JP2013226111A - 茶エキスパウダーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】茶の成分を余すことなく抽出し、なおかつ、茶の風味を損なうことなく、保存性に優れている緑茶エキスパウダーの提供を本発明の課題とした。
【解決するための手段】乾燥茶葉に対し、茶葉重量2〜15倍の水を加え、抽出液と残渣を分離し、得られた残渣に対し、抽出および固液分離工程を所定回数繰り返す多煎方式を使用して得られた、成分分布および風味特性の異なる抽出液を、単独もしくは混合して利用した茶エキスパウダーを得ることで、上記の課題を解決する。
【選択図】なし
【解決するための手段】乾燥茶葉に対し、茶葉重量2〜15倍の水を加え、抽出液と残渣を分離し、得られた残渣に対し、抽出および固液分離工程を所定回数繰り返す多煎方式を使用して得られた、成分分布および風味特性の異なる抽出液を、単独もしくは混合して利用した茶エキスパウダーを得ることで、上記の課題を解決する。
【選択図】なし
Description
本発明は、茶飲料の製造方法に関し、同一の茶葉原料から複数回原料成分抽出を行い、最も適した抽出条件を選定することで様々な風味、成分を引き出し、なおかつ、残渣までを利用する茶エキスパウダーおよび茶系飲食物の製造方法に関する。
茶の抽出条件は、茶葉の種類や産地、焙煎方法等によって、最適な抽出条件が異なり、家庭等で茶を淹れる際に、茶葉の特徴を最大限に活かした抽出方法を行うのは困難であった。また、茶を抽出した後の残渣は、茶の成分が残っているにもかかわらず廃棄されることがほとんどであり、茶の成分を最大限に引き出せていなかった。先行技術では、最適な条件で、同一の茶葉を抽出する工業的な製造法や、茶葉の最適な抽出条件が紹介されている。
特許文献1には、茶をカラム型抽出機内にて、−5〜15℃の水で抽出して抽出液Aを得た後、抽出残渣を1〜10分で50〜100℃に昇温し、次いで昇温した抽出残渣に50〜100℃の熱水を供給して1パス法により抽出液Bを排出して、得られた抽出液Aと抽出液Bを混合し殺菌することを含む製造法が提案されている。
特許文献2には、液体及び抽出原料を収容する抽出容器の内部に液体と抽出原料を攪拌する攪拌装置を備え、液体と抽出原料を排出するために前記抽出容器を旋回して傾斜させる容器駆動装置を備えた攪拌釜式の飲料抽出装置において、前記抽出容器を傾斜させる際、抽出成分を含む飲料を濾過して抽出原料の排出を阻止する工程、あるいは前期飲料と抽出原料の抽出容器から一括排出する工程を選択的に実施可能ならしめる可動式フィルタ装置を前記抽出容器の上部に備えたことを特徴とする飲料抽出装置と、その装置において、抽出原料を所定回数抽出して、抽出液を得ることを特徴とする飲料抽出方法が提案されている。
特許文献3には、茶にその2〜3倍量の水を加えて数分間湿潤させ、次いでこれに茶の2〜5倍量の80〜95℃の熱湯を注いで、茶中の飲用成分をこの熱湯に溶出させて濃度5〜10Bx%の溶出液にし、この溶出液を濾過して抽出液として30℃以下に冷却して濃厚飲用茶液とすることを特徴とする濃厚飲用茶液の製造法が提案されている。
しかしながら、前述の特許文献1は、1回目の抽出液を得た後の抽出残渣に熱水を供給して1パス法で抽出液を得る方法であるため、抽出残渣に残されている茶成分を余すことなく抽出できる方法ではなかった。
また、前述の特許文献2は、抽出原料の抽出を所定回数繰り返して、抽出液を得る抽出装置あるいは、その装置により得られる抽出液が提案されているが、最適な抽出条件については言及がなく、より良質な茶抽出液を、茶葉原料から余すことなく得るためには、さらなる鋭意検討が必要であった。
また、前述の特許文献3は、抽出倍水が茶の2〜5倍量であるが、事前に2〜3倍量の水で湿潤させる工程が必要なため、工程時間が長くなるというデメリットがあった。また、抽出倍水が他のインスタント粉末茶で行われている10倍乃至30倍程度よりも少ないことで、濃厚飲用茶液を得られることを特徴としているが、固液分離後に茶粕に残る抽出液がより濃厚であるため、茶から抽出された固形分をより多くロスするというデメリットもあった。
本発明者は、茶の成分を余すことなく抽出し、なおかつ、茶の風味を損なうことなく、保存性に優れている緑茶エキスパウダーを提供することを目的として、鋭意検討を行った結果、乾燥茶葉に対し、茶葉重量2〜15倍の水を加え、抽出液と残渣を分離し、得られた残渣に対し、抽出および固液分離工程を所定回数繰り返す多煎方式を使用して得られた、成分分布および風味特性の異なる抽出液を、単独もしくは混合して利用した茶エキスパウダーを得ることで、課題を解決できることを知るに至り、さらに実用化に必要な最適条件を求めた結果、本課題を解決するための手段の各態様を以下の通り提供した。
まず、乾燥茶葉に対し、茶葉重量2〜15倍の水を加え、抽出液と残渣を分離し、得られた残渣に対し抽出、固液分離を所定回数繰り返す多煎方式を使用して得られた、成分分布および風味特性の異なる抽出液を、単独もしくは混合して利用することを特徴とする茶エキスパウダーの製造方法を、本課題を解決するための第1の態様とした。
さらに、乾燥茶葉に対し茶葉重量の2〜5倍の水を加え、抽出液と残渣を分離し、得られた抽出液を、濃縮工程を経ずに粉末化することを特徴とする、前記第1の態様に記載の茶エキスパウダーの製造方法を、本課題を解決するための第2の態様とした。
さらに、乾燥茶葉の抽出温度は30℃以下とし、残渣の抽出温度は30〜90℃であることを特徴とする、前記第1乃至2のいずれかの態様に記載の茶エキスパウダーの製造方法を、本課題を解決するための第3の態様とした。
さらに、乾燥茶葉が緑茶であることを特徴とする、前記第1乃至3のいずれかの態様に記載の茶エキスパウダーの製造方法を、本課題を解決するための第4の態様とした。
さらに、乾燥茶葉が玉露もしくは碾茶であることを特徴とする、前記第1乃至4のいずれかの態様に記載の茶エキスパウダーの製造方法を、本課題を解決するための第5の態様とした。
さらに、前記1乃至5のいずれかの態様の製造方法より得られる茶エキスパウダーを、本課題を解決するための第6の態様とした。
さらに、前記第1乃至5のいずれかの態様の製造方法より得られる茶エキスパウダーを利用することを特徴とした食品の製造方法を、本課題を解決するための第7の態様とした。
そして、前記第1乃至5のいずれかの態様の製造方法より得られる茶エキスパウダーを利用することを特徴とした食品を、本課題を解決するための第8の態様とした。
そして、前記第1乃至5のいずれかの態様に記載の製造方法にて、最後の抽出、固液分離工程後に得られた残渣を利用することを特徴とした食品の製造方法を、本課題を解決するための第8の態様とした。
そして、前記第1乃至5のいずれかの態様に記載の製造方法にて、最後の抽出、固液分離工程後に得られた残渣を利用することを特徴とした食品を、本課題を解決するための第9の態様とした。
本発明の効果は次の通りである。
本発明において、乾燥茶葉に対し、茶葉重量の2〜15倍の水を加えて抽出することでより濃度の濃い抽出液を得ることができるため、茶の風味を損ないやすい濃縮工程を短縮、もしくは、省略することが可能となる。また、残渣に対し抽出、固液分離工程を所定回数繰り返す多煎方式を使用することで、各抽出工程で最適の抽出条件で抽出できるため、風味特性の異なる抽出液を、濃い抽出液の状態で得ることが可能で、なおかつ、茶の成分を余すことなく利用された茶エキスパウダーを提供するという効果がもたらされた。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本説明は本発明を具体的に説明し、発明の内容の的確な理解に資するという趣旨に基づいて行うものであり、本説明の記述内容は本発明の一例に過ぎず、かつ本説明により本発明の範囲を限定する趣旨でもない。
乾燥茶葉に対する水の量は、茶葉重量の2〜15倍であれば、風味豊かな茶エキスを得ることができ、なおかつ、固液分離工程もスムーズに行え、濃縮工程も短縮できるが、茶葉重量の2〜5倍がより望ましい。乾燥茶葉に対する水の量が2〜5倍であれば、得られた茶の抽出エキスを濃縮する工程が省略でき、濃縮工程により茶の風味が損なわれるのを防ぐことができる。
乾燥緑茶葉、および、残渣の抽出温度は、茶葉の種類、産地、焙煎度合等によって、それぞれ最適な温度を選択することができるが、乾燥茶葉の場合は30℃以下、残渣の場合は30〜90℃が望ましい。乾燥茶葉は、30℃以下で抽出することで、茶葉本来の風味を最大限に活かした抽出液を得ることができる。また、残渣は30〜90℃で抽出することで、茶の成分を余すことなく抽出することができる。
本発明における乾燥茶葉とは、主に飲料として利用されるもので、使用される種類に特に制限はないが、カメリア シネンシスに属する樹木の葉の加工品及び、その他の茶として飲用可能なものについても利用することができ、麦、はと麦、玄米、大豆、そばなどの穀物茶類、アニス、バジル、チャイブ、レモンバーム、レモングラス、ミント、パセリ、ローズマリー、タイム、セージ、サンザシ、ラベンダー、カモミール、ハッカ、セイヨウタンポポ、ローズヒップ、ローズペタル、ハイビスカスなどのハーブ類、どくだみ、霊芝、ギムネマ、バナバ、イチョウ葉、モロヘイヤ、ラカンカ、アルファルファ、よもぎ、マテ、ギャバロン、朝鮮人参、杜仲、ルイボス、アロエ、桜葉などが例示される。
本発明における乾燥茶葉のうち、カメリア シネンシスに属する樹木の葉の加工品とは、緑茶、紅茶、ウーロン茶などが例示される。
本発明における乾燥緑茶葉とは、煎茶、ほうじ茶、抹茶、玉露、碾茶などが例示され、種類、産地、焙煎方法等は特に限定されるものではないが、玉露もしくは碾茶であることが望ましい。乾燥玉露茶葉もしくは碾茶重量に対して30℃以下の水を2〜5倍加えて抽出することで、玉露もしくは碾茶の旨味を最大限に引き出すことができる。さらに、得られた残渣に30〜90℃の水を残渣重量に対して2〜15倍加えて再度抽出することで、成分分布、風味特性が異なる抽出液が得られるため、その抽出液を利用した、風味豊かで玉露もしくは碾茶の特徴を最大限に活かした緑茶エキスパウダーを得ることができる。また、得られる残渣も、より食感が柔らかく、より多様な食品に利用することができるものとなり好ましい。
本発明において得られる茶エキスパウダーの乾燥方法は、噴霧乾燥、真空凍結乾燥、ドラムドライ乾燥などが例示され、特に限定されるものではないが、噴霧乾燥であることが望ましい。真空凍結乾燥では、昇華させる水分が多く、乾燥に長時間を要するうえに、多孔質構造のため、空気に触れる面積が多く、得られる緑茶エキスパウダーが酸化しやすくなり、より風味品質の劣るものとなる。また、ドラムドライ乾燥では、緑茶の抽出液が直接熱伝導体に触れ、風味劣化を起こしやすくなるため、本発明で得られる、緑茶の風味を最大限に活かした緑茶の抽出液の風味を損ないやすくなる。一方、噴霧乾燥では、本発明で得られる緑茶の抽出液を瞬間的に乾燥させることができるため、緑茶の抽出液にかかる熱量が最小限に抑えられ、より風味品質の保たれた緑茶エキスパウダーを得ることができる。
本発明において得られる茶エキスパウダーを利用する食品は特に限定されるものではないが、飲料、菓子、惣菜、乳製品、農産物の加工品、畜水産物の加工品などが例示され、苦渋味を付与することにより味質の改善された食品や、魚介類や畜肉の生臭みが低減された食品を得ることができる。
本発明において得られる残渣を利用する食品は特に限定されるものではないが、飲料、菓子、惣菜、乳製品、農産物の加工品、畜水産物の加工品などが例示され、茶の風味や食物繊維が残る佃煮やふりかけ、クッキーなどの食品や、魚介類や畜肉の生臭みが低減された食品を得ることができる。
乾燥緑茶葉、および、残渣を抽出する際には、必要に応じて、オリゴ糖、でんぷん、デキストリン、サイクロデキストリン、難消化性デキストリン、食物繊維、増粘多糖類、糖アルコールおよびそれらの分解物や化学修飾物、アミノ酸、ペプチド、塩類、甘味料、酸味料、着色料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊剤、酸化防止剤、乳化剤、pH調整剤等を含んでいる場合がある。
乾燥緑茶葉、および、残渣から得られた抽出液は、粉末化基材を用いて粉末化される場合がある。粉末化基材は、特に限定はしないが、オリゴ糖、でんぷん、デキストリン、サイクロデキストリン、難消化性デキストリン、食物繊維、増粘多糖類、糖アルコールおよびそれらの分解物や化学修飾物などが使用される。
乾燥緑茶葉、および、残渣から得られた抽出液を粉末化する際には、必要に応じて、アミノ酸、ペプチド、塩類、甘味料、酸味料、着色料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊剤、酸化防止剤、乳化剤、pH調整剤等を使用して粉末化される場合がある。
以下、実施例を持って本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
30℃の水30.0kgに、乾燥緑茶葉10.0kgを加え、30℃で10分間抽出したのち、固液分離してBrix7.0°の抽出液1を20.0kgと、残渣を20.0kg得た。得られた残渣20.0kgを、50℃の湯100.0kgに加え、50℃で20分間抽出したのち、固液分離してBrix1.0°の抽出液2を60.0kgと、残渣を60.0kg得た。得られた抽出液2を、逆浸透膜法により、Brix7.0°まで濃縮し、得られた濃縮液8.5kgを20.0kgの抽出液1と混合した後、デキストリン(マックス1000:松谷化学工業株式会社)を1.9kg加えて噴霧乾燥し、緑茶由来固形分を50%含む緑茶エキスパウダーを3.6kg得た。
30℃の水30.0kgに、乾燥緑茶葉10.0kgを加え、30℃で10分間抽出したのち、固液分離してBrix7.0°の抽出液を20.0kgと残渣を20.0kg得た。得られた20.0kgの抽出液に、デキストリン(マックス1000:松谷化学工業株式会社)を1.3kg加えて、噴霧乾燥し、緑茶由来固形分を50%含む緑茶エキスパウダーを2.5kg得た。
[比較例1]
30℃の水200.0kgに、乾燥緑茶葉10.0kgを加え、30℃で10分間抽出したのち、固液分離してBrix1.1°の抽出液を105.0kg得た。得られた抽出液を逆浸透膜法によりBrix7.0°まで濃縮し、得られた濃縮液16.5kgにデキストリン(マックス1000:松谷化学工業株式会社)を1.1kg加えて噴霧乾燥し、緑茶固形分を50%含む緑茶エキスパウダーを2.1kg得た。
30℃の水200.0kgに、乾燥緑茶葉10.0kgを加え、30℃で10分間抽出したのち、固液分離してBrix1.1°の抽出液を105.0kg得た。得られた抽出液を逆浸透膜法によりBrix7.0°まで濃縮し、得られた濃縮液16.5kgにデキストリン(マックス1000:松谷化学工業株式会社)を1.1kg加えて噴霧乾燥し、緑茶固形分を50%含む緑茶エキスパウダーを2.1kg得た。
上記のようにして得られた実施例1の緑茶エキスパウダーは、比較例1の緑茶エキスパウダーと比較して、同量の乾燥緑茶葉から得られる緑茶エキスパウダーの量が多く、より多くの緑茶由来固形分を得られる工程であるということが確認できた。また、実施例1および比較例1に記載の緑茶エキスパウダー1gを、70℃の湯150mlに溶解して、良く訓練された10名のパネラーにより官能評価を行ったところ、全員が実施例1は、比較例1と比較して、緑茶の青香と複雑な苦渋味が合わさった、好ましい風味であるという評価をした。
また、実施例2および比較例1に記載の緑茶エキスパウダー1gを、70℃の湯150mlに溶解して、良く訓練された10名のパネラーにより官能評価を行った。その結果、全員が実施例2は、比較例1と比較して、蒸れた香がなく、緑茶の青香が残っており、好ましいという評価をした。
30℃の水30.0kgに、乾燥緑茶葉10.0kgを加え、30℃で10分間抽出したのち、固液分離してBrix7.0°の抽出液1を20.0kgと、残渣を20.0kg得た。得られた残渣20.0kgを、50℃の湯100.0kgに加え、50℃で20分間抽出したのち、固液分離してBrix1.0°の抽出液2を60.0kgと、残渣を60.0kg得た。得られた抽出液2を、逆浸透膜法により、Brix7.0°まで濃縮し、得られた濃縮液8.5kgを20.0kgの抽出液1と混合した後、デキストリン(マックス1000:松谷化学工業株式会社)を1.9kg加えて噴霧乾燥し、緑茶由来固形分を50%含む緑茶エキスパウダー1を3.6kg得た。さらに、得られた残渣は、80℃の湯120.0kgに加え、80℃で30分間抽出したのち、固液分離してBrix0.7°の抽出液を90.0kg得た。得られた抽出液を逆浸透膜法により、Brix7°まで濃縮し、得られた濃縮液9.0kgにデキストリン(マックス1000:松谷化学工業株式会社)を0.6kg加えて噴霧乾燥し、緑茶固形分を50%含む緑茶エキスパウダー2を1.1kg得た。得られた緑茶エキスパウダー1および2を2g量りとり、蒸留水100mlにて定溶して希釈した後、メンブランフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフにて分析した。
高速液体クロマトグラフ測定条件
カラム:財)化学物質評価研究機構製のL−column ODS
(カラムサイズ:4.6×250mm)
カラム温度:35℃
移動相A液:0.1M酢酸(溶媒:蒸留水)
移動相B液:0.1M酢酸(溶媒:アセトニトリル)
試料注入量:10μL
UV検出器波長:280nmの条件
カラム:財)化学物質評価研究機構製のL−column ODS
(カラムサイズ:4.6×250mm)
カラム温度:35℃
移動相A液:0.1M酢酸(溶媒:蒸留水)
移動相B液:0.1M酢酸(溶媒:アセトニトリル)
試料注入量:10μL
UV検出器波長:280nmの条件
表1に示すように、本発明における製造方法により、同一の緑茶葉から成分分布の異なる緑茶エキスパウダーを得ることができた。よりカテキン濃度およびカフェイン濃度が低い緑茶エキスパウダー1は、苦渋味が少ないため、湯等に溶解して飲用に供することに適している。また、緑茶エキスパウダー2は、カテキン濃度およびカフェイン濃度が高いため、他の食品への苦渋味の付与や、食材の生臭みを低減するのに適しており、同一の緑茶葉から、風味品質、利用方法が異なる緑茶エキスパウダーを得ることができた。
実施例3において得られた緑茶エキスパウダー2を0.2gと、昆布茶粉末2.0g(こんぶ茶(カルシウム入り):玉露園食品工業(株))を、70℃の湯100.0gに溶解して昆布茶を得た。
[比較例2]
昆布茶粉末2.0g(こんぶ茶(カルシウム入り):玉露園食品工業(株))を、70℃の湯100.0gに溶解して昆布茶を得た。
昆布茶粉末2.0g(こんぶ茶(カルシウム入り):玉露園食品工業(株))を、70℃の湯100.0gに溶解して昆布茶を得た。
実施例4および比較例2において得られた昆布茶に対して、良く訓練された5名のパネラーにより官能評価を行った。その結果、全員が実施例4は、比較例2と比較して、昆布茶特有の磯臭さや生臭みが低減されており、すっきりと苦渋味が付与された好ましい風味となっているという評価をした。
実施例3において得られた緑茶エキスパウダー2を、100gの水に0.2g溶解した漬け汁に、カツオの刺身を30分間漬け置く。
[比較例3]
100gの水に、カツオの刺身を30分間漬け置く。
100gの水に、カツオの刺身を30分間漬け置く。
実施例5および比較例3において得られたカツオの刺身に対して、良く訓練された5名のパネラーにより官能評価を行った。その結果、全員が実施例5は、比較例3と比較して、カツオの刺身の生臭さが低減されており、食べやすくなっているという評価をした。
生のイワシ400gの皮をむき、包丁でたたいてミンチ状にする。ミンチ状のイワシに、片栗粉20g、料理酒15ml、塩4g、実施例3にて得られた残渣6.8gを添加して、よく混ぜ、直径3cmほどの球形に形成後、沸騰した湯で加熱する。
[比較例4]
生のイワシ400gの皮をむき、包丁でたたいてミンチ状にする。ミンチ状のイワシに、片栗粉20g、料理酒15ml、塩4gを添加して、よく混ぜ、直径3cmほどの球形に形成後、沸騰した湯で加熱する。
生のイワシ400gの皮をむき、包丁でたたいてミンチ状にする。ミンチ状のイワシに、片栗粉20g、料理酒15ml、塩4gを添加して、よく混ぜ、直径3cmほどの球形に形成後、沸騰した湯で加熱する。
実施例5および比較例3にて得られたイワシの食品を、良く訓練された5名のパネラーにより官能評価を行った。その結果、全員が実施例5は、比較例3と比較して、イワシの生臭さが低減されており、食べやすくなっているという評価をした。
Claims (10)
- 乾燥茶葉に対し、茶葉重量2〜15倍の水を加え、抽出液と残渣を分離し、得られた残渣に対し抽出、固液分離を所定回数繰り返す多煎方式を使用して得られた、成分分布および風味特性の異なる抽出液を、単独もしくは混合して利用することを特徴とする茶エキスパウダーの製造方法
- 乾燥茶葉に対し茶葉重量の2〜5倍の水を加え、抽出液と残渣を分離し、得られた抽出液を、濃縮工程を経ずに粉末化することを特徴とする、請求項1に記載の茶エキスパウダーの製造方法
- 乾燥茶葉の抽出温度は30℃以下とし、残渣の抽出温度は30〜90℃であることを特徴とする、請求項1乃至2のいずれかに記載の茶エキスパウダーの製造方法
- 乾燥茶葉が緑茶であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の茶エキスパウダーの製造方法
- 乾燥茶葉が玉露もしくは碾茶であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の茶エキスパウダーの製造方法
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法より得られる茶エキスパウダー
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法より得られる茶エキスパウダーを利用することを特徴とした食品の製造方法
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法より得られる茶エキスパウダーを利用することを特徴とする食品
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法にて、最後の抽出、固液分離工程後に得られた残渣を利用することを特徴とする食品の製造方法
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法にて、最後の抽出、固液分離工程後に得られた残渣を利用することを特徴とする食品
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