JP2013536804A - 灌流組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
発明は、灌流組成物および移植用のドナーの臓器を保存するための方法に関する。発明は、灌流組成物を調製するための灌流原液、灌流原液組成物または灌流組成物を備えるキット、および灌流組成物を用いてドナーの臓器を灌流するための灌流装置にも関する。
何らかの先行技術の刊行物を本明細書中で参照する場合、そのような参照は、オーストラリアまたはいずれの他の国においても当該刊行物が当該技術分野の常識の一部を形成することの容認を構成するものではない。
第1の局面は、移植用のドナーの臓器を保存するための灌流原液組成物を提供し、灌流原液組成物は、
(a) 60〜100mMのNa+の源と、
(b) 10〜20mMのK+の源と、
(c) 5〜10mMのMg2+の源と、
(d) 0.25〜0.75mMのCa2+の源と、
(e) 10〜40mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(トリスまたはTHAM)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、またはN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)と、
(f) 10〜30mMのHCO3 -の源と、
(g) 1〜30mMのグルコースと、
(h) 1〜20U/Lのインスリンと、
(i) 1〜10mMのフルクトース二リン酸またはその塩と、
(j) 1〜40mMのアスパラギン酸塩またはグルタミン酸塩と、
(k) 1〜10mMのアデノシン、cAMP、またはcGMPと、
(l) 1〜10mMの還元グルタチオンと、
(m) 30〜100mMのラクトビオン酸塩またはマンニトールと、任意に
(n) 希釈液とを備える。
(a) 60〜100mMのNa+の源と、
(b) 10〜20mMのK+の源と、
(c) 5〜10mMのMg2+の源と、
(d) 0.25〜0.75mMのCa2+の源と、
(e) 10〜40mMのトリス、HEPES、MOPS、MEP、BES、またはTESと、
(f) 10〜30mMのHCO3 -の源と、
(g) 1〜30mMのグルコースと、
(h) 1〜40mMのアスパラギン酸塩またはグルタミン酸塩と、
(i) 1〜10mMのアデノシン、cAMP、またはcGMPと、
(j) 30〜100mMのラクトビオン酸塩またはマンニトールと、
(k) 1〜20U/Lのインスリンと、
(l) 1〜10mMのフルクトース二リン酸またはその塩と、
(m) 1〜10mMの還元グルタチオンと、任意に
(n) 希釈液とを備え、
任意に(a)〜(j)は(k)〜(m)および任意に(n)から分離され、使用の際、(a)〜(m)および任意に(n)を組合せて灌流組成物を調製し、灌流組成物は7.2〜7.4のpHおよび280〜380mOsm/Lの容量オスモル濃度を有する。
(a) 60〜100mMのNa+の源と、
(b) 10〜20mMのK+の源と、
(c) 5〜10mMのMg2+の源と、
(d) 0.25〜0.75mMのCa2+の源と、
(e) 10〜40mMのトリス、HEPES、MOPS、MEP、BES、またはTESと、
(f) 10〜30mMのHCO3 -の源と、
(g) 1〜30mMのグルコースと、
(h) 1〜20U/Lのインスリンと、
(i) 1〜10mMのフルクトース二リン酸またはその塩と、
(j) 1〜40mMのアスパラギン酸塩またはグルタミン酸塩と、
(k) 1〜10mMのアデノシン、cAMP、またはcGMPと、
(l) 1〜10mMの還元グルタチオンと、
(m) 30〜100mMのラクトビオン酸塩またはマンニトールと、
(n) 50〜100%飽和O2とを備え、
還流組成物は7.2〜7.4のpH、280〜380mOsm/Lの容量オスモル濃度を有する。
2.保存の間の、ドナー臓器、特にDCDドナーの心臓の好気性代謝の容易化、
3.標準的保存(標準的心臓保護および冷保管)と比較した、ドナー臓器、特にDCDドナーの心臓の優れた機能的および代謝的回復の提供、
4.移植に十分な、ドナー臓器、特にDCDドナーの心臓の回復の可能化、
5.移植の間および移植後の、損傷を受けたドナー臓器、特にDCDドナーの心臓の蘇生の促進、ならびに
6.臨床適用のための簡略さおよび実用性。
灌流保存
本発明は、エクスビボの臓器を通して灌流されると、細胞損傷および再灌流損傷を最小限にするのに必要な極めて重要な化学的平衡を持続する灌流組成物に関する。このように、発明は、移植用のドナーの臓器を保存する方法にも関する。この発明は、虚血の際の細胞中のカリウム/ナトリウムの平衡および有害なフリーラジカルの排除を説明する。この灌流組成物は心臓灌流組成物として例示されるが、組成物は、腎臓、肝臓、肺、および膵臓などの他の臓器を灌流するのに用いられてもよい。
現在、ほとんどすべてのドナーの心臓は限られた数の脳死ドナーから得られる。脳死の判断基準は1968年に導入され、今日世界中で受入れられている。脳死は、脳幹を含む脳全体の機能の不可逆的停止である。脳死の診断は臨床的に行なわれるが、コンピュータ断層撮影(CT)、脳血管造影法、および脳波記録法(EEG)などの他の検査が当該プロセスを補助することができる。
「虚血」は、需要に対する不十分な血液供給を意味する。これは、動脈脈管構造中の機械的障害物によって生じて、酸素および栄養分の供給の減少に繋がる血流の減少または中断によることがほとんどである。虚血の開始時には、酸化的リン酸化がATP生成の減少の発生を止める。虚血心筋は嫌気性糖分解を介してATPを産生し続けることができるが、このプロセスは非常に非効率的であり、(好気性条件における38モルのATPと比較して)グルコース1モル当たり2モルのATPを産することしかできない。減少するATPはナトリウム−カリウムポンプの不全をもたらし、その結果、細胞内のナトリウム過負荷および浮腫が生じる。ATP生成を妨げるミトコンドリア透過性遷移孔(MPTP)が開いている細胞内空間の中にカルシウムがどっと流れ込み、細胞膜を破壊する酵素を刺激し、心筋拘縮および不整脈を生じる。乳酸塩などの有害な代謝産物が蓄積する結果、組織のアシドーシスが起こる。これらの早期の変化は、血液および酸素の供給が迅速に再確立されれば可逆である。しかしながら、虚血が持続すれば、組織に対する不可逆的傷害が後で起こる。
心臓保護液は、冠動脈バイパスグラフティング、弁修復および置換を含む心臓手術の大部分の形態で用いられる。これらの溶液は、心停止を迅速に誘導し、心臓の温度を低下させて心筋エネルギ需要を低下させ、かつエネルギ貯蔵分を保存するように、ドナーの心臓調達にも用いられる(図2)。
DCDドナーでは、心停止は低酸素によって誘導されるが、発明者らは、心臓を冷却する、代謝基質を供給する、および再灌流傷害を低減する役割のある心臓保護を「抑制する酸性ミトコンドリア孔」を利用した。本明細書中に開示するような低体温晶質灌流は、標準的な心臓保護とは区別される2部式心臓保護を利用した。両方の部分は添加剤および改変を含む聖トマス病院No.2(表3)心臓保護に基づいており、これらは以下を含む。
発明の灌流組成物は、ドナーの心臓の灌流のための灌流液として最近開発されたが、腎臓、肺、肝臓、または膵臓を灌流するのに用いられてもよい。これは細胞外心臓保護液と同様であり、さまざまな添加剤を有する。灌流組成物は、12時間以上の間、移植用に成功裡に生存する状態に虚血心臓を保つ。他の実施形態では、灌流組成物は、ドナーの臓器を、その摘出後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36時間以上の間保存する。灌流組成物の調剤の要約は以下のとおりである。
・20〜26℃の間の生温かい温度および15〜40mmHgの間の低灌流圧、ならびに
・初期低酸素圧(約60−70mmHg)。
1つの実施例では、静脈内滴注型袋中で第1および第2の溶液を組合せることによって灌流溶液を作る。好ましくは、組合せの約24時間以内に灌流溶液を用いるべきである。次に、使用の直前に、第1および第2の溶液を含有する袋の中に3段階の手順で100%の酸素を気泡で供給して、溶液に確実に酸素添加がされるようにする。
伝統的に、移植用のドナーの心臓の保存を冷保管を用いて行なってきたが、これは標準的な脳死患者からの摘出の4時間後までの良好な保護を提供する。現在、ドナーの不足により、外科医は境界ドナーおよびDCDドナーとともに、移植前の虚血時間が長期である心臓をますます受入れるようになっている。
動物の準備
プロトコルは、科学的目的のための動物のケアおよび使用のためのオーストラリア実施規則2004年第7版(the Australian code of practice for the care and use of animals for scientific purposes 7th Edition 2004)に従ってAlfred Medical ResearchおよびEducation Precinct Animal Ethics Committeeによって承認された。
灌流群のための実験プロトコルを図11に要約する。
血液を集めた後、麻酔を深くし、モルヒネ(10mg)およびプロポフォール(200mg)の投与によって潜在的な呼吸努力を弱めた。その後、機械的な換気を停止した。換気の停止後に厳密に30分のスタンドオフ期間を適用し、その時間の間は何の保存方策も用いなかった。この持続時間は、Alfred Hospitalで行なったDCDドナー肺移植からの臨床経験に基づいて選んだ。心臓出力なしとAlfred HospitalでのヒトDCDドナー肺移植における冷保存の開始との間の平均時間は、抜管を集中治療室(ICU)で行なう場合は38.4分であり、抜管を手術室で行なう場合は12.7分であった。Alfred Hospitalでの移植ユニットの職員は、換気の停止から保存方策の実現までの30分が適切かつ現実的であると合意した。保存技術は何も用いなかったが、換気の停止の後に、RIG装置の動作のために大腿静脈から血液を集め(200mL)、血行動態障害を回避するために等しい容量のリンガー液を内頸静脈を通して注入した。スタンドオフ期間の間、心拍、心電図(ECG)、動脈圧、および中心静脈圧をモニタした。心停止は機械的換気の中止後6〜14分で起こった。次に温度プローブを心筋に挿入した。
30分のスタンドオフ期間後に、氷を用いた局所的冷却と組合せて、6分間にわたって2部式心臓保護を投与した。合計で1000mLの晶質心臓保護を4℃の温度で注入した。左心耳および下大静脈を通して心臓保護を抜いた。
・アデノシン(3mg/L)
・インスリン(100U/L)
・シクロスポリン(5mg/L)
・20%二酸化炭素による飽和によって溶液を酸性にした(7.2のpH)
第2の部分を「回復心臓保護」と呼んだ。500mLのAMPI心臓保護を一旦送達すると、500mLの回復心臓保護を3分間にわたって投与した。ベース溶液は100%の酸素で飽和された聖トマス病院No.2心臓保護であり、以下の添加剤を含んだ。
・重炭酸ナトリウム(10mM)
・カリポリド(3.79mg/L)
・第2のまたは回復心臓保護液のpHは4℃で7.8であった。
心筋温度は心臓保護後5−15℃の間であった。次に心臓を切除し計量した。肺静脈を結紮し、大動脈カニューレ(2分の1インチ径のPVC配管のカラーを有する8分の3インチ径のPVC配管(Lovell Surgical、メルボルン))を挿入した。次に、左心耳および肺動脈に4分の1インチ径のPVC配管をカニューレ挿入した。
これらの実験で用いた灌流組成物を表5に規定する。
4時間の保存期間後に、心臓を灌流装置から取り外し、温かい通常の塩水に浸漬することによって徐々に室温(23℃)に温めた。この40分間のシミュレーションされた移植期間が、植込の際にドナーの心臓が経験する温めを模倣した。
次に心臓をRIG装置に接続し(図6)、非作動モードで50分間血液で再灌流した。RIG装置は、ローラポンプ(COBE cardiovascular、アルヴァダ)、膜型人工肺(Capiox SX18, Terumo、メルボルン)、白血球フィルタ(LeukoGuard, Pall、シドニー)、および加熱冷却ユニット(Jostra、ニュージャージー)を内蔵する改変体外膜型人工肺(ECMO)回路である。非作動モードでは、冠動脈は大動脈基部を通して灌流され、抵抗に対抗して心臓が拍出する必要はない。作動モードでは、心臓は左心房を通して灌流され、後負荷に対して拍出しなければならない。
・グルコース(2g/1200mL)
・インスリン(50U/1200mL)
・アスパラギン酸塩(14mmol/1200mL)
・重炭酸ナトリウム(20mmol/1200mL)
再灌流傷害を最小限にしかつ機能的回復を最適化しようとして、制御された再灌流方策を用いた(表7)。まず、以下の条件下で心臓を再灌流した。
・20℃の血液温度
・20%酸素:空気の混合物で酸素添加した血液
・血液を酸性にし(pH7.30−7.35)、二酸化炭素の分圧を高くする(45−60mmHg)ための、約150mL/分の二酸化炭素の流れ
・保存期間から心臓の中に残留する心臓保護を確実に回路に加えないようにするために、第1の100−200mLの灌流液を廃棄した
5分の再灌流の後、大動脈基部圧を30mmHgに上げ、加熱冷却ユニット温度を30℃に上げ、酸素:空気比を50%に上げた。次に15分の再灌流で、大動脈基部圧を35mmHgに上げ、加熱冷却ユニットの温度を39℃に上げ、40mmHgの分圧を達成するために二酸化炭素の流れを調節した。最後に、20分の再灌流で、大動脈基部圧を60mmHgに上げた。
標準的保存群のための実験プロトコルを図11に要約する。標準保存データは部分的に我々の過去のデータから導出する。
心臓保護
30分のスタンドオフ期間の後、大動脈をクロスクランプし、12ゲージ静脈内カニューレを介して大動脈基部中に1000mLの心臓保護を注入した。この群で用いる心臓保護液は、Alfred Hospitalでヒトの心臓移植で用いる標準的なものであった。これは100%の酸素で飽和された聖トマス病院No.2心臓保護からなり、以下の添加剤を含んだ。
・重炭酸ナトリウム(10mM)
4℃で6分間にわたって心臓保護を投与し、流出分を破棄した。心臓は氷での局所冷却を受けた。
心臓保護後は心筋温度は5−15℃の間であった。次に心臓を切除し、計量した。肺静脈を外科的に結紮し、カニューレを大動脈に挿入し、心筋温度プローブを心筋内に位置決めした。その後心臓をアイスボックス中に置き、氷によって囲まれ冷塩水(4℃)を満たした防水袋内にしっかりと固定した。心筋温度は保存の早期段階で徐々に低下し、保管の大部分の間は1−4℃の間に留まった。合計で心臓を4時間冷保管した。
灌流群について血液再灌流を行なった。
以前に説明した実験群についての基準点を提供するため、正常心臓群を含んだ。この群ではDCDプロセスまたは保管期間はなかった(図11)。
動脈血を収集後、大動脈をクロスクランプし、大動脈基部を通して1000mLの冷たい(4℃)心臓保護を投与した。標準的なAlfred Hospital心臓保護をこの群で用いた(14mMのアスパラギン酸塩、10mMの重炭酸ナトリウムを含み、酸素で飽和された聖トマス病院No.2溶液)。氷を用いて局所冷却を達成した。心停止後に換気を停止した。心筋温度は、停止時5−15℃の間であった。RIG装置のために頸静脈および大腿静脈から血液を集めた(1000〜1500mL)。心臓を即時に切除し、計量した。肺静脈を外科的に閉じ、大動脈、左心房、および肺動脈カニューレを挿入した。
機能、代謝、および組織学の評価
心エコー(ACUSON Cypress cardiovascular system, Siemens Medical Solutions、モルヴァン、USA)を用いて基線心臓機能を評価した。心収縮期および心拡張期の両方で測定される左心室空洞の区域および乳頭筋の先端のレベルで二次元単軸画像を得た。これらの値を用いて左室面積変化率(FAC)を算出した(図12)。FACが25%未満の心臓は研究の対象外とした。FACのために用いた式は以下のとおりであった。
灌流の間の酸素消費について灌流群を評価した。灌流液および流出分中の酸素含有量を測定することによってこれを達成した。値を測定可能な範囲にするため、サンプルを希釈した。灌流液および流出分の両方の1mLのサンプルを各々、1mLの脱飽和灌流液(酸素含有せず)と混合した。次に、これらの2mLの希釈灌流液および希釈流出分のサンプルを37℃で血液ガス測定装置(Osmetech OPTI, Osmetech Critical Care、ロンドン)で分析した。これは、冠動脈の灌流液の流れと酸素消費との間の関係を調査するために低、中、高流で行なった。以下は、心臓の酸素消費を算出するのに用いた式である。
[O2]=灌流液または流出分の酸素含有量(mL O2/mL)、pO2=酸素の分圧(mmHg)、0.0289は37℃での酸素の可溶性の値である
2.MVO2=(CPF×([PO2]−[EO2]))/(心臓の重量/100)
MVO2=心筋酸素消費(mL O2/100g/分)、CPF=冠動脈の灌流液の流れ(mL/分)、[PO2]=灌流液の酸素含有量(mL O2/mL)、[EO2]=流出分の酸素含有量(mL O2/mL)、心臓の重量(g)
灌流の間の乳酸塩産生についても灌流された心臓をモニタした。灌流の開始時およびその後2時間毎に、乳酸塩測定のための流出分のサンプルを取得した。以下のように乳酸塩産生を算出した。
乳酸塩産生(mmol/分)、乳酸塩レベル(mmol/L)、CPF=冠動脈の灌流(L/分)
保存を通して等間隔に灌流圧を記録した。
心臓仕事率(ジュール/分)、CO=心臓出力(dL/分)、MAP=平均動脈圧(mmHg)、LAP=左心房内圧(mmHg)、0.0133はmmHg dLとジュールとの間の転換因子である。
[O2]=酸素含有量(mL O2/dL)、[Hb]=ヘモグロビン濃度(g/dL)、SaO2=酸素飽和(%)、PO2=酸素の分圧(mmHg)、1.34mLはヘモグロビンの各グラムが結合することができる酸素の量であり、0.003は血漿中に溶解される酸素についての定数である
2.O2消費=CBF×([AO2]−[VO2])
O2消費(mL O2/分)、CBF=冠動脈血流(dL/分)、[AO2]=動脈血の酸素含有量(mL O2/dL)、[VO2]=静脈血の酸素含有量(mL O2/dL)
3.心筋酸素効率=心臓仕事率/O2消費
心筋酸素効率(J/mL O2)、心臓仕事率(J/分)、O2消費(mL O2/分)
灌流技術群および標準的保存群において、実験の異なる段階での乳酸塩レベルを定めるために、RIG装置から血液サンプルを取った。血液灌流液中の基線乳酸塩レベルを定めるために、心臓をRIG装置に取付ける直前に血液サンプルを取った。次に、心臓をRIGに取付けた15分後のシミュレーションされた移植の後に、そして作動モードでの機能的評価の後にサンプルを得た。すべての乳酸塩分析は、Alfred Hospitalの臨床生化学部が行なった。
合計16匹の雄のグレーハウンド犬をこの研究のために用いた。心エコーでの劣った基線左室面積変化率(FAC)のために、1回の灌流実験を対象外とした。分析に含まれた犬の基線特徴は非常に類似していた。7回の標準的保存実験のうち、1回を最近行なった一方で、他の6回は、同一のプロトコルを施した、ユニットの以前のDCDドナーの心臓プロジェクトからの過去の対照であった。
低体温灌流保存の間、心臓死後臓器提供(DCD)ドナーの心臓は実質的な酸素消費を実証した。酸素消費および乳酸塩産生は灌流を通じて減少した。灌流圧は一般的に低いまま留まり、灌流の開始時と終了時との間で圧力の上昇はなかった。標準的保存群と比較して、灌流技術群は、心臓仕事率、心臓出力、左心室圧の最大変化率、心筋酸素効率、および乳酸塩代謝という観点で、有意に優れた回復を示した。灌流技術群は、心臓仕事率および心臓出力の観点で、正常心臓群の機能を達成しなかったが、左心室圧の最大変化率および心筋酸素効率では匹敵していた。
我々の灌流方法(2部式心臓保護および低体温灌流保存)は、
1.好気性代謝を容易にし、保存の間のDCDドナーの心臓の蘇生を促進し得、
2.標準的保存(標準的な心臓保護液よび冷保管)と比較して、DCDドナーの心臓の優れた機能的および代謝的回復を与え、
3.移植に十分なDCDドナーの心臓の回復を可能にし得、
4.単純かつ実践的であり、将来的な臨床適用のための潜在性を有する。
ドナーの心臓、特に死亡した心臓ドナーからのドナーの心臓、および他のドナーの臓器を灌流するために無菌水溶液を用い、無菌水溶液は、
(a) 60〜130mMの間のナトリウム、好ましくは110mMのナトリウムと、
(b) 10〜20mMの間のカリウム、好ましくは15mMのカリウムと、
(c) 5〜10mMの間のマグネシウム、好ましくは7.5mMのマグネシウムと、
(d) 0.2〜1.0mMの間のカルシウム、好ましくは0.5mMのカルシウムと、
(e) 10〜40mMの間のTRIS(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン塩酸塩)または同様のバッファ、好ましくは20mMのTRISと、
(f) 10〜30mMの間の重炭酸ナトリウム、好ましくは20mMの重炭酸ナトリウムと、
(g) 1〜40mMの間のアスパラギン酸塩、好ましくは20mMのアスパラギン酸塩と、
(h) 1〜30mMの間のグルコース、好ましくは14mMのグルコースと、
(i) 1〜20ユニット/Lの間のインスリン、好ましくは10ユニット/Lのレギュラーインスリンと、
(j) 1〜10mMの間のフルクトース二リン酸またはその塩、好ましくは3mMのフルクトース二リン酸と、
(k) 1〜20mMの間のアデノシン、cAMP、またはcGMP、好ましくは5mMのアデノシンと、
(l) 1〜10mMの間の還元グルタチオン、好ましくは3mMの還元グルタチオンと、
(m) 30〜100mMの間のラクトビオン酸ナトリウムまたはマンニトール、好ましくは70mMのラクトビオン酸ナトリウムとを備え、
溶液のpHは、摂氏22度で7.4に調節され、溶液は50−100%のO 2 を用いて酸素添加された。溶液の容量オスモル濃度は330mOsm/Lであった。
(a) 60〜130mMの間のナトリウム、好ましくは110mMのナトリウムと、
(b) 10〜20mMの間のカリウム、好ましくは15mMのカリウムと、
(c) 5〜10mMの間のマグネシウム、好ましくは7.5mMのマグネシウムと、
(d) 0.2〜1.0mMの間のカルシウム、好ましくは0.5mMのカルシウムと、
(e) 10〜40mMの間のTRIS(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン塩酸塩)または同様のバッファ、好ましくは20mMのTRISと、
(f) 10〜30mMの間の重炭酸ナトリウム、好ましくは20mMの重炭酸ナトリウムと、
(g) 1〜40mMの間のアスパラギン酸塩、好ましくは20mMのアスパラギン酸塩と、
(h) 1〜30mMの間のグルコース、好ましくは14mMのグルコースと、
(i) 1〜20mMの間のアデノシン、cAMP、またはcGMP、好ましくは5mMのアデノシンと、
(j) 30〜100mMの間のラクトビオン酸ナトリウムまたはマンニトール、好ましくは70mMのラクトビオン酸ナトリウムとを備える。
そして、キットの第2の部分は無菌溶液を含有し、無菌溶液は、
(k) 1〜20ユニット/Lの間のインスリン、好ましくは10ユニット/Lのレギュラーインスリンと、
(l) 1〜10mMの間の還元グルタチオン、好ましくは3mMの還元グルタチオンと、
(m) 1〜10mMの間のフルクトース二リン酸またはその塩、好ましくは3mMのフルクトース二リン酸とを備える。キットは0℃よりも低い温度で保管され、わずかに温められると、キットの2つの部分が組合されて、48時間まで以内に用いられる。
全般的に我々の新規の灌流溶液を説明した。これは粘度が非常に低く、ポンプまたは圧力ヘッドの必要なく、重力のみによって心尖の遠位血管を含む冠循環系全体を満たす。灌流溶液は冠動脈床を1回通って流れて破棄される。灌流流体は再循環されないので、灌流溶液の構成要素の濃度は時間とともに変化せず、その一部は毒性であるかもしれない、灌流溶液中に排出される心臓代謝の最終生成物および他の材質の蓄積は存在しない。灌流溶液の構成要素およびそれらの作用を表5に要約し、明細書でより詳細に論じる。
ドナーの心臓を得て後4−6時間以内に移植しなければならない、保存溶液中に沈められたドナーの心臓に対して、我々の溶液で灌流される心臓は、18時間までそれらの生存度を維持する。これは、ドナーの心臓についての一層の研究室での研究を行なう時間、好適なレシピエントを見出しかつ準備するより多くの時間、移植のための遠隔の場所へのドナーの心臓の輸送の時間などを含む多くの改良を可能にする。我々の灌流キットは単純で、小型で、かつ軽量である。血液は必要なく、また大きく、嵩張り、重く、かつ複雑な灌流機器でもない。
Claims (28)
- 移植用のドナーの臓器を保存するための灌流原液組成物であって、
(a) 60〜100mMのNa+の源と、
(b) 10〜20mMのK+の源と、
(c) 5〜10mMのMg2+の源と、
(d) 0.25〜0.75mMのCa2+の源と、
(e) 10〜40mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(トリスまたはTHAM)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、またはN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)と、
(f) 10〜30mMのHCO3 -の源と、
(g) 1〜30mMのグルコースと、
(h) 1〜20U/Lのインスリンと、
(i) 1〜10mMのフルクトース二リン酸またはその塩と、
(j) 1〜40mMのアスパラギン酸塩またはグルタミン酸塩と、
(k) 1〜10mMのアデノシン、cAMP、またはcGMPと、
(l) 1〜10mMの還元グルタチオンと、
(m) 30〜100mMのラクトビオン酸塩またはマンニトールと、任意に
(n) 希釈液とを備える、灌流原液組成物。 - Na+/H+交換輸送体阻害剤をさらに備える、請求項1に記載の灌流原液組成物。
- 抗生物質をさらに備える、請求項1または2に記載の灌流原液組成物。
- 灌流原液組成物は無菌である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の灌流原液組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の灌流原液組成物と希釈液とを備える灌流組成物であって、灌流組成物は7.2〜7.4のpHおよび280〜380mOsm/Lの容量オスモル濃度を有する、灌流組成物。
- 50〜100%の飽和O2をさらに備える、請求項5に記載の灌流組成物。
- 灌流原液組成物を備える、移植用のドナーの臓器を保存するための灌流組成物を調製するためのキットであって、灌流原液組成物は、
(a) 60〜100mMのNa+の源と、
(b) 10〜20mMのK+の源と、
(c) 5〜10mMのMg2+の源と、
(d) 0.25〜0.75mMのCa2+の源と、
(e) 10〜40mMのトリス、HEPES、MOPS、MEP、BES、またはTESと、
(f) 10〜30mMのHCO3 -の源と、
(g) 1〜30mMのグルコースと、
(h) 1〜40mMのアスパラギン酸塩またはグルタミン酸塩と、
(i) 1〜10mMのアデノシン、cAMP、またはcGMPと、
(j) 30〜100mMのラクトビオン酸塩またはマンニトールと、
(k) 1〜20U/Lのインスリンと、
(l) 1〜10mMのフルクトース二リン酸またはその塩と、
(m) 1〜10mMの還元グルタチオンと、任意に
(n) 希釈液とを備え、
任意に(a)〜(j)は、(k)〜(m)および任意に(n)から分離され、使用の際、(a)〜(m)および任意に(n)を組合せて灌流組成物を調製し、灌流組成物は7.2〜7.4のpHおよび280〜380mOsm/Lの容量オスモル濃度を有する、キット。 - 灌流原液組成物はNa+/H+交換輸送体阻害剤をさらに備える、請求項7に記載のキット。
- 灌流原液組成物は抗生物質をさらに備える、請求項7または8に記載のキット。
- 灌流原液組成物は無菌である、請求項7〜9のいずれか1項に記載のキット。
- 使用の際、灌流組成物は50〜100%の飽和O2をさらに備える、請求項7〜10のいずれか1項に記載のキット。
- キットは、第1の心臓保護原液溶液をさらに備え、第1の心臓保護原液溶液は、
(a) 聖トマス病院No.2溶液と、
(b) 14mMのアスパラギン酸塩と、
(c) 3mg/Lのアデノシンと、
(d) 100U/Lのインスリンと、
(e) 5mg/Lのシクロスポリンと、任意に
(f) 希釈液とを備え、さらにキットは、
第2の心臓保護原液溶液を備え、第2の心臓保護原液溶液は、
(g) 聖トマス病院No.2溶液と、
(h) 14mMのアスパラギン酸塩と、
(i) 10mMのHCO3 -の源と、
(j) 7.6mg/Lのカリポリドと、任意に
(k) 希釈液とを備える、請求項7〜11のいずれか1項に記載のキット。 - 第1の心臓保護原液溶液および希釈液を備える第1の心臓保護溶液と、
第2の心臓保護原液溶液および希釈液を備える第2の心臓保護溶液とを備える、請求項12に記載のキット。 - 使用の際、第1の心臓保護溶液は20%CO2で飽和され、第2の心臓保護溶液は100%O2で飽和される、請求項13に記載のキット。
- 移植用のドナーの臓器を保存する方法であって、灌流組成物を用いてドナーの臓器を4〜10℃で灌流するステップを備え、灌流組成物は、
(a) 60〜100mMのNa+の源と、
(b) 10〜20mMのK+の源と、
(c) 5〜10mMのMg2+の源と、
(d) 0.25〜0.75mMのCa2+の源と、
(e) 10〜40mMのトリス、HEPES、MOPS、MEP、BES、またはTESと、
(f) 10〜30mMのHCO3 -の源と、
(g) 1〜30mMのグルコースと、
(h) 1〜20U/Lのインスリンと、
(i) 1〜10mMのフルクトース二リン酸またはその塩と、
(j) 1〜40mMのアスパラギン酸塩またはグルタミン酸塩と、
(k) 1〜10mMのアデノシン、cAMP、またはcGMPと、
(l) 1〜10mMの還元グルタチオンと、
(m) 30〜100mMのラクトビオン酸塩またはマンニトールと、
(n) 50〜100%の飽和O2とを備え、
灌流組成物は、7.2〜7.4のpHおよび280〜380mOsm/Lの容量オスモル濃度を有する、方法。 - 大動脈基部における2〜10mmHgの圧力および/または2〜8mL/100g/分の流量でドナーの臓器を灌流組成物を用いて灌流するステップを備える、請求項15に記載の方法。
- 方法は、ドナーの臓器に、第1の心臓保護溶液であって、
第1の心臓保護溶液は、
(a) 聖トマス病院No.2溶液と、
(b) 14mMのアスパラギン酸塩と、
(c) 3mg/Lのアデノシンと、
(d) 100U/Lのインスリンと、
(e) 5mg/Lのシクロスポリンと、を備える第1の心臓保護溶液を投与し、その後に第2の心臓保護溶液であって、第2の心臓保護溶液は、
(f) 聖トマス病院No.2溶液と、
(g) 14mMのアスパラギン酸塩と、
(h) 10mMのHCO3 -の源と、
(i) 7.6mg/Lのカリポリドと、を備える第2の心臓保護溶液を投与するステップをさらに備え、、
両者とも灌流組成物でドナーの臓器を灌流する前に行なわれる、請求項15または16に記載の方法。 - ドナーの臓器は心臓死後臓器提供(DCD)臓器である、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
- DCD臓器はマーストリヒトカテゴリIIIまたはIVのDCD臓器である、請求項18に記載の方法。
- ドナーの臓器は心臓である、請求項15〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 心臓は、灌流組成物が心臓を通って重力によって流れる間、大動脈基部から懸架される、請求項20に記載の方法。
- 心臓は、内部温度が4〜10℃である筺体内の湿気のある環境中に懸架される、請求項21に記載の方法。
- 心臓はプラスチック袋内に位置決めされるため、灌流組成物は心臓を通って袋の中に流れて、袋に取付けられた廃棄物受けの中に集められる、請求項22に記載の方法。
- 調節可能な弁を介して心臓の大動脈基部に結合されるように適合される灌流組成物貯蔵部を内蔵する温度管理された筺体と、大動脈基部から心臓を懸架し、それにより灌流組成物が心臓を通って重力送りされて集められる手段とを備える、灌流装置。
- 圧力計は大動脈基部における圧力をモニタする、請求項24に記載の灌流装置。
- 温度計は筺体内の温度の視覚表示を与える、請求項24または25に記載の灌流装置。
- 心臓はプラスチックの袋内に入れられ、その袋の中に灌流溶液が流れ出てきて心臓が湿気のある環境中に確実に懸架されるようにする、請求項24〜26のいずれか1項に記載の灌流装置。
- 筺体は4〜10℃の間の温度に維持される、請求項24〜27のいずれか1項に記載の灌流装置。
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