JP2014000742A - 記録システム及びその記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録前に簡単な構成で画像データに基いて最適な記録速度を決定し、高品位な画像記録を達成することである。
【解決手段】吐出するインク色の数に対応して複数のフルライン記録ヘッドを記録媒体の搬送方向に配置した記録装置と、記録に用いる画像データを生成する情報処理装置とを含む記録システムにおける記録方法では、次の工程を実行する。即ち、記録装置による記録に先立ち、情報処理装置により生成された画像データに基いて、記録媒体の各ページの複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数を計数する。次に、複数のフルライン記録ヘッドが配置される関係によって、計数された複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数に重み付けをして合算する。そして、合算された重み付け記録ドット数に基いて、複数のフルライン記録ヘッドによる記録速度を決定し、その決定された記録速度に従って記録を行う。
【選択図】 図7
【解決手段】吐出するインク色の数に対応して複数のフルライン記録ヘッドを記録媒体の搬送方向に配置した記録装置と、記録に用いる画像データを生成する情報処理装置とを含む記録システムにおける記録方法では、次の工程を実行する。即ち、記録装置による記録に先立ち、情報処理装置により生成された画像データに基いて、記録媒体の各ページの複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数を計数する。次に、複数のフルライン記録ヘッドが配置される関係によって、計数された複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数に重み付けをして合算する。そして、合算された重み付け記録ドット数に基いて、複数のフルライン記録ヘッドによる記録速度を決定し、その決定された記録速度に従って記録を行う。
【選択図】 図7
Description
本発明は記録システム及びその記録方法に関し、特に、フルライン記録ヘッドを搭載した記録装置とそれに接続する情報処理装置とを記録システムやそのシステムで用いられる記録方法に関する。
近年、インクジェット記録装置の高画質化は著しいものがある。これを実現している要素としては記録ヘッドが備えるノズルの微細化が挙げられる。ノズルのサイズがより小さくなることにより、吐出するインク滴のサイズが極小化し、結果として画像を構成するドット径が微細になる。これにより、高品位な画像が生成される。
しかしながら、記録ヘッドの各ノズルに対応する記録素子に電気熱変換体(ヒータ)を用いる構成において、ノズルの微細化は記録ヘッド全体で発生する熱量の増大に繋がる。これはノズルの微細化により、記録ヘッド1つが備えるノズル数が増大したことと、ノズルの密度が増大したためである。
ヘッドの発熱量増加は最終的にはヘッドの破損に繋がるため、ヘッドが一定以上の温度にならないよう様々な対策が取られてきた。
最も単純な対策方法として、記録ヘッド温度が一定以上になると記録動作を停止し、記録可能な温度になると記録を再開するという方法がある。しかし、この方法では特に、フルライン記録ヘッドを備える記録装置において画像を連続的に記録する場合、次のような2つの問題が発生する。
(1)例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々吐出する4つのフルライン記録ヘッドを記録媒体の搬送方向にを配置し、フルカラー画像を記録する記録装置のバックフィードに係る問題である。即ち、連続的に画像を記録中に、その記録動作を停止し、その後、再開する場合、記録媒体を一定距離巻き戻す、即ち、バックフィードを行う必要ある。この際、バックフィード距離にずれが生じると記録動作の停止前後の画像境界に継ぎ目が発生し、画像品質の低下が発生してしまう。また、バックフィード距離の精度を一定以内にするための新たな機構や高精度な部品が必要となり、装置のコストが増大する。
(2)記録動作を一時的に停止してしまうことで、記録再開時に余分な予備動作、例えば、記録ヘッドのキャッピングやヘッドの昇降などが発し、低速であっても記録を停止しないで継続した場合に比べ、スループットが低下してしまう場合がある。
また別の対策方法として、記録ヘッドに温度センサを配置し、記録動作中は常にその温度を監視することでリアルタイムに記録速度を制御する方法がある。しかし、この方法では記録処理と温度監視を同時に行う必要があるので、記録装置の処理負荷が増大する。そのため、この方法を実現するには記録装置の演算装置の性能を向上させる必要があり、やはり装置のコストが増大する。
以上のような問題を回避するため、これまでにも幾つかの方法が提案されている。
例えば、特許文献1は、フルライン記録ヘッドを備える記録装置が、その記録ヘッドの最大記録可能幅よりも狭い幅の記録用紙に画像形成する場合の記録制御方法を提案している。即ち、その記録装置にフルライン記録ヘッドの温度を測定する温度センサを備え、ヘッド温度が停止基準温度以上であるか否かを判定し、その温度が停止基準温度以上である場合、記録用紙に記録を行うのに使用するノズル群を変更して、記録するよう制御する。
また、特許文献2は、ある記録以前に所定時間内の記録ドット数を計数し、その結果と予め定める記録速度制限ドット数とを比較して記録速度を設定する方法を提案している。この方法によれば、物理的に新たな機構を備える必要がないので、一見装置コストを抑えつつ高画質・効率的な記録が実現できると考えられる。
しかしながら、特許文献1に開示の方法ではフルライン記録ヘッドを用いる構成であるにも関わらず、ヘッド位置を移動させる機構が必要であるため、装置のコストが増大するという問題がある。また、特許文献2に開示の方法は、ヘッド温度上昇を予測して記録速度設定を行うものであるにも関わらず、その設定に記録ドット数しか考慮しないため、正確な予測が不可能であるという問題がある。
さて、記録ヘッドの温度上昇の対策として、最も重要なのは単位時間当たりのインク吐出液滴数を最適化し、記録ヘッドが使用可能な上限に近い温度で記録を終了させるよう制御する。そうすることにより、記録動作の停止によるバックフィードの発生を抑えることができ、画質の低下や装置のコストの増大、スループットの低下を防ぐことができる。これを実現するには記録前に記録ヘッドの温度上昇を予測し、最適な記録速度を設定することが最も効果的であるが、従来の方法ではこれを正確に行うことはできなかった。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、記録前に簡単な構成で画像データに基いて最適な記録速度を決定し、高品位な画像記録を達成する記録システム、及びその記録方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の記録システムは次のような構成からなる。
即ち、記録媒体の搬送方向に、吐出するインク色の数に対応して複数のフルライン記録ヘッドを配置し、前記複数のフルライン記録ヘッドからインクを吐出して前記記録媒体に記録を行う記録装置と、前記記録装置を接続し、記録に用いる画像データを生成して前記記録装置に送信する情報処理装置とを含む記録システムであって、前記記録装置による記録に先立ち、前記情報処理装置により生成された画像データに基いて、記録媒体の各ページの前記複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数を計数する計数手段と、前記複数のフルライン記録ヘッドの配置される関係によって、前記計数手段により計数された前記複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数に重み付けをして合算する合算手段と、前記合算手段により合算された重み付け記録ドット数に基いて、前記複数のフルライン記録ヘッドによる記録速度を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された記録速度に従って記録を行う記録手段を有することを特徴とする。
また本発明を別の側面から見れば、記録媒体の搬送方向に、吐出するインク色の数に対応して複数のフルライン記録ヘッドを配置し、前記複数のフルライン記録ヘッドからインクを吐出して前記記録媒体に記録を行う記録装置と、前記記録装置を接続し、記録に用いる画像データを生成して前記記録装置に送信する情報処理装置とを含む記録システムにおける記録方法であって、前記記録装置による記録に先立ち、前記情報処理装置により生成された画像データに基いて、記録媒体の各ページの前記複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数を計数する計数工程と、前記複数のフルライン記録ヘッドの配置される関係によって、前記計数工程において計数された前記複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数に重み付けをして合算する合算工程と、前記合算工程において合算された重み付け記録ドット数に基いて、前記複数のフルライン記録ヘッドによる記録速度を決定する決定工程と、前記決定工程において決定された記録速度に従って記録を行う記録工程を有することを特徴とする記録方法を備える。
従って本発明によれば、記録前に簡単な構成で画像データに基いて最適な記録速度を設定することができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。さらに人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「記録要素」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
<記録システムの全体概要(図1〜図4)>
図1は、本発明の代表的な実施例である記録システムの構成概要を示すブロック図である。図1に示すように、記録システム300は、インクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置301とUSBケーブル340などによって接続されたパーソナルコンピュータ(PC)310とによって構成される。パーソナルコンピュータ(PC)310は以下の説明ではホスト或いは情報処理装置と呼ぶ。なお、PC310と記録装置301とのインタフェースとしてはUSBケーブルのみならず、他のネットワークケーブル、他の通信規格(例えば、IEEE1284、IEEE1394)等が用いられても良い。また、PC310は、画像データ生成後、これを記録装置301に送信し、記録装置301のステータス監視を行う。
図1は、本発明の代表的な実施例である記録システムの構成概要を示すブロック図である。図1に示すように、記録システム300は、インクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置301とUSBケーブル340などによって接続されたパーソナルコンピュータ(PC)310とによって構成される。パーソナルコンピュータ(PC)310は以下の説明ではホスト或いは情報処理装置と呼ぶ。なお、PC310と記録装置301とのインタフェースとしてはUSBケーブルのみならず、他のネットワークケーブル、他の通信規格(例えば、IEEE1284、IEEE1394)等が用いられても良い。また、PC310は、画像データ生成後、これを記録装置301に送信し、記録装置301のステータス監視を行う。
ホスト310には種々の情報を表示するディスプレイ320と、ホストに指示を与えるキーボードやポインティングデバイスからなる指示部330が接続される。また、ホスト310は種々のプログラムを実行するためのCPU311やこれらのプログラムやデータを格納するメモリ312が備えられる。メモリ312はROMやRAMなどの半導体メモリやハードディスクなどを含む。
インクジェット記録装置301はホスト310により制御される。従って、ホスト310にはインクジェット記録装置301を動作させ、記録制御するためのプリンタドライバ(一種の制御プログラム)や画像データを生成するアプリケーションがインストールされる。このプリンタドライバが記録時にはCPU311により実行されることで、ホストのディスプレイ320には記録動作に関連した種々のメニュー画面が表示される。また当然のことながら、ホストは印刷ジョブを生成し、印刷のための画像データを生成し、インクジェット記録装置301に対して画像データを印刷ジョブとして供給する。この際、ホスト310はプリンタドライバを使用して生成された画像データをインクジェット記録装置301が解釈可能な形式に変換し、これをインクジェット記録装置301に送信する。
一方、インクジェット記録装置301は、ホスト310からの画像データや制御信号に基づいて記録媒体に画像を記録する。
また、図1に示す構成ではホストとインクジェット記録装置とをUSBケーブルで接続する構成としたが、接続方法はこれにより限定されるものではない。例えば、LANケーブルや無線インタフェースにより接続することもできる。なお、ここに示す記録システムの全体構成はあくまで一例であり、例えば、情報処理装置310と記録装置301とがそれぞれ複数台ずつ設けられて、記録システムを構成していてもよいし、また、これ以外の装置が記録システムに接続されていても良い。
図2は図1に示す記録システムに含まれるインクジェット記録装置(以下、記録装置という)の構成の概要を示す内部側面図である。
記録装置301はイエロ(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、及びブラック(K)インクを夫々吐出する4つのフルライン記録ヘッド(以下、記録ヘッド)305を備える。さらに、記録装置301はホスト310より送られてきた各色毎の画像データを一時的に格納するプリントバッファメモリ(以下、VRAM)を備え、VRAMに画像データのビットマップ展開が終了した時点で次のような記録動作を行う。即ち、ロールホルダ302と搬送部303を動作させ、ロール状の連続紙である記録用紙304を走行させ、VRAMの内容に従って、YMCKの各インクを吐出して記録を行なう。
なお、記録装置のVRAMは、記録用紙の搬送方向に対して、所定の長さの画像を記録するために十分な画像データを格納する容量を備えている。その容量とは、例えば、記録ヘッド305の記録幅が210mmであるとした場合に、搬送方向に297mm分の(即ち、A4サイズ)画像データをビットマップ展開するのに必要な容量である。従って、VRAMはいわば、ページメモリ或いはフレームメモリであるとも言える。
4つの記録ヘッドそれぞれには記録用紙の幅方向にインクを吐出する複数の記録素子が備えられる。また、複数の記録素子それぞれは、インクを吐出するノズルと、そのノズル内のインクに吐出エネルギーとして熱エネルギーを付与する電気熱変換素子(ヒータ)とを含む。
また、記録装置301は、ホスト310より用紙の種類、インクの種類、画像データサイズなど各種設定データを受信する。
図3は図2に示す記録装置の記録用紙フィード動作を模式的に示した斜視図である。
図3によれば、ロールホルダ302から搬送部303へ記録用紙304を挿入し、搬送部303の搬送力によって画像を記録する方向(図3の矢印方向)に記録用紙304を搬送する。この動作をフィード動作という。
VRAMへの画像データの展開が終了すると、フィード動作と同期させて記録ヘッド305を駆動することでVRAMに展開された画像データに基づいて記録用紙304に記録を行なう。
なお、図1〜図3では記録媒体がロール状の記録用紙であるとしたが、記録媒体としてカット紙を用いても良い。ロール状の記録用紙を用いる場合は、搬送方向に所定の長さの記録を1ページとするが、カット紙であれば文字通りの用紙長を1ページとしてカウントできる。
図4は記録媒体の搬送方向と4つの記録ヘッドの配置関係を示す図である。
図4に示すように、記録装置301では4つの記録ヘッド305を記録媒体である記録用紙304の搬送方向に沿って、互いに隣接して取り付けている。そして、その搬送方向に関し、上流側から下流側に、ブラック(K)インク、イエロ(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インクを夫々吐出する4つの記録ヘッドを配置している。
図5は図1に示したPC310の内部構成を示すブロック図である。
PC310はオペレーティングシステムの制御下において、画像データを生成するアプリケーション(プログラム)や記録制御プログラム(プリンタドライバ)等を実行する。この実施例ではオペレーティングシステムとして「Windows(登録商標)」を用いる。
PC310において、PC310の各種制御を行うCPU311とプログラムの作業領域及び一時記憶領域として用いられるRAM312bとブートプログラム等を格納するROM312aとはシステムバス360を介して相互に接続される。ディスプレイ320はビデオインタフェース321を介して、キーボード334はキーボードインタフェース331を介してシステムバス360に接続される。
ポインティングデバイス332は、ポインティングデバイスインタフェース333を介してシステムバス360に接続される。オペレーティングシステムや各種プログラムが格納されている大容量外部記憶装置であるハードディスク350は、ハードディスクインタフェース351を介してシステムバス360に接続される。また、システムバス360はプリンタインタフェース341を介して図1の例ではUSBケーブル340により記録装置301に接続される。
PC310において、記録装置301を制御する場合は、ハードディスク350に格納されているプログラムがRAM312bにロードされてCPU311により実行される。なお、ROM312aとRAM312bをまとめてメモリ312として言及する。
図6は図1に示した記録装置301の制御構成を示すブロック図である。なお、図6にはPC310を併せて図示されている。
CPU210は記録装置301の全体動作を制御し、バスを介してメモリコントローラ212、インタフェースコントローラ213、ROM214、RAM215、EEPROM216、記録ヘッド制御回路219、I/Oポート221と接続される。
メモリコントローラ212は、記録データを格納するVRAM211に接続され、CPU210の制御下でVRAM211への記録データの書き込みを行うとともに、同期化回路217からの出力信号に同期してVRAM211からの読み出しを行う。同期化回路217は、媒体搬送装置218での記録媒体の搬送状態に同期してメモリコントローラ212への信号を生成する。
インタフェースコントローラ213は、CPU210の制御下で、PC310と通信インタフェースを介してUSBケーブルによりデータ通信を行う。
ROM214は記録装置301の動作を実現するためのコンピュータプログラムを格納し、RAM215は、CPU210により利用される作業領域やデータの一時記憶領域として用いられる。EEPRPM216は、例えば、ユーザ設定データなどを格納するために利用される。
記録ヘッド制御回路219は、CPU210の制御下で、メモリコントローラ212からの記録データを受信し、4つの記録ヘッド305に対して、それぞれの記録ヘッドが吐出するインクの色に対応した色成分の記録データを転送する。
I/Oポート221は、CPU210の制御下で、モータ駆動部222に制御信号を与えて、キャッピングモータ223やポンプモータ224のような外部の装置を制御する。キャッピングモータ223は、記録動作以外の時に記録ヘッド305にキャップをしてインクの乾燥を防ぐためのキャッピング機構(キャッピング手段)225を駆動する動力源である。この実施例でのキャッピングは、記録装置の全ての記録ヘッドに行われることを想定している。ポンプモータ224は記録ヘッドのノズル内のインクに圧力を掛けて記録ヘッドの回復動作等を行うポンプ226を駆動するための動力源である。キャッピングモータ223、キャッピング機構225、ポンプモータ224、ポンプ226も記録ヘッドの数だけ(この例では4つ)設けられる。
図7は記録に最適速度を設定する処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS41では、記録に用いる画像データの生成時に記録媒体各ページのKCMY各色インク毎のインク液滴の吐出数(記録ドット数)を計数する。この時、必要な処理時間や消費メモリ量と結果の正確性を考慮し、一定のサンプリング間隔毎、例えば、40ノズル毎にインク液滴の吐出数が最大となるノズルを選択し、そのノズルからのインク液滴の吐出数の累計を記録媒体1ページ分の吐出数としても良い。
次に、ステップS42では、記録ヘッドの配置関係からステップS41において計数した各インク色毎のインク液滴の吐出数に対する重みづけ係数を決定する。
図8は記録ヘッド毎の重み付け係数を示すテーブルの例を示す図である。図8に示すように、予めテーブルを作成しておき、ステップS42ではその値を参照する方法をとっても良い。図8に示したテーブルは、ステップS42で使用する記録媒体1ページ分の吐出数に対する記録ヘッド毎の重み付けを表している。
図8によれば、ブラック(K)インク、イエロ(K)インクを吐出する記録ヘッドに比べ、シアン(C)インクとマゼンダ(M)インクを吐出する記録ヘッドの係数を大きくしている。記録時に発生する熱は外気との接触面積が多いほど発散される傾向にある。従って、図4に示すような記録ヘッドの配置ではブラックインクとイエロインクを吐出する記録ヘッドに挟まれているシアンインクとマゼンダインクとを吐出する記録ヘッドは外気との接触面積が小さいので熱が蓄積しやすい。
図9はKCMYインクを吐出する4つの記録ヘッドの温度変化を示す図である。この図は、予め定められた画像データに基いて4つの記録ヘッドを用いて画像を記録した場合における各記録ヘッドの温度の時間変化を示している。
図9に示すように、ブラックインクとイエロインクを吐出する記録ヘッドに比べ、シアンインクとマゼンダインクを吐出する記録ヘッドの方が記録時の温度上昇の程度が高くなる傾向がある。この傾向は、シアンインクとマゼンダインクを吐出する記録ヘッドに対する重み付けをに対するものよりも高く設定する必要があることを示唆している。
図10は特定の色成分データに重み付けを行って記録を行った場合のKCMYインクを吐出する4つの記録ヘッドの温度変化を示す図である。
図10で示す例では、シアン成分の画像データにより表現される濃度を図9で用いた対応する画像データに対して86%とし、図9に示した例の測定時と同じ条件で測定した温度変化を示している。図10に示すように、シアンインクを吐出する記録ヘッドの温度変化がブラックインクとイエロインクを吐出する記録ヘッドの温度変化と同じ程度になっているのが分かる。
このような計測事実から、この実施例では、4つの記録ヘッドの内、内側に配置されているシアンインクとイエロインクを吐出する記録ヘッドに対する重み付けを86%(0.86)の逆数を取り約1.2としている。
さらにステップS43では、各インク色毎のインク液滴の吐出数に重み付け係数を乗算し、その結果を合算し吐出係数を算出する。KCMY各色インク毎のインク液滴の吐出数をDK、DC、DM、DYとすれば、図8に示す値の例に従えば、DK×1+DC×1.2+DM×1.2+DY×1の値を最終吐出数として算出する。なお、後述するようにこの重み付け計算は、インク液滴の吐出数ではなく、インク液滴の吐出数から換算される記録密度であっても良い。
ステップS44では、最終吐出数に適した記録速度を選択する。
図11は記録密度と記録速度との関係を示す設定テーブルに示す図である。
ステップS44では、図11に示すようなテーブルを予め作成しておき、その値を参照して比較を行い記録速度を選択決定する方法をとっても良い。また、このとき装置内の温度を装置内に設けられた温度センサから取得し、基準温度からの差分を加味して記録速度を決定することが好ましい。これにより、設定内容の信頼性が向上する。
さて、図11に示すは記録密度とは、例えば、A4サイズの用紙全面にわたって単色インクによる記録がある状態を100%とする表現である。従って、記録装置301のように、KCMY4色のインクを吐出する4つの記録ヘッドがある場合、記録密度の値は最高で400%となる。このテーブルは記録ヘッドの温度上昇と記録速度の関係を測定した結果から作成する。
ここで、A4サイズの用紙全面にわたって単色インクによる記録がある状態(記録密度100%)を実現するのに必要なインク液滴数は記録解像度やインク1液滴当りの体積などから予め求めることができる。従って、ステップS43で算出された最終液滴数は記録密度に容易に換算することができる。
従って、ステップS43で算出された算出された最終液滴数を記録密度に換算し、さらに図11に示すテーブルを参照することで記録速度を決定することができる。
次に、ステップS45では、既定のページ分の処理が終了したかどうかを調べ、処理が未終了であれば、処理はステップS41に戻り、ステップS41〜S44の処理を一定ページ分繰り返す。これに対して、一定ページ分の処理が終了した場合には、処理はステップS46に進み、処理したページの中で最も遅い記録速度となった値を実際の記録速度に設定し、記録を開始する。
なお、この繰り返しのページ数は必要とする処理時間と結果の正確性を考慮し、任意に設定しても良い。例えば、記録開始の時間が多少遅くなっても信頼性の高い結果を必要とする場合は全ページを精査しても良く、またはファーストプリントを重視する場合は10ページ等ごく少ないページ数で判断を行っても良い。
図12は図7に示したフローチャートの処理に従って、図8及び図11に示すテーブルを参照して最終的な記録速度を設定した具体例を示す図である。
ケース1ではKCMY各色インク毎の記録密度が10、50、30、25%である。この記録密度に対し、KCMY各色インク毎に1.0、1.2、1.2、1.0の係数を掛けた記録密度の合計値は143%となる。この数値を図11に示すテーブルを参照して最適な記録速度として8インチ/秒を設定する。
一方、ケース2ではKCMY各色インク毎の記録密度が50、10、30、25%である。この記録密度に対し、KCMY各色インク毎に1.0、1.2、1.2、1.0の係数を掛けた記録密度の合計値は123%となる。この数値を図11に示すテーブルを参照して最適な記録速度として10インチ/秒を設定する。
このように4色の記録密度の合計値が同じでも、どの記録ヘッドの記録密度が高いかで異なる速度設定となる。
以上説明した記録に最適速度を設定する処理は、情報処理装置(ホスト或いはPC)側で実行しても良いし、記録装置側で実行しても良い。いずれで行うかは、記録システムの構成要素の処理実行性能や処理負荷バランスなどにより決定されるものである。なお、記録に最適速度を設定する処理を情報処理装置(ホスト或いはPC)側で実行する場合、設定された記録速度で記録する指示を通信インタフェースを介して記録装置に送信すると良い。
従って以上説明した実施例によれば、記録に先立って、複数の記録ヘッドの配置関係と記録に用いられる画像データに従って最適な記録速度を決定することができる。
なお、以上説明した実施例では、フルライン記録ヘッドを用いてフルカラー記録を行う記録装置を例として説明したが、本発明が適用可能な装置は、上記実施例によって限定されるものではない。つまり、記録動作によって記録ヘッドなどの記録を行う機構に温度上昇が生じるため、一定温度内に管理しなければならない全ての記録装置に及ぶ。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或は装置に供給し、そのシステム或は装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (9)
- 記録媒体の搬送方向に、吐出するインク色の数に対応して複数のフルライン記録ヘッドを配置し、前記複数のフルライン記録ヘッドからインクを吐出して前記記録媒体に記録を行う記録装置と、前記記録装置を接続し、記録に用いる画像データを生成して前記記録装置に送信する情報処理装置とを含む記録システムであって、
前記記録装置による記録に先立ち、前記情報処理装置により生成された画像データに基いて、記録媒体の各ページの前記複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数を計数する計数手段と、
前記複数のフルライン記録ヘッドの配置される関係によって、前記計数手段により計数された前記複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数に重み付けをして合算する合算手段と、
前記合算手段により合算された重み付け記録ドット数に基いて、前記複数のフルライン記録ヘッドによる記録速度を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された記録速度に従って記録を行う記録手段を有することを記録システム。 - 前記計数手段と、前記合算手段と、前記決定手段とは、前記情報処理装置に備えられることを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
- 前記計数手段と、前記合算手段と、前記決定手段とは、前記記録装置に備えられることを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
- 前記計数手段により計数される画像データは、既定のページ分であり、
前記決定手段は、記録媒体の各ページに関して決定された記録速度の内、最も遅い記録速度を記録に用いる記録速度として決定することを特徴とする請求項2又は3に記載の記録システム。 - 前記複数のフルライン記録ヘッドそれぞれには、複数の記録素子が前記記録媒体の搬送方向とは異なる方向に備えられ、
前記複数の記録素子それぞれは、インクを吐出するノズルと、該ノズル内のインクに吐出エネルギーとして熱エネルギーを付与する電気熱変換素子とを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録システム。 - 前記複数のフルライン記録ヘッドは、前記記録媒体の搬送方向の上流側から下流側に、ブラック(K)インク、イエロ(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インクを夫々吐出する4つ配置されることを特徴とする請求項5に記載の記録システム。
- 前記計数手段は、前記記録媒体の各ページの記録ドット数のすべて、或いは、予め定められたサンプリング間隔毎の記録ドット数を計数することを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
- 前記記録装置は、前記記録装置の装置内の温度を測定する温度センサを備え、
前記決定手段は、前記温度センサにより測定された温度に基いて、前記記録速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の記録システム。 - 記録媒体の搬送方向に、吐出するインク色の数に対応して複数のフルライン記録ヘッドを配置し、前記複数のフルライン記録ヘッドからインクを吐出して前記記録媒体に記録を行う記録装置と、前記記録装置を接続し、記録に用いる画像データを生成して前記記録装置に送信する情報処理装置とを含む記録システムにおける記録方法であって、
前記記録装置による記録に先立ち、前記情報処理装置により生成された画像データに基いて、記録媒体の各ページの前記複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数を計数する計数工程と、
前記複数のフルライン記録ヘッドの配置される関係によって、前記計数工程において計数された前記複数のフルライン記録ヘッドごとの記録ドット数に重み付けをして合算する合算工程と、
前記合算工程において合算された重み付け記録ドット数に基いて、前記複数のフルライン記録ヘッドによる記録速度を決定する決定工程と、
前記決定工程において決定された記録速度に従って記録を行う記録工程を有することを記録方法。
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JP2012138179A JP2014000742A (ja) | 2012-06-19 | 2012-06-19 | 記録システム及びその記録方法 |
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WO2015159742A1 (ja) * | 2014-04-15 | 2015-10-22 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット記録装置及びノズル状態検出方法 |
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