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JP2013250120A - 構造物の損傷検出方法 - Google Patents

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JP2013250120A
JP2013250120A JP2012124256A JP2012124256A JP2013250120A JP 2013250120 A JP2013250120 A JP 2013250120A JP 2012124256 A JP2012124256 A JP 2012124256A JP 2012124256 A JP2012124256 A JP 2012124256A JP 2013250120 A JP2013250120 A JP 2013250120A
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Hisatada Suganuma
久忠 菅沼
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Abstract

【課題】 比較的設置自由度が高い構造物の損傷検出方法を提供する
【解決手段】 本発明の構造物の損傷検出方法は、構造物の表面に第1の基部10及び第2の基部20を離間して固定し、第1の基部10と第2の基部10との間に、検出用部材50を所定の引張力を付与した状態で配置する。そして、この検出用部材50に設けた歪みゲージ51の出力を、予め準備された基準値と比較して構造物の損傷を検出する。各基部10は、比較的面積が狭く、コンクリートネジなどによってコンクリート製や鋼製の面などに固定できるので、被検面の表面状態が悪い場合でも、取付可能な箇所を探して取り付けることができる。さらに、検出用部材50の長さを調整することにより基部間の距離を可変できるので、比較的広い被検面にも対応できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、コンクリート製や鋼製の橋桁などの構造物や建造物の、塩害やアルカリ骨材反応(コンクリート製の場合)や、疲労や腐食(鋼製の場合)などによる劣化や損傷(破断、き裂、剥離など)を検出する方法に関する。
鉄筋コンクリート製や鋼製の橋桁においては、経時劣化(例えば架橋から数十年経過したもの)や塩害、腐食によって、破断やひび割れ(き裂)、コンクリートの剥離、鉄筋の露出などの損傷が発生する。このような損傷は構造物の挙動変化をもたらし、挙動変化が大きくなると、通行規制などの処置がとられることがある。このため、このような挙動変化を監視し、異常が現れた場合には速やかに対処することが必要である。挙動変化は、具体的には、構造物の変位量の増加や振動として現れる。変位量を直接計測することは困難であるので、歪みの計測が行われることがある。
また、RC構造物(鉄筋コンクリート)は、引張領域(橋では下フランジ側)において、コンクリートではなく内部の鉄筋に引張強度を持たせるように設計されている。このため、引張側では、コンクリートの表面の歪みではなく、コンクリートの表面を削って鉄筋を剥き出しにし、そこに歪みゲージ等を貼り付けて歪み計測が行われている。
物体の表面の歪みを計測する装置としては、歪みゲージや表面歪み計が使用される。また、ひび割れの幅を計測する装置としては、パイゲージが知られている。歪みゲージは、平板形状のものであり、物体に直接添付して使用される。このため、添付箇所にひび割れ等が発生すると、ゲージが損傷してしまうおそれがある。また、表面が腐食していたり、もともとひび割れが発生している箇所に貼付することは難しい。表面歪み計は、治具の取り付けに仮材を必要とし、溶接作業が要求されるので、取扱いに手間がかかる。また、治具間の距離が固定されていることから、設置場所が限定される。パイゲージは、存在するひび割れを跨ぐように設置するため、ひび割れの発生を予測が必要になる。また、広範囲のひび割れに対しては複数個を必要とする。
一方、計測計を直接被検面に取り付けるのではなく、被検面に固定する部材と計測計とを別物として、固定物を介して計測計で歪みなどを計測する方法も知られている。このような方法として、光ファイバを使用して歪みを検出する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、剛性を有する平板状の一対の本体部と、本体部を接続するフレキシブル部とを有するゲージベースを有し、各本体部に立設された突起物間に光ファイバを巻き付けて固定した構造であり、各本体部が計測される構造物に取り付けられる。構造物に歪みが生じると、各本体部の突起物間の距離が変化し、その変化が中央のフレキシブル部に集中し、歪みが拡大されて光ファイバに伝達される。このためより感度よく歪みを検出できるとされている。
特開2003−254723号公報
上述の特許文献1に記載の装置では、各本体部間にフレキシブル部を形成して、全体として一体物とすることで、取り付け工程における取扱いが容易になると記載されている。しかし、一体物としたことで、設置箇所の大きさや損傷の形状等に合わせて、ゲージベースを設計する必要がある。さらには、比較的広い設置面積が必要となり、検出箇所が制限される場合もある。また、本体部間にフレキシブル部が存在する構造であるが、本体部の相対位置の変化を見るには、本体部間に、変位に抵抗を与えるものが何も存在しないこと、あるいは、抵抗が極力低いものであることが好ましい。
本発明の課題は、比較的設置自由度が高い構造物の損傷検出方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の構造物の損傷検出方法は、前記構造物の表面において相互に離間した第1の箇所及び第2の箇所に、第1の基部及び第2の基部をそれぞれ固定し、前記第1の基部と前記第2の基部との間に、検出用部材を所定の引張力を付与した状態で配置し、前記検出用部材に設けた歪みゲージの出力を、予め準備された基準値と比較して、前記構造物の損傷を検出することを特徴とする。
本発明において、前記歪みゲージによって測定された前記構造物の無外力状態における残留歪みに基づいて損傷を検出することとしてもよい。
本発明によれば、第1の基部と第2の基部との相対位置が変化すると、その変位は各基部から検出用部材を介して歪みゲージで計測される。各基部は、比較的面積が狭く、コンクリートネジ、ボルト・ナット、接着剤などによってコンクリート製や鋼製の面などに固定できるので、被検面の表面状態が悪い場合でも、取付可能な箇所を探して取り付けることができる。さらに、検出用部材の長さを調整して基部間の距離を可変できるので、比較的広い被検面にも対応できる。さらに、基部が別物であり、基部間に配置される検出用部材は、ケーブルなどを使用できるため、基部間の変位に与える抵抗を比較的低くできる。
また、検出用部材として、基部の部材とヤング係数(弾性係数)が数オーダー違う材質を用いることが可能であり、基部の部材は実質的に変形せず、構造物の第1の箇所と第2の箇所との相対変位は、概ねその全てが検出用部材の歪みとして検出可能となる。これによって、構造物の第1の箇所と第2の箇所との間の平均表面歪みを取得することが可能となる。このとき、検出用部材の位置を構造物の測定面に近づけることによって、基部の部材に偶力(モーメント)が作用して変形することによる測定誤差を低減できる。
さらに、検出用部材に所定の引張力を付与した状態とすることで、より高い感度で歪みを検出できるとともに、共振しそうな場合は共振を防ぐことができる(共振した場合は、張力を変えてゼロ点補正をする)。さらに、圧縮側の歪みも測定することが可能となる。
したがって、比較的設置自由度が高く、高い感度で構造物の損傷を検出できる方法を提供できる。
本発明において、前記検出用部材は、光学式の歪み検出手段が内蔵された光ファイバとすることができる。
この場合、検出用部材と歪みゲージの代わりに使用することができ、部品点数を減らすことができる。光ファイバとしては、FBGや、OTDR、BOTDRなどを使用できる。
本発明において、前記第1の基部及び前記第2の基部は、相対位置を実質的に固定する固定治具が装着された状態で前記構造物に固定し、その後前記固定治具を撤去することが好ましい。
固定治具を使用することにより、ケーブルが各基部に絡んだりしないように、セットで運搬することができる。さらに、第1の基部と第2の基部とを固定治具に装着した状態で構造物に固定した後で固定治具を撤去するので、各基部を適切な位置関係を保ったまま、簡単に被検面に取り付けることができる。
本発明において、前記構造物は、一例としてコンクリート製又は鋼製の橋桁であることが好ましい。
他に、プラント配管・圧力容器・コンクリート擁壁(防波堤など)・ジャケット構造物(鉄塔など)に適用できる。
本発明において、前記橋桁の上を走行する車両の重量を測定する重量測定手段の出力に基いて、前記基準値を異ならせることが、さらに好ましい。
計測される歪みの値は車両の重量に応じて異なるので、重量に応じた基準値を設定することにより、より現実的で正確な損傷検出を行うことができる。
本発明においては、前記構造物が、内部に配置された応力付与部材によって圧縮応力を付与されたプレストレストコンクリートによって構成されたものとすることもできる。この場合、前記歪みゲージが検出した歪みの増大に基づいて前記応力付与部材の欠陥を検出することができる。
以上のように、本発明によれば、第1の基部及び第2の基部が相互に離間した箇所に設けられているため、被検面に固定される部位の面積を比較的小さくすることができ、被検面の表面状態が悪い場合でも、表面状態が悪い箇所を跨ぐように取付可能な箇所を探して取り付けることができる。さらに、検出用部材の長さを調整することにより基部間の距離を可変できるので、比較的広い被検面にも対応できる。したがって、比較的設置自由度が高い建造物の損傷を検出できる方法を提供できる。
本発明の実施の形態に係る建造物の損傷検出方法の適用例を説明する図である。 図1の損傷検出方法に使用される損傷検出装置の構造を示す図であり、図2(A)は側面図、図2(B)は平面図、図2(C)は正面図である。 図2の損傷検出装置の基部を分解した示した正面図である。 図2の損傷検出装置の基部を固定する治具を説明する図である。 本発明の損傷検出方法による歪み計測値の一例を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る建造物(構造物)の損傷検出方法について説明する。
なお、この建造物の損傷検出方法は、建造物(構造物)の表面歪みの計測方法としても利用が可能である。
図1は、本発明の実施の形態に係る建造物の損傷検出方法を簡易に説明する図である。
本発明の損傷検出方法は、例えば、図1に示す、鉄筋コンクリート製あるいは鋼製の橋構造において、橋脚F間に配置された橋桁Bの下面のひび割れや剥離などを検出するものであり、橋桁Bの下面に損傷検出装置1を取り付けて、橋桁Bの損傷を検出する。
同装置1を取り付ける面(被検面)は、例えば、大きなひび割れや剥離などの、迅速に対策が必要な程度の損傷は発生していないが、今後劣化が進むと予想される箇所や、特に大きい荷重が係る箇所、環境条件が厳しい箇所等である。また、橋桁Bの側面や橋脚Fの側面を検出することもできる。
実際に、既設橋梁の多くで劣化が進行しており、ひび割れ、剥離が多くの箇所で発生している。既に通過車両の重量規制などを行なっているところもあるが、今後の劣化の進行が危惧されることから、損傷状況の監視が急務となっている。
これらの劣化が進行しているコンクリート製、鋼製などの橋梁等構造物の多くは、表面の状態等から直接歪みゲージ等を設置することが困難であることから、本実施形態の手法が極めて有用である。
図2は、損傷検出装置の構造を説明する図であり、図2(A)は側面図、図2(B)は平面図、図2(C)は正面図(一部部品省略)である。
損傷検出装置1は、被検面に固定される一対の第1の基部10と第2の基部10、及び、第1の基部10と第2の基部10間に配設される検出用部材50と、検出用部材50に設けた歪みゲージ51と、を備える。第1の基部10と第2の基部10は同じ構造であり、直線(図2(B)のX軸)上に対向して設置される。
まず、基部10の構造を、図2及び図3を参照して説明する。図3は、基部を分解して示す正面図である。図3の紙面奥行き方向がX軸方向である。
基部10は、被検面に固定される固定部20と、検出用部材50を把持する把持部30とを備える。
固定部20は、図2(C)や図3に示すように、正面形状においてπ字状で、X軸に対称な形状であり、X軸方向に長い一対の固定片21と、両固定片21の間の、一段高い取付片22とを有する。
各固定片21は、構造物がコンクリート製の場合には例えばコンクリートネジ80(構造物が鋼製の場合はボルトとナット)により被検面に固定される。
取付片22の上面には、把持部30が取り付けられる。取付片22には、図2(B)に示すように、X軸方向に延びる平行なガイド孔24が開けられている。さらに、取付片22の一方の端縁からは、検出用部材50や検出用部材50に張力を与える部材(張力保持部材60)が保持される、板状の保持片26が立ち上がっている。この保持片26には、図2(C)、図3に示すように、張力保持部材60が挿通される孔27と、検出用部材50が挿通される孔28とが、上下に並んで開けられている。
固定部20は、例えば、厚さ2mm程度のステンレス板をプレス加工して作製することができる。
把持部30は、X軸に対称な形状の、直方体のブロック状のものであり、基部20の取付片22の上面に取り付けられる。把持部30は、上下に分割される上片31と下片32とで構成される。図3に示すように、上片31の下面には、X軸に沿って延びる溝33が形成されている。溝33の断面形状はこの例では三角形であるが、検出用部材を把持可能な形状であれば特に限定はされない。下片32の上面にも、X軸に沿って延びる溝34が形成されている。溝34の断面形状は三角形である、上下片31、32を重ねると、両溝33、34は対向して、把持部30をX軸に沿って貫通する。この両溝33、34間に、検出用部材50が把持される。両溝33、34間の高さは、固定部20の支持片26に開けられた検出用部材通し孔28とほぼ同じ高さである。
図3に示すように、上片31には、X軸に沿って延びるネジ孔36が貫通している。ネジ孔36の高さは、固定部20の支持片26に開けられた、張力付与部材通し孔27と同じ高さである。
上片31と下片32とは、上片31の下面に形成されたダボ38により位置決めされる。検出用部材50が上下片31、32の溝33、34間に把持された後、複数のネジにより上下片31、32が固定されて、検出用部材50が把持部30に締め付け固定される。
把持部30の上面には、後述する固定治具70を固定するためのネジ孔41が開けられている。ネジ孔41は、例えば、X軸に対称な位置の4ヶ所に開けることができる。
さらに、把持部30には、下面から突き出る、2本のガイド用ボルト43が備えられている。把持部30が固定部20の取付片22上に設置されると、各ガイド用ボルト43は、取付片22に形成された各ガイド孔24に係合する。把持部30は、このガイド孔24に沿って、即ち、X軸方向の双方にスライド可能となる。
把持部30は、例えば、ジュラコン等の樹脂で作製される。
検出用部材50は、可撓性を有するとともに、引張応力に対して所定の弾性変形(伸縮)を許容する材料(例えば、スチールワイヤ、光ファイバ等)で作製されたケーブルを使用できる。ケーブルの半径を、把持部30の上下片31、32に形成した溝33、34の深さよりも大きくすることにより、より確実に上下片31、32の溝間に把持することができる。ケーブルの長さは、予め様々な長さのものを準備しておいてもよく、最も広いと予想される被検面の長さ程度の長さとしておいてもよい。
検出用部材50の中央付近には、歪みゲージ51が接着剤等により取り付けられている。歪みゲージ51としては、検出用部材50の太さに応じて、例えば、東京測器研究所社製のFLAシリーズを使用できる。
張力付与部材60としては、ボルト(SW付き)を使用できる。このボルト60は、固定部20の支持片26の張力付与部材通し孔27から通されて、把持部30に形成されたネジ孔36に螺合する。把持部30は、ガイド用ボルト43が固定部20のガイド孔24に係合して回り止めされているので、ネジ60を回転させると、把持部30はガイド孔24に沿って、即ち、X軸方向にスライドする。
1個の基部10における把持部30のスライド長さは25mm程度であることが好ましい。つまり、装置全体としては、把持部30間の距離を最大で50mm程度まで広げることができ、十分な張力調整幅を得ることができる。
図2(A)、(B)に示すように、各基部10は、把持部30が対向するようにX軸上に配置される。この際、必要によっては、張力付与用のボルト60を回転させて把持部30をX軸方向にスライドさせることにより、検出用部材50の張力を調整できる。
両基部10の相対位置が変化すると、この変化は検出用部材50に伝達され、歪みゲージ51で検出される。
次に、図4を参照して、第1の基部10と第2の基部10との相対位置を実質的に固定する固定治具の一例について説明する。
この固定治具70は、第1の基部10と第2の基部10とを、前述のX軸上に配置した状態で固定するためのものである。この例では、両基部10の把持部30間に取り付けられるプレート状の部材とすることができる。固定治具70は、把持部30の幅と等しい幅と、X軸方向に延びる所定の長さを有する。長さは、最も広いと予想される被検面の長さ程度とすると、1個の治具70で、様々な広さの被検面に対応することができる。固定治具70には、複数のX軸に平行な長孔71が、X軸に平行な2本の線上に沿って、複数開けられている。各線上の長孔71は、長手方向に交互に配置されている。
固定治具70は、対向して配置された各基部10の把持部30の上面間に架け渡される。そして、固定治具70の長孔71からネジを通して把持部30の上面のネジ孔41に螺合させる。これにより、両基部10は、X軸に沿った姿勢で固定治具70に保持される。つまり、両基部10をX軸に沿った姿勢に保持したまま保管したり搬送できる。
次に、固定治具70を用いて損傷検出装置1を被検面に取り付ける方法の一例を説明する。
予め、被検面の寸法を計測しておく。そして、この寸法に適応できる長さの検出用部材50の一端を、第1の基部10の把持部30に把持させる。その後、この把持部30を固定部20の取付片22上に置いて、張力付与部材であるボルト60を、固定部20の支持片26の挿通孔27を通して把持部30のネジ孔36に螺合させ、固定部20と把持部30とを連結する。ここで、把持部30は、固定部20の取付片22上の前方(第2の基部に対向する方向)に位置させておく。第1の基部10の把持部30から出た検出用部材50のもう一方の端部を、同様に、第2の基部10に把持させる。このように、被検面の広さに応じて固定部20間の間隔(検出部材50の長さ)を調整できる。
各基部10の把持部30の後面から出た検出用部材50は、固定部20の支持片26の検出用部材挿通孔28に通しておく。
第1の基部10と第2の基部20とを、検出用部材50が緊張する程度に離間させた姿勢とし、固定治具70を各基部10の把持部30の上面間に架け渡す。そして、固定治具70の長孔71と各把持部30の上面に形成されたネジ孔41とを位置合わせし、ネジで固定治具70と把持部30とを固定する。これにより、第1の基部10と第2の基部20とは、X軸上に位置決めされて固定治具70に固定される。
そして、両基部10を固定治具70に固定したまま、固定部20の固定片21を被検面にコンクリートネジ80で固定する。この際、固定部20の面積が比較的狭いので、被検面の状態が悪い場合でも、取付可能な箇所を探してそこに固定することができる。
その後、固定治具70を両基部10から取り外す。これにより、両基部10はX軸上に位置決めされた姿勢で被検面に固定される。この際、検出用部材50の張力を高くしたい場合は、ボルト60を回転させて基部の把持部30を後方(外方向)へ適宜な距離だけスライドさせる。前述のように、この張力調整可能距離は50mm程度である。検出用部材50に所定の引張力を付与した状態とすると、より高い感度で歪みを検出できる。また、このように引張力を予め負荷しておくことによって、両基部10が近接する方向の歪みが発生した場合でも、検出用部材50に弛みが生じることを防止し、適切に歪みの検出を行なうことができる。
そして、歪みゲージ51を検出用部材50の中央付近に接着等により固定する。歪みゲージ51の入出力線は、被検面近傍に設置された処理装置に電気的に接続されており、計測値は、処理装置でモニタリングされる。
被検面上において両基部10間にひび割れや剥離が発生すると、両基部10の相対位置が変化する。この変化は検出用部材50に伝達され、歪みゲージ51で検出される。検出された値を予め準備された基準値と比較して、差が閾値を越えた場合に何らかの損傷や異常が発生していると判定する。
図5は、歪み計測値の一例を示すグラフである。縦軸は歪みの値、横軸は時間を示す。
この例は、鋼繊維補強コンクリートを接着合成した試験体に、本発明の損傷検出装置1を設置し、ひび割れを観測しつつ静的引張試験を行った結果を模式的に示すものである。
時間経過に伴って歪みの値はほぼ直線的に上昇する。目視でひび割れが観測されると(図の破線で囲んだ部分)、歪みの値は、急激に増減しながら荷重が最大となるまで増加していく。荷重を解放した後、歪みの値はほぼ直線的に低下し、ひび割れに伴う残留歪みが検出された。
ちなみに、このように表面にひび割れが生じた場合、構造物に直接歪みゲージを貼付する従来技術においては、歪みゲージが破壊されてしまい、測定を計測することができない。
このように、ひび割れなどの損傷や異常が発生する基準値を予め予備試験等により計測しておき、計測された値と基準値とを比較して、差が閾値を越えた場合に損傷発生を検出する。あるいは、ひび割れ時に増減しながら増加することを考慮して、値を数値処理してひび割れ発生を検出することもできる。
さらに、このような閾値を用いた方法でピックアップして、無外力(例えば、橋に自動車等がのっていない状態)での残留歪みを計測して精査することで、ひび割れを検出することもできる。
また、構造物における検出用部材が配置された側と反対側に発生したき裂、ひび割れなどの損傷は、検出用部材が配置された側の圧縮歪みとして検出することが可能である。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)検出用部材として、光学式の歪み検出手段が内蔵された光ファイバとすることもできる。この場合、検出用部材であるケーブルと歪みゲージとを、光ファイバで代用できる。このような光ファイバとしては、光歪み計(FBG)や、光損失計(OTDR)、光ひずみ分布計(BOTDR)等を使用でき、特に、FBGは、光ファイバ上の狭い領域(50mm以下)の歪みを、同一の光ファイバ上で1m以上の間隔で測定できる点で好適である。また、長い構造物の長手方向に複数の歪み検出手段を設置する場合、電気式の歪みゲージを使用すると、各設置箇所に一対のケーブルが配線されるので、取り扱いにくい。光ファイバを使用すると、1本の光ファイバで測定できるので、設置が容易となる。
(2)橋桁の上を走行する車両の重量を測定する重量測定手段の出力に基いて、基準値を異ならせることもできる。重量が重いほど歪みの値は大きくなるので、一定の値を基準値とすると、実際の状況を把握できないおそれがある。このため、車両の重量に応じて基準値を設定することが好ましい。重量測定手段としては、例えば、特許第3896465号に記載されたものを使用できる。
(3)歪み計測値の処理として、例えば、月に1回、同じ車両を走行させた際の値を比較することもできる。この場合、値の変位が急激に大きくなった場合等に損傷発生と判定することができる。
(4)本発明の損傷検出方法は、主に鉄筋コンクリート製又は鋼製の橋桁などの構造物に適用されるが、内部に配置された応力付与部材によって圧縮応力を付与されたプレストレストコンクリート(PC)で構成された構造物にも適用できる。この場合、検出される歪みを常時監視すると、内部の複数の応力付与部材の内の一つが破断したような場合、歪みの値が増大する。そして、破断後は、破断前と比べて、平常時における歪みの値に変化が生じる。この値の変化に基づいて応力付与部材の欠陥を判定できる。
1 損傷検出装置 10 基部
20 固定部 21 固定片
22 取付片 24 ガイド孔
26 支持片 27 張力付与部材挿通孔
28 検出用部材挿通孔
30 把持部 31 上片
32 下片 33、34 溝
36 ネジ孔 38 ダボ
41 ネジ孔 43 ガイド用ボルト
50 検出用部材 51 歪みゲージ
60 張力付与部材(ボルト)
70 固定治具 71 長孔

Claims (7)

  1. 構造物の損傷検出方法であって、
    前記構造物の表面において相互に離間した第1の箇所及び第2の箇所に、第1の基部及び第2の基部をそれぞれ固定し、
    前記第1の基部と前記第2の基部との間に、検出用部材を所定の引張力を付与した状態で配置し、
    前記検出用部材に設けた歪みゲージの出力を、予め準備された基準値と比較して前記構造物の損傷を検出すること
    を特徴とする構造物の損傷検出方法。
  2. 前記歪みゲージによって測定された前記構造物の無外力状態における残留歪みに基づいて損傷を検出すること
    を特徴とする請求項1に記載の構造物の損傷検出方法。
  3. 前記検出用部材は、光学式の歪み検出手段が内蔵された光ファイバであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の構造物の損傷検出方法。
  4. 前記第1の基部及び前記第2の基部は、相対位置を実質的に固定する固定治具が装着された状態で前記構造物に固定し、その後前記固定治具を撤去すること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の損傷検出方法。
  5. 前記構造物がコンクリート製又は鋼製の橋桁であること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の構造物の損傷検出方法。
  6. 前記橋桁の上を走行する車両の重量を測定する重量測定手段の出力に基いて、前記基準値を異ならせること
    を特徴とする請求項1,3,4,5のいずれか1項に記載の構造物の損傷検出方法。
  7. 前記構造物は内部に配置された応力付与部材によって圧縮応力を付与されたプレストレストコンクリートによって構成され、
    前記歪みゲージが検出した歪みの増大に基づいて前記応力付与部材の欠陥を検出すること
    を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の構造物の損傷検出方法。
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