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JP2013245284A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性、耐衝撃性、流動性だけでなく、発色性、光沢に優れた熱可塑性樹脂を構成するグラフト共重合体及び該グラフト共重合体から得られた熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)を含む事を特徴とする熱可塑性樹脂組成物であって、グラフト共重合体(A)は共役ジエン系ゴム状重合体と架橋アクリル酸エステル系重合体から構成される、重量平均粒子径が200nm〜600nmである複合ゴムに、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であり、複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量が50000以上、かつ複合ゴムのトルエンに対する膨潤度が7.0以上であることを特徴とするグラフト共重合体であって、グラフト共重合体(B)は重量平均粒子径が70nm〜200nmであるアクリル酸エステル系ゴム状重合体に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐候性、耐衝撃性、流動性だけでなく、発色性、光沢に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
ABS樹脂は、耐衝撃性及び加工性のバランスに優れた樹脂であり、自動車等の車両用内外装部品、各種の家電製品やOA機器のハウジング、その他雑貨分野等、幅広い分野に使用されている。しかし、ABS樹脂は、そのゴム成分として使用するブタジエン系ゴム重合体が紫外線等により分解され易いことから、耐候性に劣るという欠点を有している。そこで、ABS樹脂中のゴム成分をアクリルゴムに置換することで耐候性を改良した、ASA樹脂が実用化されている。しかし、ASA樹脂は耐候性に優れているものの、その反面、耐衝撃性、発色性に劣るという欠点を有している。
特許文献1には耐衝撃性、耐候性、成形加工性が改良された熱可塑性樹脂組成物として、特定の分子量を有するジエン系ゴムとアクリル酸エステル系重合体とで構成される複合ゴムを用いた熱可塑性樹脂組成物が提案されている。しかし、発色性、光沢が不十分であるという問題がある。
また、特許文献2には耐熱性、耐候性、成形加工性、さらには成形品の表面外観が改良された熱可塑性樹脂組成物として、共役ジエン系ゴム状重合体とアクリル酸エステル系ゴム状重合体からなる複合ゴムを使用したグラフト共重合体とマレイミド系共重合体から構成される熱可塑性樹脂組成物が提案されている。しかし、発色性、光沢が不十分であるという問題がある。
特開平10−77383号
特開平8−73701号
本発明の目的は、耐候性、耐衝撃性、流動性だけでなく、発色性、光沢に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、従来技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定構造を有する2種類のグラフト共重合体を用いることで、上記課題を達成できることを見出し、本願発明に到達した。
すなわち、本発明はグラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)を含む事を特徴とする熱可塑性樹脂組成物であって、グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の重量比率がグラフト共重合体(A)20〜80重量%、グラフト共重合体(B)20〜80重量%(グラフト共重合体(A)と(B)の合計を基準とする。)であり、グラフト共重合体(A)は共役ジエン系ゴム状重合体5〜50重量%と架橋アクリル酸エステル系重合体50〜95重量%から構成される、重量平均粒子径が200nm〜600nmである複合ゴム10〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体20〜90重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であり、複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量が50000以上、かつ複合ゴムのトルエンに対する膨潤度が7.0以上であることを特徴とするグラフト共重合体であって、グラフト共重合体(B)は重量平均粒子径が70nm〜200nmであるアクリル酸エステル系ゴム状重合体10〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体20〜90重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
本発明により、耐候性、耐衝撃性、流動性だけでなく、発色性、光沢に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することが出来る。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特定構造のグラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)を含み、グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の重量比率がグラフト共重合体(A)20〜80重量%、グラフト共重合体(B)20〜80重量%(グラフト共重合体(A)と(B)の合計を基準とする。)である事を特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)は、共役ジエン系ゴム状重合体と架橋アクリル酸エステル系重合体から構成される複合ゴムの存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体をグラフト重合して得られた、グラフト共重合体である。
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)の複合ゴムを構成する共役ジエン系ゴム状重合体としては、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマー、スチレン−(エチレン−ブタジエン)−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、メチルメタクリレート−ブタジエンゴムが挙げられる。特に、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
共役ジエン系ゴム状重合体の重量平均粒子径は、100〜500nmであることが好ましく、150〜400nmであることがより好ましい。共役ジエン系ゴム状重合体の重量平均粒子径の調節は公知の方法が使用できるが、比較的小粒子径の共役ジエン系ゴム状重合体を予め製造し、凝集肥大化させることで目的とする重量平均粒子径とした、凝集肥大化共役ジエン系ゴム状重合体を用いることも可能である。
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)の複合ゴムを構成する架橋アクリル酸エステル系重合体は、架橋剤の存在下にアルキル基の炭素数が1〜16のアクリル酸エステル系単量体、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等を一種又は二種以上、さらには必要に応じて他の共重合可能な単量体、例えばスチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等を一種又は二種以上を重合して得られる重合体である。
架橋アクリル酸エステル系重合体に用いられる架橋剤としては、例えばジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)の複合ゴムは、共役ジエン系ゴム状重合体の存在下で、架橋アクリル酸エステル系重合体を構成する単量体(混合物)を乳化重合させる、いわゆるシード重合によって得ることができる。すなわち、本発明の複合ゴムは共役ジエン系ゴム状重合体がコアであり、架橋アクリル酸エステル系重合体がシェルであるコアシェル構造を有している。
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)の複合ゴムを構成する、共役ジエン系ゴム状重合体と架橋アクリル酸エステル系重合体の比率は、共役ジエン系ゴム状重合体5〜50重量%、架橋アクリル酸エステル系重合体50〜95重量%であることが必要であるが、物性バランスの観点から共役ジエン系ゴム状重合体が7〜40重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましい。
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)の複合ゴムの重量平均粒子径は、200〜600nmであることが必要である。重量平均粒子径が200nm未満では耐衝撃性に劣り、600nmを超えると光沢が劣る。耐衝撃性や光沢などの物性バランスの観点から、重量平均粒子径は250〜500nmであることがより好ましい。
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)の複合ゴムは、該複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量が50000以上、かつ複合ゴムのトルエンに対する膨潤度が7.0以上であることが必要である。重量平均分子量が50000未満では得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、発色性及び耐候性に劣る。重量平均分子量が55000〜100000であることが好ましく、63000〜80000であることがより好ましい。また、膨潤度が7.0未満でも得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、発色性及び耐候性が劣る。膨潤度が7.5〜13.0であることが好ましく、8.5〜11.0であることがより好ましい。
本発明で使用される複合ゴムのトルエン溶媒でのゲル含有量に特に制限はないが、物性バランスの観点から、複合ゴムのゲル含有量が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。
複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量及び複合ゴムのトルエンに対する膨潤度を調節する方法としては、いかなる方法であっても構わないが、例えば重合開始剤の種類及び量、重合温度、連鎖移動剤の種類及び量等を変更する方法が挙げられる。
本発明に用いられるグラフト共重合体(B)は、アクリル酸エステル系ゴム状重合体10〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体20〜90重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体である。
本発明に用いられるグラフト共重合体(B)を構成するアクリル酸エステル系ゴム状重合体は、架橋剤の存在下にアルキル基の炭素数が1〜16のアクリル酸エステル系単量体、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等を一種又は二種以上、さらには必要に応じて他の共重合可能な単量体、例えばスチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等を一種又は二種以上を重合して得られる重合体であるが、アクリル酸エステル系ゴム状重合体の構造には特に制限がなく、例えば架橋剤の存在下で芳香族ビニル系単量体とアクリル酸エステル系単量体との共重合体に、さらにアクリル酸エステル系単量体をシード重合したコアシェル構造を有する共重合体を用いることもできる。
アクリル酸エステル系ゴム状重合体に用いられる架橋剤としては、例えばジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
アクリル酸エステル系ゴム状重合体の重量平均粒子径は、70〜200nmであることが必要である。70nm未満では耐衝撃性に劣り、200nmを超えるとグラフト共重合体(A)と混合した際の光沢改善効果が低下する。耐衝撃性と光沢などの物性バランスの観点から、重量平均粒子径は100〜160nmであることがより好ましい。アクリル酸エステル系ゴム状重合体の重量平均粒子径の調節は公知の方法が使用できる。
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)は上述のゴム成分の存在下に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体である
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)は各グラフト共重合体100重量部中にゴム成分が10〜80重量部含まれている必要がある。ゴム成分の含有量が10重量部より少ないと耐衝撃性に劣り、80重量部を超えると流動性に劣る。物性バランスの観点から、ゴム成分の含有量は30〜70重量部であることが好ましく、40〜60重量部であることがより好ましい。
グラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
グラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)を構成するシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。特にアクリロニトリルが好ましい。
グラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)を構成する共重合可能な他のビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、マレイミド系単量体、アミド系単量体等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸(ジ)ブロモフェニル、(メタ)アクリル酸クロルフェニル等を例示でき、マレイミド系単量体としてはN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を例示でき、アミド系単量体としてはアクリルアミド、メタクリルアミド等を例示できる。
グラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)のゴム成分とグラフト重合する上述の単量体の組成比率に特に制限はないが、芳香族ビニル系単量体60〜90重量%、シアン化ビニル系単量体10〜40重量%及び共重合可能な他のビニル系単量体0〜30重量%の組成比率、芳香族ビニル系単量体30〜80重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体20〜70重量%及び共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%の組成比率、芳香族ビニル系単量体20〜70重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体20〜70重量%、シアン化ビニル系単量体10〜60重量%及び共重合可能な他のビニル系単量体0〜30重量%の組成比率等であることが好ましい。
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)を重合するための手法に特に制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等を用いることが出来る。乳化重合法を用いた場合、上述のゴム成分に上述の単量体をグラフト重合することによって、グラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)のラテックスを得ることが出来る。グラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)のラテックスは、公知の方法により凝固され、洗浄、脱水、乾燥工程を経ることでグラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)のパウダーを得ることができる。
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)のグラフト率(グラフト共重合体のアセトン可溶分量と不溶分量及びグラフト共重合体中の複合ゴムの重量から求める。)、及びアセトン可溶分の還元粘度(0.4g/100cc、N,Nジメチルホルムアミド溶液として30℃で測定)に特に制限はなく、要求性能によって任意の構造のものを使用することができるが、物性バランスの観点から、グラフト率は5〜150%であることが好ましく、還元粘度は0.2〜2.0dl/gであることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物はその目的を損なわない範囲内において、熱可塑性樹脂組成物中に含まれるグラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)を合わせた含有量に特に制限はないが、グラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)の重量比率はグラフト共重合体(A)20〜80重量%、グラフト共重合体(B)20〜80重量%(グラフト共重合体(A)と(B)の合計を基準とする。)である必要がある。グラフト共重合体(A)が20重量%より少ないと耐衝撃に劣り、80重量%を超えると光沢が劣る。グラフト共重合体(A)の含有量は30〜70重量%であることが好ましく、40〜60重量%であることがより好ましい。また、物性バランスの観点から、熱可塑性樹脂組成物中にグラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)由来のゴム含有量が3〜50重量%であることが好ましい。
本発明のグラフト共重合体(A)及びグラフト共重合体(B)を含む熱可塑性樹脂組成物は必要に応じて、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、必要に応じてその他の共重合可能な他のビニル系単量体を共重合することで得られる共重合体(C)と混合して使用することもできる。共重合体(C)と混合する場合は熱可塑性樹脂組成物中のゴム含有量が3〜50重量%とすることが物性バランスの観点から好ましく、10〜30重量%とすることがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じてヒンダードアミン系の光安定剤、ヒンダードフェノール系、含硫黄有機化合物系、含リン有機化合物系等の酸化防止剤、フェノール系、アクリレート系等の熱安定剤、ベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系の紫外線吸収剤、有機ニッケル系、高級脂肪酸アミド類等の滑剤、リン酸エステル類等の可塑剤、ポリブロモフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノール−A、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化等の含ハロゲン系化合物、リン系化合物、三酸化アンチモン等の難燃剤・難燃助剤、臭気マスキング剤、カーボンブラック、酸化チタン、顔料、及び染料等を添加することもできる。更に、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、金属繊維等の補強剤や充填剤を添加することもできる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、その目的を損なわない範囲内において、共重合体(C)以外の他の熱可塑性樹脂と混合して使用することもできる。このような他の熱可塑性樹脂として、例えば、ポリカーボネートなどのポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂等を使用する事が出来る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述の成分を混合することで得ることができる。混合するために、例えば、押出し機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練装置を用いることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中にて示す「部」及び「%」は重量に基づくものである。
小粒子径スチレン−ブタジエンゴムラテックスの製造
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン95重量部、スチレン5重量部、n−ドデシルメルカプタン0.5重量部、過硫酸カリウム0.3重量部、不均化ロジン酸ナトリウム1.8重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部、脱イオン水145重量部を仕込み、攪拌しつつ70℃で8時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を70℃に維持しながら6時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去し、スチレン−ブタジエンゴムラテックスを得た。得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックスを、四酸化オスミウム(OsO)で染色し、乾燥後に透過型電子顕微鏡で写真撮影した。画像解析処理装置(装置名:旭化成(株)製 IP−1000PC)を用いて1000個のゴム粒子の面積を計測し、その円相当径(直径)を求め、スチレン−ブタジエンゴムの重量平均粒子径を算出した結果、重量平均粒子径は120nmであった。
凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックスの製造
10リットルの耐圧容器に、上記で得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックス270重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3重量部を添加して10分間攪拌混合した後、5%リン酸水溶液20重量部を10分間にわたり添加した。次いで10%水酸化カリウム水溶液10重量部を添加し、凝集肥大化したスチレン−ブタジエンゴムラテックスを得た。
上述の方法で、凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムの重量平均粒子径を算出した結果、重量平均粒子径は250nmであった。
複合ゴムラテックス(a)の製造
10Lのガラスリアクターに、上記の凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックスを20重量部(固形分)、脱イオン水を140重量部仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し35℃に到達したところで脱イオン水20重量部にナトリウムホルムアルデヒド・スルホキシレート0.05重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01重量部及び硫酸第1鉄0.001重量部を溶解した水溶液を添加した。さらに、アクリル酸ブチル16重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部を添加した。槽内の温度が40℃に到達した後、1時間保持し、脱イオン水25重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.3重量部(固形分換算)、過硫酸カリウム0.09重量部を溶解した水溶液とアクリル酸ブチル64重量部、メタクリル酸アリル0.4重量部を3時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持して、肥大化スチレン−ブタジエンゴムと架橋アクリル酸ブチル重合体から構成される複合ゴムラテックス(a)を得た。
得られた複合ゴムラテックス(a)を乾燥後、1.0gをテトラヒドロフラン20mlに24時間浸漬した後に、300メッシュの金網で不溶部を除去し、さらに孔径0.45μmのディスポーサブルフィルターでろ過したものをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定することで、テトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量を求めた。この方法より得られた複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量は64000であった。
複合ゴムラテックス(a)のトルエンに対する膨潤度は、上述の複合ゴムラテックス(a)を乾燥後、0.25gをトルエン100mlに48時間浸漬させた後に、300メッシュの金網で濾過することで、不溶部の重量(W)、不溶部を乾燥した後の重量(W)を測定し、下記の式より求めた。
膨潤度=W/W
この方法より得られた複合ゴムラテックス(a)の膨潤度は、9.7であった。
アクリル酸エステル系ゴム状重合体ラテックス(b−1)の製造
窒素置換したガラスリアクターに、脱イオン水150重量部、スチレン10重量部、アクリル酸ブチル10重量部、メタクリル酸アリル0.05重量部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.15重量部(固形分換算)、過硫酸カリウム0.2重量部を仕込み、65℃で1時間反応させた。その後、アクリル酸ブチル80重量部、メタクリル酸アリル0.45重量部の混合液および脱イオン水20重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.35重量部(固形分換算)を溶解した乳化剤水溶液を4時間に亘り連続添加した。その後、重合を65℃で3時間継続して重合を終了し、アクリル酸エステル系ゴム状重合体ラテックス(b−1)を得た。
アクリル酸エステル系ゴム状重合体ラテックス(b−2)の製造
窒素置換したガラスリアクターに、脱イオン水180重量部、アクリル酸ブチル15重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.1重量部(固形分換算)、過硫酸カリウム0.15重量部を仕込み、65℃で1時間反応させた。その後、アクリル酸ブチル85重量部、メタクリル酸アリル0.53重量部の混合液および脱イオン水20重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.2重量部(固形分換算)を溶解した乳化剤水溶液を3時間かけて連続的に添加した。滴下後、3時間保持して、アクリル酸エステル系ゴム状重合体ラテックス(b−2)を得た。
グラフト共重合体(A)の製造
ガラスリアクターに、複合ゴムラテックス(a)50重量部(固形分)を仕込み窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところで、ラクトース0.2重量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.1重量部及び硫酸第1鉄0.005重量部を脱イオン水10重量部に溶解した水溶液を添加した。70℃に到達後、アクリロニトリル15重量部、スチレン35重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.05部、クメンハイドロパーオキサイド0.3重量部の混合液及び脱イオン水20重量部にオレイン酸カリウム1.0重量部を溶解した乳化剤水溶液を4時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持してグラフト共重合体ラテックス(A)を得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A)のパウダーを得た。
得られたグラフト共重合体(A)のパウダーから複合ゴムラテックス(a)の重量平均粒子径を下記に記載する方法で算出した。得られたグラフト共重合体(A)のパウダー30部と段落番号(0051)で示す共重合体(C)のパウダー70部を溶融混練して熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを、クライオミクロトームを用いて−85℃の雰囲気下で超薄切片を切り出し、四酸化ルテニウム(RuO)で染色し、透過型電子顕微鏡(JEM−1400:日本電子製)で写真撮影した。画像解析装置(旭化成 IP−1000PC)を用いて、1000個の複合ゴム粒子の面積を計測し、その円相当径(直径)を求め、複合ゴムラテックス(a)の重量平均粒子径を算出した結果、重量平均粒子径は420nmであった。
グラフト共重合体(B−1)〜(B−2)の製造
複合ゴムラテックス(a)からアクリル酸エステル系ゴム状重合体ラテックス(b−1)〜(b−2)に変更した以外はグラフト共重合体(A)と同様に製造し、グラフト共重合体ラテックス(B−1)〜(B−2)を得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(B−1)〜(B−2)のパウダーを得た。
得られたグラフト共重合体(B−1)〜(B−2)のパウダーから、アクリル酸エステル系ゴム状重合体ラテックス(b−1)〜(b−2)の重量平均粒子径を、段落番号(0048)に記載された方法で算出した結果、アクリル酸エステル系ゴム状重合体ラテックス(b−1)の重量平均粒子径は130nm、アクリル酸エステル系ゴム状重合体ラテックス(b−2)の重量平均粒子径は150nmであった。
グラフト共重合体(B−3)の製造
ガラスリアクターに、凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックスを50重量部(固形分換算)仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところで、ラクトース0.2重量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.1重量部及び硫酸第1鉄0.005重量部を脱イオン水10重量部に溶解した水溶液を添加した後に、70℃に昇温した。その後、アクリロニトリル15重量部、スチレン35重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.05部、クメンハイドロパーオキサイド0.3重量部の混合液及び脱イオン水20重量部にオレイン酸カリウム1.0重量部を溶解した乳化剤水溶液を4時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持してグラフト共重合体ラテックス(B−3)を得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(B−3)のパウダーを得た。
共重合体(C)の製造
窒素置換したガラスリアクターに、脱イオン水150重量部、スチレン7重量部、アクリロニトリル3重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.02重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部(固形分換算)及び過硫酸カリウム0.3重量部を仕込み、65℃で1時間重合した。その後、スチレン63重量部、アクリロニトリル27重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.18重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5重量部(固形分換算)を含む乳化剤水溶液30重量部を各々3時間かけて連続的に滴下した。滴下後2時間保持して、共重合体ラテックス(C)を得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、共重合体(C)のパウダーを得た。
添加剤(D)
光安定剤:ADEKA(株)製 アデカスタブ LA77Y
紫外線吸収剤:住友化学(株)製 スミソーブ200
<実施例1〜5及び比較例1〜7>
表1に示すグラフト共重合体(A)、グラフト共重合体(B−1)〜(B−3)、共重合体(C)及び添加剤(D)を混合した後、40mm二軸押出機を用いて240℃にて溶融混練してペレットを得た。得られたペレットより、250℃に設定した射出成形機にて種々の成形品を成形し、物性評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、それぞれの評価方法を以下に示す。
耐衝撃性
各実施例及び比較例で得られたペレットを用いISO試験方法294に準拠して各種試験片を成形し、耐衝撃性を測定した。
耐衝撃性はISO179に準拠し、4mm厚みで、ノッチ付きシャルピー衝撃値を測定した。単位:kJ/m
流動性
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、ISO1133に準拠して、220℃、10kg荷重の条件でメルトボリュームフローレイトを測定した。単位;cm/10分
発色性
発色性の評価には、各実施例及び比較例で得られたペレットを、射出成形機(日本製鋼所製 J−150EP シリンダー温度:230℃ 金型温度:60℃)にて成形された成形品(60mm×60mm×2mm)を用いた。JIS−Z8729に準拠した色相測定により得られた成形品の白バック、黒バックの色相差を、成形品の発色性の尺度とした(値が大きいほど発色性に優れる)。分光光度計は、(株)村上色彩研究所社製 CMS−35SPを用いた。
光沢
光沢の評価には、各実施例及び比較例で得られたペレットを、射出成形機(日本製鋼所製 J−150EP シリンダー温度:230℃ 金型温度:60℃)にて溶融樹脂が金型にちょうど充填される射出圧力で成形した成形品(60mm×60mm×2mm)を用いた。JIS−Z8741に準拠した測定によりGs(60°)光沢値を求めた。光沢度計は、スガ試験機(株)デジタル変角光沢計(UGV−6P)を用いた。
耐候性
耐候性の評価には、各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、射出成形機(山城精機製作所製 SAV−30−30 シリンダー温度:210℃ 金型温度:50℃)にて成形された成形品(90mm×55mm×2.5mm)を用いた。スガ試験機(株)製サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター、WEL−SUN−HCH−Bを使用し、63℃、雨ありの条件下で500時間の加速曝露試験を行った。その後測色計を用い、曝露前と曝露後の色差(ΔE)を測定した。
表1に示すように、実施例1〜5は本発明に関わる熱可塑性樹脂組成物の例であり、耐候性、耐衝撃性、流動性及び発色性、光沢に優れていた。
表1に示すように、比較例1〜5はグラフト共重合体(A)または(B)を単独、もしくは本願発明の範囲外の割合で用いた場合であり、耐衝撃性、光沢などの物性バランスに劣る結果となった。また、比較例6はグラフト共重合体(A)とABS樹脂を混合した例であり、耐候性に劣る結果となった。比較例7はグラフト共重合体としてABS樹脂のみを用いた例であり、耐衝撃性と流動性、発色性に優れるが、耐候性、光沢に劣る結果となった。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐候性、耐衝撃性、流動性だけでなく、発色性、光沢に優れるため、車輌用外装部品、屋外で使用される製品等への利用価値が高い。
すなわち、本発明はグラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)を含む事を特徴とする熱可塑性樹脂組成物であって、グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の重量比率がグラフト共重合体(A)20〜80重量%、グラフト共重合体(B)20〜80重量%(グラフト共重合体(A)と(B)の合計を基準とする。)であり、グラフト共重合体(A)は共役ジエン系ゴム状重合体5〜50重量%と架橋アクリル酸エステル系重合体50〜95重量%から構成される、重量平均粒子径が200nm〜600nmである複合ゴム10〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体20〜90重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であり、複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量が50000〜100000、かつ複合ゴムのトルエンに対する膨潤度が7.0〜13.0であることを特徴とするグラフト共重合体であって、グラフト共重合体(B)は重量平均粒子径が70nm〜200nmであるアクリル酸エステル系ゴム状重合体10〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体20〜90重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。

Claims (2)

  1. グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)を含む事を特徴とする熱可塑性樹脂組成物であって、グラフト共重合体(A)とグラフト共重合体(B)の重量比率がグラフト共重合体(A)20〜80重量%、グラフト共重合体(B)20〜80重量%(グラフト共重合体(A)と(B)の合計を基準とする。)であり、グラフト共重合体(A)は共役ジエン系ゴム状重合体5〜50重量%と架橋アクリル酸エステル系重合体50〜95重量%から構成される、重量平均粒子径が200nm〜600nmである複合ゴム10〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体20〜90重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であり、複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量が50000以上、かつ複合ゴムのトルエンに対する膨潤度が7.0以上であることを特徴とするグラフト共重合体であって、グラフト共重合体(B)は重量平均粒子径が70nm〜200nmであるアクリル酸エステル系ゴム状重合体10〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体20〜90重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、必要に応じてその他の共重合可能な他のビニル系単量体を共重合することで得られる共重合体(C)を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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