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JP2013501811A - 血小板産生を刺激するためのe5501の使用 - Google Patents

血小板産生を刺激するためのe5501の使用 Download PDF

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Abstract

低血小板数の対象に、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の有効量を投与することによって、低血小板数が原因の少なくとも一部である出血リスクのある対象の血小板応答を増加させる方法が提供される。
【選択図】 図1

Description

本出願は、2009年8月14日に出願した米国特許仮出願第61/234,153号及び2010年7月19日に出願した米国特許仮出願第61/365,479号の優先権を主張するものである。前述の出願の内容は、参照によりこれらの全体が本明細書に組み込まれる。
血小板減少症は、循環系における血小板の欠乏を特徴とする、潜在的に重篤な状態である。この疾患は、出血、特に小さな毛細血管からの出血リスク増加を伴い、血小板減少性紫斑病をもたらす。血小板減少症の原因としては、骨髄における血小板産生の減少及び血液中での血小板生存の減少が挙げられる。血小板減少症には特定の疾患に関連する血小板減少症があり、これらは、免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病(ITP)、並びに悪性腫瘍及び肝炎などの感染症を含む、骨髄における他の疾患の間接的な影響により引き起こされる血小板減少症などである。現在のところ、血小板減少症の管理は、主として血小板輸血に基づいている。輸血は効果的であるにもかかわらず、輸血のおよそ30%には、同種免疫、発熱及びアレルギー反応、循環過負荷、急性肺障害、並びに細菌又はウイルス感染を含む重篤な合併症が伴う。反復的な血小板輸血を必要とする患者の15から25%においては、ヒト白血球抗原(HLA)に対する同種免疫が原因となって、血小板応答が不十分である。したがって、血小板輸血の必要を減少又は解消できる安全な血小板新生剤は、患者の健康状態に利益となり、これにより医療費を大幅に減らすことができると考えられる。
本発明は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸):
Figure 2013501811
が、従来の薬物と比較すると迅速な様式で血小板応答を増加させる能力を有しており、血小板数の減少が原因である出血リスクのある対象に出血を誘発し得る治療に対して準備させる際に、これが有用であり得るという発見に少なくとも一部基づいている。したがって、本発明の目的は、対象が出血を誘発する治療を受けるときに出血を予防するために、対象の血小板応答を迅速に増加させる方法を提供することにある。
したがって、いくつかの態様では、本発明により、血小板数の減少に少なくとも部分的に起因する、出血リスクがある又は活動性出血がある対象の血小板応答を迅速に刺激する方法が提供される。当該方法は、概して、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の有効量を対象に投与することを含み、血小板応答は、14日未満で増加する。
いくつかの実施形態では、当該方法は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボンの投与後約14日以内、約7日以内、約3日以内又は約24時間以内に、血小板応答を検出するステップをさらに提供する。
いくつかの実施形態では、対象の最初の血小板数が、30,000/mm3未満又は30,000/mm3にほぼ等しく、血小板応答が、およそ7日未満で約50,0000/mm3を超えるまで又は50,0000/mm3にほぼ等しくなるまで増加する。
いくつかの実施形態では、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与後約28日目の対象の応答率が、最初の血小板数に対して、少なくとも約10%、約25%、約50%又は約80%である。
いくつかの実施形態では、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与後約7日目において、対象の応答率が、最初の血小板数に対して、少なくとも約5%、約10%、約25%、約50%、約70%、約90%又は約98%である。
いくつかの実施形態では、対象の持続的な血小板応答は、約28日後、少なくとも約25%、約30%、約40%、約50%、約75%又は約77%である。
いくつかの実施形態では、血小板応答が、少なくとも約7日間、約14日間、約28日間、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間又は約7カ月間維持される。いくつかの実施形態では、血小板応答は無期限に維持される。
いくつかの実施形態では、血小板応答は、最初の血小板数に対して、少なくとも約10%、約25%、約50%又は約90%だけ増加する。
いくつかの実施形態では、血小板応答は、少なくとも約10,000/mm3から約400,000/mm3の間だけ増加する。
いくつかの実施形態では、有効量は、周期的有効用量である。
いくつかの実施形態では、周期的有効用量は、1日1回用量、1日2回用量、1日3回用量、隔日用量、週1回用量、月1回用量である。
いくつかの実施形態では、周期的有効用量は、約1カ月間、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間又は約7カ月間投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、出血を誘発し得る治療を必要としている。
いくつかの実施形態では、対象は、治療の少なくとも約1カ月以内、治療の少なくとも約14日以内、治療の少なくとも約7日以内又はほぼ治療の時点で、低血小板数を有している。
いくつかの実施形態では、治療は、外科手術又は治療薬の投与を含む。
いくつかの実施形態では、治療薬は、化学療法、放射線治療又はこれらの組合せを含む。
いくつかの実施形態では、外科手術は、麻酔薬の投与、硬膜外の投与、生検、移植手術又は歯科的作業を含む。
いくつかの実施形態では、歯科作業は歯の清掃を含む。
いくつかの実施形態では、対象は血小板減少症である。
いくつかの実施形態では、対象は、がん、肝臓疾患、ビタミンB12の欠乏、全身性ウイルス感染、全身性細菌感染、敗血症、デング熱又は免疫異常の治療をさらに必要としている。
いくつかの実施形態では、肝臓疾患は、慢性ウイルス性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性肝臓疾患、肝不全又は敗血症である。
いくつかの実施形態では、血小板減少症は、慢性免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病、放射線誘発血小板減少症、化学療法誘発性血小板減少症、HIV/AIDS誘発性血小板減少症、貧血誘発性血小板減少症、血栓性血小板減少性紫斑病又は新生児同種免疫性血小板減少症である。
いくつかの実施形態では、対象は、化学療法又は放射線治療の実施が原因で血小板減少症を発症する可能性があり、対象の出血リスクが減少するように1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸が予防的に投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、永続的な血小板応答を有している。
いくつかの実施形態では、対象は、一過性の血小板応答を有している。
いくつかの実施形態では、対象は、血小板応答を維持する。
いくつかの実施形態では、対象は、以前に3ライン未満の治療を受けていたことがある。
いくつかの実施形態では、対象は、以前に3ライン以上の治療を受けていたことがある。
いくつかの実施形態では、対象には、脾臓摘出歴がある。
いくつかの実施形態では、対象には、脾臓摘出歴がない。
いくつかの実施形態では、対象は、ステロイド系薬物を併用している。
いくつかの実施形態では、ステロイドは、プレドニゾンである。
いくつかの実施形態では、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸を投与すると、対象はステロイドの使用を減少させる。
いくつかの実施形態では、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸を投与すると、対象はステロイドの使用を中止する。いくつかの実施形態では、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸を投与すると、対象はステロイドの使用を永続的に中止する。
いくつかの実施形態では、血小板応答は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与中止後、約1週間、約2週間、約3週間又は約4週間維持される。いくつかの実施形態では、血小板数は、無期限に維持される。
試験対象に、プラセボ又は2.5mg、5.0mg、10mg及び20mgの量のE5501を投与したときの、28日の試験期間にわたるベースラインより増加する血小板数の時間経過を表したグラフである。 18週間にわたる最大の解析集団(FAS)の集団に関する、ベースラインからの血小板数の中央値(K/mm3)を表すグラフである。 18週間にわたる十分な曝露があった集団に関する、ベースラインからの血小板数の中央値(K/mm3)を表すグラフである。 ロールオーバー試験におけるE5501の最終投与日からの時間分布対血小板減少症再発率を表すチャートである。 安全性評価対象集団における、最初の出血事象までの時間を示すKaplan Meierグラフである。
定義
特許請求の主題をより明白に且つ簡潔に記載するために、次の定義は、本明細書で用いられている用語の意味に関しての指針を与えることを目的としている。
本明細書で用いられている、冠詞「a」及び「an」は、別段の指示がない限り「一つ又は複数」又は「少なくとも一つ」を意味する。すなわち、不定冠詞「a」又は「an」による本発明の任意の要素に対する言及は、一つ以上の要素が存在している可能性を除外しない。
本明細書で用いられている言葉「血小板応答」とは、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸を投与したときの対象で生じる血小板数の変化を指している。「血小板応答を迅速に増加させる」という言葉は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与後の対象における血小板数の刺激作用を指している。いくつかの実施形態では、血小板応答の急速な増加には、最初の血小板数がおよそ<30,000/mm3でありステロイド系薬物を投与されていない対象における、約14日未満での、およそ≧50,000/mm3の血小板数の達成が含まれる。いくつかの実施形態では、血小板応答の急速な増加には、最初の血小板数がおよそ≧30,000/mm3であるがおよそ<50,000/mm3でありステロイド系薬物を投与されている対象における、約14日未満での、最初の血小板数をおよそ≧20,000/mm3上回る血小板数の達成が含まれる。いくつかの実施形態では、血小板応答の急速な増加には、最初の血小板数がおよそ≧30,000/mm3であるがおよそ<50,000/mm3であるステロイド系薬物を投与されている対象における、約7日未満での、最初の血小板数をおよそ≧20,000/mm3上回る血小板数の達成が含まれる。いくつかの実施形態では、血小板の応答の急速な増加には、約14日未満での、少なくともおよそ50,000/mm3の血小板数の達成が含まれる。いくつかの実施形態では、血小板応答の急速な増加には、約7日未満での、少なくともおよそ50,000/mm3の血小板数の達成が含まれる。
いくつかの実施形態では、血小板応答は、最初の血小板数より少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%又は約100%だけ増加する。いくつかの実施形態では、血小板応答は、少なくとも約10,000/mm3から約400,000/mm3の間だけ増加する。いくつかの実施形態では、血小板応答の正味変化は、少なくとも約10,000/mm3から約400,000/mm3の間である。
本明細書で用いられている用語「対象」は哺乳動物などの動物を示し、これらだけに限定されないが、ヒト、霊長類、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、マウス又は他のウシ種、ヒツジ種、ウマ種、イヌ種、ネコ種、げっ歯類の種、マウス種を含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、血小板数の減少が原因の少なくとも一部の出血リスクがある。いくつかの実施形態では、対象は、出血を誘発し得る治療を必要としている。いくつかの実施形態では、対象には活動性の出血(例えば、中枢神経系、消化管又は尿生殖器の出血)がある。
いくつかの実施形態では、対象は血小板減少症に罹患している。本明細書で用いられている用語「血小板減少症」は、血液中の血小板数の異常な低下を示す。いくつかの実施形態では、血小板減少症として、慢性免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病、放射線誘発血小板減少症、化学療法誘発性血小板減少症、HIV/AIDS誘発性血小板減少症、貧血誘発性血小板減少症、血栓性血小板減少性紫斑病又は新生児同種免疫性血小板減少症が挙げられる。
いくつかの実施形態では、対象は、ステロイド系薬物を使用している。「ステロイド系薬物」という言葉は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸と併用して対象に投与されるステロイド系治療薬を示す。ステロイド系薬物の例としては、例えば、メチルプレドニゾン、プレドニゾン、コルチコステロン、コルチゾン、アルドステロン、メチルプレドニゾロン、デキサメサゾン、ヒドロコルチゾンなどのコルチコステロイド(例えば、グルココルチコイド及び/又はミネラルコルチコイド)及びこれらの組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、対象には、脾臓摘出歴(例えば、脾臓を部分的に又は完全に取り除くために用いられる外科的処置)がある。いくつかの実施形態では、対象には、脾臓摘出歴がない。
いくつかの実施形態では、対象は、血小板応答を増加させるため又はそうでなければITPを治療するために、以前に3ライン未満の治療を経験している。「以前の治療のライン」という言葉には、例えば、血小板応答を刺激するための外科的処置、又は1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸以外の治療薬の投与などの、任意の治療が含まれる。いくつかの実施形態では、対象は、以前に三つ以上のラインの治療を経験している。以前の治療のラインの例としては、例えば、脾臓摘出、血小板輸血、血漿交換療法、造血幹細胞移植、及び/又はステロイド系薬物(例えば、プレドニゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン)、静脈内抗D、IVIg、抗線維素溶解薬(例えば、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸)、ロミプロスチム、エルトロンボパグ、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、シクロスポリンA、シクロフォスファミド、ダナゾール、ダプソン、リツキシマブ、キャンパス-H、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン)を含む治療薬、並びにこれらの組合せの投与が挙げられる。いくつかの実施形態では、治療のラインは、ステロイド系薬物の投与である。いくつかの実施形態では、治療のラインは脾臓摘出である。
本明細書で用いられている用語「出血を誘発し得る治療」は、血小板減少症又は低血小板数を有する対象において、出血を引き起こすリスクのある治療を示している。いくつかの実施形態では、治療には、外科手術、治療薬の投与、放射線治療又はこれらの組合せが含まれる。本明細書で用いられている用語「外科手術」は、医療処置を示し、これには、患部組織の除去、損傷組織の修復、その種の疾患が存在することを判定するための組織の診断法又は検査法を含み得る。いくつかの実施形態では、外科手術は、診断法(例えば、生検、内視鏡検査、大腸内視鏡検査、骨髄穿刺法、気管支鏡検査法、心臓カテーテル法、膣検鏡法、子宮鏡検査法、関節吸引、腹腔鏡検査法、縦隔鏡検査法、検眼鏡検査法、S状結腸鏡検査法、脊椎穿刺、胸腔穿刺、胸腔鏡検査法)、麻酔薬の投与、硬膜外投与、移植術又は歯科的処置(例えば、歯の清掃、歯根管、親知らずの抜歯、人工歯根、填塞、歯列矯正/矯正装置)を示している。
いくつかの実施形態では、治療薬の投与としては、バルプロ酸、メトトレキサート、カルボプラチン、インターフェロン、イソトレチノイン、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬若しくはヘパリンの投与、又は化学療法の適用が挙げられる。本明細書で用いられている用語「化学療法」は、微生物及び癌細胞を含む細胞を死滅させる化学物質による疾患の治療を示している。化学療法の例としては、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサプラチン(oxaplatin)、メクロレタミン、シクロフォスファミド、クロラムブシル、イホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、パクリタキセル、ドセタエル(docetael)、エトポシド、テニポシド、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビン(epirubin)及びブレオマイシンが挙げられる。本明細書で用いられている用語「放射線治療」は、治療(例えば悪性細胞を抑制するがん治療)の一部としての電離放射線の医学的使用を示している。
いくつかの実施形態では、対象は、化学療法又は放射線治療に起因する血小板減少症を発症する可能性があり、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸が予防的に投与され、その結果、対象の出血リスクが減少する。
いくつかの実施形態では、対象は、治療の少なくとも約1カ月以内、治療の少なくとも約14日以内、治療の少なくとも約7日以内、又は少なくともおよそ治療の時点で低血小板数を有していた。
本明細書で用いられている用語「出血」は、世界保健機関の出血スケール(例えば、グレード0=出血なし;グレード1=点状出血;グレード2=臨床的に重要な軽度の失血;グレード4=輸血を必要とする甚だしい(重度の)失血;グレード5=衰弱性の失血、網膜の失血又は致死を伴う脳の失血)で測定される任意の出血を示している。いくつかの実施形態では、出血は、低血小板数に起因し得る。
用語「低血小板数」は、健康な対象の正常な生理的血小板数、例えば、約150,000/mm3から約450,000/mm3の間にある血小板数、よりも低い血小板数を示している。一つの実施形態では、低血小板数は、約150,000/mm3未満、約100,000/mm3未満、約80,000/mm3未満、約50,000/mm3未満又は約30,000/mm3未満である。当業者には、血小板数が、技法(例えば、手動計数又は自動計数)、及び/又は血小板をカウントするために利用される検査室により変化し得ることを理解されたい。
本明細書で用いられている用語「最初の血小板数」は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与前の時点の血小板数を示している。いくつかの実施形態では、ステロイド系薬物を投与されていない対象の最初の血小板数は、10,000/m3未満、20,000/mm3未満若しくは30,000/mm3未満である、又はこれらの数値にほぼ等しく、血小板応答は、約7日未満で約50,0000/mm3を超えるまで又はこれにほぼ等しくなるまで増加する。いくつかの実施形態では、ステロイド系薬物を投与されている対象の最初の血小板数は、約10,000/m3、約20,000/mm3又は約30,000/mm3と約50,000/mm3との間にある。
いくつかの実施形態では、低血小板数は、ビタミンB12又は葉酸の欠乏、がん(例えば、白血病)、骨髄異形成症候群、免疫異常、肝疾患(例えば、慢性ウイルス性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性肝疾患又は肝不全)、敗血症、全身性ウイルス感染又は全身性細菌感染、デング熱、先天性無巨核球性血小板減少症、血小板減少-橈骨欠損症候群、ファンコニ貧血、ベルナール-スーリエ症候群、メイ-ヘグリン異常、灰色血小板症候群、アルポート症候群、免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群、播種性血管内凝固症候群、発作性夜間ヘモグロビン尿症、抗リン脂質症候群、全身性エリテマトーデス、輸血後紫斑病、新生児同種免疫性血小板減少症、脾機能高進症に起因する脾臓の血小板捕捉又はHIV関連の血小板減少症が原因で起こる。
本明細書で用いられている用語「1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸」は:
Figure 2013501811
及びマレイン酸塩を含むこの薬学的に許容し得る塩を表している。これは、またE5501とも称される。
その内容の全てが本明細書にその全体で組み込まれる米国特許出願公開第20050153977号により、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の合成方法が開示されている。
本明細書で用いられている用語「有効量」は、所望の効果を達成するために必要な1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の量を示している。用語「所望の効果」は、概して、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸が対象に投与される場合に、当業者により予測される任意の結果を示している。いくつかの実施形態では、所望の効果は、血小板応答の急速な増加である。いくつかの実施形態では、所望の効果は、出血リスクの低下である。いくつかの実施形態では、所望の効果は、出血リスクの完全な消失である。必要とされる正確な量は、対象ごとに変動し、対象の種、年齢及び全身状態、疾患の重症度、その投与方法などに左右される。いくつかの実施形態では、有効量は、1日当たり約1mgから約100mgの間、1日当たり約5mgから約50mgの間、又は1日当たり約10mgから約40mgの間である。いくつかの実施形態では、有効量は、1日当たり、約5 mg、約10 mg、約15 mg、約20 mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg又は約100mgである。
いくつかの実施形態では、有効量は、周期的有効用量である。本明細書で用いられている用語「周期的有効用量」は、対象において血小板応答の増加を達成するための有効な量を示している。いくつかの実施形態では、周期的有効用量は、1日1回用量、1日2回用量、1日3回用量、隔日用量、週1回用量又は月1回用量である。いくつかの実施形態では、周期的有効用量は、約1カ月間、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間、約7カ月間、投与される。必要とされる正確な量は、対象ごとに変動し、対象の種、年齢及び全身状態、疾患の重症度、その投与方法などに左右される。
いくつかの実施形態では、対象は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の漸増又は漸減の形式で、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与量調節を受ける。「漸増(upward titration)」という言葉は、所望の血小板応答が達成されるまでの、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の、特定の用量から増加させた用量の投与を示している。いくつかの実施形態では、漸増は、投与の量及び/又は投与の頻度を増加させることにより実現される。「漸減(downward titration)」という言葉は、所望の血小板応答が達成されるまでの、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の、特定の用量から減少させた用量の投与を示している。いくつかの実施形態では、漸減は、投与の量及び/又は投与の頻度を減少させることにより実現される。
本明細書で用いられている用語「出血のリスク低下」は、WHOの出血スケールで測定される出血リスクの任意の低下を示している。いくつかの実施形態では、リスクの低下は、少なくとも約10%の低下、約20%の低下、約30%の低下、約40%の低下、約50%の低下、約60%の低下、約70%の低下、約80%の低下、約90%の低下又は出血リスクの消失である。
本明細書で用いられている用語「血小板応答の検出」は、血小板応答を測定する又は検出するために当技術分野で用いられる任意の技術を示している。一般の当業者は、日常の実験を行う程度で血小板応答を測定又は検出する適当な技術を決定できると推定される。
本明細書で用いられている用語「応答率」は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与後の、経時的な血小板応答の増加(例えば、約50,000/m3の血小板数)を示している。いくつかの実施形態では、応答率は、結果的に、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与の約7日後、約14日後、約21日後又は約1カ月後に、約50,000/mm3を超える又はこれとほぼ等しい血小板数になる。さらなる他の実施形態では、応答率は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与期間中の任意の4週間の、50,000/mm3を超える又はこれとほぼ等しい任意の週単位の血小板数の達成である。いくつかの実施形態では、対象の応答率が、約28日目に、プラセボを投与されていた対象と比較して、最初の血小板レベルに対して少なくとも約10%、約25%、約50%又は約80%である。いくつかの実施形態では、対象の応答率が、約7日目に、プラセボを投与されている対象と比較して、最初の血小板レベルに対して少なくとも約5%、約10%、約25%、約50%、約70%、約90%又は約98%である。
本明細書で用いられている用語「持続的な血小板応答」は、少なくとも約7日間、約14日間、約21日間、約28日間、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間又は約7カ月間維持される血小板応答(例えば、約50,000/mm3の血小板数)を示している。いくつかの実施形態では、対象の持続的な血小板応答は、プラセボを投与されている対象と比較して、少なくとも約25%、約30%、約40%、約50%、約75%又は約77%である。
本明細書で用いられている「永続的な血小板応答」という言葉は、血小板応答を増加させるためのレスキュー薬を必要としない24週間の治療期間の内の約14週間の血小板応答率が、少なくとも約75%であることを示している。「レスキュー薬」という言葉は、血小板産生を刺激するために、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸に加えて対象に投与される治療薬のことを示している。
「一過性の血小板応答」という言葉は、永続的な血小板応答がなく、且つ任意のレスキュー薬の使用がない24週間の治療期間中の任意の連続した4週間の血小板応答率の達成のことを示している。
「全般的な血小板応答」という言葉は、永続的な血小板応答に一過性の血小板応答を合わせて一緒にした応答のことを示している。
本明細書で用いられている「血小板応答の維持」という言葉は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸を漸増することなく、7カ月の期間にわたる永続的な血小板応答の達成のことを示している。
いくつかの実施形態では、血小板応答は無期限に維持される。「無期限に維持される」という言葉には、急性又は慢性の低血小板数から対象を寛解させる又は治療することが含まれ、その結果、対象は、もはや低血小板数を治療するための薬物療法を必要としない。
本明細書で用いられている「ステロイドの使用の減少」という言葉は、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸を投与したときの血小板応答の結果としての、併用摂取するステロイドの量の減少を示している。いくつかの実施形態では、ステロイドの使用は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25<約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%又は約100%減少する。いくつかの実施形態では、ステロイドの使用は永続的に中止する。いくつかの実施形態では、ステロイドの使用の減少又はステロイドの使用の永続的な中止は、-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与直後、又は-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸を使用した治療の約7日以内、約14日以内、約21日以内、約28日以内、約1カ月以内、約2カ月以内、約3カ月以内、約4カ月以内、約5カ月以内、約6カ月以内又は約7カ月以内に起こる。
本発明の方法に従い、血小板応答を増加させるために有効な任意の量及び任意の投与経路を用いて、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸が投与され得ることを認識されたい。しかし、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与は、妥当な医学的判断の範囲内で主治医により決定されることを理解されたい。いくつかの実施形態では、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸は、経口で、経直腸で、静脈内に、腹腔内に、筋肉内に、動脈内に、皮内に、皮下に、経皮的に、気管内に、皮下に投与することができ、経鼻的な吸入、ネーバル(naval)吸入により、坐薬により、若しくは組織への直接注入により投与することができ、又は局所若しくは粘膜投与で吸収され得る。
実施例
本発明の方法は、次の実施例によりさらに理解することができる。しかし、これらの実施例は、本発明を限定するものではないことを認識されたい。現在既知の又はさらに開発された本発明の変形は、本明細書に記載されている且つ以下に特許請求されている本発明の範囲内にあると見なされる。
慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の対象における、1日1回28日間経口投与するE5501錠剤の、第II相無作為化二重盲検用量決定プラセボ対照並行群間比較試験
緒言
これは、以前に少なくとも1回行ったITP治療に抵抗性であった又は以前に少なくとも1回行ったITP治療を受けた後に再発した慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の対象の治療に使用したE5501錠剤の第II相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照用量決定並行群間比較試験であった。全ての参加基準を満たした対象を、28日間毎日投与する次の五つの治療群の一つに3:3:3:3:1で無作為に割り付けた:1)E5501 2.5mg;2)E5501 5mg;3)E5501 10mg;4)E5501 20mg;又は5)プラセボ(PBO)。各E5501用量群は15名の対象で構成され、一方、PBO群は5名の対象から構成された。全ての試験対象は、試験治療を受ける間、安全性及び有効性について毎週(7日目、14日目、21日目及び28日目)評価し、最終的な安全性及び有効性についての評価は、対象が以降の試験に参加する場合を除いて最後の試験投与(56日目)の4週間後に実施した。血小板数は、3日目及び5日目にも測定した。
本試験の主要な目的は、28日目のE5501に対する血小板数の応答を評価することにあった。応答率は、ステロイド薬を使用しておらず、スクリーニング来院B(screening visit B)の血小板数が<30,000/mm3であり、血小板数≧50,000/mm3を達成した対象の割合と、ステロイドを投与されており、スクリーニング来院Bの血小板数が≧30,000/mm3であるが<50,000/mm3であり、スクリーニング来院Bの血小板数を≧20,000/mm3上回る血小板数を達成した対象の割合を合わせた割合と規定した。当該試験の副次的な目的には、末梢血血小板数の変化、≧50,000/mm3及び≧100,000/mm3の血小板数を達成した対象の割合、及びスクリーニング来院Bにおいて血小板数の倍増を達成した対象の割合を含む有効性の他の指標の評価、並びにE5501の安全性及び忍容性の評価を含めた。
評価項目及び試験実施計画書に記載された解析
主要評価項目。本試験における主要評価項目は、28日目のE5501のレスポンダー率とした。レスポンダーは、スクリーニング来院Bの血小板数が<30,000/mm3であり、≧50,000/mm3の血小板数を達成した対象、又はステロイドを投与されており、スクリーニング来院Bの血小板数が≧30,000/mm3であるが<50,000/mm3であり、スクリーニング来院Bの血小板数を≧20,000/mm3上回る血小板数を達成した対象として規定する。
副次的評価項目
副次的評価項目には、スクリーニング来院Bからの末梢血血小板数の経時的な変化;28日目に、血小板数≧50,000/mm3又は血小板数≧100,000/mm3を達成した対象の割合、及びスクリーニング来院Bにおける血小板数と比較して倍増した血小板数の対象の割合を含めた。
安全性及び忍容性パラメーターには、有害事象、臨床検査パラメーター、被験薬の曝露、生体の心電図、併用薬、妊娠の可能性がある女性の血清妊娠試験、並びに身長、体重、外見及びバイタルサインの記録を含む理学的検査を含めた。
解析対象集団
対象の集団は、次のように規定した:
・無作為化集団には、本試験に無作為化した全ての対象を含めた。
・安全性解析対象集団には、被験薬を少なくとも1回投与され、少なくとも1回の安全性評価を受けた無作為に選ばれた全ての対象を含めた。
・薬物動態(PK)解析対象集団には、E5501の分析に血液サンプルを提供した全ての対象を含めた。対象がPK評価のために少なくとも1回の採血を受けた場合、当該対象をこの集団に含めた。
・最大の解析対象集団(FAS)には、少なくとも1回の有効性評価を得るために適切なデータ提供した全ての対象を含めた。対象が少なくとも1回のベースライン後の血小板数の評価を受けた場合、当該対象をこの集団に含めた。
・試験実施計画書に適合した(PP)対象集団には、安全性解析対象集団及び最大の解析対象集団の両集団におり、次の基準:
*試験期間中、対象のステロイド投与量を増加させた;
*試験の評価項目に影響を与える禁止薬物を使用した対象;
*高血小板数以外の理由で、1日用量の15%を超える用量の服用を抜かした被験
者、又は投薬期間が25日未満であり、継続試験を続けなかった対象;
*来院時機(visit windoe)の中で、28日目の血小板数が得られなか
った対象。28日目の来院時機は、包括的に25日目から最終投与日+1の時機と
規定した;
*血小板の評価項目の検討に影響を与える他の重要な試験実施計画書違反
のいずれにも合致しなかった対象のサブ集団を含めた。
試験実施計画書に記載された解析からの結果
対象の内訳。64名の対象を、本試験の治療に無作為に割り付けた。治療された全ての対象は、適切な有効性データを提供したので、FAS集団に含めた。治療を完了した対象又は時期尚早に中止した対象の数及び割合を、表1に示されているように治療群ごとにまとめた。加えて、離脱した対象の数及び割合を、治療群ごとに離脱理由ごとにまとめた。FAS、無作為化解析対象集団及び安全性解析対象集団に関する全ての用量群にわたり、対象の大多数(>85%)が試験を完了した。試験を早期に中止した7名の対象は、全てE5501の用量群からであり、2.5、10及び20mgの用量群の各々で2名の対象、並びに5mgの用量群で1名の対象であった。これらの7名の対象の内、2名の対象(E5501の5及び10mg用量群の各々につき1名)は、AE(筋骨格系胸痛(5mg);心筋梗塞、一過性脳虚血発作、肺炎及び網膜動脈閉塞(10mg))が原因で離脱し、(20mgから)2名の対象が大幅に増加した血小板数(≧500,000/mm3)が原因で離脱した。
Figure 2013501811
対象の人口統計学的特性及びベースラインの特性
対象の人口統計学的特性を、表2に示したように治療群ごとにまとめた。スクリーニング時の年齢、体重及び身長などの連続変数、ベースライン血小板数のカテゴリー(≦15,000/mm3対>15,000/mm3)、脾臓摘出歴、以前の治療のライン数及び以前のステロイド使用を、記述統計学によりまとめた(n、平均値、標準偏差、中央値、最小値及び最大値)。性別、人種及び生殖状態などのカテゴリー変数を、数と割合でまとめた。
人口統計学的特性及びベースラインの特性の解析を、五つの全ての集団について実施した。概して、対象の人口統計学的特性及びベースラインの特性は、プラセボ群及び四つのE5501用量群全てにわたり良くバランスがとれている。
Figure 2013501811
Figure 2013501811
有効性の結果
有効性の主要評価項目。有効性の解析は、28日目の来院時に、LOCF及び評価がなされた症例(OC)の手法で、FAS集団及びPP集団の両集団に対して実施した。一次解析集団は、FASとした。Fisherの正確確率検定を用いて、各治療ペア間の応答率の差を調べた。全てのp値は、多重性を調整しない基準p値である。
FASでは、主要評価項目(プラセボ群のレスポンダー率より大幅に高い28日目のレスポンダー率)が、20mg群(p=0.0036;表3)に対して達成された。図1で示されているように、E5501は、血小板数をベースラインから著しく増加させた。28日目に正の応答の基準を満たした血小板数増加が、プラセボ群、E5501の2.5mg、5mg、10mg及び20mg群における対象のそれぞれ0%、13.3%、53.3%、50%及び80%で観察された。有意な差は、20mg群と2.5mg群の間でもまた得られた(p= 0.0007)。
Figure 2013501811
同様に、PP集団におけるE5501の20mgとプラセボの差、及び20mgと2.5mgの差は、統計的に有意であった。
FAS及びPPの両集団に関するOC法に基づく有効性の主要評価項目の解析により、同様な一致した結果が得られている。
サブグループ解析では、データは、ベースライン血小板数、ITP併用薬のベースライン使用の有無、又は以前の脾臓摘出の有無にかかわらず、対象の大多数がE5501の20mgに応答したことを示している(表4)。
対象のおよそ44%が、施設132で登録された。多施設効果の可能性を調査するために、施設132で登録された対象対プールされた他の施設で登録された対象に由来する、FASに関するレスポンダー率が表4に列記されている。E5501の5mgに対する応答が、プールされた他の施設由来の対象の40%と比較して80%であったことを除いて、同様な応答がこの施設で観察された。ベースライン特性の解析に基づいた、施設132とプールされた他の施設の差では、この観察を説明できなかった。
Exact Cochran-Armitage傾向検定、及び正確な条件付スコア検定のためのLOGISTICモデリングを用いて、FAS及びPP集団に関して用量-応答関係を調べた。結果は、E5501の用量の0(プラセボ)から最大20mgへの増加に伴って、応答率が、統計的に有意な強い増加傾向になることを示した。二つの統計解析に基づく知見は、一致している。
Figure 2013501811
有効性の副次的評価項目。有効性の副次的評価項目の解析を、LOCF及びOCの両方法を用いて、治療群ごとに且つ解析のための来院ごとに実施した。解析のための来院は、解析の目標時機及び許容時機の両方を用いて、統計解析計画に指定した。(同じレスポンダー基準を用いた)レスポンダーの人数及び割合は、LOCF法を用いて、治療群ごとに及び解析のための来院ごとに以下の表5に提示する。
Figure 2013501811
E5501は、血小板数を比較的急速に増加させた;レスポンダー率は、E5501の2.5mg、5mg、10mg及び20mgを用いた治療後7日目までに、それぞれ6.7%、66.7%、64%及び93.3%に達した。E5501の20mgの投与を受けた対象のおよそ90%が、7日目までに血小板数が≧50,000/mm3増加した(表5)。
当該データにより、さらに7日目に血小板応答を達成した対象に関して、≧5mgを投与された対象のおよそ30%から80%が、その応答をさらに21日間維持したことが分かった。プラセボ又はE5501の2.5mgを28日間投与された対象の内、持続的な血小板応答を達成したものはいなかった(表6)。
Figure 2013501811
安全性の解析結果
E5501で治療された59名の対象の内、54名(84.7%)が、治療中に発生した有害事象(TEAE)を経験した。E5501で治療された対象の内35名(59.3%)に関しては、TEAEがE5501に関連があるかもしれない又はおそらく関連ありのどちらかであると見なされた(表7)。これらの事象の大多数は、重症度が軽度で一過性であり、完全に回復した。疲労(20.3%)、頭痛(20.3%)及び鼻出血(15.3%)だけが、E5501で治療された対象の≧10%で発生したAEであった(表8)。
全体では、3名の対象が、六つの重篤なTAEA(2.5mg;n=2;10mg:n=4)を報告した。10mgの用量群では、四つの重篤なTEAE(MI、TIA、網膜動脈閉塞(全てが、薬物が引き起こした可能性があるものと見なされた)及び肺炎(関連なし)は、全て1名の対象で発生した;この対象には、MI及びTIAの病歴があった。2.5mgの用量群では、1名の対象が、血小板減少症と診断され、1名が出血性胃炎と診断された。治験責任医師により、両症例ともグレード4で被験薬に関連していないものと分類された(表9)。
試験治療からの離脱につながったのは、TEAEの4症例であり、試験治療の中止につながったのは、TEAEの3症例であった(表7)。
Figure 2013501811
Figure 2013501811
Figure 2013501811
考察
本試験の結果は、E5501が20mgまでの用量において血小板数を増加させ、応答を示したかなりの数の対象に対しては、初期に作用を発現したことを実証している。当該試験により、また、ITPの対象における、28日の治療期間にわたる血小板応答の時間的経過及び安全性についての情報も提供された。
データは、E5501を≧2.5mg投与された対象の応答率が、用量を増加させるとともにより向上した(13%から80%)ことを示した。サンプルサイズが比較的小さく、E5501の用量当たりの対象が僅か14名又は15名で、プラセボ群では5名であったにもかかわらず、当該結果により、E5501の20mgには、プラセボ(p=0.0036)並びにE5501の2.5mg(p=0.0007)と比較して、統計的に有意な優れた効果があったことが実証された。
E5501は、判定基準の応答レベルを超えて、血小板数を比較的急速に増加させた。大多数(57.6%)の対象は、7日目までに≧5mgの用量に応答した。E5501の20mgで治療された対象は、7日目に93.3%の応答率を達成した。合計15名の対象では3日目及び合計21名の対象では5日目のより早期に、血小板数を測定した。E5501で治療された13名の対象の内1名は、3日目までに応答し、他方、E5501で治療された19名の対象の内6名は、5日目までに応答した(表10)。対照的に、プラセボで治療された対象4名の内、これらの期間で応答した者はいなかった。
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概して、血小板応答の時間経過は、7日目に最大濃度まで増加し、その後28日目のより低レベルへと減少していくことが分かった。E5501の低用量群では、応答率は約30%まで減少した。20mgの用量群の応答率の減少は、僅か約15%であった。陽性応答の基準を満たした血小板の持続的な増加が、プラセボ、E5501の2.5mg、5mg、10mg及び20mgにおいて、対象のそれぞれ0%、0%、28.6%、41.7%及び76.9%に観察された。これにより、E5501に対する持続的な血小板応答が、用量-応答の様式で生じることが分かった。これは、また、血小板応答を維持するためには、より高い用量が必要とされ得ることも示唆している。
本試験で調べたE5501の最高用量に対する全般的な応答率は、80-93%であった。比較として、E5501を投与された対象の93%が、7日目に50,000/mm3の血小板応答を達成し、一方、Nplate(登録商標)を投与された対象の僅か25%だけが、7日以内にこの増加を達成し(Kuterら、Lancet(2008)371:395-403)、Promacta(登録商標)を投与された対象の44-62%が8日以内に同等の増加を達成した(Busselら、N.Engl.J.Med.(2007)357:2237-47及びBusselら、Lancet(2009)373:641-48を参照されたし)。Nplate(登録商標)により、脾臓摘出された又は脾臓摘出されていなかった対象のそれぞれ38%又は56%に対して、6カ月目で永続的な血小板応答が実現したが、一方、現行の試験では、脾臓摘出に治療抵抗性であった対象の66.7%が20mgのE5501に応答した。この試験は、E5501の長期間の効果を決定するためにデザインされたものではなかったが、28日間の持続的な血小板応答が対象の76.9%で観察された。
E5501の安全性プロファイルは、任意のTEAEがあった対象の割合が、投与群にわたり同様であったことが特徴であった。TEAEは、数の上では20mgの用量群で最も多かったが、重篤なTEAEはこの群では報告されなかった。E5501を投与された対象の≧5%で発生し、プラセボでの発生率の少なくとも2倍であった治療中に発生したEAは、下痢、挫傷、過剰に増加した血小板数、嘔吐、出血斑、悪心、四肢痛及び上気道感染症であった。過剰な血小板数増加は、20mgの用量群に限って発生した。下痢、悪心及び嘔吐は、不一致を示したが、用量-応答の可能性があった;合計で12の事象が7名の対象で発生した。治療の最初の2週間以内に発生したこれらの事象の大多数が、重症度が軽度で一過性であり、完全に回復された。TEAEがあり、被験薬からの離脱につながった対象の数は、少なかった(n=4、6.8%)。20mgの用量群では、TEAEがあり被験薬からの離脱につながった対象の数が一番多かった(n=2;13.3%)。薬物の作用機序と一致し、両事象は、「血小板数が過剰に増加した」事象であった。3名の対象に六つの重篤なTEAEがあった;用量、器官別大分類又は基本語に対する傾向はなかった。表9では、重篤なTEAEが列挙されている。E5501を中止すると、3名の対象の血小板数がベースライン血小板数を下回って減少し、これは血小板減少症がリバウンドした可能性を示唆している。
結論
これらの試験結果に基づき、28日目の血小板応答によって評価すると、E5501はプラセボと比較して優れた有効性を実証した。この応答は、用量依存的であった。血小板応答は、治療開始後早くも7日目で観察された。28日間の治療を完了した20mg群における対象のほぼ80%が、その血小板応答を少なくとも3週間維持した。E5501には、また忍容性が高く、安全性プロファイルも好ましいものであった。
28日間の試験治療を完了した慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の対象における、E5501の第II相並行群間ロールオーバー試験
緒言
本試験は、28日間の試験治療に登録されこれを完了した慢性ITPの対象における、E5501の多施設共同並行群間ロールオーバー試験であった。以前の試験を完了した全ての対象、さもなければ本ロールオーバー試験計画書の選択基準を満たした対象が登録された。
試験デザインの概要
以前の試験から繰り越された対象が、以前の試験を完了した後にさらに6カ月間治療された。対象を、初めに二つの群、すなわち以前の試験においてE5501に対して応答があった対象(例えば、レスポンダー)又は応答がなかった対象(例えば、非レスポンダー)に分けた。
初回投与量:以前の試験で有効性応答に合致した対象に、本試験へのエントリー時点で、以前の盲検用量を継続して投与した。しかし、以前の試験において有効性応答に合致しなかった2名の対象(例えば、非レスポンダー)には、以前の試験で投与された被験薬又は用量にかかわらず、初めにE5501の10mgを非盲検様式で1日1回投与した。
用量変更:治療中に血小板応答を達成しなかった対象に関しては、E5501の用量増加を試験計画書で許可した。用量漸増は、増加量10mgの非盲検様式で次のように実施した。
・以前の試験で非盲検でE5501の初回用量10mgを投与した非レスポンダーは、14日ごとの増加量を10mgにして用量を増加させ、血小板応答がない場合は最大40mg/日まで増加させることができた。40mg/日においても対象に血小板応答がなかった場合は、被験薬を永続的に中止することとした。
・レスポンダーは、二重盲検用量に加えて、14日ごとの10mgの増加量で、2回までの非盲検の用量増加(例えば、合計の追加非盲検用量が20mg/日)を受けることができた。対象がこのより高い用量に応答しなかった場合は、被験薬を永続的に中止することとした。
対象は、また、ITP-向けの併用治療(例えば、ステロイド系薬物)の用量を減少させることも許可された。任意の用量変更の全般的な目標は、50,000/mm3を超える対象の末梢血血小板数を維持することにあり、(適切な場合)ITP-向けの併用薬に対する必要を減らすことにあった。被験薬又はITP-向けの併用薬の任意の用量変更を行う間、血小板数を毎週収集した。血小板数が安定した後で、血小板数の収集を2週間に1度の日程に戻した。
評価:1日目、安全性及び(血小板数を含めた)有効性に関して、試験対象を評価し、その後治療を受けながら2週間に1度評価した。非盲検でE5501を投与している対象は、7日目にも評価した。
試験目的
本試験の主要な目的は、E5501で28日間の以前の試験を完了した慢性ITPの対象において、さらに6カ月間投与されたE5501の安全性及び忍容性を評価することにあった。副次的な目的は、E5501の有効性の指標を評価することにあった。
試験対象集団
二つの主要な解析対象集団を用いて、安全性及び有効性をまとめた:
・安全性解析対象集団:以前の試験又は本試験のいずれかにおいて、被験薬を少なくとも1回投与され、且つ少なくとも1回の治療後の安全性評価を受けた全ての対象。全ての安全性解析は、この集団を用いて実施した。
・最大の解析対象集団(FAS):両試験に参加し、且つ本試験において少なくとも1回の治療後の安全性評価を受けた全ての対象。有効性の解析の全ては、この集団を用いて実施した。
医学的に興味がある追加の解析対象集団は、次のように規定した:
・十分な曝露があった(SE)集団:治療が12週間に達しなかった対象、及び<50,000/mm3の血小板数として規定される不十分な血小板応答に基づき用量の漸増が必要とされた場合、これが実行されなかった対象を除外した、FASにおける全ての対象。
血小板の非応答事象における用量漸増が試験計画書で認められ、この時点で18名の対象が本試験にすでに登録されていたことに留意が必要である。18名の対象の内7名が、以前の試験で非レスポンダーであり、3名が、試験実施計画書の改訂版4が執行される前に本試験から離脱した。
試験評価項目
主要評価項目:主要評価項目は、AE及び臨床検査値を含めたE5501に対する安全性及び忍容性を、6カ月の追加の治療にわたり評価することが目的であった。
副次的評価項目:副次的評価項目は有効性の指標であり、これらとしては:
1.血小板数の、以前の試験及び本試験のベースラインからの来院ごとの変化;並びに
2.24週の治療期間の最後の14週間において、血小板数が少なくとも3回評価され、且つ24週の治療期間中の最後の14週間において、血小板数がこの期間の少なくとも75%の間応答レベルにあり、24週の治療期間中にレスキュー薬を使用しなかった対象として規定される永続的な血小板応答。血小板応答レベルは、以前の試験におけるベースラインの血小板数が<30,000/mm3の対象に関しては≧50,000/mm3又は以前の試験におけるベースラインの血小板数が≧30,000/mm3であるが<50,000/mm3であり、ステロイド系薬物を投与されていた対象に関しては、ベースラインの血小板数の>20,000/mm3の増加として規定される;
3.任意のレスキュー薬の不在の中で永続的な血小板応答がなかった、24週の治療期間中の任意の連続した4週間の応答レベルの達成として規定される一過性の血小板応答;
4.全般的血小板応答(永続的な血小板応答に一過性の血小板応答を加える);
5.以前の試験においてレスポンダー(例えば、以前の試験の28日目のレスポンダー)であり、本試験において永続的な応答を達成し、本試験中にE5501の漸増がなかった対象として規定される血小板応答の維持;
6.本試験における被験薬の最初の投与前の2週間以内に、ステロイド系薬物を使用した対象、且つ治療期間の終了前の少なくとも8週間、ステロイド系薬物の併用を中止した対象として規定される、ステロイド使用の永続的な中止;
7.ステロイド使用の少なくとも50%までの減少
が挙げられる。
解析方法
E5501の安全性プロファイルをより包括的に解釈するために、両試験からの安全性データを組み合わせて使用し、E5501を少なくとも1回投与された64名の対象に対して安全性解析を実施した。こうして、以前の試験を導入部で開始し、現行の試験に継続することで、各々の対象のE5501に対する完全な曝露期間が安全性データにより反映される。
有効性の結果は、長期治療の有効性に焦点を当てたもので、現行の試験の6カ月間にE5501を投与された(以前の試験からのデータを除外した)53名の対象に基づいた。加えて、将来の試験に関する用量選択を容易にするために、有効性の結果に対して感度解析を実施し、これには、以前の試験でE5501の10mgを投与され、本試験に参加しなかった対象もまた含めた。以前の試験からの11名の対象は、本試験にロールオーバーしなかった(表12)。11名の対象の内2名に関するデータは、永続的な血小板応答の決定に関連するものと見なされたが、この理由は、これらの対象がE5501の10mg;(例えば、第3相試験における開始用量として計画されたE5501の同じ用量)を投与されたからである。両対象は、永続的な血小板応答に関して非レスポンダーとして分類された(例えば、本試験に登録せず、したがって、本試験の6カ月の治療期間の内最後の4週間の有効性データがなかった)。残りの9名の対象に関するデータは、感度試験に含めなかった;7名の対象は、以前の試験においてE5501の10mgよりも少ない用量(2.5mg[n=3]又は5mg[n=4])を投与され、2名の対象は、以前の試験におけるE5501の20mgでの治療中、血小板数が過剰に増加した(例えば、>500,000/mm3)。そこで、感度解析は、合計55名(例えば、現行の試験に参加した53名の対象+以前の試験においてE5501の10mgを投与されたが、試験501-CL-004に登録しなかった2名の非レスポンダー)の対象に基づいた。
試験実施計画書の改訂版4に従って、現行の試験に可変用量の投与計画を含めた;したがって、本試験は、非盲検、非対照の単群試験と見なされた。試験デザインのこれらの制約の理由で、有効性及び安全性の解析に関しては二つの探索的な分類法を提案した:
・分類法Aは、両試験の実薬治療期間を組み合わせた期間中に投与された平均1日用量を基準にした。平均1日用量群は、次のように規定した:3段階低用量群(<10mg/日を投与された対象)、3段階中用量群(≧10-<16mgを投与された対象)及び3段階高用量群(≧16mgを投与された対象)。これを、安全性を評価するために用いる方法とした。
・分類法Bは、受けた治療、及び以前の試験である試験における被験薬に対する28日目の血小板応答の両方を基準とした。これを、FAS及びSE集団に関する有効性の解析に用いる方法とした。
結果
対象の内訳:64名の対象が最初の試験に登録し、その内53名の対象がロールオーバー試験(例えば、現行の試験)に登録した。試験を完了した対象又は時期尚早に離脱した対象の数並びに割合を、安全性解析対象集団及びFASに関してそれぞれ表11及び表12にまとめた。加えて、永続的に離脱した対象の数及び割合を、中止理由ごとにまとめ、応答ステータスごとに且つ平均1日用量レベル群ごとに分類した。
Figure 2013501811
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以前の試験における53名の対象(およそ83%)が、現行の試験にロールオーバーした。本試験へ継続しなかった11名の対象の内、7名が、以前の試験から時期尚早に離脱した後に登録に不適格となった。残りの4名の対象は以前の試験を完了したが、現行の試験への参加には選ばれなかった。現行の試験へ継続した53名の対象の中で、対象のおよそ2/3(66%)が6カ月の治療期間を完了し、レスポンダーの大多数(80%)及び非レスポンダーの半分少し(53.6%)が、当該試験を完了したFASの中の対象であった。平均1日用量が3段階低レベル、3段階中レベル及び3段階高レベル群については、それぞれ対象の50%、59.1%及び55%が両試験を完了した。18名の対象が現行の試験から時期尚早に離脱し、平均1日用量が3段階低レベル、3段階中レベル及び3段階高レベルの群において、それぞれ4、7及び7名であった(表1)。5名の対象が、以前の試験においてはレスポンダーであり、13名が非レスポンダーであった(表2)。離脱した18名の対象の内、5名の対象(2名がレスポンダーで3名が非レスポンダー、又は用量が、3段階低レベル、中レベル又は高レベルの群についてはn=2、2及び1名)がAEが原因で現行の試験から離脱し、一方、1名の対象(非レスポンダー、用量が3段階低レベル)だけが過剰に増加した(≧500,000/mm3)血小板数が原因で離脱した。
対象の人口統計学的特性及びベースラインの特性
対象の人口統計学的特性及びベースラインの特性を、安全性解析対象集団及びFASについて、それぞれ表13及び表14にまとめた。スクリーニング時の年齢、体重及び身長などの連続変数、ベースラインの血小板数のカテゴリー(≦15,000/mm3対>15,000/mm3)、脾臓摘出歴、以前の治療ラインの数及び以前のステロイド使用を、記述統計学によりまとめた(n、平均値、標準偏差、中央値、最小値及び最大値)。性別、人種及び生殖状態などのカテゴリー変数を、数と割合でまとめた。概して、人口統計学的特性及びベースラインの特性は、表13及び表14にそれぞれ示したように、以前の試験におけるレスポンダーのステータスごとに類別した対象、並びに以前の試験及び現行の試験におけるE5501の平均1日用量レベルごとに類別した対象の間で同等であった。
Figure 2013501811
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有効性結果
この集計には、臨床的に関心のある有効性評価項目に、永続的な応答率、一過性の応答率及び全般的な応答率、並びにITP薬の併用の変更を含めた。
FASに関して、以前の試験でレスポンダーであった対象及び非レスポンダーであった対象の両対象の中で、E5501を使用した6カ月の治療の有効性が実証された(表15)。FASに関しては図2、SE集団に関しては図3に示されているように、5501を使用した治療の後で、血小板数がベースラインから著しく増加した。6カ月の治療期間中に観察された永続的な応答率は、全ての対象に関しては52.8%、レスポンダーに関しては72.0%及び非レスポンダーに関しては35.7%であった。55名の対象に基づいた感度解析により、永続的な血小板応答の概算が得られ、全ての対象に関しては50.9%(n=28/55)、レスポンダーに関しては72.0%(n=18/25)及び非レスポンダーに関しては33.3%(n=10/30)であった。
同様に、全般的な血小板応答率は、全ての対象に関しては75.5%、レスポンダーに関しては88.0%及び非レスポンダーに関しては64.3%であった(表15)。しかし、以前の試験においてプラセボ、E5501の2.5mg又はE5501の5mgを投与されており、現行の試験で非盲検でE5501の10mgを投与された非レスポンダーに関する全般的な応答率は、それぞれ80%、70%及び80%であった(データは示していない)。これらの応答率は、二重盲検でE5501の10mgを投与されていたレスポンダーに関する71.4%の全般的な応答率と同等であった。5名の対象は、以前の試験においてE5501の10mgに応答せず、5名の非レスポンダーの全ては、現行の試験では、非盲検でE5501の10mgの開始用量で治療された。現行の試験でこれらの対象の内の2名をE5501の20mgで治療したところ、これに応答した。別の2名の対象は、試験計画書に準拠した用量の漸増を必要としたが、これを受けることは一度もなく、一方、複数回の用量調節を受けた後の5名の対象の血小板数は、>1,000,000/mm3と高く、<10,000/mm3と低かった。これらの治療群の各々における対象数は、少なかった;したがって、確定的な結論は下せなかった。
SE集団では、永続的な血小板応答率及び全般的な血小板応答率は、特に非レスポンダーの間で増加し、52.4%が用量の漸増を必要としたが、これを受けることはなかった(表15)。SE集団に関する永続的な血小板応答率は、全ての対象に関しては75.0%、レスポンダーに関しては85.7%及び非レスポンダーに関しては60.0%であった。
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ステロイド系薬物を併用した対象のおよそ1/3(33.3%)は、表16に示すように、レスポンダーステータスにかかわらず、永続的にステロイド系薬物の使用を中止することができた。同様に、ステロイド系薬物を併用した対象の半数以上(54.2%)は、レスポンダーステータスにかかわらず、ステロイド系薬物の併用を少なくとも50%まで減少させることができた。
サブグループ解析では、ベースラインの血小板数が>15,000/mm3であり、以前にITPに対して<3の治療ラインを受け、脾臓摘出の経験がなかった対象において、より高い全般的な血小板応答率及び永続的な応答率が観察されたことが、データにより示された(表17)。
Figure 2013501811
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追加データの集計では、FASに関して、血小板応答を達成するために必要な適切用量を探索するために、E5501の用量漸増のステータスを調べた。漸増は、2回の連続する血小板数が<50,000/mm3であった場合に必要であった。E5501の2.5mgを1日1回投与されることに割り付けられたレスポンダーを除き、以前の試験における大多数のレスポンダー(割り当てられた用量に維持された)は、本試験において漸増を必要としなかったことが、結果により示された。一方、以前の試験における非レスポンダー(本試験において、試験計画書に準拠し、非盲検でE5501の10mgの1日1回で治療を始めた)のほぼ半数は、6カ月の治療期間中用量漸増を必要としなかった(表18)。すなわち、本試験の6カ月の治療期間中、25名のレスポンダーの内5名(20%)が用量漸増を必要とし、他方、28名の非レスポンダーの内21名(75%)が用量漸増を必要とした。用量漸増を必要とした26名の対象の内、3名のレスポンダー(60%)及び10名の非レスポンダー(47.6%)は、実際に用量漸増を受けた。用量漸増を必要とし実際これを受けた対象に関しては、13名の対象の内10名(76.9%)が、漸増後に全般的な血小板応答を達成した。これらの結果により、少なくとも以前の試験における数人の非レスポンダーに関しては、対象がE5501のより高用量を投与された場合、全般的な血小板応答を達成できたことが示唆される。
全般的に、本試験における有効性のデータの集計に基づく知見は、E5501がITPに対する有効な治療であるとの結論を支持しており、これらの有効性の結果は、以前の試験で観察された知見と一致している。
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安全性結果
全般的な有害事象。安全性結果のこの集計では、第1の治療期間と第2の治療期間を組み合わせた期間中の、包括的な及び基本語(PT)によるTEAE、並びに重篤なTEAE(PT)に注目している。第1の注目点を安全性解析対象集団全体に関する要約統計量におくと、E5501に関する全般的な安全性プロファイルが得られる。各々の群、例えば、平均1日用量が3段階低レベル、3段階中レベル及び高レベルの1/3の群に関する要約統計量は二次的であり、さらなる安全性情報が三つの用量レベルにわたって提供される。
64名の対象の内62名(96.9%)が一つ又は複数のTEAEを経験した。62名の対象の内41名(64.1%)に関し、事象は、治療に関連して可能性がある又はほぼ確実に治療に関連していたかのどちらかであった(表19)。7名の対象に、試験治療の時期尚早の中止につながったTEAEがあり、8名の対象が試験治療の中断につながったTEAEがあった。これらの8名の対象の内1名に対しては、血小板数の≧500,000/mm3の増加が原因で治療が中止された。当該試験中に死亡は発生しなかった。
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大多数のTEAEは、グレード1又は2、一過性であり、完全に軽快した。疲労(34.4%)、頭痛(32.8%)、鼻出血(23.4%)、挫傷(18.8%)、関節痛(14.1%)、下痢(14.1%)、歯肉出血(10.9%)及び嘔吐(10.9%)だけが、E5501で治療された対象全体の≧10%で発生したAEであった(表20)。
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重篤な有害事象。5名の対象(3段階低レベル、中レベル及び高レベルの用量群において、それぞれ1、3及び1名の対象)は、16例(3段階低レベル、中レベル及び高レベルの用量群において、それぞれ1、9及び6例)の重篤なTEAEを報告した。3段階高レベルの用量群では、表21に示すように、6例の重篤なTEAEの全てが同じ対象により報告された。
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血小板減少症の再発。血小板減少症の再発はこれまでに報告されており、この集団における特別な関心事である。血小板減少症の再発は、E5501の中止に応じて、10,000/mm3を下回るまで減少した血小板数として規定された。本試験では、9名の対象が、血小板減少症再発の基準を可能性として満たした。3名は、重篤であると見なされた;3名全てが回復した。
被験薬の中止に続き血小板減少症が再発した対象は、表22に示してある。9例の全ては、E5501の10mg以上の用量で起こり、大半(n=6/9)は、E5501を中止してから2週間以内に起こった(図3)。しかし、再発性血小板減少症は、被験薬の最終投与後最大4週間まで観察された。
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出血事象。合わせた試験期間中、64名の対象の内43名(67.2%)が、治療中に発生した出血事象を報告した(表23)。歯肉出血が最も高い頻度で報告された出血事象であり、7名(10.9%)の対象で発生した。全員が、グレード1(n=6)又はグレード2(n=1)であり、被験薬に関連していると見なされた者はいなかった。用量相関があるようには見えなかった。
大多数の対象は、グレード1又はグレード2の出血エピソードであった。4名の対象は、次のように、臨床的に有意なグレード3又は4の出血事象を経験した。
・最初の対象である、ITP以外には関連する病歴のない50歳のアジア系の男性は、以前の試験において、E5501の2.5mgを1日1回3日間投与された。浮動性めまいの理由で、治療の3日後に、対象は治療に対する承諾を取り消した。その同じ日に、グレード4の消化管出血を発症し入院した(血小板数は事象の時点では報告されなかったが、2日前には2,000/mm3であった)。4日後に、事象は軽快したと見なされ、対象は退院した。治験責任医師は、事象はE5501とは関連がなかったと判断した。退院4日後に、対象は、メラントニックスツール(melantonic stool)及び全身の脱力感(血小板数が6000[単位は明記されていない])で再入院した。食道胃十二指腸内視鏡検査により、グレード4の出血性びまん性胃炎であることが判明した。事象は、試験第17日目(血小板数は不明)に軽快した。治験責任医師は、事象はE5501とは関連がなかったと判断し、対象にはピロリ菌(H. pylori)があり、これが当該事象の原因となった可能性があると述べた。
・2番目の対象は、ITPで月経過多の重要な病歴があった42歳の白人女性であり、両試験において、E5501の10mgを1日1回投与された。試験第89日に、グレード3の頭蓋内出血を示した(血小板数は、試験第85日に2,000/mm3であった)。試験第91日に、対象は、緊急の脾臓摘出術を受けた。しかし、対象の血小板数は、依然として不安定のままであり、血小板の追加輸血が必要であった。対象には、引き続きグレード1の歯茎からの出血及び鼻出血があった。被験薬の最後の投与は、試験第100日であった。複数の事象は、試験第102日までに軽快したが、血小板数は低いままにとどまった(3,000/μL)。治験責任医師は、事象の全てを、被験薬とは関連しないものとして分類した。
・3番目の対象は、ITPを有する、脾臓摘出歴のある44歳の白人女性であり、両試験においてE5501の10mgを1日1回投与された。試験第184日に治療を完了し、血小板数は210,000/mm3であった。試験第192日に、グレード3の鼻出血を発症し、2日後に軽快した(血小板数は不明)。当該事象は、治験責任医師により被験薬とは関連していないものと見なされた。対象の最後の来院は、試験第204日であり、このときの血小板数は98,000/mm3であった。
・4番目の対象は、ITPで脾臓摘出があった42歳の白人男性であり、以前の試験において二重盲検でE5501の5mgを1日1回投与され、現行の試験において非盲検でE5501の10mgを1日1回投与された。対象の血小板数は、試験第47日まで4から6K/mm3(正常範囲未満)のままであった。試験第47日に、対象は、血小板減少症に関連するグレード3の出血の増加(出血性素因)を経験し、E5501を永続的に中止した。その時点で血小板数は4K/mm3であった。メチルプレドニゾロン40mg、アセトアミノフェン650mg、ジフェンヒドラミン50mg、免疫グロブリン42g及び血小板の1単位(各々1回限り)で治療したにもかかわらず、出血は、試験第80日時点では軽快しなかった。治験責任医師は、対象の出血をE5501に関連しないものとして分類した。
Kaplan-Meier法を用いると、最初の出血事象までの推定期間中央値は、E5501の開始後8週間(95%CI:4.7〜15.3週間)であった(図5)。
Figure 2013501811
血栓溶解事象。これらの3名の対象の内2名が、治療の第10週中に血栓事象を報告した。1名の対象は、E5501の10mgを投与されていた73歳の白人女性であり、試験第69日において、腸骨静脈にグレード3の深部静脈血栓症(DVT)があり、被験薬と関連がないものと見なされた。当該事象の時点で、血小板数は19,000/mm3であった。E5501での治療を永続的に中止し、事象は軽快した。対象は、以前に乳がんに罹患し、リスクファクターとして第V因子Leiden変異があった。2番目の対象は、44歳の白人女性であり、グレード3の脳卒中にかかっていた。E5501の30mgを投与されており、血小板数が事象の時点で119,000/mm3であった。E5501での治療を中断し、当該事象は軽快した。この対象には、次のリスクファクターがあった:ANA+、ループス凝固+及び第V因子Leiden変異についてはヘテロ接合型。3番目の対象は、E5501の20mgを投与されていた41歳の白人女性であり、試験第51日にグレード1の表在性静脈炎にかかっており、被験薬と関連したものではないと見なされた。当該事象は軽快した。
4番目の対象は、以前の試験で血栓塞栓性事象を起こした。この対象は、71歳の白人男性であり、E5501の10mgでの1日1回の20日間の治療後に、一過性脳虚血発作(TIA)、心筋梗塞(MI)及び肺炎を起こした。ECGは、心拍数(bpm)が1分間に94拍動の正常洞調律を示し、側壁虚血と矛盾しないST波及びT波の異常を示し、試験第8日に記録した以前のECGと比較した場合、下壁梗塞の連続変化を示した。医師は、TIAが新たな左頭頂側頭部の小さな脳卒中であり、亜急性のMIと同時に合併した塞栓性の事象であった可能性を感じた。この時点で、血小板は47K/mm3であった。E5501での治療は永続的に中止され、事象は軽快した。治験責任医師は、MI及びTIAがE5501に関連した可能性があると見なし、肺炎はE5501とは関連性がないと見なした。E5501の離脱後、試験第36日に、対象は、重篤なグレード4の網膜動脈閉塞を発症した(治療後14日目)。この時点で、血小板数は27K/mm3であった。この事象は、最終報告日の時点で軽快していなかった。治験責任医師は、この事象がE5501に関連した可能性があると見なした。この対象には、複数回のTIA、複数回のMIの重要な病歴があり、冠動脈バイパスグラフト(s/pCABG)後のステータスであり、血管形成術の治療歴があった。
新生物。興味深い3例の新生物事象が、本試験中に発生した。E5501の10mgを投与されていた1名の対象(125-5063)は、第1の試験中に中等度の白血球増加症を経験した。現行の試験の第8日における対象の白血球数は28.8K/Lであり、骨髄の生検及び吸引を受け、左方移動及び芽球増加(11%)のある骨髄過形成が明らかになった。染色体分析により、分裂中期の細胞の40%に8番染色体のトリソミーが明らかになり、対象は、骨髄異形成症候群(分類REAB)と診断された。末梢血塗抹標本には、10%の芽球が見られた。対象は、骨髄異形成症候群(MDS)と診断され、被験薬を試験第9日に中止した。白血球増加症は、現行の試験の第23日までにグレード3まで悪化し、この時点で対象を永続的に試験から離脱させた。急性骨髄性白血病(AML)の診断は試験第57日に行われた。対象は、AMLに対する化学療法で治療され、回復したが、最後の追跡調査の時点で続発症があった。治験責任医師は、白血球増加症が被験薬にほぼ確実に関連していたと判断し、AMLが被験薬に関連していた可能性があると判断した。骨髄生検はベースライン時点で行わなかったので、MDSが以前から存在していたことを除外することはできない。
2番目の対象は、E5501の10mgを投与されており、試験第35日に背中にグレード2の良性脂肪腫があった。AEは被験薬に関連していなかったと判断され、対象は回復した。
3番目の対象は、E5501の20 mgを投与されており、試験第15日にグレード2の骨髄増殖性疾患があり、被験薬に関連していなかったと判断された。事象の発現時、対象には実質性脾腫があったが、PETスキャンは陰性であり、対象には、末梢血塗抹標本中にも骨髄生検でも芽球数の増加はなかった。骨髄生検により、骨髄は対象の年齢では正形成であった。骨髄巨核球は、著しく増加していた。これらは、大きなサイズが圧倒的に多く、異形成の特徴があり高密度に集積していた。E5501はトロンボポエチンアゴニストなので、これらの特徴は、被験薬が血小板合成経路に陽性効果があることの指標となり得る。対象は追跡調査から逸脱し、転帰は不明である。
肝臓毒性。安全性解析対象集団における2名の対象では、グレード2又は3のAST及びALT濃度の上昇が認められた。1名の対象は、高血圧、骨粗しょう症、高コレステロール及び腎臓結石の病歴があるITPの69歳の女性であり、以前の試験でE5501の20mg/日を投与されており、試験中の肝機能検査(LFT)では異常はなかった。E5501の開始後およそ164日目に、グレード3のASTの増加(431U/L)及びALTの増加(421U/L)から成るAEを経験した。LFTの濃度は、次の2カ月間にわたって減少し、対象がまだE5501の20 mg/kgを投与されている間に完全に軽快した。当該事象は、治験責任医師によりE5501に関連していなかったものと判断され、肝機能の異常に関連する三つの薬剤、クレストール(登録商標)、イブプロフェン及びプレドニゾンの併用で混乱した。イブプロフェンは、LFTの上昇値発現の約3カ月前に開始された。
2番目の対象は、ITPの22歳の女性であり、E5501の5mg/日を投与されていた。E5501の治療開始後およそ21日目に、標準臨床検査において、無症状でグレード2の血清AST濃度の上昇(143U/L)及びALT濃度の上昇(210U/L)が認められた。これらの上昇は、総ビリルビン又はアルカリホスファターゼの増加とは関連していなかった。これらの上昇は、対象を用量を変えないE5501で維持している間に、2週間以内で完全に回復した。交絡因子には、事象のおよそ18日前のアセトアミノフェンの1用量の併用を含めた。対象は、レスポンダーであると判断され、現行の試験においてE5501の5mg/日の投与が継続され、この期間に対象は、グレード1のALTの独立した上昇である、E5501の開始後126日目及び186日目における別個の2例のエピソードを起こした。当該事象は、治験責任医師により、被験薬と関連していた可能性があると判断された。
考察
この集団で予測することができたように、TEAEの発生率は高かった。E5501の治療を受けたほぼ全ての対象(n=62/64、96.9%)が一つ又は複数のTEAEを経験した。大多数の事象は、重症度が軽度で、一過性であり完全に軽快された。例えば、悪心、浮動性めまい及び頭痛(片頭痛を含む)などの数種のAEの発生率は、平均1日用量の3段階高レベルにおいて最も高く、用量-応答関係の可能性を示唆している。しかし、TEAEの全般的な発生率は、平均1日用量の三つのレベルにわたって類似していた。その上、重篤なAE、時機尚早の中止につながったAE又は特に関心の高い任意のAEの発生率の差は、平均1日用量の三つのレベルにわたって観察されなかった。AEの発生率に対する用量レベルの任意の有意味な解釈は、本試験における用量割り付け法によって交絡されることに留意されたい;例えば、無作為の割り付けよりも、むしろ自己選択に基づく用量調節があったレスポンダーステータスに基づくAEの発生率。
E5501の安全性プロファイルもまた、E5501の中断又は時機尚早な中止につながった、重篤なAE又はAEの低い発生率が特徴であった。E5501の4週間の安全性プロファイルと比較すると、追加の6カ月間の安全性結果は一致しており、依然として良好であった。増加した血小板数、特に450,000/mm3を超えるレベルでは、潜在的に血栓塞栓性の合併症につながる可能性があった。リスクファクターとしては、血栓症事象の病歴、抗リン脂質抗体の存在及び第V因子Leiden変異が挙げられる。両試験を一緒にした中では、血栓塞栓性の事象が、4名(治療された対象のおよそ6%)の対象で発生した。4名全ての対象が、E5501の10mg/日以上の用量を投与されていた。これらの対象の内3名には、明白なリスクファクターがあった。4名の対象の内2名には、第V因子Leiden変異を含む少なくとも二つのリスクファクターがあった。3番目の対象には、TIA、MIの有意な病歴、s/pCAGB及び血管形成の治療歴があった。グレード1の表在性静脈炎であった4番目の対象には、以前から存在するリスクファクターの報告はなかった。静脈血栓症の発症時には、この対象の血小板数は高かった(571,000/mm3)。しかし、血小板数は上昇したままであったにもかかわらず、当該AEは7日以内に軽快した。
各E5501試験を合わせた中での血栓塞栓性事象の発生率は、ITPの患者における血栓塞栓性事象の発生率が4%から6%の範囲にあるとしている文献データと一致している。これら結果は、血栓塞栓性事象が、以前の及び現行の試験におけるE5501よりはむしろ、対象の基礎疾患に関連している可能性が高いことを示唆している。しかし、個々の用量群のサンプルサイズが小さく、現行の試験ではプラセボ対照群を欠いていたので、E5501での治療との関連性は、完全には排除できない。
肝臓毒性には、LFT値の軽度で無症候性の上昇から、はっきりとした薬剤誘発性肝臓損傷までの範囲があり得る。現行の試験では、2名の対象にLFT値上昇があった。両対象のLFT値の上昇は、無症候性で一過性であった。1名の対象に関しては、LFT値の上昇は、対象がE5501の一定用量を投与されていた間に軽快した。2番目の対象は、LFT値の上昇の複数回のエピソードがあり、これらは全て軽度のものであった。これらの事象の一過性及び軽度さ、スタチン又は非ステロイド系の抗炎症薬の併用のような他の交絡因子の存在、及び対象が継続してE5501を投与されている間の事象の軽快を根拠におくと、因果関係はないようである。因果関係は完全には除外できないが、目下の証拠では、E5501に臨床的に有意な肝毒性作用があることは支持されない。
再発性血小板減少症は、E5501が10mg/日以上の用量であった9名の対象に起こった。事象のいくつかは重篤であった。再発性血小板減少症は、いきなり薬物から離脱させるよりも、むしろE5501の用量を漸減することで予防され得る。
本試験の結果は、E5501は短期間に血小板数を増加させたばかりではなく、6カ月間にわたる血小板応答をも維持したことを実証しており、これは、対象の52.8%(FAS)及び75%(SE)に対する永続的な応答率、対象の75.5%(FAS)及び94.4%(SE)に対する全般的な血小板応答率によって評価された。当該試験により、また、6カ月の治療期間にわたる血小板応答の時間経過についての情報も提供され、血小板応答が治療期間中の初期に起こり、FASにおける血小板数の中央値は、試験全体を通して50,000/mm2を超えて維持できることが分かった。
現行の試験では、対象の49%(n=26/53)に用量の漸増が必要であった。しかし、これらの対象の内の半分(n=13/26)だけがこれを受けた。対象が用量の漸増を受けた場合、以前の試験におけるレスポンダーには100%のケースで継続した全般的な応答があり、一方、以前の試験における非レスポンダーには、87.6%のケースで全般的な応答率の改善があった。最終的に、SE集団における血小板数の中央値は増加した。その上、以前の試験において被験薬の低用量(例えば、プラセボ、E5501の2.5mg又はE5501の5mg)を投与されており、これらの用量レベルに応答しなかった対象に、本試験における非盲検でのE5501の初回用量である10mgのより高い用量を提供したところ、やはり応答した。これらの非レスポンダーにおける全般的な応答率(70%-80%)は、以前の試験でE5501の10mgに応答し、現行の試験において継続してその用量を投与された対象の応答率(71.4%)に匹敵している。
5名の対象は、以前の試験ではE5501の10mgに応答しなかった。本試験において用量を20mgまで増量すると、これらの対象の内2名がE5501に応答した。5名の対象の内の3名は、本試験においても非レスポンダーのままであった。これらの対象の内の2名は、用量漸増が必要であったにもかかわらず、現行の試験において引き続きE5501の10mgを投与された。血小板応答の基準を満たさなかった3番目の対象は、複数回のE5501用量の調節をすると血小板数が広範囲にわたり変動した(>1,000,000/mm3及び<10,000/mm3)。これらの結果は、ITPの個々の対象に対しては、用量調節がほぼ確実に必要であることを示唆している。その上、E5501の低用量に応答しなかった対象には被験薬に対する自然耐性が必ずしもあるとは限らなく、E5501のより高い用量で治療した場合、実際に応答する可能性がある。
53名の対象の内の24名は、ステロイド系薬の必要性を減らすことができた。これらの4名の対象の内13名は、ステロイド系薬の用量を少なくとも50%まで減少させることができた。24名の対象の1/3は、ステロイド系薬の使用を永続的に中止することができた。一括すると、現行の試験におけるデータは、E5501が慢性ITPに対する有効な治療であることを示唆しており、有効性の知見は、以前の試験における観察と一致している。
結論
本試験の結果に基づくと、E5501には高い忍容性が認められ、6カ月の治療期間にわたる良好な安全性プロファイルを示した。E5501は、また、永続的な血小板応答率及び全般的な血小板応答率によって評価された有効性も示し、並びに慢性、治療抵抗性ITPの対象におけるステロイド系薬物の併用の減少又は離脱を実証した。以前の試験におけるレスポンダーの大多数は、6カ月の治療期間にわたり初回用量が継続して投与されている間、現行の試験において血小板応答を維持した。本試験で用量漸増を受けた以前の試験における非レスポンダーの大多数は、より高い用量でE5501に応答した。この6カ月の延長試験からの安全性及び有効性の両データは、以前の28日の試験の結果と一致しており、その結果から得られた結論を裏付けている。
均等物
当業者は、日常の実験を行うだけで、本明細書に記載された本発明の具体的な実施形態に多数の均等物を使用することを認識する又は確認することができる。このような均等物は、次の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
参照による組込み
本出願にわたり引用された全ての参照、特許及び特許出願の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。

Claims (33)

  1. 低血小板数が原因の少なくとも一部である出血リスクのある対象の血小板応答を迅速に増加させる方法であって、
    低血小板数の対象に、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の有効量を投与すること
    を含み、
    血小板応答が14日未満で増加し、その結果、対象の出血リスクが低下する方法。
  2. 1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与後約14日以内、約7日以内、約3日以内又は約24時間以内に、血小板応答を検出するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 対象の最初の血小板数が、30,000/mm3未満である又はほぼこれに等しく、血小板数がおよそ7日未満で、およそ50,0000/mm3以上まで増加する、請求項1に記載の方法。
  4. およそ28日目の対象の応答率が、最初の血小板数に対して、且つプラセボを投与された対象と比較して、少なくとも約10%、約25%、約50%又は約80%である、請求項1に記載の方法。
  5. およそ7日目の対象の応答率が、最初の血小板数に対して、且つプラセボを投与された対象と比較して、少なくとも約5%、約10%、約25%、約50%、約70%、約90%又は約98%である、請求項1に記載の方法。
  6. 対象の持続的な血小板応答が、少なくとも約25%、約30%、約40%、約50%、約75%又は約77%である、請求項1に記載の方法。
  7. 血小板応答が、少なくとも約7日間、約14日間、約28日間、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間又は約6カ月間持続する、請求項1に記載の方法。
  8. 血小板応答が、最初の血小板数に対して少なくとも約10%、約25%、約50%又は約90%増加する、請求項1に記載の方法。
  9. 血小板応答が、少なくとも約10,000/mm3から約400,000/mm3の間だけ増加する(正味変化又は達成される)、請求項1に記載の方法。
  10. 前記有効量が周期的有効用量である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記周期的有効用量が、1日1回用量、1日2回用量、1日3回用量、隔日用量、週1回用量又は月1回用量である、請求項10に記載の方法。
  12. 周期的有効用量が、約1カ月間、約2カ月間、約3カ月間、約4カ月間、約5カ月間、約6カ月間又は約7カ月間投与される、請求項10に記載の方法。
  13. 対象が、出血を誘発し得る治療を必要としている、請求項1に記載の方法。
  14. 対象が、少なくとも治療の約1カ月以内に、少なくとも治療の約14日以内に、少なくとも治療の約7日以内に、又は少なくともほぼ治療時点で低血小板数を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 治療が、外科手術、化学療法若しくは放射線治療又はこれらの組合せを含む、請求項13に記載の方法。
  16. 外科手術が、麻酔薬の投与、生検、硬膜外の投与、移植又は歯科的処置を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 対象が血小板減少症である、請求項1に記載の方法。
  18. 対象が、がん、肝疾患、ビタミンB12欠乏、全身性ウイルス感染、全身性細菌感染、敗血症、デング熱又は免疫異常に対する治療をさらに必要としている、請求項17に記載の方法。
  19. 肝疾患が、慢性ウイルス性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性肝疾患、肝不全又は敗血症である、請求項18に記載の方法。
  20. 血小板減少症が、慢性免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病、放射線誘発性血小板減少症、化学療法誘発性血小板減少症、HIV/AIDS誘発性血小板減少症、貧血誘発性血小板減少症、血栓性血小板減少性紫斑病又は新生児同種免疫性血小板減少症である、請求項17に記載の方法。
  21. 対象が、化学療法又は放射線治療が原因で血小板減少症を発症する可能性が高く、対象の出血リスクが低下するように、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸が予防的に投与される、請求項1に記載の方法。
  22. 前記対象が永続的な血小板応答を有する、請求項1に記載の方法。
  23. 前記対象が一過性の血小板応答を有する、請求項1に記載の方法。
  24. 前記対象が血小板応答を維持する、請求項1に記載の方法。
  25. 前記対象が以前に3ライン未満の治療を受けたことがある、請求項1に記載の方法。
  26. 前記対象が、以前に三つ以上のラインの治療を受けたことがある、請求項1に記載の方法。
  27. 前記対象に脾臓摘出歴がある、請求項1に記載の方法。
  28. 前記対象に脾臓摘出歴がない、請求項1に記載の方法。
  29. 前記対象がステロイド系薬物を併用している、請求項1に記載の方法。
  30. 前記ステロイドがプレドニゾンである、請求項29に記載の方法。
  31. 1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸を投与すると、前記対象がステロイドの使用を減少させる、請求項29に記載の方法。
  32. 1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸を投与すると、前記対象が前記ステロイドの使用を永続的に中止する、請求項29に記載の方法。
  33. 1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸の投与を中止した後、約1週間、約2週間、約3週間又は約4週間血小板応答が持続する、請求項6に記載の方法。
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