JP2013229949A - 二相ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中性点のない直流電源に対しても適用可能な二相ブラシレスモータの駆動装置を提供する。
【解決手段】制御回路14は、U相誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、制御回路14は、第1通電パターンP1に対応する2つのスイッチング素子SW1,SW4をオンさせる。そして、通電時間Tdが経過すると、制御回路14は、2つのスイッチング素子SW1,SW4をオフさせる。この後、W相誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出すると、制御回路14は、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、制御回路14は、第2通電パターンP2に対応する2つのスイッチング素子SW2,SW3をオンさせる。
【選択図】図4
【解決手段】制御回路14は、U相誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、制御回路14は、第1通電パターンP1に対応する2つのスイッチング素子SW1,SW4をオンさせる。そして、通電時間Tdが経過すると、制御回路14は、2つのスイッチング素子SW1,SW4をオフさせる。この後、W相誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出すると、制御回路14は、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、制御回路14は、第2通電パターンP2に対応する2つのスイッチング素子SW2,SW3をオンさせる。
【選択図】図4
Description
この発明は、誘起電圧に基づいてロータ位置を推定し、推定したロータ位置を用いて二相ブラシレスモータを駆動する二相ブラシレスモータの制御装置に関する。
従来の一般的な二相ブラシレスモータは、少なくとも一組の磁極対を有する磁石を備えたロータと、二相結線されたステータコイルを備えたステータとを含んでいる。二相ブラシレスモータの制御装置は、ロータ位置を検出するためのホール素子と、ホール素子の出力信号に基づいて各ステータコイルに位相の異なる駆動電流を供給する駆動回路を含んでいる。
しかしながら、前述の二相ブラシレスモータの制御装置では、ホール素子およびそれに付随する配線等が必要であるため、二相ブラシレスモータの小型化、コストの低減化が図りにくいという問題があった。
そこで、ホール素子のようなロータ位置を検出するためのセンサを用いることなく二相ブラシレスモータを駆動するセンサレス方式のモータ制御装置が提案されている(特許文献1参照)。この従来のモータ制御回路では、特許文献1の図1に示されるように、S相ステータコイルとM相ステータコイルとの接続点は、中性点電位に固定されている。まず、S相ステータコイルにDA方向に流れる駆動電流が供給される。そして、位相で90度分通電後に、この電流が遮断される。次に、M相ステータコイルにDB方向に流れる駆動電流が供給される。そして、位相で90度分通電後に、この電流が遮断される。次に、S相ステータコイルにDC方向に流れる駆動電流が供給される。そして、位相で90度分通電後に、この電流が遮断される。次に、M相ステータコイルにDD方向に流れる駆動電流が供給される。そして、位相で90度分通電後に、この電流が遮断される。この後、S相ステータコイルにDA方向に流れる駆動電流が供給される。このような動作が繰り返されることにより、回転磁界が発生する。
そこで、ホール素子のようなロータ位置を検出するためのセンサを用いることなく二相ブラシレスモータを駆動するセンサレス方式のモータ制御装置が提案されている(特許文献1参照)。この従来のモータ制御回路では、特許文献1の図1に示されるように、S相ステータコイルとM相ステータコイルとの接続点は、中性点電位に固定されている。まず、S相ステータコイルにDA方向に流れる駆動電流が供給される。そして、位相で90度分通電後に、この電流が遮断される。次に、M相ステータコイルにDB方向に流れる駆動電流が供給される。そして、位相で90度分通電後に、この電流が遮断される。次に、S相ステータコイルにDC方向に流れる駆動電流が供給される。そして、位相で90度分通電後に、この電流が遮断される。次に、M相ステータコイルにDD方向に流れる駆動電流が供給される。そして、位相で90度分通電後に、この電流が遮断される。この後、S相ステータコイルにDA方向に流れる駆動電流が供給される。このような動作が繰り返されることにより、回転磁界が発生する。
前記従来のモータ制御回路は、S相ステータコイルおよびM相ステータコイルで発生する誘起電圧に基づいてロータの位置を検出する位置検出回路、90度通電パルス信号を出力する90度通電回路等を備えている。位置検出回路は、S相およびM相のコイル端子電圧に基づいて、実際のS相およびM相の誘起電圧よりそれぞれ45度遅れたS相およびM相の誘起電圧波形を生成し、これらの位相が遅れたS相およびM相の誘起電圧波形をそれぞれ中点レベルで比較することによってそれらに対応する矩形波信号を生成する。90度通電回路は、位置検出回路からのS相およびM相の矩形波信号に基づいて、ゼロクロス信号を生成し、このゼロクロス信号と前記S相およびM相の矩形波信号とに基づいて、90度通電パルス信号を出力する。
前述した従来技術に係る二相ブラシレスモータの制御装置では、各ステータコイルに供給される駆動電流の位相差は90度に設定されている。前記S相およびM相の誘起電圧波形を生成するために、一方のステータコイルに供給される駆動電流を遮断して当該ステータコイルから発生する誘起電圧波形を調べ、次に90度の進相に相当する時間が経過してから、他方のステータコイルに供給されている駆動電流を遮断して当該ステータコイルから発生する誘起電圧波形を調べている。このように、両ステータコイルに供給される駆動電流を別々に遮断するためには、両ステータコイルに独立して電流を流せる回路が必要となる。そこで、両ステータコイルの接続点を、中性点電位に固定している。このため、中性点を持った電源が必要となる。
この発明の目的は、中性点のない直流電源に対しても適用可能な二相ブラシレスモータの駆動装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、第1相のステータコイル(3)と第2相のステータコイル(4)との直列回路(5)を有するステータと、前記ステータと対向するロータとを備えた二相ブラシレスモータ(2)の制御装置(1)であって、前記直列回路に対する通電/遮断および通電パターンの切換えを行なうための複数のスイッチング素子(SW1〜SW4)を含む駆動回路(12)と、前記直列回路への通電が遮断されているときに、前記第1相に対応する誘起電圧が所定の基準電圧を通過する時点である基準電圧通過時点と、前記第2相に対応する誘起電圧が前記基準電圧を通過する時点である基準電圧通過時点とを検出するための基準電圧通過時点検出手段(13,14)と、前記基準電圧通過時点検出手段によって検出される基準電圧通過時点に基づいて、前記複数のスイッチング素子を制御する制御手段(14)とを含み、前記基準電圧通過時点検出手段は、前記第1相の誘起電圧の立ち上がり時における基準電圧通過時点と、前記第2相の誘起電圧の立ち上がり時における基準電圧通過時点とを交互に検出するように構成されている、二相ブラシレスモータの制御装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
二相ブラシレスモータに負荷がある状態でセンサレス制御を行なおうとした場合には、二相ブラシレスモータによっては、第1相および第2相のステータコイルの直列回路への通電が遮断されているときにおいてもU相の誘起電圧およびW相の誘起電圧の立ち下がり時の基準電圧通過時点の波形が現われなくなる可能性があることが判明した。この発明では、基準電圧通過時点検出手段は、第1相の誘起電圧の立ち上がり時における基準電圧通過時点と、第2相の誘起電圧の立ち上がり時における基準電圧通過時点とを交互に検出するように構成されている。このため、負荷時において誘起電圧の立ち下がり時の基準電圧通過時点の波形が現われなくなるような二相ブラシレスモータを駆動することが可能となる。また、この発明によれば、中性点のない直流電源に対しても適用可能である。
請求項2記載の発明は、第1相のステータコイル(3)と第2相のステータコイル(4)との直列回路(5)を有するステータと、前記ステータと対向するロータとを備えた二相ブラシレスモータ(2)の制御装置(1)であって、前記直列回路に対する通電/遮断および通電パターンの切換えを行なうための複数のスイッチング素子(SW1〜SW4)を含む駆動回路(12)と、前記直列回路への通電が遮断されているときに、前記第1相に対応する誘起電圧が所定の基準電圧を通過する時点である基準電圧通過時点と、前記第2相に対応する誘起電圧が前記基準電圧を通過する時点である基準電圧通過時点とを検出するための基準電圧通過時点検出手段(13,14)と、前記基準電圧通過時点検出手段によって検出される基準電圧通過時点に基づいて、前記複数のスイッチング素子を制御する制御手段(14)とを含み、前記基準電圧通過時点検出手段は、前記第1相の誘起電圧の立ち下がり時における基準電圧通過時点と、前記第2相の誘起電圧の立ち下がり時における基準電圧通過時点とを交互に検出するように構成されている、二相ブラシレスモータの制御装置である。
二相ブラシレスモータに負荷がある状態でセンサレス制御を行なおうとした場合には、二相ブラシレスモータによっては、第1相および第2相のステータコイルの直列回路への通電が遮断されているときにおいてもU相の誘起電圧およびW相の誘起電圧の立ち上がり時の基準電圧通過時点の波形が現われなくなる可能性があることが判明した。この発明では、基準電圧通過時点検出手段は、第1相の誘起電圧の立ち下がり時における基準電圧通過時点と、第2相の誘起電圧の立ち下がり時における基準電圧通過時点とを交互に検出するように構成されている。このため、負荷時において誘起電圧の立ち上がり時の基準電圧通過時点の波形が現われなくなるような二相ブラシレスモータを駆動することが可能となる。また、この発明によれば、中性点のない直流電源に対しても適用可能である。
請求項3記載の発明は、前記制御手段は、前記基準電圧通過時点検出手段によって検出される基準電圧通過時点の時間間隔(T)に基づいて、基準電圧通過時点から前記直列回路に通電を開始するまでの待機時間(Tw)と、前記直列回路に通電を開始してから通電を停止させるまでの通電時間(Td)とを設定する設定手段(S12,S32)と、前記基準電圧通過時点検出手段によって検出される基準電圧通過時点と、前記設定手段によって設定される前記待機時間および前記通電時間と、前回の通電パターンとに基づいて、前記複数のスイッチング素子を制御する手段(S13〜S16,S33〜S36,)と、を含む請求項1または2に記載の二相ブラシレスモータの制御装置である。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る二相ブラシレスモータの制御装置の概略構成を示す電気回路図である。
二相ブラシレスモータ2の制御装置1は、整流回路11と、駆動回路12と、比較回路13と、制御回路14とを含んでいる。二相ブラシレスモータ2は、例えば、電動ポンプを駆動するためのモータとして用いられる。
図1は、本発明の一実施形態に係る二相ブラシレスモータの制御装置の概略構成を示す電気回路図である。
二相ブラシレスモータ2の制御装置1は、整流回路11と、駆動回路12と、比較回路13と、制御回路14とを含んでいる。二相ブラシレスモータ2は、例えば、電動ポンプを駆動するためのモータとして用いられる。
二相ブラシレスモータ2は、一組の磁極対を有するロータ(図示略)と、U相ステータコイル3およびW相ステータコイル4を有するステータ(図示略)とを備えている。U相ステータコイル3およびW相ステータコイル4の配置は任意であるが、この実施形態では、ロータの回転軸に対して点対称となっている。U相ステータコイル3およびW相ステータコイル4とは直列に接続されている。つまり、ステータは、U相ステータコイル3とW相ステータコイル4との直列回路5を有している。
整流回路11は、交流電源10から出力される交流を整流して直流電源を作り出す。
駆動回路12は、ステータコイル3,4の直列回路5に対する通電/遮断および通電パターンの切換えを行なうための複数のスイッチング素子SW1〜SW4を含んでいる。スイッチング素子SW1〜SW4としては、例えば、FET(Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が用いられる。通電パターンには、U相ステータコイル3側からW相ステータコイル4側に向かって電流が流れる第1通電パターンと、W相ステータコイル4側からU相ステータコイル3側に向って電流が流れる第2通電パターンとがある。
駆動回路12は、ステータコイル3,4の直列回路5に対する通電/遮断および通電パターンの切換えを行なうための複数のスイッチング素子SW1〜SW4を含んでいる。スイッチング素子SW1〜SW4としては、例えば、FET(Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が用いられる。通電パターンには、U相ステータコイル3側からW相ステータコイル4側に向かって電流が流れる第1通電パターンと、W相ステータコイル4側からU相ステータコイル3側に向って電流が流れる第2通電パターンとがある。
この実施形態では、駆動回路12は、Hブリッジ回路からなる。駆動回路12は、二相ブラシレスモータ2のU相に対応した一対のスイッチング素子SW1,SW2の直列回路と、二相ブラシレスモータ2のW相に対応した一対のスイッチング素子SW3,SW4の直列回路とが、整流回路14に対して並列に接続されている。二相ブラシレスモータ2のU相ステータコイル3は、U相に対応した一対のスイッチング素子SW1,SW2の接続点に接続されている。二相ブラシレスモータ2のW相ステータコイル4は、W相に対応した一対のスイッチング素子SW3,SW4の接続点に接続されている。
U相ステータコイル3に、駆動回路12に接続された一方端からW相ステータコイル4との接続点に向かって電流IUが流れる方向をU+方向と定義し、その逆方向をU−方向と定義する。また、W相ステータコイル4に、駆動回路12に接続された一方端からU相ステータコイル3との接続点に向かって電流IWが流れる方向をW+方向と定義し、その逆方向をW−方向と定義する。
比較回路13には、U相電圧VUおよびW相電圧VWが入力される。比較回路13は、図2に示すように、U相電圧VUに基づいてU相誘起電圧が所定の基準電圧を通過する基準電圧通過時点を検出するための第1の演算増幅器21と、W相電圧Vwに基づいて、W相誘起電圧が所定の基準電圧を通過する基準電圧通過時点を検出するための第2の演算増幅器21とを含んでいる。
「基準電圧」は、モータ2の駆動電圧波形の最大値と最小値との間の中央値に設定される。この実施形態では、説明の便宜上、基準電圧は0[V]であるものとする。そして、誘起電圧が基準電圧を通過する基準電圧通過時点を、「ゼロクロス点」ということにする。
第1の演算増幅器21の非反転入力端子には、U相電圧VUが入力される。第1の演算増幅器21の反転入力端子には、U相誘起電圧の基準電圧通過時点(この実施形態ではゼロクロス点)を検出するための基準電圧(この実施形態では0V)が入力される。第1の演算増幅器21の出力信号UOUTは、U相電圧VUが基準電圧より大きいときにはHレベルとなり、U相電圧VUが基準電圧未満である場合にはLレベルとなる。第1の演算増幅器21の出力信号UOUTは、制御回路14に与えられる。
第1の演算増幅器21の非反転入力端子には、U相電圧VUが入力される。第1の演算増幅器21の反転入力端子には、U相誘起電圧の基準電圧通過時点(この実施形態ではゼロクロス点)を検出するための基準電圧(この実施形態では0V)が入力される。第1の演算増幅器21の出力信号UOUTは、U相電圧VUが基準電圧より大きいときにはHレベルとなり、U相電圧VUが基準電圧未満である場合にはLレベルとなる。第1の演算増幅器21の出力信号UOUTは、制御回路14に与えられる。
第2の演算増幅器22の非反転入力端子には、W相電圧VWが入力される。第2の演算増幅器22の反転入力端子には、W相誘起電圧の基準電圧通過時点(この実施形態ではゼロクロス点)を検出するための基準電圧(この実施形態では0V)が入力される。第2の演算増幅器22の出力信号WOUTは、W相電圧VWが基準電圧より大きいときにはHレベルとなり、W相電圧VWが基準電圧未満である場合にはLレベルとなる。第2の演算増幅器22の出力信号WOUTは、制御回路14に与えられる。
制御回路14は、第1の演算増幅器21の出力信号UOUTおよび第2の演算増幅器22の出力信号WOUTに基づいて、駆動回路12内の各スイッチング素子SW1〜SW4をオンオフ制御する。制御回路14は、CPUおよびメモリ(ROM,RAMなど)を備えたマイクロコンピュータから構成されている。
本実施形態における制御回路14の動作を説明する前に、本出願人が既に考案した制御回路(以下、本実施形態の制御回路14と区別するために「第1の制御回路」ということにする)による駆動回路12の制御方法について説明する。
本実施形態における制御回路14の動作を説明する前に、本出願人が既に考案した制御回路(以下、本実施形態の制御回路14と区別するために「第1の制御回路」ということにする)による駆動回路12の制御方法について説明する。
無負荷の状態で、二相ブラシレスモータ2を駆動制御する場合について説明する。第1の制御回路は、二相ブラシレスモータ2の始動後に、ステータコイル3,4の直列回路5への通電が遮断されている状態で、例えば、第1の演算増幅器21の出力信号UOUTに基づいて、U相誘起電圧のゼロクロス点を検出する。そして、隣接するゼロクロス点の時間間隔(ゼロクロス間隔)Tを算出する。このゼロクロス間隔Tはロータが電気角で180度回転する時間(この実施形態では半回転する時間)に相当する。
第1の制御回路は、ゼロクロス間隔Tに基づいて、ゼロクロス点からステータコイル3,4の直列回路5に通電を開始(駆動電圧を印加)するまでの待機時間Twと、直列回路5に通電を開始してから通電を停止させるまでの通電時間(駆動電圧印加時間)Tdを決定する。そして、第1の制御回路は、決定した待機時間Twおよび通電時間Tdと、検出したゼロクロス点と、前回の通電パターンとに基づいて、各スイッチング素子SW1〜SW4を制御する。待機時間Twは、例えばT/6に設定される。通電時間Tdは、例えば2T/3に設定される。
図3は、前述の第1の制御回路によって各スイッチング素子SW1〜SW4を制御した場合のU相電圧VUの波形およびW相電圧VWの波形を示す波形図である。
U相電圧VUの波形において、通電時間Td内の波形はU相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はU相誘起電圧を示している。同様に、W相電圧VWの波形において、通電時間Td内の波形はW相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はW相誘起電圧を示している。
U相電圧VUの波形において、通電時間Td内の波形はU相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はU相誘起電圧を示している。同様に、W相電圧VWの波形において、通電時間Td内の波形はW相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はW相誘起電圧を示している。
前述したように通電パターンには、第1通電パターンP1と第2通電パターンP2とがある。第1通電パターンP1は、スイッチング素子SW1,SW4がオンされることにより実現される。一方、第2通電パターンP2は、スイッチング素子SW2,SW3がオンされることにより実現される。通電パターンは、交互に切り換えられる。
第1の制御回路は、直列回路5への通電が遮断されているときにU相誘起電圧のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、第1の制御回路は、前回の通電パターンとは異なる方の通電パターンを今回の通電パターンとして、今回の通電パターンに対応する2つのスイッチング素子をオンさせる。これにより、今回の通電パターンに対応した駆動電圧が直列回路5に印加される。そして、通電時間Tdが経過すると、第1の制御回路は、オン状態の2つのスイッチング素子をオフさせる。この後、第1の制御回路は、U相誘起電圧のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、第1の制御回路は、前回の通電パターンとは異なる方の通電パターンを今回の通電パターンとして、今回の通電パターンに対応する2つのスイッチング素子をオンさせる。そして、通電時間Tdが経過すると、第1の制御回路は、オン状態の2つのスイッチング素子をオフさせる。以下、第1の制御回路は、同様な動作を繰り返す。
第1の制御回路は、直列回路5への通電が遮断されているときにU相誘起電圧のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、第1の制御回路は、前回の通電パターンとは異なる方の通電パターンを今回の通電パターンとして、今回の通電パターンに対応する2つのスイッチング素子をオンさせる。これにより、今回の通電パターンに対応した駆動電圧が直列回路5に印加される。そして、通電時間Tdが経過すると、第1の制御回路は、オン状態の2つのスイッチング素子をオフさせる。この後、第1の制御回路は、U相誘起電圧のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、第1の制御回路は、前回の通電パターンとは異なる方の通電パターンを今回の通電パターンとして、今回の通電パターンに対応する2つのスイッチング素子をオンさせる。そして、通電時間Tdが経過すると、第1の制御回路は、オン状態の2つのスイッチング素子をオフさせる。以下、第1の制御回路は、同様な動作を繰り返す。
なお、二相ブラシレスモータ2の始動は、三相ブラシレスモータの120度通電矩形波センサレス駆動と同様に強制転流によって行う。すなわち、待機時間Twの初期値と通電時間Tdの初期値とを予め設定しておく。そして、待機時間Twの初期値と通電時間Tdの初期値とに応じて、第1通電パターンP1に対応した駆動電圧と第2通電パターンP2に対応した駆動電圧とを、モータ2に交互に繰り返して印加する。これにより、ロータが非効率ではあるが回転を開始する。
ところで、二相ブラシレスモータ2に負荷がある状態で前述のようなセンサレス制御を行なおうとした場合には、二相ブラシレスモータ2によっては、直列回路5への通電が遮断されているときにおいてもU相の誘起電圧およびW相の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス(誘起電圧が減少しているときのゼロクロス)が現われなくなる可能性があることが判明した。また、二相ブラシレスモータ2によっては、直列回路5への通電が遮断されているときにおいてもU相の誘起電圧およびW相の誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス(誘起電圧が増加しているときのゼロクロス)が現われなる可能性があることが判明した。
まず、負荷時に、U相の誘起電圧およびW相の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロスが現われなくなるような二相ブラシレスモータ2に対する制御方法(以下、「第1方法」という)について説明する。U相の誘起電圧とW相の誘起電圧とは180度位相がずれている。そこで、W相の誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点とU相の誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点とを検出できれば、それらの2つのゼロクロス点に基づいて前述した第1の制御回路と同様な制御が可能となる。
図4は、第1方法によって各スイッチング素子SW1〜SW4を制御した場合のU相電圧VUの波形およびW相電圧VWの波形を示す波形図である。
U相電圧VUの波形において、通電時間Td内の波形はU相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はU相誘起電圧を示している。同様に、W相電圧VWの波形において、通電時間Td内の波形はW相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はW相誘起電圧を示している。
U相電圧VUの波形において、通電時間Td内の波形はU相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はU相誘起電圧を示している。同様に、W相電圧VWの波形において、通電時間Td内の波形はW相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はW相誘起電圧を示している。
制御回路14は、二相ブラシレスモータ2の始動後に、ステータコイル3,4の直列回路5への通電が遮断される毎に、U相誘起電圧およびW相誘起電圧のうち増加傾向にある一方の誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出する。制御回路14は、誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出する毎に、前回のゼロクロス点との時間間隔(ゼロクロス間隔)Tを演算する。そして、制御回路14は、ゼロクロス間隔Tに基づいて、ゼロクロス点からステータコイル3,4の直列回路5に通電を開始するまでの待機時間Twと、直列回路5に通電を開始してから通電を停止させるまでの通電時間Tdを決定する。待機時間Twは、例えばT/6に設定される。通電時間Tdは、例えば2T/3に設定される。
図4を参照して、制御回路14は、直列回路5への通電が遮断されているときにU相誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、制御回路14は、第1通電パターンP1に対応した駆動電圧がモータ2に印加されるように、2つのスイッチング素子SW1,SW4をオンさせる。これにより、U相ステータコイル3にU+方向に駆動電流が流れ、W相ステータコイル4にW−方向に駆動電流が流れる。
そして、通電時間Tdが経過すると、制御回路14は、2つのスイッチング素子SW1,SW4をオフさせる。この後、制御回路は、W相誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、制御回路14は、第2通電パターンP2に対応した駆動電圧がモータ2に印加されるように、2つのスイッチング素子SW2,SW3をオンさせる。これにより、U相ステータコイル3にU−方向に駆動電流が流れ、W相ステータコイル4にW+方向に駆動電流が流れる。
そして、通電時間Tdが経過すると、第1の制御回路は、2つのスイッチング素子SW2,SW3をオフさせる。この後、制御回路14は、U相誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、制御回路14は、第1通電パターンP1に対応した駆動電圧がモータ2に印加されるように、2つのスイッチング素子SW1,SW4をオンさせる。以下、制御回路14は、同様な動作を繰り返す。このような動作により、ロータの回転角度位置に応じて、ステータコイル3,4によって「U+」および「W−」の電流方向に対応した磁界と、「U−」および「W+」の電流方向に対応した磁界とが交互に発生し、これらの交代磁界によりロータが回転する。なお、二相ブラシレスモータ2の始動方法は、前述した始動方法と同様である。
図5および図6は、第1方法によって各スイッチング素子SW1〜SW4を制御する場合の制御回路14の動作を示すフローチャートである。
制御回路14は、第1バッファ、第2バッファおよび第3バッファを有している。第1バッファは、第1の演算増幅器21の出力信号UOUTまたは第2の演算増幅器22の出力信号WOUTの今回値を格納するために用いられる。第2バッファは、出力信号UOUTまたはWOUTの前回値を格納するために用いられる。第3バッファは、出力信号UOUTまたはWOUTの前々回値を格納するために用いられる。これらのバッファの初期値は、出力信号UOUTまたはWOUTのHレベルに対応する値(以下、「H」で表す)である。出力信号UOUTまたはWOUTのLレベルに対応する値をLで表すことにする。
制御回路14は、第1バッファ、第2バッファおよび第3バッファを有している。第1バッファは、第1の演算増幅器21の出力信号UOUTまたは第2の演算増幅器22の出力信号WOUTの今回値を格納するために用いられる。第2バッファは、出力信号UOUTまたはWOUTの前回値を格納するために用いられる。第3バッファは、出力信号UOUTまたはWOUTの前々回値を格納するために用いられる。これらのバッファの初期値は、出力信号UOUTまたはWOUTのHレベルに対応する値(以下、「H」で表す)である。出力信号UOUTまたはWOUTのLレベルに対応する値をLで表すことにする。
制御回路14は、前回の通電パターンを判別する(ステップS1)。前回の通電パターンが第1通電パターンP1である場合には、制御回路14は、W相の誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出するために、第2の演算増幅器22の出力信号WOUTを今回値αnとして第1バッファに格納する(ステップS2)。そして、ステップS4に移行する。
前記ステップS1において、前回の通電パターンが第2通電パターンP2であると判別された場合には、制御回路14は、U相の誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点を検出するために、第1の演算増幅器21の出力信号UOUTを今回値αnとして第1バッファに格納する(ステップS3)。そして、ステップS4に移行する。
ステップS4では、制御回路14は、第1バッファ内の今回値αnがHであるか否かを判別する。第1バッファ内の今回値αnがHでないときには(ステップS4:NO)、制御回路14は、第2バッファ内の前回値αn−1を、前々回値αn−2として第3バッファに格納した後(ステップS7)、第1バッファ内の今回値αnを、前回値αn−1として第2バッファに格納する(ステップS8)。そして、ステップS1に戻る。
ステップS4では、制御回路14は、第1バッファ内の今回値αnがHであるか否かを判別する。第1バッファ内の今回値αnがHでないときには(ステップS4:NO)、制御回路14は、第2バッファ内の前回値αn−1を、前々回値αn−2として第3バッファに格納した後(ステップS7)、第1バッファ内の今回値αnを、前回値αn−1として第2バッファに格納する(ステップS8)。そして、ステップS1に戻る。
前記ステップS4において、第1バッファ内の今回値αnがHであると判別されたときには(ステップS4:YES)、制御回路14は、第2バッファ内の前回値αn−1がHであるか否かを判別する(ステップS5)。第2バッファ内の前回値αn−1がHでないときには(ステップS5:NO)、制御回路14は、第2バッファ内の前回値αn−1を、前々回値αn−2として第3バッファに格納した後(ステップS7)、第1バッファ内の今回値αnを、前回値αn−1として第2バッファに格納する(ステップS8)。そして、ステップS1に戻る。
前記ステップS5において、第2バッファ内の前回値αn−1がHであると判別されたときには(ステップS5:YES)、制御回路14は、第3バッファ内の前々回値αn−2がLであるか否かを判別する(ステップS6)。第3バッファ内の前々回値αn−2がLでないときには(ステップS6:NO)、制御回路14は、第2バッファ内の前回値αn−1を、前々回値αn−2として第3バッファに格納した後(ステップS7)、第1バッファ内の今回値αnを、前回値αn−1として第2バッファに格納する(ステップS8)。そして、ステップS1に戻る。
前記ステップS6において、第3バッファ内の前々回値αn−2がLであると判別されたときには(ステップS6:YES)、制御回路14はU相またはW相の誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点が検出されたと判断する。つまり、前々回値αn−2がLでかつ前回値αn−1および今回値αnがともにHであるときに、制御回路14はU相またはW相の誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロス点が検出されたと判断する。そして、次のような処理を行なう。
制御回路14は、第1〜第3バッファの内容を初期値Hにリセットした後(ステップS9)、現在時刻をゼロクロス点として記憶する(ステップS10)。次に、制御回路14は、前回検出されたゼロクロス点と今回検出されたゼロクロス点との時間間隔であるゼロクロス間隔Tを算出する(ステップS11)。次に、制御回路14は、ゼロクロス間隔Tに基づいて、待機時間Twと通電時間Tdとを設定する(ステップS12)。
この後、制御回路14は、待機時間Twが経過するのを待つ(ステップS13)。待機時間Twが経過すると(ステップS13:YES)、制御回路14は、前回と異なる通電パターンに対応する2つのスイッチング素子をオンさせる(ステップS14)。つまり、前回の通電パターンが第1通電パターンP1である場合には、第2通電パターンP2に対応する2つのスイッチング素子SW2,SW3がオンとされる。一方、前回の通電パターンが第2通電パターンP2である場合には、第1通電パターンP1に対応する2つのスイッチング素子SW1,SW4がオンとされる。
この後、制御回路14は、通電時間Tdが経過するのを待つ(ステップS15)。通電時間Tdが経過すると(ステップS15:YES)、前記ステップS14でオン状態にさせた2つのスイッチング素子をオフさせる(ステップS16)。そして、ステップS1に戻る。
次に、負荷時に、U相の誘起電圧およびW相の誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロスが現われなくなるような二相ブラシレスモータ2に対する制御方法(以下、「第2方法」という)について説明する。W相の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点とU相の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点とを検出できれば、それらの2つのゼロクロス点に基づいて前述した第1の制御回路と同様な制御が可能となる。
次に、負荷時に、U相の誘起電圧およびW相の誘起電圧の立ち上がり時のゼロクロスが現われなくなるような二相ブラシレスモータ2に対する制御方法(以下、「第2方法」という)について説明する。W相の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点とU相の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点とを検出できれば、それらの2つのゼロクロス点に基づいて前述した第1の制御回路と同様な制御が可能となる。
図7は、第2方法によって各スイッチング素子SW1〜SW4を制御した場合のU相電圧VUの波形およびW相電圧VWの波形を示す波形図である。
U相電圧VUの波形において、通電時間Td内の波形はU相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はU相誘起電圧を示している。同様に、W相電圧VWの波形において、通電時間Td内の波形はW相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はW相誘起電圧を示している。
U相電圧VUの波形において、通電時間Td内の波形はU相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はU相誘起電圧を示している。同様に、W相電圧VWの波形において、通電時間Td内の波形はW相駆動電圧を示し、その他の期間の波形はW相誘起電圧を示している。
制御回路14は、二相ブラシレスモータ2の始動後に、ステータコイル3,4の直列回路5への通電が遮断される毎に、U相誘起電圧およびW相誘起電圧のうち減少傾向にある一方の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点を検出する。制御回路14は、誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点を検出する毎に、前回のゼロクロス点との時間間隔(ゼロクロス間隔)Tを演算する。そして、制御回路14は、ゼロクロス間隔Tに基づいて、ゼロクロス点からステータコイル3,4の直列回路5に通電を開始するまでの待機時間Twと、直列回路5に通電を開始してから通電を停止させるまでの通電時間Tdを決定する。待機時間Twは、例えばT/6に設定される。通電時間Tdは、例えば2T/3に設定される。
図7を参照して、制御回路14は、直列回路5への通電が遮断されているときにW相誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、制御回路14は、第1通電パターンP1に対応した駆動電圧がモータ2に印加されるように、2つのスイッチング素子SW1,SW4をオンさせる。これにより、U相ステータコイル3にU+方向に駆動電流が流れ、W相ステータコイル4にW−方向に駆動電流が流れる。
そして、通電時間Tdが経過すると、制御回路14は、2つのスイッチング素子SW1,SW4をオフさせる。この後、制御回路は、U相誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、制御回路14は、第2通電パターンP2に対応した駆動電圧がモータ2に印加されるように、2つのスイッチング素子SW2,SW3をオンさせる。これにより、U相ステータコイル3にU−方向に駆動電流が流れ、W相ステータコイル4にW+方向に駆動電流が流れる。
そして、通電時間Tdが経過すると、第1の制御回路は、2つのスイッチング素子SW2,SW3をオフさせる。この後、制御回路は、W相誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点を検出すると、待機時間Twが経過するのを待つ。待機時間Twが経過すると、制御回路14は、第1通電パターンP1に対応した駆動電圧がモータ2に印加されるように、2つのスイッチング素子SW1,SW4をオンさせる。以下、制御回路14は、同様な動作を繰り返す。このような動作により、ロータの回転角度位置に応じて、ステータコイル3,4によって「U+」および「W−」の電流方向に対応した磁界と、「U−」および「W+」の電流方向に対応した磁界とが交互に発生し、これらの交代磁界によりロータが回転する。なお、二相ブラシレスモータ2の始動方法は、前述した始動方法と同様である。
図8および図9は、第2方法によって各スイッチング素子SW1〜SW4を制御する場合の制御回路14の動作を示すフローチャートである。
制御回路14は、第1バッファ、第2バッファおよび第3バッファを有している。第1バッファは、第1の演算増幅器21の出力信号UOUTまたは第2の演算増幅器22の出力信号WOUTの今回値を格納するために用いられる。第2バッファは、出力信号UOUTまたはWOUTの前回値を格納するために用いられる。第3バッファは、出力信号UOUTまたはWOUTの前々回値を格納するために用いられる。これらのバッファの初期値は、出力信号UOUTまたはWOUTのLレベルに対応する値Lである。
制御回路14は、第1バッファ、第2バッファおよび第3バッファを有している。第1バッファは、第1の演算増幅器21の出力信号UOUTまたは第2の演算増幅器22の出力信号WOUTの今回値を格納するために用いられる。第2バッファは、出力信号UOUTまたはWOUTの前回値を格納するために用いられる。第3バッファは、出力信号UOUTまたはWOUTの前々回値を格納するために用いられる。これらのバッファの初期値は、出力信号UOUTまたはWOUTのLレベルに対応する値Lである。
制御回路14は、前回の通電パターンを判別する(ステップS21)。前回の通電パターンが第1通電パターンP1である場合には、制御回路14は、U相の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点を検出するために、第1の演算増幅器21の出力信号UOUTを今回値αnとして第1バッファに格納する(ステップS22)。そして、ステップS24に移行する。
前記ステップS21において、前回の通電パターンが第2パターンP2であると判別された場合には、制御回路14は、W相の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点を検出するために、第2の演算増幅器22の出力信号WOUTを今回値αnとして第1バッファに格納する(ステップS23)。そして、ステップS24に移行する。
ステップS24では、制御回路14は、第1バッファ内の今回値αnがLであるか否かを判別する。第1バッファ内の今回値αnがLでないときには(ステップS24:NO)、制御回路14は、第2バッファ内の前回値αn−1を、前々回値αn−2として第3バッファに格納した後(ステップS27)、第1バッファ内の今回値αnを、前回値αn−1として第2バッファに格納する(ステップS28)。そして、ステップS21に戻る。
ステップS24では、制御回路14は、第1バッファ内の今回値αnがLであるか否かを判別する。第1バッファ内の今回値αnがLでないときには(ステップS24:NO)、制御回路14は、第2バッファ内の前回値αn−1を、前々回値αn−2として第3バッファに格納した後(ステップS27)、第1バッファ内の今回値αnを、前回値αn−1として第2バッファに格納する(ステップS28)。そして、ステップS21に戻る。
前記ステップS24において、第1バッファ内の今回値αnがLであると判別されたときには(ステップS24:YES)、制御回路14は、第2バッファ内の前回値αn−1がLであるか否かを判別する(ステップS25)。第2バッファ内の前回値αn−1がLでないときには(ステップS25:NO)、制御回路14は、第2バッファ内の前回値αn−1を、前々回値αn−2として第3バッファに格納した後(ステップS27)、第1バッファ内の今回値αnを、前回値αn−1として第2バッファに格納する(ステップS28)。そして、ステップS21に戻る。
前記ステップS25において、第2バッファ内の前回値αn−1がLであると判別されたときには(ステップS25:YES)、制御回路14は、第3バッファ内の前々回値αn−2がHであるか否かを判別する(ステップS26)。第3バッファ内の前々回値αn−2がHでないときには(ステップS26:NO)、制御回路14は、第2バッファ内の前回値αn−1を、前々回値αn−2として第3バッファに格納した後(ステップS27)、第1バッファ内の今回値αnを、前回値αn−1として第2バッファに格納する(ステップS28)。そして、ステップS21に戻る。
前記ステップS26において、第3バッファ内の前々回値αn−2がHであると判別されたときには(ステップS26:YES)、制御回路14はU相またはW相の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点が検出されたと判断する。つまり、前々回値αn−2がHでかつ前回値αn−1および今回値αnがともにLであるときに、制御回路14はU相またはW相の誘起電圧の立ち下がり時のゼロクロス点が検出されたと判断する。そして、次のような処理を行なう。
制御回路14は、第1〜第3バッファの内容を初期値Lにリセットした後(ステップS29)、現在時刻をゼロクロス点として記憶する(ステップS30)。次に、制御回路14は、前回検出されたゼロクロス点と今回検出されたゼロクロス点との時間間隔であるゼロクロス間隔Tを算出する(ステップS31)。次に、制御回路14は、ゼロクロス間隔Tに基づいて、待機時間Twと通電時間Tdとを設定する(ステップS32)。
この後、制御回路14は、待機時間Twが経過するのを待つ(ステップS33)。待機時間Twが経過すると(ステップS33:YES)、制御回路14は、前回と異なる通電パターンに対応する2つのスイッチング素子をオンさせる(ステップS34)。つまり、前回の通電パターンが第1通電パターンP1である場合には、第2通電パターンP2に対応する2つのスイッチング素子SW2,SW3がオンとされる。一方、前回の通電パターンが第2通電パターンP2である場合には、第1通電パターンP1に対応する2つのスイッチング素子SW1,SW4がオンとされる。
この後、制御回路14は、通電時間Tdが経過するのを待つ(ステップS35)。通電時間Tdが経過すると(ステップS35:YES)、前記ステップS34でオン状態にさせた2つのイッチング素子をオフさせる(ステップS36)。そして、ステップS21に戻る。
この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…制御装置、2…二相ブラシレスモータ、3…U相ステータコイル、4…W相ステータコイル、5…直列回路、12…駆動回路、13…比較回路、14…制御回路、SW1〜SW4…スイッチング素子
Claims (3)
- 第1相のステータコイルと第2相のステータコイルとの直列回路を有するステータと、前記ステータと対向するロータとを備えた二相ブラシレスモータの制御装置であって、
前記直列回路に対する通電/遮断および通電パターンの切換えを行なうための複数のスイッチング素子を含む駆動回路と、
前記直列回路への通電が遮断されているときに、前記第1相に対応する誘起電圧が所定の基準電圧を通過する時点である基準電圧通過時点と、前記第2相に対応する誘起電圧が前記基準電圧を通過する時点である基準電圧通過時点とを検出するための基準電圧通過時点検出手段と、
前記基準電圧通過時点検出手段によって検出される基準電圧通過時点に基づいて、前記複数のスイッチング素子を制御する制御手段とを含み、
前記基準電圧通過時点検出手段は、前記第1相の誘起電圧の立ち上がり時における基準電圧通過時点と、前記第2相の誘起電圧の立ち上がり時における基準電圧通過時点とを交互に検出するように構成されている、二相ブラシレスモータの制御装置。 - 第1相のステータコイルと第2相のステータコイルとの直列回路を有するステータと、前記ステータと対向するロータとを備えた二相ブラシレスモータの制御装置であって、
前記直列回路に対する通電/遮断および通電パターンの切換えを行なうための複数のスイッチング素子を含む駆動回路と、
前記直列回路への通電が遮断されているときに、前記第1相に対応する誘起電圧が所定の基準電圧を通過する時点である基準電圧通過時点と、前記第2相に対応する誘起電圧が前記基準電圧を通過する時点である基準電圧通過時点とを検出するための基準電圧通過時点検出手段と、
前記基準電圧通過時点検出手段によって検出される基準電圧通過時点に基づいて、前記複数のスイッチング素子を制御する制御手段とを含み、
前記基準電圧通過時点検出手段は、前記第1相の誘起電圧の立ち下がり時における基準電圧通過時点と、前記第2相の誘起電圧の立ち下がり時における基準電圧通過時点とを交互に検出するように構成されている、二相ブラシレスモータの制御装置。 - 前記制御手段は、
前記基準電圧通過時点検出手段によって検出される基準電圧通過時点の時間間隔に基づいて、基準電圧通過時点から前記直列回路に通電を開始するまでの待機時間と、前記直列回路に通電を開始してから通電を停止させるまでの通電時間とを設定する設定手段と、
前記基準電圧通過時点検出手段によって検出される基準電圧通過時点と、前記設定手段によって設定される前記待機時間および前記通電時間と、前回の通電パターンとに基づいて、前記複数のスイッチング素子を制御する手段と、を含む請求項1または2に記載の二相ブラシレスモータの制御装置。
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