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JP2014016166A - 回転角検出装置及びその故障検出方法 - Google Patents

回転角検出装置及びその故障検出方法 Download PDF

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JP2014016166A JP2012151772A JP2012151772A JP2014016166A JP 2014016166 A JP2014016166 A JP 2014016166A JP 2012151772 A JP2012151772 A JP 2012151772A JP 2012151772 A JP2012151772 A JP 2012151772A JP 2014016166 A JP2014016166 A JP 2014016166A
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Takenobu Nakamura
威信 中村
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Abstract

【課題】信号経路などにおける故障を検出するようにした回転角検出装置の故障検出装置及びその故障検出方法を提供すること。
【解決手段】X符号反転部22XとXデータ伝送部23Xとからなる第1の伝送部と、Y符号反転部22YとYデータ伝送部23Yとからなる第2の伝送部とを備え、回転角情報算出部24は、第1の伝送部と第2の伝送部の出力に基づき、回転体の回転角度に関する情報を算出するものである。記憶部26は、所定の時刻における回転角情報算出部24の出力を記憶する。故障診断部27は、記憶部26に記憶される所定の時刻における回転角情報算出部24の出力に基づく情報と、所定の時刻とは異なる時刻における回転角情報算出部24の出力に基づく情報との比較により、回転角検出装置の故障を検知する。
【選択図】図4

Description

本発明は、回転角検出装置及びその故障検出方法に関し、より詳細には、信号経路などにおける故障を検出するようにした回転角検出装置及びその故障検出方法に関する。
近年、磁気検出素子(ホール素子,磁気抵抗素子など)と信号処理回路(LSI)を一体化した高機能な磁気センサLSIのさまざまな利用法が進んでいる。例えば、自動車では、ハンドルの回転角度を検出するための回転角検出装置がある。この種の回転角検出装置は、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
図1は、従来の回転角検出装置を説明するための構成図で、特許文献1に記載されている回転角検出装置の構成図である。この回転角検出装置は、回転体に取り付けられた回転磁石1と、この回転磁石1の下に離れて置かれた集積回路(シリコン基板)2があり、このシリコン基板2上には、このシリコン基板2上に形成されたホール素子3と、さらにそのホール素子3上に磁気集束板4が設けられている。そして、回転磁石1から発生するシリコン基板2の平面に平行な磁場(横磁場)を、磁気集束板4とホール素子3を用いて電気信号として検出することで、回転磁石1の回転角度を算出するものである。
また、特許文献2には、回転角検出装置を構成する信号処理回路のオフセットやゲインミスマッチによる角度誤差を低減する手法が開示されている。
図2は、従来の他の回転角検出装置を説明するための構成図で、特許文献2に記載されている回転角検出装置の構成図である。この回転角検出装置は、X軸ホール素子11XとY軸ホール素子11Yと座標変換部12とX軸増幅器13XとY軸増幅器13Yと角度算出部14とから構成されている。
そして、X,Y軸ホール素子11X,11Yは、回転する磁場を受けて電気信号へと変換出力する。座標変換部12は、X軸ホール素子11Xの出力(Vhx)とY軸ホール素子11Yの出力(Vhy)を成分とした磁気信号ベクトル(Vhx,Vhy)を座標変換する。ここで座標変換とは、入力された磁気信号ベクトルの各成分に対し、符号や成分の置換によって、信号ベクトルの座標が変換される機能を有するものである。
図3(a),(b)は、座標変換の例を示す図である。図3(a)は、座標変換によって信号ベクトルの座標が180°変換(変換A)される例を示している。この変換は、入力信号の各成分の符号を反転することで実現される。変換後のベクトルは、(−Vhx,−Vhy)となる。また、図3(b)は、座標変換によって信号ベクトルの座標成分がX,Y軸で入れ替わる例(変換B)を示している。
この座標変換は、入力信号の各成分の置換を行うことで実現される。変換後のベクトルは、(Vhy,Vhx)となる。座標変換部12は、図2に示した回転角検出装置の信号処理シーケンスにおいて、変換を行わない処理(φ1)と変換を行う処理(φ2)がある。
そして、座標変換部12の出力信号ベクトルのX成分をX軸増幅器13Xに出力し、Y成分をY軸増幅器13Yに出力する。各軸増幅器13X,13Yの出力は角度算出部14に入力され、この角度算出部14は、Xデータ,Yデータから角度算出を行う。また、角度算出部14は、座標変換部12によって座標変換処理していない信号ベクトルから角度θ(φ1)と、座標変換部12によって座標変換処理した信号ベクトルから角度θ(φ2)を算出する。そして、θ(φ1)とθ(φ2)から平均値θaveを算出して回転角検出装置の出力とする。
こうした回転角検出装置において、特に自動車分野などで安全に対する意識の高まりから、LSIを製品として出荷した後、内部で発生する故障を検出する技術の必要性が高まっている。
また、ホール素子を採用した磁気検出装置においては、ホール素子がオフセット電圧を有することから、このオフセット電圧を除去することが行われており、その一例としては、特許文献3に記載のスピニングカレント(spinning current principle)法が知られている。
また、例えば、特許文献4には、回転角度測定方法が記載されている。この回転角度測定方法は、ほぼ直角のオフセット角で配置された2つの磁気センサからの出力により表現されるベクトルを用いて、磁気センサの磁界内に対する相対的な回転角度を求める磁気センサ信号処理集積回路を用いた回転角度測定方法であって、ベクトルを、予め記憶した所定の角度毎の正弦および余弦を用いて所定の角度ずつ回転させるステップと、この回転させるステップにおいてベクトルを基準位置まで回転させたときの回転角度の合計を検出するステップとを有するものである。
米国特許第2002/0021124号明細書(A1) 特開2010−190872号公報 特開2005−283503号公報(特許第4514104号) 特開2004−191101号公報
しかしながら、上述した特許文献1の回転角検出装置において、ホール素子(磁気センサ)からの出力は、後段に増幅器などをおいて信号処理をされるものであるが、その信号線に、断線故障や短絡故障といった故障が経年変化などにより発生した場合、検出角度に大きな誤差を発生し、しかも、回転角検出装置の利用者にはその誤差が発生したことが判別できない状態となってしまう。上述した特許文献1には、そのような故障を検出することについては何ら開示されていない。
また、上述した特許文献2においては、ホール素子からの出力信号をX軸,Y軸の座標系で表し、その信号の符号や経路を変更して座標を変換する前後で角度を算出することでX,Y両軸のオフセットやゲインミスマッチの影響による誤差をキャンセルしているものの、各軸の信号経路に故障が発生した場合に故障を検出することについては何ら開示されていない。
また、上述した特許文献3には、スピニングカレント(spinning current principle)法が開示されているだけであって、磁気センサからの出力信号の信号経路に故障が発生した場合に故障を検出することについては何ら開示されていない。
さらに、上述した特許文献4には、回転角度測定方法が記載されているものの、磁気センサからの出力信号の信号経路に故障が発生した場合に故障を検出することについては何ら開示されていない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、磁気センサからの出力信号の符号や信号経路を変更して算出された角度が、変更を行う前に算出された角度と一定の差があることに着目して、信号経路などにおける故障を検出するようにした回転角検出装置及びその故障検出方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、回転体の回転中心軸と直交する平面上に、前記回転軸に対して所定の角度を有して配置された第1の磁電変換素子(21X)及び第2の磁電変換素子(21Y)とを備え、前記第1の磁電変換素子の出力と前記第2の磁電変換素子の出力に基づいて前記回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置において、前記第1の磁電変換素子に接続され、前記第1の磁電変換素子の出力を反転させるための符号反転部(22X)を有する第1の伝送部と、前記第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部と、前記第1の伝送部と前記第2の伝送部の出力に基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する回転角情報算出部(24)と、所定の時刻における前記回転角情報算出部の出力を記憶する記憶部(26)と、該記憶部に記憶される前記所定の時刻における前記回転角情報算出部の出力に基づく情報と、前記所定の時刻とは異なる時刻における前記回転角情報算出部の出力に基づく情報との比較により、前記回転角検出装置の故障を検知する故障診断部(27)とを備えていることを特徴とする。(図4,図5,図6,図11,図17,図18;実施例1,2,3,6,7)
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の伝送部が、前記符号反転部を動作させる反転動作部(31X)を備え、該反転動作部が、故障検知を行うタイミングに関する信号を受信する検知タイミング信号受信部(32X)を備え、前記反転動作部が、前記検知タイミング信号受信部の出力に基づいて前記符号反転部を動作させることを特徴とする。(図5;実施例1)
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記符号反転部の反転動作周期の半周期が、前記磁電変換素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、回転体の回転中心軸と直交する平面上に、前記回転軸に対して所定の角度を有して配置された第1の磁電変換素子(21X)及び第2の磁電変換素子(21Y)とを備え、前記第1の磁電変換素子の出力と前記第2の磁電変換素子の出力に基づき前記回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置において、前記第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部と、前記第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部と、前記第1の伝送部及び第2の伝送部を相互に切り替えるためのスイッチング回路(42)と、前記第1の伝送部と前記第2の伝送部の出力に基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する回転角情報算出部(24)と、所定の時刻における前記回転角情報算出部の出力を記憶する記憶部(26)と、該記憶部に記憶される前記所定の時刻における前記回転角情報算出部の出力に基づく情報と、前記所定の時刻とは異なる時刻における前記回転角情報算出部の出力に基づく情報との比較により、前記回転角検出装置の故障を検知する故障診断部(27)とを備えていることを特徴とする。(図14,図16;実施例4,5)
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第1及び第2の伝送部が、前記スイッチング回路を動作させるスイッチング動作部を備え、該スイッチング動作部が、故障検知を行うタイミングに関する信号を受信する検知タイミング信号受信部を備え、前記スイッチング動作部が、前記検知タイミング信号受信部の出力に基づいて前記スイッチング回路を動作させることを特徴とする。(実施例4)
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記スイッチング回路(42)の切り替え周期の半周期が、前記磁電変換素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍であることを特徴とする。(図16;実施例5)
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記第1の伝送部が、前記第1の磁電変換素子(21X)の出力信号を変調するX軸変調回路(34X)と、該X軸変調回路からの信号を復調するX軸復調回路(36X)とを備えていることを特徴とする。(図6;実施例2)
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明において、前記回転角情報算出部(24)は、前記第1の伝送部の出力を積分する積分器(37X)を備えていることを特徴とする。(図6;実施例2)
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記回転角情報算出部(24)は、前記第1の伝送部の出力をAD変換するAD変換器(38X)と、該AD変換器の出力を保持するレジスタ(39X)とを備えていることを特徴とする。(図11;実施例3)
また、請求項10に記載の発明は、回転体の回転中心軸と直交する平面上に、前記回転軸に対して所定の角度を有して配置された第1の磁電変換素子(21X)及び第2の磁電変換素子(21Y)とを備え、前記第1の磁電変換素子の出力と前記第2の磁電変換素子の出力に基づいて前記回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置の故障検出方法において、前記第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部の出力と、前記第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部の出力とに基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する第1のステップと、前記第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部の符号反転部(22X)により、前記第1の磁電変換素子の出力を反転させて得られる第1の伝送部の出力と、前記第2の伝送部の出力とに基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する第2のステップと、前記第1のステップで得られる前記回転体の回転角度に関する情報と、前記第2のステップで得られる前記回転体の回転角度に関する情報とを比較して前記回転角検出装置の故障を検知する第3のステップとを有していることを特徴とする。(図19;実施例1)
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記第2のステップが、反転動作部(31X)により前記符号反転部を動作させるステップと、前記反転動作部が、検知タイミング信号受信部(32X)により故障検知を行うタイミングに関する信号を受信するステップとを有し、前記反転動作部が、前記検知タイミング信号受信部の出力に基づいて前記符号反転部を動作させることを特徴とする。(実施例1)
また、請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載の発明において、前記第2のステップが、前記符号反転部による前記第1の磁電変換素子の出力の反転動作周期の半周期が前記磁電変換素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍となるように反転させるステップを含むことを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項10乃至12のいずれかに記載の発明において、前記第1のステップ及び前記第2のステップが、X軸変調回路(34X)により前記第1の磁電変換素子(21X)の出力信号を変調するステップと、X軸復調回路(36X)により前記X軸変調回路からの信号を復調するステップとを有していることを特徴とする。(実施例2)
また、請求項14に記載の発明は、請求項10乃至13のいずれかに記載の発明において、前記第1のステップ及び前記第2のステップが、X軸積分器(37X)により前記X軸復調回路の出力を積分するステップを有していることを特徴とする。(実施例2)
また、請求項15に記載の発明は、請求項10乃至14のいずれかに記載の発明において、前記第1のステップ及び前記第2のステップが、前記復調するステップの後段に、X軸AD変換器(38X)により前記X軸復調回路の出力をAD変換するステップと、Xデータレジスタ(39X)により前記X軸AD変換器の出力を保持するステップとを有していることを特徴とする。(実施例3)
また、請求項16に記載の発明は、回転体の回転中心軸と直交する平面上に、前記回転軸に対して所定の角度を有して配置された第1の磁電変換素子(21X)及び第2の磁電変換素子(21Y)とを備え、前記第1の磁電変換素子の出力と前記第2の磁電変換素子の出力に基づき前記回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置の故障検出方法において、前記第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部の出力と、前記第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部の出力とに基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する第1のステップと、前記第1の磁電変換素子に接続された前記第1の伝送部及び前記第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部を、スイッチング回路(42)により相互に切り替えて得られる第1の伝送部の出力と、前記第2の伝送部の出力とに基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する第2のステップと、前記第1のステップで得られる前記回転体の回転角度に関する情報と、前記第2のステップで得られる前記回転体の回転角度に関する情報とを比較して前記回転角検出装置の故障を検知する第3のステップとを有していることを特徴とする。(図20;実施例4)
また、請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記第2のステップが、スイッチング動作部により前記スイッチング回路を動作させるステップと、前記スイッチング動作部が、検知タイミング信号受信部により故障検知を行うタイミングに関する信号を受信するステップとを有し、前記スイッチング動作部が、前記検知タイミング信号受信部の出力に基づいて前記スイッチング回路を動作させることを特徴とする。
(実施例5)
また、請求項18に記載の発明は、請求項16又は17に記載の発明において、前記スイッチング回路の切り替え周期の半周期が前記磁電変換素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍となるように切り替えるステップを特徴とする。(実施例5)
本発明によれば、X軸ホール素子とY軸ホール素子の出力信号を伝送する伝送部やその後段の回転角情報算出部の故障を検出することができる。
また、回転角検出装置を利用している状態での故障検出を行うことが可能となる。特に、車載用途向けといった安全要求が厳しい用途で使用される回転角検出装置においては、非常に有益なものである。また、回転角検出装置におけるアナログ回路やデジタル回路の双方の広い範囲に亘る故障を簡単な回路の追加で実現できる。
従来の回転角検出装置を説明するための構成図である。 従来の他の回転角検出装置を説明するための構成図である。 (a),(b)は、座標変換の例を示す図である。 本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例1(変換A)を説明するための構成ブロック図である。 図4に示した回転角検出装置の実施例1の更に具体的な構成を説明するための構成ブロック図である。 本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例2(変換A)を説明するための構成ブロック図である。 (a)乃至(d)は、ホール素子のオフセットキャンセル法としてのスピニングカレント法を説明するための図である。 変換処理φ1,φ2とPH0,PH90,PH270,PH180と、復調回路の動作タイミングの関係をタイミングチャートで示す図である。 故障診断部の閾値を利用した故障の判定を説明するための図である。 Y軸積分器の出力がVddと短絡してしまった場合に、角度θ(φ1)からθ(φ2)の角度差の変化のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例3(変換A)を説明するための構成ブロック図である。 X,Yデータレジスタの構成例を示す図である。 Yデータレジスタの更新が停止する故障が発生した場合に、角度θ(φ1)からθ(φ2)の角度差の変化のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例4(変換B)を説明するための構成ブロック図である。 Y軸増幅器の出力がVddと短絡してしまった場合に、角度θ(φ1)からθ(φ2)の角度差の変化のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例5(変換B)を説明するための構成ブロック図である。 本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例6を説明するための構成ブロック図である。 本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例7を説明するための構成ブロック図である。 図4及び図5に示した本発明に係る回転角検出装置の故障検出方法(実施例1に対応)を説明するためのフローチャートを示す図である。 図14に示した本発明に係る回転角検出装置の故障検出方法(実施例4に対応)を説明するためのフローチャートを示す図である。
以下、本発明の実施例を図3(a)の場合(変換A;実施例1,2,3及び実施例6)と図3(b)の場合(変換B;実施例4,5及び実施例7)の場合に分けて説明する。また、回転体の回転角に関する情報とは、回転角θと、回転角θを算出するためのX軸成分(Vhx)とY軸成分(Vhy)とがあり、以下の実施例の説明において、故障診断部27が、回転角情報算出部24が出力する回転角θを用いて故障診断する場合(実施例1乃至5)と、回転角θを算出するためのX軸成分(Vhx)とY軸成分(Vhy)を用いて故障診断する場合(実施例6,7)に分けて説明を行う。
図4は、本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例1(変換A)を説明するための構成ブロック図で、図中符号21XはX軸ホール素子(第1の磁電変換素子)、21YはY軸ホール素子(第2の磁電変換素子)、22XはX符号反転部、22YはY符号反転部、23XはXデータ伝送部、23YはYデータ伝送部、24は回転角情報算出部、24XはX軸成分算出部、24YはY軸成分算出部、25は角度算出部、26は記憶部、27は故障診断部を示している。
本発明の実施例1における回転角検出装置は、X軸ホール素子21XとY軸ホール素子21Yと、X軸ホール素子21Xに接続されたX符号反転部22XとXデータ伝送部23Xとからなる第1の伝送部と、Y軸ホール素子21Yに接続されたY符号反転部22YとYデータ伝送部23Yとからなる第2の伝送部と、これらの伝送部に接続されている回転角情報算出部24と、この回転角情報算出部24に接続された記憶部26と、この記憶部26と回転角情報算出部24に接続された故障診断部27とから構成されている。また、回転角情報算出部24は、第1の伝送部の出力から、ホール素子からの出力信号に含まれるオフセット成分やノイズ成分を取り除き、回転角を算出するためのX軸成分(Vhx)を算出するX軸成分算出部24Xと、第2の伝送部の出力から、ホール素子からの出力信号に含まれるオフセット成分やノイズ成分を取り除き、回転角を算出するためのY軸成分(Vhy)を算出するY軸成分算出部24Yと、X軸成分算出部24XとY軸成分算出部24Yから回転角θを算出する角度算出部25とから構成されている。
故障診断部27は、回転角情報から故障を検知するものである。この回転角情報には、回転角θだけではなく、X軸成分(Vhx)やY軸成分(Vhy)も含んでも良い。本実施例1において故障診断部27は、前述のように回転角情報算出部24の角度算出部25が出力する回転角θによって故障を検知するものとして説明する。
つまり、本発明の実施例1における回転角検出装置は、回転体の回転中心軸と直交する平面上に、回転軸に対して所定の角度を有して配置されたX軸ホール素子21X及びY軸ホール素子21Yとを備え、X軸ホール素子21Xの出力とY軸ホール素子21Yの出力に基づいて回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置である。
第1の伝送部は、X軸ホール素子21Xに接続され、このX軸ホール素子21Xの出力を反転させるためのX符号反転部22Xを有している。また、第2の伝送部は、Y軸ホール素子21Yに接続されている。
回転角情報算出部24は、第1の伝送部と第2の伝送部の出力に基づき、回転体の回転角度に関する情報を算出するものである。また、記憶部26は、所定の時刻における回転角情報算出部24の出力を記憶するものである。
また、故障診断部27は、記憶部26に記憶される所定の時刻における回転角情報算出部24の出力に基づく情報と、所定の時刻とは異なる時刻における回転角情報算出部24の出力に基づく情報との比較により、回転角検出装置の故障を検知するものである。
本発明の回転角検出装置の動作は、以下のようになる。
すなわち、X,Y軸ホール素子21X,21Yは、回転する磁場を受けて電気信号へと変換出力する。符号反転部22X,22Yは、X軸ホール素子21Xの出力と、Y軸ホール素子21Yの出力を成分とした磁気信号ベクトルを上述したように符号反転することができる。符号反転部22X,22Yは、上述したように、信号処理シーケンスにおいて、符号反転を行わない処理(φ1)と符号反転を行う処理(φ2)とがある。
符号反転部22X,22Yの出力信号ベクトルのX成分をXデータ伝送部23Xに出力し、Y成分をYデータ伝送部23Yに出力する。ここでデータ伝送部とは、増幅器,AD変換器など、磁場を受けてホール素子が検出した信号を、後段の回転角度情報算出部24へと伝送する信号経路である。そして、X,Yデータ伝送部23X,23Yは、それぞれ、X軸成分算出部24XとY軸成分算出部24Yに信号を伝送する。X軸成分算出部24XとY軸成分算出部24Yは、X,Yデータ伝送部23X,23Yの出力信号からオフセット成分やノイズ成分を取り除き、X軸成分(Xデータ)、Y軸成分(Yデータ)を算出し、角度算出部25へと出力する。この角度算出部25は、Xデータ及びYデータから角度算出を行う。このとき角度算出部25は、符号反転部22X,22Yによって符号反転されていない場合(φ1)と、符号反転された場合(φ2)の角度(それぞれθ(φ1)とθ(φ2))を算出する。算出されたθ(φ1)は記憶部26へと出力される。
故障診断部27では、記憶部26に保持されたθ(φ1)と角度算出部25から出力されたθ(φ2)に一定の角度差があることから後述の方法により故障診断を行う。この時、第1の伝送部と第2の伝送部と、回転角情報算出部のいずれかに故障が発生していた場合に故障と判定される。
つまり、ホール素子からの検出信号の符号を符号反転部により反転と、非反転のそれぞれで角度算出を行い、その角度差が180°であるか否かを確認することで、回転角検出装置の故障を判定するものである。
例えば、Xデータ伝送部23Xが故障により一定値しか出力しなくなった場合、X軸成分算出部24Xは常にXデータを一定と算出するため、θ(φ1)とθ(φ2)の角度差が180°にならない。これにより故障を判定可能である。
なお、実施例1では、故障診断部27が、記憶部26に保持されたθ(φ1)と角度算出部25から出力されたθ(φ2)から故障診断を行っているが、記憶部26に保持する角度は、θ(φ1)とθ(φ2)のどちらか一方のみでもよい。その場合、故障診断部27では、記憶部26に保持されたθ(φ1)とθ(φ2)のどちらか一方と、回転角情報算出部24からの出力のうち、記憶部26に保持されていないθ(φ1)とθ(φ2)のどちらか一方を利用して故障診断を行う。
また、θ(φ1)とθ(φ2)の両方を記憶部26に出力してよく、故障診断部27は、記憶部26に保持されたθ(φ1)とθ(φ2)を用いて故障診断を行ってもよい。
図5は、図4に示した回転角検出装置の実施例1の更に具体的な構成を説明するための構成ブロック図で、図中符号31X,31Yは反転動作部、32X,32Yは検知タイミング信号受信部、33X,33Yは検知タイミング信号発生部を示している。なお、図4と同じ機能を有する構成要素は同一の符号を付してある。
第1及び第2の伝送部は、符号反転部22X,22Yを動作させる反転動作部31X,31Yを備え、この反転動作部31X,31Yは、検知タイミング信号発生部33X,33Yからの故障検知を行うタイミングに関する信号を受信する検知タイミング信号受信部32X,32Yを備え、反転動作部31X,31Yは、検知タイミング信号受信部の出力に基づいて符号反転部22X,22Yを動作させる。
図19は、図4及び図5に示した本発明に係る回転角検出装置の故障検出方法(実施例1に対応)を説明するためのフローチャートを示す図である。
まず、φ1において符号反転部22X,22Yによって符号反転されない状態で、X,Y軸ホール素子21X,21Yの出力から角度θ(φ1)を算出する。次に、φ2において符号反転部22X,22Yによって符号反転される状態で、X,Y軸ホール素子21X,21Yの出力から角度θ(φ2)を算出する。次に、角度θ(φ1)とθ(φ2)に一定の角度差があることから故障診断を行う。そして、故障診断結果を出力する。
つまり、本実施例1の回転角検出装置の故障検出方法は、回転体の回転中心軸と直交する平面上に、回転軸に対して所定の角度を有して配置された第1の磁電変換素子21X及び第2の磁電変換素子21Yとを備え、第1の磁電変換素子の出力と第2の磁電変換素子の出力に基づいて回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置の故障検出方法である。
まず、第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部の出力と、第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部の出力とに基づき、回転体の回転角度に関する情報を算出する(ステップS1)。次に、第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部の符号反転部22Xにより、第1の磁電変換素子の出力を反転させて得られる第1の伝送部の出力と、第2の伝送部の出力とに基づき、回転体の回転角度に関する情報を算出する(ステップS2)。次に、ステップS1で得られる回転体の回転角度に関する情報と、ステップS2で得られる回転体の回転角度に関する情報とを比較して回転角検出装置の故障を検知する(ステップS3)。
図6は、本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例2(変換A)を説明するための構成ブロック図である。図中符号34XはX軸変調回路、34YはY軸変調回路、35XはX軸増幅器、35YはY軸増幅器、36XはX軸復調回路、36YはY軸復調回路、37XはX軸積分器、37YはY軸積分器を示している。なお、X軸積分器37Xは、図5におけるX軸成分算出部24Xに相当し、Y軸積分器37Yは、図5におけるY軸成分算出部24Yに相当している。したがって、回転角情報算出部24は、X軸積分器37XとY軸積分器37Yと角度算出部25とから構成されている。また、図4と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
第1の伝送部は、X軸ホール素子21Xの出力信号を変調するX軸変調回路34Xと、このX軸変調回路34Xからの信号を増幅した出力を復調するX軸復調回路36Xとを備えている。
また、第2の伝送部は、Y軸ホール素子21Yの出力信号を変調するX軸変調回路34Yと、このX軸変調回路34Yからの信号を増幅した出力を復調するX軸復調回路36Yとを備えている。
X軸,Y軸変調回路34X,34Yは、ホール素子のオフセットキャンセル法としてよく知られるスピニングカレント法を利用したものである。このスピニングカレント法については、上述した特許文献3に詳しく記載されている。
図7(a)乃至(d)は、ホール素子のオフセットキャンセル法としてのスピニングカレント法を説明するために図である。
図7(a)乃至(d)には、4つの端子(T1〜T4)を持つホール素子がそれぞれ描かれている。図7(a)は、T1からT3に向けて電流が流れ、T4とT2間の電位差を信号とする場合である(PH0)。図7(b)は、T2からT4に向けて電流が流れ、T1とT3間の電位差を信号とする場合である(PH90)。図7(c)は、T4からT2に向けて電流が流れ、T1とT3間の電位差を信号とする場合である(PH270)。図7(d)は、T3からT1に向けて電流が流れ、T4とT2間の電位差を信号とする場合である(PH180)。スピニングカレント法は、これら4つの状態をホール素子の端子に接続されたスイッチを適宜切り替えることによって実現する手法である。
この時、図7(a)乃至(d)のそれぞれに対応するX軸ホール素子21Xの出力信号は、次のようにあらわされる。
Vout_X(PH0)=Vhx+Voff ・・・(1)
Vout_X(PH90)=Vhx−Voff ・・・(2)
Vout_X(PH270)=−Vhx−Voff ・・・(3)
Vout_X(PH180)=−Vhx+Voff ・・・(4)
ここで、Vhxは、X軸ホール素子21Xが磁場を受けて出力する信号で、ホール出力信号又はホール起電力信号と呼ばれる。また、Voffは、磁場のない時にホール素子が出力するオフセット成分である。
これらの信号がX軸変調回路34XによってPH0,PH90,PH270,PH180の順に駆動され、Vout_X(PH0)から順にVout_X(PH180)が出力される。そして、X軸増幅器35Xによって増幅され、X軸復調回路36Xに入力される。X軸復調回路36Xにおいては、後2つのVout_X(PH270)とVout_X(PH180)が増幅された信号が反転される。したがって、X軸増幅器35XのゲインをGとするとX軸復調回路36Xの出力は、以下のようになる。
Vout_X’(PH0)=G(Vhx+Voff) ・・・(5)
Vout_X’(PH90)=G(Vhx−Voff) ・・・(6)
Vout_X’(PH270)=G(Vhx+Voff) ・・・(7)
Vout_X’(PH180)=G(Vhx−Voff) ・・・(8)
そして、X軸復調回路36Xの出力は、X軸積分器37Xに入力され、このX軸積分器37Xで式(5)乃至式(8)が積分される。したがって、X軸積分器37Xの出力は、
Vint_X=4・G・Vhx ・・・(9)
となり、ホール素子のオフセットVoffはキャンセルされる。
一方、X軸変調回路34Xの動作の順をPH180,PH270,PH90,PH0の順で行うと、その場合のX軸復調回路36Xの出力は、順に以下のようになる。
Vout_X’(PH180)=−G(Vhx−Voff) ・・・(10)
Vout_X’(PH270)=−G(Vhx+Voff) ・・・(11)
Vout_X’(PH90)=−G(Vhx−Voff) ・・・(12)
Vout_X’(PH0)=−G(Vhx+Voff) ・・・(13)
そして、X軸復調回路36Xの出力は、X軸積分器37Xに入力され、このX軸積分器37Xで式(10)乃至式(13)が積分される。したがって、X軸積分器37Xの出力は、
Vint_X=−4・G・Vhx ・・・(14)
となり、先の場合と符号が反転する。つまり、本実施例においては、X軸変調回路34XとX軸復調回路36Xが符号反転部に該当し、第1の伝送部は符号を反転する符号反転部を有する。同様に、Y軸変調回路34YとY軸復調回路36Yが符号反転部に該当し、第2の伝送部も同様に符号を反転する符号反転部を有する。
本発明において、PH0,PH90,PH270,PH180の順でホール素子を駆動した場合の変換処理をφ1(符号反転を行わない場合)とし、PH180,PH270,PH90,PH0の順でホール素子を駆動した場合の変換処理をφ2(符号反転を行う場合)とする。
図8は、変換処理φ1,φ2とPH0,PH90,PH270,PH180と、復調回路の動作タイミングの関係をタイミングチャートで示す図である。
図8において、横軸を時間とし、変換処理φ1とφ2が繰り返すように描かれている。また、φ1において、スピニングカレント法によるPH0,PH90,PH270,PH180の駆動時間がφ1の時間と一致し、復調回路の動作タイミングはPH270,PH180の駆動時間に一致している。また、φ2において、PH180,PH270,PH90,PH0の駆動時間がφ2の時間と一致している。復調回路の動作タイミングはPH90,PH0の駆動時間に一致している。また図8においては、φ1の最後、φ2の最後にそれぞれ角度θ(φ1)と角度θ(φ2)を算出するタイミングを描いている。
以上のような動作により、φ1におけるX軸,Y軸積分器37X,37Yの出力は、それぞれ
Vint_X(φ1)=4・G・Vhx ・・・(15)
Vint_Y(φ1)=4・G・Vhy ・・・(16)
となり、φ2におけるX,Y軸積分器37X,37Yの出力は、それぞれ
Vint_X(φ2)=−4・G・Vhx ・・・(17)
Vint_Y(φ2)=−4・G・Vhy ・・・(18)
となる。ここで、GはY軸増幅器のゲイン、VhyはY軸ホール素子21Yのホール起電力信号である。
すなわち、φ1とφ2で符号が反転されることで、座標系が180°変換されたことに対応する(図3(a))。これらの出力が角度算出部25へと出力される。
角度算出部25による角度の算出は、例えば、上した特許文献4に記載の方法を利用する。この時、φ1において算出される角度は、以下で表される。
θ(φ1)=Atan(Vint_Y(φ1)/Vint_X(φ1)) ・・・(19)
ここで、Atan(VY/VX)とは、XとYを2次元平面での座標と考えた時に、原点と(VX, VY)とを結んだ線の原点周りの角度を0°〜360°の範囲で返す関数であるとする。
同様にφ2において算出される角度は、以下で表される。
θ(φ2)=Atan(Vint_Y(φ2)/Vint_X(φ2)) ・・・(20)
ここで、φ2において算出される角度は、以下のように変換できる。
θ(φ2)=Atan(−Ghy/−Ghx)=180°+Atan(4Ghy/4Ghx)=180°+θ(φ1) ・・・(21)
すなわち、φ2において算出される角度は、φ1において算出される角度に180°を加算したものとなる。 尚、θ(φ2)が0°+θ(φ1)か、180°+θ(φ1)か、については、VintXやVitYの符号で判定することが可能である。θ(φ1)とθ(φ2)は、記憶部26に記憶される。
角度算出部25は、このようにφ1とφ2で180°異なる角度を算出するので、例えば
θave=(θ(φ1)+θ(φ2)−180°)/2 ・・・(22)
として、回転角検出装置の角度出力とする。
ここで、Y軸積分器37Yの出力が正常でなく、例えば、経年変化により電源電圧Vddと短絡した故障が発生したとする。すると、式(15)乃至式(18)は、以下のようになる。
Vint_X(φ1)=Ghx ・・・(23)
Vint_Y(φ1)=Vdd ・・・(24)
Vint_X(φ2)=−Ghx ・・・(25)
Vint_Y(φ2)=Vdd ・・・(26)
このように、φ1においてもφ2においてもVint_Yの符号は変化しないため、先にあげたφ2で算出した角度θ(φ2)は、φ1で算出した角度θ(φ1)に180°加算したものではなくなる。すなわち、
θ(φ2)≠180°+θ(φ1) ・・・(27)
である。
故障診断部27は、一定の閾値θth>0°を利用して
|θ(φ2)−θ(φ1)|<180°+θth ・・・(28)
|θ(φ2)−θ(φ1)|>180°−θth ・・・(29)
かどうかを診断する。ここで、||は絶対値を表す演算子である。なお、閾値θthは、回転角検出装置のサンプリング周期と、検出対象の回転磁場の回転速度に応じて適切に調節する。Y軸積分器37Yの出力がVddに固定してしまった場合には、上述した関係を満足しなくなるので、故障診断部27は、回転角検出装置の故障を判定できる。
図9は、故障診断部の閾値を利用した故障の判定を説明するための図で、上記式(28)及び式(29)の関係が成立しないことを説明するための図である。
図9の左側は、符号反転前に角度算出部25へ入力される信号ベクトルの様子を表す図である。通常の信号強度において信号ベクトルが回転することでなす円が原点を中心として実線で描かれている。この図においては、故障によってY成分がVddとなってしまったため、信号ベクトルはその円の外側に伸びている。この信号ベクトルがX軸となす角度はθ(φ1)である。
図9の右側は、符号反転後の信号ベクトルの様子を表す図である。符号反転後は、Y成分がVddに固定であるが、X成分の符号が変わっているため、ベクトル(実線で示されている)がX軸となす角θ(φ2)は180°−θ(φ1)となっており、故障していない場合の角度θ(φ2)=180°+θ(φ1)(図においてベクトルが点線で示されている)と大きく異なっていることがわかる。
図10は、Y軸積分器の出力がVddと短絡してしまった場合に、角度θ(φ1)からθ(φ2)の角度差の変化のシミュレーション結果を示す図である。Vddは信号振幅に対して、1.7倍としてあり、グラフの横軸を磁場の角度、縦軸を角度差としている。グラフからわかるように、このシミュレーション結果では、角度差は±60°の範囲で変化しており、故障がない場合角度差は180°(又は−180°)と大きく異なっていることがわかる。
以上のように、φ1とφ2の符号反転前後における角度差が180°であるということを利用して、伝送部やその後段の回転角情報算出部に故障があることが診断された。
図11は、本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例3(変換A)を説明するための構成ブロック図で、図中符号38XはX軸AD変換器、38YはY軸AD変換器、39XはXデータレジスタ、39YはYデータレジスタを示している。なお、X軸AD変換器38XとXデータレジスタ39Xは、図5におけるX軸成分算出部24Xに相当し、Y軸AD変換器38YとYデータレジスタ39Yは、図5におけるY軸成分算出部24Yに相当している。したがって、回転角情報算出部24は、X軸AD変換器38XとXデータレジスタ39XとY軸AD変換器38YとYデータレジスタ39Yと角度算出部25とから構成されている。また、図6と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
X軸復調回路36Xの後段に、このX軸復調回路36Xの出力をAD変換するX軸AD変換器38Xと、このX軸AD変換器38Xの出力を保持するXデータレジスタ39Xとを備えている。また、Y軸復調回路36Yの後段に、このY軸復調回路36Yの出力をAD変換するY軸AD変換器38Yと、このY軸AD変換器38Yの出力を保持するXデータレジスタ39Yとを備えている。X軸,Y軸ホール素子21X,21YからX軸,Y軸復調回路36X,36Yまでの動作は、図6の説明と同様であるので省略する。
X軸,Y軸AD変換器38X,38Yは、例えば、ΔΣ型AD変換器とデシメーションフィルタで構成してもよい。
φ1におけるX軸,Y軸AD変換器38X,38Yの出力は、それぞれ
Vad_X(φ1)=4・G・Vhx ・・・(30)
Vad_Y(φ1)=4・G・Vhy ・・・(31)
と表され、φ2におけるX軸,Y軸AD変換器38X,38Yの出力は、それぞれ
Vad_X(φ2)=−4・G・Vhx ・・・(32)
Vad_Y(φ2)=−4・G・Vhy ・・・(33)
と表されるものとする。これらが、X,Yデータレジスタ39X,39Yへそれぞれ出力される。本実施例においては、X軸変調回路34XとX軸復調回路36Xが符号反転部に該当し、第1の伝送部は符号を反転する符号反転部を有する。同様に、Y軸変調回路34YとY軸復調回路36Yが符号反転部に該当し、第2の伝送部も同様に符号を反転する符号反転部を有する。
X,Yデータレジスタ39X,39Yは、φ1においては
Vreg_X(φ1)=Vad_X(φ1) ・・・(34)
Vreg_Y(φ1)=Vad_Y(φ1) ・・・(35)
を保持し、φ2において
Vreg_X(φ2)=Vad_X(φ2) ・・・(36)
Vreg_Y(φ2)=Vad_Y(φ2) ・・・(37)
を保持する。
図12は、X,Yデータレジスタの構成例を示す図である。図12においては、簡便のため1ビットレジスタのみを表記している。レジスタは、デジタル回路のマスタークロック(MCLK)で動作し、レジスタの前段のマルチプレクサに入力される更新フラグがHとなることによってAD変換されたデータをレジスタに保持する。更新フラグがLの場合は、前回の更新フラグの値を保持することになる。
X,Yデータレジスタ39X,39Yは、角度算出部25へと接続されている。この角度算出部25は、例えば、CORDICによる演算を利用したものある。
先の例と同様に、φ1において出力される角度は、
θ(φ2)=Atan(Vreg_Y(φ1)/Vreg_X(φ1)) ・・・(38)
と表され、φ2において出力される角度は、
θ(φ2)=Atan(Vreg_Y(φ2)/Vreg_X(φ2)) ・・・(39)
と表される。そして、φ2において算出される角度は、φ1において算出される角度に180°を加算したものとなる。
ここで、経年変化により、図12に示したX,Yデータレジスタ39X,39Yのデータ更新フラグがL出力(Vssに短絡)に固定となってしまったり、X,Yデータレジスタ39X,39Yの出力がL又はHに固定となってしまったりする故障が起きた場合、角度算出部25に入力されるデータは正しく更新されないことになる。
Yデータレジスタ39Yにおける更新フラグがL出力となってしまった場合、YデータがVfaultという値に固定してしまうと、φ1及びφ2における角度算出部25への入力データは、それぞれ以下のようになる。
Vreg_X(φ1)=Ghx ・・・(40)
Vreg_Y(φ1)=Vfault ・・・(41)
Vreg_X(φ2)=−Ghx ・・・(42)
Vreg_Y(φ2)=Vfault ・・・(43)
となる。
このように、φ1においてもφ2においてもVint_Yの符号は変化しないため、先にあげたφ2で算出した角度θ(φ2)は、φ1で算出した角度θ(φ1)に180°加算したものではなくなる。すなわち、
θ(φ2)≠180°+θ(φ1) ・・・(44)
である。
故障診断部27は、先の実施例2と同様に一定の閾値θth>0°を利用して、式(28)及び式(29)の関係を満たすか診断し、関係が満たされていない場合には、故障と判定して出力する。
図13は、Yデータレジスタの更新が停止する故障が発生した場合に、角度θ(φ1)からθ(φ2)の角度差の変化のシミュレーション結果を示す図である。Yデータレジスタ39Yは、信号振幅の1/2の大きさと仮定している。グラフの横軸を磁場の角度、縦軸を角度差としている。グラフからわかるように、このシミュレーション結果では、角度差は±127°の範囲で変化しており、故障がない場合角度差は180°(又は−180°)と大きく異なっていることがわかる。
以上のように、φ1とφ2の符号反転前後における角度差が180°であるということを利用して、伝送部やその後段の回転角情報算出部に故障があることが診断された。
なお、実施例1,2,3において、ホール素子のスピニングカレント法による駆動周期は、図8に示したタイミングチャートのように、PH0,PH90,PH270,PH180の順に駆動する周期が1周期であり、その逆順PH180,PH270,PH90,PH0の順に駆動する周期も1周期である。そして、磁気センサの出力信号の符号を反転しない(φ1)時間と、符号を反転した(φ2)時間を合わせたものを符号反転周期とすると、この符号反転周期の半周期に相当するφ1である時間、又はφ2である時間は、ホール素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍であることが望ましい。このように構成することで、スピニングカレント法によるオフセットキャンセルと同時に本発明の回転角検出装置の故障検出を行うシーケンスを容易に設計できる。
図14は、本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例4(変換B)を説明するための構成ブロック図で、図中符号41X,41Yは第1のチョッパ回路、42は第1のXY切替回路、43X,43Yは第2のチョッパ回路を示している。なお、X軸積分器37Xは、図5におけるX軸成分算出部24Xに相当し、Y軸積分器37Yは、図5におけるY軸成分算出部24Yに相当している。したがって、回転角情報算出部24は、X軸積分器37XとY軸積分器37Yと角度算出部25とから構成されている。また、図6と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本発明の実施例4における回転角検出装置は、回転体の回転中心軸と直交する平面上に、回転軸に対して所定の角度を有して配置されたX軸ホール素子21X及びY軸ホール素子21Yとを備え、X軸ホール素子21Xの出力とY軸ホール素子21Yの出力に基づき回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置である。
第1の伝送部は、X軸ホール素子21Xに接続され、第2の伝送部は、Y軸ホール素子21Yに接続されている。また、第1のスイッチング回路42は、第1の伝送部及び第2の伝送部を相互に切り替えるためのものである。
また、回転角情報算出部24は、第1の伝送部と第2の伝送部の出力に基づき、回転体の回転角度に関する情報を算出するものである。また、記憶部26は、所定の時刻における回転角情報算出部24の出力を記憶するものである。
また、故障診断部27は、記憶部26に記憶される所定の時刻における回転角情報算出部24の出力に基づく情報と、所定の時刻とは異なる時刻における回転角情報算出部24の出力に基づく情報との比較により、回転角検出装置の故障を検知するものである。
つまり、図14において、回転角検出装置は、X軸ホール素子21Xと、Y軸ホール素子21Yと、X軸のホール素子21Xの出力信号を変調するX軸チョッパ回路41Xと、Y軸ホール素子21Yの出力信号を変調するY軸チョッパ回路41Yとを備えている。
また、X軸チョッパ回路41Xからの信号を、φ1においてX信号としてX軸増幅器35Xに接続し、φ2においてY信号としてY軸増幅器35Yに接続するとともに、Y軸チョッパ回路41Yからの信号を、φ1においてY信号としてX軸増幅器35Xに接続し、φ2においてX信号としてY軸増幅器35Yに接続する第1のXY切替回路42を備えている。
また、第1のXY切替回路42からのX信号を増幅するX軸増幅器35Xと、第1のXY切替回路42からのY信号を増幅するY軸増幅器35Yと、X軸増幅器35Xの出力を復調するX軸チョッパ回路43Xと、Y軸増幅器35Yの出力を復調するY軸チョッパ回路43Yと、X軸チョッパ回路43Xの出力を積分するX軸積分器37X、Y軸チョッパ回路43Yの出力を積分するY軸積分器37Yと、X軸積分器37XとY軸積分器37Yの出力から角度を算出する角度算出部25と、この角度算出部25の算出した角度から故障を診断する故障診断部27を備えている。
図14の回転角検出装置は、第1のXY切替回路42をX,Y軸チョッパ回路41X,41YとX,Y軸増幅器35X,35Yとの間に備えたことが図11の回転角検出装置と異なる。
X軸,Y軸チョッパ回路41X,41Yは、図6に示した回転角検出装置と同様にホール素子に対して図7で説明したスピニングカレント法を利用する。本実施例4においては、φ1においてもφ2においてもその駆動方法は、PH0,PH90,PH270,PH180の順で駆動するものとする。また、X軸,Y軸増幅器35X,35Y及びX軸,Y軸チョッパ回路43X,43Yの動作は、図6に示した回転角検出装置と同様であるとする。
そして、X軸,Y軸チョッパ回路41X,41Yの出力は、XY切替回路42によってX信号がX軸増幅器35Xに入力され、Y信号がY軸増幅器35Yに入力されるので、増幅器35X,35Y及びチョッパ回路43X,43Yを経たX軸,Y軸積分器37X,37Yの出力は、φ1において
Vint_X(φ1)=4・G・Vhx ・・・(45)
Vint_Y(φ1)=4・G・Vhy ・・・(46)
となる、φ2において
Vint_X(φ2)=4・G・Vhy ・・・(47)
Vint_Y(φ2)=4・G・Vhx ・・・(48)
となる。
この時、角度算出部25において算出される角度は、以下で表される。
θ(φ1)=Atan(Vint_Y(φ1)/Vint_X(φ1)) ・・・(49)
同様にφ2において算出される角度は、以下のように演算される。
θ(φ2)=Atan(−Vint_Y(φ2)/Vint_X(φ2)) ・・・(50)
ここで、G=Gとすると、φ2において算出される角度は、以下のように変換できる。
θ(φ2)=Atan(−Ghx/Ghy)=90°+Atan(Ghy/Ghx)=90°+θ(φ1) ・・・(51)
すなわち、φ2において算出される角度は、φ1において算出される角度から90°加算されたものとなる。
角度算出部25は、このようにφ1とφ2で90°異なる角度を算出するので、上述した特許文献2にあるように、
θave=(θ(φ1)+θ(φ2)−90°)/2 ・・・(52)
として、回転角検出装置の角度出力とする。
ここで、Y軸増幅器35Yの出力が正常でなく、例えば、経年変化によりVddと短絡した故障が発生したとする。すると、Y軸チョッパ回路43Yの出力は
Vout_Y’(PH0)=Vdd ・・・(53)
Vout_Y’(PH90)=Vdd ・・・(54)
Vout_Y’(PH270)=−Vdd ・・・(55)
Vout_Y’(PH180)=−Vdd ・・・(56)
となり、そのため、X軸,Y軸積分器37X,37Yの出力は、以下のようになる。
Vint_X(φ1)=4・G・Vhx ・・・(57)
Vint_Y(φ1)=0 ・・・(58)
Vint_X(φ2)=4・G・Vhy ・・・(59)
Vint_Y(φ2)=0 ・・・(60)
このように、φ1においてもφ2においてもVint_Yが0であるため、先にあげたφ2で算出した角度θ(φ2)は、φ1で算出した角度θ(φ1)に90°加算したものではなくなる。すなわち、
θ(φ2)≠90°+θ(φ1) ・・・(61)
である。
故障診断部27は、実施例2と同様に一定の閾値θth>0°を利用して
θ(φ2)<90°+θ(φ1)+θth ・・・(62)
θ(φ2)>90°+θ(φ1)−θth ・・・(63)
かどうかを診断する。Y軸増幅器35Yの出力が、Vddに固定してしまった場合には、上述した関係を満足しなくなるので、故障診断部27は、回転角検出装置の故障を判定する。
図15は、Y軸増幅器の出力がVddと短絡してしまった場合に、角度θ(φ1)からθ(φ2)の角度差の変化のシミュレーション結果を示す図である。グラフの横軸を磁場の角度、縦軸を角度差としている。グラフからわかるように、このシミュレーション結果では角度差は0°又は180°であり、故障がない場合の角度差90°と大きく異なっていることがわかる。
以上のように、φ1とφ2の伝送部の切替前後に算出される角度差が90°であるということを利用して、伝送部やその後段の回転角情報算出部に故障があることが診断された。
なお、図示しないが、第1及び第2の伝送部は、図5に示した構成と同様に、スイッチング回路を動作させるスイッチング動作部を備え、このスイッチング動作部が、故障検知を行うタイミングに関する信号を受信する検知タイミング信号受信部を備え、スイッチング動作部が、検知タイミング信号受信部の出力に基づいてスイッチング回路を動作させるようにすることも可能である。
図20は、図14に示した本発明に係る回転角検出装置の故障検出方法(実施例4に対応)を説明するためのフローチャートを示す図である。
本実施例4における回転角検出装置の故障検出方法は、回転体の回転中心軸と直交する平面上に、回転軸に対して所定の角度を有して配置された第1の磁電変換素子21X及び第2の磁電変換素子21Yとを備え、第1の磁電変換素子の出力と第2の磁電変換素子の出力に基づき回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置の故障検出方法である。
まず、第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部の出力と、第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部の出力とに基づき、回転体の回転角度に関する情報を算出する(ステップ11)。次に、第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部及び第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部を、スイッチング回路42により相互に切り替えて得られる第1の伝送部の出力と、第2の伝送部の出力とに基づき、回転体の回転角度に関する情報を算出する(ステップS12)。次に、ステップS11で得られる回転体の回転角度に関する情報と、ステップS12で得られる回転体の回転角度に関する情報とを比較して回転角検出装置の故障を検知する(ステップS13)。
図16は、本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例5(変換B)を説明するための構成ブロック図で、図中符号44は第2のXY切替回路を示している。なお、X軸積分器37Xと第2のXY切替回路44は、図5におけるX軸成分算出部24Xに相当し、Y軸積分器37Yと第2のXY切替回路44は、図5におけるY軸成分算出部24Yに相当している。したがって、回転角情報算出部24は、X軸積分器37XとY軸積分器37Yと第2のXY切替回路44と角度算出部25とから構成されている。また、図14と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本実施例5の回転角検出装置は、X軸積分器37Xからの信号を、φ1においてVX’信号として角度算出部25に接続し、φ2においてVY’信号として角度算出部25に接続するとともに、Y軸積分器37Yからの信号を、φ1においてVY’信号として角度算出部25に接続し、φ2においてVX’信号として角度算出部25に接続する第2のXY切替回路44を備えた点で、図14と構成を異にしている。
この場合、角度算出部25に入力される信号ベクトルは、チョッパ回路41X,41Y後の第1のXY切替回路42でXY切替をおこなった後、この第2のXY切替回路44で逆変換されるので、φ1においても、φ2においても故障が発生していない場合、角度算出部25で算出される角度は同じとなる。
すなわち、VX’信号及びVY’信号は、それぞれφ1において、
VX’(φ1)=4・G・Vhx ・・・(64)
VY’(φ1)=4・G・Vhy ・・・(65)
となり、φ2において
VX’(φ2)=4・G・Vhx ・・・(66)
VY’(φ2)=4・G・Vhy ・・・(67)
となるので、角度算出部25が算出するφ1における角度θ(φ1)と、φ2における角度θ(φ2)は、それぞれ
θ(φ1)=Atan(VY’(φ1)/VX’(φ1)) ・・・(68)
θ(φ2)=Atan(VY’(φ2)/VX’(φ2)) ・・・(69)
と算出され、G=Gとすると、
θ(φ1)=θ(φ2)
となる。つまり、角度は0°の角度差を持つことになる。
故障診断部27は、実施例2と同様に一定の閾値θth>0°を利用して
|θ(φ2)−θ(φ1)|<0°+θth ・・・(70)
|θ(φ2)−θ(φ1)|>0°−θth ・・・(71)
かどうかを診断する。
なお、実施例4,5において、XY切り替えをしていない時間(φ1)と、XY切り替えをしている時間(φ2)を合わせたものを、XY切替回路の切り替え周期とすると、この切り替え周期の半周期に相当するφ1である時間、又はφ2である時間は、ホール素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍であることが望ましい。このように構成することで、スピニングカレント法によるオフセットキャンセルと同時に本発明の回転角検出装置の故障検出を行うシーケンスを容易に設計できる。
次に、以下の実施例6と実施例7では、故障診断部27がX軸成分やY軸成分を用いて故障診断する場合について説明する。
図17は、本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例6を説明するための構成ブロック図である。図中符号50XはX軸成分算出部、50YはY軸成分算出部、51XはX軸ΔΣ変調器、51YはY軸ΔΣ変調器、52XはX軸LPF(ローパスフィルタ)、52YはY軸LPF(ローパスフィルタ)を示している。図6と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
X軸成分算出部50Xは、X軸ΔΣ変調器51XとX軸LPF52Xとで構成され、Y軸成分算出部50Yは、Y軸ΔΣ変調器51YとY軸LPF52Yとで構成されている。X軸LPF52XとY軸LPF52Yは、X軸ΔΣ変調器51Xと、Y軸ΔΣ変調器51YによってΔΣ変調された信号を復調するもので、AD化されたX軸成分とY軸成分を算出する。
X軸LPF52XとY軸LPF52YによってAD化されたX軸成分とY軸成分は、角度算出部25と記憶部26へと出力される。角度算出部25においては、AD化されたX軸成分とY軸成分から角度を算出する。そして、故障診断部27は、記憶部26に記憶されたX軸成分とY軸成分から故障を診断する。
すなわち、X軸LPF52XとY軸LPF52YによってAD化されたX軸成分とY軸成分は、φ1において式(30)、式(31)、φ2において式(32)、式(33)と同様に表される。
そして、Vad_X(φ1),Vad_Y(φ1),Vad_X(φ2),Vad_Y(φ2)は、角度算出部25と記憶部26に出力される。そして、角度算出部25は、φ1において、角度θ(φ1)を、φ2においてθ(φ2)を算出する。θ(φ2)はθ(φ1)と式(21)で表される関係があるので、式(22)のように平均化して、回転角検出装置の角度出力とすればよい。
一方、故障診断部27は記憶部26に記憶されたVad_X(φ1),Vad_Y(φ1),Vad_X(φ2),Vad_Y(φ2)から故障を診断する。この時、φ1とφ2における信号ベクトルは、図3(a)の変換Aで表されるように、大きさが同じで向きが反対であるベクトルであることを利用する。
例えば、Vad_Y(φ1)とVad_Y(φ2)は、振幅は同じで符号が異なる量であるから、故障診断部27において、閾値ΔA(>0)を用いて
|Vad_Y(φ1)|−|Vad_Y(φ2)|<ΔA
であることと、符号の同異を確認することで故障が診断される。なお、閾値ΔAは、回転角検出装置のサンプリング周期と、検出対象の回転磁場の回転の変化に応じて適切に調節する。
例えば、Y軸LPF52Yの出力がVfaultに固定してしまって場合は、
Vad_Y(φ1)=Vfault
Vad_Y(φ2)=Vfault
であるので、符号が同じとなってしまうことで故障検出が可能である。
なお、本実施例においても、実施例1乃至3と同様に、符号反転周期の半周期は、ホール素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍であることが望ましい。
図18は、本発明に係る故障検出機能を有する回転角検出装置の実施例7(変換B)を説明するための構成ブロック図である。図14、図17と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。図17と異なるのは、図18は、第1の伝送部と第2の伝送部の構成を図14と同じにしたことである。従って、ホール素子から第1の伝送部と第2の伝送部の動作は、実施例4と同じである。また、回転角情報算出部24の動作は実施例6と同様である。
そして、X軸LPF52XとY軸LPF52YによってAD化されたX軸成分とY軸成分は、φ1、φ2において以下のように表される。
Vad_X(φ1)=4・G・Vhx
Vad_Y(φ1)=4・G・Vhy
Vad_X(φ2)=4・G・Vhy
Vad_Y(φ2)=4・G・Vhx
そして、Vad_X(φ1),Vad_Y(φ1),Vad_X(φ2),Vad_Y(φ2)は、角度算出部25と記憶部26に出力される。そして、角度算出部25は、φ1において、角度θ(φ1)を、φ2においてθ(φ2)を算出する。θ(φ2)はθ(φ1)と式(51)の関係で表すことができるので、式(52)のように平均化して、回転角検出装置の角度出力とすればよい。
一方、故障診断部27は、記憶部26に記憶されたVad_X(φ1),Vad_Y(φ1),Vad_X(φ2),Vad_Y(φ2)から故障を診断する。この時、φ1とφ2における信号ベクトルは、図3(b)の変換Bで表されるように、成分がXYで入れ替わっていることを利用する。
例えば、Vad_X(φ1)とVad_Y(φ2)は、第1の伝送部と第2の伝送部の切り替えによって同じベクトル成分が検出されている(ゲインの誤差はないものとする)。したがって、故障診断部27において、実施例6と同様に閾値ΔA(>0)を用いて
|Vad_X(φ1)|−|Vad_Y(φ2)|<ΔA
であることと、符号の同異を確認することで故障が診断される。
例えば、Y軸増幅器35Yの出力が正常でなく、経年変化によりVddと短絡した故障が発生したとすると、第2のチョッパ回路43Yによって
Vad_X(φ1)=4・Gx・Vhx
Vad_Y(φ2)=0
であるので、振幅がΔAよりも大きいことで第2の伝送部の故障検出が可能である。
第1の伝送部の故障も同様に、Vad_Y(φ1)とVad_X(φ2)から検出が可能である。
なお、本実施例においても、先の実施例4乃至5と同様に、XY切替回路の切り替え周期の半周期は、ホール素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍であることが望ましい。
以上、本発明により、X軸ホール素子とY軸ホール素子の出力信号の符号反転する符号反転部を有する伝送部を備えたことで、伝送部や後段の回転角情報算出部の故障を検出することができる。また、同様に、第1の伝送部と第2の伝送部を切り替えるためのスイッチング回路を備えたことで、伝送部や後段の回転角情報算出部の故障を検出することができる。
また、本発明によると、回転角検出装置を利用している状態での故障検出を行うことが可能となる。この本発明による効果は、特に、車載用途向けといった安全要求が厳しい用途で使用される回転角検出装置においては、非常に有益なものである。
また、本発明によると、回転角検出装置におけるアナログ回路、デジタル回路の双方の広い範囲に亘る故障を簡単な回路の追加で実現できる。
なお、本発明は、上述した各実施例に記載の回路構成に限られるものではない。例えば、図11では、AD変換器をX,Y両軸で別箇のものとして利用しているが、X,Y両軸で共通のAD変換器を利用した場合でも上述したデータレジスタにおける故障を判定できることは明らかである。
また例えば、図11のX,Y軸変調回路及びX,Y復調回路による符号反転は、AD変換器の前としたが、AD変換器の後段に、AD変換器の出力の符号を反転する符号反転部を備え、符号反転部の出力をXデータレジスタ、Yデータレジスタに入力する場合でも上述したデータレジスタにおける故障を判定できる。このような場合も本発明に含まれるものである。
また、以上の実施例において、ホール素子のスピニングカレント法による駆動は、PH0,PH90,PH270,PH180の4つの状態を駆動する手法としたが、2つの状態のみによる駆動法もある。つまり、PH0とPH90の組み合わせや、PH0とPH180の組み合わせによる駆動手法などである。このような駆動手法の場合も本発明の範囲に含まれる。
また、例えば、記憶部が記憶する回転角情報算出部の出力(回転角θ又は回転角θを算出するためのX軸成分とY軸成分)は、φ1又はφ2におけるどちらか一方の出力だけでも良い。例えば、記憶部がφ1における回転角情報算出部の出力を記憶した場合、故障診断部は、記憶部に記憶されたφ1における回転角情報算出部の出力と、記憶部に記憶されていないφ2における回転角情報算出部の出力とを利用して故障診断を行う。記憶部に記憶される回転角情報算出部の出力がφ2における出力だけの場合も同様である。つまり、本発明は、これまでに記載された実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれる。即ち、当業者であればなし得るであろう各種変形や修正を含むことは勿論である。
また、本発明の説明において磁気センサとしてホール素子を利用した回転角検出装置を実施例として説明したが、MR素子やMI素子などを利用した場合でも、磁場によって検出された信号ベクトルに対して、符号反転又はXY切り替えを行う構成があれば、ホール素子に限らず本発明が利用できる。
1 回転磁石
2 集積回路(シリコン基板)
3 ホール素子
4 磁気集束板
11X X軸ホール素子
11Y Y軸ホール素子
12 座標変換部
13X X軸増幅器
13Y Y軸増幅器
14 角度算出部
21X X軸ホール素子
21Y Y軸ホール素子
22X X符号反転部
22Y Y符号反転部
23X Xデータ伝送部
23Y Yデータ伝送部
24 回転角情報算出部
24X X軸成分算出部
24Y Y軸成分算出部
25 角度算出部
26 記憶部
27 故障診断部
31X,31Y 反転動作部
32X,32Y 検知タイミング信号受信部
33X,33Y 検知タイミング信号発生部
34X X軸変調回路
34Y Y軸変調回路
35X X軸増幅器
35Y Y軸増幅器
36X X軸復調回路
36Y Y軸復調回路
37X X軸積分器
37Y Y軸積分器
38X X軸AD変換器
38Y Y軸AD変換器
39X Xデータレジスタ
39Y Yデータレジスタ
41X,41Y 第1のチョッパ回路
42 第1のXY切替回路
43X,43Y 第2のチョッパ回路
44 第2のXY切替回路
51X X軸ΔΣ変調器
51Y Y軸ΔΣ変調器
52X X軸LPF
52Y Y軸LPF

Claims (18)

  1. 回転体の回転中心軸と直交する平面上に、前記回転軸に対して所定の角度を有して配置された第1の磁電変換素子及び第2の磁電変換素子とを備え、前記第1の磁電変換素子の出力と前記第2の磁電変換素子の出力に基づいて前記回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置において、
    前記第1の磁電変換素子に接続され、前記第1の磁電変換素子の出力を反転させるための符号反転部を有する第1の伝送部と、
    前記第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部と、
    前記第1の伝送部と前記第2の伝送部の出力に基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する回転角情報算出部と、
    所定の時刻における前記回転角情報算出部の出力を記憶する記憶部と、
    該記憶部に記憶される前記所定の時刻における前記回転角情報算出部の出力に基づく情報と、前記所定の時刻とは異なる時刻における前記回転角情報算出部の出力に基づく情報との比較により、前記回転角検出装置の故障を検知する故障診断部と
    を備えていることを特徴とする回転角検出装置。
  2. 前記第1の伝送部が、前記符号反転部を動作させる反転動作部を備え、該反転動作部が、故障検知を行うタイミングに関する信号を受信する検知タイミング信号受信部を備え、前記反転動作部が、前記検知タイミング信号受信部の出力に基づいて前記符号反転部を動作させることを特徴とする請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 前記符号反転部の反転動作周期の半周期が、前記磁電変換素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転角検出装置。
  4. 回転体の回転中心軸と直交する平面上に、前記回転軸に対して所定の角度を有して配置された第1の磁電変換素子及び第2の磁電変換素子とを備え、前記第1の磁電変換素子の出力と前記第2の磁電変換素子の出力に基づき前記回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置において、
    前記第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部と、
    前記第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部と、
    前記第1の伝送部及び第2の伝送部を相互に切り替えるためのスイッチング回路と、
    前記第1の伝送部と前記第2の伝送部の出力に基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する回転角情報算出部と、
    所定の時刻における前記回転角情報算出部の出力を記憶する記憶部と、
    該記憶部に記憶される前記所定の時刻における前記回転角情報算出部の出力に基づく情報と、前記所定の時刻とは異なる時刻における前記回転角情報算出部の出力に基づく情報との比較により、前記回転角検出装置の故障を検知する故障診断部と
    を備えていることを特徴とする回転角検出装置。
  5. 前記第1及び第2の伝送部が、前記スイッチング回路を動作させるスイッチング動作部を備え、該スイッチング動作部が、故障検知を行うタイミングに関する信号を受信する検知タイミング信号受信部を備え、前記スイッチング動作部が、前記検知タイミング信号受信部の出力に基づいて前記スイッチング回路を動作させることを特徴とする請求項4に記載の回転角検出装置。
  6. 前記スイッチング回路の切り替え周期の半周期が、前記磁電変換素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍であることを特徴とする請求項4又は5に記載の回転角検出装置。
  7. 前記第1の伝送部が、前記第1の磁電変換素子の出力信号を変調するX軸変調回路と、該X軸変調回路からの信号を復調するX軸復調回路とを備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の回転角検出装置。
  8. 前記回転角情報算出部は、前記第1の伝送部の出力を積分する積分器を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の回転角検出装置。
  9. 前記回転角情報算出部は、前記第1の伝送部の出力をAD変換するAD変換器と、該AD変換器の出力を保持するレジスタとを備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の回転角検出装置。
  10. 回転体の回転中心軸と直交する平面上に、前記回転軸に対して所定の角度を有して配置された第1の磁電変換素子及び第2の磁電変換素子とを備え、前記第1の磁電変換素子の出力と前記第2の磁電変換素子の出力に基づいて前記回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置の故障検出方法において、
    前記第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部の出力と、前記第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部の出力とに基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する第1のステップと、
    前記第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部の符号反転部により、前記第1の磁電変換素子の出力を反転させて得られる第1の伝送部の出力と、前記第2の伝送部の出力とに基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する第2のステップと、
    前記第1のステップで得られる前記回転体の回転角度に関する情報と、前記第2のステップで得られる前記回転体の回転角度に関する情報とを比較して前記回転角検出装置の故障を検知する第3のステップと
    を有していることを特徴とする回転角検出装置の故障検出方法。
  11. 前記第2のステップが、反転動作部により前記符号反転部を動作させるステップと、前記反転動作部が、検知タイミング信号受信部により故障検知を行うタイミングに関する信号を受信するステップとを有し、前記反転動作部が、前記検知タイミング信号受信部の出力に基づいて前記符号反転部を動作させることを特徴とする請求項10に記載の回転角検出装置の故障検出方法。
  12. 前記第2のステップが、前記符号反転部による前記第1の磁電変換素子の出力の反転動作周期の半周期が前記磁電変換素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍となるように反転させるステップを含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の回転角検出装置の故障検出方法。
  13. 前記第1のステップ及び前記第2のステップが、X軸変調回路により前記第1の磁電変換素子の出力信号を変調するステップと、X軸復調回路により前記X軸変調回路からの信号を復調するステップとを有していることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の回転角検出装置の故障検出方法。
  14. 前記第1のステップ及び前記第2のステップが、X軸積分器により前記X軸復調回路の出力を積分するステップを有していることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の回転角検出装置の故障検出方法。
  15. 前記第1のステップ及び前記第2のステップが、前記復調するステップの後段に、X軸AD変換器により前記X軸復調回路の出力をAD変換するステップと、Xデータレジスタにより前記X軸AD変換器の出力を保持するステップとを有していることを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載の回転角検出装置の故障検出方法。
  16. 回転体の回転中心軸と直交する平面上に、前記回転軸に対して所定の角度を有して配置された第1の磁電変換素子及び第2の磁電変換素子とを備え、前記第1の磁電変換素子の出力と前記第2の磁電変換素子の出力に基づき前記回転体の回転角に関する情報を算出するように構成された回転角検出装置の故障検出方法において、
    前記第1の磁電変換素子に接続された第1の伝送部の出力と、前記第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部の出力とに基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する第1のステップと、
    前記第1の磁電変換素子に接続された前記第1の伝送部及び前記第2の磁電変換素子に接続された第2の伝送部を、スイッチング回路により相互に切り替えて得られる第1の伝送部の出力と、前記第2の伝送部の出力とに基づき、前記回転体の回転角度に関する情報を算出する第2のステップと、
    前記第1のステップで得られる前記回転体の回転角度に関する情報と、前記第2のステップで得られる前記回転体の回転角度に関する情報とを比較して前記回転角検出装置の故障を検知する第3のステップと
    を有していることを特徴とする回転角検出装置の故障検出方法。
  17. 前記第2のステップが、スイッチング動作部により前記スイッチング回路を動作させるステップと、前記スイッチング動作部が、検知タイミング信号受信部により故障検知を行うタイミングに関する信号を受信するステップとを有し、前記スイッチング動作部が、前記検知タイミング信号受信部の出力に基づいて前記スイッチング回路を動作させることを特徴とする請求項16に記載の回転角検出装置の故障検出方法。
  18. 前記第2のステップが、前記スイッチング回路の切り替え周期の半周期が前記磁電変換素子のスピニングカレント法による駆動周期の整数倍となるように切り替えるステップを特徴とする請求項16又は17に記載の回転角検出装置の故障検出方法。
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