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JP2013253917A - 電気伝導特性予測方法及びプログラム - Google Patents

電気伝導特性予測方法及びプログラム Download PDF

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JP2013253917A JP2012130851A JP2012130851A JP2013253917A JP 2013253917 A JP2013253917 A JP 2013253917A JP 2012130851 A JP2012130851 A JP 2012130851A JP 2012130851 A JP2012130851 A JP 2012130851A JP 2013253917 A JP2013253917 A JP 2013253917A
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、グラフェンシートを使った電子材料の電気伝導特性予測を高速に行うことを目的とする。
【解決手段】 上記課題は、コンピュータによって実行される電気伝導特性予測方法であって、該コンピュータが、バンド計算によって、前記記憶部に記憶された原子空孔欠陥を有するグラフェンシートの構造モデルにおける逆格子空間中の任意のk点において伝導方向のバンド構造を取得し、所定のエネルギー範囲にある各バンドについて傾きの最大値を取得し、原子空孔欠陥のない理想的なグラフェンシートの前記所定のエネルギー範囲にあるバンドの傾きで該最大値を割ることによって透過係数を算出し、前記伝導方向に垂直な方向のk点毎に前記バンド構造と前記最大値とを取得して算出した前記透過係数を合計してk点数で規格化し、所定の印加電圧に対応するエネルギー範囲で積分することによって電流情報を取得して前記記憶部に出力することにより達成される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、グラフェンシートを使った電子材料の電気伝導特性を予測する技術に関する。
グラフェンは、例えば、黒鉛結晶中において炭素の六角形格子を構成するsp結合をした炭素原子よりなる原子層であるが、散乱の効果を抑制できれば室温でも200000cm2-1-1を超える非常に大きな電子移動度を達成可能であることから、グラフェンのシートを使って超高速電子装置を作製する研究がなされている。
グラフェンシートはその製造過程において原子空孔欠陥が導入される可能性がある。また、非特許文献1のように意図的に原子空孔欠陥を導入する場合もある。そのような欠陥を含むグラフェンシートの電気伝導特性を知ることは電子装置へ応用する上で非常に重要である。
電子材料の原子レベルでの電気伝導特性を調べる方法としては、非平衡グリーン関数法に基づいた量子伝導計算が従来用いられる。この方法は、(1)まず半無限のリード電極で特性を調べたい対象の系を挟み込んだ構造のモデルを用意する。(2)次に、印加電圧に対応するポテンシャル勾配をそのリード電極間に発生させ、セルフコンシステントにポテンシャル電子状態を収束させる。(3)それにより得られたグリーン関数を用い、ランダウア公式に従って、逆格子空間の各k点における伝導方向の透過係数を求める。(4)これをすべてのk点について求めて合計し、電流値を計算する。印加電圧を変えて以上の(2)−(4)を繰り返すことで電流電圧特性(電気伝導特性)を得ることができる。
J. Bai et al., "Graphen nanomesh", Nature Nanotechnology, March 2010, vol.5, p.190
上述した非平衡グリーン関数法に基づいた量子伝導計算の方法では、特に(2)のセルフコンシステントにポテンシャルと電子状態を収束させるプロセス、及びグリーン関数を作るプロセスに高コストの計算量を要する。
例えば、原子空孔欠陥を含むグラフェンシートの電気伝導特性を調べるためには、少なくとも100原子程度から成る構造モデルを用意する必要があるが、その場合に任意の印加電圧下での電流値を十分な精度で計算するためには、例えば約100MPI並列の計算機を使って約2時間を要する。
よって、本発明の目的は、様々な欠陥パターンによる電気伝導特性の違いを探索したい場合や、更に多くの原子数を必要とする構造モデルを用いたい場合には、上述したような計算方法より低コストで電気伝導特性を予測することである。
開示の技術は、コンピュータによって実行される電気伝導特性予測方法であって、該コンピュータが、バンド計算によって、前記記憶部に記憶された原子空孔欠陥を有するグラフェンシートの構造モデルにおける逆格子空間中の任意のk点において伝導方向のバンド構造を取得し、所定のエネルギー範囲にある各バンドについて傾きの最大値を取得し、原子空孔欠陥のない理想的なグラフェンシートの前記所定のエネルギー範囲にあるバンドの傾きで該最大値を割ることによって透過係数を算出し、前記伝導方向に垂直な方向のk点毎に前記バンド構造と前記最大値とを取得して算出した前記透過係数を合計してk点数で規格化し、所定の印加電圧に対応するエネルギー範囲で積分することによって電流情報を取得して前記記憶部に出力する。
また、上記課題を解決するための手段として、コンピュータに電気伝導特性を予測させるためのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、及び、電気伝導特性予測装置とすることもできる。
開示の技術では、グラフェンシート中に原子空孔欠陥を含む種々の構造に関して、グラフェンシートの電流電圧特性を関連技術より低コストの計算で電気伝導特性を予測することができる。
コンピュータ装置のハードウェア構成を示す図である。 電気伝導特性を予測するための機能構成例を示す図である。 電気伝導特性予測処理における動作例を示す図である。 手順(2)での処理を説明するためのフローチャート図である。 手順(3)及び手順(4)での処理を説明するためのフローチャート図である。 手順(5)及び手順(6)での処理を説明するためのフローチャート図である。 第1の実施例において調査したい欠陥を含むグラフェンシートを用いた電子装置の模式図である。 第1の実施例における欠陥が二次元周期で並んだ構造を示す平面図である。 グラフェンの伝導方向のバンド構造を説明するための図である。 透過係数の比較を示す図である。 電流電圧特性の計算結果の比較例を示す図である。 第1の実施例において、二次元周期構造の伝導方向周期nに対する電流電圧特性の依存性を示す図である。 第1の実施例において、伝導方向に垂直な方向のk点数nkに対する電流電圧特性の依存性を示す図である。 第2の実施例に係る、調査したい欠陥を含むグラフェンシートを用いた電子装置の模式図である。 第2の実施例における電流電圧特性の計算結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態に係る、原子空孔欠陥を含むグラフェンシートの電気伝導特性予測の方法について、以下に箇条書きで順を追って説明する。
(1)調べたい(解析対象の)原子空孔欠陥を含むグラフェンシートについて、二次元周期で欠陥が並んだ構造モデルを作成する。
(2)バンド計算を行い、逆格子空間中の任意のk点において伝導方向のバンド構造を求める。
(3)フェルミ準位E前後0.8eV、即ち、
Figure 2013253917
程度のエネルギー範囲にある各バンドについて傾きdE/dkの最大値を求め、d(E)とする。
(4)バンド計算により予め求めておいた原子空孔欠陥のない理想的なグラフェンシートのフェルミ準位E前後0.8eV、即ち、
Figure 2013253917
のバンドの傾きdと手順(3)で求めたd(E)を用いて、透過係数T(E)をT(E)=d(E)/dの式に従い算出する。
ここで、発明者は、バンド計算によって得られる理想的なグラフェンシートのバンドがE付近で直線的であり傾きが一定であることと、関連技術の方法で計算した理想的なグラフェンシートの透過係数がE付近で1となることに着目している。
伝導方向に垂直な方向のk点全てについて(2)から(4)の手順を行う。
(5)伝導方向に垂直な方向のk点全てについて(2)から(4)の手順を行った後、得られた透過係数T(E)を合計してk点数nkで規格化する。
Figure 2013253917
(6)Ttot(E)を任意の印加電圧に対応するエネルギー範囲で積分して電流値を計算し、電流電圧特性を得る。
上述した手順(2)から手順(4)により、任意の構造の欠陥を含むグラフェンシートの電流電圧特性を計算することが可能となる。手順(1)から手順(4)で透過係数を求める方法が新規技術である。求めた透過係数を用いて、手順(5)、手順(6)で電流電圧特性を計算すること、また、手順(1)、手順(2)を透過係数の計算に適用することは知られていない。
上記手順(1)から手順(6)による原子空孔欠陥を含むグラフェンシートの電気伝導特性予測処理は、図1に示されるようなハードウェア構成を有するコンピュータ装置100によって実行される。
図1は、コンピュータ装置のハードウェア構成を示す図である。図1において、コンピュータ装置100は、コンピュータによって制御される端末であって、CPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置12と、補助記憶装置13と、入力装置14と、表示装置15と、出力装置16と、通信I/F(インターフェース)17と、ドライブ18とを有し、バスBに接続される。
CPU11は、主記憶装置12に格納されたプログラムに従ってコンピュータ装置100を制御する。主記憶装置12には、RAM(Random Access Memory)等が用いられ、CPU11にて実行されるプログラム、CPU11での処理に必要なデータ、CPU11での処理にて得られたデータ等を格納する。また、主記憶装置12の一部の領域が、CPU11での処理に利用されるワークエリアとして割り付けられている。
補助記憶装置13には、ハードディスクドライブが用いられ、各種処理を実行するためのプログラム等のデータを格納する。補助記憶装置13に格納されているプログラムの一部が主記憶装置12にロードされ、CPU11に実行されることによって、各種処理が実現される。記憶部130は、主記憶装置12及び/又は補助記憶装置13を有する。
入力装置14は、マウス、キーボード等を有し、ユーザがコンピュータ装置100による処理に必要な各種情報を入力するために用いられる。表示装置15は、CPU11の制御のもとに必要な各種情報を表示する。出力装置16は、プリンタ等を有し、ユーザからの指示に応じて各種情報を出力するために用いられる。通信I/F17は、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)等に接続し、外部装置との間の通信制御をするための装置である。
コンピュータ装置100によって行われる処理を実現するプログラムは、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)等の記憶媒体19によってコンピュータ装置100に提供される。即ち、プログラムが保存された記憶媒体19がドライブ18にセットされると、ドライブ18が記憶媒体19からプログラムを読み出し、その読み出されたプログラムがバスBを介して補助記憶装置13にインストールされる。そして、プログラムが起動されると、補助記憶装置13にインストールされたプログラムに従ってCPU11がその処理を開始する。尚、プログラムを格納する媒体としてCD−ROMに限定するものではなく、コンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。コンピュータ読取可能な記憶媒体として、CD−ROMの他に、DVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリであっても良い。
また、コンピュータ装置100によって行われる処理を実現するプログラムが、通信I/F17を介して外部装置から提供されてもよい。或いは、外部装置へ該プログラムを提供し、後述される各処理は外部装置で実現されるように構成してもよい。通信I/F17による通信は無線又は有線に限定されるものではない。
電気伝導特性を予測するための機能構成について、図2及び図3で説明する。図2は、電気伝導特性を予測するための機能構成例を示す図である。図3は、電気伝導特性予測処理における動作例を示す図である。
図2において、コンピュータ装置100は、入力パラメータ取得部41と、構造モデル作成部42と、バンド構造算出部43と、透過係数算出部44と、電流電圧特性算出部45とを有する。入力パラメータ取得部41と、構造モデル作成部42と、バンド構造算出部43と、透過係数算出部44と、電流電圧特性算出部45とは、CPU11が対応するプログラムを実行することによる処理によって実現される。
また、コンピュータ装置100の記憶部130には、入力パラメータ51と、構造モデル52と、規定値53と、出力データ54とが格納される。
入力パラメータ取得部41は、電気伝導特性予測処理を行う際に必要となる入力パラメータ51を、ユーザから取得する処理部である。入力パラメータ取得部41は、入力パラメータ51を取得するために、入力パラメータ51を設定可能なユーザインタフェースを表示装置15に表示する。ユーザから取得した入力パラメータ51は、記憶部130に格納される。
構造モデル作成部42は、記憶部130に格納された入力パラメータ51に基づいて、構造モデル52を作成する処理部である。入力パラメータ51に基づいて、ユーザが調べたい(解析対象の)原子空孔欠陥を含むグラフェンシートについて、二次元周期で欠陥が並んだ構造モデル52が作成され、記憶部130に格納される。構造モデル作成部42での処理は、上記手順(1)に相当する。
バンド構造算出部43は、構造モデル52を用いて、逆格子空間中の任意のk点において伝導方向のバンド構造を算出する処理部である。バンド構造算出部43は、上記手順(2)に相当する。バンド構造算出部43によって、原子空孔欠陥のない理想的なグラフェンシートのフェルミ準位E前後0.8eV)のバンドの傾きdが算出される。
透過係数算出部44は、透過係数T(E)を算出する処理部であり、上記手順(3)及び(4)に相当する。透過係数算出部44は、フェルミ準位E前後0.8eV程度のエネルギー範囲にある各バンドについて傾きdE/dkの最大値d(E)を求める(手順(3))。そして、透過係数算出部44は、バンド構造算出部43によって算出されたバンドの傾きdと、手順(3)で求めた傾きdE/dkの最大値d(E)とを用いて、透過係数T(E)をT(E)=d(E)/dの式に従い算出する(手順(4))。
図3に示すように、伝導方向に垂直な方向のk点全てについて、k点毎に、バンド構造算出部43と透過係数算出部44とによって(2)から(4)の手順が行われる。得られた透過係数T(E)は合計され、k点数nkで規格化される。
電流電圧特性算出部45は、規格化された透過係数Ttot(E)を、入力パラメータ51で指定される印加電圧に対応するエネルギー範囲で積分して電流値を計算し、電流電圧特性を得る処理部である。電流電圧特性算出部45は、上記手順(6)に相当する。電流電圧特性算出部45による算出結果(電流密度Cden)を含む出力データ54が記憶部130に出力され格納される。
入力パラメータ51には、原子座標、アームチェア方向のユニットセルサイズn(=80)、ジグザグ方向のユニットセルサイズn、伝導方向(アームチェア方向)のk点数nk(=10)、伝導方向に垂直な方向(ジグザグ方向)のk点数nk(〜n/35)、電流電圧特性予測に用いるバンドの本数nb(〜n*n/10)、調べたい印加電圧の刻みdV(=0.1V)、及び、調べたい印加電圧の最大値V_max(=1.5V)等が含まれる。ここで、( )内の値は推奨値であるが、ユーザによって変更可能である。
入力パラメータ51のうち、原子座標、ユニットセルサイズn及びn、k点数nk及びnk等が、構造モデル作成部42によって構造モデル52が作成される際に、参照される。
入力パラメータ51のうち、電流電圧特性予測に用いるバンドの本数nb、調べたい印加電圧の刻みdV、及び、調べたい印加電圧の最大値V_max等が、電流電圧特性算出部45によって参照される。
また、規定値53には、グラフェンのC−Cボンド長
Figure 2013253917
、強束縛近似計算で用いるホッピング積分値「2.55eV」、欠陥のないグラフェンのフェミル順位付近のバンドの傾きda=10eV Bohr等が含まれる。規定値53は、透過係数算出部44による透過係数T(E)を算出する際に参照される。
出力データ54は、電流電圧特性算出部45による算出結果を示し、電流密度Cden等の値を含む。
以下に、手順(2)から(6)に係る処理ついて、図4から図6で説明する。図4は、手順(2)での処理を説明するためのフローチャート図である。図5は、手順(3)及び手順(4)での処理を説明するためのフローチャート図である。図6は、手順(5)及び手順(6)での処理を説明するためのフローチャート図である。
図4及び図5において、伝導方向に垂直な方向(ジグザグ方向)の各k点毎(ik番目毎)に、CPU11は、バンド構造算出部43を起動して、構造モデル52におけるジグザグ方向のk点での手順(2)の処理を行い、更に、透過係数算出部44を起動して、手順(3)及び手順(4)での処理を行う。図6において、CPU11は、電流電圧特性算出部45を起動して、手順(5)及び手順(6)での処理を行う。
先ず、図4において、バンド構造算出部43による処理が開始され、バンド構造算出部43はjにゼロを設定して初期化する(ステップS11)。そして、バンド構造算出部43は、強束縛近似計算によって、m番目のバンドのik番目の逆格子点(0≦k≦πの範囲、全部でnk個)夫々について固有エネルギーeigを計算する(ステップS12)。
バンド構造算出部43は、計算した固有エネルギーeigがゼロより大であるか否かを判断する(ステップS13)。固有エネルギーeigがゼロより大であると判断した場合、jを1インクリメントして(ステップS14)、e(j,ik)に固有エネルギーeigを設定する(ステップS15)。そして、バンド構造算出部43は、ステップS16へと進む。
一方、ステップS13において、固有エネルギーeigがゼロ以下であると判断した場合、バンド構造算出部43は、最後のm番目のバンドであるか否かを判断する(ステップS16)。最後のm番目のバンドでない場合、バンド構造算出部43は、mを1インクリメントして、ステップS12へと戻り、上記同様の処理を行う。
一方、ステップS16において、最後のm番目のバンドであると判断した場合、バンド構造算出部43による手順(2)での処理は終了し、手順(3)及び手順(4)による処理へと進む(図5)。
図5中、ステップS23が手順(3)に相当し、ステップS28が手順(4)に相当する。図5において、透過係数算出部44による処理が開示され、透過係数算出部44はバンド数ib及びk点数ikに1を設定する(ステップS21)。
透過係数算出部44は、傾きの最大値d_max(ib)及びエネルギー値ene(ik,ib)をゼロに初期化する(ステップS22)。
そして、透過係数算出部44は、現在のk点(ik)と次のk点(ik+1)との距離dkと、傾きdとを下記式により計算する(ステップS23)。
Figure 2013253917
Figure 2013253917
傾きdは、次のk点(ik+1)のエネルギー値e(ib,ik+1)と現在のk点(ik)のエネルギー値e(ib,ik)との差を距離dkで割ることにより求められる。
次に、透過係数算出部44は、傾きdが最大値d_max(ib)より大であるか否かを判断する(ステップS24)。大である場合、透過係数算出部44は、最大値d_max(ib)に傾きdを設定し、ene(ik,ib)にe(ib,ik)を設定して(ステップS25)、ステップS26へと進む。
Figure 2013253917
Figure 2013253917
一方、ステップS24において、傾きdが最大値d_max(ib)以下であると判断した場合、透過係数算出部44は、現在のk点(ik)がk点数nkから1減算した値に等しいか否かを判断する(ステップS26)。等しくない場合、透過係数算出部44は、ikを1インクリメントして(ステップS27)、ステップS23へ戻り、上記同様の処理を繰り返す。
一方、等しい場合、透過係数算出部44は、伝導方向に垂直な方向のk点(ik)における透過係数trを計算する(ステップS28)。透過係数trは、最大値d_max(ib)をグラフェンのフェミル順位付近のバンドの傾きdaで割ることによって得られる。
Figure 2013253917
そして、透過係数算出部44は、バンド番号ibがバンド総数nbと等しいか否かを判断する(ステップS29)。バンド番号ibがバンド総数nb等しくない場合、バンド総数nbに達していないため、透過係数算出部44は、バンド番号ibを1インクリメントして(ステップS30)、ステップS22へと戻り、上記同様の処理を繰り返す。
一方、バンド番号ibがバンド総数nbと等しい場合、伝導方向に垂直なジグザグ方向のk点番号ikでの透過係数算出部44による処理は、CPU11によって一旦終了する。CPU11は、伝導方向に垂直なジグザグ方向のk点番号ikがジグザグ方向のk点の総数nk以下であるか否かを判断する(ステップS31)。ジグザグ方向のk点番号ikが総数nk以下である場合、CPU11は、ステップS11(図4)へ戻り、上述したように、バンド構造算出部43を起動して、次のジグザグ方向のk点での手順(2)の処理を行わせ、更に、透過係数算出部44を起動して、手順(3)及び手順(4)での処理を行わせる。
一方、ジグザグ方向のk点番号ikが総数nkを超えた場合、CPU11は、電流電圧特性算出部45を起動して、ステップS41(図6)へと進む。
図6において、電流電圧特性算出部45による処理が開始され、電流電圧特性算出部45は、iVに1を設定し(ステップS41)、電流値Currにゼロを設定して初期化する(ステップS42)。
そして、電流電圧特性算出部45は、エネルギー値ene(ik,ib)がdV*iV/2以下であるか否かを判断する(ステップS43)。dVは、記憶部130に格納されている入力パラメータ51から取得する。iVは、印加電圧の刻み回数である。
エネルギー値ene(ik,ib)がdV*iV/2より大きい場合、電流電圧特性算出部45は、電流値Currに、ikでの透過係数とエネルギー値とに基づくバンド間のエネルギー値を付加して(ステップS44)、ステップS45へと進む。一方、dV*iV/2以下の場合、電流電圧特性算出部45は、ステップS45へと進む。
電流電圧特性算出部45は、バンド番号ibがバンド総数から1減算した値と等しいか否かを判断する(ステップS45)。等しくない場合、バンド番号ibを1インクリメントして(ステップS46)、ステップS43へと戻り、上記同様の処理を繰り返す。
一方、等しい場合、電流電圧特性算出部45は、ジグザグ方向のk点番号ikがジグザグ方向のk点総数ikに等しいか否かを判断する(ステップS47)。等しくない場合、電流電圧特性算出部45は、ジグザグ方向のk点番号ikを1インクリメントして(ステップS48)、ステップS43へと戻り、上記同様の処理を繰り返す。
一方、ジグザグ方向のk点総数ikに等しい場合、電流電圧特性算出部45は、電流密度Cdenを算出する(ステップS49)。
Figure 2013253917
電流密度Cdenは、上記数10によって求められる。
電流電圧特性算出部45は、印加電圧V(=dV*iV)を計算し、計算した印加電圧と、ステップS49で算出した電流密度Cdenとを含む出力データを記憶部130に格納する(ステップS50)。
そして、電流電圧特性算出部45は、印加電圧Vが、記憶部130に格納されている入力パラメータ51の調べたい印加電圧の最大値V_maxより小さいか否かを判断する(ステップS51)。最大値V_maxより小さい場合、電流電圧特性算出部45は、印加電圧の刻み回数iVを1インクリメントして(ステップS52)、ステップS42へ戻り、上述同様の処理を繰り返す。一方、印加電圧Vが最大値V_max以上を示す場合、CPU11は、電流電圧特性算出部45による処理は終了し、この電気伝導特性予測処理全体を終了する。
上述した電気伝導特性予測処理による実施例を以下に説明する。
[第1の実施例]
図7は、第1の実施例において調査したい欠陥を含むグラフェンシートを用いた電子装置の模式図である。第1の実施例では、グラフェンシート10G中に欠陥10Aが存在し(構造b)、その欠陥10Aを図7の左右から挟み込む形で設けられたグラフェン電極10Sとグラフェン電極10Dとの間に任意の電圧が印加された場合の両電極間に流れる電流を、上述した手順(1)から(6)に従って計算する。
伝導方向は、図7の左右方向で、グラフェンシート10Gのアームチェア方向である。なお、図7、及び、以降の図では、簡単のために欠陥10Aの周りのC原子は未結合手を終端せずに描いているが、第1の実施例中では未結合手は全て終端されているものとして計算している。
手順(1)において、構造モデル作成部42によって作成された、二次元周期で欠陥10Aが並んだ構造モデルを図8に示す。手順(2)以降は、図8中に示したユニットセル11について計算が行われる。後述の通り、このユニットセル11の伝導方向、即ち、アームチェア方向の周期サイズnは精度を決定するパラメータであるが、ここではn=80(長さ約34nm)を用いる。図8のユニットセル11はn=5である。
手順(2)のバンド計算の手法としては、例えば、上述したように強束縛近似法を用いる。第一原理法等のその他のバンド計算手法を用いてもよいが、計算コスト面で強束縛近似法を用いるのが最も有利である。強束縛近似計算で用いる基底は炭素原子当たり1つのp軌道で、相互作用は最近接原子間のみを考慮する。第一原理計算から求めた理想的なグラフェンのバンド構造を再現するように、ホッピング積分の値は2.55eVを採用する。
図9は、グラフェンの伝導方向のバンド構造を説明するための図である。ユニットセル11と同じセルサイズで欠陥10Aのない理想的なグラフェン(構造a)と、欠陥10Aを含むグラフェン(構造b)のユニットセル11とについて求めた、K(0,2/3π,0)点からKX(π,2/3π,0)点までの伝導方向のバンド構造をそれぞれ図9(A)及び図9(B)に示す。ここで用いている強束縛近似計算によって得られるグラフェンのバンド構造はEを軸に対称である。
図9(A)に示したように、理想的なグラフェン(構造a)は0<E−E<0.8のエネルギー範囲では傾きdE/dkが一定であり、その値をdとする。第1の実施例の場合、d=10eV Bohrである。
一方、図9(B)に示した、欠陥10Aを含むグラフェンは、E付近で傾きがゼロに近いフラットなバンドを持ち、エネルギーが上がるに連れて傾きdに近いバンドを持つようになり、傾きの最大値dを示すようになる。
図9(B)で得られた各バンドにおいて、傾きが最大となるエネルギー値E−Eとその時の傾きd(E−E)を求める。これが手順(3)である。
次に、手順(4)として、透過係数T(E−E)をT(E−E)=d(E−E)/dの式に従って算出する。
図10は、透過係数の比較を示す図である。図10中、縦軸に透過係数T(E−E)を示し、横軸にエネルギーE−E(eV)を示す。図10において、理想的なグラフェン((構造a)Ideal)、本第1の実施例((構造b)New)、及び、本第1の実施例と同じ構造について関連技術を用いた場合((構造b)Related Art)の夫々の透過係数T(E−E)の計算結果が示されている。理想的なグラフェン((構造a)Ideal)は、図9(A)で示されるバンドの傾きdaを示している。
図10から、本実施の形態に係る計算によって得られる透過係数は、関連技術である非平衡グリーン関数法に基づいた量子伝導計算による結果をよく再現することが分かる。第1の実施例において、図10にIdealとして示したように理想的なグラフェン(構造A)が0<E−E<0.8のエネルギー範囲でT(E−E)=1であることを利用している。
(構造b)関連技術では、図10の透過係数の算出結果を得るのにAMD Opteron 2.4GHz 4コア×2の構成のコンピュータ装置を使って104MPI並列で120分を要しているが、第1の実施例では、AMD Opteron 3.0GHz 2コア×2の構成のマシン(以降マシンAと呼ぶことにする)を使って1MPI並列で8分しかかかっていない。単純に見積もって、計算コストを(3.0*1*8)/(2.4*104*120)=1/1248にできたと言える。
最後に、手順(5)及び手順(6)において、以上の手順から得た透過係数を使って、電流電圧特性が算出される。手順(5)で必要となる伝導方向に垂直な方向のk点数nkは後述の通り精度を決定するパラメータであるが、ここではnk=7を用いる。手順(6)で、例えば印加電圧V=1Vのときの電流密度を求めたい場合は、
Figure 2013253917
Figure 2013253917
のエネルギー範囲で積分し、その積分値をupスピンとdownスピンの両方を考慮して2倍する。
第1の実施例ではEを軸に対称な透過係数であるから、0<E−E<0.5でTtot(E−E)の積分を行い、その積分値を4倍した値をV=1Vのときの電流密度とする。
このようにして得られた電流電圧特性を図11に示す。図11は、電流電圧特性の計算結果の比較例を示す図である。図11中、縦軸に電流密度(μA/nm)を示し、横軸にバイアス電圧V(V)を示す。
図11から、0<V<1Vの範囲においては、本第1の実施例((構造b)New)は関連技術((構造b)Related Art)と誤差最大1割程度の精度で電流電圧特性を予測できていることが分かる。透過係数が求まってから後のプロセスに要する計算コストは、本第1の実施例と関連技術でほとんど差がない。すなわち、本第1の実施例は関連技術の約1/1000の計算コストで図11の結果を得ることができる。
以上のように、第1の実施例を用いることで、欠陥を含むグラフェンシートの電流電圧特性を予測する際に、計算精度をほとんど損なうことなく、大幅な計算コストの削減が可能である。
ここで、第1の実施例において精度を決定するパラメータn及びnkについて説明する。
先ず、手順(1)で用意する図8中のユニットセル11の伝導方向、すなわちアームチェア方向の周期サイズnを上から順に160、80、40と変化させたときの電流電圧特性を図12に比較した。図12は、第1の実施例において、二次元周期構造の伝導方向周期nに対する電流電圧特性の依存性を示す図である。図12中、縦軸に電流密度(μA/nm)を示し、横軸にバイアス電圧V(V)を示す。
図12より、nが大きいほど、図10におけるエネルギーの刻みを細かくすることができ、精度が良くなる。ただし、本方法では計算コストのほとんどはバンド計算において固有値の対角化に要する時間であるため、nを大きくすると、(nでスケーリングして計算コストが高くなる。
例えば、マシンAで1MPI並列の場合、n=160、80、40に対して、k点1つあたりの透過係数を求める手順(4)終了までの計算時間はそれぞれ60分、8分、1分である。nが2倍になると、約2=8倍の計算コストになっていることが分かる。第1の実施例では精度と計算コストのバランスからn=80を選択した。
次に、手順(5)で必要となる伝導方向に垂直な方向のk点数nkを上から順に13、7、5、3と変化させたときの電流電圧特性の比較を図13に示す。図13は、第1の実施例において、伝導方向に垂直な方向のk点数nkに対する電流電圧特性の依存性を示す図である。図13中、縦軸に電流密度(μA/nm)を示し、横軸にバイアス電圧V(V)を示す。
図13より、nkが大きいほど精度が高いことが分かる。計算コストのスケーリングはnkに等倍である。透過係数を求める手順(4)までの計算はk点毎に独立して行えるため、簡単に並列処理できる。第1の実施例では精度と計算コストのバランスからnk=7を選択した。この場合、伝導方向の逆格子ベクトル上にk点が約0.04Bohr−1の間隔で並ぶことになる。
[第2の実施例]
図14は、第2の実施例に係る、調査したい欠陥を含むグラフェンシートを用いた電子装置の模式図である。図14(A)に構造cのグラフェンシート20Gと、図14(B)に構造dのグラフェンシート30Gを示す。
図14(A)に示すグラフェンシート20Gは、欠陥20Aが存在する構造cを有し、欠陥20Aを左右から挟み込むようにグラフェン電極20S及び20Dが設けられる。図14(B)においても同様に、グラフェンシート30Gは欠陥30Aが存在する構造dを有し、欠陥30Aを左右から挟み込むようにグラフェン電極30S及び30Dが設けられる。
第2の実施例では、図14(A)のグラフェンシート20Gを挟むグラフェン電極20Sと20Dとの間、図14(B)のグラフェンシート30Gを挟むグラフェン電極30Sと30Dとの間に任意の電圧が印加された場合の両電極間に流れる電流を上述した手順(1)から手順(6)に従って計算する。
伝導方向は、図14(A)及び図14(B)の左右方向で、グラフェンシート20G及び30Gのアームチェア方向である。なお、図14(A)及び図14(B)では、簡単のために、欠陥20A及び欠陥30Aの周りのC原子は、未結合手を終端せずに描いているが、第2の実施例中では未結合手は全て終端されているものとして計算している。
精度を決定するパラメータとして、n=80、n=7を用いて、第2の実施例と同様の方法で求めた電流電圧特性を図15に示す。図15は、第2の実施例における電流電圧特性の計算結果を示す図である。図15中、縦軸に電流密度(μA/nm)を示し、横軸にバイアス電圧V(V)を示す。
第1の実施例同様、第2の実施例での計算結果(New)は関連技術(Related Art)による計算結果をよく再現していることが分かる。計算コストも第1の実施例とほぼ同じで、手順(4)終了までの計算時間は例えばマシンAの1MPI並列でどちらも8分である。
上述したように、本実施の形態により、グラフェンシート中に原子空孔欠陥を含む構造について、関連技術による非平衡グリーン関数法に基づいた量子伝導計算を用いる方法と同程度の精度を保ちつつ計算コストを削減することができる。また、様々な欠陥パターンによる電気伝導特性の違いの探索や、数百原子以上から成る構造モデルを要する欠陥を含むグラフェンシートの電気伝導特性の調査も可能となる。
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の第1から第2の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
コンピュータによって実行される電気伝導特性予測方法であって、該コンピュータが、
バンド計算によって、前記記憶部に記憶された原子空孔欠陥を有するグラフェンシートの構造モデルにおける逆格子空間中の任意のk点において伝導方向のバンド構造を取得し、
所定のエネルギー範囲にある各バンドについて傾きの最大値を取得し、
原子空孔欠陥のない理想的なグラフェンシートの前記所定のエネルギー範囲にあるバンドの傾きで該最大値を割ることによって透過係数を算出し、
前記伝導方向に垂直な方向のk点毎に前記バンド構造と前記最大値とを取得して算出した前記透過係数を合計してk点数で規格化し、
所定の印加電圧に対応するエネルギー範囲で積分することによって電流情報を取得して前記記憶部に出力する
ことを特徴とする電気伝導特性予測方法。
(付記2)
所定の原子空孔欠陥を有するグラフェンシートについて、二次元周期で欠陥が並んだ前記構造モデルを作成して、前記記憶部に記憶する
ことを特徴とする付記1記載の電気伝導特性予測方法。
(付記3)
前記構造モデルの伝導方向の周期サイズは34nm以上である
ことを特徴とする付記2記載の電気伝導特性予測方法。
(付記4)
前記伝導方向に垂直な方向のk点数を、前記伝導方向の逆格子ベクトル上にk点が約0.04Bohr−1の間隔で並ぶように定められている
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項記載の電気伝導特性予測方法。
(付記5)
バンド計算によって、記憶部に記憶された原子空孔欠陥を有するグラフェンシートの構造モデルにおける逆格子空間中の任意のk点において伝導方向のバンド構造を取得し、
所定のエネルギー範囲にある各バンドについて傾きの最大値を取得し、
原子空孔欠陥のない理想的なグラフェンシートの前記所定のエネルギー範囲にあるバンドの傾きで該最大値を割ることによって透過係数を算出し、
前記伝導方向に垂直な方向のk点毎に前記バンド構造と前記最大値とを取得して算出した前記透過係数を合計してk点数で規格化し、
所定の印加電圧に対応するエネルギー範囲で積分することによって電流情報を取得して前記記憶部に出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記6)
原子空孔欠陥を有するグラフェンシートの構造モデルを記憶した記憶部と、
バンド計算によって、前記記憶部に記憶された前記構造モデルにおける逆格子空間中の任意のk点において伝導方向のバンド構造を取得するバンド構造算出部と、
所定のエネルギー範囲にある各バンドについて傾きの最大値を取得し、原子空孔欠陥のない理想的なグラフェンシートの前記所定のエネルギー範囲にあるバンドの傾きで該最大値を割ることによって透過係数を算出する透過係数算出部と、
前記伝導方向に垂直な方向のk点毎に、前記バンド構造算出部と透過係数算出部とによる処理を行って得られた透過係数を合計してk点数で規格化し、所定の印加電圧に対応するエネルギー範囲で積分することによって電流情報を取得して前記記憶部に出力する電流電圧特性算出部と
を有することを特徴とする電気伝導特性予測装置。
11 CPU
12 主記憶装置
13 補助記憶装置
14 入力装置
15 表示装置
16 出力装置
17 通信I/F
18 ドライブ
19 記憶媒体
41 入力パラメータ取得部
42 構造モデル作成部
43 バンド構造算出部
44 透過係数算出部
45 電流電圧特性算出部
51 入力パラメータ
52 構造モデル
53 規定値
54 出力データ
100 コンピュータ装置
130 記憶部

Claims (5)

  1. コンピュータによって実行される電気伝導特性予測方法であって、該コンピュータが、
    バンド計算によって、前記記憶部に記憶された原子空孔欠陥を有するグラフェンシートの構造モデルにおける逆格子空間中の任意のk点において伝導方向のバンド構造を取得し、
    所定のエネルギー範囲にある各バンドについて傾きの最大値を取得し、
    原子空孔欠陥のない理想的なグラフェンシートの前記所定のエネルギー範囲にあるバンドの傾きで該最大値を割ることによって透過係数を算出し、
    前記伝導方向に垂直な方向のk点毎に前記バンド構造と前記最大値とを取得して算出した前記透過係数を合計してk点数で規格化し、
    所定の印加電圧に対応するエネルギー範囲で積分することによって電流情報を取得して前記記憶部に出力する
    ことを特徴とする電気伝導特性予測方法。
  2. 所定の原子空孔欠陥を有するグラフェンシートについて、二次元周期で欠陥が並んだ前記構造モデルを作成して、前記記憶部に記憶する
    ことを特徴とする請求項1記載の電気伝導特性予測方法。
  3. 前記構造モデルの伝導方向の周期サイズは34nm以上である
    ことを特徴とする請求項2記載の電気伝導特性予測方法。
  4. 前記伝導方向に垂直な方向のk点数を、前記伝導方向の逆格子ベクトル上にk点が約0.04Bohr−1の間隔で並ぶように定められている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の電気伝導特性予測方法。
  5. バンド計算によって、記憶部に記憶された原子空孔欠陥を有するグラフェンシートの構造モデルにおける逆格子空間中の任意のk点において伝導方向のバンド構造を取得し、
    所定のエネルギー範囲にある各バンドについて傾きの最大値を取得し、
    原子空孔欠陥のない理想的なグラフェンシートの前記所定のエネルギー範囲にあるバンドの傾きで該最大値を割ることによって透過係数を算出し、
    前記伝導方向に垂直な方向のk点毎に前記バンド構造と前記最大値とを取得して算出した前記透過係数を合計してk点数で規格化し、
    所定の印加電圧に対応するエネルギー範囲で積分することによって電流情報を取得して前記記憶部に出力する
    処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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