JP2013531332A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、電線及びハウジング間を封止するシール部材に関する。
ケーブルのシール部材押さえの位置でハウジング周囲からハウジング内部を封止するために、例えばハウジング壁の電線通路にシール部材が用いられる。シール部材の外形は、ハウジング壁の貫通部の外形と相補的な形状に設定される。内部形状すなわち内径は、電線の外形に適合する。このため、このようなシール部材は、所与の径の電線のみに合うのが通例である。
ハウジングと、ケーブルのシール部材押さえの間の異なる径の電線とを封止できるようにするために、従来技術によれば、シール部材が個別に電線断面に適合すると共に所与のタイプの電線のみに合うか、シール部材の内部形状が、異なる径の通路開口を予め決める、半径方向に延びた異なる長さの層板を具備するかのいずれである。
従来技術の両解決手段は、完全に満足を与えることができるものではない。というのは、前者は、異なるタイプの電線用に複数の異なるシール部材を設けなければならず、複雑になるが故に高価になってしまう。他方、内周が異なる径の貫通孔を区画する複数の積層を有するシール部材は、より汎用に使用することができる。しかし、後者の解決手段は、シール部材は異なる径の電線上で十分には均等に封止できないという点で妥協しなければならない。
上述した従来技術の不都合に鑑み、本発明の目的は、複数の異なる電線径用に可能な限り一定の高度な封止を保証する、異なる断面の電線用のシール部材を提供することである。
この目的は、本発明に係る以下のシール部材で達成される。すなわち、このシール部材は、弾性的に拡張可能な内部スリーブを有する。内部スリーブは、シール部材の軸方向に沿って、電線用の通路開口を有する。通路開口は、電線用に内周に沿って延びる少なくとも1個の内部封止面を有する。シール部材は、内部スリーブを取り囲む外部スリーブを有する。外部スリーブは、シール部材の外周に沿って延びる少なくとも1個の外部封止面を有する。シール部材は、その半径方向に圧縮可能に設計され、外部スリーブの曲がり易さよりも大きな曲がり易さを有する少なくとも1個の補償部を具備する。
本解決手段は、内部スリーブ上のシール部材の内周の増加は少なくとも比例して補償され、この結果、半径方向において、内周の増加と比較して外部スリーブの外周の増加が小さいという利点を有する。このため、内部スリーブは、外部スリーブに過剰な圧力が作用することなく、シール部材の許容差内で拡張することができる。外部スリーブは、それ自体が弾性を有さなくてもよいか、又はその拡張を防止する非弾性通路内に少なくとも配置される。シール部材の内部拡張は、シール部材の外形に対して全く影響を与えないか、与えてもわずかである。
この結果、本発明によれば、電線がシール部材を貫通することができ、シール部材の外周は、通路開口内で電線が過剰に圧縮されることなく、シール部材に受容できる電線径に対して許容差範囲の上限を有する。このため、シール部材を通る電線を容易に引っ張ることができる。これはとりわけ今日的な意味がある。というのは、シール部材は、シール部材を通る軸方向の電線の移動をより困難にする高摩擦係数を有する弾性材料で主に製造されるからである。本発明は、例えば、シール部材を位置決めするために、殆ど同じ条件下で異なる電線径で、ハウジングのシールリセプタクル内の電線に押圧されたシール部材を変位させることが可能になる。
本発明に係る解決手段は、それぞれそれ自体が利点を有する以下の実施形態により補完され、要望通りに改良することができる。
よって、別の実施形態によれば、内部スリーブが少なくとも部分的に、外部スリーブに対して半径方向に移動可能に保持されることができる。このため、内部スリーブは、電線の外部形状に対して外部スリーブと同心円状に位置するよう適合できるのみならず、電線の位置に対して内部スリーブの位置をさらに方向付けることができる。
別の利点のある実施形態によれば、電線を軸方向に沿ってシール部材に可能な限り固定して保持するために、半径方向の補償部の曲がり易さが、軸方向の補償部の曲がり易さを超えるようにされる。このため、例えば、電線は、外部スリーブに対して内部スリーブが軸方向に変位することなく、貫通部を通って押圧することができる。
別の一実施形態によれば、補償部は、脆弱領域、及び内周や外周に沿って少なくとも部分的に延びる凹部の一方又は双方を有することで、簡単に設けることができる。脆弱領域において、補償部の弾性、圧縮性や曲がり易さは、内部スリーブや外部スリーブに対して増大する。このため、脆弱領域は、例えば内部スリーブや外部スリーブより柔軟な材料で形成される。例えば、シール部材に電線を挿入する際に変位するシール部材の材料は、周辺凹部へ移動可能である。
補償部を脆弱にすることは、内部スリーブ及び外部スリーブ間の補償部に少なくとも1個の切欠を形成することで、簡単に達成することができる。この切欠により、補償部の曲がり易さが増大する。
別の有利な一実施形態によれば、補償部は、外部スリーブ上に内部スリーブを少なくとも部分的に保持するか包囲するスポーク状に配列されたリブを具備することができる。このため、内部スリーブは、外部スリーブに対する内部スリーブの軸方向の変位を防止するように、外部スリーブに接続できる。また、内部スリーブ又は内部スリーブを形成するカラー、シールリングやばね脚が、貫通孔を通って電線を引く際に折り返されたり曲げられたりすることを防止する。
半径方向に沿ったリブの高度の曲がり易さは、リブが少なくとも部分的にシール部材の軸方向の中心線から始まる半径方向の線に対して斜めに延びることで、達成できる。
補償部の曲がり易さは、別の可能な一実施形態によれば、通路開口内の補償部が、封止面に対して少なくとも部分的に後退する内側凹部を有することで増大させることができる。このため、通路開口は、半径方向に少なくとも部分的に拡開される。
外周に沿った凹部は、例えば少なくとも1個の環状溝として構成される。環状溝内には、少なくとも1個の環状溝の周囲方向に沿って封止縁(sealing lip)が延びる。封止縁は、シール部材の外周を環状に取り囲むことができ、シール部材の外周及びハウジング間の特に良好な封止を確保する。
シール部材の緊密性及び所望の寸法安定性は、別の可能な一実施形態において、内部スリーブが周辺連結ウエブを介して外部スリーブに連結されることで達成できる。連結ウエブにもかかわらずシール部材の高度の曲がり易さや弾性を確保するために、連結ウエブが少なくとも1個の環状溝や内側凹部の高さでほぼ軸方向に配置される。
内部スリーブの高度な柔軟性及び可撓性は、別の一実施形態によれば、シール部材の軸方向断面が少なくとも部分的にシール部材の中心軸に対して斜めに延びるばね脚は、少なくとも1個の内部スリーブを半径方向に弾性的に保持することで達成可能である。
電線及び貫通孔間の接触領域におけるシール部材の緊密さは、内部スリーブが少なくとも1個の前側シールリング及び少なくとも1個の後側シールリングを具備することで改善可能である。これらのシールリングは、軸方向と平行に延びるシール部材の導入方向に沿って互いに離間する。別の可能な一実施形態によれば、少なくとも1個の後側シールリングの半径方向の可撓性が少なくとも1個の前側シールリングの半径方向の可撓性より大きい場合、電線の位置に対する内部スリーブの良好な順応性を達成することができる。
本発明は、添付図面を参照しながらいくつかの実施形態を用いた例示により、以下に詳細に説明される。これらの実施形態は、上述したように個別の特徴が互いに独立して実現し省略できる可能な構成を表わすに過ぎない。これらの実施形態の説明において、簡単のために、同じ特徴及び要素は同じ参照符号で示される。
まず、第一に、図1を参照して本発明に係るシール部材1が説明される。図1は、シール部材1と、例えばケーブルである電線2とを示す。電線2は、軸方向の中心線MLがシール部材1の軸方向の中心線MD上に位置した状態で配置される。電線2の自由端3は、シール部材1の通路開口4の導入方向Eに配置される。電線2の外径dLは、通路開口4の内径dIより大きく、且つシール部材1の外径dAより小さい。
通路開口4は、シール部材の軸方向Xと平行に延びると共に、シール部材1の内部スリーブ5の2個の弾性内部シールリング5a,5bにより少なくとも部分的に形成される。弾性内部シールリング5a,5bは、シール部材1の内周を形成する、シール部材1の内部封止面6a,6bを有する。
シール部材1の半径方向Y及びZにおいて、内部シールリング5aは、補償部7aに取り囲まれる。補償部7aは、シール部材1の内部スリーブ5、スポーク状リブ9及び外部スリーブ10間を軸方向Xに沿って延びる一連の切欠8aを具備する。本実施形態における外部スリーブ10は、2個の外部シールリング10a,10bを具備する。
シール部材1の外部封止面11aは、外部スリーブ10の外周11に形成される。さらに、シール部材1の外周11は、周囲凹部、すなわち環状溝12の形態で外周11に沿って延びる凹部を具備する。環状溝12には、互いに平行に延びる2個の周囲封止縁13が配置される。環状溝12及び封止縁13は、シール部材1の別の補償部7dを形成する。導入方向Eに沿った別の補償部7dの後ろ側に、シール部材1は別の外部封止面11bを有する。
さらに、シール部材1は、導入方向Eとは逆向きのカラー14を具備する。カラー14の周囲縁15は、シール部材1の最大外周を形成する。カラー14の軸方向の縁16は、導入方向Eとは逆向きである。漏斗状の入口外形17は、軸方向の縁16及び内部封止面6a間の通路開口4に向かって円錐状に延びると共に、導入方向Eに沿って電線2用の入口外形17として作用する。
図2は、導入方向Eとは逆向きに貫通孔4を通してシール部材1を見た別の斜視図である。この図において、内周6が別の内部シールリング5bに内部封止面6bを形成することが明確になる。別の内部シールリング5bの周りの半径方向には、別の補償部7bが配置される。別の補償部7bは、補償部7aと同様に、内部シールリング5b及び別の外部シールリング10bのスポーク状リブ9間の軸方向に形成された複数の切欠8bを有する。リブ9は、シール部材1の中心線MDから始まる半径方向Y,Zに対して斜めに延びる。換言すると、リブ9の各縦軸は、中心線MDの周りに延びる円に接して延びる。
図3は、仮組立状態Pの電線2、ハウジング100及びハウジング用のキャップ101の概略を示す斜視図である。この仮組立状態Pにおいて、キャップ101は、導入方向Eとは逆向きに電線2上に押圧される。シール部材1は、電線2上に押圧され、導入方向Eに沿ってキャップ101の前に配置される。電線2の自由端3は、ハウジング100のポート形状の電線ガイド102の前に導入方向Eに沿って配置される。ラッチ部材103は、電線ガイド102に対して外部に取り付けられる。ラッチ部材103は、キャップ101の相手ラッチ部材104と協働するよう設計される。ラッチ部材103はラッチ突起として設計され、相手ラッチ部材104はラッチタブとして設計される。ハウジング100は、プラグ・ソケットコネクタの周囲ハウジングであり、カバー105で閉鎖されるアクセス口(図3に図示せず)を側方に有する。
図4は、組立状態Mのシール部材1、電線2、ハウジング100及びキャップ101の概略を示す別の斜視図である。組立状態Mにおいて、シール部材1は、電線ガイド102により形成された、ハウジング100のインレット(図4に図示せず)内に挿入される。このため、電線2は、電線ガイド102を通ってハウジング100内に延びる。キャップ101は、導入方向Eに沿って電線ガイド102上に押圧され、電線ガイド102にラッチされる準備ができている。
図5は、最終組立状態Fのシール部材1、電線2、ハウジング100及びキャップ101の概略を示す別の斜視図である。最終組立状態Fにおいて、電線2は、シール部材1を通ってハウジング100内に案内される。キャップ101は、ハウジング100にラッチされ、シール部材1を覆い、カラー14上の所定位置にシール部材1を保持する。
図6は、別の組立状態M’のシール部材1、ハウジング100及びキャップ101を示す斜視図である。この組立状態M’において、シール部材1はハウジング100内に挿入され、キャップ101は図5と同様な方法でハウジング100にラッチされる。電線2用の円形通路106は、キャップ101に形成される。円形通路106は、シール部材1の通路開口4と同心円状に配置される。
図7は、キャップ101が配置され、シール部材1が挿入されたハウジング100の組立状態M’の別の斜視図である。カバー105の背後には、ハウジング100の内部室108を開放する組立開口107がある。ストレインリリーフ手段として設計された電線ホルダ109は、内部室108内に配置される。電線ホルダ109は、ねじの形態の固定手段の補助によりハウジングに固定可能なケーブルクランプ110と、横リブの形態の保持突起119が設けられた加圧領域112とを具備する。ケーブルクランプ110は、電線2の絶縁物に電線2を機械的に固定するための電線固定部110aと、電線2の編組に電気接触するための編組接触部110bとを有する。電線インレット113は、ハウジング100内に導入される際に、電線ホルダ109に電線2を案内するよう設計される。さらに、ハウジング100は、電線に取り付けることが可能な差込みコンタクト部材(図示せず)を受容するよう設計された差込み部114を有する。
図8は、内部に挿入されたシール部材が組立状態M’にある図6に示されたハウジング100を示す、図6のA−A線に沿った断面図である。シール部材1は、電線ガイド102に着座すると共に、ハウジング100の筒状の壁115により形成されたシールリセプタクル116に当接した状態で周囲に位置する。通路開口4は、シールリセプタクル116及び電線インレット113と同心円状に配置される。外部シールリング10a,10bは、各外部封止面11a,11bがシールリセプタクル116の壁115に当接した状態で配置される。
内部シールリング5a,5bは、シール部材1の断面に形成された各ばね脚18a,18bに半径方向Y,Zに移動可能に保持される。ばね脚18a,18bは、環状連結ウエブ19の領域で一つになる。導入方向Eに前側内部シールリング5aを支えるばね脚18aは、導入方向Eに前側内部シールリング5aから所定距離の位置の後側内部シールリング5bを支えるばね脚18bより短い。このため、半径方向Y,Zの沿った後側内部シールリング5bの可動量は、前側内部シールリング5aの可動量より大きい。内部シールリング5a,5bの間には、環状内側凹部20が内部シールリング5a,5b間すなわち内部封止面6a,6b間に形成されるように、ばね脚18a,18bが半径方向Y,Zに沿って円弧状に外方へ湾曲して延びる。内側凹部20のため、シールリング5a,5bは共に、ばね脚18a,18bが電線2に当接しないように、例えば回転して半径方向Y,Z外方へ移動すなわち拡開する。このため、内側凹部20は、別の補償部7cを形成する。
連結ウエブ19は、ばね脚18a,18bがある程度まで回転可能又は傾斜可能に実装される一種の回転支持点すなわちレバー節として作用する。換言すると、ばね脚18a,18bは、連結ウエブ19に実装さされた揺動部を形成する。この揺動部は、ばね脚18a,18bの半径方向の変位や斜め移動を可能にする。補償部7a,7bは、ばね脚18a,18b及び内部シールリング5a,5bの周りに位置して半径方向に沿って配置される。このため、ばね脚18a,18b及び内部シールリング5a,5bは、電線2が通路開口4を拡開する場合、内部シールリング5a,5b及び外部シールリング10a,10b間に配置された補償部7a,7b内へそれぞれ移動可能である。
連結ウエブ19は、シール部材1の外側凹部を形成する環状溝12の高さで導入方向Eすなわち軸方向Xに配置される。外側凹部は、少なくとも半径方向Y,Zに外部シールリング10a,10bよりも弾性を有する別の補償部7dを代表する。このため、連結ウエブ19を介して半径方向Y,Zに外方に消える力は、シール部材1の壁21を半径方向Y,Z外方に変形できる。この場合、壁115のかなりの追加の摩擦のため、ハウジング100、シール部材1及び電線2の組立を困難にすることなく、2個の半径方向縁13がリールリセプタクル110の壁115を押圧し、第一には外部周囲から、第二にはハウジング18の内部からの二重封止を確保するという利点がある。
また、シール部材1のカラー14の軸方向の縁16bは、導入方向Eに沿ったシールリセプタクル116の縁117上に位置する。キャップ101の通路106を形成するキャップ101の面118は、導入方向Eに沿ってカラー14の軸方向の縁16aの前に配置されるので、軸方向Xに沿ったシール部材1は、縁117及び面118の間のカラー14にほぼ移動しない状態で保持される。
さらに、図8には、ハウジング100の加圧領域112が、導入方向Eをほぼ横断する方向に延びる複数の横リブ119を具備することを見ることができる。固定手段111用のハウジング100上の相手固定手段120は、雌ねじとして設計される。
図9は、最終組立状態Eのシール部材1、電線2、ハウジング100及びキャップ101を示す。電線2は、通路106を貫通してハウジング100内に延びており、図8に示されるようにシールリセプタクル116内に挿入されるシール部材1の通路開口4を通って案内される。電線2は、自由端3の領域では、加圧領域112の横リブ109に対して半径方向Zとは逆向きにケーブルクランプ110により押圧される電線ホルダ109に固定される。電線2は、通路106及び内部シールリング5aとはほぼ同心円状に通路106の高さで軸方向Xに沿って延びる。
導入方向Eに沿った途上でハウジング100内へ、電線2は、押下するケーブルクランプ109により固定するので、半径方向Zとは逆に撓みを受ける。このため、電線2の軸方向の中心線MLは、シール部材1の軸方向の中心線MDに対して角度αで傾斜するか、半径方向Zと平行に変位する。この傾斜や変位は、内部シールリング5bがばね脚18b上に移動可能に懸架されていることにより補償することができる。というのは、内部シールリング5bは、外部シールリング10b上に到達することなく、補償部7bへ移動できるからである。シール部材1の非拡開状態でシールリセプタクル116の径dEは外部シールリング10a,10b上のシール部材1の径より実質的に大きいか等しいので、外部シールリング10a,10bは、おそらく拡開しないか、移動する空間が殆どない。
この発明の範囲内で上述した実施形態からの変形も可能である。このため、シール部材1及び電線2は、それらの中心線MD,MLに対して回転対象に設計される必要は必ずしもなく、各要求事項に対応して異なる断面を有してもよい。これに対応して、シール部材1の通路開口4も、電線2の対応する外輪郭に適合することができる。
任意の数の内部シールリング5a,5bが設けられ、内部スリーブ5に結合されてもよく、その各々は内部封止面6a,6bを形成してもよい。補償部7a〜7dは、内部スリーブ5の半径方向の可動性を確保し、ばね脚18a,18b及び連結ウエブ19を具備する補償領域7を共に形成するために、内部シールリング5a,5b及び外部シールリング10a,10b間に任意の方向で配置されてもよい。また、補償部7a〜7dは、内部スリーブ5の大きな曲がり易さを確保するために、複数の外部シールリング10a,10b又は内部シールリング5a,5bの間の内周又は外周に凹部の形態で配置されてもよい。
必須ではないが、本実施形態のようにシール部材1が一体で設計され、全体が弾性材料で形成されると、有利である。このため、例えば、外部スリーブ10が内部シールリング5a,5bより弾性の低い材料で形成されることも考えられる。内部スリーブ5及びそのばね脚18a,18bは、その内部封止面6a又は6bで電線2を取り囲む弾性可撓性を有するカラーをそれぞれ形成する。
補償部7a,7bのリブ9により内部スリーブ5を外部スリーブ10に連結することは必須ではないが、電線2が導入方向E内及びその方向Eとは逆に移動する場合、内部封止面6a,6bが電線2を囲みながら、それぞれ保持される内部シールリング5a又は5bと共にばね脚18a,18bにより形成されるシールカラーがひっくり返ることを防止するためには有利である。
シール部材1の外周に延びる環状溝12は必須ではないが、電線2により広げられた連結ウエブの材料を受容するためには有利である。この場合、半径方向の封止縁13は環状溝12内に配置されるのが有利であるので、連結ウエブ19が拡がる際に、封止縁13は、ハウジング100の壁115に対してきつく押圧される。
カラー14及び入口外形17は、ハウジング100上にシール部材1をロックすること及びシール部材1の通路開口4内への電線2の導入を容易にするために、各要求事項に対応して設計される。シールリセプタクル116は、シール部材1の外輪郭と相補的に設計されるのが有利である。
ハウジング100は、本実施形態にあるように、コネクタハウジングでなければならない訳ではなく、任意の電子機器のハウジングであってもよい。対応して、キャップ102も、シール部材1をロックするために任意の方法で設計されてもよく、このために必須という訳ではない。電線ガイド102は、例えばねじ付きのケーブル押さえであってもよい。
ラッチ手段103及び相手ラッチ部材104は、各要求事項に対応して設計されてもよい。また、カバー105、通路106、及びハウジング100の内部室108への組立開口107は、各要求事項に適合させてもよい。電線クランプ110、固定手段111、相手固定手段120及び加圧領域112は、電線2用の電線ホルダ109を形成するために、任意のやり方で設計されてもよい。
1 シール部材
2 電線
4 通路開口
5 内部スリーブ
5a 内部シールリング
5b 内部シールリング
6 内周
6a 内部封止面
6b 内部封止面
7a〜7d 補償部
8a 切欠(脆弱領域)
8b 切欠(脆弱領域)
9 リブ
10 外部スリーブ
11 外周
11a 外部封止面
11b 外部封止面
12 環状溝(凹部)
13 封止縁
18a ばね脚
18b ばね脚
19 連結ウエブ
20 環状内側凹部(凹部)
100 ハウジング
E 導入方向
MD 中心線
X 軸方向
Y 半径方向
Z 半径方向
2 電線
4 通路開口
5 内部スリーブ
5a 内部シールリング
5b 内部シールリング
6 内周
6a 内部封止面
6b 内部封止面
7a〜7d 補償部
8a 切欠(脆弱領域)
8b 切欠(脆弱領域)
9 リブ
10 外部スリーブ
11 外周
11a 外部封止面
11b 外部封止面
12 環状溝(凹部)
13 封止縁
18a ばね脚
18b ばね脚
19 連結ウエブ
20 環状内側凹部(凹部)
100 ハウジング
E 導入方向
MD 中心線
X 軸方向
Y 半径方向
Z 半径方向
Claims (12)
- 電線(2)及びハウジング(100)間を封止するシール部材において、
弾性的に拡張可能な内部スリーブ(5)と、該内部スリーブを取り囲む外部スリーブ(10)と、前記シール部材の半径方向(Y、Z)に圧縮可能に設計され、前記外部スリーブの曲がり易さよりも大きな曲がり易さを有する少なくとも1個の補償部(7a〜7d)とを具備し、
前記内部スリーブは、前記シール部材の軸方向(X)に沿って、前記電線用の通路開口(4)を有し、
前記通路開口は、前記電線用に内周(6)に沿って延びる少なくとも1個の内部封止面(6a,6b)を有し、
前記外部スリーブは、前記シール部材の外周(11)に沿って延びる少なくとも1個の外部封止面(11a,11b)を有し、
前記補償部は、前記内部スリーブ及び前記外部スリーブ間を前記電線の導入方向(E)に沿って前記内部スリーブ寄りに延びる切欠(8a)と、前記内部スリーブ及び前記外部スリーブ間を前記導入方向(E)とは逆向きに前記外部スリーブ寄りに延びる切欠(8b)とを具備し、
双方の前記切欠間に前記導入方向に沿って前記内部スリーブ寄りに延びて前記内部スリーブ及び前記外部スリーブを連結する連結ウエブ(19)が形成されると共に、前記双方の切欠により前記内部スリーブにばね脚(18a,18b)が形成されることを特徴とするシール部材。 - 前記内部スリーブの少なくとも一部が、前記外部スリーブに対して前記半径方向に移動可能に保持されていることを特徴とする請求項1記載のシール部材。
- 前記半径方向に沿った前記補償部の曲がり易さは、前記軸方向に沿った前記補償部の曲がり易さを超えることを特徴とする請求項1又は2記載のシール部材。
- 前記補償部は、外周に沿って少なくとも部分的に延びる凹部(12,20)を具備することを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項記載のシール部材。
- 前記補償部は、前記外部スリーブ上に前記内部スリーブを少なくとも部分的に保持する、スポーク状に配置されたリブ(9)を具備することを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載のシール部材。
- 前記リブの少なくとも一部は、前記シール部材の軸方向の中心線(MD)から始まる半径方向の線に対して斜めに延びることを特徴とする請求項5記載のシール部材。
- 前記通路開口内の前記補償部が、前記封止面に対して少なくとも部分的に後退する内側凹部(20)を有することを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項記載のシール部材。
- 前記補償部は、前記シール部材の前記外周に少なくとも1個の環状溝(12)を具備することを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項記載のシール部材。
- 前記少なくとも1個の環状溝内には、少なくとも1個の外方を向く封止縁(13)が周囲方向に沿って延びることを特徴とする請求項8記載のシール部材。
- 前記シール部材の軸方向断面が少なくとも部分的に該シール部材の中心軸に対して斜めに延びる前記ばね脚(18a,18b)は、少なくとも1個の前記内部スリーブを半径方向に弾性的に保持することを特徴とする請求項1ないし9のうちいずれか1項記載のシール部材。
- 前記内部スリーブは、少なくとも1個の前側シールリング(5a)及び少なくとも1個の後側シールリング(5b)を具備し、
前記シールリングは、軸方向と平行に延びる前記シール部材の前記導入方向(E)に沿って互いに離間することを特徴とする請求項1ないし10のうちいずれか1項記載のシール部材。 - 前記少なくとも1個の後側シールリングの半径方向の可撓性は、前記少なくとも1個の前側シールリングの半径方向の可撓性より大きいことを特徴とする請求項11記載のシール部材。
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