のマグネトロン24(下部マグネトロン24d,24e,24f)からなる。
図2に示すように、1対(組)の上部マグネトロン24aと下部マグネトロン24dとは、1対の上部マグネトロン24bと下部マグネトロン24eとは、1対の上部マグネトロン24cと下部マグネトロン24fとは、それぞれ容器12の加熱部13aに向けて上下両側から高周波を照射し、加熱部13aに載置された加熱するべき主菜11aを所定の短時間で所定温度まで加熱する。
図2に示すように、上部マグネトロン24a,24b,24cは、その下側の高周波射出面が、容器収納部16を構成する基体18の上側の内壁面18cと面一であり、下部マグネトロン24d,24e,24fは、その上側の高周波射出面が、容器収納部16を構成する基体18の下側の内壁面18dと面一であるのが好ましい。
本発明に用いられるマグネトロン24としては、高周波を照射することができ、容器12の加熱部13aに載置された被加熱物の加熱されるべき物質、例えば主菜11a等の惣菜11を所定の時間加熱して所要の温度まで加熱できれば、特に制限的ではなく、どのようなものであっても良い。なお、マグネトロン24は、高周波の照射に指向性があるものが好ましい。また、マグネトロン24は、例えば、8.5kW程度のもを用いることができる。また、上部マグネトロン24(24a,24b,24c)は、その高周波射出面が容器12の底面から70mmの高さに配置されることが好ましい。このような高さに配置することにより、容器12内の主菜11aの温度を効率的に加熱し、昇温させることができる。
なお、図示例では、マグネトロン24は、3つのレーン20a,20b,20cの各レーンに上下1組で3組設けられているが、各レーン1組以上設けられていれば、何組設けられていても良く、また、2つのレーン以上であれば、何レーンに設けられていても良く、加熱する容器12の数に応じて設ければ良い。
また、図示例では、マグネトロン24は、上下に対を成すように設けられているが、本発明は、これに限定されず、惣菜11の主菜11aのような被加熱物の加熱すべき物質所定の時間で所定温度まで加熱することができれば、上下の一方のみに設けても良い。
下面遮蔽部材26は、収納空間20内の容器12の副菜11bが盛り付けられた領域である加熱抑制部13bの下面側を覆い、下部マグネトロン24から容器12の加熱部13aに向けて照射された高周波が容器12の加熱抑制部13bの副菜11bに到達するのを遮断するためのものである。下面遮蔽部材26は、高周波を遮断できるものであれば特に制限的ではなく、何でもよいが、例えば、ステンレス板等の金属板を用いることができる。
下面遮蔽部材26は、図示例では、3つのレーン20a,20b及び20cの各クレーンに配置される3個の容器12の加熱部13aが、それぞれ上部照射部及び下部照射部の各9対のマグネトロン24の位置に挟まれる(対向する)位置に配置された時に、各クレーン20a,20b及び20cのそれぞれ3個の容器12の加熱抑制部13bを覆うようにベルトコンベア14の搬送方向に平行に延在して配置される下面遮蔽部材26a,26b,26cからなる。
なお、下面遮蔽部材26は、図2に示すように、容器12の加熱部13aに対応する位置のみを開放するように配置されるのが好ましく、下部マグネトロン24d,24e,24fに対向する部分のみを開放するように配置されるのがより好ましい。
したがって、図2に示すように、下面遮蔽部材26aは、第1レーン20aに設けられ、基体18の側面の内壁面18a近傍から第1レーン20aの下部マグネトロン24dの図中左側(内壁面18a側)の端部までを覆い、下面遮蔽部材26bは、第1レーン20aに一部と第2レーン20bに設けられ、第1レーン20aの下部マグネトロン24dの図中右側(基体18の内壁面18b側)の端部から第2レーン20bの下部マグネトロン24eの図中左側(内壁面18a側)の端部までを覆い、下面遮蔽部材26cは、第2レーン20bに一部と第3レーン20cに設けられ、第2レーン20bの下部マグネトロン24eの図中右側(内壁面18b側)の端部から第3レーン20cの下部マグネトロン24fの図中左側(内壁面18a側)の端部までを覆う。
更に、図2に示すように、第3レーン20cには、下部マグネトロン24fの図中右側(内壁面18b側)の端部から基体18の内壁面18b近傍までを覆う下面遮蔽部材26dを設けておくのが良い。
下面遮蔽部材26a,26b,26c及び26dは、容器収納部16の底面を構成する基体18の下側の内壁面18dに対して両側に脚部を持ち、ベルトコンベア14の搬送方向に平行に延在する台状の部材であるのが好ましい。
なお、下面遮蔽部材26の数や長さは、容器収納部16の収納空間(レーン)20の数や、マグネトロン24の数や配置(間隔)等に応じて適宜設定すればよい。
以上のように、下面遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)を設けて、容器収納部16の各レーン20a,20b,20cの各容器12の加熱抑制部13bを下側(裏側)から覆うことにより、好ましくは、各容器12の加熱部13aに相当する下部マグネトロン24d,24e,24fの部分のみを開放し、その他の部分は全て覆うことにより、各レーン20a,20b,20cにおいて、下部マグネトロン24d,24e,24fによって、各容器12の加熱部13aに下側(裏側)から照射される高周波が、各容器12の加熱抑制部部13bに至ることを防止すると共に、隣接するレーンにおいて下部マグネトロン24から照射される高周波の影響も防止することができる。例えば、下面遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)によって、高周波の照射を防止すべき第2レーン20bの容器12の加熱抑制部13bの副菜11bに、同じレーン20bの容器12の加熱部13aの主菜11aを加熱するためにマグネトロン24eから加熱部13aの主菜11aに照射される高周波が至ることを防止することができ、また、隣接する第1及び第3レーン20a及び20cに配置される容器12の加熱部13aの主菜11aを加熱するためのマグネトロン24d及び24fから照射される高周波が至ることを防止することができ、その結果、第2レーン20bの容器12の加熱抑制部13bの副菜11bの加熱を防止し、抑制することができる。
上面遮蔽部材28は、収納空間20内の容器12の副菜11bが盛り付けられた領域である加熱抑制部13bの上面側を覆い、上部マグネトロン24から容器12の加熱部13aに向けて照射された高周波が容器12の加熱抑制部13bの副菜11bに到達するのを遮断するためのものである。上面遮蔽部材28は、高周波を遮断できるものであれば特に制限的ではなく、何でもよいが、例えば、ステンレス板等の金属板を用いることができる。
上面遮蔽部材28は、図示例では、3つのレーン20a,20b及び20cの各クレーンに配置される3個の容器12の加熱部13aが、それぞれ上部照射部及び下部照射部の各9対のマグネトロン24の位置に挟まれる(対向する)位置に配置された時に、各クレーン20a,20b及び20cのそれぞれ3個の容器12の加熱抑制部13bを覆うようにベルトコンベア14の搬送方向に平行に延在して配置される上面遮蔽部材28a,28b,28cからなる。
なお、上面遮蔽部材28は、図2に示すように、容器12の加熱抑制部13bの上側全面を覆うように配置されるのが好ましく、各収納空間20内の容器12の加熱抑制部13bの上側全面を覆うように配置されるのがより好ましい。
したがって、図2に示すように、上面遮蔽部材28aは、第1レーン20a内に設けられ、基体18の側面の内壁面18aに取り付けられ、内壁面18aから容器12の加熱抑制部13bの上側全面を覆うように内壁面18aに垂直に延在し、上面遮蔽部材28bは、第2レーン20b内に設けられ、分割部材22aに取り付けられ、分割部材22aから容器12の加熱抑制部13bの上側全面を覆うように分割部材22aに垂直に延在し、上面遮蔽部材28cは、第3レーン20c内に設けられ、分割部材22bに取り付けられ、分割部材22bから容器12の加熱抑制部13bの上側全面を覆うように分割部材22bに垂直に延在する。
また、上面遮蔽部材28a,28b及び26cは、容器収納部16の上面を構成する基体18の上側の内壁面18cに対して平行に、即ち、ベルトコンベア14の搬送方向に平行に延在する板状の部材である。
なお、上面遮蔽部材28の数や長さは、容器収納部16の収納空間20の数や、マグネトロン24の数や配置(間隔)等に応じて適宜設定すればよい。
また、容器12の上側全面と基体18の上側の内壁面18cとが密接している場合、内壁面18cがマグネトロン24から容器12の加熱抑制部13bに照射される高周波を遮断するため、上面遮蔽部材28を設けない構成としてもよい。
以上のように、上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)を設けて、容器収納部16の各レーン20a,20b,20cの各容器12の加熱抑制部13bを上側(表側)から覆うことにより、各レーン20a,20b,20cにおいて、上部マグネトロン24d,24e,24fによって、各容器12の加熱部13aに上側(裏側)から照射される高周波が、各容器12の加熱抑制部13bに至ることを防止することができる。例えば、上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)によって、高周波の照射を防止すべき第2レーン20bの容器12の加熱抑制部13bの副菜11bに、同じレーン20bの容器12の加熱部13aの主菜11aを加熱するためにマグネトロン24eから加熱部13aの主菜11aに照射される高周波が至ることを防止することができ、その結果、第2レーン20bの容器12の加熱抑制部13bの副菜11bの加熱を防止し、抑制することができる。
本発明の高周波加熱装置10においては、分割部材22(22a,22b)、下部遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)及び上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)を設けることにより、容器12内に主菜11aと副菜11bの両方を盛り付けた惣菜11を複数同時に高周波で加熱する場合であっても、各容器12の加熱しにくい主菜11aのみに選択的に高周波を照射することができ、その結果、主菜11aのみを高周波によって選択的に短時間で加熱することができ、短時間で昇温させることができると共に、各容器12の加熱しやすい副菜11bへの高周波の照射を遮蔽することができるため、副菜11bへの高周波の影響を防止することができ、副菜11bの加熱を防止、抑制し、副菜11bの昇温を抑制することがすることができ、その味や食感や見栄えを維持することができる。
なお、図2に示す高周波加熱装置10においては、各容器12の加熱しやすい副菜11bへの高周波の影響を防止するために、分割部材22(22a,22b)、下部遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)及び上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)を設けているが、本発明はこれに限定されず、複数の容器12の加熱しやすい各副菜11bの加熱、昇温を抑制できれば、図4に示す高周波加熱装置40のように、分割部材22(22a,22b)及び下部遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)を設け、上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)を設けない構成としても良い。
図4に示す高周波加熱装置40においては、上部マグネトロン24(24a,24b,24c)と容器12の裏面、又は容器12を載置するベルトコンベア14のエンドレスベルト14aの表面までの距離を適切に、例えば、70mmに調整することにより、若しくは、マグネトロン24(上部マグネトロン24a,24b,24c及び下部マグネトロン24d,24e,24f)の性能、例えば指向性等が適切なものを選ぶことにより、上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)が無くても、分割部材22(22a,22b)及び下部遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)によって、図2に示す高周波加熱装置10と同様に、各容器12の加熱しにくい主菜11aのみに選択的に高周波を照射することができ、その結果、主菜11aのみを高周波によって選択的に短時間で加熱することができ、短時間で昇温させることができると共に、各容器12の加熱しやすい副菜11bへの高周波の照射を遮蔽することができるため、副菜11bへの高周波の影響を防止することができ、副菜11bの加熱を防止、抑制し、副菜11bの昇温を抑制することがすることができ、その味や食感や見栄えを維持することができる。
以上、本発明に係る高周波加熱装置について種々の実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態には限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
上述した例は、、同一の容器12内に別々に盛り付けられた主菜11aと副菜11bとからなる複数の惣菜11を同時に高周波加熱する際に、副菜11bの加熱・昇温を抑制して、主菜11aのみを選択的に加熱して昇温するものであるが、本発明はこれに限定されず、容器内の互いに異なる別々の領域にそれぞれ別々に載置された加熱されるべき物質及び加熱が抑制されるべき物質を含む複数の被加熱物を、加熱が抑制されるべき物質の加熱・昇温を抑制し、加熱されるべき物質を選択的に加熱・昇温するように、高周波によって加熱するものであれば、如何なる物質であっても良い。被加熱物は、容器内に載置されるものであっても、加熱されるべき物質及び加熱が抑制されるべき物質が一体化されているものであっても良い。
以下に、本発明に係る高周波加熱装置を実施例に基づいて具体的に説明する。
以下の実施例1、2及び比較例1として、それぞれ図2、図4及び図6に示す高周波加熱装置40、10及び50を用い、各装置の容器収納部16の各レーン20a,20b,20cに、加熱部(主菜ポケット)13a及び加熱抑制部(副菜ポケット)13bにそれぞれ水を充填した容器12を載置し、上下1組のマグネトロン24から高周波を照射して、容器12内の水を加熱して、容器12の加熱部13a及び加熱抑制部13b水の昇温を測定した。
容器12は、仕切りによって2つのポケット、即ち、主菜側のポケット(加熱部)13a及び副菜側のポケット(熱抑制部)13bに分けられたものを使用し、主菜側のポケット13aには、水130gを充填し、副菜側のポケット13bには水90gを充填した。加熱前の水温(初期温度)は、両ポケット13a及び13bとも25℃とした。
(実施例1)
図2に示すように、分割部材22(22a,22b)、下部遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)及び上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)を設けた構成の高周波加熱装置10を用いて、容器12内の水の加熱を行った。
(実施例2)
図4に示すように、分割部材22(22a,22b)及び下部遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)を設け、上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)を設けない構成の高周波加熱装置40を用いて、容器12内の水の加熱を行った。
(比較例1)
図6に示すように、分割部材22(22a,22b)のみを設け、下部遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)及び上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)を設けない構成の高周波加熱装置50を用いて、容器12内の水の加熱を行った。
なお、図6に示す高周波加熱装置50は、下部遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)及び上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)が設けられていない以外は、図2に示す高周波加熱装置10と同じ構成を有するものである。
実施例1、2、比較例1における各レーン20a,20b,20cにおける測定結果、すなわち、容器12内の主菜側のポケット(加熱部)13a及び副菜側のポケット(加熱抑制部)13bの各水温の変化をまとめて、表1に示す。例えば、初期温度25℃の水が高周波加熱処理により40℃に昇温した場合、その水温の変化をΔ15℃と表わした。
Figure 2014022253
表1に示されるように、実施例1の高周波加熱装置10及び実施例2の高周波加熱装置40を用いた場合には、第1、第2及び第3レーン20a,20b,20cのいずれにおいても、副菜側ポケット13bの昇温を抑えつつ、主菜側ポケット13bの温度を上げることができた。
特に、実施例1の高周波加熱装置10を用いた場合には、実施例2の高周波加熱装置40を用いた場合に比べて、第1、第2及び第3レーン20a,20b,20cのいずれにおいても、副菜側ポケット13bの昇温をより少なくすることができ、主菜側ポケット13bの昇温をより多く、副菜側ポケット13bの昇温に比べて2倍以上にすることができ、主菜側ポケット13bの温度をより高い温度に上げることができた。
一方、比較例1の高周波加熱装置50を用いた場合には、分割部材22(22a,22b)のみが設けられ、下部遮蔽部材26(26a,26b,26c,26d)及び上面遮蔽部材28(28a,28b,28c)が設けられていない構成であるため、容器12の副菜側ポケット13bの側に隣接するレーンを有さない第1レーン20aにおける副菜側ポケット13bの昇温は、16.8℃程度であるのに対し、副菜側ポケット13bに隣接する第1及び第2レーン20a及び20cを有する第2レーン20bや隣接する第2レーン20bを有する第3レーン20cにおける副菜側ポケット13bの昇温は、24.3℃及び25.2℃と大きく、第1、第2、第3レーン20a,20,20cの容器12の主菜側ポケット13aの昇温の25.1°C、27.0°C、25.8°Cに近く、容器12の副菜側ポケット13bの加熱が抑制されていないことが確認された。
(実施例3)
図2に示す本発明の高周波加熱装置10を用いて、容器12内に盛り付けられた主菜11a及び副菜11bの昇温の経時変化を測定した。
試験に先立ち、まず、主菜11aとして、麻婆豆腐、副菜11bとして、冬瓜及び里芋の煮物を下記のように加熱調理して製造した。
(1)麻婆豆腐(主菜)
・豆腐は2cm角に切り、トレーに広げて並べ、熱湯をかける。お湯は捨て、水の濁りがなくなるまでトレーの豆腐を流水に晒す。水が澄んだら豆腐の水気を切る。
・鍋にサラダ油、ねぎのみじん切り、しょうがのみじん切り、にんにくのみじん切り、および豆板醤を入れて弱火で加熱し、調味料と材料がなじむように炒める。更に、豚挽き肉を加え、肉の色が変わるまで中火で炒める。
・鍋に甜麺醤、鶏がらスープを加えて煮立てたら、水気を切った豆腐を加え、全体を混ぜ合わせて強火で2分間煮る。最後に水溶き片栗粉を加えてとろみを付ける。
(2)冬瓜のあんかけ(副菜)
・冬瓜の種を除き、皮を少し厚めに剥いて、4〜5cmの長さに切る。皮の方に格子状の切れ目を入れて水に晒す。
・鍋に鰹出汁と冬瓜を入れて火にかけ、煮立ったら、みりん、醤油で味を整える。落し蓋をして弱火で15分間煮る。
・水溶き片栗粉でとろみを付ける。
(3)里芋の煮物(副菜)
・にんじんをひと口大に切る、里芋は皮を剥いて2、3等分し、水から茹でて湯通しする。里芋の茹で水が沸騰したら、湯は捨てる。
・鍋にサラダ油を敷いて加熱し、にんにくを炒め、切ったにんじんを加える。具材が浸る程度に水を加え沸騰したらアクを除き、切った里芋を加えて8分間煮る。
・砂糖、醤油、オイスターソースで薄めに味を整え、煮汁が1/3程度になるまで煮詰める。
その後、これら3種類の加熱調理済惣菜11を冷却庫において、12〜13℃まで冷却した。冷却した惣菜11を冷却庫から取り出し、図3に示すような容器12の主菜側のポケット13aに麻婆豆腐を、2つの副菜側のポケット13bに冬瓜及び里芋の煮物をそれぞれに盛り付けた後、図2に示す高周波加熱装置10を用いて加熱した。
各惣菜の温度の経時変化を図5に示す。縦軸は、各惣菜の温度を示し、横軸は、加熱時間を示す。
図5に示すように、本発明に係る高周波加熱装置10を用いて加熱した場合には、容器12内に加熱されにくい主菜11aと加熱されやすい副菜11bの両方が盛り付けられていても、副菜11bである冬瓜及び里芋の昇温は抑えつつ、主菜11aである麻婆豆腐の温度のみを上昇させることができたことが確認された。
以上の実施例1,2及び比較例1の表1に示す結果、並びに実施例3の図5に示す結果から、本発明に係る高周波加熱装置の効果は明らかである。
10、40 高周波加熱装置
11 惣菜(食品)
11a 主菜
11b 副菜
12 容器
13a 加熱部(主菜側ポケット)
13b 加熱抑制部(非加熱部:副菜側ポケット)
14 ベルトコンベア
16 容器収納部
18 基体
20 収納空間
20a,20b,20c レーン
22,22a,22b 分割部材
24,24a,24b,24c,24d,24e,24f マグネトロン
26,26a,26b,26c,26d 下面遮蔽部材
28,28a,28b,28c 上面遮蔽部材

Claims (14)

  1. 互いに異なる別々の領域にそれぞれ別々に載置された加熱されるべき物質及び加熱が抑制されるべき物質を含む、複数の被加熱物を高周波によって加熱する高周波加熱装置であって、
    前記複数の被加熱物を収容する収容部と、
    該収容部内を、前記複数の被加熱物を個々に収容する複数の収容空間に分割すると共に、高周波を遮蔽する少なくとも1枚の分割部材と、
    前記複数の収容空間内にそれぞれ収容される前記複数の被加熱物の前記加熱されるべき物質が載置される加熱部の各位置に対向するようにそれぞれ配置される複数の高周波照射部と、
    前記複数の収容空間内にそれぞれ収容される前記複数の被加熱物の前記加熱が抑制されるべき物質が載置される加熱抑制部の各位置に対向するようにそれぞれ配置され、複数の前記加熱抑制部への高周波をそれぞれ遮蔽する複数の遮蔽部材と、を備え、
    前記複数の高周波照射部から、それぞれ前記複数の被加熱物の前記加熱されるべき物質にそれぞれ高周波を選択的に照射して、複数の前記加熱されるべき物質をそれぞれ選択的に加熱することを特徴とする高周波加熱装置。
  2. 前記高周波照射部は、前記収容空間内の前記加熱部の位置に対向して前記収容空間の上部及び下部にそれぞれ配置され、前記収容空間内の前記加熱部の上面側及び下面側にそれぞれ高周波を照射する上部照射部及び下部照射部を有する請求項1に記載の高周波加熱装置。
  3. 前記遮蔽部材は、前記収容空間内の前記加熱抑制部の下面側を覆うように配置され、前記下部照射部から照射され、前記加熱抑制部に向かう高周波を遮断する下面遮蔽部材を有する請求項2に記載の高周波加熱装置。
  4. 前記下部照射部は、前記加熱部の下面側から前記加熱部に選択的に高周波を照射する大きさを持ち、
    前記下面遮蔽部材は、前記加熱部の下面に相当する部分以外の前記収容空間の下面部分を全て覆うものである請求項3に記載の高周波加熱装置。
  5. 前記遮蔽部材は、更に、前記収容空間内の前記加熱抑制部の上面側を覆うように配置され、前記上部照射部から照射され、前記加熱抑制部に向かう高周波を遮断する上面遮蔽部材を有する請求項3又は4に記載の高周波加熱装置。
  6. 前記高周波照射部は、前記加熱部に相当する部分のみに配置される請求項1〜5のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  7. 前記複数の高周波照射部は、所定の方向に1列に配置され、
    前記複数の被加熱物は、それぞれの前記加熱されるべき物質が各高周波照射部に対応する位置に来るように、前記所定の方向に1列に配置される請求項1〜6のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  8. 前記複数の高周波照射部は、前記所定の方向及び該所定の方向に直交する方向にマトリックス状に配置され、
    前記複数の被加熱物は、それぞれの前記加熱されるべき物質が各高周波照射部に対応する位置に来るように、前記所定の方向及び該所定の方向に直交する方向にマトリックス状に配置される請求項7に記載の高周波加熱装置。
  9. 前記被加熱物は、容器内に収納され、該容器は、互いに異なる別々の領域に配置された前記加熱部と前記加熱抑制部を備え、前記被加熱物の前記加熱されるべき物質は、前記容器内の前記加熱部に配置され、前記加熱が抑制されるべき物質は、前記容器内の前記加熱抑制部に配置される請求項1〜8のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  10. 更に、前記複数の被加熱物をそれぞれ収納した複数の前記容器を搬送する搬送手段とを有し、
    前記複数の容器の各々は、前記搬送手段によってそれぞれの収納空間内の前記高周波照射部に対向する位置に搬送され、
    前記複数の容器内の各加熱部の前記加熱されるべき物質は、前記高周波照射部から選択的に照射される高周波によって選択的に加熱される請求項9に記載の高周波加熱装置。
  11. 前記少なくとも1枚の分割部材は、前記搬送手段による前記複数の容器の搬送方向に平行に配置される請求項10に記載の高周波加熱装置。
  12. 前記被加熱物は、前記容器内に盛り付けられた食材であり、前記加熱されるべき物質は、主菜であり、前記加熱が抑制されるべき物質は、副菜であり、前記主菜と前記副菜は、前記容器内の別々の領域に盛り付けられ、前記加熱部は、前記容器内の前記主菜が盛り付けられた部分であり、前記加熱抑制部は、前記容器内の前記副菜が盛り付けられた部分である請求項9〜11のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  13. 前記少なくとも1枚の分割部材は、2つの分割部材からなり、前記複数の収容空間は、前記2つの分割部材によって前記収容部内が分割された3つの収容空間からなり、前記複数の被加熱物は、前記3つの収容空間にそれぞれ収容される3つの被加熱物からなり、前記複数の高周波照射部は、前記3つの収容空間内にそれぞれ収容された前記3つの被加熱物の前記加熱されるべき物質が載置された前記加熱部の各位置に対向して配置された3つの高周波照射部からなる請求項1〜12のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  14. 前記少なくとも1枚の分割部材は、2つの分割部材からなり、前記複数の収容空間は、前記2つの分割部材によって前記収容部内が分割された3つの収容空間からなり、前記複数の被加熱物は、前記3つの収容空間にそれぞれ3つ収容される9つの被加熱物からなり、前記複数の高周波照射部は、前記3つの収容空間内にそれぞれ3つずつ収容された前記9つの被加熱物の前記加熱されるべき物質が載置された前記加熱部の各位置に対向して配置された9つの高周波照射部からなる請求項1〜12のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
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