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JP2013236142A - 非可逆回路素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型化しても動作周波数が広帯域化な非可逆回路素子を得る。
【解決手段】 第一入出力ポートP1と第二入出力ポートP2との間に配置された第一インダクタンス素子L1を構成する第一中心導体と、第二入出力ポートP2とアースとの間に配置された第二インダクタンス素子L2を構成する第2中心導体とを有し、前記第二中心導体の一部に並列接続され、前記第二入出力ポートP2と接続された第三キャパシタンス素子C3を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波信号に対して非可逆伝送特性を有する非可逆回路素子に関し、特に携帯電話等の移動体通信システムの中で使用され、一般にアイソレータやサーキュレータと呼ばれる非可逆回路素子に関する。
数100MHzから数10GHzの周波数帯を利用した移動体通信機器、例えば携帯電話の基地局や端末機等には、アイソレータ等の非可逆回路素子が用いられている。アイソレータは、例えば移動体通信機器の送信段において電力増幅器とアンテナとの間に配置され、電力増幅器への不要信号の逆流を防ぎ、また電力増幅器の負荷側のインピーダンスを安定させる。そのため、アイソレータは挿入損失特性、反射損失特性及びアイソレーション特性に優れていることが要求される。
このようなアイソレータとして、図10に等価回路を示す二端子対アイソレータが知られている(特許文献1)。
この二端子対アイソレータ1は、第一入出力ポートP1と第二入出力ポートP2との間に、電気的に接続された第一中心導体L1と、第一中心電極L1と電気的絶縁状態で交差して配置され、第二入出力ポートP2とアースとの間に電気的に接続された第二中心電極L2と、第一入出力ポートP1と第二入出力ポートP2の間に電気的に接続され、第一中心電極L1と第一並列共振回路を構成する第一キャパシタンス素子C1と、抵抗素子Rと、第二入出力ポートP2とアースの間に電気的に接続され、第二中心電極L2と第二並列共振回路を構成する第二キャパシタンス素子C2とを有する。
第一並列共振回路でアイソレーション特性(逆方向減衰特性)が最大となる周波数が設定され、第二並列共振回路で挿入損失特性が最小となる周波数が設定される。第一入出力ポートP1から第二入出力ポートP2に高周波信号が伝搬する場合、第一入出力ポートP1と第二入出力ポートP2間の第一並列共振回路は共振しないが、第二並列共振回路が共振するため、伝送損失が少なく挿入損失特性が良い。一方、第一入出力ポートP1と第二入出力ポートP2の間に接続された抵抗素子Rにより、第二入出力ポートP2から第一入出力ポートP1に逆流する電流は吸収される。もってアンテナのインピーダンス変動に伴う不要な反射波が電力増幅器等に逆進入するのを防止する。
ところで携帯電話においては、増大する加入者数に対応するため、周波数帯域が広くなるなるとともに(ワイドバンド化)、複数の送受信系(WCDMA、PDC、PHS、GSM(登録商標)等)を扱うようになり(マルチバンド化、マルチシステム化等)、これに応じて非可逆回路素子にも動作周波数の広帯域化が要求されている。例えば、GSM方式及びTDMA方式の携帯電話網を使ったデータ伝送技術の一つとして、EDGE(Enhanced Data GSM Environment)がある。GSM850/900の2バンドを使用する場合、非可逆回路素子に要求される通過周波数帯域は824〜915MHzである。
広帯域した非可逆回路素子を得るには、リアクタンス素子を接続する接続線路により生じるインダクタンスや、電極パターン間の干渉により生じる浮遊キャパシタンス等、製造上の様々なばらつき要因を考慮する必要がある。しかし、不要なリアクタンス成分が、第一及び第二の並列共振回路に接続するため、入力インピーダンスが所望値からずれる。その結果、非可逆回路素子と接続する他の回路とのインピーダンス不整合が生じ、挿入損失特性及びアイソレーション特性が劣化する。
不要なリアクタンス成分を考慮して、第一及び第二の並列共振回路を構成するインダクタンス及びキャパシタンスを決定することは不可能ではないが、第一及び第二入出力ポートP1,P2の入力インピーダンスを独立に調整するのが難しく、外部回路との最適な整合条件を得るのは事実上不可能であった。特に第一入出力ポートP1の入力インピーダンスのずれは挿入損失の増加を招くために避けなければならない。
特開2004−88743号
従って、本発明の目的は、小型化しても動作周波数が広帯域な非可逆回路素子を得ることである。
本発明の非可逆回路素子は、第一入出力ポートP1と第二入出力ポートP2との間に配置された第一中心導体L1と、前記第一中心導体L1と並列に接続して第一共振回路を構成する第一キャパシタンス素子C1と、前記第一並列共振回路に並列に接続された抵抗素子Rと、前記第一共振回路の第二入出力ポートP2とアースとの間に配置された第二中心導体L2と、前記第二中心導体L2と並列に接続して第二共振回路を構成する第二キャパシタンス素子C2と、前記第二中心導体L2の一部に並列接続され、前記第二入出力ポートP2と接続された第三キャパシタンス素子C3とを有することを特徴とする非可逆回路素子である。
更に、前記第二共振回路とアースとの間に配置された第三インダクタンス素子L3を備えるのが好ましい。
また、本発明の非可逆回路素子では、前記第一中心導体及び前記第二中心導体を電極パターンでマイクロ波フェライトを用いた中心導体組立体に構成し、前記第一又は第二のキャパシタンス素子C1,C2の内、少なくとも第二キャパシタンス素子C2の一部を、積層基板内の電極パターンにより構成し、前記中心導体組立体と前記積層基板とを重ねて、前記第二中心導体の電極パターンの一部と前記第二キャパシタンス素子C2の電極パターンの一部とにより、前記第三キャパシタンス素子C3を形成するのが好ましい。
前記第三インダクタンス素子L3は、積層基板内の電極パターン、積層基板に実装したチップインダクタ、又は空芯コイルにより形成するのが好ましく、前記第一インダクタンス素子L1との電磁気的な結合を生じないようにしている。
前記第一又は第二キャパシタンス素子の少なくとも一部は、積層基板内の電極パターンにより形成される。前記第一又は第二のキャパシタンス素子の少なくとも一部をチップコンデンサ又は単板コンデンサにより構成しても良い。ここで「単板コンデンサ」は、誘電体基板の対向する主面に電極パターンを形成してなるコンデンサである。
本発明の非可逆回路素子によれば、小型化しても動作周波数帯域(通過帯域)を広くとることが出来る。その通過帯域においては、挿入損失特性及び反射特性に優れ、入力インピーダンスの調整が容易であるため、移動体通信機器の送信部において電力増幅器とアンテナの間に配置した場合、電力増幅器への不要信号の逆流を防ぐのみならず、電力増幅器の負荷側のインピーダンスを安定させる。本発明の非可逆回路素子を用いれば、携帯電話等の電池寿命が伸びる。
本発明の一実施態様による非可逆回路素子の等価回路を示す図である。 本発明の第一の実施態様による非可逆回路素子を示す斜視図である。 図2の非可逆回路素子の内部構造を示す分解斜視図である。 本発明の第一の実施態様による非可逆回路素子に用いる中心導体組立体を示す展開図である。 本発明の第一の実施態様による非可逆回路素子に用いる積層基板を示す展開図である。 本発明の一実施態様による非可逆回路素子の別の等価回路を示す図である。 本発明の第一の実施態様による非可逆回路素子に用いる中心導体組立体の底面パターンを示す平面図である。 実施例1及び比較例1の非可逆回路素子の入力側VSWR特性と挿入損失特性を示すグラフである。 実施例1及び比較例1の非可逆回路素子の出力側VSWR特性とアイソレーション特性を示すグラフである。 従来の非可逆回路素子の等価回路を示す図である。
以下本発明の非可逆回路素子について説明する。
図1は本発明の一実施態様による広帯域な非可逆回路素子の等価回路を示す。この非可逆回路素子は、第一入出力ポートP1と第二入出力ポートP2との間に配置された第一中心導体L1と、前記第一中心導体L1と並列に接続して第一共振回路を構成する第一キャパシタンス素子C1と、前記第一並列共振回路に並列に接続された抵抗素子Rと、前記第一共振回路の第二入出力ポートP2とアースとの間に配置された第二中心導体L2と、前記第二中心導体L2と並列に接続して第二共振回路を構成する第二キャパシタンス素子C2と、前記第二中心導体L2の一部に並列接続され、前記第二入出力ポートP2と接続された第三キャパシタンス素子C3とを備える。
本発明の特徴は、第二中心導体L2の一部に並列接続され、前記第二入出力ポートP2と接続された第三キャパシタンス素子C3を有する点である。
従来の非可逆回路素子は、等価回路的に第一入出力ポートP1と第二入出力ポートP2との間に配置された第一共振回路がハイパスフィルタとして機能し、第二入出力ポートP2とアースとの間に配置された第二共振回路がローパスフィルタとして機能するので、帯域通過フィルタのような特性を示し、通過帯域外で減衰量が比較的大きい。
これに対して、本発明の非可逆回路素子は、帯域通過フィルタのような特性を示す点では従来の非可逆回路素子と同じであるが、第三キャパシタンス素子C3が接続されているために、入力側VSWR特性、出力側VSWR特性が双峰特性となる。特にその傾向は入力側VSWR特性に顕著に表れ、従来の非可逆回路素子と比べて広帯域な伝送特性を有するものとなる。
図6は本発明の実施態様の一例による非可逆回路素子の等価回路を示す。本実施態様では、図1で示した非可逆回路素子の等価回路とは、第二共振回路とアースとの間に第三インダクタンス素子L3が配置されている点で相違する。第三インダクタンス素子L3は第二共振回路とで高調波のトラップ回路として機能し、高調波減衰量が必要となる場合に設けるものである。この等価回路の他の構成は図1に示すのと同じであるので、説明を省略する。
図2は非可逆回路素子1の外観を示し、図3はその構造を示す。非可逆回路素子1は、マイクロ波フェライト、及びその上に電気的絶縁状態で交差するように配置された第一中心導体及び第二中心導体からなる中心導体組立体30と、第一中心導体で構成される第一インダクタンス素子L1及び第二中心導体で構成される第二インダクタンス素子L2 と共振回路を構成する第一キャパシタンス素子C1の一部、第二キャパシタンス素子C2を有する積層基板40と、積層基板40に実装されたチップ部品(抵抗素子50、第一キャパシタンス素子C1の一部を構成するキャパシタンス素子55と、金属フレーム10b(下ヨーク)と、積層基板40と電気的に接続する入力端子65(IN)、出力端子65(OUT)を備えた樹脂ベース60と、フェリ磁性体であるマイクロ波フェライトに直流磁界を印加する永久磁石20と、上ヨーク10a(上ケースと呼ぶ場合もある)とを具備し、樹脂ベース60と上ケース10aとにより形成された空間に、永久磁石20、中心導体組立体30及び積層基板40等が収容される。上ヨーク10a、金属フレーム10bは軟鉄等の強磁性体からなり磁気回路を構成する。
図4は中心導体組立体30の内部構造を示す。中心導体組立体30は、第一インダクタンス素子L1を構成する第一中心導体を形成する第一の線路36a〜36c、第二の線路37a〜37c及び第三の線路38a〜38cと、第二インダクタンス素子L2を構成する第二の中心導体を形成する第四の線路35a、第五の線路35b、第六の線路35cとを備えている。
層4上で、第一の線路36a〜36c及び第三の線路38a〜38cは第二の中心導体の第四の線路35a、第六の線路35cの両側に配置されている。層3上に形成された第二の線路37a〜37cは、層4に設けられたビアホールを介して、第一の線路36a〜36cの一端及び第三の線路38a〜38cの一端と接続している。その結果、第二の線路37a〜37cは第二の中心導体を構成する第四の線路35a、第六の線路35cと磁性体層を介して数μm〜数十μmに近接して交差する。第一中心導体及び第二中心導体は80〜110°の角度で交差するのが好ましい。なお交差角により非可逆回路素子の入力インピーダンスが変化するので、最適なインピーダンス整合条件となるように、交差角を適宜調整される。
層1の裏面には、第一中心導体の端子電極31(IN)、第一及び第二中心導体で共通の端子電極32(OUT)が形成されており、第一中心導体を構成する第一の線路36a〜36cの他端は層1〜4に設けられたビアホール(図中黒丸で示す)を介して共通の端子電極31と接続し、第三の線路38a〜38cの他端は層1〜4に設けられたビアホールを介して端子電極32と接続している。
また、第二中心導体を構成する第四の線路35aの一端はビアホールを介して層1の裏面の端子電極32(OUT)と接続し、第二中心導体を構成する第六の線路35cの一端はビアホールを介して層1の裏面の端子電極33(GND)と接続している。第二中心導体を構成する第四、第六の線路35a、35cのそれぞれの他端は、層1の裏面に形成された第五の線路35bとビアホールを介して接続されて、巻回された一本の線路構成となる。第五の線路35bは後述する積層基板40に形成された電極パターンとで第三キャパシタンス素子C3を構成する。
中心導体組立体30を構成するマイクロ波フェライトは、永久磁石20からの直流磁界に対して非可逆回路素子としての機能を果たす磁性体材料であれば良い。マイクロ波フェライト10は好ましくはガーネット構造を有し、YIG(イットリウム・鉄・ガーネット)等からなる。YIGのYの一部をGd,Ca,V等で置換しても良く、Feの一部をAl,Ga等で置換しても良い。また使用周波数によっては、Ni系フェライトでも良い。中心導体組立体30
は、例えば1.5mm×1.2mm×0.2mmの外形寸法を有し、各線路は幅0.1mm及び厚さ20μmであり、第一の線路〜第三の線路の中心間距離(ピッチ)は0.1〜0.3mmである。ビアホールは直径0.1mm〜0.2mmの円形断面を有するが、別の断面形状でも良い。
積層構造の中心導体組立体30を形成するには、まずガーネットフェライト等の磁性セラミック粉末のグリーンシートをドクターブレード法により作製する。
磁性セラミック粉末の組成は、例えば(Y1.45Bi0.85Ca0.7)(Fe3.95In0.3Al0.40.35)O12(原子比)である。この組成のグリーンシートを作製するには、例えばY、Bi、CaCO、Fe、In、Al及びVO5からなる出発原料をボールミルで湿式混合し、得られたスラリーを乾燥した後、850℃で仮焼し、ボールミルで湿式粉砕し、得られた多結晶磁性セラミック粉末に、有機バインダー(例えばポリビニルブチラール)、可塑剤(例えばブチルフタリル・ブチルグリコレート)、及び有機溶剤(例えばエタノール又はブタノール)をボールミルで混合し、粘度を調整した後、ドクターブレード法によりシート状に成形する。
グリーンシートの厚さは、焼結後に例えば40μm及び80μmとなるようにする。各グリーンシートに、Ag、Cu等の導電性ペーストを所定パターンに印刷して第一及び第二の中心導体を含む電極パターンを形成するとともに、スルーホールに導電性ペーストを充填してビアホールとする。電極パターンを形成したグリーンシートを積層して熱圧着し、所定のサイズにダイシングソーや鋼刃によりスリットを設けた後焼成して、複数の中心導体組立体を有する集合基板を作製する。
集合基板をスリットにより分割して個々の中心導体組立体とし、ビアホールの露出部、表面に現れた線路、及び端子電極をめっきする。なお、集合基板の分割を焼結前に行っても良く、またスリットを焼結後に形成しても良く、さらにめっきをしなくても良い場合もある。
図5は積層基板40の構造を示す。積層基板40も一体的に焼結した積層体からなり、その内部に第一、第二キャパシタンス素子C1,C2を形成する容量電極(電極パターン)81〜86及びグランド電極(電極パターン)95、第三インダクタンス素子L3を形成するライン電極87を有する。積層基板40の上面には、中心導体組立体30の端子電極31〜33と接続する電極45a〜45eが形成されており、裏面には、樹脂ベース60に形成された実装端子65(IN)、65(OUT),66(GND)、70(GND)と接続する実装端子P1(IN)、P2(OUT)、95(GND)が設けられている。ここでP1、P2は図6で示した等価回路の第一、第二入出力ポートP1、P2と対応する。実装端子70(GND)は下ヨークとなる金属フレーム10bを介して積層基板40の実装端子95(GND)と接続される。
第一キャパシタンス素子C1は電極パターン82〜86で形成され、電極パターン82を第二キャパシタンス素子C2と共通している。端子電極P1(IN)は層1〜7に形成されたビアホールを介して電極パターン83、85及び層7の電極45cと接続する。電極45cは中心導体組立体30の端子電極31(IN)と接続する。また端子電極P2(OUT)は層1〜7に形成されたビアホールを介して電極パターン82、84、86及び層7の電極45aと接続する。電極45aは中心導体組立体30の端子電極32(OUT)と接続する。
第二キャパシタンス素子C2は電極パターン81、82で形成され、層1に形成された電極パターン81とともに形成されたライン電極87で、第三インダクタンス素子L3 を形成する。ライン電極87は層2に形成された電極パターン94と、層2〜7に形成されたビアホールを介して層7の電極45bと接続する。電極45bは中心導体組立体30の端子電極33(GND)と接続する。
積層基板40は7層の誘電体シートからなる。各誘電体シートに導電ペーストを印刷して電極パターンを形成する。各誘電体シート上の電極パターンは、導電ペーストを充填したビアホール(図中黒丸で表示)で電気的に接続する。
誘電体シートに用いるセラミックは、Ag等の導電ペーストと同時焼成できる低温焼結セラミックス(LTCC)が好ましい。環境上の観点から、低温焼結セラミックスは鉛を含有しないのが好ましい。このような低温焼結セラミックスの組成は、10〜60質量%(Al換算)のAl、25〜60質量%(SiO換算)のSi、7.5〜50質量%(SrO換算)のSr、及び0質量%超で20質量%以下(TiO換算)のTiからなる主成分100質量%に対して、副成分として0.1〜10質量%(Bi換算)のBi、0.1〜5質量%(NaO換算)のNa、0.1〜5質量%(K2O換算)のK、及び0.1〜5質量%(CoO換算)のCoからなる群から選ばれた少なくとも一種と、0.01〜5質量%(CuO換算)のCu、0.01〜5質量%(MnO換算)のMn、及び0.01〜5質量%のAgからなる群から選ばれた少なくとも一種とを含有するのが好ましい。積層基板50が高いQ値を有する低温焼結セラミックスからなる場合、Ag,Cu、Au等の高導電率の金属を電極パターンに使用できるので、極めて低損失の非可逆回路素子を構成できる。
上記組成を有するセラミック混合物を700〜850℃で仮焼し、平均粒径0.6〜2μmに微粉砕し、エチルセルロース、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリビニルブチラール(PVB)等のバインダ、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)等の可塑剤である及び溶剤と混合してスラリーとし、ドクターブレード法等により誘電体グリーンシートを作製する。各グリーンシートにビアホールを形成し、導電ペーストを印刷して電極パターンを形成するとともに、ビアホールにも同じ導電ペーストを充填する。その後、グリーンシートを積層し、焼成することにより積層基板40を作製する。
積層基板40の表面の電極パターンには、Niメッキを下地としてAuメッキを施こすのが好ましい。Auメッキは高導電率で半田濡れ性が良いので、非可逆回路素子を低損失にできる。Niメッキは、Ag,Cu,Ag−Pd等の電極パターンとAuメッキとの固着強度を向上させる。めっき含めた電極パターンの厚さは通常5〜20μm程度であり、表皮効果が得られる厚さの2倍以上であるのが好ましい。
積層基板40は約1.9mm×1.6mm×0.18mm程度か、それ以下と小さいので、まず複数の積層基板40が分割溝を介して連結したマザー積層基板を作製し、分割溝に沿って折って個々の積層基板40に分離するのが好ましい。勿論、マザー積層基板に分割溝を設けず、ダイサーやレーザで切断しても良い。
積層基板40の表面に中心導体組立体30を実装すると、第二中心導体を構成する第二の線路35bが、丁度、積層基板40の表面の電極45a〜45eと干渉しない位置に配置される。積層基板40の層6には、第二入出力ポートP2と接続する電極パターン86が形成され、層7を介して前記第二の線路35bと数十μmの間隔で対向する。この様な構成によって、第二中心導体の一部に並列接続され、第二入出力ポートP2と接続された第三キャパシタンス素子C3を形成する。なお、積層基板40の主面に実装したチップコンデンサで第三キャパシタンス素子C3を構成することも可能である。
層1の電極45cと電極45eの間には抵抗素子50(R)を、電極45cと電極45dの間には第一キャパシタンス素子C1の一部を構成するチップコンデンサ55を半田付けして接続する。電極45d、電極45eは層6に形成された電極パターン86と層7に設けられたビアホールを介して接続する。
樹脂ベース60は、0.1mm程度のCu板などの導体薄板からなる入力端子65(IN)(等価回路の第一入出力ポートP1)、出力端子65(OUT)(等価回路の第二入出力ポートP2)をインサート成形したものである。なお、図3においては樹脂ベース60は一方の面側のみを示すが、裏面側にも同様な配置で実装端子65(IN)、65(OUT),66(GND)が形成されている。導体薄板は、例えば厚さ0.15mm程度のSPCCの表面に1〜3μmのCuメッキ及び厚さ2〜4μmのAgメッキを施したものが好ましい。めっき処理により高周波特性が改善される。
中心導体組立体30に直流磁界を印加する永久磁石20は、ほぼ箱形状の上ケース10aの内壁面に接着剤等により固定される。永久磁石20は、安価でマイクロ波フェライトとの温度特性の相性が良いフェライト磁石(SrO・nFe)により形成するのが好ましい。特にSr及び/又はBaの一部をR元素(Yを含む希土類元素の少なくとも1種)で置換し、Feの一部をM元素(Co、Mn、Ni及びZnからなる群から選ばれた少なくとも1種)で置換したマグネトプランバイト型結晶構造を有し、R元素及び/又はM元素が化合物の状態で仮焼後の粉砕工程で添加されたフェライト磁石は、一般のフェライト磁石(SrO・nFe)より高い磁束密度を有し、非可逆回路素子の小型、薄型化を可能にするので好ましい。フェライト磁石は、420mT以上の残留磁束密度Br、及び300kA/m以上の保持力iHcを有するのが好ましい。なおSm−Co系磁石、Sm−Fe−N系磁石、Nd−Fe−B系磁石等の希土類磁石も使用できる。
この様な構成部品を図3に示す様に重ねて配置して、適宜半田付により電気的に接続して非可逆回路素子を形成する。
本発明の実施例について説明する。実施例の非可逆回路素子は、図6で示した等価回路を備え、図2〜図5に示す構造にて構成されている。また、構成部品を含むプロセスや材料なども同じであるので、その説明を省略する。
用いた樹脂ベース60の外形寸法は2mm×2mm×0.2mmであり、積層基板40を、1.9mm×1.6mm×0.18mmとし、中心導体組立体30を1.5mm×1.2mm×0.16mmとした。実施例として、図6に示す第二中心導体を構成する第五の線路35bの幅Aを0.18mm〜0.24mmとした中心導体組立体を作製し、第三キャパシタンス素子C3の容量が異なる非可逆回路素子を作製した。
また比較例として、第五の線路35bの幅Aを0.14mmとし、第五の線路35と重複する部分が抜かれた第一キャパシタンス素子C1を構成する電極パターンを積層基板40の層6に用いた非可逆回路素子を作製した。なお、第一キャパシタンス素子C1の容量値は、他の電極パターンにより実施例と同じとなるように調整されている。
得られた非可逆回路素子は外形寸法が2.0mm×2.0mm×1.2mm、周波数824〜915MHzに対応する。この非可逆回路素子について、帯域外減衰特性、挿入損失、アイソレーション、入力側及び出力側VSWRをネットワーク・アナライザにより測定した。表1に各試料の周波数817MHz、833MHz、849MHzにおける測定値を示す。また図8には入力側VSWR特性と挿入損失特性について、図9には出力側VSWR特性とアイソレーション特性について、それぞれ実施例3:A=0.24mm、比較例:A=0.14mmの測定波形をグラフとして示す。
Figure 2013236142
図8の挿入損失特性に示す様に、実施例の非可逆回路素子はその挿入損失特性が双峰特性を示す。この為、挿入損失のピーク値は若干比較例のものよりも低下するが、その帯域が広くなり、挿入損失が0.6dB以下となる周波数帯域は15%広帯域であった。また表1、図9に示す様にアイソレーション特性も広帯域となった。
1 非可逆回路素子
10a 上ヨーク(上ケース)
10b 金属フレーム10b(下ヨーク)
20 永久磁石
30 中心導体組立体
40 積層基板
60 樹脂ベース
35a 第四の線路
35b 第五の線路
35c 第六の線路
36a〜36c 第一の線路
37a〜37c 第二の線路
38a〜38c 第三の線路
P1 第一入出力ポート
P2 第二入出力ポート
L1 第一インダクタンス素子(第一中心導体)
L2 第二インダクタンス素子(第二中心導体)
L3 第三インダクタンス素子
C1 第一キャパシタンス素子
C2 第二キャパシタンス素子
C3 第三キャパシタンス素子
R 抵抗素子

Claims (3)

  1. 第一入出力ポートP1と第二入出力ポートP2との間に配置された第一インダクタンス素子L1を構成する第一中心導体と、前記第一インダクタンス素子L1と並列に接続して第一共振回路を構成する第一キャパシタンス素子C1と、前記第一並列共振回路に並列に接続された抵抗素子Rと、前記第一共振回路の第二入出力ポートP2とアースとの間に配置された第二インダクタンス素子L2を構成する第2中心導体と、前記第二インダクタンス素子L2と並列に接続して第二共振回路を構成する第二キャパシタンス素子C2と、前記第二中心導体の一部に並列接続され、前記第二入出力ポートP2と接続された第三キャパシタンス素子C3とを有することを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 前記第二共振回路とアースとの間に配置された第三インダクタンス素子L3を備えたことを特徴とする非可逆回路素子。
  3. 請求項1又は2に記載の非可逆回路素子において、
    マイクロ波フェライトを用いた中心導体組立体に、前記第一中心導体及び前記第二中心導体が電極パターンで構成され、
    前記第一又は第二のキャパシタンス素子C1,C2の内、少なくとも第二キャパシタンス素子C2の一部が、積層基板内の電極パターンにより構成され、
    前記中心導体組立体と前記積層基板とを重ねて、前記第二中心導体の電極パターンの一部と前記第二キャパシタンス素子C2の電極パターンの一部とにより、前記第三キャパシタンス素子C3を形成したことを特徴とする非可逆回路素子。

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