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JP2013507117A - チョコレート及び製菓用の油脂組成物 - Google Patents

チョコレート及び製菓用の油脂組成物 Download PDF

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JP2013507117A JP2012533056A JP2012533056A JP2013507117A JP 2013507117 A JP2013507117 A JP 2013507117A JP 2012533056 A JP2012533056 A JP 2012533056A JP 2012533056 A JP2012533056 A JP 2012533056A JP 2013507117 A JP2013507117 A JP 2013507117A
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Abstract

本発明は、植物性油脂を脂肪酸又は脂肪酸誘導体と混合し原料油脂を製造する段階;前記原料油脂を酵素的エステル交換反応する段階により製造され、構成トリグリセリドの組成中、POS/SOS含量比が1ないし11であるチョコレート及び製菓用の油脂組成物に関するもので、本発明による油脂組成物はPOS含量の高いココアバターのトリグリセリド組成と類似し、ココアバター特有の急な傾きのSFC曲線を示し、口の中ですっきり溶けて、硬くなく柔らかい食感のココアバター同等脂として利用できる。また、本発明の油脂組成物は、ココアバターの品質改善剤として利用でき、これを硬いココアバターに添加することで、柔らかい食感のココアバターと類似したトリグリセリド組成及び物性を持たせる効果がある。
【選択図】図1

Description

本発明はチョコレート及び製菓用の油脂組成物に関するもので、より具体的には、植物性油脂を脂肪酸又は脂肪酸誘導体と混合し原料油脂を製造する段階;前記原料油脂を酵素的エステル交換反応する段階;により製造される、構成トリグリセリド組成中のPOS/SOS含量比が1ないし11である、チョコレート及び製菓用の油脂組成物に関するものである。
1.ココアバター
チョコレートの一般的な構成は、砂糖が50%以下、カカオマスが30〜50%、油脂(乳脂)を含む脂肪分が約30%である。チョコレートの脂肪分の中でココアバターの含量はチョコレートの種類によって異なるが、通常60%程度である。
ココアバター(cocoa butter、cacao butter)は、カカオ(Theobroma cacao)の果実中の種子(カカオ豆、油脂48〜49%含有)の油脂成分である。ココアバターは、トリグリセリド98%、遊離脂肪酸1%、モノ・ジグリセリド0.5%、ステロール0.2%、トコフェロール150〜250ppmで構成される。ココアバターのトリグリセリドには、sn−2位にオレイン酸(Oleic acid)が位置し、sn−1、3位にそれぞれパルミチン酸(Palmitic acid)とステアリン酸(Stearic acid)が位置する対称型構造が75%以上である。POS 34〜49%、SOS23〜30%、POP13〜17%で、これらが主な対称型油脂となっている。
ココアバターの融点は32〜35℃で、室温の20℃付近で71〜88%の固体脂含量を有し、30〜32℃で溶け始め、32〜35℃でほぼ融解される。このような30℃付近で急速に溶融する溶融特性により、室温では硬いが、口溶けが速くすっきりとさっぱりした感じの口溶性を有するようになる。ココアバターのこのような溶融特性は対称型油脂に起因することが知られている。
ココアバターは、原産地によってトリグリセリドの組成及び含量が各々異なり、それに従って、硬さ・固化速度などの物性に差が生じる。例えば、sn−2位がオレイン酸である対称型油脂の組成において、マレーシア産ココアバターのPOS含量は47%、SOSは30%であり、ブラジル産は各々40%及び22%、ガーナ産は43%及び26%の含量を示す。POP含量は13〜15%で、全て類似した水準である。ココアバターの硬さはマレーシア産が最も硬く、ブラジル産は最も柔らかくて、ガーナ産は中間である。また、固化速度においても差を示し、マレーシア産78±10分、ブラジル産300±51分、ガーナ産95±14分で、硬さと同じ順位を示した。
2.ココアバター代用油脂
ココアバターは天然の作物から得られるため、気候の変化によって供給に変動があり、価格が高い。従って、それに代替するため、チョコレートには、植物性油脂がココアバターの代用油脂として使用されている。この代用油脂として、パーム核油及び椰子油を硬化させたものが使用されたが、これはココアバターとの相溶性がなかった。ココアバターの代用油脂は製造方法と構成成分によって、ココアバター類似脂(cocoa butter equivalent and extender、CBE)、ココアバター代替脂(cocoa butter replacer、CBR)、ココアバター代用脂(cocoa butter substitute、CBS)の三種類に分類される。
ココアバター類似脂(CBE)は、ココアバターと相溶性を有し、トリグリセリドの組成がココアバターと類似し、テンパリングが必要な油脂である。例えば、パーム油中融点分別脂(Palm middle fraction、PMF)、サル脂(Sal fat)、ボルネオ脂(Borneo tallow)、コクム脂(Kokum)、シア脂(Shea butter)及びそれらの分別油脂が挙げられる。ココアバターにパーム油中融点分別脂とSOS含量の高い油脂を混合すると、ココアバターと類似した油脂が得られることが知られている。
ココアバター代替脂(CBR)は、常温で液相及び液相と固体相が混合した状態の大豆油、カノーラ油、パーム油等を硬化して固体化することにより得られ、ココアバターにある程度代替することができ、テンパリングを必要としない油脂である。融点と固体脂含量が比較的高く、SFC曲線の傾きが急で、酸化安定性が高いという長所はあるが、製造方法に部分硬化が使用されるため、トランス脂肪酸の含量が高く、栄養的欠陷があるため、その使用が難しい。
ココアバター代用脂(CBS)は、一部の植物性油脂を硬化して得られ、ココアバターとの相溶性がなく、ラウリン系脂肪酸の含量が高く、テンパリングを必要としない油脂である。製菓分野で主にコーティング用として使用されており、一般的にパーム核油及び椰子油を硬化又はエステル交換して製造し、必要に応じて他の植物性硬化油を混合して製造する。しかし、ラウリン系脂肪酸の含量が高い油脂は水分が存在する場合、カビにより加水分解が起きて異臭を発生するし、ラウリン酸自体にも栄養的欠陥などの短所がある。
CBRとCBSの栄養的欠陥及び口溶けの速さなどの食感と関連した感覚の低下などのため、CBEの使用が増えている。CBEは、酵素エステル交換反応で合成したSOSリッチ脂肪(rich fat)と、パーム油を分別して得たパーム油中融点分別脂(Palm mid−fraction、PMF)とを約1:1で混合して使用することが殆どである。一般的なCBEのトリグリセリドの組成は、POP30〜35%、POS10〜15%、SOS30〜35%である。この数値は、ココアバターのトリグリセリドの組成(ガーナ産POP17%、POS43%、SOS26%)に比べてPOPとSOSの含量が高く、POSの含量が低い。このことから、CBEとココアバターとの特性の差を確認することができる。
油脂の物性は、各温度における固体脂含量(Solid Fat Content、SFC)により確認できる。20〜25℃における固体脂含量により油脂の硬さ(Hardness)を確認でき、25〜30℃における固体脂含量により耐熱性(Heat Resistance)を確認でき、35℃以上における固体脂含量によりロウ質(Waxiness)で口の中で速く溶けずに残っている程度を確認できる。チョコレートに使用するココアバターあるいはココアバターの代用油脂の場合、固体脂含量は、30℃以下の温度で高い値を示し、30℃以上の温度で急激に低くなり、35℃以上では微量の値を示すもの、即ち、固体脂含量曲線の傾きが急である特徴を示すものが品質が良いとされる。
ココアバターとCBEの固体脂含量を比べると、SOS含量が高いCBEの場合、30℃以下の温度で固体脂含量がココアバターの固体脂含量より低い反面、30℃以上の温度ではココアバターの固体脂含量より高い特性を示し、多少硬い感じを与え、口の中に残る度合いが高い。ココアバターとCBEの固体脂含量の差、即ち、物性の差は前記したように、ココアバターとCBEのトリグリセリドの組成の差に起因すると推察される。CBEは、POPとSOSの含量が高く、ココアバターはPOS含量が高い。POS、POPの融点は35℃付近である一方、SOSの融点は41℃で、SOS含量の多い油脂は30℃以上の温度で比較的硬い特性を示すと言える(Aleksandra Torbica etc.、Eur Food Res Technol、2006、222:385−391)。
最近チョコレートの特性において、硬いものより、柔らかくて口溶けが速く、口に残る感じがなく、すっきりとさっぱりしたものが好かれる傾向がある。そして、SOS含量を減少し、PMFの含量を増加することにより柔らかい感じの軟質(soft)CBEが開発された。軟質CBEは、POP40〜45%、POS10〜15%、SOS30〜35%のトリグリセリド組成を有する。軟質CBEは20〜35℃の温度範囲で全般的に低い固体脂含量を示し、これによって柔らかい感じのチョコレートを提供することはできるが、常温で結晶が堅固でないため、ブルーム現象が発生する可能性が高い。
現在常用されている殆どのCBEでは、合成又は分別により得られるSOSと、POP含量の高いPMFとの配合比率を調節することで、硬いか柔らかいかの物性が調整されている。しかし、これは、天然ココアバターのように急な傾きの固体脂含量曲線を示さない。
米国特許第4,705,692号明細書では、ココアバターの代用油脂としてSOS、POS及びPOPを含む油脂であって、ステアリン酸(Stearic acid)とパルミチン酸(Palmitic acid)との割合が1.5:1〜6.0:1であるような、SOS含量の高い油脂の組成が開示されている。
特開平11−243982号公報では、POS含量が高いトリグリセリド組成を有する油脂をエステル交換反応して製造することが開示されている。この油脂は、POS含量が18wt%以上の低いレベルであるのに対して、POP含量は10〜55wt%、SOS含量は10〜50wt%で、もっと高いレベルであり、POSよりSOSの合成に重点を置いているように見受けられる。
特開2008−154555号公報では、耐熱性及び口溶け性の良いチョコレートの製造として、SOS40〜60wt%以上、POP1〜10%以下、SOS含量が、POSとSOA(Stearic acid(C18:0)−Oleic acid(C18:1)−Arachidic acid(C20:0))の合計に対する含量に対比して1.1〜1.8倍である油脂を開示しているが、SOS含量がPOSとSOAの総含量より高く、またこれもSOS含量の組成を高めることに重点を置いていることが確認できる。
米国特許第4,705,692号明細書 特開平11−243982号公報 特開2008−154555号公報
Aleksandra Torbica etc.、Eur Food Res Technol、2006、222:385−391
前記の従来技術においては、柔らかくて口溶けが速く、口に残る感じのないチョコレート製品を製造する為に、SOS含量が高い組成のチョコレート用の油脂に重点をおいて研究しただけで、天然ココアバターに多く含まれているPOSについては重点的に論議されたことがなかった。
そして、本発明者はトリグリセリド組成がココアバターの特徴を有し、特定産地のココアバターの品質を改善するとともに、栄養的価値の優れた油脂組成物を開発するために研究した結果、本発明を完成するに至った。
従って、本発明の目的は、構成トリグリセリドの組成中、POS/SOS含量の比率が1〜11であるチョコレート及び製菓用の油脂組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、前記油脂組成物を有するココアバター同等脂、ココアバター品質改善剤及びこれを利用して製造されるチョコレートを提供することである。
前記本発明の目的は、植物性油脂を酵素的エステル交換反応してPOS/SOS含量比が調節された油脂組成物を製造し、前記油脂組成物のトリグリセリド構造を分析し天然ココアバターと類似構成を有していることを確認する一方、前記油脂組成物をココアバターと混合した後、前記混合物に対しトリグリセリド構造と固体脂含量を分析して、前記油脂組成物がココアバターの品質を改善できることを確認して達成された。
本発明は、植物性油脂を脂肪酸又は脂肪酸誘導体と混合し、原料油脂を製造する段階;前記原料油脂を酵素的エステル交換反応する段階により製造され、構成トリグリセリド組成中、POS/SOS含量比が1ないし11である、チョコレート及び製菓用の油脂組成物を提供する。
本発明において、前記植物性油脂は植物性油脂或いはその分画分を含む油脂で、前記植物性油脂として、椰子油(coconut oil)、パーム核油(palm kernel oil)、パーム油(palm oil)、カノーラ油(canola oil)、ひまわり油(sun flower oil)、大豆油(soy bean oil)、綿実油(cotton seed oil)、米糠油、コーン油、オリーブ油、シア脂(shea fat)、マンゴー核脂(mango kernel fat)、ボルネオ脂(Borneo tallow、 Shorea stenoptera or Pentadema butyracea)、サラソウジュ(sal、Shorea robusta)、コクム脂(kokum、Garcinia indica)を使用することができるが、これらに限定されなく、当業界で使用される任意の植物性油脂を使用することができる。
本発明において、植物性油脂分画工程は植物性油脂原料から、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の含量に差があるPOP含有油脂を得るためのもので、植物性油脂原料の特徴に応じて乾式分別(dry fractionation)と溶剤分別(solvent fractionation)を選択的に利用することができる。溶剤分別の場合、ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、エタノールなどの原料油脂を溶解できるものなら、何でも使用することができる。
本発明において、前記脂肪酸及び脂肪酸誘導体として、パルミチン酸(Palmitic acid)、ステアリン酸(Stearic acid)、アラキドン酸(Arachidonic acid)、ベヘニン酸(Behenic acid)、及びこれらの脂肪酸誘導体であるパルミチン酸エチルエステル(Palmitic acid ethyl ester)、ステアリン酸エチルエステル(stearic acid ethyl ester)、アラキドン酸エチルエステル(Arachidonic acid ethyl ester)及びベヘニン酸エチルエステル(Behenic acid ethyl ester)、又はパルミチン酸メチルエステル(Palmitic acid methyl ester)、ステアリン酸メチルエステル(stearic acid methyl ester)、アラキドン酸メチルエステル(Arachidonic acid methyl ester)及びベヘニン酸メチルエステル(Behenic acid methyl ester)、好ましくは、ステアリン酸、ステアリン酸エチルエステル、ステアリン酸メチルエステルを使用することができるが、これらに限定されず、当業界で使用される任意の脂肪酸及び脂肪酸誘導体を使用することができる。
本発明において、前記酵素エステル交換反応は、sn−1、3位に飽和脂肪酸、sn−2位に不飽和脂肪酸を含む対称型トリグリセリドを製造することに使用され、sn−1、3位に特異性を有する酵素を利用し、30ないし60℃で、1ないし30時間反応を施す。
sn−1、3位に特異性を有する酵素は、リゾープスデレマ(Rhizopus delemar)、ムコールミエヘイ(Mucor miehei)、アスペルギルスニガー(Aspergillus miger)、リゾプスアリズス(Rhizopus arrhizus)、リゾプスニベウス(Rhizopus niveus)、ムコールジャバニクス(Mucor javanicus)、リゾプスジャバニクス(Rhizopus javenicus)、リゾプスオクシザエ(Rhizopus oxyzae)、サーモマイセスラヌギノソス(Thermomyces lanuginosus)などから分離した酵素、好ましくは、ムコールミエヘイ(Mucor miehei)又はサーモマイセスラヌギノソス(Thermomyces lanuginosus)から分離した酵素を使用することができるが、これらに限定されず、当業界で使用される任意のsn−1、3位特異性酵素を使用することができる。
本発明において、前記酵素的エステル交換反応時に基質の比率及び反応時間を調節し、POS/SOS含量比を調節することができる。また、反応が終了した状態でも、反応物を混合することによって、POS/SOSの含量比を調節することができ、容易にその用途を変更することができる。例えば、POP48%、SOS13%でPOS/SOSの含量比が3.7である組成物と、POS40%、SOS40%でPOS/SOSの含量比が1である組成物を、重量比7:3の割合で混合すると、POS45%、SOS21%のPOS/SOSの含量比が2である組成物を製造することができる。
前記原料油脂及び工程を利用して製造する油脂は、POS/SOSの比率が約1〜11であるトリグリセリド組成を示す。酵素的エステル交換反応時に基質の比率及び反応時間を調節したり、反応物を配合したりすることで、POS/SOS比率の調整ができ、必要に応じてPOS/SOSの比率が1〜11である組成物を選択的に使用することができる。
上述した説明の通り、本発明の油脂組成物は、POS含量の高いココアバターのトリグリセリド組成と類似し、ココアバター特有の急な傾きのSFC曲線を示すため、口の中ですっきり溶け、硬くなく柔らかい食感のココアバター同等脂として利用できる。また、本発明の油脂組成物はココアバターの品質改善剤として使用できるため、これを硬いココアバターに添加することで、柔らかい食感のココアバターと類似したトリグリセリド組成及び物性を持たせることができる。
図1は、本発明の油脂組成物のトリグリセリド組成を示すHPLCグラフである。 図2は、本発明の油脂組成物を含むココアバター、物性の異なる天然ココアバターの固体脂含量に関するグラフである。
以下、本発明を下記の実施例により更に具体的に説明する。しかし、これらの実施例は単に本発明に対する理解を助けるためであり、いかなる意味でも本発明の範囲がこれらにより限定されることではない。
実施例 1:油脂組成物の製造及びトリグリセリド構造の分析
本実施例では以下の方法で油脂組成物を製造した。原料油脂としてパーム分画物は溶剤分別により収得した。パーム油1Kgを60℃で完全に融解させた後、アセトン10kgと混合し栓をした後、攪拌して油脂をアセトンに完全に溶解させた。前記混合液は0℃で3時間30rpmで撹拌を行った状態で結晶化させ、これを減圧濾過し、固体相のパームステアリン(Palm stearin)と液体相のパームオレイン(Palm Olein)として分離した。この際、パームオレインの収率は60%以上で、ヨウ素価(Iodine value)が60以下の特性を示した。
前記分別で得られた、アセトンが除去されてないパームステアリンを40℃で完全に溶解させた後、更にアセトンを添加し、30℃、30rpmで撹拌を行った状態で結晶化させ、これを減圧濾過し、結晶化された分画物とパーム油中融点分別脂(PMF)に分離した。この際、パーム油中融点分別脂の収率は30%以上で、POPを55%含有、ヨウ素価が40であることを特徴とするパーム分画物を得ることができた。
前記パーム分画物とステアリン酸及びステアリン酸誘導体(Stearic derivatives)を1:2のモル比(molar ratio)で混合し、総量が2kgになるようにした後、それぞれsn−1、3位に特異性を有する酵素であるリポザイム(lipozyme)、RMIN(immobilized sn−1、3−specific lipase from Rhizomucor meihei)により、0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 10, 14, 20時間エステル交換反応を施し、各々の油脂組成物を合成し、前記合成された油脂に存在するエチルエステルを蒸発させて除去し、最終油脂組成物を製造した。
HPLCを利用し、前記油脂組成物の酵素エステル交換反応前後の油脂中トリグリセリドの種類と含量を確認した。
HPLCを利用したトリグリセリドの分析条件は下記の表1に示した。逆相高分解能液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器システムを利用し、分別前後の油脂のトリグリセリド構造を分析した。試料30μlとヘキサン10mlを入れ、PTFEシリンジフィルター(syringe filter)(25mm、0.2μm)を利用して濾過した後、2mmのバイアルに入れ、オートサンプラを利用し試料20μlを注入した。溶媒はアセトニトリル(溶媒A)、ヘキサン/イソプロピルアルコール(溶媒B)を使用し、流速は1m/minであった。溶媒の勾配溶離(A:B、v:v)の進行過程は、45分間80:20に維持し、60分まで54:46に変化した後、60分から70分まで80:20に維持し、総進行時間は70分であった。
Figure 2013507117
HPLCにより油脂中のトリグリセリド組成を確認した結果は表2に示した。
Figure 2013507117
前記表2に示した通り、POS/SOS含量比が1である油脂組成物で、POS40.12%、SOS40.93%、POS/SOS0.98であることを確認した。POS/SOS含量比が11以下の油脂組成物で、POS17.57%、SOS1.61%、POS/SOS10.91であることを確認し、本発明によるPCS/SOS含量が1ないし11である油脂組成物を製造した。
実施例 2:混合油脂組成物の製造
前記実施例1で14時間エステル交換反応して得たPOS/SOS含量比が1.42の油脂組成物10w/w%と、6時間エステル交換反応して得たPOS/SOS含量比4の油脂組成物90w/w%を混合し、POS/SOS含量比が3である混合油脂組成物を0.4kg製造した。
実施例 3:ココアバター混合物の製造
前記実施例2で製造された混合油脂組成物0.4kgと天然ココアバター1.6kgを60℃で攪拌しながら混合してココアバター混合物を製造した。
実験例 1:ココアバター混合物のトリグリセリド構造の分析
本発明の油脂組成物のココアバターの品質改善剤としての使用可能性について調べるため、HPLCを利用し、前記実施例2で製造した混合油脂組成物と硬い食感のココアバターとの混合物、硬い食感のココアバター及び柔らかい食感のココアバターにtついてそれぞれ、油脂中のトリグリセリドの種類と含量を確認した。
HPLCを利用したトリグリセリドの分析条件は下記の表3に示した。逆相高分解能液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器システムを利用し、分別前後の油脂のトリグリセリド構造を分析した。試料30μlとヘキサン10mlを入れ、PTFEシリンジフィルター(syringe filter)(25mm、0.2μm)を利用して濾過した後、2mmのバイアルに入れ、オートサンプラを利用し試料20μlを注入した。溶媒はアセトニトリル(溶媒A)、ヘキサン/イソプロピルアルコール(溶媒B)を使用し、流速は1ml/minであった。溶媒の勾配溶離(A:B、v:v)の進行過程は、45分間80:20に維持し、60分まで54:46に変化した後、60分から70分まで80:20に維持し、総進行時間は70分であった。
Figure 2013507117
HPLCにより油脂中のトリグリセリド組成を確認した結果は表4に示した。
Figure 2013507117
前記表4に示した通り、硬い食感のココアバターに本発明の油脂組成物を混合したとき、POSが46.9%から46.1%になり柔らかい食感のココアバターの45.4%と類似した含量を示した。SOS含量は29.8%から25.9%になり、柔らかい食感を有するココアバターの24.8%と類似水準であることを確認した。即ち、本発明の油脂組成物は、SOS含量の高い特定ココアバターにおいてPOS含量を類似水準に維持しながらSOS含量を減少できるということが分かった。
実験例2:核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)を利用した固体脂含量の分析
前記実施例3で製造したココアバター混合物と天然ココアバターに対して核磁気共鳴を利用しそれぞれの固体脂含量(Solid Fat Content、SFC)を分析した。固体脂含量分析のための核磁気共鳴分析条件は下記表5に示した。
核磁気共鳴を利用した固体脂含量分析試験は並列法(Parallel Method)で行った。サンプルを各々3mL、5個ずつ準備し、実験の前処理時に80℃で十分に油脂を溶かした後、60℃で10分、0℃で90分間処理して、冷却した。その後、26℃で40時間結晶を安定化させた後、0℃で90分間冷却した。10.0℃、20.0℃、25.0℃、30.0℃、35.0℃に予めセットしたセルシウスバス(Celsius bath)−メタルブロックサーモスタット(metal block thermostat)で30分ずつ放置した後、サンプルを測定した。サンプルの測定時間は約6秒であった。
Figure 2013507117
核磁気共鳴を利用して固体脂含量を分析した結果を図2に示した。図2によると、硬い食感の特定ココアバターの固体脂含量が上述のように各温度で全て高く測定された。硬い食感のココアバターに本発明の油脂組成物を混合したものは柔らかい食感のココアバターと類似の固体脂含量及び傾きを示すことが確認できた。即ち、本発明の油脂組成物は硬い特性を有する天然ココアバターと混合することで柔らかい食感のココアバターと類維水準の物性に調節し品質を改良できることが確認された。
実験例 3:チョコレートの官能評価
本発明の油脂組成物を含むチョコレートの特性を確認するため、本発明の油脂組成物を含むチョコレート、常用CBEを含むチョコレート、及びCBを含むチョコレートを各々製造し、官能評価を実施した。
3−1: チョコレートの製造
本発明の油脂組成物は、POS/SOS含量比が1, 5, 11である油脂組成物を使用し、比較評価のためにSOS含量がPOS含量より高い常用CBE、天然ココアバターを同時に製造した。配合比率を表6に示した。
Figure 2013507117
表6の配合比率で原料を混ぜた後、ボールミル(Ball mill)で60℃、500rpm、2時間微粒化した後、50℃に温度を下げステンレス容器に移しテンパリングを行った。テンパリングしたチョコレートをモールドに入れ10℃冷蔵庫で固めてチョコレート製造を完了した。
3−2: 官能評価
前記の製造された5種類のチョコレートの官能評価を行った。組織感(Texture)、食感(Mouth feeling)、風味(flaver release)、全体選好度(Total feeling)に対して、1ないし10点で表した。官能評価の結果は表7に示した。
Figure 2013507117
官能評価を行った結果、本発明の油脂組成物を含むチョコレート(チョコレート1、チョコレート2、チョコレート3)は組織感、食感、風味において常用CBEを使用して製造されたチョコレート4より高い点数を得たことを確認し、天然ココアバターのみ使用して製造したチョコレート5と類似水準の点数を得て、高価な天然ココアバターに代替できることが確認された。
また、全体選好度においてもSOS含量の高い常用CBEより高い点数を得て、POS高含量の本発明の油脂組成物の品質が優秀であることを確認した。
本発明はチョコレート及び製菓用の油脂組成物に関するもので、より具体的には、植物性油脂を脂肪酸又は脂肪酸誘導体と混合し原料油脂を製造する段階;前記原料油脂を酵素的エステル交換反応する段階;により製造される、構成トリグリセリド組成中のPOS/SOS含量比がないし11である、チョコレート及び製菓用の油脂組成物に関するものである。
1.ココアバター
チョコレートの一般的な構成は、砂糖が50%以下、カカオマスが30〜50%、油脂(乳脂)を含む脂肪分が約30%である。チョコレートの脂肪分の中でココアバターの含量はチョコレートの種類によって異なるが、通常60%程度である。
ココアバター(cocoa butter、cacao butter)は、カカオ(Theobroma cacao)の果実中の種子(カカオ豆、油脂48〜49%含有)の油脂成分である。ココアバターは、トリグリセリド98%、遊離脂肪酸1%、モノ・ジグリセリド0.5%、ステロール0.2%、トコフェロール150〜250ppmで構成される。ココアバターのトリグリセリドには、sn−2位にオレイン酸(Oleic acid)が位置し、sn−1、3位にそれぞれパルミチン酸(Palmitic acid)とステアリン酸(Stearic acid)が位置する対称型構造が75%以上である。POS 34〜49%、SOS23〜30%、POP13〜17%で、これらが主な対称型油脂となっている。
ココアバターの融点は32〜35℃で、室温の20℃付近で71〜88%の固体脂含量を有し、30〜32℃で溶け始め、32〜35℃でほぼ融解される。このような30℃付近で急速に溶融する溶融特性により、室温では硬いが、口溶けが速くすっきりとさっぱりした感じの口溶性を有するようになる。ココアバターのこのような溶融特性は対称型油脂に起因することが知られている。
ココアバターは、原産地によってトリグリセリドの組成及び含量が各々異なり、それに従って、硬さ・固化速度などの物性に差が生じる。例えば、sn−2位がオレイン酸である対称型油脂の組成において、マレーシア産ココアバターのPOS含量は47%、SOSは30%であり、ブラジル産は各々40%及び22%、ガーナ産は43%及び26%の含量を示す。POP含量は13〜15%で、全て類似した水準である。ココアバターの硬さはマレーシア産が最も硬く、ブラジル産は最も柔らかくて、ガーナ産は中間である。また、固化速度においても差を示し、マレーシア産78±10分、ブラジル産300±51分、ガーナ産95±14分で、硬さと同じ順位を示した。
2.ココアバター代用油脂
ココアバターは天然の作物から得られるため、気候の変化によって供給に変動があり、価格が高い。従って、それに代替するため、チョコレートには、植物性油脂がココアバターの代用油脂として使用されている。この代用油脂として、パーム核油及び椰子油を硬化させたものが使用されたが、これはココアバターとの相溶性がなかった。ココアバターの代用油脂は製造方法と構成成分によって、ココアバター類似脂(cocoa butter equivalent and extender、CBE)、ココアバター代替脂(cocoa butter replacer、CBR)、ココアバター代用脂(cocoa butter substitute、CBS)の三種類に分類される。
ココアバター類似脂(CBE)は、ココアバターと相溶性を有し、トリグリセリドの組成がココアバターと類似し、テンパリングが必要な油脂である。例えば、パーム油中融点分別脂(Palm middle fraction、PMF)、サル脂(Sal fat)、ボルネオ脂(Borneo tallow)、コクム脂(Kokum)、シア脂(Shea butter)及びそれらの分別油脂が挙げられる。ココアバターにパーム油中融点分別脂とSOS含量の高い油脂を混合すると、ココアバターと類似した油脂が得られることが知られている。
ココアバター代替脂(CBR)は、常温で液相及び液相と固体相が混合した状態の大豆油、カノーラ油、パーム油等を硬化して固体化することにより得られ、ココアバターにある程度代替することができ、テンパリングを必要としない油脂である。融点と固体脂含量が比較的高く、SFC曲線の傾きが急で、酸化安定性が高いという長所はあるが、製造方法に部分硬化が使用されるため、トランス脂肪酸の含量が高く、栄養的欠陷があるため、その使用が難しい。
ココアバター代用脂(CBS)は、一部の植物性油脂を硬化して得られ、ココアバターとの相溶性がなく、ラウリン系脂肪酸の含量が高く、テンパリングを必要としない油脂である。製菓分野で主にコーティング用として使用されており、一般的にパーム核油及び椰子油を硬化又はエステル交換して製造し、必要に応じて他の植物性硬化油を混合して製造する。しかし、ラウリン系脂肪酸の含量が高い油脂は水分が存在する場合、カビにより加水分解が起きて異臭を発生するし、ラウリン酸自体にも栄養的欠陥などの短所がある。
CBRとCBSの栄養的欠陥及び口溶けの速さなどの食感と関連した感覚の低下などのため、CBEの使用が増えている。CBEは、酵素エステル交換反応で合成したSOSリッチ脂肪(rich fat)と、パーム油を分別して得たパーム油中融点分別脂(Palm mid−fraction、PMF)とを約1:1で混合して使用することが殆どである。一般的なCBEのトリグリセリドの組成は、POP30〜35%、POS10〜15%、SOS30〜35%である。この数値は、ココアバターのトリグリセリドの組成(ガーナ産POP17%、POS43%、SOS26%)に比べてPOPとSOSの含量が高く、POSの含量が低い。このことから、CBEとココアバターとの特性の差を確認することができる。
油脂の物性は、各温度における固体脂含量(Solid Fat Content、SFC)により確認できる。20〜25℃における固体脂含量により油脂の硬さ(Hardness)を確認でき、25〜30℃における固体脂含量により耐熱性(Heat Resistance)を確認でき、35℃以上における固体脂含量によりロウ質(Waxiness)で口の中で速く溶けずに残っている程度を確認できる。チョコレートに使用するココアバターあるいはココアバターの代用油脂の場合、固体脂含量は、30℃以下の温度で高い値を示し、30℃以上の温度で急激に低くなり、35℃以上では微量の値を示すもの、即ち、固体脂含量曲線の傾きが急である特徴を示すものが品質が良いとされる。
ココアバターとCBEの固体脂含量を比べると、SOS含量が高いCBEの場合、30℃以下の温度で固体脂含量がココアバターの固体脂含量より低い反面、30℃以上の温度ではココアバターの固体脂含量より高い特性を示し、多少硬い感じを与え、口の中に残る度合いが高い。ココアバターとCBEの固体脂含量の差、即ち、物性の差は前記したように、ココアバターとCBEのトリグリセリドの組成の差に起因すると推察される。CBEは、POPとSOSの含量が高く、ココアバターはPOS含量が高い。POS、POPの融点は35℃付近である一方、SOSの融点は41℃で、SOS含量の多い油脂は30℃以上の温度で比較的硬い特性を示すと言える(Aleksandra Torbica etc.、Eur Food Res Technol、2006、222:385−391)。
最近チョコレートの特性において、硬いものより、柔らかくて口溶けが速く、口に残る感じがなく、すっきりとさっぱりしたものが好かれる傾向がある。そして、SOS含量を減少し、PMFの含量を増加することにより柔らかい感じの軟質(soft)CBEが開発された。軟質CBEは、POP40〜45%、POS10〜15%、SOS30〜35%のトリグリセリド組成を有する。軟質CBEは20〜35℃の温度範囲で全般的に低い固体脂含量を示し、これによって柔らかい感じのチョコレートを提供することはできるが、常温で結晶が堅固でないため、ブルーム現象が発生する可能性が高い。
現在常用されている殆どのCBEでは、合成又は分別により得られるSOSと、POP含量の高いPMFとの配合比率を調節することで、硬いか柔らかいかの物性が調整されている。しかし、これは、天然ココアバターのように急な傾きの固体脂含量曲線を示さない。
米国特許第4,705,692号明細書では、ココアバターの代用油脂としてSOS、POS及びPOPを含む油脂であって、ステアリン酸(Stearic acid)とパルミチン酸(Palmitic acid)との割合が1.5:1〜6.0:1であるような、SOS含量の高い油脂の組成が開示されている。
特開平11−243982号公報では、POS含量が高いトリグリセリド組成を有する油脂をエステル交換反応して製造することが開示されている。この油脂は、POS含量が18wt%以上の低いレベルであるのに対して、POP含量は10〜55wt%、SOS含量は10〜50wt%で、もっと高いレベルであり、POSよりSOSの合成に重点を置いているように見受けられる。
特開2008−154555号公報では、耐熱性及び口溶け性の良いチョコレートの製造として、SOS40〜60wt%以上、POP1〜10%以下、SOS含量が、POSとSOA(Stearic acid(C18:0)−Oleic acid(C18:1)−Arachidic acid(C20:0))の合計に対する含量に対比して1.1〜1.8倍である油脂を開示しているが、SOS含量がPOSとSOAの総含量より高く、またこれもSOS含量の組成を高めることに重点を置いていることが確認できる。
米国特許第4,705,692号明細書 特開平1999−243982号公報 特開2008−154555号公報
Aleksandra Torbica etc.、Eur Food Res Technol、2006、222:385−391
前記の従来技術においては、柔らかくて口溶けが速く、口に残る感じのないチョコレート製品を製造する為に、SOS含量が高い組成のチョコレート用の油脂に重点をおいて研究しただけで、天然ココアバターに多く含まれているPOSについては重点的に論議されたことがなかった。
そして、本発明者はトリグリセリド組成がココアバターの特徴を有し、特定産地のココアバターの品質を改善するとともに、栄養的価値の優れた油脂組成物を開発するために研究した結果、本発明を完成するに至った。
従って、本発明の目的は、構成トリグリセリドの組成中、POS/SOS含量の比率が〜11であるチョコレート及び製菓用の油脂組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、前記油脂組成物を有するココアバター同等脂、ココアバター品質改善剤及びこれを利用して製造されるチョコレートを提供することである。
前記本発明の目的は、植物性油脂を酵素的エステル交換反応してPOS/SOS含量比が調節された油脂組成物を製造し、前記油脂組成物のトリグリセリド構造を分析し天然ココアバターと類似構成を有していることを確認する一方、前記油脂組成物をココアバターと混合した後、前記混合物に対しトリグリセリド構造と固体脂含量を分析して、前記油脂組成物がココアバターの品質を改善できることを確認して達成された。
本発明は、植物性油脂を脂肪酸又は脂肪酸誘導体と混合し、原料油脂を製造する段階;前記原料油脂を酵素的エステル交換反応する段階により製造され、構成トリグリセリド組成中、POS/SOS含量比がないし11である、チョコレート及び製菓用の油脂組成物を提供する。
本発明において、前記植物性油脂は植物性油脂或いはその分画分を含む油脂で、前記植物性油脂として、椰子油(coconut oil)、パーム核油(palm kernel oil)、パーム油(palm oil)、カノーラ油(canola oil)、ひまわり油(sun flower oil)、大豆油(soy bean oil)、綿実油(cotton seed oil)、米糠油、コーン油、オリーブ油、シア脂(shea fat)、マンゴー核脂(mango kernel fat)、ボルネオ脂(Borneo tallow、 Shorea stenoptera or Pentadema butyracea)、サラソウジュ(sal、Shorea robusta)、コクム脂(kokum、Garcinia indica)を使用することができるが、これらに限定されなく、当業界で使用される任意の植物性油脂を使用することができる。
本発明において、植物性油脂分画工程は植物性油脂原料から、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の含量に差があるPOP含有油脂を得るためのもので、植物性油脂原料の特徴に応じて乾式分別(dry fractionation)と溶剤分別(solvent fractionation)を選択的に利用することができる。溶剤分別の場合、ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、エタノールなどの原料油脂を溶解できるものなら、何でも使用することができる。
本発明において、前記脂肪酸又は脂肪酸誘導体として、パルミチン酸(Palmitic acid)、ステアリン酸(Stearic acid)、アラキドン酸(Arachidonic acid)、ベヘニン酸(Behenic acid)、及びこれらの脂肪酸誘導体であるパルミチン酸エチルエステル(Palmitic acid ethyl ester)、ステアリン酸エチルエステル(stearic acid ethyl ester)、アラキドン酸エチルエステル(Arachidonic acid ethyl ester)及びベヘニン酸エチルエステル(Behenic acid ethyl ester)、又はパルミチン酸メチルエステル(Palmitic acid methyl ester)、ステアリン酸メチルエステル(stearic acid methyl ester)、アラキドン酸メチルエステル(Arachidonic acid methyl ester)及びベヘニン酸メチルエステル(Behenic acid methyl ester)、好ましくは、ステアリン酸、ステアリン酸エチルエステル、ステアリン酸メチルエステルを使用することができるが、これらに限定されず、当業界で使用される任意の脂肪酸又は脂肪酸誘導体を使用することができる。
本発明において、前記酵素エステル交換反応は、sn−1、3位に飽和脂肪酸、sn−2位に不飽和脂肪酸を含む対称型トリグリセリドを製造することに使用され、sn−1、3位に特異性を有する酵素を利用し、30ないし60℃で、1ないし30時間反応を施す。
sn−1、3位に特異性を有する酵素は、リゾープスデレマ(Rhizopus delemar)、ムコールミエヘイ(Mucor miehei)、アスペルギルス二ガー(Aspergillus miger)、リゾプスアリズス(Rhizopus arrhizus)、リゾプスニベウス(Rhizopus niveus)、ムコールジャバニクス(Mucor javanicus)、リゾプスジャバニクス(Rhizopus javenicus)、リゾプスオクシザエ(Rhizopus oxyzae)、サーモマイセスラヌギノソス(Thermomyces lanuginosus)などから分離した酵素、好ましくは、ムコールミエヘイ(Mucor miehei)又はサーモマイセスラヌギノソス(Thermomyces lanuginosus)から分離した酵素を使用することができるが、これらに限定されず、当業界で使用される任意のsn−1、3位特異性酵素を使用することができる。
本発明において、前記酵素的エステル交換反応時に基質の比率及び反応時間を調節し、POS/SOS含量比を調節することができる。また、反応が終了した状態でも、反応物を混合することによって、POS/SOSの含量比を調節することができ、容易にその用途を変更することができる。例えば、POP48%、SOS13%でPOS/SOSの含量比が3.7である組成物と、POS40%、SOS40%でPOS/SOSの含量比が1である組成物を、重量比7:3の割合で混合すると、POS45%、SOS21%のPOS/SOSの含量比が2である組成物を製造することができる。
前記原料油脂及び工程を利用して製造する油脂は、POS/SOSの比率が約〜11であるトリグリセリド組成を示す。酵素的エステル交換反応時に基質の比率及び反応時間を調節したり、反応物を配合したりすることで、POS/SOS比率の調整ができ、必要に応じてPOS/SOSの比率が〜11である組成物を選択的に使用することができる。
上述した説明の通り、本発明の油脂組成物は、POS含量の高いココアバターのトリグリセリド組成と類似し、ココアバター特有の急な傾きのSFC曲線を示すため、口の中ですっきり溶け、硬くなく柔らかい食感のココアバター同等脂として利用できる。また、本発明の油脂組成物はココアバターの品質改善剤として使用できるため、これを硬いココアバターに添加することで、柔らかい食感のココアバターと類似したトリグリセリド組成及び物性を持たせることができる。
図1は、本発明の油脂組成物のトリグリセリド組成を示すHPLCグラフである。 図2は、本発明の油脂組成物を含むココアバター、物性の異なる天然ココアバターの固体脂含量に関するグラフである。
以下、本発明を下記の実施例により更に具体的に説明する。しかし、これらの実施例は単に本発明に対する理解を助けるためであり、いかなる意味でも本発明の範囲がこれらにより限定されることではない。
実施例 1:油脂組成物の製造及びトリグリセリド構造の分析
本実施例では以下の方法で油脂組成物を製造した。原料油脂としてパーム分画物は溶剤分別により収得した。パーム油1Kgを60℃で完全に融解させた後、アセトン10kgと混合し栓をした後、攪拌して油脂をアセトンに完全に溶解させた。前記混合液は0℃で3時間30rpmで撹拌を行った状態で結晶化させ、これを減圧濾過し、固体相のパームステアリン(Palm stearin)と液体相のパームオレイン(Palm Olein)として分離した。この際、パームオレインの収率は60%以上で、ヨウ素価(Iodine value)が60以下の特性を示した。
前記分別で得られた、アセトンが除去されてないパームステアリンを40℃で完全に溶解させた後、更にアセトンを添加し、30℃、30rpmで撹拌を行った状態で結晶化させ、これを減圧濾過し、結晶化された分画物とパーム油中融点分別脂(PMF)に分離した。この際、パーム油中融点分別脂の収率は30%以上で、POPを55%含有、ヨウ素価が40であることを特徴とするパーム分画物を得ることができた。
前記パーム分画物とステアリン酸又はステアリン酸誘導体(Stearic derivatives)を1:2のモル比(molar ratio)で混合し、総量が2kgになるようにした後、それぞれsn−1、3位に特異性を有する酵素であるリポザイム(lipozyme)、RMIN(immobilized sn−1、3−specific lipase from Rhizomucor meihei)により、0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 10, 14, 20時間エステル交換反応を施し、各々の油脂組成物を合成し、前記合成された油脂に存在するエチルエステルを蒸発させて除去し、最終油脂組成物を製造した。
HPLCを利用し、前記油脂組成物の酵素エステル交換反応前後の油脂中トリグリセリドの種類と含量を確認した。
HPLCを利用したトリグリセリドの分析条件は下記の表1に示した。逆相高分解能液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器システムを利用し、分別前後の油脂のトリグリセリド構造を分析した。試料30μlとヘキサン10mlを入れ、PTFEシリンジフィルター(syringe filter)(25mm、0.2μm)を利用して濾過した後、2mmのバイアルに入れ、オートサンプラを利用し試料20μlを注入した。溶媒はアセトニトリル(溶媒A)、ヘキサン/イソプロピルアルコール(溶媒B)を使用し、流速は1ml/minであった。溶媒の勾配溶離(A:B、v:v)の進行過程は、45分間80:20に維持し、60分まで54:46に変化した後、60分から70分まで80:20に維持し、総進行時間は70分であった。
Figure 2013507117
HPLCにより油脂中のトリグリセリド組成を確認した結果は表2に示した。
Figure 2013507117
前記表2に示した通り、POS/SOS含量比が1である油脂組成物で、POS40.12%、SOS40.93%、POS/SOS0.98であることを確認した。POS/SOS含量比が11以下の油脂組成物で、POS17.57%、SOS1.61%、POS/SOS10.91であることを確認し、本発明によるPCS/SOS含量が1ないし11である油脂組成物を製造した。
実施例 2:混合油脂組成物の製造
前記実施例1で14時間エステル交換反応して得たPOS/SOS含量比が1.42の油脂組成物10w/w%と、6時間エステル交換反応して得たPOS/SOS含量比4の油脂組成物90w/w%を混合し、POS/SOS含量比が3である混合油脂組成物を0.4kg製造した。
実施例 3:ココアバター混合物の製造
前記実施例2で製造された混合油脂組成物0.4kgと天然ココアバター1.6kgを60℃で攪拌しながら混合してココアバター混合物を製造した。
実験例 1:ココアバター混合物のトリグリセリド構造の分析
本発明の油脂組成物のココアバターの品質改善剤としての使用可能性について調べるため、HPLCを利用し、前記実施例2で製造した混合油脂組成物と硬い食感のココアバターとの混合物、硬い食感のココアバター及び柔らかい食感のココアバターにtついてそれぞれ、油脂中のトリグリセリドの種類と含量を確認した。
HPLCを利用したトリグリセリドの分析条件は下記の表3に示した。逆相高分解能液体クロマトグラフィー蒸発光散乱検出器システムを利用し、分別前後の油脂のトリグリセリド構造を分析した。試料30μlとヘキサン10mlを入れ、PTFEシリンジフィルター(syringe filter)(25mm、0.2μm)を利用して濾過した後、2mmのバイアルに入れ、オートサンプラを利用し試料20μlを注入した。溶媒はアセトニトリル(溶媒A)、ヘキサン/イソプロピルアルコール(溶媒B)を使用し、流速は1ml/minであった。溶媒の勾配溶離(A:B、v:v)の進行過程は、45分間80:20に維持し、60分まで54:46に変化した後、60分から70分まで80:20に維持し、総進行時間は70分であった。
Figure 2013507117
HPLCにより油脂中のトリグリセリド組成を確認した結果は表4に示した。
Figure 2013507117
前記表4に示した通り、硬い食感のココアバターに本発明の油脂組成物を混合したとき、POSが46.9%から46.1%になり柔らかい食感のココアバターの45.4%と類似した含量を示した。SOS含量は29.8%から25.9%になり、柔らかい食感を有するココアバターの24.8%と類似水準であることを確認した。即ち、本発明の油脂組成物は、SOS含量の高い特定ココアバターにおいてPOS含量を類似水準に維持しながらSOS含量を減少できるということが分かった。
実験例2:核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)を利用した固体脂含量の分析
前記実施例3で製造したココアバター混合物と天然ココアバターに対して核磁気共鳴を利用しそれぞれの固体脂含量(Solid Fat Content、SFC)を分析した。固体脂含量分析のための核磁気共鳴分析条件は下記表5に示した。
核磁気共鳴を利用した固体脂含量分析試験は並列法(Parallel Method)で行った。サンプルを各々3mL、5個ずつ準備し、実験の前処理時に80℃で十分に油脂を溶かした後、60℃で10分、0℃で90分間処理して、冷却した。その後、26℃で40時間結晶を安定化させた後、0℃で90分間冷却した。10.0℃、20.0℃、25.0℃、30.0℃、35.0℃に予めセットしたセルシウスバス(Celsius bath)−メタルブロックサーモスタット(metal block thermostat)で30分ずつ放置した後、サンプルを測定した。サンプルの測定時間は約6秒であった。
Figure 2013507117
核磁気共鳴を利用して固体脂含量を分析した結果を図2に示した。図2によると、硬い食感の特定ココアバターの固体脂含量が上述のように各温度で全て高く測定された。硬い食感のココアバターに本発明の油脂組成物を混合したものは柔らかい食感のココアバターと類似の固体脂含量及び傾きを示すことが確認できた。即ち、本発明の油脂組成物は硬い特性を有する天然ココアバターと混合することで柔らかい食感のココアバターと類維水準の物性に調節し品質を改良できることが確認された。
実験例 3:チョコレートの官能評価
本発明の油脂組成物を含むチョコレートの特性を確認するため、本発明の油脂組成物を含むチョコレート、常用CBEを含むチョコレート、及びCBを含むチョコレートを各々製造し、官能評価を実施した。
3−1: チョコレートの製造
本発明の油脂組成物は、POS/SOS含量比が1, 5, 11である油脂組成物を使用し、比較評価のためにSOS含量がPOS含量より高い常用CBE、天然ココアバターを同時に製造した。配合比率を表6に示した。
Figure 2013507117
表6の配合比率で原料を混ぜた後、ボールミル(Ball mill)で60℃、500rpm、2時間微粒化した後、50℃に温度を下げステンレス容器に移しテンパリングを行った。テンパリングしたチョコレートをモールドに入れ10℃冷蔵庫で固めてチョコレート製造を完了した。
3−2: 官能評価
前記の製造された5種類のチョコレートの官能評価を行った。組織感(Texture)、食感(Mouth feeling)、風味(flaver release)、全体選好度(Total feeling)に対して、1ないし10点で表した。官能評価の結果は表7に示した。
Figure 2013507117
官能評価を行った結果、本発明の油脂組成物を含むチョコレート(チョコレート1、チョコレート2、チョコレート3)は組織感、食感、風味において常用CBEを使用して製造されたチョコレート4より高い点数を得たことを確認し、天然ココアバターのみ使用して製造したチョコレート5と類似水準の点数を得て、高価な天然ココアバターに代替できることが確認された。
また、全体選好度においてもSOS含量の高い常用CBEより高い点数を得て、POS高含量の本発明の油脂組成物の品質が優秀であることを確認した。

Claims (6)

  1. 構成トリグリセリドの組成中、POS/SOS含量比が1ないし11である、チョコレート及び製菓用の油脂組成物。
  2. 前記組成物は、
    植物性油脂を、脂肪酸又は脂肪酸誘導体と混合し原料油脂を製造する段階;
    前記原料油脂を酵素的エステル交換反応する段階;
    により製造することを特徴とする、請求項1に記載の油脂組成物。
  3. 前記植物性油脂は、
    パーム核油(palm kernel oil)、パーム油(palm oil)、ひまわり油(sun flower oil)、及びこれらの分別物からなる群より選ばれる一つ又は二つ以上の混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の油脂組成物。
  4. 前記脂肪酸又は脂肪酸誘導体は、脂肪酸であるパルミチン酸(Palmitic acid)、ステアリン酸(Stearic acid)、及びこれらの脂肪酸誘導体であるパルミチン酸エチルエステル(Palmitic acid ethyl ester)、ステアリン酸エチルエステル(stearic acid ethyl ester)、パルミチン酸メチルエステル(Palmitic acid methyl ester)又はステアリン酸メチルエステル(stearic acid methyl ester)からなる群より選ばれる一つ又は二つ以上の混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の油脂組成物。
  5. 請求項1の油脂組成物を含む、ココアバター同等脂。
  6. 請求項1の油脂組成物を使用して製造される、チョコレート。
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