JP2013213083A - 改質吸水性樹脂粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収保持量及び吸水速度を維持したまま、通液性を高めた吸水性樹脂粒子、その製造方法及びこれを用いた吸収性物品を提供する。
【解決手段】[1]架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)、前記吸水性樹脂粒子(A)の架橋ポリマーの単量体成分に対して0.1〜10質量%の疎水性不飽和単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)の存在下で、重合を行って得られる改質吸水性樹脂粒子、及び[2]架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)、前記吸水性樹脂粒子(A)の架橋ポリマーの単量体成分に対して0.1〜10質量%の疎水性不飽和単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)の存在下で重合を行う、改質吸水性樹脂粒子の製造方法、[3]上記[1]に記載の改質吸水性樹脂粒子を構成部材として有する、吸収性物品。
【選択図】なし
【解決手段】[1]架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)、前記吸水性樹脂粒子(A)の架橋ポリマーの単量体成分に対して0.1〜10質量%の疎水性不飽和単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)の存在下で、重合を行って得られる改質吸水性樹脂粒子、及び[2]架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)、前記吸水性樹脂粒子(A)の架橋ポリマーの単量体成分に対して0.1〜10質量%の疎水性不飽和単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)の存在下で重合を行う、改質吸水性樹脂粒子の製造方法、[3]上記[1]に記載の改質吸水性樹脂粒子を構成部材として有する、吸収性物品。
【選択図】なし
Description
本発明は、改質吸水性樹脂粒子、その製造方法及びこれを用いた吸収性物品に関する。
吸水性樹脂粒子は、紙おむつ、生理用品等の衛生材料、保水材、土壌改良材等の農園芸材料、ケーブル用止水材、結露防止材等の工業資材等の種々の分野に広く使用されている。
これらの用途の中でも、近年、紙おむつ等の吸収性物品は、薄型化が進んでおり、嵩高く吸水量が少ない親水性繊維の含有量を少なくし、吸水量が多い吸水性樹脂の割合を多くする傾向がある。吸水性樹脂を高濃度に含有する吸収体中の吸水性樹脂には、吸水倍率が高いことに加えて液拡散性(以下「通液性」ともいう)に優れていることが求められ、更に吸収体自体として、その肌触りが良好であり、柔軟性があることも求められている。
これらの用途の中でも、近年、紙おむつ等の吸収性物品は、薄型化が進んでおり、嵩高く吸水量が少ない親水性繊維の含有量を少なくし、吸水量が多い吸水性樹脂の割合を多くする傾向がある。吸水性樹脂を高濃度に含有する吸収体中の吸水性樹脂には、吸水倍率が高いことに加えて液拡散性(以下「通液性」ともいう)に優れていることが求められ、更に吸収体自体として、その肌触りが良好であり、柔軟性があることも求められている。
前記液拡散性は、一般的に吸水性樹脂粒子の吸水量が大きくなると低下する傾向がある。すなわち、吸水性樹脂粒子の吸水量が大きくなるにつれ、ゲル強度が低下することから体液等が拡散するための通り道を塞ぎやすく、いわゆる「ゲルブロッキング」を起こしやすい。ゲルブロッキングを起こした吸収体は、液体の拡散性が悪くなるため、本来の吸収体の性能が十分に発揮されずに液体の逆戻り量も多くなる。
吸収性物品に適した吸水性樹脂粒子を製造する方法としては、一般的には内部架橋剤量や後架橋剤量を制御する方法が用いられている。
特許文献1では、被架橋物質と架橋剤との使用量を適切に調節することにより、高吸水性樹脂の吸水速度、通液性及び膨潤ゲルの経時安定性の低下を伴わず、吸水倍率を向上させる方法が提案されている。このような方法によって、吸水倍率は維持されたまま、通液性の改善はみられるものの、更なる改善が期待されていた。
特許文献1では、被架橋物質と架橋剤との使用量を適切に調節することにより、高吸水性樹脂の吸水速度、通液性及び膨潤ゲルの経時安定性の低下を伴わず、吸水倍率を向上させる方法が提案されている。このような方法によって、吸水倍率は維持されたまま、通液性の改善はみられるものの、更なる改善が期待されていた。
上記の他に、ゲルブロッキングの一因として、吸水性樹脂粒子中に含まれる微粉末によって、これらが膨張することにより液体の通り道が塞がれることが挙げられる。このような問題を解決するため、特許文献2では、微粉が少なく、粒度分布が狭い吸水性樹脂粒子の製造方法として、逆相懸濁重合法による製造方法が提案されている。これについては微粉が少ないことから一定の効果は認められるものの、薄型化のため吸水量が多い吸水性樹脂粒子が積層された吸収体の構造を想定した場合、通液性としては満足しうるものではなかった。
本発明の課題は、吸収保持量及び吸水速度を維持したまま、通液性を高めた吸水性樹脂粒子、その製造方法及びこれを用いた吸収性物品を提供することにある。
本発明者は、吸水性樹脂粒子、ラジカル重合開始剤の存在下で特定量の特定単量体の重合を行うことで、吸収保持量及び吸水速度を維持したまま、通液性を高められることを見出した。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(3)を提供する。
(1)架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)、乾燥状態の前記吸水性樹脂粒子(A)に対して0.1〜10質量%の疎水性不飽和単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)の存在下で、前記疎水性不飽和単量体(B)の重合を行って得られる改質吸水性樹脂粒子。
(2)架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)、乾燥状態の前記吸水性樹脂粒子(A)に対して0.1〜10質量%の疎水性不飽和単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)の存在下で前記疎水性不飽和単量体(B)の重合を行う、改質吸水性樹脂粒子の製造方法。
(3)上記(1)に記載の改質吸水性樹脂粒子を構成部材として有する、吸収性物品。
(1)架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)、乾燥状態の前記吸水性樹脂粒子(A)に対して0.1〜10質量%の疎水性不飽和単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)の存在下で、前記疎水性不飽和単量体(B)の重合を行って得られる改質吸水性樹脂粒子。
(2)架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)、乾燥状態の前記吸水性樹脂粒子(A)に対して0.1〜10質量%の疎水性不飽和単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)の存在下で前記疎水性不飽和単量体(B)の重合を行う、改質吸水性樹脂粒子の製造方法。
(3)上記(1)に記載の改質吸水性樹脂粒子を構成部材として有する、吸収性物品。
本発明によれば、吸収保持量及び吸水速度を維持したまま、通液性を高めた改質吸水性樹脂粒子、その製造方法及びこれを用いた吸収性物品を提供することができる。
[改質吸水性樹脂粒子]
本発明の改質吸水性樹脂粒子は、架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)(以下「吸水性樹脂粒子(A)」ともいう)、疎水性不飽和単量体(B)(以下「単量体(B)」ともいう)、及びラジカル重合開始剤(C)(以下「開始剤(C)」ともいう)の存在下で、前記単量体(B)の重合を行って得られる。ここで、単量体(B)は、乾燥状態の前記吸水性樹脂粒子(A)(以下「乾燥吸水性樹脂粒子(A)」ともいう)に対して0.1〜10質量%とする。これにより、吸収保持量及び吸水速度を維持したまま、通液性を高めた吸水性樹脂粒子及びその製造方法が得られる。
本発明において、乾燥吸水性樹脂粒子(A)とは、後述する吸水性樹脂粒子(A)を、80℃、20kPaの条件下で、1時間当たりの体積減少率が0.1質量%以下になるまで乾燥した状態の吸水性樹脂粒子(A)をいう。
尚、後述する逆相懸濁重合によって、吸水性樹脂粒子(A)が製造される場合には、吸水性樹脂粒子(A)の製造に原料として用いる単量体、水溶性ラジカル開始剤及び架橋剤の質量の和は、乾燥吸水性樹脂粒子(A)の質量と略同一である。よって、本発明においては、後述する逆相懸濁重合によって、吸水性樹脂粒子(A)を製造する場合には、ポリマー原料としての単量体、水溶性ラジカル開始剤及び架橋剤の質量の和を乾燥吸水性樹脂粒子(A)の質量とみなす。
本発明の効果が得られる理由は、明らかではないが、以下の理由に基づくものと考えられる。
本発明の改質吸水性樹脂粒子は、架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)(以下「吸水性樹脂粒子(A)」ともいう)、疎水性不飽和単量体(B)(以下「単量体(B)」ともいう)、及びラジカル重合開始剤(C)(以下「開始剤(C)」ともいう)の存在下で、前記単量体(B)の重合を行って得られる。ここで、単量体(B)は、乾燥状態の前記吸水性樹脂粒子(A)(以下「乾燥吸水性樹脂粒子(A)」ともいう)に対して0.1〜10質量%とする。これにより、吸収保持量及び吸水速度を維持したまま、通液性を高めた吸水性樹脂粒子及びその製造方法が得られる。
本発明において、乾燥吸水性樹脂粒子(A)とは、後述する吸水性樹脂粒子(A)を、80℃、20kPaの条件下で、1時間当たりの体積減少率が0.1質量%以下になるまで乾燥した状態の吸水性樹脂粒子(A)をいう。
尚、後述する逆相懸濁重合によって、吸水性樹脂粒子(A)が製造される場合には、吸水性樹脂粒子(A)の製造に原料として用いる単量体、水溶性ラジカル開始剤及び架橋剤の質量の和は、乾燥吸水性樹脂粒子(A)の質量と略同一である。よって、本発明においては、後述する逆相懸濁重合によって、吸水性樹脂粒子(A)を製造する場合には、ポリマー原料としての単量体、水溶性ラジカル開始剤及び架橋剤の質量の和を乾燥吸水性樹脂粒子(A)の質量とみなす。
本発明の効果が得られる理由は、明らかではないが、以下の理由に基づくものと考えられる。
すなわち、高い遠心保持量をもつ吸水性樹脂粒子(A)は、吸水後ゲル粒子表面に粘着性が残っている。吸水性樹脂粒子(A)の表面で、疎水性不飽和単量体(B)を重合することによって、吸水後ゲル強度が高く粘着性が小さな改質吸水性樹脂粒子が得られ、予想以上の高い通液性が得られるようになったものと考えられる。
また、疎水性不飽和単量体(B)単独からなるポリマー粒子には吸水性はほとんどないことから、吸水性樹脂粒子(A)と重合させると遠心保持量等の吸水性能に対し悪影響を与えると考えられるが、本発明においては、用いる疎水性不飽和単量体(B)の量を特定量に限定したことによって、吸水性樹脂粒子(A)としての遠心保持量はほとんど維持されると考えられる。
また、疎水性不飽和単量体(B)単独からなるポリマー粒子には吸水性はほとんどないことから、吸水性樹脂粒子(A)と重合させると遠心保持量等の吸水性能に対し悪影響を与えると考えられるが、本発明においては、用いる疎水性不飽和単量体(B)の量を特定量に限定したことによって、吸水性樹脂粒子(A)としての遠心保持量はほとんど維持されると考えられる。
<吸水性樹脂粒子(A)>
本発明において使用される吸水性樹脂粒子(A)は、架橋ポリマーを含有する。
(架橋ポリマー)
架橋ポリマーは、高い吸水性を得る観点から、アニオン性基を有する架橋ポリマーが好適である。
アニオン性基としては、カルボキシ基、スルホ基、硫酸基、リン酸基又はそれらの塩等が挙げられる。これらの中では、化学的安定性の観点から、カルボキシ基、スルホ基、又はそれらの塩が好ましく、アニオン性基を有する架橋ポリマーの原料コストの観点から、カルボキシ基又はその塩がより好ましい。
アニオン性基が塩である場合の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン、エタノールアミン等の第1〜3級のアルキルアミンのプロトン付加イオン、第4級アルキルアンモニウムイオン等のアンモニウムイオン等が挙げられ、これらの中では原料コストの観点からナトリウムイオンが好ましい。
本発明において使用される吸水性樹脂粒子(A)は、架橋ポリマーを含有する。
(架橋ポリマー)
架橋ポリマーは、高い吸水性を得る観点から、アニオン性基を有する架橋ポリマーが好適である。
アニオン性基としては、カルボキシ基、スルホ基、硫酸基、リン酸基又はそれらの塩等が挙げられる。これらの中では、化学的安定性の観点から、カルボキシ基、スルホ基、又はそれらの塩が好ましく、アニオン性基を有する架橋ポリマーの原料コストの観点から、カルボキシ基又はその塩がより好ましい。
アニオン性基が塩である場合の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン、エタノールアミン等の第1〜3級のアルキルアミンのプロトン付加イオン、第4級アルキルアンモニウムイオン等のアンモニウムイオン等が挙げられ、これらの中では原料コストの観点からナトリウムイオンが好ましい。
架橋ポリマーの全アニオン性基中における塩であるアニオン性基の比率(塩であるアニオン性基のモル数/全アニオン性基のモル数。以下「中和度」ともいう)は、本発明で使用する吸水性樹脂粒子の加圧下吸水性能及び加圧下の通液性能の観点から、好ましくは0.3〜0.9、より好ましくは0.5〜0.85、更に好ましく0.6〜0.8である。
架橋ポリマーは、アニオン性基及び重合性不飽和基を有する単量体(以下、架橋ポリマーに使用される単量体の意味で、単に「単量体(A−1)」ともいう)由来の繰り返し単位を含有することが好ましい。該単量体(A−1)の具体例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸等のカルボキシ基及び重合性不飽和基を有する単量体及びその塩;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基及び重合性不飽和基を有する単量体及びその塩;(メタ)アクリロイル(ポリ)オキシエチレンリン酸エステル等のリン酸基及び重合性不飽和基を有する単量体及びその塩;硫酸ビニル等の硫酸基及び重合性不飽和基を有する単量体等が挙げられる。
上記単量体(A−1)が塩である場合、その対イオンは前記アニオン性基の対イオンと同様である。
これらの中では、化学的安定性の観点から、カルボキシ基、スルホ基、又はそれらの塩及び重合性不飽和基を有する単量体が好ましく、架橋ポリマーの原料コストの観点から、カルボキシ基又はその塩及び重合性不飽和基を有する単量体がより好ましい。
架橋ポリマーは、前記アニオン性基及び重合性不飽和基を有する単量体(A−1)由来の繰り返し単位の2種以上を有していてもよい。
上記単量体(A−1)が塩である場合、その対イオンは前記アニオン性基の対イオンと同様である。
これらの中では、化学的安定性の観点から、カルボキシ基、スルホ基、又はそれらの塩及び重合性不飽和基を有する単量体が好ましく、架橋ポリマーの原料コストの観点から、カルボキシ基又はその塩及び重合性不飽和基を有する単量体がより好ましい。
架橋ポリマーは、前記アニオン性基及び重合性不飽和基を有する単量体(A−1)由来の繰り返し単位の2種以上を有していてもよい。
本発明において、アニオン性基及び重合性不飽和基を有する単量体由来の繰り返し単位とは、該単量体が重合した際に形成する繰り返し単位構造のことを意味する。また(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
架橋ポリマーは、前記アニオン性基及び重合性不飽和基を有する単量体由来の繰り返し単位のほか、非アニオン性単量体由来の繰り返し単位、及び澱粉等の親水性多糖を含んでいてもよい。
架橋ポリマーは、前記アニオン性基及び重合性不飽和基を有する単量体由来の繰り返し単位のほか、非アニオン性単量体由来の繰り返し単位、及び澱粉等の親水性多糖を含んでいてもよい。
架橋ポリマーは、架橋剤(以下、架橋ポリマーに使用される架橋剤の意味で、単に「架橋剤(A−2)」ともいう)により架橋される。架橋剤(A−2)に特に制限はない。例えば、(a)分子中に2以上の水酸基を有する化合物、(b)分子中に2以上の重合可能な二重結合を有する化合物、(c)分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物等が挙げられる。
(a)分子中に2以上の水酸基を有する化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、ソルビタン脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、1,3−プロパンジオール、ソルビトール等が挙げられる。
(b)分子中に2以上の重合可能な二重結合を有する化合物としては、アリル(メタ)アクリルアミド;ビス(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の分子内に(メタ)アクリルアミド基を2つ有する化合物;ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等のポリオールと(メタ)アクリル酸のジ−又はポリエステル;エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート等の炭素数1〜10の多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸のジ−又はポリエステル等が挙げられる。
(c)分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテルが挙げられる。
(a)分子中に2以上の水酸基を有する化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、ソルビタン脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、1,3−プロパンジオール、ソルビトール等が挙げられる。
(b)分子中に2以上の重合可能な二重結合を有する化合物としては、アリル(メタ)アクリルアミド;ビス(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の分子内に(メタ)アクリルアミド基を2つ有する化合物;ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等のポリオールと(メタ)アクリル酸のジ−又はポリエステル;エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート等の炭素数1〜10の多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸のジ−又はポリエステル等が挙げられる。
(c)分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテルが挙げられる。
これらの架橋剤の中では、(b)分子中に2以上の重合可能な二重結合を有する化合物、及び(c)分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく、(c)分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物がより好ましく、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが更に好ましい。
上記架橋剤は、各々単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋ポリマーの製造時に際して、架橋剤(A−2)の添加時期に特に限定はなく、架橋剤(A−2)を架橋ポリマーの原料となるポリマーに対して添加して架橋を行ってもよいし、前記ポリマーを原料となる単量体を重合して得る場合においては、原料となる単量体の重合前、又は重合中に添加して、架橋を行ってもよい。
架橋剤(A−2)の使用量は、架橋ポリマーの原料となるポリマーに対して架橋を行う場合は、該ポリマーに対して0.001〜10質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜0.5質量%が更に好ましい。架橋剤(A−2)の添加を、ポリマーの重合前、又は重合中に行う場合には、架橋剤(A−2)の使用量は、ポリマーの原料となる単量体に対し、0.001〜10質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜0.5質量%が更に好ましい。
上記架橋剤は、各々単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋ポリマーの製造時に際して、架橋剤(A−2)の添加時期に特に限定はなく、架橋剤(A−2)を架橋ポリマーの原料となるポリマーに対して添加して架橋を行ってもよいし、前記ポリマーを原料となる単量体を重合して得る場合においては、原料となる単量体の重合前、又は重合中に添加して、架橋を行ってもよい。
架橋剤(A−2)の使用量は、架橋ポリマーの原料となるポリマーに対して架橋を行う場合は、該ポリマーに対して0.001〜10質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜0.5質量%が更に好ましい。架橋剤(A−2)の添加を、ポリマーの重合前、又は重合中に行う場合には、架橋剤(A−2)の使用量は、ポリマーの原料となる単量体に対し、0.001〜10質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜0.5質量%が更に好ましい。
架橋ポリマーの具体例としては、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、ポリ(ビニルアルコール/(メタ)アクリル酸塩)共重合体(架橋体)、澱粉−(メタ)アクリル酸塩グラフト共重合体(架橋体)及びポリビニルアルコール−ポリ無水マレイン酸塩グラフト共重合体(架橋体)等のカルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物の架橋体や、カルボキシメチルセルロース塩架橋体等のアニオン性基を有する多糖類の架橋体等が挙げられる。これらの中でも、加圧下吸水性能の点から、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体又は澱粉−(メタ)アクリル酸塩グラフト共重合体(架橋体)を用いることが好ましく、特に、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体を用いることが最も好ましい。架橋ポリマーは、含水状態が好ましい。
上記架橋ポリマーは、各々単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記架橋ポリマーは、各々単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋ポリマーの形態は特に限定されない。架橋ポリマーの形状としては、粒子状、繊維状が好ましく、粒子状がより好ましい。前記形状の架橋ポリマーは、更に集合させて、不定形、塊形、俵形、凝集球形、球形等、何れの形状としても、吸水性樹脂粒子(A)として用いることができる。
乾燥吸水性樹脂粒子(A)の平均粒子径は、改質吸水性樹脂粒子の加圧下吸水性能、及びおむつ等の製品を製造時及び使用時のハンドリングの容易さの観点から、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜800μm、更に好ましくは100〜600μm、より更に好ましくは200〜450μmである。
本発明において、吸水性樹脂粒子(A)は、水の他、架橋ポリマーの製造時に用いた原料、例えば界面活性剤等の分散剤、未反応の原料モノマー及び開始剤や、それらの分解生成物を含むことができる。
乾燥吸水性樹脂粒子(A)の平均粒子径は、改質吸水性樹脂粒子の加圧下吸水性能、及びおむつ等の製品を製造時及び使用時のハンドリングの容易さの観点から、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜800μm、更に好ましくは100〜600μm、より更に好ましくは200〜450μmである。
本発明において、吸水性樹脂粒子(A)は、水の他、架橋ポリマーの製造時に用いた原料、例えば界面活性剤等の分散剤、未反応の原料モノマー及び開始剤や、それらの分解生成物を含むことができる。
<疎水性不飽和単量体(B)>
単量体(B)は、疎水性であって、重合可能な二重結合を有していれば特に限定されない。
本発明において疎水性不飽和単量体(B)の疎水性とは、該単量体の25℃におけるイオン交換水100gへの溶解可能な量が5g未満であることをいう。
単量体(B)の分子量としては、50以上2000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、400以下が更に好ましく、300以下がより更に好ましい。
単量体(B)は、疎水性であって、重合可能な二重結合を有していれば特に限定されない。
本発明において疎水性不飽和単量体(B)の疎水性とは、該単量体の25℃におけるイオン交換水100gへの溶解可能な量が5g未満であることをいう。
単量体(B)の分子量としては、50以上2000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、400以下が更に好ましく、300以下がより更に好ましい。
単量体(B)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソ−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体、;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル類;t−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のアミド類;(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステル誘導体、ビニルエステル誘導体及び芳香族ビニル類が好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、酢酸ビニル、スチレン等がより好ましく用いられる。本発明においては、上記単量体(B)を単独で用いることもできるし、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステル誘導体、ビニルエステル誘導体及び芳香族ビニル類が好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、酢酸ビニル、スチレン等がより好ましく用いられる。本発明においては、上記単量体(B)を単独で用いることもできるし、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
単量体(B)は、乾燥吸水性樹脂粒子(A)に対して0.1〜10質量%用いられる。0.1質量%以上であれば、疎水性単量体(B)の重合による効果が得られ、十分な通液性を得ることができる。一方、10質量%を超える場合、通液性は十分得られるものの、吸水保持量及び吸水速度の低下が著しくなり吸水性樹脂粒子として望まれるものではない。単量体(B)の使用量は、乾燥吸水性樹脂粒子に対して0.1〜8質量%が好ましく、0.2〜6質量%がより好ましい。このような範囲の量を使用することで、吸水保持量をより高く保ち、且つ、より顕著な通液性を得ることができる。
本発明において吸水性樹脂粒子(A)、及び開始剤(C)の存在下に重合を行う単量体成分(以下「原料単量体」ともいう)としては、本発明の目的を阻害しない範囲で、上記単量体(B)の他に単量体成分が含まれていてもよく、例えば、アクリル酸、アルキルアクリレート等が含まれていてもよい。
また、他の単量体成分として、分子中に2以上の重合可能な二重結合を有する架橋性単量体(B−1)が含まれていてもよい。架橋性単量体(B−1)としては、アリル(メタ)アクリルアミド;ビス(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の分子内に2つの(メタ)アクリルアミド基を有する化合物;ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等のポリオールと(メタ)アクリル酸のジ−又はポリエステル;エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート等の炭素数1〜10の多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸のジ−又はポリエステル等が挙げられる。
原料単量体中における単量体(B)の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。上限は100質量%である。このような範囲とすることで、吸水性樹脂粒子の形状安定性が向上し、より顕著な通液性が得られる。
また、他の単量体成分として、分子中に2以上の重合可能な二重結合を有する架橋性単量体(B−1)が含まれていてもよい。架橋性単量体(B−1)としては、アリル(メタ)アクリルアミド;ビス(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の分子内に2つの(メタ)アクリルアミド基を有する化合物;ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等のポリオールと(メタ)アクリル酸のジ−又はポリエステル;エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート等の炭素数1〜10の多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸のジ−又はポリエステル等が挙げられる。
原料単量体中における単量体(B)の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。上限は100質量%である。このような範囲とすることで、吸水性樹脂粒子の形状安定性が向上し、より顕著な通液性が得られる。
<ラジカル重合開始剤(C)>
本発明において、ラジカル重合開始剤(C)が使用される。
開始剤(C)としては、疎水性ラジカル重合開始剤が好適である。
本発明において疎水性ラジカル重合開始剤とは、25℃におけるイオン交換水100g中に溶解可能な量が、1g以下であるラジカル重合開始剤を言う。単量体(B)は、後述する疎水性分散媒(D)中で重合を行うことが好ましいため、開始剤(C)の水への溶解度は低い方が反応効率の観点から好ましいことから、開始剤(C)としてはイオン交換水100g中に溶解可能な量が、0.1g以下である疎水性ラジカル重合開始剤がより好ましい。
疎水性ラジカル重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキサイド、t−アミルパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルイソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、シクロヘキシルハイドロパーオキサイド、テトラリンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーベンゾエート、ビス(2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート)等のパーオキサイド類、;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物などの有機系重合開始剤等が挙げることができ、それらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中では、入手が容易で保存安定性が良好である観点から、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が好ましい。
本発明において、ラジカル重合開始剤(C)が使用される。
開始剤(C)としては、疎水性ラジカル重合開始剤が好適である。
本発明において疎水性ラジカル重合開始剤とは、25℃におけるイオン交換水100g中に溶解可能な量が、1g以下であるラジカル重合開始剤を言う。単量体(B)は、後述する疎水性分散媒(D)中で重合を行うことが好ましいため、開始剤(C)の水への溶解度は低い方が反応効率の観点から好ましいことから、開始剤(C)としてはイオン交換水100g中に溶解可能な量が、0.1g以下である疎水性ラジカル重合開始剤がより好ましい。
疎水性ラジカル重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキサイド、t−アミルパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルイソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、シクロヘキシルハイドロパーオキサイド、テトラリンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーベンゾエート、ビス(2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート)等のパーオキサイド類、;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物などの有機系重合開始剤等が挙げることができ、それらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中では、入手が容易で保存安定性が良好である観点から、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が好ましい。
開始剤(C)の使用量としては、重合反応の時間を短縮し、反応率を高める観点から、通常、単量体(B)に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましい。
<疎水性分散媒(D)>
本発明の改質吸水樹脂粒子を得るための単量体(B)の重合は、疎水性分散媒(非極性分散媒)(D)中で行うことが好適である。
ここで、「疎水性分散媒」とは、水と1:1の容量比で混合し攪拌して静置した後に、二相に分離する分散媒を意味する。
疎水性分散媒(D)としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、リグロイン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができ、それらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、工業的に入手が容易で、品質が安定し、かつ安価である観点から、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサンが好ましい。
疎水性分散媒(D)の量は、重合熱を除去し、重合温度を制御しやすくする観点から、乾燥吸水性樹脂粒子(A)に対して、好ましくは50〜600質量%、より好ましくは100〜550質量%である。
本発明の改質吸水樹脂粒子を得るための単量体(B)の重合は、疎水性分散媒(非極性分散媒)(D)中で行うことが好適である。
ここで、「疎水性分散媒」とは、水と1:1の容量比で混合し攪拌して静置した後に、二相に分離する分散媒を意味する。
疎水性分散媒(D)としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、リグロイン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができ、それらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、工業的に入手が容易で、品質が安定し、かつ安価である観点から、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサンが好ましい。
疎水性分散媒(D)の量は、重合熱を除去し、重合温度を制御しやすくする観点から、乾燥吸水性樹脂粒子(A)に対して、好ましくは50〜600質量%、より好ましくは100〜550質量%である。
[改質吸水性樹脂粒子の製造方法]
本発明の改質吸水性樹脂粒子の製造方法は、上記のとおり、吸水性樹脂粒子(A)、単量体(B)を所定量、及び開始剤(C)の存在下で単量体(B)の重合を行う工程(以下、単に「改質工程」ともいう)を含む。
また、上記改質工程の前に、吸水性樹脂粒子(A)を得る工程(以下、単に「粒子製造工程」ともいう)を有していてもよい。なお、粒子製造工程を有する場合には、粒子製造工程と改質工程とを連続的に行う、二段階の重合により改質吸水性樹脂粒子を製造することが好適である。
本発明の改質吸水性樹脂粒子の製造方法は、上記のとおり、吸水性樹脂粒子(A)、単量体(B)を所定量、及び開始剤(C)の存在下で単量体(B)の重合を行う工程(以下、単に「改質工程」ともいう)を含む。
また、上記改質工程の前に、吸水性樹脂粒子(A)を得る工程(以下、単に「粒子製造工程」ともいう)を有していてもよい。なお、粒子製造工程を有する場合には、粒子製造工程と改質工程とを連続的に行う、二段階の重合により改質吸水性樹脂粒子を製造することが好適である。
<改質工程>
改質工程における単量体(B)の重合は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、疎水性分散媒(D)に分散させた吸水性樹脂微粒子(A)に対して、単量体(B)、開始剤(C)及び疎水性分散媒(D)の混合物(混合疎水性分散媒液)を添加して、加熱することによって重合を行うことができる。
上記の疎水性分散媒(D)を用いなくとも、単量体(B)及び開始剤(C)を吸水性樹脂粒子(A)に対して噴霧などの方法により添加して、重合を行ってもよい。
改質工程において、吸水性樹脂粒子(A)を適度な含水状態として重合を行うことが好適である。吸水性樹脂粒子(A)の含水量としては、乾燥吸水性樹脂粒子(A)に対し、100質量%以下が好ましく、10質量%〜80質量%がより好ましく、15質量%〜40質量%が更に好ましい。このような含水量で重合することにより、改質吸水性樹脂粒子の高い遠心保持量を得ることができる。
改質工程における単量体(B)の重合は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、疎水性分散媒(D)に分散させた吸水性樹脂微粒子(A)に対して、単量体(B)、開始剤(C)及び疎水性分散媒(D)の混合物(混合疎水性分散媒液)を添加して、加熱することによって重合を行うことができる。
上記の疎水性分散媒(D)を用いなくとも、単量体(B)及び開始剤(C)を吸水性樹脂粒子(A)に対して噴霧などの方法により添加して、重合を行ってもよい。
改質工程において、吸水性樹脂粒子(A)を適度な含水状態として重合を行うことが好適である。吸水性樹脂粒子(A)の含水量としては、乾燥吸水性樹脂粒子(A)に対し、100質量%以下が好ましく、10質量%〜80質量%がより好ましく、15質量%〜40質量%が更に好ましい。このような含水量で重合することにより、改質吸水性樹脂粒子の高い遠心保持量を得ることができる。
重合の際の反応温度は、使用する開始剤(C)によって異なるので一概には決定することができないが、重合が迅速に進行し、重合時間が短くなって経済性に優れ、重合熱を容易に除去し、円滑に反応を行う観点から、開始剤(C)の半減期が1〜1000分となるような温度が好ましく、具体的には、好ましくは30〜110℃、より好ましくは50〜95℃である。
重合反応は、特に制限されないが、残存する単量体(B)の量が所望の値以下になるまで行うことが好ましく、重合時間は通常0.1〜10時間であり、残存する単量体(B)の量、及び生産性の観点から、1〜4時間が好ましい。
重合反応は、特に制限されないが、残存する単量体(B)の量が所望の値以下になるまで行うことが好ましく、重合時間は通常0.1〜10時間であり、残存する単量体(B)の量、及び生産性の観点から、1〜4時間が好ましい。
また、得られた改質吸水性樹脂粒子について粉体物性の制御や、濡れ性、親水性等を制御するため、必要に応じてポリエチレングリコール、アミン化合物、界面活性剤、多価アルコール、親水性粉体や、シリカ粒子(例えば、日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)」等のフュームドシリカ)等の無機微粒子などの補助薬品や添加剤を加えてもよい。
改質工程における重合は、逆相懸濁重合することが好適である。その場合、疎水性分散媒(D)中で重合を行うことが好適である。
改質工程における重合は、逆相懸濁重合することが好適である。その場合、疎水性分散媒(D)中で重合を行うことが好適である。
<粒子製造工程>
吸水樹脂粒子(A)に含有される架橋ポリマーは、(架橋ポリマー)の項で前述したように、架橋剤(A−2)を、架橋ポリマーの原料となるポリマーに対して添加して架橋を行って製造してもよいし、前記ポリマーを原料となる単量体の重合によって得る場合においては、該ポリマーの重合前、又は重合時に架橋剤(A−2)を添加して架橋を行って製造してもよい。
架橋ポリマーの原料から架橋剤(A−2)を除いたポリマーの原料(以下「ポリマー原料」ともいう)は、本発明の改質吸水性樹脂粒子が高い吸水性を得る観点から、単量体(A−1)を含むことが好ましく、単量体(A−1)を、50〜100質量%含むことがより好ましく、70〜100質量%含むことが更に好ましく、80〜100質量%含むことがより更に好ましい。
ポリマー原料として、単量体(A−1)の他、非アニオン性モノマー、及び親水性多糖を含むことができる。
吸水樹脂粒子(A)に含有される架橋ポリマーは、(架橋ポリマー)の項で前述したように、架橋剤(A−2)を、架橋ポリマーの原料となるポリマーに対して添加して架橋を行って製造してもよいし、前記ポリマーを原料となる単量体の重合によって得る場合においては、該ポリマーの重合前、又は重合時に架橋剤(A−2)を添加して架橋を行って製造してもよい。
架橋ポリマーの原料から架橋剤(A−2)を除いたポリマーの原料(以下「ポリマー原料」ともいう)は、本発明の改質吸水性樹脂粒子が高い吸水性を得る観点から、単量体(A−1)を含むことが好ましく、単量体(A−1)を、50〜100質量%含むことがより好ましく、70〜100質量%含むことが更に好ましく、80〜100質量%含むことがより更に好ましい。
ポリマー原料として、単量体(A−1)の他、非アニオン性モノマー、及び親水性多糖を含むことができる。
架橋ポリマーは、例えばポリマー原料である単量体及び架橋剤(A−2)を用いて、特許第2721658号公報に記載の陰イオン界面活性剤を分散剤として用いた逆相懸濁重合法や特開2003−235889号公報に記載の水溶液重合法等公知の手法により重合を行って得ることができるし、ポリマー原料を用いて上記重合を行った後に架橋剤(A−2)を添加して、重合で得られたポリマーの架橋を行って得ることもできる。改質工程を、逆相懸濁重合で行う場合には、粒子製造工程においても逆相懸濁重合法を用い、粒子製造工程と改質工程を連続的に行うことが好適である。
得られた架橋ポリマーの表面を、前記架橋剤(A−2)によって架橋処理することもできる。重合後の架橋ポリマーは、必要に応じて公知の方法により中和、乾燥、粉砕等を行うことができる。
得られた架橋ポリマーの表面を、前記架橋剤(A−2)によって架橋処理することもできる。重合後の架橋ポリマーは、必要に応じて公知の方法により中和、乾燥、粉砕等を行うことができる。
(逆相懸濁重合法)
逆相懸濁重合においては、界面活性剤(以下「界面活性剤(A−3)」ともいう)の存在下、水溶性ラジカル重合開始剤(A−4)(以下「開始剤(A−4)」ともいう)を用いて、疎水性分散媒(A−5)中でポリマー原料として用いる単量体を重合する。
逆相懸濁重合においては、界面活性剤(以下「界面活性剤(A−3)」ともいう)の存在下、水溶性ラジカル重合開始剤(A−4)(以下「開始剤(A−4)」ともいう)を用いて、疎水性分散媒(A−5)中でポリマー原料として用いる単量体を重合する。
〔界面活性剤(A−3)〕
粒子製造工程において用いる界面活性剤(A−3)としては、特許第2721658号明細書(p5からp8)に記載の陰イオン界面活性剤(I)及び(II)が好ましく用いられる。
上記陰イオン性界面活性剤(I)としては、アシル化アミノ酸化合物が用いられ、該アシル化アミノ酸化合物は、アスパラギン酸またはグルタミン酸の誘導体が好ましい。
具体的には、特開2010−24360、8頁目の27行目から9頁目の43行目に記載のアシル化アミノ酸化合物が用いられ、商品名「アミソフトHS−11」、商品名「LS−11」、商品名「MS−11」、商品名「GS−11」、商品名「PS−11」、商品名「HK−11」、商品名「HS−21」、商品名「GS−21」〔以上、すべて味の素(株)製〕、及びアミノサーファクト〔登録商標、旭フーズ(株)製〕等の市販品が用いられる。
陰イオン性界面活性剤(II)としてはポリオキシアルキレンエーテルリン酸エステル等が用いられる。
界面活性剤(A−3)の使用量は、ポリマー原料として用いる単量体に対して好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.01〜2質量%、更に好ましくは0.05〜1質量%である。使用量が、上記範囲であると、安定に重合体粒子を得やすくなり、更に、生成した重合体の分解劣化を防止することができる。
粒子製造工程において用いる界面活性剤(A−3)としては、特許第2721658号明細書(p5からp8)に記載の陰イオン界面活性剤(I)及び(II)が好ましく用いられる。
上記陰イオン性界面活性剤(I)としては、アシル化アミノ酸化合物が用いられ、該アシル化アミノ酸化合物は、アスパラギン酸またはグルタミン酸の誘導体が好ましい。
具体的には、特開2010−24360、8頁目の27行目から9頁目の43行目に記載のアシル化アミノ酸化合物が用いられ、商品名「アミソフトHS−11」、商品名「LS−11」、商品名「MS−11」、商品名「GS−11」、商品名「PS−11」、商品名「HK−11」、商品名「HS−21」、商品名「GS−21」〔以上、すべて味の素(株)製〕、及びアミノサーファクト〔登録商標、旭フーズ(株)製〕等の市販品が用いられる。
陰イオン性界面活性剤(II)としてはポリオキシアルキレンエーテルリン酸エステル等が用いられる。
界面活性剤(A−3)の使用量は、ポリマー原料として用いる単量体に対して好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.01〜2質量%、更に好ましくは0.05〜1質量%である。使用量が、上記範囲であると、安定に重合体粒子を得やすくなり、更に、生成した重合体の分解劣化を防止することができる。
〔水溶性ラジカル重合開始剤(A−4)〕
粒子製造工程においてラジカル重合開始剤としては、水溶性ラジカル重合開始剤を使用することが好適である。
水溶性ラジカル重合開始剤(A−4)の水溶性とは、該ラジカル重合開始剤が20℃におけるイオン交換水100gに5g以上溶解することをいう。
開始剤(A−4)としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩商品名「V−50」[和光純薬工業(株)製]、アゾビス(シアノ吉草酸)等のアゾ化合物等を挙げることができ、それらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、入手が容易で保存安定性が良好である観点から、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム及び過硫酸ナトリウムが好ましい。なお、過硫酸塩は、亜硝酸塩等の還元剤と併用することにより、レドックス系重合開始剤として用いることができる。
開始剤(A−4)の使用量は、ポリマー原料として用いる単量体に対し、0.001〜5質量%が好ましく、0.003〜3質量%がより好ましい。
粒子製造工程においてラジカル重合開始剤としては、水溶性ラジカル重合開始剤を使用することが好適である。
水溶性ラジカル重合開始剤(A−4)の水溶性とは、該ラジカル重合開始剤が20℃におけるイオン交換水100gに5g以上溶解することをいう。
開始剤(A−4)としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩商品名「V−50」[和光純薬工業(株)製]、アゾビス(シアノ吉草酸)等のアゾ化合物等を挙げることができ、それらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、入手が容易で保存安定性が良好である観点から、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム及び過硫酸ナトリウムが好ましい。なお、過硫酸塩は、亜硝酸塩等の還元剤と併用することにより、レドックス系重合開始剤として用いることができる。
開始剤(A−4)の使用量は、ポリマー原料として用いる単量体に対し、0.001〜5質量%が好ましく、0.003〜3質量%がより好ましい。
〔疎水性分散媒(A−5)〕
粒子製造工程において用いる疎水性分散媒(A−5)としては、上記改質工程で使用される疎水性分散媒(D)と同様のものを使用できる。疎水性分散媒の量は、重合熱を除去し、重合温度を制御しやすくする観点から、通常、ポリマー原料として用いる単量体に対して、好ましくは50〜600質量%、より好ましくは100〜550質量%である。
粒子製造工程において用いる疎水性分散媒(A−5)としては、上記改質工程で使用される疎水性分散媒(D)と同様のものを使用できる。疎水性分散媒の量は、重合熱を除去し、重合温度を制御しやすくする観点から、通常、ポリマー原料として用いる単量体に対して、好ましくは50〜600質量%、より好ましくは100〜550質量%である。
粒子製造工程の逆相懸濁重合は、界面活性剤(A−3)の存在下、疎水性分散媒(A−5)中にポリマー原料として用いる単量体の水溶液、開始剤(A−4)の混合溶液を添加しつつ、加熱することによって行うことができる。
逆相懸濁重合の際の反応温度は、使用する開始剤(A−4)の種類によって異なるので一概には決定することができないが、重合が迅速に進行し、重合時間が短くなって経済性に優れ、重合熱を容易に除去し、円滑に反応を行う観点から、好ましくは30〜110℃、より好ましくは50〜95℃である。反応時間は、通常、0.5〜4時間である。
粒子製造工程における逆相懸濁重合の終了は、重合反応温度が最高点に達し、反応温度が下降し始めることによって確認することができる。
粒子製造工程における逆相懸濁重合の終了は、重合反応温度が最高点に達し、反応温度が下降し始めることによって確認することができる。
本発明の架橋ポリマーは、上記逆相懸濁重合で得られたポリマーを、架橋剤(A−2)により架橋(以下「後架橋」ともいう)させたものであることが好ましい。後架橋の場合の架橋剤(A−2)としては、上記架橋剤(A−2)のうち、(a)分子中に2以上の水酸基を有する化合物、(c)分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物等が好ましい。
後架橋時における上記逆相懸濁重合で得られたポリマーの含水量は、ポリマー原料として用いた単量体に対し10〜100質量%が好ましく、より好ましくは20〜80質量%であり、更に好ましくは25〜70質量%である。
この範囲の含水量とすることで、添加した架橋剤(A−2)の架橋効率が適度に担保され、更に、架橋の均一性が高くなり、本発明で得られる改質吸水性樹脂粒子のゲル強度のばらつきが少なくなる。
後架橋時における上記逆相懸濁重合で得られたポリマーの含水量は、ポリマー原料として用いた単量体に対し10〜100質量%が好ましく、より好ましくは20〜80質量%であり、更に好ましくは25〜70質量%である。
この範囲の含水量とすることで、添加した架橋剤(A−2)の架橋効率が適度に担保され、更に、架橋の均一性が高くなり、本発明で得られる改質吸水性樹脂粒子のゲル強度のばらつきが少なくなる。
このように、上記逆相懸濁重合で得られたポリマーと架橋剤(A−2)との混合時の水分量を制御することにより、架橋ポリマーの表面近傍における後架橋反応をより好適に進行させることができる。
上記逆相懸濁重合で得られたポリマーを架橋剤(A−2)で架橋反応させる際の反応温度は、好ましくは30〜170℃、より好ましくは40〜150℃である。
上記逆相懸濁重合で得られたポリマーを架橋剤(A−2)で架橋反応させる際の反応温度は、好ましくは30〜170℃、より好ましくは40〜150℃である。
吸水性樹脂粒子(A)を逆相懸濁重合により合成する場合には、引き続き、得られた吸水性樹脂粒子(A)を用いて改質工程に付されることが好適である。
この際、吸水性樹脂粒子(A)の含水量を調整するために、改質工程前に水分を、疎水性分散媒(A−5)と共に共沸脱水して除去することが好適である。その後、粒子製造工程で用いた疎水性分散媒(A−5)をそのまま疎水性分散媒(D)として使用して、改質工程を行うことが好適である。
粒子製造工程に引き続き行われる改質工程では、単量体(B)、開始剤(C)を、吸水性樹脂粒子(A)を含む前記疎水性溶媒中に添加しつつ、加熱することによって重合を行うことができ、改質吸水性樹脂粒子が得られる。
この際、吸水性樹脂粒子(A)の含水量を調整するために、改質工程前に水分を、疎水性分散媒(A−5)と共に共沸脱水して除去することが好適である。その後、粒子製造工程で用いた疎水性分散媒(A−5)をそのまま疎水性分散媒(D)として使用して、改質工程を行うことが好適である。
粒子製造工程に引き続き行われる改質工程では、単量体(B)、開始剤(C)を、吸水性樹脂粒子(A)を含む前記疎水性溶媒中に添加しつつ、加熱することによって重合を行うことができ、改質吸水性樹脂粒子が得られる。
[改質吸水性樹脂粒子の物性]
<改質吸水性樹脂粒子の平均粒子径>
乾燥状態の改質吸水性樹脂粒子(以下「乾燥改質吸水性樹脂粒子」ともいう)の平均粒子径は、本発明の改質吸水性樹脂粒子の加圧下吸水性能、及びおむつ等の製品を製造時及び使用時のハンドリングの容易さの観点から、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜800μm、更に好ましくは100〜600μm、より更に好ましくは200〜450μmである。乾燥改質吸水性樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上であれば、吸水時にも「ままこ」になりにくく、1000μm以下であれば、吸水速度も速く、またおむつ等の商品に配合した際の感触も良好である。
本発明において、乾燥改質吸水性樹脂粒子の平均粒子径とは、累積篩下質量百分率が50%に当たる粒子径(D50)を意味し、具体的には目開きの異なる篩を用いた実施例に記載の方法により算出される。
平均粒子径と同様の観点から、改質吸水性樹脂粒子は、目開きが850μmの篩を通過し、目開き106μmの篩を通過しない、即ち粒子径が106〜850μmのものが80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。
なお、本発明において、乾燥改質吸水性樹脂粒子とは、改質吸水性樹脂粒子を、80℃、20kPaの条件下で、1時間当たりの体積減少率が0.1質量%以下になるまで乾燥をした状態の樹脂粒子をいう。
<改質吸水性樹脂粒子の平均粒子径>
乾燥状態の改質吸水性樹脂粒子(以下「乾燥改質吸水性樹脂粒子」ともいう)の平均粒子径は、本発明の改質吸水性樹脂粒子の加圧下吸水性能、及びおむつ等の製品を製造時及び使用時のハンドリングの容易さの観点から、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜800μm、更に好ましくは100〜600μm、より更に好ましくは200〜450μmである。乾燥改質吸水性樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上であれば、吸水時にも「ままこ」になりにくく、1000μm以下であれば、吸水速度も速く、またおむつ等の商品に配合した際の感触も良好である。
本発明において、乾燥改質吸水性樹脂粒子の平均粒子径とは、累積篩下質量百分率が50%に当たる粒子径(D50)を意味し、具体的には目開きの異なる篩を用いた実施例に記載の方法により算出される。
平均粒子径と同様の観点から、改質吸水性樹脂粒子は、目開きが850μmの篩を通過し、目開き106μmの篩を通過しない、即ち粒子径が106〜850μmのものが80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。
なお、本発明において、乾燥改質吸水性樹脂粒子とは、改質吸水性樹脂粒子を、80℃、20kPaの条件下で、1時間当たりの体積減少率が0.1質量%以下になるまで乾燥をした状態の樹脂粒子をいう。
<遠心保持量>
改質吸水性樹脂粒子の遠心保持量は、高い吸収性能を得る観点から、好ましくは25〜50g/g、より好ましくは30〜45g/g、更に好ましくは30〜40g/gである。
改質吸収性樹脂粒子の遠心保持量の測定は、JIS K 7223(1996)(高吸水性樹脂の吸水量試験方法)に準拠して行い、具体的には実施例に記載の方法により測定する。
改質吸水性樹脂粒子の遠心保持量は、高い吸収性能を得る観点から、好ましくは25〜50g/g、より好ましくは30〜45g/g、更に好ましくは30〜40g/gである。
改質吸収性樹脂粒子の遠心保持量の測定は、JIS K 7223(1996)(高吸水性樹脂の吸水量試験方法)に準拠して行い、具体的には実施例に記載の方法により測定する。
<改質吸水性樹脂粒子の吸水速度>
本発明の改質吸水性樹脂粒子の吸水速度は、製品応用時、例えばおむつに応用した場合の尿漏れ等を避ける観点から、ボルテックス(Vortex)法により得られた吸水時間で、好ましくは120秒以下、より好ましくは5〜100秒、更に好ましくは30〜90秒である。本発明の改質吸水性樹脂粒子の吸水速度は、具体的には実施例に記載の方法により測定される。
吸水速度の調整は、改質吸水性樹脂粒子の粒子径、架橋密度、表面架橋度の調整(重合後架橋量の調整)、形状制御、各種界面活性剤や多価アルコール、親水性粉体等による改質吸水性樹脂粒子の表面処理等によって行うことができる。
本発明の改質吸水性樹脂粒子の吸水速度は、製品応用時、例えばおむつに応用した場合の尿漏れ等を避ける観点から、ボルテックス(Vortex)法により得られた吸水時間で、好ましくは120秒以下、より好ましくは5〜100秒、更に好ましくは30〜90秒である。本発明の改質吸水性樹脂粒子の吸水速度は、具体的には実施例に記載の方法により測定される。
吸水速度の調整は、改質吸水性樹脂粒子の粒子径、架橋密度、表面架橋度の調整(重合後架橋量の調整)、形状制御、各種界面活性剤や多価アルコール、親水性粉体等による改質吸水性樹脂粒子の表面処理等によって行うことができる。
<改質吸水性樹脂粒子の加圧下通液速度>
本発明の改質吸水性樹脂粒子は、吸収性物品に使用する際の吸収性能等の観点から、2.0kPaでの加圧下における生理食塩水の通液速度が、好ましくは20mL/分以上、より好ましくは100〜1000mL/分、更に好ましくは150〜800mL/分である。該通液速度が前記範囲内であれば、吸収物品中に取り込まれた液が素早く吸収物品中に拡散されるため、吸収物品からの液の戻りが起こりにくく、肌への付着ないしは液漏れが起こり難くなる等、吸水性能全般の向上が期待できる。
2.0kPaでの加圧下における生理食塩水の通液速度は、特開2003−235889号公報の段落〔0008〕、〔0009〕及び図1、2に記載されている測定方法・装置を利用して測定できる。具体的には、2.0kPaでの加圧下における生理食塩水の通液速度とは、膨潤した改質吸水性樹脂粒子を含む生理食塩水を、内径25.4mmの濾過円筒管に入れ、改質吸水性樹脂粒子に2.0kPaの荷重が加わるようにおもりを載せて通液したときの、生理食塩水20mLが該濾過円筒管を通過する際の通液速度(mL/分)であり、下記式(1)で表される。
通液速度(mL/分)=20×60/(T1−T0) (1)
(式中、T1(秒)は、濾過円筒管内に吸水性樹脂粒子を入れた状態で、生理食塩水20mLが通過するのに要する時間を示し、T0(秒)は、濾過円筒管内に吸水性樹脂粒子を入れない状態で、生理食塩水20mLが通過するのに要する時間を示す。)
該通液速度の測定は、より具体的には、実施例に記載の方法により行われる。
本発明の改質吸水性樹脂粒子は、吸収性物品に使用する際の吸収性能等の観点から、2.0kPaでの加圧下における生理食塩水の通液速度が、好ましくは20mL/分以上、より好ましくは100〜1000mL/分、更に好ましくは150〜800mL/分である。該通液速度が前記範囲内であれば、吸収物品中に取り込まれた液が素早く吸収物品中に拡散されるため、吸収物品からの液の戻りが起こりにくく、肌への付着ないしは液漏れが起こり難くなる等、吸水性能全般の向上が期待できる。
2.0kPaでの加圧下における生理食塩水の通液速度は、特開2003−235889号公報の段落〔0008〕、〔0009〕及び図1、2に記載されている測定方法・装置を利用して測定できる。具体的には、2.0kPaでの加圧下における生理食塩水の通液速度とは、膨潤した改質吸水性樹脂粒子を含む生理食塩水を、内径25.4mmの濾過円筒管に入れ、改質吸水性樹脂粒子に2.0kPaの荷重が加わるようにおもりを載せて通液したときの、生理食塩水20mLが該濾過円筒管を通過する際の通液速度(mL/分)であり、下記式(1)で表される。
通液速度(mL/分)=20×60/(T1−T0) (1)
(式中、T1(秒)は、濾過円筒管内に吸水性樹脂粒子を入れた状態で、生理食塩水20mLが通過するのに要する時間を示し、T0(秒)は、濾過円筒管内に吸水性樹脂粒子を入れない状態で、生理食塩水20mLが通過するのに要する時間を示す。)
該通液速度の測定は、より具体的には、実施例に記載の方法により行われる。
[吸収性物品]
本発明の吸収性物品は、本発明の改質吸水性樹脂粒子を構成部材として有する。本発明の改質吸水性樹脂粒子を吸収性物品の構成部材(吸収体)内に使用した場合、改質吸水性樹脂粒子の通液性が高いことから、被吸収液が構成部材の隅々まで拡散し、吸収に供される吸水樹脂粒子が増え、結果的には構成部材の吸収量の増大につながるものと考えられる。
吸収性物品に改質吸水性樹脂粒子を適用する形態としては、改質吸水性樹脂粒子が吸収性物品中に保持された形態であればよい。例えば、(i)層状に配置されたパルプ、熱融着性繊維等の繊維状物の層の間に改質吸水性樹脂粒子を散粒する形態、(ii)パルプ、熱融着性繊維等の繊維状物と混合する形態、(iii)二枚以上の吸水シートや不織布でサンドイッチ様に挟んだ形態等が挙げられる。
上記(iii)の典型例としては、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及び両シートの間に改質吸水性樹脂粒子を保持した形態が挙げられる。液透過性シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等からなる不織布又は多孔質の合成樹脂シート等が挙げられ、液不透過性又は撥水性シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等からなる合成樹脂フィルム、又は合成樹脂と不織布との複合材料からなるフィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
吸収性物品は、具体的な用途に応じた各種部材を具備していてもよい。例えば、吸収性物品が使い捨ておむつや生理用ナプキン等である場合には、表面シート上の左右両側部に一対又は二対以上の立体ガードを配置することができる。
吸収性物品に対する改質吸水性樹脂粒子の添加量は、吸収性物品の種類やサイズ、目標とする吸収性能に応じて適宜決定することができる。例えば、吸収性物品が紙おむつや失禁パッドの場合は、改質吸水性樹脂粒子の添加量は、通常3〜20g/枚であり、吸収性物品が生理用ナプキン、パンティーライナー等の場合は、通常0.2〜3g/個である。二枚以上の吸水シートや不織布で挟んだシート状物に適用する場合は、通常10〜80g/m2程度である。
本発明の吸収性物品は、本発明の改質吸水性樹脂粒子を構成部材として有する。本発明の改質吸水性樹脂粒子を吸収性物品の構成部材(吸収体)内に使用した場合、改質吸水性樹脂粒子の通液性が高いことから、被吸収液が構成部材の隅々まで拡散し、吸収に供される吸水樹脂粒子が増え、結果的には構成部材の吸収量の増大につながるものと考えられる。
吸収性物品に改質吸水性樹脂粒子を適用する形態としては、改質吸水性樹脂粒子が吸収性物品中に保持された形態であればよい。例えば、(i)層状に配置されたパルプ、熱融着性繊維等の繊維状物の層の間に改質吸水性樹脂粒子を散粒する形態、(ii)パルプ、熱融着性繊維等の繊維状物と混合する形態、(iii)二枚以上の吸水シートや不織布でサンドイッチ様に挟んだ形態等が挙げられる。
上記(iii)の典型例としては、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及び両シートの間に改質吸水性樹脂粒子を保持した形態が挙げられる。液透過性シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等からなる不織布又は多孔質の合成樹脂シート等が挙げられ、液不透過性又は撥水性シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等からなる合成樹脂フィルム、又は合成樹脂と不織布との複合材料からなるフィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
吸収性物品は、具体的な用途に応じた各種部材を具備していてもよい。例えば、吸収性物品が使い捨ておむつや生理用ナプキン等である場合には、表面シート上の左右両側部に一対又は二対以上の立体ガードを配置することができる。
吸収性物品に対する改質吸水性樹脂粒子の添加量は、吸収性物品の種類やサイズ、目標とする吸収性能に応じて適宜決定することができる。例えば、吸収性物品が紙おむつや失禁パッドの場合は、改質吸水性樹脂粒子の添加量は、通常3〜20g/枚であり、吸収性物品が生理用ナプキン、パンティーライナー等の場合は、通常0.2〜3g/個である。二枚以上の吸水シートや不織布で挟んだシート状物に適用する場合は、通常10〜80g/m2程度である。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
以下において実施例又は比較例で得られた改質吸水性樹脂粒子又は吸水性樹脂粒子を「吸収性樹脂粒子」ともいい、乾燥改質吸水性樹脂粒子、又は乾燥改質吸水性樹脂粒子と同様の乾燥操作を行った吸水性樹脂粒子を「乾燥吸収性樹脂粒子」ともいう。
平均粒子径の算出及び吸水物性の測定・評価は、下記の方法で行った。なお、測定に際しては、目開き850μmの篩を通過した乾燥吸収性樹脂粒子を用い、事前に試料を23±2℃、湿度50±5%で24時間以上保存した上で、特記しない限り同じ環境で測定した。
以下において実施例又は比較例で得られた改質吸水性樹脂粒子又は吸水性樹脂粒子を「吸収性樹脂粒子」ともいい、乾燥改質吸水性樹脂粒子、又は乾燥改質吸水性樹脂粒子と同様の乾燥操作を行った吸水性樹脂粒子を「乾燥吸収性樹脂粒子」ともいう。
平均粒子径の算出及び吸水物性の測定・評価は、下記の方法で行った。なお、測定に際しては、目開き850μmの篩を通過した乾燥吸収性樹脂粒子を用い、事前に試料を23±2℃、湿度50±5%で24時間以上保存した上で、特記しない限り同じ環境で測定した。
(1)平均粒子径の算出方法
乾燥吸収性樹脂粒子の平均粒子径の算出は以下の方法で行った。
即ち試験用ふるい(JIS−Z8801−1参照)を、上から目開き850μm、600μm、500μm、355μm、106μm、受け皿、の順に組み合わせ、最上のふるいに乾燥吸収性樹脂粒子を約50g入れ、ロータップ式自動ふるい振とう器にて10分間
振とうした。
各ふるいに残留した乾燥吸収性樹脂粒子の重さを測定してから、各ふるいの目開きのサイズと、該ふるいを通過できなかった粒子(該ふるい上に残留する粒子と、より大きな目開きのふるいに残留した粒子を合わせたもの)全体に対する質量比(残留百分率)Rを片対数グラフ(横軸:粒径(対数目盛)、縦軸:残留百分率)にプロットし、R=50%に相当する粒子径を求めて平均粒子径とした。
(2)遠心保持量(g/g)の測定
ナイロン製の織布(メッシュ開き255、(株)三力製作所販売、品名:ナイロン網、規格:250×メッシュ巾×30m)を幅10cm、長さ40cmの長方形に切断して長手方向中央で二つ折りにし、両端をヒートシールして幅10cm(内寸9cm)、長さ20cmのナイロン袋W1(1g)を作製する。吸収性樹脂粒子W2(1g)を精秤し、作製したナイロン袋の底部に均一になるように入れ、このナイロン袋を、25℃に調温した生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水)に浸漬させる。浸漬開始から30分後にこのナイロン袋を生理食塩水から取り出し、1時間垂直状態に吊るして水切りした後、遠心脱水器(コクサン(株)製、型式H−130C特型)を用いて脱水する。脱水条件は、143G(800rpm)で10分間とする。脱水後、(試料+ナイロン製の織布)の重量(W3)を測定し、下式により遠心保持量(g/g)を算出した。
遠心保持量(g/g)={W3−(W1+W2)}/W2
乾燥吸収性樹脂粒子の平均粒子径の算出は以下の方法で行った。
即ち試験用ふるい(JIS−Z8801−1参照)を、上から目開き850μm、600μm、500μm、355μm、106μm、受け皿、の順に組み合わせ、最上のふるいに乾燥吸収性樹脂粒子を約50g入れ、ロータップ式自動ふるい振とう器にて10分間
振とうした。
各ふるいに残留した乾燥吸収性樹脂粒子の重さを測定してから、各ふるいの目開きのサイズと、該ふるいを通過できなかった粒子(該ふるい上に残留する粒子と、より大きな目開きのふるいに残留した粒子を合わせたもの)全体に対する質量比(残留百分率)Rを片対数グラフ(横軸:粒径(対数目盛)、縦軸:残留百分率)にプロットし、R=50%に相当する粒子径を求めて平均粒子径とした。
(2)遠心保持量(g/g)の測定
ナイロン製の織布(メッシュ開き255、(株)三力製作所販売、品名:ナイロン網、規格:250×メッシュ巾×30m)を幅10cm、長さ40cmの長方形に切断して長手方向中央で二つ折りにし、両端をヒートシールして幅10cm(内寸9cm)、長さ20cmのナイロン袋W1(1g)を作製する。吸収性樹脂粒子W2(1g)を精秤し、作製したナイロン袋の底部に均一になるように入れ、このナイロン袋を、25℃に調温した生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水)に浸漬させる。浸漬開始から30分後にこのナイロン袋を生理食塩水から取り出し、1時間垂直状態に吊るして水切りした後、遠心脱水器(コクサン(株)製、型式H−130C特型)を用いて脱水する。脱水条件は、143G(800rpm)で10分間とする。脱水後、(試料+ナイロン製の織布)の重量(W3)を測定し、下式により遠心保持量(g/g)を算出した。
遠心保持量(g/g)={W3−(W1+W2)}/W2
(2)吸水速度の評価(Vortex法)
100mLのガラスビーカーに生理食塩水50gを入れ、マグネチクスターラーで状に載せ、600rpm/分で撹拌する。吸収性樹脂粒子2gを素早く投入し、同時にストップウオッチにてビーカー内の液面のボルテックスがなくなるのに要する時間(吸水時間、T秒)を計測する。吸水時間が短い程、吸水速度が速いといえる。
100mLのガラスビーカーに生理食塩水50gを入れ、マグネチクスターラーで状に載せ、600rpm/分で撹拌する。吸収性樹脂粒子2gを素早く投入し、同時にストップウオッチにてビーカー内の液面のボルテックスがなくなるのに要する時間(吸水時間、T秒)を計測する。吸水時間が短い程、吸水速度が速いといえる。
(3)加圧下通液速度(SDP法、mL/分)の測定
200mLのガラスビーカーに、吸収性樹脂粒子0.32gを精秤し、更に生理食塩水100mLを加え、30分間放置する。別途、SAP加圧下通液速度測定装置(SDP社製)を用い、垂直に立てた円筒(内径25.4mm)の開口部の下端に、過円筒管を用意し、コックを閉鎖した状態で該円筒管内に、膨潤した吸収性ポリマーを含む上記ビーカーの内容物全てを投入する。
次いで、目開きが150μmで直径25mmの金網を先端に備えた直径2mmの円柱棒を濾過円筒管内に挿入して、該金網と吸収性樹脂粒子とが接するようにし、更に吸収性樹脂粒子に2.0kPaの荷重が加わるようにおもりを載せる。この状態で1分間放置した後、コックを開いて液を流し、濾過円筒管内の液面が60mLの目盛り線から40mLの目盛り線に達する(20mLの液が通過する)までの時間(T1)(秒)を計測した。 別途、膨潤した吸収性樹脂粒子を含まない生理食塩水のみの系でも同様な操作を行い、液面が60mLの目盛り線から40mLの目盛り線に達する(20mLの液が通過する)までの時間(T0)(秒)を計測した。
下式により2.0kPaでの加圧下における通液速度を算出した。
加圧下通液速度(mL/分)=20×60/(T1−T0)
200mLのガラスビーカーに、吸収性樹脂粒子0.32gを精秤し、更に生理食塩水100mLを加え、30分間放置する。別途、SAP加圧下通液速度測定装置(SDP社製)を用い、垂直に立てた円筒(内径25.4mm)の開口部の下端に、過円筒管を用意し、コックを閉鎖した状態で該円筒管内に、膨潤した吸収性ポリマーを含む上記ビーカーの内容物全てを投入する。
次いで、目開きが150μmで直径25mmの金網を先端に備えた直径2mmの円柱棒を濾過円筒管内に挿入して、該金網と吸収性樹脂粒子とが接するようにし、更に吸収性樹脂粒子に2.0kPaの荷重が加わるようにおもりを載せる。この状態で1分間放置した後、コックを開いて液を流し、濾過円筒管内の液面が60mLの目盛り線から40mLの目盛り線に達する(20mLの液が通過する)までの時間(T1)(秒)を計測した。 別途、膨潤した吸収性樹脂粒子を含まない生理食塩水のみの系でも同様な操作を行い、液面が60mLの目盛り線から40mLの目盛り線に達する(20mLの液が通過する)までの時間(T0)(秒)を計測した。
下式により2.0kPaでの加圧下における通液速度を算出した。
加圧下通液速度(mL/分)=20×60/(T1−T0)
<合成例1(界面活性剤(A−3)としてのポリオキシアルキレンエーテルリン酸エステルの合成)>
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を付設した容量500mLの四つ口丸底フラスコに、「ポリオキシアルキレン(エチレンオキシド/プロピレンオキシド/エチレンオキシド=5/4/5(モル比換算)のトリブロック型)アルキル[炭素数12/炭素数14=7/3(原料アルコールの質量比換算)]エーテル(水酸基価:63.8mgKOH/g)」を300g仕込んだ。次いで、50mL/minで窒素ガスを導入しながら、200rpmで撹拌を行い、昇温を開始した。オイルバスの温度が設定値の40℃(内温は35〜38℃)に到達してから40分間、窒素置換を行った。ここに無水リン酸17.75gを、内温が60℃を超えないようにしながら、添加した。添加終了後、内温を60℃まで昇温して、1時間撹拌した。更に内温を80℃まで昇温して、15時間撹拌した。ここにイオン交換水9.53gを添加し、更に4時間撹拌を行うことにより、ポリオキシアルキレンエーテルリン酸エステルを合成した。
撹拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を付設した容量500mLの四つ口丸底フラスコに、「ポリオキシアルキレン(エチレンオキシド/プロピレンオキシド/エチレンオキシド=5/4/5(モル比換算)のトリブロック型)アルキル[炭素数12/炭素数14=7/3(原料アルコールの質量比換算)]エーテル(水酸基価:63.8mgKOH/g)」を300g仕込んだ。次いで、50mL/minで窒素ガスを導入しながら、200rpmで撹拌を行い、昇温を開始した。オイルバスの温度が設定値の40℃(内温は35〜38℃)に到達してから40分間、窒素置換を行った。ここに無水リン酸17.75gを、内温が60℃を超えないようにしながら、添加した。添加終了後、内温を60℃まで昇温して、1時間撹拌した。更に内温を80℃まで昇温して、15時間撹拌した。ここにイオン交換水9.53gを添加し、更に4時間撹拌を行うことにより、ポリオキシアルキレンエーテルリン酸エステルを合成した。
<合成例2>(吸水性樹脂粒子(A)の合成)
攪拌機、還流冷却管、単量体滴下口、窒素ガス導入管、温度計を取り付けたSUS304製5L反応容器(アンカー翼使用)に界面活性剤として合成例1で合成したポリオキシアルキレンエーテルリン酸エステル0.589g(有効成分量0.571g)を仕込み、n−ヘプタン991gを加えた。窒素ガスの雰囲気下、300r/minで攪拌を行いながら90℃まで昇温した。
攪拌機、還流冷却管、単量体滴下口、窒素ガス導入管、温度計を取り付けたSUS304製5L反応容器(アンカー翼使用)に界面活性剤として合成例1で合成したポリオキシアルキレンエーテルリン酸エステル0.589g(有効成分量0.571g)を仕込み、n−ヘプタン991gを加えた。窒素ガスの雰囲気下、300r/minで攪拌を行いながら90℃まで昇温した。
一方、2L三つ口フラスコ中に、80質量%アクリル酸とイオン交換水、30質量%苛性ソーダ水溶液から、単量体(A−1)水溶液としてアクリル酸ナトリウム(72モル%中和品、濃度54.4質量%)1049.7gを得た。この単量体(A−1)水溶液に、N−アシル化グルタミン酸ソーダ(味の素(株)製、商品名:アミソフトPS−11)0.245gをイオン交換水4.4gに溶解させたものを添加した後、527.2gずつに二分割した(単量体(A−1)水溶液a1)。
次いで、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(和光純薬工業(株)製、重合開始剤、商品名:V−50、水への溶解度23.2g/100g)0.0265g、ポリエチレングリコール(花王(株)製、商品名:K−PEG6000 LA)0.102g、イオン交換水3.5gを混合溶解し、開始剤(X)溶液を調製した。また、過硫酸ナトリウム(水への溶解度55.6g/100g)0.571gをイオン交換水10gに溶解し、開始剤(Y)溶液を調製した。
単量体(A−1)水溶液a1に、開始剤(X)溶液を加えて単量体a1−X溶液を調製し、単量体(A−1)水溶液a1に、開始剤(Y)溶液を加えて単量体a1−Y溶液を調製した。
粒子製造工程として、系内温度90℃に加熱した前記の5L反応容器内に、単量体溶液滴下口からマイクロチューブポンプを用いて、5分以上静置した単量体a1−X、a1−Yの各溶液を順に30分ずつ、合計60分間滴下し重合した(重合時間60分)。単量体溶液滴下終了後、脱水管を用いて共沸脱水を行い、ポリマー(ハイドロゲル)の含水率を70質量%に調整した後、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX−810、エポキシ当量113)0.224gをイオン交換水10gに溶解したものを添加した。その後、含水率を35質量%まで脱水し、85℃で60分間後架橋を施した吸水性樹脂粒子(A)を分散したn-ヘプタン分散液を得た。
<実施例1>
合成例2で得られた吸水性樹脂粒子(A)を分散したn−ヘプタン分散液の温度を85℃とし、酢酸ビニル5g、ラウロイルパーオキサイド(水に不溶)0.1g、n−ヘプタン20gを混合した単量体(B)溶液(b1)を添加し、2時間重合を行った。内容物を冷却後、n−ヘプタンを除去・乾燥させた後、フュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、AEROSIL200)を0.5質量%混合処理することにより改質吸水性樹脂粒子(1)480gを得た。該改質吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該改質吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定・評価を行って得られた結果を表1に示す。
合成例2で得られた吸水性樹脂粒子(A)を分散したn−ヘプタン分散液の温度を85℃とし、酢酸ビニル5g、ラウロイルパーオキサイド(水に不溶)0.1g、n−ヘプタン20gを混合した単量体(B)溶液(b1)を添加し、2時間重合を行った。内容物を冷却後、n−ヘプタンを除去・乾燥させた後、フュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、AEROSIL200)を0.5質量%混合処理することにより改質吸水性樹脂粒子(1)480gを得た。該改質吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該改質吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定・評価を行って得られた結果を表1に示す。
<実施例2〜5>
合成例2と同じ操作を行って得られたn−ヘプタン中に分散した吸水性樹脂粒子(A)を原料に用い、実施例1における単量体(B)である酢酸ビニルを、それぞれ表1記載の単量体(B)、即ちスチレン(実施例2)、メタクリル酸メチル(実施例3)、ジエチルアミノエチルメタクリレート(実施例4)、イソブチルメタクリレート(実施例5)に変更した以外は、実施例1と同様な操作で重合を行い、それぞれ改質吸水性樹脂粒子(2)478g、(3)481g、(4)474g、(5)481g、を得た。得られたそれぞれの改質吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該改質吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定・評価結果を表1に示す。
合成例2と同じ操作を行って得られたn−ヘプタン中に分散した吸水性樹脂粒子(A)を原料に用い、実施例1における単量体(B)である酢酸ビニルを、それぞれ表1記載の単量体(B)、即ちスチレン(実施例2)、メタクリル酸メチル(実施例3)、ジエチルアミノエチルメタクリレート(実施例4)、イソブチルメタクリレート(実施例5)に変更した以外は、実施例1と同様な操作で重合を行い、それぞれ改質吸水性樹脂粒子(2)478g、(3)481g、(4)474g、(5)481g、を得た。得られたそれぞれの改質吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該改質吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定・評価結果を表1に示す。
<実施例6〜8>
合成例2と同じ操作を行って得られたn−ヘプタン中に分散した吸水性樹脂粒子(A)を原料に用い、実施例1における単量体(B)を、それぞれ表1記載のとおり、メタクリル酸メチル(実施例6)、スチレン(実施例7)、酢酸ビニル(実施例8)とした点、当該単量体(B)の量を5gから15gに変更した点、またラウロイルパーオキサイド0.1gを0.3gに変更した以外は実施例1と同様な操作で重合を行い、改質吸水性樹脂粒子(6)477g、(7)480g、(8)478gを得た。得られたそれぞれの改質吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該改質吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定・評価結果を表1に示す。
合成例2と同じ操作を行って得られたn−ヘプタン中に分散した吸水性樹脂粒子(A)を原料に用い、実施例1における単量体(B)を、それぞれ表1記載のとおり、メタクリル酸メチル(実施例6)、スチレン(実施例7)、酢酸ビニル(実施例8)とした点、当該単量体(B)の量を5gから15gに変更した点、またラウロイルパーオキサイド0.1gを0.3gに変更した以外は実施例1と同様な操作で重合を行い、改質吸水性樹脂粒子(6)477g、(7)480g、(8)478gを得た。得られたそれぞれの改質吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該改質吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定・評価結果を表1に示す。
<比較例1>
合成例2と同じ操作を行って得られた吸水性樹脂粒子(A)を分散したn−ヘプタン分散液を冷却後、n−ヘプタンを除去・乾燥させた後、フュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、AEROSIL200)を0.5質量%混合処理することにより吸水性樹脂粒子(1)486gを得た。得られた吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定結果を表1に示す。
合成例2と同じ操作を行って得られた吸水性樹脂粒子(A)を分散したn−ヘプタン分散液を冷却後、n−ヘプタンを除去・乾燥させた後、フュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、AEROSIL200)を0.5質量%混合処理することにより吸水性樹脂粒子(1)486gを得た。得られた吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定結果を表1に示す。
<比較例2及び3>
合成例2と同じ操作を行って得られたn−ヘプタン中に分散した吸水性樹脂粒子(A)を原料に用い、単量体(B)をそれぞれスチレン0.25g(比較例2)又は100g(比較例3)に変更し、またラウロイルパーオキサイド0.1gを0.005g(比較例2)又は2.0g(比較例3)に変更した以外は実施例1と同様な操作で重合を用い、改質吸水性樹脂粒子(9)481gおよび改質吸水性樹脂粒子(10)546gを得た。得られたそれぞれの改質吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該改質吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定・評価結果を表1に示す。
合成例2と同じ操作を行って得られたn−ヘプタン中に分散した吸水性樹脂粒子(A)を原料に用い、単量体(B)をそれぞれスチレン0.25g(比較例2)又は100g(比較例3)に変更し、またラウロイルパーオキサイド0.1gを0.005g(比較例2)又は2.0g(比較例3)に変更した以外は実施例1と同様な操作で重合を用い、改質吸水性樹脂粒子(9)481gおよび改質吸水性樹脂粒子(10)546gを得た。得られたそれぞれの改質吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該改質吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定・評価結果を表1に示す。
<比較例4>
合成例2と同じ操作を行って得られたn−ヘプタン中に分散した吸水性樹脂粒子(A)にアミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、KF−864)5.0gを添加し、室温で撹拌混合した。n−ヘプタンを除去・乾燥させた後、フュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、AEROSIL200)を0.5質量%混合処理することにより改質吸水性樹脂粒子(11)483gを得た。得られた改質吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該改質吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定・評価結果を表1に示す。
合成例2と同じ操作を行って得られたn−ヘプタン中に分散した吸水性樹脂粒子(A)にアミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、KF−864)5.0gを添加し、室温で撹拌混合した。n−ヘプタンを除去・乾燥させた後、フュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、AEROSIL200)を0.5質量%混合処理することにより改質吸水性樹脂粒子(11)483gを得た。得られた改質吸水性樹脂粒子の95質量%以上は、粒子径が106〜850μmの範囲にある粒子であった。該改質吸水性樹脂粒子の吸水物性の測定・評価結果を表1に示す。
(原材料等)
本実施例及び比較例において、以下の原材料等を使用した。
アクリル酸(分子量72.1、和光純薬工業(株)社製)
メタクリル酸(分子量86.1、和光純薬工業(株)社製)
酢酸ビニル(分子量86.1、和光純薬工業(株)社製、水への溶解度2.5g/100g)
スチレン(分子量104.2、キシダ化学(株)社製、水への溶解度0.03g/100g)
メタクリル酸メチル(分子量100.1、和光純薬工業(株)社製、水への溶解度1.6g/100g)
ジエチルアミノエチルメタクリレート(分子量185.3、和光純薬工業(株)社製、水への溶解度1.1g/100g)
イソブチルメタクリレート(分子量142.2、和光純薬工業(株)社製、水への溶解度0.06mg/100g)
KF−864(アミノ変性シリコーン、信越化学工業(株)社製)
本実施例及び比較例において、以下の原材料等を使用した。
アクリル酸(分子量72.1、和光純薬工業(株)社製)
メタクリル酸(分子量86.1、和光純薬工業(株)社製)
酢酸ビニル(分子量86.1、和光純薬工業(株)社製、水への溶解度2.5g/100g)
スチレン(分子量104.2、キシダ化学(株)社製、水への溶解度0.03g/100g)
メタクリル酸メチル(分子量100.1、和光純薬工業(株)社製、水への溶解度1.6g/100g)
ジエチルアミノエチルメタクリレート(分子量185.3、和光純薬工業(株)社製、水への溶解度1.1g/100g)
イソブチルメタクリレート(分子量142.2、和光純薬工業(株)社製、水への溶解度0.06mg/100g)
KF−864(アミノ変性シリコーン、信越化学工業(株)社製)
なお、各実施例および各比較例で得られた改質吸水性樹脂粒子の遠心保持量、吸水速度、加圧下通液速度を表1に示す。
表の結果から明らかなように、各実施例で得られた改質吸水性樹脂粒子はいずれも遠心保持量および吸水速度の低下が少ない範囲で、加圧下通液速度を飛躍的に高めることができる。
本発明の改質吸水性樹脂粒子は、遠心保持量および吸水速度を維持したまま、加圧下通液速度を飛躍的に高めることができ、吸収体内に使用した場合、吸水性樹脂粒子の通液性が高いことから、吸収に供される有効な吸水樹脂粒子が増え、薄型のオムツやナプキン等にきわめて好適に使用される。
Claims (7)
- 架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)、乾燥状態の前記吸水性樹脂粒子(A)に対して0.1〜10質量%の疎水性不飽和単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)の存在下で、前記疎水性不飽和単量体(B)の重合を行って得られる改質吸水性樹脂粒子。
- 疎水性不飽和単量体(B)が、(メタ)アクリル酸エステル誘導体、ビニルエステル誘導体及び芳香族ビニル類から選ばれる1種以上の単量体である、請求項1に記載の改質吸水性樹脂粒子。
- ラジカル重合開始剤(C)が、疎水性ラジカル重合開始剤である、請求項1又は2に記載の改質吸水性樹脂粒子。
- ラジカル重合開始剤量(C)が、疎水性不飽和単量体(B)に対して0.01〜10質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の改質吸水性樹脂粒子。
- 架橋ポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体である、請求項1〜4のいずれかに記載の改質吸水性樹脂粒子。
- 架橋ポリマーを含有する吸水性樹脂粒子(A)、乾燥状態の前記吸水性樹脂粒子(A)に対して0.1〜10質量%の疎水性不飽和単量体(B)、及びラジカル重合開始剤(C)の存在下で重合を行う、改質吸水性樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の改質吸水性樹脂粒子を構成部材として有する、吸収性物品。
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